説明

磁気エンコーダ装置

磁気エンコーダ装置用の磁気スケール(4;62)が説明される。磁気スケール(4;62)は複数の溝(16,18;42,44)を具えるスケール部材を具える。スケール部材は、対応する磁気スケールリーダユニット(6;76)によって読み取り可能な受動的磁気スケールトラックを画成している。複数の溝は、少なくとも第1溝種類の溝(16,42)および第2溝種類の溝(18,44)を具え、第1溝種類の溝(16,42)の位置における磁気スケールの磁気特性は第2溝種類の溝(18,44)の位置における磁気スケールの磁気特性と異なっている。スケール部材はデータビットのシーケンスを具える少なくとも1つのコードワードの形態の絶対位置情報を担持し、データビットの各々はスケール部材の溝によって提供され、データビットは、溝(16,42)が第1の溝種類のものである場合には第1の値(1)を、溝(18,44)が第2の溝種類のものである場合には第2の値を取る。複数の溝(16,18;42,44)の中点はスケール部材(4;62)の長さ方向に沿って実質的に等間隔である。従って、相対および絶対位置情報を磁気スケール(4;62)から抽出することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気エンコーダ装置に関し、特に磁気スケール部材に形成された一連の溝を具える受動的(passive)磁気スケールトラックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
多くの異なる種類の位置エンコーダが知られている。これらには、明暗線を具えたスケールが光学読み取りヘッドによって読み取られる光学システムが含まれる。磁気特性を変化させたスケールが1以上の磁気(例えばホール)センサを具えた読み取りユニットによって読み取られる磁気エンコーダも知られている。
【0003】
相対位置(incremental)および絶対位置(absolute)エンコーダの構成が知られている。一般に、相対位置エンコーダは、スケールと読み取りヘッドとの相対移動の測定を可能にする規則的に繰り返されるパターンを具えた対応スケールを読み取る。絶対位置エンコーダの構成は、スケールに対する読み取りヘッドの絶対位置を決定する一連の特有なコードワードをエンコードする非周期的シーケンスのスケールマークを具えたスケールを読み取る。
【0004】
また、絶対位置(コード化された)トラックに隣接した相対位置スケールトラックを具えたエンコーダスケールを備えることも知られている。一般には相対位置エンコーダスケールシステムから得ることのできる位置精度の向上は、絶対位置を測定することを可能にすることに関連した利点、例えばデバイスの作動時にいかなる相対移動も要することなく迅速に位置を決定する能力に組み合わせることができる。絶対位置データをどのように相対位置スケールトラックに組み込むかについては、以前から説明されている(例えば特許文献1および特許文献2参照)。特にこれらの文献には、一連の光学(明暗)線が設けられた光学スケールについて記載されている。これらの線のいくつかが相対位置スケールから除去されていることで、離散コードワードあるいは擬似ランダムコードの形態の、絶対位置に関連した情報をエンコードしたデータビットが提供される。特許文献3には、異なる幅の歯を使用することで絶対角度位置をエンコードすることが記載されている。
【0005】
特許文献4には、ロッド状の磁性材料に配置される非磁性領域としてスケールマークが形成されることが記載されている。間隔を置いた一対の磁気センサがロッドの相対運動を検出する。一実施形態においては、異なる深さの第1および第2の磁性部分が用いられ、スケールに沿った1または何ポイントかでの位置基準マーク(あるいはホームポジション)を提供している。これにより、スケールの基準マークが磁気センサを通り過ぎたときに基準位置を確定することが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5,279,044号明細書
【特許文献2】国際公開第2002/084223号公報
【特許文献3】独国特許第10104855号明細書
【特許文献4】米国特許第5,461,311号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の形態では、複数の溝を具え、対応する磁気スケールリーダユニットによって読み取り可能な受動的磁気スケールトラックを画成しているスケール部材と、
少なくとも第1溝種類の溝および第2溝種類の溝を具え、前記第1溝種類の溝の位置における前記磁気スケールの磁気特性は前記第2溝種類の溝の位置における前記磁気スケールの磁気特性と異なっている前記複数の溝と、
を具え、前記スケール部材は一連のデータビットを具える少なくとも1つのコードワードの形態の絶対位置情報を担持し、前記データビットの各々は前記スケール部材の溝によって提供され、前記データビットは、前記溝が第1の溝種類のものである場合には第1の値を、前記溝が第2の溝種類のものである場合には第2の値を取り、
前記複数の溝の中点は前記スケール部材の長さ方向に沿って実質的に等間隔である、
ことを特徴とする磁気エンコーダ装置用の磁気スケールが提供される。
【0008】
