説明

第13族金属窒化物結晶の製造方法

【課題】種結晶上での結晶成長速度を大幅に向上させることができ、かつ長時間継続して結晶成長を行うことができる第13族金属窒化物結晶の製造方法を提供する。
【解決手段】原料101を溶媒102に溶解して溶液102または融液を作成する工程、溶液102または融液を攪拌する工程、及び溶液102または融液中で第13族金属窒化物結晶の成長を行なう工程、を備える第13族金属窒化物結晶の製造方法であって、溶液102または融液を攪拌する工程において、攪拌により溶液102または融液に投入される動力が0.02W/m以上である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窒化ガリウム(GaN)に代表される第13族金属窒化物結晶の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
窒化ガリウム(GaN)は発光ダイオード及びレーザーダイオード等の電子素子に適用
される物質として有用である。窒化ガリウム結晶の製造方法としては、サファイア又は炭化ケイ素等のような基板上にエピタキシャル成長を行なうMOCVD(Metal−Organic Chemical Vapor Deposition)法やHVPE(Hydride Vapor Phase Epitaxy)法等の気相成長法が一般的である。しかしながら、これらの製造方法では、基板とGaNの熱膨張係数差や格子定数差に起因する結晶欠陥が多く発生するため、デバイス特性が悪いという問題がある。また、異種材料の組み合わせでは、気相成長したGaN層に反りが生じるため、歩留まりが悪くなり高コスト化に繋がる。
【0003】
これらの問題を解決するためには、基板に同種の材料を用いるホモエピタキシャル成長が最も適切である。近年では、ホモエピタキシャル成長に好適な格子欠陥の少ない高品質窒化ガリウム単結晶の製造技術確立が強く望まれており、上記気相法に代わる手法として、各種の液相法が提案されている。
例えば、特許文献1には、原料である複合窒化物を金属ハロゲン化物の溶融塩に溶解させ、副生成物の濃度を調整することによって窒化ガリウムの結晶成長速度を制御する方法が提案されている。ここでは、シードの回転や局所加熱等により溶液中に緩やかな流れを生じさせて、溶質濃度を調整することが提案されている。
【0004】
また、特許文献2には、ガリウム金属とナトリウム金属の合金融液に窒素を溶解させて窒化ガリウムの単結晶を育成することが記載されている。ここでは、プロペラ攪拌や反応容器の回転等により、合金融液を攪拌し溶液の混合性を高めることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−201653号公報
【特許文献2】WO2005/111278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1では、溶液の攪拌により窒化ガリウム(GaN)単結晶の生成量が増えたことが開示されているが、それらは自然発生結晶の生成量であり、種結晶上でのGaN単結晶生成を表す種結晶の成長量については記載されていない。本発明者らの検討によれば、本明細書の比較例に示す様に、特許文献1に記載の方法では種結晶の成長量はそれほど多くなく、更なる種結晶の成長量増加が求められる。また、結晶成長を長時間行うと、結晶成長速度が著しく低下する傾向があるとの課題を見出した。
【0007】
また、特許文献2に記載される方法では、種結晶の成長量及びその成長速度が不十分であると考えられ、更なる改善が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明者らは、第13族金属窒化物結晶を液相で成長させる
方法において、種結晶上での結晶成長速度を向上させ、かつ長時間継続して結晶を成長させる第13族金属窒化物結晶の製造方法について、鋭意検討した結果、溶液または融液を攪拌する工程において、攪拌により前記溶液または融液に投入される動力を0.02W/m以上にすることで、これらの課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
【0009】
すなわち、本発明の要旨は原料を溶媒に溶解して溶液または融液を作成する工程、前記溶液または融液を攪拌する工程、及び前記溶液または融液中で第13族金属窒化物結晶の成長を行なう工程、を備える第13族金属窒化物結晶の製造方法であって、前記溶液または融液を攪拌する工程において、攪拌により前記溶液または融液に投入される動力が0.02W/m以上である第13族金属窒化物結晶の製造方法に関する。
【0010】
また本発明は、前記溶液または融液を攪拌する工程において、溶液または融液中に種結晶を配置し、該種結晶を回転させて攪拌を行う、前記第13族金属窒化物結晶の製造方法に関する。
本発明の別の要旨は、原料を溶媒に溶解して溶液または融液を作成する工程、前記溶液または融液中に種結晶を配置する工程、前記溶液または融液を攪拌する工程、及び前記溶液または融液中で種結晶上に第13族金属窒化物結晶の成長を行なう工程、を備える第13族金属窒化物結晶の製造方法であって、前記溶液または融液を攪拌する工程において、前記種結晶の先端速度が、0.03m/s以上である第13族金属窒化物結晶の製造方法に関する。
【0011】
また本発明は、前記溶液または融液を攪拌する工程において、前記種結晶を回転させて攪拌を行う、前記第13族金属窒化物結晶の製造方法に関する。
また本発明は、前記原料が第13族金属複合窒化物からなる、前記第13族金属窒化物結晶の製造方法に関する。
また本発明は、前記溶媒が溶融塩からなる、前記第13族金属窒化物結晶の製造方法に関する。
【0012】
また本発明は、前記種結晶が複数の種結晶である、前記第13族金属窒化物結晶の製造方法に関する。
また本発明は、前記溶液または融液を攪拌する工程を、前記溶液または融液中で第13族金属窒化物結晶の成長を行なう工程と同時に行う、前記第13族金属窒化物結晶の製造方法に関する。
【0013】
さらに本発明の要旨は、前記製造方法により製造された、第13族金属窒化物結晶にも関する。
さらに本発明の要旨は、前記第13族金属窒化物結晶を含む半導体デバイスに関する。
さらに本発明の要旨は、前記第13族金属窒化物結晶の製造方法により第13族金属窒化物結晶を作製する工程を有する、半導体デバイスの製造方法に関する。
【0014】
なお、特許文献2の融液に投入された動力は、書面からは明らかでないが、高温高圧の条件下、攪拌により本発明と同程度に高い動力を、ナトリウムを含む融液に投入することは、技術面と安全面の両方から鑑みて、極めて困難であると推察される。
【発明の効果】
【0015】
本発明の製造方法によれば、種結晶上での結晶成長速度を大幅に向上させることができ、また、長時間継続して結晶を成長させることができる。これにより、従来の液相法での結晶成長を行った場合よりも大型の第13族金属窒化物結晶を得られることが期待できる。また、得られた結晶の品質は良好であり、半導体デバイス等の産業に極めて有用である。
【0016】
さらに本発明の製造方法によれば、単位時間あたりの生産性が向上するため、製造コストを削減することが可能となり、第13族金属窒化物結晶の製造方法として工業的な実施容易性が大幅に向上する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施例1〜6、9、10及び比較例1、2で用いた結晶成長装置の概略図である。
