説明

自動分析装置及びその判定方法

【課題】分注プローブを介しての被検試料や試薬の汚染を未然に防ぎ、精度よく測定することができる自動分析装置及びその判定方法を提供する。
【解決手段】被検試料、第1試薬、及び第2試薬を吸引及び吐出する各分注プローブを洗浄するための洗浄液を収容するサンプル部20及び試薬部21の各容器と、予め設定された設置位置の各容器から吸引した後に吐出される判定用洗浄液のpHを測定するpHセンサ部23と、pHセンサ部23で測定されたpH値に基づいて、前記設置位置の容器内に前記洗浄液が収容されているか否かを判定する判定部34とを備え、前記洗浄液が収容されていないと判定したとき、出力部50のエラー情報を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体に含まれている成分を分析する自動分析装置及びその判定方法に係り、特に、ヒトの血液や尿などの体液に含まれる成分を分析する自動分析装置及びその判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動分析装置は、被検試料及び試薬を反応容器に分注して混合した混合液の反応によって生ずる色調の変化を吸光度法により測定し、被検試料中の生化学検査項目や免疫検査項目などの成分の濃度や活性を求める。また、被検試料とこの被検試料を希釈する試薬との混合液を、生化学検査項目であるナトリウムイオン、カリウムイオンなどの各電解質に選択的に応答するイオンセンサを用いて測定し、被検試料中の電解質の濃度を求める。
【0003】
この自動分析装置では、被検試料毎に分析条件の設定により測定可能になった多数の項目の中から、検査に応じて選択された測定項目の測定が行われる。そして、サンプル分注プローブを用いて被検試料が試料容器から反応容器に分注され、試薬分注プローブを用いて測定項目に該当する試薬が試薬容器から反応容器に分注される。次いで、撹拌子を用いて反応容器に分注された被検試料及び試薬の混合液が撹拌された後、その混合液が測光部や電解質測定ユニットで測定されて分析データが生成される。
【0004】
そして、サンプル分注プローブに付着した以前の被検試料が次に分注する被検試料を収容した試料容器に混入する被検試料間の汚染を防ぐために、サンプル分注プローブを被検試料の分注終了毎に洗浄水で洗浄する。しかしながら、次の被検試料に特定の項目が含まれていると、以前の被検試料に含まれる特定項目の成分が完全には除去されず、サンプル分注プローブを介して次の被検試料を汚染する問題がある。
【0005】
この問題を回避するために、特定の項目、この特定項目の成分を洗浄水よりも強力でサンプル分注プローブから除去可能な酸性やアルカリ性等の洗浄液、及びこの洗浄液の設置位置を設定しておくことにより、特定項目を含む被検試料を分注する前に、サンプル分注プローブを洗浄液を用いて洗浄することができる。
【0006】
また、試薬分注プローブに付着した以前の試薬が次に分注する試薬に混入する試薬間の汚染を防ぐために、試薬分注プローブを試薬分注終了毎に洗浄水を用いて洗浄する。しかしながら、以前の試薬が完全には除去されず、試薬分注プローブを介して次の試薬を汚染する問題がある。
【0007】
この問題を回避するために、汚染する試薬とこの試薬から汚染される試薬、汚染する試薬を試薬分注プローブから除去可能な洗浄液、及びこの洗浄液の設置位置を設定しておくことにより、汚染する試薬の後に汚染される試薬が分注される場合、汚染する試薬が分注された後に試薬分注プローブを洗浄液を用いて洗浄する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
そして、サンプル分注プローブ及び試薬分注プローブの各分注プローブを、各洗浄液を用いて洗浄した後、その洗浄液による被検試料や試薬への汚染を避けるために、更に洗浄水を用いて洗浄液を洗い落とす。その後、次の被検試料及び試薬の分注が行われる。
【特許文献1】特開平7−174765号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、各洗浄液を被検試料や試薬と類似した容器に移し、各洗浄液を収容した容器を誤って予め設定した位置とは異なる位置に設置して、各分注プローブを適切な洗浄液を用いて洗浄できないことがある。また、長期間にわたる使用や周囲環境の悪化により、各分注プローブに洗浄水を供給するチューブ内に水垢やカビなどの不用物が堆積して洗浄水の量が減少し、各分注プローブを洗浄液で洗浄した後、その洗浄液を洗浄水で洗い落とせないことがある。
【0010】
このように、洗浄不足により汚染された被検試料、試薬、洗浄液などから悪影響を受けた分析データが、異常であることに気付かずに誤診してしまう恐れがある。また、気付いたときには再度測定を行う必要が生じ、被検試料、試薬、時間等を浪費する問題がある。
【0011】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、分注プローブを介しての被検試料や試薬の汚染を未然に防ぎ、精度よく測定することができる自動分析装置及びその判定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の自動分析装置は、被検試料を試薬と混合してその混合液を測定する自動分析装置において、前記被検試料又は前記試薬を吸引及び吐出する分注プローブと、前記分注プローブを洗浄するための洗浄液を収容した容器の設置位置を設定する位置設定手段と、前記位置設定手段により設定された設置位置の容器から、前記分注プローブにより吸引された後に吐出される判定用の洗浄液のpHを測定するpHセンサと、前記pHセンサにより測定されたpH値に基づいて、前記位置設定手段により設定された設置位置の容器に前記分注プローブを洗浄するための洗浄液が収容されているか否かを判定する判定手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
また、請求項6に記載の本発明の自動分析装置は、被検試料を試薬と混合してその混合液を測定する自動分析装置において、前記被検試料又は前記試薬を吸引及び吐出する分注プローブと、前記分注プローブを洗浄するための洗浄液を収容した容器から、前記分注プローブにより吸引された後に吐出される判定用洗浄液のpHを測定するpHセンサと、前記pHセンサにより測定されたpH値が予め設定された第1の許容範囲から外れているとき、前記分注プローブを洗浄するための洗浄液以外の液体が収容されているエラー情報を出力する出力手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
更に、請求項7に記載の本発明の自動分析装置の判定方法は、被検試料を試薬と混合してその混合液を測定する自動分析装置の判定方法において、前記被検試料又は前記試薬を吸引及び吐出する分注プローブを洗浄するための洗浄液を収容した容器の設置位置を位置設定手段により設定し、前記位置設定手段により設定された設置位置の容器から、前記分注プローブにより吸引された後に吐出される判定用の洗浄液のpHをpHセンサにより測定し、前記pHセンサにより測定されたpH値に基づいて、前記位置設定手段により設定された設置位置の容器に前記分注プローブを洗浄するための洗浄液が収容されているか否かを判定手段より判定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、各分注プローブの洗浄に用いる洗浄液のpHを測定し、測定したpH値が許容範囲を外れた場合にはその情報を出力すると共に被検試料の測定を中止させることにより、各分注プローブを介して被検試料及び試薬への汚染を未然に防ぎ、精度よく測定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、本発明による自動分析装置の実施例を、図1乃至図20を参照して説明する。
【実施例】
【0017】
図1は、本発明の実施例に係る自動分析装置の構成を示したブロック図である。この自動分析装置100は、生化学的検査項目や免疫検査項目などの各測定項目の標準試料や、被検試料毎に選択入力された測定項目の測定を行う分析部19と、分析部19を制御する分析制御部30と、分析部19から出力される標準試料や被検試料の測定により生成された標準データや被検データを処理してキャリブレーションテーブルの作成や分析データの生成を行うデータ処理部40とを備えている。
【0018】
また、データ処理部40からのキャリブレーションテーブルや分析データを出力する出力部50と、分析部19で測定する各測定項目の分析条件の設定や被検試料毎の測定項目の選択入力、各種コマンド信号を入力する操作部60と、上述した各ユニットを統括して制御するシステム制御部70とを備えている。
【0019】
分析部19は、標準試料や被検試料などのサンプルの分注や、装置外部の純水装置110からの洗浄水、及びこの洗浄水よりも強力に洗浄可能な予め設定された位置に設置された酸性洗浄液、アルカリ性洗浄液、界面活性剤を含む酸性又はアルカリ性洗浄液等の洗浄液を用いてサンプルを分注する分析ユニットの洗浄を行うサンプル部20を備えている。
【0020】
