説明

積層体の製造方法

【課題】従来の金属薄膜と同等程度の導電性を有し、かつ基板との密着性の高い積層体の製造方法を提供することである。高温を必要としないで基板上に金属薄膜を形成する方法を提供する。
【解決手段】絶縁基板上に非熱可塑性ポリイミド系樹脂系樹脂前駆体の溶液を塗布した後、脱溶剤および脱水縮合反応のための熱処理を行って前駆体の一部を熱硬化性ポリイミド系樹脂に転化させて、非熱可塑性ポリイミド系樹脂と非熱可塑性ポリイミド系樹脂前駆体とからなる層を絶縁基板上に形成させる工程と、層の上に、一次粒子径が200nm以下で、加熱することによって互いに融着する金属薄膜前駆体微粒子を含有する分散体を塗布し、加熱処理することによって、残りの前駆体を非熱可塑性ポリイミド系樹脂に転化させると共に、前記非熱可塑性ポリイミド系樹脂からなる層の上に金属薄膜層を形成させる工程とを含む積層体の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブルプリント回路基板等の電気配線回路基板に好適に用いられる金属積層基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板上に金属薄膜を形成する方法には、真空蒸着法、スパッタ法、CVD法、メッキ法、金属ペースト法等が知られている。真空蒸着法、スパッタ法及びCVD法は、いずれも高価な真空装置を必要とし、いずれも成膜速度が遅いという問題がある。
メッキ法によると、導電性を有する基材の上に、比較的容易に金属薄膜を形成することが可能であるが、絶縁基材の上に形成する場合には、導電層をはじめに形成する必要があるため、そのプロセスは煩雑なものになるという問題がある。また、メッキ法は溶液中での反応を利用するため、大量の廃液が副生し、この廃液処理に多大な手間とコストがかかるという問題があると共に、得られる金属薄膜の基板への密着性が充分ではない。
【0003】
金属ペースト法は、金属フィラーを分散させた溶液を絶縁基板上に塗布し、加熱処理して金属薄膜を得る方法である。この方法によると、真空装置等の特別な装置を必要とせず、プロセスが簡易であるという利点を有するが、金属フィラーを溶融するには、通常、1000℃以上の高温を必要とする。したがって、基材はセラミック基材等の耐熱性を有するものに限られ、また、基材が熱で損傷したり、加熱により生じた残留応力により基材が損傷を受けやすいという問題がある。さらに、得られる金属薄膜の基板への密着性が充分ではない。
一方、金属フィラーの粒径を低減することによって、金属ペーストの焼成温度を低減する技術は公知であり、例えば、特許文献1には、粒径100nm以下の金属微粒子を分散した分散体を用いて金属薄膜を直接、絶縁基板上に形成する方法が開示されている。しかしながら、この方法で作成した金属薄膜の絶縁基板への密着性は充分ではない。さらに、ここで用いられている100nm以下の金属粒子の製造方法は、低圧雰囲気で揮発した金属蒸気を急速冷却する方法であるために、大量生産が難しく、したがって、金属フィラーのコストが高くなるという問題を有している。
【0004】
金属酸化物フィラーを分散させた金属酸化物ペーストを用いて、金属薄膜を直接、絶縁基板上に形成する方法も知られている。特許文献2には、結晶性高分子を含み、粒径300nm以下の金属酸化物を分散させた金属酸化物ペーストを加熱し、結晶性高分子を分解させて金属薄膜を得る方法が開示されている。しかしながら、この方法では、300nm以下の金属酸化物を結晶性高分子中にあらかじめ分散させる必要があり、非常な手間を必要とするのに加えて、結晶性高分子を分解するのに400℃〜900℃の高温を必要とする。したがって、使用可能な基材は、その温度以上の耐熱性を必要とし、その種類に制限があるという問題がある。また、得られる金属薄膜の基板への密着性も充分ではない。
【0005】
これらの課題を解決する金属薄膜の製造方法として、すでに本出願人は、安価な金属酸化物フィラーを分散させた分散体を基材上に塗布し、比較的低温での加熱処理によって金属薄膜を得るという方法を開示している(特許文献3)。この技術によって基板上に密着性が高く、薄い銅等の金属薄膜を容易に形成することが可能であり、ポリイミド系樹脂フィルム等の上に銅膜を形成して、フレキシブル回路基板材料としても使用することが可能である。
【特許文献1】特許第2561537号明細書
【特許文献2】特開平5−98195号公報
