説明

自動写真作成装置及び自動写真作成方法

【課題】高い遊戯性や娯楽性を付与することで利用者に満足感を十分に与えることができる自動写真作成装置及び方法を提供する。
【解決手段】撮影手段6と、フレームや背景などの付加画像を記憶する記憶手段52と、編集作業を行うための編集手段54bとを備えた自動写真作成装置に、先行被写体の撮影画像やその編集画像を、後続被写体としての利用者の撮影画像に付加するための新たな付加画像として記憶手段52に記憶させる登録手段54aを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者をカメラで撮影してその撮影画像を印刷写真等として出力する自動写真作成装置及び自動写真撮影方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者を含む被写体をカメラで撮影し、その撮影画像を印刷写真として出力する遊戯用の自動写真作成装置がゲームセンターその他の遊戯施設に設置されている。
このような自動写真作成装置は、利用者の嗜好に応じて、予め用意された撮影条件の設定作業(例えば、全身、半身又は顔アップ撮影等のズーム選択、背景画像や前景画像の選択等)や、撮影画像に合成すべき描画や文字(以下、「付加画像」という。)を取捨選択して当該撮影画像に合成することで合成画像を作成する編集作業(例えば、タッチペンその他のペン型入力部材を用いた落書き等)を行うことができるように構成されたものが多い。
【0003】
上記遊戯用の自動写真作成装置において、カメラ、ディスプレイ及びプリンタがすべて一つの撮影用ブース内に搭載された構造になっていると、後続の利用者の待ち時間が非常に長くなるという問題があるため、カメラによる撮影は撮影用ブースで行い、付加画像の入力等の編集作業は撮影用ブースに並設された編集用ブースで行うようにした自動写真作成装置が知られている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−253113号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の自動写真作成装置では、装置メーカが、合成画面を作成するための付加画像としての画像ソースを別に作成して予め装置に記憶させておき、それを利用者が編集作業で利用するようになっている。従って、利用者は、装置メーカ側で予め用意された付加画像を利用するしかなく、十分な満足感を得ることができない。
本発明は、上記のような従来の問題点に鑑み、利用者に満足感を十分に与えることができる自動写真作成装置及び自動写真作成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は次の技術的手段を講じた。すなわち本発明は、利用者を含む被写体を撮影可能な撮影手段と、フレームや背景などの付加画像を記憶する記憶手段と、前記被写体画像に対して前記付加画像を付加する作業を含む編集作業を行うための編集手段と、前記被写体画像及び前記編集手段で編集した編集画像を画面表示する表示手段と、前記撮影手段で撮影して得られた先行被写体の前記被写体画像又はこの画像を含む前記編集画像を、前記撮影手段で撮影して得られた後続被写体の前記被写体画像に付加するための新たな付加画像として前記記憶手段に記憶させる登録手段と、を備えていることを特徴とする。
【0006】
上記本発明によれば、先行被写体の被写体画像又はこの画像を含む編集画像を、後続被写体の被写体画像に付加するための新たな付加画像として記憶手段に記憶させる登録手段を備えており、利用者(後続被写体)は、装置に予め記憶された画像ソースだけでなく、当該装置内で撮影した先行被写体の被写体画像やこの画像を含む編集画像を、自己が撮影した画像に付加することができる。すなわち、本発明に係る自動写真作成装置は、従来とは異なる高い遊戯性や娯楽性が付与されており、利用者に十分な満足感を与えることができる。
【0007】
上記本発明における前記先行被写体を、パブリシティ権や商品化権が認められ得る付加価値を有する人又は物とすれば、利用者は、例えばタレントと並んだ写真を撮影することができ、従来にはない満足感が得られる。
【0008】
また、上記本発明における前記先行被写体を、パブリシティ権や商品化権が認められていない一般の人又は物としてもよい。この場合、先行被写体である利用者は、自己の画像を後続被写体のための付加画像として記憶させておき、後続被写体である次の利用者は、その付加画像を利用することができる。
