説明

経路案内システム及び経路案内方法

【課題】車載器と通信端末を用いたより効果的な走行の案内を可能とした経路案内システム及び経路案内方法を提供する。
【解決手段】車両2に搭載されたナビゲーション装置3と車両2の乗員が所有する通信端末4とが双方向通信可能に接続され、ナビゲーション装置3では、車両2の目的地までの経路である案内経路に基づいて走行を案内する“経路案内モード”を含む複数のモードの内、いずれかのモードを選択して設定可能に構成され、ナビゲーション装置3において“経路案内モード”が設定されている場合には、通信端末4において車両2の周辺の情報を案内し(S16)、ナビゲーション装置3において“経路案内モード”以外のモードが設定されている場合に、通信端末4において案内経路に基づいて走行を案内する(S21)ように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の目的地までの経路に基づく走行を案内する経路案内システム及び経路案内方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両の走行案内を行い、運転者が所望の目的地に容易に到着できるようにしたナビゲーション装置が車両に搭載されていることが多い。ここで、ナビゲーション装置とは、GPS受信機などにより車両の現在位置を検出し、その現在位置に対応する地図データをDVD−ROMやHDDなどの記録媒体から取得して液晶モニタに表示することが可能な装置である。そして、車両の現在位置を含む地図データを記録媒体等から読み出し、地図データに基づいて車両の現在位置の周囲における地図画像を描画して表示装置に表示するとともに、車両位置マークを地図画像に重ね合わせて表示し、車両の移動に応じて地図画像をスクロールしたり、地図画像を画面に固定し車両位置マークを移動させることによって、車両が現在どの地点を走行しているのかを一目でわかるようにしている。また、上記ナビゲーション装置では、所望する目的地を設定すると、出発地(例えば自車の現在位置)から設定された目的地までの最適経路を探索する経路探索機能を備えており、更に、探索された経路に従って走行の案内を行う走行案内機能についても備えている。また、近年ではナビゲーション装置等の車載器以外に、携帯電話やPDA等の通信端末においても上記ナビゲーション装置と同様の機能を備えている場合がある。
【0003】
そこで、上記ナビゲーション装置と該ナビゲーション装置が搭載された車両の乗員が所持する通信端末との間で情報を共有することにより、ナビゲーション装置や通信端末を用いてより適切な案内を行うことを可能にした案内システムについて提案されている。例えば、特開2008−275544号公報では、ナビゲーション装置で検出した車両の現在位置に関する情報を車両の乗員が所持する通信端末に送信することにより、携帯電話機においてもナビゲーション装置と同様に高精度に特定された車両の現在位置に基づく経路案内を行うことを可能にした案内システムについて提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−275544号公報(第12頁〜第13頁、図7〜図9)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、ナビゲーション装置と通信端末との間で情報を共有することは可能であるが、ナビゲーション装置と通信端末とで実行される制御内容に関連性を持たせることはできなかった。
【0006】
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、車載器に設定されているモードに基づいて、通信端末で実行される制御内容が決定されるので、ナビゲーション装置と通信端末とで実行される制御内容に関連性を持たせることが可能であり、車載器と通信端末を用いたより効果的な走行の案内を可能とした経路案内システム及び経路案内方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため本願の請求項1に係る経路案内システム(1)は、車両(2)に搭載された車載器(3)と前記車両の乗員が所有する通信端末(4)とが双方向通信可能に接続された経路案内システムにおいて、前記車両の目的地までの経路である案内経路に基づいて走行を案内する経路案内モードを含む複数のモードの内、いずれかのモードを選択して前記車載器に設定するモード設定手段(13)と、前記モード設定手段により前記車載器に設定されたモードに基づいて、前記車載器を制御する車載器制御手段(13)と、前記モード設定手段によって前記車載器にモードを設定した場合に、前記車載器から前記通信端末へと前記モード設定手段により設定されたモードを特定する情報を送信する設定モード情報送信手段(13)と、前記車載器に前記経路案内モードが設定されている場合に、前記通信端末において前記車両の周辺の情報を案内する端末情報案内手段(61)と、前記車載器に前記経路案内モード以外のモードが設定されている場合に、前記通信端末において前記案内経路に基づいて走行を案内する端末経路案内手段(61)と、を有することを特徴とする経路案内システム。
【0008】
