説明

行動支援システム及び携帯端末

【課題】災害が発生した状況下における被災者又は防災担当者の危険事象又は生体異変の発生を個人ごとに予測して通知できるようにする。
【解決手段】携帯端末MSaにおいてWebブラウザ212上で入力された作業従事者の活動状態を表す情報、つまり衣服量、歩行速度及び運動形態を表す情報と、センサ26,27,28から取り込んだ気温、湿度及び風速の各計測データを、httpレスポンスとして管理サーバSVaへ送信し、管理サーバSVaにおいて、携帯端末MSaから送られた上記作業従事者の活動状態を表す情報及び各センサの各計測データをもとに当該作業従事者の活動指標(寒冷指標)を算出して、この算出結果を警告メッセージと共に携帯端末MSaに送信して表示させるようにしたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば災害時活動における作業従事者の行動を支援する行動支援システム及び携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、冬季の積雪地域で地震や水害等が発生した場合、被災者や災害対応に従事する防災関係者は寒冷な環境にさらされる。寒冷環境は、人間の身体及び精神面に様々な影響を与える。特に、四肢の活動や認識能力への影響は、被災者や災害対応活動中の防災関係者にとって身の安全に直接的に関係するため非常に重要である。寒冷環境が人体に及ぼす生理的負担を寒冷ストレスと呼ぶ。例えば、積雪期の北海道において地震や津波、高潮等が発生し、その災害対応のために戸外で活動せざるを得なくなったり、また暖房設備が機能しない屋内で救助を待つといった状況に陥った場合に、防災関係者や被災者はこの寒冷ストレスにさらされる。
【0003】
一方、大気や水質等の自然環境に係わる情報を広域にわたって測定し、その測定結果をセンタで収集して利用する環境モニタリングシステムが種々提案されている(例えば特許文献1又は特許文献2を参照。)。このような環境モニタリングシステムにより得られる測定情報を利用すれば、天候や気温等の自然環境の状況を考慮してより効率の良い災害救援活動が期待できる。
【0004】
【特許文献1】特開2004−310439号公報
【0005】
【特許文献2】特開2004−155908号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の各種環境モニタリングシステムはいずれも広域の自然環境を計測対象としている。このため、その測定情報を災害対応に役立てようとしても、広域ごとの災害救援活動等に止まり、例えば被災者や防災担当者ごとの寒冷ストレスに起因する活動効率の低下や活動継続リスクの回避策等に利用することが困難である。
【0007】
この発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、被災者や防災担当者の活動に係わる環境指標を個人ごとに予測して通知できるようにし、これにより被災者又は防災担当者ごとの活動効率の低下や活動継続リスクを事前に回避することが可能な行動支援システム及び携帯端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一般に、局所環境下で行動する個人が遭遇する身辺の自然環境の変化、特に健康上の被害をもたらす可能性のある危険事象の発生もしくは生体の異常に対応する処置としては、発生してしまった後の危険事象または生体異変そのものを検出する事後措置よりも、むしろこれらを誘発する虞れのある事象を未然に検出し、リスクの段階で予防措置を講じることが重要である。なぜならば、予防措置の段階では、本人が自助自立的に実行可能な簡易な対応措置で済む場合が多いが、一旦危険事象が発生してしまった段階では一刻を争うレベルの迅速で高度な対応が要求され、もはや自助自立的な措置では対応しきれず第三者による救命措置が必要となる場合が多いからである。
【0009】
この発明の第1の観点は、以上の点を考慮してなされたもので、周辺環境に起因して生体自身又は身辺に発生する事象の状態量を検出対象とするセンサが接続され、さらに情報の入力手段及び提示手段を備える携帯端末と、この携帯端末との間で通信ネットワークを介して情報通信が可能な管理装置とを具備する行動支援システムにあって、
前記携帯端末において、前記センサから前記事象の状態量の検出情報を取得すると共に、携帯端末所持者の活動状態を表す情報を前記情報入力手段を介して受け付け、前記取得した検出情報及び前記受け付けた活動状態を表す情報を前記通信ネットワークを介して前記管理装置へ送信する。これに対し前記管理装置では、前記携帯端末から送信された、前記検出情報及び活動状態を表す情報を前記通信ネットワークを介して受信し、この受信された検出情報及び活動状態を表す情報に基づいて前記携帯端末所持者の活動に係わる局所的環境指標を算出する。そして、この算出された局所的環境指標を表す情報を前記通信ネットワークを介して前記検出情報及び活動状態を表す情報の送信元となる携帯端末へ送信し、前記携帯端末所持者に提示させるようにしたものである。
【0010】
