説明

表示装置及びこれを備えた電子機器

【課題】 表示パネル以外の部分の増大を抑制することができ、工数及びコストの低減を図れる表示装置及びこれを備えた電子機器を提供すること。
【解決手段】 液晶表示パネル30とバックライト70を備えた液晶表示装置20は、液晶表示パネル30上の有効表示領域から外れた領域に設けた受光素子50、受光素子50に入射する光の強度に応じた電気信号を出力する環境光検出回路51、及びその出力に基づきバックライト70の発光輝度を制御するバックライト制御回路80を備える。液晶表示パネル30の筐体には、環境光を受光素子50に入射させる光透過部が設けられている。受光素子50と環境光検出回路51は、素子基板22上に周辺駆動回路と共に内蔵されている。受光素子50と環境光検出回路51を、液晶表示パネル30上の有効表示領域から外れた領域に設けるので、液晶表示パネル30以外の部分が増大するのを抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置等の表示装置及びこれを備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の表示装置として、TFT駆動方式のアクティブマトリクス液晶表示装置等が知られている。このような液晶表示装置は、表示パネルと、該パネルのTFT素子基板側(背面側)に配置される偏光板およびバックライトユニットと、表示パネルの対向基板側に配置されるRGBカラーフィルタおよび偏光板と、筐体(ベゼル)等を備える。
【0003】
このような液晶表示装置において、周囲の明るさに関わらず見やすい表示を提供するために、周囲の光を検知してそのフィードバック情報によりバックライトの輝度を制御する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。この従来技術では、表示装置に実装されるフレキシブルプリント基板にフォトダイオード等の受光素子が表面実装されており、この受光素子により外部光(環境光)の強度を検出する。また、受光素子で検出した外部光の強度(受光素子の出力電流)に応じて、バックライトに流れる駆動電流を制御部により変化させてバックライトの輝度を制御するようになっている。
【特許文献1】特開2003−78838号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1に記載された従来技術では、環境光の強度に応じてバックライトの発光輝度を制御するのに必要な受光素子や制御部等を表示装置の外部に配置するため、表示装置の表示パネル以外の部分(筐体に隠れる有効表示領域外の部分及びフレキシブルプリント基板)が増大してしまうという問題があった。また、受光素子や制御部等をフレキシブルプリント基板上に実装する必要があるため、工数及びコストが増大するという問題があった。
【0005】
本発明は、上記従来の問題点に着目してなされたもので、その目的は、表示パネル以外の部分の増大を抑制することができ、工数及びコストの低減を図れる表示装置及びこれを備えた電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明における表示装置は、表示パネルとバックライトを備えた表示装置において、前記表示パネル上の有効表示領域から外れた領域に設けた受光素子と、前記受光素子を含み、該受光素子に入射する光の強度に応じた電気信号を出力する環境光検出回路と、前記環境光検出回路の出力に基づき前記バックライトの発光輝度を制御するバックライト制御手段と、前記表示パネルに組み付ける筐体に設けられ、周囲の環境光を前記受光素子に入射させる光透過部と、を備え、前記環境光検出回路及び前記バックライト制御手段のうち、少なくとも前記受光素子を前記表示パネルの素子基板上に、前記表示パネルの周辺駆動回路と共に設けたことを要旨とする。
【0007】
これによれば、環境光検出回路の出力に基づきバックライトの発光輝度をバックライト制御手段により制御するので、環境光の明るさに左右されずに、最適な輝度での表示が可能になる。
【0008】
また、環境光検出回路及びバックライト制御手段のうち、少なくとも受光素子を表示パネルの素子基板上に、表示パネルの周辺駆動回路と共に設けたので、表示パネル以外の部
分(筐体に隠れる表示パネルの有効表示領域以外の部分及びフレキシブルプリント基板)が増大するのを抑制することができる。また、環境光検出回路及びバックライト制御手段のうち、少なくとも受光素子を、多結晶シリコン薄膜トランジスタを用いて周辺駆動回路を内蔵したアクティブマトリクス型液晶表示装置等の表示装置において、薄膜トランジスタ形成技術を用いることで、周辺駆動回路と共に素子基板上に容易に形成することができる。これにより、受光素子等を表示パネルに実装されるフレキシブルプリント基板上に実装する必要がないため、工数及びコストを低減することができる。
【0009】
なお、ここにいう「筐体」は、表示装置自体の筐体と、表示装置を備えた携帯電話等の電子機器の筐体とを含む意味で用いる。
この表示装置において、前記環境光検出回路の全部が前記素子基板上に前記周辺駆動回路と共に設けられていることを要旨とする。
【0010】
これによれば、表示パネル以外の部分の増大をさらに抑制することができ、工数及びコストをさらに低減することができる。
この表示装置において、前記バックライト制御手段の一部或いは全部が前記素子基板上に前記周辺駆動回路と共に設けられていることを要旨とする。
【0011】
