監視制御システム及び監視制御方法
【課題】制御端末と被監視装置とを含む監視制御システムに関し、制御端末と被監視装置との間で転送する情報量を削減する。
【解決手段】単一又は複数の制御端末としてのIP端末1と、単一又は複数の被監視装置(装置a,b,c)とを含み、IP端末1によりインターネット2を介して被監視装置(装置a,b,c)の装置情報を収集してデータベース4に格納し、被監視装置の管理、監視を行い、IP端末1は、被監視装置に対して装置情報の収集コマンドを送出する手段を備え、被監視装置は、内部に設定されている装置情報を複数のカテゴリに分類して管理すると共に、IP端末1からの装置情報の収集コマンドに対して、装置情報の中の変更されている装置情報内容に対応したカテゴリのみをレポートのデータ領域に付加して、IP端末1へ送出する。
【解決手段】単一又は複数の制御端末としてのIP端末1と、単一又は複数の被監視装置(装置a,b,c)とを含み、IP端末1によりインターネット2を介して被監視装置(装置a,b,c)の装置情報を収集してデータベース4に格納し、被監視装置の管理、監視を行い、IP端末1は、被監視装置に対して装置情報の収集コマンドを送出する手段を備え、被監視装置は、内部に設定されている装置情報を複数のカテゴリに分類して管理すると共に、IP端末1からの装置情報の収集コマンドに対して、装置情報の中の変更されている装置情報内容に対応したカテゴリのみをレポートのデータ領域に付加して、IP端末1へ送出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークに接続された単一又は複数の中継装置やデータ伝送装置等の被監視装置の情報を、単一又は複数の制御端末により収集して管理、監視する監視制御システム及び監視制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
中継装置や多重伝送装置等のネットワークに接続された単一又は複数の装置を被監視装置とし、ワークステーションやパソコン等の単一又は複数の制御端末により、被監視装置の装置情報等を収集して、被監視装置の管理及び監視を行う監視制御システムが知られている。制御端末は、例えば、被監視装置に対してインターネットを介して接続されたIP(Internet Protocol)端末とすることができる。以下の説明に於いて、前述の装置情報は、(a)障害発生の有無、障害の発生履歴等の障害情報と、(b)制御状態の有無、制御履歴等の制御情報と、(c)入出力接点状態、回線に関する障害/制御状態等の状態情報と、(d)ネットワークの形態、構成している被監視装置の種類等のネットワーク情報と、(e)被監視装置の形態、実装されているユニット等の構成情報と、(f)その他のネットワークや被監視装置特有の設定情報等を含み、又前述の構成情報は、(g)被監視装置の形態、実装されているユニット、そのユニットの設定情報等の情報と、(h)システムの構成や基本構成情報等の被監視装置の構成に関する情報を含むものである。
【0003】
被監視装置は、分散して配置され、それぞれネットワークに接続されて、データ伝送等を行うものであり、それらの被監視装置と制御端末との間を、例えば、インターネットを介して接続し、制御端末により、各被監視装置の管理、監視を行う監視制御システムに於いて、以下被監視装置を装置と略称し、制御端末をIP端末と略称する。例えば、図12に示すように、ネットワークに接続された複数の装置a,b,cと、IP端末とは、それぞれインターネット(図示を省略)により接続されることになる。ネットワークに接続された装置が多数の場合、1台のIP端末で管理、監視することが容易でない場合、IP端末も複数設置することになる。又IP端末は、データベースを備え、このデータベースに装置a、b、c対応の構成情報格納部を形成し、例えば、装置aに対して、装置a用構成情報格納部からの構成情報を転送して設定し、又は装置b,cから構成情報を収集して、装置b、c対応の構成情報格納部に格納することができる。
【0004】
又図13に示すように、データベースに、前述の装置a,b,c対応の構成情報格納部(図13に於いては図示を省略)に加えて、装置a,b,c対応の状態情報格納部と、障害発生状況等を記録する障害履歴情報格納部と、操作状況等を記録する操作履歴情報格納部とを形成し、例えば、IP端末の制御により、装置aの状態情報を収集してデータベースの装置a用状態情報格納部に格納する。又他の装置b、cについても同様に状態情報を収集して、装置b、c用の状態情報格納部に格納する。又障害発生時の障害情報を収集して、障害履歴情報格納部に格納する。又IP端末から装置a,b,cの制御操作を行った場合は、その操作状況を操作履歴情報格納部に格納する。
【0005】
図14は、従来例のデータベース整合時のシーケンス説明図であり、IP端末と装置a,b,cとについて示し、例えば、IP端末から装置aに対してDB(データベース)整合コマンドを送出すると、装置aからコマンドに対する応答として、下方に示す情報A〜Tからなるレポートを受信し、IP端末のデータベースに、装置a用構成情報格納部に格納する。同様に、装置b、cに対してもDB整合のコマンドを送出し、装置b、cからのレポート受信により、データベースの装置b用構成情報格納部及び装置c用構成情報格納部に格納する。なお、IP端末により管理、監視する装置が図示以外に存在する場合、順次全部の装置に対してDB整合のコマンドを送出し、このコマンドに応答したレスポンスを受信して、データベースに装置対応の構成情報格納部を形成して格納する。
【0006】
又定期情報収集時は、図15に示すように、IP端末から定期情報収集のコマンドを装置a,b,cに順次送出し、それぞれの応答のレスポンスを受信して、そのレスポンスに付加されている構成情報等のデータによってデータベースを更新する。装置a,b,cの構成変化がなければ、前回の定期情報収集時と同一のレポートのデータ内容が、装置a,b,cから送出される。各装置a,b,cからのレポートのデータ内容は、図14に例示した情報A〜Tのように多数の情報を含むものである。
【0007】
又ネットワークの各ノードの構成情報を収集し、ネットワーク構成図を自動生成して表示するネットワーク管理システムに於いて、各ノードは、構成情報の変化があった場合に、変化による差分をネットワーク管理システムに送出することにより、ネットワーク構成図を自動的に更新する手段が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平9−200207号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述の従来例の監視制御システムに於いては、IP端末からのコマンドに対する各装置からのレポートのデータ内容は、例えば、図14の下方に示すように、多数の情報A〜Tを含むものであり、従って、装置数の増加と装置構成の複雑且つ多様化とによって、転送する情報量が更に増加することになる。その為、IP端末と各装置とを接続するインターネット等のネットワークの帯域を圧迫する問題がある。特に、新規システム構築の場合や、装置の増減設の場合には、IP端末により管理、監視する全装置に対して、それぞれの装置情報の収集等の為に多量の情報量を連続的に転送する必要があり、運用開始までに長時間を要すると共に、その間、回線を占有する問題がある。例えば、被監視装置を、同期多重伝送を行うSDH(Synchronous Digital Hierachy)装置としたSDHシステムに於いては、制御端末をIP端末として、インターネットを介して各SDH装置の装置情報を転送する場合、数時間を要するものであった。
【0009】
本発明は、従来の問題を解決するもので、制御端末と被監視装置との間に転送する情報量を削減可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の監視制御システムは、単一又は複数の制御端末と、単一又は複数の被監視装置とを含み、前記制御端末により前記被監視装置の装置情報を収集してデータベースに格納し、前記被監視装置の管理、監視を行う監視制御システムに於いて、前記制御端末は、前記被監視装置に対して前記装置情報の収集コマンドを送出する手段を備え、前記被監視装置は、内部に設定されている装置情報を複数のカテゴリに分類して管理すると共に、前記制御端末からの装置情報の収集コマンドに対して、前記装置情報の中の変更されている装置情報内容に対応したカテゴリのみをレポートとして前記制御端末へ送出する手段を備えている。
【0011】
又前記制御端末は、前記被監視装置に対して最初の装置情報収集コマンドであることを示す情報を付加したコマンドの送出手段を備え、前記被監視装置は、前記装置情報収集コマンドに対して、装置情報の初期設定値からの変更内容に対応したカテゴリのみをレポートとして前記制御端末へ送出する手段を備えることができる。
【0012】
本発明の監視制御方法は、単一又は複数の制御端末と、単一又は複数の被監視装置とを含み、前記制御端末により前記被監視装置の装置情報を収集してデータベースに格納し、前記被監視装置の管理、監視を行う監視制御方法に於いて、前記制御端末は、前記被監視装置に対して前記装置情報の収集コマンドを送出し、前記被監視装置は、内部に設定されている装置情報を複数のカテゴリに分類して管理すると共に、前記制御端末からの装置情報の収集コマンドに対して、前記装置情報の中の変更されている装置情報内容に対応したカテゴリのみをレポートとして前記制御端末へ送出する過程を含むものである。
【0013】
又前記制御端末は、前記被監視装置に対して最初の装置情報収集コマンドであることを示す情報を付加した収集コマンドを送出し、前記被監視装置は、前記装置情報収集コマンドに対して、装置情報の初期設定値からの変更内容に対応したカテゴリのみをレポートとして前記制御端末へ送出する過程を含むものである。
【0014】
又前記制御端末は、複数の前記被監視装置から収集した装置情報のカテゴリについて多数決判定処理により最も多く適用されている単一又は複数のカテゴリを付加した装置情報収集コマンドを送出し、前記被監視装置は、前記装置情報収集コマンドに付加されたカテゴリに対応する変更内容のカテゴリと、設定されている装置情報の中の前記装置情報収集コマンドに付加されていないカテゴリとを、レポートとして前記制御端末へ送出する過程を含むものである。
【発明の効果】
【0015】
