説明

磁気記録媒体用ガラス基板の寸法測定方法、磁気記録媒体用ガラス基板の端面加工方法、及び、磁気記録媒体用ガラス基板の端面加工システム

【課題】ガラス基板に形成された貫通孔の直径(内径)の測定精度を向上させることが可能な磁気記録媒体用ガラス基板の寸法測定方法を提供する。
【解決手段】ガラス基板5に形成された貫通孔51に、互いに120度の間隔を置いて配置された3本の測定端子31〜33を挿入する。測定端子31〜33を、貫通孔51の側面(内周端面)に接触するまで、基準位置から側面に向けて移動させ、側面に接触するまでの移動量を求める。その移動量に基づいて、各測定端子31〜33が側面に接触する接触点の位置を求め、各接触点を通る仮想の円を求め、その仮想の円の直径を貫通孔51の直径とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、磁気ディスク記録装置の基板に用いられる磁気記録媒体用ガラス基板の内径を測定する寸法測定方法、磁気記録媒体用ガラス基板の端面を加工する端面加工方法、及び端面加工システムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータなどに用いられる磁気ディスク記録装置、例えばハードディスクには、アルミニウム合金又はガラスのディスクが基板として用いられている。この基板上に金属磁気薄膜が形成され、金属磁気薄膜を磁気ヘッドで磁化することにより情報が記録される。
【0003】
磁気記録媒体用の基板として、従来は、主にアルミニウム合金が用いられていた。しかし、近年は、ノート型パソコン等の携帯型の端末にも磁気ディスク記録装置が採用されており、また、磁気ディスク記録装置の応答速度を高めるために、磁気記録媒体を10000[rpm]以上で高速回転させる必要がある。そのため、高強度な磁気記録媒体用の基板が必要とされてきており、これらの必要性を満たすものとしてガラス基板が用いられるようになった。このガラス基板には、アモルファスガラス基板、結晶化ガラス基板、又は化学強化ガラス基板が用いられている。
【0004】
ここで、従来技術(例えば特許文献1)に係る磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法について説明する。まず、アモルファスガラス基板の製造方法について説明する。
【0005】
はじめに、ガラス素材を溶融し(ガラス溶融工程)、溶融したガラスを平面形状の金型に流し込み、その金型で溶融ガラスを挟むことによりプレス成形し、円板状のガラス基板を作製する(プレス成形工程)。このプレス成形工程により作製され、以下に示す研削・研磨工程が施される前段階の半製品のガラス基板を「ブランクス材」と称する。そのブランクス材の表面の中心部にダイヤモンドコアドリルを用いて円状の貫通孔を形成し、ドーナツ状のガラス基板(孔あきブランクス材)を作製する(コアリング工程)。
【0006】
その後、ダイヤモンドペレットを貼り付けたプレートを保持した両面研磨機にて、ドーナツ状のガラス基板(孔あきブランクス材)を研削加工する(第1ラッピング工程)。この第1ラッピング工程では、孔あきブランクス材の両表面を研削加工し、ガラス基板の平行度、平坦度、及び厚さを予備調整する。
【0007】
平行度等が予備調整されたガラス基板は、電着ダイヤモンドを用いることで、外周端面と貫通孔の側面(内周端面)が研削され、面取りされて、ガラス基板の外径寸法及び真円度、並びに内径寸法等が微調整される(端面研削工程)。
【0008】
外径寸法等が微調整されたガラス基板は、内周端面及び外周端面が研磨され、端面の鏡面化が行われる(端面研磨工程)。例えば、ガラス基板に研磨材を供給し、ナイロンブラシを回転させながらガラス基板の端面に所定圧力で押し当てることで、端面を研磨する。この研磨工程によって、内周端面及び外周端面に対する加工で発生したダメージを除去し、内周端面及び外周端面を鏡面化する。
【0009】
端面が研磨されたガラス基板は両表面を再度、研削加工され、ガラス基板の平行度、平坦度、及び厚さが微調整される(第2ラッピング工程)。平行度等が微調整されたガラス基板は、両表面が研磨され、表面の凹凸が均一にされる(ポリッシング工程)。ポリッシング加工されたガラス基板は洗浄され(洗浄工程)、さらに検査されて、合格したガラス基板が、磁気記録媒体用の基板として用いられる。
【0010】
また、結晶化ガラス基板を作製する場合は、上記のプレス成形工程の後に、アモルファスガラス基板(ブランクス材)をセラミック製の板で挟んで熱処理して結晶化させる(結晶化工程)。アニール工程の後は、上述した第1ラッピング工程〜ポリッシング工程の処理を施す。
【0011】
また、化学強化ガラス基板を作製する場合は、溶融及びプレス成形して得られたガラス基板(ブランクス材)に対して、ポリッシング工程までの処理を施した後、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等の混合された溶融塩中に浸漬することにより表面に圧縮応力層を形成して破壊強度を高める。その後洗浄工程の処理を施す。
【0012】
以上のようにして作製されたガラス基板の表面に磁性層等を積層することにより、磁気記録媒体を作製する。