よって本発明は、対応する磁気スケール読み取りユニットによって読み取り可能な、少なくとも2種類の異なる溝が形成された受動的磁気スケールを提供する。第1の溝種類の溝は、スケール部材の局所的磁気特性を第2の溝種類の溝とは異ならせて配列されている。「受動的」磁気スケールトラックは決して磁化されたものではないが、対応磁気スケール読み取りユニットの磁石が発生する磁界に影響する局所的透磁率変化を持つものであることに注意すべきである。これは、S極およびN極が組み込まれた「能動的」磁気スケールとは対照的であるべきである。
【0009】
スケール部材に形成された異なる溝種類は、スケール部材において異なるデータビット値(例えば論理「1」および「2」)にエンコードするのに用いられる。このように、スケールの溝の各々はデータビットを定義するものであり、溝が第1の溝種類のものであればデータビットは第1の値(例えば「0」)を取り、溝が第2の溝種類のものであればデータビットは第2の値(例えば「1」)を取る。そして、かかる一連のデータビット(すなわち一連の溝)は、スケール部材上の一意的(unique)すなわち絶対位置を記述するコードワードを形成する(すなわち異なる種類の溝の適切なパターンを形成することによって)のに用いられる。かかるコードワードを複数、スケールに沿って形成することができる。このように、絶対位置をスケールに組み込むことができる一方、相対位置データを得るために溝の全体的パターンを用いることができる。
【0010】
よって本発明は、相対位置測定の精度の利点を絶対位置を決定できる能力に組み合わせるべく、分離して並設された相対位置スケールトラックおよび絶対位置スケールトラックを提供する必要性を克服するものである。その代わりとして、絶対位置および相対位置情報の双方を提供するために、単一のスケールトラックが用いられる。上記要約したように、本出願人は、特許文献2(これは主として光学ベースのエンコーダシステムを記載している)において、絶対位置データが相対位置スケールトラックにどのように組み込まれ得るかを先に概説した。しかし本発明者は、異なる溝種類の溝を提供することによって、組み合わされた絶対および相対位置の受動的磁気エンコーダ構成がどのように有利に実装され得るかを認識した。例えば、異なる深さ、幅あるいは輪郭を複数レベルのスケールマークコーディングに用いることができる。このように異なる種類の溝を提供することで、相対位置信号の劣化、すなわち、絶対位置データの抽出を可能としたまま所要のデータをエンコードするためにいくつかの溝が除去される場合に生じ得る相対位置信号の劣化が低減される。
【0011】
本発明は、絶対位置データをコードワードの形態にエンコードするものであり、従って、1またはいくつかの位置に基準マークがスケールに沿って配された特許文献4に記載された種類の相対位置システムを超える利点を有する。特に、後述するように、本発明の絶対位置コードワードは複数エレメントをもつ磁気スケール読み取りユニットによって読み取りが可能なものであり、特許文献4とは異なり、スケール読み取りユニットに対するスケールのいかなる移動も要することがない。従って、スケールに対してスケール読み取りユニットを移動させる必要なく、例えば作動時など必要なときにいつでも、スケールの絶対位置を決定することができる。
【0012】
さらに、複数の溝の中点はスケールの長さ方向に沿って実質的に等間隔である。これにより、特許文献3に記載されたロータリーエンコーダとは異なり、反復パターンの溝がスケール部材に形成され、それから相対位置(正弦/余弦)信号を抽出することができる。好ましくはスケール部材から失われる溝がないことから、これらの相対位置信号の振幅は、等しい溝のパターンが規則的に反復している純粋な相対位置スケールと比較して、有意に減少することはない。
【0013】
上記概説したように、第1溝種類の溝は加えられる磁界に対して第2溝種類の溝とは異なる影響を及ぼすので、異なる溝種類を検知することが可能となる。好ましくは、第1溝種類の溝は第2溝種類の溝とは異なる深さを有する。第1溝種類の溝は第2溝種類の溝とは異なる幅を有することが有利である。第1溝種類の溝は第2溝種類の溝とは異なる形状または断面輪郭を有するものとすることが都合がよい。各溝種類は。単一のトレンチとして設けられていてもよいし、あるいは一連の副溝を備えていてもよい。例えば、第1の一連の窪み(indentation)(例えばドット)あるいは細い副溝が集合して第1溝種類の溝を形成し、第2の一連の窪みあるいは細い副溝が集合して第2溝種類の溝を形成するものでもよい。
【0014】
第1溝種類の溝には第2溝種類の溝とは異なる物質を充填することが有利である。例えば、第1の透磁率をもつ第1の充填物を第1溝種類の溝に充填し、第2の透磁率をもつ第2の充填物を第2溝種類の溝に充填することができる。かかる例においては、溝を物理的に等しいものとする一方で、充填される物質の異なる透磁率によって、作用する磁界に異なる影響を及ぼすことができる。
【0015】
磁気スケールは複数の2値データビットを具えていることが都合がよい。第1種類の溝が論理「1」の値を持つ2値データビットを定義し、第2種類の溝が論理「0」の値を持つ2値データビットを定義するものとすることができる。特有の溝種類に組み合わされる論理値は任意に選択可能である。このように、異なる溝種類が2値データをエンコードするのに用いられる。
