被覆光ファイバ、及び関連装置、リンク、及び光学的減衰方法
被覆光ファイバ及び関連装置、リンク並びに光ファイバに差し向けられ又は光ファイバから差し向けられた光を光学的に減衰させる方法が開示される。一実施形態では、光ファイバは、光ファイバ端部を有する。光ファイバ端部は、ソーズ側端部及び/又は検出器側端部であるのが良く、角度劈開されるのが良い。コーティング材料が光ファイバ端部の少なくとも一部分に被着され、このコーティング材料は、光ファイバ端部に差し向けられる光の一部分を光学的に減衰させるよう構成されている。コーティング材料の材料形式及び/又はコーティング材料の厚さは、光学的減衰量を制御するよう選択的に調節可能である。また、コーティング材料の厚さは、光ファイバ端部の少なくとも一部分に被着されるコーティング材料の所望の厚さを提供するよう調節可能である。コーティング材料は又、マルチモード光リンクの帯域幅を向上させるよう選択的にパターニング可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の技術は、光ファイバ、特に、光源のモニタリングの際に用いられる角度劈開された光ファイバに関する。
【0002】
〔関連出願の説明〕
本願は、2009年10月15日に出願された米国特許出願第12/579,473号の権益主張出願であり、この米国特許出願を参照により引用し、その記載内容全体を本明細書の一部とする。
【背景技術】
【0003】
光ファイバは、種々の用途において光を伝送し又は処理するために使用できる。例としては、光を基板上に形成された一体形光学コンポーネント又は光学装置に送り又は光をこれから受けること、情報チャネルを波長分割多重光通信装置及びシステムで送ること、光ファイバスイッチマトリックス装置又はファイバアレイ‐アレイコネクタ(fiber array to array connector)を形成すること及び光増幅又はレーザ発信のための光学利得を生じさせることが挙げられる。光ファイバは、本質的に、光をファイバ境界部内に閉じ込め、光を1つの箇所から別の箇所に送る「光パイプ(ライトパイプ)」として働く。
【0004】
光ファイバコア及び光ファイバコアを包囲したクラッド層を有するものとして典型的な光ファイバを単純化していうことができる。光ファイバコアの屈折率は、光を閉じ込めるためにクラッドの屈折率よりも高い。光ファイバコアの長手方向軸線に関して最大角度内で光ファイバコア中に結合された光線は、光ファイバコアとクラッドのインターフェイスのところで全反射される。全反射(TIR)は、光線が表面の法線に対し臨界角度よりも大きな角度で媒質境界部に当たったときに生じる光学的現象である。境界部の他方の側の材料の屈折率が小さい場合、通過する光は存在せず、光の全てが反射される。臨界角度は、全反射が起こる下限としての入射角である。このTIRは、光線の光エネルギーを1つ又は2つ以上の選択された光ファイバモード内に空間的に閉じ込めて光エネルギーを光ファイバコアに沿って案内する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
光ファイバリンクの光パワーレベルは、光源の光パワーレベルの関数である。光源の光パワーレベルは、光検出器ノイズに起因した検出誤差を最小限に抑えるために既定の最小光パワーレベルよりも大きいことが必要な場合がある。しかしながら、多くの光ファイバリンクでは、光パワーレベルは、例えば目の安全上の要件を満たし又は光検出器飽和を回避するために既定の最大光パワーレベルを超えないよう制御されなければならない。このため、光パワーレベルは、検出誤差を最小限に抑えるための最小光パワーレベルと目の安全のための最大光パワーレベルとの間にあるよう制御される場合がある。しかしながら、例えば目の安全上の要件を満たすよう最大光パワーレベルを既定の最大光パワーレベルの制限することは、光ファイバリンクの性能を制限する場合がある。例えば、垂直共振器表面発光ダイオードレーザ(VCSEL)は、特定の光パワーレベルで最も効率的に動作する。この最適パワーから外れると、効率、速度又は信頼性が低下する場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
詳細な説明において開示される実施形態は、被覆光ファイバ及び関連装置、リンク並びに光ファイバに差し向けられ又は光ファイバから差し向けられた光を光学的に減衰させる方法を含む。一実施形態では、光ファイバは、光ファイバ端部を有する。例えば、光ファイバ端部は、光源から発射された光を受けるよう光源に隣接して配置され又は取り付けられるよう構成されたソース側端部及び/又は光ファイバからの光を受ける光検出器に隣接して配置され又は取り付けられるよう構成された検出器側端部であるのが良い。コーティング材料が光ファイバ端部の少なくとも一部分に被着され、このコーティング材料は、光ファイバ端部に差し向けられた光の一部分を光学的に減衰させるよう構成されている。
【0007】
このように一例として、光源は、光ファイバ内の最大光パワーレベルを制限しながら高い出力光パワーレベルで光ファイバの方に差し向けられる光を生じさせるよう制御されるのが良い。例えば、光ファイバは、目の安全上の要件を満たし又は光検出器飽和を回避するために光パワーが制限されるのが良い。しかしながら、光源をかかる限度を超えた最大光パワー出力レベルに駆動することが望ましい場合がある。例えば、光源の直線性は、或る特定のしきい駆動電流を超えて駆動されると向上する場合がある。さらに、光源を高い光パワーレベルで駆動すると、制限のされた数又は所定の組をなすモード又はモード群を励振するファーフィールド光パターンを生じさせることができる。マルチモード光ファイバリンク内の励振モード又はモード群の数を制限すると、モード分散を減少させることができると共にその結果として光ファイバリンク帯域幅を向上させることができる。別の例として、光源を過剰駆動すると、光パワー、例えば温度を減少させる場合のある変動条件又は光源のエイジング効果を補償することができる。
【0008】
さらに、コーティング材料を光ファイバの検出器側端部に被着させて光を光学的に減衰させることも又望ましい場合がある。コーティング材料を光ファイバの検出器側端部に被着させて光を光学的に減衰させることにより、光検出器により検出される光ファイバからの光の或る特定のモード又はモード群を制限することができ、それにより、モード分散を減少させ、それにより帯域幅性能を向上させることができる。
【0009】
コーティング材料の材料形式及び/又はコーティング材料の厚さは、コーティング材料により提供される光学減衰量を制御するよう選択的に調節可能である。コーティング材料の厚さは、一例として、コーティング材料除去プロセス又はコーティング材料の所望の厚さを被着させるためのプロセスによって調節可能である。他の実施形態では、光ファイバ端部に被着されるコーティング材料は、光学減衰パターンをなして被着されるのが良い。光学減衰パターンは、光の或る特定のモード又はモード群を遮断し又は減衰させることができる一方で、光の他のモード又はモード群がコーティング材料を通過することができるようにする。このように、光学減衰パターンは、光ファイバ内で励振されるモード又はモード群の数及び/又は光検出器により検出されるモード又はモード群の数を制限してモード分散を制限し、帯域幅性能を向上させるのに役立ちうる。
【0010】
別の実施形態では、光ファイバリンクのための光学的減衰を行う方法が開示される。この方法は、光ファイバ端部を備えた光ファイバを用意するステップを有する。光ファイバ端部は、ソース側端部及び/又は検出器側端部であるのが良い。光ファイバ端部に差し向けられた光の一部分を光学的に減衰させるよう構成されたコーティング材料を光ファイバ端部の少なくとも一部分に被着させる。光ファイバ端部を角度劈開して光を反射させるための反射ファセットを提供するのが良い。反射光は、光ファイバ端部がソース側端部である場合には光源から受け取った光又は光ファイバ端部が検出器側端部である場合には光検出器に反射される伝搬光であるのが良い。光ファイバ端部の角度劈開は、例を挙げると、レーザ劈開又は光ファイバ端部の研磨によって実施されるのが良い。
【0011】
追加の特徴及び利点は、以下の詳細な説明に記載されており、部分的にはかかる説明から当業者には容易に明らかであり、或いは以下の詳細な説明、特許請求の範囲並びに添付の図面を含む明細書において開示する実施形態を実施することによって認識されよう。
【0012】
上述の概要説明と以下の詳細な説明の両方は、種々の実施形態に関しており、特許請求の範囲に記載された発明の性質及び性格を理解するための概観又は枠組を提供するようになっていることは理解されるべきである。添付の図面は、種々の実施形態の一層の理解を提供するために添付されており、本明細書に組み込まれてその一部をなす。図面は、本明細書において説明する種々の実施形態を示しており、詳細な説明と一緒になって、特許請求の範囲に記載された本発明の原理及び作用を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】光ファイバのソース側端部内に光を発射する光源と光ファイバの検出器側端部のところで発射された光を検出する光検出器との間に設けられた光ファイバで構成される例示のマルチモード光ファイバリンクを示す図である。
【図2】図1の光ファイバのソース側端部の拡大側面図である。
【図3】光ファイバに向かって光源によって発射された光を光学的に減衰させるために例示の光ファイバのソース側端部に被着された例示のコーティング材料の側面図である。
【図4】図3の光ファイバの側面図であり、コーティング材料が光ファイバに被着され、コーティング材料の一部分が所望の光学減衰をもたらすよう選択的に除去される前の状態を示す図である。
【図5】所望の光学減衰をもたらすようコーティング材料の所望の厚さを提供するために図4の光ファイバに被着されたコーティング材料の選択された部分の例示のレーザ除去の仕方を示す図である。
【図6】例示の光ファイバのソース側端部に被着されていて、或る特定のモード及び/又はモード群が光ファイバ内で励起されるのを阻止し又はこれらを減衰させるよう構成されたコーティング材料に施される例示の選択的光学減衰パターンの側面図である。
【図7】例示の光ファイバのソース側端部に被着されていて、光ファイバ内で励振されるモード及び/又はモード群の数を減少させるよう構成されたコーティング材料に施された別の例示の選択的光学減衰パターンの側面図である。
【図8】例示の光ファイバの検出器側端部に被着されていて、光の低次モード又はモード群を遮断し又は減衰させるよう構成されたコーティング材料に施された例示の選択的光学減衰パターンの側面図である。
【図9】図8の光ファイバの検出器側端部に被着されたコーティング材料に施される選択的光学減衰パターンに従って光の低次モード又はモード群を遮断し又は減衰させる仕方を示す追加の側面図である。
【図10】図8の光ファイバの検出器側端部に被着されたコーティング材料に施される選択的光学減衰パターンに従って光の低次モード又はモード群を遮断し又は減衰させる仕方を示す追加の側面図である。
【図11】図8の光ファイバの検出器側端部に被着されたコーティング材料に施される選択的光学減衰パターンに従って光の低次モード又はモード群を遮断し又は減衰させる仕方を示す追加の側面図である。
【図12】例示の光ファイバの検出器側端部に被着されていて、光の高次モード又はモード群を遮断し又は減衰させるよう構成されたコーティング材料に施された別の例示の選択的光学減衰パターンの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、実施形態を詳細に参照するが、かかる実施形態の実施例が添付の図面に示されており、図中、全てではなく、幾つかの実施形態が示されている。確かに、本発明の技術的思想は、多くの種々の形態で具体化でき、本発明を限定するものと解されてはならず、これら実施形態は、本明細書における開示が該当する法上の要件を満たすように提供されている。可能な限り、同一の参照符号は、同一のコンポーネント又は部分を示すために用いられる。
【0015】
詳細な説明において開示される実施形態は、被覆光ファイバ及び関連装置、リンク並びに光ファイバに差し向けられ又は光ファイバから差し向けられた光を光学的に減衰させる方法を含む。一実施形態では、光ファイバは、光ファイバ端部を有する。例えば、光ファイバ端部は、光源から発射された光を受けるよう光源に隣接して配置され又は取り付けられるよう構成されたソース側端部及び/又は光ファイバからの光を受ける光検出器に隣接して配置され又は取り付けられるよう構成された検出器側端部であるのが良い。コーティング材料が光ファイバ端部の少なくとも一部分に被着され、このコーティング材料は、光ファイバ端部に差し向けられた光の一部分を光学的に減衰させるよう構成されている。
【0016】
コーティング材料を光ファイバに被着させて光学減衰を行う仕方を説明する前に、図1及び図2を参照して例示の光ファイバリンクについて説明する。この点に関し、図1は、例示の光ファイバリンク10を示している。光ファイバリンク10は、内部コア14を有する光ファイバ12で構成されている。光ファイバ12は、この実施形態では、マルチモード光ファイバであり、このことは、このことは、内部コア14内に、内部コア14に設けられたフェース15中に発射された光に起因して発射角度によって定められた多数の伝搬経路が存在することを意味している。図1には内部コア14だけが示されているが、言うまでもないこととして、光が光ファイバ12に沿って伝搬しているときに光を全体として内部コア14内に閉じこめるために内部コア14を包囲するクラッド層(図示せず)が光ファイバ12内に設けられる。光ファイバ12の内部コア14を包囲したクラッドの一例が図2に示されており、これについては以下において説明する。
【0017】
図1を参照すると、この実施形態では、光17Lを第1のゾーン(I)において光ファイバ12中に発射するために光源16が光ファイバ12のソース側端部18に設けられている。光17Lは、全反射(TIR)により光源16から光ファイバ12中に結合される。この点に関し、光ファイバ12のソース側端部18は、光17Rを光ファイバ12の内部コア14中に全反射させるためにレーザにより角度をなして劈開されている(即ち、レーザ劈開されている)(以下、劈開ファイバ端20又は角度劈開ファイバ端20又はレーザ劈開ファイバ端20と呼ぶ)。光源16は、一例として垂直共振器表面発光ダイオードレーザ(VCSEL)又は他の光源であって良い。光17Rは、第2のゾーン(II)において光ファイバ12の内部コア14に沿って伝搬し、ついには、ソース側端部18と反対側の光ファイバ12の検出器側端部22に達する。図1には、光ファイバ12に沿って伝搬する光17Rは、ステップインデックス内部コアのインデックス分布が用いられる場合と同様、内部コア14に沿って一連の真っ直ぐな線を辿るものとして示されている。これらの線は又、一般に直線ではない経路を表すようになっており、次に、光は、グレーデッドインデックス(勾配屈折率)内部コアインデックス分布状態にある。光ファイバ12に沿って伝搬している光17Rを検出するために光検出器24が光ファイバ12の検出器側端部22に設けられている。また、検出のために第3のゾーン(III)において光17Rを光検出器24に当てるよう下方へ変向するために角度劈開ファイバ端部が光ファイバ12の検出器側端部22のところに設けられている。
