説明

皿ばねの製造方法

【課題】 帯材から皿ばねを成形する。
【解決手段】 帯材10を曲げ成形によってリング状に成形する。帯材10は、溶接部位に配される帯材の材料がそれ以外の部位に配される帯材の材料よりも多くなるようにする。リング状に成形した帯材10の両端部をビーム26によって溶接する。溶接後の溶接部位28の両面に凸部が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皿ばねの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
皿ばねの製造方法としては、鋼製の平板材をプレス機でリング状に打ち抜いて成形する方法(以下、打抜き法と呼ぶ)が知られている。打抜き法では、平板材の多くの部分が廃材となり、材料歩留まりが悪い。このため、材料歩留まりのよい皿ばねの製造方法が提案されている(例えば、特許文献1〜5)。この製造方法では、鋼製の帯材をリング状に曲げ成形した後に切断し、その帯材の両端を突き合わせて溶接することによって接合し、接合した帯材を切頭円錘筒形状に成形している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−106277号公報
【特許文献2】特開平8−135706号公報
【特許文献3】特開2001−225112号公報
【特許文献4】特開2003−329072号公報
【特許文献5】特開2004−202499号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の文献に記載の製造方法を実用化するためには、溶接歪み等の溶接品質を高める必要があり、そのためには溶接による熱影響が生じる領域を小さくする必要がある。かかる観点からは、エネルギー密度の高いビーム溶接によって、帯材の両端部を溶接することが好ましい。しかしながら、本願発明者らが帯材の両端部をビーム溶接によって溶接してみたところ、ビーム照射によって溶融した材料が重力で下垂し、溶接部に凹みが発生することが判明した。溶接部に生じた凹みは、応力集中を引き起こし、亀裂発生を誘発する可能性を高めると共に、疲労強度の低下を招くといった問題を生じさせる。
本願は、上述した実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、帯材から皿ばねを製造する製造方法において、ビーム溶接により帯材の両端部を溶接しても、溶接部位に凹みが発生することを防止することが可能な技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書によって開示される皿ばねの製造方法は、帯材を曲げ成形することでリング状に成形する成形工程と、帯材の両端部をビーム溶接により接合する溶接工程を備えている。溶接工程では、溶接後の溶接部位の両面に凸部が形成されるように、溶接部位に配される帯材の材料を、それ以外の部位に配される帯材の材料よりも多くされる。
【0006】
上記の構成によると、帯材の両端部をビーム溶接する際に、溶接部位に配する帯材の材料を他の部位よりも多くすることで、溶接後の溶接部位の両面に凸部が形成される。これによって、溶接部位に凹みが発生することを防ぐことができる。なお、溶接部位に生じた凸部は、溶接工程後に除去することによって、溶接部位に凹みのない皿ばねとすることができる。
【0007】
溶接部位にその他の部位よりも多くの帯材を配する方法としては種々の方法を採ることができる。例えば、溶接部位に配される帯材の材料がそれ以外の部位に配される帯材の材料よりも多くなるように、溶接工程の前に帯材の少なくとも一方の端部を加工してもよいし、あるいは、溶接部位に溶加材を添加するようにしてもよい。
【0008】
また、溶接部位に配される帯材の体積は、それ以外の部位に配される帯材の体積よりも、帯材の短手方向の長さ1mm当り0.6〜5.5mmだけ多くされ、また、溶接部位の帯材の長手方向の長さが1.0〜5.0mmとすることができる。このように帯材を配することで、溶接後の溶接部位に十分な凸部を形成することができ、また、溶接による熱影響部を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施形態の皿ばねの曲げ成形工程を示す。
