説明

移動体位置計測用装置及び移動体の位置の計測方法

【課題】複数のアクティブ型ICタグを利用して移動体の位置を把握する移動体の位置の計測方法及び装置において事前に複数のICタグ全ての位置を計測しておく必要が不要で、設置や撤去を容易にでき、アクティブ型ICタグの電池交換を不要にすると共に、電波の送信に良好なアンテナが具備されている。
【解決手段】複数個のアクティブ型ICタグと少なくとも2個の目標が、あらかじめ定められている位置関係で配置されていると共に、アクティブ型ICタグの間が電源ケーブルで接続され、少なくとも1以上の電源で全てのアクティブ型ICタグが動作されると共に、アイソレーション素子が、各アクティブ型ICタグを挟んだ両側位置の前記電源ケーブルに挿入されていて、前記各アクティブ型ICタグを含むアイソレーション素子間の電源ケーブルがアンテナとして利用される移動体位置計測用装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数個のICタグを配置した利用した移動体位置計測用装置と、この装置を使用する移動体の位置の計測方法に関する。
【背景技術】
【0002】
GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)衛星からの電波を受信して現在位置を計測する技術は、例えば、自動車のカーナビゲーション装置等に利用されている。また近年の携帯電話技術の進歩に伴い、GPS機能を有する携帯電話も普及している。
【0003】
またGPS装置とICタグとを利用して、移動体の現在の位置とその関連情報を提供する歩行者誘導ブロック情報入力装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
上記特許文献1に記載の装置は、点字ブロックにICタグを埋め込み、このICタグにGPS装置で取得した位置と位置周囲の環境情報等とを記録して、例えば杖にICタグリーダ/ライタを埋め込んで、視覚障害者の利用に供するものである。
【0005】
ICタグには、パッシブ型のものとアクティブ型のものがある。
【0006】
パッシブ型のICタグでは、まず、ICタグリーダが応答要求の電波を送信し、応答要求を受信したICタグはこれに対する応答の電波を送信する。ICタグが動作するためのエネルギーは、応答要求の電波等を通じて供給されるため、ICタグには電源を準備する必要がない。
【0007】
一方、アクティブ型のICタグでは、ICタグが一定間隔で電波を送信する。ICタグに電源を準備する必要があり、通常はICタグに電池を内蔵し、電源として利用する。アクティブ型のICタグは、定期的な電池交換を必要とするが、比較的通信距離が長いという利点を有する。
【特許文献1】特開2002−170191号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この歩行者誘導ブロック情報入力装置は、位置とその関連情報を有効に提供するものであるが、事前に全てのICタグの位置を計測しておく必要がある。また、ICタグは点字ブロックに固定されるため、使用が設置場所に限定されてしまい、例えば、イベント会場等のように臨時に使用する場合には、その設置と撤去による再利用が困難である。
【0009】
また、前述したように、アクティブ型のICタグは、比較的通信距離が長いという利点を有するが、複数個のICタグを所定間隔で配置した計測用装置においてアクティブ型を使用すると、定期的な電池交換が煩わしい。更に、電池内蔵のためサイズのコンパクト化に制限があり、複数個のアクティブ型のICタグを所定間隔で配置する計測装置は美感上好ましくない。
【0010】
また、ICタグに使用するアンテナは、ICタグの大きさによる制限があるため効率の良い長さのものを使用しにくいという問題もある。
【0011】
そこで計測用装置の複数個のアクティブ型ICタグを電源ケーブルで接続し、外部から共通の電源により電力供給すると共に、この電源ケーブルをアンテナとして使用することで上記問題の解消が可能になる。しかし、このようにすると、電源ケーブル全体が当該アクティブ型ICタグのアンテナになってしまい、遠方のアクティブ型ICタグから送信された電波を受信する可能性が生じ、移動体の近くのアクティブ型ICタグから選択的に電波を受信できるという本測位手法の基本的な仮定が成立しなくなる。
【0012】
そこで、本発明は、複数のICタグを利用して移動体の位置を把握する移動体の位置の計測方法において、事前に前記複数のICタグ全ての位置を計測しておく必要が不要で、複数のICタグを利用する場合であっても、その設置や撤去が容易な移動体の位置計測技術を提供することを目的とする。
【0013】
また、本発明は、複数個のアクティブ型ICタグを所定間隔で配置した移動体位置計測用装置とこの装置を配備した移動体の位置の計測方法において、アクティブ型ICタグの電池交換を不要とし、あるいは電池交換の手間を軽減すると共に、電波の送信に良好なアンテナが具備されている移動体位置計測用装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、複数個のアクティブ型ICタグが、あらかじめ定められている位置関係で配置されている移動体位置計測用装置を配備し、この移動体位置計測用装置を用いた移動体の位置計測方法に工夫を加えることによって前記課題の解決を図ったものである。
【0015】
また、本発明は、複数個のアクティブ型ICタグを電源ケーブルで接続して、少なくとも1以上の電源で全てのアクティブ型ICタグが動作できるようにすると共に、アイソレーション素子を前記電源ケーブルに配備して、前記アクティブ型ICタグを挟んで当該アクティブ型ICタグの両側に配備されているアイソレーション素子の間の電源ケーブルをアンテナとして利用することによって前記課題の解決を図ったものである。
【0016】
すなわち、前記目的を達成するために本発明が提案する移動体位置計測用装置は、複数個のアクティブ型ICタグと少なくとも2個の目標が、あらかじめ定められている位置関係で配置されていると共に、アクティブ型ICタグの間が電源ケーブルで接続され、少なくとも1以上の電源で全てのアクティブ型ICタグが動作され、前記電源ケーブルにアイソレーション素子が配備されていて、前記アクティブ型ICタグを挟んで当該アクティブ型ICタグの両側に配備されているアイソレーション素子の間の電源ケーブルがアンテナとして利用されるものである。
【0017】
この本発明の移動体位置計測用装置を用いて行われる本発明の移動体の位置の計測方法は、前記本発明の移動体位置計測用装置を配備し、当該移動体位置計測装置における前記目標の中の少なくとも2個以上の目標の位置を計測することにより、前記複数個のアクティブ型ICタグの位置を把握すると共に、位置を計測される対象となっている移動体が前記複数個のアクティブ型ICタグの中のアクティブ型ICタグからの電波を受信して、当該電波を受信したアクティブ型ICタグの位置を把握することにより、当該移動体の位置を計測するものである。
【0018】
また、前記目的を達成するために本発明が提案する別の移動体位置計測用装置は、複数個のアクティブ型ICタグと少なくとも1個の目標が、あらかじめ定められている位置関係で配置されていると共に、方向の基準となる基準線を含み、アクティブ型ICタグの間が電源ケーブルで接続され、少なくとも1以上の電源で全てのアクティブ型ICタグが動作され、前記電源ケーブルにアイソレーション素子が配備されていて、前記アクティブ型ICタグを挟んで当該アクティブ型ICタグの両側に配備されているアイソレーション素子の間の電源ケーブルがアンテナとして利用されるものである。
