説明

粒子状光修飾物質を含む液体洗浄組成物

皮膚をすすいだ後に皮膚の外観を変化させる固形粒子状光修飾物質を含有する液体洗浄組成物を開示する。本洗浄組成物を用いて、該固形粒子状光修飾物質を皮膚又は毛髪に沈積させる方法も開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚及び毛髪など、ヒトの身体を洗浄するための局所適用に適切な洗剤組成物に関する。特に、本発明は、洗い流した後、皮膚の外観を変化させる粒子状光修飾物質を含有する組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚の外観は、通常、皮膚に残る個人用ケア組成物を用いることにより変化する。しかし、皮膚から洗い落とされる洗浄組成物を用いることによっても皮膚の外観を変化させることができれば有用である。このような製品は、同時に清浄し潤いを与える洗浄料などの洗浄製品において多機能性を求める消費者にとって有益である。
【0003】
この場合、皮膚を洗浄する製品はまた、光の肌との相互作用に影響を与える固形粒子を残留させることより、皮膚に光沢、輝きを与え鮮やかにする。これらの洗浄剤により、消費者は、肌の外観を変化させるリーブオンタイプの製品を塗布するのに要する時間を節約でき、また、より魅力的に見えるという有益性を得る。場合によっては、これらの洗浄剤はまた、皮膚の状態を整えるための保湿剤及び皮膚軟化剤及び、皮膚に有益性を与えるために使用することができ、一般にコンディショニング効果を与えるために使用されない1又は複数の活性成分を含有し得る。先行技術の皮膚洗浄剤は、油又はポリマーなどの物質を沈積させることにより、シャワー後の皮膚感触を変化させる。このような物質は、皮膚の陰イオン性表面に対する陽イオン性物質の吸引を含む様々な機構により皮膚上に沈積する。しかし、皮膚の感触を変化させる物質は、一般に皮膚の外観を変化させない。
【0004】
驚くべきことに、ある種の固形粒子及び特定の陽イオン性ポリマーを洗浄処方物中に組み込むことにより、特定の油滴を用いる複雑な送達系を要さずに、洗い流し後に皮膚の外観を変化させることができることが分かった。
【0005】
2002年5月28日にTsaurに対して発行された米国特許第6395691号は、個人用洗浄液体処方物に関し、これは、油滴サイズ及び油滴と粒子との間のサイズ比を調整することにより達成され、粒子を沈積させるためにペトロラタム又は濃化油の大きな滴を用いる、皮膚へ固体粒子を送達するための油中粒子分散物の使用を開示する。Tsaurの組成物は、このような油中粒子分散物を 2重量%から20重量%含有する。
【0006】
洗浄剤からの粒子の沈積に関する、Zhangらによる2003年5月22日提出の、同時係属米国特許出願S/N 10/443396において、沈積させられる粒子は、小型(20ミクロン未満)であり、開示される処方物は、粒子を沈積させるための構造化油に依存する。洗浄剤からの粒子の沈積に関する、Zhangらによる2002年9月11日提出の、別の同時係属米国特許出願S/N 10/241401において、沈積させられる粒子は、特異的な形状及び屈折率を有し、開示される処方物は、粒子を沈積させるための油中粒子分散物に依存する。
【0007】
皮膚に残留し、皮膚の外観を変化させるための固形粒子を含有する化粧品処方物は周知である。例えば、多くの現在入手可能なローションは、肌を輝かせる、二酸化チタン又は酸化鉄被覆雲母を含有する。洗浄剤そのものの外観を変化させるために固形粒子を含有する洗い流しタイプの洗浄剤処方物は周知である。例えば、多くの現在入手可能な身体用洗浄製品は、輝きのある外観を製品に与えるために二酸化チタン被覆雲母を含有する。さらに、洗浄剤処方物は、その処方物に研磨特性を与え、皮膚の角質を除去するために固形粒子を含有し得る。角質除去洗浄剤として市販されている多くの製品は、皮膚を磨くための、ポリエチレン又は様々な果実種子などの粒子を含有する。
【0008】
Gearyらに対する2003年7月17日公開の、米国公開第2003/0134759 A1は、界面活性剤、非水溶性固形粒子、合成陽イオン性ポリマー及び相分離開始剤を含有し、2meq/gmから10meq/gmの陽イオン性電荷密度を有し、1,000から5,000,000の平均分子量を有する、有機非架橋、陽イオン性の、ホモポリマーもしくはコポリマー0.025重量%から5重量%を含有する処方物を記載している。この相分離開始剤がポリマーの液晶層形成を引き起こすと、固形粒子が沈積する。
【発明の開示】
【0009】
本発明の第一の局面において、
(a)陰イオン性、非イオン性、両性もしくは陽イオン性界面活性剤又はこれらの混合物から選択される界面活性剤1重量%から35重量%と;
(b)陽イオン性ポリマー0.1%から10%と;
(c)一連の三刺激値L、a及びb;反射率変化及び不透明度変化により特徴付けられる皮膚における特定の一連の光学的特性を示すための、固形粒子状光修飾物質の有効濃度(これは、下記のインビトロ視覚的評価プロトコールを用いて、洗浄組成物を皮膚に塗布し、次いですすいだ場合に、特定の光学的特性の少なくとも1つを少なくとも5%変化させる。)と、を含む液体洗浄組成物を提供する。
【0010】
本発明のさらなる局面において、
(a)陰イオン性、非イオン性、両性もしくは陽イオン性界面活性剤又はこれらの混合物から選択される界面活性剤1重量%から35重量%と;
(b)陽イオン性ポリマー0.1%から10%と;
(c)一連の三刺激値L、a及びb;反射率変化及び不透明度変化により特徴付けられる皮膚における特定の一連の光学的特性を示すための、固形粒子状光修飾物質の有効濃度(これは、下記のインビトロ視覚的評価プロトコールを用いて、洗浄組成物を皮膚に塗布し、次いですすいだ場合に、特定の光学的特性の少なくとも1つを少なくとも5%変化させる。)と;を液体洗浄組成物が含み、
(d)該洗浄組成物を皮膚又は毛髪に塗布することと;
(e)該洗浄組成物をすすぐことと、を含む、
液体洗浄組成物から固形粒子状光修飾物質を皮膚上に沈積させる方法を提供する。
【0011】
本発明のさらなる局面は、
(a)陰イオン性、非イオン性、両性もしくは陽イオン性界面活性剤又はそれらの混合物から選択される界面活性剤1重量%から35重量%と;
(b)陽イオン性ポリマー0.1%から10%と;
(c)一連の三刺激値L、a及びb;反射率変化及び不透明度変化から選択される、1又は複数の皮膚評価法により特徴付けられる皮膚における特定の一連の光学的特性を示すための、固形粒子状光修飾物質の有効濃度(これは、インビトロ視覚的評価プロトコールを用いて、洗浄組成物を皮膚に塗布し、次いですすいだ場合に、特定の光学的特性の少なくとも1つを少なくとも5%変化させる。)と、を含む液体洗浄組成物である。
【0012】
本発明のこの局面の好ましい実施形態において、本発明の組成物は、
(a)増粘剤、をさらに含み、
(b)この洗浄組成物の粘度は、下記のコーンプレート法を用いて、25℃にて1/秒の剪断速度で、1,000から300,000cps、好ましくは5,000から500,000cpsの範囲であり;
(c)この洗浄組成物は等方性である。
【0013】
本発明のこの局面の第二の好ましい実施形態において、本発明の洗浄組成物はさらに、
(a)陰イオン性、両性、陽イオン性及び非イオン性界面活性剤及びそれらの混合物から選択される少なくとも1つの界面活性剤を含む(少なくとも1つの陰イオン性界面活性剤が存在しなければならない。)界面活性剤系3重量%から30重量%と;
(b)該洗浄組成物において秩序液晶相を誘導するための秩序液晶相誘導構造化剤0.1重量%から15重量%と(好ましくは、該秩序液晶相誘導構造化剤は、CからC24アルケニルもしくは分枝アルキル脂肪酸もしくはそれらのエステル、CからC24アルケニルもしくは分枝アルキルアルコールもしくはそれらのエーテル、CからC14直鎖アルキル脂肪酸、トリヒドロキシステアリン又はこれらの誘導体もしくは混合物から選択され;より好ましくは、該秩序液晶相誘導構造化剤は、ラウリン酸、オレイン酸、パーム核油脂肪酸、パーム脂肪酸、ヤシ脂肪酸、イソステアリン酸又はこれらの誘導体もしくは混合物から選択され;さらにより好ましくは、該秩序液晶相はラメラ構造を有する。);をさらに含有し、
(c)該秩序液晶相組成物は、Tバー法を介して測定した場合、25℃で40,000から300,000cpsの粘度を有し;
(d)該秩序液晶相組成物は、2meq/gmから10meq/gmの陽イオン性電荷密度及び1,000から5,000,000の平均分子量を有する、有機、非架橋、陽イオン性の、ホモポリマー又はコポリマーを0.025重量%未満含有する。好ましくは本発明の秩序液晶相組成物は、このポリマーを0%含有する。
【0014】
好ましくは、光修飾物質が対象とする視覚的属性は、皮膚の光沢、皮膚の色合い又は皮膚の光学的一様性及びこれらの組合せから選択される。これらの属性は、下記のインビトロ視覚的評価プロトコールを用いて、L値、反射率の変化及び不透明度変化によりさらに評価することができる。
【0015】
有利に、L値の変化は0から±10の範囲であり、反射率の変化は0から±300%の範囲であり、不透明度の変化は0から±20%の範囲であり(ただし、インビトロ視覚的評価プロトコールを用いて、洗浄組成物が皮膚に塗布されて次いですすがれる場合、顕著な皮膚の光沢を与えるために、L値の変化、反射率の変化及び不透明度変化の全てが0であることはない。);好ましくは、本粒子状光修飾物質の10重量%を超えるもの(好ましくは、約20、30、40、50、60、70、80、90又は95%を超えるもの)が、
i)外面が、1.8から4.0の屈折率を有し;
ii)形状が、平板状、円筒型又はこれらの組合せであり;
iii)特定の寸法が、平板状粒子の場合、平均直径10から200μmであるか、又は円筒型粒子の場合、平均長10から200μmであり、平均直径0.5から5.0μmである、外面屈折率、形状及び特定の寸法によりさらに規定される。
【0016】
有利に、L値の変化は0から±10の範囲であり、a値の変化は0から±10の範囲であり、b値の変化は0から±10の範囲であり、不透明度の変化は0から±50%の範囲であり、反射率の変化は、±10%の正常肌の反射率範囲内であり(ただし、インビトロ視覚的評価プロトコールを用いて、洗浄組成物が皮膚に塗布されて次いですすがれる場合、顕著な皮膚の明白化又は色合いの変化を与えるために、L値の変化、b値の変化及び不透明度変化の全てが0であることはない。);好ましくは、本粒子状光修飾物質の10重量%を超えるもの(好ましくは、約20、30、40、50、60、70、80、90又は95%を超えるもの)が、
i)外面が、1.3から4.0の屈折率を有し;
ii)形状が、球状、平板状又はこれらの組合せであり;
iii)特定の寸法が、平板状粒子の場合、平均直径1から30μmであるか、又は球状粒子の場合、平均直径0.1から1μmであり;
iv)場合によっては、蛍光色、吸収色、干渉色又はこれらの組合せを有する、外面屈折率、形状及び特定の寸法によりさらに規定される。
【0017】
有利に、L値の変化は0から±5の範囲であり、反射率の変化は0から±100%の範囲であり、不透明度の変化は0から±50%の範囲であり、a及びbの変化は、a又はbそれぞれに対して±10%の正常肌の色合いの範囲であり(ただし、インビトロ視覚的評価プロトコールを用いて、洗浄組成物が皮膚に塗布されて次いですすがれる場合、顕著な皮膚の光学的一様性の変化を与えるために、L値の変化、反射率の変化及び不透明度変化の全てが0であることはない。);好ましくは、粒子状光修飾物質の10重量%を超えるもの(好ましくは、約20、30、40、50、60、70、80、90又は95%を超えるもの)が、
i)外面が、1.3から2.0の屈折率を有し;
ii)形状が、球状、平板状、円筒型又はこれらの組合せであり;
iii)特定の寸法が、球状粒子の場合、平均直径0.1から200μmであるか、平板状粒子の場合、平均直径1から10μmであるか、又は円筒型粒子の場合、平均長1から10μm及び平均直径0.5から5.0μmであり;
iv)場合によっては、蛍光色、吸収色、干渉色又はこれらの組合せを有する、外面屈折率、形状及び特定の寸法によりさらに規定される。
【0018】
本発明の洗浄組成物のさらに好ましい実施形態において、粒子状光修飾物質は、10μmから200μmの平均平面直径及び少なくとも1.8の屈折率を有する(好ましくは、約10μmから100μmの平均平面直径及び少なくとも約2の屈折率を有する。)ことによりさらに規定される平板状粒子から主に構成され;より好ましくは、該粒子状光修飾物質は、皮膚上での光修飾物質の沈積を促進するために、アミノ酸、タンパク質、脂肪酸、脂質、リン脂質(レシチン)、陰イオン性及び/又は陽イオン性オリゴマー/ポリマー又はそれらの混合物もしくは誘導体から選択される表面修飾を含有する。
【0019】
好ましくは、本発明の組成物は、少なくとも0.7Meq/gの電荷密度(より好ましくは、少なくとも約0.8、0.9又は1.0Meq/g)を有する陽イオン性ポリマーを含有し;さらにより好ましくは、該陽イオン性ポリマーは、Merquat(R)100もしくは2200、Jaguar(R)C17もしくはC13S、Salcare(R)Supre7、SC10もしくはSC30;Gafquat(R)HS100もしくは755及びLuviquat(R)FC370、FC550、HM552もしくはFC905;又はそれらの混合物から選択される。
【0020】
有利に、本発明の組成物は、陰イオン性界面活性剤及び場合によっては両性界面活性剤を含有し、好ましくは、該陰イオン性界面活性剤は、C−C16アルキル硫酸塩及び/又はアルキルエーテル硫酸塩、脂肪酸石鹸、タウレート、スルホスクシナート、グリシナート、サルコシナート又はそれらの混合物から選択され、該両性界面活性剤は、アンホ酢酸塩、ベタイン及びアミドアルキルベタイン又はこれらの誘導体もしくは混合物から選択される。
【0021】
有利に、陰イオン性界面活性剤の、6.5以下のpHで正電荷を有する(好ましくは、約5.5以下のpHで界面活性剤が正電荷を有する。)界面活性剤に対する比は、等方性組成物の場合、15:1から1:2の範囲であり、液晶構造化組成物の場合、約6:1から約1:2の範囲である。好ましくは、正電荷を有する界面活性剤は両性界面活性剤であり;より好ましくは、該両性界面活性剤は、ベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、スルホベタイン、アンホ酢酸塩又はそれらの混合物から選択される。
【0022】
さらに好ましい実施形態において、固形粒子状光修飾物質は、少なくとも30ミクロン(好ましくは、少なくとも約40、50、60、70、80、90、100、120、140又は150ミクロン)の平均直径を有する。好ましくは、本固形粒子状光修飾物質は、少なくとも0.2重量%(好ましくは、少なくとも約0.25、0.3、0.4、0.5、0.7、0.9又は1重量%)の最小濃度で存在する。
【0023】
有利に、等方性組成物のための増粘剤は、ポリアクリレート;シリカ、天然及び合成ワックス;ケイ酸アルミニウム;ラノリン誘導体;CからC20脂肪アルコールポリエチレンコポリマー;カルボン酸ポリアンモニウム;スクロースエステル;疎水性粘土;ペトロラタム;ハイドロタルサイト;セルロース誘導体、多糖誘導体又はこれらの誘導体及び混合物から選択される。好ましくは、本等方性組成物は、膨潤粘土;架橋ポリアクリレート;アクリレートホモポリマー及びコポリマー;ポリビニルピロリドンホモポリマー及びコポリマー;ポリエチレンイミン;無機塩;スクロースエステル、ゲル化剤又はそれらの混合物及び誘導体から選択される構造化剤を用いて構造化される。
【0024】
有利に、本発明の等方性構造化組成物は、1から500ミクロンの範囲の重量平均皮膚軟化剤粒子サイズを有する皮膚軟化剤をさらに含有し;好ましくは本組成物は、疎水性皮膚軟化剤10重量%未満を含有する。
【0025】
より好ましくは、本等方性組成物は、油中で懸濁されている固形粒子状光修飾物質50重量%未満(好ましくは、約40、30、20、10又は5重量%未満)を有する。好ましくは、本等方性組成物は、疎水性皮膚軟化剤約10重量%未満(好ましくは、5、2、1、0.5、0.1又は0.05重量%未満)を(下記で規定のように)含有する。
【0026】
さらに好ましい実施形態において、本組成物は、界面活性剤を少なくとも7重量%;好ましくは10から25重量%含有し、好ましくは、本粒子状光修飾物質は、有機顔料、無機顔料、ポリマー、酸化チタン、酸化亜鉛、着色酸化鉄、酸化クロム、水酸化クロムもしくは水和クロム、アルミナ、シリカ、ジルコニア、硫酸バリウム、ケイ酸塩、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ウルトラマリン、炭酸アルカリ土類、タルク、絹雲母、雲母、合成雲母、ポリマー、有機及び無機物質で被覆された板状基質、オキシ塩化ビスマス、硫酸バリウム又はそれらの混合物及び物理的凝集物から選択され;より好ましくは、該粒子状光修飾物質は、蛍光、吸収、銀化又はこれらの組合せにより生じる色を保持する。好ましくは、本発明の組成物は、30重量%を超える水を含有する。
【0027】
本発明のさらなる局面において、
(a)陰イオン性、非イオン性、両性もしくは陽イオン性界面活性剤又はそれらの混合物から選択される、界面活性剤1重量%から35重量%と;
(b)陽イオン性ポリマー0.1%から10%と;
(c)一連の三刺激値L、a及びb;反射率変化及び不透明度変化により特徴付けられる皮膚における特定の一連の光学的特性を示すための、固形粒子状光修飾物質の有効濃度(これは、下記のインビトロ視覚的評価プロトコールを用いて、洗浄組成物を皮膚に塗布し、次いですすいだ場合に、光学的特性の少なくとも1つを少なくとも5%変化させる。)と、
(d)該洗浄組成物を皮膚又は毛髪に塗布し、
(e)該洗浄組成物をすすぐ、段階を含む、先行する請求項の何れかに記載の液体洗浄組成物又はこれらの組合せから固形粒子状光修飾物質を皮膚上に沈積させる方法を提供する。
【0028】
界面活性剤は、本発明洗浄組成物の必須成分である。界面活性剤は、それらが溶解している水溶液の表面張力を低下させるように作用する、疎水性及び親水性部分を有する化合物である。有用な界面活性剤には、陰イオン性、非イオン性、両性及び陽イオン性界面活性剤及びそれらの混合物が含まれ得る。
【0029】
本発明の洗浄組成物は、1又は複数の陰イオン洗剤を含有し得る。陰イオン性界面活性剤は、好ましくは、3又は5又は7重量%という低いレベル及び12又は15重量%という高いレベルで使用される。
【0030】
使用し得る陰イオン洗剤活性物質は、一級アルカン(例えばC−C22)スルホン酸塩、一級アルカン(例えばC−C22)ジスルホン酸塩、C−C22アルケンスルホン酸塩、C−C22ヒドロキシアルカンスルホン酸塩もしくはアルキルグリセリルエーテルスルホン酸塩(AGS)などの脂肪族スルホン酸塩;又はアルキルベンゼンスルホン酸塩などの芳香族スルホン酸塩であり得る。
【0031】
本陰イオン洗剤はまた、アルキル硫酸塩(例えばC12−C18アルキル硫酸塩)又はアルキルエーテル硫酸塩(アルキルグリセリルエーテル硫酸塩を含む。)であり得る。アルキルエーテル硫酸塩の中でも、式:
【0032】
【化1】