【0013】
ところで、磁気記録媒体用ガラス基板の貫通孔の直径(内径)は、サーボ信号の書き込み位置を精度良くコントロールする目的で、厳しい公差が求められている。孔あきブランクス材に対しては、上述したように、電着ダイヤモンドを備えた研削装置によって貫通孔の側面(内周端面)を高精度に研削し、その後、その加工ダメージを取り除く目的で、ブラシによって内周端面を研磨している。磁気記録媒体用ガラス基板の寸法の公差が厳しくなった結果、端面研削工程での寸法公差を厳しくコントロールする必要がある。
【0014】
従来、端面研削工程によって孔あきブランクス材の外周端面と貫通孔の側面(内周端面)を研削した後、貫通孔の直径(内径)を端面研削の加工機上で測定している。そして、測定結果を次の研削の条件にフィードバックし、寸法のばらつきを制御するとともに、製品の合格基準に合格しないガラス基板を排除している。
【0015】
ここで、従来技術に係る貫通孔の直径の測定方法について、図6及び図7を参照して説明する。図6は、従来技術に係る貫通孔の直径の測定方法を説明するための図であり、ガラス基板の上面図である。図7は、従来技術に係る貫通孔の直径の測定方法を説明するための図であり、図6のVII−VII断面図である。
【0016】
貫通孔の直径(内径)の測定にはマイクロメータが用いられる。図6及び図7に示すように、このマイクロメータは、2本の測定端子102、103を備えている。測定端子102、103は、それぞれφ1mm程度のSUS製のピンである。そして、図7に示すように、貫通孔101が形成されたガラス基板100(孔あきブランクス材)を、測定器の支持部材104上に載置し、2本の測定端子102、103を、ガラス基板100(孔あきブランクス材)の貫通孔101に挿入する。その後、貫通孔101の側面(内周端面)に接触するまで、測定端子102、103を側面(外側)の方向に移動させ(図6、7中の矢印の方向に移動させ)、2本の測定端子102、103間の幅をもって、貫通孔の直径(内径)としている。
【0017】
【特許文献1】特開2003−63831号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
貫通孔101の形状を真円に加工できた場合、貫通孔101の中心軸Oを対称軸として2本の測定端子102、103を対称に配置すれば、貫通孔101の直径(内径)を正確に測定することができる。つまり、貫通孔101の中心軸Oを対称軸として2本の測定端子102、103を対称に配置することで、2本の測定端子102、103を、中心軸Oを通る仮想線上に配置することになるので、これら2本の測定端子102、103によって測定された値は、真円の貫通孔101の直径(内径)を表していることになる。
【0019】
しかしながら、加工の精度によって貫通孔の形状が楕円になると、測定する箇所によって得られる値が異なる。また、要求される寸法精度が高くなるにつれて、真円からのずれが貫通孔の測定精度に大きくかかわっていることが分かってきた。
【0020】
ここで、貫通孔の形状が真円からずれて楕円になる場合の問題について、図8を参照して説明する。図8は、従来技術に係る貫通孔の直径の測定方法を説明するための図であり、貫通孔の上面図である。なお、説明を簡便にするために、図8には、貫通孔110と測定端子102、103のみを示し、ガラス基板そのものについては図示していない。
【0021】
貫通孔110の形状が楕円になると、ガラス基板(孔あきブランクス材)が配置される位置によって、測定端子102、103が接触する箇所が異なるため、測定端子102、103間の幅も、ガラス基板の配置位置によって異なる。例えば、図8(a)に示すように、測定端子102、103間の幅が、幅d1になったり、図8(b)に示すように、測定端子102、103間の幅が、幅d2になったりする。このように、ガラス基板の配置位置によって、測定端子102、103によって測定される値は異なる。
【0022】
この場合、ガラス基板(孔あきブランクス材)を回転させることで位置をずらし、位置をずらす度に測定を行い、各測定で得られた複数の値の最小値を、貫通孔の直径(内径)としている。
【0023】
また、貫通孔の中心軸を対称軸として、2本の測定端子を対称に配置するためには、孔あきブランクス材の配置位置を微調整する必要がある。この調整は、測定者の技能に依存してしまうため、貫通孔の直径(内径)を正確に測定するためには、測定者の技能に依存し、簡便に貫通孔の直径を測定することはできなかった。
【0024】
この発明は上記の問題を解決するものであり、磁気記録媒体用ガラス基板に形成された貫通孔の直径(内径)の測定精度を向上させることが可能な磁気記録媒体用ガラス基板の寸法測定方法、磁気記録媒体用ガラス基板の端面加工方法、及び、磁気記録媒体用ガラス基板の端面加工システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0025】