これによれば、表示パネル以外の部分の増大をさらに抑制することができ、工数及びコストをさらに低減することができる。
この表示装置において、前記バックライト制御手段は、前記環境光検出回路の出力に応じて複数段階の輝度選択信号を出力するバックライト輝度制御回路と、前記バックライト輝度制御回路から出力される前記複数段階の輝度選択信号に基づき、前記受光素子で受光する環境光の強度が大きいほど前記バックライトの発光輝度を上げるように、前記バックライトの発光輝度を調整するバックライト輝度調整部と、を備えることを要旨とする。
【0012】
これによれば、環境光の明るさに左右されずに、最適な輝度での表示が可能になるとともに、過剰な電力消費を抑えてバッテリの保護を図ることができる。
この表示装置において、前記バックライト輝度調整部は、前記複数段階の輝度選択信号にそれぞれ対応する複数段階の輝度データを含む輝度データテーブルが格納されたメモリを備え、前記バックライト輝度制御回路から出力される前記複数段階の輝度選択信号に基づき、前記輝度データテーブルを参照して前記複数段階の輝度データの中から対応する一つの輝度データを選択し、該選択した前記輝度データに応じた駆動電流を前記バックライトに供給することを要旨とする。
【0013】
これによれば、バックライト輝度調整部のメモリに格納する輝度データテーブルにおける輝度データの設定を変更することで、用途に応じた各種の表示装置に容易に対応することができる。
【0014】
この表示装置において、前記バックライト制御手段は、前記複数段階の輝度選択信号にそれぞれ対応する複数段階の輝度データを含む輝度データテーブルが格納したメモリを備え、前記バックライト輝度制御回路から出力される前記複数段階の輝度選択信号に基づき、前記輝度データテーブルを参照して前記複数段階の輝度データの中から対応する一つの輝度データを選択して、前記バックライト輝度調整部へ出力するCPUを更に含み、前記バックライト輝度調整部は、前記CPUから出力される前記輝度データに応じた駆動電流を前記バックライトに供給することを要旨とする。
【0015】
これによれば、CPUのメモリに格納する輝度データテーブルにおける輝度データの設定を変更することで、用途に応じた各種の表示装置に容易に対応することができる。
この表示装置において、前記バックライト輝度調整部は、前記受光素子で受光する環境
光の強度が大きい明所からその強度が小さい暗所へ周囲環境が移行し或いはその逆へ周囲環境が移行して前記環境光の明るさが急激に変動したことを検出した時、前記複数段階の輝度選択信号に基づく前記バックライトの発光輝度の調整を、予め設定された遅延時間後に行うことを要旨とする。
【0016】
これによれば、環境光の明るさが急激に変動する場合、例えば、周囲環境が暗所から明所に移行した場合、その明るさの変化に目が慣れるまでの間における消費電力を削減することができる。このため、環境光の明るさに左右されずに、最適な輝度での表示が可能になるとともに、過剰な電力消費をさらに抑えてバッテリの保護をより一層図ることができる。
【0017】
この表示装置において、前記バックライト制御手段は、周囲環境が、前記受光素子で受光する環境光の強度が所定値より小である暗所と、その強度が所定値より大である明所とのいずれであるかを判定し、周囲環境が前記暗所である判定した場合には、階調制御における輝度の低い側の階調度を高くし、周囲環境が前記明所である判定した場合には輝度の高い側の階調度を低くする階調制御部を備えることを要旨とする。
【0018】
一般に、暗所では輝度を少し上げても、いわゆる「黒が沈む」ためにその輝度変化はわかりにくい。また、明所では輝度を少し下げても、いわゆる「白が抜ける」ためにその輝度変化はわかりにくい。
【0019】
これによれば、暗所では階調制御における輝度の低い側の階調度を高くする(黒レベルを上昇させ)ので、黒が沈むのが抑制され、環境光の強度に応じた最適な表示が可能となる。また、明所では輝度の高い側の階調度を低くする(白レベルを低下させる)ので、白が抜けるのが抑制され、環境光の明るさに応じた最適な表示が可能となる。
【0020】
この表示装置において、前記バックライト輝度調整部は、前記受光素子で受光する環境光の強度が設定値を超えた場合、前記バックライトの発光輝度をそれ以上上げないように前記輝度データテーブルの輝度データが作製されていることを要旨とする。
【0021】
これによれば、環境光に左右されずに最適輝度での表示が可能になるとともに、過剰な電力消費を抑え、バッテリの消費を抑制できる。
この表示装置において、前記バックライト制御手段は、前記受光素子で受光する環境光の強度が設定値を超えた場合、前記バックライトの発光輝度をそれ以上上げないように、前記バックライト輝度調整部から前記バックライトへ出力される駆動電流の上限を制限するリミッタ回路を備えることを要旨とする。
【0022】
これによれば、環境光に左右されずに最適輝度での表示が可能になるとともに、過剰な電力消費を抑え、バッテリの消費を抑制できる。
本発明における電子機器は、上記発明に係る表示装置を備えることを要旨とする。
【0023】
これによれば、環境光の明るさに左右されずに、最適な輝度での表示が可能な電子機器を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明を具体化した表示装置の各実施形態と、表示装置を備えた電子機器の一実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、各実施形態の説明において、同様の部位には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0025】