【0016】
スケールは、一連の少なくとも2つの(例えば隣接する)2値データビットから、2値コードワード形態の少なくとも1つのコードワードを提供することができる。複数のかかるコードワードが一連の少なくとも2つの2値データビットから形成されることが有利である。2値コードワードの各々は磁気スケール上の特有の位置を記述するものであることが都合がよい。換言すれば、コードワードは絶対位置情報を提供することができる。コードワードは離散している(すなわち重畳していない)ものでもよいし、コードワードを特有に重畳させた擬似ランダムコードとして形成されたものでもよい。
【0017】
上記説明では2値コードをエンコードすることを可能にする第1および第2の溝種類について言及したが、本発明は第3あるいはさらなる溝種類の溝を使用するものとすることができることに注意すべきである。このようにすることで、溝の各々は3以上の異なる状態のいずれか1つを定義することができる。かかる配列は絶対位置を定義するのに必要なコードワード長を低減するために用いることができるようになる。
【0018】
好ましくは、スケール部材は磁性材料を含む。例えば、スケール部材は鋼などの強磁性材料で形成することができる。スケール部材を実質的に細長いものとして、直線状の(回転式のものではない)磁気スケールを提供することが有利である。スケール部材は実質的に平坦あるいは細長い直線状の基材を具えていてもよい。スケールは実質的に円形断面を有するロッドあるいはワイヤを具えることが有利である。複数の溝の各々をロッドあるいはワイヤの周方向に延在させることができる。後述するように、本発明のスケール部材をロッド(例えば鋼製のロッド)形態のものとすることで、油圧シリンダなどにおいてそれを使用することができる。
【0019】
複数の溝を空隙(empty)とすることができる。換言すれば、溝には固体を充填しないようにすることができる。複数の溝は、少なくとも一部が1以上の材料で充填されていることが有利である。溝に充填する材料は、スケール部材とは異なる磁気特性を有するものとすることが好ましい。磁性(例えば強磁性)スケール部材に形成される溝に充填するのに、例えば非磁性材料を用いることができる。
【0020】
上述した種類の磁気スケールを具える本発明に従って、エンコーダ装置(例えばエンコーダ装置)を設けることが有利である。かかるエンコーダ装置はまた、磁気スケール読み取りユニット具えていてもよい。磁気スケールリーダは、磁石および複数の磁界強度(例えばホール効果)をもつセンサを具えていることが有利である。少なくとも4、8、10、10、16、20または31個の磁界強度センサを設けることができる。
【0021】
先に概説したように、磁気スケールの溝の中点は1ビット長(L)の間隔を置いたものとすることができる。磁気スケールリーダは、間隔をおいて設けられた複数の磁界強度センサを具え、1ビット長あたりM個の磁界強度センサが設けられるよう磁界強度センサの間隔が定められていることが都合がよい。ここで、Mは1以上の整数である。換言すれば、溝間隔のピッチは磁界強度センサのピッチの倍数とすることができる。
【0022】
先に概説したように、磁気スケールが複数のコードワードを具え、コードワードの各々が間隔を置いたN個の溝によって定義されるN個のデータビットを具えていることが好ましい。そして、磁気スケールリーダユニットの間隔を置いた複数の磁界強度センサが、少なくともNデータビットを同時に読み取ることができるよう、十分な数の磁界強度センサを具えていることが都合がよい。ここで、Nは2以上の整数である。好ましくは、Nは3、4、5、6、7または10より大きい数であり、有利には13以上である。
【0023】
後に詳述するように、絶対および相対(正弦/余弦)データは複数の磁気強度センサが生成する信号から生じるものとすることができる。このデータの解析は適切な処理回路によって行うことができる。有利には、エンコーダは、複数の磁界強度センサが生成する信号から絶対および相対位置データを発生する回路を具える。上記構成は絶対および相対位置データを測定するべく同じセンサを用いることができるものであるが、同じ単一トラックを読み取るべく、分離した相対位置センサおよび絶対位置センサが交互に設けられていてもよい。
【0024】
よって、磁気エンコーダ装置用の磁気スケールがここで説明される。磁気スケールは複数の溝を具えるスケール部材を具え、該スケール部材は組み合わされる磁気スケールリーダユニットによって読み取り可能な絶対位置情報をエンコードする受動的磁気スケールトラックを定義している。ここで、スケール部材の複数の溝は第1溝種類および第2溝種類の溝を少なくとも具え、第1溝種類の溝の位置における磁気特性は第2溝種類の溝の位置における磁気特性と異なっている。
【0025】