また、請求項2に係る経路案内システム(1)は、請求項1に記載の経路案内システムであって、前記車載器(3)から前記通信端末(4)へと前記案内経路に基づく走行を案内する為の情報である経路案内情報を送信する経路案内情報送信手段(13)を有し、前記端末経路案内手段(61)は、前記通信端末において前記経路案内情報送信手段によって送信された前記経路案内情報を出力することにより前記案内経路に基づく走行を案内することを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に係る経路案内システム(1)は、請求項2に記載の経路案内システムであって、前記経路案内情報は、前記車両(2)の現在位置を特定する情報、前記車両周辺の地図情報、前記車両の目的地を特定する情報及び前記案内経路を特定する情報のいずれかを含むことを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に係る経路案内システム(1)は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の経路案内システムであって、前記端末経路案内手段(61)は、前記案内経路に基づく走行を案内する為の音声案内を前記車載器(3)を介して出力することを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に係る経路案内システム(1)は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の経路案内システムであって、前記端末情報案内手段(61)は、前記車両(2)の周辺に位置する施設の情報を案内することを特徴とする。
【0012】
更に、請求項6に係る経路案内方法は、車両(2)に搭載された車載器(3)と前記車両の乗員が所有する通信端末(4)とが双方向通信可能に接続され、前記車両の目的地までの経路である案内経路に基づいて走行を案内する経路案内モードを含む複数のモードの内、いずれかのモードを選択して前記車載器に設定するモード設定ステップと、前記モード設定ステップにより前記車載器に設定されたモードに基づいて、前記車載器を制御する車載器制御ステップと、前記モード設定ステップによって前記車載器にモードを設定した場合に、前記車載器から前記通信端末へと前記モード設定ステップにより設定されたモードを特定する情報を送信する設定モード情報送信ステップと、前記車載器に前記経路案内モードが設定されている場合に、前記通信端末において前記車両の周辺の情報を案内する端末情報案内ステップと、前記車載器に前記経路案内モード以外のモードが設定されている場合に、前記通信端末において前記案内経路に基づいて走行を案内する端末経路案内ステップと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
前記構成を有する請求項1に記載の経路案内システムによれば、車載器に設定されているモードに基づいて、通信端末で実行される制御内容が決定されるので、車載器と通信端末とで実行される制御内容に関連性を持たせることが可能となる。従って、車載器と通信端末を用いたより効果的な走行の案内が可能となる。特に、車載器に経路案内モードが設定されている場合には、車載器で走行の案内を行いつつ、車両の現在位置に応じたユーザにとって有益な情報を通信端末で案内することが可能となる。また、車載器に経路案内モード以外のモードが設定されている場合には、通信端末を用いて適切な走行の案内を行うことが可能となる。
【0014】
また、請求項2に記載の経路案内システムによれば、車載器から提供された情報に基づいて通信端末で案内経路に基づく走行の案内を行うので、車載器で行われる案内内容と通信端末で行われる案内内容とを統一させることが可能となる。また、地図情報やGPS等を有しない通信端末であっても走行の案内を適切に行うことが可能になる。
【0015】
また、請求項3に記載の経路案内システムによれば、車載器で行われる案内内容と通信端末で行われる案内内容とを統一させることが可能となる。また、地図情報やGPS等を有しない通信端末であっても走行の案内を適切に行うことが可能になる。
【0016】
また、請求項4に記載の経路案内システムによれば、通信端末で走行の案内を行う場合であっても、案内経路に基づく走行を案内する為の音声案内は車載器を介して出力するので、スピーカ等の音声出力機構を有しない通信端末であっても案内経路に沿った適切な走行の案内を行うことが可能となる。
【0017】
また、請求項5に記載の経路案内システムによれば、車載器において案内経路に基づいた走行の案内が行われている場合に、通信端末で車両の周辺に位置する施設の情報を案内するので、車載器で走行の案内を行いつつ、車両の現在位置に応じたユーザにとって有益な施設に関する情報を通信端末で案内することが可能となる。
【0018】
更に、請求項6に記載の経路案内方法によれば、車載器に設定されているモードに基づいて、通信端末で実行される制御内容が決定されるので、車載器と通信端末とで実行される制御内容に関連性を持たせることが可能となる。従って、車載器と通信端末を用いたより効果的な走行の案内が可能となる。特に、車載器に経路案内モードが設定されている場合には、車載器で走行の案内を行いつつ、車両の現在位置に応じたユーザにとって有益な情報を通信端末で案内することが可能となる。また、車載器に経路案内モード以外のモードが設定されている場合には、通信端末を用いて適切な走行の案内を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施形態に係る経路案内システムを示した概略構成図である。
【図2】本実施形態に係る経路案内システムの特にナビゲーション装置の構成を示したブロック図である。
【図3】本実施形態に係る経路案内システムの特に通信端末の構成を示したブロック図である。
【図4】本実施形態に係るナビゲーション装置が実行するモード送信処理プログラムのフローチャートである。
【図5】本実施形態に係るナビゲーション装置が実行する端末制御処理プログラムのフローチャートである。
【図6】通信端末のディスプレイに表示される施設案内画面を示した図である。
【図7】通信端末のディスプレイに表示される走行案内画面を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る経路案内システムについて具体化した一実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係る経路案内システム1の概略構成について図1を用いて説明する。図1は本実施形態に係る経路案内システム1を示した概略構成図である。
【0021】