一方、この発明の第2の観点は、携帯端末において、周辺環境に起因して生体自身又は身辺に発生する事象の状態量の検出情報をセンサから取得すると共に、携帯端末所持者の活動状態を表す情報の入力を受け付け、この取得した検出情報及び活動状態を表す情報に基づいて上記携帯端末所持者の活動に係わる局所的環境指標を算出し、当該所持者に対し提示するように構成したものである。
【0011】
したがってこの発明の第1及び第2の観点によれば、携帯端末所持者ごとにセンサによって検出された生体自体又は身辺に発生する事象の状態量と、当該所持者の活動状態に基づいて、当該所持者の活動に係わる局所的環境指標が算出されて上記所持者に提示される。このため、被災者や防災関係者はそれぞれ、自身が遭遇する身辺の自然環境の変化、特に健康上の被害をもたらす可能性のある寒冷ストレス等に対し適切な措置を講じることが可能となり、これにより被災者又は防災担当者ごとにその活動効率の低下や活動継続リスクを事前に回避することが可能となる。
【0012】
またこの発明の第1の観点は、以下の構成要素を備えることも特徴とする。
第1の構成は、前記管理装置から携帯端末へ、前記携帯端末所持者の活動状態を表す情報の入力項目が記載された入力フォーマットデータを前記通信ネットワークを介して送信し、携帯端末において前記管理装置から送信された入力フォーマットデータを所持者に提示して活動状態を表す情報を入力させるようにしたものである。
このようにすれば、携帯端末所持者は必要な情報を洩れなくかつ迅速に入力することが可能となり、これにより所持者の活動に係わる局所的環境指標をより正確に算出することができる。
【0013】
第2の構成は、前記事象の状態量の検出情報として、外気温、湿度及び風速の測定情報をセンサから取得し、活動状態を表す情報として、衣服量、歩行速度及び運動形態を表す情報を受け付ける。そして、局所的環境指標を算出する際に、先ず前記衣服量を衣服の熱抵抗値に変換すると共に前記運動形態を運動産熱量に変換し、この変換された衣服の熱抵抗値、歩行速度、運動産熱量、外気温、湿度及び風速をもとに必要な衣服保温力及び最大滞在推奨時間を算出する。そして、この算出された衣服保温力及び最大滞在推奨時間をもとに、活動を継続するための条件とその制限時間を表す通知メッセージを生成するようにしたものである。
このようにすると、被災者や防災担当者に対し、その活動指標として個別の寒冷指標を提示することが可能となる。
【0014】
第3の構成は、管理装置において、前記携帯端末所持者の活動エリアを含む広域の気象情報を気象情報サーバから取得し、この取得した気象情報と現在時刻情報をもとに局所的環境指標を補正する処理をさらに行うようにしたものである。
このようにすると、被災者や防災担当者自身の局所的環境情報だけでなく、広域の気象情報を加味して、つまり予想される天気や気温等の変化も考慮して、局所的環境指標をより的確に推測し提示することが可能なる。
【発明の効果】
【0015】
要するにこの発明によれば、災害が発生した状況下における被災者又は防災担当者の危険事象又は生体異変の発生を個人ごとに予測して通知することができるようになり、これにより被災者又は防災担当者ごとの活動効率の低下や活動継続リスクを事前に回避することが可能な行動支援システム及び携帯端末を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照してこの発明に係わる実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1は、この発明の第1の実施形態に係わる行動支援システムの概略構成図である。
このシステムは、被災者や防災関係者等の作業従事者が所持する携帯端末MSaを、通信ネットワークNWを介して管理装置としての管理サーバSVaに接続可能としたものである。なお、実際に多数の携帯端末が存在するが、同図では説明の簡単のため1台のみ図示している。
通信ネットワークNWは、例えばインターネットに代表されるIP(Internet Protocol)網と、このIP網にアクセスするためのアクセス網とから構成される。アクセス網としては、例えば携帯電話網や無線LAN(Local Area Network)が用いられる。
【0017】
管理サーバSVaは、例えばWebサーバからなり、自治体の防災センタに設置される。図2はそのハードウエア及びソフトウエアの構成を示すブロック図である。
すなわち、管理サーバSVaは、中央制御ユニット(Central Control Unit;CPU)11を備え、このCPU11に対しバス12を介してプログラムメモリ13、データメモリ14、通信インタフェース(通信I/F)15、データベース(DB)16及び入出力インタフェース(入出力I/F)17を接続したものである。
【0018】
通信I/F15は、CPU11の制御の下で、通信ネットワークNWにより規定される通信プロトコルに従い、被災者や防災関係者が所持する携帯端末MSaとの間でデータ通信又はメール通信を行う。通信プロトコルとしては、例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)又はHTTP/IP(Hyper Text Transport Protocol/Internet Protocol)が使用される。
【0019】