【0009】
上記本発明において、前記編集手段は、前記先行被写体となった人の自筆サインを入力可能な操作画面を備えていることが好ましい。
この場合、後続被写体である利用者は、先行被写体であるタレントの自筆サインを、撮影画像に付加することができる。
【0010】
上記本発明において、前記操作画面は、前記先行被写体の被写体画像又は編集画像に対して明るさ、コントラスト及び色等を調整する補正入力が可能であることが好ましい。
この場合、先行被写体に対する色調補正が可能となり、後続被写体となる利用者へ、より満足度の高い付加画像を提供することができる。
【0011】
上記本発明において、前記操作画面は、前記新たな付加画像に含まれる公序良俗に反する画像又は表現を適正なものに修正又は削除する改正入力が可能であることが好ましい。 この場合、先行被写体が撮影、編集した画像のうち公序良俗に反しないもののみを、後続被写体となる利用者に提供することができる。
【0012】
上記本発明において、前記撮影手段は、前記被写体の連写機能を有し、かつ、前記編集手段は、前記撮影手段で連写して得られた先行被写体の複数の被写体画像又はこの中から選択された複数の被写体画像を合成して前記新たな付加画像を作成する機能を有するようにしてもよい。
この場合、利用者は、自己の画像に、連写された先行被写体の付加画像が合成された写真を得ることができる。
【0013】
また、本発明は、撮影室内でカメラ撮影を行う撮影モードと、撮影された静止画像に対してフレーム又は背景などよりなる所望の付加画像の付加を含む編集を行う編集モードと、編集された編集画像を印刷又は外部にデータ転送することによって出力する出力モードとを、所定のプレイ時間内に利用者が一連の作業として行う自動写真作成方法において、カメラ撮影で得られた前記静止画像又はこれを編集した編集画像を新たな前記付加画像として作成して登録する、前記付加画像の作成登録モードを備えていることを特徴とする。
【0014】
上記本発明によれば、カメラ撮影で得られた静止画像又はこれを編集した編集画像を新たな付加画像として作成して登録する、付加画像の作成登録モードを備えており、利用者は、装置に予め記憶された画像ソースだけでなく、カメラ撮影で得られた静止画像や編集画像を自己が撮影した画像に付加することができる。すなわち、本発明に係る自動写真作成装置は、従来とは異なる高い遊戯性や娯楽性を有し、これにより、利用者は十分な満足感を得ることができる。
【発明の効果】
【0015】
以上の通り、本発明によれば、後続被写体である利用者は、装置に予め記憶された画像ソースだけでなく、先行被写体の被写体画像やこの画像を含む編集画像を、自己が撮影した画像に付加することができるので、当該利用者に十分な満足感を与えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の自動写真作成装置及び自動写真作成方法を示す好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。
[装置構成]
図1は本発明の一実施形態に係る自動写真作成装置1の側面図であり、図2は利用者から見たときの自動写真作成装置1の要部を示す正面図である。図3は、自動写真作成装置1のシステム要部を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態の自動写真作成装置1には、内部及び利用者Uに対面する前面に各種の装置が設けられた筐体2と、複数の利用者Uが入室可能に構成された箱状の撮影室3とを備えた撮影遊戯ブース4が設けられている。また、撮影室3では、その両側面側が開放されており、利用者Uがブース4内に出入りするための出入口が形成されている。但し、この出入口には図示しないカーテンが設けられており、装置1のプレイ時に撮影室3を外部から仕切れるように構成されている。
【0017】
筐体2の内部には、自動写真作成装置1の制御手段を構成するコンピュータ装置5が格納されており、利用者Uからの入力指示などに応じて当該装置1の各部を駆動制御するようになっている。つまり、コンピュータ装置5は、自動写真作成装置1にて連続的に行われる撮影作業、編集作業、及び印刷作業の各作業において、利用者Uからの入力操作などに従って対応する各部を駆動することで、当該装置1は利用者Uが所望する写真を作成するようになっている。また、このコンピュータ装置5には画像を編集する編集機能が付与されており、当該装置5は、後述の操作画面及びタッチペンとともに、利用者Uの入力指示に従って被写体の撮影画像に対するフレームや背景等の付加画像の合成処理を含む所定の編集作業を行う編集手段を構成している。
