説明

置換酒石酸の誘導体及びβ−セクレターゼ阻害剤を調製するための使用

本発明は、式(I)で表される化合物、又はその異性体、プロドラッグ、医薬として許容される塩、溶媒和物、若しくは水和物に関する:
[化1]


式中、式(I)の置換基はそれぞれ、本明細書で定義する通りである。本発明は、式(I)で表される化合物の調製方法、式(I)で表される化合物を含む医薬組成物、及びβ−アミロイドペプチドの凝集又は沈着によって誘発されるアルツハイマー病及び他の疾患などの慢性神経変性疾患の治療への式(I)で表される化合物の使用にも関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[技術分野]
本発明は、置換酒石酸の誘導体、それを調製する方法、それを含む医薬組成物、並びにβ−アミロイドペプチドの凝集又は沈着によって誘発されるアルツハイマー病及び他の疾患などの慢性神経変性疾患を治療及び/又は予防するための医薬品を調製するためのβ−セクレターゼ阻害剤としてのその使用に関する。
【0002】
[背景技術]
アルツハイマー病は、臨床的には進行性記憶減退及び認知障害、並びにセルフケア能力の最終的喪失として発現し、病理学的には神経細胞内部での神経原線維変化、及び細胞外老人斑の発生を特徴とする、よく知られた慢性神経変性疾患である。老人斑の主な構成要素には、様々な長さの一連のβ−アミロイドペプチドであるAβが含まれる。
【0003】
Aβは、39〜43個のアミノ酸を含有するポリペプチドであり、β−アミロイド前駆体タンパク質であるβ−APPに由来する。生体内でのβ−APPの切断には、非アミロイド経路とアミロイド経路の2つの経路がある。非アミロイド経路では、α−セクレターゼ、γ−セクレターゼによってβ−APPが切断され、Aβが生じないことを意味する。アミロイド経路では、β−セbクレターゼによってβ−APPがN末端で切断され、Aβ配列全体を含むβ−CTF(C末端断片)が生成し、続いてγ−セクレターゼによってβ−CTFが切断され、Aβが生じることを意味する。
【0004】
β−セクレターゼは、Aspプロテアーゼに属し、BACE1、Asp2、又はメマプシン−2(Sinha S、Anderson JP、Barbour Rら:Nature、1999年、402巻(6761号):537〜540頁)とも呼ばれる。Aβの産生と代謝、解離と凝集が不均衡であるため、異常量のAβが徐々に凝集して、老人斑を生じ、続いて神経原線維変化、小膠細胞の炎症、ニューロンアポトーシス、神経伝達物質欠損などを含めて病理学的変化を招き、最終的に老年認知症をもたらす。β−セクレターゼは、Aβ産生の律速酵素である。したがって、β−セクレターゼの活性を阻害して、Aβ産生を低減又は阻止し、それによってAβの含有量を低減し、老人斑の生成を招く脳におけるAβの凝集を予防することによって、アルツハイマー病を予防また治療することが可能である(Hardy J、Dennis DJ、Science、2002年、297巻:353〜356頁)。一方では、Aβの凝集又は沈着によって誘発されるアミロイド変性血管症、クールー病、及びダウン症候群などの他の疾患も予防また治療することが可能である。
【0005】
BACE1遺伝子ノックアウトマウスは、脳においてAβを産生せず、実質的に正常に生存し、さらに推定されるように、あまりに非常な副作用を生じることなく、Aβの産生を阻止することによって、Aβの凝集又は沈着によって誘発される疾患、特にアルツハイマー病などの神経変性疾患を予防又は治療することが可能であったことを実証した(Roberds SL、Anderson J、Basi Gら:Hum Mol Genet、2001年、10巻(12号):1317〜1324頁)。
【0006】
[発明の内容]
本発明の目的は、β−アミロイドペプチドの凝集又は沈着によって誘発されるアルツハイマー病など、並びにアミロイド変性血管症、クールー病、及びダウン症候群などの他の疾患など関連神経変性疾患を、β−セクレターゼの活性を阻害して、β−アミロイドペプチドを生じるβ−セクレターゼによるβ−アミロイド前駆体タンパク質の代謝を低減又は阻止して、それによってβ−アミロイドペプチドの含有量を低減し、老人斑の生成を招く脳におけるβ−アミロイドペプチドの凝集を予防することによって治療又は予防するのに使用されるβ−セクレターゼ阻害剤を探求及び開発することである。
【0007】
研究によって、本発明者らは、次式Iの化合物がβ−セクレターゼを阻害する活性を有し、β−アミロイドペプチドを生じるβ−セクレターゼによるβ−アミロイド前駆体タンパク質の代謝を低減することができ、それによってβ−アミロイドペプチドの含有量を低減し、生体内でのβ−アミロイドペプチドの凝集又は沈着を予防することを発見する。したがって、β−セクレターゼ阻害剤は、β−アミロイドペプチドの凝集又は沈着によって誘発されるアルツハイマー病など、並びにアミロイド変性血管症、クールー病、及びダウン症候群などの他の疾患など関連神経変性疾患を治療又は予防するのに使用することができる。
【0008】
一態様において、本発明は、式Iの化合物、又はそのすべての可能な異性体、プロドラッグ、医薬として許容される塩、溶媒和物、若しくは水和物:
【化1】


[式中、
Xは、O、Sであり、
Zは、CH、O、S、NHであり、
R1は、C〜C22直鎖状又は分枝状アルキル、C〜C22直鎖状又は分枝状アルケニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルケニル、又はArであり、ここでアルキル基又はアルケニル基は、非置換であり、或いは次の基:ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、カルボキシ、Ar、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルケニル、O−(C〜C)−アルキル又はAr、CO−(C〜C)−アルキル又はAr、SO−(C〜C)−アルキル又はAr、N−[(C〜C)−アルキル]、NH−(C〜C)−アルキル又はAr、N−[(C〜C)−アルキルAr]、COO−(C〜C)−アルキル又はAr、CONH−(C〜C)−アルキル又はAr、SONH−(C〜C)−アルキル又はArの1個又は複数で置換されており、さらに、アルキル基及びアルケニル基中のC原子は、場合によって、−O−、−S−、−NH−、−N=、−S−、−Ar−、−SO−、−CO−、−COO−、−CONH−、−SOO−、−SONH−、−N[(C〜C)−アルキル又はAr]−を介して配置され、
R2及びR3は、同じであるか異なり、独立に、水素、ヒドロキシ、C〜C12直鎖状又は分枝状アルキル、C〜C12直鎖状又は分枝状アルケニル、C〜Cシクロアルキル、Ar、(C〜C)−Ar、−CO−(C〜C)−アルキル又はアルケニル又はAr、−SO−(C〜C)−アルキル又はアルケニル又はAr、SOO−(C〜C)−アルキル又はアルケニルからなる群から選択され、
Ar、Ar、及びArは、独立に、芳香族炭素環又は複素環からなる群から選択され、ここで環はそれぞれ、5員〜7員からなり、環の数は、単環、二環、又は三環であり、複素環は、O、S、Nからなる群から選択された1〜6個のヘテロ原子を含み、芳香族炭素環又は複素環は、非置換であり、或いはハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、カルボキシ、メチロール、トリフルオロメチル、フェノキシ、ベンジルオキシ、アニリノ、ベンジルアミノ、C〜C直鎖状又は分枝状アルキル、C〜C直鎖状又は分枝状アルケニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルケニル、−O−(C〜C)−アルキル又はアルケニル、−CO−(C〜C)−アルキル又はアルケニル、−SO−(C〜C)−アルキル又はアルケニル、−NH−(C〜C)−アルキル又はアルケニル、−N−[(C〜C)−アルキル又はアルケニル]、−COO−(C〜C)−アルキル又はアルケニル、−CONH−(C〜C)−アルキル又はアルケニル、−SONH−(C〜C)−アルキル又はアルケニル、−CON[(C〜C)−アルキル又はアルケニル]、−SON[(C〜C)−アルキル又はアルケニル]からなる群から選択された1〜4個の基で置換されており、
置換基R2X−及び置換基R3X−は、同じ又は異なる立体配置をとり、R立体配置又はS立体配置である]
に関する。
【0009】
好ましい一実施形態では、本発明は、式Iaの化合物:
【化2】


[式中、
Zは、CH、O、S、NHであり、
R1は、C〜C22直鎖状又は分枝状アルキル、C〜C22直鎖状又は分枝状アルケニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルケニル、又はArであり、ここでアルキル基又はアルケニル基は、非置換であり、或いは次の基:ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、カルボキシ、Ar、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルケニル、O−(C〜C)−アルキル又はAr、CO−(C〜C)−アルキル又はAr、SO−(C〜C)−アルキル又はAr、N−[(C〜C)−アルキル]、NH−(C〜C)−アルキル又はAr、N−[(C〜C)−アルキルAr]、COO−(C〜C)−アルキル又はAr、CONH−(C〜C)−アルキル又はAr、SONH−(C〜C)−アルキル又はArの1個又は複数で置換されており、さらに、アルキル基及びアルケニル基中のC原子は、場合によって、−O−、−S−、−NH−、−N=、−S−、−Ar−、−SO−、−CO−、−COO−、−CONH−、−SOO−、−SONH−、−N[(C〜C)−アルキル又はAr]−を介して配置され、
R2及びR3は、同じであるか異なり、独立に、水素、ヒドロキシ、C〜C12直鎖状又は分枝状アルキル、C〜C12直鎖状又は分枝状アルケニル、C〜Cシクロアルキル、Ar、(C〜C)−Ar、−CO−(C〜C)−アルキル又はアルケニル又はAr、−SO−(C〜C)−アルキル又はアルケニル又はAr、SOO−(C〜C)−アルキル又はアルケニルからなる群から選択され、
Ar、Ar、及びArは、独立に、芳香族炭素環又は複素環からなる群から選択され、ここで環はそれぞれ、5員〜7員からなり、環の数は、単環、二環、又は三環であり、複素環は、O、S、Nからなる群から選択された1〜6個のヘテロ原子を含み、芳香族炭素環又は複素環は、非置換であり、或いはハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、カルボキシ、メチロール、トリフルオロメチル、フェノキシ、ベンジルオキシ、アニリノ、ベンジルアミノ、C〜C直鎖状又は分枝状アルキル、C〜C直鎖状又は分枝状アルケニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルケニル、−O−(C〜C)−アルキル又はアルケニル、−CO−(C〜C)−アルキル又はアルケニル、−SO−(C〜C)−アルキル又はアルケニル、−NH−(C〜C)−アルキル又はアルケニル、−N−[(C〜C)−アルキル又はアルケニル]、−COO−(C〜C)−アルキル又はアルケニル、−CONH−(C〜C)−アルキル又はアルケニル、−SONH−(C〜C)−アルキル又はアルケニル、−CON[(C〜C)−アルキル又はアルケニル]、−SON[(C〜C)−アルキル又はアルケニル]からなる群から選択された1〜4個の基で置換されており、
置換基R2X−及び置換基R3X−は、同じ又は異なる立体配置をとり、R立体配置又はS立体配置である]
に関する。
【0010】
さらに好ましい一実施形態では、本発明は、式Ibの化合物:
【化3】