【特許文献3】国際特許公開公報第03−051562号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、従来の金属薄膜と同等程度の導電性を有し、かつ基板との密着性がさらに高い積層体の製造方法を提供することである。本発明の他の目的は、高温を必要としないで基板上に金属薄膜を形成して積層体を製造する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記の問題点を解決するために鋭意検討を進めた結果、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
1.絶縁基板上に非熱可塑性ポリイミド系樹脂前駆体の溶液を塗布した後、脱溶剤および脱水縮合反応のための熱処理を行って前記前駆体の一部を非熱可塑性ポリイミド系樹脂に転化させて、非熱可塑性ポリイミド系樹脂と非熱可塑性ポリイミド系樹脂前駆体とからなる層を絶縁基板上に形成させる工程(1)と、前記の層の上に、一次粒子径が200nm以下で、加熱することによって互いに融着する金属薄膜前駆体微粒子を含有する分散体を塗布し、加熱処理することによって、残りの前記前駆体を非熱可塑性ポリイミド系樹脂に転化させると共に、前記非熱可塑性ポリイミド系樹脂からなる層の上に金属薄膜層を形成させる工程(2)とを含むことを特徴とする積層体の製造方法。
2.工程(2)の加熱処理を、非熱可塑性ポリイミド系樹脂のガラス転移温度以上で行う項1.に記載の積層体の製造方法。
3.金属薄膜前駆体微粒子が、金属微粒子、金属酸化物微粒子および金属水酸化物微粒子からなる群から選ばれる少なくとも1種である項1.に記載の積層体の製造方法。
4.金属薄膜前駆体微粒子が、酸化第一銅微粒子である項3.に記載の積層体の製造方法。
5.分散体が、多価アルコールおよび/または直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物を含む項1.に記載の積層体の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明の方法により得られる積層体は、導電性が従来の金属薄膜と同等程度に高く、かつ金属薄膜と基板との密着性がさらに高くなっている。また、本発明によると、高温を必要としないで基板上に金属薄膜を形成して積層体を製造する方法を提供することができる。本発明を用いると、金属の膜厚を任意に制御することができ、薄膜の金属膜も容易に形成できるので、フレキシブル回路基板材料等として好適に使用することが可能である。さらに、基板上に金属薄膜を形成する際の、従来技術における前記の問題点が解決される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の積層体の製造方法によって、非熱可塑性ポリイミド系樹脂層を表面に有する絶縁基板上に、粒子径200nm以下の金属微粒子が互いに融着した構造を有する金属薄膜が積層された積層体が得られる。
本発明の積層体に用いられる絶縁基板は、電気配線回路基板に通常に用いられている程度の絶縁性を有するものであればよく、好ましくは、表面抵抗値として1013Ωcm以上を有するものである。
絶縁基板としては、有機材料および無機材料のいずれでもよいが、金属薄膜を形成する際に加熱処理を行うことから、耐熱性のものが好ましい。例えば、セラミックス、ガラス等の無機材料、ポリイミドフィルム等の耐熱性樹脂が好適に用いられる。
【0010】
本発明で、絶縁基板として特に好適に使用されるポリイミドフィルムは、ピロメリット酸又はピロメリット酸誘導体と、芳香族ジアミンとを縮合してなるもの、例えば、カプトン(登録商標、東レ・デュポン株式会社製)、アピカル(登録商標、鐘淵化学株式会社製)等、ビフェニルテトラカルボン酸又はビフェニルテトラカルボン酸誘導体と、芳香族ジアミンとを縮合してなるもの、例えば、ユーピレックス(登録商標、宇部興産株式会社製)等である。ポリイミドフィルムの膜厚は限定されないが、通常、25〜100μm程度のものを用途に応じて適宜選択して用いることができる。
本発明では、このような基板をそのまま用いてもよいが、その上に形成する非熱可塑性ポリイミド系樹脂との接着性を向上させるために、脱脂処理、酸又はアルカリによる化学処理、熱処理、プラズマ処理、コロナ放電処理、サンドブラスト処理等の表面処理を行ってもよい。
【0011】
本発明は、絶縁基板上に非熱可塑性ポリイミド系樹脂前駆体の溶液を塗布した後、脱溶剤および脱水縮合反応のための熱処理を行って、前記前駆体の一部を非熱可塑性ポリイミド系樹脂に転化させて、非熱可塑性ポリイミド系樹脂と非熱可塑性ポリイミド系樹脂前駆体とからなる層を絶縁基板上に形成させる工程(1)と、前記の層の上に、一次粒子径が200nm以下で、加熱することによって互いに融着する金属薄膜前駆体微粒子を含有する分散体を塗布し、加熱処理することによって、残りの前記前駆体を非熱可塑性ポリイミド系樹脂に転化させると共に、前記非熱可塑性ポリイミド系樹脂からなる層の上に金属薄膜層を形成させることを行う工程(2)を含む。この工程(1)と工程(2)との組合せにより、絶縁基板と金属薄膜との接着性が著しく向上する。