[ 第1実施形態]
第1実施形態に係る液晶表示装置を、図1〜図6に基づいて説明する。
図1は第1実施形態に係る液晶表示装置20の電気的構成を概略的に示しており、図2は同液晶表示装置を筐体側から見た平面図であり、図3は図2のA−A´矢視断面図である。図4はバックライト輝度制御のための回路部の電気的構成を示すブロック図であり、図5は環境光検出回路を示す回路図である。
【0026】
この液晶表示装置20は、多結晶シリコン薄膜トランジスタを用いて周辺駆動回路を内蔵したアクティブマトリクス型液晶表示装置(周辺回路内蔵型TFT液晶表示装置)であり、表示パネルとしての液晶表示パネル30を備える。
【0027】
液晶表示パネル30は、図1に示すように、複数の走査線Y1〜Ymと、走査線Y1〜Ymと交差するように形成された複数の信号線X1〜Xnと、走査線Y1〜Ymと信号線X1〜Xnの各交差部に対応してマトリクス状に配置された複数の画素25とを含むアクティブマトリクス部21を備える。各画素25には、図示を省略したスイッチング素子としての多結晶シリコン薄膜トランジスタ(p−Si形TFT)がそれぞれ形成されている。多結晶シリコン薄膜トランジスタ(以下、「TFT」という)を介して各画素25にデータ信号が書き込まれるようになっている。
【0028】
また、液晶表示パネル30は、一対の基板として素子基板22と図示を省略した対向基板とを備え、これら2つの基板の間にTN(Twisted Nematic)型の液晶が封入されてい
る。
【0029】
素子基板22上には、図1に示すように、アクティブマトリクス部21と、複数の走査線Y1〜Ymを駆動するための走査線駆動回路33と、複数の信号線X1〜Xnを駆動するための信号線駆動回路34とが形成されている。
【0030】
また、液晶表示装置20は、走査線駆動回路33及び信号線駆動回路34を制御するための制御回路35を備える。制御回路35には、表示データ、同期信号、及びクロック信号等が外部回路から入力されるようになっている。表示データはビデオ信号などのデジタル階調データである。同期信号は、垂直同期信号と水平同期信号である。
【0031】
制御回路35から走査線駆動回路33及び信号線駆動回路34には、例えば、フレーム反転駆動等を行うための各種の信号が信号線37a及び37bをそれぞれ介して供給されるようになっている。本例では、制御回路35は、図2及び図3に示すように液晶表示パネル30から延出したフレキシブルプリント基板(以下、「FPC」という)36上に実装されている。この制御回路35は、FPC36上に形成された配線と素子基板22上に形成された接続端子とを介して走査線駆動回路33や信号線駆動回路34等と電気的に接続されている。なお、図1では、FPC36の図示を省略している。
【0032】
この液晶表示装置20は、マトリクス状に配置された複数の画素25の各TFTを介して各画素25に正極性のデータ信号(電圧信号)と負極性のデータ信号を1フレームごとに交互に書き込むフレーム反転駆動を行うようになっている。なお、「1フレーム」は、走査線Y1〜Ymを順に選択して全ての画素25の容量にデータ信号を書き込むことで1画面の表示がなされる期間をいう。
【0033】
また、液晶表示装置20は、図1に示す液晶表示パネル30や制御回路35の他に、素子基板22側に配置される偏光板(図示省略)およびバックライト70と、液晶表示パネル30の対向基板側に配置されるRGBカラーフィルタおよび偏光板(図示省略)と、図2に示す筐体(ベゼル)40等とを備える。RGBカラーフィルタや筐体40等の部品は、それぞれ液晶表示パネル30に位置合わせされて組み付けられる。
【0034】
バックライト70は、液晶表示パネル30の背面側に配置されており、ランプ等の光源、導光板、反射シート、拡散シート等を備えた構造となっている。その光源に供給する駆動電流を変えることで、バックライト70の発光輝度が変化するようになっている。
【0035】
筐体40は、図2に示すように、液晶表示パネル30上の有効表示領域30Aの周囲を覆う矩形状の額縁部40aを有し、その額縁部40aの内縁にブラックマトリクス38が設けられている。
【0036】
また、液晶表示装置20にあっては、図1に示すように、液晶表示パネル30上の有効表示領域30Aから外れた領域の1箇所に受光素子50と、受光素子50を含み、該受光素子50に入射する光の強度に応じた電気信号を出力する環境光検出回路51とが設けられている。なお、ここにいう「液晶表示パネル30上の有効表示領域30Aから外れた領域」とは、液晶表示パネル30上の、筐体40の額縁部40aに隠れる部分をいう。
【0037】
また、液晶表示装置20には、図1に示すように、環境光検出回路51の出力に基づきバックライト70の発光輝度を制御するバックライト制御手段としてのバックライト制御回路80が設けられている。
【0038】
液晶表示パネル30に位置合わせして組み付ける筐体40の1箇所に、図2及び図3に示すように、周囲の環境光を受光素子50に入射させる光透過部41が設けられている。この光透過部41と受光素子50は、筐体40を液晶表示パネル30に位置合わせした状態で合致する位置に設けられており、液晶表示パネル30と筐体40を位置合わせする機能を有する。
【0039】
