説明

移動体管理システム

【課題】簡単な操作で選定された複数の車両にのみメッセージが出力され、管理センタ側の負担が軽減できる移動体管理システムを提供する。
【解決手段】複数の移動体と、これらの移動体にメッセージを送信する管理センタから構成された移動体管理システムであって、管理センタは、少なくとも移動体から取得した移動体情報を基に、入力された指定条件に該当する移動体を選定し、複数の移動体にメッセージと指定条件を送信する。一方、複数の移動体は、管理センタから送信されたメッセージと指定条件を受信し、自移動体が指定条件に該当する移動体であるか否かを判断して、自移動体が指定条件に該当する移動体であれば受信したメッセージを表示または音声出力し、自移動体が指定条件に該当しなければ受信したメッセージを無視する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理センタからタクシー等の複数の車両(移動体)にメッセージを送信する移動体管理システムに係り、特に、選定した複数の車両にメッセージを送信する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の車両(タクシー)を管理する管理センタから無線システムを介して全車両または個別の車両に配車や移動等のメッセージを送信する移動体管理システムでは、各車両は随時または定期的に現在位置、進行方向を示す位置情報、実車・空車等の車両状態を示す動態情報を管理センタに送信し、管理センタは受信した全車両の位置情報、動態情報をメモリに記憶するとともに表示部に表示する。そして、管理センタは顧客から配車要求があると、顧客に最も近い空車を検索して、その車両に配車を指示するメッセージ(配車指示)を無線で送信する。また、需要の多い地域に車両を重点的に配置する場合には、表示部に表示した画面から複数の車両を選定して、それらの車両に順次必要なメッセージ(移動指示)を送信する。メッセージを受信した車両は、これらの指示を表示画面に文字表示したり、スピーカから音声出力する。このようにして、顧客の要望に対応でき、また、車両を適切に配置することにより実車効率を上げることができる。
【0003】
この出願の発明に関する先行技術文献としては次のものがある。
【特許文献1】特開2000−4484号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の移動体管理システムでは、管理センタから全車両に一斉に同一のメッセージを送信したり、配車指示のように選定した1車両にメッセージを送信することはできる。しかし、選定した複数の車両に需要の多い地区に移動を促すようなメッセージを送信する場合には、1車両毎に順次同じメッセージの送信を繰り返す必要がある。そのために、管理センタ側の負担が大きくなるという問題がある。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、簡単な操作で選定された複数の通信対象車両にのみメッセージが出力され、管理センタ側の負担が軽減できる移動体管理システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、複数の移動体と、該複数の移動体にメッセージを送信する管理センタから構成されてなる移動体管理システムにおいて、前記管理センタは、少なくとも前記移動体から取得した移動体情報を基に、入力された指定条件に該当する移動体を選定する移動体選定手段と、前記選定された移動体に前記メッセージと前記指定条件を送信する送信手段を備え、前記移動体は、前記管理センタから送信された前記メッセージと前記指定条件を受信する受信手段と、自移動体が前記指定条件に該当する移動体であるか否かを判断する判断手段と、前記判断手段により自移動体が前記指定条件に該当する移動体であると判断された時に、前記受信したメッセージを出力するメッセージ出力手段を備えたことを特徴とするものである。
【0007】
また、前記移動体は、前記受信したメッセージを前記管理センタが指示した出力方法により表示手段または/及び音声出力手段に出力することを特徴とするものである。
【0008】
また、前記指定条件は、前記移動体の位置情報に関するものであって、前記移動体選定手段は、指定された範囲に存在する移動体を選定することを特徴とするものである。
【0009】
また、前記指定条件は、前記移動体の位置情報と移動方向情報に関するものであって、前記移動体選定手段は、指定された範囲に存在し、かつ指定された方向に移動している移動体を選定することを特徴とするものである。
【0010】