[式中、
Zは、CH、O、S、NHであり、
R1は、C〜C22直鎖状又は分枝状アルキル、C〜C22直鎖状又は分枝状アルケニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルケニル、又はArであり、ここでアルキル基又はアルケニル基は、非置換であり、或いは次の基:ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、カルボキシ、Ar、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルケニル、O−(C〜C)−アルキル又はAr、CO−(C〜C)−アルキル又はAr、SO−(C〜C)−アルキル又はAr、N−[(C〜C)−アルキル]、NH−(C〜C)−アルキル又はAr、N−[(C〜C)−アルキルAr]、COO−(C〜C)−アルキル又はAr、CONH−(C〜C)−アルキル又はAr、SONH−(C〜C)−アルキル又はArの1個又は複数で置換されており、さらに、アルキル基及びアルケニル基中のC原子は、場合によって、−O−、−S−、−NH−、−N=、−S−、−Ar−、−SO−、−CO−、−COO−、−CONH−、−SOO−、−SONH−、−N[(C〜C)−アルキル又はAr]−を介して配置され、
Ar、Ar、及びArは、独立に、芳香族炭素環又は複素環からなる群から選択され、ここで環はそれぞれ、5員〜7員からなり、環の数は、単環、二環、又は三環であり、複素環は、O、S、Nからなる群から選択された1〜6個のヘテロ原子を含み、芳香族炭素環又は複素環は、非置換であり、或いはハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、カルボキシ、メチロール、トリフルオロメチル、フェノキシ、ベンジルオキシ、アニリノ、ベンジルアミノ、C〜C直鎖状又は分枝状アルキル、C〜C直鎖状又は分枝状アルケニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルケニル、−O−(C〜C)−アルキル又はアルケニル、−CO−(C〜C)−アルキル又はアルケニル、−SO−(C〜C)−アルキル又はアルケニル、−NH−(C〜C)−アルキル又はアルケニル、−N−[(C〜C)−アルキル又はアルケニル]、−COO−(C〜C)−アルキル又はアルケニル、−CONH−(C〜C)−アルキル又はアルケニル、−SONH−(C〜C)−アルキル又はアルケニル、−CON[(C〜C)−アルキル又はアルケニル]、−SON[(C〜C)−アルキル又はアルケニル]からなる群から選択された1〜4個の基で置換されており、
2個のヒドロキシ基は、同じ又は異なる立体配置をとり、R立体配置又はS立体配置である]
に関する。
【0011】
上記式I、Ia、又はIbの化合物のR1については、その定義である「C〜C22直鎖状又は分枝状アルキル」は、より好ましくはC〜C直鎖状又は分枝状アルキルであり、その定義である「C〜C22直鎖状又は分枝状アルケニル」は、より好ましくはC〜C直鎖状又は分枝状アルケニルである。
【0012】
好ましくは、下記の式Iaの化合物:
(1)L−(2R,3R)−2−[2,3−ジアセトキシ−3−(ナフタレン−2−イルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−3−フェニル−プロピオン酸メチル;
(2)L−(2R,3R)−4−{[2,3−ジアセトキシ−3−(4−フェノキシ−フェニルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]メチル}−安息香酸メチル;
(3)L−(2R,3R)−4−[2,3−ジアセトキシ−3−(4−フェノキシ−フェニルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−ブチル酸メチル;
(4)L−(2R,3R)−4−{[3−(3−ジ−n−プロピルアミノホルミル−フェニルカルバモイル)−2,3−ジアセトキシ−プロピオニルアミノ]メチル}−安息香酸メチル;
(5)L−(2R,3R)−5−[2,3−ジアセトキシ−3−(1−メトキシカルボニル−2−フェニル−エチルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−イソフタル酸ジメチル;
(6)L−(2R,3R)−5−[2,3−ジアセトキシ−3−(4−メトキシカルボニル−ベンジルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−イソフタル酸ジメチル;
(7)L−(2R,3R)−N−ベンジル−2,3−ジアセトキシ−3−(4−ベンジル−ピペラジン−1−イル−ホルミル)−プロピオンアミド;
又はそれらのすべての可能な異性体、プロドラッグ、医薬として許容される塩、溶媒和物、若しくは水和物が選択される。
【0013】
さらに好ましくは、下記の式Ibの化合物:
(8)L−(2R,3R)−2−(3−ベンジルカルバモイル−2,3−ジヒドロキシ−プロピオニルアミノ)−3−フェニル−プロピオン酸メチル;
(9)L−(2R,3R)−4−[(3−ベンジルカルバモイル−2,3−ジヒドロキシ−プロピオニルアミノ)メチル]−安息香酸メチル;
(10)L−(2R,3R)−2−(3−ベンジルカルバモイル−2,3−ジヒドロキシ−プロピオニルアミノ)−3−フェニル−プロピオン酸;
(11)L−(2R,3R)−4−(3−ベンジルカルバモイル−2,3−ジヒドロキシ−プロピオニルアミノメチル)−シクロヘキサンカルボン酸メチル;
(12)L−(2R,3R)−4−[(3−ベンジルカルバモイル−2,3−ジヒドロキシ−プロピオニルアミノ)メチル]−安息香酸;
(13)L−(2R,3R)−4−(3−ベンジルカルバモイル−2,3−ジヒドロキシ−プロピオニルアミノ)−ブチル酸メチル;
(14)L−(2R,3R)−4−(3−ベンジルカルバモイル−2,3−ジヒドロキシ−プロピオニルアミノ)−ブチル酸;
(15)L−(2R,3R)−4−[(3−ベンジルカルバモイル−2,3−ジヒドロキシ−プロピオニルアミノ)メチル]−シクロヘキサンカルボン酸;
(16)L−(2R,3R)−5−(3−ベンジルカルバモイル−2,3−ジヒドロキシ−プロピオニルアミノ)−イソフタル酸ジメチル;
(17)L−(2R,3R)−4−{[2,3−ジヒドロキシ−3−(ナフタレン−2−イルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]メチル}−安息香酸メチル;
(18)L−(2R,3R)−4−{[2,3−ジヒドロキシ−3−(ナフタレン−2−イルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]メチル}−シクロヘキサンカルボン酸メチル;
(19)L−(2R,3R)−2−[2,3−ジヒドロキシ−3−(ナフタレン−2−イルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−3−フェニル−プロピオン酸メチル;
(20)L−(2R,3R)−2−[2,3−ジヒドロキシ−3−(4−フェノキシ−フェニルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−3−フェニル−プロピオン酸エチル;
(21)L−(2R,3R)−4−{[2,3−ジヒドロキシ−3−(4−フェノキシ−フェニルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]メチル}−安息香酸メチル;
(22)L−(2R,3R)−4−[2,3−ジヒドロキシ−3−(4−フェノキシ−フェニルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−ブチル酸メチル;
(23)L−(2R,3R)−4−[2,3−ジヒドロキシ−3−(ナフタレン−2−イルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−ブチル酸メチル;
(24)L−(2R,3R)−2−[3−(3−ジ−n−プロピルアミノホルミル−フェニルカルバモイル)−2,3−ジヒドロキシ−プロピオニルアミノ]−3−フェニル−プロピオン酸エチル;
(25)L−(2R,3R)−4−(3−ベンジルカルバモイル−2,3−ジヒドロキシ−プロピオニルアミノ)−ブチル酸ベンジル;
(26)L−(2R,3R)−4−[2,3−ジヒドロキシ−3−(4−フェノキシ−フェニルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−シクロヘキサンカルボン酸エチル;
(27)L−(2R,3R)−5−[2,3−ジヒドロキシ−3−(1−メトキシカルボニル−2−フェニル−エチルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−イソフタル酸ジメチル;
(28)L−(2R,3R)−4−{[3−(3−ジ−n−プロピルアミノホルミル−フェニルカルバモイル)−2,3−ジヒドロキシ−プロピオニルアミノ]メチル}安息香酸メチル;
(29)L−(2R,3R)−4−[4−(3−クロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−2,3−ジヒドロキシ−N−ナフタレン−2−イル−4−オキソ−ブチルアミド;
(30)L−(2R,3R)−3−{4−[4−(3−クロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−2,3−ジヒドロキシ−4−オキシ−ブチリルアミノ}−N,N−ジ−n−プロピル−ベンズアミド;
(31)L−(2R,3R)−5−[2,3−ジヒドロキシ−3−(4−メトキシカルボニル−ベンジルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−イソフタル酸ジメチル;
又はそれらのすべての可能な異性体、プロドラッグ、医薬として許容される塩、溶媒和物、若しくは水和物が選択される。
【0014】
本発明はさらに、式Iの化合物の適当な医薬として許容される塩、溶媒和物、又は水和物にも関する。ここで、医薬として許容される塩としては、式Iの化合物と塩酸、硫酸、リン酸、亜リン酸、臭化水素酸、及び硝酸など様々な無機酸とによって生成された塩、並びにマレイン酸、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、酢酸、乳酸、メタンスルホン酸、トルエン−p−スルホン酸、パルミック(palmic)酸など様々な有機酸とによって生成された塩が挙げられるが、これらに限定されるものではない。本発明の化合物のいくつかは、水又は様々な有機溶媒で結晶化又は再結晶化することができ、この場合、様々な溶媒和物を生成することができる。本発明は、水和物を含めて、化学量論的溶媒和物、及び凍結乾燥で生成した不定量の水を含む化合物を包含する。
【0015】
本発明はさらに、式Iの化合物の様々な異性体にも関する。本発明の化合物の一部分は、光学異性体又は互変異性体の形で存在してもよく、それらのすべての可能な形、特に純粋な異性体の形は、本発明の範囲内である。異性体の異なる形を、様々な従来の手段で異性体の他の形から分離又は分割してもよく、或いはある種の異性体を、様々な従来の合成方法、又は立体特異的若しくは不斉合成方法で得ることができる。式Iの化合物は、常備使用向けであるので、純粋な形、例えば少なくとも60%、より適切には75%、より好ましくは85%、最も好ましくは少なくとも98%(%は重量百分率を指す)の純度で用いるほうがよいことが理解され得る。
【0016】
別の態様において、本発明は、式Iの化合物、又はその医薬として許容される塩、溶媒和物、若しくは水和物を調製する方法に関する。特に、本発明は、式Iの化合物、又はその医薬として許容される塩、溶媒和物、若しくは水和物(それぞれ、下記に化合物の下位クラス構造で表して記載する)を調製する方法を提供する。
【0017】
式Iaの化合物(ここで、R2とR3は共に、−CO−CHであり、R1、Ar、及びZは上記に定義する通りである)を調製する方法は、以下の通り記載される。
(i)硫酸などの酸の触媒作用下に、化合物1(L−又はD−酒石酸)と無水酢酸などの低級脂肪酸無水物を還流で反応させて、化合物2を得るステップ;
【化4】


(ii)化合物2を、THF、ジクロロメタン、又はN,N−ジメチルホルムアミドなど適当な溶媒に溶解し、等モルのArNHでアシル化して、化合物3(ここで、Arは上記に定義する通りである)を得るステップ;
【化5】


(iii)化合物3を、THF、ジクロロメタン、又はN,N−ジメチルホルムアミドなど適当な溶媒に溶解し、適量のジシクロヘキシルカルボジイミド、カンファースルホン酸、及び4−ジメチルアミノピリジンの触媒作用下に、R1ZH(アルコール又はアミン)(ここで、R1及びZは上記に定義する通りである)でアシル化又はエステル化して、本発明の式Iaの特定化合物を得るステップ;
【化6】


(iv)化合物Iaを、THF、メタノール、エタノールなど適当な溶媒に溶解し、濃アンモニア水又はアンモニアでアミノ分解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、又は炭酸カリウムで加水分解し、ナトリウムメトキシド又はナトリウムエトキシドでエステル交換して、本発明の式Ibの特定化合物を得るステップ。
【化7】

【0018】
式Ibの化合物(R1、Ar、及びZは上記に定義する通りである)を調製する方法は、以下の通り記載される。
(i)硫酸、強酸型イオン交換樹脂など酸の触媒作用下に、化合物1(L−又はD−酒石酸)を、メタノール又はエタノールなどの脂肪アルコールROH(ここで、RはC〜Cアルキルである)と還流で反応させて、化合物2を得るステップ;
【化8】


(ii)トルエン−p−スルホン酸又は三フッ化ホウ素などのプロトン酸又はルイス酸の触媒作用下に、化合物2を、THF又はトルエンなどの不活性溶媒中、アセトンなど式R3C(O)R4のケトン(ここで、R3及びR4はC〜Cアルキルである)と還流で反応させて、ケタール化合物3を得るステップ;
【化9】


(iii)化合物3を、THF又はジオキサンなどの有機溶媒に溶解し、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムなどの塩基水溶液(濃度が1Nであり、化合物3に対して1:1のモル比で使用される)と0℃〜室温で反応させ、次いで塩酸などの無機酸(濃度が1Nである)で酸性化し、さらにジクロロメタン、ジエチルエーテル、又は酢酸エチルなどの有機溶媒で抽出して、化合物4を得るステップ;
【化10】


(iv)化合物4を、THF、ジクロロメタン、又はN,N−ジメチルホルムアミドなど適当な溶媒に溶解し、適量のジシクロヘキシルカルボジイミド、カンファースルホン酸、及び4−ジメチルアミノピリジンの触媒作用下に、ArNHでアシル化して、化合物5を得るステップ;
【化11】


(v)化合物5を、THF又はジオキサンなどの有機溶媒に溶解し、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムなどの塩基水溶液(濃度が1Nであり、化合物5に対して1:1のモル比で使用される)と0℃〜室温で反応させ、次いで塩酸などの無機酸(濃度が1Nである)で酸性化し、さらにジクロロメタン、ジエチルエーテル、又は酢酸エチルなどの有機溶媒で抽出して、化合物6を得るステップ;
【化12】


(vi)化合物6を、THF、ジクロロメタン、又はN,N−ジメチルホルムアミドなど適当な溶媒に溶解し、適量のジシクロヘキシルカルボジイミド、カンファースルホン酸、及び4−ジメチルアミノピリジンの触媒作用下に、R1ZH(アルコール又はアミン)(ここで、R1及びZは上記に定義する通りである)でエステル化又はアシル化して、化合物7を得るステップ;
【化13】


(vii)化合物7を、メタノール又はエタノールなど適当な溶媒に溶解し、塩酸又は硫酸など適量のプロトン酸の触媒作用下に、脱保護し、アセトニド基を除去して、本発明の式Ibの特定化合物を得るステップ。
【化14】

【0019】
本発明の式Iの化合物の調製に関するさらに詳細な情報については、実施例を参照されたい。
【0020】
別の一態様では、本発明は、式Iの化合物、又はそのすべての可能な異性体、プロドラッグ、医薬として許容される塩、溶媒和物、若しくは水和物、及び少なくとも1種の医薬として許容される担体又は賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
【0021】
さらに別の一態様では、本発明は、Aβの凝集又は沈着によって誘発される疾患の治療及び予防用の医薬品の製造への式Iの化合物、又はそのすべての可能な異性体、プロドラッグ、医薬として許容される塩、溶媒和物、若しくは水和物の使用に関する。この疾患としては、アルツハイマー病、アミロイド変性血管症、クールー病、及びダウン症候群が挙げられるが、これらに限定されない。
【0022】
式Iの化合物又はその医薬として許容される塩は、単独で使用してもよく、或いは医薬として許容される担体又は賦形剤と共に医薬組成物の形で使用してもよい。医薬組成物の形で使用するとき、有効量の式Iの化合物又はその医薬として許容される塩、及び1種又は複数の医薬として許容される担体又は賦形剤を組み合わせ、成分を適当なモードで混合、造粒、圧縮、又は溶解することによって適切な投与形態又は剤形に作製する。
【0023】
本発明の化合物を含む医薬組成物は、次の経路:経口、スプレーによる吸入、直腸、経鼻、膣、局所、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、髄腔内、脳室内、胸骨内、又は脳注射若しくは注入などの非経口のいずれかで投与してもよく、或いは外植したリザーバーを用いて投与してもよく、経口、筋肉内、腹腔内、又は静脈内注射による投与経路が好ましい。さらに、本発明の化合物又はそれを含む医薬組成物が、中性神経系を治療するのに有効となり得るには、脳室内投与経路が、それによって化合物の可能な相対的に低い血液脳関門透過性を克服して好ましい。
【0024】
本発明の化合物又は本発明の化合物を含む医薬組成物は、単位投与剤形で投与してもよい。剤形は、液体の形でも、固体の形でもよい。液体の形としては、真溶液、コロイド、微粒子、乳濁液、懸濁液が挙げられる。他の形としては、錠剤、カプセル剤、滴下丸剤、エアゾール、丸剤、粉末、溶液、懸濁液、乳濁液、顆粒、坐剤、注射用凍結乾燥粉末、包接体、インプラント、貼付剤、リニメント剤などが挙げられる。
【0025】
本発明の医薬組成物は、さらによく使用される担体を含んでもよく、担体としては、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、ヒト血清タンパク質などの血清タンパク質、ホスフェートなどの緩衝液、グリセリン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリンエステルの混合物、水、硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩などの塩又は電解質、コロイダルシリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、蜜ろう、ラノリンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。医薬組成物中の担体の量は、1重量%〜98重量%、通常約80重量%であってもよい。便宜上、局所麻酔剤、防腐剤、緩衝液などを、担体に直接溶解してもよい。
【0026】
経口錠剤及びカプセル剤は、賦形剤、例えばシロップ、アラビアゴム、ソルビトール、トラガカント、又はポリビニルピロリドンなどの結合剤、ラクトース、スクロース、トウモロコシデンプン、リン酸カルシウム、ソルビトール、アミノ酢酸などの充填剤、ステアリン酸マグネシウム、サポナイト、ポリエチレングリコール、シリカなどの滑沢剤、馬鈴薯デンプンなどの崩壊剤、又はラウリル硫酸ナトリウムなどの許容される保湿剤を含んでもよい。錠剤を、薬剤学において既知の方法で被覆してもよい。
【0027】
経口溶液は、水及び油の懸濁液、溶液、乳濁液、シロップ、又はエリキシルとして作製してもよく、或いは乾燥生成物として作製し、使用する前に水又は他の媒体を添加してもよい。この液体製剤は、従来の添加剤、例えばソルビトール、セルロースジエチルエーテル、グルコースシロップ、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミニウムゲル、水素添加食用グリースなどの懸濁化剤;レシチン、ソルビタンモノオレアート、アラビアゴムなどの乳化剤;又はアーモンド油などの非水性担体(おそらく食用油を含む)、グリセリン、エチレングリコール、又はエタノールなどのグリース;p−ヒドロキシ安息香酸メチル又はプロピル、ソルビン酸などの防腐剤を含んでもよい。望むなら、矯味剤又は着色剤を添加してもよい。
【0028】
坐剤は、従来の坐剤基材を含んでもよく、カカオバター、他のグリセリド又は蜜ろうなどの賦形剤は、室温で固体状態であるが、体温で溶融して薬物を放出する。
【0029】
非経胃投与では、液体剤形は、通常、化合物及び無菌化担体で作製される。好ましい担体は水である。選択された担体及び薬物濃度に応じて、化合物を担体に溶解し、又は懸濁液に作製することができる。注射溶液を作製するとき、まず化合物を水に溶解し、次いで濾過及び無菌化した後、封入ビン又はアンプルに包装する。
【0030】
皮膚への局所塗布では、本発明の化合物は、軟膏剤、ローション剤、又はクリーム剤の適当な形に作製してもよく、この場合、活性成分を1種又は複数の担体(複数可)に懸濁又は溶解する。軟膏剤に使用される担体としては、鉱物油、液状ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、乳化ワックス、及び水が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、ローション剤及びクリーム剤に使用される担体としては、鉱物油、ソルビタンモノステアリン酸エステル、Tween 60、セチルエステルワックス、ヘキサデシレン芳香族アルコール、2−オクチルドデカノール、ベンザノール、及び水が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0031】
投与モードに応じて、医薬品は、0.1重量%、より適切には10重量%〜60重量%の活性成分を含有してもよい。それでも、医薬品が単位投与量を含むとき、単位投与量はそれぞれ、1〜500mgの活性成分を含むほうがよい。
【0032】
さらに、様々な患者を対象とする本明細書に記載された化合物の投与用量及び方式は、年齢、体重、性別、患者の自然の健康状態及び栄養状態、化合物の活性強度、投与時間、代謝率、疾患の重症度、並びに診断/治療のための医師による主観的判断など様々な要因に依存する。好ましい投与用量は、0.01〜100mg/体重kg/日の範囲内である。
【0033】
式Iの化合物の最適の投与用量及び間隔は、化合物の特性、並びに投与形態、経路、及び部位などの外的条件によって決定され、最適投与用量は、従来の技法に従って決定できることが理解されよう。一方、最適治療期間、すなわち所定の期間内の式Iの化合物の1日当たりの投与量は、当技術分野において周知の方法で決定できることも理解されよう。
【発明を実施するための形態】
【0034】
下記の実施例は、本発明の好ましい実施形態であり、決して本発明を限定するものと理解されるべきでない。
【0035】
化合物の融点は、RY−1融点装置を使用して確定し、この温度計は較正しなかった。質量スペクトルは、Micromass ZabSpec高分解能質量分析計(分解能1000)を使用して確定した。H NMRは、JNM−ECA−400超電導NMR分光計を使用して確定し、使用周波数は、H NMR 400MHzであった。比旋光度は、PE−243B旋光計(λNa=589nm)を使用して確定し、温度は20℃であった。
【実施例】
【0036】
実施例1 L−(2R,3R)−2−[2,3−ジアセトキシ−3−(ナフタレン−2−イルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−3−フェニル−プロピオン酸メチルの調製
【化15】