(式中、Rは、8個から18個の炭素、好ましくは12個から18個の炭素を有する、アルキル又はアルケニルであり、nは、1.0より大きい、好ましくは3より大きい平均値を有し;Mは、ナトリウム、カリウム、アンモニウム又は置換アンモニウムなどの可溶性陽イオンである。)を有するものが特に挙げられる。ラウリルエーテル硫酸アンモニウム及びラウリルエーテル硫酸ナトリウムが好ましい。
【0033】
本陰イオン性洗剤はまた、アルキルスルホスクシナート(モノ及びジアルキル、例えばC−C22スルホスクシナートを含む。);アルキル及びアシルタウレート、アルキル及びアシルサルコシナート、スルホ酢酸塩、C−C22アルキルリン酸塩及びリン酸塩、アルキルリン酸エステル及びアルコキシルアルキルリン酸エステル、アシル乳酸塩、C−C22モノアルキルスクシナート及びマレイン酸塩、スルホ酢酸塩、アルキルグルコシド及びアシルイセチオン酸塩などであり得る。
【0034】
スルホスクシナートは、式:
【0035】
【化2】

を有するモノアルキルスルホスクシナート及び式:
【0036】
【化3】

(式中、Rは、C−C22アルキルの範囲であり、Mは、可溶性陽イオンである。)のアミド−MEAスルホスクシナートであり得る。
【0037】
サルコシナートは、一般に、式:
【0038】
【化4】

(式中、Rは、C−C20アルキルの範囲であり、Mは、可溶性陽イオンである。)により示される。
【0039】
タウレートは、一般に、式:
【0040】
【化5】

(式中、Rは、C−C20アルキルの範囲であり、Rは、C−Cアルキルの範囲であり、Mは、可溶性陽イオンである。)により特定される。
【0041】
本発明の洗浄組成物は、C−C18アシルイセチオン酸塩を含有し得る。これらのエステルは、イセチオン酸アルカリ金属と、6個から18個の炭素原子を有し20未満のヨウ素価を有する混合脂肪族脂肪酸との間の反応により調製される。この混合脂肪酸の少なくとも75%が12個から18個の炭素原子を有し、25%以下が6個から10個の炭素原子を有する。
【0042】
アシルイセチオン酸塩は、Ilardiら、米国特許第5,393,466号、題名「Fatty Acid Esters of Polyalkoxylated isethonic acid」(1995年2月28日発行)(参照により本明細書中に組み込む。)で記載されているものなどの、アルコキシル化イセチオン酸塩であり得る。この化合物は、一般式:
【0043】
【化6】