【0019】
この本発明の移動体位置計測用装置を用いて行われる本発明の移動体の位置の計測方法は、かかる本発明の記載の移動体位置計測用装置を、前記基準線があらかじめ定められた方向と一致するように配備し、当該移動体位置計測用装置における前記目標の中の少なくとも1個の目標の位置を計測することにより、前記複数個のアクティブ型ICタグの位置を把握すると共に、位置を計測される対象となっている移動体が前記複数個のアクティブ型ICタグの中のアクティブ型ICタグからの電波を受信して、当該電波を受信したアクティブ型ICタグの位置を把握することにより、当該移動体の位置を計測するものである。
【0020】
本発明の移動体位置計測用装置は、複数個のアクティブ型ICタグと少なくとも2個の目標が、あらかじめ定められている位置関係で配置されているものである。あるいは、複数個のアクティブ型ICタグと少なくとも1個の目標が、あらかじめ定められている位置関係で配置されていると共に、方向の基準となる基準線を含むものである。
【0021】
そして、アクティブ型ICタグの間が電源ケーブルで接続され、少なくとも1以上の電源で全てのアクティブ型ICタグが動作され、前記電源ケーブルにアイソレーション素子が配備されていて、前記アクティブ型ICタグを挟んで当該アクティブ型ICタグの両側に配備されているアイソレーション素子の間の電源ケーブルがアンテナとして利用されるようになっている。
【0022】
かかる本発明の移動体位置計測用装置は、柔軟性を有する支持体に前記アクティブ型ICタグ及び目標が配置されているもの、あるいは、折り畳むことができる支持体に前記アクティブ型ICタグ及び目標が配置されているものとすることができる。
【0023】
このような形態の移動体位置計測用装置は、その設置、撤去、保管が容易である。
【0024】
例えば、巻き取り、あるいは折り畳み可能なように柔軟性を有するものであれば、シート状、テープ状、網状、等、種々のものを移動体位置計測用装置を構成する支持体として使用することができる。
【0025】
あるいは、柔軟性を有しない支持体であっても、所定の間隔で蝶番などが配備されていることによって折り畳み可能なものであれば、棒状体、板状体、等、種々のものを移動体位置計測用装置を構成する支持体として使用することができる。
【0026】
すなわち、前述した本発明の移動体位置計測用装置は、巻き取ることあるいは折り畳むことが可能な前述した支持体を伸張あるいは展開した場合に、前記複数個のアクティブ型ICタグと少なくとも2個の目標が、あらかじめ定められている位置関係で配置されているもの、あるいは、複数個のアクティブ型ICタグと少なくとも1個の目標が、あらかじめ定められている位置関係で配置されていると共に、方向の基準となる基準線を含むものとすることができる。
【0027】
例えば、本発明の移動体位置計測用装置は、巻き取ることあるいは折り畳むことが可能なテープ状あるいは棒状の支持体に、支持体を伸張あるいは展開した状態において、前記複数個のアクティブ型ICタグが直線上に一定間隔で配置されており、その両端に目標が配置されているものとすることができる。
【0028】
別の例では、本発明の移動体位置計測用装置は、巻き取ることあるいは折り畳むことが可能なシート状、板状、あるいは網状の支持体に、支持体を伸張、あるいは展開した場合に、前記複数個のアクティブ型ICタグが格子状に配置されており、その四隅に目標が配置されているものとすることもできる。
【0029】
以上に説明したように、巻き取り、あるいは折り畳むことができ、伸張、あるいは展開した場合にアクティブ型ICタグ及び目標の予定した位置関係が実現する本発明の移動体位置計測用装置は、設置、撤去、保管に適している。
【0030】
なお、設置場所の状況に合わせて、本発明の移動体位置計測用装置の一部のみを伸張、あるいは展開して利用することもできる。
【0031】
特に、テープ状あるいは棒状の移動体位置計測用装置の場合は、折れ線状に延伸、伸張して、折れ線中の各直線部分に含まれるアクティブ型ICタグ及び目標が所定の位置関係で配置されていると、この直線部分に含まれる基準線が方向の基準となることを利用してもかまわない。
【0032】
このように、本発明の移動体位置計測用装置は、設置、撤去、保管の便を考慮して、支持体と支持体上に配置されたアクティブ型ICタグ、電源ケーブル、アイソレーション素子をあわせて、巻き取り、あるいは折り畳むことができ、伸張、あるいは展開した場合にアクティブ型ICタグ及び目標の予定した位置関係が実現するものが望ましい。この場合、電源ケーブルも柔軟性を有していたり、折り畳み可能なものにしておくことにより、支持体と共に巻き取り、あるいは折り畳むことができることができる。
【0033】
本発明の移動体位置計測用装置に配置されているアクティブ型ICタグは、支持体に恒久的に固定する、あるいはアクティブ型ICタグを支持体と一体として製造することも可能であるが、アクティブ型ICタグと電源ケーブルはコネクタを介して接続することとし、支持体の取り付け予定位置に前記コネクタを配置しておき、必要に応じて支持体にアクティブ型ICタグを取り付けることもできる。取り付け予定位置のうち、アクティブ型ICタグを取り付けないところには、電源が他のアクティブ型ICタグに供給されるようにするため、アクティブ型ICタグの代わりに、短い電源ケーブルを取り付ける。
【0034】
支持体の取り付け予定位置にコネクタを配置しておき、必要に応じて支持体にアクティブ型ICタグを取り付ける場合、必要な密度でアクティブ型ICタグを配置すること、アクティブ型ICタグが破損したり同一のアンテナを利用できる仕様の異なるアクティブ型ICタグを使用したりするためにアクティブ型ICタグを取り替えること、アクティブ型ICタグを支持体から取り外して再利用することが可能である。
【0035】
移動体位置計測用装置に配置されている目標は、十字線のような模様・記号・印などからなる目標や、2次元バーコード等の機械的に読み取り可能な記号を、移動体位置計測用装置を構成する支持体に直接記載することもできるほか、移動体位置計測用装置に配置されている複数のアクティブ型ICタグの中の所定のアクティブ型ICタグを目標として使用することも可能である。
【0036】
目標をアクティブ型ICタグとする場合、あるいは2次元バーコード等の機械的に読み取り可能な記号とする場合は、計測した目標とその目標を含む移動体位置計測用装置を機械的に識別することができ、計測作業を効率化することができる。
【0037】
複数個のアクティブ型ICタグと少なくとも1個の目標が、あらかじめ定められている位置関係で配置されており、かつ方向の基準となる基準線を含む移動体位置計測用装置における基準線は、移動体位置計測用装置を構成する支持体に直接記載することもできるほか、支持体が直線的に延びる端縁を有する場合には、当該端縁で代用することも可能である。
【0038】
支持体が有する直線的に延びる端縁で代用すると、廊下の縁の壁に沿って廊下の床面上に移動体位置計測用装置を配置する場合等に便利である。
【0039】
本発明の移動体位置計測用装置具を、移動体の位置を計測する場所に設置する。
【0040】
設置の仕方は、例えば、建物内の設置であるときは、天井面、壁面、床面、床下等に、感圧式両面粘着テープやねじ等により、再利用を目的として着脱可能に取り付けることができる。
【0041】