【図2】本実施形態の皿ばねの曲げ成形工程後の各工程を示す。
【図3】本実施形態の帯材の片端部加工の一例を示す。
【図4】本実施形態の帯材の両端部加工の一例を示す。
【図5】本実施形態の溶加材の添加例を示す。
【図6】本実施形態の溶加材の他の添加例を示す。
【図7】本実施形態の好適な凸部の大きさを説明する図。
【図8】実施例1の溶接部位の写真。
【図9】補充部材を供給しない場合の溶接部の写真。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本実施形態に係る皿ばねの製造方法を、図1,図2を用いて説明する。本実施形態では、帯材をリング状に曲げ成形する曲げ成形工程と、リング状に成形した帯材の両端部をビーム溶接により接合する溶接工程と、溶接工程で生じた凸部を除去する凸部除去工程と、凸部が除去された帯材を皿ばねに成形する皿ばね成形工程からなっている。以下、各工程について説明する。
【0011】
(曲げ成形工程)
図1に示すように、成形装置はローラ14,16を備えている。ローラ14,16は互いに独立して図示の矢印方向に回転可能となっている。なお、ローラ14,16以外にも図示しない複数のローラが設置されている。ローラ14,16の下流には曲げガイド18が配されている。曲げガイド18は所定の角度で傾斜している。曲げガイド18の下流近傍には図示しないカッターが配されている。
【0012】
曲げ成形工程では、皿ばねの素形材である帯材10をローラ14,16の間に設置する。帯材10には、例えばSK85(SK5),SK85M(SK5M)、SWRH82A等の公知の鋼材を使用することができる。鋼材は、例えば長尺の平板状素材がロール状に巻かれた状態のものを用いることができる。
【0013】
成形装置に設置された帯材10は、ローラ14,16の回転によって、端部12から連続的に曲げガイド18に送り出される。曲げガイド18が所定の角度で傾斜しているため、曲げガイド18に送り出された帯材10には曲げ加工が施される。これによって、帯材10がリング状に成形される。図1では、帯材10の長手方向に伸びる側面の一つが外周側の縁となり、他方の側面が内周側の縁となる。上記の所定の角度は、ばね製品の所望とする径に基づいて決定される。
【0014】
帯材10が所定の長さまで送り出されて曲げガイド18を通過すると、帯材10はカッターによって切断される。このときの帯材10の切断面は、図1では端部22として示される。端部12と端部22は互いに突き合わせ可能な状態となっている。上記の所定の長さは、上記の所定の角度と同様に、ばね製品の所望とする径に基づいて決定される。
【0015】
(溶接工程)
図2に示すように、溶接装置は帯材10の溶接部位にビーム26の照射が可能に構成されている。ビーム26は、帯材10の長手方向または短手方向にスライドでき、また、その場で回転することができる。ここでいうビームとは、電子ビームや、レーザービーム等が含まれる。ビーム溶接は真空中で行うため、溶接部位の酸化を防止することができる。また、エネルギー密度が非常に高いため、溶接による熱影響が生じる部位が非常に狭く、熱歪の極めて小さな溶接が可能である。溶接装置には、公知のビーム溶接装置を使用することができる。
【0016】
溶接工程では、溶接部位に配される帯材の材料がそれ以外の部位に配される帯材の材料よりも多くなるようする。すなわち、溶接部位に帯材の材料(鋼材)を補充する。リング状に成形した帯材10を水平面に載置してビーム26を上下方向(重力方向)に照射する場合は、リング状に成形した帯材10の上面側に帯材の材料を補充する。これによって、溶接により溶融した帯材の一部が重力で下垂しても、溶融部位の上面に帯材の材料が補充されているため、溶接後は溶接部位の上面と下面の両面に凸部を形成することができる。
【0017】
溶接部位に補充される帯材の体積は、例えば、帯材の短手方向の長さ1mm当り0.6〜5.5mmだけ多くされることが好ましい。溶接部位に配される帯材の体積が、0.6mmより小さいと、溶接後に溶接部位の両面に十分な凸部を形成することができないためである。一方で、5.5mmより大きいと、材料が無駄になるためである。より好ましくは、1.3〜3.5mmとの範囲とする。1.3〜3.5mmとすることで、適切な大きさの凸部を形成することができる。また、溶接部位の帯材の長手方向の長さは1.0〜5.0mmであることが好ましく、より好ましくは2〜4mmとする。溶接部位の長さを上記の範囲とすることで、熱影響部を小さくしながら、十分な高さの凸部を形成することができる。
