説明

窒化物半導体の製造方法および半導体素子の製造方法

【課題】 温度を低くしても優れた特性を得ることができる窒化物半導体の製造方法、およびそれを用いた半導体素子の製造方法を提供する。
【解決手段】 窒化物半導体12をMOCVD法、MBE法あるいはMOMBE法により形成する際に、窒素の原料としてNF3 などのハロゲン化窒素ガスを用いる。ハロゲン化窒素ガスは、800℃以下の低温においても高い分解効率を有しているので、形成時の温度を低くしても窒素を十分に供給することができる。よって、Inを含む窒化物半導体12のように熱による劣化が大きいものを形成する際に、温度を低くしても窒素不足が起こらず、優れた特性がえられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、インジウム(In)を含む窒化物半導体の製造方法およびそれを用いた半導体素子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
GaN、AlGaN混晶、GaInN混晶、あるいはこれらにホウ素(B)を任意の量で添加した窒化物半導体は、量子カスケード構造や量子井戸構造を発光層に用いることで、遠赤外領域から紫外領域までの幅広い発光波長帯域を得ることができる発光素子の構成材料として、あるいは電子素子の構成材料として有望視されている。特に、窒化物半導体を用いた発光ダイオード(LED;Light Emitting Diode)については既に実用化が図られている波長帯域があり、大きな注目を集めている。また、窒化物半導体を用いた半導体レーザ(LD;Laser Diode )の実現も報告されており、光ディスク装置の光源を初めとした応用が期待されている。
【0003】
このような素子の製造においては、窒素の原料として一般にアンモニア(NH3 )が用いられている。ところが、アンモニアの分解効率は1000℃においては50%程度であるものの、900℃では10%程度と非常に低いので、成膜温度を低くすると窒素不足が起こり、良好な窒化物半導体層を形成することができない。そこで、窒素の原料としてアンモニアを用いる場合には、一般に、1000℃程度の高温で成膜される(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第2540791号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、インジウムを含む窒化物半導体層を形成する場合には、インジウムと窒素との結合がガリウム(Ga)と窒素との結合に比べて弱いので、熱によりインジウムの凝集が生じたり、隣接する他の層にインジウムが拡散してしまう場合があるという問題があった。よって、成膜温度を低くしなければならず、窒素不足により十分な特性を得ることが難しかった。
【0005】
また、インジウムを含む窒化物半導体層を形成したのちに他の層を積層する場合にも、既に形成したインジウムを含む窒化物半導体層においてインジウムの凝集あるいは拡散が生じないように低温で成膜しなければならなかった。
【0006】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、温度を低くしても優れた特性を得ることができる窒化物半導体の製造方法、およびそれを用いた半導体素子の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による窒化物半導体の製造方法は、ハロゲン化窒素ガスを窒素の原料として、窒化物半導体を形成する工程を含むものである。
【0008】
本発明による半導体素子の製造方法は、ハロゲン化窒素ガスを窒素の原料として、窒化物半導体層を形成する工程を含むものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明による窒化物半導体の製造方法および本発明による半導体素子の製造方法によれば、窒素の原料としてハロゲン化窒素ガスを用いるようにしたので、温度を低くしても十分な窒素を供給することができる。よって、熱による劣化が大きいインジウムを含む窒化物半導体を形成する場合、またはインジウムを含む窒化物半導体を形成したのちに他の層を形成する場合に、温度を低くしても窒素不足が抑制され、特性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