【図2】本発明の実施例7、8で用いた結晶成長装置の概略図である。
【図3】本発明の実施例11、12、13で用いた結晶成長装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明について説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例であり、本発明はこれらの実施態様に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本発明の第13族金属窒化物結晶の製造方法の第1の様態は、
工程1)原料を溶媒に溶解して溶液または融液を作成する工程
工程2)前記溶液または融液を攪拌する工程
工程3)前記溶液または融液中で第13族金属窒化物結晶の成長を行なう工程
を備えており、工程2において攪拌により前記溶液または融液に投入される動力(以下、投入動力と称する場合がある)が0.02W/m以上である。
【0019】
工程1〜3の順序は特に限定されず、順次行ってもよいし、複数の工程を同時に行ってもよい。結晶の成長速度や成長の継続性の面から、前記溶液または融液を攪拌する工程(工程2)を前記溶液または融液中で第13族金属窒化物結晶の成長を行なう工程(工程3)と同時に行うことが好ましく、具体的には、工程3の少なくとも一部において工程2を同時に行うことが好ましく、工程3の全体にわたって工程2を同時に行うことがさらに好ましい。
【0020】
本発明の第13族金属窒化物結晶の製造方法の第2の様態は、
工程1)原料を溶媒に溶解して溶液または融液を作成する工程
工程2)前記溶液または融液を攪拌する工程
工程3)前記溶液または融液中で第13族金属窒化物結晶の成長を行なう工程
を備えており、さらに、
工程4)前記溶液または融液中に種結晶を配置する工程
を備えており、工程2において前記種結晶の先端速度が0.03m/s以上である。
【0021】
工程1〜3の順序は特に限定されず、順次行ってもよいし、複数の工程を同時に行ってもよい。各々の工程は本発明の第1の様態の工程1〜3と同一であると考えることができ、後述する各工程の詳細説明については、第1の様態および第2の様態に共通する。
工程4は工程1の後に行うことが好ましく、工程2および工程3の前に行うことが好ましい。工程3の少なくとも一部において工程2を同時に行うことが好ましく、工程3の全体にわたって工程2を同時に行うことがさらに好ましい。
(第13族金属窒化物結晶)
本発明の製造方法で得られる第13族金属窒化物結晶としては、通常、B、Al、Ga、In等の周期表第13族元素の単独金属の窒化物結晶(例えば、GaN、AlN、InN)が挙げられ、合金の窒化物結晶(例えば、GaInN,GaAlN)も含まれる。本発明は、このうち、特にGaを含む金属窒化物結晶を得る場合に好適である。
【0022】
得られる第13族金属窒化物結晶は、自然発生の核からなる自発結晶であってもよいし、溶液または融液中に種結晶を配置し、該種結晶上に成長する結晶であってもよい。
以下、工程1〜3の各工程について、詳細に説明する。
工程1)原料を溶媒に溶解して溶液または融液を作成する工程
(原料)
本発明の製造方法で用いられる原料として、特に限定されず、例えば第13族金属元素を含む物質、窒素元素を含む物質、および第13族金属複合窒化物等をあげることができる。また、これら複数種の原料を組み合わせて使用しても良い。
【0023】
第13族金属元素を含む物質としては、後述する第13族金属複合窒化物以外に、金属ガリウム、金属アルミニウム、金属インジウム等の金属単体のほか、GaAl、GaIn等の第13族金属合金を挙げることができる。
窒素元素を含む物質としては、後述する第13族金属複合窒化物以外に、Nガス、NHガス等ガスの他、LiN、NaN、KN、Mg、Ca、Ba、Sr、等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の窒化物;リチウムアミド、ナトリウムアミド、カリウムアミド等のアルカリ金属アミド;さらにGaN、AlN、InN等の第13族金属窒化物を挙げることができる。
【0024】
第13族金属複合窒化物としては、第13族金属およびそれ以外の金属を含む窒化化合物であれば特に限定されず、例えばLiGaN、CaGa、CaGaN、BaGa、MgGaN等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属と第13族金属との複合窒化物の他、AlGaN、InGaN、AlGaInN等の第13族金属合金の窒化物を挙げることができる。
【0025】
上記の中でも、アルカリ金属またはアルカリ土類金属と第13族金属との複合窒化物は、後述する溶融塩に溶解した場合に、アルカリメタル金属法等に比べて、目的とする第13族金属窒化物結晶が生成するために十分な量の窒素元素(N)を溶液または融液中に含ませることができるので好ましく、中でもLiGaNは、後述する溶融塩への溶解度が高く、かつ比較的合成しやすいため、特に好ましい。
【0026】
原料の形態としては、特に限定されない。固体の原料については、粉末状でも粒状でも塊状でもよい。例えば、LiGaN等の粒状原料は、秤量が容易であり、かつ溶液を攪拌した場合に原料が液中を舞い上がらないため好ましい。もちろん、液体の原料を使用してもよく、例えば金属ガリウム等、常温で固体である原料が、反応温度で液体となっていてもよい。
【0027】
(溶媒)
本発明の製造方法で用いられる溶媒としては特に限定されないが、例えばアルカリ金属ハロゲン化物(塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化セシウム、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化セシウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム等)、アルカリ土類金属ハロゲン化物(塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ストロンチウム、塩化バリウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化バリウム等)、アルカリ金属窒化物(窒化リチウム、窒化ナトリウム、窒化カリウム等)、アルカリ土類金属窒化物(窒化マグネシウム、窒化カルシウム、窒化ストロンチウム、窒化バリウム等)等の溶融塩;金属(ガリウム、リチウム、ナトリウム、カリウム等)等の融液を用いることができる。これらの溶媒は単独で用いてもよく、複数種を任意の組み合わせ、かつ任意の量比で用いることもできる。
【0028】