上記の方法により得られる積層体は、上記絶縁基板上に、非熱可塑性ポリイミド系樹脂前駆体から形成された非熱可塑性ポリイミド系樹脂層が設けられ、さらにその上に粒子径200nm以下の金属微粒子が互いに融着した構造を有する金属薄膜が積層された構造である。
【0012】
ここで、非熱可塑性ポリイミド系樹脂とは、イミド環を有する高分子であり、かつ、ガラス転移温度を有しないか、ガラス転移温度を有する場合であっても、ガラス転移温度において弾性率の大きな低下がなく、可塑化しない(溶融流動しない)樹脂を指す。この非熱可塑性ポリイミド系樹脂は、通常、電気配線の絶縁膜として用いられている程度の絶縁性を有することが好ましく、体積抵抗率が1013Ωcm以上の絶縁性を有することが好ましい。
樹脂の耐熱性や工業的な入手のし易さを考慮すると、非熱可塑性ポリイミド系樹脂の中で特に好ましいのは、テトラカルボン酸二無水物とジアミンもしくはジイソシアナートの重縮合によって得られるポリイミド系樹脂である。このような樹脂の例として、テトラカルボン酸成分として、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ジアミン成分として、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル等を用い、重縮合によって得られるポリイミド系樹脂樹脂等が挙げられる。
【0013】
非熱可塑性ポリイミド系樹脂前駆体は、縮合反応による非熱可塑性ポリイミド系樹脂への転化が完了していない状態の化合物であり、例えば、ポリアミック酸、ジイソシアナート付加体等が挙げられる。非熱可塑性ポリイミド系樹脂前駆体は、単独でも、2種以上を併用してもよい。
非熱可塑性ポリイミド系樹脂前駆体は、工程(1)において、熱処理によってその一部が非熱可塑性ポリイミド系樹脂に転化される。工程(1)における転化率は限定されないが、70%以上、100%未満になるよう調整することが好ましい。工程(1)の転化で転化率をこのように調整することにより、次に形成される金属薄膜との接着性がさらに向上する。
未転化の非熱可塑性ポリイミド系樹脂前駆体は、工程(2)において非熱可塑性ポリイミド系樹脂に転化される。製造された積層体中に未転化の前駆体が残ると吸水等により、絶縁信頼性が低下しやすくなるので、非熱可塑性ポリイミド系樹脂前駆体を100%転化させることが好ましい。
工程(1)及び工程(2)における非熱可塑性ポリイミド系樹脂前駆体の非熱可塑性ポリイミド系樹脂への転化は、熱処理における加熱温度と加熱時間を調整することで、その転化率を調整することがでる。その条件は用いる非熱可塑性ポリイミド系樹脂前駆体の種類に応じて適宜定めればよいが、通常、工程(1)は150℃〜250℃の温度域での加熱、工程(2)は300〜400℃の温度域での加熱により転化がなされる。
【0014】
例えば、非熱可塑性ポリイミド系樹脂前駆体としてポリアミック酸を用いてポリイミド膜を形成する場合には、120℃程度で予備加熱した後、200℃程度で転化反応を行うことによって、イミド化転化率(R1)が90%程度のポリイミド膜が得られる。このポリイミド膜上に、金属薄膜前駆体微粒子を含有する分散体を塗布後、350℃で加熱処理すると、金属薄膜前駆体微粒子から金属薄膜が形成されると同時に、ポリイミド膜中のイミド化転化率(R2)が100%に達し、積層体が完成する。
上記の転化率とは、非熱可塑性ポリイミド系樹脂層中のイミド結合を形成する縮合性官能基のうち、縮合している割合を表す指標である。すべての縮合性官能基が縮合し、イミド結合に転化された場合を転化率100%と定義する。通常、この転化率は、転化処理後のイミド結合の量を、赤外線吸収測定により測定して見積もることが可能である。具体的には1780cm−1付近のイミド基の赤外線吸収ピークの相対強度を、転化率100%のサンプルと比較することにより見積もることができる。
【0015】
非熱可塑性ポリイミド系樹脂前駆体の溶液には、非熱可塑性ポリイミド系樹脂層の表面に平滑性を与えるための平滑剤、レベリング材、脱泡剤等の各種添加剤を必要に応じて添加することができる。溶剤の蒸発速度を調節するために、均一に溶解する範囲で芳香族炭化水素系溶媒を使用することもできる。さらに、公知のアミン系硬化剤等の硬化剤、シランカップリング剤、エポキシ化合物等の接着性付与剤、ゴム等の可撓性付与剤等の各種添加剤や触媒を加えてもよい。
絶縁基板上に前駆体溶液を塗布する方法は限定されるものではなく、例えば、ディップコート、バーコート、スピンコート、ロールコート、スプレーコート等が用いられる。
