説明

自動車用ブレーキシステム

本発明は、ホイールブレーキシリンダを接続可能なマスターシリンダと、作動力を伝達する押圧ロッド(10)を介してブレーキペダル(9)に連結される第1ピストン(11)と、第1ピストン(11)で駆動されかつ第3ピストン(14)に力伝達接続される第2ピストン(12)とを有し、この第3ピストンを介してマスターシリンダ(3)が駆動されるブレーキシステムに関し、このブレーキシステムは、ブレーキバイワイヤ作動モードで、車両ドライバに快適なペダル感覚を与えるペダル移動シミュレータを形成する少なくとも1つの弾性部材(42,43)と、第1,第2ピストンの動きを連結する手段とを備え、これにより、ペダル移動シミュレータの接続および分離が行われる。ブレーキペダル上で目立った移動ロスを生じさせることなく、ペダル移動シミュレータを分離するため、本発明は、第1ピストン(11)および第2ピストン(12)の動きを連結する手段が、圧力供給が不足したときに自動的に作動し、圧力供給装置(2)により供給される液圧により、不作動とすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用ブレーキシステムに関し、このブレーキシステムは、ホイールブレーキシリンダが接続可能なマスターシリンダと、作動力を伝達するプッシュロッドを介してブレーキペダルに連結される第1ピストンと、マスターシリンダを駆動する第2ピストンと、第1ピストンで駆動されかつ第2ピストンに力伝達可能に接続可能な第3ピストンと、ブレーキバイワイヤ作動モードで車両ドライバに快適なペダル感覚を与えるペダル移動シミュレータを形成する少なくとも1つの弾性部材と、第1ピストンの動きを第3ピストンに連結するため手段と、液圧が作用する第2,第3ピストン間の中間スペースとを備え、この中間スペースの圧力が第2,第3ピストンを互いに反対方向に負荷を作用させ、更に、中間スペースへの圧力媒体の充填およびその排出の双方を可能とする電気的に制御可能な圧力供給モジュールと、弁装置とを備え、この弁装置により中間スペース内に供給する圧力を変更することができる。
【背景技術】
【0002】
自動車技術では、ブレーキバイワイヤ(brake-by-wire)ブレーキシステムを使用することが次第に広がっている。これらのブレーキシステムでは、ブレーキは、ドライバが積極的にアシストしない場合でも、電子信号により「外部から(extraneously)」作動することができる。これらの電子信号は、例えば電子安定プログラムであるESPまたは車間距離制御システムであるACCにより、出力することができる。この形式による外部からの作動がドライバによる作動と重複する場合は、自動車のドライバはブレーキペダルから反動を受ける。ブレーキペダルに作用するこの反動は、ドライバを驚かすものであり、ドライバにとって不快であり、したがって、危急の道路交通状況において、ドライバはこの状況に対応した程度までブレーキペダルを踏込むことをせず、これはブレーキの外部からの作動によるブレーキペダル上の反動が不快となる(irritate)からである。
【0003】
上述の一般的な形式のブレーキシステムは特許文献1に記載されている。制御用電子装置または電気エネルギ供給源が故障した場合でも作動力のアシストを可能とするため、従来のブレーキシステムは、第1,第3ピストン間に第4ピストンを配置しており、この第4ピストンは、第3ピストンと相互作用し、液圧チャンバを区切り、この液圧チャンバはブレーキペダルの作動により圧力媒体リザーバに対して遮断可能な液圧接続部を有し、この液圧チャンバ内に、作動力により圧力を形成でき、弁装置がこのチャンバ内に供給された圧力により作動可能であり、この弁装置により中間スペース内に供給される圧力を変化することができる。従来のブレーキシステムでは、ペダル移動シミュレータが、第3ピストンの移動距離の機能としてスイッチオフされ、これが作動中の距離損失を形成する点で不都合であることが判明した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際特許出願WO2006/042823A1
【発明の概要】
【0005】
したがって、本発明の目的は、上述の一般的形式のブレーキシステムであって、ペダル移動シミュレータが、ブレーキペダルの作動中に発生する移動距離の検出可能な損失を生じさせることなく、スイッチオフおよびスイッチオンされるブレーキシステムを提供することを目的とする。