入出力I/F17には、入力デバイス18及び表示デバイス19が接続される。入力デバイス18は、例えばキーボード及びマウスにより構成される。表示デバイス19は液晶ディスプレイからなる。入出力I/F17は、上記入力デバイス18による操作情報をCPU11に伝えると共に、CPU11からの表示指示に従い表示情報を上記表示デバイス19に表示させる。
【0020】
データベース16には、被災者や防災関係者等の作業従事者が所持する携帯端末MSaのアドレス等を管理するための作業従事者管理データと、携帯端末MSaの所持者にその活動状態を表す複数の項目を入力させるための電子ドキュメントファイルと、後述する活動指標算出プログラムにより作業従事者ごとに計算された活動指標を表す情報が記憶される。
【0021】
プログラムメモリ13には、この発明を実施するために必要なアプリケーション・プログラムとして、ページ生成・配信プログラム131と、作業従事者管理プログラム132と、活動指標算出プログラム133が格納されている。なお、データメモリ14は、上記各プログラムの実行過程で生成されるデータや通信I/F15により送受信されるデータ等を一時的に保存するために用いられる。
【0022】
ページ生成・配信プログラム131は、上記CPU11に以下のような処理を実行させる。すなわち、携帯端末MSaの所持者にその活動状態を表す情報を項目別に入力させるための入力フォーマットデータを、HTML(HyperText Markup Language)又はXHTML(eXtensible HyperText Markup Language)(以後、両者を一括してHTML(XHTML)と記す)により記述した電子ドキュメントファイルを生成し、この生成された電子ドキュメントファイルを前記データベース16に格納する。そして、携帯端末MSaのWebブラウザから送信されたアクセス要求が通信I/F15で受信された場合に、上記データベース16から入力フォーマットの電子ドキュメントファイルを読み出して、要求元の携帯端末MSaへ上記通信I/F15から配信させる。またそれと共に、上記電子ドキュメントファイルに対し携帯端末MSaのWebブラウザで入力されたhttpレスポンスデータを、上記通信I/F15を介して受信する。
【0023】
作業従事者管理プログラム132は、作業従事者が所持する携帯端末MSaのアドレス等を管理する処理と、活動指標算出プログラム133により作業従事者ごとに計算された活動指標を表す情報を作業従事者の識別情報に対応付けて上記データベース16に記憶させる処理を、上記CPU11に実行させる。
【0024】
活動指標算出プログラム133は、上記携帯端末MSaのWebブラウザから送られた作業従事者の活動状態を表す情報及びセンサの測定データに基づいて、当該作業従事者の活動指標を算出し、さらにその算出結果に基づいて警告メッセージを生成する処理を、上記CPU11に実行させる。
【0025】
一方、携帯端末MSaは例えば携帯電話機又はPDA(Personal Digital Assistant)からなり、以下のように構成される。図3はそのハードウエア構成を示すブロック図である。
すなわち、携帯端末MSaは、携帯端末本体20と、この携帯端末本体20に対しシリアルインタフェース29を介して接続される気温センサ26、湿度センサ27及び風速計28とを備えている。気温センサ26、湿度センサ27及び風速計28はそれぞれ携帯端末MSa周辺の気温、湿度及び風速を測定してその測定データを出力する。
【0026】
携帯端末本体20は、情報処理部21と、通信インタフェース22と、情報記憶部23と、例えば液晶ディスプレイからなる表示部24と、ダイヤルキーパッドと機能キー群とから構成される入力インタフェース25とを備えている。通信インタフェース22は、情報処理部21の制御の下で管理サーバSVaとの間で無線による情報データの送受信を行う。情報記憶部23には、所持者が任意に作成した電話帳データ等と共に管理サーバSVaのURL(Uniform Resource Locator)が記憶される。また情報記憶部23は、上記各センサ26,27,28による測定データや、所持者が入力した自身の活動状態を表す情報、管理サーバSVaから送られた活動指標を表す情報を保存する場合にも用いられる。
【0027】
情報処理部21は、マイクロプロセッサ等のCPUとプログラムメモリを有する。プログラムメモリには、この発明を実施するために必要なアプリケーション・プログラムとして、センサ26,27,28の各測定データをシリアルインタフェース29を介して取り込むセンサ情報処理プログラム211と、Webブラウザ212と、管理サーバSVaから送られた活動指標を表す情報を表示部24に表示させるプログラムが格納されている。
【0028】
このうちWebブラウザは、入力インタフェース25によるアクセス要求の入力に応じて上記管理サーバSVaに対しアクセスし、このアクセスに応じて管理サーバSVaからダウンロードされる電子ドキュメントファイルを受信してその入力フォーマットデータを表示部24に表示させる。そして、上記表示された入力フォーマットに従い所持者が入力インタフェース25を介して入力した活動状態を表す情報と、上記センサ26,27,28から取り込んだ各測定データを管理サーバSVaへ送信する処理を、上記CPUに実行させる。