被監視装置に設定した装置情報を複数のカテゴリに分類し、制御端末から装置情報を収集する場合に、被監視装置は、初期設定値からの変更内容に対応したカテゴリ、又は定期情報収集時には、前回からの変更内容に対応したカテゴリのみを制御端末へ送出することにより、レポートのデータ量を大幅に削減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の監視制御システムは、図1を参照して説明すると、単一又は複数の制御端末としてのIP端末1と、単一又は複数の被監視装置(装置a,b,c)とを含み、制御端末によりインターネット2を介して被監視装置(装置a,b,c)の装置情報を収集してデータベース4に格納し、被監視装置(装置a,b,c)の管理、監視を行う監視制御システムであって、制御端末としてのIP端末1は、被監視装置(装置a,b,c)に対して装置情報の収集コマンドを送出する手段を備え、被監視装置(装置a,b,c)は、内部に設定されている装置情報を複数のカテゴリに分類して管理すると共に、制御端末としてのIP端末1からの装置情報の収集コマンドに対して、装置情報の中の変更されている装置情報内容に対応したカテゴリのみをレポートとして、制御端末としてのIP端末1へ送出する手段を備えている。
【0017】
本発明の監視制御方法は、単一又は複数の制御端末としてのIP端末1と、単一又は複数の被監視装置(装置a,b,c)とを含み、制御端末としてのIP端末1によりインターネット2を介して被監視装置(装置a,b,c)の装置情報を収集してデータベース4に格納し、被監視装置(装置a,b,c)の管理、監視を行う監視制御方法であって、制御端末としてのIP端末1は、被監視装置(装置a,b,c)に対して装置情報の収集コマンドを送出し、被監視装置(装置a,b,c)は、内部に設定されている装置情報を複数のカテゴリに分類して管理すると共に、制御端末としてのIP端末1からの装置情報の収集コマンドに対して、装置情報の中の変更されている装置情報内容に対応したカテゴリのみをレポートとして、制御端末としてのIP端末1へ送出する過程を含むものである。
【実施例1】
【0018】
図1は、本発明の実施例1のシステムの概要説明図であり、被監視装置としての装置a,b,cをネットワーク3により接続し、制御端末としてのIP端末1と、被監視装置としての各装置a,b,cとをインターネット2を介して接続し、IP端末1により各装置a,b,cを管理、監視する監視制御システムを構成する。なお、被監視装置は、更に多数ネットワークに接続される場合が一般的であり、その場合に、制御端末も更に多数設けて、インターネット2等を介して、単一又は複数の被監視装置に接続した構成とすることもできるが、説明の都合上、図示のような比較的簡単な構成について示している。
【0019】
又制御端末としてのIP端末1は、被監視装置としての装置a,b,cの障害発生による障害情報の収集、IP端末1からの個々の設定等の操作の情報の収集と共に、各装置a,b,cに対するコマンドの発行とそれに対するレスポンスの受信処理を行う手段と、データベース4とを備え、このデータベース4は、従来例と同様な、例えば、装置a,b,c対応の装置用の状態情報格納部5,6,7及び状態情報の中の構成情報の詳細な内容を含む構成情報格納部10,11,12と、操作履歴情報格納部8と、障害履歴情報格納部9とを含む構成を有するものである。又各装置a,b,cは、ネットワーク3を介して同期多重データ等の各種データの送受信を行う手段と共に、IP端末1からインターネット2を介して転送されたコマンドを受信処理し、このコマンドに対するレポートを送出するレポート送受信手段と、初期設定値からの変化のあった内容や前回送出したレポートの内容を記憶し、その内容からの変化部分(差分)を抽出して、レポートのデータ領域に差分内容を示す情報を付加する処理手段と、障害情報や操作情報等を検出してIP端末に送出する手段等を備えている。
【0020】
又IP端末1と各装置a,b,cとの間のコマンドとそれに対するレポートとは、ヘッダとデータ領域とを含むIPパケットとし、そのデータ領域により転送する装置情報を、単一又は複数のカテゴリとして表すもので、装置情報は、前述のように、(a)障害発生の有無、障害の発生履歴等の障害情報と、(b)制御状態の有無、制御履歴等の制御情報と、(c)入出力接点状態、回線に関する障害/制御状態等の状態情報と、(d)ネットワークの形態、構成している被監視装置の種類等のネットワーク情報と、(e)被監視装置の形態、実装されているユニット等の構成情報と、(f)その他のネットワークや被監視装置特有の設定情報等を含むものであり、又構成情報は、(g)被監視装置の形態、実装されているユニット、そのユニットの設定情報等の情報と、(h)システムの構成や基本構成情報等の被監視装置の構成に関する情報を含むものである。
【0021】
又IP端末1からカテゴリを付加したコマンドを送出した場合、各装置a,b,cは、付加されたカテゴリの装置情報の変更がなければ、そのカテゴリを付加しないレポートを送出し、又付加されたカテゴリ以外のカテゴリの装置情報については、そのカテゴリをデータ領域に付加したレポートを、IP端末1へ送出する。このカテゴリは、例えば、装置aの構成情報の(g)ユニットの設定情報として、ユニットyに設定された通信速度をカテゴリyaとし、ユニットxに設定された通信速度をカテゴリxzとすることができるものであり、IP端末1に於いて収集したカテゴリを基に、各装置a,b,cの装置情報を認識することができる。その場合、データベース4には、収集したカテゴリと、それに対応した装置情報内容と格納しておくことができる。又装置b,cのそれぞれ装置aと同一ユニットy、xに設定された通信速度が同一の場合、同一名のカテゴリとするものである。なお、カテゴリ相互間に従属関係がないように予め選定する。又従属関係が見られるような場合は、上下関係を表す新たなカテゴリを作成する。又キーとなる情報が、複数のカテゴリに対応する場合は、複数のカテゴリ内に情報を埋め込むことにより対応する。なお、カテゴリ数の上限は設定しない。
【0022】
図2は、コマンド又はレポートのフォーマットのデータ領域の一例を示し、(A)は従来例、(B)は本発明の実施例1の場合を示す。データ領域の構成要素が、従来、(A)に示すように、装置構成、装置詳細情報、ユニット構成、・・・**構成等からなる場合、本発明に於いては、(B)に示すように、カテゴリA,B,C,・・・,*,*とするものであり、例えば、従来の装置構成の内容に対してカテゴリA,Bで表し、装置詳細情報の内容に対してカテゴリC,D,Eで表すことができることを示す。なお、カテゴリ(部分集合)間には、前述のように、関連や従属関係が生じないように予め分類する。
【0023】
図3は、本発明の実施例1のフォーマット説明図であり、(A)はデータベース整合時のIP端末1からのコマンド、(B)はデータベース整合時の装置a,b,cからのレポート、(C)は定期情報収集時のIP端末からのコマンド、(D)は定期情報収集時の装置a,b,cからのレポートのそれぞれフォーマットの一例を示す。データベース整合時のコマンドは、(A)に示すように、ヘッダは、アドレス情報とコマンドコードとデータ情報量とを含むと共に、装置情報の最初の収集か否かを示すデフォルトDefaultを含むもので、これをオンとして最初の装置情報収集を示すことができる。このデフォルトは、IP端末が管理、監視する装置に、例えば、装置情報の初期値がデフォルトとして設定されていることにより、IP端末1もこの初期値を認識しているが、初期状態では、データベース4には、装置a,b,c対応の情報格納部は形成されていないので、装置a,b,c対応の装置情報の初期値は情報格納部には格納されていない。
【0024】
又データ領域は、データベース整合に必要とする単一又は複数のカテゴリを含ませる。これに対するレポートは、(B)に示すように、ヘッダは、アドレス情報とコマンドコードとデータ情報量とを含み、データ領域は、初期設定値からの変更があった内容(差分情報)を示すカテゴリのみとする。又定期情報収集時のコマンドは、(C)に示すように、ヘッダは、アドレス情報とコマンドコードとデータ情報量とデフォルトとを含み、初回のデータベース整合時にはデフォルトをオンとするが、定期情報収集時はオフとする。又データ領域は、IP端末側で変更の有無を問い合わせるカテゴリのみを付加する。これに対するレポートは、(D)に示すように、アドレス情報とコマンドコードとデータ情報量とを含み、データ領域は、前回の定期情報収集時からの変化があった内容(差分情報)のカテゴリを付加する。
【0025】
図4は、従来例のフォーマット説明図であり、図3の(A)〜(D)に対応した(A)〜(D)により、データベース整合時のコマンドとレポート及び定期情報収集時のコマンドとレポートとのフォーマットを示す。ヘッダは、アドレス情報とコマンドコードとデータ情報量とを含み、データ領域は、コマンドの場合、情報取得要求を含み、データベース整合時のレポートは、装置構成と装置詳細情報とユニット構成等を含む情報からなり、又定期情報収集時のレポートは、障害情報、状態情報、制御情報、構成情報等を含み、前回の定期情報収集時からの変化がなく、同一の場合でも、同一のデータ領域の内容とする。即ち、従来は、制御端末側と被監視装置側との処理の簡易性を重視していることにより、被監視装置の装置情報の全データを毎回送信するものである。従って、従来例に於いては、前述のように、IP端末と各装置との間の転送データ量が非常に多いものであった。
【0026】
図5は、本発明の実施例1のシーケンス説明図であり、制御端末としてのIP端末と、被監視装置としての装置との間に於いて、IP端末のデータベースに、アドレス001の装置の情報が格納されていない場合、IP端末は、定期情報収集のコマンドを送出する。この場合のヘッダ情報は、アドレス情報を001、コマンドコードを定期情報収集、データ情報量を0とし、且つデフォルトをオン(Default ON)とする。即ち、初回の装置情報の収集コマンドであることを示す。又この場合のデータ情報量は0であり、データ領域のデータはなしとする。IP端末とインターネットを介して接続されたアドレス001の装置は、このコマンドを受信解析し、デフォルトがオンに設定されていることにより、初期設定値からの変更の有無について検索し、例えば、デフォルトからの変更があった内容(差分情報)を示すカテゴリA,B,Cが抽出された場合、そのカテゴリを含むレポートを作成し、IP端末に応答する。
【0027】
その場合のレポートは、アドレス情報をIP端末のアドレス、コマンドコードを定期情報集、データ情報量を、例えば、3とし、データ領域に前述のデフォルトからの変更内容(差分情報)を示す3個のカテゴリA,B,Cを付加してIP端末へ送信する。この場合のカテゴリA,B,Cは、初期設定値に対して変更した部分又は新たに追加した部分を示す装置情報であり、IP端末は、データベースDBに、アドレス001の装置についてのデフォルトの装置情報とカテゴリA,B,Cの変更部分を修正して格納する。なお、アドレス001の装置は、初期設定値から変更した部分を含まない場合、即ち、デフォルト状態で運用開始を行っている場合、レポートのヘッダのデータ情報量を0とし、データ領域にはデータを付加しないレポートをIP端末へ送信することになる。その場合、IP端末のデータベースのアドレス001の装置についての装置情報としては、デフォルトの内容を格納することになる。
