説明

粉体排出装置

【課題】漏気や粉体粒子の噛み込みを防止ないし低減することができる安価な粉体排出装置を提供する。
【解決手段】ダスト入口2aからのダストを収容するダスト収容室3、ダスト出口を有するダスト排出室4、これらダスト収容室とダスト排出室とに上下方向に仕切ると共に、ダスト入口の両側にてダスト収容室とダスト排出室とに連通する連通口5bをそれぞれ穿設した隔壁5を備えた本体ケーシング2と、各連通口に開閉可能にそれぞれ配設された開閉蓋本体7e,7f、これら開閉蓋本体に形成された係止突部7g〜7j、開閉蓋本体を常時閉じる方向に付勢する一方、係止部が開方向に押圧されたときにこの開閉蓋本体に開口動作させて上記連通口を開口させる開閉機構を備えた開閉蓋7a,7bと、ダスト収容室内において、一対の連通口側へダスト入口に対して気密に密閉した状態で往復動してこの粉体収容室内の粉体を一対の連通口側へそれぞれ押し出すと共に、開閉蓋の係止部を開方向に押圧したときに、開閉機構を開動作させて連通口を開口させるセパレータ6と、を具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば集塵機等により集塵され、または貯蔵槽等に貯蔵された煤塵等の粉体を、集塵機内または貯蔵槽内の気密性を保持した状態で外部へ連続的に排出可能の粉体排出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、集塵機や除塵装置等は、例えば燃焼排ガスから煤塵等の粉体ないし粉粒体を、バグフィルタ等のエアフィルタにより分離し一時に貯蔵するが、その煤塵の貯蔵槽から煤塵を機外へ排出する場合には、集塵機内が外気に対して負圧であるために、外気との気密性を維持した状態で外部へ排出する必要がある。
【0003】
この種の従来の煤塵等粉体排出装置としては、例えばロータリフィーダがある(例えば、非特許文献1参照)。このロータリフィーダは、ケーシングの上端に粉体入口を形成する一方、下端に粉体出口を形成し、この粉体入口と出口とを結ぶケーシング内の粉体流路の途中に、複数枚の回転翼を備えたロータを配設している。そして、粉体入口からケーシング内へ粉体が自重により落下してくると、この粉体をロータリの周方向で隣合う回転翼同士の間で受け容れ、ロータが所定角度回転して下方の粉体入口へ移送し、この粉体出口から外部へ自重により排出するようになっている。
【0004】
この種のロータリフィーダによれば、集塵機のダスト排出口に接続される粉体入口と、外気に開口する粉体出口とを、ロータリの複数の回転翼により気密に封止しているので、集塵機内の負圧を維持した状態で、集塵機内のダスト(煤塵)を外部(外気)に排出することができる。
【非特許文献1】「改訂五版 化学工学便覧」編者:社団法人 化学工学協会、発行所:丸善株式会社、昭和63年3月18日発行、P870〜871、P1024。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この種の従来のロータリフィーダでは、ケーシングと回転翼との間隙からの漏気と粉体粒子の噛み込み等によるロータの回転不能が発生し、機器破損にまで至る場合がある。
【0006】
さらに、円筒状ケーシング内の粉体流路の直径方向ほぼ半分のみを粉体排出路に形成し、その反対側は構造体排出路に形成していないので、粉体の排出効率が低い。
【0007】
また、ロータの回転時に、その回転翼外周面がケーシングの内周面に摺動するので、その摺動面が摩耗する。このために、上記漏気と粉体粒子の噛み込みが益々増大するという課題がある。さらに、この摺動面の耐摩耗性を向上させる加工が必要であり、高価であるという課題もある。
【0008】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、その目的は、漏気や粉体粒子の噛み込みを防止ないし低減することができる粉体排出効率が高く、かつ安価な粉体排出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る粉体排出装置は、粉体を導入する粉体入口を有し、粉体を収容する粉体収容室、粉体を外部へ排出する粉体出口を有する粉体排出室、これら粉体収容室と上記粉体排出室とに上下方向に仕切ると共に、上記粉体入口の両側にて上記粉体収容室と粉体排出室とに連通する連通口をそれぞれ穿設した隔壁を備えた本体ケーシングと、上記各連通口に開閉可能にそれぞれ配設された開閉蓋本体、これら開閉蓋本体に形成された係止部、開閉蓋本体を常時閉じる方向に付勢する一方、上記係止部が開方向に押圧されたときにこの開閉蓋本体に開口動作させて上記連通口を開口させる開閉機構を備えた開閉蓋と、上記粉体収容室内において、上記一対の連通口側へ上記粉体入口に対して気密に密閉した状態で往復動してこの粉体収容室内の粉体を一対の連通口側へそれぞれ押し出すと共に、上記開閉蓋の係止部を開方向に押圧したときに、上記開閉機構を開動作させて上記連通口を開口させる往復体と、を具備していることを特徴とする粉体排出装置である。