【0037】
ステップ1 L−(4R,5R)−2,3−ジアセトキシ−コハク酸無水物の調製
10.00g(66.7mmol)のL−酒石酸を、31.5mlの無水酢酸に溶解し、それに0.3mlの濃硫酸を撹拌しながら添加した。得られた混合物を還流するまでゆっくり加熱し、40分間連続的に撹拌し、続いて室温にまで冷却した。固体を沈殿させ、濾過し、無水ジエチルエーテルで洗浄して、10.00gの黄色がかった固体を得た。収率69.4%。
【0038】
ステップ2 L−(2R,3R)−2,3−ジアセトキシ−3−(ナフタレン−2−イルカルバモイル)−プロピオン酸の調製
3.30g(15.3mmol)のL−(4R,5R)−2,3−ジアセトキシ−コハク酸無水物を、20mlのジクロロメタンに溶解し、氷浴中、それに、6mlのジクロロメタンに溶解した2.19g(15.3mmol)の2−ナフチルアミンを滴下し、続いて反応が完了するまで4時間撹拌した。得られた反応生成物を、4%重炭酸ナトリウム溶液で約8のpHにアルカリ性にし、CHClで2回抽出した。得られた有機相を廃棄した。残った水相のpH値を1M HClで1〜2に調整し、CHClで3回抽出し、次いで得られた有機相を合わせ、無水NaSOで乾燥し、蒸発によって溶媒除去を施して、それによって4.60gの白色固体を得た。収率83.9%。H−NMR(DMSO,400MHz)、δ(ppm):2.00(3H,s,CH)、2.06(3H,s,CH)、5.65(1H,d,J=2.80Hz,CH)、5.74(1H,d,J=2.80Hz,CH)、7.43(1H,t,J=8.12Hz,ArH)、7.49(1H,t,J=8.40Hz,ArH)、7.58(1H,d,J=8.96Hz,ArH)、7.87(3H,m,ArH)、8.21(1H,s,ArH)、10.43(1H,s,CONH)、13.85(1H,br,COOH);FAB−MS m/e(%):360.1([M+1],100)、318(32)。
【0039】
ステップ3 L−(2R,3R)−2−[2,3−ジアセトキシ−3−(ナフタレン−2−イルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−3−フェニル−プロピオン酸メチルの調製
0.36g(1.0mmol)のL−(2R,3R)−2,3−ジアセトキシ−3−(ナフタレン−2−イルカルバモイル)−プロピオン酸及び0.22g(1.0mmol)のメチルL−フェンプロバメート塩酸塩を10mlの無水THFに溶解し、それに、さらに0.20g(1.5mmol)のHOBt、0.12g(1.0mmol)のトリエチルアミン、及び0.31g(1.5mmol)のDCCを添加し、続いて室温で2時間撹拌しながら反応させた。反応によって得られた固体を濾過で除去した。残った母液を減圧下で蒸発乾固して、油状物を得た。これをシリカゲルクロマトグラフィーカラムに加え、シクロヘキサン:酢酸エチル=2:1で溶離して、0.22gの白色固体を得た。収率41.4%、比旋光度[α]20=−14.3°(20mg/2ml、DMF)。H−NMR(DMSO,400MHz)、δ(ppm):2.10(3H,s,CH)、2.13(3H,s,CH)、3.05(2H,m,CH)、3.66(3H,s,CH)、4.49(1H,m,CH)、5.54(1H,d,J=2.52Hz,CH)、5.66(1H,d,J=2.56Hz,CH)、7.18〜7.24(5H,m,ArH)、7.43(1H,t,J=7.00Hz,ArH)、7.48(1H,t,J=6.72Hz,ArH)、7.58(1H,m,ArH)、7.85(3H,m,ArH)、8.17(1H,d,J=1.96Hz,ArH)、8.59(1H,d,J=8.12Hz,CONH)、10.39(1H,s,CONH);HREI−MS C2828としての計算値:520.1846、実測値:520.1831。
【0040】
実施例2 L−(2R,3R)−4−{[2,3−ジアセトキシ−3−(4−フェノキシ−フェニルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]メチル}−安息香酸メチルの調製
【化16】

【0041】
ステップ1 L−(2R,3R)−2,3−ジアセトキシ−3−(4−フェノキシ−フェニルカルバモイル)プロピオン酸の調製
7.49g(34.6mmol)のL−(4R,5R)−2,3−ジアセトキシ−コハク酸無水物と6.41g(34.6mmol)のp−フェノキシアニリンを、実施例1のステップ2における手順に従って反応させて、8.97gの灰色固体を得た。収率64.8%、比旋光度[α]20=−10.3°(20mg/2ml、CHOH)。H−NMR(DMSO,400MHz)、δ(ppm):2.06(3H,s,CH)、2.13(3H,s,CH)、5.58(1H,d,J=2.80Hz,CH)、5.64(1H,d,J=3.08Hz,CH)、6.90(4H,m,ArH)、7.12(1H,t,J=7.28Hz,ArH)、7.37(2H,t,J=7.56Hz,ArH)、7.55(2H,d,J=8.96Hz,ArH)、10.24(1H,s,CONH)、13.88(1H,br,COOH);FAB−MS m/e(%):402.1([M+1],100)、360.0(36)。
【0042】
ステップ2 L−(2R,3R)−4−{[2,3−ジアセトキシ−3−(4−フェノキシ−フェニルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]メチル}−安息香酸メチルの調製
2.00g(5.00mmol)のL−(2R,3R)−2,3−ジアセトキシ−3−(4−フェノキシ−フェニルカルバモイル)プロピオン酸と1.01g(5.00mmol)の4−アミノメチル安息香酸メチル塩酸塩を、化合物(1)を合成する手順に従って反応させて、1.60gの白色固体を得た。収率58.3%、比旋光度[α]20=+7.5°(20mg/2ml、DMF)。H−NMR(DMSO,400MHz)、δ(ppm):2.07(3H,s,CH)、2.11(3H,s,CH)、3.84(3H,s,CH)、4.31(1H,m,×CH)、4.51(1H,m,×CH)、5.58(1H,d,J=2.52Hz,CH)、5.75(1H,d,J=2.80Hz,CH)、6.98(4H,m,ArH)、7.11(1H,t,J=7.60Hz,ArH)、7.38(4H,m,ArH)、7.52(2H,d,J=8.96Hz,ArH)、7.93(2H,d,J=8.40Hz,ArH)、8.86(1H,t,J=6.16Hz,CONH)、10.27(1H,s,CONH);HREI−MS C2928としての計算値:548.1791、実測値:548.1791。
【0043】
実施例3 L−(2R,3R)−4−[2,3−ジアセトキシ−3−(4−フェノキシ−フェニルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−酪酸メチルの調製
【化17】


実施例2で調製した2.00g(5.00mmol)のL−(2R,3R)−2,3−ジアセトキシ−3−(4−フェノキシ−フェニルカルバモイル)プロピオン酸、及び0.77g(5.00mmol)の4−アミノ酪酸メチル塩酸塩を、化合物(1)を合成する手順に従って反応させて、1.20gの白色固体を得た。収率48.0%、比旋光度[α]20=+8.1°(20mg/2ml、DMF)。H−NMR(CDCl,400MHz)、δ(ppm):1.85(2H,m,CH)、2.20(6H,s,2×CH)、2.37(2H,m,CH)、3.34(2H,m,CH)、3.66(3H,s,CH)、5.74(2H,s,2×CH)、6.89(1H,br,CONH)、6.97(4H,m,ArH)、7.08(1H,t,J=7.56Hz,ArH)、7.32(2H,t,J=8.12Hz,ArH)、7.44(2H,d,J=8.56Hz,ArH)、8.54(1H,br,CONH);HREI−MS C2528としての計算値:500.1795、実測値:500.1780。
【0044】
実施例4 L−(2R,3R)−4−{[3−(3−ジ−n−プロピルアミノホルミル−フェニルカルバモイル)−2,3−ジアセトキシ−プロピオニルアミノ]メチル}−安息香酸メチルの調製
【化18】

【0045】
ステップ1 L−(2R,3R)−2,3−ジアセトキシ−3−(3−ジ−n−プロピルアミノホルミル−フェニルカルバモイル)プロピオン酸の調製
5.2g(24.1mmol)のL−(4R,5R)−2,3−ジアセトキシ−コハク酸無水物と5.30g(24.1mmol)のp−フェノキシアニリンを、実施例1のステップ2における手順に従って反応させて、6.40gの黄色がかった固体を得た。収率62.7%、比旋光度[α]20=−10.1°(20mg/2ml、CHOH)。H−NMR(DMSO,400MHz)、δ(ppm):0.67(3H,s,CH)、0.90(3H,s,CH)、1.46(2H,s,CH)、1.58(2H,s,CH)、2.05(3H,s,CH)、2.15(3H,s,CH)、3.10(2H,s,CH)、3.33(2H,s,CH)、3.91(3H,s,CH)、5.58(1H,d,J=3.08Hz,CH)、5.67(1H,d,J=2.80Hz,CH)、7.04(1H,d,J=7.56Hz,ArH)、7.38(1H,t,J=7.84Hz,ArH)、7.54(2H,d,J=8.96Hz,ArH)、10.32(1H,s,CONH)、13.74(1H,br,COOH);FAB−MS m/e(%):437.1([M+1],100)、335.9(16)。
【0046】
ステップ2 L−(2R,3R)−4−{[3−(3−ジ−n−プロピルアミノホルミル−フェニルカルバモイル)−2,3−ジアセトキシ−プロピオニルアミノ]メチル}−安息香酸メチルの調製
1.50g(3.44mmol)のL−(2R,3R)−2,3−ジアセトキシ−3−(3−ジ−n−プロピルアミノホルミル−フェニルカルバモイル)プロピオン酸と0.70g(3.44mmol)の4−アミノメチル安息香酸メチル塩酸塩を、化合物(1)を合成する手順に従って反応させて、1.20gの白色固体を得た。収率59.8%、比旋光度[α]20=+17.8°(20mg/2ml、DMF)。H−NMR(CDCl,400MHz)、δ(ppm):0.73(3H,t,J=7.32Hz,CH)、0.96(3H,t,J=7.28Hz,CH)、1.51(2H,m,CH)、1.66(2H,m,CH)、2.10(3H,s,CH)、2.11(3H,s,CH)、3.13(2H,t,J=7.60Hz,CH)、3.40(2H,m,CH)、4.38(1H,m,×CH)、4.58(1H,m,×CH)、5.78(1H,d,J=3.12Hz,CH)、5.80(1H,d,J=3.08Hz,CH)、7.06(1H,d,J=7.56Hz,ArH)、7.25〜7.31(4H,m,ArH)、7.40(1H,br,CONH)、7.54(1H,d,J=8.12Hz,ArH)、7.96(2H,d,J=8.12Hz,ArH)、8.90(1H,br,CONH);FAB−MS m/e(%):584.0([M+1],100)。
【0047】
実施例5 L−(2R,3R)−5−[2,3−ジアセトキシ−3−(1−メトキシカルボニル−2−フェニル−エチルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−イソフタル酸ジメチルの調製
【化19】

【0048】
ステップ1 L−(2R,3R)−2,3−ジアセトキシ−3−(3,5−ジメトキシカルボニルフェニルカルバモイル)プロピオン酸
7.43g(34.4mmol)のL−(4R,5R)−2,3−ジアセトキシ−コハク酸無水物と7.20g(24.1mmol)の5−アミノ−イソフタル酸ジメチルを、実施例1のステップ2における手順に従って反応させて、10.00gの黄色がかった油状物を得た。収率70.1%、比旋光度[α]20=−6.3°(20mg/2ml、CHOH)。H−NMR(DMSO,400MHz)、δ(ppm):2.06(3H,s,CH)、2.16(3H,s,CH)、3.90(6H,s,2×CH)、5.61(1H,d,J=2.80Hz,CH)、5.69(1H,d,J=3.08Hz,CH)、8.21(1H,s,ArH)、8.48(2H,s,ArH)、10.69(1H,s,CONH)、13.77(1H,br,COOH);FAB−MS m/e(%):426.0([M+1],100)、384.0(22)。
【0049】
ステップ2 L−(2R,3R)−5−[2,3−ジアセトキシ−3−(1−メトキシカルボニル−2−フェニル−エチルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−イソフタル酸ジメチルの調製
1.50g(3.53mmol)のL−(2R,3R)−2,3−ジアセトキシ−3−(3,5−ジメトキシカルボニルフェニルカルバモイル)プロピオン酸と0.76g(3.53mmol)のメチルL−フェンプロバメート塩酸塩を、化合物(1)を合成する手順に従って反応させて、1.10gの白色固体を得た。収率53.2%、比旋光度[α]20=−8.1°(20mg/2ml、DMF)。H−NMR(CDCl,400MHz)、δ(ppm):2.05(3H,s,CH)、2.21(3H,s,CH)、3.14(2H,m,CH)、3.76(3H,s,CH)、3.95(6H,s,2×CH)、4.91(1H,m,CH)、5.78(1H,d,J=3.36Hz,CH)、5.80(1H,d,J=3.04Hz,CH)、6.57(1H,d,J=8.12Hz,CONH)、706(2H,m,ArH)、7.27(3H,m,ArH)、7.38(2H,d,J=1.40Hz,ArH)、8.43(1H,br,CONH)、8.45(1H,s,ArH);HREI−MS C283012としての計算値:586.1799、実測値:586.1777。
【0050】
実施例6 L−(2R,3R)−5−[2,3−ジアセトキシ−3−(4−メトキシカルボニル−ベンジルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−イソフタル酸ジメチルの調製
【化20】

【0051】
実施例5で調製した1.50g(3.53mmol)のL−(2R,3R)−2,3−ジアセトキシ−3−(3,5−ジメトキシカルボニルフェニルカルバモイル)プロピオン酸、及び0.71g(3.53mmol)の4−アミノメチル安息香酸メチル塩酸塩を、化合物(1)を合成する手順に従って反応させて、0.42gの白色固体を得た。収率20.8%。H−NMR(DMSO,400MHz)、δ(ppm):2.10(6H,s,2×CH)、3.84(3H,s,CH)3.90(6H,s,2×CH)、4.33(1H,m,×CH)、4.50(1H,m,×CH)、5.60(1H,d,J=2.80Hz,CH)、5.77(1H,d,J=3.08Hz,CH)、7.38(2H,d,J=8.40Hz,ArH)、7.91(2H,d,J=8.12Hz,ArH)、7.90(1H,d,J=1.40Hz,ArH)、8.45(2H,d,J=1.40Hz,ArH)、8.89(1H,t,J=6.16Hz,CONH)、8.89(1H,s,CONH);HREI−MS C272812としての計算値:572.1642、実測値:572.1661。
【0052】
実施例7 L−(2R,3R)−N−ベンジル−2,3−ジアセトキシ−3−(4−ベンジル−ピペラジン−1−イル−ホルミル)−プロピオンアミドの調製
【化21】