【0028】
前述の監視端末としてのIP端末のデータベースに、被監視装置の装置情報を格納した後、次のような学習処理により必要な情報の収集を行う。
(a).多数決判定、これは、複数の被監視装置を対象として、最も多く設定されているカテゴリを多数決判定し、そのカテゴリを用いたコマンドを送信する。
(b).障害履歴判定、これは、定期情報収集の合間に発生した障害により、被監視装置の状態変化を推測したコマンドを送信する。
(c).UI(User Interface)履歴判定、これは、定期情報収集の合間に於ける制御端末からの操作により、被監視装置の状態変化を行った場合、それによる状態変化を推測したコマンドを送信する。
【0029】
図6は、状態情報が装置の接続構成に対応して変化する場合の説明図であり、(A)に示すように、装置a,b,cの順に接続されて、装置aとIP端末とが接続されている場合に、装置a,b,cのカテゴリが、例えば、(B)に示すように、装置aは、装置情報のカテゴリA,B,Cと、状態情報のカテゴリZとを有し、装置bは、装置情報のカテゴリA,C,D,Eと状態情報X,Zとを有し、装置cは、装置情報のカテゴリA、B,Dと状態情報のカテゴリXとを有する場合、状態情報の変化を次のようにして検出することができる。例えば、状態情報のカテゴリZは、障害Z発生により変化する。例えば、電源オンの状態情報のカテゴリPONは、電源障害により電源オフのカテゴリPOFFに変化する。又障害発生の装置に隣接する装置は、障害の影響により状態情報が変化する。又カテゴリXの状態情報は、制御Xの発生により状態変化する。
【0030】
図7は、前述の(a).多数決判定によるコマンド作成の場合のシーケンス説明図であり、レポートのヘッダ部分は図示を省略している。IP端末と装置a,b,cとを有する監視制御システムに於いて、先ず、IP端末は、ヘッダのアドレスを全装置a,b,cを指定する一斉通知に相当する値とし、コマンドコードを定期情報収集、データ情報量を0、デフォルトをオン(Default ON)としたヘッダを形成し、データ領域はデータなしとしたコマンドを送出する。装置aは、このコマンドに対して、ヘッダのデフォルトがオンであることにより、デフォルト値との差分を抽出し、変更があった差分情報の例えばカテゴリA,B,Cをデータ領域に設定したレポートをIP端末に送出する。
【0031】
又装置bに於いても同様にコマンドを解析し、デフォルト値に対する差分情報が、例えば、カテゴリA,C,D,Eの場合、これらをデータ領域に設定したレポートをIP端末に送出する。又装置cに於いても同様にコマンドを解析し、デフォルト値に対する差分情報が、例えば、カテゴリA,B,Dの場合、これらをデータ領域に設定したレポートをIP端末に送出する。IP端末は、そのデータベースDBに装置a,b,c対応の情報格納部を形成して、レポート内容に従って、デフォルト値とそれに対して変更した差分情報とを格納する。
【0032】
IP端末は、カテゴリの多数決判定を行う。この場合、カテゴリAは全装置a,b,cに共通であり、多数決判定は採用、カテゴリBは、装置a,cについて存在するから多数決判定は採用、カテゴリCは、装置a,bについて存在するから多数決判定は採用、カテゴリDは、装置b,cについて存在するから多数決判定により採用、カテゴリEは、装置bのみであり、多数決判定により否決とする。なお、多数決判定は、同一のカテゴリの装置数により行う場合を示し、判定基準とする装置数は、全装置数に対する同一カテゴリ装置数が、例えば、半数以上とすることができる。又カテゴリ数との関連で判定基準を選定することも可能である。この多数決判定結果により、次回の定期情報収集時のコマンドは、ヘッダのアドレスを全装置指定、コマンドコードを定期情報収集、データ量4、デフォルトをオフ(Default OFF)とし、データ領域に、多数決判定結果のカテゴリA,B,C,Dの4個を付加して送出する。
【0033】
装置aに於いては、前回のレスポンスのデータ領域にカテゴリA,B,Cを付加し、カテゴリDは差分なしを示しているが、今回のコマンドのデータ領域にカテゴリDが含まれているから、コマンドのデータ領域のカテゴリA,B,C,Dの中のカテゴリDを、今回のレポートのデータ領域に付加してIP端末へ送信する。又装置bに於いては、前回のレスポンスのデータ領域にカテゴリA,C,D,Eを付加し、今回のコマンドのデータ領域に、カテゴリBが含まれており、又カテゴリEが含まれていないので、今回のレポートのデータ領域に、カテゴリB,Eを付加してIP端末へ送信する。同様に、装置cに於いては、前回のレスポンスのデータ領域にカテゴリA,B,Dを付加しており、今回のレポートのデータ領域に、カテゴリCを付加してIP端末へ送信する。
【0034】
IP端末は、装置a,b,cからのレポートのデータ領域に付加されたカテゴリに従って、装置a,b,c対応の情報格納部の更新を行い、装置a,b,c対応の現在の装置構成を示すデータベース内容を得ることができる。IP端末に於ける多数決判定結果に基づいた定期情報収集コマンドの内容に従って、各装置a.b,cは、コマンドのデータ領域に付加されたカテゴリ以外に前回送出したカテゴリが存在する場合、そのカテゴリをレポートのデータ領域に付加し、又は変更があった場合の内容を示すカテゴリをレポートのデータ領域に付加して、IP端末送出する。従って、コマンドのデータ領域に付加するデータ量の削減と共に、レスポンスのデータ領域に付加するデータ量の大幅な削減を図ることができる。
【0035】
図8は、前述の(b).障害履歴判定によるコマンドを用いた定期情報収集のシーケンス説明図であり、IP端末と装置a,b,cとを含む監視制御システムに於いて、定期情報収集の合間に、障害の発生又は障害復旧の装置状態変化が発生した場合を示す。IP端末は、定期情報収集コマンドとして、ヘッダのアドレスは全装置指定とし、又デフォルトをオフとし、データ領域については、多数決判定結果に従って、例えば、カテゴリA,B,C,Dを付加し送出する。これに対して、装置aは、そのレポートのデータ領域にカテゴリAを付加し、又装置bは、そのレポートのデータ領域にカテゴリB,Eを付加し、又装置cは、そのレポートのデータ領域にカテゴリCを付加して、それぞれIP端末に対して送信する。IP端末は、前述の定期情報収集の場合と同様に、収集したカテゴリを基にデータベースDBを更新する。
【0036】
そして、装置aに於いて障害Zが発生すると、装置aは、IP端末へ障害Z発生を通知すると共に、その障害Z発生によりネットワークによるデータ伝送に影響する隣接の装置bにも障害発生を通知する場合が一般的である。IP端末は、装置aからの障害Z発生通知によりカテゴリZの状態変化を予測する。そして、次の定期情報収集コマンドのデータ領域に、多数決判定結果の例えばカテゴリA,B,C,Dと、変化を予測したカテゴリZとを付加する。装置aに於いては、カテゴリZを含む状態情報を有するが、コマンドのデータ領域にカテゴリZが付加されているから、装置aのレポートのデータ領域には、このカテゴリZを付加しない。
【0037】
又装置bに於いても、装置aの障害発生によりカテゴリZを含む状態情報となるが、コマンドのデータ領域にカテゴリZが付加されているから、レポートのデータ領域にはカテゴリZを付加しない。又装置cは、障害発生の影響を受けていない場合、カテゴリZを含む状態情報は存在しないので、コマンドのデータ領域に付加されたカテゴリZを、レポートのデータ領域に付加してIP端末へ送出する。これにより、IP端末は、装置a,bは、カテゴリZの状態情報に変化し、装置cは変化していないこと認識することができる。従って、障害発生通知に基づいて状態変化を予測し、状態変化のカテゴリZをコマンドのデータ領域に付加することにより、状態変化した装置は、カテゴリZを送信しないで済むことから、データ量を削減することができる。
【0038】
図9は、前述の(c).UI履歴判定によるコマンドを用いた定期情報収集のシーケンス説明図であり、IP端末から装置a,b,cに対する定期情報収集については、前述の場合と同様であり、重複する説明は省略する。次にIP端末から例えば装置cに対して制御X実施をコマンドにより指示し、装置cから制御応答のレスポンスをIP端末へ送出した場合、装置cは、制御Xに対応したカテゴリXの状態変化が発生していることをIP端末は認識することができる。そこで、次回の定期情報収集のコマンドのデータ領域には、前述の多数決判定結果に基づく例えばカテゴリA,B,C,Dと共に、カテゴリXを付加する。
【0039】
各装置a,b,cは、コマンドを解析し、装置a,bは、カテゴリXの状態変化は生じていないので、装置aのレポートのデータ領域には、例えば、カテゴリAと、コマンドのデータ領域に付加されていたカテゴリXとを付加してIP端末へ送出する。又装置bに於いても同様に、レポートのデータ領域に、カテゴリB,E、Xを付加してIP端末へ送出する。又装置cは、コマンドのデータ領域に付加されたカテゴリXの状態変化であるから、レポートのデータ領域に、例えば、カテゴリCを付加して、IP端末へ送出する。IP端末のデータベースを、収集した各装置a,b,cからのカテゴリに従って更新処理することになる。
【0040】
又IP端末は、収集したカテゴリの多数決判定処理を行う。その場合、装置a,bからのカテゴリXの多数決判定により、前述の場合は採用とするものであるが、前回のコマンドにカテゴリXを付加したことによるレポートであり、従って、次回の定期情報収集のコマンドのデータ領域には、このカテゴリXは付加しないものである。この場合のコマンドにより、装置cからのレポートは、状態変化のカテゴリXを有するから、データ領域にこのカテゴリXを付加する。又装置a,bは、コマンドのデータ領域にカテゴリXが含まれていないので、コマンドのデータ領域に付加されたカテゴリについての変化の有無と他のカテゴリの追加に相当する状態変化等の検出処理を行い、その結果に基づいたカテゴリをレポートのデータ領域に付加することになる。又装置cは、コマンドのデータ領域にカテゴリXが付加されていないので、レポートのデータ領域にこのカテゴリXを含むカテゴリを付加して、IP端末へ送出する。なお、装置cに於いて、カテゴリXの状態変化がなくなった場合のレポートのデータ領域には、カテゴリXが付加されないことになる。
【0041】
