監視カメラシステム及び監視カメラシステムの制御方法
【課題】監視者が常時監視カメラの画像を監視することなく、監視領域内での異常の発生を認識することが可能な監視カメラシステム及び監視カメラシステムの制御方法を提供する。
【解決手段】監視カメラシステムは、所与の領域を撮像して画像データ100を生成する撮像部10と、画像データ100に基づいて撮像部10で撮像された人物の顔の特徴を示す特徴情報を生成し、生成された特徴情報を、人物が撮像された撮像日時情報と関連付けて記憶部に格納する特徴情報生成部30と、特徴情報に基づき、撮像された人物の同一性を判断し、同一人物にかかる撮像日時情報の履歴が予め設定された通知条件を満たすか否か判断し、満たす場合に通知信号を生成する通知信号生成部52と、通知信号を送信する送信部(通信処理部54)とを含む。
【解決手段】監視カメラシステムは、所与の領域を撮像して画像データ100を生成する撮像部10と、画像データ100に基づいて撮像部10で撮像された人物の顔の特徴を示す特徴情報を生成し、生成された特徴情報を、人物が撮像された撮像日時情報と関連付けて記憶部に格納する特徴情報生成部30と、特徴情報に基づき、撮像された人物の同一性を判断し、同一人物にかかる撮像日時情報の履歴が予め設定された通知条件を満たすか否か判断し、満たす場合に通知信号を生成する通知信号生成部52と、通知信号を送信する送信部(通信処理部54)とを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視カメラシステム及び監視カメラシステムの制御方法。
【背景技術】
【0002】
住宅地などにおいて、安全性を確保するために監視カメラが利用されている。そして、これまでの監視カメラでは、監視領域の異常の有無は、監視者が監視カメラの画像を監視することによって判断していた。
【0003】
監視カメラに求められる性質上、監視領域内で異常が発生した場合には、リアルタイムで異常を通知することが好ましいが、監視者が監視カメラの画像を常時監視することは困難である。
【特許文献1】特開2004−120108号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、監視者が常時監視カメラの画像を監視することなく、監視領域内での異常の発生を認識することを可能にする監視カメラシステム及び監視カメラシステムの制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)本発明に係る監視カメラシステムは、
所与の領域を撮像して画像データを生成する撮像部と、
前記画像データに基づいて前記撮像部で撮像された人物の顔の特徴を示す特徴情報を生成し、生成された前記特徴情報を、前記人物が撮像された撮像日時情報と関連付けて記憶部に格納する特徴情報生成部と、
前記特徴情報に基づき、撮像された人物の同一性を判断し、同一人物にかかる撮像日時情報の履歴が予め設定された通知条件を満たすか否か判断し、満たす場合に通知信号を生成する通知信号生成部と、
前記通知信号を送信する送信部と、
を含む。
【0006】
本発明に係る監視カメラシステムは、所定の領域(撮像部の撮像領域)における同一人物の行動態様を検出し、これが通知条件を満たす場合に通知信号を送信する。これによると、監視者は、通知信号を受信することによって撮像部の撮像領域に異常な行動態様を示す人物が出現したことを認識することができることから、監視カメラのモニターを常時チェックすることなく、撮像領域内での異常の発生を認識することができる。すなわち、本発明によると、監視者に負担をかけることなく、撮像領域で異常が発生したことを認識することが可能な監視カメラシステムを提供することができる。
【0007】
なお、本発明の監視カメラシステムでは、
前記通知信号生成部は、
新たに生成された前記特徴情報を、前記記憶部に格納されている他の前記特徴情報と比較して、前記新たに生成された特徴情報が所定の条件を満たす場合に前記通知信号を生成するようにしてもよい。
【0008】
あるいは、本発明の監視カメラシステムでは、
前記通知信号生成部は、
前記記憶部に格納されているいずれかの前記特徴情報を、前記記憶部に格納されている他の前記特徴情報と比較して、前記特徴情報が所定の条件を満たす場合に前記通知信号を生成するようにしてもよい。
【0009】
(2)この監視カメラシステムにおいて、
前記通知信号生成部は、
同一人物にかかる撮像日時情報の履歴に基づいて、当該人物が前記所定の領域に滞在している滞在時間を求め、前記滞在時間が予め設定された値を超えた場合に前記通知信号を生成してもよい。
【0010】
(3)この監視カメラシステムにおいて、
前記通知信号生成部は、
同一人物にかかる撮像日時情報の履歴に基づいて、当該人物が、所定の時間内に前記所与の領域に進入した進入回数を求め、前記進入回数が予め設定された値を超えた場合に前記通知信号を生成してもよい。
【0011】
(4)この監視カメラシステムにおいて、
前記送信部は、
前記通知信号に関連付けて、前記撮像部で撮像された人物の画像を表示するためのデータを送信してもよい。
【0012】
これによると、監視者は、撮像領域内での異常の発生の有無のみならず、異常と認知される原因たる人物の画像を入手することが可能になる。
【0013】
(5)この監視カメラシステムにおいて、
前記特徴情報生成部は、
前記画像データの各画素の画素情報に基づいて、前記画像データにおける前記顔の領域を特定し、
前記顔の領域の画素データを顔データとして抽出し、
抽出した顔データを正規化したデータに基づいて前記特徴情報を生成することを特徴としてもよい。
【0014】
なお、「画素情報」とは、例えば、画素ごとの輝度や色相データであってもよく、これらの情報をYUV、RGBデータから得る構成としてもよい。
【0015】
(6)本発明に係る監視カメラシステムの制御方法は、
所与の領域を撮像して画像データを生成する撮像手順と、
前記画像データに基づいて前記撮像手順で撮像された人物の顔の特徴を示す特徴情報を生成し、生成された前記特徴情報を、前記人物が撮像された撮像日時情報と関連付けて記憶部に格納する特徴情報生成手順と、
前記特徴情報に基づき、撮像された人物の同一性を判断し、同一人物にかかる撮像日時情報の履歴が予め設定された通知条件を満たすか否か判断し、満たす場合に通知信号を生成する通知信号生成手順と、
前記通知信号を送信する送信手順と、
を含む。
【0016】
本発明に係る監視カメラシステムの制御方法は、所定の領域(撮像部の撮像領域)における同一人物の行動態様を検出し、これが通知条件を満たす場合に通知信号を送信する。これによると、監視者は、通知信号を受信することによって撮像部の撮像領域に異常な行動態様を示す人物が出現したことを認識することができることから、常時監視カメラのモニターをチェックすることなく、撮像領域内での異常の発生を認識することができる。すなわち、本発明によると、監視者に負担をかけることなく、撮像領域で異常が発生したことを認識することが可能な監視カメラシステムの制御方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を適用した実施の形態に係る監視カメラシステムについて、図面を参照して説明する。ただし、本発明は以下に説明する内容に限定されるものではない。
【0018】
1.本実施の形態に係る監視カメラシステムの構成
以下、本実施の形態に係る監視カメラシステムの構成について、図1を参照しながら説明する。なお、図1は、本実施の形態に係る監視カメラシステムのブロック図である。
【0019】
本実施の形態に係る監視カメラシステムは、撮像部10を含む。撮像部10は、所定の領域を撮像して、図2に示す画像データ100を生成する。なお、図2は、撮像部10で生成された画像データ100の一例を示す図である。撮像部10は、受光素子を含んでいてもよい。受光素子は、入射光の強度、周波数、位相などの情報を電気信号に変換する光学素子である。撮像部10は、また、該受光素子に光を入射させる光学系を含んでいてもよい。該光学系は、所与の領域からの光を受光素子に入射させるように設定されている。そして、撮像部10は、受光素子に入射する入射光を光電変換することによって、所与の領域(撮像領域)の画像データを生成する。撮像部10は、光学系の設定を調整することで、撮像領域を変更可能に構成されていてもよい。