そして、本実施形態に係る液晶表示パネル30は、受光素子50と、これを含む環境光検出回路51が、図1に示すように、液晶表示パネル30の素子基板22上に、走査線駆動回路33及び信号線駆動回路34等の周辺駆動回路と共に設けられている、点に特徴がある。図1では、素子基板22上に受光素子50、走査線駆動回路33及び信号線駆動回路34が形成されているが、素子基板22上に受光素子50及び走査線駆動回路33が形成されていてもよい。
【0040】
環境光検出回路51は、周囲の環境光を受光素子50で受光し、該受光素子50に入射する光の強度(環境光の明るさ)に応じた電気信号として、環境光の明るさを表わすデジタル信号を出力するように構成されている。
【0041】
この環境光検出回路51は、環境光を検出し、その明るさに応じた電流値の信号を出力する環境光検出部51aと、その信号を電流−電圧変換するI−V変換部51bと、このI−V変換部51bで変換された電圧値の信号をその電圧値を表わすデジタル信号に変換するA−D変換部51cとを備える。
【0042】
環境光検出部51aには、図5に示すように、受光素子50と、この受光素子50に直列に接続された抵抗R1と、互いに直接に接続され、受光素子50及び抵抗R1に並列に接続されたツェナーダイオード52及び抵抗R2とが設けられている。受光素子50に所定強度の光が入射すると、その入射光の強度に応じた一定電流が受光素子50に流れる。ここで、受光素子50は、例えばPINフォトダイオードである。
【0043】
I−V変換部51bには、図5に示すように、プラス側端子が受光素子50と抵抗R1の接続点に接続され、マイナス側端子が抵抗R3を介して接地された差動増幅器53と、差動増幅器53のマイナス側端子とその出力端子との間に接続された抵抗R4とが設けら
れている。差動増幅器53の出力端子からは、受光素子50で受光した環境光の強度(明るさ)に応じた電圧値の信号が出力される。その出力端子にA−D変換部51cの入力端子が接続されている。このA−D変換部51cは、I−V変換部51bから出力される環境光の明るさに応じた電圧値の信号をその明るさを表わすデジタル信号に変換して出力するようになっている。
【0044】
バックライト制御回路80は、図4に示すように、環境光検出回路51の出力に応じて複数段階の輝度選択信号を出力するバックライト輝度制御回路81と、バックライト輝度制御回路81から出力される複数段階の輝度選択信号に基づき、バックライト70の発光輝度を調整するバックライト輝度調整部82と、CPU83とを備える。
【0045】
本例では、CPU83は、環境光検出回路51のA−D変換部51cから出力される環境光の明るさを表わすデジタル信号を、所定の周期でサンプリングするための制御信号をバックライト輝度制御回路81へ出力するようになっている。
【0046】
バックライト輝度制御回路81は、A−D変換部51cから出力される環境光の明るさを表わすデジタル信号を、CPU83から出力される制御信号により所定の周期でサンプリングする。また、バックライト輝度制御回路81は、サンプリングしたデジタル信号を複数の基準値と比較して複数段階の輝度選択信号を出力する論理演算回路(図示省略)を備えている。
【0047】
バックライト輝度調整部82は、バックライト輝度制御回路81から出力される複数段階の輝度選択信号にそれぞれ対応する複数段階の輝度データを含む輝度データテーブルが格納されたメモリを備えている。また、バックライト輝度調整部82は、複数段階の輝度選択信号に基づき輝度データテーブルを参照して複数段階の輝度データの中から対応する一つの輝度データを選択し、該選択した輝度データに応じた駆動電流をバックライト70に供給するようになっている。
【0048】
このような構成を有するバックライト制御回路80は、図6の曲線55で示すように、環境光検出回路51の出力が「明」側になるほど、即ち受光素子50で受光する環境光の強度が大きいほど(周囲環境が明るいほど)、バックライト70の発光輝度を上げる。また、バックライト制御回路80は、環境光検出回路51の出力が「暗」側になるほど、即ち受光素子50で受光する環境光の強度が小さいほど(周囲環境が暗いほど)、バックライト70の発光輝度を下げる。
【0049】
このようにして、バックライト70の輝度が環境光検出回路51で検出する環境光の明るさに応じて制御される。
以上のように構成された第1実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
【0050】
○環境光を受光素子50で受光し、該受光素子50に入射する環境光の強度(明るさ)に応じたデジタル信号を環境光検出回路51が出力し、その出力に基づきバックライト制御回路80がバックライト70の発光輝度を制御するので、環境光の明るさに左右されずに、最適な輝度での表示が可能になる。
【0051】
○受光素子50とこれを含む環境光検出回路51とが、液晶表示パネル30上の有効表示領域30Aから外れた領域の1箇所に設けられている。このため、液晶表示パネル30以外の部分(筐体40に隠れる液晶表示パネル30の有効表示領域30A以外の部分及びフレキシブルプリント基板36)が増大するのを抑制することができる。
【0052】
○受光素子50と環境光検出回路51とが、液晶表示パネル30の素子基板22上に、
液晶表示パネル30に内蔵した走査線駆動回路33や信号線駆動回路34等の周辺駆動回路と共に設けられている。これにより、多結晶シリコン薄膜トランジスタを用いて周辺駆動回路を内蔵したアクティブマトリクス型液晶表示装置20において、受光素子50とこれを含む環境光検出回路51を、薄膜トランジスタ形成技術を用いることで、周辺駆動回路と共に素子基板22上に容易に形成することができる。したがって、受光素子50とこれを含む環境光検出回路51を、液晶表示パネル30に実装されるフレキシブルプリント基板36上に実装する必要がないため、工数及びコストを低減することができる。
