説明

表示装置及びプログラム

【課題】発進可能な状態であることを報知することについての製造コストを抑えた表示装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】表示装置11は、電動バイク1の状態を示す計測値を所定の方法で表示する表示手段としての表示部114と、表示部114を制御する制御手段としての制御部111と、を備える。表示装置11の制御部111は、電動バイク1が発進可能な状態になった後に、前記電動バイク1が発進可能な状態であることを前記所定の方法とは異なる方法で表示部114に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電動車両は、駆動源であるモータから発生する音、振動等が小さいため、運転者は、その電動車両が発進可能な状態であるか否かがわかりにくい。
【0003】
このような不都合を解消するため、発進可能な状態であることを表示する表示装置が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。この特許文献1に開示されている表示装置では、制御手段は、車両の電源が投入された後、複数個の表示手段を順次点滅して車両が発進可能な状態であることを報知し、車両の速度が所定の速度以上となった場合に、表示手段の点滅を終了する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3078586号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に開示されている表示装置では、発進可能な状態であることを報知(例えば、画面に表示し、音声を出力する。)するための専用のハードウェアを設ける必要があり、その分製造コストが嵩むという問題があった。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、発進可能な状態であることを報知することについての製造コストを抑えた表示装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る表示装置は、
電動車両の状態を示す計測値を所定の方法で表示する表示手段と、
前記電動車両が発進可能な状態になった後に、前記電動車両が発進可能な状態であることを前記所定の方法とは異なる方法で前記表示手段に表示させる制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係るプログラムは、
コンピュータに、
電動車両の状態を示す計測値を所定の方法で表示部に表示する表示手順と、
前記電動車両が発進可能な状態になった後に、前記電動車両が発進可能な状態であることを前記所定の方法とは異なる方法で表示させる制御手順と、
を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、発進可能な状態であることを報知することについての製造コストを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る表示装置を含む電動バイクの構成を示すブロック図である。
【図2】表示部に表示される画面の一例を説明するための図である。
【図3】実施形態1に係る表示装置が実行する発進可能状態表示処理を説明するためのフローチャートである。
【図4】(a)は、セグメントを順次点滅させてアニメーション表示する一例を説明するための図であり、(b)は、0を表示しながら、0を構成するセグメントを順次点滅させてアニメーション表示する一例を説明するための図であり、(c)は、モータが回転運動を行っていることを表すアニメーション表示の一例を説明するための図であり、(d)は、車速を表示しつつ、車速を表示するセグメントのみを点滅させて表示する一例を説明するための図である。
【図5】実施形態2に係る表示装置が実行する発進可能状態表示処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】実施形態3に係る表示装置が実行する発進可能状態表示処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】アニメーション表示をバーグラフで表した一例を説明するための図である。
【図8】(a)は、パワーゲージのセグメントを順次点滅させてアニメーション表示する一例を説明するための図であり、(b)は、オド/トリップ計のセグメントを順次点滅させてアニメーション表示する一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施形態1)
本発明の実施形態に係る表示装置11を備えた電動バイク1を、以下図面を参照して説明する。なお、本発明は下記の説明及び図面によって限定されるものではない。下記での説明及び図面によって示される構成等に適宜変更(構成要素の削除も含む)を加えることができるのはもちろんである。また、以下の説明では、本発明の理解を容易にするために、公知の技術的事項の説明を適宜省略する。
【0012】
電動バイク1は、モータを動力とする自動二輪車であり、図1に示すように、本実施形態を説明するための主な構成要素として、動力部3と、タイヤ5と、バッテリ7と、アクセル9と、表示装置11と、車両情報取得部13と、を含む。
【0013】
