説明

自動分析装置

【課題】検体間のコンタミネーションを防止するとともに、装置全体を小型化する。
【解決手段】複数の検体容器を第1の円の円周に沿って保持する検体容器ホルダと、複数の試薬容器を、第1の円と同心で径が異なる第2の円の円周に沿って保持する試薬容器ホルダと、検体容器ホルダおよび試薬容器ホルダよりも下方に位置し、複数の反応容器を、所定の平面へ射影したとき第1および第2の円と交わる第3の円の円周に沿って保持する反応容器ホルダと、各検体容器に対応して設けられる複数の検体用吐出機構を有し、複数の反応容器のいずれかが直下に位置している検体容器が収容する検体を対応する検体用吐出機構から吐出する検体分注手段と、各試薬容器に対応して設けられる複数の試薬用吐出機構を有し、複数の反応容器のいずれかが直下に位置している試薬容器が収容する試薬を対応する試薬用吐出機構から吐出する試薬分注手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検体と試薬とを反応させ、この反応の結果を光学的に測定することによって検体の成分を分析する自動分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、検体と試薬とを反応させ、この反応の結果を光学的に測定することによって検体の成分を分析する自動分析装置においては、試薬を収容した試薬容器を保持する試薬容器ホルダの移送軌跡を、検体と試薬とを反応させる反応容器を保持する反応容器ホルダの移送軌跡と交差させることにより、試薬を試薬容器から反応容器へ直接分注する技術が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。この従来技術によれば、試薬ごとに別なノズルで分注を行うため、試薬間のコンタミネーションを防止する効果を得ることができる。
【0003】
【特許文献1】特開昭63−131066号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来技術の場合、検体の反応容器への分注に関しては、ノズルを用いた従来の分注機構を用いて行うため、試薬間のコンタミネーションよりも重要度が高い検体間のコンタミネーションに対して従来技術以上の抑制効果を得ることができなかった。また、従来の分注機構を用いることにより、装置全体の小型化を図るのが難しいという問題もあった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、検体間のコンタミネーションを防止することができるとともに、装置全体を小型化することができる自動分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る自動分析装置は、検体と試薬とを反応させ、この反応の結果を光学的に測定することによって前記検体の成分を分析する自動分析装置であって、検体をそれぞれ収容する複数の検体容器を、前記検体容器の移送軌跡をなす第1の円の円周に沿って並べて保持する検体容器ホルダと、試薬をそれぞれ収容する複数の試薬容器を、前記第1の円と同心で径が異なり、前記試薬容器の移送軌跡をなす第2の円の円周に沿って並べて保持する試薬容器ホルダと、前記検体容器ホルダおよび前記試薬容器ホルダよりも下方に位置し、検体と試薬とをそれぞれ反応させる複数の反応容器を、前記第1および第2の円を含めて所定の平面へ射影したとき前記第1および第2の円と交わり、前記反応容器の移送軌跡をなす第3の円の円周に沿って並べて保持する反応容器ホルダと、前記複数の検体容器の各々に対応して設けられ、先端が下方を指向する複数の検体用吐出機構を有し、前記複数の検体容器のうち前記複数の反応容器のいずれかが直下に位置している検体容器が収容する検体を、当該検体容器に対応する前記検体用吐出機構から吐出する検体分注手段と、前記複数の試薬容器の各々に対応して設けられ、先端が下方を指向する複数の試薬用吐出機構を有し、前記複数の試薬容器のうち前記複数の反応容器のいずれかが直下に位置している試薬容器が収容する試薬を、当該試薬容器に対応する前記試薬用吐出機構から吐出する試薬分注手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る自動分析装置は、上記発明において、前記検体分注手段および前記試薬分注手段は、吐出動作を同時に行うことを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る自動分析装置は、上記発明において、前記検体容器ホルダと前記反応容器ホルダとの位置関係および前記試薬容器ホルダと前記反応容器ホルダとの位置関係は、互いの移送軌跡を所定の平面へ射影したとき交差する範囲において変更可能であることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る自動分析装置は、上記発明において、試薬をそれぞれ収容する複数の第2の試薬容器を、前記第1および第2の円と同心で径が異なり、前記第3の円を含めて所定の平面へ射影したとき前記第3の円と交わり、前記第2の試薬容器の移送軌跡をなす第4の円の円周に沿って並べて保持する第2の試薬容器ホルダと、前記複数の第2の試薬容器の各々に対応して設けられ、先端が下方を指向する複数の第2の試薬用吐出機構を有し、前記複数の第2の試薬容器のうち前記複数の反応容器のいずれかが直下に位置している第2の試薬容器が収容する試薬を、当該第2の試薬容器に対応する前記第2の試薬用吐出機構から吐出する第2の試薬分注手段と、をさらに備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