【0053】
○バックライト制御回路80は、受光素子50で受光する環境光の強度が大きいほど(周囲環境が明るいほど)バックライト70の発光輝度を上げ、その強度が小さいほど(周囲環境が暗いほど)バックライト70の発光輝度を下げるように、その発光輝度を制御する。このため、環境光の明るさに左右されずに、最適な輝度での表示が可能になるとともに、過剰な電力消費を抑えてバッテリの保護を図ることができる。
【0054】
○バックライト輝度調整部82は、上記輝度データテーブルが格納されたメモリを備えている。また、バックライト輝度調整部82は、輝度選択信号に基づき輝度データテーブルを参照して複数段階の輝度データの中から対応する一つの輝度データを選択し、該選択した輝度データに応じた駆動電流をバックライト70に供給するようになっている。これにより、バックライト輝度調整部82のメモリに格納する輝度データテーブルにおける輝度データの設定を変更することで、用途に応じた各種の表示装置に容易に対応することができる。例えば、輝度データテーブルにおける輝度データを、オフィス内の照度300〜500(lx)と、曇天屋外の照度1万〜3万(lx)といったデータを参考に設定する。
【0055】
[ 第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る液晶表示装置20を、図7及び図8に基づいて説明する。
図7は、バックライト輝度制御のための回路部の電気的構成を示している。
【0056】
この液晶表示装置20では、上記第1の実施形態と同様にバックライト70の発光輝度を制御する。そして、受光素子50で受光する環境光の強度が大きい明所からその強度が小さい暗所へ周囲環境が移行して、環境光の明るさが急激に変動した時、バックライト70の発光輝度の制御(調整)を、予め設定された遅延時間後に行うようになっている。
【0057】
そのために、本実施形態に係る液晶表示装置20では、図7に示す環境光検出回路51AのA−D変換部51cは、受光素子50に入射する光の強度に応じたデジタル信号を出力するとともに、図8(a),(b)に示す信号91,92を出力するようになっている。
【0058】
図8におけるt1時点は、上記第1実施形態で説明したように、CPU83から出力される制御信号により、A−D変換部51cから出力される環境光の明るさを表わすデジタル信号を、バックライト輝度制御回路81で所定の周期でサンプリングするためのタイミングを示している。
【0059】
A−D変換部51cは、図6に示す環境光検出回路の出力が基準値を超えた時点(例えば、周囲環境の明るさ(照度)が1000(lx)を超えた時点)にLレベルからHレベルに立ち上がる図8(a),(b)に示す信号91,92を出力するようになっている。
【0060】
図8(b)に示す信号92は、受光素子50で受光する環境光の強度が大きい明所の場合における信号で、t1時点から非常に短い時間が経過したt2時点にLレベルからHレベルに立ち上がっている。
【0061】
一方、図8(a)に示す信号91は、受光素子50で受光する環境光の強度が小さい暗所の場合における信号で、t2時点からかなりの時間が経過したt4時点にLレベルからHレベルに立ち上がっている。
【0062】
このように、A−D変換部51cからは、上記デジタル信号の他に、図8(a),(b)にそれぞれ示す信号91,92のように、環境光の強度(明るさ)によって立ち上がるタイミングの異なる信号A−OUTが出力される。
【0063】
また、本例のCPU83は、t1時点から一定時間が経過したt3時点に図8(c)に示すパルス信号である検知信号93を出力するようになっている。
また、本例のバックライト制御回路80Aのバックライト輝度制御回路81は、図8(a),(b)に示すような信号91,92と図8(c)に示す検知信号93に対してナンド回路で論理演算を行うようになっている。これにより、周囲環境が上記明所の場合には、バックライト輝度制御回路81は図8(d)に示すパルス信号である明信号(NAND出力)94を、バックライト輝度調整部82へ出力するようになっている。
【0064】
そして、その明信号94を受けたバックライト輝度調整部82は、周囲環境が明所から暗所に移行して環境光の明るさが急激に変動したと判定し、バックライト70の輝度制御を一定時間中断してから再開するようになっている。
【0065】
以上のように構成された第2実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
○受光素子50で受光する環境光の強度が大きい明所からその強度が小さい暗所へと環境光の明るさが急激に変動した時、バックライト70の発光輝度の制御(調整)を、予め設定された遅延時間後に行う。これにより、環境光の明るさが急激に変動する場合、例えば、周囲環境が明所から暗所に移行した場合、その明るさの変化に目が慣れるまでの間における消費電力を削減することができる。このため、環境光の明るさに左右されずに、最適な輝度での表示が可能になるとともに、過剰な電力消費をさらに抑えてバッテリの保護をより一層図ることができる。
【0066】
[ 第3実施形態]
次に、第3実施形態に係る液晶表示装置20を説明する。