【0018】
図2は、この例では、光ファイバ12の角度劈開ファイバ端20に関する詳細を提供するよう図1の光ファイバ12のソース側端部18を拡大側面図で示している。図2に示されているように、光ファイバ12は、角度劈開ファイバ端20が光源16から発射された光17Lを受けるよう光源16と位置合わせされるように位置決めされている。光ファイバ12は、この実施形態では、光ファイバ12を光ファイバ軸線A1に垂直に発射された光17Lを受けるよう構成されている。光源16は、基板28上に設けられ、光ファイバ12は、光源16から光ファイバ12への効率的な光信号伝送を達成するよう光源16に位置合わせされるのが良い。角度劈開ファイバ端20の角度Θ1は、光源16から発射された光17Lを角度劈開ファイバ端20のところで全反射により反射されて光17Rとして光ファイバ12の内部コア14に沿って変向されるよう設けられるのが良い。例えば、一実施形態では、角度劈開ファイバ端20の角度Θ1は、向上した光学性能(例えば、後方反射の減少、マルチモードファイバにおける帯域幅の増大等)を提供するよう約45°であるのが良く又は他の角度であっても良い。角度劈開ファイバ端20から反射された光17Rは、一般に、光17Rが検出器側端部22(図1も又参照されたい)に向かって内部コア14に沿って伝搬しているときに光ファイバ12の内部コア14を包囲したクラッド30で反射することにより内部コア14内に留まる。
【0019】
光源16からの光17Lは、この実施形態では発散角をなして発散し又は拡がっているので、光17Lは、所与の角度範囲にわたって内部コア14内に発射される。この結果、光17Lは、光ファイバ軸線A1に対して発射角度の光17Rとして角度劈開ファイバ端20から発射される。この結果、マルチモード光ファイバ12の多くのモード又はモード群の励振が生じる場合があり、それによりモード分散が入り込む。モード群は、内部コア14に沿って同一の伝搬経路を有する一群の光線であり、従って、これら光線は、検出器側端部22に同時に到達して1つの群を形成する。モード分散は、光ファイバリンク10の帯域幅を制限する場合がある。さらに、モード分散は、光ファイバ12の長さが増大するにつれて増大する場合がある。
【0020】
例としてシングルモード光ファイバリンクとマルチモード光ファイバリンクの両方を含む例えば図1及び図2の光ファイバリンク10のような多くの光ファイバリンクでは、光検出器により受け取られる光ファイバからの光の光パワーレベルを制御することができる。光の光パワーレベルは、光検出器のノイズを含むノイズに起因したビットエラーを最小限に抑えるために既定の最小光パワーレベルよりも大きいように制御されるのが良い。一例として、図1の光検出器24により受け取られる光17Dは、最高毎秒20ギガビット(Gbps)までの帯域幅を提供するよう−10dBmの光パワーレベルに適合し又はこれを超えることが必要な場合がある。受け取った光の光パワーレベルを制御してこれが既定の最小光パワーレベルよりも大きくするためには、光源は、光ファイバの内部コア中に発射される光の光パワーを制御するよう調節されるのが良い。この点に関し、光源は、光をその最大出力パワーレベルで光ファイバ中に発射するよう制御される場合がある。しかしながら、多くの光ファイバリンク及び関連用途は、例えば例を挙げると目の安全上の要件を満たし又は光検出器の飽和を回避するために光源に関して最大光パワーレベルを定めている。例えば、最大光パワーレベルは、+3dBmである場合がある。この点において、光源は、光を最小既定光パワーレベルと最大既定光パワーレベルとの間の光パワーレベルで光ファイバ中に発射するよう制御される場合がある。
【0021】
光源を光ファイバリンクの最大既定光パワーレベル又は限度を超える動作点で駆動することが何故望ましいかについては多くの理由が存在する。例えば、光源の直線性は、或る特定のしきい駆動電流を超えて駆動されると向上する場合があり、その結果、高い動作周波数で性能の向上を得るための開口アイダイヤグラム(open eye diagram)が得られる。さらに、マルチモード光ファイバリンクでは、光源を高い光パワーレベルで駆動することにより、制限された数又は所定の組をなすモード又はモード群を励振するファーフィールド光パターンを生じさせることができる。例えば、VCSEL光源ファーフィールド光パターンの形状は、駆動電流の関数として変化する。マルチモード光ファイバリンク内の励振モード又はモード群の数を制限することにより、モード分散を減少させることができ、その結果として、光ファイバリンク帯域幅を向上させることができる。また、光源、例えばVCSELを過剰駆動して光パワーを減少させる場合のある変動条件を補償することが望ましい場合がある。例えば、温度の変動は、光源に提供される所与の駆動電流のための光パワー出力を変化させる場合がある。また、半導体を利用した光源、例えばVCSELの光パワーレベルは、半導体のエイジング効果に起因して経時的に低下する場合がある。
【0022】
光源を高い出力光パワーレベルで動作させる一方で光ファイバリンク内の最大光パワーレベルを制限するために、光学減衰を導入するのが良い。この点において、図3は、光学減衰が光源38と光ファイバ40との間で行われる例示の実施形態としての光ファイバリンク34を側面図で示している。この実施形態では、以下に詳細に説明するように、光学減衰は、コーティング材料36の形態で提供される。コーティング材料36は、光ファイバ40の少なくとも一部分の周りに被着され又は施される材料である。この実施形態では、被着されたコーティング材料36は、光ファイバ40の外面39上に位置する。コーティング材料36は、光学減衰を可能にする光吸収特性を有する。この実施形態では、光学減衰を可能にするコーティング材料36の一部分37は、光源38と光ファイバ40との間の光路45中に配置され、光源38により発射された光42Lは、光ファイバ40に達する前にこのコーティング材料の一部分37を通る。その結果、コーティング材料36の吸収特性により、光ファイバ40内に発射された光42Lが減衰される。
【0023】
コーティング材料36の光吸収特性及び光路45内に配置されたコーティング材料36の一部分37の厚さは、光ファイバ40中に発射された光42Lの光学減衰量を制御する。コーティング材料36の一部分37の厚さは、光42Lの光学減衰量を制御するよう調節可能である。コーティング材料36は、図3に示されているように光42Lを光学的に減衰させてこれを光学的減衰光42L′にする。このように、光源38は、光ファイバリンク34に関する最大光パワーレベルを超える場合のある高い出力光パワーレベルで光42Lを発射するが、光学減衰光42L′及び光学的減衰光42L′から反射された光42Rが光ファイバリンク34に関する最大光パワーレベルを超えることがないようにするよう駆動されるのが良い。上述したように、光ファイバリンク34は、例を挙げると、例えば目の安全に関する或る特定の仕様又は要件を満たし又は光検出飽和を回避するよう既定の最大光パワーレベルを有するのが良く、この場合、既定最大光パワーレベルは、光源38により提供できる最大出力光パワーレベルよりも低い。
【0024】
引き続き図3を参照すると、コーティング材料36の一部分37によりもたらされる光学減衰量は、光ファイバ40のソース側端部44のところで行われる。光源38は、この実施形態では、基板46上に配置されている。光ファイバ40は、光源38から光ファイバ40中に発射される光42Lの効率的な伝送を達成するために光源38に位置合わせされるのが良い。図3に示されているように、光42Lは、光ファイバ軸線A2に垂直に光源38から光ファイバ40中に発射され、そしてこの実施形態では光ファイバ40のクラッド48中に進む。基板46に対する他の発射角度及び光ファイバ角度が採用可能である。コーティング材料36は、光42Lがクラッド48に達する前にコーティング材料36の一部分37を通過しなければならないようクラッド48と光源38との間に配置されている。クラッド48は、光ファイバ40の内部コア50を包囲している。光42Lは、図3に示されているように光学的減衰光42L′として光学的に減衰される。光学減衰量は、コーティング材料36の形式又は種類及びその厚さの関数であり、この例については以下に詳細に説明する。次に、光学減衰光42L′は、クラッド48を通って光ファイバ40の内部コア50に入り、ここで、光ファイバ40の角度劈開ファイバ端54の角度劈開端ファセット52(又は端面)で全反射(TIR)により反射される。その結果、反射光42Rは、光ファイバ40の光ファイバ軸線A2に平行ではない角度をなして光ファイバ40の内部コア50に沿って変向される。
【0025】
光42Lが光学的に減衰されるので、光源38は、光42Lを光ファイバ40の内部コア50に沿って反射された反射光42Rの光パワーレベルよりも高い光出力パワーレベルで発射するよう制御可能である。例えば、上述したように、例を挙げると向上した性能又は向上した光ファイバリンク帯域幅を得るために、光源38を駆動させて光42Lを高い出力光パワーレベルで生じさせることが望ましい場合がある。何らかの理由で、かかる高い出力光パワーレベルが光ファイバリンクについて所望の又は設計された最大光パワーレベルを超える場合、コーティング材料36の一部分37により提供される光学減衰は、光42Lを光学的に減衰させてこれを光学減衰光42L′にして光ファイバのクラッド48及び/又は内部コア50に入る光42Lの光パワーレベルを減少させるよう設計されるのが良い。
【0026】
光源38からの光42Lは、この実施形態では、発散角で発散し又は拡がっているので、光学的減衰光42L′は、所与の角度にわたり光ファイバ40の内部コア50中に発射される。この結果、光学減衰光42L′は、大きな発射角度で反射光42Rとして角度劈開端ファセット52から発射される。この結果、光ファイバ40の多数のモード又はモード群が励振される場合があり、それによりモード分散が導入される。モード群は、内部コア50に沿って同一の伝搬経路を有する一群の光線であり、従って、これら光線は、光ファイバ40の検出器側端部に同時に到達するようになっている。モード分散は、光ファイバリンク34の帯域幅を制限する場合がある。さらに、モード分散は、光ファイバ40の長さが増大するにつれて増大する場合がある。光42Lは又、光源38によって小さな発射角度で光ファイバ40の内部コア50中に発射されるのが良く、その結果、内部コア50内で励振されるモード又はモード群は僅かであり、それにより、モード分散が減少する。
【0027】
この実施形態におけるコーティング材料36は、図3に示されているように光ファイバ40の角度劈開ファイバ端54中に組み込まれている。上述したように、角度劈開ファイバ端54を更にレーザ劈開し又は研磨プロセスにより劈開しても良い。劈開のために公知の方法によるレーザ処理を用いてレーザ劈開光ファイバ端又はファセットを光ファイバ端部に形成することができる。例えば、可変ビームエキスパンダ(ビーム拡大器)及び25ミリメートル(mm)焦点距離集束レンズを備えた二酸化炭素(CO2)レーザから成るレーザ劈開ステーションを用いることができる。レーザを用いて光ファイバを劈開した場合、光ファイバ又は光ファイバの端をレーザ劈開ファイバ又はレーザ劈開端ともいう場合がある。レーザプロセスを用いると、単一の光ファイバ又は1次元(1‐D)又は2次元(2‐D)アレイの状態に配列された一群の光ファイバに傾斜面を形成することができる。角度が付けられたレーザ劈開端を備える光ファイバを多くの目的に用いることができる。例えば、光検出器、例えばVSCELは、光ビームを垂直方向に、垂直に、即ち90°で放出するので、或る特定の用途に関し、コンパクトさに関する検討を除外した状態で、方向転換が必要な場合が多い。角度を持つレーザ劈開端を備えた光ファイバを用いると、光検出器、例えば図1の上方に示された光検出器24中への必要とされる光の直角の方向転換を達成することができる。
【0028】
コーティング材料36は、この実施形態では、図3に示されているように光ファイバ40のクラッド48の外面56に被着されている。コーティング材料36は、光ファイバ40の角度劈開の前又はその後において製造中に光ファイバ40のクラッド48の外面56に被着可能である。コーティング材料36は、外面36全体に被着されても良く或いは外面の一部分だけに被着されても良い。コーティング材料36が角度劈開前に被着された場合、コーティング材料36の材料は、この実施形態では、クラッド48の外面56上に位置したままであろう。他の実施形態では、コーティング材料36は、例えばクラッド48が光ファイバ40内に設けられておらず又は光ファイバ40のソース側端部44のところに設けられている場合、光ファイバ40の内部コア50の外面57に被着される場合がある。コーティング材料36は又、例えばレーザアブレーション又は研磨作業により光ファイバ40のソース側端部44の近くでクラッド48の幾分か又はすべてを局所的に除去した結果として生じるファイバ表面に被着されても良い。コーティング材料36は、浸漬被覆、吹き付け、ブラシ掛け、スクリーン印刷、スパッタリング又は化学気相蒸着を含む(これらには限定されない)方法を用いて光ファイバ40に被着されるのが良い。
【0029】
コーティング材料36の形式又は種類は、コーティング材料36の光吸収特性に従って光学減衰量に影響を及ぼす。例えば、コーティング材料36は、光を設計された厚さで通過させることができるが、光学的に減衰させることができる耐久性のあるコーティング材料、例えば金属又は炭素を主成分とする材料であるのが良い。金属の例としては、チタン、アルミニウム及び金が挙げられるが、これらには限定されない。他の例としては、光を吸収し又は散乱させる粒子入りのポリマー被膜や光を散乱させる回折格子又は粗面が挙げられるが、これらには限定されない。ポリマーの例としては、アクリレート、テフロン(PTFE)及びナイロンが挙げられるが、これらには限定されない。コーティング材料36が被着された光ファイバ40の全体的厚さを最小限に抑えるために薄い層の状態で被着されたときに相当な光吸収をもたらすことができるコーティング材料36を提供することが望ましい場合がある。
【0030】