図10は、従来例と本発明の実施例1との比較による効果説明図であり、(A)はデータベース整合時、(B)は定期情報収集時について示し、又(a)は従来例、(b)は本発明について示す。データベース整合時、従来例のコマンドは、コマンドヘッダと構成情報要求データとして示しているが、各装置の構成情報種類は多数であり、それらを指定する為にデータ量は多くなるが、本発明の場合は、初回はコマンドヘッダのみで、データ領域はデータなしとするから、データ量は非常に少なくなる。又初回以降の場合は、コマンドヘッダと変更カテゴリとを含むものであるが、この変更カテゴリ数が多い場合にはその分データ量が多くなるとしても、レポートのデータ量を大幅に削減可能となり、全体としてはデータ量の削減を図ることができる。
【0042】
レポートについては、従来例のレポートは、レポートヘッダと構成情報とからなるものであるが、この構成情報は、各装置の総ての構成情報を含むものであるから、データ量は多くなる。本発明の場合は、レポートヘッダと差分情報とを含むもので、構成情報の変更量が少ない程、データ量を削減することができ、一般的には、構成情報の変更は頻繁に行うものではないから、データ量は少なくなる。同様に、図10の(B)に示すように、定期情報収集時についても、本発明の場合、IP端末と各装置との間に転送するデータ量を大幅に削減することが可能となる。
【0043】
図11は、IP端末により管理、監視する装置が10台の場合の監視制御システムに於ける種々の条件のデータ量の比較説明図であり、(A)は、全装置が同一設定内容の場合、(B)は半数の装置が同一設定内容の場合、(C)は全装置が異なる設定内容の場合について、初期状態の設定内容からの変化量が10%,30%,50%,70%,90%となった時のコマンドとレポートとのデータ量の変化を示す。なお、従来例のコマンドのデータ量を100%とし、それに対する削減量(%)を、黒三角印を付加して示す。又初回コマンド量及び次発コマンド量の送信は、IP端末からのコマンドのデータ量、受信はレポートのデータ量を示す。又コマンド量差分は、次発コマンド量の送信と受信との差分を示す。
【0044】
例えば、図11の(A)に於いて、初回コマンドのデータ量は、送信コマンドのヘッダについてのみであり、従って、従来例と比較すれば、略0%となる。又初期状態からの変化量が0%であれば、レポートのデータ量としては、ヘッダについてのみとなるが、変化量が10%の場合、レポートのデータ量は、変化分に相当したものとなり、従って、従来例と比較して90%の削減となる。又次発コマンド量は、初回に収集したカテゴリの多数決判定結果に基づいたカテゴリをコマンドのデータ領域に付加するから、従来例と比較して、略1%程度であり、又レポートのデータ量は、ヘッダのみであるから、従来例に比較して略100%削減できる。又初期状態からの変化量が90%の場合、初回コマンド量としてのレポートのデータ量は、変化量に相当するカテゴリが付加されるから、従来例に比較して、略10%の削減となり、次発コマンド量のコマンドのデータ量は、収集したカテゴリの多数決判定結果のカテゴリを付加することにより、略9%程度増加したとしても、レポートのデータ量は、初回からの変化がなければ、従来例に比較して略100%削減することができる。従って、コマンドのデータ量とレポートのデータ量との差による削減量は略91%となる。
【0045】
又10台の装置の半数の設定内容が同一の場合を、図11の(B)に示すもので、全装置の設定内容が同一の場合に比較して、データ量の削減割合が低下するが、最悪条件の初期状態からの変化が90%の場合でも、従来例に比較してデータ量を略半減することができる。又10台の全装置の設定内容が異なる場合は、図11の(C)に示すように、更に条件が悪くなるが、それでも、初期状態からの変化量が10%の場合、次発コマンド量として示すように、レポートのデータ量は、従来例に比較して略91%の削減量となる。
【0046】
(付記1)単一又は複数の制御端末と、単一又は複数の被監視装置とを含み、前記制御端末により前記被監視装置の装置情報を収集してデータベースに格納し、前記被監視装置の管理、監視を行う監視制御システムに於いて、前記制御端末は、前記被監視装置に対して前記装置情報の収集コマンドを送出する手段を備え、前記被監視装置は、内部に設定されている装置情報を複数のカテゴリに分類して管理すると共に、前記制御端末からの装置情報の収集コマンドに対して、前記装置情報の中の変更されている装置情報内容に対応したカテゴリのみをレポートとして前記制御端末へ送出する手段を備えたことを特徴とする監視制御システム。
(付記2)前記制御端末は、前記被監視装置に対して最初の装置情報収集コマンドであることを示す情報を付加したコマンドの送出手段を備え、前記被監視装置は、前記装置情報収集コマンドに対して、装置情報の初期設定値からの変更内容に対応したカテゴリのみをレポートとして前記制御端末へ送出する手段を備えたことを特徴とする付記1記載の監視制御システム。
(付記3)前記制御端末は、複数の前記被監視装置から収集したそれぞれの装置情報のカテゴリについて多数決判定処理結果のカテゴリを、次回の装置情報収集コマンドに付加して送出する手段を備え、前記被監視装置は、前記装置情報収集コマンドに付加されたカテゴリ以外の装置情報のカテゴリをレポートとして前記制御端末へ送出する手段を備えたことを特徴とする付記1記載の監視制御システム。
【0047】
(付記4)単一又は複数の制御端末と、単一又は複数の被監視装置とを含み、前記制御端末により前記被監視装置の装置情報を収集してデータベースに格納し、前記被監視装置の管理、監視を行う監視制御方法に於いて、前記制御端末は、前記被監視装置に対して前記装置情報の収集コマンドを送出し、前記被監視装置は、内部に設定されている装置情報を複数のカテゴリに分類して管理すると共に、前記制御端末からの装置情報の収集コマンドに対して、前記装置情報の中の変更されている装置情報内容に対応したカテゴリのみをレポートとして前記制御端末へ送出する過程を含むことを特徴とする監視制御方法。
(付記5)前記制御端末は、前記被監視装置に対して最初の装置情報収集コマンドであることを示す情報を付加した収集コマンドを送出し、前記被監視装置は、前記装置情報収集コマンドに対して、装置情報の初期設定値からの変更内容に対応したカテゴリのみをレポートとして前記制御端末へ送出する過程を含むことを特徴とする付記4記載の監視制御方法。
(付記6)前記制御端末は、複数の前記被監視装置から収集した装置情報のカテゴリについて多数決判定処理により最も多く適用されている単一又は複数のカテゴリを付加した装置情報収集コマンドを送出し、前記被監視装置は、前記装置情報収集コマンドに付加されたカテゴリに対応する変更内容のカテゴリと、設定されている装置情報の中の前記装置情報収集コマンドに付加されていないカテゴリとを、レポートとして前記制御端末へ送出する過程を含むことを特徴とする付記4記載の監視制御方法。
【0048】
(付記7)前記制御端末は、障害発生通知を送出した被監視装置及び該被監視装置の障害発生により影響を受ける被監視装置の状態変化を予測し、次回の定期情報収集コマンドに、前記状態変化内容のカテゴリを付加して送出し、前記状態変化が発生した被監視装置は、前記カテゴリを付加しないレポートを前記制御端末へ送出し、前記状態変化が発生しない被監視装置は、前記カテゴリを付加したレポートを前記制御端末へ送出する過程を含むことを特徴とする付記4記載の監視制御方法。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施例1のシステムの概要説明図である。
【図2】データ領域の従来例と本発明の実施例との説明図である。
【図3】本発明の実施例1のフォーマット説明図である。
【図4】従来例のフォーマット説明図である。
【図5】本発明の実施例1のシーケンス説明図である
【図6】状態情報の変化の説明図である。
【図7】多数決判定処理を含む定期情報収集のシーケンス説明図である。
【図8】障害履歴判定による定期情報収集のシーケンス説明図である。
【図9】UI履歴判定による定期情報収集のシーケンス説明図である。
【図10】データベース整合時と定期情報収集時との効果説明図である。
【図11】コマンドについてのデータ量の比較説明図である。
【図12】従来例の監視制御システムの説明図である。
【図13】従来例の監視制御システムの説明図である。
【図14】従来例のデータベース整合時のシーケンス説明図である。
【図15】従来例の定期情報収集時のシーケンス説明図である。
【符号の説明】
【0050】
1 IP端末
2 インターネット
3 ネットワーク
4 データベース
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークに接続された単一又は複数の中継装置やデータ伝送装置等の被監視装置の情報を、単一又は複数の制御端末により収集して管理、監視する監視制御システム及び監視制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
中継装置や多重伝送装置等のネットワークに接続された単一又は複数の装置を被監視装置とし、ワークステーションやパソコン等の単一又は複数の制御端末により、被監視装置の装置情報等を収集して、被監視装置の管理及び監視を行う監視制御システムが知られている。制御端末は、例えば、被監視装置に対してインターネットを介して接続されたIP(Internet Protocol)端末とすることができる。以下の説明に於いて、前述の装置情報は、(a)障害発生の有無、障害の発生履歴等の障害情報と、(b)制御状態の有無、制御履歴等の制御情報と、(c)入出力接点状態、回線に関する障害/制御状態等の状態情報と、(d)ネットワークの形態、構成している被監視装置の種類等のネットワーク情報と、(e)被監視装置の形態、実装されているユニット等の構成情報と、(f)その他のネットワークや被監視装置特有の設定情報等を含み、又前述の構成情報は、(g)被監視装置の形態、実装されているユニット、そのユニットの設定情報等の情報と、(h)システムの構成や基本構成情報等の被監視装置の構成に関する情報を含むものである。
【0003】
被監視装置は、分散して配置され、それぞれネットワークに接続されて、データ伝送等を行うものであり、それらの被監視装置と制御端末との間を、例えば、インターネットを介して接続し、制御端末により、各被監視装置の管理、監視を行う監視制御システムに於いて、以下被監視装置を装置と略称し、制御端末をIP端末と略称する。例えば、図12に示すように、ネットワークに接続された複数の装置a,b,cと、IP端末とは、それぞれインターネット(図示を省略)により接続されることになる。ネットワークに接続された装置が多数の場合、1台のIP端末で管理、監視することが容易でない場合、IP端末も複数設置することになる。又IP端末は、データベースを備え、このデータベースに装置a、b、c対応の構成情報格納部を形成し、例えば、装置aに対して、装置a用構成情報格納部からの構成情報を転送して設定し、又は装置b,cから構成情報を収集して、装置b、c対応の構成情報格納部に格納することができる。