なお、移動体位置計測用装置に前述した基準線がある場合は、当該基準線があらかじめ定められた方向と一致するように移動体位置計測用装置を配備する必要があるが、建物の壁面、床に描画されている直線等をあらかじめ定められた方向としておくことにより、基準線を建物の壁面、床に描画されている直線等に沿って配置し、移動体位置計測用装置の方向を定めることができる。
【0042】
本発明の移動体の位置の計測方法においては、前記のようにして移動体の位置を計測する場所に設置されている移動体位置計測用装置が、複数個のICタグと少なくとも2個の目標が、あらかじめ定められている位置関係で配置されているものである場合には、当該移動体位置計測用装置における前記目標の中の少なくとも2個以上の目標の位置を計測し、記録する。
【0043】
また、前記のようにして移動体の位置を計測する場所に設置されている移動体位置計測用装置が、複数個のICタグと少なくとも1個の目標が、あらかじめ定められている位置関係で配置されており、かつ方向の基準となる基準線を含むものである場合には、当該移動体位置計測用装置における前記目標の中の少なくとも1個の目標の位置を計測し、記録する。
【0044】
すなわち、基準線を用いて移動体位置計測用装置の方向が定まっている場合は、計測する目標の数を少なくとも2個から、少なくとも1個に減らすことができる。
【0045】
もちろん、基準線を備えている移動体位置計測用装置が2個以上の目標を有する場合は、基準線を用いずに設置し、前記目標の中の少なくとも2個目標の位置を計測し、記録することも可能である。
【0046】
ここで、必ずしも移動体位置計測用装置に設けられた全ての目標の位置を計測する必要はない。複数個のICタグと少なくとも2個の目標が、あらかじめ定められている位置関係で配置されている場合には、前記目標の中の計測しやすい2個の目標の位置を計測することも可能である。例えば、3個以上の目標が配置されている場合に、この中の計測しやすい2個の目標の位置を計測することが可能である。
【0047】
例えば、前述したように巻き取ることあるいは折り畳むことが可能なテープ状、あるいは棒状の支持体に、複数個のアクティブ型ICタグが、あらかじめ定められている位置関係で配置されている移動体位置計測用装置の場合、全てのアクティブ型ICタグを目標として利用できるようにしておき、移動体位置計測用装置の一部を伸張し、伸張した範囲の両端に存在するアクティブ型ICタグを目標として位置計測すれば、便利である。
【0048】
同様に、基準線を用いて移動体位置計測用装置の方向が定まって設置されている場合は計測しやすい1個の目標を計測することも可能である。
【0049】
前述したように、移動体位置計測用装置を建物の天井面などに設置し、目標の位置を計測して記録した後、移動体位置計測用装置の全てのアクティブ型ICタグの位置を算出する。
【0050】
この算出には、移動体位置計測用装置内のアクティブ型ICタグと目標の位置関係及び目標の位置の計測結果を与件とする最小2乗法を用いることができる。
【0051】
簡単な例では、アクティブ型ICタグが直線上に一定間隔で並んでおり、その両端のアクティブ型ICタグを目標として用いる場合は、両端のアクティブ型ICタグの位置の計測値を基に、比例配分で各アクティブ型ICタグの位置を算出することができる。
【0052】
もちろん、必要に応じ、本発明の移動体位置計測用装置と、通常のICタグの双方を設置し、本発明の移動体位置計測用装置のアクティブ型ICタグについては上記の方法で位置を算出し、通常のICタグについては個別にその位置を計測することにより、全てのICタグの位置を決定し、測位環境を構築することも可能である。
【0053】
なお、目標の位置の計測とアクティブ型ICタグの位置の算出は、国家座標系に基づいて行うことも可能であるが、建物内部等で局所的に定めた座標系に基づいて行うことも可能である。
【0054】
アクティブ型ICタグは、アクティブ型ICタグを識別するためのID情報を送信するので、位置を計測される対象となっている移動体が備えるICタグリーダが、対象となる場所に設置された1個あるいは複数個の移動体位置計測用装置に配置されている複数個のアクティブ型ICタグのうち、移動体の近くに配置されているアクティブ型ICタグのID情報を受信することで、当該アクティブ型ICタグの位置を移動体の位置として把握することができる。
【0055】
もちろん、アクティブ型ICタグにID情報ではなく、位置を記憶させ、送信することも可能である。この場合は、書き換え可能なアクティブ型ICタグを使用するとともに、移動体位置計測用装置を設置し、目標の位置を計測し、各アクティブ型ICタグの位置を算出した後に、アクティブ型ICタグに位置を記録する必要がある。
【0056】
なお、前記電波を受信したアクティブ型ICタグが2以上のときは、以下のように、それぞれ受信した電波の電界強度と受信時刻で定まる値を重みとして前記電波を受信した2以上のアクティブ型ICタグの位置の加重平均を算出して前記移動体の位置とすることができる。
【0057】
2以上のアクティブ型ICタグから電波を受信したときに、これらの電波の電界強度等を重みとして加重平均により移動体の位置を算出すれば、より精度の高い移動体の位置を提供できる。
【0058】
例えば、電界強度を重みとして前記電波を受信した2以上のアクティブ型ICタグの位置の加重平均を算出し、前記移動体の位置とすることができる。
【0059】
すなわち、アクティブ型のICタグは一定の時間間隔で電波を送信するので、現在からこの一定の時間間隔以内に受信したアクティブ型ICタグの位置を前記の方法で加重平均する。もちろん、位置を計測される対象となっている移動体の速度が速く、この一定の時間間隔以内にアクティブ型ICタグの配置間隔以上の距離を移動すると予想される場合は、電界強度から予想されるアクティブ型ICタグとICタグリーダの間の距離の推定値と、受信後移動体が移動する距離の推定値を勘案した重みを用いて、加重平均することもできる。
【0060】
以上の本発明の方法において、前記の移動体の位置は、当該移動体を含む周囲を表示する地図画像上に表示することができる。特に、地図画像を移動体が所持している携帯端末の表示手段に表示すれば、移動体が人である場合はその人が、移動体が車両である場合はその車両に乗車している人が、自己の位置を容易に認識できる。
【0061】
あるいは、あらかじめ定めている範囲の監視を目的とした場合は、監視の対象とする範囲を表示する地図画像上に前記移動体の位置を表示することができる。特に、監視の対象とする範囲にある全ての移動体の位置を、地図画像を背景として中央監視装置の表示手段に表示すれば、監視の対象とする範囲に移動体がいるかどうかに関係なく、興味のある範囲(監視の対象とする範囲)の状況を把握することができる。
【0062】
なお、本発明において、移動体としては人間の他、位置を計測される対象となる移動するものなら動物や物品等の広範囲のものが該当する。
【0063】
本発明の移動体位置計測用装置においては、アクティブ型ICタグの間が電源ケーブルで接続され、少なくとも1以上の電源で全てのアクティブ型ICタグが動作されるようになっている。
【0064】
すなわち、複数個のアクティブ型ICタグは、電源ケーブルで接続され、少なくとも1以上の電源で、例えば、1つの電池、あるいは1つのACアダプタで全てのアクティブ型ICタグが動作されるので、アクティブ型ICタグとしての機能を有しつつ個々のアクティブ型ICタグにおける内蔵電池を不要とできる。
【0065】