よってここで説明される磁気エンコーダ装置用の磁気スケールは複数の溝を具えるスケール部材を具え、該スケール部材は組み合わされる磁気スケールリーダユニットによって読み取り可能な絶対位置情報をエンコードする受動的磁気スケールトラックを定義している。スケール部材の複数の溝は第1溝種類および第2溝種類の溝を少なくとも具え、第1溝種類の溝の位置における磁気特性は第2溝種類の溝の位置における磁気特性と異なっている。ここで、スケール部材はデータビットのシーケンスを具える少なくとも1つのコードワードの形態の絶対位置情報を担持(carry)し、各々のデータビットはスケール部材の溝によって提供され、データビットは、溝が第1溝種類のものであれば第1の値をとり、第2溝種類のものであれば第2の値をとる。磁気スケールは上述した特徴のうち1以上をさらに含んでいてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】磁気スケールリーダユニットおよび磁気スケールすなわちキャリアを示す。
【図2】2つの異なる深さをもつ一連の溝を有するスケールを示す。
【図3】図2のスケールを読み取るべく配された31個のホール素子を示す。
【図4】2つの異なる幅をもつ一連の溝を有するスケールを示す。
【図5】絶対位置情報を定義するべく特定の溝が削除されたスケールを示す。
【図6】2つの異なる深さをもつ一連の溝を有するスケールを形成するロッドを示す。
【図7】第1の読み取りヘッド回路を示す。
【図8】第2の読み取りヘッド回路を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付の図面を参照して本発明を詳細に説明するが、これは一例を示すものに過ぎない。
【0028】
図1を参照するに、一連のマーカすなわち溝(不図示)を有する強磁性のスケールすなわちキャリア4と、磁気スケールリーダユニット6とを具えるエンコーダ装置2が模式的に示されている。スケールリーダユニット6は、永久磁石8および複数(例えば31個)のホールセンサを担持するセンサ基板10を具えている。ホールセンサはx軸に沿った線上に一様な間隔を置いて配置され、センサ基板10はスケール4に対し実質的に平行に位置するよう配されている。スケールリーダユニット6はまた、電子処理回路を具えているが、これは明確化のために図1には示されていない。
【0029】
図2は、図1において模式的に示されたスケール4の一部分を拡大して示す図である。スケール4は、強磁性材料で形成され、一連の溝を含む基体を具える。溝は、スケール4の長さ方向に沿って実質的に等しい距離の間隔を置いて配されている。十分に(full)深くした溝16および深さを小とした(半分の深さとした)溝18が基体に形成され、2地データの異なるビットを定義している。例えば、十分に深くした溝が論理「1」を定義する一方、半分の深さとした溝が論理「0」を定義するものとすることができる。溝はビット長Lを有し、これは2つの溝の中心間の最小距離として定義することができる。そして、(ワード長Nの)2値ワードは、N個(例えば7個)の十分に深くした溝および半分の深さとした溝の適切なシーケンスから構成することができる。よって、スケール4は、定義されたワード長のビットのサブシーケンスがスケール4上に1度だけ現れるように好ましく配置された、一連のかかるワードを具える。当業者であれば、例えばエッチング、切削、レーザビーム蒸着(laser beam evaporating)など、溝を形成するために多くの技術を用いることができることに気付くであろう。
【0030】
図3を参照するに、スケール4の一部分に隣接した場合の、スケールリーダユニットの31個のホールセンサ30が示されている。センサ30は1列に一様に配列され、基体に形成された溝16および18によって生じる、組み合わされた永久磁石(図3には示されていない)の磁界の変化を検出する。図3に示されたセンサの配列はスケール4のビット長Lあたり4個のホールセンサを具えている。図3に示されたスケールおよびセンサの配列について、8個のデータビットをスケールから読み取ることができる。31個のホールセンサを設けることによって、スケールに対する読み取りヘッドユニットの位置に関わりなく、スケールからは常に少なくとも7データビット(すなわち本例における1ワードの全体)を確実に読み取ることが可能となる。このようにして、スケールおよびスケールリーダユニットのいずれの相対位置に関しても、絶対位置を測定することができる。
【0031】
読み取りヘッドユニットの電子回路(electronics)については図7および図8を参照して後述するが、これは各ホールセンサ30からの信号の値を求める。よって、読み取りヘッドユニットに隣接するスケールの部分に存在する異なる溝種類のシーケンスが判定され、2値データのシーケンスすなわちワードを判定することが可能となる。従って、図2および図3に示すスケールの部分については、読み取りヘッドはバイナリコードシーケンス「1100101」を抽出することになる。そして、このサブシーケンスをスケール上の様々な位置の情報を格納したルックアップテーブルと比較することができ、次いで読み取りヘッドに対するスケールの絶対位置の測定値が提供される。このようにして判定される絶対位置の基本解像度は1ビット長(L)に等しく、最も良い場合にはセンサの間隔に照らして増大させることができる。
【0032】
読み取りヘッドの動作を説明するために、種々のホールセンサの各々からの信号は次のように示すことができる。
i; i=1...(4・N+3) (1)
【0033】
ここで、Nは2値シーケンスのワード長であり、ビット長(L)あたり4個のホールセンサがある。本例ではビット長あたり4個のホールセンサがある場合を説明するが、ビット長あたりそれより多いあるいは少ないセンサが設けられていてもよい。
