説明

自動車のインストルメントパネル

【課題】アッパーガーニッシュの組付性を改善し、アッパーガーニッシュの組付けによる損傷等を防止し、こうした改善による見栄えの悪化を防止できる、自動車のインストルメントパネルを提供することである。
【解決手段】アッパーガーニッシュ30の車幅方向両端部に、アッパーガーニッシュ30の組付け時に1対のフロントピラー10に夫々車室13側から当接してガイドされる1対の被ガイド部51が設けられ、アッパーガーニッシュ30の各被ガイド部51と意匠面側部30cとの間の部分に、フロントピラーガーニッシュ17の下端部17aが差込まれる溝部52が設けられ、アッパーガーニッシュ30の各被ガイド部51と溝部52との間の部分に、フロントピラー10に車幅方向内側から当接してフロントピラー10と意匠面側部30cとの接触を防ぐ突起部53が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のインストルメントパネルに関し、特に、車室前端側に装備されたインストルメントパネル本体と、このインストルメントパネル本体の上部に車室側から組付けられるアッパーガーニッシュとを備えたインストルメントパネルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車のインストルメントパネルは、一般に、自動車外で組立てられ、自動車の車体骨格が組立てられてから、そのサイドドア開口から車室に搬入され車室前端側に組付けられる。しかし、インストルメントパネルが大型になる(特に、インストルメントパネルの上端部分が前方へ大きく張出す)ものでは、そのインストルメントパネルの全体を自動車外で組立てると、サイドドア開口から車室に搬入するのが困難な場合がある。
【0003】
そこで、インストルメントパネルをインストルメントパネル本体とアッパーガーニッシュとで構成し、インストルメントパネル本体が車室に搬入され車室前端側に組付けられた後に、アッパーガーニッシュが車室に搬入されて、インストルメントパネル本体の上部に、その車幅方向全幅に亙って且つインストルメントパネル本体よりも前方へ延びるように車室側から組付けられると、前記問題は解消される(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2003−237415号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
自動車のインストルメントパネルにおいて、アッパーガーニッシュが、車室前端側に装備されたインストルメントパネル本体の上部に、その車幅方向全幅に亙って且つインストルメントパネル本体よりも前方へフロントピラーの下端近傍の前後方向位置まで延びるように車室側から組付けられるものでは、そのアッパーガーニッシュの組付けを作業者が車室側から行うことになるが、その組付時に、アッパーガーニッシュは大型であるので取扱いにくいうえ、アッパーガーニッシュの前端側部分とその前端側部分を取付ける車体側の取付部分とが視認しにくいため、アッパーガーニッシュを組付け位置に簡単に確実に位置決めできない、つまり、アッパーガーニッシュの組付性が悪いという問題がある。
【0006】
また、アッパーガーニッシュの組付け時に、アッパーガーニッシュが車幅方向へ振れ移動する虞が高く、そうなると、アッパーガーニッシュの意匠面側部がフロントピラーに接触して意匠面側部に傷が付く虞があり、更に、フロントピラーの車室側内面に沿ってハーネス又はウォッシャホースが配設されている場合には、そのハーネス又はウォッシャホースにアッパーガーニッシュが取外される或いは損傷する虞がある。
【0007】
本発明の目的は、自動車の車室前端側に装備されたインストルメントパネル本体の上部にアッパーガーニッシュを車室側から組付けてインストルメントパネルを構成可能にするとともに、このアッパーガーニッシュの組付性を改善し、アッパーガーニッシュの組付けによる損傷等を防止し、こうした改善による見栄えの悪化を防止できる、自動車のインストルメントパネルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の自動車のインストルメントパネルは、自動車の車室前端側に装備されたインストルメントパネル本体と、このインストルメントパネル本体の上部にその車幅方向全幅に亙って且つインストルメントパネル本体よりも前方へフロントピラーの下端近傍の前後方向位置まで延びるように車室側から組付けられるアッパーガーニッシュとを備えた自動車のインストルメントパネルにおいて、前記アッパーガーニッシュの車幅方向両端部に、アッパーガーニッシュの組付け時に1対のフロントピラーに夫々車室側から当接してガイドされる1対の被ガイド部を設けたことを特徴とする。
【0009】
インストルメントパネルはインストルメントパネル本体とアッパーガーニッシュとを備え、これらは自動車外で個別に組立てられて、インストルメントパネル本体が車室に搬入され車室前端側に組付けられた後に、アッパーガーニッシュが車室に搬入されて、インストルメントパネル本体の上部に、その車幅方向全幅に亙って且つインストルメントパネル本体よりも前方へフロントピラーの下端近傍の前後方向位置まで延びるように車室側から組付けられて、インストルメントパネルが構成される。
【0010】