コーティング材料36は、光学減衰をもたらすよう光ファイバ40に塗布可能な光吸収又は分散液体であっても良い。例えば、光ファイバ40は、非ランダムエアライン(RAL)光ファイバではなく、ランダムエアライン(RAL)光ファイバであるのが良く、この場合、毛管力は、光路45中の1組のRALチャネル中に流体コーティングを吸い込ませる。この例において光吸収又は分散液体の特性を調節することにより又は液体がRALチャネル中で分散する仕方を制御することにより、光学減衰を加減することができる。
【0031】
或る特定の実施形態では、コーティング材料36は、他の利点又は目的を提供する材料から選択可能である。例えば、コーティング材料36は、例示として、光ファイバ40の外面39が損傷しないよう保護すると共に/或いは光ファイバ40の機械的強度を保つポリマー又はアクリル層として提供できる。コーティング材料36の材料の形式又は種類も又、光ファイバ40のためのハーメチックシール又はバリヤ層を提供すると共に/或いは光ファイバ40の耐久性を一段と高めるよう選択可能である。光学減衰及び気密封止をもたらすことができるコーティング材料36の例としては、炭素を主成分とする被膜や金属を主成分とする被膜、例えばアルミニウム又はチタンを主成分とする被膜が挙げられるが、これらには限定されない。コーティング材料36は、金属繊維被膜であっても良く、それにより、金属繊維被膜で被覆された光ファイバ40を光電子パッケージに設けられている貫通穴中にはんだ付けすることによりハーメチックシールを形成することができる。
【0032】
上述したように、光源38から発射された光42Lと光ファイバ40との間で光路45内に位置するコーティング材料36の一部分37の厚さも又、光42Lの光学減衰量を制御する。この点において、光42Lの光学減衰量は、コーティング材料36の一部分37の厚さを調節することによって制御できる。例えば、コーティング材料除去プロセスを製造時点で採用すると、コーティング材料36の厚さW1を厚さW2に減少させて、図3に示されているようにコーティング材料36の一部分37を形成し、光42Lの光学減衰量を調節することができる。図3に示されているように、光ファイバ40のソース側端部44のところのコーティング材料36の一部分37は、光源38と光ファイバ40との間の光路45内でコーティング材料36の厚さを厚さW2に減少させるよう除去されている。これにより、光42Lが厚さW1のコーティング材料36の一部分37を通過した場合に得ることができる光学減衰量と比較して、光源38により光ファイバ40のクラッド48中に発射される光42Lの光学減衰量が減少する。
【0033】
厚さの例として、厚さW1は、炭素を主成分とする被膜の場合、200マイクロメートル(μm)であるのが良く、厚さW2は、10μmであるのが良く、この場合、光42Lは、光42Lがコーティング材料36の一部分37を通過した結果として、3dBmからゼロ(0)dBm光学的減衰光42L′に光学的に減衰される。被膜除去後に光源38と光ファイバ40との間の光路45内に残るコーティング材料36の一部分37の厚さは、所望の光学減衰性能を達成するよう任意の厚さで提供できる。コーティング材料除去プロセスが光ファイバ40の製造中に実施される場合、光源38と光ファイバ40との間で光路45内に残るコーティング厚さを所望の任意の用途に合わせて調節することができる。種々の厚さを製造プロセス中、種々の用途に合わせて残すことができる。
【0034】
上述したように、コーティング材料除去プロセスを製造時点で実施すると、光ファイバ40に被着されているコーティング材料36の一部分37を除去して厚さを減少させ、その結果、コーティング材料36により提供される光学減衰性能を低下させることができる。図4は、角度劈開端ファセット52を光ファイバ40の角度劈開光ファイバ端54に設けてコーティング材料36をクラッド48の外面56に被着させた後の図3の光ファイバ40を示している。角度劈開端ファセット52を例を挙げるとレーザ劈開作業により又は光ファイバ40を研磨することにより提供できる。レーザ劈開を用いる場合、コーティング材料36は、非ポリマー材料、例えば炭素又は金属として選択するのが良く、その結果、コーティング材料36は、角度劈開されるべき光ファイバ40の一部分を照射したときに形状を変化させず又は分解することがないようになる。次に、コーティング材料除去プロセスをコーティング材料36の一部分37に対して実施して光源38と光ファイバ40との間で光路45内に位置するコーティング材料36の厚さW2を提供する(図3参照)。コーティング材料除去プロセスの例としては、レーザアブレーション、化学エッチング、機械的アブレーション及び研磨が挙げられるが、これらには限定されない。
【0035】
例えば、図5は、図3及び図4の光ファイバ40のコーティング材料36の一部分37を除去して厚さを厚さW2(図3)に減少させると共に光ファイバ40の光学減衰性能を増大させるコーティング材料除去装置及びプロセスを示している。コーティング材料36の一部分37の厚さを光ファイバ40のソース側端部44の近くで選択的に減少させて光ファイバ40を光源38に位置合わせしたときに所望の光学減衰を光路45内で実施されるようにするのが良い。図5に示されているように、レーザ60が利用される。レーザ60は、一例として10.6μmの波長で動作するCO2レーザであるのが良い。レーザ60は、除去されるべきコーティング材料36の一部分37にレーザビーム60を放出して厚さをこの例では厚さW2に減少させるよう位置決めされている。レーザビーム62は、コーティング材料36を部分的に溶発させてコーティング材料36の厚さを所望に応じて減少させる。この実施形態では、レーザ60は、レーザビーム62が光源38(図3)と光ファイバ40との間で光路45内に位置するコーティング材料36の一部分37に差し向けられるよう制御される。コーティング材料36に加えられるレーザビーム62の強度及び持続時間を調節することにより残留厚さを選択的に制御するよう除去されたコーティング材料36の一部分37を変化させることができる。レーザ60は又、レーザビーム62を図5に示されているように垂直ではなく、光ファイバ軸線A2に平行にコーティング材料36に差し向けてコーティング材料36の一部分37を除去するのが良い。変形例として、レーザ60は、レーザビーム62を光ファイバ40のいずれかの側から図5の紙面に入る方向又はこれから出る方向でコーティング材料36をめがけて差し向けても良い。
【0036】
この場合も又、他の除去方法が採用可能であり、本明細書において開示する光ファイバ、コーティング材料除去装置及び方法の実施形態は、レーザ除去又はアブレーションには限定されない。コーティング材料除去方法以外の他の方法を用いてもコーティング材料を光ファイバに被着させて図3の光学的減衰を含む光学的減衰をもたらすことができる。例えば、コーティング材料36に適合した化学的処理をコーティング材料36に施してコーティング材料36の一部分を除去して厚さを制御することができる。フォトリソグラフィーマスキング及び/又はエッチングプロセスを採用することができる。コーティング材料36の厚さは又、除去プロセスを実施しないでコーティング材料36を光ファイバ40に所望の厚さまで制御可能に被着させることにより制御できる。この場合、コーティング材料を光ファイバ全体又は光ファイバの一部分、例えば、一例を挙げると図3の光ファイバ40のソース側端部44に被着させるのが良い。光ファイバに対するコーティング被着又は蒸着プロセスの例としては、浸漬被覆、吹き付け、ブラシ掛け、スクリーン印刷、スパッタリング又は化学気相蒸着が挙げられるが、これらには限定されない。コーティング材料36の形式又は種類も又、厚さを制御するための除去プロセスを助けるよう選択されるのが良い。例えば、酸化を受けるコーティング材料36、例えば炭素又は金属を主成分とするコーティング材料のレーザ支援酸化を用いてコーティング材料36の厚さを制御しても良い。
【0037】
光ファイバに被着されるコーティング材料の厚さをどのように設けるか又は制御するかとは無関係に、光ファイバの本体に被着されるコーティング材料により光学減衰をもたらすことには、或る特定の非限定的な利点がある。例えば、コーティング材料が光ファイバの本体と一体である場合、コーティング材料により提供される光学的減衰は、光源の位置及び光ファイバに対するその光フィールド構造とは独立して機能することができる。コーティング材料が光ファイバの周囲全体に被着される場合、コーティング材料により提供される光学的減衰は、光ファイバに対して自動位置合わせされ、それにより光ファイバの組立てプロセスを単純化する。コーティング材料、例えば一例を挙げるとハーメチックパッケージ貫通封止を用いて金属化又は気密光ファイバコーティング材料が他の理由で光ファイバの周りに被着されることが必要な場合、このコーティング材料は、追加の材料又は部品を必要としないで光学的減衰を制御するよう選択的に除去可能である。それにもかかわらず、光学的減衰手段として光ファイバコーティング材料を被着させるには光源のための又は光源と光ファイバとの間に設けられるべき追加の部品を必要としない。
【0038】
上述したように、光ファイバに被着されたコーティング材料の一部分を所望厚さまで除去して光ファイバ中に発射される光の光学的減衰を行うのが良い。また、上述したように、コーティング材料の所望厚さは、被着プロセスが所望の光学減衰性能に望ましい厚さまでのコーティング材料の被着の制御を可能にする場合、除去を用いないで被着プロセスにより提供できる。コーティング材料除去プロセスを用いて光ファイバに被着されるコーティング材料の厚さを制御し、それにより光学減衰を行うことは、別の又は追加の特徴及び利点を有する場合がある。例えば、単一厚さのコーティング材料を光ファイバに被着されることができ、この場合、コーティング材料の除去量を必要に応じて制御すると共に調節することができ、それにより処理済み光ファイバの用途に応じて光学減衰量を所望通りに調節することができる。光源と光ファイバとの間の光路内のコーティング材料の除去を選択的に制御して光ファイバの或る特定のモード又はモード群だけを光源によって励振させるやり方について例示として以下に詳細に説明する。
【0039】
図3〜図5を参照して上述した実施形態は、光学減衰を行うために一様な又は実質的に一様な残留厚さへのコーティング材料36の一部分37の除去を含む。その結果、光路45内の残留コーティング材料36により提供される光学的減衰は、光源38から光ファイバ30中に発射される光42Lの種々のオーダ又はモードにとって一様又は実質的に一様であるのが良い。しかしながら、光ファイバに被着されるコーティング材料の特定の一領域又は複数の領域を除去して特定の光学的減衰パターン又はマスクを形成して光ファイバ中に発射される光の種々のオーダ又はモードが一様に光学的に減衰されないようにすることも又可能である。この点において、図6及び図7は、光ファイバの周りに被着されるコーティング材料の一部分又は複数の部分が所望の光学的減衰パターン又はマスクに従って選択的に除去される光ファイバの実施形態を示している。その結果、光ファイバは、光源により光ファイバ中に発射される光の種々のオーダ又はモードが一様に光学的に減衰されることがないように構成されている。
【0040】
図6を参照すると、別の例示の光ファイバリンク70の側面図が提供されており、この場合、光学的減衰をもたらすコーティング材料は、光源72と光ファイバ74との間に設けられている。光源72及び光ファイバ74は、図3〜図5に示されると共に上述した光源38及び光ファイバ40と同一又は類似の光源及び光ファイバであるのが良い。この点において、光ファイバ74は、光ファイバ74のソース側端部76が光源72から光ファイバ74中に発射される光78Lの効率的伝送を達成するよう光源72と位置合わせされるよう基板75に取り付けられるのが良い。
【0041】
図6に示されているように、光78Lは、光源72から光ファイバ軸線A3に垂直な光路73に沿って光ファイバ74中に発射され、そしてこの実施形態では光ファイバ74のクラッド80中に進む。クラッド80は、光ファイバ74の内部コア82を包囲している。光78Lは、光78Lが光学的な減衰を行うコーティング材料84を通過し、特に、上述したように所望の光学減衰量をもたらすよう所望の厚さまで選択的に除去され又は被着されたコーティング材料84のリングマスク又はリングパターン86を通過しているときに光学的に減衰されて光学減衰光78L′となる。コーティング材料の形式又は種類及びコーティング材料84の所望の厚さを提供する除去又は被着プロセスは、上述した形式又は種類及びプロセスのうちの任意のものであって良い。次に、光学減衰光78L′は、クラッド80を通って光ファイバ74の内部コア82に入り、ここで、光ファイバ74の角度劈開ファイバ端90の角度劈開端ファセット又は端面88で全反射(TIR)により光78Rとして反射される。その結果、反射光78Rは、光ファイバ74の光ファイバ軸線A3に平行ではない角度をなして光ファイバ74の内部コア82に沿って変向される。
【0042】
この実施形態では、コーティング材料84に施されるリングパターン86は、コーティング材料84の中央部分又はスポット94周りのリング領域92のコーティング材料84の部分を除去することにより提供される。光ファイバ74が例えば図6に示されているように光源72と位置合わせされると、コーティング材料84の中央部分94は、光源72から発射された光78Lを遮断し又は実質的に減衰させるよう構成され、この光78Lは、通常、角度劈開端ファセット88で反射して光ファイバ軸線A3にほぼ平行な又は実質的に平行な角度をなして内部コア82に沿って案内される。この角度は、この実施形態では、低次案内ファイバモードのための伝搬方向に一致している。この実施形態における光ファイバ74に被着されたコーティング材料84に施されたリングパターン86は、低次モード光を遮断し又は濾波するよう構成されている。大きな角度で光源72から発射された光78Lは、コーティング材料84のリング領域92を通過して減衰光78L′として光ファイバ74に進むことができる。この結果、光ファイバ74内の高次モード又はモード群の励振が生じ、それによりモード分散を制限すると共に光ファイバリンク70の光ファイバリンク帯域幅を向上させることができる。
【0043】