図1に示すように、本実施形態に係る経路案内システム1は、(a)車両2に設置された車載器であるナビゲーション装置3と、(b)車両2の乗員が所持する通信端末4と、から基本的に構成されている。また、ナビゲーション装置3と通信端末4とはネットワーク通信網5を介して互いにデータを送受信可能に構成されている。
【0022】
ここで、ナビゲーション装置3は、GPS等の現在位置を特定することができる機能を備え、更に、格納された地図データに基づいて自車位置周辺の地図や車両2の現在位置を表示したり、設定された目的地までの経路の探索及び案内を行う車載機である。また、本実施形態に係るナビゲーション装置3は、後述するように車両の目的地までの経路である案内経路に基づく走行を案内する経路案内モードを含む複数のモードの内、いずれかのモードが選択され、選択されたモードに基づいて各種制御が行われる。
【0023】
また、通信端末4は、車両の乗員が所有し、GPS等の現在位置を特定することができる機能や地図データを備えた情報通信端末が用いられ、例えば携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ等が該当する。また、格納された地図データに基づいて現在位置周辺の地図や通信端末4の現在位置を表示したり、設定された目的地までの経路の探索及び案内を行う機能を有する。また、本実施形態に係る通信端末4は、後述するようにナビゲーション装置3に設定されているモードに応じて実行される制御内容が変化する。
尚、ナビゲーション装置3や通信端末4の詳細な構成については後述する。
【0024】
また、ネットワーク通信網5は全国各地に配置された多数の基地局と、各基地局を管理及び制御する通信会社とを含み、基地局及び通信会社を有線(光ファイバー、ISDN等)又は無線で互いに接続することにより構成されている。
ここで、基地局はナビゲーション装置3や通信端末4との通信をするトランシーバー(送受信機)とアンテナを有する。そして、基地局は通信会社の間で無線通信を行う一方、ネットワーク通信網5の末端となり、基地局の電波が届く範囲(セル)にあるナビゲーション装置3及び通信端末4の通信をセンタとの間で中継する役割を持つ。それによって、ナビゲーション装置3と通信端末4が双方向通信可能に接続される。尚、センタを介さずにナビゲーション装置3と通信端末4とが直接通信可能に接続する構成としても良い。
【0025】
次に、経路案内システム1を構成するナビゲーション装置3の概略構成について図2を用いて説明する。図2は本実施形態に係るナビゲーション装置3を示したブロック図である。
【0026】
図2に示すように本実施形態に係るナビゲーション装置3は、ナビゲーション装置3が搭載された車両2の現在位置を検出する現在位置検出部11と、各種のデータが記録されたデータ記録部12と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーションECU13と、ユーザからの操作を受け付ける操作部14と、ユーザに対して車両周辺の地図等を表示する液晶ディスプレイ15と、経路案内に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ16と、記憶媒体であるDVDを読み取るDVDドライブ17と、放送電波を受信する為のチューナ装置18と、通信端末4やVICS(登録商標:Vehicle Information and Communication System)センタ等の情報センタとの間で通信を行う通信モジュール19と、から構成されている。尚、本実施形態に係るナビゲーション装置3は、チューナ装置18を備えており、テレビ放送を受像する為のテレビ受像機としても機能する。また、以下に示す例では、チューナ装置18は地上デジタル放送を受信する為の地上デジタルチューナ装置として説明するが、例えばアナログ放送やワンセグ放送等を受信する為のチューナ装置であっても良い。
【0027】
以下に、ナビゲーション装置3を構成する各構成要素について順に説明する。
現在位置検出部11は、GPS21、車速センサ22、ステアリングセンサ23、ジャイロセンサ24等からなり、現在の車両の位置、方位、車両の走行速度、現在時刻等を検出することが可能となっている。ここで、特に車速センサ22は、車両の移動距離や車速を検出する為のセンサであり、車両の駆動輪の回転に応じてパルスを発生させ、パルス信号をナビゲーションECU13に出力する。そして、ナビゲーションECU13は発生するパルスを計数することにより駆動輪の回転速度や移動距離を算出する。尚、上記5種類のセンサをナビゲーション装置3が全て備える必要はなく、これらの内の1又は複数種類のセンサのみをナビゲーション装置3が備える構成としても良い。
【0028】
また、データ記録部12は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記録された地図情報DB31や所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。尚、データ記録部12をハードディスクの代わりにメモリーカードやCDやDVD等の光ディスクにより構成しても良い。
【0029】
ここで、地図情報DB31は、地図データが記憶される記憶手段である。また、地図データは、道路(リンク)に関するリンクデータ、ノード点に関するノードデータ、施設等の地点に関する地点データ、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、経路を探索するための探索データ、地点を検索するための検索データ等から構成される。
【0030】