【0053】
ステップ1 L−(2R,3R)−2,3−ジアセトキシ−3−(ベンジルカルバモイル)プロピオン酸の調製
2.16g(10.0mmol)のL−(4R,5R)−2,3−ジアセトキシ−コハク酸無水物と1.07g(10.0mmol)のベンジルアミンを、実施例1のステップ2における手順に従って反応させて、2.80gの白色固体を得た。収率86.7%。H−NMR(DMSO,400MHz)、δ(ppm):2.00(3H,s,CH)、2.12(3H,s,CH)、4.23(1H,m,×CH)、4.37(1H,m,×CH)、5.52(1H,d,J=2.52Hz,CH)、5.54(1H,d,J=2.52Hz,CH)、7.19〜7.31(5H,m,ArH)、8.76(1H,t,J=6.16Hz,CONH)、13.70(1H,br,COOH);FAB−MS m/e(%):324.0([M+1],100)、91.0(20)。
【0054】
ステップ2 L−(2R,3R)−N−ベンジル−2,3−ジアセトキシ−3−(4−ベンジル−ピペラジン−1−イル−ホルミル)−プロピオンアミドの調製
1.24g(3.83mmol)のL−(2R,3R)−2,3−ジアセトキシ−3−(ベンジルカルバモイル)プロピオン酸と0.67g(3.83mmol)の4−ベンジルピペラジンを、化合物(1)を合成する手順に従って反応させて、0.80gの白色固体を得た。収率43.4%。H−NMR(CDCl,400MHz)、δ(ppm):1.94(1H,m,×CH)、2.06(3H,s,CH)、2.15(3H,s,CH)、2.40(2H,m,CH)、2.42(2H,m,CH)、3.34(1H,br,×CH)、3.61(3H,s,CH)、3.64(2H,s,CH)、4.35(1H,m,×CH)、4.64(1H,m,×CH)、5.66(1H,d,J=3.64Hz,CH)、5.87(1H,d,J=3.64Hz,CH)、6.72(1H,t,J=6.04Hz,CONH)、7.27〜7.33(10H,m,ArH);FAB−MS m/e(%):482.0([M+1],100)。
【0055】
実施例8 L−(2R,3R)−4−[(3−ベンジルカルバモイル−2,3−ジヒドロキシ−プロピオニルアミノ)メチル]−安息香酸メチルの調製
【化22】

【0056】
ステップ1 L−(4R,5R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4,5−ジカルボン酸モノメチルエステルの調製
8.59g(39.4mmol)のL−(4R,5R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4,5−ジカルボン酸ジメチルエステルを、200mlの水/ジオキサン(体積比1:1)混合溶媒に溶解し、それに39.4mlの1M NaOHを30分以内にゆっくり滴下し、続いて撹拌しながら、室温で1時間反応させた。得られた反応生成物をCHClで3回抽出した。得られた有機相を廃棄した。残った水相のpH値を1M HClで2〜3に調整し、CHClで3回抽出した。得られた有機相を合わせ、無水NaSOで乾燥し、蒸発によって溶媒除去を施し、シリカゲルクロマトグラフィーカラムに加え、石油エーテル:酢酸エチル=5:1、及び酢酸エチルで順々に溶離して、それによって6.8gの黄色がかった油状物を得た。収率84.6%、比旋光度[α]20=−51.2°(20mg/2ml、CHOH)。H−NMR(CDCl,400MHz)、δ(ppm):1.50(3H,s,CH)、1.52(3H,s,CH)、3.84(2H,s,CH)、4.83(1H,d,J=5.60Hz,CH)、4.89(1H,d,J=5.64Hz,CH)、9.76(1H,br,OH)。
【0057】
ステップ2 L−(4R,5R)−5−ベンジルアミノカルボニル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−ギ酸メチルの調製
6.0g(29.4mmol)のL−(4R,5R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4,5−ジカルボン酸モノメチルエステル及び3.78g(35.2mmol)のベンジルアミンを140mlの無水THFに溶解し、それに、さらに5.96g(44mol)のHOBt、及び9.08g(44mol)のDCCを添加し、続いて室温で2時間反応させた。反応によって得られた固体物を濾過で除去した。残った母液を減圧下で蒸発乾固して、油状物を得た。これをシリカゲルクロマトグラフィーカラムに加え、石油エーテル:酢酸エチル=3:1で溶離して、7.8gの無色油状物を得た。収率86.4%。H−NMR(CDCl,400MHz)、δ(ppm):1.33(3H,t,JHH=7.00Hz,CH)、1.45(3H,s,CH)、1.46(3H,s,CH)、4.30(2H,q,J=7.00Hz,CH)、4.44〜4.55(2H,m,CH)、4.77(1H,d,J=5.52Hz,CH)、4.82(1H,d,J=5.30Hz,CH)、6.82(1H,br,CONH)、7.26〜7.38(5H,m,ArH)。
【0058】
ステップ3 L−(4R,5R)−5−ベンジルアミノカルボニル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−ギ酸の調製
7.56g(24.6mmol)のL−(4R,5R)−5−ベンジルアミノカルボニル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−ギ酸メチルを300mlの水/ジオキサン(体積比1:1)混合溶媒に溶解し、それに24.6mlの1M NaOHを30分以内にゆっくり滴下し、続いて撹拌しながら、室温で1時間反応させた。得られた反応生成物を、CHClで3回抽出した。得られた有機相を廃棄した。残った水相のpH値を、1M HClで2に調整し、CHClで3回抽出した。得られた有機相を合わせ、無水NaSOで乾燥し、蒸発によって溶媒除去を施して、それによって6.5gの黄色がかった油状物を得た。収率94.4%。H−NMR(CDCl,400MHz)、δ(ppm):1.46(3H,s,CH)、1.51(3H,s,CH)、4.58〜4.65(4H,m,CH及び2×CH)、7.30(1H,br,CONH)、7.31〜7.37(5H,m,ArH)、11.25(1H,br,OH)。
【0059】
ステップ4 L−(4R,5R)−4−{[(5−ベンジルアミノカルボニル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−ホルミル)アミノ]−メチル}安息香酸メチルの調製
0.28g(1.0mmol)のL−(4R,5R)−5−ベンジルアミノカルボニル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−ギ酸及び0.20g(1.0mmol)の4−アミノメチル安息香酸メチル塩酸塩を10mlの無水THFに溶解し、それに、さらに0.20g(1.5mmol)のHOBt、0.12g(1.0mmol)のトリエチルアミン、及び0.31g(1.5mmol)のDCCを添加し、続いて撹拌しながら、室温で2時間反応させた。反応によって得られた固体物を濾過で除去した。残った母液を減圧下で蒸発乾固して、油状物を得た。これをシリカゲルクロマトグラフィーカラムに加え、シクロヘキサン:酢酸エチル=3:1で溶離して、0.25gの無色油状物で得た。収率58.5%、比旋光度[α]20=−33.8°(20mg/2ml、CHOH)。H−NMR(DMSO,400MHz)、δ(ppm):1.41(6H,s,2×CH)、3.84(3H,m,CH)、4.33(2H,t,J=6.16Hz,CH)、4.40(2H,t,J=6.16Hz,CH)、4.59(1H,d,J=6.44Hz,CH)、4.63(1H,d,J=4.76Hz,CH)、7.26〜7.32(5H,m,ArH)、7.41(2H,d,J=8.12Hz,ArH)、7.91(2H,d,J=8.12Hz,ArH)、8.71(1H,t,J=6.16Hz,CONH)、8.83(1H,t,J=6.16Hz,CONH);FAB−MS m/e(%):427.1([M+1],100)、91.2(32)。
【0060】
ステップ5 L−(2R,3R)−4−[(3−ベンジルカルバモイル−2,3−ジヒドロキシ−プロピオニルアミノ)メチル]−安息香酸メチルの調製
0.20g(0.47mmol)のL−(4R,5R)−4−{[(5−ベンジルアミノカルボニル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−ホルミル)アミノ]−メチル}安息香酸メチルを10mlのメタノールに溶解し、それに、0.5mlの1N HClを添加し、続いて還流で8時間反応させた。得られた反応生成物を減圧下で蒸発乾固して、油状物を得た。これを、シリカゲルクロマトグラフィーカラムに加え、シクロヘキサン:酢酸エチル=1:1で溶離して、0.10gの白色固体を得た。収率55.2%、mp:205〜206℃、比旋光度[α]20=+90.4°(20mg/2ml、CHOH)。H−NMR(DMSO,400MHz)、δ(ppm):3.84(3H,s,CH)、4.28〜4.50(6H,m,2×CH及び2×CH)、5.77(2H,m,2×OH)、7.22(1H,m,ArH)、7.30(4H,m,ArH)、7.44(2H,d,J=8.12Hz,ArH)、7.89(2H,d,J=8.12Hz,ArH)、8.71(1H,t,J=6.16Hz,CONH)、8.83(1H,t,J=6.16Hz,CONH);EI−MS m/e(%):386.1(M,40)、194.0(92)、91.1(100);HREI−MS C2022としての計算値:386.1478、実測値:386.1490。
【0061】
実施例9 L−(2R,3R)−2−[(3−ベンジルカルバモイル−2,3−ジヒドロキシ−プロピオニルアミノ)−3−フェニル−プロピオン酸メチルの調製
【化23】

【0062】
ステップ1 メチルL−(4R,5R)−5−(ナフチル−2−アミノ)カルボニル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−ホルミル−L−フェンプロバメートの調製
実施例8で調製した0.56g(2.0mmol)のL−(4R,5R)−5−ベンジルアミノカルボニル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−ギ酸、及び0.44g(2.0mmol)のメチルL−フェンプロバメート塩酸塩を、実施例8のステップ4における手順に従って反応させて、0.88gの無色油状物を得た。これは、さらに精製することなく、TLCで単一のスポットを示した。収率100.0%。
【0063】
ステップ2 L−(2R,3R)−2−[(3−ベンジルカルバモイル−2,3−ジヒドロキシ−プロピオニルアミノ)−3−フェニル−プロピオン酸メチルの調製
0.60g(1.36mmol)のメチルL−(4R,5R)−5−(ナフチル−2−アミノ)カルボニル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−ホルミル−L−フェンプロバメートを10mlのメタノールに溶解し、化合物(8)を合成する手順に従って反応させて、0.30gの白色固体を得た。収率55.1%、比旋光度[α]20=+86.4°(20mg/2ml、CHOH)。H−NMR(DMSO,400MHz)、δ(ppm):3.05(2H,m,CH)、3.61(3H,s,CH)、4.27〜4.40(4H,m,CH及び2×CH)、4.58(H,m,CH)、5.61(1H,d,J=7.28Hz,OH)、5.83(1H,d,J=7.56Hz,OH)、7.18〜7.29(10H,m,ArH)、7.90(1H,d,J=8.12Hz,CONH)、8.21(1H,t,J=6.16Hz,CONH);EI−MS m/e(%):400.1(M,30)、194.0(62)、91.1(100);HREI−MS C2124としての計算値:400.1634、実測値:400.1623。
【0064】
実施例10 L−(2R,3R)−2−(3−ベンジルカルバモイル−2,3−ジヒドロキシ−プロピオニルアミノ)−3−フェニル−プロピオン酸の調製
【化24】


実施例9で調製した0.20g(0.50mmol)のL−(2R,3R)−2−(3−ベンジルカルバモイル−2,3−ジヒドロキシ−プロピオニルアミノ)−3−フェニル−プロピオン酸メチルを、5mlの水/ジオキサン(体積比1:1)混合溶媒に溶解し、それに、1mlの1N NaOHを添加し、続いて撹拌しながら、室温で4時間反応させた。得られた反応生成物をCHClで3回抽出した。得られた有機相を廃棄した。残った水相のpH値を1M HClで2に調整し、CHClで3回抽出した。得られた有機相を合わせ、無水NaSOで乾燥し、蒸発によって溶媒除去を施して、それによって0.07gの白色固体を得た。収率36.2%、mp:236〜238℃、比旋光度[α]20=+118°(20mg/2ml、CHOH)。H−NMR(DMSO,400MHz)、δ(ppm):3.04(2H,m,CH)、4.28〜4.39(4H,m,CH及び2×CH)、4.55(H,m,CH)、5.58(1H,br,OH)、5.83(1H,d,J=7.56Hz,OH)、7.18〜7.30(10H,m,ArH)、7.69(1H,d,J=7.84Hz,CONH)、8.21(1H,t,J=5.88Hz,CONH)、13.00(1H,br,COOH);FAB−MS m/e(%):387.1([M+1],100)、91.0(82)。
【0065】
実施例11 L−(2R,3R)−4−(3−ベンジルカルバモイル−2,3−ジヒドロキシ−プロピオニルアミノメチル)−シクロヘキサンカルボン酸メチルの調製
【化25】

【0066】
ステップ1 L−(4R,5R)−4−{[(5−ベンジルアミノカルボニル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−ホルミル)アミノ]−メチル}シクロヘキサンカルボン酸メチルの調製
実施例8で調製した0.62g(2.2mmol)のL−(4R,5R)−5−ベンジルアミノカルボニル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−ギ酸、及び0.46g(2.2mmol)の(4−アミノメチル)シクロヘキサンカルボン酸メチル塩酸塩を、実施例8のステップ4における手順に従って反応させて、0.42gの無色油状物を得た。収率44.2%、比旋光度[α]20=−34.3°(20mg/2ml、CHOH)。H−NMR(DMSO,400MHz)、δ(ppm):0.93(2H,m,CH)、1.24(2H,m,CH)、1.40(7H,m,2×CH及び1/2×CH)、1.69(2H,d,J=12.6Hz,CH)、1.88(2H,d,J=11.2Hz,CH)、2.22(1H,m,×CH)、2.96(2H,m,CH)、3.57(3H,s,CH)、4.31(2H,d,J=11.4Hz,CH)、4.51(1H,d,J=6.44Hz,CH)、4.55(1H,d,J=6.44Hz,CH)、7.23〜7.31(5H,m,ArH)、8.14(1H,t,J=5.48Hz,CONH)、8.81(1H,t,J=6.16Hz,CONH);EI−MS m/e(%):432.2(M,35)、176.1(84)、91.1(100)。
【0067】
ステップ2 L−(2R,3R)−4−(3−ベンジルカルバモイル−2,3−ジヒドロキシ−プロピオニルアミノメチル)−シクロヘキサンカルボン酸メチルの調製
0.40g(0.93mmol)のL−(4R,5R)−4−{[(5−ベンジルアミノカルボニル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−ホルミル)アミノ]−メチル}シクロヘキサンカルボン酸メチルを10mlのメタノールに溶解し、化合物(8)を合成する手順に従って反応させて、0.11gの白色固体を得た。収率29.4%、mp:153〜154℃、比旋光度[α]20=+83.9°(20mg/2ml、CHOH)。H−NMR(DMSO,400MHz)、δ(ppm):0.92(2H,m,CH)、1.26(2H,m,CH)、1.42(1H,m,CH)、1.74(2H,m,CH)、1.86(2H,m,CH)、2.22(1H,m,CH)、2.97(2H,m,CH)、3.59(3H,s,CH)、4.26〜4.39(4H,m,CH及び2×CH)、5.60(2H,m,2×OH)、7.21(1H,m,ArH)、7.28(4H,m,ArH)、7.64(1H,t,J=6.16Hz,CONH)、8.19(1H,t,J=6.44Hz,CONH);EI−MS m/e(%):392.1(M,20)、258.1(92)、91.0(100);HREI−MS C2028としての計算値:392.1947、実測値:392.1951。
【0068】
実施例12 L−(2R,3R)−4−[(3−ベンジルカルバモイル−2,3−ジヒドロキシ−プロピオニルアミノ)メチル]−安息香酸の調製
【化26】