【0004】
又図13に示すように、データベースに、前述の装置a,b,c対応の構成情報格納部(図13に於いては図示を省略)に加えて、装置a,b,c対応の状態情報格納部と、障害発生状況等を記録する障害履歴情報格納部と、操作状況等を記録する操作履歴情報格納部とを形成し、例えば、IP端末の制御により、装置aの状態情報を収集してデータベースの装置a用状態情報格納部に格納する。又他の装置b、cについても同様に状態情報を収集して、装置b、c用の状態情報格納部に格納する。又障害発生時の障害情報を収集して、障害履歴情報格納部に格納する。又IP端末から装置a,b,cの制御操作を行った場合は、その操作状況を操作履歴情報格納部に格納する。
【0005】
図14は、従来例のデータベース整合時のシーケンス説明図であり、IP端末と装置a,b,cとについて示し、例えば、IP端末から装置aに対してDB(データベース)整合コマンドを送出すると、装置aからコマンドに対する応答として、下方に示す情報A〜Tからなるレポートを受信し、IP端末のデータベースに、装置a用構成情報格納部に格納する。同様に、装置b、cに対してもDB整合のコマンドを送出し、装置b、cからのレポート受信により、データベースの装置b用構成情報格納部及び装置c用構成情報格納部に格納する。なお、IP端末により管理、監視する装置が図示以外に存在する場合、順次全部の装置に対してDB整合のコマンドを送出し、このコマンドに応答したレスポンスを受信して、データベースに装置対応の構成情報格納部を形成して格納する。
【0006】
又定期情報収集時は、図15に示すように、IP端末から定期情報収集のコマンドを装置a,b,cに順次送出し、それぞれの応答のレスポンスを受信して、そのレスポンスに付加されている構成情報等のデータによってデータベースを更新する。装置a,b,cの構成変化がなければ、前回の定期情報収集時と同一のレポートのデータ内容が、装置a,b,cから送出される。各装置a,b,cからのレポートのデータ内容は、図14に例示した情報A〜Tのように多数の情報を含むものである。
【0007】
又ネットワークの各ノードの構成情報を収集し、ネットワーク構成図を自動生成して表示するネットワーク管理システムに於いて、各ノードは、構成情報の変化があった場合に、変化による差分をネットワーク管理システムに送出することにより、ネットワーク構成図を自動的に更新する手段が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平9−200207号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述の従来例の監視制御システムに於いては、IP端末からのコマンドに対する各装置からのレポートのデータ内容は、例えば、図14の下方に示すように、多数の情報A〜Tを含むものであり、従って、装置数の増加と装置構成の複雑且つ多様化とによって、転送する情報量が更に増加することになる。その為、IP端末と各装置とを接続するインターネット等のネットワークの帯域を圧迫する問題がある。特に、新規システム構築の場合や、装置の増減設の場合には、IP端末により管理、監視する全装置に対して、それぞれの装置情報の収集等の為に多量の情報量を連続的に転送する必要があり、運用開始までに長時間を要すると共に、その間、回線を占有する問題がある。例えば、被監視装置を、同期多重伝送を行うSDH(Synchronous Digital Hierachy)装置としたSDHシステムに於いては、制御端末をIP端末として、インターネットを介して各SDH装置の装置情報を転送する場合、数時間を要するものであった。
【0009】
本発明は、従来の問題を解決するもので、制御端末と被監視装置との間に転送する情報量を削減可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の監視制御システムは、単一又は複数の制御端末と、単一又は複数の被監視装置とを含み、前記制御端末により前記被監視装置の装置情報を収集してデータベースに格納し、前記被監視装置の管理、監視を行う監視制御システムに於いて、前記制御端末は、前記被監視装置に対して前記装置情報の収集コマンドを送出する手段を備え、前記被監視装置は、内部に設定されている装置情報を複数のカテゴリに分類して管理すると共に、前記制御端末からの装置情報の収集コマンドに対して、前記装置情報の中の変更されている装置情報内容に対応したカテゴリのみをレポートとして前記制御端末へ送出する手段を備えている。
【0011】
又前記制御端末は、前記被監視装置に対して最初の装置情報収集コマンドであることを示す情報を付加したコマンドの送出手段を備え、前記被監視装置は、前記装置情報収集コマンドに対して、装置情報の初期設定値からの変更内容に対応したカテゴリのみをレポートとして前記制御端末へ送出する手段を備えることができる。
【0012】
本発明の監視制御方法は、単一又は複数の制御端末と、単一又は複数の被監視装置とを含み、前記制御端末により前記被監視装置の装置情報を収集してデータベースに格納し、前記被監視装置の管理、監視を行う監視制御方法に於いて、前記制御端末は、前記被監視装置に対して前記装置情報の収集コマンドを送出し、前記被監視装置は、内部に設定されている装置情報を複数のカテゴリに分類して管理すると共に、前記制御端末からの装置情報の収集コマンドに対して、前記装置情報の中の変更されている装置情報内容に対応したカテゴリのみをレポートとして前記制御端末へ送出する過程を含むものである。
【0013】
又前記制御端末は、前記被監視装置に対して最初の装置情報収集コマンドであることを示す情報を付加した収集コマンドを送出し、前記被監視装置は、前記装置情報収集コマンドに対して、装置情報の初期設定値からの変更内容に対応したカテゴリのみをレポートとして前記制御端末へ送出する過程を含むものである。
【0014】
又前記制御端末は、複数の前記被監視装置から収集した装置情報のカテゴリについて多数決判定処理により最も多く適用されている単一又は複数のカテゴリを付加した装置情報収集コマンドを送出し、前記被監視装置は、前記装置情報収集コマンドに付加されたカテゴリに対応する変更内容のカテゴリと、設定されている装置情報の中の前記装置情報収集コマンドに付加されていないカテゴリとを、レポートとして前記制御端末へ送出する過程を含むものである。
【発明の効果】
【0015】
被監視装置に設定した装置情報を複数のカテゴリに分類し、制御端末から装置情報を収集する場合に、被監視装置は、初期設定値からの変更内容に対応したカテゴリ、又は定期情報収集時には、前回からの変更内容に対応したカテゴリのみを制御端末へ送出することにより、レポートのデータ量を大幅に削減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の監視制御システムは、図1を参照して説明すると、単一又は複数の制御端末としてのIP端末1と、単一又は複数の被監視装置(装置a,b,c)とを含み、制御端末によりインターネット2を介して被監視装置(装置a,b,c)の装置情報を収集してデータベース4に格納し、被監視装置(装置a,b,c)の管理、監視を行う監視制御システムであって、制御端末としてのIP端末1は、被監視装置(装置a,b,c)に対して装置情報の収集コマンドを送出する手段を備え、被監視装置(装置a,b,c)は、内部に設定されている装置情報を複数のカテゴリに分類して管理すると共に、制御端末としてのIP端末1からの装置情報の収集コマンドに対して、装置情報の中の変更されている装置情報内容に対応したカテゴリのみをレポートとして、制御端末としてのIP端末1へ送出する手段を備えている。
【0017】
本発明の監視制御方法は、単一又は複数の制御端末としてのIP端末1と、単一又は複数の被監視装置(装置a,b,c)とを含み、制御端末としてのIP端末1によりインターネット2を介して被監視装置(装置a,b,c)の装置情報を収集してデータベース4に格納し、被監視装置(装置a,b,c)の管理、監視を行う監視制御方法であって、制御端末としてのIP端末1は、被監視装置(装置a,b,c)に対して装置情報の収集コマンドを送出し、被監視装置(装置a,b,c)は、内部に設定されている装置情報を複数のカテゴリに分類して管理すると共に、制御端末としてのIP端末1からの装置情報の収集コマンドに対して、装置情報の中の変更されている装置情報内容に対応したカテゴリのみをレポートとして、制御端末としてのIP端末1へ送出する過程を含むものである。
【実施例1】
【0018】
図1は、本発明の実施例1のシステムの概要説明図であり、被監視装置としての装置a,b,cをネットワーク3により接続し、制御端末としてのIP端末1と、被監視装置としての各装置a,b,cとをインターネット2を介して接続し、IP端末1により各装置a,b,cを管理、監視する監視制御システムを構成する。なお、被監視装置は、更に多数ネットワークに接続される場合が一般的であり、その場合に、制御端末も更に多数設けて、インターネット2等を介して、単一又は複数の被監視装置に接続した構成とすることもできるが、説明の都合上、図示のような比較的簡単な構成について示している。
【0019】
又制御端末としてのIP端末1は、被監視装置としての装置a,b,cの障害発生による障害情報の収集、IP端末1からの個々の設定等の操作の情報の収集と共に、各装置a,b,cに対するコマンドの発行とそれに対するレスポンスの受信処理を行う手段と、データベース4とを備え、このデータベース4は、従来例と同様な、例えば、装置a,b,c対応の装置用の状態情報格納部5,6,7及び状態情報の中の構成情報の詳細な内容を含む構成情報格納部10,11,12と、操作履歴情報格納部8と、障害履歴情報格納部9とを含む構成を有するものである。又各装置a,b,cは、ネットワーク3を介して同期多重データ等の各種データの送受信を行う手段と共に、IP端末1からインターネット2を介して転送されたコマンドを受信処理し、このコマンドに対するレポートを送出するレポート送受信手段と、初期設定値からの変化のあった内容や前回送出したレポートの内容を記憶し、その内容からの変化部分(差分)を抽出して、レポートのデータ領域に差分内容を示す情報を付加する処理手段と、障害情報や操作情報等を検出してIP端末に送出する手段等を備えている。
【0020】