る自動分析装置は、上記発明において、前記検体分注手段、前記試薬分注手段および前記第2の試薬分注手段は、吐出動作を同時に行うことを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る自動分析装置は、上記発明において、前記第1の円の径は、前記第2の円の径および前記第3の円の径より大きいことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る自動分析装置は、上記発明において、前記検体容器ホルダと前記反応容器ホルダとの位置関係、前記試薬容器ホルダと前記反応容器ホルダとの位置関係および前記第2の試薬容器ホルダと前記反応容器ホルダとの位置関係は、互いの移送軌跡を所定の平面へ射影したとき交差する範囲において変更可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る自動分析装置によれば、互いの移送軌跡が同心円をなす検体容器ホルダおよび試薬容器ホルダと、検体容器ホルダおよび試薬容器ホルダよりも下方に位置し、検体容器ホルダおよび試薬容器ホルダの各移送軌跡を含めて所定の平面へ射影したときに各移送軌跡と交わる円を移送軌跡とする反応容器ホルダと、複数の検体容器の各々に対応して設けられ、先端が下方を指向する複数の検体用吐出機構を有し、複数の検体容器のうち複数の反応容器のいずれかが直下に位置している検体容器が収容する検体を、当該検体容器に対応する検体用吐出機構から吐出する検体分注手段と、複数の試薬容器の各々に対応して設けられ、先端が下方を指向する複数の試薬用吐出機構を有し、複数の試薬容器のうち複数の反応容器のいずれかが直下に位置している試薬容器が収容する試薬を、当該試薬容器に対応する試薬用吐出機構から吐出する試薬分注手段と、を備えたため、従来の自動分析装置のように、検体容器間、試薬容器間でそれぞれ共通のノズルを用いた分注を行わないで済み、試薬間のコンタミネーションのみならず検体間のコンタミネーションも防止することができる。また、検体容器ホルダと試薬容器ホルダが互いに同心の円上を移送され、従来の分注機構も不要であるため、スペースを節約することができ、装置全体を小型化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態(以後、「実施の形態」と称する)を説明する。なお、以下の説明で参照する図面はあくまでも模式的なものであって、同じ物体を異なる図面で示す場合には、寸法や縮尺等が異なる場合もある。
【0015】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る自動分析装置の要部の構成を模式的に示す図である。同図に示す自動分析装置1は、血液や体液等の検体(試料)とその検体の検査項目に応じた試薬との反応の結果を光学的に測定する測定ユニット101と、測定ユニット101を含む自動分析装置1の制御を行うとともに測定ユニット101における測定結果の分析を行うデータ処理ユニット201とを有し、これら二つのユニットが連携することによって複数の検体の生化学的な分析を自動的かつ連続的に行う装置である。なお、ここでいう「液体」には、微量の固体成分を含有する液体も含まれる。
【0016】
測定ユニット101は、検体を収容する検体容器61を複数個保持する検体容器ホルダ11と、検査項目に応じた各種試薬をそれぞれ収容する複数の試薬容器62を保持する試薬容器ホルダ12と、検体と試薬とを反応させる複数の反応容器63を保持する反応容器ホルダ13と、試薬容器ホルダ12が保持する複数の試薬容器62を一定の温度で保冷する保冷庫14と、反応容器63の内部の液体を攪拌する攪拌部15と、反応容器63へ光を照射し、この照射した光のうち反応容器63を透過した光を光学的に測定する測光部16と、反応容器ホルダ13上の反応容器63の洗浄を行う反応容器洗浄部17と、を備える。
【0017】
図2は、検体容器ホルダ11、試薬容器ホルダ12および反応容器ホルダ13の各構成および相互の位置関係を示す斜視図である。また、図3は、検体容器ホルダ11、試薬容器ホルダ12、反応容器ホルダ13および保冷庫14の概略構成を示す模式図であり、図1のA−A線に沿った部分断面図に検体や試薬を分注する機構を加えた図である。
【0018】
検体容器ホルダ11は、固定軸19を回転中心として回転可能であり、検体容器61を保持する保持部111を、検体容器61の移送軌跡をなす第1の円C1の円周に沿って複数個備える。保持部111は、円筒形状をなす大径部112と、大径部112よりも底面積が小さく高さが低い円筒形状をなす小径部113とを有する。
【0019】
検体容器ホルダ11の外周面と自動分析装置1の本体との間には軸受20が設けられ、検体容器ホルダ11の底面にはギア21が設けられている。ギア21に対しては、ホルダ駆動部22が駆動力を伝達する。ホルダ駆動部22は、例えばモータと、このモータの駆動力を伝達し、ギア21と噛合可能なギアとを用いて実現される。
【0020】
保持部111が保持する検体容器61は、有底の中空円筒形状をなして検体Spを収容する本体部611と、本体部611の底面から突出する突出部612と、本体部611が収容する検体Spに対して吐出圧を発生するピストン613と、本体部611の底面から突出部612まで貫通するように取り付けられ、先端が下方を指向して外部へ露出する細径のノズル614(検体用吐出機構)と、を有する。本体部611は、保持部111の大径部112に嵌合可能な形状をなし、突出部612は、保持部111の小径部113に嵌合可能な形状をなす。
【0021】