また、前記指定された範囲は、指定された中心点と、該中心点から所定距離の円形範囲であることを特徴とするものである。
【0011】
また、前記中心点は、前記管理センタにおいて表示されている地図画面上で指定されることを特徴とするものである。
【0012】
また、前記中心点は、前記管理センタにおいて予め登録されている地点リストに基づいて指定されることを特徴とするものである。
【0013】
また、前記移動体の管理地域が予め複数のエリアに分割されており、前記指定条件は、前記移動体の存在するエリア情報に関するものであって、前記移動体選定手段は、指定されたエリア内に存在する移動体を選定することを特徴とするものである。
【0014】
また、前記指定条件は、前記移動体の動態情報に関するものであって、前記移動体選定手段は、指定された動態の移動体を選定することを特徴とするものである。
【0015】
また、前記指定条件は、前記移動体の乗務員情報に関するものであって、前記移動体選定手段は、指定された乗務員の乗務する移動体を選定することを特徴とするものである。
【0016】
また、前記移動体はタクシーであり、前記指定条件は、前記移動体の実車情報に関するものであって、前記移動体選定手段は、指定された実車回数以下の移動体を優先して選定することを特徴とするものである。
【0017】
また、前記移動体はタクシーであり、前記指定条件は、前記移動体の走行距離情報に関するものであって、前記移動体選定手段は、指定された走行距離以下の移動体を優先して選定することを特徴とするものである。
【0018】
また、前記移動体は車両であり、前記指定条件は、前記移動体の車両構造等を示す車両種別情報に関するものであって、前記移動体選定手段は、指定された車両種別の移動体を選定することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、簡単な操作で選定された複数の通信対象車両にのみメッセージが出力され、管理センタ側の負担が軽減できる移動体管理システムが提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の実施の形態に係る移動体管理システムについて、図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0021】
図1は本発明の第1の実施例に係る移動体管理システムの構成を示すブロック図である。図2は本発明の第1の実施例に係る移動体管理システムの各部の構成を示すブロック図で、(a)は車両側の構成図、(b)は管理センタ側の構成図である。図3は本発明の第1の実施例に係る移動体管理システムの車両情報収集処理のフローチャートで、(a)は車両制御部15の処理、(b)はセンタ制御部23の処理である。図4は本発明の第1の実施例に係る移動体管理システムのメッセージ出力処理のフローチャートで、(a)はセンタ制御部23の処理、(b)は車両制御部15の処理である。図5は車両の位置・走行方向を示す図である。図6はメッセージの通信対象車両の選定方法を説明するための図(中心と中心からの距離に基づいて選定)である。図7はメッセージの通信対象車両の他の選定方法を説明するための図(地図上で範囲指定による選定)で、(a)は長方形の範囲内、(b)は多角形の範囲内、(c)は円形の範囲外、(d)は長方形の範囲外である。図8はメッセージの通信対象車両の他の選定方法を説明するための図(地図上で範囲と走行方向指定による選定)である。図9はメッセージの通信対象車両の他の選定方法を説明するための図(エリア指定による選定)である。尚、本実施例は、管理センタにおいて車両位置や走行方向等の車両情報(位置情報、走行方向情報)を指定条件として、メッセージの通信対象車両を選定する。そして、管理センタから全車両にメッセージと車両情報に関連した指定条件を送信し、これを受信した各車両は自車両が指定条件に該当する通信対象車両か否かを判断し、通信対象車両であればメッセージを出力し、通信対象車両でなければメッセージを出力しないようにするものである。
【0022】