実施例8で調製した0.40g(0.93mmol)のL−(2R,3R)−4−[(3−ベンジルカルバモイル−2,3−ジヒドロキシ−プロピオニルアミノ)メチル]−安息香酸メチルを、5mlの水/ジオキサン(体積比1:1)混合溶媒に溶解し、化合物(10)を合成する手順に従って反応させて、0.05gの白色固体を得た。収率7.7%、mp:177〜178℃、比旋光度[α]20=+106°(20mg/2ml、DMF)。H−NMR(DMSO,400MHz)、δ(ppm):4.28〜4.48(6H,m,2×CH及び2×CH)、5.77(2H,m,2×OH)、7.22(1H,m,ArH)、7.30(4H,m,ArH)、7.41(2H,d,J=8.16Hz,ArH)、7.87(2H,d,J=8.12Hz,ArH)、8.71(1H,t,J=6.48Hz,CONH)、8.83(1H,t,J=6.48Hz,CONH)、12.81(1H,br,COOH);FAB−MS m/e(%):373.2([M+1],100)、318.4(40)、274.4(72)。
【0069】
実施例13 L−(2R,3R)−4−(3−ベンジルカルバモイル−2,3−ジヒドロキシ−プロピオニルアミノ)−酪酸メチルの調製
【化27】

【0070】
ステップ1 L−(4R,5R)−4−(5−ベンジルアミノカルボニル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−ホルミル)アミノ酪酸メチルの調製
実施例8で調製した1.68g(6.0mmol)のL−(4R,5R)−5−ベンジルアミノカルボニル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−ギ酸、及び0.90g(6.0mmol)の4−アミノ酪酸メチル塩酸塩を、実施例8のステップ4における手順に従って反応させて、1.20gの無色油状物を得た。収率52.9%、比旋光度[α]20=−33.4°(20mg/2ml、CHOH)。H−NMR(DMSO,400MHz)、δ(ppm):1.39(6H,s,2×CH)、1.69(2H,m,CH)、2.31(2H,t,J=7.56Hz,CH)、3.12(2H,m,CH)、3.58(3H,s,CH)、4.32(2H,d,J=6.16Hz,CH)、4.51(1H,d,J=6.16Hz,CH)、4.54(1H,d,J=6.16Hz,CH)、7.22〜7.34(5H,m,ArH)、8.19(1H,t,J=5.60Hz,CONH)、8.81(1H,t,J=5.88Hz,CONH);EI−MS m/e(%):378.1(M,35)、186(63)、176.1(100)、91.1(98)。
【0071】
ステップ2 L−(2R,3R)−4−(3−ベンジルカルバモイル−2,3−ジヒドロキシ−プロピオニルアミノ)−酪酸メチルの調製
1.20g(3.17mmol)のL−(4R,5R)−4−(5−ベンジルアミノカルボニル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−ホルミル)アミノ酪酸メチルを10mlのメタノールに溶解し、化合物(8)を合成する手順に従って反応させて、0.40gの白色固体を得た。収率37.3%、mp:142〜145℃、比旋光度[α]20=+84.8°(20mg/2ml、CHOH)。H−NMR(DMSO,400MHz)、δ(ppm):1.69(2H,m,CH)、2.31(2H,t,J=7.00Hz,CH)、3.13(2H,m,CH)、3.58(3H,s,CH)、4.27〜4.39(4H,m,CH及び2×CH)、5.59(2H,m,2×OH)、7.22(1H,m,ArH)、7.29(4H,m,ArH)、7.78(1H,t,J=6.20Hz,CONH)、8.18(1H,t,J=6.44Hz,CONH)、12.81(1H,br,COOH);EI−MS m/e(%):338.1(M,10)、204.1(84)、91.1(100);HREI−MS C1622としての計算値:338.1478、実測値:338.1480。
【0072】
実施例14 L−(2R,3R)−4−(3−ベンジルカルバモイル−2,3−ジヒドロキシ−プロピオニルアミノ)−酪酸の調製
【化28】


実施例13で調製した0.40g(1.18mmol)のL−(2R,3R)−4−(3−ベンジルカルバモイル−2,3−ジヒドロキシ−プロピオニルアミノ)−酪酸メチルを、5mlの水/ジオキサン(体積比1:1)混合溶媒に溶解し、化合物(10)を合成する手順に従って反応させて、0.20gの白色固体を得た。収率52.2%、mp:169〜170℃、比旋光度[α]20=+86.2°(20mg/2ml、CHOH)。H−NMR(DMSO,400MHz)、δ(ppm):1.66(2H,m,CH)、2.22(2H,t,J=7.00Hz,CH)、3.13(2H,m,CH)、4.26〜4.38(4H,m,CH及び2×CH)、5.57(2H,m,2×OH)、7.21(1H,m,ArH)、7.29(4H,m,ArH)、7.75(1H,t,J=6.16Hz,CONH)、8.18(1H,t,J=6.96Hz,CONH)、12.00(1H,br,COOH);FAB−MS m/e(%):325.2([M+1],100)、194.1(18)、91.1(47)。
【0073】
実施例15 L−(2R,3R)−4−[(3−ベンジルカルバモイル−2,3−ジヒドロキシ−プロピオニルアミノ)メチル]−シクロヘキサンカルボン酸の調製
【化29】


実施例11で調製した0.50g(1.28mmol)のL−(2R,3R)−4−(3−ベンジルカルバモイル−2,3−ジヒドロキシ−プロピオニルアミノメチル)−シクロヘキサンカルボン酸メチルを、5mlの水/ジオキサン(体積比1:1)混合溶媒に溶解し、化合物(10)を合成する手順に従って反応させて、0.30gの白色固体を得た。収率62.2%、mp:236〜238℃、比旋光度[α]20=+80.2°(20mg/2ml、CHOH)。H−NMR(DMSO,400MHz)、δ(ppm):0.90(2H,m,CH)、1.22(2H,m,CH)、1.40(1H,m,CH)、1.73(2H,m,CH)、1.88(2H,m,CH)、2.01(1H,m,CH)、2.98(2H,m,CH)、4.27〜4.40(4H,m,CH及び2×CH)、5.60(2H,m,2×OH)、7.21(1H,m,ArH)、7.28(4H,m,ArH)、7.64(1H,t,J=5.92Hz,CONH)、8.20(1H,t,J=6.44Hz,CONH);11.95(1H,br,COOH);FAB−MS m/e(%):379.2([M+1],100)、91.1(17)。
【0074】
実施例16 L−(2R,3R)−5−(3−ベンジルカルバモイル−2,3−ジヒドロキシ−プロピオニルアミノ)−イソフタル酸ジメチルの調製
【化30】

【0075】
ステップ1 L−(4R,5R)−5−[(5−ベンジルアミノカルボニル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−ホルミル)アミノ]−イソフタル酸ジメチルの調製
実施例8で調製した2.80g(10.0mmol)のL−(4R,5R)−5−ベンジルアミノカルボニル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−ギ酸、及び2.10g(10.0mmol)の5−アミノ−イソフタル酸ジメチルを、実施例8のステップ4における手順に従って反応させて、1.70gの白色固体を得た。mp:146〜147℃、収率36.2%、比旋光度[α]20=−47.8°(20mg/2ml、CHOH)。H−NMR(DMSO,400MHz)、δ(ppm):1.46(6H,s,2×CH)、4.35(2H,d,J=6.16Hz,CH)、4.72(1H,d,J=6.44Hz,CH)、4.76(1H,d,J=6.44Hz,CH)、7.22〜7.35(5H,m,ArH)、8.21(1H,s,ArH)、8.59(2H,s,ArH)、8.75(1H,br,CONH)、10.68(1H,s,CONH);EI−MS m/e(%):470.2(M,65)、209.1(51)、176.1(98)、91.1(100)。
【0076】
ステップ2 L−(2R,3R)−5−(3−ベンジルカルバモイル−2,3−ジヒドロキシ−プロピオニルアミノ)−イソフタル酸メチルの調製
1.10g(2.34mmol)のL−(4R,5R)−5−[(5−ベンジルアミノカルボニル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−ホルミル)アミノ]−イソフタル酸ジメチルを10mlのメタノールに溶解し、化合物(8)を合成する手順に従って反応させて、0.40gの白色固体を得た。収率39.7%、比旋光度[α]20=+137.0°(20mg/2ml、CHOH)。H−NMR(DMSO,400MHz)、δ(ppm):3.58(6H,s,2×CH)、4.27〜4.50(4H,m,CH及び2×CH)、5.89(1H,d,J=7.00Hz,OH)、5.97(1H,d,J=7.28Hz,OH)、7.21(1H,m,ArH)、7.30(4H,m,ArH)、8.18(1H,t,J=1.40Hz,ArH)、8.33(1H,t,J=6.32Hz,CONH)、8.70(2H,d,J=1.44Hz,ArH)、10.29(1H,s,CONH);EI−MS m/e(%):430.0(M,15)、194.0(49)、91.0(100);HREI−MS C2122としての計算値:430.1376、実測値:430.1361。
【0077】
実施例17 L−(2R,3R)−4−{[2,3−ジヒドロキシ−3−(ナフチル−2−カルバモイル)−プロピオニルアミノ]メチル}−安息香酸メチルの調製
【化31】

【0078】
ステップ1 L−(4R,5R)−4−(5−ナフチル−2−アミノ)カルボニル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−ギ酸メチルの調製
実施例8で調製した6.0g(29.4mmol)のL−(4R,5R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4,5−ジカルボン酸モノメチルエステル、及び5.03g(35.2mmol)の2−ナフチルアミンを、実施例8のステップ2における手順に従って反応させて、8.5gの油状物を得た。これは、さらに精製することなく、TLCで単一のスポットを示した。収率87.9%。
【0079】
ステップ2 L−(4R,5R)−4−(5−ナフチル−2−アミノ)カルボニル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−ギ酸の調製
8.09g(24.6mmol)のL−(4R,5R)−4−(5−ナフチル−2−アミノ)カルボニル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−ギ酸メチルを300mlの水/ジオキサン(体積比1:1)混合溶媒に溶解し、実施例8のステップ3における手順に従って反応させて、6.0gの黄色がかった固体を得た。収率77.4%、mp:168〜169℃、比旋光度[α]20=−44.1°(20mg/2ml、CHOH)。H−NMR(DMSO,400MHz)、δ(ppm):1.45(3H,s,CH)、1.46(3H,s,CH)、4.80(1H,d,J=5.88Hz,CH)、4.84(1H,d,J=5.88Hz,CH)、7.42(1H,t,J=6.72Hz,ArH)、7.49(1H,t,J=6.72Hz,ArH)、7.66(2H,m,ArH)、7.83〜7.90(3H,m,ArH)、8.35(1H,s,ArH)、10.40(1H,br,CONH)、13.25(1H,br,COOH);FAB−MS m/e(%):316.2([M+1],100)、143.2(19)。
【0080】
ステップ3 L−(4R,5R)−4−{[(5−ナフチル−2−アミノカルボニル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−ホルミル)アミノ]−メチル}安息香酸メチルの調製
1.28g(4.0mmol)のL−(4R,5R)−4−(5−ナフチル−2−アミノカルボニル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−ギ酸と0.80g(2.0mmol)の(4−アミノメチル)安息香酸メチルを、実施例8のステップ4における手順に従って反応させて、1.24gの無色油状物を得た。収率67.1%、比旋光度[α]20=−58.9°(20mg/2ml、DMF)。H−NMR(DMSO,400MHz)、δ(ppm):1.47(3H,s,CH)、1.49(3H,s,CH)、3.83(3H,s,CH)、4.42(2H,m,CH)、4.75(1H,d,J=6.20Hz,CH)、4.81(1H,d,J=6.44Hz,CH)、7.41〜7.49(4H,m,ArH)、7.68(1H,m,ArH);7.66(1H,m,ArH)、7.83〜7.92(5H,m,ArH)、8.35(1H,s,ArH)、8.89(1H,t,J=6.16Hz,CONH)、10.45(1H,br,CONH);HREI−MS C2626としての計算値:462.1791、実測値:462.1788。
【0081】
ステップ4 L−(2R,3R)−4−{[2,3−ジヒドロキシ−3−(ナフタレン−2−イルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]メチル}−安息香酸メチルの調製
1.10g(2.38mmol)のL−(4R,5R)−4−{[(5−ナフチル−2−アミノカルボニル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−ホルミル)アミノ]−メチル}安息香酸メチルを10mlのメタノールに溶解し、化合物(8)を合成する手順に従って反応させて、0.80gの白色固体を得た。収率79.6%、比旋光度[α]20=+174.0°(20mg/2ml、CHOH)。H−NMR(DMSO,400MHz)、δ(ppm):3.85(3H,s,CH)、4.38(1H,d,J=15.68Hz,CH)、4.53(1H,d,J=1.68Hz,×CH)、4.52(2H,m,CH及び1/2×CH)、6.02(2H,br,2×OH)、7.40〜7.49(4H,m,ArH)、7.69〜7.91(6H,m,ArH)、8.45(1H,t,J=1.40Hz,ArH)、8.8.47(1H,br,CONH)、9.86(1H,br,CONH);EI−MS m/e(%):422.0(M,45)、143.2(100);HREI−MS C2322としての計算値:422.1480、実測値:422.1480。
【0082】
実施例18 L−(2R,3R)−4−{[2,3−ジヒドロキシ−3−(ナフチル−2−カルバモイル)−プロピオニルアミノ]メチル}−シクロヘキサンカルボン酸メチルの調製
【化32】

【0083】
ステップ1 L−(4R,5R)−4−{[(5−ナフチル−2−アミノカルボニル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−ホルミル)アミノ]−メチル}シクロヘキサンカルボン酸メチルの調製
実施例17で調製した0.64g(2.0mmol)のL−(4R,5R)−4−(5−ナフチル−2−アミノ)カルボニル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−ギ酸、及び0.41g(2.0mmol)の(4−アミノメチル)シクロヘキサンカルボン酸メチル塩酸塩を、実施例8のステップ4における手順に従って反応させて、0.70gの白色固体を得た。mp:130〜131℃、収率74.8%、比旋光度[α]20=−61.6°(20mg/2ml、DMF)。H−NMR(DMSO,400MHz)、δ(ppm):0.93(2H,m,CH)、1.28(2H,m,CH)、1.40(7H,m,2×CH及び1/2×CH)、1.71(2H,d,J=12.36Hz,CH)、1.87(2H,d,J=11.48Hz,CH)、2.22(1H,m,×CH)、2.99(2H,t,J=6.44Hz,CH)、3.57(3H,s,CH)、4.70(2H,d,J=6.72Hz,2×CH)、7.43(1H,t,J=6.72Hz,ArH)、7.49(1H,t,J=8.16Hz,ArH)、7.66(2H,m,ArH)、7.83〜7.89(3H,m,ArH)、8.17(1H,br,CONH)、8.34(1H,s,ArH)、10.39(1H,br,CONH);HREI−MS C2632としての計算値:468.2260、実測値:468.2261。
【0084】
ステップ2 L−(2R,3R)−4−{[2,3−ジヒドロキシ−3−(ナフタレン−2−イルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]メチル}−シクロヘキサンカルボン酸メチルの調製
0.50g(1.07mmol)のL−(4R,5R)−4−{[(5−ナフチル−2−アミノカルボニル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−ホルミル)アミノ]−メチル}シクロヘキサンカルボン酸メチルを10mlのメタノールに溶解し、化合物(8)を合成する手順に従って反応させて、0.22gの白色固体を得た。収率48.1%。H−NMR(DMSO,400MHz)、δ(ppm):0.93(2H,m,CH)、1.27(2H,m,CH)、1.46(1H,m,CH)、1.74(2H,m,CH)、1.98(2H,m,CH)、2.23(1H,m,CH)、2.97(2H,m,CH)、3.57(3H,s,CH)、4.34(1H,d,J=5.32Hz,CH)、4.45(1H,d,J=7.00Hz,CH)、5.78(1H,d,J=7.00Hz,OH)、5.95(1H,d,J=7.00Hz,OH)、7.41(1H,t,J=6.76Hz,ArH)、7.47(1H,t,J=7.00Hz,ArH)、7.72〜7.87(5H,m,ArH)、8.44(1H,s,CONH)、9.80(1H,s,CONH);EI−MS m/e(%):428.2(M,60)、258.1(30)、143.1(100);HREI−MS C2328としての計算値:428.1947、実測値:428.1947。
【0085】
実施例19 L−(2R,3R)−2−[2,3−ジヒドロキシ−3−(ナフタレン−2−イルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−3−フェニル−プロピオン酸メチルの調製
【化33】