【0018】
溶接部位に帯材の材料を補充する方法としては、帯材の端部を加工する方法を採ることができる。例えば、リング状に成形した帯材10を水平面に載置してビーム26を上下方向(重力方向)に照射する場合は、帯材10の端部を上方に突出する凸形状に加工することによって、溶接部位に帯材の材料を補充することができる。帯材の端部を凸形状に加工する方法には、適宜公知の加工方法を用いることができる。例えば、帯材の端部を曲げることで凸形状を形成してもよいし、あるいは、帯材の端部を鍛造することによって帯材の端部に凸形状を形成してもよい。また、凸形状の形成は、リング状に成形する曲げ成形工程の前に実行してもよいし、曲げ成形工程の間に実行してもよいし、曲げ成形工程の後であって、溶接工程の前に実行してもよい。さらに、凸形状の断面形状は特定の形状に限定されず、半円状、三角形や四角形等の幾何学的な形状等とすることができる。
【0019】
図3には、帯材の一方の端部を凸形状に加工した例を示す。図3に示すように、帯材10の一方の端部は、高さ44と幅42の凸形状部40が形成されている。凸形状部40の一部は、帯材10の一方の端部46より他方の端部48側に突出した状態となり、帯材10の両端部46,48が突き合わせ可能となっている。帯材10の両端部46,48を突き合わせた状態では、凸形状部40の一部が端部48の上面と重なる。これによって、端部46,48の溶接部位に凸形状部40の分だけ材料(帯材の材料)が補充される。なお、図3に示す例では、帯材10の両端部46,48が幅42のほぼ中心となるように突き合わされることで、溶接部位の両側にほぼ均等に帯材の材料を補充することができる。ただし、溶接部位の両端部に均等に材料を補充する必要は必ずしもない。溶接後の溶融部位に凸部が形成されてさえいればよいためである。
【0020】
また、図4に示すように、帯材の両端部58,60に凸形状部50,52を加工することで、溶接部位に帯材の材料を補充してもよい。凸形状部50,52を突き合わせることによって、溶接部位に凸形状部50,52の分だけ材料を補充することができる。なお、図4に示す例では、帯材の両端に凸形状部50,52を形成するため、帯材の両端が接触する面積を増大することができ、良好な溶接品質を得ることができる。また、帯材の両端の凸形状部50,52を同一形状とすることで、帯材10の両端部58,60に均等に帯材の材料を補充しているが、上述したように両端部58,60に均等に材料を補充する必要は必ずしもない。また、帯材10の両端部58,60に形成した凸形状部の形状等は、適宜変更することができる。例えば、一方の端部の凸形状部が帯材の上面側に突出し、もう一方の端部の凸形状部が帯材の裏面側に突出するようにしてもよい。
【0021】
また、溶接部位に帯材の材料を補充する他の方法としては、帯材10の溶接部位に溶加材を添加する方法を採ることができる。例えば、図5に示す例では、帯材10の両端部12,22の間に溶加材70を挟み込むことによって、帯材の材料を補充している。溶加材70の高さ76は、帯材10の厚みよりも高くし、溶加材70の長さ74は帯材10の短手方向の長さ以上とされている(ただし、図5では同一長さ)。あるいは、図6に示すように、帯材10の両方の端部12,22を突き合わせた部位に溶加材78を乗せることによって、溶接部位に帯材の材料を補充することができる。この場合、溶加材78の長さ82は、帯材10の短手方向の長さ以上とされている。
【0022】
なお、溶加材70,78には、帯材10と同じ材料を用いてもよいし、帯材10とは異なる公知の材料を用いてもよい。さらに、溶加材70,78の形状は図5,6の例に限られず、任意の形状を採ることができる。
【0023】
上述したように、溶接部位に帯材10の材料が補充されることで、溶接部位には凸形状部が形成される。図2では、凸形状部を24として示している。このため、凸形状部24及び帯材の両端部にビーム26を照射することによって、凸形状部24と突合部位20が溶融して固化することで、帯材10の端部間が接合した、溶接部位28を形成する。ビーム溶接の溶接条件は、皿ばねの寸法や鋼材の種類によって適宜設定することができる。