1、1a、1b〜1nは管理センタ2から移動指示や配車指示等のメッセージを受けるタクシー等の車両で、それぞれ1号車、2号車、n号車に対応する。10はタクシーの料金メータで、実車・空車別等の動態情報、実車回数や売上金額等の営業情報が出力される。11はGPS衛星からの電波を受信して車両の位置を検出するGPS受信機である。12は地図情報の記録されたCD−ROMやDVD及びその駆動装置から構成された地図データベースである。13は車両の走行速度を検出する車速(距離)センサで、車両の速度計からの信号が用いられる。14は車両の方位を検出するジャイロ等の方位センサである。15は車両位置と地図情報とを照合して車両の走行道路を特定し、地図上に車両位置を表示して車両の走行案内を行う車両制御部で、車両情報やメッセージの送受信制御、メッセージの出力制御等も実行するマイクロコンピュータで構成される。16は車両の現在位置、実車・空車等の車両状態(動態)、営業情報等の各種情報を管理センタ2に送信し、管理センタ2から移動指示等のメッセージを受信する送受信機である。17は地図及びその上に車両位置を表示し、また受信したメッセージを文字表示する表示部で、液晶表示パネル及びその駆動回路で構成される。18は案内のための音声、受信したメッセージを音声に変換して出力する音声出力部である。19は乗務員が各種入力及び各種処理の実行を指示するための入力部で、押し釦スイッチやタッチパネルスイッチ等から構成される。
【0023】
2は各車両(1、1a、1b〜1n)に移動指示や配車指示等のメッセージを送信する管理センタである。21は各車両1へ配車データ、メッセージを送信し、また、各車両1から現在位置、実車・空車等の車両状態等の車両情報等を受信する送受信機である。22は地図情報の記録されたCD−ROMやDVD及びその駆動装置から構成された地図データベースである。23は各車両1から収集し、蓄積した車両データに基づいて、車両1に配車を指示したり、メッセージを指示するセンタ制御部である。24は地図及びその上に車両位置、実車・空車等の車両情報を表示する表示部であり、メッセージを通信する通信対象車両を画面上で選定する。25は各車両1から受信した音声を出力する音声出力部である。26は通信するメッセージの入力、表示画面上での通信対象範囲の指定等、各種入力や処理の実行を指示するための入力部で、キーボード、マウス、押し釦スイッチやタッチパネルスイッチ等から構成される。27は各車両1から取得したり、管理センタ2側で予め入力された各種情報を記憶した情報記憶部で、この記憶情報と入力された指定条件に基づいて通信対象車両が選定される。27aは各車両1から受信した車両の位置情報(位置・走行方向)、実車・空車別等の動態情報、実車回数・売上金額等の営業情報を車番に対応付けて記憶した車両情報記憶部であり、また、管理センタ2において予め入力された車両種別(構造)も記憶されている。27bは管理センタ2において、予め地図上で複数の地域(エリア)に区分され、車両情報を基にエリア毎に位置する車両の車番が対応付けて記憶されたエリア情報記憶部である。27cは管理センタ2において、予め入力されている乗務員の経験や各種免許の有無、車番と乗務員の対応データ等を記憶した乗務員情報記憶部である。
【0024】
先ず、車両情報収集処理について、図3(a)、(b)のフローチャートを用いて説明する。
【0025】
車両制御部15は次の処理を行う。ステップS11では、車両の位置を検出してステップS12に移る。つまり、各車両1はGPS受信機11により自車の現在位置、進行方向等を検出する。
【0026】
ステップS12では、車両の動態を検出してステップS13に移る。つまり、各車両1は現在顧客を乗せている実車状態、客待ちの空車状態、顧客の指定場所に向かっている迎車状態または食事等の休憩状態の別、売上金額等の動態を料金メータ10の操作状態や出力情報に基づいて検出する。
【0027】
ステップS13では、車両の位置情報、動態情報を管理センタ2へ送信して処理を終える。つまり、各車両1は検出した車両の位置情報、動態情報を送受信機16を介して予め設定されたタイミング、または、車両1の動態が変化(例えば、実車から空車へ)した時に管理センタ2に送信する。
【0028】
センタ制御部23は次の処理を行う。ステップS21では、各車両より位置情報、動態情報を受信してステップS22に移る。つまり、送受信機21を介して各車両1から送信された位置情報、動態情報を受信する。
【0029】
ステップS22では、受信した車両情報、動態情報を車両情報記憶部27aに記憶して処理を終える。既に受信し記憶した車両情報、動態情報があれば最新の情報に更新する。また、受信した車両位置の軌跡に基づいて各車両1の走行距離を算出して走行距離情報として記憶する。
【0030】
次に、メッセージ出力処理について、図4(a)、(b)のフローチャートを用いて説明する。
【0031】
センタ制御部23は次の処理を行う。ステップS31では、メッセージを作成してステップS32に移る。つまり、複数の車両1に送信する移動指示、例えば、キーボードから「JR神戸駅付近でイベントが開催されており、需要が多いので移動せよ」等のメッセージを入力する。また、音声により入力してもよい。
【0032】