【0006】
この目的を達成する本発明は、第1および第2ピストンの動きを連結するための手段が、圧力供給のないときに自動的に作動され、圧力供給装置から供給される液圧で不作動にすることができる。
【0007】
本発明のより具体的な観点では、本発明の主題の有益な発展例が、少なくとも1つの他の(第4)ピストンが設けられ、このピストンに圧力供給装置で供給された液圧を作用させることができ、このピストンはペダル移動シミュレータの作動により第1ピストンの移動を可能とし、または、このような移動を阻止する。
【0008】
本発明のブレーキシステムの他の有益な具体例が請求項3から22に記載してある。
【0009】
以下、添付図面を参照しつつ2つの例示的な実施形態についてより詳細に説明する。ここに、同様な部材には同様な符号を付してある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明によるブレーキシステムの第1の実施形態の図である。
【図2】図1の作動装置の拡大図である。
【図3】本発明によるブレーキシステムの第2の実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図に示す本発明によるブレーキシステムは、作動装置1と、圧力供給装置2とを備え、作動ユニットと圧力供給装置とはブレーキブースタを形成し、更に、ブレーキブースタにしたがって作動するブレーキマスターシリンダまたはタンデム型のマスターシリンダ3を備え、このマスターシリンダの図示しない圧力スペースは、大気圧の作用する第1圧力媒体リザーバ18に接続可能である。一方、圧力スペースは、ホイールブレーキ回路I,IIに接続され、これらのホイールブレーキ回路に、公知のABSまたはESP液圧装置または電気的に制御可能なホイールブレーキ圧力調節モジュール4が介挿されており、自動車のホイールブレーキ5−8に液圧媒体を供給する。ホイールブレーキ7,8は、駐車ブレーキスイッチ40で作動可能な電気作動部材38,39を設けるのが好ましく、これらの電気作動部材により駐車ブレーキ機能を実現することができる。概略的にのみ示すセンサ装置(sensor cluster)34は、図示しない横加速度センサと、偏揺れ速度センサとを含み、上述のホイールブレーキ圧力調節モジュール4と協働して電子安定機能(electronic stability function)(ESP)を実現する。ホイールブレーキ圧力調節モジュール4は、電子制御および調整ユニット41を設けられている。ハウジング20内に配置されかつタンデム型マスターシリンダ3が接続される作動装置1は、ブレーキペダル9を介して作動することができ、このブレーキペダルは作動ロッド10を介して作動装置1の第1ピストン11に機械的に連結される。ブレーキペダル9の作動距離(actuating travel)は、第1ピストン11の移動距離(travel)を検出する移動距離センサ19で検出される。しかし、ブレーキペダル9の回転角を検出する回転角センサも、同じ目的に使用することができる。
【0012】
上述の圧力供給装置2は、モータ/ポンプ組立体として形成された液圧高圧源30を備え、必要に応じて、高圧アキュムレータ29、圧力調整弁35,36,37、および、例えば作動ユニット1のハウジング20上に配置してもよい第2圧力媒体リザーバ21を備え、この圧力媒体リザーバは、第1圧力媒体リザーバ18と共に1つの構造ユニットを形成することが好ましい。同様に、圧力供給装置2内に一体化してもよい圧力センサ24は高圧源30から供給された圧力をモニタリングする作用をなす。高圧アキュムレータ29は、高圧源30のモータ/ポンプ組立体が、例えば急激なフルブレーキングまたはモータ/ポンプ組立体を駆動する電気エネルギが得られないとき等、そのロータの慣性質量により必要なポンピングパワーを直ちに形成することができないときに、ブレーキを作動するためのエネルギを供給する。この圧力供給装置2は、電子制御ユニット33を設けられており、この電子制御ユニットには、特に、移動距離センサ19および圧力センサ24からの出力信号が供給され、モータ/ポンプ組立体30および圧力調整弁35−37を作動する作用をなす。高圧源30は、参照符号31を付した液圧管路に接続され、圧力調整弁35,36間の管路部も、同様に、他の液圧管路32により作動ユニット1に接続されている。これらの2つの管路31,32の機能について、以下に詳細に説明する。