実施例1で調製した0.45g(0.87mmol)のL−(2R,3R)−2−[2,3−ジアセトキシ−3−(ナフタレン−2−イルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−3−フェニル−プロピオン酸メチル、及び0.05g(0.92mmol)のナトリウムメトキシドを10mlのメタノールに溶解し、撹拌しながら、室温で12時間反応させ、濾過した。得られた母液を減圧下で蒸発乾固して、油状物を得た。これを、シリカゲルクロマトグラフィーカラムに加え、シクロヘキサン:酢酸エチル=3:1で溶離して、0.28gの油状物を得た。収率41.4%、収率74.7%、比旋光度[α]20=+129.5°(20mg/2ml、DMF)。H−NMR(DMSO,400MHz)、δ(ppm):3.08(2H,m,CH)、3.63(3H,s,CH)、4.35(1H,d,J=7.28Hz,CH)、4.45(1H,d,J=7.28Hz,CH)、4.63(1H,q,J=7.28Hz,CH)、5.89(1H,d,J=7.00Hz,OH)、5.96(1H,d,J=7.00Hz,OH)、7.18〜7.28(5H,m,ArH)、7.40(1H,t,J=7.00Hz,ArH)、7.45(1H,t,J=7.00Hz,ArH)、7.78〜7.93(5H,m,ArH)、8.42(1H,s,CONH)、9.77(1H,s,CONH);HREI−MS C2424としての計算値:436.1637、実測値:436.1637。
【0086】
実施例20 L−(2R,3R)−2−[2,3−ジヒドロキシ−3−(4−フェノキシ−フェニルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−3−フェニル−プロピオン酸エチルの調製
【化34】

【0087】
ステップ1 L−(2R,3R)−2−[2,3−ジアセトキシ−3−(4−フェノキシ−フェニルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−3−フェニル−プロピオン酸メチルの調製
実施例2で調製した2.00g(5.00mmol)のL−(2R,3R)−2,3−ジアセトキシ−3−(4−フェノキシ−フェニルカルバモイル)プロピオン酸、及び1.08g(5.00mmol)のメチルL−フェンプロバメート塩酸塩を、化合物(1)を合成する手順に従って反応させて、1.20gの白色固体を得た。これは、さらに精製することなく、TLCで単一のスポットを示した。収率42.7%。
【0088】
ステップ2 L−(2R,3R)−2−[2,3−ジヒドロキシ−3−(4−フェノキシ−フェニルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−3−フェニル−プロピオン酸エチルの調製
0.45g(0.80mmol)のL−(2R,3R)−2−[2,3−ジアセトキシ−3−(4−フェノキシ−フェニルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−3−フェニル−プロピオン酸メチル、0.05g(0.92mmol)のナトリウムメトキシドを10mlのエタノールに溶解し、化合物(19)を合成する手順に従って反応させて、0.24gの白色固体を得た。収率61.0%、比旋光度[α]20=+113.0°(20mg/2ml、CHOH)。H−NMR(DMSO,400MHz)、δ(ppm):1.14(3H,t,J=7.00Hz,CH)、3.06(2H,d,J=6.72Hz,CH)、4.07(2H,q,J=7.28Hz,CH)、4.31(1H,d,J=7.00Hz,CH)、4.40(1H,d,J=7.00Hz,CH)、4.59(1H,m,CH)、5.81(1H,d,J=7.04Hz,OH)、5.92(1H,d,J=7.32Hz,OH)、6.97(4H,m,ArH)、7.10(1H,t,J=7.28Hz,ArH)、7.17〜7.30(5H,m,ArH)、7.36(2H,m,ArH)、7.74(2H,d,J=6.72Hz,ArH)、7.87(1H,t,J=8.12Hz,CONH)、9.65(1H,s,CONH);HREI−MS C2728としての計算値:492.1897、実測値:492.1901。
【0089】
実施例21 L−(2R,3R)−4−{[2,3−ジヒドロキシ−3−(4−フェノキシ−フェニルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]メチル}−安息香酸メチルの調製
【化35】


実施例2で調製した0.50g(0.91mmol)のL−(2R,3R)−4−{[2,3−ジアセトキシ−3−(4−フェノキシ−フェニルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]メチル}−安息香酸メチル、0.05g(0.92mmol)のナトリウムメトキシドを10mlのメタノールに溶解し、化合物(19)を合成する手順に従って反応させて、0.25gの白色固体を得た。収率59.2%、比旋光度[α]20=+138.0°(20mg/2ml、DMSO)。H−NMR(DMSO,400MHz)、δ(ppm):3.84(3H,s,CH)、4.39(2H,m,CH及び1/2×CH)、4.47(2H,m,CH及び1/2×CH)、5.87(1H,d,J=7.00Hz,OH)、5.97(1H,d,J=7.00Hz,OH)、6.97(4H,m,ArH)、7.11(1H,t,J=7.28Hz,ArH)、7.36(2H,t,J=7.56Hz,ArH)、7.44(2H,d,J=8.40Hz,ArH)、7.78(2H,d,J=7.00Hz,ArH)、7.90(2H,d,J=8.48Hz,ArH)、8.47(1H,t,J=6.44Hz,CONH)、9.71(1H,s,CONH);HREI−MS C2524としての計算値:464.1584、実測値:464.1590。
【0090】
実施例22 L−(2R,3R)−4−[2,3−ジヒドロキシ−3−(4−フェノキシ−フェニルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−酪酸メチルの調製
【化36】


実施例3で調製した0.64g(1.30mmol)のL−(2R,3R)−4−[2,3−ジアセトキシ−3−(4−フェノキシ−フェニルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−酪酸メチル、0.05g(0.92mmol)のナトリウムメトキシドを10mlのメタノールに溶解し、化合物(19)を合成する手順に従って反応させて、0.33gの白色固体を得た。収率61.0%、比旋光度[α]20=+120.0°(20mg/2ml、DMSO)。H−NMR(DMSO,400MHz)、δ(ppm):1.69(2H,m,CH)、2.32(2H,m,CH)、3.18(2H,m,CH)、3.58(3H,s,CH)、4.30(1H,d,J=7.00Hz,CH)、4.40(1H,d,J=7.00Hz,CH)、5.69(1H,d,J=7.00Hz,OH)、5.84(1H,d,J=7.00Hz,OH)、6.97(4H,m,ArH)、7.10(1H,t,J=7.28Hz,ArH)、7.36(2H,t,J=7.56Hz,ArH)、7.75(2H,d,J=8.96Hz,ArH)、7.83(1H,t,J=6.16Hz,CONH)、9.65(1H,s,CONH);HREI−MS C2124としての計算値:416.1584、実測値:416.1589。
【0091】
実施例23 L−(2R,3R)−4−[2,3−ジヒドロキシ−3−(ナフタレン−2−イルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−酪酸メチルの調製
【化37】

【0092】
ステップ1 L−(2R,3R)−4−[2,3−ジアセトキシ−3−(ナフタレン−2−イルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−酪酸メチルの調製
実施例1で調製した1.80g(5.00mmol)のL−(2R,3R)−2,3−ジアセトキシ−3−(ナフタレン−2−イルカルバモイル)−プロピオン酸、及び0.77g(5.00mmol)の4−アミノ酪酸メチル塩酸塩を、化合物(1)を合成する手順に従って反応させて、0.45gの白色固体を得た。これは、さらに精製することなく、TLCで単一のスポットを示した。収率19.6%。
【0093】
ステップ2 L−(2R,3R)−4−[2,3−ジヒドロキシ−3−(ナフタレン−2−イルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−酪酸メチルの調製
0.45g(1.00mmol)のL−(2R,3R)−4−[2,3−ジアセトキシ−3−(ナフタレン−2−イルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−酪酸メチル、0.05g(0.92mmol)のナトリウムメトキシドを10mlのメタノールに溶解し、化合物(19)を合成する手順に従って反応させて、0.23gの白色固体を得た。収率61.2%、比旋光度[α]20=+157.0°(20mg/2ml、DMSO)。H−NMR(DMSO,400MHz)、δ(ppm):1.70(2H,t,J=7.32Hz,CH)、1.70(2H,t,J=7.32Hz,CH)、2.32(2H,m,CH)、3.19(2H,m,CH)、3.19(3H,s,CH)、4.33(1H,d,J=7.28Hz,CH)、4.46(1H,d,J=7.28Hz,CH)、5.75(1H,d,J=7.00Hz,OH)、5.92(1H,d,J=7.04Hz,OH)、7.41(1H,t,J=8.12Hz,,ArH)、7.47(1H,t,J=7.00Hz,ArH)、7.75〜7.7.87(5H,m,ArH)、8.43(1H,s,CONH)、9.77(1H,s,CONH);HREI−MS C1922としての計算値:374.1478、実測値:374.1461。
【0094】
実施例24 L−(2R,3R)−2−[3−(3−ジ−n−プロピルアミノホルミル−フェニルカルバモイル)−2,3−ジヒドロキシ−プロピオニルアミノ]−3−フェニル−プロピオン酸エチルの調製
【化38】

【0095】
ステップ1 L−(2R,3R)−2−[3−(3−ジ−n−プロピルアミノホルミル−フェニルカルバモイル)−2,3−ジアセトキシ−プロピオニルアミノ]−3−フェニル−プロピオン酸メチルの調製
実施例4で調製した1.50g(3.44mmol)のL−(2R,3R)−2,3−ジアセトキシ−3−(3−ジ−n−プロピルアミノホルミル−フェニルカルバモイル)プロピオン酸、及び0.74g(3.44mmol)のメチルL−フェンプロバメート塩酸塩を、化合物(1)を合成する手順に従って反応させて、2.00gの油状物を得た。これは、さらに精製することなく、TLCで単一のスポットを示した。収率97.4%。
【0096】
ステップ2 L−(2R,3R)−2−[3−(3−ジ−n−プロピルアミノホルミル−フェニルカルバモイル)−2,3−ジヒドロキシ−プロピオニルアミノ]−3−フェニル−プロピオン酸エチルの調製
0.90g(1.54mmol)のL−(2R,3R)−2−[3−(3−ジ−n−プロピルアミノホルミル−フェニルカルバモイル)−2,3−ジアセトキシ−プロピオニルアミノ]−3−フェニル−プロピオン酸メチル、0.05g(0.92mmol)のナトリウムメトキシドを10mlのエタノールに溶解し、化合物(19)を合成する手順に従って反応させて、0.22gの白色固体を得た。収率27.1%。H−NMR(DMSO,400MHz)、δ(ppm):0.67(3H,m,CH)、0.91(3H,m,CH)、1.15(3H,t,J=7.28Hz,CH)、1.48(2H,m,CH)、1.61(2H,m,CH)、3.06(2H,d,J=6.44Hz,CH)、3.07(2H,m,CH)、3.37(2H,m,CH)、4.07(2H,q,J=7.00Hz,CH)、4.34(1H,d,J=1.68Hz,CH)、4.41(1H,d,J=1.68Hz,CH)、5.92(2H,br,2×OH)、7.03(1H,d,J=7.56Hz,ArH)、7.17〜7.30(5H,m,ArH)、7.39(1H,t,J=7.84Hz,ArH)、7.68(1H,d,J=8.12Hz,ArH)、7.76(1H,s,ArH)、7.85(1H,d,J=7.88Hz,CONH)、9.72(1H,s,CONH);HREI−MS C2837としての計算値:527.2632、実測値:527.2633。
【0097】
実施例25 L−(2R,3R)−4−(3−ベンジルカルバモイル−2,3−ジヒドロキシ−プロピオニルアミノ)−酪酸ベンジルの調製
【化39】

【0098】
ステップ1 L−(2R,3R)−4−(3−ベンジルカルバモイル−2,3−ジアセトキシ−プロピオニルアミノ)−酪酸メチルの調製
実施例7で調製した1.24g(3.83mmol)のL−(2R,3R)−2,3−ジアセトキシ−3−(ベンジルカルバモイル)プロピオン酸、及び0.98g(3.83mmol)の4−ベンジルピペラジンを、化合物(1)を合成する手順に従って反応させて、0.60gの油状物を得た。これは、さらに精製することなく、TLCで単一のスポットを示した。収率60.5%。
【0099】
ステップ2 L−(2R,3R)−4−(3−ベンジルカルバモイル−2,3−ジヒドロキシ−プロピオニルアミノ)−酪酸ベンジルの調製
0.42g(1.00mmol)のL−(2R,3R)−4−(3−ベンジルカルバモイル−2,3−ジアセトキシ−プロピオニルアミノ)−酪酸メチル、0.05g(0.92mmol)のナトリウムメトキシドを10mlのベンジルアルコールに溶解し、化合物(19)を合成する手順に従って反応させて、0.10gの白色固体を得た。収率61.2%、比旋光度[α]20=+60.9°(20mg/2ml、DMF)。或いは、化合物(8)を合成する手順に従ってそれらを反応させて、0.40gの白色固体を得た。収率39.7%、比旋光度[α]20=+137.0°(20mg/2ml、CHOH)。H−NMR(DMSO,400MHz)、δ(ppm):1.71(2H,m,CH)、2.37(2H,t,J=7.00Hz,CH)、3.15(2H,m,CH)、4.25〜4.40(4H,m,CH及び2×CH)、5.08(2H,s,CH)、5.58(1H,d,J=7.28Hz,OH)、5.61(1H,d,J=7.00Hz,OH)、7.21〜37(10H,m,ArH)、7.80(1H,t,J=6.16Hz,CONH)、8.19(2H,d,J=6.44Hz,CONH);HREI−MS C2226としての計算値:414.1791、実測値:414.1785。
【0100】
実施例26 L−(2R,3R)−4−[2,3−ジヒドロキシ−3−(4−フェノキシ−フェニルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−シクロヘキサンカルボン酸エチルの調製
【化40】