上記溶媒の中で、前述したLiGaN等の第13族金属複合窒化物を溶解する場合に好ましい溶媒は、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化セシウム、塩化カルシウム、塩化バリウム、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、臭化リチウム、臭化カリウム、臭化セシウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化バリウム等の金属ハロゲン化物の溶融塩であり、特に好ましいのは、塩化リチウムと塩化ナトリウムとの混合溶融塩である。混合溶融塩の混合比を調節することにより、例えば、溶融塩中のLiGaNの溶解度およびGaNの析出速度を調節することができ、GaNの結晶析出に最適な溶媒条件にすることができる。塩化リチウムと塩化ナトリウムとの混合溶融塩を使用する場合、混合溶融塩中の塩化ナトリウムの割合が高いほどGaNの析出速度は高まる。またこの場合、溶融塩中に少量の窒化リチウムを添加することにより、溶融塩中のLiGaNの溶解度を高めることができる。
【0029】
混合溶融塩は、2種類以上の塩を別々の固体として反応系内に導入し、加熱溶融させて作成することも可能であるが、共晶塩(例えばLiClとNaClの共晶塩)があれば、それを加熱溶融させて作成することが、系内の均一性の観点から望ましい。
溶媒として用いる溶融塩に水等の不純物が含まれている場合は、反応性気体を吹き込んで予め溶融塩を精製しておくことが望ましい。反応性気体としては、例えば、塩化水素、ヨウ化水素、臭化水素、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、ヨウ化アンモニウム、塩素、臭素、ヨウ素等を挙げることができ、塩化物の溶融塩に対しては、特に塩化水素を用いることが好ましい。
【0030】
(溶液または融液)
前記溶媒に前記原料を溶解して、結晶成長に供する溶液または融液を作製することができる。
前記溶媒に前記原料を溶解させる方法として、特に制限されないが、例えば、あらかじめよく乾燥した反応容器に原料と溶媒を充填し、不活性ガス雰囲気下で加熱溶融させることにより溶液または融液を作成することができる。この場合、後述する結晶成長の工程においてより高品質の第13族金属窒化物結晶を得るために、できるだけ水や酸素の混入を回避すべきである。従って、原料や溶媒、ないしこれらの混合物中の含有酸素原子量を、通常5重量%以下、好ましくは2重量%以下、特に好ましくは0.5重量%以下に留めることが好ましい。また、吸湿性の原料もしくは溶媒を使用する場合は、反応容器に充填する前に加熱脱気する等して十分乾燥し、且つ、原料および溶媒の混合、充填についても、酸素や水分を極力排した不活性ガス雰囲気下で速やかに行うことが好ましい。
【0031】
前記溶媒に前記原料を溶解させるための温度は、特に限定されないが、溶媒として溶融塩や金属を用いる場合は、それらが融解した融液中に原料が溶解して所望する濃度になる温度であれば良く、溶媒と原料の種類によって異なるが、通常200〜1500℃であり、好ましくは300〜1200℃、さらに好ましくは、600〜1000℃である。温度が下限より高いと、溶媒が十分に融解し、原料が所望する濃度まで溶解することが可能となるので好ましい。また、温度が上限より低いと、溶媒や原料が分解する場合があり好ましくない。
【0032】
さらに、前記溶媒に前記原料を十分に溶解させるために、反応容器内の気相に圧力をかけることができる。圧力をかけることにより、高温条件下での原料の分解が抑えられ、より高い温度で溶媒に原料を溶解させることができる場合が多いので好ましい。反応容器内の気相にかける圧力範囲に特に制限はないが、実用的には気相圧力は100MPa以下とすることが望ましく、好ましくは10MPa以下、より好ましくは1MPa以下である。
【0033】
さらに、溶媒への原料の溶解を促進させるための方法として、溶液を攪拌する方法、溶液に超音波をかける方法、等をあげることができる。原料が前述した第13族金属複合窒
化物の場合、溶媒への溶解度を増加させるために、溶媒中にLiN、Ca等の第13族金属元素以外の金属窒化物を添加することができる。
溶液または融液中の原料濃度は、溶液または融液および原料の種類によって最適値は大きく異なり、範囲としては、概ね0.001wt%以上、100%以下である。溶液または融液中の原料濃度は、高ければ高いほど良いというものではなく、後述する結晶成長工程の間、一定の原料濃度が保たれることが好ましい。溶液または融液中の原料濃度を一定に保つ方法は、特に制限されないが、例えば、結晶成長の途中で断続的または継続的に溶媒、原料の少なくとも一方を溶液に追加する方法や、原料を固まりで加えて徐々に溶液または融液中に溶解させる方法等を挙げることができる。
【0034】
工程2)前記溶液または融液を攪拌する工程
(攪拌)
本発明において、溶液または融液を攪拌する方法としては特に制限はなく、溶液または融液中に種結晶を配置し、該種結晶を回転させて攪拌を行う方法、溶液または融液中に任意の形状の攪拌翼を配置し、該攪拌翼を回転させて攪拌を行う方法、溶液または融液が入った反応容器を揺動や回転させて攪拌を行う方法、溶液または融液中へガスを導入することにより攪拌を行う方法、溶液または融液中に加熱装置等を配置し、これにより生じた熱勾配により対流を起こして攪拌を行う方法、等を掲げることができる。これらの方法によって攪拌を行うことにより、溶液または融液全体の原料濃度勾配を低減させることが可能となり、特に反応容器中の特定の箇所に固定した種結晶上に結晶を成長させる場合、継続的に種結晶近傍に原料を供給できる。
【0035】
中でも種結晶を回転させて攪拌を行う方法は、種結晶自身が回転することによって、種結晶と溶液または融液との境界層(種結晶の境膜)を薄くし、種結晶上の結晶成長速度を高める効果があるため好ましい。
攪拌する方法としては、これらの方法を単独で行ってもよいし、組み合わせて行ってもよい。また、いずれの場合も、溶液または融液中に任意の形状の邪魔板を取り付けて、流れを制御することができる。
【0036】
(種結晶)
本発明の製造方法では、育成する結晶の方位を定めて大型の単結晶を効率よく得られることから、結晶成長のための種結晶を用いて、種結晶上に第13族金属窒化物結晶を成長させることが好ましい。
種結晶の形状は特に制限されず、平板状であっても、棒状であっても、塊状であってもよく、入手が容易であることから、市販の平板状の種結晶を用いることが好ましい。種結晶が平板状である場合は、角形であっても円形(ディスク)であっても良い。種結晶の大きさは、反応容器に入る大きさであれば特に制限されない。種結晶の数は、1個でも複数個でも良い。
【0037】
また、ホモエピタキシャル成長用の種結晶であってもよいし、ヘテロエピタキシャル成長用の種結晶であってもよい。具体的には、気相成長させたGaN、InGaN、AlGaN等の第13族金属窒化物の種結晶を挙げることができる。また、サファイア、シリカ、ZnO、BeO等の金属酸化物や、SiC、Si等の珪素含有物や、GaAs等の気相成長等で基板として用いられる材料を挙げることもできる。これらの種結晶の材料は、本発明で成長させる第13族金属窒化物結晶の格子定数に可能な限り近いものを選択することが好ましく、得られる第13族金属窒化物結晶と同一の結晶であるホモエピタキシャル成長用の種結晶がより好ましい。
【0038】
(種結晶の回転)
本発明において、前記種結晶を回転させて、溶液または融液を攪拌することができる。