【0013】
特に図2から明らかなように、第1ピストン11は、第2ピストン12のガイド13内を移動可能に案内され、この第2ピストンは、タンデム型マスターシリンダ3の第1ピストンを形成してもよい第3ピストンと協働する。図示の実施形態では、圧力増大ピストン16が第2ピストン12と第3ピストン14との間に配置されている。第2ピストンと圧力増大ピストン16との間に、中間スペース22が区画され、これに液圧が作用すると、第2ピストン12がハウジング20に形成されたストッパ23に当接して保持され、圧力増大ピストン16およびタンデム型マスターシリンダの第1ピストン14に液圧が作用する結果、タンデム型マスターシリンダ3内に圧力が形成される。この負荷(load)による圧力増大ピストン16の移動は、第2移動距離センサ25で検出される。中間スペース22内に供給された圧力は、第2圧力センサ26で検出される。弾性部材または圧縮ばね42が第1ピストン11と力伝達部材45との間で作動するように配置されており、エラストマー状ばね43と共にペダル移動シミュレータを形成し、このペダル移動シミュレータは、ブレーキシステムが作動されたときに、通常のブレーキペダル特性に対応した通常と同様なペダル感覚を車両ドライバに与える。これは、僅かなブレーキペダル移動のときにゆっくりと抵抗が増大し、より大きなブレーキペダル移動のときに超比例的に増大することを意味する。
【0014】
弾性部材42を機械的に案内するために、ペダルに対向する力伝達部材の端部は、中空シリンダ44として形成されている。力伝達部材45は、第2ピストン12内を移動可能に案内され、シールされ、内部にパイロット制御チャンバ46を区画し、このパイロット制御チャンバに、圧力調整弁35−37が上述の液圧管路32を介して接続され、これにより、パイロット制御チャンバは、圧力調整弁35-37の好適な作動で設定されたパイロット制御圧を供給される。一方、パイロット制御チャンバ46は、スライド弁として形成された圧力調整弁装置50の弁ボディ47で区画されており、この圧力調整弁装置による支援により、中間スペース22内に供給する圧力を変えることができる。この場合、スライド弁47の第1制御縁部51は、第2ピストンに形成されて弁ボディ47の内部スペースを圧力媒体リザーバ21に接続可能な圧力媒体通路52の開口と協働する。他方、弁ボディ47の第2制御縁部53は、第2ピストン12内に形成されて他の圧力媒体通路54の開口と協働し、この他の圧力媒体通路は、第2ピストン12によりハウジング20内に区画されて上述の液圧管路31が開口する環状スペース55に接続される。更に他の圧力媒体通路56が弁ボディ47の内部スペースを中間スペース22に接続する。図示のように、弁ボディ47の静止位置では、弁ばね57の押圧力(prestress)の下で、ストッパ58で支えられた力伝達部材45に当接し、このストッパは第2ピストン12に設けられている。
【0015】
更に、図2から明らかなように、第2ピストン12内には、液圧スペース60が設けられており、この液圧スペースは上述の環状スペース55に接続され、比較的強力(high rating)な圧縮ばね59を収容し、この圧縮ばねをガイド13内に同軸状に移動可能に配置された第4ピストン61で支え、このピストンをガイド13の端部に当接する状態に保持する。第1ピストン11を軸方向に支える半径方向カラー62は、強力なばね59の作用により、ペダル移動シミュレータ42,43の作動に伴う第1ピストンの動きを阻止するように、第4ピストン61を支える作用をなす。
【0016】