これによって、個々のアクティブ型ICタグの電池交換を不要とし、またアクティブ型ICタグを小型化することができ、移動体位置計測用装置としてもコンパクトなものを提供することができる。
【0066】
本発明の移動体位置計測用装置においては、アクティブ型ICタグの間を結ぶ電源ケーブルにアイソレーション素子が挿入され、前記アクティブ型ICタグを挟んで当該アクティブ型ICタグの両側に配備されているアイソレーション素子の間の電源ケーブルがアンテナとして利用されるようになっている。
【0067】
電源は、通常、直流で供給されており、直流はアイソレーション素子を通過することができるため、アイソレーション素子があっても、電源ケーブルを通して各アクティブ型ICタグに電力を供給することができる。これに対し、アクティブ型のICタグが電波の送出のためにアンテナに給電する電気信号は、通常、高周波の交流であるため、アイソレーション素子を通過することができず、アクティブ型ICタグを挟んで当該アクティブ型ICタグの両側に配備されているアイソレーション素子で囲まれた部分の電源ケーブルのみを、アクティブ型ICタグのアンテナとして利用することができる。なお、上記のようにアイソレーション素子を使用して電源のみを通過させることができれば、送信周波数と離れた周波数の交流電源を使用することもできる。
【0068】
アイソレーション素子がない場合、電波の送出のためにアクティブ型ICタグから電源ケーブルに給電された電気信号が電源ケーブルの広い範囲にいきわたると、電源ケーブルの広い範囲から当該電波が放出され、移動体の近くのアクティブ型ICタグから選択的に電波を受信できるという本測位手法の基本的な仮定が成立しなくなる。
【0069】
アイソレーション素子は、アクティブ型ICタグを挟んで当該アクティブ型ICタグの両側に配備されているアイソレーション素子に囲まれた電源ケーブルの範囲のみをアンテナとして機能するようにするため、移動体の近くのアクティブ型ICタグから選択的に電波を受信できるようにしている。
【0070】
また、アクティブ型ICタグ間は、電源ケーブルで結ばれているため、そのままでは、あるアクティブ型ICタグから電源ケーブルに給電された電気信号が電源ケーブルを通じて他のアクティブ型ICタグに混入してしまい、混入を受けたアクティブ型ICタグの動作に影響を与える可能性がある。アクティブ型ICタグの間の電源ケーブルに配備されているアイソレーション素子は、この混入を防ぎ、各アクティブ型ICタグが正常に動作するように保護する。
【0071】
特に、アクティブ型ICタグと電源ケーブルを直線上に配置する場合は、電源ケーブルのうちアンテナでない部分は、アンテナの不感方向にあたるため、電波の伝播にほとんど影響を及ぼさない。
【0072】
このように、アクティブ型ICタグを挟んで当該アクティブ型ICタグの両側に配備されているアイソレーション素子間の電源ケーブルをアンテナとしたので、アクティブ型ICタグのサイズに制限されることなく、アンテナ長を設定できる。
【0073】
例えば、接地なしで最も放射効率の高い1/2波長アンテナとすることもできる。電波法第4条第1項に基づく微弱無線局で頻繁に使用される300MHzにおいては、1/2波長ダイポールアンテナの長さは0.5mとなるが、このような長さのアンテナを容易に作成することができる。
【0074】
なお、アクティブ型ICタグを挟んで当該アクティブ型ICタグの両側に配備されている電源ケーブルを当該アクティブ型ICタグのアンテナとして使用するために電源ケーブルに挿入されるアイソレーション素子としては、コイル、コイルとコンデンサを並列に配置したLC並列回路、フェライトコア等が該当する。
【発明の効果】
【0075】
本発明によれば、複数のICタグを利用して移動体の位置を把握する移動体の位置の計測方法において、事前に前記複数のICタグ全ての位置を計測しておく必要が不要で、複数のICタグを利用する場合であっても、その設置や撤去が容易な移動体の位置計測技術を提供することができる。
【0076】
また、複数個のアクティブ型ICタグを配置した移動体位置計測用装置とこの装置を配備した移動体の位置の計測方法において、個々のアクティブ型ICタグに電池を配備することを不要にし、電池交換を不要あるいは電池交換の手間を大幅に減らすと共に、電波の送信に良好なアンテナが具備されている移動体位置計測用装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0077】
以下、本発明の最良の実施の形態である実施例を添付図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0078】
図1(a)、(b)は本発明に係る移動体位置計測用装置の一例を説明する概略図である。
【0079】
図1(a)、(b)では、本発明に係る移動体位置計測用装置11が横長のテープ状体12からなる場合について説明している。
【0080】
横長のテープ状体12としては、例えば、軽量で伸縮の少ないガラス繊維製とすることができる。
【0081】
このテープ状体12の一面側13に、直線状に延びる端縁25aに沿ってあらかじめ定められている所定の間隔Dでn個のアクティブ型ICタグ15(15、15、・・・、15)が取り付けられている。
【0082】
なお、本明細書においては、複数個のアクティブ型ICタグ15、15、・・・、15を総称して「アクティブ型ICタグ15」と表すことがある。また、以下において、「アクティブ型ICタグ」を単に「ICタグ」と表す。
【0083】
図3図示の実施形態における移動体位置計測用装置11aでは、例えば、ICタグ15の中で、両端に位置するICタグ15とICタグ15を、目標としての役割を果たすものとして使用できる。
【0084】
テープ状体12の一面側13の裏面である他の面側16は、移動体位置計測用装置11を所定の位置に設置する際に使用される貼着面であり、例えば、感圧式粘着面となっている。
【0085】
ICタグ15(15、15、・・・、15)には、ICタグごとに異なるID情報がそれぞれ格納されており、このID情報を電波で送信するものである。ID情報を用いて、個々のICタグを識別することができる。
【0086】
そして移動体位置計測用装置11は、図1(a)、(b)において、使用前は横長方向に巻き取られ、計測用として設置するときに伸張されて、例えば、天井面、床面等に貼付け、設置されるようになっている。
【0087】
図示の実施形態では、テープ状体12の幅を一定にしているため、テープの端縁25aまたは25bを移動体位置計測装置11が備えている基準線として使用できる。
【0088】
ICタグ15(15、15、・・・、15)は、全て電源から供給される電力を用いて電波を送信するアクティブ型であるが、ICタグ15に電池を内蔵する通常のアクティブ型ICタグとは異なり、テープ状体12の引き出し側の端部に設けた電源17から電源ケーブル18(18a、18b)を介してICタグ15(15、15、・・・、15)に電力を供給するものである。なお、本明細書において、電源ケーブル18(18a、18b)を、総称して「電源ケーブル18」ということがある。
【0089】
電源ケーブル18(18a、18b)上には、図1(a)中、右下に拡大して表したアイソレーション素子であるLC並列回路20が配備されている。
【0090】
すなわち、図示の例では、ICタグ15に接続される電源ケーブル18aではICタグ15を挟んだ両側位置に、LC並列回路20a1、LC並列回路20b1が電源側から順に挿入され、同じく電源ケーブル18bではICタグ15を挟んだ両側位置に、LC並列回路20c1、LC並列回路20d1が電源側から順に挿入されている。