このアッパーガーニッシュの組付けを作業者が車室側から行うことになるが、その組付時に、アッパーガーニッシュが大型であるので取扱いにくい場合でも、また、アッパーガーニッシュの前端側部分とその前端側部分を取付ける車体側の取付部分とが視認しにくい場合でも、アッパーガーニッシュの車幅方向両端部に設けられた1対の被ガイド部が、1対のフロントピラーに夫々車室側から当接してガイドされることで、1対のフロントピラーに沿ってその下端側へ移動して、アッパーガーニッシュが組付け位置に簡単に確実に位置決めされ、つまり、アッパーガーニッシュの組付性が改善される。
【0011】
従属項として次の構成を採用可能である。
前記被ガイド部は、フロントピラーの車幅方向内側のフランジ部に当接可能に形成される(請求項2)。前記アッパーガーニッシュの前記各被ガイド部とその車幅方向内方に位置する意匠面側部との間の部分に、アッパーガーニッシュの組付け後にフロントピラーに装着するフロントピラーガーニッシュの下端部が差込まれる溝部を設ける(請求項3)。
【0012】
前記アッパーガーニッシュの前記各被ガイド部と溝部との間の部分に、アッパーガーニッシュの組付け時における車幅方向の移動に対して、フロントピラーに車幅方向内側から当接してフロントピラーと前記意匠面側部との接触を防ぐ突起部を設ける(請求項4)。前記フロントピラーの車室側内面に沿ってハーネス又はウォッシャホースが配設され、前記フロントピラーのフランジ部の車幅方向内端と前記突起部間の間隔を、前記被ガイド部の車幅方向外端と前記ハーネス又はウォッシャホース間の間隔よりも小さくするように構成する(請求項5)。
【0013】
前記アッパーガーニッシュの前端部下面側に前方へ突出する係合凸部を設け、前記アッパーガーニッシュの組付け時に、前記被ガイド部がフロントピラーにガイドされることで前記係合凸部が後側から差込まれる門形部材が車体のカウル部材の上面に取付けられる(請求項6)。前記門形部材に門形部材よりも上方へ突出する受け部が一体的に設けられ、前記アッパーガーニッシュの組付け時に、前記被ガイド部がフロントピラーにガイドされることで前記係合凸部が前記受け部に後側から当接して前記門形部材内に導かれるように、前記係合凸部の前端部に傾斜ガイド面が形成される(請求項7)。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の自動車のインストルメントパネルによれば、自動車の車室前端側に装備されたインストルメントパネル本体と、このインストルメントパネル本体の上部にその車幅方向全幅に亙って且つインストルメントパネル本体よりも前方へフロントピラーの下端近傍の前後方向位置まで延びるように車室側から組付けられるアッパーガーニッシュとを備えたので、インストルメントパネル本体とアッパーガーニッシュとを自動車外で個別に組立てて、インストルメントパネル本体を車室に搬入し車室前端側に組付けた後に、アッパーガーニッシュを車室に搬入して、インストルメントパネル本体の上部に車室側から組付けて、インストルメントパネルを構成でき、故に、インストルメントパネルの全体を自動車外で組立てて車室に搬入するのが困難な場合に好適である。
【0015】
このアッパーガーニッシュの組付けについては、作業者が車室側から行うことになるが、アッパーガーニッシュの車幅方向両端部に、アッパーガーニッシュの組付け時に1対のフロントピラーに夫々車室側から当接してガイドされる1対の被ガイド部を設けたので、アッパーガーニッシュの組付け時に、アッパーガーニッシュが大型であるので取扱いにくい場合でも、また、アッパーガーニッシュの前端側部分とその前端側部分を取付ける車体側の取付部分とが視認しにくい場合でも、1対の被ガイド部を1対のフロントピラーに車室側から当接させてガイドさせ、1対のフロントピラーに沿ってその下端側へ移動させて、アッパーガーニッシュを組付け位置に簡単に確実に位置決めでき、故に、アッパーガーニッシュの組付性を改善できる。
【0016】
請求項2の自動車のインストルメントパネルによれば、被ガイド部を、フロントピラーの車幅方向内側のフランジ部に当接可能に形成したので、このフロントピラーのフランジ部を有効利用し、つまり、フロントピラーに別途被ガイド部が車室側から当接する部分を形成することなく、また、被ガイド部を車幅方向外側へ大きく張出すように設けることなく、つまり、被ガイド部をコンパクトにして、その被ガイド部をフロントピラーのフランジ部に車室側から確実に当接させてガイドさせることができる。
【0017】
請求項3の自動車のインストルメントパネルによれば、アッパーガーニッシュの各被ガイド部とその車幅方向内方に位置する意匠面側部との間の部分に、アッパーガーニッシュの組付け後にフロントピラーに装着するフロントピラーガーニッシュの下端部が差込まれる溝部を設けたので、フロントピラーガーニッシュの下端部をアッパーガーニッシュに良好に見栄え良く結合でき、しかも、フロントピラーガーニッシュにより被ガイド部をカバーできるので、被ガイド部を設けたことによる見栄えの悪化を防止できる。
【0018】