この発明の第1の形態は、円板状の磁気記録媒体用ガラス基板に形成された貫通孔に、3本以上の測定端子を挿入する挿入ステップと、前記3本以上の測定端子のうち、少なくとも3本の測定端子を前記貫通孔の側面に向けて異なる方向に移動させて前記貫通孔の側面に接触させる移動ステップと、前記移動させた測定端子それぞれについて、前記側面まで移動させた距離を算出する距離算出ステップと、前記移動させた測定端子それぞれの移動距離に基づいて、前記移動させた測定端子それぞれが前記側面に接触した接触点を通る仮想の円の直径を求める直径算出ステップと、を含み、前記直径算出ステップにて求めた直径を前記貫通孔の直径とすることを特徴とする磁気記録媒体用ガラス基板の寸法測定方法である。
また、この発明の第2の形態は、第1の形態に係る磁気記録媒体用ガラス基板の寸法測定方法であって、前記直径算出ステップを実行した後、前記貫通孔を貫く所定軸を回転軸として、前記少なくとも3本の測定端子を、所定角度回転させ、その状態で、前記移動ステップ、前記距離算出ステップ、及び前記直径算出ステップを実行することで、前記所定角度回転させた状態の仮想の円の直径を求め、各角度で求められた複数の直径のうち、最小値を前記貫通孔の直径とすることを特徴とする。
また、この発明の第3の形態は、第1の形態に係る磁気記録媒体用ガラス基板の寸法測定方法であって、前記直径算出ステップを実行した後、前記貫通孔を貫く所定軸を回転軸として、前記少なくとも3本の測定端子を、所定角度回転させ、その状態で、前記移動ステップ、前記距離算出ステップ、及び前記直径算出ステップを実行することで、前記所定角度回転させた状態の仮想の円の直径を求め、各角度で求められた複数の直径の平均値を前記貫通孔の直径とすることを特徴とする。
また、この発明の第4の形態は、円板状の磁気記録媒体用ガラス基板に形成された貫通孔の側面を研削する研削ステップと、前記研削後の貫通孔に、3本以上の測定端子を挿入する挿入ステップと、前記3本以上の測定端子のうち、少なくとも3本の測定端子を前記貫通孔の側面に向けて異なる方向に移動させて前記貫通孔の側面に接触させる移動ステップと、前記移動させた測定端子それぞれについて、前記側面まで移動させた距離を算出する距離算出ステップと、前記移動させた測定端子それぞれの移動距離に基づいて、前記移動させた測定端子それぞれが前記側面に接触した接触点を通る仮想の円の直径を求める直径算出ステップと、前記直径算出ステップにて求められた直径が、予め設定された目標値未満である場合、前記目標値と前記直径算出ステップにて求められた直径との差を算出する差分算出ステップと、を含み、前記差分算出ステップにて求められた差に応じた量、前記貫通孔の側面を研削することを特徴とする磁気記録媒体用ガラス基板の端面加工方法である。
また、この発明の第5の形態は、第4の形態に係る磁気記録媒体用ガラス基板の端面加工方法であって、前記直径算出ステップを実行した後、前記貫通孔を貫く所定軸を回転軸として、前記少なくとも3本の測定端子を、所定角度回転させ、その状態で、前記移動ステップ、前記距離算出ステップ、及び前記直径算出ステップを実行することで、前記所定角度回転させた状態の仮想の円の直径を求め、各角度で求められた複数の直径の最小値が、予め設定された目標値未満である場合、前記差分算出ステップでは、前記目標値と前記最小値との差を算出し、前記差分算出ステップにて求められた差に応じた量、前記貫通孔の側面を研削することを特徴とするとする。
また、この発明の第6の形態は、第4の形態に係る磁気記録媒体用ガラス基板の端面加工方法であって、前記直径算出ステップを実行した後、前記貫通孔を貫く所定軸を回転軸として、前記少なくとも3本の測定端子を、所定角度回転させ、その状態で、前記移動ステップ、前記距離算出ステップ、及び前記直径算出ステップを実行することで、前記所定角度回転させた状態の仮想の円の直径を求め、各角度で求められた複数の直径の最小値が、予め設定された目標値未満である場合、前記差分算出ステップでは、前記目標値と前記最小値との差を算出し、前記差分算出ステップにて求められた差に応じた量、前記貫通孔の側面を研削することを特徴とする。
また、この発明の第7の形態は、円板状の磁気記録媒体用ガラス基板に形成された貫通孔の側面を研削する端面研削手段と、3本以上の測定端子と、前記研削後の貫通孔に、前記3本以上の測定端子を挿入させ、前記3本以上の想定端子のうち、少なくとも3本の測定端子を前記貫通孔の側面に向けて異なる方向に移動させて前記貫通孔の側面に接触させる測定端子駆動手段と、前記移動させた測定端子それぞれについて、前記側面まで移動させた距離を算出する距離算出手段と、前記移動させた測定端子それぞれの移動距離に基づいて、前記移動させた測定端子それぞれが前記側面に接触した接触点を通る仮想の円の直径を求める直径算出手段と、前記直径算出手段で求められた直径が、予め設定された目標値未満であるか否かを判断する判断手段と、前記判断手段によって、前記直径算出手段で求められた直径が前記目標値未満であると判断された場合、前記目標値と前記直径算出手段で求められた直径との差を算出する差分算出手段と、前記端面研削手段に、前記差分算出手段にて求められた差に応じた量、前記貫通孔の側面を研削させる研削制御手段と、を有することを特徴とする磁気記録媒体用ガラス基板の端面加工システムである。
【発明の効果】
【0026】