【0091】
同様にして、ICタグ15も、ICタグ15を挟んだ両側位置に、電源ケーブル18aにLC並列回路20a2、20b2が、電源ケーブル18bにLC並列回路20c2、20d2が電源側から順に挿入され、その後に続くICタグ15、15、・・・15も同様に両側位置にLC並列回路が挿入されている。
【0092】
なお、本明細書において、LC並列回路20a1、〜LC並列回路20d2、・・を総称して「LC並列回路20」と表すことがある。
【0093】
LC並列回路の共振周波数は、送信する電波の周波数に合わせておく。すると、ICタグからの電波の送信に使用する高周波成分はLC並列回路20を通過できないため、電源ケーブル18(18a、18b)のうちICタグ15を挟んでICタグ15の両側に配備されているLC並列回路の間の電源ケーブル18がICタグ15のアンテナとしての機能を有するようになっている。
【0094】
例えば、電源ケーブル18aのうちLC並列回路20a1と20b1で囲まれた部分と、電源ケーブル18bのうちLC並列回路20c1と20d1で囲まれた部分が、ICタグ15のアンテナとして機能する。
【0095】
電源ケーブルは、撚り線対を使用することが望ましい。この場合、一対の電源ケーブル18aと18bは、18aと18bの間に存在する寄生容量とコンデンサ21によって、ICタグ15からの電波の送信に使用する高周波信号に対してはあたかも1本の電線のように機能する。
【0096】
一方、電源の供給に使用する直流電流はLC並列回路20を通過できるため、電源ケーブルへのLC並列回路20の挿入は、電源の供給には支障を及ぼさない。
【0097】
LC並列回路20は、任意の位置に挿入することができるため、LC並列回路20の挿入位置によってアンテナの長さを調整することができる。これによって、例えば、アンテナ部分となるLC並列回路20、20間の長さを、使用する電波の波長の1/2とすることができ、接地なしで最も放射効率の高いアンテナを得ることができる。
【0098】
アンテナ長がICタグ15の間隔と同じである場合は、ICタグ15を挟まずに隣接する2つのLC並列回路20、20を1個にすることができる。この場合は、ICタグ15間の電源ケーブル18a、18bは、いずれかのICタグ15のアンテナ部分となり、LC並列回路20の実装数を減らすことができる。
【0099】
また、間にICタグ15が配置されていないLC並列回路の間、例えば、LC並列回路20b1と20a2間、LC並列回路20d1とLC並列回路20b2間、等は、非アンテナ部分となる。非アンテナ部分及び他のICタグのアンテナ部分は、当該ICタグのアンテナの不感方向にあたるため、電波の伝播に影響を及ぼすことが殆ど無視できる。
【0100】
ICタグ15、電源ケーブル18、LC並列回路20及びコンデンサ21は、プラスチックフィルム等で被覆されている形態にすることができる。
【0101】
電源17は、電源ケーブル及びアイソレーション素子20、39a、39bによる電圧降下に対処するため、ICタグ内部で必要とする電圧より高い電圧を供給する。電源17は、電池あるいは商用電源に接続されたADアダプタである。
【0102】
図4は、移動体位置計測用装置11に複数個所定間隔で配置されるアクティブ型ICタグ15のブロック概略図である。
【0103】
図4に示すように、ICタグ15は、記録部31と、移動体が備えているICタグリーダへ信号を送信するための通信部32と、電源ケーブル18(18a、18b)と接続するためのコネクタ部33(33a、33b、33c、33d)と、電源部を備えている。
【0104】
記録部31は、不揮発性メモリであり、各ICタグの識別情報であるID情報その他を記録するものである。
【0105】
通信部32は、発信回路35と、変調回路36と、増幅回路37と、増幅回路からコネクタ部までの間に設けたコンデンサ38(38a、38b、38c、38d)と、コイル39(39a、39b)とを備えている。
【0106】
コンデンサ38aと38b、コンデンサ38cと38dをそれぞれ直列にして、それぞれ電源ケーブル18aと18bとの間に設置する。
【0107】
増幅回路37からの配線がそれぞれコンデンサ38aと38bとの間、コンデンサ38cと38dとの間に接続される。
【0108】
このコンデンサ38(38a、38b、38c、38d)は、電源ケーブルと増幅回路を直流成分では分離しながら、増幅回路からの高周波出力を2本の電源ケーブル18(18a、18b)の双方に給電するために設置するものである。撚り線対となっている2本の電源ケーブルに同じ信号を給電するのは、これらをあたかも1本のアンテナとして動作させるためである。片方の電源ケーブルのみに信号を出力すると、もう片方の電源ケーブルの影響を受け、アンテナ特性を発揮することができず、送信に支障が生じることを防止するためである。もちろん、送信に支障が生じない場合は、片方の電源ケーブルのみに給電する実装も可能である。
【0109】
コイル39(39a、39b)は、直流を通過させ、高周波を遮断する働きをする。コイル39は、ダイポールアンテナの2つのセグメントを高周波信号に対して分離するために設置するものである。
【0110】
コンデンサ38とコイル39は、増幅回路とアンテナの間のインピーダンスを整合させる機能も有している。
【0111】
電源ケーブル及び電源ケーブルに挿入されたアイソレーション素子の抵抗により、電源から供給される電圧は降下し、各ICタグに給電される電圧は異なる。電源部は、ICタグに供給される電圧が変動しても、ICタグの内部に供給される電圧を一定にする機能を有する。例えば、定電圧ダイオードを使用した定電圧回路とすることができる。
【0112】
図5は、移動体位置計測用装置11(11a、11b、11c、11d)が設置されたイベント会場21の平面概略図である。
【0113】
なお、本明細書においては、複数個の移動体位置計測用装置11a、11b、11c、11dを総称して「移動体位置計測用装置11」と表すことがある。
【0114】
このイベント会場21には、会場内の位置を表示するために、座標軸として横方向、縦方向にそれぞれ所定間隔で直線軸(横方向:A1、・・・、A11、縦方向:B1、・・・・、B18)が設けられている。
【0115】
図示のイベント会場21は、平面が長方形で、対向する短辺の壁2面にそれぞれ出入口22(22a、22b、22c、22d)が2箇所ずつ設置され、他の対向する長辺の壁2面には展示ブース23a、23bがそれぞれ設置されている。またイベント会場21の中央には展示ブース23c、23d、23eが島状に設置されている。
【0116】
そして壁面側の展示ブース23aの前に壁面に沿って移動体位置計測用装置11aが設置され、他の壁面側の展示ブース23bの前にも同様に移動体位置計測用装置11bが設置されている。また島状の展示ブース23cと23dの間には移動体位置計測用装置11cが、展示ブース23dと23eの間には移動体位置計測用装置11dがそれぞれ設置されている。
【0117】
上記の移動体位置計測用装置11(11a、11b、11c、11d)は、テープ状体12の裏面である他の面側16の粘着面をイベント会場21の天井面に貼付けて、設置されている。落下防止のため一部ねじ止めしてもよく、あるいはICタグからの電波を受信可能であれば床下の躯体に設置してもよい。
【0118】