請求項4の自動車のインストルメントパネルによれば、アッパーガーニッシュの各被ガイド部と溝部との間の部分に、アッパーガーニッシュの組付け時における車幅方向の移動に対して、フロントピラーに車幅方向内側から当接してフロントピラーと意匠面側部との接触を防ぐ突起部を設けたので、アッパーガーニッシュの組付け時に、フロントピラーと意匠面側部とが接触して意匠面側部に傷が付くのを防止でき、しかも、アッパーガーニッシュが車幅方向へ大きく振れて移動するのを抑制できるので、被ガイド部に対するフロントピラーの当接、即ちガイド性を維持でき、また、フロントピラーガーニッシュにより突起部をカバーできるので、突起部を設けたことによる見栄えの悪化を防止できる。
【0019】
請求項5の自動車のインストルメントパネルによれば、フロントピラーの車室側内面に沿ってハーネス又はウォッシャホースを配設し、フロントピラーのフランジ部の車幅方向内端と突起部間の間隔を、被ガイド部の車幅方向外端とハーネス又はウォッシャホースの取付部間の間隔よりも小さくするように構成したので、アッパーガーニッシュの組付け時に、被ガイド部によって、ハーネス又はウォッシャホースが取外される又は損傷するのを確実に防止できる。
【0020】
請求項6の自動車のインストルメントパネルによれば、アッパーガーニッシュの前端部下面側に前方へ突出する係合凸部を設け、アッパーガーニッシュの組付け時に、被ガイド部がフロントピラーにガイドされることで係合凸部が後側から差込まれる門形部材を車体のカウル部材の上面に取付けたので、1対の被ガイド部を1対のフロントピラーに車室側から当接させてガイドさせ、1対のフロントピラーに沿って移動させることで、係合凸部を門形部材に後側から確実に差込むことができ、アッパーガーニッシュを組付け位置により簡単に確実に位置決めできて、アッパーガーニッシュの組付性を一層改善できる。
【0021】
請求項7の自動車のインストルメントパネルによれば、門形部材に門形部材よりも上方へ突出する受け部を一体的に設け、アッパーガーニッシュの組付け時に、被ガイド部がフロントピラーにガイドされることで係合凸部が受け部に後側から当接して門形部材内に導かれるように、係合凸部の前端部に傾斜ガイド面を形成したので、1対の被ガイド部を1対のフロントピラーに車室側から当接させてガイドさせ、1対のフロントピラーに沿って移動させることで、係合凸部の傾斜ガイド面を門形部材の受け部に当接させてから、係合凸部を門形部材に後側から確実に差込むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の自動車のインストルメントパネルは、自動車の車室前端側に装備されたインストルメントパネル本体と、このインストルメントパネル本体の上部にその車幅方向全幅に亙って且つインストルメントパネル本体よりも前方へフロントピラーの下端近傍の前後方向位置まで延びるように車室側から組付けられるアッパーガーニッシュとを備え、アッパーガーニッシュの車幅方向両端部に、アッパーガーニッシュの組付け時に1対のフロントピラーに夫々車室側から当接してガイドされる1対の被ガイド部が設けられている。
【実施例】
【0023】
図1〜図5に示すように、自動車Cは、車体構成部材として、フロアパネル1、ダッシュロアパネル2、ダッシュアッパパネル3、カウルフロント4,5、カウルパネル6(カウル部材6)、カウルレインフォースメント7、左右1対のサイドシル8、左右1対のアッパサイドレール9、左右1対のフロントピラー10、左右1対のフロント補強ピラー11、左右1対のセンタピラー12等を備え、図示のように結合されている。
【0024】
ダッシュロアパネル2、ダッシュアッパパネル3、カウルパネル6の後側のフロアパネル1上が車室13になり、その左右両側部分に、サイドシル8、アッパサイドレール9、フロント補強ピラー11、センタピラー12等で囲まれた左右1対のフロントサイドドア開口14が形成されている。尚、フロントガラス15は、その下端部と車幅方向両端部とが、夫々、カウルパネル6の上端部分と1対のフロントピラー10の車幅方向内端部分とにシール材を介して取付けられる。
【0025】
車室13の前端側にインストルメントパネル16が配置され、そのインストルメントパネル16は、車室13の前端側の車幅方向全幅に亙って設けられ、その上半部の後面部が下半部の後面部よりも後方に位置してフロント補強ピラー11の下端部の前後方向位置よりも少し後方へ張出すとともに、平面視にて緩やかに後方凸に湾曲するように形成され、また、インストルメントパネル16の上端部分は他の部分よりも前方へ張出し、このインストルメントパネル16の上端部分の前端部は、カウルパネル6の上端部分と略同じ前後方向位置に位置して、平面視にて緩やかに前方凸に湾曲するように形成されている。
【0026】
インストルメントパネル16は、車室13の前端側に装備されてインストルメントパネル16の上端部分の前側部分以外の大部分を構成するするインストルメントパネル本体20と、インストルメントパネル本体20の上部にその車幅方向全幅に亙って且つインストルメントパネル本体20よりも前方へフロントピラー10の下端近傍の前後方向位置まで延びるように車室13側から組付けられてインストルメントパネル16の上端部分の前側部分を構成するアッパーガーニッシュ30とを備えている。
【0027】
インストルメントパネル本体20とアッパーガーニッシュ30は自動車C外で個別に組立てられて、インストルメントパネル本体20がフロントサイドドア開口14から車室13に搬入され、図4に示すように、車室13の前端側に組付けられた後に、アッパーガーニッシュ30がフロントサイドドア開口14から車室13に搬入されて、図5に示すように、インストルメントパネル本体20の上部に車室13側から組付けられて、図1〜図3に示すインストルメントパネル16が構成される。