【0020】
本実施の形態に係る監視カメラシステムは、メモリ22を含む。メモリ22は、少なくとも1画像分の画像データ100を格納する容量を有する記憶装置である。撮像部10で生成された画像データ100は、カメラインターフェース12を介してメモリ22に転送(DMA転送)され、メモリ22に格納される。メモリ22は、DRAM、SRAM等の書き換え可能なメモリで構成することができる。
【0021】
本実施の形態に係る監視カメラシステムは、特徴情報生成部30を含む。特徴情報生成部30は、撮像部10で生成された画像データ(画像データ100)に基づいて、撮像部10で撮像された人物の顔の特徴を示す特徴情報(特徴ベクトル)を生成する特徴情報生成処理を行う。すなわち、特徴情報生成部30は、図2に示す、人物が撮像された画像データ100から、当該人物の顔の特徴を示す特徴情報を生成する。特徴情報生成部30は、フレーム毎(1画像分の画像データ毎)に、特徴情報を生成する処理を行ってもよい。特徴情報生成部30は、図示しないDMACからのデータ転送終了タイミング信号によりフレームの区切りのタイミングを検出可能に構成されていてもよく、これにより、フレーム毎に特徴情報生成処理を行うことができる。なお、特徴情報を生成する処理の具体的な手順については後述する。
【0022】
そして、特徴情報生成部30で生成された特徴情報は、メモリ24に格納される。本実施の形態では、該特徴情報は、人物が撮像された撮像日時情報と関連付けて格納される。なお、本実施の形態に係る監視カメラシステムでは、撮像部10で撮像された人物が継続して所与の領域に滞在している滞在時間を計測する構成としてもよく、この場合、メモリ24には、撮像された人物の顔の特徴を示す特徴情報に関連付けて、撮像日時情報及び計測された滞在時間を格納してもよい。
【0023】
本実施の形態に係る監視カメラシステムは、通知信号生成部52を含む。通知信号生成部52は、特徴情報生成部30で生成された特徴情報(特徴ベクトル)に基づき、撮像された人物の同一性を判断し、同一人物にかかる撮像日時情報(撮像日時情報及び滞在時間)の履歴が予め設定された通知条件を満たすか否かを判断し、通知条件を満たす場合に通知信号を生成する。
【0024】
通知信号生成部52は、同一人物にかかる撮像日時情報の履歴に基づいて、当該人物が、所定の時間内に所与の領域(撮像部10の撮像領域)に進入した進入回数を求め、進入回数が予め設定された値を超えた場合に通知信号を生成する構成としてもよい。
【0025】
あるいは、通知信号生成部52は、同一人物にかかる撮像日時情報の履歴に基づいて、当該人物が所与の領域(撮像部10の撮像領域)に滞在している滞在時間を求め、滞在時間が予め設定された値を超えた場合に通知信号を生成する構成としてもよい。
【0026】
なお、これらは通知信号生成部52に設定することができる通知条件の例であり、本発明がこれに限られるものではない。
【0027】
本実施の形態に係る監視カメラシステムは、通信処理部54を含む。通信処理部54は、通知信号生成部52で生成された通知信号を送信する。すなわち、通信処理部54は、送信部と称してもよい。通信処理部54は、通知信号を、予め設定された送信先に送信する。通信処理部54は、例えば、電子メール形式で所定のアドレスに通知メールを送信する構成としてもよい。
【0028】
本実施の形態では、通信処理部54を、通知信号に関連付けて、撮像部10で撮像された人物を表示するためのデータを送信する構成としてもよい。例えば、通信処理部54は、通知信号に関連付けて、メモリ24に格納された特徴情報を送信してもよい。あるいは本実施の形態では、撮像部10で撮像された画像データ100を圧縮する画像圧縮部56と、該圧縮画像データを格納するメモリ26を含んでいてもよく、通信処理部54は、通知信号に関連付けて、該圧縮画像データを送信する構成としてもよい。このとき、特徴情報を受信する受信装置を、特徴情報又は圧縮画像データに基づき人物の顔画像を表示するための表示用画像データを生成し、表示する構成としてもよい。
【0029】
本実施の形態に係る監視カメラシステムは上述のように構成されていてもよい。なお、カメラインターフェース12、メモリ22,24,26、及び、特徴情報生成部30、通知信号生成部52、通信処理部54、画像圧縮部56は、1つの集積回路装置(IC)20として構成されていてもよい。図3には、集積回路装置20の機能ブロック図を示す。集積回路装置20では、撮像部10からのフレームデータ転送終了タイミングをトリガに、特徴情報の生成(例えば、後述する顔画像検出、正規化、特徴ベクトル生成)、特徴ベクトル比較、通知信号生成、通信処理のすべてを、CPU62が制御する。また、DMAC64は汎用で複数のチャンネルを持ち、バスに接続されている処理部すべてに使用することができる。
【0030】
2.本実施の形態が採用する特徴情報生成手順及びこれを実現するための装置構成
以下、本実施の形態に係る監視カメラシステムが採用する特徴情報生成手順(特徴情報を生成する手順)及び、これを実現するための装置構成について説明する。
【0031】
(1)特徴情報生成手順
以下、本実施の形態に係る監視カメラシステムが採用する特徴情報生成手順について説明する。ただし、本発明はこれに限られるものではない。図4は、この特徴情報生成手順を示すフローチャート図である。
【0032】
はじめに、図2に示す画像データ100の各画素の画素情報(例えば輝度情報や色相情報)に基づいて、画像データ100における顔の領域を特定する(ステップS10)。例えば、横方向の画素の輝度をすべて加算し、一定値以上の値となる行が一定数以上続いた場合には、当該行には顔が存在していると判断する。また、縦方向の画素の輝度をすべて加算し、一定値以上の値となる列が一定数以上続いた場合には、当該列には顔が存在していると判断する。そして、顔が存在している行列情報をあわせることによって、画像データにおける顔の領域を特定することができる。
【0033】
次に、顔の領域の画素データを顔データとして抽出して正規化する(ステップS12)。例えば顔の領域の画素データを拡大・縮小等することによって、正規化された顔データを生成することができる。
【0034】
次に、正規化された顔データに基づいて、特徴情報を生成する(ステップS14)。正規化されたデータに基づいて特徴情報を生成することによって、比較が可能な特徴情報を生成することができる。
【0035】
(2)特徴情報を生成する処理(ステップS14)の具体例
(2−1)固有顔方式について
本実施の形態では、固有顔方式で特徴情報を生成する。固有顔方式では、任意の顔画像を表す複数のベクトル(任意顔画像ベクトル)を識別するための特徴情報(特徴ベクトル)を、複数の固有顔に対する重みの組(集合)で記述する。この方式によると、異なる顔画像ベクトルからは異なる特徴ベクトルが生成されるため、生成された特徴ベクトルを比較することで、顔画像ベクトル(撮像された人物)の同一性を判断することができる。以下、固有顔方式で特徴情報(特徴ベクトル)を生成する方法について説明する。ただし、本発明にかかる監視カメラシステムに適用可能な特徴情報生成手段はこれに限られるものではない。
【0036】
本実施の形態では、N個(Nは2以上の整数)の固有顔画像を示すベクトル(固有顔画像ベクトル)と、任意の顔画像を示すベクトル(任意顔画像ベクトル)との積和演算を行うことで、N個の積和値を算出する。そして、本実施の形態では、このように算出されたN個の積和値を固有値と呼び、その集合を任意顔画像ベクトルの特徴ベクトルとする。すなわち、任意顔の特徴ベクトルは、N次元のベクトル(用意した固有顔画像ベクトルの数と同じ次元のベクトル)として表現される。なお、固有顔画像ベクトルとは、任意顔画像ベクトルを算出するために予め用意された、固有顔画像を示すベクトルである。また、任意顔画像ベクトルとは、画像データ100から抽出された顔画像を示すベクトルである。そして、本実施の形態では、固有顔画像ベクトルの数(Nの値)は、例えば、100個程度としてもよい。