この発明によると、少なくとも3本の測定端子を貫通孔の側面に接触させ、その接触点を通る仮想の円を求め、その仮想の円の直径を貫通孔の直径とすることで、簡便に貫通孔の直径を測定することができ、さらに、測定の精度を向上させることが可能となる。
【0027】
また、測定端子の接触点を通る仮想の円を求め、その仮想の円の直径を貫通孔の直径とすることで、貫通孔の真円度が低いガラス基板であっても、その貫通孔の径を簡便に決定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
この発明の実施形態に係る磁気記録媒体用ガラス基板の寸法測定方法、磁気記録媒体用ガラス基板の端面加工方法、及び、磁気記録媒体用ガラス基板の端面加工システムについて、図1から図3を参照して説明する。図1は、この発明の実施形態に係る磁気記録媒体用ガラス基板の端面加工システムの概略構成を示すブロック図である。図2は、磁気記録媒体用ガラス基板に形成された貫通孔の側面を研削する研削工程と、貫通孔の直径を測定する測定工程を説明するための図であり、磁気記録媒体用ガラス基板の断面図である。図3は、磁気記録媒体用ガラス基板に形成された貫通孔の直径を測定する測定工程を説明するための図であり、磁気記録媒体用ガラス基板の上面図である。
【0029】
端面加工システム1は、研削装置2、測定装置3、及び制御装置4を備えて構成され、第1ラッピング工程が施されたガラス基板(孔あきブランクス材)に形成された貫通孔の側面(内周端面)を研削する。
【0030】
この端面加工システム1の加工対象としてのガラス基板(孔あきブランクス材)は、以下の工程を経ることで得られる。まず、ガラス基板を溶融し、溶融したガラスを平面形状の金型に流し込み、その金型で溶融ガラスを挟むことによりプレス成形し、円板状のガラス基板を作製する。このプレス成形工程により、半製品のガラス基板であるブランクス材が作製される。そして、そのブランクス材の中心部にダイヤモンドコアドリルを用いて貫通孔を形成し、ドーナツ状のガラス基板(孔あきブランクス材)を作製する。そして、孔あきブランクス材に対して第1ラッピング工程を施す。すなわち、ダイヤモンドペレットを貼り付けたプレートを保持した両面研磨機にて、孔あきブランクス材の両面を研削加工し、ガラス基板の平行度、平坦度、及び厚さを予備調整する。この第1ラッピング工程が施されたガラス基板(孔あきブランクス材)が、端面加工システム1の加工対象となる。
【0031】
研削装置2は、例えば電着ダイヤモンド21を備え、その電着ダイヤモンド21を用いることで、ガラス基板(孔あきブランクス材)の外周端面と、貫通孔の側面(内周端面)を研削する。この研削工程にて、外周端面と内周端面が面取りされて、ガラス基板の外径寸法及び真円度、並びに内径寸法などが微調整される(端面研削工程)。なお、この研削装置2がこの発明の「端面研削手段」に相当する。
【0032】
内周端面を研削する場合、研削装置2は、図2(a)の断面図に示すように、ガラス基板5(孔あきブランクス材)に形成された貫通孔51内に電着ダイヤモンド21を挿入し、その電着ダイヤモンド21を貫通孔51の側面(内周端面)に接触させて側面を研削する。
【0033】
測定装置3は、図2(b)の断面図に示すように、ガラス基板5を載置する支持部材34を備えている。さらに、測定装置3は、3本以上の測定端子を備えたマイクロメータを有しいている。ここでは、3本の測定端子31、32、33が測定装置3に設置されている場合について説明するが、4本以上の測定端子を測定装置3に設置してもよい。
【0034】
図2(c)の断面図と、図3(a)の上面図に示すように、3本の測定端子31〜33は、図示しない駆動部(この発明の測定端子駆動手段に相当する)によって、ガラス基板5の貫通孔51に挿入される。この段階においては、図3(a)に示すように、3本の測定端子31〜33は、例えば互いに120度の間隔を置いて基準位置に配置されている。そして、図2(d)の断面図と、図3(b)の上面図に示すように、3本の測定端子31〜33は、図示しない駆動部によって、貫通孔51の側面(内周端面)に接触するまで、基準位置から側面に向けて移動させられる(図に示す矢印の方向に移動させられる)。このとき、駆動部は、互いに120度の間隔を置いた状態を維持しつつ、それぞれ異なる方向に3本の測定端子31〜33を移動させる。また、4本以上の測定端子を用いる場合、少なくとも3本以上の測定端子を、貫通孔51の側面(内周端面)に接触するまで移動させる。
【0035】
距離算出部41は、測定端子31〜33がそれぞれの基準位置から、貫通孔51の側面(内周端面)に接触するまでに移動した距離(移動量)を求める。
【0036】
直径算出部42は、距離算出部41によって求められた各測定端子31〜33の移動量に基づいて、貫通孔51の側面に測定端子31〜33がそれぞれ接触した接触点の位置(座標)を求め、それら3つの接触点を通る仮想の円(仮想円)を求める。そして、直径算出部42は、その仮想円の直径を求めて、その直径を貫通孔51の直径とする。
【0037】
以上のように、少なくとも3本の測定端子31〜33を貫通孔51の側面(内周端面)に接触させ、その接触点を通る仮想の円を求め、その仮想の円の直径を貫通孔51の直径とすることで、簡便に貫通孔51の直径を求めることができる。