【0028】
図1、図4、図5、図11〜図13、図15、図16に示すように、フロントピラー10は下方程前方へ移行するように傾斜状に延び、フロントピラー10の上部にフロント補強ピラー11の上端部が結合され、フロントピラー10の下端部はカウルパネル6の上端部分と略同じ前後方向位置に位置する。
【0029】
フロントピラー10は、ピラーインナ10a、ピラーアウタ10b、ピラーレインフォースメント10cを有し、これら10a〜10cの内端フランジ部同士と外端フランジ部同士とが夫々結合されて閉断面に形成され、これら10a〜10cの内端フランジ部からなるフロントピラー10の車幅方向内側のフランジ部10dが、フロントピラー10の車室13側の内面の幅方向途中部から車幅方向内側へ突出している。
【0030】
フロントピラー10とフロント補強ピラー11には、夫々、その車室13側の内面をカバーするフロントピラーガーニッシュ17と補強ピラーガーニッシュ18が装着されている。ここで、フロントピラー10の下端部とフロント補強ピラー11の下端部がピラー繋ぎ部19で連結され、このピラー繋ぎ部19に車室13側の内面をカバーするピラー繋ぎ部ガーニッシュ19aが装着され、これらガーニッシュ17,18,19aが3角形状に一体的に設けられている。尚、これらガーニッシュ17,18,19aは、アッパーガーニッシュ30の組付け後に装着される。
【0031】
図1〜図5に示すように、インストルメントパネル本体20は、パネルコア21と、パネルコア21の表面を覆うパネル表皮22とを有し、パネコア21の上端側後部の車幅方向中央部分には、各種メータ類を含む車幅方向に細長い表示器23が後向きに取付けられている。パネル表皮22は、表示器23よりも後方に位置する上壁部22aを有し、この上壁部22aと表示器23との間には一定の隙間が空けられ、上壁部22aの後端部には車幅方向全幅に亙って段下り状に前方へ張出す段下受部22bが形成されている。
【0032】
インストルメントパネル本体20の内部には空調ユニット(図示略)が配設され、インストルメントパネル本体20の前面部の車幅方向中央部分と車幅方向両端部分に、空調ユニットからの空気を車室13に後方へ向けて吹出す吹出口20a,20b,20cが形成され、その為のダクト(図示略)もインストルメントパネル本体20の内部に取付けられている。また、インストルメントパネル本体20には、空調ユニットから表示器23の前側を通るように延びるデフ上流側ダクト24が取付けられている。
【0033】
パネルコア21の前面部上部の車幅方向中央部分には液晶ディスプレイ25が後向きに装着されるとともに、パネル表皮22の前面部には、液晶ディスプレイ25の画面を車室13側へ臨ませるディスプレイ用孔22cが形成され、また、パネル表皮22の前面部及び上面部(上壁部21a)には、パネルコア21に取付けられた各種スイッチやボタン等の操作部を車室13側へ操作可能に臨ませる操作部用穴が形成されている。尚、インストルメントパネル本体20の内部には、パネルコア21が連結支持されるインストルメントパネルメンバ26が車幅方向へ延びるように配設されている。
【0034】
図1〜図3、図5〜図13に示すように、アッパーガーニッシュ30は、その前部を含む大部分を占める前上壁部31と、前上壁部31の後側に位置する後上壁部32とを有する。アッパーガーニッシュ30の車幅方向中央部分において、後上壁部32は前上壁部31の後端部よりも下方に位置し、その前上壁部31の後端部と後上壁部32の前端部との間に、表示器23の表示面を車室13側へ臨ませる表示器用孔33が形成され、後上壁部32の後端部分は表示器23の上側から後方へ張出すフード部31aに形成されている。
【0035】
前上壁部31には、下面側にデフ下流側ダクト34が取付けられ、前部に車幅方向に幅広のデフ下流側ダクト34の下流端が接続された吹出口35が形成されている。デフ下流側ダクト34とインストルメントパネル本体20に取付けられたデフ上流側ダクト24とが接続され、インストルメントパネル本体20の内部に配設された空調ユニットからの空気が、ダクト24,34を通って吹出口35から上方へフロントガラス15に向けて吹出される。アッパーガーニッシュ30の前端部には、フロントガラス15との間をシールするシール部材30dが取付けられている。
【0036】
図7、図8に示すように、アッパーガーニッシュ30(前上壁部31)の前端部の下面側には、3つの係合構造36が車幅方向に間隔を空けて並設され、各係合構造36は、前方へ突出するように設けられ係合凸部37と、係合凸部37の車幅方向両側に設けられた左右1対の載置部38を有する。係合凸部37は、平滑な上端面37aを有するとともに、前端部に上端面37aに対して前方程下方へ移行するように傾斜する傾斜ガイド面37bが形成されている。載置部38は、下方すぼみの台形状に形成されて、係合凸部37の上端面37aよりも僅かに上方に位置して上端面37aと平行な下端面38aを有する。
【0037】
ここで、図4、図14に示すように、カウルパネル6の上端部分の上面には、アッパーガーニッシュ30の3つの係合凸部37に対応する3つの門形部材39が取付けられ、各門形部材39は左右の側片部39aと上片部39bとを有し、この門形部材39には、門形部材39よりも上方へ突出するように、上片部39bの車幅方向中央部分の後端から立上げられた受け部39cが一体的に設けられている。