また、サンプルに含まれる測定項目の成分と反応する試薬の分注や、前記洗浄水及び予め設定された位置に設置された洗浄液を用いて試薬を分注する分析ユニットの洗浄を行う試薬部21と、サンプル部20及び試薬部21から分注されたサンプル及び試薬の混合液を測定する反応部22と、前記洗浄液として予め設定された位置に設置された液体のpH(ペーハー)を測定するpHセンサ部23とを備えている。そして、反応部22における標準試料や被検試料の測定により生成される標準データや被検データは、データ処理部40に出力される。また、pHセンサ部23で測定されたセンサ信号は分析制御部30に出力される。
【0021】
分析制御部30は、分析部19のサンプル部20、試薬部21、反応部22、及びpHセンサ部23の各分析ユニットを夫々駆動する機構を備えた機構部31と、機構部31の各機構を制御する制御部32と、pHセンサ部23で測定されたセンサ信号からpH値を算出する信号処理部33と、信号処理部33で算出されたpH値に基づいて予め設定された位置に設置された液体が前記洗浄液であるか否かを判定する判定部34とを備えている。
【0022】
データ処理部40は、分析部19の反応部22から出力された標準データや被検データからキャリブレーションテーブルを作成したり分析データを生成する演算部41と、演算部41で作成されたキャリブレーションテーブルや生成された分析データなどを保存する記憶部42とを備えている。
【0023】
演算部41は、反応部22から出力された各測定項目の標準データから各測定項目のキャリブレーションテーブルを作成し、作成したキャリブレーションテーブルを出力部50に出力すると共に記憶部42に保存する。また、反応部22から出力された各被検データに対して、その測定項目のキャリブレーションテーブルを記憶部42から読み出した後、読み出したキャリブレーションテーブルを用いてその測定項目の成分の濃度値や活性値等の分析データを算出して、出力部50に出力すると共に記憶部42に保存する。
【0024】
記憶部42は、ハードディスクなどを備え、演算部41から出力されたキャリブレーションテーブルや分析データなどを被検試料毎に保存する。
【0025】
出力部50は、データ処理部40の演算部41から出力されたキャリブレーションテーブルや分析データなどを印刷出力する印刷部51及び表示出力する表示部52を備えている。
【0026】
印刷部51は、プリンタなどを備え、データ処理部40の演算部41から出力されたキャリブレーションテーブルや分析データなどを予め設定されたフォーマットに従って、プリンタ用紙に印刷出力する。
【0027】
表示部52は、CRTや液晶パネルなどのモニタを備え、データ処理部40の演算部41から出力されたキャリブレーションテーブルや分析データ、被検体のID及び氏名などを設定する被検体情報設定画面、測定項目毎の分析条件を設定する分析条件設定画面、被検試料毎に測定項目を選択する測定項目設定画面などの表示を行う。
【0028】
また、分析部19のサンプル部20の分析ユニットを洗浄液を用いて洗浄する条件を設定するサンプル分注プローブ洗浄条件設定画面や、試薬部21の分析ユニットを洗浄液を用いて洗浄する条件を設定する第1試薬分注プローブ洗浄条件設定画面及び第2試薬分注プローブ洗浄条件設定画面などの表示を行う。
【0029】
操作部60は、キーボード、マウス、ボタン、タッチキーパネルなどの入力デバイスを備え、測定項目毎の分析条件の設定操作、被検体の被検体IDや被検体名などの被検体情報の設定操作、被検試料毎の測定項目の選択操作、サンプル分注プローブ洗浄条件の設定操作、第1試薬分注プローブ洗浄条件の設定操作、第2試薬分注プローブ洗浄条件の設定操作、各測定項目のキャリブレーションテーブルを作成するための標準試料測定操作、分析データを生成するための被検試料の測定操作などの様々な操作が行われる。
システム制御部70は、図示しないCPUと記憶回路71を備え、操作部60から供給されるコマンド信号、測定項目の分析条件、各洗浄条件、被検体情報、被検試料毎の測定項目などの情報を記憶した後、これらの情報に基づいてシステム全体の制御を行う。
【0030】
次に、図2乃至図5を参照して、分析部19のサンプル部20、試薬部21、及び反応部22の構成を説明する。図2は、分析部19のサンプル部20、試薬部21、及び反応部22の構成を示す斜視図である。図3は、図2のサンプル部20及び反応部22の一部を上から見た図である。図4及び図5は、図2の試薬部21及び反応部22の一部を上から見た図である。
【0031】
図2において、分析部19のサンプル部20は、標準試料及び被検試料などのサンプルや洗浄液を収容する試料容器17を回動可能に保持するディスクサンプラ6と、ディスクサンプラ6に保持された試料容器17からサンプルを吸引して反応部22に吐出する分注や、試料容器17内の洗浄液による洗浄が行われるサンプル分注プローブ16と、サンプル分注プローブ16を介してサンプルや洗浄液を吸引及び吐出するサンプル分注ポンプ10aと、被検試料の分注終了毎に純水装置110からの洗浄水を用いてサンプル分注プローブ16の洗浄が行われるサンプル洗浄槽16aとを備えている。
【0032】
また、サンプル分注プローブ16を、図3に示した破線の円軌道に沿って矢印R1及びR2方向への水平移動と、円軌道の下方に位置する試料容器17、反応部22、及びpHセンサ部23の各停止位置における上下移動とを可能に保持するサンプル分注アーム10とを備えている。
【0033】
試薬部21は、サンプルに対して選択的に反応する各測定項目の第1試薬や洗浄液、及びこの第1試薬と対をなす第2試薬や洗浄液を収容する試薬容器7a,7bと、試薬容器7aを収納する試薬ラック1aと、試薬容器7aを収納した試薬ラック1aを回動可能に保持する試薬庫2と、試薬容器7bを収納した試薬ラック1bを回動可能に保持する試薬庫3と、試薬庫2,3の試薬容器7a,7bから第1及び第2試薬を吸引して反応部22に吐出する分注や、試薬容器7a,7b内の各洗浄液による洗浄が行われる第1及び第2試薬分注プローブ14,15とを備えている。
【0034】
また、試薬部21は、第1及び第2試薬分注プローブ14,15を介して第1及び第2試薬や洗浄液を吸引及び吐出する第1及び第2試薬分注ポンプ8a,9aと、第1及び第2試薬の分注終了毎に純水装置110からの洗浄水を用いて第1及び第2試薬分注プローブ14,15の洗浄が行われる第1及び第2試薬洗浄槽14a,15aとを備えている。
【0035】
更に、第1試薬分注プローブ14を、図4に示した破線の円軌道に沿って矢印R1及びR2方向への水平移動と、試薬庫2の試薬容器7a、反応部22、及びpHセンサ部23の各停止位置における上下移動とを可能に保持する第1試薬分注アーム8を備えている。
【0036】
更にまた、第2試薬分注プローブ15を、図5に示した破線の円軌道に沿って矢印R1及びR2方向への水平移動と、試薬庫3の試薬容器7b、反応部22、及びpHセンサ部23の各停止位置における上下移動とを可能に保持する第2試薬分注アーム9を備えている。
【0037】
反応部22は、サンプル部20のサンプル分注プローブ16から吐出されたサンプル、試薬部21の第1試薬分注プローブ14から吐出された第1試薬、及び第2試薬分注プローブ15から吐出された第2試薬を収容する円周上に複数配置された反応容器4と、この反応容器4を回転可能に保持する反応ディスク5と、反応容器4内のサンプル及び第1試薬からなる第1の混合液を撹拌する第1撹拌子11aとを備えている。
【0038】
また、第1の混合液を収容した反応容器4への第1撹拌子11a1の移動を可能に保持する第1撹拌ユニット11aと、反応容器4内のサンプル、第1試薬、及び第2試薬からなる第2の混合液を撹拌する第2撹拌子11b1と、第2の混合液を収容した反応容器4への第2撹拌子11b1の移動を可能に保持する第2撹拌ユニット11bとを備えている。
【0039】
更に、反応部22は、撹拌後の第1の混合液及び第2の混合液を収容した反応容器4に光を照射して、透過した光から設定波長における吸光度を測定する測光ユニット13と、測定を終えた反応容器4内の第1及び第2の混合液を吸引する吸引ノズル、吸引した後の反応容器4内を洗浄する洗浄ノズル、及び洗浄した後の反応容器4内を乾燥する乾燥ノズルを上下移動可能に保持する洗浄ユニット12とを備えている。
【0040】
そして、反応容器4は、第1及び第2の混合液の測定終了毎に、洗浄ユニット12により吸引・洗浄・乾燥され、再び測定に使用される。また、測光ユニット13は、吸光度測定により生成した各測定項目の標準試料や被検試料の標準データや被検データをデータ処理部40に出力する。
【0041】
次に、図2乃至図12を参照して、分析部19のpHセンサ部23の構成の詳細を説明する。図6は、pHセンサ部23の構成を示す図である。図7は、表示部52に表示されるサンプル分注プローブ洗浄条件設定画面の一例を示す図である。図8は、図7のサンプル分注プローブ洗浄条件設定画面で設定された位置の液体がサンプル分注プローブ16の洗浄液であるか否かを判定するために用いられるサンプル部20の各分析ユニットの構成、及びpHセンサ部23のユニットの構成を示す図である。
【0042】
また、図9は、表示部52に表示される第1試薬分注プローブ洗浄条件設定画面の一例を示す図である。図10は、図9の第1試薬分注プローブ洗浄条件設定画面で設定された位置の液体が第1試薬分注プローブ14の洗浄液であるか否かを判定するために用いられる試薬部21の各分析ユニットの構成、及びpHセンサ部23のユニットの構成を示す図である。
【0043】