第1(通常の)作動モード、すなわち液圧ブースタ作動モードでは、ブレーキシステムが完全に機能している場合に、ピストン61の符号「A」で示す環状面に高圧源30から供給された高圧力が作用し、第4ピストン61が図の左方に移動し、第1ピストン11を解放し、ペダル移動シミュレータ42,43が作動され、ドライバは通常のペダル感覚を与えられる。圧力調整弁35−37の対応する作動により、パイロット制御チャンバ46にパイロット制御圧が作用し、これに続く弁ボディ47の移動により、圧力媒体リザーバ21に延びる圧力媒体通路52が遮断され、圧力媒体通路54が解放され、これにおり、中間スペース22に調節された高い圧力が作用する。この高圧力が作用する結果、第2ピストン12が上述のストッパ23に当接させて保持され、圧力増大ピストン16がブレーキマスターシリンダ3の作動方向に移動する。他の場合は、中間スペース22内の圧力を自由に選択でき、したがって、ブレーキ圧のブレーキペダル作動依存性を必要に応じてプログラムする(programmed)ことができる。この場合、望ましくないペダル反動が排除される。この電子的な作動による圧力調整は、圧力アキュムレータおよび圧力調整弁の技術的データで与えられる動力学の枠組みの中で、その伝達動作を自由に選定することができる利点がある。したがって、ブレーキペダル9に触れたときに所定のブレーキ圧値への跳ね上りについて通称されるようなジャンパ機能、ブレーキ支援機能、例えばASR(トラクション制御)、ESP(電子安定プログラム)およびACC(適応巡航制御)に必要な減速制御および自律制動を、ソフトウェア的手段で実現することができる。このため、ブレーキペダル作動の形態のドライバの指示が、移動距離センサ、力センサ又は他のセンサで検出され、明確には図示してないコンピュータユニットで好適なアルゴリズムを使用して、ホイールブレーキ圧に変換され、このブレーキ圧が圧力供給装置2の電子的に切換可能な弁および続くABS/ESP制御モジュール4の支援で実現される。
【0017】
第2作動モードは、機械的及び/又は電気的な故障が発生し、圧力調整弁35−37を作動不良とし、したがって第1逆戻りレベル(relapse level)となり、パイロット制御チャンバ46内にパイロット制御圧が供給されない状態に対応する。この場合、ブレーキペダル9に導入された作動力が力伝達部材44に伝達されることにより、圧力制御弁装置50が作動され、中間スペース22に、上述の場合と同様に調整された高圧力が作用する。
【0018】
第3作動モードは、液圧供給装置2で形成された圧力がなく、または、高圧源29または30が故障したことに特徴があり、ここでは高圧力を利用できず、第2逆戻りレベル(relapse level)に対応し、第1(11)または第2(12)ピストンと、圧力増大ピストン16または第3ピストン14との間の純粋に機械的な力伝達により、ブレーキマスターシリンダ3内に圧力が形成され、このとき、上述の強力なばね59は作動力で圧縮される。
【0019】
本発明によるブレーキシステムの図3に示す第2実施形態は、図1に示す第1実施形態にほぼ対応する。モータ/ポンプ組立体30aが高圧源として用いられている。他の相違点は、第1(11)および第2(12)ピストンの動きを連結する手段のデザインから見ることができ、この手段は、第2ピストン12の上述のガイド13の周りに一定の角度間隔で配置された複数のピストン63,64と、ピストン63,64と協働する環状力伝達ディスク65とで形成される。力伝達ディスク65は、圧縮ばね66を介して第1ピストン11の作動方向に対して対抗する方向に付勢され(prestressed)、この圧縮ばね66の付勢力によりピストン63,64および更にガイド13および第1ピストン11に軸方向に当接して支えられる。図示の例示的な実施形態では、圧縮ばね66は、第2ピストン12のドライ状態の内側スペース内に配置されている。この第1ピストン11の解放は、第1実施形態と同様に、高圧源30aで供給される圧力がピストン63,64に作用し、これによりピストン63,64が移動し、したがって力伝達ディスク65が図の左方に移動することにより行われる。
【0020】
本発明により、ブレーキペダル特性が他のブレーキシステムの作動状態に依存することなく、この結果、ドライバによる制動の際、ペダル感覚が、同時に発生する外的制動、又は、アンチロック制御、トラクション制御若しくは走行安定制御等の他の制御動作のいずれでも妨害されることのない、ブレーキシステムの簡単な構造が達成される。
【0021】
このブレーキシステムは、更に、従来のブレーキシステムよりも構造が簡単である利点を有する。電子安定制御機能(ESP)を備えた車両は、例えば、通常のABS液圧装置(hydraulics)よりも更に複雑な特別のESP液圧装置を必要としており、これは、ABS液圧装置に比して、マスターシリンダ圧よりも高いホイールブレーキ圧を形成する能力を有する必要があるためである。