【0034】
絶対位置情報は、最初に発生する複数の加算信号(Si)によってホールセンサ信号(Hi)から抽出される。2つの適切な加算方式(summation scheme)を以下に概説するが、他の加算方式を用いることもできる。
【0035】
ホールセンサ信号(Hi)から加算信号(Si)を生成するために用いることのできる加算方式の第1例は次のように表すことができる。
i=Hi−Hi+2; i=1...4・N (2)
【0036】
あるいは、第2の加算方式を用いることができる。
i=Hi−Hi+1−Hi+2+Hi+3; i=1...4・N (3)
【0037】
各例において、一連の(S1〜S4・N)の加算信号が生成される。次に、組み合わされたスケールにおいてエンコードされた2値のデータビットがかかる加算信号の適切なセットの値から得られる。例えば、第1の絶対位置データビットの値は加算信号S1〜S4の適切な1つから見出され、第2の絶対位置データビットの値は加算信号S5〜S8の適切な1つから見出される等である。かかる加算信号からこのようにして絶対位置データを抽出することは、図7および図8を参照して後に詳述される。
【0038】
絶対位置データを抽出することに加えて、加算信号Siがエンコーダの解像度を増すために用いることができる2つの周期的(正弦/余弦)信号を生成することも可能であることがわかっている。これらの信号は、ホールセンサの出力に直接合成(combine)することによって、相対位置系(incremental systems)において生成される相対位置(直角位相(quadrature phase))に類似するものであるが、その代わりに、絶対位置データを生成するために用いられる加算信号の合成値(combination)から抽出することもできる。かかる相対位置信号を生成するために、第2の加算方式の式(3)は、第1方式の式(1)よりも広範囲にわたって永久磁石の磁界の不均質性(inhomogeneity)の影響を低減できることから、一般に好ましいものであることに注意すべきである。しかしながら、いずれの加算方式も用いることが可能である。
【0039】
上述した加算方式のいずれかによって生成された加算信号(Si)は、周期的に変化する2つの信号(正弦および余弦)を発生するために用いることができ、その各々は次式に等しい周期を有する。すなわち、
【0040】
【数1】

【0041】
および
【0042】
【数2】

【0043】
である。
【0044】
かかる正弦信号および余弦信号を次式から生成することも可能である
すなわち、
【0045】
【数3】

【0046】
および
【0047】
【数4】

【0048】
である。
【0049】
従って、式(4)および式(5)並びに式(6)および(7)の正弦および余弦(すなわち直角位相)信号は読み取りヘッドおよび組み合わされたスケールの相対位置についての情報を提供する。例えば相対位置エンコーダについて採用される補間技術を用いてかかる直角位相信号を補間することで、ビット長よりも高解像度を有する位置情報を提供することができる。特に、およそ(around)500の補間ファクタを用いることができることがわかっている。従って、上述した正弦および余弦信号は、スケールに対するエンコーダの位置の解像度を大幅に増大させるのに用いることができる。
【0050】
よって、同じスケールトラックを読み取った同じホールセンサから獲られた相対位置(直角位相)データおよび絶対位置データが、高解像度の絶対位置エンコーダを提供するものとなる。絶対位置コードワードが粗い(coarse)位置情報を提供する一方で、正弦/余弦信号が補間されることで、より密な(fine)すなわちサブビット長(sub-bit length)の解像度を提供する。特に、補間された相対位置情報の測定情報を粗い絶対位置情報に加えることで、結果として密な絶対位置情報が提供される。
【0051】
上述した方法は、2つの分離したマーカのトラックを必要としないという利点を有する。しかしながら、単一のトラックは長さ方向に沿った磁気特性の完全な周期的変化を有しておらず、直角位相(正弦および余弦)信号の振幅に影響を及ぼす。換言すれば、絶対位置をエンコードするために十分な深さとした溝および半分の深さとした溝を使用することは直角位相(正弦および余弦)信号の振幅に影響を及ぼし、相対位置データを得る際に適用することのできる補間ファクタを低減させる。
【0052】
十分な深さとした溝および半分の深さとした溝を具える図2および図3に示したスケールパターンは正弦および余弦信号の振幅に最小限の影響のみを与える一方で、異なる溝種類が容易に識別可能なものであることがわかる。特に、かかるスケールを読み取った場合に発生した正弦および余弦信号は、振幅変化が50%未満である。
【0053】
溝深さを変化させることは、正弦および余弦信号を大きく低下させることなく絶対位置データをエンコードすることのできる唯一の方法であることに注意すべきである。
【0054】