更に、図11は、表示部52に表示される第2試薬分注プローブ洗浄条件設定画面の一例を示す図である。図12は、図11の第2試薬分注プローブ洗浄条件設定画面で設定された位置の液体が第2試薬分注プローブ15の洗浄液であるか否かを判定するために用いられる試薬部21の各分析ユニットの構成、及びpHセンサ部23のユニットの構成を示す図である。
【0044】
図6において、pHセンサ部23は、表示部52に表示されるサンプル分注プローブ洗浄条件設定画面で設定された位置における液体のpHを測定するサンプルセンサ部24と、表示部52に表示される第1試薬分注プローブ洗浄条件設定画面で設定された位置における液体のpHを測定する第1試薬センサ部25と、表示部52に表示される第2試薬分注プローブ洗浄条件設定画面から設定された位置における液体のpHを測定する第2試薬センサ部26により構成される。
【0045】
まず、サンプルセンサ部24の構成の詳細を説明する。
図7は、表示部52に表示されるサンプル分注プローブ洗浄条件設定画面の一例を示した図である。このサンプル分注プローブ洗浄条件設定画面53は、左から順にサンプル分注プローブ16の洗浄に用いる洗浄液の名を表示する「洗浄液」の欄と、分析条件設定画面で設定された測定項目の項目名を略称で表示する「項目」の欄と、「洗浄液」の欄に表示された洗浄液名の洗浄液を設置する位置を設定するための「設置位置」の欄とにより構成される。
【0046】
また、「設置位置」の欄に設定された設置位置の液体が「洗浄液」の欄に表示された洗浄液であるか否かを判定する第1の許容範囲を設定するための「第1の許容範囲」の欄と、「設置位置」の欄に設定された設置位置の液体が「洗浄液」の欄に表示された洗浄液である場合にこの洗浄液をサンプル分注プローブ16から洗い落とすことが可能な量の洗浄水が供給されているか否かを判定する第2の許容範囲を設定するための「第2の許容範囲」の欄とにより構成される。
【0047】
「洗浄液」の欄には、「第1の洗浄液」及び「第2の洗浄液」が表示されている。ここでは、被検試料を汚染する特定項目の成分を洗浄水よりも強力でサンプル分注プローブ16から除去可能な洗浄液を用いる。「第1の洗浄液」として鉄やカルシウム等の除去に有効な例えば酸性の洗浄液を用い、「第2の洗浄液」として蛋白質との除去に有効な例えばアルカリ性洗浄液を用いる。更に、脂質等の除去に有効な界面活性剤を含有する酸性やアルカリ性の洗浄液を用いるようにしてもよい。
【0048】
「項目」の欄には、例えば「GOT」、「GPT」、「Ca」、「HBsAg」などの項目名が表示され、この項目名の下に被検試料間の汚染により汚染される特定項目及びこの特定項目の成分の洗浄に適した洗浄液を、「洗浄液」の欄に表示された洗浄液名の中から選択するための影響項目設定エリア53aが設けられている。
【0049】
影響項目設定エリア53aでは、汚染される特定項目を「項目」の欄の項目名の中から選択し、更に選択した項目名の成分の洗浄に適した洗浄液を「洗浄液」の欄の「第1の洗浄液」及び/又は「第2の洗浄液」を選択すると、選択した項目名及び洗浄液名に対応する位置に「○」が表示され、選択されない位置には「・」が表示される。
【0050】
ここで、操作部60から汚染される特定項目として例えば「HBsAg」を選択し、また選択した「HBsAg」の洗浄に適した洗浄液として例えば「第2の洗浄液」を選択すると、「HBsAg」及び「第2の洗浄液」に対応する影響項目設定エリア53aの位置53bに「○」が表示される。この画面から選択入力された汚染される特定項目及びこの特定項目の洗浄液の情報は、システム制御部70の記憶回路71に保存される。
【0051】
このように、予め特定項目を選択しておくことにより、特定項目を含む被検試料を分注する前に、サンプル分注プローブ16を「洗浄液」の欄に表示された洗浄液名の洗浄液を用いて洗浄することができる。
【0052】
「設置位置」の欄には、「洗浄液」の欄に表示された各洗浄液名に対応する洗浄液の設置位置の設定が可能な各ダイアログボックス53c,53dが表示されている。ここで、例えば「第2の洗浄液」を設置する位置として、操作部60からサンプル部20のディスクサンプラ6の位置である例えば「W1」を選択する操作が行われると、選択入力された「W1」が記憶回路71に保存されると共にダイアログボックス53dに表示される。
【0053】
「第1の許容範囲」の欄には、第1の許容範囲の設定が可能な各ダイアログボックス53e乃至53hが表示されている。ここで、例えばディスクサンプラ6の位置である「W1」に設置された試料容器17内の液体が「第2の洗浄液」であるか否かを判定する第1の許容範囲として、操作部60から例えば「13.0」及び「13.3」を設定する操作が行われると、設定入力された「13.0」及び「13.3」が記憶回路71に保存されると共に各ダイアログボックス53g,53hに表示される。
【0054】
そして、ディスクサンプラ6の「W1」に設置された試料容器17内の液体のpH値が第1の許容範囲に入っているとき、その試料容器17に「第2の洗浄液」が収容されていると判定される。
【0055】
「第2の許容範囲」の欄には、第2の許容範囲の設定が可能な各ダイアログボックス53i乃至53mが表示されている。ここで、ディスクサンプラ6の「W1」に設置された試料容器17内の液体が「第2の洗浄液」である場合に、この「第2の洗浄液」をサンプル分注プローブ16から洗い落とすことが可能な量の洗浄水が供給されたか否かを判定する第2の許容範囲として、操作部60から例えば「6.0」及び「7.0」を設定する操作が行われると、設定入力された「6.0」及び「7.0」が記憶回路71に保存されると共に各ダイアログボックス53k,53mに表示される。
【0056】
このように、「洗浄液」の欄に表示された各洗浄液名に対応する洗浄液に特有のpH値の範囲を第1の許容範囲として設定しておくことにより、「設置位置」の欄に設定された設置位置の液体が「洗浄液」の欄に表示された洗浄液名に対応する洗浄液であるか否かを判定することができる。また、第2の許容範囲を設定しておくことにより、「「洗浄液」の欄に表示された洗浄液がサンプル分注プローブ16から洗い落とされたか否かを判定することができる。
【0057】
なお、3つ以上の洗浄液の設定が可能なように、「洗浄液」の欄に洗浄液名を追加表示し、追加した洗浄液名に対応する「項目」、「設置位置」、「第1の許容範囲」、及び「第2の許容範囲」の各欄に影響項目設定エリア及びダイアログボックスを設けるようにしてもよい。
【0058】
図8は、図7のサンプル分注プローブ洗浄条件設定画面53で設定された設置位置の液体がサンプル分注プローブ16の洗浄液であるか否かを判定するために用いられるサンプル部20の各分析ユニットの構成、及びサンプルセンサ部24の構成を示した図である。
【0059】
サンプル部20は、ディスクサンプラ6のサンプル分注プローブ洗浄条件設定画面53で設定された設置位置に保持された試料容器17と、この試料容器17からサンプル分注プローブ洗浄条件設定画面53で設定されたサンプル分注プローブ洗浄用の洗浄液であるか否かを判定する液体(判定用洗浄液)をサンプル分注プローブ16を用いて吸引し、吸引した判定用洗浄液をサンプルセンサ部24に吐出するサンプル分注ポンプ10aとを備えている。
【0060】
また、判定用洗浄液がサンプル分注プローブ洗浄用の洗浄液である場合、その洗浄液を吐出した後にサンプル分注プローブ16から洗浄液を洗い落とすための所定量の洗浄水を純水装置110から吸引し、吸引した所定量の洗浄水を「NC」と「COM」の間が開放された三方弁16b、サンプル分注ポンプ10a、及びサンプル分注プローブ16を介してサンプル洗浄槽16aに吐出する洗浄水給ポンプ16cを備えている。
【0061】
そして、洗浄水供給ポンプ16cは、洗浄液を洗い落とすための洗浄水を吐出した後に、洗浄液を洗い落とすことが可能な量の洗浄水をサンプル分注プローブ16に供給できたか否かを判定する洗浄水(判定用洗浄水)を純水装置100から吸引し、吸引した洗浄水を三方弁16b、サンプル分注ポンプ10a、及びサンプル分注プローブ16を介してサンプルセンサ部24に吐出する。
【0062】
サンプルセンサ部24は、サンプル分注プローブ16から吐出される判定用洗浄液及び判定用洗浄水を収容する図3に示したサンプル部20のサンプル洗浄槽16aの近傍に配置され収容槽241と、収容槽241内に収容した判定用洗浄液及び判定用洗浄水のpHを測定するpHセンサ242と、収容槽241内に収容した判定用洗浄液及び判定用洗浄水を貯留及び排液するためのバルブ243と、pHを測定した後のpHセンサ242から判定用洗浄液及び判定用洗浄水を洗い落とす洗浄水が吐出されるノズル244と、このノズル244に純水装置110からの洗浄水を供給する供給ポンプ245とを備えている。
【0063】
pHセンサ242は、収容槽241内に貯留された判定用洗浄液のpHを測定し、測定した判定用洗浄液のセンサ信号を分析制御部30の信号処理部33に出力する。また、収容槽241内に貯留された判定用洗浄水のpHを測定し、測定した判定用洗浄水のセンサ信号を信号処理部33に出力する。
【0064】
バルブ243は、収容槽241の底部に配置され、サンプル分注プローブ16から判定用洗浄液及び判定用洗浄水が吐出されるタイミングに合わせて閉じることにより、判定用洗浄液及び判定用洗浄水を収容槽241内に貯留する。次いで、pHの測定終了後に開くことにより、収容槽241から判定用洗浄液及び判定用洗浄水を排出する。