【0037】
(2−2)固有顔方式による特徴ベクトル(特徴情報)生成手順
図5は、固有顔方式を適用した場合の、特徴ベクトルを生成する手順を説明するためのフローチャート図である。
【0038】
はじめに、複数の固有顔画像ベクトル(N個の固有顔画像ベクトル)を用意する(ステップS20)。なお、本実施の形態では、複数の顔画像を表す複数の顔画像ベクトルと、当該複数の顔画像ベクトルの平均ベクトルとの差分を示すベクトルを、固有顔画像ベクトルとする。すなわち、本ステップは、複数の顔画像を表す複数の顔画像ベクトルの平均ベクトルを算出するステップと、複数の顔画像ベクトルから平均ベクトルを引いて複数の固有顔画像ベクトルを算出するステップとを含んでいてもよい。
【0039】
次に、任意顔画像ベクトルを生成する(ステップS22)。任意顔画像ベクトルは、画像データ100から人物の顔の領域の画素データを抽出し、正規化することで生成することができる。すなわち、本ステップで生成される任意顔画像ベクトルは、撮像部10で撮像された人物の顔を表すベクトルである。
【0040】
そして、任意顔画像ベクトルと固有顔画像ベクトルとの積和値を算出し、特徴ベクトルを生成する(ステップS24)。正規化された顔画像データから任意顔画像ベクトルを生成することで、任意顔画像ベクトルの次元を調整することができ、固有顔画像ベクトルとの積和演算が可能になる。
【0041】
(2−3)特徴ベクトルを生成する具体的な仕様及び演算手順の具体例
表1に、本実施の形態に適用可能なデータの具体的な仕様を示す。
【0042】
【表1】
なお、顔画像ベクトルの次元とは、顔を表示する画像データの画素数で表すことができる。例えば、顔を表示する画像データの縦方向の画素数と、横方向の画素数との積が、顔画像ベクトルの次元となる。本実施の形態では、顔画像データを正規化することによって、任意顔画像ベクトルの次元を、固有顔画像ベクトルの次元と一致させることができ、比較可能な形態で特徴ベクトルを生成することができる。
【0043】
表1に示す仕様のデータを利用した場合、任意顔画像ベクトルA(撮像された人物の顔画像ベクトル)、固有顔画像ベクトルF(0)は、
任意顔画像ベクトルA:(a0000,a0001,…,a9215)T
固有顔画像ベクトルF(0):(f000000,f000001,…,f009215)
と表すことができる。
【0044】
そして、これらのベクトルの積和演算を行えば、積和値を算出することができる。ここで、積和値(固有値)をK(0)とすると、K(0)は、
【0045】
【数1】
と算出することができる。
【0046】
なお、上式におけるAV0000,AV0001,…,AV9215は、固有顔画像ベクトルを算出する際に用いた平均ベクトルである。
【0047】
そして、式(1)の演算をN個の固有顔画像ベクトルF(0)〜F(N)のそれぞれに対して行って、固有値K(0)〜K(N)を算出すれば、これを要素とする、任意顔画像ベクトルAの特徴ベクトルを導出することができる。
【0048】
(3)固有顔方式によって特徴情報を生成するための装置構成
(3−1)特徴情報生成部30について
図6は、上述した固有顔方式を利用して特徴情報を生成することが可能な特徴情報生成部30のブロック図である。以下、特徴情報生成部30について説明する。
【0049】
特徴情報生成部30は、フレーム読み出し制御部32を含む。フレーム読み出し制御部32は、顔検出タイミング信号に基づいてメモリ22の読み出しアドレスを生成し、メモリ22からフレーム単位(1画像単位)で画像データを読み出す。読み出された画像データは、顔検出部34及びフレームメモリ36に格納される。
【0050】
顔検出部34では、図2に示す画像データ100から、人物の顔の領域(位置及びサイズ)を特定する。顔検出部34は、例えば、人物の顔の領域を、X座標及びY座標で抽出し、レジスタ33,35に格納する構成をなしていてもよい。
【0051】
顔検出部34で人物の顔の領域が特定されると、特徴ベクトル算出部40に、特徴ベクトル算出タイミング信号が送られる。特徴ベクトル算出部40は、特徴ベクトル算出タイミング信号に基づいてフレームメモリ36読み出しアドレスを生成し、フレームメモリ36から画像データを取得する。そして、特徴ベクトル算出部40は、レジスタ33,35に格納されている顔の領域を特定するためのデータに基づいて画像データから顔データを抽出し、正規化し、特徴ベクトル算出処理を行う。なお、特徴ベクトル算出部40は、通知要件判定タイミング信号を生成するように構成されていてもよい。このとき、通知信号生成部52は、通知要件判定タイミング信号に従って、撮像された人物の同一性を判断し、撮像日時情報の履歴が予め設定された通知条件を満たすか否かを判断する。
【0052】
(3−2)特徴ベクトル算出部40について
次に、特徴ベクトル算出部40について詳細に説明する。図7は、特徴ベクトル算出部40について説明するための図である。
【0053】
特徴ベクトル算出部40は、プロセッサ42を有する。プロセッサ42は、CPUコア、割り込み機能、その他の制御に必要な機能を搭載している。すなわち、プロセッサ42は、演算経過のタイミングを計り、汎用レジスタ44を使用してすべての固有値の値を計算し、算出された特徴ベクトルをポート1バスを介してメモリ24の所定のエリアに格納し、通知信号生成部52に起動をかけるためのタイミング信号をオンにする。
【0054】
特徴ベクトル算出部40は、コントロールメモリ46を有する。コントロールメモリ46には、顔領域を特定し、顔画像データを正規化し、特徴ベクトルを算出するという、一連の機能を実現するためのプログラムが格納されている。そして、コントロールメモリ46は、プロセッサ42からのインストラクションアドレスを受けて、必要な情報を提供する。
【0055】
(3−3)メモリ24について
次に、メモリ24の使用例について説明する。図8は、メモリ24の使用例について説明するための図である。
【0056】
メモリ24には、固有顔画像ベクトル及び平均値ベクトルが格納される。この固有顔画像ベクトル及び平均値ベクトルに基づいて、特徴ベクトルが算出される。そして、算出された特徴ベクトルは、算出特徴ベクトルとしてメモリ24に格納される。算出特徴ベクトルは、撮像された日時情報と関連付けられて、メモリ24に格納される。
【0057】
なお、算出特徴ベクトルは、撮像された人物の、所定の領域に滞在している滞在時間と関連付けられて、メモリ24に格納されていてもよい。なお、該滞在時間を計測する方法は特に限定されるものではない。例えば、同一人物を表すと判断される特徴ベクトルが連続して現われている時間を計測して、この計測時間を同一人物の滞在時間とみなしてもよい。
【0058】
そして、算出された特徴ベクトルは、撮像された人物の同一性が判断された後に、登録特徴ベクトルとしてメモリ24に格納され、データベース化されてゆく。
【0059】
なお、本実施の形態では、メモリ24に格納された登録特徴ベクトルは、撮像後、所定の時間が経過した後に登録特徴ベクトルから削除してもよい。これにより、所定の時間内における同一人物の進入回数を計測することができる。
【0060】
3.通知信号生成部52について
本実施の形態に係る監視カメラシステムでは、通知信号生成部52が、特徴情報(特徴ベクトル)に基づいて、通知信号を生成する条件(通知条件)を満たすか否かについて判断する。以下、通知信号生成部52の動作について説明する。なお、図9は、通知信号生成部52の動作を説明するためのフローチャート図である。
【0061】
通知信号生成部52は、登録特徴ベクトルとしてメモリ24に格納された特徴ベクトルと、算出された特徴ベクトルとを比較し(ステップS30)、両特徴ベクトルが表す人物の同一性を判断する(ステップS32)。なお、本ステップは、算出特徴ベクトルと登録特長ベクトルとの完全一致を検討するものではなく、類似性を検討するものであってもよい。この場合には、本ステップで、両特徴ベクトルの類似性を検討し、類似性が閾値を超えた場合、両特徴ベクトルが表す人物に同一性がある(同一人物である)と判断する。なお、両特徴ベクトルの比較は、特徴ベクトルの要素毎に行ってもよい。また、両特徴ベクトルの比較は、特徴ベクトルから特定の要素(複数の要素からなる要素群)を抽出して、これを対比することによって行ってもよい。