【0038】
3つの門形部材39の受け部39cでは、アッパーガーニッシュ30の組付け途中に、アッパーガーニッシュ30の3つの係合凸部37の傾斜ガイド面37bを後側から受止め可能であり、3つの門形部材39にアッパーガーニッシュ30の3つの係合凸部37が後側から差込まれ、その際、係合凸部37の上端面37aと載置部38の下端面38aが門形部材39の上片部39bに挟持状に当接して、アッパーガーニッシュ30の前端側部分が位置決めされ取付けられる。
【0039】
また、図1〜図3に示すように、3つの門形部材39にアッパーガーニッシュ30の3つの係合凸部37が差込まれた状態で、アッパーガーニッシュ30の表示器用孔33の後側に位置する後上壁部32が、インストルメントパネル本体20の上壁部22aと表示器23との間に嵌込まれ、後上壁部32の後端部分がインストルメントパネル本体20の段下受部22bに載置支持され、ここで、後上壁部32の後端部分に設けられた複数の係合爪が、段下受部22bに設けられ複数の爪係合部に係合して、アッパーガーニッシュ30の後端側部分が位置決めされ、こうして、インストルメントパネル本体20にアッパーガーニッシュ30が組付けられた状態になる。
【0040】
図5〜図7、図9〜図13、図16に示すように、アッパーガーニッシュ30は、その前上壁部31及び後上壁部32の上面が意匠面上部30aとなり、また、後上壁部32及び後上壁部32の車幅方向両端部から下方へ張出す左右1対の側壁部30bを有し、これら側壁部30bは下方程車幅方向外側へ移行する傾斜状に形成され、これら側壁部30bの車幅方向外側面が意匠面側部30cとなる。
【0041】
ここで、図15、図16に示すように、フロントピラー10の車室13側の内面に沿ってハーネス40とウォッシャホース41が配設されている。例えば、ハーネス40は車内灯に電力を供給する為のものであり、ウォッシャホース41はリヤガラス(図示略)にウォッシャ液を供給する為のものである。このハーネス40とウォッシャホース41は、その長さ方向途中部が複数の取付部に相当するブ取付ラケット42に固定され、これら取付ブラケット42がフロントピラー10(ピラーインナ10a)に固定部42aを差込んで固定されている。
【0042】
さて、図5〜図11、図13、図16に示すように、アッパーガーニッシュ30の前部の車幅方向両端部には、アッパーガーニッシュ30の組付けの際に用いられる1対の組付け用突出部50が、アッパーガーニッシュ30の1対の側壁部30b(意匠面側部30c)から車幅方向外側へ突出状に一体的に設けられ、これら組付け用突出部50に、左右1対の被ガイド部51、左右1対の溝部52、左右1対の突起部53が形成されている。
【0043】
1対の被ガイド部51は、アッパーガーニッシュ30の組付け時に1対のフロントピラー10のフランジ部10dに夫々車室13側から当接してガイドされるように設けられ、1対の溝部52は、夫々、アッパーガーニッシュ30の各被ガイド部51とその車幅方向内方に位置する意匠面側部30cとの間の部分に、アッパーガーニッシュ30の組付け後にフロントピラー10に装着するフロントピラーガーニッシュ17の下端部17aが差込まれるように設けられている。
【0044】
また、1対の突起部53は、夫々、アッパーガーニッシュ30の各被ガイド部51と溝部52との間の部分に、アッパーガーニッシュ30の組付け時における車幅方向の移動に対して、フロントピラー10のフランジ部10dの車幅方向内端に車幅方向内側から当接してフランジ部10dと意匠面側部30cとの接触を防ぐように設けられている。
【0045】
詳しく説明すると、被ガイド部51は前後方向に細長く形成され、被ガイド部51の上面51aがフランジ部10dの下面10eに当接し、ここで、アッパーガーニッシュ30の組付時の姿勢(アッパーガーニッシュ30をフロントピラー10の傾斜角度よりも水平側に倒した傾斜姿勢)で、被ガイド部51の上面51aがフランジ部10dの下面10eに面接触するように、被ガイド部51の上面51aが平滑な傾斜状に形成されている。
【0046】
突起部53は、アッパーガーニッシュ30の前端部から意匠面側部30cと平行に後方へ延び、意匠面側部30cよりも高くなるように形成され、この突起部53の後部の下端部に、被ガイド部51の前部の車幅方向内側へ張出した車幅方向内端部が繋がれ、また、被ガイド部51から後側へ延びる後部延長部54が一体的に設けられている。
【0047】
突起部53及び被ガイド部51及び後部延長部54と意匠面側部30cとの間に、突起部53及び被ガイド部51及び後部延長部54の車幅方向内側面を含む溝部52が形成されている。溝部52は、突起部53に対応する部分よりも突起部53よりも後方の被ガイド部51と後部延長部54と対応する部分の方が幅広に形成され、この幅広に形成された溝部52の底部には、フロントピラーガーニッシュ17の下端部17aから下方へ延びるフック部(図示略)が差込まれるフック孔52aが形成されている。
【0048】
また、図16に示すように、フロントピラー10のフランジ部10dの車幅方向内端と突起部53間の間隔L1が、被ガイド部51の車幅方向外端とフロントピラー10の車室13側の内面に沿って配設されたハーネス40とウォッシャホース41の取付ブラケット42間の間隔L2よりも小さくなるように構成されている。