【0065】
供給ポンプ245は、純水装置110から洗浄水を吸引し、吸引した洗浄水を判定用洗浄液及び判定用洗浄水が収容槽241から排出された後に、ノズル244を介してpHセンサ242に向けて吐出する。そして、pHセンサ242に付着している判定用洗浄液及び判定用洗浄水を洗い落とす。このときバルブ243は開いており、判定用洗浄液及び判定用洗浄水を洗い落とした洗浄水は、収容槽241から排出される。
【0066】
次に、第1試薬センサ部25の構成の詳細を説明する。
図9は、表示部52に表示される第1試薬分注プローブ洗浄条件設定画面の一例を示した図である。この第1試薬分注プローブ洗浄条件設定画面54は、上段の左から順に、第1試薬分注プローブ14の洗浄に用いる洗浄液の洗浄液名を表示する「洗浄液」の欄と、「洗浄液」の欄に表示された洗浄液名の洗浄液を設置する位置を設定するための「設置位置」の欄とにより構成される。
【0067】
また、「設置位置」の欄に設定された位置の液体が「洗浄液」の欄に表示された洗浄液であるか否かを判定する第1の許容範囲を設定するための「第1の許容範囲」の欄と、「設置位置」の欄に設定された位置の液体が「洗浄液」の欄に表示された洗浄液名の洗浄液である場合にこの洗浄液を第1試薬分注プローブ14から洗い落とすことが可能な量の洗浄水が供給されているか否かを判定する第2の許容範囲を設定するための「第2の許容範囲」の欄とにより構成される。
【0068】
更に、下段に分析条件設定画面で設定された項目の第1試薬に対応する項目名を略称で横軸及び縦軸に表示する「汚染する第1試薬」及び「汚染される第1試薬」の欄により構成される。
【0069】
「洗浄液」の欄には、「第1のR1洗浄液」及び「第2のR1洗浄液」が表示されている。ここでは、汚染する第1試薬を洗浄水よりも強力で第1試薬分注プローブ14から除去可能な洗浄液を用いる。「第1の洗浄液」として例えば酸性の洗浄液を用い、「第2の洗浄液」としてアルカリ性洗浄液を用いる。
【0070】
「設置位置」の欄には、「洗浄液」の欄に表示した各洗浄液名に対応する洗浄液の設置位置の設定が可能なダイアログボックス54a,54bが表示されている。ここで、例えば「第1のR1洗浄液」を設置する位置として、操作部60から試薬部21の試薬庫2の位置である例えば「R1W1」を選択する操作が行われると、選択入力された「R1W1」が記憶回路71に保存されると共にダイアログボックス54aに表示される。
【0071】
「第1の許容範囲」の欄には、第1の許容範囲の設定が可能な各ダイアログボックス54c乃至54fが表示されている。ここで、例えば試薬庫2の位置である「R1W1」に設置された試薬容器7a内の液体が「第1のR1洗浄液」であるか否かを判定する第1の許容範囲として、操作部60から例えば「2.5」及び「2.8」を設定する操作が行われると、設定入力された「2.5」及び「2.8」が記憶回路71に保存されると共にダイアログボックス54c,54dに表示される。
【0072】
「第2の許容範囲」の欄には、第2の許容範囲の設定が可能な各ダイアログボックス54g乃至54jが表示されている。ここで、試薬庫2の「R1W1」に設置された試薬容器7a内の液体が「第1のR1洗浄液」である場合に「第1のR1洗浄液」を第1試薬分注プローブ14から洗い落とすことが可能な量の洗浄水が供給されているか否かを判定する第2の許容範囲として、操作部60から例えば「6.0」及び「7.0」を設定する操作が行われると、設定入力された「6.0」及び「7.0」が記憶回路71に保存されると共にダイアログボックス54g,54hに表示される。
【0073】
このように、「洗浄液」の欄に表示された各洗浄液名に対応する洗浄液に特有のpH値の範囲を第1の許容範囲として設定しておくことにより、「設置位置」の欄に設定された設置位置の液体が「洗浄液」の欄に表示された洗浄液名に対応する洗浄液であるか否かを判定することができる。また、第2の許容範囲を設定しておくことにより、「洗浄液」の欄に表示された洗浄液が第1試薬分注プローブ14から洗い落とされたか否かを判定することができる。
【0074】
「汚染する第1試薬」及び「汚染される第1試薬」の欄の横軸及び縦軸には、図7のサンプル分注プローブ洗浄条件設定画面53に示した「項目」の欄と同じ項目名の第1試薬である「GOT」、「GPT」、「Ca」、及び「HBsAg」などの項目名が表示されている。また、横軸及び縦軸の各項目名を選択入力するための第1試薬設定エリア54kが設けられている。
【0075】
第1試薬設定エリア54kでは、「汚染する第1試薬」及び「汚染される第1試薬」の欄の横軸及び縦軸の項目名に対応する位置を選択し、更に「第1のR1洗浄液」及び/又は「第2のR1洗浄液」を選択すると、横軸及び縦軸の項目名に対応する位置に「1」又は「2」又は「1/2」が表示され、選択されない位置には「・」が表示される。また、横軸及び縦軸の項目名が同じである位置には、項目名の選択ができないように「−」が表示されている。
【0076】
ここで、操作部60から例えば横軸及び縦軸の項目名に対応する「GPT」及び「Ca」を選択する。また、「第1のR1洗浄液」を選択すると、第1試薬設定エリア54kの横軸の「GPT」に対応する縦軸の「Ca」の位置54mに「1」が表示される。そして、選択及び設定入力された汚染する第1試薬、汚染される第1試薬、及び洗浄液の情報は、記憶回路71に保存される。
【0077】
このように、汚染する第1の試薬の項目名及びこの第1試薬に汚染される試薬の項目名を選択しておくことにより、汚染する第1試薬の後にこの第1試薬から汚染される第1試薬が分注される場合、汚染する第1試薬が分注された後に第1試薬分注プローブ14を「洗浄液」の欄に表示された洗浄液名の洗浄液を用いて洗浄することができる。
【0078】
なお、3つ以上の洗浄液の設定が可能なように、「洗浄液」の欄に洗浄液名を追加表示し、追加した洗浄液名に対応する「設置位置」、「第1の許容範囲」、「第2の許容範囲」の各欄にダイアログボックスを設け、「汚染する第1試薬」及び「汚染される第1試薬」の欄に追加した洗浄液名を選択できるようにしてもよい。
【0079】
図10は、図9の第1試薬分注プローブ洗浄条件設定画面54で設定された位置の液体が第1試薬分注プローブ14の洗浄液であるか否かを判定するために用いられる試薬部21の各分析ユニットの構成、及び第1試薬センサ部25の構成を示した図である。
【0080】
試薬部21は、試薬庫2の第1試薬分注プローブ洗浄条件設定画面54で設定された設置位置に保持された試薬容器7aと、この試薬容器7aから第1試薬分注プローブ洗浄条件設定画面54で設定された洗浄液であるか否かを判定する判定用洗浄液を第1試薬分注プローブ14を用いて吸引し、吸引した判定用洗浄液を第1試薬センサ部25に吐出する第1試薬分注ポンプ8aとを備えている。
【0081】
また、判定用洗浄液が第1試薬分注プローブ14洗浄用の洗浄液である場合、その洗浄液を吐出した後に第1試薬分注プローブ14から洗浄液を洗い落とすための所定量の洗浄水を純水装置110から吸引し、吸引した所定量の洗浄水を「NC」と「COM」の間が開放された三方弁14b、第1試薬分注ポンプ8a、及び第1試薬分注プローブ14を介して第1試薬洗浄槽14aに吐出する洗浄水給ポンプ14cを備えている。
【0082】
そして、洗浄水供給ポンプ14cは、洗浄液を洗い落とすための洗浄水を吐出した後に、洗浄液を洗い落とすことが可能な量の洗浄水を第1試薬分注プローブ14に供給できたか否かを判定する判定用洗浄水を純水装置100から吸引し、吸引した洗浄水を三方弁14b、第1試薬分注ポンプ8a、及び第1試薬分注プローブ14を介して第1試薬センサ部25に吐出する。
【0083】
第1試薬センサ部25は、第1試薬分注プローブ14から吐出される判定用洗浄液及び判定用洗浄水を収容する図4に示した試薬部21の第1試薬洗浄槽14aの近傍に配置され収容槽251と、収容槽251内に収容した判定用洗浄液及び判定用洗浄水のpHを測定するpHセンサ252と、収容槽251内に収容した判定用洗浄液及び判定用洗浄水を貯留及び排液するためのバルブ253と、pHを測定した後のpHセンサ252から判定用洗浄液及び判定用洗浄水を洗い落とす洗浄水が吐出されるノズル254と、このノズル254に純水装置110からの洗浄水を供給する供給ポンプ255とを備えている。
【0084】
pHセンサ252は、収容槽251内に貯留された判定用洗浄液のpHを測定し、測定した判定用洗浄液のセンサ信号を分析制御部30の信号処理部33に出力する。また、収容槽251内に貯留された判定用洗浄水のpHを測定し、測定した判定用洗浄水のセンサ信号を信号処理部33に出力する。
【0085】
バルブ253は、収容槽251の底部に配置され、第1試薬分注プローブ14から判定用洗浄液及び判定用洗浄水が吐出されるタイミングに合わせて閉じることにより、判定用洗浄液及び判定用洗浄水を収容槽251内に貯留する。次いで、pHの測定終了後に開くことにより、収容槽251から判定用洗浄液及び判定用洗浄水を排出する。
【0086】
供給ポンプ255は、純水装置110から洗浄水を吸引し、吸引した洗浄水を判定用洗浄液及び判定用洗浄水が収容槽251から排出された後に、ノズル254を介してpHセンサ252に向けて吐出する。そして、pHセンサ252に付着している判定用洗浄液及び判定用洗浄水を洗い落とす。このときバルブ253は開いており、判定用洗浄液及び判定用洗浄水を洗い落とした洗浄水は、収容槽251から排出される。