図7は、コーティング材料マスク又はパターンが光ファイバに被着されたコーティング材料に施されると共に光源から発射された光を遮断し又は実質的に減衰させるよう構成された実施形態を示しており、この光は、通常、反射されて、光ファイバの光ファイバ軸線にほぼ平行ではなく又は実質的に平行ではない角度をなして光ファイバに沿って案内される。この角度は、高次案内ファイバモードに関する伝搬方向に一致している。この点において、図7に示されているように、図6の光ファイバ74で構成された光ファイバリンク70′が提供されている。同一の要素は、図6に記載されている共通の要素番号を付けられた状態で図7に示されている。しかしながら、この実施形態では、別の光学減衰マスク又はパターン96が光路73内のコーティング材料84に施されている。光学減衰パターン96は、図6のコーティング材料84に施されたリングパターン86とは逆のパターンであるのが良い。この実施形態における光学減衰パターン96は、コーティング材料84を除去して形成された孔98で構成される円形凹状パターンであり、この円形凹状パターンは、光ファイバ軸線A3に垂直な又は実質的に垂直な角度で差し向けられた光78Lを通過させて減衰光78L′としてクラッド80に至ることができるようにするのに所望の厚さのものとして構成されている。このパターンは、非円形の状態に作られても良く又は凹状輪郭形状以外の他の何らかの断面輪郭形状で作られても良い。例えば、この輪郭形状は、一様な深さの局所領域を形成しても良い。光ファイバ軸線A3に対して角度をなして差し向けられた光78Lは、孔98を包囲した厚い厚さの光学減衰パターン96の部分100によって遮断され又は実質的に減衰される。この結果、光ファイバ74内の低次モード又はモード群の励振が生じ、それによりモード分散を制限すると共に光ファイバリンク70′の光ファイバリンク帯域幅を向上させることができる。
【0044】
互いに異なる発射角の光を互いに異なった仕方で光学的に減衰させ又は遮断するよう設計された光学減衰マスク又はパターンも又、光ファイバのレシーバ側端部に設けられるのが良い。これらとしては、リングパターン86並びに図6及び図7のそれぞれの光ファイバ40,74に施された凹状パターンが挙げられるがこれらには限定されない。この点において、図8〜図11は、光検出器の方へ差し向けられた伝搬光の光学的減衰をもたらすよう光ファイバのレシーバ側端部に施された光学減衰マスク又はパターンの例を示している。かかる光学減衰は、方向付けられた光の光パワーを減少させ又は光の或る特定のファイバモード又はモード群を減衰させ若しくは遮断するよう構成されているのが良い。
【0045】
図8は、コーティング材料112が被着された光ファイバ110のレシーバ側端部108の側面図である。コーティング材料112は、この実施形態では、上述した実施形態と同様に、光ファイバ110の内部コア118を包囲しているクラッド116の外面114に被着されている。光120Rは、光が光源(図示せず)から光ファイバ110中に発射された結果として、光ファイバ110の内部コア118に沿って伝搬する。この光は、例えば図6に提供され又は本明細書において開示した任意他の実施形態としての光源により光ファイバ110中に発射されるのが良く、この場合、光は、発射され、そしてTIR反射されて光ファイバの内部コアに沿って進む。光120Rは光ファイバ110のレシーバ側端部108に設けられた角度劈開端ファセット122で反射されて光120Cとなる。角度劈開端ファセット122は、光ファイバのソース側端部に角度劈開端ファセットを設けるための上述のプロセスのうちの任意のものを用いて光ファイバ110のレシーバ側端部108に設けられるのが良い。光ファイバ110は、基板124上に又はその近くに設けられ、この光ファイバは、この実施形態では、光120Cが光検出器126の方へ差し向けられるよう光検出器126と位置合わせされる。
【0046】
この実施形態では、リングマスク又はリングパターン128が光120Cの減衰を選択的に制御するようコーティング材料112に施されている。リングパターン128は、図6の光ファイバ74のソース側端部76に被着されたコーティング材料84に施されているリングパターン80と同じ仕方で又はこれに類似した仕方でコーティング材料112に施されるのが良い。リングパターン128は、コーティング材料112の中央部分又はスポット132の周りのリング領域130に位置するコーティング材料112を部分的に除去することによりコーティング材料112に設けられる。除去は、例を挙げると、上述した方法のうちの任意のものに従って達成できる。光ファイバ110を例えば図8に示されているように光検出器126に位置合わせすると、コーティング材料112の中央部分132は、光120Rを遮断し又は実質的に減衰させるよう構成され、この光120Rは、通常、角度劈開端ファセット122で反射して光ファイバ110の光ファイバ軸線A4にほぼ垂直な又は実質的に垂直な角度をなして光検出器126まで案内される。この角度は、この実施形態では、低次案内ファイバモード又はモード群のための伝搬方向に一致している。この実施形態における光ファイバ110に被着されたコーティング材料112に施されたリングパターン128は、低次モード光を遮断し又は濾波するよう構成されている。大きな角度をなして光ファイバ110の角度劈開端ファセット122で反射した光120Rは、コーティング材料112に設けられたリング領域130を通過し、そして減衰光120C′として光検出器126に進むことができる。光120Rが光ファイバ110内の低次モード又はモード群を励振するかどうかとは無関係に、かかる低次モード又はモード群は、減衰され又は遮断されて光検出器126に達しないようになる。これによりモード分散を制限すると共に光ファイバ110の光ファイバリンク帯域幅を向上させることができる。
【0047】
図9〜図11は、図8の光ファイバ110の側面図であり、リングパターン128は、別の例として、光120Rの他のモード又はモード群を減衰させ又は遮断している。図9は、光ファイバ110に被着されているコーティング材料112に施されたリングパターン128が又、光120Cの或る特定の低次モード又はモード群をどのように遮断することができるかを示している。光120Rは、この実施形態では、光ファイバ軸線A4にほぼ平行な角度をなして内部コア118に沿って伝搬し、それより光ファイバ110の低次モード又はモード群を励振する。光ファイバ110の角度劈開端ファセット122で反射された或る特定の光は、図8に提供されているようにリングパターン128の中央部分132によって減衰され又は遮断される。しかしながら、減衰光120C″の他の低次モード又はモード群は、リング領域130を通って中央部分132の側部に進む。しかしながら、光ファイバ110は、減衰光120C″が光検出器126に達することがなく、効果的に濾波されるよう光検出器126と位置合わせされている。これによりモード分散を制限することができると共に光ファイバ110の光ファイバリンク帯域幅を向上させることができる。
【0048】
図10及び図11は又、光ファイバ110に被着されているコーティング材料112に施されたリングパターン128が又、光120Cの或る特定の高次モード又はモード群(例えば、負の角度)をどのように遮断することができ、他方、光120Cの他の高次モード又はモード群を光検出器126によって検出することができるかを示している。光ファイバ110の角度劈開端ファセット122で反射された或る特定の光120Cが図8に提供されているようにリングパターン128の中央部分132によって減衰され又は遮断される。光ファイバ110は、減衰光120C′″の或る高次モード又はモード群がリング領域130を通って中央部分132の側部に進み、そして光検出器126に当たるよう光検出器126と位置合わせされている。しかしながら、これ又リングパターン128のリング領域130を通過した減衰光120C″″の高次モード又はモード群は、光検出器126に達せず、効果的に濾波される。これによりモード分散を制限することができると共に光ファイバ110の光ファイバリンク帯域幅を向上させることができる。
【0049】
光の低次モード又はモード群を遮断し又は光学的に減衰させるために光学減衰マスク又はパターンが光ファイバのレシーバ側端部にも設けられるのが良い。この点において、図12は、コーティング材料142が被着された光ファイバ140のレシーバ側端部138の側面図である。コーティング材料142は、この実施形態では、上述の実施形態と同様、光ファイバ140の内部コア140を包囲したクラッド146の外面144に被着されている。光150Rは、光が光源(図示せず)から光ファイバ140中に発射された結果として、光ファイバ140の内部コア148に沿って伝搬する。この光は、例えば図6に提供され又は本明細書において開示した任意他の実施形態としての光源により光ファイバ140中に発射されるのが良く、この場合、光は、発射され、そしてTIR反射されて光ファイバの内部コアに沿って進む。光150Rは光ファイバ140のレシーバ側端部138に設けられた角度劈開端ファセット152で反射されて光150Cとなる。角度劈開端ファセット152は、光ファイバのソース側端部に角度劈開端ファセットを設けるための上述のプロセスのうちの任意のものを用いて光ファイバ140のレシーバ側端部138に設けられるのが良い。光ファイバ140は、基板154上に設けられ、光ファイバ140は、この実施形態では、光150Cが光検出器156の方へ差し向けられるよう光検出器156と位置合わせされる。
【0050】
この実施形態では、光学減衰パターン158が図8のコーティング材料112に施されたリングパターン128とは逆であり且つ/或いは図7のコーティング材料84に施された光学減衰パターン96と同一又は類似の光ファイバ140のレシーバ側端部138に被着されたコーティング材料142に施されるのが良い。この点において、光学減衰パターン158は、この実施形態では、コーティング材料142を除去して形成された孔160で構成される円形凹状パターンであり、この円形凹状パターンは、光ファイバ140の光ファイバ軸線A5に垂直な又はほぼ垂直に角度劈開端ファセット152から反射された光150Cを光150C′として通過させることができるようにするのに所望の厚さのものとして構成されている。光150C′の低次モード又はモード群は、この実施形態では、コーティング材料142を通過する。光ファイバ140は、光150C′が光検出器156に達するよう光検出器156と位置合わせされるのが良い。光ファイバ140の光ファイバ軸線A5に垂直ではなく又は実質的に垂直ではない角度で反射された光150Rは、孔160を包囲した厚い厚さの光学減衰パターン158の部分162によって遮断され又は実質的に減衰される。光150Cの高次モード又はモード群は、コーティング材料142を通過して光検出器156に達することがないよう遮断されるのが良く又はこの実施形態では実質的に減衰されるのが良い。これによりモード分散を制限すると共に光ファイバ140の光ファイバリンク帯域幅を向上させることができる。
【0051】
本明細書において開示した実施形態は、どのような特定の光ファイバリンク、光ファイバ、角度劈開、コーティング材料及びコーティング材料被着又は除去プロセスにも限定されない。所望の光学減衰特性を提供する任意種類のコーティング材料を使用することができる。所望の光学減衰特性を提供する任意厚さのコーティング材料を使用することができる。所望の光学減衰特性を提供する任意形式のコーティングマスク又はパターンを使用することができる。任意形式の光源及び光検出器を採用することができる。
【0052】
上述したように、レーザ劈開プロセスを利用して本明細書において開示したレーザ劈開ファイバ端を個々のファイバ又はファイバの個々のアレイに設け又は形成することができる。角度劈開部を提供する研磨プロセスも又、採用可能である。コーティング材料を光ファイバに比茶させる前又は後に且つ/或いはコーティング材料の一部分の除去前又は後に角度劈開プロセスを実施して所望の光学減衰を提供することができる。単一又は多数のレーザ劈開面を個々の光ファイバに加えてアレイ状に配列された光ファイバの端に設けることができ又は形成することができる。光ファイバアレイは、各々が外面、内部コア及び本明細書において開示した形式の1つ又は2つ以上のレーザ劈開面を備えた劈開(例えば、レーザ劈開)ファイバ端を有する光ファイバで構成可能である。
【0053】
さらに、本明細書で用いられている「光ファイバケーブル」及び/又は「光ファイバ」は、あらゆる形式のシングルモード及びマルチモード光導波路を含み、かかる光導波路としては、1本又は2本以上の裸光ファイバ、ルーズチューブ型光ファイバ、タイトバッファー型光ファイバ、リボン(テープ)型光ファイバ、曲げ不敏感性光ファイバ又は光信号を伝送する任意他の媒質手段が挙げられる。曲げ不敏感性光ファイバの一例は、コーニング・インコーポレイテッド(Corning Incorporated)により製造されたClearCurve(登録商標)光ファイバである。
【0054】
本明細書において説明した多くの改造例及び他の実施形態は、上述の実施形態の関連する技術分野において上述の説明及び関連の図面に提供された教示の恩恵を受ける当業者に想到されよう。したがって、上記説明及び特許請求の範囲の記載は、開示した特定の実施形態には限定されず、改造例及び他の実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲に含まれるものであることが理解されるべきである。上述の実施形態は、これら実施形態の改造例及び変形例が特許請求の範囲に記載された本発明の範囲及びその均等範囲に属することを条件として、これら改造例及び変形例を含むものである。本明細書において特定の用語が用いられているが、これら用語は、一般的な意味で且つ説明の目的上用いられているに過ぎず、本発明を限定する目的では用いられていない。
【技術分野】
【0001】
本発明の技術は、光ファイバ、特に、光源のモニタリングの際に用いられる角度劈開された光ファイバに関する。
【0002】
〔関連出願の説明〕
本願は、2009年10月15日に出願された米国特許出願第12/579,473号の権益主張出願であり、この米国特許出願を参照により引用し、その記載内容全体を本明細書の一部とする。
【背景技術】
【0003】
光ファイバは、種々の用途において光を伝送し又は処理するために使用できる。例としては、光を基板上に形成された一体形光学コンポーネント又は光学装置に送り又は光をこれから受けること、情報チャネルを波長分割多重光通信装置及びシステムで送ること、光ファイバスイッチマトリックス装置又はファイバアレイ‐アレイコネクタ(fiber array to array connector)を形成すること及び光増幅又はレーザ発信のための光学利得を生じさせることが挙げられる。光ファイバは、本質的に、光をファイバ境界部内に閉じ込め、光を1つの箇所から別の箇所に送る「光パイプ(ライトパイプ)」として働く。
【0004】