前記溶液の濃度は、非熱可塑性ポリイミド系樹脂前駆体の重合度にもよるが、通常5〜30重量%であり、好ましくは10〜20重量%である。ポリマー濃度が5重量%よりも低いと1回の塗工で十分な膜厚が得られない場合があり、30重量%よりも高くなると溶液粘度が高くなって塗工が困難になる場合がある。
本発明の積層体における非熱可塑性ポリイミド系樹脂前駆体層の厚さは、加熱による転化反応後、すなわち、非熱可塑性ポリイミド系樹脂層として、0.1〜5μmの範囲が好ましく、0.1〜2μmがより好ましい。膜厚が0.1μmより薄くなるように塗布すると、均一な非熱可塑性ポリイミド系樹脂層が形成されにくく、絶縁基板と金属薄膜層との接着強度の向上効果が十分に発揮されない場合がある。膜厚が5μmを越えても本発明の効果を妨げるものではないが、積層基板の膜厚が必要以上に厚くなる上、経済的でない場合が多い。
【0016】
次に、前記で形成された非熱可塑性ポリイミド系樹脂前駆体及び非熱可塑性ポリイミド系樹脂からなる層の上に、一次粒子径が200nm以下で、加熱処理によって互いに融着する金属薄膜前駆体微粒子を含有する分散体を塗布し、加熱処理することによって、残りの前記前駆体を非熱可塑性ポリイミド系樹脂に転化させると共に、粒子径200nm以下の金属微粒子が互いに融着した構造を有する金属薄膜層を形成させる。
加熱処理によって互いに融着する金属薄膜前駆体微粒子とは、この前駆体微粒子を含む分散体を膜状に塗布し、加熱することによって金属微粒子同士が相互に接合して、見かけ上、連続した金属層で形成された薄膜を形成する微粒子である。この金属層表面を顕微鏡で観察すると、各金属間の界面が観察される箇所と、連続層として観察される箇所が混在する。
【0017】
金属薄膜前駆体微粒子は、一次粒子径が200nm以下であり、好ましくは100nm以下、より好ましくは30nm以下である。金属薄膜前駆体微粒子の一次粒子径が200nmを超えると、加熱処理によって緻密な金属薄膜が得られ難くなる。
本発明で用いられる金属薄膜前駆体微粒子としては、加熱処理によって金属薄膜を形成する限り制限は無く、好ましくは、金属微粒子、金属酸化物微粒子および金属水酸化物微粒子が挙げられる。
金属微粒子としては、湿式法やガス中蒸発法等の手法により形成される銅微粒子は好ましい。
金属水酸化物微粒子としては、水酸化銅、水酸化ニッケル、水酸化コバルト等の化合物からなる微粒子を例示できるが、特に銅薄膜を与える水酸化銅微粒子が好ましい。
金属酸化物微粒子は、分散媒中への分散性や、加熱処理による金属薄膜形成の容易性から、特に好ましい。金属酸化物微粒子としては、例えば、酸化銅、酸化銀、酸化パラジウム、酸化ニッケル等が挙げられる。加熱処理によって銅を与えることが可能な酸化銅としては、酸化第一銅、酸化第二銅、その他の酸化数をもった酸化銅のいずれも使用可能である。酸化第一銅微粒子は、容易に還元が可能であるので特に好ましい。
これらの金属酸化物微粒子は、市販品を用いてもよいし、公知の合成方法を用いて合成することも可能である。例えば、粒子径が100nm未満の酸化第一銅超微粒子の合成方法としては、アセチルアセトナト銅錯体をポリオール溶媒中で200℃程度で加熱して合成する方法が公知である(アンゲバンテ ケミ インターナショナル エディション、40号、2巻、p.359、2001年)。
【0018】
金属薄膜前駆体微粒子の分散体を非熱可塑性ポリイミド系樹脂を有する基板上に塗布する方法として、例えば、ディップコーティング方法、スプレー塗布方法、スピンコーティング方法、バーコーティング方法、ロールコーティング方法、インクジェット方法、コンタクトプリンティング方法、スクリーン印刷方法等が挙げられる。分散体の粘度にあわせ、最適な塗布手法を適宜選択すればよい。
塗布する分散体の膜厚を調整することによって、最終的に得られる金属薄膜の膜厚を調整することが可能である。通常は、塗布する分散体の膜厚は0.1〜100μmであり、得られる金属薄膜の膜厚は0.05〜50μmである。
【0019】
金属薄膜前駆体微粒子の分散体を、非熱可塑性ポリイミド系樹脂を有する基板上に塗布した後、加熱処理を行う。
加熱処理の目的は、[1]未転化の非熱可塑性ポリイミド系樹脂前駆体を非熱可塑性ポリイミド系樹脂に転化させること、および[2]粒子径200nm以下の金属微粒子が互いに融着した構造を有する金属薄膜層を形成させることである。[1]および[2]は、通常、同時に行われるが、逐次的に行ってもよい。
加熱温度は、非熱可塑性ポリイミド系樹脂前駆体が完全にイミド化される温度以上が好ましく、通常300℃以上450℃以下、好ましくは、300℃以上400℃以下である。非熱可塑性ポリイミド系樹脂がガラス転移温度を有する場合には、ガラス転移温度以上の温度で加熱処理を行うことにより、さらに高い接着強度を得ることができる。