種結晶の回転による攪拌方法は、特に制限されず、例えば、種結晶を金属製のワイヤー等で攪拌棒に取り付け、種結晶を溶液または融液に浸漬し、攪拌棒を回転させることにより種結晶を回転させて溶液または融液を攪拌することができる。種結晶を攪拌棒に取り付ける場合、攪拌棒の軸中心と種結晶の中心を揃えてもよいし、揃えなくてもよいが、中心を揃えない方が、種結晶が反応容器内の溶液中を大きく回転するので、投入動力が高まり、より大きな結晶を得ることができるため好ましい。
【0039】
種結晶が回転する位置は、溶液または融液中のどの位置であっても良い。反応容器内の溶液または融液の中央で回転していてもよいし、端の反応容器の内壁に近いところで回転していてもよい。前述した様に種結晶をなるべく大きく回転させる場合は、種結晶は常に、反応容器内の溶液または融液の中央でなく端の内壁に近いところを移動していることが好ましい。種結晶の回転とは別に、攪拌翼を回転させたり、邪魔板を設置したりする場合は、反応容器内のスペース上、種結晶は反応容器内の中央ではなく内壁に近いところで回転させてもよい。種結晶を回転させながら(自転)、溶液または融液内を移動させる、または公転させてもよい。
【0040】
種結晶が平板状である場合(以下、種基板と称する場合がある)、反応容器内に配置する際の種基板の主面の向きは特に制限されず、例えば、反応容器の底に対し、垂直であっても平行であっても斜めであってもよい。種基板を溶液または融液中で回転させる際も同様に、種基板の主面の向きは制限されず、例えば、種基板の主面の向きが、回転する軸に対し垂直であっても(水平回転)、平行であっても(垂直回転)、斜めであってもよい。ここで、本明細書で種基板の主面とは、種基板の中で一番広い面のことを指す。種基板の回転は、垂直回転である方が、水平回転に比べて後述する投入動力が高まり好ましい。また、垂直回転の方が、水平回転に比べて、溶液中に溶解している原料成分が種基板の主面に衝突する頻度が高いため、結晶成長速度が速くなる傾向があるので好ましい。一方で、水平回転の場合は、垂直回転に比べて結晶成長速度は劣るものの、成長後の結晶表面の凹凸が少なくなる傾向があるので好ましい。これらのことから、種基板の主面の向きと回転は、結晶成長速度と結晶表面の形状との関係を考慮して適宜選択することができる。
【0041】
回転する種結晶の数は、一個でも複数個でもよいが、複数個の方が、後述する投入動力が高まるため好ましい。複数個使用する場合に、互いの種結晶の位置関係は特に制限されない。種結晶が平板状である場合は、互いの主面を向かい合わせて設置してもよいし、互いの側面を向かい合わせて設置してもよいが、互いの側面を向かい合わせて設置した方が、後述する投入動力は高まるため好ましい。複数個の種結晶の回転方法は、同一の回転条件でもよいし、一部の種結晶を違う条件で回転させてもよい。
(回転数)
本発明において、前述した種結晶や任意の形状の攪拌翼を、溶液または融液中で回転させることにより、溶液または融液を攪拌することができる。回転速度は、反応容器の大きさ、種結晶や攪拌翼の大きさ等の攪拌の諸条件により最適値は異なるが、0.5rpm以上であることが好ましく、より好ましくは20rpm以上、さらに好ましくは50rpm以上である。上限値は、実用的には1000rpm以下が好ましく、より好ましくは500rpm以下、さらに好ましくは300rpm以下である。
【0042】
回転数が下限値以上であると、溶液または融液の原料濃度勾配を小さくしやすく、種結晶の境膜がより薄くなるので好ましく、上限値以下であると、得られる第13族金属窒化物結晶の結晶性が良好となる傾向があるので好ましい。また、回転数が上限値を超えると、装置への負荷が高まり連続運転に支障が生じる他、接続部が緩む等して空気が混入する場合があるため、望ましくない。
【0043】
(投入動力)
本発明の第13族金属窒化物結晶の製造方法の第1の様態においては、工程2において攪拌により前記溶液または融液に投入される動力(投入動力)が0.02W/m以上である。また、本発明の第13族金属窒化物結晶の製造方法の第2の様態において、特に溶液を攪拌して溶液を均一する必要がある場合や、溶媒への原料の溶解を促進させたい場合には、工程2における投入動力が0.02W/m以上であることが好ましい。
【0044】
本発明において、攪拌により前記溶液または融液に投入される動力(投入動力)とは、前記溶液または融液を攪拌する工程において、攪拌により前記溶液または融液に投入される、前記溶液または融液の単位体積あたりの動力のことであり、永田の式に従い、例えば次の様に算出することができる(参考書籍:「攪拌技術」佐竹化学機械工業株式会社)。
(1)邪魔板のない円筒形攪拌槽を反応容器として用いる場合において、羽根板1枚の矩形板により攪拌する場合の投入動力 Pvの算出方法
<>内は単位を表す。
【0045】
溶液または融液が入った反応容器の内径 D <m>
溶液または融液の深さ H <m>
回転させる物体の幅 d <m>
回転させる物体の高さ b <m>
回転させる物体の傾き θ <°>
溶液または融液の密度 ρ <kg/m
溶液または融液の粘度 μ <Pa・s>
1分間の回転数 n <rpm>
1秒間の回転数 nrps =n/60 <rps>
係数として θrad=θ/360*2*π<rad>
A=14+(b/2/D)*(670*((d/D−0.6)^2)+185)
B=10^(1.3−4*((b/2/D−0.5)^2)−1.14*d/D)
p=1.1+4*b/2/D−2.5*((d/D−0.5)^2)−7*((b/2/D)^4)
撹拌レイノルズ数 Re=ρ* nrps *d*d/μ
動力数 Np=A/Re+B((10+1.2*(Re0.66))/(10+3.2*(Re0.66)))(H/D)(0.35+b/2/D)(sin(θrad))1.2
所要動力 P=Np *ρ*(nrps^3)*(d^5) <W>
単位体積当り投入動力 Pv =P /(π*((D/2)^2)*H) <W/m
> ・・・式(a)
(2)邪魔板の付いた攪拌槽を反応容器として用いる場合において、羽根板1枚の矩形板により攪拌する場合の投入動力 Pvbの算出方法
邪魔板の幅 W <m>
邪魔板の枚数 nB
係数として Np∞=B*(0.375^p)
Rc=25/(b/2/D)*((d/D−0.4)^2)+b/2/D/(0.11*b/2/d−0.0048)
Rθ=Rc *10^(4*(1−SIN(θrad)))
Npmax=A/Rθ+B*(((1.2*(Rθ^0.66)+(10^3))/(3.2*(Rθ^0.66)+(10^3)))^ p)*(( H/D)^(0.35+b/2/D))*((SIN(θrad))^1.2)
動力数 Npb=Npmax −(Npmax − Np∞)*((1−2.9*(( W /D)^1.2)* nB)^2)
所要動力 Pb=Npb *ρ*(nrps^3)*(d^5) <W>
単位体積当り投入動力 Pvb=Pb /(π*((D/2)^2)*H) <W/m
> ・・・式(b)
ここで、羽根板を複数枚用いる場合には、前記参考書籍に記載の通り、上記の式において複数枚の羽根板の高さを加算した値を回転させる物体の高さとして扱えばよい。
【0046】
本発明における投入動力は、0.02W/m以上であり、好ましくは0.05W/m以上、より好ましくは0.1W/m以上である。上限値は装置の構成によっても異なるが、概ね500 W/m以下であり、好ましくは200 W/m以下である。上限値を超えると、部材への負荷が高まり装置の故障につながるため好ましくない。投入動力を下限値以上にすることにより、得られる第13族金属窒化物結晶の総量が多くなり、特に種結晶上の結晶成長速度が向上し、しかも長時間継続して成長することが可能となるので、結果的に大きな結晶を得ることができる。