図4を参照するに、スケールに沿って規則的に間隔を置いた中心位置を有する一連の溝を有する代替(alternative)スケール40が示されている。十分な幅の溝42が例えば論理「1」をエンコードするために用いられる一方、半分の幅の溝44が論理「0」をエンコードするために用いられる。この配列もまた、結果として、かかるスケールを読み取った場合に発生した正弦および余弦信号の振幅変化が50%未満である。
【0055】
よって、異なる溝種類を正確な形状とすることが重要ではないことがわかる。2つの異なる種類の溝について、組み合わされる読み取りヘッドによって検知可能な異なる磁気特性を測定可能に提供する一方、正弦および余弦信号の劣化をできるだけ最小限にすることが単に必要である。2つの異なる種類の溝は、従って幅および深さの双方を変化させたものとすることができる。あるいは、異なる溝種類を異なる断面輪郭とし、磁気特性の差異を測定可能に提供することができる。例えばドットまたは精細なラインなどの複数の異なる副溝(sub-grooves)を用いることによって、あるいは異なる透磁性の材料を埋めることで異なる溝種類を形成することによって、異なる溝種類が提供されるようにすることもできる。2値の配列を示したが、互いに苦熱可能な3以上の異なる種類の溝を設けることもできる。かかる方法においては、コードワードの長さを低減できる。
【0056】
図5に示されるように、絶対位置データビットをエンコードするために周期的なシーケンスから単純に溝を省略することによって必要な絶対位置情報をエンコードすることもできる。従って、図5に示されるスケール50は規則的な一連の潜在的(potential)溝位置52を具える。かかる潜在的溝位置に形成された溝54が論理「1」を示し、かかる溝が省略されたものは論理「0」を示す。データビットのシーケンスが過多の0がエンコードされることが内容に制御されているものとすれば、直角位相の信号を劣化させることなく、かかる構成を用いることができる。かかるシステムにおいては、およそ20〜30の補間ファクタを用いることができる。
【0057】
図6を参照するに、上述したエンコーダ構成の好ましい適用例が示されている。特に、相対位置データおよび絶対位置データの双方をエンコードする単一スケールトラックが油圧シリンダその他において有利に使用可能である。
【0058】
図6は、加圧式のシリンダケーシング64内で摺動可能なピストンロッド62を組み込んだ油圧シリンダ60を示す。ケーシング64に対して圧送および排油を行うことで作動液(hydraulic fluid)の供給を行うことができ、これによりケーシング64に対するピストンの前進および後退を行わせることができる。流体シール70がケーシング64に設けられ、作動液の漏洩が防止される。
【0059】
例えば万一電力が瞬間的に断たれたり、あるいはオンとなって起動したりすることに備え、ケーシング64に対するピストンロッド62の絶対位置を判断することが望ましい。しかしながら、ピストンロッド62については、ケーシング64に対して自由に回転可能であるのが通常である。よって、相対位置トラックおよび絶対位置トラックが並置される従来システムの使用はかかる適用例にとって不適切であることがわかる。特に、ピストンロッドの回転は、相対位置トラックおよび絶対位置トラック間、並びにそれぞれの読み取りヘッドとの間のミスアライメントを生じさせることになる。
【0060】
従って、図6のピストンロッド62には周方向に沿って延在する溝(不図示)が設けられ、図2に示された種類の複合(combined)絶対/相対位置スケールをエンコードする。そして、ケースに対するロッドの絶対位置を読み取るために、図1のリーダユニット6と同様のリーダユニット76をピストンロッド62に隣接して配置することができる。従って、読み取りはピストンロッドの回転の影響を受けることがない。
【0061】
スケール内に形成される溝は、空隙であること、あるいは流体が充填されていることを必須とするものではない。磁気スケール基体が使用されるのであれば、溝には非磁性の固体材料(例えば銅、クロム、セラミックなど)が充填されていてもよい。非磁性のスケール基体および磁性の溝充填物を設けることも可能である。そのように溝を充填することによって、必要な磁気特性の変化が提供されるだけでなく、円滑なスケール表面を提供することもできる。そのように円滑なスケール表面を提供することは、スケールとともに、ピストンロッドを担持する密な流体シール70が必要な場合に特に有利である。
【0062】
図7および図8を参照し、図3を参照して説明した種類のスケールリーダユニットの電子回路が、図5を参照して説明した種類のスケールを読み取る場合を説明する。
【0063】
図7には、ビット長Lの一連の絶対位置データビットをエンコードするスケール80が示されている。また、ホールセンサ82の直線状アレイを具える対応スケールリーダも示されている。ホールセンサ82は互いに等間隔で配され、スケールのビット長あたり4つのホールセンサが設けられている。各ホールセンサ82は出力信号を発生し、それらのホール信号は上式(1)で導入した用語(terminology)を用いてHiで示すことができる。
【0064】
また、複数の加算デバイス84が設けられ、上式(2)で定義したように、ホールセンサ出力信号Hiから加算(差分(difference))信号Siを発生する。特に、第1のホールセンサ信号H1と第3のホールセンサ信号H3との差から第1の加算信号S1が生成され、第2のホールセンサ信号H2と第4のホールセンサ信号H4との差から第2の加算信号S2が生成されること等がわかる。換言すれば、各加算信号は、ビット量の半分の間隔を置いた一対のホールセンサによって生成される信号から生じる。