【0018】
また、ブース4の外部には、図示しない出力コーナーが設けられており、当該出力コーナーには、編集作業で得られた編集画像を写真用紙やシール用紙に印刷して写真を出力させるプリンタと、印刷中であることを表示するランプ、紙詰まり、写真用紙切れを示すエラーランプ等が設けられている。
【0019】
図2にも示すように、筐体3の前面ほぼ中央部には、利用者Uを含む被写体を撮影する撮影手段としてのカメラ6が設けられている。このカメラ6は、利用者Uに対する撮影動作を行うものであり所定の回数で撮影動作を実施するようになっている。また、筐体3の前面には、カメラ6に映し出された利用者Uを含む被写体画像をリアルタイムで画面表示する表示手段としてのモニタ7が設けられている。このモニタ7は、CRT装置や液晶表示装置などにより構成されたものであり、カメラ6にて取り込まれているスルー画像及びそのスルー画像を固定させた撮影画像を見易く表示して、プレビュー確認が行い易くなるようカメラ6の直下に隣接して配置されている。また、このモニタ7では、カメラ6による撮影動作のときに、スルー画像を含んだ利用者Uの撮影画像に付加される、フレームや背景等の付加画像との合成画像も表示するようになっている。
【0020】
また、筐体3の前面上部には、上方に向かうに従って図1の右側に傾斜する上傾斜面が形成されている。この上傾斜面にはカメラ6の撮影動作と同時に利用者Uを上方から照射する上部フラッシュ8が設けられている。また、この筐体3の前面下部には、下方に向かうに従って図1の右側に傾斜する下傾斜面が形成されている。この下傾斜面には、撮影動作と同時に利用者Uの中央部を照射する中間フラッシュ9が設けられ、その下方の垂直面には、撮影動作と同時に利用者Uの足元を照射する下部フラッシュ10が設けられている。これらの各フラッシュ8〜10は、コンピュータ装置5からの指示信号に従って、明るさを変更できるように構成されており、撮影動作における利用者Uでの照度を変更して撮影画像の写り具合などを適宜変更できるようになっている。
【0021】
また、筐体2の前面側には、利用者Uにより操作される操作画面11が中間フラッシュ9の中央部付近に設けられている。この操作画面11は、液晶タブレットなどのタッチパネル式のディスプレイにより構成されており、コンピュータ装置5への利用者Uの選択・指示の入力機能を有している。また、操作画面11は、モニタ7とは別個に設けられた表示手段としても機能するよう構成されており、カメラ6の撮影動作のときに、当該カメラ6からのスルー画像を含んだ利用者Uの撮影画像及びこの撮影画像と付加画像との合成画像をリアルタイムに表示可能に構成されている。
【0022】
操作画面11の近傍には、当該操作画面11への入力操作を行うためのタッチペン12が取り付けられており、利用者Uが操作画面11に表示される操作指示に従ってその表面をタッチペン12のペン先又は利用者Uの指先で軽く触れることにより、各種の操作信号がコンピュータ装置5に送られて、当該信号に応じた動作が行われる。また、このタッチペン12は、そのペン先を操作画面11の表面に接触させて文字や図形等の描画を入力することができ、サイン等の手書き入力された入力画像や予めコンピュータ装置5に記憶されている付加画像が、カメラ6で撮影された利用者Uの撮影画像と合成されて、操作画面11に表示されるようになっている。また、タッチペン12の右下には、プレイ対価としてのコインが投入されるコイン投入部13が設けられている。このコイン投入部13は規定のコインが投入されたことを検知したときにコイン検出信号をコンピュータ装置5に出力するようになっている。
【0023】
コンピュータ装置5は、図3に示すように、CPU等により構成された主制御部51と、記憶手段としての記憶部52と、装置各部とのデータ入出力制御を行うI/O制御部53と、主制御部51とは別のCPU等により構成された画像処理部54とを備えている。記憶部52は、メモリ(RAM及びROM)5aと、撮影画像等の画像データを一時的に保持するフレームバッファ5bと、自動写真作成装置1の各部を制御するためのプログラムやフレーム及び背景画像を含む付加画像等の所定の画像データなどが記憶されるハードディスク等よりなる補助記憶装置5cとからなる。また、上記I/O制御部53には、電話回線などのデータ回線20が接続されており、自動写真作成装置1がインターネットなどのネットワークと双方向のデータ通信を行えるように構成されている。