【0029】
次に、以上のように構成された管理サーバSVa及び携帯端末MSaの動作を説明する。図4はその処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
携帯端末MSaにおいて、その所持者(作業従事者)が復旧業務開始に際し、Webブラウザ212を起動し、所要ページに対応したURLを指定入力したとする。そうするとWebブラウザ212は、HTTP(HyperText Transfer Protocol)リクエストにより、管理サーバSVaに対し入力用電子ドキュメントファイルのダウンロード要求を送信する。
【0030】
これに対し管理サーバSVaは、上記携帯端末MSaからHTTPリクエストが到来すると、ステップS41においてページ生成・配信プログラム311を起動する。そして、入力フォーマットデータがHTML(XHTML)コードにより記述された電子ドキュメントファイルをデータベース16又はデータメモリ14から読み出し、この読み出した電子ドキュメントファイルを要求元の携帯端末MSaに向けてダウンロードする。
【0031】
携帯端末MSaのWebブラウザ212は、上記電子ドキュメントファイルがダウンロードされると、この電子ドキュメントファイルを表示部24に表示させる。このとき、上記電子ドキュメントファイルには、Webブラウザ212上でWebページを生成及び表示するためのコード情報とともに、携帯端末MSaのWebブラウザ212上で動作するセンサ情報処理プログラム211が例えばJava(登録商標)Scriptにより記述されている。したがって、携帯端末MSaの表示部24には、例えば図6に示すように、活動状態を表す複数の項目を入力するための選択ボタンB1、センサの計測を開始させるためのボタンB2が表示される。
【0032】
この状態で、先ず作業従事者は、上記入力フォーマットに表示された選択ボタンB1を順次押下することにより、自分自身の活動状態を項目別に選択入力する。Webブラウザ212は、ステップS42において、上記選択ボタンB1により選択された各入力項目の情報を取り込む。かくして、衣服量、歩行速度及び運動形態がそれぞれ選択入力される。
【0033】
次に作業従事者は、センサ計測開始ボタンB2を順次押下する。そうすると、ステップS43においてJava(登録商標)Scriptにより記述されたセンサ情報処理プログラム211が起動する。この結果、ステップS44において、気温センサ26、湿度センサ27及び風速センサ28によりそれぞれ計測された気温、湿度及び風速の各計測データがシリアルインタフェース29を介して取り込まれる。
【0034】
上記各計測データの取り込みが完了するとWebブラウザ212は、ステップS45において、上記取り込まれた作業従事者の活動状態を表す情報、つまり衣服量、歩行速度及び運動形態を表す情報と、上記センサ26,27,28から取り込んだ気温、湿度及び風速の各計測データをhttpレスポンスとして管理サーバSVaへ送信する。
【0035】
一方、管理サーバSVaは、携帯端末MSaから上記作業従事者の活動状態を表す情報及び各センサの各計測データを受信すると、ステップS46において活動指標算出プログラム133が起動し、上記受信された各情報に基づいて当該作業従事者の活動指標(ここでは寒冷指標)を算出する。
【0036】
図5は、この寒冷指標の算出処理手順と処理内容を示すフローチャートである。なお、このフローチャートのうちステップS51,S52は携帯端末MSaにおいて実行されるステップである。
寒冷に関する指標の一つにWind Chill Temperature(WCT)がある。これは、風速の影響を加味した気温の冷たさを、静穏状態(風速4.2km/h)の気温で表したもので、次式で示される。
WCT=13.12+0.6215×Ta−11.37×V0.16+0.3965×Ta×V0.16 ………(1)
ここで、WCT:[℃]、Ta:気温[℃]、V:地上高10mにおける風速[km/h]である。WCTは、太陽による熱の影響を考慮していない。また、3mph(約1.34m/s)での歩行状態における等価気温である。
【0037】
また、寒冷環境の諸条件と人体の熱収支に基づく指標としては、ISO 11079(2007)で定められているIREQ(required clothing insulation)およびDLE(duration limited exposure)が挙げられる。IREQは、寒冷環境での活動において、体温や皮膚温をある許容可能な水準に保つために必要な衣服の保温力と定義され、身体の熱生産と環境への熱放射(環境が身体にもたらす冷却力)のバランスによって算出される。IREQの基本定義式は次の通りである。
IREQ = (Tsk−Tcl)/R + C………(2)
ただし、環境条件として次の範囲が推奨されている。Ta≦10℃、0.4m/s≦Va≦18m/s、Icl>0.078m2K/W (0.5clo)、である。ここで、IREQ:[m2K/W]、Tsk:平均皮膚温度[℃]、Tcl:衣服表面温度[℃]、R:放射熱交換量[W/m2]、C:対流熱伝達量[W/m2]、Va:相対風速[m/s]、Icl:衣服の熱抵抗[m2K/W]である。