この液晶表示装置20では、上記第1実施形態のバックライト制御回路80に階調制御部(図示省略)が設けられている。この階調制御部は、環境光検出回路51の出力に基づいて、周囲環境が暗所と明所のいずれであるかを判定し、暗所と判定した場合には、階調制御における輝度の低い側の階調度を高くし(黒レベルを上昇させ)、明所と判定した場合には輝度の高い側の階調度を低くする(白レベルを低下させる)。
【0067】
ここでの「暗所」は、受光素子50で受光する環境光の強度が所定値より小である周囲環境をいい、また、「明所」は、その強度が所定値より大である周囲環境をいう。
以上のように構成された第3実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
【0068】
○暗所では輝度の低い側の階調度を高くする(黒レベルを上昇させ)ので、黒が沈むのが抑制され、環境光の強度に応じた最適な表示が可能となる。また、明所では輝度の高い側の階調度を低くする(白レベルを低下させる)ので、白が抜けるのが抑制され、環境光の明るさに応じた最適な表示が可能となる。
【0069】
[ 第4実施形態]
次に、第4実施形態に係る液晶表示装置20を説明する。
この液晶表示装置20では、上記第1実施形態のバックライト輝度調整部82を以下の
ように構成した点に特徴がある。その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0070】
第4実施形態に係る液晶表示装置20のバックライト輝度調整部82は、受光素子50で受光する環境光の強度が設定値を超えた場合、バックライト70の発光輝度をそれ以上上げないように、上記メモリに格納された輝度データテーブルの輝度データが作製されている。
【0071】
以上のように構成された第4実施形態によれば、上記第1実施形態の奏する作用効果に加えて以下の作用効果を奏する。
○環境光に左右されずに最適輝度での表示が可能になるとともに、過剰な電力消費を抑え、バッテリの消費を抑制できる。
【0072】
次に、電子機器の適用について図9に基づいて説明する。上記各実施形態で説明した液晶表示装置20は、モバイル型のパーソナルコンピュータ、携帯電話、デジタルカメラ等種々の電子機器に適用できる。
【0073】
図9は、液晶表示装置20を表示部に用いた携帯電話の構成を示している。図9において、携帯電話60は、複数の操作ボタン61.63と、液晶表示装置20を用いた表示ユニット64を備えている。
【0074】
また、この携帯電話の筐体62に、上記光透過部41が形成されており、この光透過部41を介して環境光が上記受光素子50に入射するように構成されている。
このように、上記液晶表示装置20を表示ユニット64に用いた携帯電話では、環境光の明るさに左右されずに、最適な輝度での表示が可能になる。
【0075】
[ 変形例]
なお、この発明は以下のように変更して具体化することもできる。
・上記第1実施形態では、バックライト輝度制御回路81から出力される複数段階の輝度選択信号にそれぞれ対応する複数段階の輝度データを含む輝度データテーブルが格納されたメモリをバックライト輝度調整部82に設けてあるが、その輝度データテーブルをCPU83のRAM等のメモリに格納しておく構成であっても良い。この場合、CPU83は、バックライト輝度制御回路81から出力される複数段階の輝度選択信号に基づき、輝度データテーブルを参照して複数段階の輝度データの中から対応する一つの輝度データを選択して、バックライト輝度調整部82へ出力する。また、バックライト輝度調整部82は、CPU83から出力された輝度データに応じた駆動電流をバックライト70に供給するように構成される。これにより、CPU83のメモリに格納する輝度データテーブルにおける輝度データの設定を変更することで、用途に応じた各種の液晶表示装置に容易に対応することができる。例えば、輝度データテーブルにおける輝度データを、オフィス内の照度300〜500(lx)と、曇天屋外の照度1万〜3万(lx)といったデータを参考に設定する。
【0076】
・上記第2実施形態では、明所から暗所へ周囲環境が移行して、環境光の明るさが急激に変動した時、バックライト70の発光輝度の制御を、予め設定された遅延時間後に行うようになっているが、本発明はこれに限定されない。暗所から明所へ周囲環境が移行して、環境光の明るさが急激に変動した時、バックライト70の発光輝度の制御を、予め設定された遅延時間後に行う構成にも本発明は適用可能である。
【0077】
この場合、CPU83は、検知信号93(図8(c)参照)を図8のt4時点から一定時間の経過後に出力する。また、バックライト輝度制御回路81は、その検知信号と、図8(a)に示す信号91とに対してナンド回路で論理演算を行うことで、図8(d)に示
す明信号94の代わりに暗信号を形成し、その暗信号をバックライト輝度調整部82へ出力するように構成される。
【0078】
・上記第2実施形態では、明所から暗所へ周囲環境が移行して、環境光の明るさが急激に変動した時、バックライト70の発光輝度の制御を予め設定された遅延時間後に行うために、CPU83は、t1時点から一定時間が経過したt3時点に図8(c)に示すパルス信号である検知信号93を出力するようになっている。
【0079】
本発明は、環境光の明るさが急激に変動した時、バックライト70の発光輝度の制御を予め設定された遅延時間後に行うために、次のような制御方法を用いても良い。
例えば、図8(b)に示すA−out(環境光ー明所)の信号と図8(a)に示すA−out(環境光ー暗所)の信号(2値の信号)のHレベルの時間は、環境光の明るさに比例する。