図1は本発明の一実施の形態に係る窒化物半導体の製造方法における一工程を表すものである。なお、窒化物半導体というのは、ガリウム(Ga),アルミニウム(Al),インジウム(In)およびホウ素などからなる長周期型周期表の13族元素のうちの少なくとも1種と、窒素(N),ヒ素(As)およびリン(P)などからなる長周期型周期表の15族元素のうちの少なくとも窒素とを含むものを言う。具体的には、GaN、AlGaN混晶、GaInN混晶、AlGaInN混晶、GaNAs混晶、AlGaNAs混晶、GaInNAs混晶およびAlGaInNAs混晶、あるいはこれらにホウ素を任意の量で添加した混晶などがある。
【0012】
図1に示したように、例えば、サファイア(α−Al2 3 )よりなる基板11のc面に、例えば、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition ;有機金属化学気相成長)法により窒化物半導体12を成長させる。なお、MOCVD法はMOVPE(Metal Organic Vapor Phase Epitaxy ;気相エピタキシー)法とも言う。
【0013】
その際、ガリウムの原料ガスには例えばトリメチルガリウム((CH3 3 Ga)あるいはトリエチルガリウム((C2 5 3 Ga)、アルミニウムの原料ガスには例えばトリメチルアルミニウム((CH3 3 Al)、インジウムの原料ガスには例えばトリメチルインジウム((CH3 3 In)、ホウ素の原料ガスには例えばトリメチルホウ素((CH3 3 B)を用い、窒素の原料ガスにはハロゲン化窒素ガスを用いる。
【0014】
ハロゲン化窒素ガスは、300℃〜500℃において10%〜50%の分解効率がえられるので、アンモニアと異なり、例えば800℃以下の低温においても十分な窒素を供給することができるからである。ハロゲン化窒素ガスとしては、例えば、三フッ化窒素(NF3 )ガス,三塩化窒素(NCl3 )ガスまたは三塩化臭素(NBr3 )ガスが挙げられ、1種を単独で用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。
【0015】
これらの原料ガスは、そのまま供給してもよいが、窒素ガスなどのキャリアガスと混合して供給するようにしてもよい。また、必要に応じて、p型不純物またはn型不純物を添加するようにしてもよい。p型不純物としては、例えばマグネシウム(Mg),ベリリウム(Be),カルシウム(Ca)または亜鉛(Zn)が挙げられ、これらの2種以上を添加してもよい。n型不純物としては、例えばケイ素(Si)またはセレン(Se)が挙げられ、これらの2種以上を添加してもよい。
【0016】
窒化物半導体を形成する際の温度は、例えば500℃以上とすることが好ましいが、低温で形成する必要がある場合、例えば、インジウムを含む窒化物半導体を形成する場合、あるいはインジウムを含む窒化物半導体を形成したのちに他の窒化物半導体を形成する場合には、800℃以下の低温とすることが好ましい。本実施の形態では、上述したように窒素の原料としてハロゲン化窒素ガスを用いているので、800℃以下の低温においても十分な窒素を供給することができるからである。
【0017】
また、図2に示したように、熱による劣化が大きいインジウムを含む窒化物半導体層13と、熱による劣化が小さいインジウムを含まない半導体層14,15とを積層する場合には、窒化物半導体層13のみにハロゲン化窒素ガスを用いるようにしてもよい。インジウムを含まない半導体層14,15は、低温で形成しなくても容易に高い結晶性を得ることができるので、高温で形成した方が製造工程を簡素化できる場合があるからである。なお、半導体層14,15は、窒化物半導体層でもよく、窒素を含まないGaAsなどの半導体層でもよい。
【0018】
この場合には、窒化物半導体層13と半導体層14,15との間に拡散防止層16,17を形成することが好ましい。半導体層15を形成する際に、窒化物半導体層13も加熱されるので、インジウムの拡散を抑制する必要があるからである。拡散防止層16,17としては、例えば、アルミニウム(Al)またはホウ素(B)を含む半導体層が挙げられ、アルミニウムとホウ素とを共に含んでいてもよい。また、拡散防止層16,17は両方とも設けるようにした方が好ましいが、半導体層17のみでもよい。後から形成される半導体層15との界面の方が、より熱の影響を受けやすいからである。
【0019】
これはインジウムを含む窒化物半導体層と、インジウムを含まない半導体層とを交互に積層して量子井戸構造または超格子構造を形成する場合についても、同様である。
【0020】
次に、この窒化物半導体の製造方法を用いた半導体素子の製造方法、具体的にはLEDあるいはLDなどの発光素子の製造方法について説明する。