(式中、Rは、8個から18個の炭素を有するアルキル基であり、mは、1から4の整数であり、X及びYは、水素又はアルキル基(1個から4個の炭素を有する。)であり、Mは、例えばナトリウム、カリウム又はアンモニウムなどの一価陽イオンである。)を有する。
【0044】
1又は複数の両性界面活性剤を本発明において使用し得る。両性界面活性剤は、好ましくは、等方性組成物の場合、0.5もしくは0.8重量%という低いレベル及び4もしくは5重量%という高いレベルで使用されるか、又は、秩序液晶組成物の場合、1もしくは2重量%という低いレベル及び6もしくは8重量%という高いレベルで使用される。このような界面活性剤は、少なくとも1つの酸基を含む。これは、カルボン酸基又はスルホン酸基であり得る。これらは、四級窒素を含み、したがって、これらは、四級アミド酸である。これらは通常、7個から18個の炭素原子のアルキル又はアルケニル基を含む。これらは通常、全体的構造式:
【0045】
【化7】

(式中、Rは、7個から18個の炭素を有する、アルキル基又はアルケニル基であり、R及びRは、それぞれ独立に、1個から3個の炭素の、アルキル、ヒドロキシアルキル又はカルボキシアルキルであり;nは、2から4であり;mは、0から1であり;Xは、場合によってはヒドロキシルで置換される、1個から3個の炭素原子のアルキレンであり、Yは、−CO−又は−SO−である。)に従う。
【0046】
上記一般式内の適切な両性界面活性剤には、式:
【0047】
【化8】

の単純ベタイン及び式:
【0048】
【化9】

のアミドベタイン(式中、nは、2又は3である。)が含まれる。
【0049】
両式において、R、R及びRは、既に定義されるとおりである。Rは、特に、基Rの少なくとも半分、好ましくは少なくとも四分の三が、10個から14個の炭素原子を有するように、ココナツ油由来の、C12及びC14アルキル基の混合物であり得る。R及びRは、好ましくはメチルである。
【0050】
両性洗剤が、式:
【0051】
【化10】

もしくは
【0052】
【化11】

(式中、mは、2又は3である。)のスルホベタインであるか、又は−(CHSO−が
【0053】
【化12】

で置換されているこれらの変形物である可能性がさらにある。
【0054】
これらの式において、R、R及びRは既に述べたとおりである。
【0055】
アンホ酢酸塩及びジアンホ酢酸塩はまた、例えばラウロアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホ酢酸ナトリウム及びそれらの混合物など、使用し得る可能な、両性イオン性及び/又は両性化合物においてカバーされるものとする。
【0056】
1又は複数の非イオン性界面活性剤もまた、本発明の洗浄組成物において使用し得る。非イオン性界面活性剤は、好ましくは、等方性組成物の場合、0.5重量%もしくは0.8重量%という低いレベル及び1.5重量%もしくは2重量%という高いレベルで使用されるか、又は、秩序液晶組成物の場合、1重量%もしくは2重量%という低いレベル及び5重量%もしくは6重量%という高いレベルで使用される。
【0057】
使用し得る非イオン性界面活性剤には、特に、疎水性基と反応性水素原子を有する化合物(例えば脂肪族アルコール、酸、アミド又はアルキルフェノール)とアルキレンオキシド[特にエチレンオキシド(単独で又はプロピレンオキシドと共に)]との反応産物を含む。具体的な非イオン性洗剤化合物は、アルキル(C−C22)フェノールエチレンオキシド縮合物、脂肪族(C−C18)一級もしくは二級の、直鎖もしくは分枝鎖アルコールとエチレンオキシドとの縮合生成物並びにプロピレンオキシド及びエチレンジアミンの反応産物とエチレンオキシドとの縮合により得られる生成物である。その他のいわゆる非イオン性界面活性剤化合物には、長鎖三級アミンオキシド、長鎖三級ホスフィンオキシド及びジアルキルスルホキシドなどが含まれる。
【0058】
非イオン性界面活性剤はまた、多糖アミドのような糖アミドであり得る。特に、この界面活性剤は、1995年2月14日発行のAuらの米国特許第5,389,279号「Compositions Comprising Nonionic Glycolipid Surfactants」(参照により本明細書中に組み込む。)に記載のラクトビオンアミドの1つであり得るか、又は、この非イオン性界面活性剤は、1991年4月23日発行のKelkenbergの米国特許第5,009,814号「Use of N−Poly Hydroxyalkyl Fatty Acid Amides as Thickening Agents for Liquid Aqueous Surfactant Systems」(参照により本明細書中に組み込む。)に記載の糖アミドの1つであり得る。
【0059】
本組成物が等方性である場合、適切な増粘剤を構造化剤として添加することができる。適切な増粘剤には、ポリアクリレート;ヒュームドシリカ;天然及び合成のワックス、アルキルシリコーンワックス、例えばベヘニルシリコーンワックス;ケイ酸アルミニウム;ラノリン誘導体例えばラネステロールなど;C8からC20の脂肪アルコール;ポリエチレンコポリマー;ステアリン酸ポリアンモニウム;スクロースエステル;疎水性粘土;ペトロラタム;ハイドロタルサイト;及びそれらの混合物などが含まれる。
【0060】
ハイドロタルサイトは一般式:
【0061】
【化13】