ピストン613は、ピストン駆動部23の駆動によって進退動作を行う。ピストン613の移動量は、データ処理ユニット201が有する制御部34によって制御される。ピストン613が下方へ所定量移動すると、その移動量に相当する検体Spが、ノズル614を介して直下に位置する反応容器63へ吐出される。このように、本実施の形態1においては、ピストン613、ノズル614およびピストン駆動部23が、検体を分注する検体分注手段の少なくとも一部をなしている。
【0022】
試薬容器ホルダ12は、複数の試薬容器62を、第1の円C1と同心で第1の円C1より径が小さく、試薬容器62の移送軌跡をなす第2の円C2の円周に沿って並べて保持する容器載置部121と、容器載置部121を支持する円盤状のテーブル122と、テーブル122の中心部に設けられ、固定軸19を回転中心として回転可能な円筒部123と、を有する。円筒部123の内周面と固定軸19の外周面との間には軸受24が設けられ、円筒部123の底面にはギア25が設けられている。ギア25に対しては、ホルダ駆動部26が駆動力を伝達する。ホルダ駆動部26は、上述したホルダ駆動部22と同様、モータと、このモータの駆動力を伝達し、ギア25と噛合可能なギアとを用いて実現される。
【0023】
試薬容器ホルダ12の容器載置部121は、試薬容器62を保持する保持部124を、第2の円C2の円周方向に沿って複数個備える。保持部124は、角柱形状をなす大径部125と、大径部125よりも底面積が小さく高さが低い角柱形状または円筒形状をなす小径部126とを有する。
【0024】
保持部124が保持する試薬容器62は、有底の中空角柱形状をなして試薬Rgを収容し、大径部125と嵌合可能な形状をなす本体部621と、本体部621の底面から突出し、試薬容器ホルダ12の小径部126と嵌合可能な形状をなす突出部622と、本体部621が収容する試薬Rgに対して吐出圧を発生するピストン623と、本体部621の底面から突出部622まで貫通するように取り付けられ、先端が下方を指向して外部へ露出する細径のノズル624(試薬用吐出機構)と、を有する。ノズル624の下端の高さは、検体容器61が有するノズル614の下端の高さとほぼ同じであることが望ましい。
【0025】
ピストン623は、ピストン駆動部27の駆動によって進退動作を行う。ピストン623の移動量は、制御部34によって制御される。ピストン623が下方へ所定量移動すると、その移動量に相当する試薬Rgが、ノズル624を介して直下に位置する反応容器63へ吐出される。このように、本実施の形態1においては、ピストン623、ノズル624およびピストン駆動部27が、試薬を分注する試薬分注手段の少なくとも一部の機能を具備している。
【0026】
本実施の形態1では、試薬容器ホルダ12が検体容器ホルダ11よりも内周側に設けられている。このため、試薬容器62よりも交換の頻度が高い検体容器61が外周側に位置することとなり、交換がしやすく、検体と試薬間でのコンタミネーションを生じる恐れもない。また、試薬容器ホルダ12が内周側に位置しているため、試薬容器62を保冷する保冷庫14を設置しやすい構成となっている。なお、検体容器ホルダ11を試薬容器ホルダ12とともに保冷することもできる。この場合には、検体容器ホルダ11を試薬容器ホルダ12の内周側に配置してもよい。
【0027】
反応容器ホルダ13は、反応容器63を保持する保持部131を、第1の円C1および第2の円C2を含めて所定の平面(例えば図1の面)へ射影したとき第1の円C1および第2の円C2とそれぞれ交わり、反応容器63の移送軌跡をなす第3の円C3の円周に沿って複数個備える。反応容器ホルダ13は、ホルダ駆動部28の駆動によって第3の円C3の円周方向に回転可能である。保持部131は、有底の中空角柱形状をなす反応容器63にあわせて角柱形状に穿設されている。反応容器ホルダ13の外周面および内周面には、反応容器63に測光部16が照射する光を透過させるための窓132および133がそれぞれ設けられている。また、反応容器ホルダ13は、保持部131が保持する反応容器63の内部の温度を37℃程度に保つための恒温槽(図示せず)を有する。
【0028】
保持部131が保持する反応容器63は、測光部16が内部の液体の光学的な測定を行うため、透明な材料を用いて実現される。
【0029】
図1における第3の円C3と第1の円C1との交点P1およびP4では、検体容器61のノズル614の直下に反応容器63の開口部が位置している。この意味で、2つの交点P1およびP4は、検体容器61が収容する検体を、直下に位置する反応容器63へ吐出する検体分注位置である。
【0030】
同様に、図1における第3の円C3と第2の円C2との交点P2およびP3では、試薬容器62のノズル624の直下に反応容器63の開口部がそれぞれ位置している。この意味で、2つの交点P2およびP3は、試薬容器62が収容する試薬を、直下に位置する反応容器63へ吐出する試薬分注位置である。
【0031】
なお、検体分注位置P1〜試薬分注位置P2の間隔、および試薬分注位置P2〜試薬分注位置P3の間隔は、検体と試薬との反応時間や分注のインターバルなどに応じて定められる。
【0032】
保冷庫14は、試薬容器62を囲むように設けられ、試薬容器62の温度を一定に保持するものであり、試薬容器ホルダ12を収容するホルダ収容部141と、ホルダ収容部141の上方に開閉可能に設けられる蓋部142と、ホルダ収容部141と蓋部142とによって囲まれた内部領域を冷却する冷却器143と、保冷庫14の内部の温度を測定する温度センサ144とを有する。保冷庫14の内部の温度は、試薬容器ホルダ12が保持する試薬容器62内の試薬の劣化や変性を抑制するため、室温よりも低温に保たれている。