又IP端末1と各装置a,b,cとの間のコマンドとそれに対するレポートとは、ヘッダとデータ領域とを含むIPパケットとし、そのデータ領域により転送する装置情報を、単一又は複数のカテゴリとして表すもので、装置情報は、前述のように、(a)障害発生の有無、障害の発生履歴等の障害情報と、(b)制御状態の有無、制御履歴等の制御情報と、(c)入出力接点状態、回線に関する障害/制御状態等の状態情報と、(d)ネットワークの形態、構成している被監視装置の種類等のネットワーク情報と、(e)被監視装置の形態、実装されているユニット等の構成情報と、(f)その他のネットワークや被監視装置特有の設定情報等を含むものであり、又構成情報は、(g)被監視装置の形態、実装されているユニット、そのユニットの設定情報等の情報と、(h)システムの構成や基本構成情報等の被監視装置の構成に関する情報を含むものである。
【0021】
又IP端末1からカテゴリを付加したコマンドを送出した場合、各装置a,b,cは、付加されたカテゴリの装置情報の変更がなければ、そのカテゴリを付加しないレポートを送出し、又付加されたカテゴリ以外のカテゴリの装置情報については、そのカテゴリをデータ領域に付加したレポートを、IP端末1へ送出する。このカテゴリは、例えば、装置aの構成情報の(g)ユニットの設定情報として、ユニットyに設定された通信速度をカテゴリyaとし、ユニットxに設定された通信速度をカテゴリxzとすることができるものであり、IP端末1に於いて収集したカテゴリを基に、各装置a,b,cの装置情報を認識することができる。その場合、データベース4には、収集したカテゴリと、それに対応した装置情報内容と格納しておくことができる。又装置b,cのそれぞれ装置aと同一ユニットy、xに設定された通信速度が同一の場合、同一名のカテゴリとするものである。なお、カテゴリ相互間に従属関係がないように予め選定する。又従属関係が見られるような場合は、上下関係を表す新たなカテゴリを作成する。又キーとなる情報が、複数のカテゴリに対応する場合は、複数のカテゴリ内に情報を埋め込むことにより対応する。なお、カテゴリ数の上限は設定しない。
【0022】
図2は、コマンド又はレポートのフォーマットのデータ領域の一例を示し、(A)は従来例、(B)は本発明の実施例1の場合を示す。データ領域の構成要素が、従来、(A)に示すように、装置構成、装置詳細情報、ユニット構成、・・・**構成等からなる場合、本発明に於いては、(B)に示すように、カテゴリA,B,C,・・・,*,*とするものであり、例えば、従来の装置構成の内容に対してカテゴリA,Bで表し、装置詳細情報の内容に対してカテゴリC,D,Eで表すことができることを示す。なお、カテゴリ(部分集合)間には、前述のように、関連や従属関係が生じないように予め分類する。
【0023】
図3は、本発明の実施例1のフォーマット説明図であり、(A)はデータベース整合時のIP端末1からのコマンド、(B)はデータベース整合時の装置a,b,cからのレポート、(C)は定期情報収集時のIP端末からのコマンド、(D)は定期情報収集時の装置a,b,cからのレポートのそれぞれフォーマットの一例を示す。データベース整合時のコマンドは、(A)に示すように、ヘッダは、アドレス情報とコマンドコードとデータ情報量とを含むと共に、装置情報の最初の収集か否かを示すデフォルトDefaultを含むもので、これをオンとして最初の装置情報収集を示すことができる。このデフォルトは、IP端末が管理、監視する装置に、例えば、装置情報の初期値がデフォルトとして設定されていることにより、IP端末1もこの初期値を認識しているが、初期状態では、データベース4には、装置a,b,c対応の情報格納部は形成されていないので、装置a,b,c対応の装置情報の初期値は情報格納部には格納されていない。
【0024】
又データ領域は、データベース整合に必要とする単一又は複数のカテゴリを含ませる。これに対するレポートは、(B)に示すように、ヘッダは、アドレス情報とコマンドコードとデータ情報量とを含み、データ領域は、初期設定値からの変更があった内容(差分情報)を示すカテゴリのみとする。又定期情報収集時のコマンドは、(C)に示すように、ヘッダは、アドレス情報とコマンドコードとデータ情報量とデフォルトとを含み、初回のデータベース整合時にはデフォルトをオンとするが、定期情報収集時はオフとする。又データ領域は、IP端末側で変更の有無を問い合わせるカテゴリのみを付加する。これに対するレポートは、(D)に示すように、アドレス情報とコマンドコードとデータ情報量とを含み、データ領域は、前回の定期情報収集時からの変化があった内容(差分情報)のカテゴリを付加する。
【0025】
図4は、従来例のフォーマット説明図であり、図3の(A)〜(D)に対応した(A)〜(D)により、データベース整合時のコマンドとレポート及び定期情報収集時のコマンドとレポートとのフォーマットを示す。ヘッダは、アドレス情報とコマンドコードとデータ情報量とを含み、データ領域は、コマンドの場合、情報取得要求を含み、データベース整合時のレポートは、装置構成と装置詳細情報とユニット構成等を含む情報からなり、又定期情報収集時のレポートは、障害情報、状態情報、制御情報、構成情報等を含み、前回の定期情報収集時からの変化がなく、同一の場合でも、同一のデータ領域の内容とする。即ち、従来は、制御端末側と被監視装置側との処理の簡易性を重視していることにより、被監視装置の装置情報の全データを毎回送信するものである。従って、従来例に於いては、前述のように、IP端末と各装置との間の転送データ量が非常に多いものであった。
【0026】
図5は、本発明の実施例1のシーケンス説明図であり、制御端末としてのIP端末と、被監視装置としての装置との間に於いて、IP端末のデータベースに、アドレス001の装置の情報が格納されていない場合、IP端末は、定期情報収集のコマンドを送出する。この場合のヘッダ情報は、アドレス情報を001、コマンドコードを定期情報収集、データ情報量を0とし、且つデフォルトをオン(Default ON)とする。即ち、初回の装置情報の収集コマンドであることを示す。又この場合のデータ情報量は0であり、データ領域のデータはなしとする。IP端末とインターネットを介して接続されたアドレス001の装置は、このコマンドを受信解析し、デフォルトがオンに設定されていることにより、初期設定値からの変更の有無について検索し、例えば、デフォルトからの変更があった内容(差分情報)を示すカテゴリA,B,Cが抽出された場合、そのカテゴリを含むレポートを作成し、IP端末に応答する。
【0027】
その場合のレポートは、アドレス情報をIP端末のアドレス、コマンドコードを定期情報集、データ情報量を、例えば、3とし、データ領域に前述のデフォルトからの変更内容(差分情報)を示す3個のカテゴリA,B,Cを付加してIP端末へ送信する。この場合のカテゴリA,B,Cは、初期設定値に対して変更した部分又は新たに追加した部分を示す装置情報であり、IP端末は、データベースDBに、アドレス001の装置についてのデフォルトの装置情報とカテゴリA,B,Cの変更部分を修正して格納する。なお、アドレス001の装置は、初期設定値から変更した部分を含まない場合、即ち、デフォルト状態で運用開始を行っている場合、レポートのヘッダのデータ情報量を0とし、データ領域にはデータを付加しないレポートをIP端末へ送信することになる。その場合、IP端末のデータベースのアドレス001の装置についての装置情報としては、デフォルトの内容を格納することになる。
【0028】
前述の監視端末としてのIP端末のデータベースに、被監視装置の装置情報を格納した後、次のような学習処理により必要な情報の収集を行う。
(a).多数決判定、これは、複数の被監視装置を対象として、最も多く設定されているカテゴリを多数決判定し、そのカテゴリを用いたコマンドを送信する。
(b).障害履歴判定、これは、定期情報収集の合間に発生した障害により、被監視装置の状態変化を推測したコマンドを送信する。
(c).UI(User Interface)履歴判定、これは、定期情報収集の合間に於ける制御端末からの操作により、被監視装置の状態変化を行った場合、それによる状態変化を推測したコマンドを送信する。
【0029】
図6は、状態情報が装置の接続構成に対応して変化する場合の説明図であり、(A)に示すように、装置a,b,cの順に接続されて、装置aとIP端末とが接続されている場合に、装置a,b,cのカテゴリが、例えば、(B)に示すように、装置aは、装置情報のカテゴリA,B,Cと、状態情報のカテゴリZとを有し、装置bは、装置情報のカテゴリA,C,D,Eと状態情報X,Zとを有し、装置cは、装置情報のカテゴリA、B,Dと状態情報のカテゴリXとを有する場合、状態情報の変化を次のようにして検出することができる。例えば、状態情報のカテゴリZは、障害Z発生により変化する。例えば、電源オンの状態情報のカテゴリPONは、電源障害により電源オフのカテゴリPOFFに変化する。又障害発生の装置に隣接する装置は、障害の影響により状態情報が変化する。又カテゴリXの状態情報は、制御Xの発生により状態変化する。
【0030】
図7は、前述の(a).多数決判定によるコマンド作成の場合のシーケンス説明図であり、レポートのヘッダ部分は図示を省略している。IP端末と装置a,b,cとを有する監視制御システムに於いて、先ず、IP端末は、ヘッダのアドレスを全装置a,b,cを指定する一斉通知に相当する値とし、コマンドコードを定期情報収集、データ情報量を0、デフォルトをオン(Default ON)としたヘッダを形成し、データ領域はデータなしとしたコマンドを送出する。装置aは、このコマンドに対して、ヘッダのデフォルトがオンであることにより、デフォルト値との差分を抽出し、変更があった差分情報の例えばカテゴリA,B,Cをデータ領域に設定したレポートをIP端末に送出する。
【0031】
又装置bに於いても同様にコマンドを解析し、デフォルト値に対する差分情報が、例えば、カテゴリA,C,D,Eの場合、これらをデータ領域に設定したレポートをIP端末に送出する。又装置cに於いても同様にコマンドを解析し、デフォルト値に対する差分情報が、例えば、カテゴリA,B,Dの場合、これらをデータ領域に設定したレポートをIP端末に送出する。IP端末は、そのデータベースDBに装置a,b,c対応の情報格納部を形成して、レポート内容に従って、デフォルト値とそれに対して変更した差分情報とを格納する。
【0032】
IP端末は、カテゴリの多数決判定を行う。この場合、カテゴリAは全装置a,b,cに共通であり、多数決判定は採用、カテゴリBは、装置a,cについて存在するから多数決判定は採用、カテゴリCは、装置a,bについて存在するから多数決判定は採用、カテゴリDは、装置b,cについて存在するから多数決判定により採用、カテゴリEは、装置bのみであり、多数決判定により否決とする。なお、多数決判定は、同一のカテゴリの装置数により行う場合を示し、判定基準とする装置数は、全装置数に対する同一カテゴリ装置数が、例えば、半数以上とすることができる。又カテゴリ数との関連で判定基準を選定することも可能である。この多数決判定結果により、次回の定期情報収集時のコマンドは、ヘッダのアドレスを全装置指定、コマンドコードを定期情報収集、データ量4、デフォルトをオフ(Default OFF)とし、データ領域に、多数決判定結果のカテゴリA,B,C,Dの4個を付加して送出する。