(式中、Mは二価の金属イオン、例えば、M2+であり;Nは三価の金属イオン、例えば、Al3+であり;Xは交換性陰イオン、例えば、CO、NO、ステアレート、シンナメートであり;mは二価の金属イオンの数であり;nは三価の金属イオンの数を表す。)の材料である。
【0062】
特に好ましい増粘剤には、シリカ、アルキルシリコーンワックス、パラフィンワックス、C8からC20の脂肪アルコール、石油ゼリー、ポリエチレンコポリマー、これらの混合物などが含まれる。
【0063】
ある一部の材料は皮膚軟化剤及び増粘剤の両方として機能することができる一方、このために、皮膚軟化機能と増粘機能とを同じ成分によって提供できないことが理解されよう。しかし、本組成物が2種以上の皮膚軟化剤を含む場合には、これらの皮膚軟化剤の1つが増粘剤としても機能し得ることは理解されよう。
【0064】
好ましくは、増粘剤の量は、1重量%と低いものであり得、5、10、15、20又は25重量%以下であり得る。
【0065】
本発明の等方性組成物は自己構造化性であり得るが、好ましくは、構造化剤、即ち、ゼロ剪断における粘度を向上させるために添加される材料もさらに含む。適切な材料には、膨潤粘土、例えばラポナイト;脂肪酸及びその誘導体、特に、脂肪酸モノグリセリドポリグリコールエーテル;Carbopol(TM)(Goodrichから入手可能なポリマー)などの架橋ポリアクリレート;アクリレート及びそのコポリマー、例えば、Noveon(Cleaveland,Ohio)から入手可能な、Aqua SF−1、ポリビニルピロリドン及びそのコポリマー;ポリエチレンイミン;塩化ナトリウム及び硫酸アンモニウムなどの塩;スクロースエステル;ゲル化剤;アルギン酸塩、グアー、キサンタンを含む天然ゴム及び、カルボキシメチルセルロース及びヒドロキシプロピルグアーを含む多糖誘導体;プロピレングリコール及びオレイン酸プロピレングリコール;獣脂脂肪酸グリセロール;及びそれらの混合物、それらの混合物などが含まれる。
【0066】
特に好ましい粘土としては、粘土を増粘させ得る電解質塩と組合せて使用される合成ヘクトライト(ラポナイト)粘土がある。適切な電解質には、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の塩、例えばハロゲン化物、アンモニウム塩及び硫酸塩、それらの混合物などが含まれる。
【0067】
構造化剤及び増粘剤のさらなる例は、CTFA(The Cosmetic,Toiletry & Fragrance Association)により発行された、International Cosmetic Ingredient Dictionary,Fifth Edition,1993(参照により本明細書中に組み込む。)で与えられている。
【0068】
本発明による組成物において必要な成分は、陽イオン性の皮膚感触調整剤又は、例えば陽イオン性セルロースなどのポリマーである。陽イオン性ポリマーは、好ましくは、等方性組成物の場合、0.2重量%もしくは0.3重量%という低いレベル及び1重量%もしくは1.5重量%という高いレベルで、又は秩序液晶組成物の場合、0.2重量%もしくは0.3重量%という低いレベル及び0.8重量%もしくは1重量%という高いレベルで使用され得る。
【0069】
陽イオン性セルロースは、Amerchol Corp.(Edison,NJ,USA)から、それらの、当業界(CTFA)でポリクオタニウム10と呼ばれるトリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースの塩としての、Polymer JR(商標)及びLR(商標)ポリマーのシリーズにおいて入手し得る。別の種類の陽イオン性セルロースは、ラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースの高分子第四級アンモニウム塩であり、これは当業界(CTFA)でポリクオタニウム24と呼ばれている。これらの材料はAmerchol Corp.(Edison,NJ,USA)から商標Polymer LM−200として入手可能である。
【0070】
使用できる特に適切な種類の陽イオン性多糖ポリマーは、陽イオン性グアーガム誘導体、例えば、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド(Rhone−PoulencからそれらのJAGUAR商標シリーズで市販されている)である。例としては、低置換度の陽イオン性基を有する高粘度のJAGUAR C13S、中程度の置換度及び低粘度のJAGUAR C15、JAGUAR C17(高置換度、高粘度)、低レベルの置換基と陽イオン性第四アンモニウム基とを含有するヒドロキシプロピル化陽イオン性グアー誘導体であるJAGUAR C16及び透明度が高く中程度の粘度で低置換度のグアーであるJAGUAR 162が挙げられる。
【0071】
特に好ましい陽イオン性ポリマーは、JAGUAR C13S、JAGUAR C15、JAGUAR C17及びJAGUAR C16及びJAGUAR C162、特にJAGUAR C13Sである。当技術分野で公知のその他の陽イオン性皮膚感触剤も、本発明の処方物と適合する場合は使用できる。
【0072】
1又は複数の陽イオン性界面活性剤もまた本洗浄組成物において使用できる。陽イオン性界面活性剤は、0.1、0.3、0.1又は1%という低いレベル及び2、3、4又は5重量%という高いレベルで使用できる。
【0073】
陽イオン性洗浄剤の例は、ハロゲン化アルキルジメチルアンモニウムなどの第四級アンモニウム化合物である。
【0074】
使用し得るその他の適切な界面活性剤は、1973年3月27日発行のParran Jr.の米国特許第3,723,325号「Detergent Compositions Containing Particle Deposition Enhancing Agents」;及び、Schwartz,Perry & Berch著の「Surface Active Agents and Detergents」(Vol.I & II)に記載されている(両方とも、参照により本明細書中に組み込む。)。
【0075】
さらに、本発明の新規の洗浄組成物は、以下のような任意成分を0から15重量%の量で含み得る:香料;0.01%から1%、好ましくは0.01%から0.05%の量の金属イオン封鎖剤、例えば、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム(EDTA)、EHDP又は混合物;着色剤、乳白剤及び真珠光沢剤、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、TiO、EGMS(モノステアリン酸エチレングリコール)又はLytron 621(スチレン/アクリレートコポリマー)など;これらの成分はいずれも本製品の外観又は化粧品特性を向上させるために有用である。
【0076】
本組成物はさらに、2−ヒドロキシ−4,2’,4’トリクロロジフェニルエーテル(DP300)などの抗菌剤;ジメチロールジメチルヒダントイン(Glydant XL1000)、パラベン、ソルビン酸などの保存剤などを含み得る。
【0077】
本組成物はさらに、泡促進剤としてココヤシアシルモノ−又はジエタノールアミドを含み得、塩化ナトリウム及び硫酸ナトリウムのような強イオン化塩の使用も有利であり得る。
【0078】
例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)などの酸化防止剤を必要に応じて約0.01%以上の量で使用することは有利であろう。
【0079】
例えばグリセリン及びプロピレングリコールといった多価アルコールなどの湿潤剤でもある保湿剤;及び、下記のポリエチレングリコールなどのポリオールも使用し得る。
【0080】
Polyox WSR−205 PEG 14M
Polyox WSR−N−60K PEG 45M又は
Polyox WSR−N−750 PEG 7M
【0081】
上述の、疎水性及び/又は親水性皮膚軟化剤(即ち湿潤剤)を使用し得る。好ましくは、親水性皮膚軟化剤は、本発明の洗浄組成物において、疎水性皮膚軟化剤を超える量で使用する。最も好ましくは、1又は複数の親水性皮膚軟化剤を単独で使用し得る。親水性皮膚軟化剤は、好ましくは、0.01重量%を超える濃度、より好ましくは0.5重量%を超える濃度で存在する。好ましくは、本発明の組成物は、等方性組成物の場合、疎水性皮膚軟化剤を、10、5、3、2、1、0.7、0.5、0.3、0.2、0.1、0.05又は0.01重量%未満含有する。疎水性皮膚軟化剤は、好ましくは、秩序液晶組成物の場合、3、5、7、9、10、15、20又は25重量%を超える濃度で存在する。
【0082】
「皮膚軟化剤」という用語は、皮膚の水分を増加させることによって、又は、脂質及びその他の皮膚栄養素を添加もしくは補充することによって、又はその両方により、皮膚(角質層)を柔軟化するか又は皮膚(角質層)の弾力、外観及び若々しさを向上させ、皮膚の水分低下を抑制することによって皮膚を柔軟に保つ物質であると定義される。
【0083】
有用な皮膚軟化剤(本発明によるコンディショニング化合物ともみなされる。)には、以下のものが含まれる:
(a)シリコーン油及びその修飾型、例えば、直鎖及び環状のポリジメチルシロキサン;アミノ、アルキル、アルキルアリール及びアリールシリコーン油;
(b)油脂類、例えば、ホホバ油、ダイズ油、ヒマワリ油、米ヌカ油、アボカド油、アーモンド油、オリーブ油、ゴマ油、タデ油、ヒマシ油、ココヤシ油、ミンク油;カカオ脂;牛脂、豚脂などの天然油脂;上記油の水素化により得られる硬化油;及び、ミリスチン酸グリセリド及び2−エチルヘキサン酸グリセリドなどの合成モノ、ジ及びトリグリセリド;
(c)ワックス、例えば、カルナバロウ、鯨ロウ、蜜ロウ、ラノリン及びこれらの誘導体;
(d)疎水性及び親水性の植物エキス;
(e)炭化水素、例えば、液体パラフィン、ワセリン、微結晶性ワックス、セレシン、スクアレン、プリスタン及び鉱物油;
(f)高級脂肪酸、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ラノリン酸、イソステアリン酸、アラキドン酸及びポリ不飽和脂肪酸(PUFA);
(g)高級アルコール、例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、コレステロール及び2−ヘキシルデカノール;
(h)エステル、例えば、オクタン酸セチル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、アジピン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸デシル、イソステアリン酸コレステロール、モノステアリン酸グリセロール、ジステアリン酸グリセロール、トリステアリン酸グリセロール、乳酸アルキル、クエン酸アルキル及び酒石酸アルキル;
(i)精油及びそれらのエキス、例えばハッカ、ジャスミン、ショウノウ、ヌマヒノキ、ビターオレンジ果皮、リュー(ryu)、テレビン、シナモン、ベルガモット、ウンシュウミカン、ショウブ、マツ、ラベンダー、ゲッケイジュ、クローブ、ヒバ、ユーカリ、レモン、スターフラワー、タイム、ペパーミント、ローズ、セイジ、ゴマ、ジンジャー、バジル、ジュニパー、レモングラス、ローズマリー、ローズウッド、アボカド、ブドウ、グレープシード、ミルラ、キュウリ、クレソン、カレンジュラ、エルダーフラワー、ゼラニウム、リンデンブルサム、アマランス、海草、ギンナン、チョウセンニンジン、ニンジン、ガラナ、ティーツリー、ホホバ、ヒレハリソウ、オートミール、カカオ、ネロリ、バニラ、グリーンティー、メグサハッカ、アロエベラ、メントール、シネオール、オイゲノール、シトラール、シトロネル、ボルネオール、リナロール、ゲラニオール、月見草、ショウノウ、チモール、スピラントール、ペネン、リモネン及びテルペノイド油など;及び
(j)前述の成分の何れかの混合物など。
【0084】
好ましいコンディショニング剤は、グリセリン、トリグリセリド油、鉱物油、ペトロラタム及びこれらの混合物から選択される。さらなる好ましい皮膚軟化剤は、グリセリン、シアバター及びヒマワリ種子油などのトリグリセリドである。
【0085】
好ましい実施形態において、本発明の洗浄組成物は、等方性ミセル相、秩序、液晶相微小構造の何れか(好ましくはラメラ微小構造)又はこれらの組合せを保持する。液体洗浄溶液を含む全ての界面活性剤溶液のレオロジー挙動は、微小構造、即ち、溶液中のミセル又はその他の自己集合構造の形状及び濃度に大きく左右される。
【0086】
ミセルを形成するために十分な(臨界ミセル濃度又はCMCを上回る濃度の)界面活性剤が存在する場合、例えば、球状、円筒型(棒状又は平盤状)、球面円柱状又は楕円状のミセルが形成され得る。界面活性剤の濃度増加に伴って、ラメラ相、六方晶相、立方晶相又はL3スポンジ相などの秩序液晶相が形成され得る。例えば、ラメラ相は、交互の界面活性剤二層及び水層からなる。これらの層は、一般に、平板ではないが、小胞又はリポソームと呼ばれる1ミクロン未満の球形のタマネギ様構造を形成するように折りたたまれている。一方、非等方性の六方晶相は六方格子に配列された長円筒型ミセルから構成されている。一般に、殆んどの個人用ケア製品の微小構造は、球状ミセル、棒状ミセル又はラメラ分散物のいずれかから構成される。
【0087】
上述のように、ミセルは球状又は棒状であり得る。球状ミセルを有する処方物は低粘度になり易く、ニュートン性剪断挙動を示す(即ち、粘度が剪断速度の関数として一定に維持され、従って、製品を注ぎ易くすることが望ましい場合は、溶液はより低い粘度であり、その結果、よく懸濁されない。)。これらの系では、界面活性剤濃度に伴い、粘度が直線的に上昇する。
【0088】
ミセルが長いほど運動が制限されるため、棒状ミセル溶液はより粘度が高い。臨界剪断速度でミセルが整列し、溶液がずり流動化する。塩を加えると棒状ミセルのサイズが肥大し、ゼロ剪断粘度(即ち、瓶に入れて静置しているときの粘度)が上昇し、これにより、粒子の懸濁が促進され、また臨界剪断速度(即ち、製品がずり流動化する速度)も上昇する(臨界剪断速度の上昇は製品が注ぎ難くなることを意味する)。
【0089】
ラメラ分散液は、高いゼロ剪断速度を有しながらも(構成ラメラ液滴が最密配置であるため。)、これらの溶液は極めてずり流動性が高い(例えば、注ぐと容易に分散する)ため、球状及び棒状のいずれのミセルとも異なる。即ち、この溶液は中程度の剪断速度では棒状ミセル溶液よりも粘性が低い。
【0090】
従って、液体洗浄組成物の処方において、棒状ミセル溶液(その0剪断粘度があまり高くなく、例えば懸濁能があまり良くなく、及び/又はずり流動性があまり高くない。)又はラメラ分散液(ゼロ剪断粘度が高く、例えば懸濁しやすく、ずり流動性が非常に高い。)を使用する選択肢がある。このようなラメラ組成物は、ゼロ剪断粘度が高く(懸濁及び/又は構造化に適切。)、同時にずり流動性が非常に高く、注ぐ際に容易に分散することを特徴とする。このような組成物は、保湿に優れていることを示す、「盛り上がった(heaping)」、ローション様の外観を有する。
【0091】
棒状ミセル溶液を使用する場合には、粘度を上昇させ粒子を懸濁させるために外部構造化剤の使用が必要となることが多い(また、これらのゼロ剪断粘度がラメラ相溶液よりも低いからである。)。このために、カルボマー及び粘土を使用することが多い。剪断速度が高くなるほど(例えば、製品を注ぎ出す際、製品を身体に塗布する際、又は手で擦り込む際)、棒状ミセル溶液のずり流動性が低くなるので、溶液の粘度は高い値に維持され製品が糸を引き、粘性が高くなり得る。ゼロ剪断粘度が高いラメラ分散液をベースとした製品は、皮膚軟化剤を容易に懸濁することができ、通常、よりクリーム状である。一般に、ラメラ相組成物は、それらの特徴的なフォーカルコニック形態及び油状の縞様の外見により容易に認められ、一方、六方晶系相は、折れ曲がりのある扇型様の外見を示す。対して、ミセル相は、視覚的に等方性である。
【0092】
例えば、Puvvadaらに対する1999年9月14日発行の米国特許第5,952,286号で述べられている、多様なラメラ相「誘導剤」を使用する多様な界面活性剤系においてラメラ相が形成され得ることを理解されたい。一般に、ミセルからラメラ相への転換は、界面活性剤の頭部基の有効平均面積、延長テールの長さ及びテールの体積の関数である。分枝状界面活性剤又は頭部基が小さいかテールが大きい界面活性剤を使用することもまた、棒状ミセルからラメラへの転換を誘導する有効な方法である。
【0093】
等方性ミセル分散液(本明細書中で以後「等方性組成物」と呼ぶ。)の特徴を調べる方法の1つは、後述するようなコーンプレート粘度測定法である。本発明の等方性組成物は、後述のコーンプレート法で測定した場合、25℃にて1/秒の剪断速度で1,000から300,000cpsの範囲の粘度を有する。好ましくは粘度は、5,000から50,000cpsの範囲である。