動力部3は、モータと、モータの動力を動力部3の外部に伝達するギアと、を含む。モータの動力は、ギアを介して図示しないシャフトに伝達される。この伝達によって、シャフトが回転し、この回転によってタイヤ5が回転し、電動バイク1は走行する。このようにして、動力部3は、シャフトを介してタイヤ5を回転させ、電動バイク1を走行させる。動力部3は、車両情報取得部13のECU131によって、制御される。
【0014】
バッテリ7は、電動バイク1における所定の構成要素を動作させるためのエネルギーである電力を蓄え、所定の構成要素に供給する。特に、動力部3のモータは、バッテリ7から供給される電力により駆動する。
【0015】
アクセル9は、ユーザからのアクセル操作を受け付ける。アクセル9は、例えば、アクセル操作の操作量に応じた値を示すアクセル操作信号を車両情報取得部13に供給する。
【0016】
車両情報取得部13は、ECU(Electronic Control Unit)131、回転数計132、残量計133を備える。回転数計132は、タイヤの回転数を計測するために用いられる。残量計133は、バッテリ7に蓄えられているエネルギーの残量(本実施形態では、残容量(Ah))を計測するためのものである。
【0017】
ECU131は、各種の制御を行う。ECU131には、アクセル操作信号が供給される。ECU131は、アクセル操作信号が示す値の大きさに応じた速度で電動バイク1が走行するように、動力部3を制御する。例えば、ECU131は、モータへの電力供給量を制御することによって、モータの出力の大きさ、動力部3が出力する動力の大きさ等を制御することによって、動力部3を制御する。これによって、電動バイク1はアクセル操作の操作量に応じた速度で走行することになる。
【0018】
また、ECU131は、第1の所定期間毎の回転数を回転数計132を用いて順次計測し(例えば、第1の所定期間における回転数計からのパルスの数をカウントすることによって計測する。)、計測した回転数(回転数情報)を表示装置11に順次供給する。さらに、ECU131は、第2の所定期間毎に、残量計133を用いてバッテリ7のエネルギーの残量を順次計測し、計測したバッテリの残量(残量情報)を表示装置11に順次供給する。なお、第1の所定期間と第2の所定期間とは、基本的に同じとするが、異なっても良い。
【0019】
表示装置11は、ECU131とCAN通信等によって通信し、ECU131から供給される回転数情報、残量情報等に基づいて、所定の表示画面を表示する。表示装置11は、ここでは、電動バイク1の速度、走行距離等を表示する計器(車両用計器)である。
【0020】
表示装置11は、制御部111と、記憶部112と、入出力インターフェース部113と、表示部114と、音声出力部115と、を備える。
【0021】
制御部111(制御手段)は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等によって構成される。CPUは、記憶部112に記録されたプログラムに従って、また、フラッシュメモリ112a等に記録された情報等を用いて、制御部111が行う後述の処理を実行する。また、制御部111は、タイマ111aとしても機能する。そして、制御部111は、例えば、ECU131から供給される回転数情報と車輪の外周の長さ(既定値)とから電動バイクの移動距離を求め、求めた移動距離と、タイマ111aによって計測した時間(期間)と、から電動バイク1の速度を計算する。また、制御部111は、計算した速度と、前記で求めた移動距離についての積算値(移動距離は、適宜、記憶部112に記録されて積算されるものとする。)と、ECU131から供給された残量情報が示すバッテリの残量と、を表示部114に表示する。
【0022】
記憶部112は、所定の情報等を記憶する。記憶部112は、フラッシュメモリ112aを含む。フラッシュメモリ112aには、プログラムが記憶される他、制御部111が行う処理に用いられる情報(各種データ)が適宜記憶される。フラッシュメモリ112aは、制御部111が生成した情報を適宜記憶する。
【0023】
入出力インターフェース部113は、表示装置11と車両情報取得部13との情報のやりとりを仲立ちするインターフェースを含むとともに、制御部111が行う表示部114への表示制御の仲立ちを行うインターフェースや、制御部111が行う音声出力部115への出力制御の仲立ちを行うインターフェースを含む。
【0024】
表示部114は、液晶ディスプレイ、ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイによって構成される。フラットパネルディスプレイは、数字やバーグラフ等を表示する複数のセグメント(表示手段)を備える。表示部114は、制御部111によって制御され、図2に示すように、バッテリの残量51と、現在の電動バイク1の速度52と、現在までの電動バイク1の累積走行距離53と、を含む画面50を表示する。
【0025】
音声出力部115は、D/A(デジタル/アナログ)変換器、アンプ、スピーカ等から構成され、制御部111から供給されたデジタル信号をアナログ信号に変換して増幅し、スピーカから音声として出力する。
【0026】
ユーザは、電動バイク1を運転したい場合に、イグニッションスイッチ(主電源)をONにして、電動バイク1を発進可能な状態にする。以下、イグニッションスイッチがONにされた直後に、電動バイク1が発進可能な状態であることを表示する場合を例にして、表示装置11の動作を説明する。