【0010】
請求項2に係る粉体排出装置は、上記粉体収容室と上記往復体とが相互に接触する接触面の少なくとも一方を摺動可能に構成していることを特徴とする請求項1記載の粉体排出装置である。
【0011】
請求項3に係る粉体排出装置は、上記往復体を駆動する駆動装置を具備していることを特徴とする請求項1または2記載の粉体排出装置である。
【0012】
請求項4に係る粉体排出装置は、上記係止部は、上記往復体により押圧される一端部にローラを回転可能に設け、このローラが往復体により押圧されたときに、開閉蓋本体に開口動作させて連通口を開口させるように構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の粉体排出装置である。
【0013】
請求項5に係る粉体排出装置は、上記粉体収容室の粉体入口を、排ガスから煤塵を分離する集塵装置の煤塵排出口に接続していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の粉体排出装置である。
【0014】
請求項6に係る粉体排出装置は、上記粉体排出室は、粉体を搬送する搬送用空気を通風する搬送用空気通風管に接続され、この粉体排出室内の粉体を、搬送用空気により粉体排出口から排出させるように構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の粉体排出装置である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、常時、本体ケーシングの粉体入口と粉体出口との間を、隔壁と常閉の開閉蓋とにより閉じる一方、この開閉蓋を往復体により開放させ、粉体収容室の粉体を連通口から粉体排出室へ排出させるときは、この開口中の連通口を粉体入口に対して往復体により気密に密閉しているので、粉体入口を粉体出口に対して常時気密に封止することができる。
【0016】
また、往復体が粉体入口の両側へ往復動する毎に、その粉体入口の両側にある連通口を開閉蓋本体の開動作により開口させることにより、粉体入口から粉体収容室内へ落下ないし流入した粉体を連通口から粉体排出室へ排出させ、粉体出口から外部(外気)へ排出することができるので、粉体を連続的に外部へ排出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。なお、これら添付図面中、同一または相当部分には同一符号を付している。
【0018】
(第1の実施形態)
図1は本発明の粉体排出装置の第1の実施形態に係るダスト排出装置1の一部切欠縦断面図、図2〜図6は、このダスト排出装置1の作用行程をそれぞれ示す要部側断面図である。
【0019】
これらの図に示すようにダスト排出装置1は、図示しない除塵機や集塵機の煤塵等の粉体をダストdとして外部に排出するダスト排出口、またはこのダストを貯蔵する貯蔵槽のダスト出口に接続されるほぼ角筒状の密閉容器である本体ケーシング2と、この本体ケーシング2内を、上部の粉体収容室であるダスト収容室3と、下部の粉体排出室であるダスト排出室4とに上下方向に気密に仕切る隔壁5と、ダスト収容室3内を水平方向に往復動する往復体の一例であるセパレータ6と、を具備している。
【0020】
本体ケーシング2は、その上部のダスト収容室3の上端部のほぼ中央部にて粉体入口であるダスト入口2aを形成し、このダスト入口2aに、例えば図示しない集塵機の煤塵等を溜める貯蔵槽の煤塵等のダスト出口を接続し、その貯蔵槽等のダスト出口からダストdを主に自重によりダスト入口2aからダスト収容室3内へ落下ないし流入させるようになっている。
【0021】
また、本体ケーシング2は、その下部のダスト排出室4の底部4aのほぼ中央部に、外部(外気)に開口するダスト出口4bを形成している。ダスト排出室4は、その底部4aを、ダスト出口4bに向けて縮径する逆角錐台状の角筒状に形成している。
【0022】