【0021】
図3は本実施の形態に係る窒化物半導体の製造方法を用いて製造する発光素子の層構造を表すものである。まず、例えば、サファイアよりなる基板21を用意し、この基板21のc面上に、例えばMOCVD法によりn型半導体層を成長させる。具体的には、例えば、n型不純物であるケイ素を添加したn型GaNあるいはn型AlGaN混晶よりなるn型第1コンタクト層22、ケイ素を添加したn型GaInN混晶あるいはn型AlGaInN混晶よりなるn型第2コンタクト層23、ケイ素を添加したn型GaNあるいはn型AlGaN混晶よりなるn型クラッド層24、ケイ素を添加したn型GaN,n型GaInN混晶あるいはn型AlGaInN混晶よりなる第1ガイド層25を順次成長させる。なお、これらの少なくとも1層にホウ素を添加する場合もあり、第1ガイド層25はn型不純物を添加せずn型としない場合もある。また、n型第1コンタクト層22とn型第2コンタクト層23とはどちらか一方のみを形成するようにしてもよく、LEDの場合には、n型クラッド層24は形成しなくてもよい。これらのn型半導体層を成長させる際には、窒素の原料にハロゲン化窒素ガスを用いてもよいが用いなくてもよい。熱による劣化が問題となる層がないからである。
【0022】
次いで、n型窒化物半導体層の上に、例えば、MOCVD法により組成の異なるBx Aly Gaz In1-(x+y+z) N混晶層(但し、1≧x≧0、1≧y≧0、1≧z≧0、x+y+z=1)を組み合わせて積層した多重量子井戸構造を有する活性層26を成長させる。その際、少なくとも井戸層にはインジウムを添加する。よって、活性層26を成長させる際には、窒素の原料にハロゲン化窒素ガスを用い、成長温度は800℃以下とすることが好ましい。熱による劣化が大きいからである。
【0023】
続いて、活性層26の上に、例えばMOCVD法によりp型不純物を含む半導体層を成長させる。具体的には、例えば、マグネシウムを添加したGaN,GaInN混晶あるいはAlGaInN混晶よりなる第2ガイド層27、マグネシウムを添加したAlGaN混晶あるいはAlGaInN混晶よりなるp型キャップ層(p型障壁層)28、マグネシウムを添加したGaNあるいはAlGaN混晶よりなるp型クラッド層29、マグネシウムを添加したGaNあるいはGaNAs混晶よりなるp型第1コンタクト層30、マグネシウムを添加したGaInN混晶,GaInNAs混晶あるいはAlGaInNAs混晶よりなるp型第2コンタクト層31を順次成長させる。なお、これらの少なくとも1層にホウ素を添加する場合もあり、第2ガイド層27はp型不純物を添加せずp型としない場合もある。また、p型第1コンタクト層30とp型第2コンタクト層31とはどちらか一方のみを形成するようにしてもよく、LEDの場合には、p型クラッド層29は形成しなくてもよい。これらの半導体層を成長させる際にも、窒素の原料にハロゲン化窒素ガスを用い、成長温度を800℃以下とすることが好ましい。高温で形成すると活性層26の劣化が大きいからである。なお、活性層26およびその後の半導体層を成長させる際には、いずれも窒素の原料にハロゲン化窒素ガスを用いることが好ましいが、少なくとも一部においてハロゲン化窒素ガスを用いるようにしても効果を得ることができる。
【0024】
なお、図3には示さないが、図2に示した拡散防止層17を活性層26と第2ガイド層27との間に形成すると共に、必要に応じて拡散防止層16を活性層26と第1ガイド層25との間に形成し、第2ガイド層27,p型キャップ層28,p型クラッド層29,p型第1コンタクト層30およびp型第2コンタクト層31を高温で形成するようにしてもよい。その場合、原料にはハロゲン化窒素ガスを用いても用いなくてもよい。
【0025】
また、p型第1コンタクト層30およびp型第2コンタクト層31は単層でもよいが、組成の異なるBs Gat In1-s-t N混晶層(但し、1≧s≧0、1≧t≧0)を積層した超格子構造としてもよい。この場合、p型第1コンタクト層30およびp型第2コンタクト層31はハロゲン化窒素ガスを用い、800℃以下の低温で形成することが好ましい。
【0026】
そののち、必要に応じてp型不純物を活性化させる処理を行う。次いで、p型第2コンタクト層31の上に、後述するn側電極32の形成位置に対応してストライプ形状の図示しないレジストパターンを形成する。続いて、このレジストパターンをマスクとして例えばRIE(Reactive Ion etching;反応性イオンエッチング)法により、p型第2コンタクト層31,p型第1コンタクト層30,p型クラッド層29,p型キャップ層28,第2ガイド層27,活性層26,第1ガイド層25およびn型クラッド層24を順次選択的に除去し、n型第2コンタクト層23を露出させる。そののち、図示しないレジストパターンを除去し、露出させたn型第2コンタクト層23の上にn側電極32を形成する。また、p型第2コンタクト層31の上にp側電極33を形成する。これにより、図3に示した発光素子が完成する。