【0020】
ガラス転移温度を有する非熱可塑性ポリイミド系樹脂に対しては、ガラス転移温度より20〜100℃高い温度で加熱処理することが好ましい。例えば、ガラス転移温度が285℃である場合、ポリイミド系樹脂膜上に、金属薄膜形成前駆体微粒子を含有する分散体を塗布後、非熱可塑性ポリイミド系樹脂のガラス転移温度よりも高い310℃〜360℃で加熱処理して金属薄膜前駆体微粒子から金属薄膜を形成させると同時に、非熱可塑性ポリイミド系樹脂層と金属薄膜とが、非熱可塑性ポリイミド系樹脂のガラス転移温度よりも高い温度で界面を接することにより、極めて高い接着力が発現する。
加熱処理には、遠赤外線、赤外線、マイクロ波、電子線等の放射線加熱炉や、電気炉、オーブン等の加熱手段を適宜選択して使用すればよい。
【0021】
金属薄膜の形成は、酸化の影響を受けない金属であるならば、大気中で行ってよいが、酸化されやすい金属種を含む場合には、不活性雰囲気中での加熱処理が好ましい。また還元性雰囲気での焼成によって、加熱処理温度を低減できる場合がある。不活性雰囲気とは、例えば、アルゴン、窒素等の不活性ガスで満たされた雰囲気を指し、還元性雰囲気とは、水素や一酸化炭素等の還元性ガスが存在する雰囲気を指す。これらのガス中には、酸化に寄与しない程度ならば、微量の酸素を含んでいてもよい。その際の酸素濃度は、好ましくは2000ppm以下、さらに好ましくは500ppm以下である。
本発明の方法によって、絶縁基板層と金属層との接着性が著しく向上する理由は必ずしも明確ではないが、絶縁性樹脂中のイミド基と、金属薄膜前駆体またはその薄膜形成物との間で何らかの化学結合を形成するからではないかと考えられる。
本発明の金属薄膜前駆体微粒子分散体に用いる分散媒は、微粒子を均一に分散できるものであれば制限は無い。
分散体が多価アルコールおよび/または直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物を含有すると、加熱処理して、金属薄膜前駆体微粒子から、金属薄膜を得るときの成膜性を向上させるので、さらに好ましい。
【0022】
多価アルコールは、分子中に複数の水酸基を有する化合物である。多価アルコールは、その沸点が適度に高いため揮発しにくく、これを用いると、分散体の印刷性および金属薄膜形成時の成膜性に優れるので好ましい。多価アルコールの中で好ましいのは、炭素数が10以下の多価アルコールであり、その中でも粘度の低い、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール等が特に好ましい。これらの多価アルコールは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
【0023】
多価アルコールが金属薄膜形成時の成膜性を向上させる理由は必ずしも明らかではないが、金属薄膜前駆体微粒子が金属酸化物微粒子または金属水酸化物微粒子の場合には、多価アルコールが微粒子表面の水酸基と相互作用して粒子表面を保護し、粒子間の凝集を抑制する働きがあるものと思われる。また多価アルコールには、金属酸化物微粒子または金属水酸化物微粒子を還元する効果もあるので好ましい。
分散体が直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物を含有すると、金属薄膜形成時の成膜性を向上させる効果に加えて、加熱処理して得られる金属薄膜の抵抗値が低減するので好ましい。直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物が成膜性を向上させ、かつ抵抗値を低減させる理由は、直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物が易分解・易焼失性バインダーとして加熱処理中の金属薄膜前駆体微粒子の局所的な造粒を防ぐためと考えられる。
【0024】
直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物の好ましい平均分子量は、150〜600である。分子量がこの範囲にあると、金属薄膜形成時の成膜性が極めて高く、一方、容易に分解・焼失するので得られる金属薄膜の体積抵抗値が下がりやすい。分子量が150より小さいと、焼成して金属薄膜を得るときの成膜性が低下する傾向があり、分子量が600を超えると、得られる金属薄膜の体積抵抗値が高くなる傾向がある。