光ファイバコア及び光ファイバコアを包囲したクラッド層を有するものとして典型的な光ファイバを単純化していうことができる。光ファイバコアの屈折率は、光を閉じ込めるためにクラッドの屈折率よりも高い。光ファイバコアの長手方向軸線に関して最大角度内で光ファイバコア中に結合された光線は、光ファイバコアとクラッドのインターフェイスのところで全反射される。全反射(TIR)は、光線が表面の法線に対し臨界角度よりも大きな角度で媒質境界部に当たったときに生じる光学的現象である。境界部の他方の側の材料の屈折率が小さい場合、通過する光は存在せず、光の全てが反射される。臨界角度は、全反射が起こる下限としての入射角である。このTIRは、光線の光エネルギーを1つ又は2つ以上の選択された光ファイバモード内に空間的に閉じ込めて光エネルギーを光ファイバコアに沿って案内する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
光ファイバリンクの光パワーレベルは、光源の光パワーレベルの関数である。光源の光パワーレベルは、光検出器ノイズに起因した検出誤差を最小限に抑えるために既定の最小光パワーレベルよりも大きいことが必要な場合がある。しかしながら、多くの光ファイバリンクでは、光パワーレベルは、例えば目の安全上の要件を満たし又は光検出器飽和を回避するために既定の最大光パワーレベルを超えないよう制御されなければならない。このため、光パワーレベルは、検出誤差を最小限に抑えるための最小光パワーレベルと目の安全のための最大光パワーレベルとの間にあるよう制御される場合がある。しかしながら、例えば目の安全上の要件を満たすよう最大光パワーレベルを既定の最大光パワーレベルの制限することは、光ファイバリンクの性能を制限する場合がある。例えば、垂直共振器表面発光ダイオードレーザ(VCSEL)は、特定の光パワーレベルで最も効率的に動作する。この最適パワーから外れると、効率、速度又は信頼性が低下する場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
詳細な説明において開示される実施形態は、被覆光ファイバ及び関連装置、リンク並びに光ファイバに差し向けられ又は光ファイバから差し向けられた光を光学的に減衰させる方法を含む。一実施形態では、光ファイバは、光ファイバ端部を有する。例えば、光ファイバ端部は、光源から発射された光を受けるよう光源に隣接して配置され又は取り付けられるよう構成されたソース側端部及び/又は光ファイバからの光を受ける光検出器に隣接して配置され又は取り付けられるよう構成された検出器側端部であるのが良い。コーティング材料が光ファイバ端部の少なくとも一部分に被着され、このコーティング材料は、光ファイバ端部に差し向けられた光の一部分を光学的に減衰させるよう構成されている。
【0007】
このように一例として、光源は、光ファイバ内の最大光パワーレベルを制限しながら高い出力光パワーレベルで光ファイバの方に差し向けられる光を生じさせるよう制御されるのが良い。例えば、光ファイバは、目の安全上の要件を満たし又は光検出器飽和を回避するために光パワーが制限されるのが良い。しかしながら、光源をかかる限度を超えた最大光パワー出力レベルに駆動することが望ましい場合がある。例えば、光源の直線性は、或る特定のしきい駆動電流を超えて駆動されると向上する場合がある。さらに、光源を高い光パワーレベルで駆動すると、制限のされた数又は所定の組をなすモード又はモード群を励振するファーフィールド光パターンを生じさせることができる。マルチモード光ファイバリンク内の励振モード又はモード群の数を制限すると、モード分散を減少させることができると共にその結果として光ファイバリンク帯域幅を向上させることができる。別の例として、光源を過剰駆動すると、光パワー、例えば温度を減少させる場合のある変動条件又は光源のエイジング効果を補償することができる。
【0008】
さらに、コーティング材料を光ファイバの検出器側端部に被着させて光を光学的に減衰させることも又望ましい場合がある。コーティング材料を光ファイバの検出器側端部に被着させて光を光学的に減衰させることにより、光検出器により検出される光ファイバからの光の或る特定のモード又はモード群を制限することができ、それにより、モード分散を減少させ、それにより帯域幅性能を向上させることができる。
【0009】
コーティング材料の材料形式及び/又はコーティング材料の厚さは、コーティング材料により提供される光学減衰量を制御するよう選択的に調節可能である。コーティング材料の厚さは、一例として、コーティング材料除去プロセス又はコーティング材料の所望の厚さを被着させるためのプロセスによって調節可能である。他の実施形態では、光ファイバ端部に被着されるコーティング材料は、光学減衰パターンをなして被着されるのが良い。光学減衰パターンは、光の或る特定のモード又はモード群を遮断し又は減衰させることができる一方で、光の他のモード又はモード群がコーティング材料を通過することができるようにする。このように、光学減衰パターンは、光ファイバ内で励振されるモード又はモード群の数及び/又は光検出器により検出されるモード又はモード群の数を制限してモード分散を制限し、帯域幅性能を向上させるのに役立ちうる。
【0010】
別の実施形態では、光ファイバリンクのための光学的減衰を行う方法が開示される。この方法は、光ファイバ端部を備えた光ファイバを用意するステップを有する。光ファイバ端部は、ソース側端部及び/又は検出器側端部であるのが良い。光ファイバ端部に差し向けられた光の一部分を光学的に減衰させるよう構成されたコーティング材料を光ファイバ端部の少なくとも一部分に被着させる。光ファイバ端部を角度劈開して光を反射させるための反射ファセットを提供するのが良い。反射光は、光ファイバ端部がソース側端部である場合には光源から受け取った光又は光ファイバ端部が検出器側端部である場合には光検出器に反射される伝搬光であるのが良い。光ファイバ端部の角度劈開は、例を挙げると、レーザ劈開又は光ファイバ端部の研磨によって実施されるのが良い。
【0011】
追加の特徴及び利点は、以下の詳細な説明に記載されており、部分的にはかかる説明から当業者には容易に明らかであり、或いは以下の詳細な説明、特許請求の範囲並びに添付の図面を含む明細書において開示する実施形態を実施することによって認識されよう。
【0012】
上述の概要説明と以下の詳細な説明の両方は、種々の実施形態に関しており、特許請求の範囲に記載された発明の性質及び性格を理解するための概観又は枠組を提供するようになっていることは理解されるべきである。添付の図面は、種々の実施形態の一層の理解を提供するために添付されており、本明細書に組み込まれてその一部をなす。図面は、本明細書において説明する種々の実施形態を示しており、詳細な説明と一緒になって、特許請求の範囲に記載された本発明の原理及び作用を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】光ファイバのソース側端部内に光を発射する光源と光ファイバの検出器側端部のところで発射された光を検出する光検出器との間に設けられた光ファイバで構成される例示のマルチモード光ファイバリンクを示す図である。
【図2】図1の光ファイバのソース側端部の拡大側面図である。
【図3】光ファイバに向かって光源によって発射された光を光学的に減衰させるために例示の光ファイバのソース側端部に被着された例示のコーティング材料の側面図である。
【図4】図3の光ファイバの側面図であり、コーティング材料が光ファイバに被着され、コーティング材料の一部分が所望の光学減衰をもたらすよう選択的に除去される前の状態を示す図である。
【図5】所望の光学減衰をもたらすようコーティング材料の所望の厚さを提供するために図4の光ファイバに被着されたコーティング材料の選択された部分の例示のレーザ除去の仕方を示す図である。
【図6】例示の光ファイバのソース側端部に被着されていて、或る特定のモード及び/又はモード群が光ファイバ内で励起されるのを阻止し又はこれらを減衰させるよう構成されたコーティング材料に施される例示の選択的光学減衰パターンの側面図である。
【図7】例示の光ファイバのソース側端部に被着されていて、光ファイバ内で励振されるモード及び/又はモード群の数を減少させるよう構成されたコーティング材料に施された別の例示の選択的光学減衰パターンの側面図である。
【図8】例示の光ファイバの検出器側端部に被着されていて、光の低次モード又はモード群を遮断し又は減衰させるよう構成されたコーティング材料に施された例示の選択的光学減衰パターンの側面図である。
【図9】図8の光ファイバの検出器側端部に被着されたコーティング材料に施される選択的光学減衰パターンに従って光の低次モード又はモード群を遮断し又は減衰させる仕方を示す追加の側面図である。
【図10】図8の光ファイバの検出器側端部に被着されたコーティング材料に施される選択的光学減衰パターンに従って光の低次モード又はモード群を遮断し又は減衰させる仕方を示す追加の側面図である。
【図11】図8の光ファイバの検出器側端部に被着されたコーティング材料に施される選択的光学減衰パターンに従って光の低次モード又はモード群を遮断し又は減衰させる仕方を示す追加の側面図である。
【図12】例示の光ファイバの検出器側端部に被着されていて、光の高次モード又はモード群を遮断し又は減衰させるよう構成されたコーティング材料に施された別の例示の選択的光学減衰パターンの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、実施形態を詳細に参照するが、かかる実施形態の実施例が添付の図面に示されており、図中、全てではなく、幾つかの実施形態が示されている。確かに、本発明の技術的思想は、多くの種々の形態で具体化でき、本発明を限定するものと解されてはならず、これら実施形態は、本明細書における開示が該当する法上の要件を満たすように提供されている。可能な限り、同一の参照符号は、同一のコンポーネント又は部分を示すために用いられる。
【0015】
詳細な説明において開示される実施形態は、被覆光ファイバ及び関連装置、リンク並びに光ファイバに差し向けられ又は光ファイバから差し向けられた光を光学的に減衰させる方法を含む。一実施形態では、光ファイバは、光ファイバ端部を有する。例えば、光ファイバ端部は、光源から発射された光を受けるよう光源に隣接して配置され又は取り付けられるよう構成されたソース側端部及び/又は光ファイバからの光を受ける光検出器に隣接して配置され又は取り付けられるよう構成された検出器側端部であるのが良い。コーティング材料が光ファイバ端部の少なくとも一部分に被着され、このコーティング材料は、光ファイバ端部に差し向けられた光の一部分を光学的に減衰させるよう構成されている。
【0016】
コーティング材料を光ファイバに被着させて光学減衰を行う仕方を説明する前に、図1及び図2を参照して例示の光ファイバリンクについて説明する。この点に関し、図1は、例示の光ファイバリンク10を示している。光ファイバリンク10は、内部コア14を有する光ファイバ12で構成されている。光ファイバ12は、この実施形態では、マルチモード光ファイバであり、このことは、このことは、内部コア14内に、内部コア14に設けられたフェース15中に発射された光に起因して発射角度によって定められた多数の伝搬経路が存在することを意味している。図1には内部コア14だけが示されているが、言うまでもないこととして、光が光ファイバ12に沿って伝搬しているときに光を全体として内部コア14内に閉じこめるために内部コア14を包囲するクラッド層(図示せず)が光ファイバ12内に設けられる。光ファイバ12の内部コア14を包囲したクラッドの一例が図2に示されており、これについては以下において説明する。
【0017】
図1を参照すると、この実施形態では、光17Lを第1のゾーン(I)において光ファイバ12中に発射するために光源16が光ファイバ12のソース側端部18に設けられている。光17Lは、全反射(TIR)により光源16から光ファイバ12中に結合される。この点に関し、光ファイバ12のソース側端部18は、光17Rを光ファイバ12の内部コア14中に全反射させるためにレーザにより角度をなして劈開されている(即ち、レーザ劈開されている)(以下、劈開ファイバ端20又は角度劈開ファイバ端20又はレーザ劈開ファイバ端20と呼ぶ)。光源16は、一例として垂直共振器表面発光ダイオードレーザ(VCSEL)又は他の光源であって良い。光17Rは、第2のゾーン(II)において光ファイバ12の内部コア14に沿って伝搬し、ついには、ソース側端部18と反対側の光ファイバ12の検出器側端部22に達する。図1には、光ファイバ12に沿って伝搬する光17Rは、ステップインデックス内部コアのインデックス分布が用いられる場合と同様、内部コア14に沿って一連の真っ直ぐな線を辿るものとして示されている。これらの線は又、一般に直線ではない経路を表すようになっており、次に、光は、グレーデッドインデックス(勾配屈折率)内部コアインデックス分布状態にある。光ファイバ12に沿って伝搬している光17Rを検出するために光検出器24が光ファイバ12の検出器側端部22に設けられている。また、検出のために第3のゾーン(III)において光17Rを光検出器24に当てるよう下方へ変向するために角度劈開ファイバ端部が光ファイバ12の検出器側端部22のところに設けられている。
【0018】
図2は、この例では、光ファイバ12の角度劈開ファイバ端20に関する詳細を提供するよう図1の光ファイバ12のソース側端部18を拡大側面図で示している。図2に示されているように、光ファイバ12は、角度劈開ファイバ端20が光源16から発射された光17Lを受けるよう光源16と位置合わせされるように位置決めされている。光ファイバ12は、この実施形態では、光ファイバ12を光ファイバ軸線A1に垂直に発射された光17Lを受けるよう構成されている。光源16は、基板28上に設けられ、光ファイバ12は、光源16から光ファイバ12への効率的な光信号伝送を達成するよう光源16に位置合わせされるのが良い。角度劈開ファイバ端20の角度Θ1は、光源16から発射された光17Lを角度劈開ファイバ端20のところで全反射により反射されて光17Rとして光ファイバ12の内部コア14に沿って変向されるよう設けられるのが良い。例えば、一実施形態では、角度劈開ファイバ端20の角度Θ1は、向上した光学性能(例えば、後方反射の減少、マルチモードファイバにおける帯域幅の増大等)を提供するよう約45°であるのが良く又は他の角度であっても良い。角度劈開ファイバ端20から反射された光17Rは、一般に、光17Rが検出器側端部22(図1も又参照されたい)に向かって内部コア14に沿って伝搬しているときに光ファイバ12の内部コア14を包囲したクラッド30で反射することにより内部コア14内に留まる。
【0019】