【0062】
そして、算出特徴ベクトルと登録特徴ベクトルとが同一人物を示していると判断された場合(ステップS32におけるYesの場合)、当該登録特徴ベクトルのカウント値をインクリメントし(ステップS34)、インクリメントされたカウント値が予め設定された値を超えたか否かについて判断する(ステップS36)。
【0063】
そして、カウント値が予め設定された値を超えた場合、通知信号を生成する(ステップS38)。
【0064】
なお、算出特徴ベクトルと登録特徴ベクトルとが表す人物に同一性がないと判断された場合(ステップS32におけるNoの場合)、当該算出特徴ベクトルを新たな登録特徴ベクトルとして登録し、カウンタ値を1に設定する(ステップS40)。
【0065】
4.監視カメラシステムの動作について
以下、本実施の形態に係る監視カメラシステム全体の動作について説明する。図10は、本実施の形態に係る監視カメラシステムの動作を示すフローチャート図である。
【0066】
はじめに、初期設定を行う(ステップS50)。初期設定は、固有顔画像ベクトル及び平均ベクトルの設定や、通知信号生成部の通知条件の設定などが挙げられる。
【0067】
次に、メモリ24に格納されている登録特徴ベクトルの撮像日時情報に基づいて、当該登録特徴ベクトルの有効期限が終了していないか確認する(ステップS52)。ここで、有効期限が終了している登録特徴ベクトルが存在している場合には、これを削除する(ステップS54)。
【0068】
そして、顔位置検出処理を行い(ステップS56)、顔が検出されたか否かについて判断する(ステップS58)。言い換えると、本ステップで、画像データ100に顔が撮像されているか否かについて判断する。
【0069】
顔位置検出処理(ステップS58)で顔が検出された場合、顔画像の正規化を行い(ステップS60)、特徴ベクトルを生成し(ステップS62)、生成された特徴ベクトルと登録特徴ベクトルとを比較する(ステップS64)。
【0070】
そして、カウンタ値が予め設定された値を超えたか否かについて検討し(ステップS66)、カウンタ値が設定値を超えた場合に、通知信号を生成し、通報する(ステップS68)。
【0071】
本実施の形態に係る監視カメラシステムは、以上の動作を繰り返し行うことで、撮像部10の撮像領域で発生した異常事態を常時検出し、リアルタイムに通報することができる。
【0072】
5.効果
この監視カメラシステムによると、同一人物が所定の時間内に撮像部10の撮像領域に進入した進入回数をカウントし、進入回数が予め設定された値を超えたときに、通知信号を送信する。すなわち、この監視カメラシステムは、撮像部10の撮像領域で注意を要する事象が発生するとこれを感知して、自動的に通知信号を送信する。そのため、この監視カメラによれば、監視者は、画像を監視することなく、通知信号によって、撮像部10の撮像領域で異常が発生したことを知ることができる。そのため、本発明によると、監視者が撮像画像を常時監視することなく、異常の発生をリアルタイムに検知することが可能な監視カメラシステムを提供することができる。
【0073】
6.変形例
以下、本発明を適用した実施の形態の変形例について説明する。
【0074】
本変形例に係る監視カメラシステムでは、通知信号生成部52が通知信号を生成する通知条件が異なっている。以下、図11を参照して、通知信号生成部の動作について説明する。なお、図11は、通知信号生成部の動作を説明するためのフローチャート図である。
【0075】
本変形例に係る監視カメラシステムでは、通知信号生成部は、撮像された人物が撮像領域内に滞在している滞在時間が、予め設定された値を超えたか否かを検討する(ステップS70)。
【0076】
そして、撮像された人物の滞在時間が予め設定された値(時間)を超えている場合(ステップS70におけるYesの場合)、通知信号を生成する(ステップS72)。
【0077】
また、撮像された人物の滞在時間が予め設定された値を超えていない場合(ステップS70におけるNoの場合)には、図9に示すステップS30以降の手順を行う。
【0078】
本変形例であっても、監視者の負担を軽減し、かつ、異常の発生をリアルタイムに通知することが可能な監視カメラシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】監視カメラシステムのブロック図。
【図2】画像データの概略図。
【図3】監視カメラシステムの機能ブロック図。
【図4】特徴情報を生成する手順を示すフローチャート図。
【図5】特徴ベクトルを生成する手順を示すフローチャート図。
【図6】特徴情報生成部のブロック図。
【図7】特徴ベクトル算出部のブロック図。
【図8】メモリの使用例を示す図。
【図9】通知信号生成部の動作を説明するためのフローチャート図。
【図10】監視カメラシステムの動作を説明するためのフローチャート図。
【図11】変形例に係る通知信号生成部の動作を説明するためのフローチャート図。
【符号の説明】
【0080】
10…撮像部、 12…カメラインターフェース、 20…集積回路装置、 22…メモリ、 24…メモリ、 24…メモリ、 26…メモリ、 30…特徴情報生成部、 32…制御部、 34…顔検出部、 36…フレームメモリ、 40…特徴ベクトル算出部、 42…プロセッサ、 44…汎用レジスタ、 46…コントロールメモリ、 52…通知信号生成部、 54…通信処理部、 56…画像圧縮部、 100…画像データ
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視カメラシステム及び監視カメラシステムの制御方法。
【背景技術】
【0002】
住宅地などにおいて、安全性を確保するために監視カメラが利用されている。そして、これまでの監視カメラでは、監視領域の異常の有無は、監視者が監視カメラの画像を監視することによって判断していた。
【0003】
監視カメラに求められる性質上、監視領域内で異常が発生した場合には、リアルタイムで異常を通知することが好ましいが、監視者が監視カメラの画像を常時監視することは困難である。
【特許文献1】特開2004−120108号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、監視者が常時監視カメラの画像を監視することなく、監視領域内での異常の発生を認識することを可能にする監視カメラシステム及び監視カメラシステムの制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)本発明に係る監視カメラシステムは、
所与の領域を撮像して画像データを生成する撮像部と、
前記画像データに基づいて前記撮像部で撮像された人物の顔の特徴を示す特徴情報を生成し、生成された前記特徴情報を、前記人物が撮像された撮像日時情報と関連付けて記憶部に格納する特徴情報生成部と、
前記特徴情報に基づき、撮像された人物の同一性を判断し、同一人物にかかる撮像日時情報の履歴が予め設定された通知条件を満たすか否か判断し、満たす場合に通知信号を生成する通知信号生成部と、
前記通知信号を送信する送信部と、
を含む。
【0006】
本発明に係る監視カメラシステムは、所定の領域(撮像部の撮像領域)における同一人物の行動態様を検出し、これが通知条件を満たす場合に通知信号を送信する。これによると、監視者は、通知信号を受信することによって撮像部の撮像領域に異常な行動態様を示す人物が出現したことを認識することができることから、監視カメラのモニターを常時チェックすることなく、撮像領域内での異常の発生を認識することができる。すなわち、本発明によると、監視者に負担をかけることなく、撮像領域で異常が発生したことを認識することが可能な監視カメラシステムを提供することができる。