一方、ナビゲーションECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)13は、ナビゲーション装置3の全体の制御を行う電子制御ユニットであり、演算装置及び制御装置としてのCPU41、並びにCPU41が各種の演算処理を行うにあたってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM42、制御用のプログラムのほか、後述のモード送信処理プログラム(図4参照)等が記録されたROM43、ROM43から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ44等の内部記憶装置を備えている。尚、ナビゲーションECU13は、処理アルゴリズムとしての各種手段を構成する。例えば、案内経路設定手段は、出発地(例えば車両の現在位置)から設定された目的地までの経路を探索し、探索結果に基づいていずれかの経路を案内経路として設定する。モード設定手段は、車両の目的地までの経路である案内経路に基づいて走行を案内する経路案内モードを含む複数のモードの内、いずれかのモードを選択してナビゲーション装置3に設定する。車載器制御手段は、モード設定手段によりナビゲーション装置3に設定されたモードに基づいて、ナビゲーション装置3を制御する。設定モード情報送信手段は、モード設定手段によってナビゲーション装置3にモードを設定した場合に、ナビゲーション装置3から通信端末4へとモード設定手段により設定されたモードを特定する情報を送信する。経路案内情報送信手段は、通信端末4へと案内経路に基づく走行を案内する為の情報である経路案内情報を送信する。
【0031】
操作部14は、案内終了地点としての目的地を入力する際等に操作され、各種のキー、ボタン等の複数の操作スイッチ(図示せず)から構成される。そして、ナビゲーションECU13は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。また、本実施形態では、ナビゲーション装置3に設定されているモードを切り替える際にも用いられる。ここで、本実施形態に係るナビゲーション装置3では、(A)車両周辺の地図画像を表示するとともに、車両の目的地までの経路である案内経路が設定されている場合には、案内経路に基づいて走行を案内する“経路案内モード”と、(B)チューナ装置18を用いて受信した放送電波に基づいてテレビ放送を受像する“テレビモード”の2種類のモードが存在する。尚、操作部14は液晶ディスプレイ15の前面に設けたタッチパネルによって構成することもできる。
【0032】
また、液晶ディスプレイ15には、道路を含む地図画像、交通情報、操作案内、操作メニュー、キーの案内、出発地から目的地までの案内経路、案内経路に沿った走行案内に関する走行案内情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。また、施設検索を行った場合に検索された施設に関する情報を表示する際にも用いられる。そして、本実施形態に係るナビゲーション装置3では、ナビゲーション装置3に設定されているモードの種類によって液晶ディスプレイ15に表示される表示内容が変化する。例えば、“経路案内モード”が設定されている場合には、車両の現在位置や車両周辺の地図画像や案内経路等の車両の走行案内の為の各種情報が表示される。一方、“テレビモード”が設定されている場合には、チャンネルリストやテレビ放送の映像が出力される。
【0033】
また、スピーカ16は、ナビゲーションECU13からの指示に基づいて案内経路に沿った走行を案内する音声ガイダンスや、交通情報の案内、テレビ音声等を出力する。また、施設検索を行った場合に検索された施設に関する情報を出力する際にも用いられる。そして、本実施形態に係るナビゲーション装置3では、ナビゲーション装置3に設定されているモードの種類によって出力される音声案内が変化する。例えば、“経路案内モード”が設定されている場合には、案内経路に基づく右左折案内等の車両の走行案内の為の各種音声が出力される。一方、“テレビモード”が設定されている場合には、テレビ放送の音声が出力される。尚、後述するように“テレビモード”が設定されている場合であっても、通信端末4において案内経路に基づく走行案内が行われている場合には、案内経路に基づく右左折案内等の車両の走行案内の為の各種音声についても出力される。
【0034】
また、DVDドライブ17は、DVDやCD等の記録媒体に記録されたデータを読み取り可能なドライブである。そして、読み取ったデータに基づいて音楽や映像の再生、地図情報DB31の更新等が行われる。
【0035】
また、チューナ装置18は、ナビゲーション装置3と一体又は別体に設けられ、電波塔から発せられる放送電波を受信し、予め選択された物理チャンネル(周波数帯域)の信号を映像信号や音声信号に変換して出力する装置である。
【0036】
また、通信モジュール19は、通信端末4と通信を行ったり、交通情報センタ、例えば、VICSセンタやプローブセンタ等から送信された渋滞情報、規制情報、交通事故情報等の各情報から成る交通情報を受信する為の通信装置であり、例えば携帯電話機やDCMが該当する。
【0037】
次に、経路案内システム1を構成する通信端末4の構成について図3を用いて詳細に説明する。図3は経路案内システム1を構成する通信端末4の構成を示すブロック図である。
【0038】
一方、図3に示すように通信端末4はデータバスBUSに、CPU51と、通信端末4を所持する乗員に関するユーザ情報(登録ID、氏名等)や地図情報や後述の端末制御処理プログラム(図5参照)等が記憶されたメモリ52と、ネットワーク通信網の基地局との間で信号の送受信を行う送受信回路部(RF)53と、送受信回路部53において受信したRF(Radio Frequency)信号をベースバンド信号に変換するとともにベースバンド信号をRF信号に変換するベースバンド処理部54と、マイクロホン55及びスピーカ56等とのインターフェイスである入出力部57と、液晶表示パネル等で構成されたディスプレイ58と、キーボードやジョグダイヤルでなる入力操作部59と、GPS60とが接続されることにより構成されている。
【0039】
ここで、通信端末4に内蔵されるCPU51は、メモリ52に格納されている動作プログラムに従って種々の動作を実行する通信端末4の制御手段である。また、CPU51の各種処理内容は必要に応じてディスプレイ58に表示される。