【0033】
装置aに於いては、前回のレスポンスのデータ領域にカテゴリA,B,Cを付加し、カテゴリDは差分なしを示しているが、今回のコマンドのデータ領域にカテゴリDが含まれているから、コマンドのデータ領域のカテゴリA,B,C,Dの中のカテゴリDを、今回のレポートのデータ領域に付加してIP端末へ送信する。又装置bに於いては、前回のレスポンスのデータ領域にカテゴリA,C,D,Eを付加し、今回のコマンドのデータ領域に、カテゴリBが含まれており、又カテゴリEが含まれていないので、今回のレポートのデータ領域に、カテゴリB,Eを付加してIP端末へ送信する。同様に、装置cに於いては、前回のレスポンスのデータ領域にカテゴリA,B,Dを付加しており、今回のレポートのデータ領域に、カテゴリCを付加してIP端末へ送信する。
【0034】
IP端末は、装置a,b,cからのレポートのデータ領域に付加されたカテゴリに従って、装置a,b,c対応の情報格納部の更新を行い、装置a,b,c対応の現在の装置構成を示すデータベース内容を得ることができる。IP端末に於ける多数決判定結果に基づいた定期情報収集コマンドの内容に従って、各装置a.b,cは、コマンドのデータ領域に付加されたカテゴリ以外に前回送出したカテゴリが存在する場合、そのカテゴリをレポートのデータ領域に付加し、又は変更があった場合の内容を示すカテゴリをレポートのデータ領域に付加して、IP端末送出する。従って、コマンドのデータ領域に付加するデータ量の削減と共に、レスポンスのデータ領域に付加するデータ量の大幅な削減を図ることができる。
【0035】
図8は、前述の(b).障害履歴判定によるコマンドを用いた定期情報収集のシーケンス説明図であり、IP端末と装置a,b,cとを含む監視制御システムに於いて、定期情報収集の合間に、障害の発生又は障害復旧の装置状態変化が発生した場合を示す。IP端末は、定期情報収集コマンドとして、ヘッダのアドレスは全装置指定とし、又デフォルトをオフとし、データ領域については、多数決判定結果に従って、例えば、カテゴリA,B,C,Dを付加し送出する。これに対して、装置aは、そのレポートのデータ領域にカテゴリAを付加し、又装置bは、そのレポートのデータ領域にカテゴリB,Eを付加し、又装置cは、そのレポートのデータ領域にカテゴリCを付加して、それぞれIP端末に対して送信する。IP端末は、前述の定期情報収集の場合と同様に、収集したカテゴリを基にデータベースDBを更新する。
【0036】
そして、装置aに於いて障害Zが発生すると、装置aは、IP端末へ障害Z発生を通知すると共に、その障害Z発生によりネットワークによるデータ伝送に影響する隣接の装置bにも障害発生を通知する場合が一般的である。IP端末は、装置aからの障害Z発生通知によりカテゴリZの状態変化を予測する。そして、次の定期情報収集コマンドのデータ領域に、多数決判定結果の例えばカテゴリA,B,C,Dと、変化を予測したカテゴリZとを付加する。装置aに於いては、カテゴリZを含む状態情報を有するが、コマンドのデータ領域にカテゴリZが付加されているから、装置aのレポートのデータ領域には、このカテゴリZを付加しない。
【0037】
又装置bに於いても、装置aの障害発生によりカテゴリZを含む状態情報となるが、コマンドのデータ領域にカテゴリZが付加されているから、レポートのデータ領域にはカテゴリZを付加しない。又装置cは、障害発生の影響を受けていない場合、カテゴリZを含む状態情報は存在しないので、コマンドのデータ領域に付加されたカテゴリZを、レポートのデータ領域に付加してIP端末へ送出する。これにより、IP端末は、装置a,bは、カテゴリZの状態情報に変化し、装置cは変化していないこと認識することができる。従って、障害発生通知に基づいて状態変化を予測し、状態変化のカテゴリZをコマンドのデータ領域に付加することにより、状態変化した装置は、カテゴリZを送信しないで済むことから、データ量を削減することができる。
【0038】
図9は、前述の(c).UI履歴判定によるコマンドを用いた定期情報収集のシーケンス説明図であり、IP端末から装置a,b,cに対する定期情報収集については、前述の場合と同様であり、重複する説明は省略する。次にIP端末から例えば装置cに対して制御X実施をコマンドにより指示し、装置cから制御応答のレスポンスをIP端末へ送出した場合、装置cは、制御Xに対応したカテゴリXの状態変化が発生していることをIP端末は認識することができる。そこで、次回の定期情報収集のコマンドのデータ領域には、前述の多数決判定結果に基づく例えばカテゴリA,B,C,Dと共に、カテゴリXを付加する。
【0039】
各装置a,b,cは、コマンドを解析し、装置a,bは、カテゴリXの状態変化は生じていないので、装置aのレポートのデータ領域には、例えば、カテゴリAと、コマンドのデータ領域に付加されていたカテゴリXとを付加してIP端末へ送出する。又装置bに於いても同様に、レポートのデータ領域に、カテゴリB,E、Xを付加してIP端末へ送出する。又装置cは、コマンドのデータ領域に付加されたカテゴリXの状態変化であるから、レポートのデータ領域に、例えば、カテゴリCを付加して、IP端末へ送出する。IP端末のデータベースを、収集した各装置a,b,cからのカテゴリに従って更新処理することになる。
【0040】
又IP端末は、収集したカテゴリの多数決判定処理を行う。その場合、装置a,bからのカテゴリXの多数決判定により、前述の場合は採用とするものであるが、前回のコマンドにカテゴリXを付加したことによるレポートであり、従って、次回の定期情報収集のコマンドのデータ領域には、このカテゴリXは付加しないものである。この場合のコマンドにより、装置cからのレポートは、状態変化のカテゴリXを有するから、データ領域にこのカテゴリXを付加する。又装置a,bは、コマンドのデータ領域にカテゴリXが含まれていないので、コマンドのデータ領域に付加されたカテゴリについての変化の有無と他のカテゴリの追加に相当する状態変化等の検出処理を行い、その結果に基づいたカテゴリをレポートのデータ領域に付加することになる。又装置cは、コマンドのデータ領域にカテゴリXが付加されていないので、レポートのデータ領域にこのカテゴリXを含むカテゴリを付加して、IP端末へ送出する。なお、装置cに於いて、カテゴリXの状態変化がなくなった場合のレポートのデータ領域には、カテゴリXが付加されないことになる。
【0041】
図10は、従来例と本発明の実施例1との比較による効果説明図であり、(A)はデータベース整合時、(B)は定期情報収集時について示し、又(a)は従来例、(b)は本発明について示す。データベース整合時、従来例のコマンドは、コマンドヘッダと構成情報要求データとして示しているが、各装置の構成情報種類は多数であり、それらを指定する為にデータ量は多くなるが、本発明の場合は、初回はコマンドヘッダのみで、データ領域はデータなしとするから、データ量は非常に少なくなる。又初回以降の場合は、コマンドヘッダと変更カテゴリとを含むものであるが、この変更カテゴリ数が多い場合にはその分データ量が多くなるとしても、レポートのデータ量を大幅に削減可能となり、全体としてはデータ量の削減を図ることができる。
【0042】
レポートについては、従来例のレポートは、レポートヘッダと構成情報とからなるものであるが、この構成情報は、各装置の総ての構成情報を含むものであるから、データ量は多くなる。本発明の場合は、レポートヘッダと差分情報とを含むもので、構成情報の変更量が少ない程、データ量を削減することができ、一般的には、構成情報の変更は頻繁に行うものではないから、データ量は少なくなる。同様に、図10の(B)に示すように、定期情報収集時についても、本発明の場合、IP端末と各装置との間に転送するデータ量を大幅に削減することが可能となる。
【0043】
図11は、IP端末により管理、監視する装置が10台の場合の監視制御システムに於ける種々の条件のデータ量の比較説明図であり、(A)は、全装置が同一設定内容の場合、(B)は半数の装置が同一設定内容の場合、(C)は全装置が異なる設定内容の場合について、初期状態の設定内容からの変化量が10%,30%,50%,70%,90%となった時のコマンドとレポートとのデータ量の変化を示す。なお、従来例のコマンドのデータ量を100%とし、それに対する削減量(%)を、黒三角印を付加して示す。又初回コマンド量及び次発コマンド量の送信は、IP端末からのコマンドのデータ量、受信はレポートのデータ量を示す。又コマンド量差分は、次発コマンド量の送信と受信との差分を示す。
【0044】
例えば、図11の(A)に於いて、初回コマンドのデータ量は、送信コマンドのヘッダについてのみであり、従って、従来例と比較すれば、略0%となる。又初期状態からの変化量が0%であれば、レポートのデータ量としては、ヘッダについてのみとなるが、変化量が10%の場合、レポートのデータ量は、変化分に相当したものとなり、従って、従来例と比較して90%の削減となる。又次発コマンド量は、初回に収集したカテゴリの多数決判定結果に基づいたカテゴリをコマンドのデータ領域に付加するから、従来例と比較して、略1%程度であり、又レポートのデータ量は、ヘッダのみであるから、従来例に比較して略100%削減できる。又初期状態からの変化量が90%の場合、初回コマンド量としてのレポートのデータ量は、変化量に相当するカテゴリが付加されるから、従来例に比較して、略10%の削減となり、次発コマンド量のコマンドのデータ量は、収集したカテゴリの多数決判定結果のカテゴリを付加することにより、略9%程度増加したとしても、レポートのデータ量は、初回からの変化がなければ、従来例に比較して略100%削減することができる。従って、コマンドのデータ量とレポートのデータ量との差による削減量は略91%となる。
【0045】
又10台の装置の半数の設定内容が同一の場合を、図11の(B)に示すもので、全装置の設定内容が同一の場合に比較して、データ量の削減割合が低下するが、最悪条件の初期状態からの変化が90%の場合でも、従来例に比較してデータ量を略半減することができる。又10台の全装置の設定内容が異なる場合は、図11の(C)に示すように、更に条件が悪くなるが、それでも、初期状態からの変化量が10%の場合、次発コマンド量として示すように、レポートのデータ量は、従来例に比較して略91%の削減量となる。
【0046】