上記隔壁5は、ダスト入口2aの図1,図2中左右両側において、例えば矩形の一対の連通口5a,5bをそれぞれ形成し、これら連通口5a,5bによりダスト収容室3をダスト排出室4に連通させている。これら連通口5a,5bには、常閉の開閉蓋7a,7bをそれぞれ配設し、連通口5a,5bの開口縁部に、開閉蓋7a,7bを気密に封止するパッキンPbを設けている。
【0023】
開閉蓋7a,7bは隔壁5の両端部の図中下面に設けたヒンジピン7c,7dに、連通口5a,5bとほぼ同形同大の開閉蓋本体7e,7fを開閉可能に取り付けている。図1に示すように開閉蓋本体7e,7fの下面には、これら開閉蓋本体7e,7fにより連通口5a,5bを常時閉じる方向に付勢するコイル状の常閉スプリング8a,8bを設けて開閉機構を構成している。
【0024】
一方、図2〜図6に示すように開閉蓋本体7e,7fは、その内端部に、前後(図2〜図6では図面の表裏方向)一対の棒状の係止突部7gと7h,7iと7jをそれぞれ突設している。これら係止突部7g〜7jは、開閉蓋本体7e,7fの内端よりも隔壁5側先方へ所要量かつ所要角度で突出しており、これら各突出先端部には、ローラ9aと9b,9cと9dをそれぞれ回転可能に設けている。
【0025】
図1にも示すようにセパレータ6は、ダスト収容室3の側断面形状とほぼ同形同大または若干小形の長方形の平板により形成され、その図1中上端部に、図2〜図6中、図面の表裏方向に長い長方形の平板状のゴムパッキン10を植設している。
【0026】
また、セパレータ6と隔壁5とが相互に接触する接触面の両面、またはその一方の面と、セパレータ6の長手方向両側面と摺動するダスト収容室3の両内側面の少なくとも一方と、を鏡面または摺動材をコーティングする等により摺動可能の摺動面11にそれぞれ形成し、セパレータ6がダスト収容室3内を横方向(図1〜図6では左右方向)に摺動し、ダスト入口2aの左右両端側間を往復動するようになっている。
【0027】
セパレータ6は、ピストンロッド12を介して往復動駆動装置の一例であるピストン駆動装置13に接続されている。ピストンロッド12は、その一端部をセパレータ6の一側面中央部に固着する一方、その他端部を本体ケーシング2の一側壁を気密に貫通して、その外部に延伸し、ピストン駆動装置13の図示しない往復動可能のピストンに接続している。ピストンロッド12が本体ケーシング2の一側壁を貫通する貫通部には、この貫通部を気密に封止するパッキンPaを設けている。
【0028】
ピストン駆動装置13は、開閉蓋7a,7bを開方向に回動させて連通口5a,5bを開口させる左右の開位置間をセパレータ6に往復動させるように構成されている。
【0029】
次に、本実施形態に係るダスト排出装置1の作用を説明する。
【0030】
まず、図2に示すようにピストン駆動装置13によりセパレータ6がダスト入口2aの一端(図2では左端)下方位置まで駆動すると、ダスト入口2aが全面的に開口する。
【0031】
このために、このダスト入口2aを経て、図示しない集塵機のダスト出口または煤塵貯蔵槽のダスト出口からの煤塵、すなわち、ダストdが本体ケーシング2のダスト収容室3内に自重により落下ないし流入する。このとき、セパレータ6の図2中左右両側の連通口5a,5bは開閉蓋本体7e,7fによりそれぞれ密閉されているので、ダスト入口2aは外部(外気)に対して気密に封止されている。このために、ダスト入口2aに接続されている図示しない集塵機またはその煤塵貯蔵槽の負圧を維持することができる。
【0032】
この後、図3に示すようにセパレータ6が隔壁5の摺動面11上を摺動しながらダスト収容室3内を図中右側へ漸次移動していくと、セパレータ6は、ダストdをダスト収容室3の右側空間へ押圧して移動させる。これにより、図3に示すようにセパレータ6がダスト入口2bの図中左右方向ほぼ中間部に位置すると、ダストdはダスト入口2bからダスト収容室3内のセパレータ6の左右両側へ落下ないし流入する。
【0033】
次に、図4に示すようにセパレータ6がダスト入口2bの図中右端下方位置に移動すると、ダスト入口2bが全面的に開口する。このために、このダスト入口2bからダストdがダスト収容室3内のセパレータ6の図中左側空間へ流入する。一方、セパレータ6の図4中右側にあるダストdはダスト収容室3の右側空間へ押圧されて、図4中右側の開閉蓋本体7b上に移動される。
【0034】