光源16からの光17Lは、この実施形態では発散角をなして発散し又は拡がっているので、光17Lは、所与の角度範囲にわたって内部コア14内に発射される。この結果、光17Lは、光ファイバ軸線A1に対して発射角度の光17Rとして角度劈開ファイバ端20から発射される。この結果、マルチモード光ファイバ12の多くのモード又はモード群の励振が生じる場合があり、それによりモード分散が入り込む。モード群は、内部コア14に沿って同一の伝搬経路を有する一群の光線であり、従って、これら光線は、検出器側端部22に同時に到達して1つの群を形成する。モード分散は、光ファイバリンク10の帯域幅を制限する場合がある。さらに、モード分散は、光ファイバ12の長さが増大するにつれて増大する場合がある。
【0020】
例としてシングルモード光ファイバリンクとマルチモード光ファイバリンクの両方を含む例えば図1及び図2の光ファイバリンク10のような多くの光ファイバリンクでは、光検出器により受け取られる光ファイバからの光の光パワーレベルを制御することができる。光の光パワーレベルは、光検出器のノイズを含むノイズに起因したビットエラーを最小限に抑えるために既定の最小光パワーレベルよりも大きいように制御されるのが良い。一例として、図1の光検出器24により受け取られる光17Dは、最高毎秒20ギガビット(Gbps)までの帯域幅を提供するよう−10dBmの光パワーレベルに適合し又はこれを超えることが必要な場合がある。受け取った光の光パワーレベルを制御してこれが既定の最小光パワーレベルよりも大きくするためには、光源は、光ファイバの内部コア中に発射される光の光パワーを制御するよう調節されるのが良い。この点に関し、光源は、光をその最大出力パワーレベルで光ファイバ中に発射するよう制御される場合がある。しかしながら、多くの光ファイバリンク及び関連用途は、例えば例を挙げると目の安全上の要件を満たし又は光検出器の飽和を回避するために光源に関して最大光パワーレベルを定めている。例えば、最大光パワーレベルは、+3dBmである場合がある。この点において、光源は、光を最小既定光パワーレベルと最大既定光パワーレベルとの間の光パワーレベルで光ファイバ中に発射するよう制御される場合がある。
【0021】
光源を光ファイバリンクの最大既定光パワーレベル又は限度を超える動作点で駆動することが何故望ましいかについては多くの理由が存在する。例えば、光源の直線性は、或る特定のしきい駆動電流を超えて駆動されると向上する場合があり、その結果、高い動作周波数で性能の向上を得るための開口アイダイヤグラム(open eye diagram)が得られる。さらに、マルチモード光ファイバリンクでは、光源を高い光パワーレベルで駆動することにより、制限された数又は所定の組をなすモード又はモード群を励振するファーフィールド光パターンを生じさせることができる。例えば、VCSEL光源ファーフィールド光パターンの形状は、駆動電流の関数として変化する。マルチモード光ファイバリンク内の励振モード又はモード群の数を制限することにより、モード分散を減少させることができ、その結果として、光ファイバリンク帯域幅を向上させることができる。また、光源、例えばVCSELを過剰駆動して光パワーを減少させる場合のある変動条件を補償することが望ましい場合がある。例えば、温度の変動は、光源に提供される所与の駆動電流のための光パワー出力を変化させる場合がある。また、半導体を利用した光源、例えばVCSELの光パワーレベルは、半導体のエイジング効果に起因して経時的に低下する場合がある。
【0022】
光源を高い出力光パワーレベルで動作させる一方で光ファイバリンク内の最大光パワーレベルを制限するために、光学減衰を導入するのが良い。この点において、図3は、光学減衰が光源38と光ファイバ40との間で行われる例示の実施形態としての光ファイバリンク34を側面図で示している。この実施形態では、以下に詳細に説明するように、光学減衰は、コーティング材料36の形態で提供される。コーティング材料36は、光ファイバ40の少なくとも一部分の周りに被着され又は施される材料である。この実施形態では、被着されたコーティング材料36は、光ファイバ40の外面39上に位置する。コーティング材料36は、光学減衰を可能にする光吸収特性を有する。この実施形態では、光学減衰を可能にするコーティング材料36の一部分37は、光源38と光ファイバ40との間の光路45中に配置され、光源38により発射された光42Lは、光ファイバ40に達する前にこのコーティング材料の一部分37を通る。その結果、コーティング材料36の吸収特性により、光ファイバ40内に発射された光42Lが減衰される。
【0023】
コーティング材料36の光吸収特性及び光路45内に配置されたコーティング材料36の一部分37の厚さは、光ファイバ40中に発射された光42Lの光学減衰量を制御する。コーティング材料36の一部分37の厚さは、光42Lの光学減衰量を制御するよう調節可能である。コーティング材料36は、図3に示されているように光42Lを光学的に減衰させてこれを光学的減衰光42L′にする。このように、光源38は、光ファイバリンク34に関する最大光パワーレベルを超える場合のある高い出力光パワーレベルで光42Lを発射するが、光学減衰光42L′及び光学的減衰光42L′から反射された光42Rが光ファイバリンク34に関する最大光パワーレベルを超えることがないようにするよう駆動されるのが良い。上述したように、光ファイバリンク34は、例を挙げると、例えば目の安全に関する或る特定の仕様又は要件を満たし又は光検出飽和を回避するよう既定の最大光パワーレベルを有するのが良く、この場合、既定最大光パワーレベルは、光源38により提供できる最大出力光パワーレベルよりも低い。
【0024】
引き続き図3を参照すると、コーティング材料36の一部分37によりもたらされる光学減衰量は、光ファイバ40のソース側端部44のところで行われる。光源38は、この実施形態では、基板46上に配置されている。光ファイバ40は、光源38から光ファイバ40中に発射される光42Lの効率的な伝送を達成するために光源38に位置合わせされるのが良い。図3に示されているように、光42Lは、光ファイバ軸線A2に垂直に光源38から光ファイバ40中に発射され、そしてこの実施形態では光ファイバ40のクラッド48中に進む。基板46に対する他の発射角度及び光ファイバ角度が採用可能である。コーティング材料36は、光42Lがクラッド48に達する前にコーティング材料36の一部分37を通過しなければならないようクラッド48と光源38との間に配置されている。クラッド48は、光ファイバ40の内部コア50を包囲している。光42Lは、図3に示されているように光学的減衰光42L′として光学的に減衰される。光学減衰量は、コーティング材料36の形式又は種類及びその厚さの関数であり、この例については以下に詳細に説明する。次に、光学減衰光42L′は、クラッド48を通って光ファイバ40の内部コア50に入り、ここで、光ファイバ40の角度劈開ファイバ端54の角度劈開端ファセット52(又は端面)で全反射(TIR)により反射される。その結果、反射光42Rは、光ファイバ40の光ファイバ軸線A2に平行ではない角度をなして光ファイバ40の内部コア50に沿って変向される。
【0025】
光42Lが光学的に減衰されるので、光源38は、光42Lを光ファイバ40の内部コア50に沿って反射された反射光42Rの光パワーレベルよりも高い光出力パワーレベルで発射するよう制御可能である。例えば、上述したように、例を挙げると向上した性能又は向上した光ファイバリンク帯域幅を得るために、光源38を駆動させて光42Lを高い出力光パワーレベルで生じさせることが望ましい場合がある。何らかの理由で、かかる高い出力光パワーレベルが光ファイバリンクについて所望の又は設計された最大光パワーレベルを超える場合、コーティング材料36の一部分37により提供される光学減衰は、光42Lを光学的に減衰させてこれを光学減衰光42L′にして光ファイバのクラッド48及び/又は内部コア50に入る光42Lの光パワーレベルを減少させるよう設計されるのが良い。
【0026】
光源38からの光42Lは、この実施形態では、発散角で発散し又は拡がっているので、光学的減衰光42L′は、所与の角度にわたり光ファイバ40の内部コア50中に発射される。この結果、光学減衰光42L′は、大きな発射角度で反射光42Rとして角度劈開端ファセット52から発射される。この結果、光ファイバ40の多数のモード又はモード群が励振される場合があり、それによりモード分散が導入される。モード群は、内部コア50に沿って同一の伝搬経路を有する一群の光線であり、従って、これら光線は、光ファイバ40の検出器側端部に同時に到達するようになっている。モード分散は、光ファイバリンク34の帯域幅を制限する場合がある。さらに、モード分散は、光ファイバ40の長さが増大するにつれて増大する場合がある。光42Lは又、光源38によって小さな発射角度で光ファイバ40の内部コア50中に発射されるのが良く、その結果、内部コア50内で励振されるモード又はモード群は僅かであり、それにより、モード分散が減少する。
【0027】
この実施形態におけるコーティング材料36は、図3に示されているように光ファイバ40の角度劈開ファイバ端54中に組み込まれている。上述したように、角度劈開ファイバ端54を更にレーザ劈開し又は研磨プロセスにより劈開しても良い。劈開のために公知の方法によるレーザ処理を用いてレーザ劈開光ファイバ端又はファセットを光ファイバ端部に形成することができる。例えば、可変ビームエキスパンダ(ビーム拡大器)及び25ミリメートル(mm)焦点距離集束レンズを備えた二酸化炭素(CO2)レーザから成るレーザ劈開ステーションを用いることができる。レーザを用いて光ファイバを劈開した場合、光ファイバ又は光ファイバの端をレーザ劈開ファイバ又はレーザ劈開端ともいう場合がある。レーザプロセスを用いると、単一の光ファイバ又は1次元(1‐D)又は2次元(2‐D)アレイの状態に配列された一群の光ファイバに傾斜面を形成することができる。角度が付けられたレーザ劈開端を備える光ファイバを多くの目的に用いることができる。例えば、光検出器、例えばVSCELは、光ビームを垂直方向に、垂直に、即ち90°で放出するので、或る特定の用途に関し、コンパクトさに関する検討を除外した状態で、方向転換が必要な場合が多い。角度を持つレーザ劈開端を備えた光ファイバを用いると、光検出器、例えば図1の上方に示された光検出器24中への必要とされる光の直角の方向転換を達成することができる。
【0028】
コーティング材料36は、この実施形態では、図3に示されているように光ファイバ40のクラッド48の外面56に被着されている。コーティング材料36は、光ファイバ40の角度劈開の前又はその後において製造中に光ファイバ40のクラッド48の外面56に被着可能である。コーティング材料36は、外面36全体に被着されても良く或いは外面の一部分だけに被着されても良い。コーティング材料36が角度劈開前に被着された場合、コーティング材料36の材料は、この実施形態では、クラッド48の外面56上に位置したままであろう。他の実施形態では、コーティング材料36は、例えばクラッド48が光ファイバ40内に設けられておらず又は光ファイバ40のソース側端部44のところに設けられている場合、光ファイバ40の内部コア50の外面57に被着される場合がある。コーティング材料36は又、例えばレーザアブレーション又は研磨作業により光ファイバ40のソース側端部44の近くでクラッド48の幾分か又はすべてを局所的に除去した結果として生じるファイバ表面に被着されても良い。コーティング材料36は、浸漬被覆、吹き付け、ブラシ掛け、スクリーン印刷、スパッタリング又は化学気相蒸着を含む(これらには限定されない)方法を用いて光ファイバ40に被着されるのが良い。
【0029】
コーティング材料36の形式又は種類は、コーティング材料36の光吸収特性に従って光学減衰量に影響を及ぼす。例えば、コーティング材料36は、光を設計された厚さで通過させることができるが、光学的に減衰させることができる耐久性のあるコーティング材料、例えば金属又は炭素を主成分とする材料であるのが良い。金属の例としては、チタン、アルミニウム及び金が挙げられるが、これらには限定されない。他の例としては、光を吸収し又は散乱させる粒子入りのポリマー被膜や光を散乱させる回折格子又は粗面が挙げられるが、これらには限定されない。ポリマーの例としては、アクリレート、テフロン(PTFE)及びナイロンが挙げられるが、これらには限定されない。コーティング材料36が被着された光ファイバ40の全体的厚さを最小限に抑えるために薄い層の状態で被着されたときに相当な光吸収をもたらすことができるコーティング材料36を提供することが望ましい場合がある。
【0030】
コーティング材料36は、光学減衰をもたらすよう光ファイバ40に塗布可能な光吸収又は分散液体であっても良い。例えば、光ファイバ40は、非ランダムエアライン(RAL)光ファイバではなく、ランダムエアライン(RAL)光ファイバであるのが良く、この場合、毛管力は、光路45中の1組のRALチャネル中に流体コーティングを吸い込ませる。この例において光吸収又は分散液体の特性を調節することにより又は液体がRALチャネル中で分散する仕方を制御することにより、光学減衰を加減することができる。
【0031】
或る特定の実施形態では、コーティング材料36は、他の利点又は目的を提供する材料から選択可能である。例えば、コーティング材料36は、例示として、光ファイバ40の外面39が損傷しないよう保護すると共に/或いは光ファイバ40の機械的強度を保つポリマー又はアクリル層として提供できる。コーティング材料36の材料の形式又は種類も又、光ファイバ40のためのハーメチックシール又はバリヤ層を提供すると共に/或いは光ファイバ40の耐久性を一段と高めるよう選択可能である。光学減衰及び気密封止をもたらすことができるコーティング材料36の例としては、炭素を主成分とする被膜や金属を主成分とする被膜、例えばアルミニウム又はチタンを主成分とする被膜が挙げられるが、これらには限定されない。コーティング材料36は、金属繊維被膜であっても良く、それにより、金属繊維被膜で被覆された光ファイバ40を光電子パッケージに設けられている貫通穴中にはんだ付けすることによりハーメチックシールを形成することができる。
【0032】
上述したように、光源38から発射された光42Lと光ファイバ40との間で光路45内に位置するコーティング材料36の一部分37の厚さも又、光42Lの光学減衰量を制御する。この点において、光42Lの光学減衰量は、コーティング材料36の一部分37の厚さを調節することによって制御できる。例えば、コーティング材料除去プロセスを製造時点で採用すると、コーティング材料36の厚さW1を厚さW2に減少させて、図3に示されているようにコーティング材料36の一部分37を形成し、光42Lの光学減衰量を調節することができる。図3に示されているように、光ファイバ40のソース側端部44のところのコーティング材料36の一部分37は、光源38と光ファイバ40との間の光路45内でコーティング材料36の厚さを厚さW2に減少させるよう除去されている。これにより、光42Lが厚さW1のコーティング材料36の一部分37を通過した場合に得ることができる光学減衰量と比較して、光源38により光ファイバ40のクラッド48中に発射される光42Lの光学減衰量が減少する。