【0040】
また、メモリ52は通信端末4を所持する乗員に関するユーザ情報(登録ID、氏名等)や地図情報等が記憶された記憶媒体である。尚、地図情報についてはメモリ52に記憶せずに通信でセンタから取得する構成としても良い。
【0041】
また、CPU51やメモリ52は、通信端末4の全体の制御を行う電子制御ユニットとして、通信端末ECU61を構成する。尚、通信端末ECU61は、処理アルゴリズムとしての各種手段を構成する。例えば、端末情報案内手段は、ナビゲーション装置3に経路案内モードが設定されている場合に、車両の周辺の情報(例えば施設情報等)を案内する。また、端末経路案内手段は、ナビゲーション装置3に経路案内モード以外のモードが設定されている場合に、車両の目的地までの経路である案内経路に基づいて走行を案内する。
【0042】
また、ディスプレイ58は、筐体の一面に配設されており、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等が用いられる。そして、入力操作部59による入力内容やインターネットサイト等の各種情報が表示される。更に、メモリ52に記憶された地図情報や通信で取得した地図情報に基づいて、道路を含む地図画像や周辺に位置する施設に関する施設情報についても表示する。そして、本実施形態に係る通信端末4では、ナビゲーション装置3に設定されているモードの種類によってディスプレイ58に表示される表示内容が変化する。例えば、ナビゲーション装置3において“経路案内モード”が設定されている場合には、車両の周辺の情報(例えば車両周辺に位置する施設の情報)が表示される(図6参照)。一方、ナビゲーション装置3において“テレビモード”が設定されている場合には、車両の現在位置や車両周辺の地図画像や案内経路等の車両の走行案内の為の各種情報が表示される(図7参照)。
【0043】
また、入力操作部59は、番号/文字入力キー、表示された内容を選択するためのカーソルを動かすカーソルキー、選択を確定する決定キー等の各種キー等によって構成されている。そして、通信端末ECU61は、各キーの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。
【0044】
また、GPS60は、人工衛星によって発生させられた電波を受信することにより、通信端末4(即ち、車両2)の現在位置及び現在時刻を検出可能とする。
【0045】
続いて、前記構成を有する経路案内システム1を構成するナビゲーション装置3において実行するモード送信処理プログラムについて図4に基づき説明する。図4は本実施形態に係るモード送信処理プログラムのフローチャートである。ここで、モード送信処理プログラムは、車両のACCがオンされた後に所定間隔で繰り返し実行され、ナビゲーション装置3において現在設定されているモードの種類を取得するとともに、その結果を通信端末4へと送信するプログラムである。尚、以下の図4にフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーション装置3が備えているRAM42やROM43に記憶されており、CPU41により実行される。
【0046】
先ず、モード送信処理プログラムではステップ(以下、Sと略記する)1において、CPU41は、通信端末4とナビゲーション装置3とが通信可能に接続されているか否かを判定する。尚、ナビゲーション装置3と通信端末4とは無線通信により直接又は間接的(センタ等を介して)に接続されていても良いし、ケーブル等の有線を用いて接続する構成としても良い。
【0047】
そして、通信端末4とナビゲーション装置3とが通信可能に接続されていると判定された場合(S1:YES)には、S2へと移行する。それに対して、通信端末4とナビゲーション装置3とが通信可能に接続されていないと判定された場合(S1:NO)には、当該モード送信処理プログラムを終了する。
【0048】
S2においてCPU41は、ナビゲーション装置3において現在設定されているモードの種類を取得する。尚、本実施形態に係るナビゲーション装置3では、(A)車両周辺の地図画像を表示するとともに、車両の目的地までの経路である案内経路が設定されている場合には、案内経路に基づいて走行を案内する“経路案内モード”と、(B)チューナ装置18を用いて受信した放送電波に基づいてテレビ放送を受像する“テレビモード”の2種類のモードのいずれかに設定される。尚、CPU41は、最初にナビゲーション装置3の電源がONされた場合には初期モードである“経路案内モード”にナビゲーション装置3のモードを設定する。また、操作部14においてモードの切り替え操作を受け付けた場合には、受け付けた操作に基づいて選択されたモードにナビゲーション装置3のモードを切り替えて設定する。尚、モードの数は3種類以上あっても良く、最初にナビゲーション装置3の電源がONされた場合には直前に電源がOFFされた時点のモードにナビゲーション装置3のモードを設定する構成としても良い。
【0049】
次に、S3においてCPU41は、前記S2で取得されたモード、即ち、ナビゲーション装置3において現在設定されているモードの種類を特定する情報を通信端末4へと送信する。そして、経路案内情報を受信した通信端末4は、後述のように受信したモードを特定する情報に基づいて各種制御処理を実行する(図5参照)。
【0050】
続いて、S4においてCPU41は、前記S2で取得されたモード、即ち、ナビゲーション装置3において現在設定されているモードが“経路案内モード”であるか否かを判定する。
【0051】
そして、ナビゲーション装置3において現在設定されているモードが“経路案内モード”であると判定された場合(S4:YES)には、当該モード送信処理プログラムを終了する。それに対して、ナビゲーション装置3において現在設定されているモードが“経路案内モード”以外のモードであると判定された場合(S4:NO)には、S5へと移行する。
【0052】