また、IREQをclo値で示す場合は次式にて換算される。
1clo=0.155 m2K/W。
【0038】
IREQには、IREQ neutralとIREQ minの2つのレベルが設定されている。IREQ neutralは、平均体温が通常レベルに保たれる熱的中立状態を維持するのに必要な衣服保温力と定義される。IREQ minは、平均体温が通常よりも少し低い状態を維持するのに必要な最小の衣服保温力と定義される。衣服の保温力が算出されたIREQよりも小さい場合、進行性の身体冷却のリスクが発生する状態にあるとみなされ、冷却の進行を防ぐために寒冷環境での滞在(暴露)時間を制限する必要がある。DLE(Dlim)は、推奨される滞在最大時間として定義される。Dlimの基本定義式は次の通りである。
Dlim=Qlim/S………(3)
ここで、Dlim:[h]、Qlim:熱損失の限界値[kJ/ m2]、S:貯熱量[W/ m2]である。
以上のIREQの算出、IREQとIcl、Rとの比較、Dlimの算出は、図5に示すフローチャート中のステップS54〜S58で行われる。
【0039】
なお、以上述べた寒冷環境の評価手法については、International Organization for Standardization(2007),“ISO 11079 Ergonomics of the thermal environment-Determination and interpretation of cold stress when using required clothing insulation (IREQ) and local cooling effects”に詳しく述べられている。
【0040】
上記寒冷環境における活動指標(寒冷指標)、つまり必要衣服量(IREQ min)、最大滞在推奨時間(DLE min)が算出されると、管理サーバSVaはステップS47により、上記算出された必要衣服量(IREQ min)、最大滞在推奨時間(DLE min)に基づいて作業従事者向けの警告メッセージを生成する。警告メッセージとしては、例えば、「屋外での許容連続作業時間:35分」のような理解し易いものが用いられる。
【0041】
そして、この生成された警告メッセージを通信I/F15から携帯端末MSaに向け送信する。送信手法としては、携帯端末MSaのWebブラウザ212に表示させる手法を使用してもよく、また電子メールを用いるようにしてもよい。なお、上記警告メッセージと共に、上記算出された必要衣服量(IREQ min)及び最大滞在推奨時間(DLE min)を送信するようにしてもよい。
【0042】
また管理サーバSVaは、ステップS48により、上記算出された必要衣服量(IREQ min)及び最大滞在推奨時間(DLE min)を、携帯端末MSaの電話番号又は当該携帯端末MSaを所持する作業従事者のID等の作業従事者を識別可能なユニークな情報に対応付けてデータベース16に格納する。
【0043】
これに対し携帯端末MSaの情報処理部21は、管理サーバSVaから上記警告メッセージが送信され、これらが通信インタフェース22を介して受信されると、ステップS49において、この受信された警告メッセージを表示部24に表示させる。なお、管理サーバSVaから上記警告メッセージと共に必要衣服量(IREQ min)及び最大滞在推奨時間(DLE min)が送られた場合には、警告メッセージに加え、上記必要衣服量(IREQ min)及び最大滞在推奨時間(DLE min)を併せて表示するようにしてもよい。
かくして携帯端末MSaには、その所持者である作業従事者個人の寒冷指標に基づく警告メッセージが表示される。図7は、以上述べた寒冷指標の算出からその算出結果に基づく警告メッセージの表示までの具体例を示したものである。
【0044】
以上述べたように第1の実施形態では、携帯端末MSaにおいてWebブラウザ212上で入力された作業従事者の活動状態を表す情報、つまり衣服量、歩行速度及び運動形態を表す情報と、センサ26,27,28から取り込んだ気温、湿度及び風速の各計測データを、httpレスポンスとして管理サーバSVaへ送信し、管理サーバSVaにおいて、携帯端末MSaから送られた上記作業従事者の活動状態を表す情報及び各センサの各計測データをもとに当該作業従事者の活動指標(寒冷指標)を算出して、この算出結果に基づく警告メッセージを携帯端末MSaに送信して表示するようにしている。
【0045】
したがって、作業従事者は寒冷環境下において自身の健康上の被害をもたらす可能性のある寒冷ストレス等に対し、事前に適切な措置を講じることが可能となり、これにより被災者又は防災担当者ごとにその活動効率の低下や活動継続リスクを事前に回避することが可能となる。
【0046】
また、管理サーバSVaにおいて、入力フォーマットデータをHTML(XHTML)により記述した電子ドキュメントファイルを生成して携帯端末MSaへ送信してWebブラウザ212に表示させ、この入力フォーマット上で入力された活動状態を表す情報及び各センサ26,27,28の計測データをhttpレスポンスとして管理サーバSVaに送信するようにしている。したがって、携帯端末MSaの所持者は必要な情報を洩れなくかつ迅速に入力することが可能となる。
【0047】