【0047】
(種結晶の先端速度)
本発明の第13族金属窒化物結晶の製造方法の第2の様態においては、工程2において前記種結晶の先端速度が0.03m/s以上である。
本発明において、溶液または融液中における種結晶の先端速度とは、溶液または融液が入った反応容器と種結晶の先端との相対速度を示す。ここでは、種結晶の先端とは、前記相対速度が最大値となる点、すなわち下記の算出方法において、d’が最大値となる点を示すこととする。
【0048】
本発明において、溶液または融液中における種結晶の先端速度の算出方法は、溶液または融液を攪拌する方法に応じて、例えば次の様に計算することができる。<>内は単位を表す。
(1)溶液または融液が入った反応容器は静止した状態で、種結晶を回転させて、溶液または融液の攪拌を行う方法
種結晶の先端が回転する直径(最大値)d’<m>
種結晶の1分間の回転数 n <rpm>
種結晶の1秒間の回転数 nrps=n/60 <rps>
種結晶の先端速度 v=d’*π* nrps <m/s> ・
・・式(c)
(2)溶液または融液が入った反応容器を回転させ、種結晶は静止した状態で、溶液または融液の攪拌を行う方法
反応容器の内径 D <m>
反応容器の1分間の回転数 n’<rpm>
反応容器の1秒間の回転数 nrps’=n/60<rps>
種結晶の先端速度 v=D*π* nrps’<m/s>
(3)溶液または融液が入った反応容器を回転させ、種結晶を反応容器とは反対方向に回転させて、溶液または融液の攪拌を行う方法
反応容器の内径 D <m>
反応容器の1分間の回転数 n’<rpm>
反応容器の1秒間の回転数 nrps’=n/60 <rps>
反応容器の回転による種結晶の先端速度 v1 =D*π* nrps’<m/s>
種結晶の先端が回転する直径(最大値)d’<m>
種結晶の1分間の回転数 n <rpm>
種結晶の1秒間の回転数 nrps=n/60 <rps>
種結晶の回転による種結晶の先端速度 v2=d’*π* nrps <m/s>
種結晶の先端速度 v=v1+v2 <m/s>
上記(1)〜(3)以外の溶液または融液の攪拌方法、例えば、溶液または融液が入った反応容器を揺動させることにより溶液または融液の攪拌を行う方法でも、一般に知られているシミュレーション計算等により、種結晶の先端速度を求めることができる。
【0049】
本発明における種結晶の先端速度は、0.03m/s以上であり、好ましくは0.05m/s以上、さらに好ましくは0.10m/s以上である。上限値は、装置の構成によっても異なるが、概ね10m/s以下であり、好ましくは5m/s以下である。上記の範囲内であれば、種結晶の境膜が充分に薄くなり、種結晶への原料成分の衝突頻度が充分に高いため、より大きな結晶を速く成長させることができる。上限値を超えると、種結晶への負荷が高まり種結晶の破損につながるため好ましくない。
【0050】
種結晶と溶液との相対速度は、シミュレーション計算により推定することが可能である。種結晶と溶液との相対速度は、1個の種結晶表面の中で分布はあるが、種結晶表面における相対速度の最大値の好ましい範囲は、前述した先端速度と同様であり、0.03m/s以上、10m/s以下である。
(部材)
本発明で使用する部材とは、例えば、反応容器、種結晶保持棒、攪拌翼、邪魔板、ガス導入管等、反応容器とそれに付随するものを広く指すものとする。これらの部材の材質は、熱的及び化学的に安定であれば、特に制限はなく、金属(Ni、Ta、Ti、Pd、Pt、Au、Nb、W、Zr、Hf等)でも酸化物(Y、CaO、La、MgO、Al、SiO等)でも窒化物(BN、TiN、ZrN、HfN等)でも良い。
【0051】
特に、本発明において、原料に複合窒化物を使用し、かつ溶媒に溶融塩を使用する場合は、部材の材質は、上記記載の中でも、周期表第4族元素(Ti、Zr、Hf)を主成分として含む金属であることが好ましい。また、これらの部材の表面は、前記周期表第4族元素の窒化物からなることが望ましい。
(反応容器の形状)
反応容器の径は、大きい方が好ましい。前述した様に、結晶を回転する場合に、回転数は同じであっても、大きな径で回転させる方が、溶液への投入動力が高まり、結晶の先端速度も高まるためである。反応容器の内径は、1cm以上が好ましく、2cm以上がより好ましく、さらには5cm以上が好ましい。上限は特に制限されないが、容器製作を含め実用可能な範囲として、内径200cm以下、好ましくは100cm以下である。反応容器の形状は、制限されず、筒型でも角型でも、筒型の中央を抜いた(もしくは中央に円柱を置いた)ドーナツ型でも良い。
【0052】
工程3)前記溶液または融液中で第13族金属窒化物結晶の成長を行なう工程
(結晶成長方法)
結晶成長方法としては、フラックス法を用いる。目的物と反応せず且つ目的物と分離が容易な融剤を用いて溶融液を生成し、その中で合成や単結晶生成を行う方法をフラックス法 (flux method) と呼ぶ。フラックス法で用いられている温度差 (Gradient Transport)法、徐冷(Slow Cooling)法、蒸発法、液相エピタキシャル(liquid phase epitaxy : LPE)法、温度サイクル (Temperature Cycling)法、るつぼ加速回転 (Accelerated Crucible−Rotation Technique:ACRT)法、トップシード (Top−Seeded Solution Growth:TSSG)法、溶媒移動法やその変形である溶媒移動浮遊帯域 (Traveling−Solvent Floating−Zone:TSFZ)法等を用いることができる。また、これらの方法を任意に組み合わせて用いることもできる。なかでも、液相エピタキシャル(LPE)法が好ましい。
【0053】
本発明において、あらかじめよく乾燥した反応容器に原料と溶媒を充填し、不活性ガス雰囲気下で加熱溶融させて溶液または融液を作製して、結晶成長を行うことができる。前述した様に作製した溶液または融液中に、種結晶を設置することにより、種結晶上に結晶成長を行うことができる。種結晶を溶液または融液中に設置するタイミングはいつでも良く、最初に溶液または融液を作製する段階(原料を溶媒に溶解させる段階)に設置しても良いし、溶液または融液が作製された後に設置しても良い。原料に第13族金属複合窒化物を使用する場合は、融液が作製された後、原料中の過剰なアルカリまたはアルカリ土類金属窒化物が融液中から除去された後に、種結晶を投入することが好ましい。
【0054】
(不活性ガス雰囲気)
前記結晶成長における不活性ガス雰囲気下に使用する不活性ガスの種類としては特に制限はないが、窒素(N)、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)等が好適に使用される。中でも、窒素ガスは、本発明の目的物である第13族金属窒化物結晶の分解を防ぐ効果があるため好ましい。また、反応容器の中に酸素や水分を選択的に吸収するスキャベンジャーの役割を果たす物質(例えば、チタン等の金属片)を同伴させてもよい。
【0055】
(結晶成長の温度及び圧力)