【0033】
厚さの例として、厚さW1は、炭素を主成分とする被膜の場合、200マイクロメートル(μm)であるのが良く、厚さW2は、10μmであるのが良く、この場合、光42Lは、光42Lがコーティング材料36の一部分37を通過した結果として、3dBmからゼロ(0)dBm光学的減衰光42L′に光学的に減衰される。被膜除去後に光源38と光ファイバ40との間の光路45内に残るコーティング材料36の一部分37の厚さは、所望の光学減衰性能を達成するよう任意の厚さで提供できる。コーティング材料除去プロセスが光ファイバ40の製造中に実施される場合、光源38と光ファイバ40との間で光路45内に残るコーティング厚さを所望の任意の用途に合わせて調節することができる。種々の厚さを製造プロセス中、種々の用途に合わせて残すことができる。
【0034】
上述したように、コーティング材料除去プロセスを製造時点で実施すると、光ファイバ40に被着されているコーティング材料36の一部分37を除去して厚さを減少させ、その結果、コーティング材料36により提供される光学減衰性能を低下させることができる。図4は、角度劈開端ファセット52を光ファイバ40の角度劈開光ファイバ端54に設けてコーティング材料36をクラッド48の外面56に被着させた後の図3の光ファイバ40を示している。角度劈開端ファセット52を例を挙げるとレーザ劈開作業により又は光ファイバ40を研磨することにより提供できる。レーザ劈開を用いる場合、コーティング材料36は、非ポリマー材料、例えば炭素又は金属として選択するのが良く、その結果、コーティング材料36は、角度劈開されるべき光ファイバ40の一部分を照射したときに形状を変化させず又は分解することがないようになる。次に、コーティング材料除去プロセスをコーティング材料36の一部分37に対して実施して光源38と光ファイバ40との間で光路45内に位置するコーティング材料36の厚さW2を提供する(図3参照)。コーティング材料除去プロセスの例としては、レーザアブレーション、化学エッチング、機械的アブレーション及び研磨が挙げられるが、これらには限定されない。
【0035】
例えば、図5は、図3及び図4の光ファイバ40のコーティング材料36の一部分37を除去して厚さを厚さW2(図3)に減少させると共に光ファイバ40の光学減衰性能を増大させるコーティング材料除去装置及びプロセスを示している。コーティング材料36の一部分37の厚さを光ファイバ40のソース側端部44の近くで選択的に減少させて光ファイバ40を光源38に位置合わせしたときに所望の光学減衰を光路45内で実施されるようにするのが良い。図5に示されているように、レーザ60が利用される。レーザ60は、一例として10.6μmの波長で動作するCO2レーザであるのが良い。レーザ60は、除去されるべきコーティング材料36の一部分37にレーザビーム60を放出して厚さをこの例では厚さW2に減少させるよう位置決めされている。レーザビーム62は、コーティング材料36を部分的に溶発させてコーティング材料36の厚さを所望に応じて減少させる。この実施形態では、レーザ60は、レーザビーム62が光源38(図3)と光ファイバ40との間で光路45内に位置するコーティング材料36の一部分37に差し向けられるよう制御される。コーティング材料36に加えられるレーザビーム62の強度及び持続時間を調節することにより残留厚さを選択的に制御するよう除去されたコーティング材料36の一部分37を変化させることができる。レーザ60は又、レーザビーム62を図5に示されているように垂直ではなく、光ファイバ軸線A2に平行にコーティング材料36に差し向けてコーティング材料36の一部分37を除去するのが良い。変形例として、レーザ60は、レーザビーム62を光ファイバ40のいずれかの側から図5の紙面に入る方向又はこれから出る方向でコーティング材料36をめがけて差し向けても良い。
【0036】
この場合も又、他の除去方法が採用可能であり、本明細書において開示する光ファイバ、コーティング材料除去装置及び方法の実施形態は、レーザ除去又はアブレーションには限定されない。コーティング材料除去方法以外の他の方法を用いてもコーティング材料を光ファイバに被着させて図3の光学的減衰を含む光学的減衰をもたらすことができる。例えば、コーティング材料36に適合した化学的処理をコーティング材料36に施してコーティング材料36の一部分を除去して厚さを制御することができる。フォトリソグラフィーマスキング及び/又はエッチングプロセスを採用することができる。コーティング材料36の厚さは又、除去プロセスを実施しないでコーティング材料36を光ファイバ40に所望の厚さまで制御可能に被着させることにより制御できる。この場合、コーティング材料を光ファイバ全体又は光ファイバの一部分、例えば、一例を挙げると図3の光ファイバ40のソース側端部44に被着させるのが良い。光ファイバに対するコーティング被着又は蒸着プロセスの例としては、浸漬被覆、吹き付け、ブラシ掛け、スクリーン印刷、スパッタリング又は化学気相蒸着が挙げられるが、これらには限定されない。コーティング材料36の形式又は種類も又、厚さを制御するための除去プロセスを助けるよう選択されるのが良い。例えば、酸化を受けるコーティング材料36、例えば炭素又は金属を主成分とするコーティング材料のレーザ支援酸化を用いてコーティング材料36の厚さを制御しても良い。
【0037】
光ファイバに被着されるコーティング材料の厚さをどのように設けるか又は制御するかとは無関係に、光ファイバの本体に被着されるコーティング材料により光学減衰をもたらすことには、或る特定の非限定的な利点がある。例えば、コーティング材料が光ファイバの本体と一体である場合、コーティング材料により提供される光学的減衰は、光源の位置及び光ファイバに対するその光フィールド構造とは独立して機能することができる。コーティング材料が光ファイバの周囲全体に被着される場合、コーティング材料により提供される光学的減衰は、光ファイバに対して自動位置合わせされ、それにより光ファイバの組立てプロセスを単純化する。コーティング材料、例えば一例を挙げるとハーメチックパッケージ貫通封止を用いて金属化又は気密光ファイバコーティング材料が他の理由で光ファイバの周りに被着されることが必要な場合、このコーティング材料は、追加の材料又は部品を必要としないで光学的減衰を制御するよう選択的に除去可能である。それにもかかわらず、光学的減衰手段として光ファイバコーティング材料を被着させるには光源のための又は光源と光ファイバとの間に設けられるべき追加の部品を必要としない。
【0038】
上述したように、光ファイバに被着されたコーティング材料の一部分を所望厚さまで除去して光ファイバ中に発射される光の光学的減衰を行うのが良い。また、上述したように、コーティング材料の所望厚さは、被着プロセスが所望の光学減衰性能に望ましい厚さまでのコーティング材料の被着の制御を可能にする場合、除去を用いないで被着プロセスにより提供できる。コーティング材料除去プロセスを用いて光ファイバに被着されるコーティング材料の厚さを制御し、それにより光学減衰を行うことは、別の又は追加の特徴及び利点を有する場合がある。例えば、単一厚さのコーティング材料を光ファイバに被着されることができ、この場合、コーティング材料の除去量を必要に応じて制御すると共に調節することができ、それにより処理済み光ファイバの用途に応じて光学減衰量を所望通りに調節することができる。光源と光ファイバとの間の光路内のコーティング材料の除去を選択的に制御して光ファイバの或る特定のモード又はモード群だけを光源によって励振させるやり方について例示として以下に詳細に説明する。
【0039】
図3〜図5を参照して上述した実施形態は、光学減衰を行うために一様な又は実質的に一様な残留厚さへのコーティング材料36の一部分37の除去を含む。その結果、光路45内の残留コーティング材料36により提供される光学的減衰は、光源38から光ファイバ30中に発射される光42Lの種々のオーダ又はモードにとって一様又は実質的に一様であるのが良い。しかしながら、光ファイバに被着されるコーティング材料の特定の一領域又は複数の領域を除去して特定の光学的減衰パターン又はマスクを形成して光ファイバ中に発射される光の種々のオーダ又はモードが一様に光学的に減衰されないようにすることも又可能である。この点において、図6及び図7は、光ファイバの周りに被着されるコーティング材料の一部分又は複数の部分が所望の光学的減衰パターン又はマスクに従って選択的に除去される光ファイバの実施形態を示している。その結果、光ファイバは、光源により光ファイバ中に発射される光の種々のオーダ又はモードが一様に光学的に減衰されることがないように構成されている。
【0040】
図6を参照すると、別の例示の光ファイバリンク70の側面図が提供されており、この場合、光学的減衰をもたらすコーティング材料は、光源72と光ファイバ74との間に設けられている。光源72及び光ファイバ74は、図3〜図5に示されると共に上述した光源38及び光ファイバ40と同一又は類似の光源及び光ファイバであるのが良い。この点において、光ファイバ74は、光ファイバ74のソース側端部76が光源72から光ファイバ74中に発射される光78Lの効率的伝送を達成するよう光源72と位置合わせされるよう基板75に取り付けられるのが良い。
【0041】
図6に示されているように、光78Lは、光源72から光ファイバ軸線A3に垂直な光路73に沿って光ファイバ74中に発射され、そしてこの実施形態では光ファイバ74のクラッド80中に進む。クラッド80は、光ファイバ74の内部コア82を包囲している。光78Lは、光78Lが光学的な減衰を行うコーティング材料84を通過し、特に、上述したように所望の光学減衰量をもたらすよう所望の厚さまで選択的に除去され又は被着されたコーティング材料84のリングマスク又はリングパターン86を通過しているときに光学的に減衰されて光学減衰光78L′となる。コーティング材料の形式又は種類及びコーティング材料84の所望の厚さを提供する除去又は被着プロセスは、上述した形式又は種類及びプロセスのうちの任意のものであって良い。次に、光学減衰光78L′は、クラッド80を通って光ファイバ74の内部コア82に入り、ここで、光ファイバ74の角度劈開ファイバ端90の角度劈開端ファセット又は端面88で全反射(TIR)により光78Rとして反射される。その結果、反射光78Rは、光ファイバ74の光ファイバ軸線A3に平行ではない角度をなして光ファイバ74の内部コア82に沿って変向される。
【0042】
この実施形態では、コーティング材料84に施されるリングパターン86は、コーティング材料84の中央部分又はスポット94周りのリング領域92のコーティング材料84の部分を除去することにより提供される。光ファイバ74が例えば図6に示されているように光源72と位置合わせされると、コーティング材料84の中央部分94は、光源72から発射された光78Lを遮断し又は実質的に減衰させるよう構成され、この光78Lは、通常、角度劈開端ファセット88で反射して光ファイバ軸線A3にほぼ平行な又は実質的に平行な角度をなして内部コア82に沿って案内される。この角度は、この実施形態では、低次案内ファイバモードのための伝搬方向に一致している。この実施形態における光ファイバ74に被着されたコーティング材料84に施されたリングパターン86は、低次モード光を遮断し又は濾波するよう構成されている。大きな角度で光源72から発射された光78Lは、コーティング材料84のリング領域92を通過して減衰光78L′として光ファイバ74に進むことができる。この結果、光ファイバ74内の高次モード又はモード群の励振が生じ、それによりモード分散を制限すると共に光ファイバリンク70の光ファイバリンク帯域幅を向上させることができる。
【0043】
図7は、コーティング材料マスク又はパターンが光ファイバに被着されたコーティング材料に施されると共に光源から発射された光を遮断し又は実質的に減衰させるよう構成された実施形態を示しており、この光は、通常、反射されて、光ファイバの光ファイバ軸線にほぼ平行ではなく又は実質的に平行ではない角度をなして光ファイバに沿って案内される。この角度は、高次案内ファイバモードに関する伝搬方向に一致している。この点において、図7に示されているように、図6の光ファイバ74で構成された光ファイバリンク70′が提供されている。同一の要素は、図6に記載されている共通の要素番号を付けられた状態で図7に示されている。しかしながら、この実施形態では、別の光学減衰マスク又はパターン96が光路73内のコーティング材料84に施されている。光学減衰パターン96は、図6のコーティング材料84に施されたリングパターン86とは逆のパターンであるのが良い。この実施形態における光学減衰パターン96は、コーティング材料84を除去して形成された孔98で構成される円形凹状パターンであり、この円形凹状パターンは、光ファイバ軸線A3に垂直な又は実質的に垂直な角度で差し向けられた光78Lを通過させて減衰光78L′としてクラッド80に至ることができるようにするのに所望の厚さのものとして構成されている。このパターンは、非円形の状態に作られても良く又は凹状輪郭形状以外の他の何らかの断面輪郭形状で作られても良い。例えば、この輪郭形状は、一様な深さの局所領域を形成しても良い。光ファイバ軸線A3に対して角度をなして差し向けられた光78Lは、孔98を包囲した厚い厚さの光学減衰パターン96の部分100によって遮断され又は実質的に減衰される。この結果、光ファイバ74内の低次モード又はモード群の励振が生じ、それによりモード分散を制限すると共に光ファイバリンク70′の光ファイバリンク帯域幅を向上させることができる。
【0044】
互いに異なる発射角の光を互いに異なった仕方で光学的に減衰させ又は遮断するよう設計された光学減衰マスク又はパターンも又、光ファイバのレシーバ側端部に設けられるのが良い。これらとしては、リングパターン86並びに図6及び図7のそれぞれの光ファイバ40,74に施された凹状パターンが挙げられるがこれらには限定されない。この点において、図8〜図11は、光検出器の方へ差し向けられた伝搬光の光学的減衰をもたらすよう光ファイバのレシーバ側端部に施された光学減衰マスク又はパターンの例を示している。かかる光学減衰は、方向付けられた光の光パワーを減少させ又は光の或る特定のファイバモード又はモード群を減衰させ若しくは遮断するよう構成されているのが良い。
【0045】