【0101】
ステップ1 L−(2R,3R)−4−[2,3−ジアセトキシ−3−(4−フェノキシ−フェニルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−シクロヘキサンカルボン酸メチルの調製
実施例2で調製した2.00g(5.00mmol)のL−(2R,3R)−2,3−ジアセトキシ−3−(4−フェノキシ−フェニルカルバモイル)プロピオン酸、及び1.01g(5.00mmol)の4−アミノメチル安息香酸メチル塩酸塩を、化合物(1)を合成する手順に従って反応させて、1.67gの油状物を得た。これは、さらに精製することなく、TLCで単一のスポットを示した。収率60.3%。
【0102】
ステップ2 L−(2R,3R)−4−[2,3−ジヒドロキシ−3−(4−フェノキシ−フェニルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−シクロヘキサンカルボン酸エチルの調製
0.45g(0.81mmol)のL−(2R,3R)−4−[2,3−ジアセトキシ−3−(4−フェノキシ−フェニルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−シクロヘキサンカルボン酸メチル、0.05g(0.92mmol)のナトリウムメトキシドを10mlのエタノールに溶解し、化合物(19)を合成する手順に従って反応させて、0.28gの白色固体を得た。収率71.2%。H−NMR(DMSO,400MHz)、δ(ppm):0.93(2H,m,CH)、1.15(3H,t,J=7.28Hz,CH)、1.31(2H,m,CH)、1.44(1H,m,CH)、1.75(2H,m,CH)、1.87(2H,m,CH)、2.20(1H,m,CH)、2.99(2H,m,CH)、4.04(2H,q,J=7.28Hz,CH)、4.31(1H,d,J=7.00Hz,CH)、4.40(1H,d,J=7.28Hz,CH)、5.71(1H,d,J=7.00Hz,OH)、5.84(1H,d,J=7.28Hz,OH)、6.97(4H,m,ArH)、7.10(1H,t,J=7.60Hz,ArH)、7.36(2H,t,J=7.60Hz,ArH)、7.70(1H,t,J=6.16Hz,CONH)、7.77(2H,d,J=7.00Hz,ArH)、9.65(1H,s,CONH);HREI−MS C2632としての計算値:484.2210、実測値:484.2213。
【0103】
実施例27 L−(2R,3R)−5−[2,3−ジヒドロキシ−3−(1−メトキシカルボニル−2−フェニル−エチルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−イソフタル酸ジメチルの調製
【化41】


実施例5で調製した0.72g(1.23mmol)のL−(2R,3R)−5−[2,3−ジアセトキシ−3−(1−メトキシカルボニル−2−フェニル−エチルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−イソフタル酸ジメチル、0.05g(0.92mmol)のナトリウムメトキシドを10mlのメタノールに溶解し、化合物(19)を合成する手順に従って反応させて、0.34gの白色固体を得た。収率55.1%。H−NMR(CDCl,400MHz)、δ(ppm):3.07(2H,m,CH)、3.63(3H,s,CH)、3.89(6H,s,2×CH)、4.33(1H,m,CH)、4.43(1H,m,CH)、4.63(1H,q,J=7.28Hz,CH)、5.81(1H,br,OH)、5.95(1H,br,OH)、7.17〜7.28(5H,m,ArH)、7.92(1H,d,J=8.16Hz,CONH)、8.19(1H,d,J=1.40Hz,ArH)、8.67(1H,d,J=1.40Hz,ArH)、10.22(1H,s,CONH);HREI−MS C283012としての計算値:586.1799、実測値:586.1777。
【0104】
実施例28 L−(2R,3R)−4−{[3−(3−ジ−n−プロピルアミノホルミル−フェニルカルバモイル)−2,3−ジヒドロキシ−プロピオニルアミノ]メチル}安息香酸メチルの調製
【化42】


実施例4で調製した0.50g(0.86mmol)のL−(2R,3R)−4−{[3−(3−ジ−n−プロピルアミノホルミル−フェニルカルバモイル)−2,3−ジアセトキシ−プロピオニルアミノ]メチル}−安息香酸メチル、及び0.05g(0.92mmol)のナトリウムメトキシドを10mlのメタノールに溶解し、化合物(19)を合成する手順に従って反応させて、0.15gの白色固体を得た。収率35.1%。H−NMR(DMSO,400MHz)、δ(ppm):0.67(3H,m,CH)、0.91(3H,m,CH)、1.48(2H,m,CH)、1.58(2H,m,CH)、3.12(2H,m,CH)、3.34(2H,m,CH)、3.85(3H,m,CH)、4.34〜4.49(4H,m,2×CH及びCH)、5.87(1H,br,OH)、5.97(1H,br,OH)、6.99(1H,d,J=7.56Hz,ArH)、7.36(1H,t,J=7.84Hz,ArH)、7.45(2H,d,J=8.40Hz,ArH)、7.74(1H,d,J=8.40Hz,ArH)、7.82(1H,s,ArH)、7.89(2H,d,J=8.40Hz,ArH)、8.45(1H,t,J=6.44Hz,CONH)、9.81(1H,s,CONH);FAB−MS m/e(%):500.1([M+1],100)。
【0105】
実施例29 L−(2R,3R)−4−[4−(3−クロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−2,3−ジヒドロキシ−N−ナフタレン−2−イル−4−オキソ−ブチルアミドの調製
【化43】

【0106】
ステップ1 L−(2R,3R)−4−[4−(3−クロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−2,3−ジアセトキシ−N−ナフタレン−2−イル−4−オキソ−ブチルアミドの調製
実施例1で調製した2.00g(5.57mmol)のL−(2R,3R)−2,3−ジアセトキシ−3−(ナフタレン−2−イルカルバモイル)−プロピオン酸、及び1.10g(5.57mmol)のN−3−クロロフェニルピペラジンを、化合物(1)を合成する手順に従って反応させて、1.00gの油状物を得た。これは、さらに精製することなく、TLCで単一のスポットを示した。収率33.4%。
【0107】
ステップ2 L−(2R,3R)−4−[4−(3−クロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−2,3−ジヒドロキシ−N−ナフタレン−2−イル−4−オキソ−ブチルアミドの調製
0.60g(1.12mmol)のL−(2R,3R)−4−[4−(3−クロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−2,3−ジアセトキシ−N−ナフタレン−2−イル−4−オキソ−ブチルアミド、0.05g(0.92mmol)のナトリウムメトキシドを10mlのメタノールに溶解し、化合物(19)を合成する手順に従って反応させて、0.30gの白色固体を得た。収率59.3%、比旋光度[α]20=+26.5°(20mg/2ml、DMF)。H−NMR(DMSO,400MHz)、δ(ppm):3.23(4H,m,2×CH)、3.76(4H,m,2×CH)、4.35(1H,s,CH)、4.81(1H,d,J=4.48Hz,CH)、5.17(1H,d,J=7.32Hz,OH)、6.02(1H,d,J=6.16Hz,OH)、6.82(1H,d,J=7.84Hz,,ArH)、6.93(1H,d,J=8.40Hz,ArH)、6.99(1H,s,ArH)、7.23(1H,t,J=8.12Hz,ArH)、7.41(1H,t,J=7.00Hz,ArH)、7.47(1H,t,J=7.00Hz,ArH)、7.30〜7.89(4H,m,ArH)、8.39(1H,s,ArH)、9.85(1H,s,CONH);HREI−MS C2424Clとしての計算値:453.1455、実測値:453.1449。
【0108】
実施例30 L−(2R,3R)−3−{4−[4−(3−クロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−2,3−ジヒドロキシ−4−オキソ−ブチリルアミノ}−N,N−ジ−n−プロピル−ベンズアミドの調製
【化44】

【0109】
ステップ1 L−(2R,3R)−3−{4−[4−(3−クロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−2,3−ジアセトキシ−4−オキソ−ブチリルアミノ}−N,N−ジ−n−プロピル−ベンズアミドの調製
実施例4で調製した2.37g(5.57mmol)のL−(2R,3R)−2,3−ジアセトキシ−3−(3−ジ−n−プロピルアミノホルミル−フェニルカルバモイル)プロピオン酸、及び1.10g(5.57mmol)の3−クロロフェニルピペラジンを、化合物(1)を合成する手順に従って反応させて、1.00gの油状物を得た。これは、さらに精製することなく、TLCで単一のスポットを示した。収率29.7%。
【0110】
ステップ2 L−(2R,3R)−3−{4−[4−(3−クロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−2,3−ジヒドロキシ−4−オキソ−ブチリルアミノ}−N,N−ジ−n−プロピル−ベンズアミドの調製
0.32g(0.52mmol)のL−(2R,3R)−3−{4−[4−(3−クロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−2,3−ジアセトキシ−4−オキソ−ブチリルアミノ}−N,N−ジ−n−プロピル−ベンズアミド、0.02g(0.34mmol)のナトリウムメトキシドを5mlのメタノールに溶解し、化合物(19)を合成する手順に従って反応させて、0.08gの白色固体を得た。収率28.9%。H−NMR(DMSO,400MHz)、δ(ppm):0.67(3H,t,J=6.16Hz,CH)、0.91(3H,t,J=6.48Hz,CH)、1.46(2H,q,J=6.16Hz,CH)、1.60(2H,q,J=6.44Hz,CH)、3.12(2H,m,CH)、3.22(4H,m,2×CH)、3.36(2H,m,CH)、3.76(4H,m,2×CH)、4.28(1H,m,CH)、4.77(1H,m,CH)、5.11(1H,d,J=7.56Hz,OH)、5.96(1H,d,J=6.72Hz,OH)、6.80(1H,d,J=8.40Hz,ArH)、6.92(1H,d,J=8.12Hz,ArH)、7.00(2H,m,ArH)、7.23(1H,t,J=7.84Hz,ArH)、7.36(1H,t,J=7.88Hz,ArH)、7.73(1H,d,J=8.44Hz,ArH)、7.78(1H,s,ArH)、9.81(1H,s,CONH);HRE1−MS C2735Clとしての計算値:530.2296、実測値:530.2295。
【0111】
実施例31 L−(2R,3R)−5−[2,3−ジヒドロキシ−3−(4−メトキシカルボニル−ベンジルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−イソフタル酸ジメチルの調製
【化45】


実施例6で調製した0.34g(0.59mmol)のL−(2R,3R)−5−[2,3−ジアセトキシ−3−(4−メトキシカルボニル−ベンジルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−イソフタル酸ジメチル、0.02g(0.34mmol)のナトリウムメトキシドを、5mlのメタノールに溶解し、化合物(19)を合成する手順に従って反応させて、0.16gの白色固体を得た。収率55.2%。H−NMR(DMSO,400MHz)、δ(ppm):3.84(3H,s,CH)3.90(6H,s,2×CH)、4.33〜4.50(4H,m,2×CH及びCH)、5.91(1H,d,J=7.00Hz,OH)、5.97(1H,d,J=7.00Hz,OH)、7.45(2H,d,J=8.12Hz,ArH)、7.90(2H,d,J=8.12Hz,ArH)、8.19(1H,s,ArH)、8.50(1H,t,J=6.16Hz,CONH)、8.45(2H,d,J=1.12Hz,ArH)、10.28(1H,s,CONH);HREI−MS C232410としての計算値:488.1431、実測値:488.1449。
【0112】
実施例32 BACE1阻害活性の確定
BACE1(1.0U/ml)、BACE1の基質(750nM Rh−EVNLDAEFK−Quencher)、本発明の化合物(100μM)を含有する酢酸ナトリウム分析用緩衝溶液(50nM、pH 4.5)を、25℃で60分間インキュベートした。TECANGENios蛍光計を使用して、スリット幅10nm、励起波長535nm、及び発光波長585nmで、蛍光強度を確定した。
阻害率(%)={1−[(S−S)/(C−C)]}×100%
C:60分間インキュベートした後に確定した対照(BACE1、基質、及び分析用緩衝溶液)の蛍光強度。
:0分間インキュベートした後に確定した対照(BACE1、基質、及び分析用緩衝溶液)の蛍光強度。
S:60分間インキュベートした後に確定した試料(BACE1、基質、本発明の化合物、及び分析用緩衝溶液)の蛍光強度。
:0分間インキュベートした後に確定した試料(BACE1、基質、本発明の化合物、及び分析用緩衝溶液)の蛍光強度。
【0113】
BACE1阻害活性の結果を表1に示した。
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物、又はそのすべての可能な異性体、プロドラッグ、医薬として許容される塩、溶媒和物、若しくは水和物:
【化1】


[式中、
Xは、O、Sであり、
Zは、CH、O、S、NHであり、
R1は、C〜C22直鎖状又は分枝状アルキル、C〜C22直鎖状又は分枝状アルケニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルケニル、又はArであり、ここでアルキル基又はアルケニル基は、非置換であり、或いは次の基:ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、カルボキシ、Ar、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルケニル、O−(C〜C)−アルキル又はAr、CO−(C〜C)−アルキル又はAr、SO−(C〜C)−アルキル又はAr、N−[(C〜C)−アルキル]、NH−(C〜C)−アルキル又はAr、N−[(C〜C)−アルキルAr]、COO−(C〜C)−アルキル又はAr、CONH−(C〜C)−アルキル又はAr、SONH−(C〜C)−アルキル又はArの1個又は複数で置換されており、さらに、アルキル基及びアルケニル基中のC原子は、場合によって、−O−、−S−、−NH−、−N=、−S−、−Ar−、−SO−、−CO−、−COO−、−CONH−、−SOO−、−SONH−、−N[(C〜C)−アルキル又はAr]−を介して配置され、
R2及びR3は、同じであるか異なり、独立に、水素、ヒドロキシ、C〜C12直鎖状又は分枝状アルキル、C〜C12直鎖状又は分枝状アルケニル、C〜Cシクロアルキル、Ar、(C〜C)−Ar、−CO−(C〜C)−アルキル又はアルケニル又はAr、−SO−(C〜C)−アルキル又はアルケニル又はAr、SOO−(C〜C)−アルキル又はアルケニルからなる群から選択され、
Ar、Ar、及びArは、独立に、芳香族炭素環又は複素環からなる群から選択され、ここで環はそれぞれ、5員〜7員からなり、環の数は、単環、二環、又は三環であり、複素環は、O、S、Nからなる群から選択された1〜6個のヘテロ原子を含み、芳香族炭素環又は複素環は、非置換であり、或いはハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、カルボキシ、メチロール、トリフルオロメチル、フェノキシ、ベンジルオキシ、アニリノ、ベンジルアミノ、C〜C直鎖状又は分枝状アルキル、C〜C直鎖状又は分枝状アルケニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルケニル、−O−(C〜C)−アルキル又はアルケニル、−CO−(C〜C)−アルキル又はアルケニル、−SO−(C〜C)−アルキル又はアルケニル、−NH−(C〜C)−アルキル又はアルケニル、−N−[(C〜C)−アルキル又はアルケニル]、−COO−(C〜C)−アルキル又はアルケニル、−CONH−(C〜C)−アルキル又はアルケニル、−SONH−(C〜C)−アルキル又はアルケニル、−CON[(C〜C)−アルキル又はアルケニル]、−SON[(C〜C)−アルキル又はアルケニル]からなる群から選択された1〜4個の基で置換されており、
置換基R2X−及び置換基R3X−は、同じ又は異なる立体配置をとり、R立体配置又はS立体配置である]。
【請求項2】
次式Ia:
【化2】