【0087】
次に、第2試薬センサ部26の構成の詳細を説明する。
図11は、表示部52に表示される第2試薬分注プローブ洗浄条件設定画面の一例を示した図である。この第2試薬分注プローブ洗浄条件設定画面55は、上段の左から順に第2試薬分注プローブ15の洗浄に用いる洗浄液の洗浄液名を表示する「洗浄液」の欄と、「洗浄液」の欄に表示された洗浄液名の洗浄液を設置する位置を設定するための「設置位置」の欄とにより構成される。
【0088】
また、「設置位置」の欄に設定された位置の液体が「洗浄液」の欄に表示された洗浄液であるか否かを判定する第1の許容範囲を設定するための「第1の許容範囲」の欄と、「設置位置」の欄に設定された位置の液体が「洗浄液」の欄に表示された洗浄液名の洗浄液である場合にこの洗浄液を第2試薬分注プローブ14から洗い落とすことが可能な量の洗浄水が供給されているか否かを判定する第2の許容範囲を設定するための「第2の許容範囲」の欄とにより構成される。
【0089】
更に、下段に分析条件設定画面で設定された項目の第2試薬に対応する項目名を略称で横軸及び縦軸に表示する「汚染する第2試薬」及び「汚染される第2試薬」の欄により構成される。そして、操作部60から選択及び設定された入力情報は、記憶回路71に保存される。
【0090】
「洗浄液」の欄には「第1のR2洗浄液」及び「第2のR2洗浄液」が表示されている。ここでは、汚染する第2試薬を洗浄水よりも強力で第2試薬分注プローブ15から除去可能な洗浄液を用いる。「設置位置」の欄には「洗浄液」の欄に表示した各洗浄液名に対応する洗浄液の設置位置の設定が可能な各ダイアログボックス55a,55bが表示されている。「第1の許容範囲」の欄には第1の許容範囲の設定が可能な各ダイアログボックス55c乃至55fが表示されている。「第2の許容範囲」の欄には、第2の許容範囲の設定が可能な各ダイアログボックス55g乃至55jが表示されている。
【0091】
「汚染する第2試薬」及び「汚染される第1試薬」の欄の横軸及び縦軸には、図9の第1試薬分注プローブ洗浄条件設定画面54に示した「項目」の欄の項目名の第2試薬を有する項目名が表示されている。また、横軸及び縦軸の項目名を選択入力するための第2試薬設定エリア55kが設けられている。第2試薬設定エリア55kでは、「汚染する第2試薬」及び「汚染される第2試薬」の欄の横軸及び縦軸の項目名に対応する位置を選択し、更に「第1のR2洗浄液」及び/又は「第2のR2洗浄液」を選択すると、横軸及び縦軸の項目名に対応する位置に「1」又は「2」又は「1/2」が表示され、選択されない位置には「・」が表示される。また、横軸及び縦軸の項目名が同じである位置には、項目名の選択ができないように「−」が表示されている。
【0092】
図12は、図11の第2試薬分注プローブ洗浄条件設定画面55で設定された位置の液体が第2試薬分注プローブ15の洗浄液であるか否かを判定するために用いられる試薬部21の各分析ユニットの構成、及び第2試薬センサ部26の構成を示した図である。
【0093】
試薬部21は、試薬庫3の第2試薬分注プローブ洗浄条件設定画面55で設定された設置位置に保持された試薬容器7bと、この試薬容器7bから第2試薬分注プローブ洗浄条件設定画面55で設定された洗浄液であるか否かを判定する判定用洗浄液を第2試薬分注プローブ15を介して吸引し、吸引した判定用洗浄液を第2試薬センサ部26に吐出する第2試薬分注ポンプ9aとを備えている。
【0094】
また、判定用洗浄液が第2試薬分注プローブ15洗浄用の設定された洗浄液である場合、洗浄液を吐出した後に第2試薬分注プローブ15から洗浄液を洗い落とすための所定量の洗浄水を純水装置110から吸引し、吸引した所定量の洗浄水を「NC」と「COM」の間が開放された三方弁15b、第2試薬分注ポンプ9a、及び第2試薬分注プローブ15を介して第2試薬洗浄槽15aに吐出する洗浄水給ポンプ15cを備えている。
【0095】
そして、洗浄水供給ポンプ15cは、洗浄液を洗い落とすための洗浄水を吐出した後に、洗浄液を洗い落とすことが可能な量の洗浄水を第2試薬分注プローブ15に供給できたか否かを判定する判定用洗浄水を純水装置100から吸引し、吸引した洗浄水を三方弁15b、第2試薬分注ポンプ9a、及び第2試薬分注プローブ15を介して第2試薬センサ部26に吐出する。
【0096】
第2試薬センサ部26は、第2試薬分注プローブ15から吐出される判定用洗浄液及び判定用洗浄水を収容する図5に示した試薬部21の第2試薬洗浄槽15aの近傍に配置され収容槽261と、収容槽261内に収容した判定用洗浄液及び判定用洗浄水のpHを測定するpHセンサ262と、収容槽261内に収容した判定用洗浄液及び判定用洗浄水を貯留及び排液するためのバルブ263と、pHを測定した後のpHセンサ262から判定用洗浄液及び判定用洗浄水を洗い落とす洗浄水が吐出されるノズル264と、このノズル264に純水装置110からの洗浄水を供給する供給ポンプ265とを備えている。
【0097】
なお、図示した試薬部21及び第2試薬センサ部26の各ユニットは、図10で説明した試薬部21及び第1試薬センサ部25の各ユニットと同様に動作するので詳細な説明を省略する。
【0098】
次に、図2乃至図12を参照して、分析制御部30の構成を詳細に説明する。
図1に示した分析制御部30の機構部31は、サンプル部20におけるディスクサンプラ6を回動させる機構、サンプル分注アーム10を回動及び上下移動させる機構、サンプル分注ポンプ部10a及び洗浄水供給ポンプ16cを夫々駆動する機構、三方弁14bを切換え駆動する機構等を備えている。
【0099】
また、試薬部21における試薬庫2,3を夫々回動させる機構、第1及び第2試薬分注アーム8,9を夫々回動及び上下移動させる機構、第1及び第2試薬分注ポンプ部8a,9a及び洗浄水供給ポンプ14c,15cを夫々駆動する機構、三方弁14b,15bを夫々切換え駆動する機構等を備えている。
【0100】
更に、反応部22における第1及び第2撹拌ユニット11a,11bを夫々回動及び上下移動させる機構、洗浄ユニット12を上下移動させる機構、第1及び第2撹拌子11a1,11b1を夫々撹拌駆動する機構、洗浄ユニット12の吸引ノズルを介して反応容器4内の第1及び第2の混合液を吸引する吸引ポンプ、洗浄ノズルを介して反応容器4の洗浄を行う洗浄ポンプ、及び乾燥ノズルを介して反応容器4内の乾燥を行う乾燥ポンプを夫々駆動する機構を備えている。
【0101】
更にまた、pHセンサ部23におけるバルブ243,253,263を夫々開閉駆動する機構、供給ポンプ245,255,265を夫々駆動する機構等を備えている。
【0102】
制御部32は、機構部31の各機構を制御する。また、判定部34における判定結果に1つでも否が含まれていると、サンプル部20、試薬部21、及び反応部22の測定動作を中止させる。
【0103】
判定部34は、pHセンサ部23のサンプルセンサ部24で測定され、信号処理部33で算出された判定用洗浄液のpH値が図7のサンプル分注プローブ洗浄条件設定画面53で設定された第1の許容範囲から外れている場合、設定された設置位置にサンプル分注プローブ16の洗浄液以外の液体が収容されていると判定し、判定した情報を第1のエラー情報としてシステム制御部70を介して出力部50に出力する。
【0104】
また、サンプルセンサ部24で測定され、信号処理部33で算出された判定用洗浄水のpH値がサンプル分注プローブ洗浄条件設定画面53で設定された第2の許容範囲から外れている場合、例えば図8の洗浄水供給ポンプ16c、三方弁16b、及びサンプル分注プローブ16の各間の矢印で示したチューブ内に水垢やカビなどの不用物が堆積して流路抵抗が増し、サンプル分注プローブ16の洗浄液を洗い落とす洗浄水の量が不足していると判定し、判定した情報を第2のエラー情報としてシステム制御部70を介して出力部50に出力する。
【0105】
更に、第1及び第2試薬センサ部25,26で夫々測定され、信号処理部33で算出された各判定用洗浄液のpH値が図9及び図11の第1及び第2試薬分注プローブ洗浄条件設定画面54,55で設定された各第1の許容範囲から外れている場合、設定された各設置位置に第1及び第2試薬分注プローブ14,15の洗浄液以外の液体が収容されていると判定し、判定した情報を夫々第3のエラー情報としてシステム制御部70を介して出力部50に出力する。
【0106】
更にまた、第1及び第2試薬センサ部25,26で夫々測定され、信号処理部33で算出された各判定用洗浄水のpH値が第1及び第2試薬分注プローブ洗浄条件設定画面54,55で設定された各第2の許容範囲から外れている場合、例えばサンプル分注プローブ16と同様の原因で、第1及び第2の試薬分注プローブ14,15の洗浄液を洗い落とす洗浄水の量が不足していると判定し、判定した情報を夫々第4のエラー情報としてシステム制御部70を介して出力部50に出力する。
【0107】
以下、図1乃至図16を参照して、自動分析装置100の動作の一例を説明する。図13は、表示部52に表示される測定項目設定画面の一例を示す図である。図14は、測定を開始してからサンプル分注プローブ16、第1試薬分注プローブ14、及び第2試薬分注プローブ15の各分注プローブの洗浄条件を設定する各洗浄条件設定画面で設定された設置位置の各判定用洗浄液及びこの洗浄液に対応する判定用洗浄水を判定するまでの動作を示すフローチャートである。図15は、被検試料の分注及びサンプル分注プローブ16の洗浄を終了するまでの動作を示すフローチャートである。図16は、第1試薬の分注を開始してから測定を終了するまでの動作を示すフローチャートである。