【0022】
本発明によるブレーキを備えた車両では、特別なESP液圧装置は不必要であり、本発明による外部液圧装置(extraneous brake hydraulics)は、通常のABSシステムに組合され、より好適な機能を成す。通常のESP液圧装置よりも、電磁的に作動可能な弁の必要数は少ない。更に、本発明によるブレーキシステムは、通常のESP液圧装置よりも、エネルギバランスがより好適で、ノイズの発生もより少なく、これは、圧力制限弁における動圧発生のために、ESP作動モードで必要とされるブレーキ流体のポンプによる循環が必要でないからである。従来技術で示されているものに比してノイズ発生の改善が達成されており、これは、弁、モータまたはポンプ等の騒音発生部材が、ハウジングで囲まれかつ車両内で構造上発生する騒音に影響するスプラッシュボード接続されるモジュールの内側に配置されていないからである。
【0023】
電気エネルギ供給が短時間にわたって故障したときにブレーキブースト(brake boosting)を維持する目的が達成され、この場合には、(通常の)作動モードを前提とするだけの電気エネルギが存在し、逆戻りレベルは液圧または機械的エネルギのみを必要とする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
・ホイールブレーキシリンダを接続可能なマスターシリンダ(3)と、
・プッシュロッド(10)を介してブレーキペダル(9)に連結され、作動力を伝達する第1ピストン(11)と、
・前記第1ピストン(11)で作動可能な第2ピストン(12)と、
・前記第2ピストンが力伝達可能に接続され、これを介して前記マスターシリンダ(3)が作動される第3ピストン(14)と、
・ペダル移動シミュレータを形成し、ブレーキバイワイヤの作動モードで車両ドライバに好適なペダル感覚を与える少なくとも1つの弾性部材(42,43)と、
・前記第1ピストンおよび第2ピストンの動きを連結し、この結果で前記ペダル移動シミュレータをスイッチオンまたはスイッチオフする手段と、
・前記第2および第3ピストン(12,14)間で液圧が作動可能な中間スペース(22)とを備え、この中間スペース(22)の圧力の作用で、前記第2および第3ピストン(12,14)を反対方向に付勢し、更に、
・高圧源(29,30)を有しかつ前記中間スペース(22)への圧力媒体の充填およびその排出を可能とする電気的に制御可能な圧力供給装置(2)と、
・前記中間スペース(22)への圧力供給を変化可能な弁装置(50)とを備える、自動車用ブレーキシステムであって、
前記第1ピストン(11)および第2ピストン(12)の動きを連結する手段は、圧力供給がないときに自動的に作動し、前記圧力供給装置(2)で供給される液圧で不作動にすることが可能であることを特徴とするブレーキシステム。
【請求項2】
少なくとも1つの他のピストン(61)が設けられ、このピストンは圧力供給装置(2)で形成される液圧が作用可能で、ペダル移動シミュレータ(42,43)の作動による第1ピストン(11)の移動を可能とし、又は、そのような移動を阻止することが可能である請求項1に記載のブレーキシステム。
【請求項3】
前記他のピストン(61)は、第1ピストン(11)の作動方向に対して反対に向け、圧縮ばね(59)により付勢されていることを特徴とする請求項2に記載のブレーキシステム。
【請求項4】
前記他のピストン(61)は、第2ピストン(12)内に圧力スペース(60)を区画し、このスペース内への圧力媒体の供給により、ピストンの移動と圧縮ばね(59)の圧縮とを生じさせることを特徴とする請求項3に記載のブレーキシステム。
【請求項5】
前記圧力スペース(60)は、高圧源(30)に接続されることを特徴とする請求項4に記載のブレーキシステム。
【請求項6】
前記圧縮ばね(59)は、圧力スペース(60)内に配置されていることを特徴とする請求項5に記載のブレーキシステム。
【請求項7】
前記他のピストン(61)は、前記第1ピストン(11)および第2ピストン(12)と同軸状に配置される環状ピストンとして形成されていることを特徴とする請求項2から6のいずれか1つに記載のブレーキシステム。
【請求項8】