【0027】
制御部111は、イグニッションスイッチがONにされたことに応答して、図3に示す発進可能状態表示処理を開始し、まず、タイマ111aのカウンタ値(t)を0にリセットして、計時を開始させる(ステップS1)。制御部111は、ECU131から供給された回転数情報と、タイマ111aによって計測された期間とから電動バイク1の速度を算出する(ステップS2)。制御部111は、タイマ111aのカウンタ値(t)が所定の時間(T1)以上であるか否かを判別する(ステップS3)。この時間(T1)は、制御部111が、発信可能な状態である旨を表示部114に表示する期間に相当する。
【0028】
制御部111は、カウンタ値(t)が所定の時間(T1)未満であると判別した場合に(ステップS3;No)、制御部111は、算出された電動バイク1の速度が0であるか、即ち、電動バイク1が停止しているか否かを判別する(ステップS4)。
制御部111は、算出された速度が0であると判別された場合に(ステップS4;Yes)、図4(a)に示すように、フラッシュメモリ112aに予め記憶されている所定のプログラムに従って、電動バイク1の速度を表示するための各セグメントを順次点滅させて動的に表示(アニメーション表示)する(ステップS5)。
【0029】
即ち、発進可能な状態である旨を、本来、電動バイク1の速度を表示するための表示部114によって表示させる。このため、発進可能な状態である旨を表示するためだけの表示装置を搭載する必要がなく、構造を簡略化できる。また、専用の表示装置を持たないため、消費電力を低減することができる。
更に、電動バイク1の速度を表示するための各セグメントを順次点滅させてアニメーション表示するため、操作者に分かりやすく、且つ斬新な報知を行うことができる。
【0030】
制御部111は、各セグメントを点滅させるタイミングに合わせて、各セグメントの色を変化させる(ステップS6)。このため、操作者に注意喚起を促し、且つ斬新な報知を行うことができる。
また、制御部111は、発進可能な状態である旨を音声出力部115から出力することにより、ユーザに発進可能な状態である旨を報知する(ステップS7)。このため、操作者に音声により注意を促すことができる。
一方、制御部111は、算出された速度が0でないと判別された場合に(ステップS4;No)、表示部114に算出された速度を表示する(ステップS8)。
その後、制御部111は、処理をステップS2に戻す。
【0031】
一方、制御部111は、カウンタ値(t)が所定の時間(T1)以上であると判別した場合に(ステップS3;Yes)、ステップS8に処理を進める。
【0032】
以上、説明したように、本実施形態によれば、イグニッションスイッチがONにされてから所定の期間、電動バイク1の速度を表示するための各セグメントを、速度の代わりに順次点滅させて動的に表示する。このため、発進可能な状態であることを報知する専用のハードウェアを必要とせず、発進可能な状態であることを報知することについての製造コストを抑えることができる。また、表示項目が増えないため、表示部114の視認性の低下を抑えることができる。
【0033】
(実施形態2)
ユーザは、電動バイク1を運転したい場合に、イグニッションスイッチ(主電源)をONにして、電動バイク1を発進可能な状態にした後、アクセル9を操作することにより電動バイク1を発進させる。ECU131は、イグニッションスイッチがONにされたことに応答して、回転数(回転数情報)、バッテリの残量情報等を表示装置11に順次供給する。以下、ECU131から供給された情報に基づいて電動バイク1の速度等を表示する場合を例にして、表示装置11の動作を説明する。
【0034】
制御部111は、イグニッションスイッチがONにされたことに応答して、図5に示す発進可能状態表示処理を開始し、まず、ECU131から供給された回転数情報と、タイマ111aによって計測した期間とから電動バイク1の速度を算出する(ステップS11)。
【0035】
制御部111は、算出された電動バイク1の速度が0であるか、即ち、電動バイク1が停止しているか否かを判別する(ステップS12)。制御部111は、算出された速度が0でないと判別された場合に(ステップS12;No)、表示部114に算出された速度を表示する(ステップS13)。一方、制御部111は、算出された速度が0であると判別された場合に(ステップS12;Yes)、図3に示すフローチャートのステップS5からS7までの処理と同じ処理(以下、報知処理という。)を実行する(ステップS14)。その後、制御は、ステップS11に戻り、制御部111は同様の処理を繰り返す。
【0036】
以上、説明したように、本実施形態によれば、イグニッションスイッチがONにされ、電動バイク1が停止している場合に、電動バイク1の速度を表示するための各セグメントを順次点滅させて動的に表示する。また、走行している状態から停止した状態に変化した場合にも、同様に表示する。このため、発進可能な状態であることを報知する専用のハードウェアを必要とせず、発進可能な状態であることを報知することについての製造コストを抑えることができる。また、表示項目が増えないため、表示部114の視認性の低下を抑えることができる。
【0037】
(実施形態3)