【0094】
秩序液晶分散液の特徴を調べるある方法には、さらなる誘導物質(例えばオレイン酸又はイソステアリン酸)を使用した場合の、低剪断速度での(例えばストレスレオメーターを使用する。)粘度測定が含まれる。誘導物質の量が多くなると、低剪断粘度が顕著に上昇する。
【0095】
秩序液晶分散液を測定する別の方法は、凍結割断電子顕微鏡を使用することである。顕微鏡写真は通常、秩序液晶微小構造及びラメラ液滴の最密組織を示す(通常、2ミクロンのサイズ範囲)。
【0096】
本発明の秩序液晶−等方性組成物は、好ましくは、下記の手法によりTバースピンドルAを用いて0.5RPMで測定して、40,000から300,000センチポアス(cpa)の範囲と、剪断粘度は低い。より好ましくは、この粘度範囲は、50,000から150,000cpsである。
【0097】
本発明による組成物の重要な成分は、固形粒子状光修飾物質、好ましくは、光を反射する小板型又は平板状の粒子である。これらの粒子は、好ましくは、25,000から150,000nmの範囲の平均粒子サイズD50を有する。小板様物質の場合、平均粒子サイズは、数平均値である。小板物質は、多くの粒子にわたり平均化された球状面の直径を有する円形であると推定される。小板様粒子の厚さは、別個のパラメーターであると見なされる。例えば、小板物質は、35,000nmの平均粒子サイズ及び400nmの平均厚を有し得る。本明細書中での目的のために、厚さは、100から600nmの範囲と考えられる。球面から非球面形へと光散乱のデータを数学的に補正しなければならないことを除き、測定のためにレーザー光散乱を利用することができる。平均粒子サイズを調べるために、光学顕微鏡及び電子顕微鏡を用い得る。厚さは、通常、光学顕微鏡又は電子顕微鏡を介してのみ調べられる。
【0098】
これらの粒子の屈折率は、少なくとも1.8であることが好ましく、通常は、1.9から4、より好ましくは2から3、最適には、2.5及び2.8である。
【0099】
光反射粒子の、説明のためであり非限定的である例は、オキシ塩化ビスマス(単結晶板)及び二酸化チタン及び/又は酸化鉄被覆雲母である。適切なオキシ塩化ビスマス結晶は、Biron(R)NLY−L−2X CO及びBiron(R)Silver CO(小板がヒマシ油中で分散されている。);Biron(R)Liquid Silver(粒子がステアリン酸エステル中で分散されている。);及びNailsyn(R) IGO、Nailsyn(R)II C2X及びNailsyn(R)II Platinum 25(小板がニトロセルロース中で分散されている。)の商標のもと、EM Industries,Inc.から入手可能である。最も好ましいものは、Biron(R)Liquid Silverなどの、オキシ塩化ビスマスがC−C40アルキルエステル中で分散されている系である。
【0100】
適切な二酸化チタン被覆雲母小板の中でも、EM Industries,Inc.から入手可能な物質が挙げられる。これらには、Timiron(R)MP−45(粒子サイズ範囲49,000−57,000nm)、Timiron(R)MP−99(粒子サイズ範囲47,000−57,000nm)、Timiron(R)MP−47(粒子サイズ範囲28,000−38,000nm)、Timiron(R)MP−149(粒子サイズ範囲65,000−82,000nm)及びTimiron(R)MP−18(粒子サイズ範囲41,000−51,000nm)が含まれる。最も好ましいものは、Timiron(R)MP−149である。二酸化チタン被覆の、雲母小板に対する重量比は、1:10から5:1、好ましくは1:6から1:7の重量比の範囲であり得る。有利に、好ましい組成物は、一般に、雲母の被覆に必要なもの以外、実質的に二酸化チタン不含である。
【0101】
適切な酸化鉄及び二酸化チタン被覆雲母小板の中でも、EM Industries,Inc.から入手可能な物質が挙げられる。これらには、Timiron(R)MP−28(粒子サイズ範囲27,000−37,000nm)、Timiron(R)MP−29(粒子サイズ範囲(粒子サイズ範囲47,000−55,000nm)及びTimiron(R)MP−24(粒子サイズ範囲56,000−70,000nm)が含まれる。最も好ましいものは、Timiron(R)MP−24である。
【0102】
適切な酸化鉄被覆雲母小板の中でも、EM Industries,Inc.から入手可能な物質が挙げられる。これらには、Colorona(R)Bronze Sparkle(粒子サイズ範囲28,000−42,000nm)、Colorona(R)Glitter Bronze(粒子サイズ範囲65,000−82,000nm)、Colorona(R)Copper Sparkle(粒子サイズ範囲25,000−39,000nm)及びColorona(R)Glitter Copper(粒子サイズ範囲65,000−82,000nm)が含まれる。二酸化チタン及び酸化鉄以外の、雲母に対する適切な被覆もまた、本発明に必要とされる適切な光学的特性を達成し得る。これらのタイプの被覆雲母もまた、少なくとも1.8の屈折率に合致しなければならない。その他の被覆には、雲母小板上のシリカが含まれる。
【0103】
有利に、本製品の使用中に皮膚を処置するための処方中に、上記で定義した皮膚軟化剤又は保湿剤などのコンディショニング剤以外の任意の活性物質を安全かつ有効量で本洗浄組成物に添加し得る。これらの活性成分は、有利に、殺菌剤及び抗カビ剤、ビタミン、にきび抑制剤;アンチリンクル、抗皮膚萎縮及び皮膚修復活性成分;皮膚バリア修復活性成分;非ステロイド化粧用鎮静化活性成分;セルフタンニング剤及び日焼け促進剤;皮膚美白活性成分;サンスクリーン活性成分;皮脂刺激剤;皮脂抑制剤;酸化防止剤;プロテアーゼ阻害剤;皮膚引き締め剤;かゆみ止め成分;毛髪成長抑制剤;5−αレダクターゼ阻害剤;落屑酵素促進剤;抗糖化剤;局所麻酔薬又はそれらの混合物などから選択され得る。
【0104】
これらの活性物質は、水溶性活性物質、油溶性活性物質、医薬適合性の塩及びそれらの混合物から選択され得る。有利に、この物質は、本洗浄組成物中で可溶性であるか又は分散可能である。「活性物質」という用語は、本明細書中で使用する場合、皮膚及び/又は毛髪に対して有益性を送達するために使用することができ、一般に、本明細書で既に説明した湿潤剤及び皮膚軟化剤により与えられるようなコンディショニングの有益性を与えるために使用されない、パーソナルケア活性物質を意味する。「安全かつ有効量」という用語は、本明細書中で使用する場合、処置された状態を変化させる、又は所望するスキンケアの有益性を与えるのに十分に多いが、重篤な副作用を避けられるように十分に少ない活性物質の量を意味する。「有益性」という用語は、本明細書中で使用する場合、本明細書中に記載の活性物質の1又は複数を用いて特定の状態を処置することに付随する、治療的、予防的及び/又は長期にわたる有益性を意味する。
【0105】
活性物質成分の安全かつ有効量は、具体的な活性物質、その活性物質の皮膚を介した浸透能、使用者の年齢、健康状態及び肌状態ならびにその他の要素などに伴って変化するであろう。好ましくは、本発明の組成物は、活性物質成分約0.01重量%から約50重量%、より好ましくは、約0.05重量%から約25重量%、さらにより好ましくは、0.1重量%から約10重量%、最も好ましくは、0.1重量%から約5重量%を含有する。
【0106】
にきび抑制剤は、尋常性座瘡、毛嚢脂腺毛包の慢性疾患の治療において有効であり得る。有用なにきび抑制剤の非限定例には、サリチル酸(o−ヒドロキシ安息香酸)、5−オクタノイルサリチル酸及び4メトキシサリチル酸などのサリチル酸の誘導体及びレゾルシノールなどの角質溶解剤;レチノイン酸及びその誘導体(例えばシス及びトランス)などのレチノイド;含硫D及びLアミノ酸及びこれらの誘導体ならびに塩、特にそれらのN−アセチル誘導体、それらの混合物などが含まれる。
【0107】
抗菌及び抗真菌活性成分は、細菌及び真菌の増殖及び成長を防ぐのに有効であり得る。抗菌及び抗真菌活性成分の非限定例には、b−ラクタム剤、キノロン剤、シプロフロキサシン、ノルフロキサシン、テトラサイクリン、エリスロマイシン、アミカシン、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル、3,4,4’−トリクロロバニリド、フェノキシエタノール、トリクロサン;トリクロカルバン;及びそれらの混合物などが含まれる。
【0108】
アンチリンクル、抗皮膚萎縮及び皮膚修復活性成分は、表皮層の補充又は回復に有効であり得る。これらの活性成分は、一般に、落屑の自然のプロセスを促進又は維持することにより、これらの望ましいスキンケアの有益性を与える。アンチリンクル及び抗皮膚萎縮活性成分の非限定例には、ミルク、ビタミンA、E及びKなどの、ビタミン、ミネラル及び肌の栄養素;ビタミンCアルキルエステルを含むビタミンアルキルエステル;マグネシウム、カルシウム、銅、亜鉛及びその他の金属成分;レチノイン酸及びその誘導体(例えばシス及びトランス);レチナール;レチノール;酢酸レチニル、パルミチン酸レチニル及びプロピオン酸レチニルなどのレチニルエステル;ビタミンB3化合物(ナイアシンアミド及びニコチン酸など)、αヒドロキシ酸、βヒドロキシ酸、例えばサリチル酸及びこれらの誘導体(5−オクタノイルサリチル酸、ヘプチルオキシ4サリチル酸及び4−メトキシサリチル酸など);それらの混合物などが含まれる。
【0109】
皮膚バリア修復活性成分は、表皮の天然の保湿バリア機能の修復及び補給を促進することができるスキンケア活性成分である。皮膚バリア修復活性成分の非限定例には、コレステロール、セラミド、スクロースエステル及び欧州特許明細書第556,957号に記載されているような擬似セラミドなどの脂質;アスコルビン酸;ビオチン;ビオチンエステル;リン脂質、それらの混合物などが含まれる。
【0110】
非ステロイド化粧用鎮静化活性成分は、皮膚の炎症の予防又は処置において効果的であり得る。この鎮静化活性成分は、例えば、均一かつ許容できる肌の色合い及び色合いに役立つ物質などの本発明の皮膚外観の有益性を促進する。化粧用鎮静化活性成分の非限定例には、次のカテゴリーが含まれる:プロピオン酸誘導体;酢酸誘導体;フェナム酸誘導体;それらの混合物など。これらの化粧用鎮静化活性物質の多くは、米国特許第4,985,459号(Sunshineら、1991年1月15日発行)(参照により、その全体を本明細書に組込む。)に記載されている。
【0111】
人工タンニング活性成分は、皮膚においてメラニンを増加させることにより、又は皮膚においてメラニンが増加した外観を生じさせることにより、自然な日焼けの模倣を促進することができる。セルフタンニング剤及び日焼け促進剤の非限定例には、ジヒドロキシアセタオン(dihydroxy acetaone);チロシン;エチルチロシネート及びグルコースチロシネートなどのチロシンエステル;それらの混合物などが含まれる。
【0112】
皮膚美白活性成分は、皮膚において実際にメラニン量を低下させるか、又は他のメカニズムによりそのような効果を与える。本明細書中で有用な皮膚美白活性成分の非限定例には、アロエ抽出物、α−グリセリル−L−アスコルビン酸、アミノチロキシン、乳酸アンモニウム、グリコール酸、ヒドロキノン、4ヒドロキシアニソール、それらの混合物などが含まれる。
【0113】
サンスクリーン活性成分もまた本発明において有用である。多岐にわたるサンスクリーン剤が、米国特許第5,087,445号(Haffeyら、1992年2月11日発行);米国特許第5,073,372号(Turnerら、1991年12月17日発行);米国特許第5,073,371号(Turnerら、1991年12月17日発行);及びSegarinら、Cosmetics Science and TechnologyのChapter VIII、189頁から(全て、参照によりその全体を本明細書に組込む。)において記載されている。本発明の組成物において有用なサンスクリーン剤の非限定例は、メトキシケイ皮酸オクチル(Parsol MCX)及びブチルメトキシベンゾイルメタン(Parsol 1789)、p−メトキシケイ皮酸2−エチルへキシル、N,N−ジメチル−p−アミノ安息香酸2−エチルへキシル、p−アミノ安息香酸、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸、オキシベンゾン、それらの混合物などから選択されるものである。
【0114】
皮脂刺激剤は、皮脂腺による皮脂の産生を増加させることができる。皮脂刺激活性成分の非限定例には、ブリオノール酸、デヒドロエチアンドロステロン(DHEA)、オリザノール、それらの混合物などが含まれる。
【0115】
皮脂抑制剤は、皮脂腺による皮脂の産生を低下させることができる。有用な皮脂抑制活性成分の非限定例には、アルミニウムヒドロキシクロリド、コルチコステロイド、デヒドロ酢酸及びその塩、ジクロロフェニルイミダゾールジオキソラン(Elubiolより入手可能)、それらの混合物などが含まれる。
【0116】
プロテアーゼ阻害剤もまた、本発明における活性成分として有用である。プロテアーゼ阻害剤は、2つの一般的クラス、プロテイナーゼとペプチダーゼとに分けることができる。プロテイナーゼは、タンパク質の特異的な内部ペプチド結合に作用し、ペプチダーゼは、タンパク質の末端の遊離アミノ又はカルボキシル基に隣接するペプチド結合に対して作用し、したがって、外側からタンパク質を切断する。本発明における使用に適切なプロテアーゼ阻害剤には、これらに限定されないが、セリンプロテアーゼ、メタロプロテアーゼ、システインプロテアーゼ及びアスパルチルプロテアーゼなどのプロテイナーゼ、ならびにカルボキシペプチダーゼ、ジペプチダーゼ及びアミノペプチダーゼなどのペプチダーゼ、それらの混合物などが含まれる。
【0117】
本発明における活性成分として有用なその他のものは、皮膚引き締め剤である。本発明の組成物において有用である皮膚引き締め剤の非限定例には、ビニルピロリドン、アクリル酸(メタクリル酸)及び長鎖アルキルアクリレート(メタクリレート)から成る疎水性モノマーのターポリマー、それらの混合物など、ポリマーを皮膚に結合させることができるモノマーが含まれる。
【0118】
本発明における活性成分にはまた、かゆみ止め成分も含まれ得る。本発明の組成物において有用なかゆみ止め成分の適切な例には、ヒドロコルチゾン、メトジリジン(methdilizine)及びトリメプラジニア(trimeprazineare)、それらの混合物などが含まれる。
【0119】
本発明の組成物において有用な毛髪成長抑制剤の非限定例には、17βエストラジオール、抗血管形成ステロイド、クルクマ抽出物、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、月見草油、リノール酸などが含まれる。エチニルエストラジオール及びゲニスチン、それらの混合物などの適切な5−αレダクターゼ阻害剤。
【0120】
本発明の組成物において有用な落屑酵素促進剤の非限定例には、アラニン、アスパラギン酸、Nメチルセリン、セリン、トリメチルグリシン、それらの混合物などが含まれる。
【0121】
本発明の組成物において有用な抗糖化剤の非限定例は、Amadorine(アマドリン)(Barnet Products Distributorから入手可能)などである。
【実施例】
【0122】
次に、以下の非限定実施例によって、本発明をより詳細に説明する。実施例は単に本発明の代表として示すものであり、本発明はこれらの実施例に何ら限定されない。物理的試験法を以下に記す。
【0123】
操作及び比較実施例を除いて、又は、明白な指示のある場合を除いて、材料の量もしくは比又は条件もしくは反応、材料の物理的特性、及び/又は使用を示す本明細書中の数値は全て「約」という語で修飾されることを理解されたい。
【0124】
本明細書において使用する場合、「含有する」という用語は、記述した特徴、整数、段階、成分の存在を包含するが、1つ又は複数の特徴、整数、段階、成分又はそれらのグループの存在又は追加を排除しないものとする。
【0125】
本明細書及び実施例のパーセンテージは全て、別段の指定がない限り重量%であるものとする。
【0126】
(実施例1から11)
(等方性構造)
本発明の洗浄組成物の実施例(下記の実施例1から実施例7)を調製し、それらの安定性及び皮膚での視覚的効果及びすすぎ後のタイル物質を、本発明ではない組成物(下記実施例8から実施例11)と比較した。比較実施例と比較して、本発明組成物が、皮膚及びタイル外観において顕著な変化を与えることが分かった。
【0127】
(実施例1から実施例11)
【0128】
【表1】