前記環状ピストン(61)は、第2ピストン(12)のガイド(13)上を移動可能に案内されることを特徴とする請求項7に記載のブレーキシステム。
【請求項9】
前記弁装置(50)は、第2ピストン(12)に一体化されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1つに記載のブレーキシステム。
【請求項10】
前記弁装置(50)は、スライド弁として形成されていることを特徴とする請求項9に記載のブレーキシステム。
【請求項11】
前記弁装置(50)は、圧力供給装置(2)により電子的に調整されたパイロット制御圧で電気液圧的に作動可能であり、更に、前記第1ピストン(11)で機械的に作動可能であることを特徴とする請求項9又は10に記載のブレーキシステム。
【請求項12】
複数の他のピストン(63,64)が設けられ、これらのピストンは、前記第2ピストン(12)の対称軸の周りに一定の角度間隙で第2ピストン(12)内に配置され、圧力供給装置(2)から供給される液圧により、作動方向に作動されることを特徴とする請求項2から5のいずれか1つに記載のブレーキシステム。
【請求項13】
前記他のピストン(63,64)は、ペダル移動シミュレータ(42,43)の作動で第1ピストン(11)の移動を可能とし又はこのような移動を阻止する環状力伝達ディスク(65)と協働することを特徴とする請求項12に記載のブレーキシステム。
【請求項14】
前記他のピストン(63,64)は、第1ピストン(11)の作動方向の反対に向けて圧縮ばね(66)により付勢され、この圧縮ばねは第1ピストン(11)と同軸状に前記第2ピストン(12)の内側に配置されていることを特徴とする請求項13に記載のブレーキシステム。
【請求項15】
前記第1ピストン(11)の位置および動きを検出するための移動センサ(19)が設けられ、この出力信号が電子制御ユニット(33)に供給され、圧力調整弁(35−37)を作動するために作用することを特徴とする請求項1から14のいずれか1つに記載のブレーキシステム。
【請求項16】
前記圧力源装置(2)から送られた液圧を検出する圧力センサ(24)が設けられ、この出力信号は電子制御ユニット(33)に供給されることを特徴とする請求項1から15のいずれか1つに記載のブレーキシステム。
【請求項17】
前記圧力供給装置(2)は、高圧液圧アキュムレータ(29)を有することを特徴とする請求項1から16のいずれか1つに記載のブレーキシステム。
【請求項18】
前記高圧液圧アキュムレータは、十分な寸法に形成されたばね(59,66)と圧力スペース(60,63,64)とで形成されることを特徴とする請求項1から16のいずれか1つに記載のブレーキシステム。
【請求項19】
圧力供給モジュール(13)が電気的に制御可能な圧力調整弁(35,36,37)を有することを特徴とする請求項1から18のいずれか1つに記載のブレーキシステム。
【請求項20】
電子制御ユニット(33)が圧力供給装置(2)に設けられていることを特徴とする請求項1から19のいずれか1つに記載のブレーキシステム。
【請求項21】
圧力供給装置(2)の電子制御ユニット(33)とホイールブレーキ圧力調整モジュール(4)とが、構造ユニットを形成し、または、共通の制御ユニットに組み合わせられることを特徴とする請求項1から15のいずれか1つに記載のブレーキシステム。
【請求項22】
圧力供給装置(2)とホイールブレーキ圧力調整モジュール(4)とが構造ユニットを形成することを特徴とする請求項1から21のいずれか1つに記載のブレーキシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−524755(P2010−524755A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−503439(P2010−503439)
【出願日】平成20年3月19日(2008.3.19)
【国際出願番号】PCT/EP2008/053334
【国際公開番号】WO2008/128835
【国際公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(500030596)コンチネンタル・テベス・アーゲー・ウント・コンパニー・オーハーゲー (126)
【Fターム(参考)】