移動体位置計測用装置11aには、テープ状体12の横長方向の一端から他端に向けてあらかじめ定められた所定間隔でICタグ15(15、15、・・・、15)が取り付け配置されている。また同じく移動体位置計測用装置11b、11c、11dにもあらかじめ定められた所定間隔で複数個のICタグ15が取り付け配置されている(図中ICタグの番号を省略する)。
【0119】
図6は、図4を用いて説明したICタグ15から送信される識別情報を受信する、移動体の所持するICタグ読取表示装置51のブロック構成図である。なお、図4で説明したICタグ15の構成要素については、同一の名称を用いてその説明を省略する。
【0120】
図6に例示するICタグ読取表示装置51は、ICタグリーダの機能に加えて移動体の位置を算出し表示する機能を有する。
【0121】
具体的には、図示の例では、ICタグ読取表示装置51は、アンテナ52、通信手段53、制御手段55、ICタグ配置位置情報記録手段56、位置出力手段57、画像描画・出力手段58、画像表示手段59、地図情報記録手段60を備えている。
【0122】
アンテナ52は、各ICタグ15からの電波の受信に使用するものである。
【0123】
通信手段53はICタグ15からの電波の受信を行う機能を備えたもので、高周波増幅回路、局部発信回路、周波数混合回路、中間周波増幅回路、アナログ−ディジタルコンバータ、ディジタル信号プロセッサ等を備えてなる。
【0124】
アンテナ52及び通信手段53はICタグリーダとしての機能を発揮するためのものであり、ICタグのID情報を出力する。
【0125】
ICタグ配置位置情報記録手段56は、各ICタグ15のID情報をキーとして、各ICタグの位置が記録されるもので、ハードディスク、フラッシュメモリ等の記憶装置が相当する。
【0126】
位置出力手段57は、通信手段53が出力する各ICタグ15のID情報とICタグ配置情報記録手段56を用い、読み取った各ICタグ15の位置を出力する。
【0127】
地図情報記録手段60は、移動体の位置を表示するための背景となる地図情報が記録されるもので、ハードディスク、フラッシュメモリ等の記憶装置が相当する。
【0128】
画像描画・出力手段59は、位置出力手段57が出力した、ICタグ読取表示装置51が受信した電波を送信したICタグ15の位置をもとに、地図情報記録手段61に記録されている地図情報から、上記位置の周囲の地図画像を描画し、その上に上記位置を表示する記号等を重ねて描画する。
【0129】
画像描画・出力手段58は、描画された画像の映像信号を生成し、画像表示手段59に出力する機能を有する。
【0130】
画像表示手段59は、画像描画・出力手段58が出力した映像信号を表示する機能を有するもので、例えば、液晶ディスプレイやCRT等の表示装置が相当する。
【0131】
そして、制御手段55が上記各手段の機能を制御するもので、この制御手段55や位置出力手段57、画像描画・出力手段58は、CPU及びRAM等の装置が該当し、所定のプログラムを実行することで上記各手段の機能が発揮できるものである。なお、画像描画・出力手段58は、独立したグラフィックチップ等を利用する場合もある。
【0132】
もちろん、ICタグ配置位置情報記録手段56、位置出力手段57、画像描画・出力手段58、画像描画・出力手段59、地図情報記録手段60の中のいずれか、あるいは全てを、ICタグ読取表示装置51が不図示のネットワークを介して相互交信可能なネットワーク上の別のシステム(たとえば、ucode(登録商標) 解決サーバー)に配備しておき、ネットワークを通じてICタグ読取表示装置51が必要な情報を得て、画像表示手段59に表示する実装も当然可能である。
【0133】
次に、ICタグ配置位置情報記録手段56に記録すべき各ICタグの位置を算出する手法を述べる。
【0134】
本実施例では、テープ状の移動体位置計測用装置11には、直線に沿ってあらかじめ定められている所定の間隔Dでn個のICタグ15(15、15、・・・、15)が取り付けられており、その両端のICタグの位置を計測している。ICタグ15の位置の計測値を(x1b,y1b)、ICタグ15の位置の計測値を(xnb,ynb)とする。
【0135】
ICタグ15の位置の最確値を(x,y)、ICタグ15の位置の最確値を(x,y)・・・ICタグ15の位置の最確値を(x,y)とする。距離Dに誤差がなく、ICタグ15の位置の計測値(x1b,y1b)、ICタグ15の位置の計測値(xnb,ynb)に誤差がある場合、i番目のICタグの位置の最確値(x,y)は次の式で表される。
【数1】

【0136】
ここでθは、2引数の逆正接関数atan2を用いて、次のように表される。
【数2】

【0137】
一方、距離Dに誤差があり、ICタグ15の位置の計測値(x1b,y1b)、ICタグ15の位置の計測値(x,y)に誤差がない場合、i番目のICタグの位置の最確値(x,y)は次の式で表される。
【数3】

【0138】
状況に応じて、いずれかの式を用い、各タグの位置の最確値を求める。
【0139】
一方、基準線を用いる場合は、基準線として使用するテープの端縁25aまたは端縁25bを直線軸A1〜A11、B1〜B11のいずれかにあわせて設置する。
【0140】
使用した直前軸の方向余弦を(l,m)とする。j番目のタグの位置の計測値を(xjb,yjb)とする。i番目のICタグの位置の最確値(x,y)は、方向余弦(l,m)がICタグ15から15に向かう方向と同方向の場合は、次の式で表される。
【数4】

【0141】
また、逆方向の場合は、次の式で表される。
【数5】

【0142】
以上の計算は、移動体位置計測用装置11の設置時に、本実施例に記載されているICタグ読取表示装置51等とは異なるシステムの上で実行される。
【0143】
以上の方法で求めたICタグの位置の最確値を、ICタグ15のID情報をキーとして、ICタグ配置位置情報記録手段56に記録する。
【0144】
イベント会場21内を、移動体がICタグ読取表示装置51を所持して移動すると、移動体の近傍に配置されたICタグ15からのID情報の電波をICタグ読取表示装置51が受信する。
【0145】
位置出力手段57は、受信したID情報とICタグ配置位置情報記録手段56に記録されている各ICタグ15のID情報とを照合して、受信したICタグ15の位置を出力する。
【0146】
そして画像描画・出力手段58は、地図情報記録手段60に記録されている地図データを用いて描画した地図画像上にICタグ15の位置を表示した映像信号を画像表示手段59に出力し、画像表示手段59は上記映像信号を表示する。
【0147】
これにより移動体は受信した近傍のICタグの位置を地図上で確認することができるので、移動体がその付近にいることを認識できる。
【0148】
このように、複数のICタグを利用して移動体の位置を把握する移動体の位置の計測方法において、事前に前記複数のICタグ全ての位置を計測しておく必要なしに移動体の位置の計測を行なうことができる。
【0149】
また、移動体位置の計測に使用する移動体位置計測用装置11(11a、11b、11c、11d)は、テープ状体12の裏面16を設置場所から引き剥がして簡単に撤去し、巻き取って、コンパクトに保管し、再度、使用する場合には、図1図示のように伸張し、裏面16を設置場所に貼り付けて使用すればよいので、簡単に設置することができる。このように、移動体位置計測用装置11はその設置、撤去、再利用が容易であり、コストや手間が軽減されたものとなる。
【0150】