[式中、
Zは、CH、O、S、NHであり、
R1は、C〜C22直鎖状又は分枝状アルキル、C〜C22直鎖状又は分枝状アルケニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルケニル、又はArであり、ここでアルキル基又はアルケニル基は、非置換であり、或いは次の基:ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、カルボキシ、Ar、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルケニル、O−(C〜C)−アルキル又はAr、CO−(C〜C)−アルキル又はAr、SO−(C〜C)−アルキル又はAr、N−[(C〜C)−アルキル]、NH−(C〜C)−アルキル又はAr、N−[(C〜C)−アルキルAr]、COO−(C〜C)−アルキル又はAr、CONH−(C〜C)−アルキル又はAr、SONH−(C〜C)−アルキル又はArの1個又は複数で置換されており、さらに、アルキル基及びアルケニル基中のC原子は、場合によって、−O−、−S−、−NH−、−N=、−S−、−Ar−、−SO−、−CO−、−COO−、−CONH−、−SOO−、−SONH−、−N[(C〜C)−アルキル又はAr]−を介して配置され、
R2及びR3は、同じであるか異なり、独立に、水素、ヒドロキシ、C〜C12直鎖状又は分枝状アルキル、C〜C12直鎖状又は分枝状アルケニル、C〜Cシクロアルキル、Ar、(C〜C)−Ar、−CO−(C〜C)−アルキル又はアルケニル又はAr、−SO−(C〜C)−アルキル又はアルケニル又はAr、SOO−(C〜C)−アルキル又はアルケニルからなる群から選択され、
Ar、Ar、及びArは、独立に、芳香族炭素環又は複素環からなる群から選択され、ここで環はそれぞれ、5員〜7員からなり、環の数は、単環、二環、又は三環であり、複素環は、O、S、Nからなる群から選択された1〜6個のヘテロ原子を含み、芳香族炭素環又は複素環は、非置換であり、或いはハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、カルボキシ、メチロール、トリフルオロメチル、フェノキシ、ベンジルオキシ、アニリノ、ベンジルアミノ、C〜C直鎖状又は分枝状アルキル、C〜C直鎖状又は分枝状アルケニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルケニル、−O−(C〜C)−アルキル又はアルケニル、−CO−(C〜C)−アルキル又はアルケニル、−SO−(C〜C)−アルキル又はアルケニル、−NH−(C〜C)−アルキル又はアルケニル、−N−[(C〜C)−アルキル又はアルケニル]、−COO−(C〜C)−アルキル又はアルケニル、−CONH−(C〜C)−アルキル又はアルケニル、−SONH−(C〜C)−アルキル又はアルケニル、−CON[(C〜C)−アルキル又はアルケニル]、−SON[(C〜C)−アルキル又はアルケニル]からなる群から選択された1〜4個の基で置換されており、
置換基R2X−及び置換基R3X−は、同じ又は異なる立体配置をとり、R立体配置又はS立体配置である]
を有する、請求項1に記載の化合物、又はそのすべての可能な異性体、プロドラッグ、医薬として許容される塩、溶媒和物、若しくは水和物。
【請求項3】
次式Ib:
【化3】


[式中、
Zは、CH、O、S、NHであり、
R1は、C〜C22直鎖状又は分枝状アルキル、C〜C22直鎖状又は分枝状アルケニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルケニル、又はArであり、ここでアルキル基又はアルケニル基は、非置換であり、或いは次の基:ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、カルボキシ、Ar、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルケニル、O−(C〜C)−アルキル又はAr、CO−(C〜C)−アルキル又はAr、SO−(C〜C)−アルキル又はAr、N−[(C〜C)−アルキル]、NH−(C〜C)−アルキル又はAr、N−[(C〜C)−アルキルAr]、COO−(C〜C)−アルキル又はAr、CONH−(C〜C)−アルキル又はAr、SONH−(C〜C)−アルキル又はArの1個又は複数で置換されており、さらに、アルキル基及びアルケニル基中のC原子は、場合によって、−O−、−S−、−NH−、−N=、−S−、−Ar−、−SO−、−CO−、−COO−、−CONH−、−SOO−、−SONH−、−N[(C〜C)−アルキル又はAr]−を介して配置され、
Ar、Ar、及びArは、独立に、芳香族炭素環又は複素環からなる群から選択され、ここで環はそれぞれ、5員〜7員からなり、環の数は、単環、二環、又は三環であり、複素環は、O、S、Nからなる群から選択された1〜6個のヘテロ原子を含み、芳香族炭素環又は複素環は、非置換であり、或いはハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、カルボキシ、メチロール、トリフルオロメチル、フェノキシ、ベンジルオキシ、アニリノ、ベンジルアミノ、C〜C直鎖状又は分枝状アルキル、C〜C直鎖状又は分枝状アルケニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルケニル、−O−(C〜C)−アルキル又はアルケニル、−CO−(C〜C)−アルキル又はアルケニル、−SO−(C〜C)−アルキル又はアルケニル、−NH−(C〜C)−アルキル又はアルケニル、−N−[(C〜C)−アルキル又はアルケニル]、−COO−(C〜C)−アルキル又はアルケニル、−CONH−(C〜C)−アルキル又はアルケニル、−SONH−(C〜C)−アルキル又はアルケニル、−CON[(C〜C)−アルキル又はアルケニル]、−SON[(C〜C)−アルキル又はアルケニル]からなる群から選択された1〜4個の基で置換されており、
2個のヒドロキシ基は、同じ又は異なる立体配置をとり、R立体配置又はS立体配置である]
を有する、請求項1に記載の化合物、又はそのすべての可能な異性体、プロドラッグ、医薬として許容される塩、溶媒和物、若しくは水和物。
【請求項4】
下記からなる群から選択された請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物:
(1)L−(2R,3R)−2−[2,3−ジアセトキシ−3−(ナフタレン−2−イルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−3−フェニル−プロピオン酸メチル;
(2)L−(2R,3R)−4−{[2,3−ジアセトキシ−3−(4−フェノキシ−フェニルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]メチル}−安息香酸メチル;
(3)L−(2R,3R)−4−[2,3−ジアセトキシ−3−(4−フェノキシ−フェニルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−ブチル酸メチル;
(4)L−(2R,3R)−4−{[3−(3−ジ−n−プロピルアミノホルミル−フェニルカルバモイル)−2,3−ジアセトキシ−プロピオニルアミノ]メチル}−安息香酸メチル;
(5)L−(2R,3R)−5−[2,3−ジアセトキシ−3−(1−メトキシカルボニル−2−フェニル−エチルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−イソフタル酸ジメチル;
(6)L−(2R,3R)−5−[2,3−ジアセトキシ−3−(4−メトキシカルボニル−ベンジルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−イソフタル酸ジメチル;
(7)L−(2R,3R)−N−ベンジル−2,3−ジアセトキシ−3−(4−ベンジル−ピペラジン−1−イル−ホルミル)−プロピオンアミド;
(8)L−(2R,3R)−2−(3−ベンジルカルバモイル−2,3−ジヒドロキシ−プロピオニルアミノ)−3−フェニル−プロピオン酸メチル;
(9)L−(2R,3R)−4−[(3−ベンジルカルバモイル−2,3−ジヒドロキシ−プロピオニルアミノ)メチル]−安息香酸メチル;
(10)L−(2R,3R)−2−(3−ベンジルカルバモイル−2,3−ジヒドロキシ−プロピオニルアミノ)−3−フェニル−プロピオン酸;
(11)L−(2R,3R)−4−(3−ベンジルカルバモイル−2,3−ジヒドロキシ−プロピオニルアミノメチル)−シクロヘキサンカルボン酸メチル;
(12)L−(2R,3R)−4−[(3−ベンジルカルバモイル−2,3−ジヒドロキシ−プロピオニルアミノ)メチル]−安息香酸;
(13)L−(2R,3R)−4−(3−ベンジルカルバモイル−2,3−ジヒドロキシ−プロピオニルアミノ)−ブチル酸メチル;
(14)L−(2R,3R)−4−(3−ベンジルカルバモイル−2,3−ジヒドロキシ−プロピオニルアミノ)−ブチル酸;
(15)L−(2R,3R)−4−[(3−ベンジルカルバモイル−2,3−ジヒドロキシ−プロピオニルアミノ)メチル]−シクロヘキサンカルボン酸;
(16)L−(2R,3R)−5−(3−ベンジルカルバモイル−2,3−ジヒドロキシ−プロピオニルアミノ)−イソフタル酸ジメチル;
(17)L−(2R,3R)−4−{[2,3−ジヒドロキシ−3−(ナフタレン−2−イルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]メチル}−安息香酸メチル;
(18)L−(2R,3R)−4−{[2,3−ジヒドロキシ−3−(ナフタレン−2−イルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]メチル}−シクロヘキサンカルボン酸メチル;
(19)L−(2R,3R)−2−[2,3−ジヒドロキシ−3−(ナフタレン−2−イルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−3−フェニル−プロピオン酸メチル;
(20)L−(2R,3R)−2−[2,3−ジヒドロキシ−3−(4−フェノキシ−フェニルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−3−フェニル−プロピオン酸エチル;
(21)L−(2R,3R)−4−{[2,3−ジヒドロキシ−3−(4−フェノキシ−フェニルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]メチル}−安息香酸メチル;
(22)L−(2R,3R)−4−[2,3−ジヒドロキシ−3−(4−フェノキシ−フェニルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−ブチル酸メチル;
(23)L−(2R,3R)−4−[2,3−ジヒドロキシ−3−(ナフタレン−2−イルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−ブチル酸メチル;
(24)L−(2R,3R)−2−[3−(3−ジ−n−プロピルアミノホルミル−フェニルカルバモイル)−2,3−ジヒドロキシ−プロピオニルアミノ]−3−フェニル−プロピオン酸エチル;
(25)L−(2R,3R)−4−(3−ベンジルカルバモイル−2,3−ジヒドロキシ−プロピオニルアミノ)−ブチル酸ベンジル;
(26)L−(2R,3R)−4−[2,3−ジヒドロキシ−3−(4−フェノキシ−フェニルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−シクロヘキサンカルボン酸エチル;
(27)L−(2R,3R)−5−[2,3−ジヒドロキシ−3−(1−メトキシカルボニル−2−フェニル−エチルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−イソフタル酸ジメチル;
(28)L−(2R,3R)−4−{[3−(3−ジ−n−プロピルアミノホルミル−フェニルカルバモイル)−2,3−ジヒドロキシ−プロピオニルアミノ]メチル}安息香酸メチル;
(29)L−(2R,3R)−4−[4−(3−クロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−2,3−ジヒドロキシ−N−ナフタレン−2−イル−4−オキソ−ブチルアミド;
(30)L−(2R,3R)−3−{4−[4−(3−クロロフェニル)−ピペラジン−1−イル]−2,3−ジヒドロキシ−4−オキソ−ブチリルアミノ}−N,N−ジ−n−プロピル−ベンズアミド;及び
(31)L−(2R,3R)−5−[2,3−ジヒドロキシ−3−(4−メトキシカルボニル−ベンジルカルバモイル)−プロピオニルアミノ]−イソフタル酸ジメチル;
又はそのすべての可能な異性体、プロドラッグ、医薬として許容される塩、溶媒和物、若しくは水和物。
【請求項5】
請求項1に記載の式Iの化合物を調製する方法であって、
a)R2とR3が共に、−CO−CHであり、R1、Ar、及びZが請求項1に定義する通りである前記式Iaの化合物について、
(i)硫酸などの酸の触媒作用下に、化合物1(L−又はD−酒石酸)、及び無水酢酸などの低級脂肪酸無水物を還流で反応させて、化合物2を得るステップ、
【化4】


(ii)化合物2をTHF、ジクロロメタン、又はN,N−ジメチルホルムアミドなど適当な溶媒に溶解し、等モルのArNHでアシル化して、Arが請求項1に定義する通りである化合物3を得るステップ、
【化5】


(iii)化合物3を、THF、ジクロロメタン、又はN,N−ジメチルホルムアミドなど適当な溶媒に溶解し、適量のジシクロヘキシルカルボジイミド、カンファースルホン酸、及び4−ジメチルアミノピリジンの触媒作用下に、R1及びZが請求項1に定義する通りであるR1ZH(アルコール又はアミン)でアシル化又はエステル化して、本発明の式Iaの特定化合物を得るステップ、
【化6】


(iv)化合物Iaを、THF、メタノール、エタノールなど適当な溶媒に溶解し、濃アンモニア水又はアンモニアでアミノ分解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、又は炭酸カリウムで加水分解し、ナトリウムメトキシド又はナトリウムエトキシドでエステル交換して、本発明の式Iaの別の特定化合物、すなわち式Ibの化合物を得るステップ
【化7】


を含み、或いは
b)R1、Ar、及びZが請求項1に定義する通りである式Ibの化合物について、
(i)硫酸、強酸型イオン交換樹脂など酸の触媒作用下に、化合物1(L−又はD−酒石酸)を、メタノール又はエタノールなどRがC〜Cアルキルである脂肪アルコールROHと還流で反応させて、化合物2を得るステップ、
【化8】


(ii)トルエン−p−スルホン酸又は三フッ化ホウ素などのプロトン酸又はルイス酸の触媒作用下に、化合物2を、THF又はトルエンなどの不活性溶媒中、アセトンなどR3及びR4がC〜Cアルキルである式R3C(O)R4のケトンと還流で反応させて、ケタール化合物3を得るステップ、
【化9】


(iii)化合物3を、THF又はジオキサンなどの有機溶媒に溶解し、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムなどの塩基水溶液(濃度が1Nであり、化合物3に対して1:1のモル比で使用される)と0℃〜室温で反応させ、次いで塩酸などの無機酸(濃度が1Nである)で酸性化し、さらにジクロロメタン、ジエチルエーテル、又は酢酸エチルなどの有機溶媒で抽出して、化合物4を得るステップ、
【化10】


(iv)化合物4を、THF、ジクロロメタン、又はN,N−ジメチルホルムアミドなど適当な溶媒に溶解し、適量のジシクロヘキシルカルボジイミド、カンファースルホン酸、及び4−ジメチルアミノピリジンの触媒作用下に、ArNHでアシル化して、化合物5を得るステップ、
【化11】


(v)化合物5を、THF又はジオキサンなどの有機溶媒に溶解し、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムなどの塩基水溶液(濃度が1Nであり、化合物5に対して1:1のモル比で使用される)と0℃〜室温で反応させ、次いで塩酸などの無機酸(濃度が1Nである)で酸性化し、さらにジクロロメタン、ジエチルエーテル、又は酢酸エチルなどの有機溶媒で抽出して、化合物6を得るステップ、
【化12】


(vi)化合物6を、THF、ジクロロメタン、又はN,N−ジメチルホルムアミドなど適当な溶媒に溶解し、適量のジシクロヘキシルカルボジイミド、カンファースルホン酸、及び4−ジメチルアミノピリジンの触媒作用下に、R1及びZが上記に定義する通りであるR1ZH(アルコール又はアミン)でエステル化又はアシル化して、化合物7を得るステップ、
【化13】


(vii)化合物7を、メタノール又はエタノールなど適当な溶媒に溶解し、塩酸又は硫酸など適量のプロトン酸の触媒作用下に、脱保護し、アセトニド基を除去して、本発明の式Ibの特定化合物を得るステップ
【化14】


を含む方法。
【請求項6】
請求項1に記載の式Iの化合物、又はそのすべての可能な異性体、プロドラッグ、医薬として許容される塩、溶媒和物、若しくは水和物、及び少なくとも1種の医薬として許容される担体又は賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項7】
β−アミロイドペプチドの凝集又は沈着によって誘発される関連疾患の治療及び/又は予防用の医薬品の製造への式Iの化合物、又はそのすべての可能な異性体、プロドラッグ、医薬として許容される塩、溶媒和物、若しくは水和物の使用。
【請求項8】
β−アミロイドペプチドの凝集又は沈着によって誘発される前記関連疾患が、アルツハイマー病、アミロイド変性血管症、クールー病、及びダウン症候群からなる群から選択される、請求項7に記載の使用。

【公表番号】特表2010−514705(P2010−514705A)
【公表日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−543325(P2009−543325)
【出願日】平成19年2月5日(2007.2.5)
【国際出願番号】PCT/CN2007/000389
【国際公開番号】WO2008/080268
【国際公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【出願人】(509004804)インスティテュート オブ ファーマコロジー アンド トキシコロジー アカデミー オブ ミリタリー メディカル サイエンシス ピーエルエイ チャイナ (2)
【Fターム(参考)】