直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物は、繰り返し単位が炭素数2〜6のアルキレン基であることが好ましい。直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物、2元以上のポリエーテルコポリマーやポリエーテルブロックコポリマーであってもよい。
【0025】
具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールのようなポリエーテルホモポリマーのほかに、エチレングリコール/プロピレングリコール、エチレングリコール/ブチレングリコールの2元コポリマー、エチレングリコール/プロピレングリコール/エチレングリコール、プロピレングリコール/エチレングリコール/プロピレングリコール、エチレングリコール/ブチレングリコール/エチレングリコール等の直鎖状の3元コポリマーが挙げられるがこれらに限定されるものではない。ブロックコポリマーとしては、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールポリブチレングリコールのような2元ブロックコポリマー、さらにポリエチレングリコールポリプロピレングリコールポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールポリエチレングリコールポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールポリブチレングリコールポリエチレングリコール等の直鎖状の3元ブロックコポリマーのようなポリエーテルブロックコポリマーが挙げられる。
【0026】
直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物の末端の構造は、微粒子の分散性や分散媒への溶解性に悪影響を与えない限り制限は無いが、少なくとも一つの末端がアルキル基であると、焼成時におけるポリエーテル化合物の分解・焼失性が向上し、得られる金属薄膜の体積抵抗値が下がるので好ましい。アルキル基の長さが長すぎると、微粒子の分散性を阻害して分散体の粘度が増大する傾向があるので、アルキル基の長さとしては、炭素数1〜4が好ましい。少なくとも一つの末端がアルキル基であることによって、焼成時の分解・焼失性が向上する理由は定かではないが、微粒子とポリエーテル化合物の間、またはポリエーテル化合物とポリエーテル化合物間の水素結合等に基づく相互作用の力が弱まることが寄与しているものと推察される。
【0027】
直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物の特に好ましい構造は、一つの末端がアルキル基であり、もう一方の末端が水酸基である構造であり、例えば、ポリエチレングリコールメチルエーテル、ポリプロピレングリコールメチルエーテル等が挙げられる。
分散体中の金属薄膜前駆体微粒子の割合に制限はないが、分散体総量に対して、重量%で、好ましくは5〜90%、より好ましくは20〜80%である。分散体中の微粒子の重量がこれらの範囲にある場合には、微粒子の分散状態が良好であり、また、1回の塗布・加熱処理によって適度な厚さの金属薄膜が得られるので好ましい。
分散体中の多価アルコールの割合は、分散体総量に対して、重量%で、好ましくは5〜70%、より好ましくは10〜50%である。
【0028】
分散体中の直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物の割合は、分散体総量に対して、重量%で、好ましくは0.1〜70%、より好ましくは1〜50%である。ポリエーテル化合物の添加量が0.1%未満である場合には、得られる金属薄膜の緻密性が低くなる場合や、基材との密着性が低下する場合があり、一方、ポリエーテル化合物の添加量が70%を越えると、分散体の粘度が増加する場合がある。
金属薄膜前駆体微粒子に対するポリエーテル化合物の好ましい重量比は、用いる微粒子の種類とポリエーテル化合物の種類により異なるが、通常は0.01〜10の範囲である。この範囲にあると得られる金属薄膜の緻密性が向上し、その体積抵抗値がさらに低下する。
【0029】
本発明では、上記分散体に、必要に応じ、消泡剤、レベリング剤、粘度調整剤、安定剤等の添加剤を添加してもよい。
上記分散体の製造には、粉体を液体に分散する一般的な方法を用いることができる。例えば、金属薄膜前駆体微粒子と分散媒と直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物等の構成原料を混合した後、超音波法、ミキサー法、3本ロール法、ボールミル法で分散を施せばよい。これらの分散手段のうち、複数を組み合わせて分散を行うことも可能である。これらの分散処理は室温で行ってもよく、分散体の粘度を下げるために、加熱して行ってもよい。金属薄膜前駆体微粒子以外の構成物が固体である場合には、これらを液状になる温度に加熱しながら微粒子を加え、上記操作を行うことが好ましい。分散体が流動可能な固体となる場合には、ずり応力を加えながら分散を行うことが好ましく、3本ロール法、ミキサー法等が好ましい。