【0108】
データ処理部40の記憶部42には各測定項目のキャリブレーションテーブルが保存されている。また、操作部60からの各分注プローブ洗浄条件の設定により、例えば図7のサンプル分注プローブ洗浄条件設定画面53で設定された入力情報、及び図9の第1試薬分注プローブ洗浄条件設定画面54で設定された入力情報がシステム制御部70の記憶回路71に保存されている。更に、測定項目選択入力により、被検試料毎に選択入力された測定項目の情報が記憶回路71に保存されている。
【0109】
図14は、表示部52に表示される測定項目設定画面の一例を示した図である。この測定項目設定画面55は、被検体情報設定画面で入力された被検体のIDを表示する「ID」の欄と、図7のサンプル分注プローブ洗浄条件設定画面53と同じ項目名を略称で表示する「項目」の欄と、「ID」の欄に表示された被検体のID毎に「項目」の欄に表示された項目名の測定項目を選択入力するための測定項目設定エリア56aとにより構成される。
【0110】
「ID」の欄には、予め入力された例えば「1」及び「2」の被検体のIDが表示されている。また、「項目」の欄には、「GOT」、「GPT」、「Ca」、「HBsAg」などの項目名が表示されている。
【0111】
測定項目設定エリア56aには、「ID」の欄の各被検体のIDに対応した「項目」の欄の項目名が選択された場合には「○」が表示され、設定されない場合には「・」が表示される。そして、操作部60から例えば「ID」の欄に表示された「1」に対して「GOT」及び「GPT」が選択されると、測定項目設定エリア56aの1テストである「GOT」及び2テストである「GPT」の位置に「○」が表示される。また、「ID」の欄に表示された「2」に対して「Ca」及び「HBsAg」が選択されると、測定項目設定エリア56aの3テストである「Ca」及び4テストである「HBsAg」の位置に「○」が表示される。
【0112】
測定項目設定画面56から選択入力された測定項目設定情報は、システム制御部70の記憶回路71に保存される。そして、被検試料の測定は測定項目設定画面56から選択入力された測定項目の情報に基づいて行われ、「ID」の最上段の「1」に対応した被検試料から順に、各被検体のIDの左の選択された測定項目「GOT」から順に測定されることになる。
【0113】
図14は、測定を開始してから各洗浄条件設定画面で設定された設置位置の各判定用洗浄液及び判定用洗浄水を判定するまでの動作を示したフローチャートである。分析部19のサンプル部20におけるディスクサンプラ6の「W1」の位置に「第2の洗浄液」として収容した試料容器17を設置する。また、分析部19の試薬部21における試薬庫2の「R1W1」の位置に「第1のR1洗浄液」として収容した試薬容器7aを設置する。
【0114】
操作部60から被検試料の測定開始操作が行われると、自動分析装置100は測定を開始する(ステップS1)。
【0115】
システム制御部70は、分析制御部30、データ処理部40、及び出力部50に測定を指示する。サンプル分注プローブ16は、分析制御部30の制御部32に基づいて、ディスクサンプラ6の「W1」に設置された試料容器17から判定用洗浄液を吸引した後、pHセンサ部23におけるサンプルセンサ部24の収容槽241内に吐出する(ステップS2)。
【0116】
判定用洗浄液が吐出された後、サンプルセンサ部24のpHセンサ242は、収容槽241に貯留された判定用洗浄液のpHを測定し、その測定したセンサ信号を分析制御部30の信号処理部33に出力する(ステップS3)。
【0117】
信号処理部33は、pHセンサ242から出力されたセンサ信号から判定用洗浄液のpHを算出して判定部34に出力する。判定部34は、システム制御部70から供給される第1の許容範囲の情報に基づいて、信号処理部33から出力されたpH値を判定する。
【0118】
そして、pH値が第1の許容範囲である例えば13.0と13.3の間に入っている場合(ステップS4のはい)、ディスクサンプラ6の「W1」に設置された試料容器17内の洗浄液は「第2の洗浄液」であると判定し、ステップS5に移行する。また、pH値が第1の許容範囲から外れている場合(ステップS4のいいえ)、ディスクサンプラ6の「W1」に設置された試料容器17内に「第2の洗浄液」以外の液体が収容されていると判定し、第1のエラー情報を出力部50に出力する(ステップS6)。
【0119】
サンプルセンサ部24のバルブ243の開放により収容槽241内の判定用洗浄液が排出された後、供給ポンプ245は、純水装置110から洗浄水を吸引してノズル244から吐出し、吐出した洗浄水でpHセンサ242から「第2の洗浄液」を洗い落とす。その後、バルブ243を閉じる。
【0120】
サンプル分注プローブ16は、サンプル洗浄槽16aに移動する。サンプル分注プローブ16の移動後、洗浄水供給ポンプ16cは、サンプル分注プローブ16から「第2の洗浄液」を洗い落とすための所定量の洗浄水を純水装置110から吸引し、吸引した所定量の洗浄水をサンプル分注プローブ16からサンプル洗浄槽16a内に吐出する。
【0121】
洗浄水を吐出した後、サンプル分注プローブ16は、収容槽241に移動する。サンプル分注プローブ16の移動後、洗浄水供給ポンプ16cは、判定用洗浄水を純水装置110から吸引し、吸引した判定用洗浄水をサンプル分注プローブ16から収容槽241内に吐出する(ステップS5)。
【0122】
判定用洗浄水が吐出された後、pHセンサ242は、収容槽241に貯留された判定用洗浄水のpHを測定し、その測定したセンサ信号を信号処理部33に出力する(ステップS7)。
【0123】
信号処理部33は、pHセンサ242から出力されたセンサ信号から判定用洗浄水のpHを算出して判定部34に出力する。判定部34は、システム制御部70から供給される第2の許容範囲の情報に基づいて、信号処理部33から出力されたpH値を判定する。
【0124】
そして、pH値が第2の許容範囲である例えば6.0と7.0の間に入っている場合(ステップS8のはい)、サンプル分注プローブ16に付着した「第2の洗浄液」を洗い落とすことが可能な量の洗浄水が洗浄水供給ポンプ16cから供給されていると判定する。また、pH値が第2の許容範囲から外れている場合(ステップS8のいいえ)、サンプル分注プローブ16から「第2の洗浄液」を洗い落とす洗浄水の量が不足していると判定し、第2のエラー情報を出力部50に出力する(ステップS9)。
【0125】
一方、第1試薬分注プローブ14は、試薬庫2の「R1W1」に設置された試薬容器7a内に「第1のR1洗浄液」として収容された判定用洗浄液を吸引した後、pHセンサ部23における第1試薬センサ部25の収容槽251内に吐出する(ステップS10)。
【0126】
判定用洗浄液が吐出された後、第1試薬センサ部25のpHセンサ252は、収容槽251に貯留された判定用洗浄液のpHを測定し、その測定したセンサ信号を信号処理部33に出力する。
【0127】
信号処理部33は、pHセンサ252から出力されたセンサ信号から判定用洗浄液のpHを算出して判定部34に出力する。判定部34は、システム制御部70から供給される第1の許容範囲の情報に基づいて、信号処理部33から出力されたpH値を判定する。
【0128】
そして、pH値が第1の許容範囲である例えば2.5と2.8の間に入っている場合(ステップS12のはい)、試薬庫2の「R1W1」に設置された試薬容器7a内の洗浄液は「第1のR1洗浄液」であると判定し、ステップS13に移行する。また、pH値が第1の許容範囲から外れている場合(ステップS12のいいえ)、試薬庫2の「R1W1」に設置された試薬容器7aに「第1のR1洗浄液」以外の液体が収容されていると判定し、第3のエラー情報を出力部50に出力する(ステップS14)。
【0129】
第1試薬センサ部25のバルブ253の開放により収容槽251内の判定用洗浄液が排出された後、供給ポンプ255は、純水装置110から洗浄水を吸引してノズル254から吐出し、吐出した洗浄水でpHセンサ252から「第1のR1洗浄液」を洗い落とす。その後、バルブ253を閉じる。
【0130】
第1試薬分注プローブ14は、第1試薬洗浄槽14aに移動する。第1試薬分注プローブ14の移動後、洗浄水供給ポンプ14cは、第1試薬分注プローブ14から「第1のR1洗浄液」を洗い落とすための所定量の洗浄水を純水装置110から吸引し、吸引した所定量の洗浄水をサンプル分注プローブ16からサンプル洗浄槽16a内に吐出する。
【0131】
洗浄水を吐出した後、第1試薬分注プローブ14は、収容槽251に移動する。第1試薬分注プローブ14の移動後、洗浄水供給ポンプ14cは、判定用洗浄水を純水装置110から吸引し、吸引した判定用洗浄水を第1試薬分注プローブ14から収容槽251内に吐出する(ステップS13)。
【0132】
判定用洗浄水が吐出された後、pHセンサ252は、収容槽251に貯留された判定用洗浄水のpHを測定し、その測定したセンサ信号を信号処理部33に出力する(ステップS15)。
【0133】
信号処理部33は、pHセンサ252から出力されたセンサ信号から判定用洗浄水のpHを算出して判定部34に出力する。判定部34は、システム制御部70から供給される第2の許容範囲の情報に基づいて、信号処理部33から出力されたpH値を判定する。