【0007】
なお、本発明の監視カメラシステムでは、
前記通知信号生成部は、
新たに生成された前記特徴情報を、前記記憶部に格納されている他の前記特徴情報と比較して、前記新たに生成された特徴情報が所定の条件を満たす場合に前記通知信号を生成するようにしてもよい。
【0008】
あるいは、本発明の監視カメラシステムでは、
前記通知信号生成部は、
前記記憶部に格納されているいずれかの前記特徴情報を、前記記憶部に格納されている他の前記特徴情報と比較して、前記特徴情報が所定の条件を満たす場合に前記通知信号を生成するようにしてもよい。
【0009】
(2)この監視カメラシステムにおいて、
前記通知信号生成部は、
同一人物にかかる撮像日時情報の履歴に基づいて、当該人物が前記所定の領域に滞在している滞在時間を求め、前記滞在時間が予め設定された値を超えた場合に前記通知信号を生成してもよい。
【0010】
(3)この監視カメラシステムにおいて、
前記通知信号生成部は、
同一人物にかかる撮像日時情報の履歴に基づいて、当該人物が、所定の時間内に前記所与の領域に進入した進入回数を求め、前記進入回数が予め設定された値を超えた場合に前記通知信号を生成してもよい。
【0011】
(4)この監視カメラシステムにおいて、
前記送信部は、
前記通知信号に関連付けて、前記撮像部で撮像された人物の画像を表示するためのデータを送信してもよい。
【0012】
これによると、監視者は、撮像領域内での異常の発生の有無のみならず、異常と認知される原因たる人物の画像を入手することが可能になる。
【0013】
(5)この監視カメラシステムにおいて、
前記特徴情報生成部は、
前記画像データの各画素の画素情報に基づいて、前記画像データにおける前記顔の領域を特定し、
前記顔の領域の画素データを顔データとして抽出し、
抽出した顔データを正規化したデータに基づいて前記特徴情報を生成することを特徴としてもよい。
【0014】
なお、「画素情報」とは、例えば、画素ごとの輝度や色相データであってもよく、これらの情報をYUV、RGBデータから得る構成としてもよい。
【0015】
(6)本発明に係る監視カメラシステムの制御方法は、
所与の領域を撮像して画像データを生成する撮像手順と、
前記画像データに基づいて前記撮像手順で撮像された人物の顔の特徴を示す特徴情報を生成し、生成された前記特徴情報を、前記人物が撮像された撮像日時情報と関連付けて記憶部に格納する特徴情報生成手順と、
前記特徴情報に基づき、撮像された人物の同一性を判断し、同一人物にかかる撮像日時情報の履歴が予め設定された通知条件を満たすか否か判断し、満たす場合に通知信号を生成する通知信号生成手順と、
前記通知信号を送信する送信手順と、
を含む。
【0016】
本発明に係る監視カメラシステムの制御方法は、所定の領域(撮像部の撮像領域)における同一人物の行動態様を検出し、これが通知条件を満たす場合に通知信号を送信する。これによると、監視者は、通知信号を受信することによって撮像部の撮像領域に異常な行動態様を示す人物が出現したことを認識することができることから、常時監視カメラのモニターをチェックすることなく、撮像領域内での異常の発生を認識することができる。すなわち、本発明によると、監視者に負担をかけることなく、撮像領域で異常が発生したことを認識することが可能な監視カメラシステムの制御方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を適用した実施の形態に係る監視カメラシステムについて、図面を参照して説明する。ただし、本発明は以下に説明する内容に限定されるものではない。
【0018】
1.本実施の形態に係る監視カメラシステムの構成
以下、本実施の形態に係る監視カメラシステムの構成について、図1を参照しながら説明する。なお、図1は、本実施の形態に係る監視カメラシステムのブロック図である。
【0019】
本実施の形態に係る監視カメラシステムは、撮像部10を含む。撮像部10は、所定の領域を撮像して、図2に示す画像データ100を生成する。なお、図2は、撮像部10で生成された画像データ100の一例を示す図である。撮像部10は、受光素子を含んでいてもよい。受光素子は、入射光の強度、周波数、位相などの情報を電気信号に変換する光学素子である。撮像部10は、また、該受光素子に光を入射させる光学系を含んでいてもよい。該光学系は、所与の領域からの光を受光素子に入射させるように設定されている。そして、撮像部10は、受光素子に入射する入射光を光電変換することによって、所与の領域(撮像領域)の画像データを生成する。撮像部10は、光学系の設定を調整することで、撮像領域を変更可能に構成されていてもよい。
【0020】
本実施の形態に係る監視カメラシステムは、メモリ22を含む。メモリ22は、少なくとも1画像分の画像データ100を格納する容量を有する記憶装置である。撮像部10で生成された画像データ100は、カメラインターフェース12を介してメモリ22に転送(DMA転送)され、メモリ22に格納される。メモリ22は、DRAM、SRAM等の書き換え可能なメモリで構成することができる。
【0021】
本実施の形態に係る監視カメラシステムは、特徴情報生成部30を含む。特徴情報生成部30は、撮像部10で生成された画像データ(画像データ100)に基づいて、撮像部10で撮像された人物の顔の特徴を示す特徴情報(特徴ベクトル)を生成する特徴情報生成処理を行う。すなわち、特徴情報生成部30は、図2に示す、人物が撮像された画像データ100から、当該人物の顔の特徴を示す特徴情報を生成する。特徴情報生成部30は、フレーム毎(1画像分の画像データ毎)に、特徴情報を生成する処理を行ってもよい。特徴情報生成部30は、図示しないDMACからのデータ転送終了タイミング信号によりフレームの区切りのタイミングを検出可能に構成されていてもよく、これにより、フレーム毎に特徴情報生成処理を行うことができる。なお、特徴情報を生成する処理の具体的な手順については後述する。
【0022】
そして、特徴情報生成部30で生成された特徴情報は、メモリ24に格納される。本実施の形態では、該特徴情報は、人物が撮像された撮像日時情報と関連付けて格納される。なお、本実施の形態に係る監視カメラシステムでは、撮像部10で撮像された人物が継続して所与の領域に滞在している滞在時間を計測する構成としてもよく、この場合、メモリ24には、撮像された人物の顔の特徴を示す特徴情報に関連付けて、撮像日時情報及び計測された滞在時間を格納してもよい。
【0023】
本実施の形態に係る監視カメラシステムは、通知信号生成部52を含む。通知信号生成部52は、特徴情報生成部30で生成された特徴情報(特徴ベクトル)に基づき、撮像された人物の同一性を判断し、同一人物にかかる撮像日時情報(撮像日時情報及び滞在時間)の履歴が予め設定された通知条件を満たすか否かを判断し、通知条件を満たす場合に通知信号を生成する。
【0024】
通知信号生成部52は、同一人物にかかる撮像日時情報の履歴に基づいて、当該人物が、所定の時間内に所与の領域(撮像部10の撮像領域)に進入した進入回数を求め、進入回数が予め設定された値を超えた場合に通知信号を生成する構成としてもよい。
【0025】
あるいは、通知信号生成部52は、同一人物にかかる撮像日時情報の履歴に基づいて、当該人物が所与の領域(撮像部10の撮像領域)に滞在している滞在時間を求め、滞在時間が予め設定された値を超えた場合に通知信号を生成する構成としてもよい。
【0026】
なお、これらは通知信号生成部52に設定することができる通知条件の例であり、本発明がこれに限られるものではない。
【0027】
本実施の形態に係る監視カメラシステムは、通信処理部54を含む。通信処理部54は、通知信号生成部52で生成された通知信号を送信する。すなわち、通信処理部54は、送信部と称してもよい。通信処理部54は、通知信号を、予め設定された送信先に送信する。通信処理部54は、例えば、電子メール形式で所定のアドレスに通知メールを送信する構成としてもよい。
【0028】