本発明において、第13族金属窒化物結晶を成長させるための温度は、溶液または融液の種類によって異なるが、通常200〜1500℃であり、好ましくは300〜1200℃、さらに好ましくは、600〜1000℃である。温度が下限値より高いと、溶液または融液が固化することなく、溶液または融液中の原料濃度が十分になり、結晶成長促進がするため好ましい。また、温度が上限値より低いと、本発明の目的物である第13族金属窒化物結晶や、溶液または融液が分解することなく安定に結晶成長が進むため好ましい。
【0056】
さらに、本発明において第13族金属窒化物結晶を成長させるために、反応容器内の気相に圧力をかけることができる。圧力をかけることにより、本発明の目的物である第13族金属窒化物結晶や溶液または融液の分解が抑えられ、常圧に比べて高い温度で結晶成長を行うことができる場合が多いため好ましい。第13族金属窒化物結晶の成長を行なう工程における、反応容器内の気相の圧力範囲に特に制限はなく、気相の圧力をより高圧とした場合でも本発明を適用することは可能であるが、実用的には気相圧力は100MPa以下とすることが望ましく、好ましくは10MPa以下、より好ましくは1MPa以下である。
【0057】
工程4)前記溶液または融液中に種結晶を配置する工程
本発明の第13族金属窒化物結晶の製造方法の第2の様態においては、前記溶液または融液中に種結晶を配置する工程(工程2)を備える。
用いることができる種結晶の種類、種結晶の配置方法等については、前述の通りであり、好ましい範囲も同様である。
(半導体デバイスの製造方法)
本発明の製造方法は、半導体デバイスの製造方法における第13族金属窒化物結晶を製造する工程に用いることができる。その他の工程における原料、製造条件および装置は一般的な半導体デバイスの製造方法で用いられる原料、条件および装置をそのまま適用できる。
【実施例】
【0058】
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[実施例1]
図1に示す結晶成長装置を用いて本実施例を行った。以下、図1に従って説明する。
使用する反応容器104、石英製反応管105、種結晶保持棒108は、事前に60℃〜120℃での加熱処理もしくは真空加熱処理を施し、充分に乾燥させた。また、窒素雰囲気下、窒化作用を有する原料としてLiGaN 1.44g、及び溶媒としてLiCl 14.4gの存在下、反応容器104を745℃で60時間加熱して内壁を窒化処理したチタン(Ti)製の反応容器104(外径34mm、内径30mm、高さ200mm)を得た。
【0059】
前記窒化処理した反応容器104をArボックス内に入れ、反応容器104内に、原料101としてLiGaN 1.44g、及び溶媒としてLiCl 10.08g、NaCl 4.32gを、順次投入した。(溶媒中のNaCl濃度は30wt%)
次に、Arボックス内で原料および溶媒が入った反応容器104を石英製反応管105に入れた。さらに、タングステン(W)製の種結晶保持棒108に、タンタル(Ta)製のワイヤー103を用いてGaNからなり主面が非極性面である種結晶100(5mm×10mm、厚み300μm)1枚を、種結晶100の主面が反応容器104の底面に対して垂直になるよう結び付けて設置し、これを石英製反応管内に差し込んだ後、石英製反応管をArボックスから取り出した。
【0060】
次に、Arボックスから取り出した石英製反応管を電気炉111に固定した後、石英製反応管内を真空ポンプを用いて0.1Torr以下の減圧状態とした。その後、バルブ109を開き、ガス導入管110からNガスを導入して石英製反応管内をN雰囲気とした後、バルブ107を開き、ガス排気管106を介してNガスを100ml/minで流通させた。
【0061】
次に、電気炉111を用いて、Ti製の反応容器104の内部が室温から745℃になるまで1時間かけて昇温し、LiCl、NaClを溶融させて融液とした後、まず745℃で7時間保持した。その後、種結晶保持棒108を下げることにより種結晶100を融液中に入れ、種結晶保持棒108を100rpmで回転させ、種結晶100を回転させることにより、融液の攪拌を行った。種結晶を100rpmで回転させながら融液を745℃
結晶成長後、種結晶保持棒108を上げ、種結晶上にGaNの単結晶が成長したGaN結晶を融液から抜き出し、電気炉による加熱を停止してから自然冷却した。その後、融液から抜き出したGaN結晶を石英反応管内から取り出し、表面に付着したLiClおよびNaClを温水で溶かし、純水で洗浄した後、乾燥させて、GaN結晶を得た。
【0062】
得られたGaN結晶の重量を測定したところ、投入した種結晶と比して+14.6mgの重量増加が認められた。この重量増加分を種結晶の成長前の重量で除して算出した重量増加率は22.9wt%であった。
表1に、本実施例において融液に投入された動力、種結晶の先端速度、及び結果を示す。融液に投入された動力は、上述の式(a)に従い算出した。溶液の密度ρおよび粘度μは、東北大学大学院工学研究科の「Tohoku Molten Salt Database(東北溶融塩データベース)」を参考に、745℃におけるLiClの密度及び粘度を適用して、密度ρ=1440<kg/m>、粘度μ=0.0007<Pa・s> の値を使用して計算を行った。種結晶の先端速度は、上述の式(c)に従い算出した。
【0063】
[実施例2]
実施例1において、種結晶を回転させながら96時間保持し、種結晶上にGaNの結晶成長を行った以外は、実施例1と同様に実施してGaN結晶を得た。
投入された動力は、上述の式(a)に従い算出した。種結晶の先端速度は、上述の式(c
)に従い算出した。融液に投入された動力、種結晶の先端速度、及び結果を表1に示す。
【0064】
得られたGaN結晶の重量を測定したところ、投入した種結晶と比して+15.8mgの重量増加が認められ、重量増加率は25.8wt%であった。
種結晶上にGaNの単結晶が成長したGaN結晶成長部のX線回折測定を行ったところ、(100)面におけるX線ロッキングカーブの半値幅は57.3(arcsec)であり、高品質なGaN結晶が得られたことが確認された。
【0065】
[実施例3]
実施例1において、種結晶を回転させながら196時間保持し、種結晶上にGaNの結晶成長を行った以外は、実施例1と同様に実施してGaN結晶を得た。
投入された動力は、上述の式(a)に従い算出した。種結晶の先端速度は、上述の式(c)に従い算出した。融液に投入された動力、種結晶の先端速度、及び結果を表1に示す。
【0066】
得られたGaN結晶の重量を測定したところ、投入した種結晶と比して+29.4mgの重量増加が認められ、重量増加率は40.1wt%であった。
種結晶上にGaNの単結晶が成長したGaN結晶成長部のX線回折測定を行ったところ、(100)面におけるX線ロッキングカーブの半値幅は38.4(arcsec)であり、高品質なGaN結晶が得られたことが確認された。
【0067】
[実施例4]
実施例1において、種結晶を回転させながら292時間保持し、種結晶上にGaNの結晶成長を行った以外は、実施例1と同様に実施してGaN結晶を得た。
投入された動力は、上述の式(a)に従い算出した。種結晶の先端速度は、上述の式(c)に従い算出した。融液に投入された動力、種結晶の先端速度、及び結果を表1に示す。
【0068】