S5においてCPU41は、ナビゲーション装置3から通信端末4へと車両の走行を案内する為の情報である経路案内情報を送信する。ここで、経路案内情報は、車両の現在位置を特定する情報、車両周辺の地図情報を含む。また、ナビゲーション装置3において案内経路が設定されている場合には、案内経路を特定する情報についても含む。特に、車両の現在位置を特定する情報と車両周辺の地図情報については、所定時間間隔(例えば10秒毎)又は所定走行間隔(例えば100m走行毎)で送信する構成とすることが好ましい。そして、経路案内情報を受信した通信端末4は、後述のように受信した経路案内情報に基づいて車両の走行の案内を行う(図5参照)。
【0053】
尚、前記S5では、車両の現在位置を特定する情報や車両周辺の地図情報については送信しない構成としても良い。その場合には、通信端末4は通信端末4が備えるGPS60に基づいて車両の位置を検出し、メモリ52に記憶された地図情報又は通信でセンタから取得した地図情報に基づいて車両周辺の地図情報を取得する。更に、案内経路を特定する情報の代わりに目的地を特定する情報を送信しても良い。
【0054】
次に、経路案内システム1を構成する通信端末4において実行する端末制御処理プログラムについて図5に基づき説明する。図5は本実施形態に係る端末制御処理プログラムのフローチャートである。ここで、端末制御処理プログラムは、通信端末4の電源がONされた後に実行され、ナビゲーション装置3において現在設定されているモードに基づいて、各種制御を実行するプログラムである。尚、以下の図5にフローチャートで示されるプログラムは、通信端末4が備えているメモリ52に記憶されており、CPU51により実行される。
【0055】
先ず、端末制御処理プログラムでは、S11においてCPU51は、ナビゲーション装置3からナビゲーション装置3において現在設定されているモードの種類を特定する情報を受信したか否か判定する。尚、ナビゲーション装置3において現在設定されているモードの種類を特定する情報は、前記S3においてナビゲーション装置3から通信端末4へと送信される。
【0056】
そして、ナビゲーション装置3からモードの種類を特定する情報を受信したと判定された場合(S11:YES)には、S12へと移行する。それに対して、ナビゲーション装置3からモードの種類を特定する情報を受信していないと判定された場合(S11:NO)には、当該端末制御処理プログラムを終了する。
【0057】
S12においてCPU51は、ナビゲーション装置3から受信した情報に基づいて、ナビゲーション装置3において現在設定されているモードの種類を特定する。尚、本実施形態に係るナビゲーション装置3では、(A)車両周辺の地図画像を表示するとともに、車両の目的地までの経路である案内経路が設定されている場合には、案内経路に基づいて走行を案内する“経路案内モード”と、(B)チューナ装置18を用いて受信した放送電波に基づいてテレビ放送を受像する“テレビモード”の2種類のモードのいずれかに設定される。
【0058】
S13においてCPU51は、前記S12で特定されたモードの種類が、“経路案内モード”であるか否か判定する。
【0059】
そして、ナビゲーション装置3において現在設定されているモードの種類が“経路探索モード”であると判定された場合(S13:YES)には、S14へと移行する。それに対して、ナビゲーション装置3において現在設定されているモードの種類が“経路探索モード”以外のモード(例えば“TVモード”)であると判定された場合(S13:NO)には、S20へと移行する。
【0060】
次に、S14においてCPU51は、車両の現在位置を取得する。尚、車両の現在位置はナビゲーション装置3から一定間隔で取得する構成としても良いし、通信端末4の備えるGPS60により一定間隔で検出する構成としても良い。
【0061】
続いて、S15においてCPU51は、車両の現在位置周辺の施設情報を取得する。尚、車両の現在位置周辺の施設情報は、ナビゲーション装置3から一定間隔で取得する構成としても良いし、メモリ52に記憶された地図情報から取得する構成としても良いし、通信でセンタより一定間隔で取得する構成としても良い。
【0062】
その後、S16においてCPU51は、前記S15で取得した施設情報を表示する。具体的には、ディスプレイ58に対して、車両の現在位置周辺に位置する施設の施設名称、施設の位置、車両から施設までの距離、営業時間等を表示する。
【0063】
ここで、図6は前記S16においてディスプレイ58に表示される施設案内画面71を示した図である。
図6に示すように、施設案内画面71は車両の現在位置周辺に位置する施設の情報を表示する。具体的には、車両の現在位置周辺に位置する施設の情報を表示する情報表示スペース72〜75が設けられている。例えば、図6に示す例では、各情報表示スペース72〜75には、車両周辺に位置する施設の施設情報の内、施設名、車両の現在位置からの距離、営業時間を表示する。また、情報表示スペース72〜75には、車両の現在位置から近い順に所定数(例えば4箇所)の施設の施設情報を表示する。尚、車両周辺の地図画像についても表示する構成としても良い。その場合には、地図画像上に施設の位置を特定するマークについても表示することが望ましい。そして、ユーザはディスプレイ58に表示された施設案内画面71を参照することによって、車両の現在位置周辺に位置する施設の情報を把握することが可能となる。また、ユーザは情報表示スペース72〜75のいずれかを選択することによって、選択された情報表示スペース72〜75に情報が表示された施設をナビゲーション装置3の目的地に設定することも可能である。
【0064】
そして、S17においてCPU51は、通信端末4においてナビゲーション装置3の目的地の設定操作を受け付けたか否かを判定する。具体的には、施設案内画面71(図6)に表示された情報表示スペース72〜75のいずれかが選択された場合に、CPU51は、選択された情報表示スペース72〜75に情報が表示された施設を、ナビゲーション装置3の目的地に設定する操作を受け付けたと判定する。