更に、ICタグ15(15、15、・・・、15)は、全て電源からの電力により送信するアクティブ型であるが、テープ状体12の引き出し側の端部に設けた電源17から電源ケーブル18(18a、18b)を介して電力を供給するように、ICタグの間を電源ケーブルで接続し、少なくとも1以上の電源で全てのICタグを動作させるので、個々のアクティブ型ICタグにおける内蔵電池を不要にでき、電池交換が不要、あるいは電池交換の手間を減らすことができ、かつアクティブ型ICタグを小型化することができ、移動体位置計測用装置としてコンパクトなものを提供できる。
【0151】
また、少なくとも1以上の電源で全てのICタグを動作させるように、ICタグの間を接続している電源ケーブルにアイソレーション素子を配備し、ICタグを挟んで当該ICタグの両側に配備されているアイソレーション素子間の電源ケーブルがアンテナとして利用されるようになっている。そこで、各ICタグのサイズに制限されないアンテナを提供することができる。
【0152】
図2、図3は本発明の他の移動体位置計測用装置におけるICタグ、電源ケーブル、アイソレーション素子(例えば、LC並列回路)の配置例・接続例を説明するものである。ICタグ、電源ケーブル、アイソレーション素子の配置形態・接続形態以外は、図1図示の実施形態で説明するものと同様であるので、図2、図3においては、これらの配置例・接続例のみを説明し、その他は省略する。
【0153】
図2図示の例は、ICタグを予め定められている碁盤目状の位置関係で配置したものである。
【0154】
本例では、電源を2つ用意し、電源ケーブルを碁盤目状に配することにより、1つの電源が利用できなくなった場合、あるいは2ヶ所以内の電源ケーブルの断線があっても、全てのICタグに電力が供給されるようになっている。縁辺部のICタグの外側のアンテナは、撚り線対を用いた電源ケーブルを利用するのではなく、より構造の簡単な単線のアンテナ線を利用している。
【0155】
ICタグは、1/2波長間隔で配置されているため、隣接するICタグの中間にアイソレーション素子を1個配置するだけで、1/2波長のアンテナを形成している。
【0156】
アンテナエレメント、すなわちアンテナとして利用する部分の電源ケーブルあるいはアンテナ線は、ICタグの上下左右に伸びている。これらのエレメントのうち上下1対のエレメントで1つのダイポールアンテナを形成し、左右1対のエレメントで別の1つのダイポールアンテナを形成している。これら2つのダイポールアンテナに位相がπ/2だけ異なる信号を給電することにより、円偏波の電波を送信することができる。円偏波を用いると、偏波面を気にすることなく受信機のアンテナを構成できる。
【0157】
図3図示の例は、図1図示の例と同じく、伸張した際に直線状に延びるようにICタグを配置したものである。
【0158】
ICタグ111a、111b、111cは、電源ケーブル113a、113b、113cを介して電源110aから給電される。また、ICタグ112a、112b、112cは、電源ケーブル114a、114b、114cを介して電源110bから給電される。これらの2系のICタグは、図3上で上下に隣接して配置されており、また、これらのICタグ(111a、112a、111b、112b、111c、112c)は、この順に等間隔で配置されているため、これらのICタグは、ほぼ直線上に等間隔で配置されている。
【0159】
以上のICタグの配置は、図1図示のものとほぼ同等であるが、隣接するICタグ間は電源ケーブルで結ばれておらず、異なる電源に接続されている。本移動体位置計測装置は、いずれかの電源が機能しなくなった場合、あるいは1ヶ所の電源ケーブルが断線した場合、隣接する2個のICタグのうち少なくとも1個には電源が供給されて動作するため、移動体位置計測装置全体の機能が失われることはない。
【0160】
図2、図3図示の実施形態とも、図1図示の実施形態と同じく、ICタグの間が電源ケーブルで接続され、少なくとも1以上の電源で全てのICタグが動作されるので、個々のICタグに電池を配備することを不要にし、電池交換を不要あるいは電池交換の手間を大幅に減らすと共に、電波の送信に良好なアンテナが具備されている移動体位置計測用装置とすることができる。また、図1図示の実施形態とくらべると、電源、電源ケーブルの障害に対して、冗長性を持っている。
【実施例2】
【0161】
本発明の実施例2について、移動体の位置の計測方法の手順を示した流れ図である図7を参照して説明する。
【0162】
なお、移動体位置計測用装置11及びICタグ読取表示装置51は実施例1と同様であり、ICタグ読取表示装置51の位置情報の算出機能が強化された点が異なるものである。
【0163】
図7に示すように、ICタグ読取表示装置51がICタグ15からの電波を受信し(S11)、かつ2以上のICタグからの電波受信をしたときに(S12)、本実施例の移動体の位置の計測方法が実施される。
【0164】
ICタグ15は、一定の時間間隔で電波を発信する。そこで、現在からその時間間隔だけ遡った間に受信したICタグについて、受信した電波の電界強度を重みとして、受信したICタグの位置を加重平均することにより位置を算出する(S13)。
【0165】
これは2以上のICタグ15から電波を受信したときに、受信したICタグ15の位置の平均を単純に計算するのでなく、より近くにあるICタグ15から受信する電波の電界強度が大きいことから、この電界強度を重みとして受信した各ICタグ15の位置情報の加重平均を算出する。
【0166】
適切な方法で重みづけられた加重平均を用いることよって、より精度の高い移動体の位置情報を提供することができる。
【0167】
例えば、2個のICタグ15の間に移動体が位置し、この2個のICタグ15からそれぞれ電波を受信したときは、受信した電波の電界強度を重みとして2個のICタグ15の位置の加重平均を算出することで、電界強度が距離とともに減衰するならば、単純平均と比較し、移動体に近い側のICタグの位置に近い位置を出力することができる。
【0168】
加重平均の算出は、ICタグ読取表示装置51の位置出力手段57が所定のプログラムと、ICタグ配置位置情報記録手段56に記録されているICタグの位置に基づいて行い、この算出された移動体の位置は画像描画・出力手段58により地図を背景として描画され、画像表示手段59の画面上に表される。
【0169】
なお受信したICタグ15の数が1個であるときは、実施例1と同様に、受信したそのICタグ15の位置をもって、移動体の位置とする(S15)。
【0170】
このように本実施例によれば、電界強度により重みによる加重平均による位置情報を提供するので、より一層精度の高い移動体の位置情報を提供することができる。
【実施例3】
【0171】
図8を参照して本発明の実施例3について説明する。
【0172】
図8は、本実施例で使用するICタグ読取装置71そして中央監視装置81のブロック構成図である。
【0173】
なお、図4で説明したICタグ15の構成要素については、同一の名称を用いてその説明を省略する。
【0174】
したがって実施例1、2と同一内容の部分は説明を省略し、異なる特徴部分を中心に説明する。
【0175】
図8に示すように、本実施例の特徴は、移動体が所持するICタグ読取装置71には表示装置等が備えられておらず、移動体の位置を表示する地図画像は中央監視装置81の表示手段89に表示されることである。移動体の所持するICタグ読取装置71は、ICタグ15からの電波を受信するICタグリーダの機能と、受信したID情報を中央監視装置81に送信する機能とを有するものである。
【0176】