【0033】
ホルダ収容部141は、中心に開口部を有し、固定軸19および試薬容器ホルダ12の円筒部123が貫通している円環状の第1部材141aと、第1部材141aの外周に配置され、試薬容器ホルダ12の外縁部を底面から側面にかけて包囲する第2部材141bとを備える。第1部材141aと第2部材141bの境界は、ノズル624を外部へ表出するための細い円形の隙間を有している。
【0034】
蓋部142は、試薬分注位置P2に対応する位置に、ピストン駆動部27がピストン623を駆動するための開口部142aを有する。開口部142aは、試薬分注位置P2、P3にのみ設けられている。したがって、ピストン駆動部27は、開口部142aの直下に位置する試薬容器62のピストン623のみを駆動可能である。
【0035】
測光部16は、白色光を照射する光源16aと、光源16aが照射した白色光のうち、反応容器63を透過してきた白色光を分光する分光光学系16bと、分光光学系16bで分光した光を成分ごとに受光して電気信号に変換する受光素子16cとを有する。
【0036】
反応容器洗浄部17は、一つの反応容器63に対して、反応液の吸引、洗浄液の吐出、洗浄液の攪拌、洗浄液の吸引、乾燥の各処理を順次行う。反応容器洗浄部17が使用する洗浄液は、例えばイオン交換水である。
【0037】
次に、データ処理ユニット201の構成を説明する。データ処理ユニット201は、CPU,ROM,RAM等を具備したコンピュータによって実現される。データ処理ユニット201は、キーボードやマウスなどを有し、検体の分析に必要な情報や自動分析装置1の動作指示信号などを含む情報等の入力を受ける入力部31と、液晶等のディスプレイ装置やプリンタを有し、検体の分析に関する情報等を出力する出力部32と、測定ユニット101における測定結果に基づいて検体の分析データを生成するデータ生成部33と、自動分析装置1の制御を行う制御部34と、測定ユニット101の測定結果に基づいた演算結果を含む各種情報を記憶する記憶部35と、を備える。
【0038】
データ生成部33は、測定ユニット101の測光部16から受信した測定結果の分析演算を行う。この分析演算では、測光部16から送られてくる測定結果に基づいて反応容器63内部の液体の吸光度を算出したり、吸光度の算出結果と検量線や分析パラメータ等の各種情報とを用いて反応容器63内部の液体の成分を定量的に求めたりすることにより、検体ごとの分析データを生成する。
【0039】
記憶部35は、分析項目、検体情報、試薬の種類、検体や試薬の分注量、検体や試薬の有効期限、分析に使用する検量線に関する情報、検量線の有効期限、各分析項目の参照値や許容値などの分析に必要なパラメータ、およびデータ生成部33で生成した分析データなどを記憶する。
【0040】
なお、図1では、測定ユニット101の主要な構成要素を模式的に示すことを主眼としているため、構成要素間の位置関係、特に攪拌部15、測光部16、反応容器洗浄部17の位置は必ずしも正確ではない。測定ユニット101の構成要素間の正確な位置関係は、試薬容器ホルダ12の数や分注動作のインターバルにおける反応容器ホルダ13の回転態様などの各種条件に応じて定められる。
【0041】
ここで、測定ユニット101における測定シーケンスの例を説明する。反応容器63が検体分注位置P1に達すると、上方に位置する検体容器61がノズル614を介して検体Spを分注する。なお、反応容器63への検体Spの分注は連続して行われる。このため、反応容器ホルダ13は、検体Spの分注が行われている間、分注のインターバルにおいて、例えば1周+1ポジション分の回転動作を繰り返す。
【0042】
反応容器63が試薬分注位置P2に達すると、上方に位置する試薬容器62がノズル624を介して試薬Rgを分注する。試薬Rgが分注された反応容器63は、攪拌部15へ移送される。攪拌部15は、反応容器63が収容する混合液を攪拌する。
【0043】
この後、第2試薬の分注が必要な場合には、反応容器63が試薬分注位置P3に達した時、上方に位置する試薬容器62がノズル624を介して第2試薬を分注する。この第2試薬分注後の混合液も、攪拌部15で攪拌される。
【0044】
所定の反応時間を経て測光部16における測定が完了した後、反応容器洗浄部17が反応容器63の洗浄を行う。これにより、1つの反応容器63に対する1回の測定シーケンスが終了する。
【0045】
なお、測定シーケンスにおいて、検体分注位置P1,P4における検体の分注と試薬分注位置P2,P3における試薬の分注とを同時に行うように制御することも可能である。この場合には、効率的な分注動作を実現し、分析時間を短縮することができる。
【0046】
測定ユニット101における測定結果は、データ処理ユニット201に送られる。測定ユニット101の測定結果を受信したデータ処理ユニット201では、データ生成部33が、受信した測定結果に基づいた分析演算を行い、その分析演算の結果を出力部32が出力するとともに、記憶部35が記憶する。
【0047】