【0065】
通信端末4においてナビゲーション装置3の目的地の設定操作を受け付けたと判定された場合(S17:YES)には、S18へと移行する。一方、通信端末4においてナビゲーション装置3の目的地の設定操作を受け付けていないと判定された場合(S17:NO)には、S19へと移行する。
【0066】
S18においてCPU51は、通信端末4において目的地に設定された施設に関する施設情報をナビゲーション装置3へと送信する。そして、施設情報を受信したナビゲーション装置3は、受信した施設情報に基づいて目的地を設定する。その後、S19へと移行する。
【0067】
S19においてCPU51は、車両の現在位置周辺の施設情報についての案内を終了するか否か判定する。具体的には、ナビゲーション装置3の電源がオフされた場合、ナビゲーション装置3に設定されている目的地に車両が到着した場合、ナビゲーション装置3と通信端末4との接続が解除された場合等に、CPU51は車両の現在位置周辺の施設情報についての案内を終了すると判定する。
【0068】
そして、車両の現在位置周辺の施設情報についての案内を終了すると判定した場合(S19:YES)には、当該端末制御処理プログラムを終了する。一方、車両の現在位置周辺の施設情報についての案内を終了しないと判定した場合(S19:NO)にはS14へと戻り、継続して車両周辺に位置する施設の施設情報の案内を行う。
【0069】
また、ナビゲーション装置3において現在設定されているモードの種類が“経路探索モード”以外のモード(例えば“TVモード”)であると判定された場合(S13:NO)に実行されるS20では、CPU51は、ナビゲーション装置3から経路案内情報を取得する。尚、経路案内情報は、車両の走行を案内する為の情報であり、車両の現在位置を特定する情報、車両周辺の地図情報を含む。また、ナビゲーション装置3において案内経路が設定されている場合には、案内経路を特定する情報についても含む。また、経路案内情報は、前記S5においてナビゲーション装置3から通信端末4へと送信される。尚、経路案内情報に含まれる車両の現在位置については、通信端末4の備えるGPS60により検出する構成としても良い。また、車両周辺の地図情報は、メモリ52に記憶された地図情報又は通信でセンタから取得した地図情報に基づいて取得する構成としても良い。
【0070】
次に、S21においてCPU51は、前記S20で取得した経路案内情報に基づいて車両の走行を案内する走行案内処理を行う。具体的には、車両周辺の地図画像を表示するとともに、車両の目的地までの経路である案内経路がナビゲーション装置3で設定されている場合には、案内経路に基づいて走行を案内する。
【0071】
ここで、図7は前記S21においてディスプレイ58に表示される走行案内画面81を示した図である。
図7に示すように、走行案内画面81には、車両周辺の地図画像82と、車両の現在位置を示す自車位置マーク83が表示される。また、ナビゲーション装置3において案内経路が設定されている場合には、地図画像上で案内経路に沿って描かれた案内経路線84と、目的地の位置を示す目的地マーク85についても表示される。そして、ユーザはディスプレイ58に表示された走行案内画面81を参照することによって、車両周辺の道路形状や目的地までの経路を把握することが可能となる。尚、案内経路に基づく走行を案内する為の音声案内(例えば、右左折の案内)については、ナビゲーション装置3のスピーカ16を介して出力する。
【0072】
次に、S22においてCPU51は、車両の走行案内を終了するか否か判定する。具体的には、ナビゲーション装置3の電源がオフされた場合、ナビゲーション装置3に設定されている目的地に車両が到着した場合、ナビゲーション装置3と通信端末4との接続が解除された場合等に、CPU51は車両の走行案内を終了すると判定する。
【0073】
そして、車両の走行案内を終了すると判定した場合(S22:YES)には、当該端末制御処理プログラムを終了する。一方、車両の走行案内を終了しないと判定した場合(S22:NO)にはS20へと戻り、継続して車両の走行案内を行う。
【0074】
以上詳細に説明した通り、本実施形態に係る経路案内システム1では、車両2に搭載されたナビゲーション装置3と車両2の乗員が所有する通信端末4とが双方向通信可能に接続され、ナビゲーション装置3では、車両2の目的地までの経路である案内経路に基づいて走行を案内する“経路案内モード”を含む複数のモードの内、いずれかのモードを選択して設定可能に構成され、ナビゲーション装置3に設定されているモードの種類を特定する情報をナビゲーション装置3から通信端末4へと送信し(S3)、ナビゲーション装置3において“経路案内モード”が設定されている場合には、通信端末4において車両2の周辺の情報を案内し(S16)、ナビゲーション装置3において“経路案内モード”以外のモードが設定されている場合に、通信端末4において案内経路に基づいて走行を案内する(S21)ので、ナビゲーション装置3に設定されているモードに基づいて、通信端末4で実行される制御内容が決定されるので、ナビゲーション装置3と通信端末4とで実行される制御内容に関連性を持たせることが可能となる。従って、ナビゲーション装置3と通信端末4を用いたより効果的な走行の案内が可能となる。特に、ナビゲーション装置3に“経路案内モード”が設定されている場合には、車載器で走行の案内を行いつつ、車両の現在位置に応じたユーザにとって有益な情報を通信端末4で案内することが可能となる。また、ナビゲーション装置3に“経路案内モード”以外のモードが設定されている場合には、通信端末4を用いて適切な走行の案内を行うことが可能となる。
また、通信端末4はナビゲーション装置3から送信された経路案内情報に基づいて走行の案内を行うので、ナビゲーション装置3で行われる案内内容と通信端末4で行われる案内内容とを統一させることが可能となる。また、地図情報やGPS等を有しない通信端末4であっても走行の案内を適切に行うことが可能になる。