【0027】
このように本実施の形態によれば、窒素の原料としてハロゲン化窒素ガスを用いるようにしたので、温度を低くしても十分な窒素を供給することができる。よって、熱による劣化が大きいインジウムを含む窒化物半導体を形成する場合、またはインジウムを含む窒化物半導体を形成したのちに他の層を形成する場合に、温度を低くしても窒素不足が抑制され、優れた特性を得ることができる。従って、半導体素子の性能および信頼性を向上させることができる。
【0028】
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態では、MOCVD法を用いる場合について説明したが、MBE(Molecular Beam Epitaxy;分子線エピタキシー)法を用いる場合についても、窒素の原料としてハロゲン化窒素ガスを用いるようにすれば、同様に、温度を低くしても窒素不足を抑制することができ、優れた特性を得ることができる。また、半導体原料に固体原料を用いるMBE法以外にも、半導体原料に有機金属を用いることを可能にしたMOMBE(Metal Organic Molecular Beam Epitaxy;有機金属分子線エピタキシー)法についても、ハロゲン化窒素ガスを用いるようにすれば同様の効果を得ることができる。
【0029】
また、上記実施の形態では、半導体素子の製造方法としてLEDあるいはLDなどの発光素子の製造方法を具体例に挙げて説明したが、本発明は、太陽電池、フォトダイオード、トランジスタあるいはサイリスタなどp型窒化物半導体を必要とする他の半導体素子を製造する場合についても適用することができる。
【0030】
更に、上記実施の形態では、n型半導体層、インジウムを含む窒化物半導体層、およびp型半導体層を順に形成する場合について説明したが、p型半導体層、インジウムを含む窒化物半導体層、およびn型半導体層を順に形成するようにしてもよい。その場合、p型半導体層は高温で形成するようにしてもよいが、n型半導体層はハロゲン化窒素ガスを用い、800℃以下の低温で形成するか、上述したように拡散防止層を形成することが好ましい。
【0031】
加えて、上記実施の形態では、プレーナ(平面)型のサファイアよりなる基板11,21を用いるようにしたが、ZnO、AlN、Si、スピネル(MgAl2 4 )、GaN、SiC、GaAs、GaPあるいはInPなどの他の材料よりなる基板を用いるようにしてもよい。また、これらプレーナ(平面)型の基板を任意のマスクパターンでエッチング加工し、凹部を形成した、リセス(Recess) 型の基板を用いるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施の形態に係る窒化物半導体の製造方法を表す断面図である。
【図2】本発明の変形例に係る窒化物半導体の製造方法を表す断面図である。
【図3】本発明の窒化物半導体の製造方法を用いて作製する半導体レーザの構成を表す断面図である。
【符号の説明】
【0033】
11,21…基板、12…窒化物半導体、13…窒化物半導体層、14,15…半導体層、16,17…拡散防止層、22…n型第1コンタクト層、23…n型第2コンタクト層、24…n型クラッド層、25…第1ガイド層、26…活性層、27…第2ガイド層、28…p型キャップ層、29…p型クラッド層、30…p型第1コンタクト層、31…p型第2コンタクト層、32…n側電極、33…p側電極。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハロゲン化窒素ガスを窒素の原料として、窒化物半導体を形成する工程を含むことを特徴とする窒化物半導体の製造方法。
【請求項2】
前記ハロゲン化窒素ガスとして、三フッ化窒素ガス,三塩化窒素ガスおよび三塩化臭素ガスからなる群のうちの少なくとも1種を用いることを特徴とする請求項1記載の窒化物半導体の製造方法。
【請求項3】
インジウム(In)を含む窒化物半導体を形成することを特徴とする請求項1記載の窒化物半導体の製造方法。
【請求項4】
更に、アルミニウム(Al)およびホウ素(B)のうちの少なくとも一方を含む拡散防止層を形成する工程を含むことを特徴とする請求項3記載の窒化物半導体の製造方法。