【0038】
さらに、測定端子31〜33の接触点を通る仮想の円を求め、その仮想の円の直径を貫通孔51の直径とすることで、貫通孔51の真円度が低いガラス基板であっても、その貫通孔51の径を簡便に決定することができる。
【0039】
判断部43は、直径算出部42にて求められた直径が、予め設定された目標値未満であるか否かを判断する。この目標値には、目標とする貫通孔51の直径が設定され、操作者にとって任意の値が設定される。目標とする貫通孔51の直径には許容範囲があり、その目標値は許容範囲内の値を設定すれば良い。この目標値(目標とする直径)は、図示しない入力装置を用いて操作者によって入力される。入力装置から入力された値は、図示しない記憶部に記憶される。そして、判断部43は、直径算出部42にて求められた直径と、記憶部に記憶されている目標値とを比較して、その直径が予め設定された目標値未満であるか否かを判断する。換言すると、判断部43は、貫通孔51が研削装置2によって目標とする直径まで研削されたか否かを判断することになる。
【0040】
直径算出部42にて求められた直径が予め設定された目標値未満であれば、判断部43は、研削装置2によって研削された量が足らず、目標値以上であれば、研削が足りていると判断する。
【0041】
判断部43によって、研削が足りていないと判断された場合、差分算出部44は、予め設定された上記目標値(目標とする直径)から、直径算出部42にて求められた直径を減算することで、目標値と直径算出部42にて求められた直径との差を算出する。
【0042】
研削制御部45は、差分算出部44によって求められた差を研削条件にフィードバックする。研削制御部45は、差分算出部44にて求められた差に応じた研削量を求め、その研削量に従って、研削装置2の電着ダイヤモンド21を制御して電着ダイヤモンド21によって貫通孔51の側面(内周端面)を研削させる。
【0043】
そして、貫通孔51の直径が予め設定された目標値以上になるまで、研削装置2による研削、測定装置3による測定、及び、制御装置4による処理を繰り返して実行する。
【0044】
以上のように、直径算出部42によって求められた直径のデータを、研削条件にフィードバックすることで、研削の精度を向上させることが可能となる。
【0045】
また、測定装置3による測定を複数回行ってもよい。例えば、1回の測定ごとに3本の測定端子31〜33を所定角度回転させ、それぞれの角度において、貫通孔51の直径を測定する。この複数回測定を行う処理の1例について、図4を参照して説明する。図4は、磁気記録媒体用ガラス基板に形成された貫通孔の直径を測定する測定工程を説明するための図であり、貫通孔の上面図である。なお、説明を簡便にするために、図4には、貫通孔51と3本の測定端子31〜33のみを示し、ガラス基板そのものについては図示していない。図4に示す例では、1回の測定ごとに3本の測定端子31〜33を30度回転させ、3回測定を行う。
【0046】
まず、図4(a)に示すように、図示しない駆動部によって、3本の測定端子31〜33を貫通孔51の側面(内周端面)に移動させる。そして、距離算出部41は、3本の測定端子31〜33のそれぞれの移動量を求め、直径算出部42は、各移動量に基づいて、接触点を通る仮想円の直径を求める。ここで、図4(a)に示す状態で求められた仮想円の直径を便宜的に、第1の直径とする。
【0047】
次に、図4(b)に示すように、図示しない駆動部によって、3本の測定端子31〜33を例えば30度回転させ、その状態で、3本の測定端子31〜33を貫通孔51の側面(内周端面)に移動させる。そして、距離算出部41は、3本の測定端子31〜33のそれぞれの移動量を求め、直径算出部42は、各移動量に基づいて、接触点を通る仮想円の直径を求める。ここで、測定端子31〜33を30度回転させた状態で求められた仮想円の直径を便宜的に、第2の直径とする。
【0048】
次に、図4(c)に示すように、図示しない駆動部によって、3本の測定端子31〜33を更に30度回転させ、その状態で、3本の測定端子31〜33を貫通孔51の側面(内周端面)に移動させる。そして、距離算出部41は、3本の測定端子31〜33のそれぞれの移動量を求め、直径算出部42は、各移動量に基づいて、接触点を通る仮想円の直径を求める。ここで、測定端子31〜33を更に30度回転させた状態で求められた仮想円の直径を便宜的に、第3の直径とする。
【0049】
以上のように、30度ずつ測定端子31〜33を回転させて、3回測定した後、直径算出部42は、3回の測定で得られた直径のうち最小値を貫通孔51の直径とする。磁気記録媒体において、貫通孔51にモータの軸が挿入されて使用されるため、モータの軸が挿入可能なために、測定された値の最小値を貫通孔51の直径とする。また、直径算出部42は、3回の測定で得られた直径の平均値を求め、その平均値を貫通孔51の直径としてもよい。
【0050】
そして、複数回測定を行った場合、判断部43は、直径算出部42にて求められた最小値と、予め設定された目標値とを比較することで、最小値がその目標値以上であるか否かを判断する。判断部43によって、最小値が目標値未満であると判断された場合、差分算出部44は、予め設定された目標値から、直径算出部42にて求められた最小値を減算することで、目標値と最小値との差を算出する。