【0065】
複数の信号セレクタ86a〜86n(信号セレクタ86として集合的に参照される)が設けられ、複数の加算回路84によって生成された加算信号を受容する。信号セレクタ86の数は、スケールから読み取られるべきワード長と等しくなるように選ばれる。各信号セレクタ86は4つの加算信号を受容する。特に、第1の信号セレクタ86aは加算信号S1〜S4を受容し、第2の信号セレクタ86bは加算信号S5〜S8を受容し、第3の信号セレクタ86cは加算信号S9〜S12を受容する(以下同様)。各信号セレクタ86の目的は、それが受け取った4つの加算信号から、スケールに形成された溝の有無すなわちそのデータビットが論理「1」または「0」の値をエンコードしているかを判定するために用いるべき1つを選択することである。この選択処理は、後述する粗い補間位置信号に基づくものであり、スケール80にエンコードされたデータが、ホールセンサ82のアレイに対して任意の位置にあるスケールとともに読み取り可能であることを意味する。従って、スケールにエンコードされたワードに対応する平行な一連のデータビットが信号セレクタ86によって出力される。
【0066】
絶対位置データを発生するのに用いられることに加え、加算信号は、上述した式(4)および式(5)または式(6)および式(7)に従って合成され、一対の正弦/余弦信号を発生するためにも用いられる。換言すれば、絶対位置情報を提供するのに用いられる加算信号Siは、相対位置信号を発生させるためにも用いられる。
【0067】
特に、第1の合成信号C1はS1から始めて3つおきの(every fourth)加算信号を加算することで生成される。すなわち、C1は合成信号S1、S5、S9、S13等を合成することで生成される。第2の合成信号C2はS3から始めて3つおきの加算信号を加算することで生成される(すなわち、S3、S7、S11、S15等の合計)。第3の合成信号C3はS2から始めて3つおきの加算信号を加算することで生成される(すなわち、S2、S6、S10、S14等の合計)。第4の合成信号C4はS4から始めて3つおきの加算信号を加算することで生成される(すなわち、S4、S8、S12、S16等の合計)。第1の加算デバイス88は第1および第2の合成信号C1およびC2の差から正弦信号を提供し、第2の加算デバイス88は第3および第4の合成信号C3およびC4の差から余弦信号を提供する。
【0068】
補間器ユニット92は、第1の加算デバイス88および第2の加算デバイス90から正弦信号および余弦信号を受け取る。補間器ユニット92は4つの補間ファクタを適用し、位相象限(すなわち90度の位相範囲を有する)内のホールセンサ82とスケール80との間のアライメントの粗い相対位相を示す粗い相対位置信号94を出力する。各信号セレクタ86はこの粗い相対位置信号94を受け取り、その受け取った4つの加算信号のどの1つが適切に合っていてスケールの所要のデータビットを読み取れるものであるかを判定する。図7に示す例では、第2および第4のホールセンサの磁界強度(すなわち信号H2およびH4)の差から加算信号S2が得られており、従って第1データビットとして溝エンコード論理「1」を有するスケールの指示が提供される。
【0069】
従って、図7の回路はNデータビット(複数の「0」または「1」)を出力し、これはスケール80にエンコードされたデータワードに一対の正弦/余弦信号をプラスしたものに対応している。スケールから読み取られるNビットのワードに対応した(associated with)絶対位置を確立するためにルックアップテーブルが用いられる。1ビット長内でのホールセンサ82に対するスケールの(相対)位置のより精細な(サブビット長の)測定値を得るために、正弦/余弦信号が補間される。例えば30個の補間ファクタが用いられるのであれば、ホールセンサ82に対するスケールの(サブビット長の)相対位置は30分の1のビット長内で見つけることができる。(サブビット長の)相対位置が絶対位置の値に付加されることにより、絶対位置データを単独で用いる場合よりも、高解像度の絶対位置の測定値が提供される。この高解像度の絶対位置情報は、例えばシリアルデータ転送プロトコルを用いる出力とすることができる。
【0070】
図8は図7の回路の変形例であり、同様のコンポーネントは同様の参照符号が割り当てられている。
【0071】
図8の回路は図7に示したものと同様であるが、上述した式(3)で定義された第2の加算方式が組み込まれている。一対のホールセンサから加算信号Siを提供する図7の加算デバイス84を用いる代わりに、図8の回路は4つのホールセンサから信号を受け取って加算信号Siを提供する代替的な加算回路98を複数用いている。図8に示す回路は図7に示したものよりも電子的に複雑なものではあるが、磁石が発生する磁界の強度の変動の結果生じる高調波歪みが低減される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の溝を具え、対応する磁気スケールリーダユニットによって読み取り可能な受動的磁気スケールトラックを画成しているスケール部材と、