以上説明した本発明の実施の形態1に係る自動分析装置によれば、互いの移送軌跡が同心円をなす検体容器ホルダおよび試薬容器ホルダと、検体容器ホルダおよび試薬容器ホルダよりも下方に位置し、検体容器ホルダおよび試薬容器ホルダの各移送軌跡を含めて所定の平面へ射影したときに各移送軌跡と交わる円を移送軌跡とする反応容器ホルダと、複数の検体容器の各々に対応して設けられ、先端が下方を指向する複数の検体用吐出機構を有し、複数の検体容器のうち複数の反応容器のいずれかが直下に位置している検体容器が収容する検体を、当該検体容器に対応する検体用吐出機構から吐出する検体分注手段と、複数の試薬容器の各々に対応して設けられ、先端が下方を指向する複数の試薬用吐出機構を有し、複数の試薬容器のうち複数の反応容器のいずれかが直下に位置している試薬容器が収容する試薬を、当該試薬容器に対応する試薬用吐出機構から吐出する試薬分注手段と、を備えたため、従来の自動分析装置のように、検体容器間、試薬容器間でそれぞれ共通のノズルを用いた分注を行わないで済み、試薬間のコンタミネーションのみならず検体間のコンタミネーションも防止することができる。また、検体容器ホルダと試薬容器ホルダが互いに同心の円上を移送され、従来の分注機構も不要であるため、スペースを節約することができ、装置全体を小型化することができる。
【0048】
また、本実施の形態1によれば、検体容器ホルダと試薬容器ホルダとを互いに同心をなすように配置するとともに、反応容器ホルダを検体容器ホルダや試薬容器ホルダに対して立体的な位置(下方)に配置しているため、ノズル付きアームを有する従来の分注手段のようなアームの移動が不要となり、分注動作を効率よく行うことができる。加えて、複数の検体分注位置や試薬分注位置での検体または試薬の分注を同時に行うことができるため、検体の分析に要する時間を短縮化することができる。
【0049】
図4は、本実施の形態1の一変形例に係る自動分析装置の作用を模式的に示す図である。この変形例では、検体容器ホルダ11および試薬容器ホルダ12と反応容器ホルダ13との相対的な位置関係が変更可能である。図4において、検体容器ホルダ11および試薬容器ホルダ12は、反応容器ホルダ13から離れる方向(図の左方向)へ移動している。この場合、検体分注位置P1、P4はそれぞれP1’、P4’に変化し、試薬分注位置P2、P3はそれぞれP2’、P3’に変化する。その結果、各分注位置P1’〜P4’の相互の距離も変化する。したがって、反応容器ホルダ13が上記実施の形態1と同じ動作を行う場合には、分注のタイミングが変化する。
【0050】
本変形例において、検体容器ホルダ11および試薬容器ホルダ12と反応容器ホルダ13との位置関係を変更可能な領域は、各ホルダの移送軌跡を所定の平面上へ射影したとき、反応容器63の移送軌跡を射影した像が検体容器61の移送軌跡や試薬容器62の移送軌跡をそれぞれ射影した像と交差する範囲である。
【0051】
以上説明した本実施の形態1の一変形例によれば、検体容器ホルダ11および試薬容器ホルダ12と反応容器ホルダ13との相対的な位置関係を変更可能とすることにより、検体分注から試薬分注までの時間を変更することができ、様々な条件に応じた分析処理を行うことが可能となる。
【0052】
なお、図4で検体容器ホルダ11および試薬容器ホルダ12の移動は、制御部34の制御に基づいて自動的に行うことができるような構成としてもよいし、利用者が手動で行うことができるような構成としてもよい。
【0053】
また、本変形例においては、検体容器ホルダ11および試薬容器ホルダ12を移動する構成としたが、反応容器ホルダ13を移動する構成としてもよい。また、全てのホルダを移動する構成としてもよい。
【0054】
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2に係る自動分析装置の測定ユニット要部の構成を示す模式図である。また、図6は、本実施の形態2に係る自動分析装置が有する検体容器ホルダ、試薬容器ホルダおよび反応容器ホルダの各構成を示す図であり、図5のB−B線に沿った部分断面図に検体や試薬を分注する機構を加えた図である。これらの図に示す自動分析装置2は、検体とその検体の検査項目に応じた試薬との反応の結果を光学的に測定する測定ユニット301と、測定ユニット301を含む自動分析装置2の制御を行うとともに測定ユニット301における測定結果の分析を行うデータ処理ユニット201とを有し、複数の検体の生化学的な分析を自動的かつ連続的に行う装置である。
【0055】
測定ユニット301は、検体を収容する検体容器61を複数個保持する検体容器ホルダ41と、各種試薬をそれぞれ収容する複数の試薬容器62を保持する試薬容器ホルダ42と、試薬容器ホルダ42の内周側に位置し、各種試薬をそれぞれ収容する複数の試薬容器64(第2の試薬容器)を保持する試薬容器ホルダ43(第2の試薬容器ホルダ)と、検体と試薬とを反応させる複数の反応容器63を保持する反応容器ホルダ13と、試薬容器ホルダ42、43がそれぞれ保持する複数の試薬容器62、64の各温度を室温よりも低い一定温度に保つ保冷庫44と、反応容器63の内部の液体を攪拌する攪拌部15と、反応容器63へ光を照射し、この照射した光のうち反応容器63を透過した光を光学的に測定する測光部16と、反応容器63の洗浄を行う反応容器洗浄部17と、を備える。
【0056】
検体容器ホルダ41は、固定軸45を回転中心として回転可能であり、検体容器61を保持する保持部411を、検体容器61の移送軌跡をなす第1の円C4の円周に沿って複数個備える。保持部411は、円筒形状をなす大径部412と、大径部412よりも底面積が小さく高さも低い円筒形状をなす小径部413とを有する。
【0057】
検体容器ホルダ41の外周面と自動分析装置2の本体との間には軸受46が設けられ、検体容器ホルダ41の底面にはギア47が設けられている。ギア47に対しては、ホルダ駆動部48が駆動力を伝達する。ホルダ駆動部48は、例えばモータと、このモータの駆動力を伝達し、ギア47と噛合可能なギアとを用いて実現される。
【0058】