実施形態2では、電動バイク1の速度が0の場合、即ち、電動バイク1が停止している場合に、発進可能な状態であることを報知する表示装置11を説明した。しかし、電動バイク1が走行している場合であっても、発進可能な状態であることが分かると便利である。以下、ECU131から供給された情報に基づいて電動バイク1の速度等を表示する場合を例にして、表示装置11の動作を説明する。
【0038】
ECU131は、イグニッションスイッチがONにされたことに応答して、回転数(回転数情報)、モータの出力値(出力情報)等を表示装置11に順次供給する。
【0039】
制御部111は、イグニッションスイッチがONにされたことに応答して、図6に示す発進可能状態表示処理を開始し、まず、ECU131から供給された回転数情報と、タイマ111aによって計測された期間とから電動バイク1の速度を算出する(ステップS21)。制御部111は、算出された速度を表示部114に表示する(ステップS22)。
【0040】
制御部111は、ECU131から供給された出力情報によって特定されるモータの出力値が0であるか否かを判別する(ステップS23)。制御部111は、モータの出力値が0でないと判別された場合に(ステップS23;No)、ステップS21に処理を戻す。
一方、制御部111は、モータの出力値が0である場合に(ステップS23;Yes)、報知処理を実行する(ステップS24)。報知処理において、制御部111は、図4(d)に示すように、ステップS21で算出された速度(例えば、40km/h)を表示部114に表示しながら、算出された速度を表示するのに必要なセグメントのみを点滅させると共に、その色を変化させる。即ち、制御部111は、計測値としての速度のみを点滅して表示させる。
その後、制御は、ステップS21に戻り、制御部111は同様の処理を繰り返す。
【0041】
以上、説明したように、本実施形態によれば、イグニッションスイッチがONにされ、電動バイク1の動力源であるモータの出力値が0の場合に、電動バイク1の速度を表示しつつ、速度を表示するのに必要なセグメントのみを点滅させる。このため、例えば、電動バイク1が長い坂道などでアクセル9を閉じて走行している場合であっても、車速を表示しつつ、電動バイクが発進可能な状態であることを報知することができる。
【0042】
この発明は上記の実施形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。例えば、上記説明において、示したハードウェアの構成及び動作のフローチャートは一例でありこれらに限定されるものではなく、適宜変更及び応用が可能である。
実施形態1では、制御部111は、イグニッションスイッチがONになってから所定の期間内である場合、発進可能な状態を報知する必要があると判別する。また、実施形態2では、制御部111は、イグニッションスイッチがONにされた後であって車速が0の場合、発進可能な状態を報知する必要があると判別する。さらに、実施形態3では、制御部111は、イグニッションスイッチがONにされた後であってモータの出力値が0の場合、発進可能な状態を報知する必要があると判別する。このようにして、制御部111は、発進可能な状態を報知する必要があるか否かを判別し、発進可能な状態を報知する必要があると判別した場合には、発進可能な状態であることを本来の表示方法(車両の状態を示す計測値を表示する方法)とは異なる表示方法で報知し、発進可能な状態を報知する必要がないと判別した場合には、本来の表示方法での表示を行う。しかし、発進可能な状態を報知する必要があるか否かを判別する方法は、これらに限定されない。制御部111は、電動バイク1の車両の状態を示す車両情報から発進可能な状態を報知する必要があるか否かを判別すればよく、例えば、モータに供給される電流の計測値等の車両情報から発信可能な状態を報知する必要があるか否かを判別してもよい。
【0043】
上記実施形態では、制御部111は、本来、電動バイク1の速度を表示するためのセグメントを順次点滅させることにより、発進可能な状態である旨を報知しているが、モータの出力を表示するためのセグメント、バッテリの残量(パワーゲージ)を表示するためのセグメント、走行距離又は累積走行距離を示すオド/トリップ計を表示するためのセグメント等、を順次点滅させることにより、発進可能な状態である旨を報知してもよい。例えば、制御部111は、図8(a)に示すように、パワーゲージを表示するためのセグメントを順次点滅する。また、制御部111は、図8(b)に示すように、オド/トリップ計を表示するためのセグメントを順次点滅する。
【0044】
制御部111は、図4(c)に示すように、車速やパワーゲージの数値を表示するためのセグメントにより、モータが回転運動を行っていることを表すアニメーションを表示することにより、発進可能な状態である旨を報知してもよい。
上記実施形態では、車速をデジタル表示しているが、図7に示すように、バーグラフで表示してもよい。
この場合、制御部111は、バーグラフを表示するセグメントにより、電気が流れていることを表すアニメーションを表示することにより、発進可能な状態である旨を報知してもよい。
更に、制御部111は、図4(b)に示すように、車速やパワーゲージの数値を表示するためのセグメントで「0」を表示しながら、0を表示するためのセグメントを順次点滅させてもよい。
【0045】