【0049】
次に、アッパーガーニッシュ30の組付け動作について説明する。
図4に示すように、自動車Cの車体骨格が組立てられ、インストルメントパネル本体20が車室13の前端側に組付けられた状態で、フロントサイドドア開口14から車室13に搬入されたアッパーガーニッシュ30を、図5、図17〜図20に示すように、作業者がインストルメントパネル本体20の上部に車室13側から組付ける。この場合、アッパーガーニッシュ30は大型であるので取扱いにくく、また、アッパーガーニッシュ30の前端側部分(係合構造36)とその前端側部分を取付ける車体側の取付部分(カウルパネル6の門形部材39)とが視認しにくいが、次のように、アッパーガーニッシュ30を簡単に確実に組付けることが可能になる。
【0050】
先ず、図5、図17に示すように、アッパーガーニッシュ30がフロントピラー10の傾斜角度よりも水平側に倒れた傾斜姿勢になるようにして、作業者がアッパーガーニッシュ30を手で持って後方へ移動させ、ここで、アッパーガーニッシュ30の前端部分をカウルパネル6の方へ接近させつつ前方へ移動させることが好ましいが、そうすると、図16に示すように、1対の被ガイド部51が1対のフロントピラー10のフランジ部10dに車室13側から当接する。
【0051】
ここで、1対の被ガイド部51が1対のフランジ部10dに当接するまでは、アッパーガーニッシュ30を必ずしも前記の傾斜姿勢にする必要はないが、1対の被ガイド部51が1対のフランジ部10dに当接し、そこで、被ガイド部51は前後方向に長くて比較的大きな上面51aを有するので、作業者は1対の被ガイド部51の上面51aを1対のフランジ部10dの下面10eに面接触させることで、アッパーガーニッシュ30をその後の組付けに好ましい前記傾斜姿勢にすることができる。
【0052】
その後、図18に示すように、1対の被ガイド部51を1対のフランジ部10dに車室13側から当接させた状態を維持して、1対のフランジ部10dにガイドさせ、1対のフランジ部10dに沿ってフロントピラー10の下端側へ移動させる。このとき、アッパーガーニッシュ30が車幅方向へ振れ移動することが想定される。この場合、1対の被ガイド部51は1対のフランジ部10dに当接しているため、一方の突起部53が一方のフランジ部10dの車幅方向内端に車幅方向内側から当接して、そのフランジ部10dと一方の意匠面側部30cとの接触が防がれるとともに、被ガイド部51に対するフロントピラー10dの当接が維持される。
【0053】
ここで、1対のフロントピラー10の所定部位よりも前方部分においては、一方の突起部53が一方のフランジ部10dに当接した状態で、他方の被ガイド部51がフロントピラー10dに当接した状態が維持されるように構成することが好ましく、これにより、アッパーガーニッシュ30が車幅方向へ移動した場合でも、1対の被ガイド部51に対する1対のフロントピラー10dの当接が確実に維持される。
【0054】
こうして、アッパーガーニッシュ30を前記傾斜姿勢にして、1対の被ガイド部51を1対のフランジ部10dに当接させガイドさせて、フロントピラー10の下端側へ移動させることで、係合凸部37の傾斜ガイド面37bが門形部材39の受け部39cに後側から受止められて、アッパーガーニッシュ30の移動が停止し、次に、図19、図20に示すように、アッパーガーニッシュ30の前端を中心に、アッパーガーニッシュの後端が下降するように、アッパーガーニッシュ30を回動させる。
【0055】
すると、係合凸部37の傾斜ガイド面37bが門形部材39の受け部39cにガイドされて、係合凸部37が門形部材39内に導かれて差込まれていき、最終的に、アッパーガーニッシュ30の後端部分がインストルメントパネル本体20の段下受部22bに載置されると、係合凸部37が門形部材39に完全に差込まれて取付けられるとともに、アッパーガーニッシュ30の後端部分の係合爪が段下受部22bの複数の爪係合部に係合して取付けられる。
【0056】
こうして、アッパーガーニッシュ30が、インストルメントパネル本体20の上部にその車幅方向全幅に亙って且つインストルメントパネル本体20よりも前方へフロントピラー10の下端近傍の前後方向位置まで延びるように車室側から組付けられて、ダクト24,34が接続され、その後、フロントピラーガーニッシュ17、補強ピラーガーニッシュ18、ピラー繋ぎ部ガーニッシュ19aが装着され、特に、フロントピラーガーニッシュ17は、その下端部17aを溝部52に差込んで装着される。
【0057】
以上説明したインストルメントパネル16によれば、自動車Cの車室13の前端側に装備されたインストルメントパネル本体20と、インストルメントパネル本体20の上部にその車幅方向全幅に亙って且つインストルメントパネル本体20よりも前方へフロントピラー10の下端近傍の前後方向位置まで延びるように車室13側から組付けられるアッパーガーニッシュ30とを備えたので、インストルメントパネル本体20とアッパーガーニッシュ30とを自動車C外で個別に組立てて、インストルメントパネル本体20を車室13に搬入し車室13の前端側に組付けた後に、アッパーガーニッシュ30を車室13に搬入して、インストルメントパネル本体20の上部に車室13側から組付けて、インストルメントパネル16を構成でき、故に、インストルメントパネル16の全体を自動車C外で組立てて車室13に搬入するのが困難な場合に好適である。