試薬容器ホルダ42は、固定軸45を回転中心として回転可能であり、試薬容器62を保持する保持部421を、第1の円C4と同心で第1の円C4よりも径が小さく、試薬容器62の移送軌跡をなす第2の円C5の円周に沿って複数個備える。保持部421は、角柱形状をなす大径部422と、大径部422よりも底面積が小さく高さが低い角柱形状または円筒形状をなす小径部423とを有する。
【0059】
試薬容器ホルダ42の外周面と保冷庫44との間には軸受49が設けられ、検体容器ホルダ41の底面にはギア50が設けられている。ギア50に対しては、ホルダ駆動部51が駆動力を伝達する。ホルダ駆動部51は、上述したホルダ駆動部48と同様、モータと、このモータの駆動力を伝達し、ギア50と噛合可能なギアとを用いて実現される。
【0060】
試薬容器ホルダ43は、複数の試薬容器64を、第2の円C5と同心であり、第2の円C5よりも径が小さく、第3の円C3を含めて所定の平面(例えば図5の面)へ射影したとき第3の円C3と交わり、試薬容器64の移送軌跡をなす第4の円C6の円周に沿って並べて保持する容器載置部431と、容器載置部431を支持する円盤状のテーブル432と、テーブル432の中心部に設けられ、固定軸45を回転中心として回転可能な円筒部433と、を有する。円筒部433の内周面と固定軸45の外周面との間には軸受52が設けられ、円筒部433の底面にはギヤ53が設けられている。ギヤ53に対しては、ホルダ駆動部54が駆動力を伝達する。ホルダ駆動部54は、上述したホルダ駆動部48と同様、モータと、このモータの駆動力を伝達し、ギヤ53と噛合可能なギアとを用いて実現される。
【0061】
試薬容器ホルダ43の容器載置部431は、試薬容器64を保持する保持部434を、第4の円C6の円周に沿って複数個備える。保持部434は、角柱形状をなす大径部435と、大径部435よりも底面積が小さく高さが低い角柱形状または円筒形状をなす小径部436とを有する。
【0062】
保持部434が保持する試薬容器64は、有底の中空角柱形状をなして試薬Rgを収容し、保持部434の大径部435に嵌合可能な形状をなす本体部641と、本体部641の底面から突出し、試薬容器ホルダ43の小径部436に嵌合可能な形状をなす突出部642と、本体部641が収容する試薬Rgに対して吐出圧を発生するピストン643と、本体部641の底面から突出部642まで貫通するように取り付けられ、先端が下方を指向して外部へ露出する細径のノズル644(第2の試薬用吐出機構)と、を有する。ノズル644の下端の高さは、検体容器61が有するノズル614の下端の高さや試薬容器62が有するノズル624の下端の高さとほぼ同じであることが望ましい。なお、試薬容器ホルダ43の形状によっては、試薬容器62を第2の試薬容器として適用することも可能である。
【0063】
ピストン643は、ピストン駆動部55の駆動によって進退動作を行う。ピストン643の移動量は、制御部34によって制御される。ピストン643が下方へ所定量移動すると、その移動量に相当する試薬Rgが、ノズル644を介して直下に位置する反応容器63へ吐出される。このように、本実施の形態2においては、ピストン643、ノズル644およびピストン駆動部55が、試薬を分注する第2の試薬分注手段の少なくとも一部の機能を具備している。
【0064】
図5における第1の円C4と第3の円C3との交点P5およびP10では、検体容器61のノズル614の直下に反応容器63の開口部がそれぞれ位置している。この意味で、2つの交点P5およびP10は、検体容器61が収容する検体を、直下に位置する反応容器63へ吐出する検体分注位置である。
【0065】
また、図5における第2の円C5と第3の円C3との交点P6およびP9では、試薬容器62のノズル624の直下に反応容器63の開口部がそれぞれ位置している。この意味で、2つの交点P6およびP9は、その位置で静止している試薬容器62が収容する試薬を、直下に位置する反応容器63へ吐出する試薬分注位置である。同様に、第4の円C6と第3の円C3との交点P7およびP8では、試薬容器64が収容する試薬を、直下に位置する反応容器63へ吐出する試薬分注位置である。
【0066】
自動分析装置2は、以上説明したように2つの試薬容器ホルダ42,43を備えているため、試薬容器ホルダ42を第1試薬の格納用に使用する一方、試薬容器ホルダ42を第2試薬の格納用に使用することもできる。
【0067】
保冷庫44は、試薬容器62、64を囲むように設けられ、試薬容器62、64の各温度を一定に保持するものであり、試薬容器ホルダ42、43を収容するホルダ収容部441と、ホルダ収容部441の上方に開閉可能に設けられる蓋部442と、ホルダ収容部441と蓋部442とによって囲まれた内部領域を冷却する冷却器443と、保冷庫44の内部領域の温度を測定する温度センサ444と有する。保冷庫44の内部の温度は、低温に保たれている。
【0068】
ホルダ収容部441は、中心に開口部を有し、固定軸45および試薬容器ホルダ43の円筒部433が貫通している第3部材441aと、第3部材441aの外周に配置される円環状の第4部材441bと、第4部材441bの外周に配置され、試薬容器ホルダ42の外縁部を底面から側面にかけて包囲する第5部材441cとを備える。第3部材441aと第4部材441bの境界は、ノズル644を外部へ表出するための細い円形の隙間を有している。また、第4部材441bと第5部材441cの境界も、ノズル624を外部へ表出するための細い円形の隙間を有している。
【0069】