(付記1)単一又は複数の制御端末と、単一又は複数の被監視装置とを含み、前記制御端末により前記被監視装置の装置情報を収集してデータベースに格納し、前記被監視装置の管理、監視を行う監視制御システムに於いて、前記制御端末は、前記被監視装置に対して前記装置情報の収集コマンドを送出する手段を備え、前記被監視装置は、内部に設定されている装置情報を複数のカテゴリに分類して管理すると共に、前記制御端末からの装置情報の収集コマンドに対して、前記装置情報の中の変更されている装置情報内容に対応したカテゴリのみをレポートとして前記制御端末へ送出する手段を備えたことを特徴とする監視制御システム。
(付記2)前記制御端末は、前記被監視装置に対して最初の装置情報収集コマンドであることを示す情報を付加したコマンドの送出手段を備え、前記被監視装置は、前記装置情報収集コマンドに対して、装置情報の初期設定値からの変更内容に対応したカテゴリのみをレポートとして前記制御端末へ送出する手段を備えたことを特徴とする付記1記載の監視制御システム。
(付記3)前記制御端末は、複数の前記被監視装置から収集したそれぞれの装置情報のカテゴリについて多数決判定処理結果のカテゴリを、次回の装置情報収集コマンドに付加して送出する手段を備え、前記被監視装置は、前記装置情報収集コマンドに付加されたカテゴリ以外の装置情報のカテゴリをレポートとして前記制御端末へ送出する手段を備えたことを特徴とする付記1記載の監視制御システム。
【0047】
(付記4)単一又は複数の制御端末と、単一又は複数の被監視装置とを含み、前記制御端末により前記被監視装置の装置情報を収集してデータベースに格納し、前記被監視装置の管理、監視を行う監視制御方法に於いて、前記制御端末は、前記被監視装置に対して前記装置情報の収集コマンドを送出し、前記被監視装置は、内部に設定されている装置情報を複数のカテゴリに分類して管理すると共に、前記制御端末からの装置情報の収集コマンドに対して、前記装置情報の中の変更されている装置情報内容に対応したカテゴリのみをレポートとして前記制御端末へ送出する過程を含むことを特徴とする監視制御方法。
(付記5)前記制御端末は、前記被監視装置に対して最初の装置情報収集コマンドであることを示す情報を付加した収集コマンドを送出し、前記被監視装置は、前記装置情報収集コマンドに対して、装置情報の初期設定値からの変更内容に対応したカテゴリのみをレポートとして前記制御端末へ送出する過程を含むことを特徴とする付記4記載の監視制御方法。
(付記6)前記制御端末は、複数の前記被監視装置から収集した装置情報のカテゴリについて多数決判定処理により最も多く適用されている単一又は複数のカテゴリを付加した装置情報収集コマンドを送出し、前記被監視装置は、前記装置情報収集コマンドに付加されたカテゴリに対応する変更内容のカテゴリと、設定されている装置情報の中の前記装置情報収集コマンドに付加されていないカテゴリとを、レポートとして前記制御端末へ送出する過程を含むことを特徴とする付記4記載の監視制御方法。
【0048】
(付記7)前記制御端末は、障害発生通知を送出した被監視装置及び該被監視装置の障害発生により影響を受ける被監視装置の状態変化を予測し、次回の定期情報収集コマンドに、前記状態変化内容のカテゴリを付加して送出し、前記状態変化が発生した被監視装置は、前記カテゴリを付加しないレポートを前記制御端末へ送出し、前記状態変化が発生しない被監視装置は、前記カテゴリを付加したレポートを前記制御端末へ送出する過程を含むことを特徴とする付記4記載の監視制御方法。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施例1のシステムの概要説明図である。
【図2】データ領域の従来例と本発明の実施例との説明図である。
【図3】本発明の実施例1のフォーマット説明図である。
【図4】従来例のフォーマット説明図である。
【図5】本発明の実施例1のシーケンス説明図である
【図6】状態情報の変化の説明図である。
【図7】多数決判定処理を含む定期情報収集のシーケンス説明図である。
【図8】障害履歴判定による定期情報収集のシーケンス説明図である。
【図9】UI履歴判定による定期情報収集のシーケンス説明図である。
【図10】データベース整合時と定期情報収集時との効果説明図である。
【図11】コマンドについてのデータ量の比較説明図である。
【図12】従来例の監視制御システムの説明図である。
【図13】従来例の監視制御システムの説明図である。
【図14】従来例のデータベース整合時のシーケンス説明図である。
【図15】従来例の定期情報収集時のシーケンス説明図である。
【符号の説明】
【0050】
1 IP端末
2 インターネット
3 ネットワーク
4 データベース
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一又は複数の制御端末と、単一又は複数の被監視装置とを含み、前記制御端末により前記被監視装置の装置情報を収集してデータベースに格納し、前記被監視装置の管理、監視を行う監視制御システムに於いて、
前記制御端末は、前記被監視装置に対して前記装置情報の収集コマンドを送出する手段を備え、
前記被監視装置は、内部に設定されている装置情報を複数のカテゴリに分類して管理すると共に、前記制御端末からの装置情報の収集コマンドに対して、前記装置情報の中の変更されている装置情報内容に対応したカテゴリのみをレポートとして前記制御端末へ送出する手段を備えた
ことを特徴とする監視制御システム。
【請求項2】
前記制御端末は、前記被監視装置に対して最初の装置情報収集コマンドであることを示す情報を付加したコマンドの送出手段を備え、前記被監視装置は、前記装置情報収集コマンドに対して、装置情報の初期設定値からの変更内容に対応したカテゴリのみをレポートとして前記制御端末へ送出する手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の監視制御システム。
【請求項3】
単一又は複数の制御端末と、単一又は複数の被監視装置とを含み、前記制御端末により前記被監視装置の装置情報を収集してデータベースに格納し、前記被監視装置の管理、監視を行う監視制御方法に於いて、
前記制御端末は、前記被監視装置に対して前記装置情報の収集コマンドを送出し、前記被監視装置は、内部に設定されている装置情報を複数のカテゴリに分類して管理すると共に、前記制御端末からの装置情報の収集コマンドに対して、前記装置情報の中の変更されている装置情報内容に対応したカテゴリのみをレポートとして前記制御端末へ送出する過程を含む
ことを特徴とする監視制御方法。
【請求項4】
前記制御端末は、前記被監視装置に対して最初の装置情報収集コマンドであることを示す情報を付加した収集コマンドを送出し、前記被監視装置は、前記装置情報収集コマンドに対して、装置情報の初期設定値からの変更内容に対応したカテゴリのみをレポートとして前記制御端末へ送出する過程を含むことを特徴とする請求項3記載の監視制御方法。
【請求項5】
前記制御端末は、複数の前記被監視装置から収集した装置情報のカテゴリについて多数決判定処理により最も多く適用されている単一又は複数のカテゴリを付加した装置情報収集コマンドを送出し、前記被監視装置は、前記装置情報収集コマンドに付加されたカテゴリに対応する変更内容のカテゴリと、設定されている装置情報の中の前記装置情報収集コマンドに付加されていないカテゴリとを、レポートとして前記制御端末へ送出する過程を含むことを特徴とする請求項3記載の監視制御方法。
【請求項1】
単一又は複数の制御端末と、単一又は複数の被監視装置とを含み、前記制御端末により前記被監視装置の装置情報を収集してデータベースに格納し、前記被監視装置の管理、監視を行う監視制御システムに於いて、
前記制御端末は、前記被監視装置に対して前記装置情報の収集コマンドを送出する手段を備え、
前記被監視装置は、内部に設定されている装置情報を複数のカテゴリに分類して管理すると共に、前記制御端末からの装置情報の収集コマンドに対して、前記装置情報の中の変更されている装置情報内容に対応したカテゴリのみをレポートとして前記制御端末へ送出する手段を備えた
ことを特徴とする監視制御システム。
【請求項2】
前記制御端末は、前記被監視装置に対して最初の装置情報収集コマンドであることを示す情報を付加したコマンドの送出手段を備え、前記被監視装置は、前記装置情報収集コマンドに対して、装置情報の初期設定値からの変更内容に対応したカテゴリのみをレポートとして前記制御端末へ送出する手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の監視制御システム。
【請求項3】
単一又は複数の制御端末と、単一又は複数の被監視装置とを含み、前記制御端末により前記被監視装置の装置情報を収集してデータベースに格納し、前記被監視装置の管理、監視を行う監視制御方法に於いて、
前記制御端末は、前記被監視装置に対して前記装置情報の収集コマンドを送出し、前記被監視装置は、内部に設定されている装置情報を複数のカテゴリに分類して管理すると共に、前記制御端末からの装置情報の収集コマンドに対して、前記装置情報の中の変更されている装置情報内容に対応したカテゴリのみをレポートとして前記制御端末へ送出する過程を含む
ことを特徴とする監視制御方法。
【請求項4】
前記制御端末は、前記被監視装置に対して最初の装置情報収集コマンドであることを示す情報を付加した収集コマンドを送出し、前記被監視装置は、前記装置情報収集コマンドに対して、装置情報の初期設定値からの変更内容に対応したカテゴリのみをレポートとして前記制御端末へ送出する過程を含むことを特徴とする請求項3記載の監視制御方法。
【請求項5】
前記制御端末は、複数の前記被監視装置から収集した装置情報のカテゴリについて多数決判定処理により最も多く適用されている単一又は複数のカテゴリを付加した装置情報収集コマンドを送出し、前記被監視装置は、前記装置情報収集コマンドに付加されたカテゴリに対応する変更内容のカテゴリと、設定されている装置情報の中の前記装置情報収集コマンドに付加されていないカテゴリとを、レポートとして前記制御端末へ送出する過程を含むことを特徴とする請求項3記載の監視制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2007−219889(P2007−219889A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−40441(P2006−40441)
【出願日】平成18年2月17日(2006.2.17)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月17日(2006.2.17)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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