本実施の形態では、通信処理部54を、通知信号に関連付けて、撮像部10で撮像された人物を表示するためのデータを送信する構成としてもよい。例えば、通信処理部54は、通知信号に関連付けて、メモリ24に格納された特徴情報を送信してもよい。あるいは本実施の形態では、撮像部10で撮像された画像データ100を圧縮する画像圧縮部56と、該圧縮画像データを格納するメモリ26を含んでいてもよく、通信処理部54は、通知信号に関連付けて、該圧縮画像データを送信する構成としてもよい。このとき、特徴情報を受信する受信装置を、特徴情報又は圧縮画像データに基づき人物の顔画像を表示するための表示用画像データを生成し、表示する構成としてもよい。
【0029】
本実施の形態に係る監視カメラシステムは上述のように構成されていてもよい。なお、カメラインターフェース12、メモリ22,24,26、及び、特徴情報生成部30、通知信号生成部52、通信処理部54、画像圧縮部56は、1つの集積回路装置(IC)20として構成されていてもよい。図3には、集積回路装置20の機能ブロック図を示す。集積回路装置20では、撮像部10からのフレームデータ転送終了タイミングをトリガに、特徴情報の生成(例えば、後述する顔画像検出、正規化、特徴ベクトル生成)、特徴ベクトル比較、通知信号生成、通信処理のすべてを、CPU62が制御する。また、DMAC64は汎用で複数のチャンネルを持ち、バスに接続されている処理部すべてに使用することができる。
【0030】
2.本実施の形態が採用する特徴情報生成手順及びこれを実現するための装置構成
以下、本実施の形態に係る監視カメラシステムが採用する特徴情報生成手順(特徴情報を生成する手順)及び、これを実現するための装置構成について説明する。
【0031】
(1)特徴情報生成手順
以下、本実施の形態に係る監視カメラシステムが採用する特徴情報生成手順について説明する。ただし、本発明はこれに限られるものではない。図4は、この特徴情報生成手順を示すフローチャート図である。
【0032】
はじめに、図2に示す画像データ100の各画素の画素情報(例えば輝度情報や色相情報)に基づいて、画像データ100における顔の領域を特定する(ステップS10)。例えば、横方向の画素の輝度をすべて加算し、一定値以上の値となる行が一定数以上続いた場合には、当該行には顔が存在していると判断する。また、縦方向の画素の輝度をすべて加算し、一定値以上の値となる列が一定数以上続いた場合には、当該列には顔が存在していると判断する。そして、顔が存在している行列情報をあわせることによって、画像データにおける顔の領域を特定することができる。
【0033】
次に、顔の領域の画素データを顔データとして抽出して正規化する(ステップS12)。例えば顔の領域の画素データを拡大・縮小等することによって、正規化された顔データを生成することができる。
【0034】
次に、正規化された顔データに基づいて、特徴情報を生成する(ステップS14)。正規化されたデータに基づいて特徴情報を生成することによって、比較が可能な特徴情報を生成することができる。
【0035】
(2)特徴情報を生成する処理(ステップS14)の具体例
(2−1)固有顔方式について
本実施の形態では、固有顔方式で特徴情報を生成する。固有顔方式では、任意の顔画像を表す複数のベクトル(任意顔画像ベクトル)を識別するための特徴情報(特徴ベクトル)を、複数の固有顔に対する重みの組(集合)で記述する。この方式によると、異なる顔画像ベクトルからは異なる特徴ベクトルが生成されるため、生成された特徴ベクトルを比較することで、顔画像ベクトル(撮像された人物)の同一性を判断することができる。以下、固有顔方式で特徴情報(特徴ベクトル)を生成する方法について説明する。ただし、本発明にかかる監視カメラシステムに適用可能な特徴情報生成手段はこれに限られるものではない。
【0036】
本実施の形態では、N個(Nは2以上の整数)の固有顔画像を示すベクトル(固有顔画像ベクトル)と、任意の顔画像を示すベクトル(任意顔画像ベクトル)との積和演算を行うことで、N個の積和値を算出する。そして、本実施の形態では、このように算出されたN個の積和値を固有値と呼び、その集合を任意顔画像ベクトルの特徴ベクトルとする。すなわち、任意顔の特徴ベクトルは、N次元のベクトル(用意した固有顔画像ベクトルの数と同じ次元のベクトル)として表現される。なお、固有顔画像ベクトルとは、任意顔画像ベクトルを算出するために予め用意された、固有顔画像を示すベクトルである。また、任意顔画像ベクトルとは、画像データ100から抽出された顔画像を示すベクトルである。そして、本実施の形態では、固有顔画像ベクトルの数(Nの値)は、例えば、100個程度としてもよい。
【0037】
(2−2)固有顔方式による特徴ベクトル(特徴情報)生成手順
図5は、固有顔方式を適用した場合の、特徴ベクトルを生成する手順を説明するためのフローチャート図である。
【0038】
はじめに、複数の固有顔画像ベクトル(N個の固有顔画像ベクトル)を用意する(ステップS20)。なお、本実施の形態では、複数の顔画像を表す複数の顔画像ベクトルと、当該複数の顔画像ベクトルの平均ベクトルとの差分を示すベクトルを、固有顔画像ベクトルとする。すなわち、本ステップは、複数の顔画像を表す複数の顔画像ベクトルの平均ベクトルを算出するステップと、複数の顔画像ベクトルから平均ベクトルを引いて複数の固有顔画像ベクトルを算出するステップとを含んでいてもよい。
【0039】
次に、任意顔画像ベクトルを生成する(ステップS22)。任意顔画像ベクトルは、画像データ100から人物の顔の領域の画素データを抽出し、正規化することで生成することができる。すなわち、本ステップで生成される任意顔画像ベクトルは、撮像部10で撮像された人物の顔を表すベクトルである。
【0040】
そして、任意顔画像ベクトルと固有顔画像ベクトルとの積和値を算出し、特徴ベクトルを生成する(ステップS24)。正規化された顔画像データから任意顔画像ベクトルを生成することで、任意顔画像ベクトルの次元を調整することができ、固有顔画像ベクトルとの積和演算が可能になる。
【0041】
(2−3)特徴ベクトルを生成する具体的な仕様及び演算手順の具体例
表1に、本実施の形態に適用可能なデータの具体的な仕様を示す。
【0042】
【表1】
なお、顔画像ベクトルの次元とは、顔を表示する画像データの画素数で表すことができる。例えば、顔を表示する画像データの縦方向の画素数と、横方向の画素数との積が、顔画像ベクトルの次元となる。本実施の形態では、顔画像データを正規化することによって、任意顔画像ベクトルの次元を、固有顔画像ベクトルの次元と一致させることができ、比較可能な形態で特徴ベクトルを生成することができる。
【0043】
表1に示す仕様のデータを利用した場合、任意顔画像ベクトルA(撮像された人物の顔画像ベクトル)、固有顔画像ベクトルF(0)は、
任意顔画像ベクトルA:(a0000,a0001,…,a9215)T
固有顔画像ベクトルF(0):(f000000,f000001,…,f009215)
と表すことができる。
【0044】
そして、これらのベクトルの積和演算を行えば、積和値を算出することができる。ここで、積和値(固有値)をK(0)とすると、K(0)は、
【0045】
【数1】
と算出することができる。
【0046】
なお、上式におけるAV0000,AV0001,…,AV9215は、固有顔画像ベクトルを算出する際に用いた平均ベクトルである。
【0047】
そして、式(1)の演算をN個の固有顔画像ベクトルF(0)〜F(N)のそれぞれに対して行って、固有値K(0)〜K(N)を算出すれば、これを要素とする、任意顔画像ベクトルAの特徴ベクトルを導出することができる。
【0048】
(3)固有顔方式によって特徴情報を生成するための装置構成
(3−1)特徴情報生成部30について
図6は、上述した固有顔方式を利用して特徴情報を生成することが可能な特徴情報生成部30のブロック図である。以下、特徴情報生成部30について説明する。
【0049】
特徴情報生成部30は、フレーム読み出し制御部32を含む。フレーム読み出し制御部32は、顔検出タイミング信号に基づいてメモリ22の読み出しアドレスを生成し、メモリ22からフレーム単位(1画像単位)で画像データを読み出す。読み出された画像データは、顔検出部34及びフレームメモリ36に格納される。