【0051】
また、直径算出部42が、最小値の代わりに平均値を求めた場合、判断部43は、その平均値と、予め設定された目標値とを比較することで、平均値がその目標値以上であるか否かを判断する。そして、判断部43によって、平均値が目標値未満であると判断された場合、差分算出部44は、予め設定された目標値から、直径算出部42にて求められた平均値を減算することで、目標値と平均値との差を算出する。
【0052】
以上のように複数回測定を行うことで、測定の精度を向上させることが可能となる。なお、図4に示す例では、3本の測定端子31〜33を30度ずつ回転させて、3回測定を行ったが、回転角度は任意の角度であってもよく、また、測定回数も任意の回数でよい。回転角度や測定回数は、操作者が図示しない入力装置を用いて設定することができる。
【0053】
なお、制御装置4は、CPUなどの信号処理装置と、ROM、RAM、HDDなどの記憶装置を備えたコンピュータで構成されている。記憶装置には、距離算出プログラム、直径算出プログラム、判断プログラム、差分算出プログラム、及び研削制御プログラムが記憶されている。そして、CPUは、記憶装置に記憶されているプログラムを読み込み、距離算出プログラムを実行することで距離算出部41の機能を実現し、直径算出プログラムを実行することで直径算出部42の機能を実現し、判断プログラムを実行することで判断部43の機能を実現し、差分算出プログラムを実行することで差分算出部44の機能を実現し、さらに、研削制御プログラムを実行することで研削制御部45の機能を実現する。
【0054】
以上のようにガラス基板(孔あきブランクス材)の内周端面を研削することで、面取りし、貫通孔の内径寸法を調整する。また、ガラス基板の外周端面を研削することで、面取りし、ガラス基板の外径寸法及び真円度を調整する。
【0055】
その後、貫通孔の内周端面が研磨され、さらに、外周端面が研磨される。これらの研磨工程では、ガラス基板の内周端面及び外周端面を研磨することで、微細なキズなどを除去し、ガラス基板の内周端面及び外周端面を鏡面化する。
【0056】
端面が研磨されたガラス基板は、従来技術と同様に、第2ラッピング工程、ポリッシング工程、及び洗浄工程が施され、検査に合格したガラス基板が、磁気記録媒体用の基板として用いられる。そして、磁気記録媒体用ガラス基板の表面に磁性層を積層することにより、磁気記録媒体を作製する。
【0057】
なお、この実施形態に用いられるガラスの種類として、例えば、ホウ珪酸ガラスや、アルミノシリケートガラスなどを用いることができる。
【0058】
(動作)
次に、端面加工システム1による一連の動作について、図5を参照して説明する。図5は、この発明の実施形態に係る磁気記録媒体用ガラス基板の端面加工システムによる一連の動作を示すフローチャートである。
【0059】
(ステップS01)
まず、第1ラッピング工程までの工程が施されたガラス基板(孔あきブランクス材)を用意する。そして、研削装置2によって、そのガラス基板の貫通孔の側面(内周端面)を研削する。例えば図2(a)の断面図に示すように、研削装置2は、ガラス基板5に形成された貫通孔51内に電着ダイヤモンド21を挿入し、その電着ダイヤモンド21を貫通孔51の側面(内周端面)に接触させて側面を研削する。
【0060】
(ステップS02)
研削装置2によって内周端面が研削されたガラス基板5は、測定装置3に搬送され、図2(b)の断面図に示すように、測定装置3の支持部材34上に載置される。
【0061】
(ステップS03)
そして、図2(c)の断面図と、図3(a)の上面図に示すように、互いに120度の間隔を置いて基準位置に配置されている3本の測定端子31〜33を、ガラス基板5の貫通孔51内に挿入する。
【0062】
(ステップS04)
その後、図2(d)の断面図と、図3(b)の上面図に示すように、3本の測定端子31〜33を、貫通孔51の側面(内周端面)に接触するまで、基準位置から側面に向けて移動させる。例えば、測定端子31〜33のそれぞれの移動方向のなす角度を120度として、それぞれ異なる方向に測定端子31〜33を移動させる。
【0063】
(ステップS05)
そして、距離算出部41は、測定端子31〜33がそれぞれの基準位置から、貫通孔51の側面(内周端面)に接触するまで移動した距離(移動量)を求める。
【0064】
(ステップS06)
そして、直径算出部42は、各測定端子31〜33の移動量に基づいて、貫通孔51の側面に測定端子31〜33がそれぞれ接触した接触点の位置(座標)を求め、それら3つの接触点を通る仮想の円(仮想円)を求める。そして、直径算出部42は、その仮想円の直径を求め、その仮想円の直径を貫通孔51の直径とする。
【0065】
(ステップS07)
判断部43は、直径算出部42にて求められた直径と、図示しない記憶部に記憶されている目標値(目標とする直径)とを比較し、その直径が目標値未満であるか否かを判断する。
【0066】