【0024】
主制御部51は、コイン投入部13からコイン検出信号を受信することによって撮影その他の制御を開始し、タッチペン12にて手書き画像や操作信号が入力されると、そのデータをフレームバッファ5bに記憶する。また、主制御部51は、タッチペン12による入力可能時間を計測するタイマ機能を有する。この時間計測は、撮影条件の設定や画像入力などの各種操作を開始する指示メッセージを操作画面11に表示させるのとほぼ同時に開始され、この計測時間が撮影作業、編集作業、及び印刷作業の各作業に対して予め割り当てられた所定の入力可能時間に達すると、その入力受付を停止して次の作業に移るようになっている。
【0025】
また、主制御部51は、利用者Uによる操作画面11への入力操作にて所定のシャッタタイミングで各フラッシュ8〜10からの照明光を利用者Uに照射させた状態でカメラ6にて取り込んだ映像を静止画像としてフレームバッファ5bに記憶し、この固定された撮影画像を操作画面11に表示させる。また、主制御部51は、カメラ6でのシャッタ操作による撮影回数をカウントするカウンタ機能を具備しており、予め設定された所定の撮影可能回数に達するまで一定の時間間隔で撮影が繰り返され、複数の撮影画像を得るようになっている。なお、主制御部51に撮影時間を計測するタイマー機能を具備させて、予め設定された時間が経過すると撮影を終了させるようにしてもよい。また、撮影が一定時間毎に自動的に繰り返されるのではなく、利用者が撮影のスタート操作を行わなければ当該撮影が開始されないようにしてもよい。この場合、利用者の準備が整ってから撮影が行われるので撮影ミスを減らすことができる。
【0026】
画像処理部54は、カメラ6で撮影して得られた先行被写体の画像又はこの画像を含む編集画像(以下、これらを先行画像という)を、カメラ6で撮影して得られた後続被写体の画像(以下、後続画像という)に付加するための新たな付加画像として記憶部52に記憶させる登録手段54aと、カメラ6からの撮影画像に対する付加画像等の他の画像の合成処理を含む所定の編集処理を行う編集手段54bとを構成している。従って、本実施形態における上記付加画像には、利用者Uの背後側及び前方側でそれぞれ利用者Uとともに撮影画像として取り込まれる背景画像及びフレームの他、上記先行画像及びその編集画像が含まれる。編集手段54bは、例えば、操作画面11への利用者Uの入力操作に従って画像処理を実施し、編集作業のときに操作画面11に入力された手書き画像やフレーム、背景等の画像がある場合、この画像と確定した静止画像との合成処理を行い、主制御部51がその合成画像を操作画面11に表示させる。
【0027】
画像処理部54は、具体的には、パブリシティ権が認められ得る付加価値を有するタレント(先行被写体)、あるいは商品化権が認められ得る付加価値を有するキャラクター物(先行被写体)の画像やこの画像にフレーム、背景が付加された編集画像を、上記登録手段54aにより例えば補助記憶装置5cに記憶させ、上記編集手段54bにより同編集画像を付加画像として、一般利用者Uの後続画像に合成する。なお、後続画像に付加する付加画像としての先行被写体は、パブリシティ権が認められていない一般の人、あるいは商品化権が認められていない物の画像であってもよい。また、上記先行被写体の画像である先行画像を利用できる期間を設定しておいてもよい。これによれば、当該先行画像が期間限定で提供され、イベントやコンサート、映画、演劇等の期間に合わせてタイムリーなサービスを行うことができる。
【0028】
また、上記操作画面11は、先行画像又はその編集画像に対して、明るさ、コントラスト、色等を調整する補正入力が可能とされていると共に、それら先行画像、編集画像に含まれる公序良俗に反する画像又は表現を適正なものに修正又は削除する改正入力が可能とされている。これにより、先行画像やその編集画像に対する色調補正が可能となり、後続被写体となる利用者Uへ、より満足度の高い画像を提供することができ、また、先行画像やその編集画像のうち公序良俗に反しないもののみを、後続被写体となる利用者Uに提供することができる。さらに、カメラ6は、連写機能を有しており、それと共に上記編集手段54bは、カメラ6で連写して得られた複数の先行画像又はこの中から選択された複数の先行画像を合成して新たな付加画像を作成する機能を有しており、利用者の多様な嗜好に応じた画像を作成できる。