【0050】
顔検出部34では、図2に示す画像データ100から、人物の顔の領域(位置及びサイズ)を特定する。顔検出部34は、例えば、人物の顔の領域を、X座標及びY座標で抽出し、レジスタ33,35に格納する構成をなしていてもよい。
【0051】
顔検出部34で人物の顔の領域が特定されると、特徴ベクトル算出部40に、特徴ベクトル算出タイミング信号が送られる。特徴ベクトル算出部40は、特徴ベクトル算出タイミング信号に基づいてフレームメモリ36読み出しアドレスを生成し、フレームメモリ36から画像データを取得する。そして、特徴ベクトル算出部40は、レジスタ33,35に格納されている顔の領域を特定するためのデータに基づいて画像データから顔データを抽出し、正規化し、特徴ベクトル算出処理を行う。なお、特徴ベクトル算出部40は、通知要件判定タイミング信号を生成するように構成されていてもよい。このとき、通知信号生成部52は、通知要件判定タイミング信号に従って、撮像された人物の同一性を判断し、撮像日時情報の履歴が予め設定された通知条件を満たすか否かを判断する。
【0052】
(3−2)特徴ベクトル算出部40について
次に、特徴ベクトル算出部40について詳細に説明する。図7は、特徴ベクトル算出部40について説明するための図である。
【0053】
特徴ベクトル算出部40は、プロセッサ42を有する。プロセッサ42は、CPUコア、割り込み機能、その他の制御に必要な機能を搭載している。すなわち、プロセッサ42は、演算経過のタイミングを計り、汎用レジスタ44を使用してすべての固有値の値を計算し、算出された特徴ベクトルをポート1バスを介してメモリ24の所定のエリアに格納し、通知信号生成部52に起動をかけるためのタイミング信号をオンにする。
【0054】
特徴ベクトル算出部40は、コントロールメモリ46を有する。コントロールメモリ46には、顔領域を特定し、顔画像データを正規化し、特徴ベクトルを算出するという、一連の機能を実現するためのプログラムが格納されている。そして、コントロールメモリ46は、プロセッサ42からのインストラクションアドレスを受けて、必要な情報を提供する。
【0055】
(3−3)メモリ24について
次に、メモリ24の使用例について説明する。図8は、メモリ24の使用例について説明するための図である。
【0056】
メモリ24には、固有顔画像ベクトル及び平均値ベクトルが格納される。この固有顔画像ベクトル及び平均値ベクトルに基づいて、特徴ベクトルが算出される。そして、算出された特徴ベクトルは、算出特徴ベクトルとしてメモリ24に格納される。算出特徴ベクトルは、撮像された日時情報と関連付けられて、メモリ24に格納される。
【0057】
なお、算出特徴ベクトルは、撮像された人物の、所定の領域に滞在している滞在時間と関連付けられて、メモリ24に格納されていてもよい。なお、該滞在時間を計測する方法は特に限定されるものではない。例えば、同一人物を表すと判断される特徴ベクトルが連続して現われている時間を計測して、この計測時間を同一人物の滞在時間とみなしてもよい。
【0058】
そして、算出された特徴ベクトルは、撮像された人物の同一性が判断された後に、登録特徴ベクトルとしてメモリ24に格納され、データベース化されてゆく。
【0059】
なお、本実施の形態では、メモリ24に格納された登録特徴ベクトルは、撮像後、所定の時間が経過した後に登録特徴ベクトルから削除してもよい。これにより、所定の時間内における同一人物の進入回数を計測することができる。
【0060】
3.通知信号生成部52について
本実施の形態に係る監視カメラシステムでは、通知信号生成部52が、特徴情報(特徴ベクトル)に基づいて、通知信号を生成する条件(通知条件)を満たすか否かについて判断する。以下、通知信号生成部52の動作について説明する。なお、図9は、通知信号生成部52の動作を説明するためのフローチャート図である。
【0061】
通知信号生成部52は、登録特徴ベクトルとしてメモリ24に格納された特徴ベクトルと、算出された特徴ベクトルとを比較し(ステップS30)、両特徴ベクトルが表す人物の同一性を判断する(ステップS32)。なお、本ステップは、算出特徴ベクトルと登録特長ベクトルとの完全一致を検討するものではなく、類似性を検討するものであってもよい。この場合には、本ステップで、両特徴ベクトルの類似性を検討し、類似性が閾値を超えた場合、両特徴ベクトルが表す人物に同一性がある(同一人物である)と判断する。なお、両特徴ベクトルの比較は、特徴ベクトルの要素毎に行ってもよい。また、両特徴ベクトルの比較は、特徴ベクトルから特定の要素(複数の要素からなる要素群)を抽出して、これを対比することによって行ってもよい。
【0062】
そして、算出特徴ベクトルと登録特徴ベクトルとが同一人物を示していると判断された場合(ステップS32におけるYesの場合)、当該登録特徴ベクトルのカウント値をインクリメントし(ステップS34)、インクリメントされたカウント値が予め設定された値を超えたか否かについて判断する(ステップS36)。
【0063】
そして、カウント値が予め設定された値を超えた場合、通知信号を生成する(ステップS38)。
【0064】
なお、算出特徴ベクトルと登録特徴ベクトルとが表す人物に同一性がないと判断された場合(ステップS32におけるNoの場合)、当該算出特徴ベクトルを新たな登録特徴ベクトルとして登録し、カウンタ値を1に設定する(ステップS40)。
【0065】
4.監視カメラシステムの動作について
以下、本実施の形態に係る監視カメラシステム全体の動作について説明する。図10は、本実施の形態に係る監視カメラシステムの動作を示すフローチャート図である。
【0066】
はじめに、初期設定を行う(ステップS50)。初期設定は、固有顔画像ベクトル及び平均ベクトルの設定や、通知信号生成部の通知条件の設定などが挙げられる。
【0067】
次に、メモリ24に格納されている登録特徴ベクトルの撮像日時情報に基づいて、当該登録特徴ベクトルの有効期限が終了していないか確認する(ステップS52)。ここで、有効期限が終了している登録特徴ベクトルが存在している場合には、これを削除する(ステップS54)。
【0068】
そして、顔位置検出処理を行い(ステップS56)、顔が検出されたか否かについて判断する(ステップS58)。言い換えると、本ステップで、画像データ100に顔が撮像されているか否かについて判断する。
【0069】
顔位置検出処理(ステップS58)で顔が検出された場合、顔画像の正規化を行い(ステップS60)、特徴ベクトルを生成し(ステップS62)、生成された特徴ベクトルと登録特徴ベクトルとを比較する(ステップS64)。
【0070】
そして、カウンタ値が予め設定された値を超えたか否かについて検討し(ステップS66)、カウンタ値が設定値を超えた場合に、通知信号を生成し、通報する(ステップS68)。
【0071】
本実施の形態に係る監視カメラシステムは、以上の動作を繰り返し行うことで、撮像部10の撮像領域で発生した異常事態を常時検出し、リアルタイムに通報することができる。
【0072】
5.効果
この監視カメラシステムによると、同一人物が所定の時間内に撮像部10の撮像領域に進入した進入回数をカウントし、進入回数が予め設定された値を超えたときに、通知信号を送信する。すなわち、この監視カメラシステムは、撮像部10の撮像領域で注意を要する事象が発生するとこれを感知して、自動的に通知信号を送信する。そのため、この監視カメラによれば、監視者は、画像を監視することなく、通知信号によって、撮像部10の撮像領域で異常が発生したことを知ることができる。そのため、本発明によると、監視者が撮像画像を常時監視することなく、異常の発生をリアルタイムに検知することが可能な監視カメラシステムを提供することができる。
【0073】
6.変形例
以下、本発明を適用した実施の形態の変形例について説明する。
【0074】
本変形例に係る監視カメラシステムでは、通知信号生成部52が通知信号を生成する通知条件が異なっている。以下、図11を参照して、通知信号生成部の動作について説明する。なお、図11は、通知信号生成部の動作を説明するためのフローチャート図である。