蓋部442の試薬分注位置P6、P9に対応する位置には、ピストン駆動部27がピストン623を駆動するための開口部442aが形成されている。また、蓋部442の試薬分注位置P7、P8に対応する位置には、ピストン駆動部55がピストン643を駆動するための開口部442bが形成されている。開口部442aは、試薬分注位置P6、P9にのみ設けられる一方、開口部442bは、試薬分注位置P7、P8にのみ設けられている。したがって、ピストン駆動部27は、開口部442aの直下に位置する試薬容器62のピストン623のみを駆動可能であり、ピストン駆動部55は、開口部442bの直下に位置する試薬容器64のピストン643のみを駆動可能である。
【0070】
ここで、測定ユニット301における測定シーケンスの例を説明する。反応容器63が検体分注位置P5に達すると、上方に位置する検体容器61がノズル614を介して検体Spを分注する。この後、反応容器ホルダ13は、回転動作(例えば、1周+1ポジション分の回転)を繰り返し行う。
【0071】
反応容器63が試薬分注位置P6に達すると、上方に位置する試薬容器62がノズル624を介して試薬Rg(第1試薬)を分注する。試薬Rgが分注された反応容器63は、攪拌部15へ移送される。攪拌部15は、反応容器63が収容する混合液を攪拌する。
【0072】
この後で行う第2試薬の分注は、試薬分注位置P7で行ってもよいし、試薬分注位置P8で行ってもよい。例えば、反応容器ホルダ13が同じ回転動作を継続する場合、第1試薬を分注した試薬分注位置P6と試薬分注位置P7は近くに位置しているため、第1試薬と検体との反応時間を十分に稼ぐことができない。このような場合には、第2試薬の分注を試薬分注位置P8で行うようにする。
【0073】
以後の測定シーケンスは、上記実施の形態1で説明した測定シーケンスと同様である。
【0074】
なお、本実施の形態2においても、検体分注位置P5,P10における検体の分注と、試薬分注位置P6〜P9における試薬の分注とを同時に行うように制御してもよい。
【0075】
以上説明した本発明の実施の形態2によれば、上述した実施の形態1と同様、検体間のコンタミネーションを防止することができるとともに、装置全体を小型化することができる自動分析装置を提供することができる。
【0076】
また、本実施の形態2によれば、検体容器ホルダと2つの試薬容器ホルダとを互いに同心をなすように配置するとともに、反応容器ホルダを立体的に配置しているため、従来の自動分析装置のように検体容器ホルダおよび2つの試薬容器ホルダを別個に設ける場合と比較して、大幅な省スペース化を実現することが可能となる。
【0077】
さらに、本実施の形態2によれば、複数の検体分注位置や試薬分注位置での検体または試薬の分注を同時に行うことができるため、検体の分析に要する時間を短縮化することができる。
【0078】
なお、本実施の形態2では、互いに同心の検体容器ホルダと2つの試薬容器ホルダとを備えた測定ユニットの場合を説明したが、より一般には、複数のホルダが同心を有して径方向に対して多重に重なり合った構成とすることも可能である。
【0079】
また、本実施の形態2においても、検体容器ホルダおよび2つの試薬容器ホルダと反応容器ホルダとの相対的な位置関係を変更することが可能である。この場合、位置関係を変更可能な領域は、各ホルダの移送軌跡を所定の平面上へ射影したとき、反応容器の移送軌跡を射影した像が検体容器の移送軌跡、試薬容器の移送軌跡および第2の試薬容器の移送軌跡をそれぞれ射影した像と交差する範囲である。
【0080】
(その他の実施の形態)
ここまで、本発明を実施するための最良の形態として、実施の形態1、2を詳述してきたが、本発明はそれらの実施の形態によって限定されるべきものではない。例えば、検体分注手段や試薬分注手段の構成は上述したものに限られるわけではなく、ピエゾ素子を用いた圧電効果によって検体や試薬を吐出するようにしてもよいし、空気圧によって検体や試薬を吐出するようにしてもよい。
【0081】
また、検体や試薬をそれぞれ分注するノズルを検体容器ホルダや試薬容器ホルダに直接取り付ける構成としてもよい。
【0082】
さらに、測定ユニットに対して検体容器ホルダおよび試薬容器ホルダを上下動させるための機構を具備させてもよい。この場合には、検体容器ホルダおよび試薬容器ホルダにそれぞれ設けたノズルを洗浄するための洗浄部を、各ホルダの移動軌跡の途上に設けておくことも可能である。
【0083】
なお、本発明に係る自動分析装置は、検体の生化学的な分析のみならず、検体の免疫学的な分析を行う場合や、検体の遺伝学的な分析を行う場合にも適用することができる。
【0084】
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態等を含みうるものであり、特許請求の範囲により特定される技術的思想を逸脱しない範囲内において種々の設計変更等を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の実施の形態1に係る自動分析装置の要部の構成を模式的に示す図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る自動分析装置が有する検体容器ホルダ、試薬容器ホルダおよび反応容器ホルダの相互の位置関係を模式的に示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る自動分析装置が有する検体容器ホルダ、試薬容器ホルダおよび反応容器ホルダの各構成に検体や試薬を分注する機構を加えた図である。
【図4】本発明の実施の形態1の変形例に係る自動分析装置の作用を模式的に示す図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係る自動分析装置の測定ユニット要部の構成を示す模式図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係る自動分析装置が有する検体容器ホルダ、試薬容器ホルダおよび反応容器ホルダの各構成に検体や試薬を分注する機構を加えた図である。