【0029】
[装置動作]
次に、自動写真作成装置1の動作について具体的に説明する。図4は、当該装置1のフローチャートを示している。同図に示すように、オペレータが操作するメンテナンスモードと、利用者Uが操作するゲームモードがあり、このうちゲームモードでは、後続被写体としての利用者Uによる撮影作業、編集作業、印刷作業が行われ、メンテナンスモードは、先行画像やその編集画像を作成する作成登録モードと、システムの動作チェックとに分けられている。なお、オペレータによるモード選択は、操作画面11において行われ、オペレータが同画面11に表示される操作指示に従ってその表面をタッチペン12のペン先又は指先で軽く触れることにより各種の操作信号がコンピュータ装置5に送られて、当該信号に応じた動作が行われる。なお、オペレータによるモード選択は、オペレータが同画面11に表示される操作指示に従って、例えば操作画面11近傍に設置されたマウスによるマウス操作を行うことや、操作画面11近傍に設置された操作ボタンを押すことにより行われるようにしてもよい。また、ゲームモードとメンテナンスモードの切り替えは、利用者Uには操作できないところに設置された操作スイッチにより行うようにしてもよい。
【0030】
メンテナンスモードのうち上記テストモードとは、機械の動作をユニットごとに動作確認するモードであり、例えば、入出力試験、撮影試験、印刷試験、インターネット接続試験、ユニット間の通信試験、ソフトウェアの更新モード(新しいソフトウェアをインストールするためのもの)、印刷画質設定、ゲーム時間設定等を含む。
【0031】
上記作成登録モードでの動作を説明する。図5は、作成登録モードにおけるフローチャート、図6及び図7は、当該モードでの操作画面の操作指示画像を表したものである。なお、先行被写体にパブリシティ権が認められ得るタレントRを用いた場合で説明する。画像作成メニューは、一回撮影の単写モードA、連写撮影のモードBに分かれており、モード選択(S1)後の各モードは、撮影(S2)、画像選択(S3)、編集(S4)、登録(S5)という順に従って進行する。オペレータは、操作画面11でモードAかモードBを選択し(図6(a)参照)、モードAではブース4内にてタレントRの撮影を複数回行い、モードBではブース4内にてタレントRの連写撮影を複数回行う(S2:図6(b)参照)。なお、この際、操作画面11には、その撮影画像17が並べられて表示される。
【0032】
次に、オペレータ等は、操作画面11に表示されたタレントRの複数の撮影画像17のうち編集するための画像を選択する(S3:図6(c)参照)。選択された画像171は、次の操作画面11に表示され、そのうち選択された画像17sが同じ操作画面11に表示される(図7(a)参照)。タレントRは、その画像17sの上から、タッチペン12でサインSを入力することができる。それと同時に、操作画面11では予め登録されたフレームFや背景H、スタンプT等が選択できるようになっており、サインSが入力された画像17sに好みのフレームFや背景H、スタンプT等を更に合成することができる。図7(b)はフレームFを合成した例、図7(c)は背景Hを合成した例である。さらに、操作画面11上で、オペレータやタレントR本人によりコントラスト及び色等を調整することもできる。これらの編集操作はこの画面を終了する操作(ボタンEにタッチ)を行うか、所定の時間が過ぎるまで、自由に編集し続けることができる。
【0033】
上記編集が終了後、これら複数の編集画像14が操作画面11に表示され、オペレータ等は、そのうち登録したい編集画像14を選択する(図7(c)参照)。選択された当該編集画像14が画像処理部54により登録され(S5)、これらがゲームモードで使用する付加画像15(先行画像)となる。
【0034】
次に、ゲームモードの動作を説明する。図8は、ゲームモードにおけるフローチャート、図9は、当該ゲームモードでの操作画面11の操作指示画像を表したものである。ゲームモードは、ゲーム開始選択(S10)、付加画像選択(S11)、撮影(S12)、撮影画像選択(S13)、編集(S14)、印刷(S15)という順に従って進行する。