【0030】
本発明により得られる積層体は、そのままでも、あるいは防錆処理等を施してプリント配線板等の製造に使用可能である。また、金属薄膜上に電解メッキ等の方法で、さらに同種の金属膜を厚付けして用いることも可能である。また上記積層基板上に別種の金属膜を電解メッキ等の手法により積層して用いることももちろん可能である。
【実施例】
【0031】
次に、実施例により本発明を具体的に説明する。
金属薄膜前駆体微粒子の粒子径、金属薄膜の体積抵抗率、接着性・接着強度、およびイミド化転化率は以下の方法にしたがって測定する。
(1)金属薄膜前駆体微粒子の粒子径
カーボン蒸着された銅メッシュ上に、溶解・希釈した微粒子分散体を1滴たらし、減圧乾燥したサンプルを作成する。(株)日立製作所製透過型電子顕微鏡(JEM−4000FX)を用いて観察し、視野の中から、粒子径が比較的そろっている個所を3ヶ所選択し、被測定物の粒子径測定に最も適した倍率で撮影する。おのおのの写真から、一番多数存在すると思われる粒子を3点選択し、その直径をものさしで測り、倍率をかけて一次粒子径を算出する。これらの値の平均値を粒子径とする。
(2)金属薄膜の体積抵抗率
低抵抗率計「ロレスター(登録商標)」GP(三菱化学株式会社製)を用いて測定した。
(3)テープ剥離試験及び接着強度測定(90度剥離試験)
テープ剥離試験は、得られた金属薄膜上にスコッチテープ(登録商標、住友スリーエム株式会社製)を貼り、これを剥がす際に、金属薄膜がスコッチテープに付着して基板から剥がれたか否かで判定する。
接着強度測定のための試料は、次のようにして作成する。得られた金属薄膜上に電気メッキにより金属膜を厚付けし、金属部分の総厚みを約15μmにした後、カッターナイフで幅10mm、長さ50mmの切れ込みを入れる。90度剥離試験は、幅10mmの側面の一方を少し剥離してアルミテープを貼り、このテープ部分を剥離試験機に固定し、90℃方向に引き上げて、剥離するときに必要な力を測定して、接着強度(kgf/cm)とする。
(4)イミド化転化率
1780cm−1付近のイミド基の赤外線吸収ピークの相対強度を、転化率100%のサンプルと比較することにより見積もる。具体的には、加熱処理後において表面の赤外吸収スペクトルを測定し、1780cm−1付近のイミド基ピーク強度(A1)とイミド化反応によって変化しない1500cm−1付近のピーク強度(B1)を計算し、これらからイミド基の相対強度C1=A1/B1を導出する。次に、比較試料として、350℃で4時間加熱処理を行い、100%イミド化転化を行った試料を準備し、1780cm−1及び1500cm−1のピーク強度(A0,B0)を測定し、相対強度C0=A0/B0を導出する。このときの相対強度C0を100とし、C1と比較することで、加熱処理によるイミド化転化率は、(100×C1/C0)%と計算して求める。
【0032】
[実施例1]
(金属薄膜前駆体微粒子および分散体の調整)
無水酢酸銅(和光純薬工業株式会社製)8gに精製水70mlを加えた。25℃で攪拌しながら、ヒドラジン対酢酸銅のモル比が1.2になるように64重量%のヒドラジン抱水物2.6mlを加えて反応させ、粒子径20nmの酸化第一銅微粒子を得た。得られた酸化第一銅3gに対し、ポリエチレングリコールメチルエーテル(数平均分子量350、アルドリッチ製)2.5gと、ジエチレングリコール8gを加え、超音波分散を施して酸化第一銅分散体を得た。
【0033】
(表面処理された基板の作成)
ビス(4−アミノフェニル)エーテル20.2g(0.10モル)をN−メチルピロリドン(NMP)250gに溶解した。この溶液に3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物32.1g(0.10モル)の粉末を添加し、5℃で8h攪拌することによって、ポリアミック酸のNMP溶液を得た。さらに本ポリアミック溶液10gに、NMPを7g加えて10重量パーセント濃度に希釈した。
10cm角のガラス基板上に同サイズで切り出したポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製カプトンフィルム、膜厚50μm)を両面テープで貼り合わせた後、ミカサ株式会社製スピンコーター(1H−D7型)にセットした。希釈した上記ポリアミック酸を滴下し、500rpm×5秒のプレスピンの後、2000rpm×10秒の条件でスピンコートを行なった。スピンコート塗布した基板を、ホットプレート上で120℃×30分、200℃×30分の条件で加熱し、ポリイミド膜を形成したポリイミド基板を得た。このポリイミド膜のイミド化転化率R1は90%であった。