ステップS32では、メッセージを送信すべき通信対象車両を指定してステップS33に移る。つまり、情報記憶部27に蓄積している車両情報、エリア情報、乗務員情報を基に各車両1の位置、動態を図5のごとく表示部24に地図とともに表示する。そして、その地図上で図6のごとく特定範囲(例えば、地図画面上でマウス等で指定した点を中心とする半径1kmの範囲)内にいる複数の車両1をメッセージの通信対象車両として指定する。尚、本例では、中心からの距離rを予め設定しているが、特定範囲内に存在する車両数を基に、例えば、通信対象車両数が10台になるように半径rを可変するようにしてもよい。また、特定範囲を地図画面上で指定した中心点と、中心点からの距離に基づいて指定したが、これに限らず、中心点を地図上ではなく、予め登録している地名リスト(例えば、JR兵庫駅、Aホール、B広場)に基づいて指定してもよい。また、特定範囲を図7(a)、(b)のごとく地図画面上で指定した多角形(四角形(長方形)、六角形等)の頂点の座標(緯度、経度)に基づいて指定してもよい。また、図7(c)、(d)のごとく地図画面上で指定した円の範囲や多角形の範囲を除くように指定してもよい。さらに、図8のごとく地図画面上で指定した範囲と、その範囲内で、かつ指定(A地点)方向に走行している車両を通信対象車両として選定してもよい。また、指定方向と反対方向(B地点)に進行している車両は通信対象外としてもよい。尚、方向は東西南北のような絶対方位による指示であってもよく、また、特定の地点または建物に向かう方向という指示であってもよい。さらに、図9のごとく地域毎に区分されたエリア情報に基づき指定したエリアに存在する車両を通信対象車両として選定してもよい。
【0033】
ステップS33では、メッセージと指定条件を送信して処理を終える。つまり、送受信機21を介して全車両1に一斉にメッセージと通信対象車両の指定条件を送信する。
【0034】
車両制御部15は次の処理を行う。ステップS41では、メッセージと指定条件を受信してステップS42に移る。つまり、管理センタ2から送信されたメッセージと通信対象車両の指定条件を受信する。
【0035】
ステップS42では、自車が管理センタ2の指定する通信対象車両の条件に該当するか否かを判断し、自車が管理センタ2の指定する通信対象車両の条件に該当しておればステップS43に移り、通信対象車両の条件に該当していなければ処理を終える。つまり、自車が管理センタ2の指定する条件(例えば、地図画面上で指定した点を中心とする半径1kmの範囲内にいる車両)に該当するか否かを、GPS受信機11で検出した自車位置情報と照合して判断する。
【0036】
ステップS43では、受信したメッセージを出力して処理を終える。つまり、自車が管理センタ2の指定する通信対象車両に該当するので受信したメッセージを予め設定された条件に従って表示部17に文字表示、または、音声出力部18より音声出力する。尚、ステップS42において判断がN(否定)の場合は、自車が管理センタ2の指定した通信対象車両には該当しない。そこで受信したメッセージは無視して出力しない。
【0037】
以上のように、本実施例の移動体管理システムによれば、管理センタは全車両に一斉にメッセージを送信しても、予め管理センタにおいて選定された通信対象車両にのみメッセージが出力され、選定されなかった車両にはメッセージが出力されないようにできる。その結果、複数の通信対象車両に順次メッセージを送信する場合に比べて管理者の負担が著しく軽減できる。また、通信対象外の車両の運転者は自分に関係のないメッセージに邪魔されることがなく運転に集中できる。
【0038】
尚、本実施例は、管理センタ2において車両の位置や走行方向に関連した指定条件に基づいてメッセージの通信対象車両を選定したが、指定条件を車両種別とし、予め管理センタ2に登録してある車両種別に基づいて、例えば、要介護者用のリフト付き車両や、多人数が乗れるワンボックス車両を通信対象車両として選定するようにしてもよい。
【実施例2】
【0039】
図10は本発明の第2の実施例の移動体管理システムのメッセージの通信対象車両の選定方法を説明するための図である。本実施例は、管理センタ2において車両の動態を指定条件として、メッセージの通信対象車両を選定する。そして、管理センタ2から全車両1にメッセージと車両動態に関連した指定条件を送信し、これを受信した各車両1は自車両が指定条件に該当する通信対象車両か否かを判断し、通信対象車両であればメッセージを出力し、通信対象車両でなければメッセージを出力しないようにするものである。尚、本実施例のシステム構成および車両1、管理センタ2の処理は第1の実施例と同じであり、管理センタ2におけるメッセージの通信対象車両の選定基準のみが異なるので同一部分の説明は省略する。