規定対価分のコインが利用者U(後続被写体)によってコイン投入部13に投入されると、主制御部51は補助記憶装置5cに格納されている所定の初期画面を操作画面11に表示させて、ゲームが開始され利用者Uに装置1がプレイ可能状態であることを知らせる初期動作を行う。一方、利用者によるコインの投入が行われていない状態では、操作画面にはデモ画像が表示される。利用者が、操作画面11でゲームの開始を指示するとゲームが開始され、操作画面11には、作成登録モードで作成された上記付加画像15であるタレントの編集された複数の画像が表示される。
【0035】
利用者Uは、タレントRが写り込み、かつその画像にサインSやフレームF、背景Hが合成された複数の付加画像15のうちの一つを選択する(S11:図9(a)参照)。次に、利用者Uは、操作画面11やモニタ7に映し出された付加画像15を見ながら、その付加画像15にスルー画像としてカメラ6を通して映し出された自分の位置を合わせ、時間一杯まで複数回の撮影を行い(S12:図9(b)参照)、操作画面11に並べられた複数の撮影画像16から、編集する画像を選択する(S13)。利用者Uは、選択した各画像にタッチペン12で落書きを加えることや、色彩の補正等の編集作業を行う(S14:図9(c)参照)。最後に、利用者Uは、完成した画像に対する印刷作業を実施させ、写真を得る(S15)。以上のステップにより、利用者Uは、タレントRと一緒になりかつサインSやフレームF、背景H、さらには落書きが加えられた写真を得ることができる。
【0036】
以上のように構成された本実施形態の自動写真作成装置1では、先行被写体であるタレントの画像又はその編集画像を、後続被写体である利用者の画像に付加するための新たな付加画像として記憶部52に記憶させる登録手段54aを備えており、利用者Uは、装置1に予め記憶された画像ソースだけでなく、ブース4内で撮影したタレントの画像やその編集画像を、自己の撮影画像に付加することができる。すなわち、本実施形態に係る自動写真作成装置1は、従来とは異なる高い遊戯性や娯楽性が付与されており、利用者に十分な満足感を与えることができる。
【0037】
図10は、本発明における第二の実施形態に係るゲームモードのフローチャートである。本実施形態が上記実施形態と異なる点は、ゲームモードを進行している利用者Uが、自己の撮影画像を自動写真作成装置1に登録できるようになっている点である。つまり、オペレータが、メンテナンスモードでタレント等の撮影画像を登録するのではなく、ゲームモードを進行している利用者Uが、次の利用者Uである後続被写体に対する先行被写体となり、自己の撮影画像を登録して、その撮影画像を次の利用者Uが撮影する画像の付加画像とするものである。
【0038】
図10のフロー図で説明すると、ゲームモードは、ゲーム開始選択(S20)、撮影(S21)、撮影画像選択(S22)、編集(S23)、登録(S24)、印刷(S25)という順に従って進行する。利用者Uは、モニタ7や操作画面11を見ながら、自己の複数枚の画像を撮影し(S21)、そのうちの登録したい画像を選択する(S22)。次に、利用者Uは、その選択画像にすでに記憶されているフレームや背景、さらにはタッチペンで入力した自己のサインや落書きを加えることや、色彩の補正等の編集作業を行い(S23)、その編集画像を登録する(S24)。最後に、完成した画像の印刷が実施される(S25)。以上のステップにより、先行被写体としての利用者Uは、自己のサインや落書きが加えられた自己の画像を、後続被写体としての次の利用者のために自動写真作成装置1に残すことができ、当該次の利用者Uは、先の利用者Uが残した画像を付加画像として、撮影画像に編集して合成することができる。これにより、利用者Uの多様な嗜好に応じることができ、利用者Uは従来にはなかった満足感を得ることができる。
【0039】
なお、上記実施形態はすべて例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって規定され、そこに記載された構成と均等の範囲内のすべての変更も本発明の技術的範囲に含まれる。例えば、第一の実施形態において、先行被写体を商品化権が認められ得る付加価値を有するキャラクター物として、利用者Uが当該キャラクター物と一緒になった写真を得ることができるようにしてもよい。第二の実施形態において、連写機能を有するカメラで利用者を撮影するようにしてもよく、また、先行する利用者が登録した付加画像が、公序良俗に反する画像又は表現である場合、オペレータが操作画面でその画像又は表現を適正なものに修正又は削除する改正入力を可能としてもよい。この場合、先行被写体である利用者が撮影、編集した画像のうち公序良俗に反しないもののみを、後続被写体となる利用者に提供することができる。更に、第二の実施形態において、ゲームモードを進行している利用者Uが、自己の撮影画像を自動写真作成装置1に登録してこれを付加画像とした後、再度、二回目のゲームモードが進行し、当該利用者Uが、先に撮影した自己の画像(付加画像)に二回目に撮影した新たな自己の画像を合成できるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の一実施形態に係る自動写真作成装置の側面図である。