【0080】
そのため、CPU83は、検知信号93を出力する代わりに、短い周期で検知信号を常時出力し、その検知信号とA−out(環境光ー明所)の信号及びA−out(環境光ー暗所)の信号のナンドをそれぞれとって得られる明信号及び暗信号をそれぞれカウンタで計数する。
【0081】
CPU83は、その計数値がある設定値以下の場合には、暗所であると判定し、その計数値が別の設定値以上であれば明所であると判定する。CPU83は、このような判定を一定時間毎に行い、各判定結果をメモリに記憶させておく。
【0082】
そして、CPU83は、例えば今回の判定結果が「暗所」で、前回の判定結果が「明所」の場合には、明所から暗所へ周囲環境が移行したと判定し、この場合に、バックライトの輝度制御を一定時間中断してから再開する。
【0083】
・上記第4実施形態では、環境光の強度が設定値を超えた場合、バックライト70の発光輝度をそれ以上上げないようにするために、バックライト輝度調整部82のメモリに格納された輝度データテーブルの輝度データが作製されている。しかし、本発明は、環境光の強度が設定値を超えた場合、バックライト70の発光輝度をそれ以上上げないようにするために、バックライト輝度調整部82からバックライト70へ出力される駆動電流の上限を制限するリミッタ回路を、バックライト制御回路80に設けた構成にも適用可能である。この場合にも、上記第4実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0084】
・上記各実施形態では、受光素子50としてPINフォトダイオードを用いているが、その受光素子に他のタイプのフォトダイード等を用いる構成にも本発明は適用可能である。
【0085】
・上記第1実施形態では、液晶表示パネル30の素子基板22上の有効表示領域30Aから外れた領域に、環境光検出回路51の全部が設けられているが、本発明はこれに限定されない。素子基板22上に環境光検出回路51の一部、例えば受光素子50のみを設け、残りをFPC36上に設けた構成にも本発明は適用可能である。
【0086】
・上記第1実施形態では、液晶表示パネル30の素子基板22上の有効表示領域30Aから外れた領域の1箇所に、受光素子50とこれを含む環境光検出回路51とが設けられているが、本発明は、これに限定されない。素子基板22上の有効表示領域30Aから外れた領域の複数箇所に、受光素子50とこれを含む環境光検出回路51とを設けた構成にも本発明は適用可能である。
【0087】
・上記第1実施形態では、素子基板22上の有効表示領域30Aから外れた領域に、受光素子50とこれを含む環境光検出回路51とが設けられているが、本発明は、これに限定されない。液晶表示パネル30上の有効表示領域30Aから外れた領域に、受光素子50と環境光検出回路51の他に、バックライト制御回路80の一部或いは全部を設けた構成にも本発明は適用可能である。この場合、液晶表示パネル30以外の部分の増大をさらに抑制することができ、工数及びコストをさらに低減することができる。
【0088】
・上記各実施形態では、電気光学装置の一例としての液晶表示装置に本発明を具体化した構成について説明したが、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ等、各種の表示装置にも適用可能である。
【0089】
・図9では、液晶表示装置20を備えた電子機器の一例として携帯電話について説明したが、液晶表示装置20は、携帯電話に限らず、パーソナルコンピュータ、デジタルカメラ等の各種の電子機器に適用できる。
【0090】
・上記第1実施形態において、筐体40に設けた光透過部41と素子基板22上に設けた受光素子50は、筐体40を液晶表示パネル30に位置合わせした状態で合致する位置に設けられており、液晶表示パネル30と筐体40を位置合わせするためのアライメントマークとしての機能を有する。そこで、液晶表示装置20の製造工程において、筐体40等の部品を液晶表示パネル30に位置合わせした状態で外部からの光を受光素子50に入射させると、環境光検出回路から受光素子50に入射する光の強度に応じた電気信号が出力される。その電気信号に基づき液晶表示パネル30と筐体40等の部品との位置ズレ量が許容範囲内にあるか否かを電気的に判定できる。これにより、その位置ズレ量が許容範囲内にあるか否かについての最終的な位置合わせの判断を作業者の目視に基づいて行う必要がないので、その位置ズレ量が作業者の個人差によりばらつきくこともないという、優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】第1実施形態に係る液晶表示装置の電気的構成を概略的に示する構成図。
【図2】同液晶表示装置を筐体側から見た平面図。
【図3】図2のA−A´矢視断面図。
【図4】バックライト輝度制御のための回路部の電気的構成を示すブロック図。
【図5】環境光検出回路を示す回路図。
【図6】環境光検出回路の出力とバックライトの輝度の関係を示すグラフ。
【図7】第2実施形態のバックライト輝度制御のための回路部の電気的構成を示すブロック図。
【図8】(a)〜(d)は第2実施形態の動作説明のためのタイミングチャート。
【図9】液晶表示装置を備えた携帯電話の概略構成を示す斜視図。
【符号の説明】
【0092】