【0040】
図4のステップS32において、指定条件を動態情報(実車、空車、迎車、休憩車)とし、図10のように表示部24の地図上に示された車両の動態(実車、空車、迎車、休憩車)に基づいて、例えば、空車のみをメッセージの通信対象車両として選定する。また、実車と迎車を除いた車両をメッセージの通信対象車両として選定する。さらに、第1の実施例と組み合わせて車両位置と動態の両方に基づいて、例えば、指定範囲内にある空車をメッセージの通信対象車両として選定してもよい。
【0041】
以上のように、本実施例の移動体管理システムによれば、第1の実施例の効果の他に、車両の動態情報に基づいてメッセージの通信対象車両を選定することにより、需要の多い地域に空車を移動させることができ、実車率の向上が期待できる。
【実施例3】
【0042】
図11は本発明の第3の実施例の移動体管理システムのメッセージの通信対象車両の選定基準を説明するための図である。本実施例は、管理センタ2において乗務員情報を指定条件として、メッセージの通信対象車両を選定する。そして、管理センタ2から全車両1にメッセージと乗務員に関連した指定条件を送信し、これを受信した各車両1は自車両が指定条件に該当する通信対象車両か否かを判断し、通信対象車両であればメッセージを出力し、通信対象車両でなければメッセージを出力しないようにするものである。尚、本実施例のシステム構成および車両1、管理センタ2の処理は第1の実施例と同じであり、管理センタ2におけるメッセージの通信対象車両の選定基準のみが異なるので同一部分の説明は省略する。
【0043】
図4のステップS32において、指定条件を乗務員情報(例えば、営業成績)とし、当日の営業成績が良くない車両、つまり、営業(実車)回数が平均値(または所定値)より少ない車両、売上金額が平均値(または所定値)より少ない車両、走行距離が平均値(または所定値)より短い車両を通信対象車両として選定する。そして、その選定した車両に優先的に配車メッセージや需要の多い地域への移動メッセージを通信し、営業成績が良くなるように支援する。尚、実車回数、売上金額、走行距離等の営業情報は予め各車両1から料金メータ情報として受信し、情報記憶部27(車両情報記憶部27a、乗務員情報記憶部27c)に記憶されている情報を読み出して使用する。
【0044】
また、指定条件を乗務員情報(例えば、介護免許の有無)とし、予め乗務員情報記憶部27cに記憶している介護免許等の有無情報に基づいて、介護免許所持者が乗務する車両を通信対象車両として選定することにより、要介護者へのサービス向上を図ることができる。
【0045】
以上のように、本実施例の移動体管理システムによれば、第1の実施例の効果の他に、乗務員情報に基づいてメッセージの通信対象車両を選定することにより、営業成績が良くない乗務員が乗務する車両に対する支援が可能になる。また、顧客のニーズに合致した運転者を優先的に配車できる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の第1の実施例に係る移動体管理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施例に係る移動体管理システムの各部の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施例に係る移動体管理システムの車両情報収集処理のフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施例に係る移動体管理システムのメッセージ出力処理のフローチャートである。
【図5】車両の位置・走行方向を示す図である。
【図6】メッセージの通信対象車両の選定方法を説明するための図(中心と中心からの距離に基づいて指定)である。
【図7】メッセージの通信対象車両の他の選定方法を説明するための図(地図上で範囲指定による選定)である。
【図8】メッセージの通信対象車両の他の選定方法を説明するための図(地図上で範囲と走行方向指定による選定)である。
【図9】メッセージの通信対象車両の他の指定方法を説明するための図(エリア指定による選定)である。
【図10】本発明の第2の実施例の移動体管理システムのメッセージの通信対象車両の選定方法を説明するための図である。
【図11】本発明の第3の実施例の移動体管理システムのメッセージの通信対象車両の選定基準を説明するための図である。
【符号の説明】
【0047】
1・・・・・車両
10・・・・料金メータ
11・・・・GPS受信機