【0034】
(金属薄膜の形成)
上記ポリイミド基板を再びスピンコーターにセットし、前述の酸化第一銅分散体を2mL滴下した後、500rpm×15秒の条件でスピンコートして塗布を行った。次にこの塗布膜を、ホットプレートで350℃×1hの条件で窒素フローさせながら(熱硬化後の上記ポリイミド膜のTg(278℃)よりも高い温度で)焼成した。すると、粒子径20nm以下の銅微粒子が互いに融着し、大きな銅グレインとなった構造の薄膜が得られた。
また、ポリイミド膜中のイミド化転化率R2を分析すると100%であった。銅薄膜の体積抵抗値は、3.9×10−6Ωcmであり、テープ剥離試験でまったく剥がれは観察されなかった。また、90度剥離試験による接着強度は、0.7kgf/cmと非常に高かった。
【0035】
[実施例2]
絶縁性樹脂層として用いるポリイミド膜として、ビス(4−アミノフェニル)エーテルと無水ピロメリト酸から得られるポリアミック酸を用いる以外は、実施例1と同様の手法で、ポリイミドフィルム上にポリイミド膜を形成した。このポリイミド膜のイミド化転化率R1は90%であった。
実施例1と同様の酸化第一銅分散体をスピンコート塗布したのち、ホットプレートで350℃×1hの条件で窒素フローさせながら(熱硬化後の上記ポリイミド膜のTg(417℃)よりも低い温度で)焼成した。実施例1と同様に、融着した構造の銅薄膜が得られた。また、ポリイミド膜中のイミド化転化率R2を分析すると100%であった。得られた銅薄膜の体積抵抗値は、3.7×10−6Ωcmであり、テープ剥離試験でまったく剥がれは観察されなかった。また、90度剥離試験による接着強度は、0.2kgf/cmであった。
【0036】
[比較例1]
ポリイミド膜を形成しないポリイミド基板に対して、実施例1と同様の手法で銅薄膜を形成したが、形成した銅薄膜はテープ剥離試験ですべて剥がれた。
[比較例2]
市販の酸化第一銅(和光純薬工業株式会社製)を粉砕して得た平均一次粒子径1.2μmの酸化第一銅を用いる以外は、実施例1と同様の手法でポリイミド膜を有するポリイミド基板上に酸化第一銅分散体を塗布し、加熱処理を行ったが、銅表面には多数の亀裂が発生し、銅薄膜としては不完全なものしか得られなかった。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明で得られる積層体は、従来の金属薄膜と同等程度の高い導電性を有し、かつ金属薄膜と基板との密着性が高い。また、金属膜の膜厚を任意にコントロールすることができ、薄膜の金属膜も容易に形成できるので、フレキシブル回路基板材料等として特に好適に使用することが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁基板上に非熱可塑性ポリイミド系樹脂前駆体の溶液を塗布した後、脱溶剤および脱水縮合反応のための熱処理を行って前記前駆体の一部を非熱可塑性ポリイミド系樹脂に転化させて、非熱可塑性ポリイミド系樹脂と非熱可塑性ポリイミド系樹脂前駆体とからなる層を絶縁基板上に形成させる工程(1)と、前記の層の上に、一次粒子径が200nm以下で、加熱することによって互いに融着する金属薄膜前駆体微粒子を含有する分散体を塗布し、加熱処理することによって、残りの前記前駆体を非熱可塑性ポリイミド系樹脂に転化させると共に、前記非熱可塑性ポリイミド系樹脂からなる層の上に金属薄膜層を形成させる工程(2)とを含むことを特徴とする積層体の製造方法。
【請求項2】
工程(2)の加熱処理を、非熱可塑性ポリイミド系樹脂のガラス転移温度以上で行う請求項1記載の積層体の製造方法。
【請求項3】
金属薄膜前駆体微粒子が、金属微粒子、金属酸化物微粒子および金属水酸化物微粒子からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の積層体の製造方法。
【請求項4】
金属薄膜前駆体微粒子が、酸化第一銅微粒子である請求項3記載の積層体の製造方法。
【請求項5】
分散体が、多価アルコールおよび/または直鎖状脂肪族ポリエーテル化合物を含む請求項1記載の積層体の製造方法。

【公開番号】特開2006−228878(P2006−228878A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−39181(P2005−39181)
【出願日】平成17年2月16日(2005.2.16)
【出願人】(000000033)旭化成株式会社 (901)
【Fターム(参考)】