【図2】利用者から見たときの自動写真作成装置の要部を示す正面図である。
【図3】自動写真作成装置のシステム要部を示すブロック図である。
【図4】自動写真作成装置の一動作を示すフローチャートである。
【図5】作成登録モードのフローチャートである。
【図6】(a)〜(c)はそれぞれ対応するモードでの操作画面の操作指示画像である。
【図7】(a)〜(c)はそれぞれ対応するモードでの操作画面の操作指示画像である。
【図8】ゲームモードのフローチャートである。
【図9】(a)〜(c)はそれぞれ対応するモードでの操作画面の操作指示画像である。
【図10】第二の実施形態に係るゲームモードのフローチャートである。
【符号の説明】
【0041】
1 自動写真作成装置
4 ブース
5 コンピュータ装置
6 カメラ
11 操作画面
14 編集画面
15 付加画面
54 画像処理部
54a 登録手段
54b 編集手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者を含む被写体を撮影可能な撮影手段と、
フレームや背景などの付加画像を記憶する記憶手段と、
前記被写体画像に対して前記付加画像を付加する作業を含む編集作業を行うための編集手段と、
前記被写体画像及び前記編集手段で編集した編集画像を画面表示する表示手段と、
前記撮影手段で撮影して得られた先行被写体の前記被写体画像又はこの画像を含む前記編集画像を、前記撮影手段で撮影して得られた後続被写体の前記被写体画像に付加するための新たな付加画像として前記記憶手段に記憶させる登録手段と、
を備えていることを特徴とする自動写真作成装置。
【請求項2】
前記先行被写体は、パブリシティ権や商品化権が認められ得る付加価値を有する人又は物である請求項1に記載の自動写真作成装置。
【請求項3】
前記先行被写体は、パブリシティ権や商品化権が認められていない一般の人又は物である請求項1に記載の自動写真作成装置。
【請求項4】
前記編集手段は、前記先行被写体となった人の自筆サインを入力可能な操作画面を備えている請求項1〜3のいずれか一項に記載の自動写真作成装置。
【請求項5】
前記操作画面は、前記先行被写体の被写体画像又は編集画像に対して明るさ、コントラスト及び色等を調整する補正入力が可能である請求項4に記載の自動写真作成装置。
【請求項6】
前記操作画面は、前記新たな付加画像に含まれる公序良俗に反する画像又は表現を適正なものに修正又は削除する改正入力が可能である請求項3〜5のいずれか一項に記載の自動写真作成装置。
【請求項7】
前記撮影手段は、前記被写体の連写機能を有し、かつ、
前記編集手段は、前記撮影手段で連写して得られた前記先行被写体の複数の被写体画像又はこの中から選択された複数の被写体画像を合成して前記新たな付加画像を作成する機能を有する請求項1〜6のいずれ一項に記載の自動写真作成装置。
【請求項8】
撮影室内でカメラ撮影を行う撮影モードと、撮影された静止画像に対してフレーム又は背景などよりなる所望の付加画像の付加を含む編集を行う編集モードと、編集された編集画像を印刷又は外部にデータ転送することによって出力する出力モードとを、所定のプレイ時間内に利用者が一連の作業として行う自動写真作成方法において、
カメラ撮影で得られた前記静止画像又はこれを編集した編集画像を新たな前記付加画像として作成して登録する、前記付加画像の作成登録モードを備えていることを特徴とする自動写真作成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−5401(P2008−5401A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−175217(P2006−175217)
【出願日】平成18年6月26日(2006.6.26)
【出願人】(597047392)辰巳電子工業株式会社 (77)
【Fターム(参考)】