【0129】
実施例調製の詳細:
(実施例1、実施例6及び実施例8)
水(49%)を添加し、55℃に加熱を開始する。
Aqua SF1ポリマーを添加する。
55℃でALMEOブレンドを添加し、10分から20分間混合する。
シアバターを添加する。
ベタインを添加する。
急冷水を添加する(バッチの15%)。
NaOH溶液を添加する。
Jaguarサブミックス(Jaguar、グリセリン、プロピレングリコール)を添加する。
Timironサブミックス(Timiron+2%水)を添加する。
Versene100を添加する。
pHを5.5に調整する。
45℃にてKathonを添加する。
40℃にて香料を添加する。
粘度を18,000から25,000cpsに調整する。
【0130】
(実施例2)
水(37.6%)を添加し、60℃に加熱を開始する。
Aqua SF1ポリマーを添加する。
EDTAを添加する。
ベタインを添加する。
60℃でSLESを添加する。
均一になるまで混合する。
水(30%)を添加する。
NaClを添加する。
グリセリン/Jaguarサブミックスを添加する。
NaOHを添加する。
Timiron/水の予混合物(Timiron+2%水)を添加する。
45℃未満でGlydantを添加する。
40℃にて香料を添加する。
pHを5.5に調整する。
粘度を10,000cpsに調整する。
【0131】
(実施例3)
水(37.6%)を添加し、60℃に加熱を開始する。
Aqua SF1ポリマーを添加する。
EDTAを添加する。
ベタインを添加する。
60℃でSLESを添加する。
均一になるまで混合する。
水(30%)を添加する。
NaClを添加する。
NaOHを添加する。
Timiron/水の予混合物(Timiron+2%水)を添加する。
45℃未満でGlydantを添加する。
40℃にて香料を添加する。
pHを5.5に調整する。
粘度を10,000cpsに調整する。
ポリエチレン粒子を添加する。
【0132】
(実施例4)
水(47%)を添加し、55℃に加熱を開始する。
Aqua SF1ポリマーを添加する。
55℃でALMEOブレンドを添加し、10分から20分間混合する。
グリセリンを添加する。
Versene100を添加する。
水(15%)を添加する。
ベタイン/Merquatの100サブミックスを添加する。
Timiron/水のサブミックス(Timiron+2%水)をゆっくりと添加する。
pHを5.5に調整する。
45℃にてKathonを添加する。
40℃にて香料を添加する。
粘度を18,000から25,000cpsに調整する。
【0133】
(実施例5)
水(50%)を添加する。
Aqua SF1ポリマーを添加する。
Almeoを添加する。
65℃に加熱を開始する。
その温度になり溶解したら、NaOHを全て添加する。
グリセリン/Polyoxのサブミックスを添加し混合する。
Verseneを添加する。
残りの水を添加する。
ベタインを添加する。
Mackproを添加する。
Timiron/水のサブミックス(Timiron+2%水)を添加する。
冷ます。
45℃にてKathonを添加する。
40℃にて香料を添加する。
【0134】
(実施例7)
水(47%)を添加し、60℃に加熱を開始する。
Aqua SF1ポリマーを添加する。
ALMEOブレンドを添加し、10分間から20分間混合する。
グリセリン/Polyoxサブミックス(0.5%グリセリン)を添加する。
60℃になり、溶解したら、NaOHを添加する。
Verseneを添加する。
水(20%)を添加する。
ベタインを添加する。
Jaguar/0.75%グリセリン/プロピレングリコール予混合物を添加する。
冷ます。
45℃にてKathonを添加する。
Timiron予混合物を添加する。
40℃にて香料を添加する。
HMW2220を添加する。
pHを6.5に調整する。
粘度を18,000から24,000cpsに調整する。
【0135】
(実施例9及び実施例12)
水を添加(56%)し、55℃に加熱を開始する。
Aqua SF1ポリマーを添加する。
55℃にてALMEOブレンドを添加し、10分から20分間混合する。
シアバターを添加する。
Versene 100を添加する。
急冷水(14%)を添加する。
ベタインを添加する。
グリセリンを添加する。
Uvinulを添加する。
45℃にてKathonを添加する。
40℃にて香料/ポリマーJR400のサブミックスを添加する。
pH6.5になるまでNaOH溶液を添加する。
Flamenco/水のサブミックス(2%水)を添加する。
粘度を14,000から19,000cpsに調整する。
【0136】
(実施例10)
水(39%)を添加し、60℃に加熱を開始する。
Aqua SF1ポリマーを添加する。
ベタインを添加する。
SLESを添加する。
均一になるまで混合する。
水(30%)を添加する。
NaOH溶液を添加する。
NaCl溶液を添加する。
Timiron/水予混合物(2%水)を添加する。
45℃にて安息香酸ナトリウムを添加する。
クエン酸を添加する。
Euperlanを添加する。
香料を添加する。
pHを4.7に調整する。
粘度を10,000cpsに調整する。
【0137】
(実施例11)
水(47%)を添加し、60℃に加熱を開始する。
Aqua SF1ポリマーを添加する。
ALMEOブレンドを添加し、10分から20分間混合する。
グリセリン(0.5%)を添加する。
60℃になり、溶解したら、NaOHを添加する。
Verseneを添加する。
水(20%)を添加する。
ベタインを添加する。
Jaguar/0.75%グリセリン/プロピレングリコールの予混合物を添加する。
45℃にてKathonを添加する。
40℃にて香料を添加する。
HMW2220/Timiron予混合物を添加する。
pHを6.5に調整する。
粘度を18,000から24,000cpsに調整する。
【0138】
(実施例1Aから7A)(ラメラ構造)
本発明の洗浄組成物の実施例(下記の実施例1aから実施例5)を調製し、それらの安定性及び皮膚での視覚的効果及びすすいだ後のタイル物質を、本発明ではない組成物(下記実施例6aから実施例7a)と比較した。本発明組成物が、比較実施例と比較して、皮膚及びタイル外観において顕著な変化を与えることが分かった。
【0139】
(実施例1aから実施例7a)
【0140】
【表2】