【0058】
アッパーガーニッシュ30の組付けについては、作業者が車室13側から行うことになるが、アッパーガーニッシュ30の車幅方向両端部に、アッパーガーニッシュ30の組付け時に1対のフロントピラー10のフランジ部10dに夫々車室13側から当接してガイドされる1対の被ガイド部51を設けたので、アッパーガーニッシュ30の組付け時に、アッパーガーニッシュ30が大型であるので取扱いにくい場合でも、また、アッパーガーニッシュ30の前端側部分とその前端側部分を取付ける車体側の取付部分とが視認しにくい場合でも、1対の被ガイド部51を1対のフランジ部10dに車室13側から当接させてガイドさせ、1対のフランジ部10dに沿ってフロントピラー10の下端側へ移動させて、アッパーガーニッシュ30を組付け位置に簡単に確実に位置決めでき、故に、アッパーガーニッシュ30の組付性を改善できる。
【0059】
被ガイド部51を、フロントピラー10の車幅方向内側のフランジ部10dに当接可能に形成したので、フロントピラー10のフランジ部10dを有効利用し、つまり、フロントピラー10に別途被ガイド部51が車室13側から当接する部分を形成することなく、また、被ガイド部51を車幅方向外側へ大きく張出すように設けることなく、つまり、被ガイド部51をコンパクトにして、被ガイド部51をフロントピラー10のフランジ部10dに車室13側から確実に当接させてガイドさせることができる。
【0060】
アッパーガーニッシュ30の各被ガイド部51とその車幅方向内方に位置する意匠面側部30cとの間の部分に、アッパーガーニッシュ30の組付け後にフロントピラー10に装着するフロントピラーガーニッシュ17の下端部17aが差込まれる溝部52を設けたので、フロントピラーガーニッシュ17の下端部17aをアッパーガーニッシュ30に良好に見栄え良く結合でき、しかも、フロントピラーガーニッシュ17により被ガイド部51をカバーできるので、被ガイド部51を設けたことによる見栄えの悪化を防止できる。
【0061】
アッパーガーニッシュ30の各被ガイド部51と溝部52との間の部分に、アッパーガーニッシュ30の組付け時における車幅方向の移動に対して、フロントピラー10のフランジ部10dに車幅方向内側から当接してフランジ部10dと意匠面側部30cとの接触を防ぐ突起部53を設けたので、アッパーガーニッシュ30の組付け時に、のフランジ部10dと意匠面側部30cとが接触して意匠面側部30cに傷が付くのを防止でき、しかも、アッパーガーニッシュ30が車幅方向へ大きく振れて移動するのを抑制できるので、被ガイド部51に対するフランジ部10dの当接、即ちガイド性を維持でき、また、フロントピラーガーニッシュ17により突起部53をカバーできるので、突起部53を設けたことによる見栄えの悪化を防止できる。
【0062】
フロントピラー10の車室13側の内面に沿ってハーネス40とウォッシャホース41を配設し、フロントピラー10のフランジ部10dの車幅方向内端と突起部53間の間隔L1を、被ガイド部51の車幅方向外端とハーネス40とウォッシャホース41の取付ブラケット42間の間隔L2よりも小さくするように構成したので、アッパーガーニッシュ30の組付け時に、被ガイド部51によって、ハーネス40、ウォッシャホース41が取外される又は損傷するのを確実に防止できる。
【0063】
アッパーガーニッシュ30の前端部下面側に前方へ突出する係合凸部37を設け、アッパーガーニッシュ30の組付け時に、被ガイド部51がフロントピラー10のフランジ部10dにガイドされることで係合凸部37が後側から差込まれる門形部材39をカウル部材6の上面に取付けたので、1対の被ガイド部51を1対のフランジ部10dに車室13側から当接させてガイドさせ、1対のフランジ部10dに沿って移動させることで、係合凸部37を門形部材39に後側から確実に差込むことができ、アッパーガーニッシュ30を組付け位置により簡単に確実に位置決めできて、アッパーガーニッシュ30の組付性を一層改善できる。
【0064】
門形部材39に門形部材39よりも上方へ突出する受け部39cを一体的に設け、アッパーガーニッシュ30の組付け時に、被ガイド部51がフロントピラー10のフランジ部10dにガイドされることで係合凸部37が受け部39cに後側から当接して門形部材39内に導かれるように、係合凸部37の前端部に傾斜ガイド面37bを形成したので、1対の被ガイド部51を1対のフランジ部10dに車室13側から当接させてガイドさせ、1対のフランジ部10dに沿って移動させることで、係合凸部37の傾斜ガイド面37bを門形部材39の受け部39cに当接させてから、係合凸部37を門形部材39に後側から確実に差込むことができる。
【0065】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を付加して実施可能である。例えば、被ガイド部51、溝部52、突起部53の形状・サイズ等については、フロントピラー10の構成に応じて適宜変更可能である。そして、本発明については、インストルメントパネルを、インストルメントパネル本体とアッパーガーニッシュとで構成した種々の自動車のインストルメントパネルに適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明のインストルメントパネル等の上後方からの斜視図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】図1のIII −III 線断面図である。