(第2の実施形態)
この発明の第2の実施形態は、活動指標算出プログラム133を携帯端末MSbにインストールして、作業従事者の活動指標を算出し表示するようにしたものである。
図8は、この発明の第2の実施形態に係わる携帯端末を備える行動支援システムの概略構成図である。なお、同図において前記図1と同一機能部分には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
【0048】
携帯端末MSbの情報処理部には、この発明に係わるアプリケーション・プログラムとして、センサ情報処理プログラム211と、活動指標算出プログラム213が格納されている。センサ情報処理プログラム211は例えばJava(登録商標)Scriptにより記述され、入力インタフェース25において周辺環境の計測要求が入力された場合に、センサ26,27,28の各測定データをシリアルインタフェース29を介して取り込む処理を、上記情報処理部21のCPUに実行させる。
【0049】
活動指標算出プログラム213は、入力フォーマットデータを生成して表示部24に表示させ、この入力フォーマット上で入力された活動状態を表す情報を入力インタフェース25を介して取り込む処理と、この取り込んだ活動状態を表す情報と上記センサ情報処理プログラム211により取り込んだ各センサ26,27,28の測定データとに基づいて作業従事者の活動指標を算出し、表示部24に表示させる処理を、上記CPU11に実行させる。
【0050】
一方、管理サーバSVbのプログラムメモリ13には、この発明に係わるアプリケーション・プログラムとして、作業従事者管理プログラム132が格納されている。作業従事者管理プログラム132は、作業従事者が所持する携帯端末MSaのアドレス等を管理する処理と、携帯端末MSbの活動指標算出プログラム213により算出された活動指標を表す情報を当該携帯端末MSbから通信ネットワークNWを介して取得し、この取得した活動指標を表す情報を携帯端末MSbの電話番号又はその所持者である作業従事者の識別IDに対応付けてデータベース16に記憶させる処理を、CPU11に実行させる。
【0051】
次に、以上のように構成された行動支援システムの動作を説明する。図9はこの行動支援システム、特に携帯端末MSbによる処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
携帯端末MSbにおいて、所持者である作業従事者が、表示部24に表示されたメニューの中から活動状態の入力モードを選択する操作を行うと、ステップS91により活動指標算出プログラム213が起動し、入力フォーマットデータが表示部24に表示される。そして、この入力フォーマット上で作業従事者が自身の活動状態を表す情報を入力する操作を行うと、活動指標算出プログラム213は上記入力された情報を入力インタフェース25を介して取り込む。
【0052】
なお、上記入力フォーマットとしては、例えば図6に示したものが用いられる。この場合、作業従事者が入力フォーマットに表示された選択ボタンB1を選択操作することで、この選択ボタンB1により選択された情報、つまり衣服量、歩行速度及び活動形態を表す情報がそれぞれ取り込まれる。
【0053】
続いて、作業従事者は入力インタフェース25において周辺環境の計測要求を入力する。そうすると、ステップS92によりセンサ情報処理プログラム211が起動し、このセンサ情報処理プログラム211の制御の下で、センサ26,27,28の各測定データがシリアルインタフェース29を介して取り込まれる(ステップS93)。
【0054】
次に、活動指標算出プログラム213は、ステップS94において、上記取り込まれた衣服量、歩行速度及び活動形態を表す情報と、上記各センサ26,27,28から取り込んだ測定データとをもとに作業従事者の活動指標(寒冷指標)を算出する。そして、ステップS95により、上記算出された活動指標を表す情報に基づいて警告メッセージを生成し、この警告メッセージを表示部24に表示させる。
【0055】
活動指標の算出手法としては、先に図5に示した手法が用いられる。すなわち、活動指標としては、必要衣服量(IREQ min)と最大滞在推奨時間(DLE min)が算出される。そして、この算出された必要衣服量(IREQ min)及び最大滞在推奨時間(DLE min)に基づいて生成された警告メッセージが表示部24に表示される。警告メッセージとしては、図7に例示したように「屋外での許容連続作業時間:35分」のような理解し易いものが用いられる。
【0056】
管理サーバSVbの作業従事者管理プログラム132は、予めデータベース16に登録された作業従事者のリストをもとに、携帯端末MSbに対し活動指標の問い合わせ要求を送信する。そして、この問い合わせ要求に対し携帯端末MSbから、上記活動指標算出プログラム213により算出された活動指標を表す情報が送られると、この情報を通信インタフェース22を介して受信する。そして、この受信された活動指標を表す情報を携帯端末MSbの電話番号又はその所持者である作業従事者の識別IDに対応付けてデータベース16に記憶させる。
【0057】