上記実施形態2では、制御部111は、算出された速度が0であると判別された場合に、報知処理を実行するが、車速が0より大きい値から0に変化したときから所定の期間内である場合にのみ、報知処理を実行してもよい。
また、制御部111は、算出された速度が0となっている期間が所定の閾値以上の場合に、報知処理を実行してもよい。これによって、運転手が忘れたころに、発進可能である旨を報知できる。
【0046】
上記実施形態3では、制御部111は、図4(d)に示すように、計測値としての速度を表示するセグメント(図面において黒色で表示されているセグメント)の全体を点滅させているが、計測値を表示するセグメント(図面において黒色で表示されているセグメント)を順次点滅させてアニメーション表示してもよい。
上記実施形態では、表示手段として、フラットディスプレイのセグメントを例示したが、これに限定されず、その他の電動車両の計測値を表示する装置(インジケータ等)を採用してもよい。また、本発明は上記実施形態に限定されず、上記実施形態及びその変形例を適宜組み合わせてもよい。
【0047】
なお、上記プログラムは、OS(Operation System)と協働してCPUに表示制御処理を行わせるものであってもよい。この場合、OSもフラッシュメモリ112aに記録される。また、プログラムは、持ち運び可能な記憶媒体(例えば、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory))に記録され、表示装置11に供給(インストール)されてもよい。また、プログラムは、ネットワークを介して表示装置11に供給されてもよい。これらの場合には、フラッシュメモリ112a等にプログラムが記録される。
【0048】
プログラムが記録された、フラッシュメモリ112a、又は、持ち運び可能な記憶媒体等は、プログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体になる。プログラムは、機能の少なくとも一部が専用回路によって実現された表示装置11を動作させるものであってもよい。つまり、表示装置11は、全体として、表示制御処理を行うものであればよく、プログラムは、そのような表示装置11を動作させるものであればよい。
【符号の説明】
【0049】
1 電動バイク
3 動力部
5 タイヤ
7 バッテリ
9 アクセル
11 表示装置
13 車両情報取得部
50 画面
51 バッテリの残量
52 現在の電動バイクの速度
53 現在までの電動バイクの累積走行距離
111 制御部
111a タイマ
112 記憶部
112a フラッシュメモリ
112b ROM
113 入出力インターフェース部
114 表示部
115 音声出力部
131 ECU
132 回転数計
133 残量計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動車両の状態を示す計測値を所定の方法で表示する表示手段と、
前記電動車両が発進可能な状態になった後に、前記電動車両が発進可能な状態であることを前記所定の方法とは異なる方法で前記表示手段に表示させる制御手段と、
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記電動車両が発進した後に、前記計測値を前記表示手段に表示させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記電動車両が所定の条件を満たしている状態にあるときに、前記車両が発進可能なことを前記表示手段に表示させる、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記電動車両が発進可能な状態になった後に、前記表示手段を点滅させる、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記表示手段は、複数のセグメントを備え、
前記制御手段は、前記電動車両が発進可能な状態になった後に、各セグメントを所定のタイミングで点滅させる、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記計測値を点滅して前記表示手段に表示させる、
ことを特徴とする請求項4又は5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記電動車両が発進可能な状態になった後に、前記各セグメントの色を所定のタイミングで変更する、
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の表示装置。
【請求項8】
コンピュータに、
電動車両の状態を示す計測値を所定の方法で表示部に表示する表示手順と、
前記電動車両が発進可能な状態になった後に、前記電動車両が発進可能な状態であることを前記所定の方法とは異なる方法で表示させる制御手順と、
を実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−34551(P2012−34551A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−174293(P2010−174293)
【出願日】平成22年8月3日(2010.8.3)
【出願人】(000231512)日本精機株式会社 (1,561)
【Fターム(参考)】