また、通信端末4で走行の案内を行う場合であっても、案内経路に基づく走行を案内する為の音声案内はナビゲーション装置3を介して出力するので、スピーカ等の音声出力機構を有しない通信端末4であっても案内経路に沿った適切な走行の案内を行うことが可能となる。
ナビゲーション装置3において案内経路に基づいた走行の案内が行われている場合に、通信端末4で車両2の周辺に位置する施設の情報を案内するので、ナビゲーション装置3で走行の案内を行いつつ、車両の現在位置に応じたユーザにとって有益な施設に関する情報を通信端末4で案内することが可能となる。
【0075】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、本実施形態では、ナビゲーション装置3に設定されるモードとして(A)車両周辺の地図画像を表示するとともに、車両の目的地までの経路である案内経路が設定されている場合には、案内経路に基づいて走行を案内する“経路案内モード”と、(B)チューナ装置18を用いて受信した放送電波に基づいてテレビ放送を受像する“テレビモード”の2種類のモードが存在するが、上記2種類以外のモードを設定可能にしても良い。例えば、DVDに記録された映像を出力する“DVDモード”や、施設検索を行う“施設検索モード”を設定可能にしても良い。
【0076】
また、本実施形態ではモード送信処理プログラム(図4)をナビゲーション装置3が実行し、端末制御処理プログラム(図5)を通信端末4が実行する構成としているが、各プログラムの処理の一部または全部を異なる主体(ナビゲーション装置3、通信端末4又はセンタ等)が実行する構成としても良い。
【0077】
また、本実施形態では車載器としてナビゲーション装置3を用いた例について説明したが、GPSや地図情報を有する車載器であれば、他の車載器であっても良い。
【符号の説明】
【0078】
1 経路案内システム
2 車両
3 ナビゲーション装置
4 通信端末
13 ナビゲーションECU
41 CPU
42 RAM
43 ROM
51 CPU
52 メモリ
61 通信端末ECU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された車載器と前記車両の乗員が所有する通信端末とが双方向通信可能に接続された経路案内システムにおいて、
前記車両の目的地までの経路である案内経路に基づいて走行を案内する経路案内モードを含む複数のモードの内、いずれかのモードを選択して前記車載器に設定するモード設定手段と、
前記モード設定手段により前記車載器に設定されたモードに基づいて、前記車載器を制御する車載器制御手段と、
前記モード設定手段によって前記車載器にモードを設定した場合に、前記車載器から前記通信端末へと前記モード設定手段により設定されたモードを特定する情報を送信する設定モード情報送信手段と、
前記車載器に前記経路案内モードが設定されている場合に、前記通信端末において前記車両の周辺の情報を案内する端末情報案内手段と、
前記車載器に前記経路案内モード以外のモードが設定されている場合に、前記通信端末において前記案内経路に基づいて走行を案内する端末経路案内手段と、を有することを特徴とする経路案内システム。
【請求項2】
前記車載器から前記通信端末へと前記案内経路に基づく走行を案内する為の情報である経路案内情報を送信する経路案内情報送信手段を有し、
前記端末経路案内手段は、前記通信端末において前記経路案内情報送信手段によって送信された前記経路案内情報を出力することにより前記案内経路に基づく走行を案内することを特徴とする請求項1に記載の経路案内システム。
【請求項3】
前記経路案内情報は、前記車両の現在位置を特定する情報、前記車両周辺の地図情報、前記車両の目的地を特定する情報及び前記案内経路を特定する情報のいずれかを含むことを特徴とする請求項2に記載の経路案内システム。
【請求項4】
前記端末経路案内手段は、前記案内経路に基づく走行を案内する為の音声案内を前記車載器を介して出力することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の経路案内システム。
【請求項5】
前記端末情報案内手段は、前記車両の周辺に位置する施設の情報を案内することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の経路案内システム。
【請求項6】
車両に搭載された車載器と前記車両の乗員が所有する通信端末とが双方向通信可能に接続され、
前記車両の目的地までの経路である案内経路に基づいて走行を案内する経路案内モードを含む複数のモードの内、いずれかのモードを選択して前記車載器に設定するモード設定ステップと、
前記モード設定ステップにより前記車載器に設定されたモードに基づいて、前記車載器を制御する車載器制御ステップと、
前記モード設定ステップによって前記車載器にモードを設定した場合に、前記車載器から前記通信端末へと前記モード設定ステップにより設定されたモードを特定する情報を送信する設定モード情報送信ステップと、
前記車載器に前記経路案内モードが設定されている場合に、前記通信端末において前記車両の周辺の情報を案内する端末情報案内ステップと、
前記車載器に前記経路案内モード以外のモードが設定されている場合に、前記通信端末において前記案内経路に基づいて走行を案内する端末経路案内ステップと、を有することを特徴とする経路案内方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−225793(P2012−225793A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−93988(P2011−93988)
【出願日】平成23年4月20日(2011.4.20)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】