この後、図5に示すように、さらにセパレータ6が、図5中右側へ移動すると、セパレータ6の図5中右側面が右側の開閉蓋7bの一対の係止突部7i,7hのローラ9c,9dに当接する。さらに、セパレータ6が図5中右側へ移動するに連れて、右側の係止突部7i,7hを右側方へさらに押圧していくので、右側の開閉蓋本体7bの自由端(右端)がヒンジピン7d回りに下方へ回動させていき、常閉スプリング8bを軸方向に徐々に圧縮させていく。
【0035】
これにより、さらにセパレータ6が右側の開位置まで移動すると、右側の開閉蓋本体7bの図中右端が常閉スプリング8bのばね力に抗してヒンジピン7回りにさらに下方へ回動して全開位置まで回動し、右側の連通口5bを全開させる。
【0036】
これにより、右側の開閉蓋本体7b上のダストdがその開閉蓋本体7bの下り傾斜面上を滑落する一方、ダスト収容室3の右側空間に押し込まれたダストdが全開した右側の連通口5bからダスト排出室4内へ排出される。このときも、セパレータ6はゴムパッキン10等により、全開中の右側連通口5bの上流側でダスト収容室3内を気密に封止しているので、ダスト入口2aを、外気に開口しているダスト外部出口4bに対して気密に封止することができる。このために、ダスト入口2bに接続された図示しない集塵機またはそのダスト貯蔵槽内の負圧を維持することができる。すなわち、集塵機内またはダスト貯蔵槽内の負圧を維持した状態で集塵機内のダストを外部に排出することができる。
【0037】
この後、図6に示すようにセパレータ6は、ダスト収容室3の図5で示す右端の開位置から左端側の開位置へ、漸次移動するので、セパレータ6がダスト入口2bの図中右端下方へ復帰すると、セパレータ6と右側係止突部7i,7jのローラ9c,9dとの係止(当接)状態が徐々に解除されていくので、右側の開閉蓋本体7bは右側の常閉スプリング8bのばね復元力により押圧されて再び閉位置に復帰し、右側の連通口5bを右側の開閉蓋本体7bにより再び全閉させる。
【0038】
このとき、ダスト入口2bからダストdが自重によりダスト収容室3内のセパレータ6の図6中左側空間へ流入される。
【0039】
さらに、セパレータ6がダスト収容室3内を図6中左側へ移動していくに連れてダストdはセパレータ6により図中左側空間へ押圧されて移動され、セパレータ6の図中左側面が左側の係止突部7g,7hの一対のローラ9a,9bに当接し、セパレータ6が左側の開位置まで移動すると、上述した右側移動の場合と同様、セパレータ6が左側の開閉蓋7aの係止突部7g,7hを開位置まで押圧して左側の常閉スプリング8aを圧縮させて左側の開閉蓋本体7eを全開動作させる。
【0040】
このために、左側の開閉蓋本体7eの自由端は左側のヒンジピン7c回りに回動して、図中下方へ向けて回動する。これにより、左側の連通口5aが全面開口するので、この連通口5aを通ってダストdがダスト収容室3eの左側空間からダスト排出室4内へ排出される。
【0041】
このときも、セパレータ6は全開中の連通口5aの上流側でダスト収容室3を気密に封止しているので、ダスト入口2bが外気に開口するのを防止することができる。
【0042】
したがって、セパレータ6をピストン駆動装置13によりダスト収容室3内を横方向に繰り返し往復動させることにより、負圧の集塵機のダスト排出口またはそのダスト貯蔵槽のダスト排出口に接続されたダスト入口2bを外気から気密に封止した状態で集塵機内またはその貯蔵槽内のダストdを連続的に排出することができる。
【0043】
また、ピストン駆動装置13によりセパレータ6の往復動回数または往復動速度を適宜制御することにより、ダスト出口4bから外部へ連続的に排出されるダストdの排出量を容易に制御することができる。しかも、ダスト収容室3内のセパレータ6の両側をダスト排出路に形成しているので、ダストdの排出効率を向上させることができる。
【0044】
さらに、このダスト排出装置1によれば、隔壁5の摺動面11上を摺動するセパレータ6が1つであり、円筒状ケーシングの内周面内を摺動する回転翼を複数枚備えた従来のロータリフィーダの当該回転翼よりも少ないので、摺動部の摩耗と漏気を低減することができる。
【0045】
また、セパレータ6が当接する開閉蓋7a,7bの係止突部7g〜7jの先端部には、回転可能のローラ9a〜9dを設けているので、これら当接によるかじりや摩耗を防止ないし低減することができる。
【0046】
(第2の実施形態)
図7は本発明の第2の実施形態に係るダスト排出装置1Aの概略斜視図である。このダスト排出装置1Aは、上記第1の実施形態に係るダスト排出装置1のダスト出口4bを削除して密閉する一方、ダスト排出室4の一側壁(図7では右側壁)に、搬送用空気を送風する送風管14を接続すると共に、その対向壁(図7では左側面)にダスト排出管15を接続した点に特徴がある。