以上述べたように第2の実施形態では、活動指標を算出するための活動状態を表す情報の入力受付処理から、各センサ26,27,28から計測データを取り込む処理、活動指標の算出処理、その算出結果の表示処理までの一連の処理が、携帯端末MSb内ですべて行われる。したがって、仮に災害発生後の通信ネットワークNWの輻輳により携帯端末MSbと管理サーバSVbとの間で通信を行い難い状態になっても、作業従事者の活動指標(寒冷指標)を表す情報に基づく警告メッセージを作業従事者に確実に提示することができる。
【0058】
(その他の実施形態)
管理サーバSVaの活動指標算出プログラム133において、広域エリア気象情報サーバWSVから上記携帯端末MSaが存在するエリアを含む広域エリア気象情報を取得し、この取得した広域エリア気象情報をもとに、天気や気温の変化を上記算出された活動指標に反映させる補正処理を行うとよい。このようにすると、被災者や防災担当者自身の局所的環境情報だけでなく、広域の気象情報を加味して、つまり予想される天気や気温等の変化も考慮して、局所的環境指標をより的確に推測し提示することが可能となる。
【0059】
また、第1の実施形態では活動指標算出プログラム133を管理サーバSVaにインストールし、また第2の実施形態では活動指標算出プログラム133を携帯端末MSbにインストールして、それぞれ作業従事者の活動指標を算出するようにした。しかし、それに限定されるものではなく、管理サーバSVa以外の他のアプリケーションサーバに活動指標算出プログラム133をインストールして作業従事者の活動指標を算出し、この算出された活動指標を表す情報を管理サーバ経由或いは直接携帯端末MSaに送信するようにしてもよい。この場合、他のアプリケーションサーバとしては、広域エリア気象情報サーバWSVが挙げられる。
【0060】
さらに、前記各実施形態では、活動指標算出プログラムにより算出された必要衣服量(IREQ min)及び最大滞在推奨時間(DLE min)に基づいて1種類の警告メッセージを生成し表示させるようにした。しかし、それに限らず、IREQおよびDLEの計算結果又は計算過程で得られる値を複数の判定しきい値により判定することにより、例えば警告レベルの異なる複数のメッセージを選択的に生成し表示させるようにしてもよい。
【0061】
さらに、前記各実施形態では、作業従事者の活動指標として寒冷指標を取り上げた場合を例にとって説明したが、他に粉塵や暑熱、放射能、水中、宇宙空間等の作業における活動指標を計算して作業従事者に提示するようにしてもよい。その他、管理装置及び携帯端末の種類やその構成、処理手順と処理内容等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0062】
要するにこの発明は、上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】この発明の第1の実施形態に係わる行動支援システムの概要を説明するための図である。
【図2】図1に示したシステムで使用される管理サーバの構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示したシステムで使用される携帯端末の構成を示すブロック図である。
【図4】図2及び図3に示した管理サーバ及び携帯端末による処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
【図5】図4に示した処理手順のうち活動指標の算出処理の手順と内容を示すフローチャートである。
【図6】図3に示した携帯端末の表示部に表示されるブラウザ入力画面の一例を示す図である。
【図7】図4に示した活動指標の算出処理及び警告処理の内容を説明するための図である。
【図8】この発明の第2の実施形態に係わる行動支援システムの概要を説明するための図である。
【図9】図8に示したシステムで使用される携帯端末の処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0064】
SVa,SVb…管理サーバ、MSa,MSb…携帯端末、NW…ネットワーク、11…CPU、12…バス、13…プログラムメモリ、14…データメモリ、15…通信インタフェース、16…データベース、17…入出力インタフェース、18…入力デバイス、19…表示デバイス、20…携帯端末本体、21…情報処理部、22…通信インタフェース、23…情報記憶部、24…表示部、25…入力インタフェース、26…気温センサ、27…湿度センサ、28…風速計、131…ページ・生成配信プログラム、132…作業従事者管理プログラム、133…活動指標算出プログラム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周辺環境に起因して生体自身又は身辺に発生する事象の状態量を検出対象とするセンサが接続され、さらに情報の入力手段及び提示手段を備える携帯端末と、
前記携帯端末との間で通信ネットワークを介して情報通信が可能な管理装置と
を具備し、
前記携帯端末は、
前記センサから前記事象の状態量の検出情報を取得する手段と、
携帯端末所持者の活動状態を表す情報を、前記情報入力手段を介して受け付ける活動状態受付手段と、
前記取得した検出情報及び前記受け付けた活動状態を表す情報を、前記通信ネットワークを介して前記管理装置へ送信する手段と、