直径算出部42にて求められた直径が、予め設定された目標値以上であれば(ステップS07、No)、目標の直径まで貫通孔51が研削されたとして、判断部43は、研削が足りていると判断し、処理は終了する。
【0067】
(ステップS07、ステップS08)
一方、直径算出部42にて求められた直径が、予め設定された目標値未満であれば(ステップS07、Yes)、目標の直径まで貫通孔51が研削されていないことになる。この場合、差分算出部44は、予め設定された目標値(目標とする直径)と、直径算出部42にて求められた直径との差を算出する(ステップS08)。
【0068】
そして、研削制御部45は、差分算出部44にて求められた差に応じた研削量を求め、その研削量に従って、研削装置2の電着ダイヤモンド21を制御し、電着ダイヤモンド21によって貫通孔51の側面(内周端面)を研削させる(ステップS01)。
【0069】
そして、貫通孔51の直径が予め設定された目標値(目標の直径)になるまで、ステップS01からステップS08の処理を繰り返して実行する。
【0070】
また、ステップS04の測定においては、1回の測定ごとに3本の測定端子31〜33を所定角度回転させることで測定箇所を変えて、複数回測定を行ってもよい。例えば、図4に示すように、1回の測定ごとに、3本の測定端子31〜33を30度ずつ回転させ、それぞれの角度で測定を行う。この場合、直径算出部42は、それぞれの角度での仮想円を求め、それぞれの角度における仮想円の直径を求める。そして、直径算出部42は、複数の仮想円の直径の最小値を貫通孔51の直径としたり、複数の仮想円の直径の平均値を貫通孔51の直径としたりする。このように、複数回測定を行うことで、測定の精度を更に向上させることが可能となる。
【0071】
複数回測定を行った場合、判断部43は、直径算出部42にて求められた最小値(又は平均値)と、図示しない記憶部に予め設定されて記憶されている目標値とを比較し、最小値(又は平均値)がその目標値未満であるか否かを判断する。最小値(又は平均値)が目標値以上であれば、目標の直径まで貫通孔51が研削されたとして、処理は終了する。一方、直径算出部42にて求められた最小値(又は平均値)が目標値未満であれば、目標の直径まで貫通孔51が研削されていないことになる。この場合、差分算出部44は、予め設定された目標値と、最小値(又は平均値)との差を算出する。そして、研削制御部45は、差分算出部44にて求められた差に応じた研削量を求め、その研削量に従って、研削装置2の電着ダイヤモンド21を制御し、電着ダイヤモンド21によって貫通孔51の側面(内周端面)を研削させる。そして、直径算出部42にて求められた最小値(又は平均値)が、予め設定された目標値になるまで、ステップS01からステップS08の処理を繰り返して実行する。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】この発明の実施形態に係る磁気記録媒体用ガラス基板の端面加工システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】磁気記録媒体用ガラス基板に形成された貫通孔の側面を研削する研削工程と、貫通孔の直径を測定する測定工程を説明するための図であり、磁気記録媒体用ガラス基板の断面図である。
【図3】磁気記録媒体用ガラス基板に形成された貫通孔の直径を測定する測定工程を説明するための図であり、磁気記録媒体用ガラス基板の上面図である。
【図4】磁気記録媒体用ガラス基板に形成された貫通孔の直径を測定する測定工程を説明するための図であり、磁気記録媒体用ガラス基板の上面図である。
【図5】この発明の実施形態に係る磁気記録媒体用ガラス基板の端面加工システムによる一連の動作を説明示すフローチャートである。
【図6】従来技術に係る貫通孔の直径の測定方法を説明するための図であり、ガラス基板の上面図である。
【図7】従来技術に係る貫通孔の直径の測定方法を説明するための図であり、図XのY−Y断面図である。
【図8】従来技術に係る貫通孔の直径の測定方法を説明するための図であり、貫通孔の上面図である。
【符号の説明】
【0073】
1 端面加工システム
2 研削装置
3 測定装置
4 制御装置
5 ガラス基板(孔あきブランクス材)
21 電着ダイヤモンド
31、32、33 測定端子
41 距離算出部
42 直径算出部
43 判断部
44 差分算出部
45 研削制御部
51 貫通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円板状の磁気記録媒体用ガラス基板に形成された貫通孔に、3本以上の測定端子を挿入する挿入ステップと、
前記3本以上の測定端子のうち、少なくとも3本の測定端子を前記貫通孔の側面に向けて異なる方向に移動させて前記貫通孔の側面に接触させる移動ステップと、
前記移動させた測定端子それぞれについて、前記側面まで移動させた距離を算出する距離算出ステップと、
前記移動させた測定端子それぞれの移動距離に基づいて、前記移動させた測定端子それぞれが前記側面に接触した接触点を通る仮想の円の直径を求める直径算出ステップと、
を含み、
前記直径算出ステップにて求めた直径を前記貫通孔の直径とすることを特徴とする磁気記録媒体用ガラス基板の寸法測定方法。