22…素子基板、30A…有効表示領域、40,62…筐体、41…光透過部、50…受光素子、51,51A…環境光検出回路、70…バックライト、81…バックライト輝度制御回路、82…バックライト輝度調整部、83…CPU。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルとバックライトを備えた表示装置において、
前記表示パネル上の有効表示領域から外れた領域に設けた受光素子と、
前記受光素子を含み、該受光素子に入射する光の強度に応じた電気信号を出力する環境光検出回路と、
前記環境光検出回路の出力に基づき前記バックライトの発光輝度を制御するバックライト制御手段と、
前記表示パネルに組み付ける筐体に設けられ、周囲の環境光を前記受光素子に入射させる光透過部と、を備え、
前記環境光検出回路及び前記バックライト制御手段のうち、少なくとも前記受光素子を前記表示パネルの素子基板上に、前記表示パネルの周辺駆動回路と共に設けたことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置において、
前記環境光検出回路の全部が前記素子基板上に前記周辺駆動回路と共に設けられていることを特徴とする表示装置。
【請求項3】
請求項2に記載の表示装置において、
前記バックライト制御手段の一部或いは全部が前記素子基板上に前記周辺駆動回路と共に設けられていることを特徴とする表示装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一つに記載の表示装置において、
前記バックライト制御手段は、前記環境光検出回路の出力に応じて複数段階の輝度選択信号を出力するバックライト輝度制御回路と、前記バックライト輝度制御回路から出力される前記複数段階の輝度選択信号に基づき、前記受光素子で受光する環境光の強度が大きいほど前記バックライトの発光輝度を上げるように、前記バックライトの発光輝度を調整するバックライト輝度調整部と、を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項5】
請求項4に記載の表示装置において、
前記バックライト輝度調整部は、前記複数段階の輝度選択信号にそれぞれ対応する複数段階の輝度データを含む輝度データテーブルが格納されたメモリを備え、前記バックライト輝度制御回路から出力される前記複数段階の輝度選択信号に基づき、前記輝度データテーブルを参照して前記複数段階の輝度データの中から対応する一つの輝度データを選択し、該選択した前記輝度データに応じた駆動電流を前記バックライトに供給することを特徴とする表示装置。
【請求項6】
請求項4に記載の表示装置において、
前記バックライト制御手段は、前記複数段階の輝度選択信号にそれぞれ対応する複数段階の輝度データを含む輝度データテーブルが格納したメモリを備え、前記バックライト輝度制御回路から出力される前記複数段階の輝度選択信号に基づき、前記輝度データテーブルを参照して前記複数段階の輝度データの中から対応する一つの輝度データを選択して、前記バックライト輝度調整部へ出力するCPUを更に含み、前記バックライト輝度調整部は、前記CPUから出力される前記輝度データに応じた駆動電流を前記バックライトに供給することを特徴とする表示装置。
【請求項7】
請求項4〜6のいずれか一つに記載の表示装置において、
前記バックライト輝度調整部は、前記受光素子で受光する環境光の強度が大きい明所からその強度が小さい暗所へ周囲環境が移行し或いはその逆へ周囲環境が移行して前記環境光の明るさが急激に変動したことを検出した時、前記複数段階の輝度選択信号に基づく前
記バックライトの発光輝度の調整を、予め設定された遅延時間後に行うことを特徴とする表示装置。
【請求項8】
請求項4〜6のいずれか一つに記載の表示装置において、
前記バックライト制御手段は、周囲環境が、前記受光素子で受光する環境光の強度が所定値より小である暗所と、その強度が所定値より大である明所とのいずれであるかを判定し、周囲環境が前記暗所である判定した場合には、階調制御における輝度の低い側の階調度を高くし、周囲環境が前記明所である判定した場合には輝度の高い側の階調度を低くする階調制御部を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項9】
請求項4〜8のいずれか一つに記載の表示装置において、
前記バックライト輝度調整部は、前記受光素子で受光する環境光の強度が設定値を超えた場合、前記バックライトの発光輝度をそれ以上上げないように前記輝度データテーブルの輝度データが作製されていることを特徴とする表示装置。
【請求項10】
請求項4〜8のいずれか一つに記載の表示装置において、
前記バックライト制御手段は、前記受光素子で受光する環境光の強度が設定値を超えた場合、前記バックライトの発光輝度をそれ以上上げないように、前記バックライト輝度調整部から前記バックライトへ出力される駆動電流の上限を制限するリミッタ回路を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1つに記載の表示装置を備えた電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−91051(P2006−91051A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−272881(P2004−272881)
【出願日】平成16年9月21日(2004.9.21)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】