【0075】
本変形例に係る監視カメラシステムでは、通知信号生成部は、撮像された人物が撮像領域内に滞在している滞在時間が、予め設定された値を超えたか否かを検討する(ステップS70)。
【0076】
そして、撮像された人物の滞在時間が予め設定された値(時間)を超えている場合(ステップS70におけるYesの場合)、通知信号を生成する(ステップS72)。
【0077】
また、撮像された人物の滞在時間が予め設定された値を超えていない場合(ステップS70におけるNoの場合)には、図9に示すステップS30以降の手順を行う。
【0078】
本変形例であっても、監視者の負担を軽減し、かつ、異常の発生をリアルタイムに通知することが可能な監視カメラシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】監視カメラシステムのブロック図。
【図2】画像データの概略図。
【図3】監視カメラシステムの機能ブロック図。
【図4】特徴情報を生成する手順を示すフローチャート図。
【図5】特徴ベクトルを生成する手順を示すフローチャート図。
【図6】特徴情報生成部のブロック図。
【図7】特徴ベクトル算出部のブロック図。
【図8】メモリの使用例を示す図。
【図9】通知信号生成部の動作を説明するためのフローチャート図。
【図10】監視カメラシステムの動作を説明するためのフローチャート図。
【図11】変形例に係る通知信号生成部の動作を説明するためのフローチャート図。
【符号の説明】
【0080】
10…撮像部、 12…カメラインターフェース、 20…集積回路装置、 22…メモリ、 24…メモリ、 24…メモリ、 26…メモリ、 30…特徴情報生成部、 32…制御部、 34…顔検出部、 36…フレームメモリ、 40…特徴ベクトル算出部、 42…プロセッサ、 44…汎用レジスタ、 46…コントロールメモリ、 52…通知信号生成部、 54…通信処理部、 56…画像圧縮部、 100…画像データ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所与の領域を撮像して画像データを生成する撮像部と、
前記画像データに基づいて前記撮像部で撮像された人物の顔の特徴を示す特徴情報を生成し、生成された前記特徴情報を、前記人物が撮像された撮像日時情報と関連付けて記憶部に格納する特徴情報生成部と、
前記特徴情報に基づき、撮像された人物の同一性を判断し、同一人物にかかる撮像日時情報の履歴が予め設定された通知条件を満たすか否か判断し、満たす場合に通知信号を生成する通知信号生成部と、
前記通知信号を送信する送信部と、
を含む監視カメラシステム。
【請求項2】
請求項1に記載の監視カメラシステムにおいて、
前記通知信号生成部は、
同一人物にかかる撮像日時情報の履歴に基づいて、当該人物が前記所定の領域に滞在している滞在時間を求め、前記滞在時間が予め設定された値を超えた場合に前記通知信号を生成する監視カメラシステム。
【請求項3】
請求項1に記載の監視カメラシステムにおいて、
前記通知信号生成部は、
同一人物にかかる撮像日時情報の履歴に基づいて、当該人物が、所定の時間内に前記所与の領域に進入した進入回数を求め、前記進入回数が予め設定された値を超えた場合に前記通知信号を生成する監視カメラシステム。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の監視カメラシステムにおいて、
前記送信部は、
前記通知信号に関連付けて、前記撮像部で撮像された人物の画像を表示するためのデータを送信する監視カメラシステム。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の監視カメラシステムにおいて、
前記特徴情報生成部は、
前記画像データの各画素の画素情報に基づいて、前記画像データにおける前記顔の領域を特定し、
前記顔の領域の画素データを顔データとして抽出し、
抽出した顔データを正規化したデータに基づいて前記特徴情報を生成することを特徴とする監視カメラシステム。
【請求項6】
所与の領域を撮像して画像データを生成する撮像手順と、
前記画像データに基づいて前記撮像手順で撮像された人物の顔の特徴を示す特徴情報を生成し、生成された前記特徴情報を、前記人物が撮像された撮像日時情報と関連付けて記憶部に格納する特徴情報生成手順と、
前記特徴情報に基づき、撮像された人物の同一性を判断し、同一人物にかかる撮像日時情報の履歴が予め設定された通知条件を満たすか否か判断し、満たす場合に通知信号を生成する通知信号生成手順と、
前記通知信号を送信する送信手順と、
を含む監視カメラシステムの制御方法。
【請求項1】
所与の領域を撮像して画像データを生成する撮像部と、
前記画像データに基づいて前記撮像部で撮像された人物の顔の特徴を示す特徴情報を生成し、生成された前記特徴情報を、前記人物が撮像された撮像日時情報と関連付けて記憶部に格納する特徴情報生成部と、
前記特徴情報に基づき、撮像された人物の同一性を判断し、同一人物にかかる撮像日時情報の履歴が予め設定された通知条件を満たすか否か判断し、満たす場合に通知信号を生成する通知信号生成部と、
前記通知信号を送信する送信部と、
を含む監視カメラシステム。
【請求項2】
請求項1に記載の監視カメラシステムにおいて、
前記通知信号生成部は、
同一人物にかかる撮像日時情報の履歴に基づいて、当該人物が前記所定の領域に滞在している滞在時間を求め、前記滞在時間が予め設定された値を超えた場合に前記通知信号を生成する監視カメラシステム。
【請求項3】
請求項1に記載の監視カメラシステムにおいて、
前記通知信号生成部は、
同一人物にかかる撮像日時情報の履歴に基づいて、当該人物が、所定の時間内に前記所与の領域に進入した進入回数を求め、前記進入回数が予め設定された値を超えた場合に前記通知信号を生成する監視カメラシステム。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の監視カメラシステムにおいて、
前記送信部は、
前記通知信号に関連付けて、前記撮像部で撮像された人物の画像を表示するためのデータを送信する監視カメラシステム。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の監視カメラシステムにおいて、
前記特徴情報生成部は、
前記画像データの各画素の画素情報に基づいて、前記画像データにおける前記顔の領域を特定し、
前記顔の領域の画素データを顔データとして抽出し、
抽出した顔データを正規化したデータに基づいて前記特徴情報を生成することを特徴とする監視カメラシステム。
【請求項6】
所与の領域を撮像して画像データを生成する撮像手順と、
前記画像データに基づいて前記撮像手順で撮像された人物の顔の特徴を示す特徴情報を生成し、生成された前記特徴情報を、前記人物が撮像された撮像日時情報と関連付けて記憶部に格納する特徴情報生成手順と、
前記特徴情報に基づき、撮像された人物の同一性を判断し、同一人物にかかる撮像日時情報の履歴が予め設定された通知条件を満たすか否か判断し、満たす場合に通知信号を生成する通知信号生成手順と、
前記通知信号を送信する送信手順と、
を含む監視カメラシステムの制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−310464(P2007−310464A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−136445(P2006−136445)
【出願日】平成18年5月16日(2006.5.16)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月16日(2006.5.16)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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