得られたGaN結晶の重量を測定したところ、投入した種結晶と比して+43.1mgの重量増加が認められ、重量増加率は45.8wt%であった。
[実施例5]
実施例1において、種結晶を200rpmで回転させながら95時間保持し、種結晶上にGaNの結晶成長を行った以外は、実施例1と同様に実施してGaN結晶を得た。
【0069】
投入された動力は、上述の式(a)に従い算出した。種結晶の先端速度は、上述の式(c)に従い算出した。融液に投入された動力、種結晶の先端速度、及び結果を表1に示す。
得られたGaN結晶の重量を測定したところ、投入した種結晶と比して+8.1mgの重量増加が認められ、重量増加率は10.7wt%であった。
【0070】
[実施例6]
実施例5において、反応容器内の溶液中に邪魔板として、幅2mm、高さ20mm、厚さ0.5mmのTi製の板2枚を、それぞれが反応容器の底面及び内壁に接触する様、かつ反応容器内で邪魔板の一番広い面(主面)を向かい合わせて最も互いの距離が離れる様設置した状態で配置した。そこで、種結晶を回転させながら70時間保持し、種結晶上にGaNの結晶成長を行った以外は、実施例5と同様に実施してGaN結晶を得た。
【0071】
投入された動力は、上述の式(b)に従い算出した。種結晶の先端速度は、上述の式(c)に従い算出した。融液に投入された動力、種結晶の先端速度、及び結果を表1に示す。
得られたGaN結晶の重量を測定したところ、投入した種結晶と比して+11.0mgの重量増加が認められ、重量増加率は18.6wt%であった。
【0072】
[実施例7]
実施例1において、溶媒としてLiCl 20.2g、NaCl 8.6gを用い、種結晶100を3枚用いて、種結晶を図2の様に互いの長い方の側面を向かい合わせて種結晶保持棒に設置し反応容器の中央に配置した。そこで、3枚の種結晶を回転させながら74時間保持し、各々の種結晶上にGaNの結晶成長を行った以外は、実施例1と同様に実施してGaN結晶を得た。
【0073】
得られた3つのGaN結晶の重量を測定したところ、それぞれ投入した種結晶と比して+20.3mg、+14.3mg、+16.3mgの重量増加が認められ、重量増加率はそれぞれ18.9wt%、14.7wt%、15.6wt%であった。
投入された動力は、上述の式(a)に従い算出した。種結晶の先端速度は、上述の式(c)に従い算出した。融液に投入された動力、種結晶の先端速度、及び結果を表1に示す。なお、表1に結果として示した種結晶の重量増加量は3枚の合計値を示し、重量増加率は3枚の平均値を示す。
【0074】
[実施例8]
実施例7において、種結晶100を2枚用いて、種結晶を互いの長い方の側面を向かい合わせて種結晶保持棒に設置し反応容器の中央に配置した。そこで、2枚の種結晶を回転させながら304時間保持し、各々の種結晶上にGaNの結晶成長を行った以外は、実施例7と同様に実施してGaN結晶を得た。
【0075】
得られた2つのGaN結晶の重量を測定したところ、それぞれ投入した種結晶と比して+43.0mg、+40.0mgの重量増加が認められ、重量増加率はそれぞれ52.3wt%、61.9wt%であった。
投入された動力は、上述の式(a)に従い算出した。種結晶の先端速度は、上述の式(c)に従い算出した。融液に投入された動力、種結晶の先端速度、及び結果を表1に示す。なお、表1に結果として示した種結晶の重量増加量は2枚の合計値を示し、重量増加率は2枚の平均値を示す。
【0076】
[実施例9]
実施例1において、種結晶の主面が反応容器の底面に対して平行になるよう種結晶保持棒に設置して種結晶を回転(水平回転)させながら95時間保持し、種結晶上にGaNの結晶成長を行った以外は、実施例1と同様に実施してGaN結晶を得た。
得られたGaN結晶の重量を測定したところ、投入した種結晶と比して+11.4mgの重量増加が認められ、重量増加率は15.3wt%であった。
【0077】
投入された動力は、上述の式(a)に従い算出した。種結晶の先端速度は、上述の式(c)に従い算出した。融液に投入された動力、種結晶の先端速度、及び結果を表1に示す。
[実施例10]
実施例1において、内径が58mmであるTi製の反応容器104を使用し、原料としてLiGaN 5.4g、溶媒としてLiCl 37.8g、NaCl 16.2gを用い、種結晶を回転させながら98時間保持し、種結晶上にGaNの結晶成長を行った以外は、実施例1と同様に実施してGaN結晶を得た。
【0078】
得られたGaN結晶の重量を測定したところ、投入した種結晶と比して+13.5mgの重量増加が認められ、重量増加率は22.8wt%であった。
投入された動力は、上述の式(a)に従い算出した。種結晶の先端速度は、上述の式(c)に従い算出した。融液に投入された動力、種結晶の先端速度、及び結果を表1に示す。
【0079】
[実施例11]
実施例10において、主面が(10−11)である種結晶100を2枚用いて、図3に示す様に、それぞれの種結晶の主面が反応容器の底面に対して平行になるよう種結晶保持棒に設置し、一方の種結晶は反応容器の中央に配置し(これを内側結晶と称する)、もう一方の種結晶は結晶の外端が容器の内壁から4mmの位置にくるように配置し(これを外側結晶と称する)た。そこで、2枚の種結晶を回転(水平回転)させながら100時間保持し、種結晶上にGaNの結晶成長を行った以外は、実施例10と同様に実施してGaN結晶を得た。
【0080】
得られた2つのGaN結晶の重量を測定したところ、外側結晶を含むGaN結晶は投入した種結晶と比して+17.6mgの重量増加が認められ、重量増加率は29.0wt%であった。内側結晶を含むGaN結晶は、後処理時に破損してしまったため重量増加量を把握することができなかった。
投入された動力は、次のように算出した。まず以下の(I)〜(III)の通り動力(i)〜(iii)を算出した。これら動力(i)〜(iii)の値を用いて、(I)−(II)+(III)とした値を、融液に投入された動力として表1に示した。
【0081】
(I)式(a)において、d=0.05 <m>として投入された動力(i):5.24<W/m3>
(II)式(a)において、d=0.04 <m>として投入された動力(ii):2.61<W/m3>
(III)式(a)において、d=0.01 <m>として投入された動力(iii):0.01<W/m3>
種結晶の先端速度は、上述の式(c)に従い算出した。融液に投入された動力、種結晶の先端速度、及び結果を表1に示す。
【0082】
[実施例12]
実施例11において、主面が(10−10)である2枚の種結晶を250rpmで回転(水平回転)させながら119時間保持し、種結晶上にGaNの結晶成長を行った以外は、実施例11と同様に実施してGaN結晶を得た。
得られた2つのGaN結晶の重量を測定したところ、外側結晶を含むGaN結晶は投入した種結晶と比して+43.6mgの重量増加が認められ、重量増加率は46.6wt%であった。内側結晶を含むGaN結晶は投入した種結晶と比して+30.5mgの重量増加が認められ、重量増加率は34.2wt%であった。
【0083】
投入された動力は、実施例11と同様に、まず以下の(IV)〜(VI)の通り動力(iv)〜(vi)を算出した。これら動力(iv)〜(vi)の値を用いて、(IV)−(V)+(VI)とした値を、融液に投入された動力として表1に示した。