したがって移動体の所持するICタグ読取装置71は、上記したICタグ読取表示装置51に比較して軽量かつコンパクトになり、移動体の負担を軽減することができるとともに安価に製造できる。このような特徴は、移動体自身が自己の位置情報を把握する必要がなく、中央監視措置81で多数の移動体の位置を把握する場合等に有効となる。
【0177】
本実施例では、ICタグ読取装置71と中央監視装置81の間は、無線LANを介して接続し、ID情報を転送している。もちろんPHS等の他の通信手段を用いること、ICタグ読取装置71に位置出力手段等を追加して、ID情報の代わりに位置を転送することも可能である。
【0178】
中央監視措置81の画像表示手段89に表示される移動体の位置は、実施例1のように受信したICタグの位置を地図画像に表示して、これを移動体の位置情報とするものでもよく、あるいは実施例2のように2以上の受信したICタグの電波の電界強度を重みとする加重平均によって位置情報を算出してもよい。
【0179】
このように、本実施例では中央の管理者が複数の移動体の分布状況及び移動状況を把握することができる。
【0180】
実施例1〜3においてはアイソレーション素子としてLC並列回路を使用したが、これに限定するものではなく、コイル、フェライトコア等を使用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0181】
【図1】本発明の移動体位置計測用装置の概略図であって、(a)は伸張されている状態、(b)は横長方向に巻き取られていた状態から一部が伸張された状態を表す概略図。
【図2】本発明の他の移動体位置計測用装置におけるICタグ、電源ケーブル、アイソレーション素子の配置例・接続例を説明する概略図。
【図3】本発明の他の移動体位置計測用装置におけるICタグ、電源ケーブル、アイソレーション素子の他の配置例・接続例を説明する概略図。
【図4】本発明の移動体位置計測用装置に使用されるアクティブ型ICタグのブロック概略図。
【図5】本発明の移動体位置計測用装置が設置されたイベント会場の平面概略図。
【図6】ICタグ読取表示装置のブロック構成図。
【図7】移動体の位置の計測方法の手順を示した流れ図。
【図8】ICタグ読取装置と中央監視装置のブロック構成図。
【符号の説明】
【0182】
11 移動体位置計測用装置
12 テープ状体12
15(15、・・・・・、15)ICタグ
51 ICタグ読取表示装置
71 ICタグ読取装置
81 中央監視装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個のアクティブ型ICタグと少なくとも2個の目標が、あらかじめ定められている位置関係で配置されていると共に、
アクティブ型ICタグの間が電源ケーブルで接続され、
少なくとも1以上の電源で全てのアクティブ型ICタグが動作され、
前記電源ケーブルにアイソレーション素子が配備されていて、前記アクティブ型ICタグを挟んで当該アクティブ型ICタグの両側に配備されているアイソレーション素子の間の電源ケーブルがアンテナとして利用される
ことを特徴とする移動体位置計測用装置。
【請求項2】
前記移動体位置計測用装置は、柔軟性を有する支持体に前記複数個のアクティブ型ICタグと少なくとも2個の目標が配置されているものであることを特徴とする請求項1記載の移動体位置計測用装置。
【請求項3】
前記移動体位置計測用装置は、折り畳むことができる支持体に前記複数個のアクティブ型ICタグと少なくとも2個の目標が配置されているものであることを特徴とする請求項1記載の移動体位置計測用装置。
【請求項4】
複数個のアクティブ型ICタグと少なくとも1個の目標が、あらかじめ定められている位置関係で配置されていると共に、方向の基準となる基準線を含み、
アクティブ型ICタグの間が電源ケーブルで接続され、
少なくとも1以上の電源で全てのアクティブ型ICタグが動作され、
前記電源ケーブルにアイソレーション素子が配備されていて、前記アクティブ型ICタグを挟んで当該アクティブ型ICタグの両側に配備されているアイソレーション素子の間の電源ケーブルがアンテナとして利用される
ことを特徴とする移動体位置計測用装置。
【請求項5】
前記移動体位置計測用装置は、柔軟性を有する支持体に前記複数個のアクティブ型ICタグと少なくとも2個の目標が配置されているものであることを特徴とする請求項4記載の移動体位置計測用装置。
【請求項6】
前記移動体位置計測用装置は、折り畳むことができる支持体に前記複数個のアクティブ型ICタグと少なくとも2個の目標が配置されているものであることを特徴とする請求項4記載の移動体位置計測用装置。
【請求項7】
前記アンテナとして利用される前記アクティブ型ICタグを挟んで当該アクティブ型ICタグの両側に配備されているアイソレーション素子の間の電源ケーブルの長さが、前記アクティブ型ICタグの送信電波の波長との関係で定められることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項記載の移動体位置計測用装置。
【請求項8】
請求項1乃至3のいずれか一項記載の移動体位置計測用装置を配備し、
当該移動体位置計測装置における前記目標の中の少なくとも2個以上の目標の位置を計測することにより、前記複数個のアクティブ型ICタグの位置を把握すると共に、
位置を計測される対象となっている移動体が前記複数個のアクティブ型ICタグの中のアクティブ型ICタグからの電波を受信して、当該電波を受信したアクティブ型ICタグの位置を把握することにより、当該移動体の位置を計測することを特徴とする移動体の位置の計測方法。
【請求項9】
請求項4乃至6のいずれか一項記載の移動体位置計測用装置を、前記基準線があらかじめ定められた方向と一致するように配備し、
当該移動体位置計測用装置における前記目標の中の少なくとも1個の目標の位置を計測することにより、前記複数個のアクティブ型ICタグの位置を把握すると共に、
位置を計測される対象となっている移動体が前記複数個のアクティブ型ICタグの中のアクティブ型ICタグからの電波を受信して、当該電波を受信したアクティブ型ICタグの位置を把握することにより、当該移動体の位置を計測することを特徴とする移動体の位置の計測方法。
【請求項10】
前記移動体が受信した電波が2以上のアクティブ型ICタグによるときは、それぞれ受信した電波の電界強度と受信時刻で定まる値を重みとして前記電波を受信した2以上のアクティブ型ICタグの位置の加重平均を算出し、前記移動体の位置とすることを特徴とする請求項8又は9記載の移動体の位置の計測方法。
【請求項11】
前記移動体の位置は、当該移動体を含む周囲、あるいは監視の対象とするすべての範囲を表示する地図画像上に表示することを特徴とする請求項8乃至10のいずれか一項に記載の移動体の位置の計測方法。
【請求項12】
前記地図画像は、前記移動体又は中央監視装置の表示手段に表示されることを特徴とする請求項11に記載の移動体の位置の計測方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−209245(P2008−209245A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−46411(P2007−46411)
【出願日】平成19年2月27日(2007.2.27)
【出願人】(301042480)国土交通省国土地理院長 (12)
【出願人】(394013312)株式会社九州テン (4)
【Fターム(参考)】