【0047】
したがって、このダスト排出装置1Aによれば、送風管14から搬送用空気をダスト排出室4内へ送風することにより、ダスト排出室4内へ排出されたダストを搬送用空気によりダスト排出管15へ連続的に搬送することができる。このために、ダスト排出管15のダスト出口端を所要の排出先へ配管することにより、ダスト排出室4内のダストdを所要のダスト排出先へ容易かつ迅速に排出することができる。
【0048】
また、送風管14とダスト排出管15を配設する以外は上記第1実施形態に係るダスト排出装置1とほぼ同様の構成を有するので、上記第1実施形態に係るダスト排出装置1とほぼ同様の作用効果を奏することができる。
【0049】
(第3の実施形態)
図8は本発明の第3の実施形態に係る燃焼排煙処理プラント21の全体構成を示す系統図である。この燃焼排煙処理プラント21は、その集塵機である除塵装置22の煤塵等のダスト排出口またはダスト貯蔵槽のダスト排出口に、上記図1〜図6または図7で示すダスト排出口1または1Aを接続した点に特徴がある。
【0050】
図8に示すように、燃焼排煙処理プラント21は、例えば産業廃棄物等の被燃焼物を焼却する燃焼装置である焼却炉23、水冷式排煙冷却機である温水冷却塔24、空冷式排煙冷却機である空冷塔25、除塵装置22、吸引(誘引)ファン26および排気煙突である煙突27を、第1,第2,第3,第4,第5排煙ダクト28,29,30,31,32により、順次直列に接続している。
【0051】
上記焼却炉23は、その排ガス出口側を第1排煙ダクト28を介して温水冷却塔24の排ガス入口に接続しており、焼却炉23からの高温高圧の燃焼排煙(排ガス)をまず温水冷却塔4により冷却するものである。
【0052】
温水冷却塔24は、その本体ケーシング内に、焼却炉23からの排ガスが流入する図示しない上部室と、冷却された排ガスが流入する下部室とをそれぞれ配設し、これら上部室と下部室とを複数の煙管により連通し、これら煙管の外周面を冷却用温水により冷却することにより、これら煙管内を流れる排ガスを間接的に冷却する水冷式熱交換器に構成されている。この水冷式熱交換器は冷媒が水ないし温水であるので、熱吸収能力が大きく、装置の小型や排ガスの急冷に適している。また、温水冷却塔24は、その下部室の排ガス出口側を第2排煙ダクト29を介して空冷塔25の排ガス入口側に接続している。
【0053】
空冷塔25はその本体ケーシング内部に配設された図示しない直管状の熱交換管である煙管を所要温度の冷却風により冷却する空冷式熱交換器であり、この煙管の排ガス入口側に、第2の排煙ダクト29の出口側に接続している。
【0054】
空冷塔25は、その本体ケーシング下部の冷却風入口に、吸気口を外気に開口させた吸気用冷却ファン33の冷却風出口を接続しており、この冷却ファン33により吸気された外気を冷却風として煙管の外面を冷却し、これら煙管内を流れる排ガスを間接的に冷却する乾式の熱交換器である。空冷塔25は、その本体ケーシング内部で排ガスを冷却することにより加熱された高温の冷却風を図示しない水蒸気排気流路に連通する蒸気連通管34を設けている。
【0055】
空冷塔25は、その排ガス出口側を第3排煙ダクト30を介して除塵装置22に接続しており、この第3排煙ダクト30の途中に、中和剤供給管35を介して中和剤供給機である消石灰投入機36を接続している。
【0056】
消石灰投入機36は排ガス中のダイオキシン類の原料となる塩素ガスを中和するための中和剤の一例である消石灰を、第3排煙ダクト30と中和剤供給管35との結合部37にて排ガス中に投入するものである。
【0057】
除塵装置22は、その本体ケーシング内に図示しない複数の布製等のバグフィルタを配設し、除塵処理前の排ガスが流入する図示しないダストルームと、バグフィルタによる除塵処理後の排ガスが流入するクリーンルームと、除塵処理後の煤塵等(ダスト)を貯蔵する図示しないダスト貯蔵槽と、を備え、このクリーンルームの排ガス出口側を第4排煙ダクト31を介して吸引(誘引)ファン26の吸気口端部に接続し、煙突27から排ガスを大気へ排気するようになっている。
【0058】
そして、除塵装置22は、その図示しないダスト排出口またはダスト貯蔵槽のダスト出口に、上記ダスト排出装置1または1Aのダスト入口2aを接続しているので、この除塵装置22ないしダスト貯蔵槽内の負圧を維持した状態でダスト排出装置1または1Aにより外部(外気)へ連続的に排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るダスト排出装置の一部切欠概略斜視図。