【図4】インストルメントパネル本体等の上後方からの斜視図である。
【図5】組付時のアッパーガーニッシュ等の上後方からの斜視図である。
【図6】アッパーガーニッシュの平面図である。
【図7】アッパーガーニッシュの底面図である。
【図8】アッパーガーニッシュの前部の下前方からの斜視図である。
【図9】アッパーガーニッシュの上側方からの斜視図である。
【図10】図9のX −X 線断面図である。
【図11】フロントピラー等の上側方からの斜視図である。
【図12】フロントピラーガーニッシュ等の上側方からの斜視図である。
【図13】図12のXIII−XIII線断面図である。
【図14】カウルパネルと門形部材の上後方からの斜視図である。
【図15】フロントピラー等の切欠断面を有する内側からの斜視図である。
【図16】図5のXVI −XVI 線断面図である。
【図17】アッパーガーニッシュの組付け動作の説明図である。
【図18】アッパーガーニッシュの組付け動作の説明図である。
【図19】アッパーガーニッシュの組付け動作の説明図である。
【図20】アッパーガーニッシュの組付け動作の説明図である。
【符号の説明】
【0067】
C 自動車
6 カウルパネル
10 フロントピラー
10d フランジ部
16 インストルメントパネル
17 フロントピラーガーニッシュ
20 インストルメントパネル本体
30 アッパーガーニッシュ
30c 意匠面側部
37 係合凸部
37b 傾斜ガイド面
39 門形部材
39c 受け部
40 ハーネス
41 ウォッシャホース
42 取付ブラケット
51 被ガイド部
52 溝部
53 突起部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の車室前端側に装備されたインストルメントパネル本体と、このインストルメントパネル本体の上部にその車幅方向全幅に亙って且つインストルメントパネル本体よりも前方へフロントピラーの下端近傍の前後方向位置まで延びるように車室側から組付けられるアッパーガーニッシュとを備えた自動車のインストルメントパネルにおいて、
前記アッパーガーニッシュの車幅方向両端部に、アッパーガーニッシュの組付け時に1対のフロントピラーに夫々車室側から当接してガイドされる1対の被ガイド部を設けたことを特徴とする自動車のインストルメントパネル。
【請求項2】
前記被ガイド部は、フロントピラーの車幅方向内側のフランジ部に当接可能に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の自動車のインストルメントパネル。
【請求項3】
前記アッパーガーニッシュの前記各被ガイド部とその車幅方向内方に位置する意匠面側部との間の部分に、アッパーガーニッシュの組付け後にフロントピラーに装着するフロントピラーガーニッシュの下端部が差込まれる溝部を設けたことを特徴とする請求項2に記載の自動車のインストルメントパネル。
【請求項4】
前記アッパーガーニッシュの前記各被ガイド部と溝部との間の部分に、アッパーガーニッシュの組付け時における車幅方向の移動に対して、フロントピラーに車幅方向内側から当接してフロントピラーと前記意匠面側部との接触を防ぐ突起部を設けたことを特徴とする請求項3に記載の自動車のインストルメントパネル。
【請求項5】
前記フロントピラーの車室側内面に沿ってハーネス又はウォッシャホースが配設され、
前記フロントピラーのフランジ部の車幅方向内端と前記突起部間の間隔を、前記被ガイド部の車幅方向外端と前記ハーネス又はウォッシャホースの取付部間の間隔よりも小さくするように構成したことを特徴とする請求項4に記載の自動車のインストルメントパネル。
【請求項6】
前記アッパーガーニッシュの前端部下面側に前方へ突出する係合凸部を設け、
前記アッパーガーニッシュの組付け時に、前記被ガイド部がフロントピラーにガイドされることで前記係合凸部が後側から差込まれる門形部材が車体のカウル部材の上面に取付けられたことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の自動車のインストルメントパネル。
【請求項7】
前記門形部材に門形部材よりも上方へ突出する受け部が一体的に設けられ、
前記アッパーガーニッシュの組付け時に、前記被ガイド部がフロントピラーにガイドされることで前記係合凸部が前記受け部に後側から当接して前記門形部材内に導かれるように、前記係合凸部の前端部に傾斜ガイド面が形成されたことを特徴とする請求項6に記載の自動車のインストルメントパネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2009−6796(P2009−6796A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−168938(P2007−168938)
【出願日】平成19年6月27日(2007.6.27)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】