(IV)式(a)において、d=0.05 <m>として投入された動力(iv):72.15<W/m3>
(V)式(a)において、d=0.04 <m>として投入された動力(v):34.91<W/m3>
(VI)式(a)において、d=0.01 <m>として投入された動力(vi):0.20 <W/m3>
種結晶の先端速度は、上述の式(c)に従い算出した。融液に投入された動力、種結晶の先端速度、及び結果を表1に示す。
[実施例13]
実施例11において、主面が(10−11)である2枚の種結晶の主面が反応容器の底面に対して垂直になるよう設置して、種結晶を回転(垂直回転)させながら溶液中で101時間保持し、種結晶上にGaNの結晶成長を行った以外は、実施例11と同様に実施してGaN結晶を得た。
【0084】
得られた2つのGaN結晶の重量を測定したところ、外側結晶を含むGaN結晶は投入した種結晶と比して+22.4mgの重量増加が認められ、重量増加率は52.1wt%であった。内側結晶を含むGaN結晶は投入した種結晶と比して+14.7mgの重量増加が認められ、重量増加率は30.2wt%であった。
種結晶上にGaNの単結晶が成長したGaN結晶成長部のX線回折測定を行ったところ、(101)面におけるX線ロッキングカーブの半値幅は63.2(arcsec)であり、高品質なGaN結晶が得られたことが確認された。
【0085】
投入された動力は、実施例10と同様に、まず以下の(VII)〜(IX)の通り動力(vii)〜(ix)を算出した。これら動力(vii)〜(ix)の値を用いて、(VII)−(VIII)+(IX)とした値を、融液に投入された動力として表1に示した。
(VII) 式(a)において、d=0.05 <m>として投入された動力(vii):6.40<W/m3>
(VIII) 式(a)において、d=0.04 <m>として投入された動力(viii):3.22<W/m3>
(IX) 式(a)において、d=0.01 <m>として投入された動力(ix):0.02<W/m3>
種結晶の先端速度は、上述の式(c)に従い算出した。融液に投入された動力、種結晶の先端速度、及び結果を表1に示す。
【0086】
[比較例1]
実施例1において、内径が25mmであるTi製の反応容器104を使用し、原料としてLiGaN 1.0g、溶媒としてLiCl 7.0g、NaCl 3.0gを用い、種結晶を20rpmで回転させながら99時間保持し、種結晶上にGaNの結晶成長を行った以外は、実施例1と同様に実施してGaN結晶を得た。
【0087】
得られたGaN結晶の重量を測定したところ、投入した種結晶と比して+3.9mgの重量増加が認められ、重量増加率は5.4wt%であった。
投入された動力は、上述の式(a)に従い算出した。種結晶の先端速度は、上述の式(c)に従い算出した。融液に投入された動力、種結晶の先端速度、及び結果を表1に示す。
【0088】
[比較例2]
実施例1において、種結晶を20rpmで回転させながら311時間保持し、種結晶上にGaNの結晶成長を行った以外は、実施例1と同様に実施してGaN結晶を得た。
得られたGaN結晶の重量を測定したところ、投入した種結晶と比して+5.4mgの重量増加が認められ、重量増加率は7.5wt%であった。
【0089】
投入された動力は、上述の式(a)に従い算出した。種結晶の先端速度は、上述の式(c)に従い算出した。融液に投入された動力、種結晶の先端速度及び実験結果を表1に示す。
【0090】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明により、種結晶上での結晶成長速度を大幅に向上させることができ、かつ長時間継続して結晶成長を行うことができる。これにより、第13族金属窒化物結晶の製造方法として工業的な実施容易性が向上し、製造コストも大幅に下げることができる点において
非常に有用である。
【符号の説明】
【0092】
100 種結晶
101 原料
102 溶媒または溶液
103 ワイヤー
104 反応容器
105 石英製反応管
106 ガス排気管
107 バルブ
108 種結晶保持棒
109 バルブ
110 ガス導入管
111 電気炉

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料を溶媒に溶解して溶液または融液を作成する工程、前記溶液または融液を攪拌する工程、及び前記溶液または融液中で第13族金属窒化物結晶の成長を行なう工程、を備える第13族金属窒化物結晶の製造方法であって、前記溶液または融液を攪拌する工程において、攪拌により前記溶液または融液に投入される動力が0.02W/m以上であることを特徴とする、第13族金属窒化物結晶の製造方法。
【請求項2】
前記溶液または融液を攪拌する工程において、溶液または融液中に種結晶を配置し、該種結晶を回転させて攪拌を行う、請求項1に記載の第13族金属窒化物結晶の製造方法。
【請求項3】
原料を溶媒に溶解して溶液または融液を作成する工程、前記溶液または融液中に種結晶を配置する工程、前記溶液または融液を攪拌する工程、及び前記溶液または融液中で種結晶上に第13族金属窒化物結晶の成長を行なう工程、を備える第13族金属窒化物結晶の製造方法であって、前記溶液または融液を攪拌する工程において、前記種結晶の先端速度が0.03m/s以上であることを特徴とする、第13族金属窒化物結晶の製造方法。
【請求項4】
前記溶液または融液を攪拌する工程において、前記種結晶を回転させて攪拌を行う、請求項3に記載の第13族金属窒化物結晶の製造方法。
【請求項5】
前記原料が第13族金属複合窒化物からなる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の第13族金属窒化物結晶の製造方法。
【請求項6】
前記溶媒が溶融塩からなる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の第13族金属窒化物結晶の製造方法。
【請求項7】
前記種結晶が複数の種結晶である、請求項2〜6のいずれか1項に記載の第13族金属窒化物結晶の製造方法。
【請求項8】
前記溶液または融液を攪拌する工程を、前記溶液または融液中で第13族金属窒化物結晶の成長を行なう工程と同時に行う、請求項1〜7のいずれか1項に記載の第13族金属窒化物結晶の製造方法。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法により製造された、第13族金属窒化物結晶。
【請求項10】
請求項9に記載の第13族金属窒化物結晶を含む半導体デバイス。
【請求項11】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の第13族金属窒化物結晶の製造方法により第13族金属窒化物結晶を作製する工程を有する、半導体デバイスの製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−230966(P2011−230966A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−103783(P2010−103783)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【出願人】(000005968)三菱化学株式会社 (4,356)
【Fターム(参考)】