【図2】図1で示すダスト排出装置の作用を示し、セパレータがダスト入口の左端下方位置まで駆動した状態を示す要部概略縦断面図。
【図3】図1で示すダスト排出装置の作用を示し、セパレータがダスト入口のほぼ中央下方位置まで駆動した状態を示す要部概略縦断面図。
【図4】図1で示すダスト排出装置の作用を示し、セパレータがダスト入口の右端下方位置まで駆動した状態を示す要部概略縦断面図。
【図5】図1で示すダスト排出装置の作用を示し、セパレータにより右側の開閉蓋本体を開放動作させて右側の連通口を全開させる開位置までセパレータが駆動した状態を示す要部概略縦断面図。
【図6】図1で示すダスト排出装置の作用を示し、セパレータが図5で示す開位置から再びダスト入口の右端下方位置まで復動した状態を示す要部概略縦断面図。
【図7】本発明の第2の実施形態に係るダスト排出装置の一部切欠概略斜視図。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る燃焼排煙処理プラントの全体構成を示す系統図。
【符号の説明】
【0060】
1,1A ダスト排出装置
2 本体ケーシング
2a ダスト入口
3 ダスト収容室
4 ダスト排出室
4a ダスト出口
5 隔壁
5a,5b 一対の連通口
6 セパレータ
7a,7b 一対の開閉蓋
7e,7f 一対の開閉蓋本体
7gと7h,7iと7j 各対の係止突部
9aと9b,9cと9d 各対のローラ
10 ゴムパッキン
11 摺動面
13 ピストン駆動装置
14 送風管
15 ダスト排出管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉体を導入する粉体入口を有し、粉体を収容する粉体収容室、粉体を外部へ排出する粉体出口を有する粉体排出室、これら粉体収容室と上記粉体排出室とに上下方向に仕切ると共に、上記粉体入口の両側にて上記粉体収容室と粉体排出室とに連通する連通口をそれぞれ穿設した隔壁を備えた本体ケーシングと、
上記各連通口に開閉可能にそれぞれ配設された開閉蓋本体、これら開閉蓋本体に形成された係止部、開閉蓋本体を常時閉じる方向に付勢する一方、上記係止部が開方向に押圧されたときにこの開閉蓋本体に開口動作させて上記連通口を開口させる開閉機構を備えた開閉蓋と、
上記粉体収容室内において、上記一対の連通口側へ上記粉体入口に対して気密に密閉した状態で往復動してこの粉体収容室内の粉体を一対の連通口側へそれぞれ押し出すと共に、上記開閉蓋の係止部を開方向に押圧したときに、上記開閉機構を開動作させて上記連通口を開口させる往復体と、
を具備していることを特徴とする粉体排出装置。
【請求項2】
上記粉体収容室と上記往復体とが相互に接触する接触面の少なくとも一方を摺動可能に構成していることを特徴とする請求項1記載の粉体排出装置。
【請求項3】
上記往復体を駆動する駆動装置を具備していることを特徴とする請求項1または2記載の粉体排出装置。
【請求項4】
上記係止部は、上記往復体により押圧される一端部にローラを回転可能に設け、このローラが往復体により押圧されたときに、開閉蓋本体に開口動作させて連通口を開口させるように構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の粉体排出装置。
【請求項5】
上記粉体収容室の粉体入口を、排ガスから煤塵を分離する集塵装置の煤塵排出口に接続していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の粉体排出装置。
【請求項6】
上記粉体排出室は、粉体を搬送する搬送用空気を通風する搬送用空気通風管に接続され、この粉体排出室内の粉体を、搬送用空気により粉体排出口から排出させるように構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の粉体排出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−44840(P2006−44840A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−225674(P2004−225674)
【出願日】平成16年8月2日(2004.8.2)
【出願人】(591214044)村松風送設備工業株式会社 (10)
【Fターム(参考)】