【0134】
そして、pH値が第2の許容範囲である例えば6.0と7.0の間に入っている場合(ステップS16のはい)、第1試薬分注プローブ14から「第1のR1洗浄液」を洗い落とすことが可能な量の洗浄水が供給されていると判定する。また、pH値が第2の許容範囲から外れている場合(ステップS16のいいえ)、第1試薬分注プローブ14から洗浄液を洗い落とす洗浄水の量が不足していると判定し、第4のエラー情報を出力部50に出力する(ステップS17)。
【0135】
ステップS6又はステップS8の「はい」又はステップS9、及びステップS14又はステップS16の「はい」又はステップS17の後に、第1乃至第4のエラー情報が1つも出力されていない場合(ステップS18のはい)、図15のステップに移行する。また、第1乃至第4のエラー情報の内の1つ以上のエラー情報が出力された場合(ステップS18のいいえ)、図16のステップに移行する。
【0136】
図15は、被検試料の分注を開始してからサンプル分注プローブ16の洗浄を終了するまでの動作を示したフローチャートである。図14におけるステップS18の「はい」の後に、測定項目設定画面56で選択入力した被検体ID「m」のmテスト及び(m+1)テストの測定項目を測定するための被検試料をディスクサンプラ6に保持された試料容器17から反応部22の反応容器4に分注する(ステップS21)。
【0137】
被検体ID「m」の全ての測定項目の被検試料の分注を終了した後、制御部32は、システム制御部70から供給されるサンプル分注プローブ洗浄条件設定画面53で設定された特別項目である「HBsAg」、この特別項目の洗浄液である「第2の洗浄液」、及びこの洗浄液の設置位置である「W1」の情報と、被検体ID「m+1」の測定項目の情報に基づいて、サンプル分注プローブ16の洗浄を行う。
【0138】
そして、被検体ID「m+1」の測定項目に特別項目である「HBsAg」が含まれていない場合(ステップS22のいいえ)、サンプル分注プローブ16をサンプル洗浄槽16aで洗浄水を用いて洗浄する(ステップS23)。
【0139】
また、被検体ID「m+1」の測定項目に「HBsAg」が含まれている場合(ステップS22のはい)、サンプル分注プローブ16をディスクサンプラ6の「W1」に設置された「第2の洗浄液」を吸引して洗浄する(ステップS24)。
【0140】
ここでは、被検体ID「m+1」に汚染される測定項目の「HBsAg」が含まれているので、「第2の洗浄液」を用いて洗浄を行う。
【0141】
ステップS24の後に、サンプル分注プローブ16は、サンプル洗浄槽16aに移動する。サンプル分注プローブ16の移動後、洗浄水供給ポンプ16cは、サンプル分注プローブ16から「第2の洗浄液」を洗い落とすための所定量の洗浄水を純水装置110から吸引し、吸引した所定量の洗浄水をサンプル分注プローブ16からサンプル洗浄槽16a内に吐出する。
【0142】
ステップS23又はS24の後に、mが2である場合(ステップS25のはい)、図16のステップに移行する。また、mが2未満である場合(ステップS25のいいえ)、ステップS21に戻る。
【0143】
図16は、第1試薬の分注を開始してから測定を終了するまでの動作を示したフローチャートである。図15でサンプル分注動作を繰り返し実行して、被検体ID「1」及び「2」の被検試料の分注、及びサンプル分注プローブ16の洗浄を終了した後に、試薬部21の第1試薬分注プローブ14は、試薬庫2の試薬ボトル7aからnテスト(n=1)である測定項目の被検試料が分注された反応容器4に、nテストの測定項目に該当する第1試薬を分注する(ステップS31)。
【0144】
第1試薬が分注された後に、反応容器4内の被検試料及び第1試薬からなる第1の混合液が第1撹拌ユニット11aの第1撹拌子11a1によって撹拌される。
【0145】
nテストの第1試薬の分注を終了した後、制御部32は、システム制御部70から供給される第1試薬分注プローブ洗浄条件設定画面54で選択及び設定された汚染する第1試薬である「GPT」及びこの第1試薬から汚染される第1試薬である「Ca」の情報、汚染する第1試薬の洗浄液である「第1のR1洗浄液」、及びこの洗浄液の設定位置である「R1W1」の情報と、nテスト及び(n+1)テストの測定項目の情報に基づいて、第1試薬分注プローブ14の洗浄を行う。
【0146】
そして、nテストが「GPT」であり、(n+1)テストが「Ca」である組合せ以外の組合せである場合(ステップS32のいいえ)、第1試薬分注プローブ14を第1試薬洗浄槽14aで洗浄水を用いて洗浄する(ステップS33)。
【0147】
また、nテストが「GPT」であり、(n+1)テストが「Ca」である組合せである場合(ステップS32のはい)、第1試薬分注プローブ14を試薬庫2の「R1W1」に設置された試薬容器7aの「第1のR1洗浄液」を吸引して洗浄する(ステップS34)。
【0148】
ここでは、2テストである「GPT」の第1試薬の後に、3テストである「Ca」の第1試薬の分注が行われるので、「Ca」の第1試薬を分注する前に、「R1W1」に設置された「第1のR1洗浄液」を用いて洗浄する。
【0149】
ステップS34の後に、第1試薬分注プローブ14は、第1試薬洗浄槽14aに移動する。第1試薬分注プローブ14の移動後、洗浄水供給ポンプ14cは、第1試薬分注プローブ14から「第1のR1洗浄液」を洗い落とすための所定量の洗浄水を純水装置110から吸引し、吸引した所定量の洗浄水を第1試薬分注プローブ14から第1試薬洗浄槽14a内に吐出する。
【0150】
ステップS33又はS34の後に、nが4である場合(ステップS35のはい)、ステップS36に移行する。また、nが4未満である場合(ステップS35のいいえ)、ステップS31に戻る。
【0151】
1テスト乃至4テストにおける測定項目の第1試薬分注、第1撹拌、及び第1試薬分注プローブ14の洗浄後、第2試薬分注プローブ15は、試薬庫3の試薬ボトル7bからpテスト(p=1)の被検試料及び第1試薬が分注された反応容器4に、pテストの測定項目に該当する第2試薬を分注する(ステップS41)。
【0152】
第2試薬が分注された後に、反応容器4内の被検試料、第1試薬、及び第2試薬からなる第2の混合液が反応部22の第2撹拌ユニット11bの第2撹拌子11b1によって撹拌される。
【0153】
pテストである測定項目の第2試薬の分注を終了した後、制御部32は、システム制御部70から供給される第2試薬分注プローブ洗浄条件設定画面55で選択及び設定された情報、及びpテスト及び(p+1)テストの測定項目の情報に基づいて、第2試薬分注プローブ15の洗浄を行う。
【0154】
そして、pテストの測定項目の第2試薬が汚染する試薬であり、(p+1)テストの測定項目の第2試薬が汚染される項目である組合せ以外の組合せである場合(ステップS42のいいえ)、第2試薬分注プローブ15を第2試薬洗浄槽15aで洗浄水を用いて洗浄する(ステップS43)。
【0155】
また、pテストの測定項目の第2試薬が汚染する試薬であり、(p+1)テストの測定項目の第2試薬が汚染される項目である組合せである場合(ステップS42のはい)、第2試薬分注プローブ15を、第2試薬分注プローブ洗浄条件設定画面55で設定された洗浄液を吸引して洗浄する。
【0156】
ステップS44の後に、第2試薬分注プローブ15は、第2試薬洗浄槽15aに移動する。第2試薬分注プローブ15の移動後、洗浄水供給ポンプ15cは、第2試薬分注プローブ15から洗浄液を洗い落とすための所定量の洗浄水を純水装置110から吸引し、吸引した所定量の洗浄水を第2試薬分注プローブ15から第2試薬洗浄槽15a内に吐出する。
【0157】
ステップS43又はS44の後に、pが4である場合(ステップS45のはい)、ステップS46に移行する。また、nが4未満である場合(ステップS45のいいえ)、ステップS41に戻る。
【0158】
1テスト乃至4テストにおける測定項目の第2試薬分注、第2撹拌、及び第2試薬分注プローブ15の洗浄を繰り返し実行した後に、反応部22の測光ユニット13は、第2の混合液が入った反応容器4に光を照射して、透過した光から設定波長の吸光度を測定する。そして、被検体ID「1」及び「2」の被検試料の各測定項目の被検データを生成してデータ処理部40に出力する(ステップS46)。
【0159】
測光ユニット13による測定の後に、反応部22の洗浄ユニット12は、第2の混合液が入った反応容器4内の測定を終えた第2の混合液を吸引した後、反応容器4内の洗浄及び乾燥を行う。
【0160】
データ処理部40の演算部41は、測光ユニット13から出力された被検データから各被検試料の各測定項目の分析データを生成して記憶部42に保存すると共に、出力部50に出力する(ステップS47)。
【0161】
そして、全ての反応容器4の洗浄及び乾燥が終了して被検体ID「1」及び「2」の全ての測定項目の分析データが出力された後、又は図14のステップS18の「いいえ」の後に自動分析装置200は測定を終了する(ステップS48)。
【0162】
測定終了後、出力部50にエラー情報が出力された場合、自動分析装置100の操作者は、そのエラー情報に基づいて自動分析装置100を点検し、不具合箇所を修理した後、被検試料を再測定する。
【0163】