【0024】
溶接部位には帯材の材料が補充されているため、ビーム溶接によって形成された溶接部位28には凸部が形成される。図7は、ビーム溶接後の溶接部位を、外周側の側面から見た状態を図示している。ビーム溶接により溶融・固化した帯材10及び凸形状部24は、溶接部位の表面では凸部86を形成し、溶接部位の裏面では凸部88を形成する。すなわち、溶接後の溶接部位28の両面に凸部86,88が形成される。
【0025】
ビーム26の照射が終了すると、溶接部位28を冷却する。冷却速度は適宜決定することができ、空冷してもよいし、炉冷としてもよい。なお、加工硬化による内部の歪みを取り除くために、焼きなまし処理等の溶接後熱処理を行っても良い。
【0026】
(凸部除去工程)
溶接工程後に、溶接工程によって生じたバリや、溶融して盛り上がった凸部、溶融して下垂した凸部を取るためのバリ取り工程を実行する。バリ取り工程によって、溶接部位28の両面の凸部を平坦にする。バリ取り工程には、公知のトリミング加工を用いることができる。バリ取り工程を、ビード除去処理工程と呼ぶこともできる。
【0027】
(皿ばね成形工程)
次いで、両端部が溶接により接合された帯材10をプレス装置によりプレス成形する。プレス装置は、円錘筒形状の成形面を有する成形用金型を備えている。成形用金型の金型面は、所定の角度で勾配を有するテーパー面が形成されている。成形用金型に帯材10をセットして、帯材10に所定の圧力を作用させることによって、帯材10に円錘筒形状のテーパー面を成形する。これによって、図2に示されるように、切頭円錘筒形状の皿ばね2が得られる。なお、プレス装置は、公知のプレス加工機を使用することができる。
【0028】
上述したことから明らかなように、本実施形態では、溶接部位に帯材の材料を補充することでビーム溶接後の溶接部位の両面に凸部を形成し、その凸部をビーム溶接後に除去することで、凹部のない平坦な皿ばねを製造する。溶接部位に凹部が生じないため、応力集中が生じず、疲労強度に優れた皿ばねを製造することができる。
【0029】
以上、本実施形態の皿ばねの製造方法について詳しく説明した。次に、上述した製造方法により皿ばねを製造した一実施例を説明する。
【実施例1】
【0030】
本実施例では、帯材の一方の端部に凸形状部を加工することで、溶接部位に帯材の材料を補充した。帯材は、短手方向の長さが13.5mm、厚さが2.7mmのSK85を使用した。リング状に成形した帯材の端部にアップセット加工を施すことによって、凸形状部を形成した。本実施例の凸形状部は、幅42が4.0mm、高さ44が1.0mm、端部46の位置は幅42のほぼ中心とした(図3参照)。凸形状部により溶融部位に補充した材料の体積は、帯材の短手方向の長さ1mmあたり2.8mmとなった。帯材に凸形状部を成形した後、帯材を洗浄及び乾燥し、脱磁を行った。
【0031】
帯材の端部を突き合わせて固定し、電子ビーム溶接により帯材の両端部を接合した。溶接部位の帯材の長手方向の長さは4mmとした。溶接条件は、電子ビームの照射時間がおよそ1秒、ビーム出力(電流値25mA、電圧値60kV)、照射幅が0.2mmで、溶接溶融部の幅はおよそ4mmとした。図8は、溶接後の溶接部位の断面の写真を示している。図8から明らかなように、溶接後の溶接部位の両面には凸部が形成された。
なお、帯材の材料を補充しない場合には、溶接部位の両面に凸部が形成されない。図9は、溶接部位に帯材の材料を補充せずにビーム溶接を行ったときの溶接部位の断面の写真を示している。他の溶接条件は、実施例1と同一とした。図9から明らかなように、溶接後の溶接部位の上面には凹部ができ、溶接後の溶接部位の下面には凸部が形成された。これは、照射したビームが溶接部位を貫通することによって、溶融した帯材の材料が下垂することで、溶接部の下面に凸部が形成され、その一方、溶融金属が下垂した分、溶接部位の上面に凹みが生じためである。
【0032】
溶接後、溶接部位を焼きなまし処理して空冷した後、バリ取りによって溶接部位の凸部を除去した。次いで溶接部位にひび割れ等がないか検査を行い、最後にプレス装置に帯材を設置して、切頭円錘筒形状に成形し、皿ばねを得た。得られた皿ばねの表面には凹部がなく、平坦な平面を有する皿ばねであった。