【符号の説明】
【0086】
1、2 自動分析装置
11、41 検体容器ホルダ
12、42、43 試薬容器ホルダ
13 反応容器ホルダ
14、44 保冷庫
15 攪拌部
16 測光部
17 反応容器洗浄部
19、45 固定軸
20、24、46、49、52 軸受
21、25、47、50、53 ギア
22、26、28、48、51、54 ホルダ駆動部
23、27、55 ピストン駆動部
31 入力部
32 出力部
33 データ生成部
34 制御部
35 記憶部
61 検体容器
62、64 試薬容器
63 反応容器
101、301 測定ユニット
111、124、131、411、421、434 保持部
112、125、412、422、435 大径部
113、126、413、423、436 小径部
121、431 容器載置部
122、432 テーブル
123、433 円筒部
132、133 窓
141、441 ホルダ収容部
141a 第1部材
141b 第2部材
142、442 蓋部
142a、442a、442b 開口部
143、443 冷却器
144、444 温度センサ
201 データ処理ユニット
441a 第3部材
441b 第4部材
441c 第5部材
611、621、641 本体部
612、622、642 突出部
613、623、643 ピストン
614、624、644 ノズル
Rg 試薬
Sp 検体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体と試薬とを反応させ、この反応の結果を光学的に測定することによって前記検体の成分を分析する自動分析装置であって、
検体をそれぞれ収容する複数の検体容器を、前記検体容器の移送軌跡をなす第1の円の円周に沿って並べて保持する検体容器ホルダと、
試薬をそれぞれ収容する複数の試薬容器を、前記第1の円と同心で径が異なり、前記試薬容器の移送軌跡をなす第2の円の円周に沿って並べて保持する試薬容器ホルダと、
前記検体容器ホルダおよび前記試薬容器ホルダよりも下方に位置し、検体と試薬とをそれぞれ反応させる複数の反応容器を、前記第1および第2の円を含めて所定の平面へ射影したとき前記第1および第2の円と交わり、前記反応容器の移送軌跡をなす第3の円の円周に沿って並べて保持する反応容器ホルダと、
前記複数の検体容器の各々に対応して設けられ、先端が下方を指向する複数の検体用吐出機構を有し、前記複数の検体容器のうち前記複数の反応容器のいずれかが直下に位置している検体容器が収容する検体を、当該検体容器に対応する前記検体用吐出機構から吐出する検体分注手段と、
前記複数の試薬容器の各々に対応して設けられ、先端が下方を指向する複数の試薬用吐出機構を有し、前記複数の試薬容器のうち前記複数の反応容器のいずれかが直下に位置している試薬容器が収容する試薬を、当該試薬容器に対応する前記試薬用吐出機構から吐出する試薬分注手段と、
を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
前記検体分注手段および前記試薬分注手段は、吐出動作を同時に行うことを特徴とする請求項1記載の自動分析装置。
【請求項3】
前記検体容器ホルダと前記反応容器ホルダとの位置関係および前記試薬容器ホルダと前記反応容器ホルダとの位置関係は、互いの移送軌跡を所定の平面へ射影したとき交差する範囲において変更可能であることを特徴とする請求項1または2記載の自動分析装置。
【請求項4】
試薬をそれぞれ収容する複数の第2の試薬容器を、前記第1および第2の円と同心で径が異なり、前記第3の円を含めて所定の平面へ射影したとき前記第3の円と交わり、前記第2の試薬容器の移送軌跡をなす第4の円の円周に沿って並べて保持する第2の試薬容器ホルダと、
前記複数の第2の試薬容器の各々に対応して設けられ、先端が下方を指向する複数の第2の試薬用吐出機構を有し、前記複数の第2の試薬容器のうち前記複数の反応容器のいずれかが直下に位置している第2の試薬容器が収容する試薬を、当該第2の試薬容器に対応する前記第2の試薬用吐出機構から吐出する第2の試薬分注手段と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の自動分析装置。
【請求項5】
前記検体分注手段、前記試薬分注手段および前記第2の試薬分注手段は、吐出動作を同時に行うことを特徴とする請求項4記載の自動分析装置。
【請求項6】
前記第1の円の径は、前記第2の円の径および前記第3の円の径より大きいことを特徴とする請求項4または5記載の自動分析装置。
【請求項7】
前記検体容器ホルダと前記反応容器ホルダとの位置関係、前記試薬容器ホルダと前記反応容器ホルダとの位置関係および前記第2の試薬容器ホルダと前記反応容器ホルダとの位置関係は、互いの移送軌跡を所定の平面へ射影したとき交差する範囲において変更可能であることを特徴とする請求項5または6記載の自動分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−47647(P2009−47647A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−216158(P2007−216158)
【出願日】平成19年8月22日(2007.8.22)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】