以上述べた本発明の実施例によれば、予め設定された設置位置の試料容器17からサンプル分注プローブ16内に吸引した後、サンプル分注プローブ16から吐出される判定用洗浄液のpHを測定する。そして、測定した判定用洗浄液のpH値が予め設定された第1の許容範囲内である場合、前記設置位置の試料容器17には予め設定されたサンプル分注プローブ16の洗浄液が収容されていると判定する。また、pH値が第1の許容範囲から外れている場合、前記設置位置の試料容器17にはサンプル分注プローブ16の洗浄液以外の液体が収容されている判定し、第1のエラー情報を出力部50に出力することができる。
【0164】
前記設置位置の試料容器17にサンプル分注プローブ16の洗浄液が収容されていると判定された場合、サンプル分注プローブ16からその洗浄液を洗い落とすための洗浄水を吐出し、更に洗浄水を吐出した後に吐出される判定用洗浄水のpHを測定する。そして、測定した判定用洗浄水のpH値が予め設定された第2の許容範囲内である場合、サンプル分注プローブ16の洗浄液を洗い落とすことが可能な量の洗浄水が供給されていると判定する。また、pH値が第2の許容範囲から外れている場合、サンプル分注プローブ16の洗浄液を洗い落とす洗浄水の量が不足していると判定し、第2のエラー情報を出力部50に出力することができる。
【0165】
第1及び第2試薬分注プローブ14,15の予め設定された設置位置の各試薬容器7a,7bに収容された判定用洗浄液のpH値が予め設定された第1の許容範囲から外れている場合、第3のエラー情報を出力部50に出力することができる。また、判定用洗浄水のpH値が予め設定された第2の許容範囲から外れている場合、第4のエラー情報を出力部50に出力することができる。
【0166】
そして、各分注プローブの判定洗浄液及び判定洗浄水の判定により、1つ以上のエラー情報が出力部50に出力されたとき、被検試料の測定を中止することができる。これにより、各分注プローブを介しての被検試料や試薬への汚染を未然に防ぎ、精度よく測定することができる。また、被検試料及び試薬を分注する前に洗浄液やこの洗浄液の洗浄水量の異常を検出することができるので、被検試料、試薬、及び時間の浪費を未然に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0167】
【図1】本発明の実施例に係る自動分析装置の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施例に係る分析部のサンプル部、試薬部、及び反応部の構成を示す斜視図。
【図3】本発明の実施例に係るサンプル部及び反応部の一部を上から見た図。
【図4】本発明の実施例に係る試薬部及び反応部の一部を上から見た図。
【図5】本発明の実施例に係る試薬部及び反応部の一部を上から見た図。
【図6】本発明の実施例に係るpHセンサ部の構成を示す図。
【図7】本発明の実施例に係る表示部に表示されるサンプル分注プローブ洗浄条件設定画面の一例を示す図。
【図8】本発明の実施例に係る図7のサンプル分注プローブ洗浄条件設定画面で設定された位置の液体がサンプル分注プローブの洗浄液であるか否かを判定するために用いられるサンプル部の各分析ユニットの構成、及びサンプルセンサ部の構成を示す図。
【図9】本発明の実施例に係る表示部に表示される第1試薬分注プローブ洗浄条件設定画面の一例を示す図。
【図10】本発明の実施例に係る図9の第1試薬分注プローブ洗浄条件設定画面で設定された位置の液体が第1試薬分注プローブの洗浄液であるか否かを判定するために用いられる試薬部の各分析ユニットの構成、及び第1試薬センサ部の構成を示す図。
【図11】本発明の実施例に係る表示部に表示される第2試薬分注プローブ洗浄条件設定画面の一例を示す図。
【図12】本発明の実施例に係る図11の第2試薬分注プローブ洗浄条件設定画面で設定された位置の液体が第2試薬分注プローブの洗浄液であるか否かを判定するために用いられる試薬部の各分析ユニットの構成、及び第2試薬センサ部の構成を示す図。
【図13】本発明の実施例に係る表示部に表示される測定項目設定画面の一例を示す図。
【図14】本発明の実施例に係る測定を開始してから各洗浄条件設定画面で設定された位置の各判定用洗浄液を判定するまでの動作を示すフローチャート。
【図15】本発明の実施例に係る被検試料の分注を開始してからサンプル分注プローブの洗浄を終了するまでの動作を示すフローチャート。
【図16】本発明の実施例に係る第1試薬の分注を開始してから測定を終了するまでの動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0168】
19 分析部
20 サンプル部
21 試薬部
22 反応部
23 pHセンサ部
30 分析制御部
31 機構部
32 制御部
33 信号処理部
34 判定部
40 データ処理部
41 演算部
42 記憶部
50 出力部
51 印刷部
52 表示部
60 操作部
70 システム制御部
71 記憶回路
100 自動分析装置
110 純水装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検試料を試薬と混合してその混合液を測定する自動分析装置において、
前記被検試料又は前記試薬を吸引及び吐出する分注プローブと、
前記分注プローブを洗浄するための洗浄液を収容した容器の設置位置を設定する位置設定手段と、
前記位置設定手段により設定された設置位置の容器から、前記分注プローブにより吸引された後に吐出される判定用の洗浄液のpHを測定するpHセンサと、
前記pHセンサにより測定されたpH値に基づいて、前記位置設定手段により設定された設置位置の容器に前記分注プローブを洗浄するための洗浄液が収容されているか否かを判定する判定手段とを
備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
前記判定手段は、前記pHセンサにより測定されたpH値が予め設定された第1の許容範囲に入っているとき、前記位置設定手段により設定された設置位置の容器に前記分注プローブを洗浄するための洗浄液が収容されていると判定することを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項3】
前記判定用洗浄液を洗い落とすための洗浄水を前記分注プローブに供給する洗浄水供給手段を有し、
前記pHセンサは、前記位置設定手段により設定された設置位置の容器に前記分注プローブを洗浄するための洗浄液が収容されていると判定されたとき、前記洗浄水供給手段により前記洗浄水が供給された後に供給され、前記分注プローブから吐出される判定用の洗浄水のpHを測定し、
前記判定手段は、前記pHセンサにより測定された前記判定用洗浄水のpH値が予め設定された第2の許容範囲から外れているとき、前記判定用洗浄液を洗い落とすための洗浄水の量が不足していると判定することを特徴とする請求項2に記載の自動分析装置。
【請求項4】
前記判定手段は、前記pHセンサにより測定されたpH値が予め設定された第1の許容範囲から外れているとき、前記位置設定手段により設定された設置位置の容器に前記分注プローブを洗浄するための洗浄液以外の液体が収容されていると判定することを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項5】
前記pHセンサにより測定されたpH値が前記第1の許容範囲又は前記第2の許容範囲から外れているとき、前記分注プローブによる前記被検試料又は前記試薬の吸引を中止するようにしたことを特徴とする請求項2又は請求項4に記載の自動分析装置。
【請求項6】
被検試料を試薬と混合してその混合液を測定する自動分析装置において、
前記被検試料又は前記試薬を吸引及び吐出する分注プローブと、
前記分注プローブを洗浄するための洗浄液を収容した容器から、前記分注プローブにより吸引された後に吐出される判定用洗浄液のpHを測定するpHセンサと、
前記pHセンサにより測定されたpH値が予め設定された第1の許容範囲から外れているとき、前記分注プローブを洗浄するための洗浄液以外の液体が収容されているエラー情報を出力する出力手段とを
備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項7】
被検試料を試薬と混合してその混合液を測定する自動分析装置の判定方法において、
前記被検試料又は前記試薬を吸引及び吐出する分注プローブを洗浄するための洗浄液を収容した容器の設置位置を位置設定手段により設定し、
前記位置設定手段により設定された設置位置の容器から、前記分注プローブにより吸引された後に吐出される判定用の洗浄液のpHをpHセンサにより測定し、
前記pHセンサにより測定されたpH値に基づいて、前記位置設定手段により設定された設置位置の容器に前記分注プローブを洗浄するための洗浄液が収容されているか否かを判定手段より判定することを特徴とする自動分析装置の判定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−111767(P2008−111767A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−295839(P2006−295839)
【出願日】平成18年10月31日(2006.10.31)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】