【実施例2】
【0033】
本実施例では、帯材の両方の端部に凸形状部を形成し、溶接部位に帯材の材料を補充した。帯材には、実施例1と同様、短手方向の長さが13.5mm、厚さが2.7mmのSK85を使用した。リング状に成形した帯材の両端を上方に曲げることによって、図4に示すような凸形状部を帯材の両端に形成した。凸形状部の寸法は、幅54は2.0mm、高さ56は1.0mmとした。溶接条件等のその他の点については、実施例1と同様とした。本実施例で得られた皿ばねも、その表面に凹部が形成されず、平坦な平面を備えていた。
【実施例3】
【0034】
本実施例では、帯材の両端部間に溶加材を挟み込むことで、溶接部位に帯材の材料を補充した。帯材には、実施例1と同様に、短手方向の長さが13.5mm、厚さが2.7mmのSK85を使用した。リング状に成形した帯材10の両方の端部の間に、図5に示す溶加材を挟み込んだ。溶加材は、幅72が0.7mm、高さ76が6.0mm、長さ74は13.5mmのSK85を用いた。溶接条件等のその他の点については、実施例1と同様とした。本実施例で得られた皿ばねも、その表面に凹部が形成されず、平坦な平面を備えていた。
【実施例4】
【0035】
本実施例では、帯材の両端を突き合わせ、その上面に溶加材を乗せることによって、溶接部位に帯材の材料を補充した。帯材は、上述した実施例3と同様のものを用いた。図6に示すように、溶加材には、幅80は4.0mm、高さ84は0.7mm、長さ82は13.5mmのSK85を用いた。溶接条件等のその他の点については、実施例1と同様とした。本実施例で得られた皿ばねも、その表面に凹部が形成されず、平坦な平面を備えていた。
【0036】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0037】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0038】
10 帯材、12,22,46,48,58,60 端部、14,16 ローラ、18 曲げガイド、20 突合部位、24 凸形状部、26 ビーム、28 溶接部位、40,50,52 凸形状部、42,54,72,80 幅、44,56,76,84 高さ、70,78 溶加材、74,82 長さ、86,88 凸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
皿ばねの製造方法であって、
帯材を曲げ成形することでリング状に成形する成形工程と、
リング状に成形した帯材の両端部をビーム溶接により接合する溶接工程と、を備えており、
溶接工程では、溶接後の溶接部位の両面に凸部が形成されるように、溶接部位に配される帯材の材料がそれ以外の部位に配される帯材の材料よりも多くされることを特徴とする皿ばねの製造方法。
【請求項2】
溶接工程の前に帯材の少なくとも一方の端部を加工することで、溶接部位に配される帯材の材料がそれ以外の部位に配される帯材の材料よりも多くされていることを特徴とする請求項1に記載の皿ばねの製造方法。
【請求項3】
溶接部位に溶加材を添加することによって、溶接部位に配される帯材の材料がそれ以外の部位に配される帯材の材料よりも多くされていることを特徴とする請求項1に記載の皿ばねの製造方法。
【請求項4】
溶接部位に配される帯材の体積は、それ以外の部位に配される帯材の体積よりも、帯材の短手方向の長さ1mm当り0.6〜5.5mmだけ多くされており、
溶接部位の帯材の長手方向の長さが1.0〜5.0mmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の皿ばねの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−52777(P2011−52777A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−203229(P2009−203229)
【出願日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【出願人】(000210986)中央発條株式会社 (173)
【Fターム(参考)】