【請求項5】
更に、ハロゲン化窒素ガス以外の原料を用いて、他の半導体を形成する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の窒化物半導体の製造方法。
【請求項6】
インジウム(In)を含む窒化物半導体と、インジウムを含まない半導体とを形成する工程を含み、その少なくとも一方の原料としてハロゲン化窒素ガスを用いることを特徴とする請求項1記載の窒化物半導体の製造方法。
【請求項7】
p型不純物またはn型不純物を含む窒化物半導体を形成することを特徴とする請求項1記載の窒化物半導体の製造方法。
【請求項8】
前記p型不純物として、マグネシウム(Mg),ベリリウム(Be),カルシウム(Ca)および亜鉛(Zn)からなる群のうちの少なくとも1種を含む窒化物半導体を形成することを特徴とする請求項7記載の窒化物半導体の製造方法。
【請求項9】
前記n型不純物として、ケイ素(Si)およびセレン(Se)からなる群のうちの少なくとも1種を含む窒化物半導体を形成することを特徴とする請求項7記載の窒化物半導体の製造方法。
【請求項10】
GaN,AlGaN混晶,GaInN混晶,AlGaInN混晶,GaNAs混晶,GaInNAs混晶およびAlGaInNAs混晶からなる群のうちの少なくとも1種を含む窒化物半導体を形成する際に、その少なくとも一部の窒素の原料としてハロゲン化窒素ガスを用いることを特徴とする請求項1記載の窒化物半導体の製造方法。
【請求項11】
有機金属化学気相成長法、分子線エピタキシー法、または有機金属分子線エピタキシー法)により窒化物半導体を形成することを特徴とする請求項1記載の窒化物半導体の製造方法。
【請求項12】
ハロゲン化窒素ガスを窒素の原料として、窒化物半導体層を形成する工程を含むことを特徴とする半導体素子の製造方法。
【請求項13】
前記ハロゲン化窒素ガスとして、三フッ化窒素ガス,三塩化窒素ガスおよび三塩化臭素ガスからなる群のうちの少なくとも1種を用いることを特徴とする請求項12記載の半導体素子の製造方法。
【請求項14】
インジウム(In)を含む窒化物半導体層を形成することを特徴とする請求項12記載の半導体素子の製造方法。
【請求項15】
更に、アルミニウム(Al)およびホウ素(B)のうちの少なくとも一方を含む拡散防止層を形成する工程を含むことを特徴とする請求項14記載の半導体素子の製造方法。
【請求項16】
更に、ハロゲン化窒素ガス以外の原料を用いて、他の半導体層を形成する工程を含むことを特徴とする請求項12記載の半導体素子の製造方法。
【請求項17】
インジウム(In)を含む窒化物半導体層と、インジウムを含まない半導体層とを積層する工程を含み、その少なくとも一方の原料としてハロゲン化窒素ガスを用いることを特徴とする請求項12記載の半導体素子の製造方法。
【請求項18】
p型不純物またはn型不純物を含む窒化物半導体層を形成することを特徴とする請求項12記載の半導体素子の製造方法。
【請求項19】
前記p型不純物として、マグネシウム(Mg),ベリリウム(Be),カルシウム(Ca)および亜鉛(Zn)からなる群のうちの少なくとも1種を含む窒化物半導体層を形成することを特徴とする請求項18記載の半導体素子の製造方法。
【請求項20】
前記n型不純物として、ケイ素(Si)およびセレン(Se)からなる群のうちの少なくとも1種を含む窒化物半導体を形成することを特徴とする請求項18記載の半導体素子の製造方法。
【請求項21】
GaN,AlGaN混晶,GaInN混晶,AlGaInN混晶,GaNAs混晶,GaInNAs混晶およびAlGaInNAs混晶からなる群のうちの少なくとも1種を含む窒化物半導体層を形成する工程を含み、その少なくとも一部の窒素の原料としてハロゲン化窒素ガスを用いることを特徴とする請求項12記載の半導体素子の製造方法。
【請求項22】
有機金属化学気相成長法、分子線エピタキシー法、または有機金属分子線エピタキシー法により窒化物半導体層を形成することを特徴とする請求項12記載の半導体素子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−222224(P2006−222224A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−33465(P2005−33465)
【出願日】平成17年2月9日(2005.2.9)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】