前記管理装置から前記通信ネットワークを介して送られた情報を受信し、当該受信情報を前記情報提示手段を用いて前記携帯端末所持者に対し提示する手段と
を備え、
前記管理装置は、
前記携帯端末から送信された、前記検出情報及び活動状態を表す情報を前記通信ネットワークを介して受信する手段と、
前記受信された検出情報及び活動状態を表す情報に基づいて、前記携帯端末所持者の活動に係わる局所的環境指標を算出する手段と、
前記算出された局所的環境指標を表す情報を、前記通信ネットワークを介して前記検出情報及び活動状態を表す情報の送信元となる携帯端末へ送信する手段と
を備えることを特徴とする行動支援システム。
【請求項2】
前記管理装置は、
前記携帯端末所持者の活動状態を表す情報の入力項目が記載された入力フォーマットデータを、前記通信ネットワークを介して前記携帯端末へ送信する手段を、さらに備え、
前記活動状態受付手段は、
前記管理装置から送信される入力フォーマットデータを前記通信ネットワークを介して受信して、前記情報提示手段により携帯端末所持者に提示させる手段と、
前記提示された入力フォーマットデータに従い、前記携帯端末所持者が前記情報入力手段において入力した活動状態を表す情報を受け付ける手段と
を備えることを特徴とする請求項1記載の行動支援システム。
【請求項3】
前記検出情報を取得する手段は、前記事象の状態量の検出情報として、外気温、湿度及び風速の測定情報をセンサから取得する機能を有し、
前記活動状態受付手段は、活動状態を表す情報として、衣服量、歩行速度及び運動形態を表す情報を受け付ける機能を有し、
前記局所的環境指標を算出する手段は、
前記衣服量を衣服の熱抵抗値に変換すると共に、前記運動形態を運動産熱量に変換する手段と、
前記変換された衣服の熱抵抗値、歩行速度、運動産熱量、外気温、湿度及び風速をもとに、必要な衣服保温力及び最大滞在推奨時間を算出する手段と、
前記算出された衣服保温力及び最大滞在推奨時間をもとに、活動を継続するための条件とその制限時間を表す通知メッセージを生成する手段と
を備えることを特徴とする請求項1記載の行動支援システム。
【請求項4】
前記管理装置は、
前記携帯端末所持者の活動エリアを含む広域の気象情報を、気象情報サーバから取得する手段と、
現在時刻を表す時刻情報を取得する手段と、
前記取得された気象情報及び時刻情報をもとに、前記算出された局所的環境指標を補正する補正手段と
を、さらに具備することを特徴とする請求項1記載の行動支援システム。
【請求項5】
周辺環境に起因して生体自身又は身辺に発生する事象の状態量を検出対象とするセンサが接続され、当該センサから前記事象の状態量の検出情報を取得する手段と、
携帯端末所持者の活動状態を表す情報を情報入力手段を介して受け付ける活動状態受付手段と、
前記取得した検出情報及び前記受け付けた活動状態を表す情報に基づいて、前記携帯端末所持者の活動に係わる局所的環境指標を算出する手段と、
前記算出された局所的環境指標を表す情報を、情報提示手段を用いて前記携帯端末所持者に対し提示する手段と
を具備することを特徴とする携帯端末。
【請求項6】
前記活動状態受付手段は、
前記活動状態を表す情報の入力項目が記載された入力フォーマットデータを記憶するメモリと、
前記メモリから前記入力フォーマットデータを読み出して、前記情報提示手段により携帯端末所持者に提示させる手段と、
前記提示された入力フォーマットデータに従い、前記携帯端末所持者が前記情報入力手段において入力した活動状態を表す情報を受け付ける手段と
を備えることを特徴とする請求項5記載の携帯端末。
【請求項7】
前記検出情報を取得する手段は、前記事象の状態量の検出情報として、外気温、湿度及び風速の測定情報をセンサから取得する機能を有し、
前記活動状態受付手段は、活動状態を表す情報として、衣服量、歩行速度及び運動形態を表す情報を受け付ける機能を有し、
前記局所的環境指標を算出する手段は、
前記衣服量を衣服の熱抵抗値に変換すると共に、前記運動形態を運動産熱量に変換する手段と、
前記変換された衣服の熱抵抗値、歩行速度、運動産熱量、外気温、湿度及び風速をもとに、必要な衣服保温力及び最大滞在推奨時間を算出する手段と、
前記算出された衣服保温力及び最大滞在推奨時間をもとに、活動を継続するための条件とその制限時間を表す通知メッセージを生成する手段と
を備えることを特徴とする請求項5記載の携帯端末。
【請求項8】
前記携帯端末所持者の活動エリアを含む広域の気象情報を、気象情報サーバから取得する手段と、
現在時刻を表す時刻情報を取得する手段と、
前記取得された気象情報及び時刻情報をもとに、前記算出された局所的環境指標を補正する補正手段と
を、さらに具備することを特徴とする請求項5記載の携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−217378(P2009−217378A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−58387(P2008−58387)
【出願日】平成20年3月7日(2008.3.7)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】