【請求項2】
前記直径算出ステップを実行した後、前記貫通孔を貫く所定軸を回転軸として、前記少なくとも3本の測定端子を、所定角度回転させ、その状態で、前記移動ステップ、前記距離算出ステップ、及び前記直径算出ステップを実行することで、前記所定角度回転させた状態の仮想の円の直径を求め、
各角度で求められた複数の直径のうち、最小値を前記貫通孔の直径とすることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体用ガラス基板の寸法測定方法。
【請求項3】
前記直径算出ステップを実行した後、前記貫通孔を貫く所定軸を回転軸として、前記少なくとも3本の測定端子を、所定角度回転させ、その状態で、前記移動ステップ、前記距離算出ステップ、及び前記直径算出ステップを実行することで、前記所定角度回転させた状態の仮想の円の直径を求め、
各角度で求められた複数の直径の平均値を前記貫通孔の直径とすることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体用ガラス基板の寸法測定方法。
【請求項4】
円板状の磁気記録媒体用ガラス基板に形成された貫通孔の側面を研削する研削ステップと、
前記研削後の貫通孔に、3本以上の測定端子を挿入する挿入ステップと、
前記3本以上の測定端子のうち、少なくとも3本の測定端子を前記貫通孔の側面に向けて異なる方向に移動させて前記貫通孔の側面に接触させる移動ステップと、
前記移動させた測定端子それぞれについて、前記側面まで移動させた距離を算出する距離算出ステップと、
前記移動させた測定端子それぞれの移動距離に基づいて、前記移動させた測定端子それぞれが前記側面に接触した接触点を通る仮想の円の直径を求める直径算出ステップと、
前記直径算出ステップにて求められた直径が、予め設定された目標値未満である場合、前記目標値と前記直径算出ステップにて求められた直径との差を算出する差分算出ステップと、
を含み、
前記差分算出ステップにて求められた差に応じた量、前記貫通孔の側面を研削することを特徴とする磁気記録媒体用ガラス基板の端面加工方法。
【請求項5】
前記直径算出ステップを実行した後、前記貫通孔を貫く所定軸を回転軸として、前記少なくとも3本の測定端子を、所定角度回転させ、その状態で、前記移動ステップ、前記距離算出ステップ、及び前記直径算出ステップを実行することで、前記所定角度回転させた状態の仮想の円の直径を求め、
各角度で求められた複数の直径の最小値が、予め設定された目標値未満である場合、前記差分算出ステップでは、前記目標値と前記最小値との差を算出し、
前記差分算出ステップにて求められた差に応じた量、前記貫通孔の側面を研削することを特徴とする請求項4に記載の磁気記録媒体用ガラス基板の端面加工方法。
【請求項6】
前記直径算出ステップを実行した後、前記貫通孔を貫く所定軸を回転軸として、前記少なくとも3本の測定端子を、所定角度回転させ、その状態で、前記移動ステップ、前記距離算出ステップ、及び前記直径算出ステップを実行することで、前記所定角度回転させた状態の仮想の円の直径を求め、
各角度で求められた複数の直径の最小値が、予め設定された目標値未満である場合、前記差分算出ステップでは、前記目標値と前記最小値との差を算出し、
前記差分算出ステップにて求められた差に応じた量、前記貫通孔の側面を研削することを特徴とする請求項4に記載の磁気記録媒体用ガラス基板の端面加工方法。
【請求項7】
円板状の磁気記録媒体用ガラス基板に形成された貫通孔の側面を研削する端面研削手段と、
3本以上の測定端子と、
前記研削後の貫通孔に、前記3本以上の測定端子を挿入させ、前記3本以上の測定端子のうち、少なくとも3本の測定端子を前記貫通孔の側面に向けて異なる方向に移動させて前記貫通孔の側面に接触させる測定端子駆動手段と、
前記移動させた測定端子それぞれについて、前記側面まで移動させた距離を算出する距離算出手段と、
前記移動させた測定端子それぞれの移動距離に基づいて、前記移動させた測定端子それぞれが前記側面に接触した接触点を通る仮想の円の直径を求める直径算出手段と、
前記直径算出手段で求められた直径が、予め設定された目標値未満であるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段によって、前記直径算出手段で求められた直径が前記目標値未満であると判断された場合、前記目標値と前記直径算出手段で求められた直径との差を算出する差分算出手段と、
前記端面研削手段に、前記差分算出手段にて求められた差に応じた量、前記貫通孔の側面を研削させる研削制御手段と、
を有することを特徴とする磁気記録媒体用ガラス基板の端面加工システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2008−217883(P2008−217883A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−52501(P2007−52501)
【出願日】平成19年3月2日(2007.3.2)
【出願人】(303000408)コニカミノルタオプト株式会社 (3,255)
【Fターム(参考)】