少なくとも第1溝種類の溝および第2溝種類の溝を具え、前記第1溝種類の溝の位置における前記磁気スケールの磁気特性は前記第2溝種類の溝の位置における前記磁気スケールの磁気特性と異なっている前記複数の溝と、
を具え、前記スケール部材はデータビットのシーケンスを具える少なくとも1つのコードワードの形態の絶対位置情報を担持し、前記データビットの各々は前記スケール部材の溝によって提供され、前記データビットは、前記溝が第1の溝種類のものである場合には第1の値を、前記溝が第2の溝種類のものである場合には第2の値を取り、
前記複数の溝の中点は前記スケール部材の長さ方向に沿って実質的に等間隔である、
ことを特徴とする磁気エンコーダ装置用の磁気スケール。
【請求項2】
前記第1溝種類の溝は、前記第2溝種類の溝とは異なる深さを有していることを特徴とする請求項1に記載の磁気スケール。
【請求項3】
前記第1溝種類の溝は、前記第2溝種類の溝とは異なる幅を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気スケール。
【請求項4】
前記第1溝種類の溝は、前記第2溝種類の溝とは異なる断面輪郭を有していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の磁気スケール。
【請求項5】
前記第1溝種類の溝は論理「0」の値を有する2値データビットを定義し、前記第2溝種類の溝は論理「1」の値を有する2値データビットを定義していることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の磁気スケール。
【請求項6】
各コードワードは、一連の少なくとも2つの2値データビットで形成された2値コードワードを具えていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の磁気スケール。
【請求項7】
前記スケール部材が磁性材料を含んでいることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の磁気スケール。
【請求項8】
前記スケール部材が細長く、直線状の磁気スケールをなしていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の磁気スケール。
【請求項9】
前記スケール部材がロッドを具え、前記複数の溝が前記ロッドの周方向に延在していることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の磁気スケール。
【請求項10】
前記複数の溝が空隙であることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の磁気スケール。
【請求項11】
前記複数の溝は、少なくとも一部が1以上の材料で充填されていることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の磁気スケール。
【請求項12】
請求項1ないし11のいずれかに記載の磁気スケールと、磁気スケールリーダユニットとを具え、該磁気スケールリーダユニットが磁石と複数の磁界強度センサとを具えていることを特徴とするエンコーダ装置。
【請求項13】
前記磁気スケールの溝の中点はビット長(L)だけ間隔を置いており、前記磁気スケールリーダユニット間隔をおいて配された複数の磁界強度センサを具え、前記磁界強度センサは、1ビット長あたりM個の磁界強度センサが設けられるような間隔を置いて配され、前記Mが1以上の整数であることを特徴とする請求項12に記載のエンコーダ装置。
【請求項14】
前記磁気スケールは複数のコードワードを具え、前記コードワードは各々、間隔を置いたN個の溝によって定義されるN個のデータビットを具え、間隔を置いて配された前記複数の磁界強度センサは少なくともN個のデータビットを同時に読み取るのに十分な磁界強度センサであり、前記Nは2以上の整数であることを特徴とする請求項13に記載のエンコーダ装置。
【請求項15】
前記複数の磁界強度センサによって生成された信号から絶対位置データおよび相対位置データを発生するための回路を具えたことを特徴とする請求項12ないし14のいずれかに記載のエンコーダ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−515914(P2012−515914A)
【公表日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−546938(P2011−546938)
【出願日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際出願番号】PCT/GB2010/000092
【国際公開番号】WO2010/086585
【国際公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(391002306)レニショウ パブリック リミテッド カンパニー (166)
【氏名又は名称原語表記】RENISHAW PUBLIC LIMITED COMPANY
【出願人】(504268043)
【Fターム(参考)】