【0141】
実施例の調製の詳細
【0142】
(実施例1a、5a)
ヒマワリ油(14.3%)を添加する。
Super Hartolan及びCMEAを添加する。
ラウリン酸及びペトロラタムを添加する。
全て溶解するまで70℃に加熱する。
グリセリンを添加する。
加熱を停止する。
水(7%)を添加する。
ベタインを添加する。
ALMEOブレンドを添加し、滑らかになるまで混合する。
残りの水(27%)を添加する。
粒子を添加する。
Jaguar/7%油の混合物を添加する。
EDTA及びEHDPを添加する。
Glydantを添加する。
香料を添加する。
35℃に冷めるまで混合する。
【0143】
(実施例2a、3a、4a、6a、7a)
水(40%)を添加する。
ベタインを添加し、70℃に加熱を開始する。
60℃にてCMEAを添加する。
溶解するまで混合する。
ALMEOを添加し、滑らかになるまで混合する。
70℃で加熱を停止する。
予混合物を70℃に加熱する(予混合物=油、ラウリン酸、ペトロラタム、Timiron)。
予混合物が70℃になったら、バッチに添加する。
残りの水(17%)を添加する。
Jaguar/グリセリンの混合物を添加する。
EDTA及びEHDPを添加する。
Glydantを添加する。
香料を添加する。
【0144】
方法
安定性評価法
以下の条件で試料を保管し、以下の時点で評価する。
【0145】
【表3】