12・・・・地図データベース
13・・・・車速センサ
14・・・・方位センサ
15・・・・車両制御部
16・・・・送受信機
17・・・・表示部
18・・・・音声出力部
19・・・・入力部
2・・・・・管理センタ
21・・・・送受信機
22・・・・地図データベース
23・・・・センタ制御部
24・・・・表示部
25・・・・音声出力部
26・・・・入力部
27・・・・情報記憶部
27a・・・車両情報記憶部
27b・・・エリア情報記憶部
27c・・・乗務員情報記憶部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の移動体と、該複数の移動体にメッセージを送信する管理センタから構成されてなる移動体管理システムにおいて、
前記管理センタは、
少なくとも前記移動体から取得した移動体情報を基に、入力された指定条件に該当する移動体を選定する移動体選定手段と、前記選定された移動体に前記メッセージと前記指定条件を送信する送信手段を備え、
前記移動体は、
前記管理センタから送信された前記メッセージと前記指定条件を受信する受信手段と、自移動体が前記指定条件に該当する移動体であるか否かを判断する判断手段と、前記判断手段により自移動体が前記指定条件に該当する移動体であると判断された時に、前記受信したメッセージを出力するメッセージ出力手段を備えたことを特徴とする移動体管理システム。
【請求項2】
前記移動体は、
前記受信したメッセージを前記管理センタが指示した出力方法により表示手段または/及び音声出力手段に出力することを特徴とする請求項1記載の移動体管理システム。
【請求項3】
前記指定条件は、前記移動体の位置情報に関するものであって、
前記移動体選定手段は、指定された範囲に存在する移動体を選定することを特徴とする請求項1記載の移動体管理システム。
【請求項4】
前記指定条件は、前記移動体の位置情報と移動方向情報に関するものであって、
前記移動体選定手段は、指定された範囲に存在し、かつ指定された方向に移動している移動体を選定することを特徴とする請求項1記載の移動体管理システム。
【請求項5】
前記指定された範囲は、
指定された中心点と、該中心点から所定距離の円形範囲であることを特徴とする請求項3または請求項4記載の移動体管理システム。
【請求項6】
前記中心点は、
前記管理センタにおいて表示されている地図画面上で指定されることを特徴とする請求項5記載の移動体管理システム。
【請求項7】
前記中心点は、
前記管理センタにおいて予め登録されている地点リストに基づいて指定されることを特徴とする請求項5記載の移動体管理システム。
【請求項8】
前記移動体の管理地域が予め複数のエリアに分割されており、前記指定条件は、前記移動体の存在するエリア情報に関するものであって、
前記移動体選定手段は、指定されたエリア内に存在する移動体を選定することを特徴とする請求項1記載の移動体管理システム。
【請求項9】
前記指定条件は、前記移動体の動態情報に関するものであって、
前記移動体選定手段は、指定された動態の移動体を選定することを特徴とする請求項1記載の移動体管理システム。
【請求項10】
前記指定条件は、前記移動体の乗務員情報に関するものであって、
前記移動体選定手段は、指定された乗務員の乗務する移動体を選定することを特徴とする請求項1記載の移動体管理システム。
【請求項11】
前記移動体はタクシーであり、前記指定条件は、前記移動体の実車情報に関するものであって、
前記移動体選定手段は、指定された実車回数以下の移動体を優先して選定することを特徴とする請求項1記載の移動体管理システム。
【請求項12】
前記移動体はタクシーであり、前記指定条件は、前記移動体の走行距離情報に関するものであって、
前記移動体選定手段は、指定された走行距離以下の移動体を優先して選定することを特徴とする請求項1記載の移動体管理システム。
【請求項13】
前記移動体は車両であり、前記指定条件は、前記移動体の車両構造等を示す車両種別情報に関するものであって、
前記移動体選定手段は、指定された車両種別の移動体を選定することを特徴とする請求項1記載の移動体管理システム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−39995(P2006−39995A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−219712(P2004−219712)
【出願日】平成16年7月28日(2004.7.28)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】