【0146】
粘度:各実施例に対して指示される方法により測定する。
【0147】
目視評価:色、臭い及び外観。
【0148】
全ての条件において、粘度及び目視評価が最初の試験から顕著に変化しない場合(顕著とは、相対的に20%を超えることを意味する。)、試料を安定とみなす。
【0149】
タイル評価法
粘土を捏ね、次いで、麺棒で均一な厚さ(2から3mm)に延ばすことにより、黄褐色に着色したSculpey IIポリマー粘度(Polyform Products,Elk Grove,IL)を用いて粘土タイルを作る。1”x1”四方に切り、各正方形に対して100グレインのサンドペーパーを押し付け、粘土に対して均一にサンドペーパーの跡を付ける。120℃にて15分間焼き、冷却する。
【0150】
湿ったタイル上に0.1gの製品を置いてタイルを洗浄する。0.2gの水を添加し、ゴム製手袋を装着した指で15秒間擦る。45°の角度で5cm離して保持し、13から14ml/秒の流速で、35℃から40℃の水道水を用いてそのタイルをリンスする。ペーパータオルを一度押し付け、15分間風乾させる。そのタイルに残留した光る粒子の量を目視評価する。
【0151】
Yes=少なくとも15個の輝きがタイル上で見られる。
No=この値より少ない。
【0152】
ハンドウォッシュ(消費者評価)法
実験に参加したことのない消費者に本製品を与え、「濡れた皮膚、スポンジ、浴用タオル又はパフに塗布し、いつも使用している身体洗浄剤と同じように使用する。泡立てて、すすぐ。」という指示に従い使用させる。皮膚の外観に何らかの変化が見られたか否かを消費者に尋ねる(例えば、消費者の皮膚が、輝いて、キラキラと、光沢があるように、鮮やかに見えたか否かなど。)。実験に参加したことのない消費者とは、製品の使用において、又は皮膚において何を求めているかについて、何も教えられていない消費者として定義する。
【0153】
Yes=消費者の少なくとも51%が視覚的変化を認めたと報告。
No=この値未満である。
【0154】
ハンドウォッシュ(実験室評価)法
約1.5gの製品を濡れた手に出す。互いに手を擦り合わせ、必要に応じて水を添加しながら泡立てる。手がきれいになったと感じるまで35℃から45℃の流水下で手をすすぐ。ペーパータオルで軽く叩くようにして乾燥させる。光る粒子が残留しているかについて手を目視で調べる。
【0155】
Yes=少なくとも5個/cmの輝く物質が手に残っている。
No=この値未満である。
【0156】
タイル/実験室評価法は、タイル評価法と実験室評価法との組合せである。
【0157】
インビトロ視覚的評価プロトコール(ブタ/豚皮アッセイ)
5.0cmx10.0cmの大きさの黒豚皮膚片を取り(L=40±3)、その皮膚を黒色の背景紙カード上に置く。未処理皮膚の最初の測定を行う。次に、試験組成物を用いて「通常の」擦り込みを行って、置いた皮膚を1分から2分間洗浄し、45℃の水道水で1/2分間すすぐ。25℃で2時間乾燥させた後、色合いL、a、b;反射率及び不透明度について最終測定を行う。
【0158】
色測定
Hunter Labスペクトル色度計により、0°光源及び45°検出器配置を用いて、ブタ又はインビボヒト皮膚の、最初及び最終の色測定を行う。適切に黒色及び白色の標準物を用いてスペクトル色度計を調整する。洗浄処理の前後に測定を行う。各測定において3回測定を行い、平均値を計算する。得られる値は、La色空間表示からの、L、a及びbである。
【0159】
不透明度測定
本洗浄組成物により処理した皮膚の不透明度は、Hunter Lab色測定から得たものであり得る。60で割ったΔL(これは沈積後の白さの変化である。)から不透明度コントラストを計算する(これは、皮膚及び純白色のL値の差である)。
【0160】
反射率又は光沢測定
光沢の単位を測定する光沢計を用いて、本洗浄組成物による処理の前後に、ブタ又はインビボヒト皮膚の、最初及び最終の反射率/光沢測定を行う。法線から85°で、検出器及び光源の両方とともに、光沢計を最初に設定する。次いで、適切な反射標準物を用いてこの光沢計を調整する。光沢測定は、本洗浄組成物の塗布及びすすぎの前後で行い、%差異を計算する。
【0161】
本発明組成物で処理した場合の皮膚における顕著な変化は、光沢計などを用いた機器分析により適した皮膚の広い範囲にわたる連続的変化ではなく、皮膚外観向上(点の輝き、きらめきなど)の散在するエリアのみとなり得るので、本発明の組成物に対して示されることが必要とされる皮膚外観の変化のレベルを規定する目的のために、タイル法、消費者法、ハンドウォッシュ(実験室)法又はこれらのあらゆる組合せのいずれかにおける「Yes」という結果は、インビトロ視覚的評価プロトコールを使用して、本発明の洗浄組成物を皮膚に塗布し、次いですすいだ場合の、少なくとも5%の反射率変化と同等であるとみなすべきである。
【0162】
インビボ輝きカウント
輝きカウント(Glitter count)は、沈積に関して有用な指標であるが、外観の十分な変化の有無を確立するために、その他の外観法で補足しなければならない。
【0163】
方法
人間のパネリストの前腕内側の5cmx10cmの部分を本洗浄組成物を用いて「通常の」擦りで洗浄し、45℃の水道水で1/2分間すすぐ。25℃で20分間(拭かずに)風乾させる。次いで、強い光源又は太陽光の下で、洗浄部位で見られる輝きの数を数える。「良い(good)」沈積とみなされる、輝きの最小カウント数は2である。界面活性剤系及び脱イオン水のみからなる対照とこの結果を比較する。対照の輝きカウントは、ゼロである(つまり、沈着が観察されない。)。
【0164】
コーンプレート粘度測定
範囲
この方法で等方性相洗浄組成物の粘度を測定する。
【0165】
装置
ブルックフィールドコーンプレートDV−II及び粘度計;スピンドルS41。
【0166】
手順
1.粘度計のサンプルカップに取り付けた水槽のスイッチを入れる。25℃に設定されていることを確認する。開始前に温度読み取り値を25℃で安定させる。
2.粘度計の電源を切り、スピンドル(S41)を反時計方向に回して取り外す。
3.電源を入れ、粘度計をオートゼロにするために必要なキーを押す。
4.オートゼロ機能が完了したら、スピンドルを元に戻し(時計方向に回す。)、何れかのキーを押す。
5.サンプルカップを取り付ける。up/down矢印キーを使用して速度をゆっくりと10rpmに変更し、SET SPEEDキーを押す。SELECT DISPLAYキーを使用してディスプレイを%モードにする。
6.モーターを起動させる。ディスプレイが0.4%以上に急上昇するか又は0±0.1%に安定しない場合は、安定するまで調整リングを時計方向に回す。
7.読み取り値の変動が0.0と1.0%との間になるまで調整リングを反時計方向に回す。変動はほぼ6秒毎に発生しなければならない。
8.段階7で得られた設定から正確に1目盛り分だけ調整リングを時計方向に回す。
9.モーターの電源を切る。up/down矢印キーを使用し、速度をゆっくりと0.5rpmに変更し、SET SPEEDキーを押す。SELECT DISPLAYを使用してディスプレイをcPで表すようにする。
10.測定対象製品2±0.1gをサンプルカップに入れる。カップを粘度計に取り付ける。
11.製品がカップに入っている状態でモーターを2分間オフにする。
12.モーターをオンにして、スピンドルを22分間回転させた後、ディスプレイの値を読み取る。
【0167】
Tバー粘度測定
範囲
この方法で秩序液晶洗浄組成物の粘度を測定する。
【0168】
装置:ヘリパス付属品付きのブルックフィールドRVT粘度計。Tバー取り付け用の、チャック、錘及びクローザーアセンブリ。T棒スピンドルA。直径2.5インチより大きいプラスチックカップ。
【0169】
手順:
1.機器の背面の泡レベルを参照することにより粘度計及びヘリパススタンドが水平であることを確認する。
2.チャック/クローザー/錘アセンブリを粘度計に接続する(左連結ねじに留意すること。)。
3.スピンドルAを脱イオン水で洗浄し、Kimwipeシートを用いて軽く叩いて乾かす。スピンドルをクローザーにおいてスライドさせ、固定する。
4.回転速度を0.5rpmに設定する。デジタル粘度計(DV)の場合には、%モードを選択し、モータースイッチをオンにしてオートゼロを押す。
5.製品を内径2.5インチより大きいプラスチックカップに入れる。カップ中の製品の高さは少なくとも3インチでなければならない。製品の温度は25℃でなければならない。
6.スピンドルを下げ製品中に入れる(〜1/4インチ)。スピンドルがプラスチックカップの底部に触れたり試料から出ないようにヘリパススタンドの調節可能ストップをセットする。
7.粘度計を稼動させ、ヘリパススタンドをひねる前にダイアルを1回転又は2回転させる。ヘリパススタンドが下方トラバースの中間を通過した際のダイアルの読みを記録する。
8.ダイアルの読みに4,000を掛け、粘度値をcpsで記録する。
【0170】
本発明をその特定の実施形態について説明してきたが、本発明の多くのその他の形態及び変形は当業者にとって自明であろう。添付の請求項の範囲及び本発明は、全般的に、本発明の真の精神及び範囲を逸脱しないこのような自明の形態及び変形の全てを包含すると解釈されるべきものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)陰イオン性、非イオン性、両性もしくは陽イオン性界面活性剤又はこれらの混合物から選択される、界面活性剤1重量%から35重量%と;
(b)陽イオン性ポリマー0.1%から10%と;
(c)タイル評価法、ハンドウォッシュ(消費者評価)法、ハンドウォッシュ(実験室評価)法又は一連の三刺激値L、a及びb;反射率変化及び不透明度変化から選択される、1又は複数の皮膚評価法により特徴付けられる皮膚における特定の一連の光学的特性を示すための、固形粒子状光修飾物質の有効濃度(これは、インビトロ視覚的評価プロトコールを用いて、洗浄組成物を皮膚に塗布し、次いですすいだ場合に、特定の光学的特性の少なくとも1つを少なくとも5%変化させる。)と、を含有する、液体洗浄組成物。
【請求項2】
(a)増粘剤;をさらに含み、
(b)洗浄組成物の粘度が、コーンプレート法を用いて、25℃にて1/秒の剪断速度で1,000から300,000cps、好ましくは5,000から50,000cpsの範囲であり;
(c)該洗浄組成物が等方性である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
(a)陰イオン性、両性、陽イオン性及び非イオン性界面活性剤及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つの界面活性剤を含む(少なくとも1つの陰イオン性界面活性剤が存在しなければならない。)界面活性剤系3重量%から30重量%と;
(b)洗浄組成物において秩序液晶相を誘導するための秩序液晶相誘導構造化剤0.1重量%から15重量%と(好ましくは、該秩序液晶相誘導構造化剤は、CからC24アルケニルもしくは分枝アルキル脂肪酸もしくはこれらのエステル、CからC24アルケニルもしくは分枝アルキルアルコールもしくはこれらのエーテル、CからC14直鎖アルキル脂肪酸、トリヒドロキシステアリン又はこれらの誘導体もしくは混合物から選択され;より好ましくは、該秩序液晶相誘導構造化剤は、ラウリン酸、オレイン酸、パーム核油脂肪酸、パーム脂肪酸、ヤシ脂肪酸、イソステアリン酸又はこれらの誘導体もしくは混合物から選択され;さらにより好ましくは、該秩序液晶相はラメラ構造を有する。);をさらに含み、
(c)該秩序液晶相組成物が、Tバー法を用いて測定する場合、25℃で40,000から300,000cpsの粘度を有し;
(d)該秩序液晶相組成物が、2meq/gmから10meq/gmの陽イオン性電荷密度及び1,000から5,000,000の平均分子量を有する、有機、非架橋、陽イオン性の、ホモポリマー又はコポリマー0.025重量%未満をさらに含む、
請求項1又は請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
光修飾物質によって対象とされる視覚的属性が、皮膚の光沢、皮膚の色合い又は皮膚の光学的一様性及びこれらの組合せから選択される、請求項1から3の何れか1項に記載の組成物。
【請求項5】
L値の変化が0から±10の範囲であり、反射率の変化が0から±300%の範囲であり、不透明度の変化が0から±20%の範囲であり(ただし、インビトロ視覚的評価プロトコールを用いて、洗浄組成物が皮膚に塗布されて次いですすがれる場合、顕著な皮膚の光沢を与えるために、L値の変化、反射率の変化及び不透明度変化の全てが0であることはない。);好ましくは、粒子状光修飾物質の10重量%超が、
i)外面が、1.8から4.0の屈折率を有し;
ii)形状が、平板状、円筒型又はこれらの組合せであり;
iii)特定の寸法が、平板状粒子の場合、10から200μmの平均直径であるか、又は円筒型粒子の場合、平均長10から200μm及び平均直径0.5から5.0μmである、
外面屈折率、形状及び特定の寸法によりさらに規定される、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
L値の変化が0から±10の範囲であり、a値の変化が0から±10の範囲であり、b値の変化が0から±10の範囲であり、不透明度の変化が0から±50%の範囲であり、反射率の変化が±10%の正常肌の反射率範囲内であり(ただし、インビトロ視覚的評価プロトコールを用いて、洗浄組成物が皮膚に塗布されて次いですすがれる場合、顕著な皮膚の明白化又は色合いの変化を与えるために、L値の変化、b値の変化及び不透明度変化の全てが0であることはない。);好ましくは、前記粒子状光修飾物質の10重量%超が、
i)外面が、1.3から4.0の屈折率を有し;
ii)形状が、球状、平板状又はこれらの組合せであり;
iii)特定の寸法が、平板状粒子の場合、1から30μmの平均直径であるか、又は球状粒子の場合、平均直径0.1から1μmであり;
iv)場合によっては、蛍光色、吸収色、干渉色又はこれらの組合せを有する、
外面屈折率、形状及び特定の寸法によりさらに規定される、請求項4に記載の組成物。
【請求項7】
L値の変化が0から±5の範囲であり、反射率の変化が0から±100%の範囲であり、不透明度の変化が0から±50%の範囲であり、a及びbの変化が、a又はbそれぞれに対して±10%の正常肌の色合いの範囲であり(ただし、インビトロ視覚的評価プロトコールを用いて、洗浄組成物が皮膚に塗布されて次いですすがれる場合、顕著な皮膚の光学的一様性の変化を与えるために、L値の変化、反射率の変化及び不透明度変化の全てが0であることはない。);好ましくは、前記粒子状光修飾物質の10重量%超が、
i)外面が、1.3から2.0の屈折率を有し;
ii)形状が、球状、平板状、円筒型又はこれらの組合せであり;
iii)特定の寸法が、球状粒子の場合、平均直径0.1から200μmであるか、平板状粒子の場合、平均直径1から10μmであるか、又は円筒型粒子の場合、平均長1から10μmであり、平均直径0.5から5.0μmであり;
iv)場合によっては、蛍光色、吸収色、干渉色又はこれらの組合せを有する、
外面屈折率、形状及び特定の寸法によりさらに規定される、請求項4に記載の組成物。
【請求項8】
前記粒子状光修飾物質が、10μmから200μmの平均平面直径及び少なくとも1.8の屈折率を有することによりさらに規定される平板状粒子から主に構成され;より好ましくは、該粒子状光修飾物質が、皮膚上での該光修飾物質の沈積を促進するために、アミノ酸、タンパク質、脂肪酸、脂質、リン脂質(レシチン)、陰イオン性及び/又は陽イオン性オリゴマー/ポリマー又はこれらの混合物もしくは誘導体から選択される表面修飾を含有する、請求項1から4の何れか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記陽イオン性ポリマーが、少なくとも0.7Meq/gの電荷密度を有し;好ましくは、該陽イオン性ポリマーが、Merquat(R)100もしくは2200、Jaguar(R)C17もしくはC13S、Salcare(R)Supre7、SC10もしくはSC30;Gafquat(R)HS100もしくは755及びLuviquat(R)FC370、FC550、HM552もしくはFC905;又はこれらの混合物から選択される、請求項1から8の何れか1項に記載の組成物。
【請求項10】
陰イオン性界面活性剤を含有し;好ましくは、該陰イオン性界面活性剤が、C−C16アルキル硫酸塩及び/又はアルキルエーテル硫酸塩、脂肪酸石鹸、タウレート、スルホスクシナート、グリシナート、サルコシナート又はこれらの混合物から選択され、両性界面活性剤が、アンホ酢酸塩、ベタイン及びアミドアルキルベタイン又はこれらの誘導体もしくは混合物から選択され;陰イオン性界面活性剤の、6.5以下のpHで正電荷を有する界面活性剤に対する比が、15:1から1:2の範囲であり;より好ましくは、正電荷を有する界面活性剤が両性界面活性剤であり;さらにより好ましくは、該両性界面活性剤が、ベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、スルホベタイン、アンホ酢酸塩又はこれらの混合物から選択される、請求項1から9の何れか1項に記載の組成物。
【請求項11】
1から500ミクロンの範囲の重量平均皮膚軟化剤粒子サイズを有する皮膚軟化剤をさらに含み;好ましくは本組成物が、疎水性皮膚軟化剤10重量%未満を含有する、請求項1から10の何れか1項に記載の組成物。
【請求項12】
30重量%を超える水をさらに含む、請求項1から11の何れか1項に記載の組成物。
【請求項13】
前記固形粒子状光修飾物質が、少なくとも30ミクロンの平均直径を有する、請求項1から12の何れか1項に記載の組成物。
【請求項14】
前記固形粒子状光修飾物質が、少なくとも0.2重量%の最小濃度で存在する、請求項1から13の何れか1項に記載の組成物。
【請求項15】
前記増粘剤が、ポリアクリレート;シリカ、天然及び合成ワックス;ケイ酸アルミニウム;ラノリン誘導体;CからC20脂肪アルコールポリエチレンコポリマー;カルボン酸ポリアンモニウム;スクロースエステル;疎水性粘土;ペトロラタム;ハイドロタルサイト;セルロース誘導体、多糖誘導体又はこれらの誘導体及び混合物から選択される、請求項2から請求項14の何れか1項に記載の組成物。
【請求項16】
膨潤粘土;架橋ポリアクリレート;アクリレートホモポリマー及びコポリマー;ポリビニルピロリドンホモポリマー及びコポリマー;ポリエチレンイミン;無機塩;スクロースエステル、ゲル化剤又はこれらの混合物及び誘導体から選択される構造化剤を用いて構造化される、請求項2から請求項15の何れか1項に記載の組成物。
【請求項17】
前記固形粒子状光修飾物質の50重量%未満が油中で懸濁されている、請求項2から請求項16の何れか1項に記載の組成物。
【請求項18】
前記界面活性剤を少なくとも7重量%;好ましくは10重量%から25重量%有する、請求項1から17の何れか1項に記載の組成物。
【請求項19】
前記粒子状光修飾物質が、有機顔料、無機顔料、ポリマー、酸化チタン、酸化亜鉛、着色酸化鉄、酸化クロム、水酸化クロム/水和クロム、アルミナ、シリカ、ジルコニア、硫酸バリウム、ケイ酸塩、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ウルトラマリン、炭酸アルカリ土類、タルク、絹雲母、雲母、合成雲母、ポリマー、有機及び無機物質で被覆された板状基質、オキシ塩化ビスマス、硫酸バリウム又はこれらの混合物及び物理的凝集物から選択され;好ましくは、該粒子状光修飾物質が、蛍光、吸着、銀化又はこれらの組合せを介して生じる色を保持する、請求項1から18の何れか1項に記載の組成物。
【請求項20】
(a)前記洗浄組成物において前記固形粒子状光修飾物質を提供する段階;
(b)該洗浄組成物を皮膚又は毛髪に塗布する段階;および
(c)該洗浄組成物をすすぐ段階、
を含む、請求項1から19の何れか1項に記載の液体洗浄組成物又はこれらの組合せから固形粒子状光修飾物質を皮膚上に沈積させる方法。

【公表番号】特表2007−530621(P2007−530621A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−505476(P2007−505476)
【出願日】平成17年3月23日(2005.3.23)
【国際出願番号】PCT/EP2005/003243
【国際公開番号】WO2005/094781
【国際公開日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(590003065)ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ (494)
【Fターム(参考)】