図8は、コーティング材料112が被着された光ファイバ110のレシーバ側端部108の側面図である。コーティング材料112は、この実施形態では、上述した実施形態と同様に、光ファイバ110の内部コア118を包囲しているクラッド116の外面114に被着されている。光120Rは、光が光源(図示せず)から光ファイバ110中に発射された結果として、光ファイバ110の内部コア118に沿って伝搬する。この光は、例えば図6に提供され又は本明細書において開示した任意他の実施形態としての光源により光ファイバ110中に発射されるのが良く、この場合、光は、発射され、そしてTIR反射されて光ファイバの内部コアに沿って進む。光120Rは光ファイバ110のレシーバ側端部108に設けられた角度劈開端ファセット122で反射されて光120Cとなる。角度劈開端ファセット122は、光ファイバのソース側端部に角度劈開端ファセットを設けるための上述のプロセスのうちの任意のものを用いて光ファイバ110のレシーバ側端部108に設けられるのが良い。光ファイバ110は、基板124上に又はその近くに設けられ、この光ファイバは、この実施形態では、光120Cが光検出器126の方へ差し向けられるよう光検出器126と位置合わせされる。
【0046】
この実施形態では、リングマスク又はリングパターン128が光120Cの減衰を選択的に制御するようコーティング材料112に施されている。リングパターン128は、図6の光ファイバ74のソース側端部76に被着されたコーティング材料84に施されているリングパターン80と同じ仕方で又はこれに類似した仕方でコーティング材料112に施されるのが良い。リングパターン128は、コーティング材料112の中央部分又はスポット132の周りのリング領域130に位置するコーティング材料112を部分的に除去することによりコーティング材料112に設けられる。除去は、例を挙げると、上述した方法のうちの任意のものに従って達成できる。光ファイバ110を例えば図8に示されているように光検出器126に位置合わせすると、コーティング材料112の中央部分132は、光120Rを遮断し又は実質的に減衰させるよう構成され、この光120Rは、通常、角度劈開端ファセット122で反射して光ファイバ110の光ファイバ軸線A4にほぼ垂直な又は実質的に垂直な角度をなして光検出器126まで案内される。この角度は、この実施形態では、低次案内ファイバモード又はモード群のための伝搬方向に一致している。この実施形態における光ファイバ110に被着されたコーティング材料112に施されたリングパターン128は、低次モード光を遮断し又は濾波するよう構成されている。大きな角度をなして光ファイバ110の角度劈開端ファセット122で反射した光120Rは、コーティング材料112に設けられたリング領域130を通過し、そして減衰光120C′として光検出器126に進むことができる。光120Rが光ファイバ110内の低次モード又はモード群を励振するかどうかとは無関係に、かかる低次モード又はモード群は、減衰され又は遮断されて光検出器126に達しないようになる。これによりモード分散を制限すると共に光ファイバ110の光ファイバリンク帯域幅を向上させることができる。
【0047】
図9〜図11は、図8の光ファイバ110の側面図であり、リングパターン128は、別の例として、光120Rの他のモード又はモード群を減衰させ又は遮断している。図9は、光ファイバ110に被着されているコーティング材料112に施されたリングパターン128が又、光120Cの或る特定の低次モード又はモード群をどのように遮断することができるかを示している。光120Rは、この実施形態では、光ファイバ軸線A4にほぼ平行な角度をなして内部コア118に沿って伝搬し、それより光ファイバ110の低次モード又はモード群を励振する。光ファイバ110の角度劈開端ファセット122で反射された或る特定の光は、図8に提供されているようにリングパターン128の中央部分132によって減衰され又は遮断される。しかしながら、減衰光120C″の他の低次モード又はモード群は、リング領域130を通って中央部分132の側部に進む。しかしながら、光ファイバ110は、減衰光120C″が光検出器126に達することがなく、効果的に濾波されるよう光検出器126と位置合わせされている。これによりモード分散を制限することができると共に光ファイバ110の光ファイバリンク帯域幅を向上させることができる。
【0048】
図10及び図11は又、光ファイバ110に被着されているコーティング材料112に施されたリングパターン128が又、光120Cの或る特定の高次モード又はモード群(例えば、負の角度)をどのように遮断することができ、他方、光120Cの他の高次モード又はモード群を光検出器126によって検出することができるかを示している。光ファイバ110の角度劈開端ファセット122で反射された或る特定の光120Cが図8に提供されているようにリングパターン128の中央部分132によって減衰され又は遮断される。光ファイバ110は、減衰光120C′″の或る高次モード又はモード群がリング領域130を通って中央部分132の側部に進み、そして光検出器126に当たるよう光検出器126と位置合わせされている。しかしながら、これ又リングパターン128のリング領域130を通過した減衰光120C″″の高次モード又はモード群は、光検出器126に達せず、効果的に濾波される。これによりモード分散を制限することができると共に光ファイバ110の光ファイバリンク帯域幅を向上させることができる。
【0049】
光の低次モード又はモード群を遮断し又は光学的に減衰させるために光学減衰マスク又はパターンが光ファイバのレシーバ側端部にも設けられるのが良い。この点において、図12は、コーティング材料142が被着された光ファイバ140のレシーバ側端部138の側面図である。コーティング材料142は、この実施形態では、上述の実施形態と同様、光ファイバ140の内部コア140を包囲したクラッド146の外面144に被着されている。光150Rは、光が光源(図示せず)から光ファイバ140中に発射された結果として、光ファイバ140の内部コア148に沿って伝搬する。この光は、例えば図6に提供され又は本明細書において開示した任意他の実施形態としての光源により光ファイバ140中に発射されるのが良く、この場合、光は、発射され、そしてTIR反射されて光ファイバの内部コアに沿って進む。光150Rは光ファイバ140のレシーバ側端部138に設けられた角度劈開端ファセット152で反射されて光150Cとなる。角度劈開端ファセット152は、光ファイバのソース側端部に角度劈開端ファセットを設けるための上述のプロセスのうちの任意のものを用いて光ファイバ140のレシーバ側端部138に設けられるのが良い。光ファイバ140は、基板154上に設けられ、光ファイバ140は、この実施形態では、光150Cが光検出器156の方へ差し向けられるよう光検出器156と位置合わせされる。
【0050】
この実施形態では、光学減衰パターン158が図8のコーティング材料112に施されたリングパターン128とは逆であり且つ/或いは図7のコーティング材料84に施された光学減衰パターン96と同一又は類似の光ファイバ140のレシーバ側端部138に被着されたコーティング材料142に施されるのが良い。この点において、光学減衰パターン158は、この実施形態では、コーティング材料142を除去して形成された孔160で構成される円形凹状パターンであり、この円形凹状パターンは、光ファイバ140の光ファイバ軸線A5に垂直な又はほぼ垂直に角度劈開端ファセット152から反射された光150Cを光150C′として通過させることができるようにするのに所望の厚さのものとして構成されている。光150C′の低次モード又はモード群は、この実施形態では、コーティング材料142を通過する。光ファイバ140は、光150C′が光検出器156に達するよう光検出器156と位置合わせされるのが良い。光ファイバ140の光ファイバ軸線A5に垂直ではなく又は実質的に垂直ではない角度で反射された光150Rは、孔160を包囲した厚い厚さの光学減衰パターン158の部分162によって遮断され又は実質的に減衰される。光150Cの高次モード又はモード群は、コーティング材料142を通過して光検出器156に達することがないよう遮断されるのが良く又はこの実施形態では実質的に減衰されるのが良い。これによりモード分散を制限すると共に光ファイバ140の光ファイバリンク帯域幅を向上させることができる。
【0051】
本明細書において開示した実施形態は、どのような特定の光ファイバリンク、光ファイバ、角度劈開、コーティング材料及びコーティング材料被着又は除去プロセスにも限定されない。所望の光学減衰特性を提供する任意種類のコーティング材料を使用することができる。所望の光学減衰特性を提供する任意厚さのコーティング材料を使用することができる。所望の光学減衰特性を提供する任意形式のコーティングマスク又はパターンを使用することができる。任意形式の光源及び光検出器を採用することができる。
【0052】
上述したように、レーザ劈開プロセスを利用して本明細書において開示したレーザ劈開ファイバ端を個々のファイバ又はファイバの個々のアレイに設け又は形成することができる。角度劈開部を提供する研磨プロセスも又、採用可能である。コーティング材料を光ファイバに比茶させる前又は後に且つ/或いはコーティング材料の一部分の除去前又は後に角度劈開プロセスを実施して所望の光学減衰を提供することができる。単一又は多数のレーザ劈開面を個々の光ファイバに加えてアレイ状に配列された光ファイバの端に設けることができ又は形成することができる。光ファイバアレイは、各々が外面、内部コア及び本明細書において開示した形式の1つ又は2つ以上のレーザ劈開面を備えた劈開(例えば、レーザ劈開)ファイバ端を有する光ファイバで構成可能である。
【0053】
さらに、本明細書で用いられている「光ファイバケーブル」及び/又は「光ファイバ」は、あらゆる形式のシングルモード及びマルチモード光導波路を含み、かかる光導波路としては、1本又は2本以上の裸光ファイバ、ルーズチューブ型光ファイバ、タイトバッファー型光ファイバ、リボン(テープ)型光ファイバ、曲げ不敏感性光ファイバ又は光信号を伝送する任意他の媒質手段が挙げられる。曲げ不敏感性光ファイバの一例は、コーニング・インコーポレイテッド(Corning Incorporated)により製造されたClearCurve(登録商標)光ファイバである。
【0054】
本明細書において説明した多くの改造例及び他の実施形態は、上述の実施形態の関連する技術分野において上述の説明及び関連の図面に提供された教示の恩恵を受ける当業者に想到されよう。したがって、上記説明及び特許請求の範囲の記載は、開示した特定の実施形態には限定されず、改造例及び他の実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲に含まれるものであることが理解されるべきである。上述の実施形態は、これら実施形態の改造例及び変形例が特許請求の範囲に記載された本発明の範囲及びその均等範囲に属することを条件として、これら改造例及び変形例を含むものである。本明細書において特定の用語が用いられているが、これら用語は、一般的な意味で且つ説明の目的上用いられているに過ぎず、本発明を限定する目的では用いられていない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバ装置であって、
光ファイバ端部を備えた光ファイバと、
前記光ファイバ端部の少なくとも一部分に被着されていて、前記光ファイバ端部に差し向けられた光の一部分を光学的に減衰させるよう構成されたコーティング材料とを有する、光ファイバ装置。
【請求項2】
前記コーティング材料は、炭素、金属及びポリマーから成る群から選択された材料を含む、請求項1記載の光ファイバ装置。
【請求項3】
前記コーティング材料は、前記光ファイバに対してハーメチックシールを提供する、請求項1又は2記載の光ファイバ装置。
【請求項4】
前記コーティング材料は、前記光ファイバ端部に差し向けられた前記光の一部分の光学減衰量を制御する第1の厚さで設けられ、前記第1の厚さは、10マイクロメートル(μm)〜200マイクロメートルである、請求項1〜3のうちいずれか一に記載の光ファイバ装置。
【請求項5】
前記光ファイバ端部は、角度劈開されている、請求項1〜4のうちいずれか一に記載の光ファイバ装置。
【請求項6】
前記光ファイバ端部に差し向けられた前記光の一部分を選択的に光学的に減衰させるよう前記コーティング材料の少なくとも一部分に設けられた光学減衰パターンを更に有する、請求項1〜5のうちいずれか一に記載の光ファイバ装置。
【請求項7】
前記光学減衰パターンは、リングパターン又は凹状パターンで構成されている、請求項6記載の光ファイバ装置。
【請求項8】
前記光学減衰パターンは、前記光ファイバ端部に差し向けられた前記光の一部分の少なくとも1つの発散角を光学的に減衰させるよう構成されている、請求項6記載の光ファイバ装置。
【請求項9】
光ファイバリンクのための光学減衰を行う方法であって、
光ファイバ端部を備えた光ファイバを用意するステップと、
前記光ファイバ端部に差し向けられた光の一部分を光学的に減衰させるよう構成されたコーティング材料を前記光ファイバ端部の少なくとも一部分に被着させるステップと、
前記光ファイバ端部を角度劈開するステップとを有する、方法。
【請求項10】
前記コーティング材料を被着させる前記ステップは、前記コーティング材料を前記光ファイバ端部の外面全体に被着させるステップを含む、請求項6記載の方法。
【請求項11】
前記コーティング材料の一部分を所望厚さに除去するステップを更に有する、請求項9又は10記載の方法。
【請求項12】
光学的減衰パターンを前記コーティング材料の少なくとも一部分に施すステップを更に有する、請求項9〜11のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項13】
前記光学減衰パターンを施す前記ステップは、前記コーティング材料の前記少なくとも一部分を除去するステップ、前記コーティング材料の前記少なくとも一部分にパターンをエッチングするステップ及び前記コーティング材料の前記少なくとも一部分に化学的処理を施すステップから成る群から選択されたステップのうちの1つを含む、請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記光学減衰パターンは、リングパターン又は凹状パターンで構成されている、請求項12又は13記載の方法。
【請求項15】
前記光学減衰パターンが前記光ファイバ端部に差し向けられた前記光の少なくとも1つの発散角を光学的に減衰させるステップを更に有する、請求項12〜14のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項1】
光ファイバ装置であって、
光ファイバ端部を備えた光ファイバと、
前記光ファイバ端部の少なくとも一部分に被着されていて、前記光ファイバ端部に差し向けられた光の一部分を光学的に減衰させるよう構成されたコーティング材料とを有する、光ファイバ装置。
【請求項2】
前記コーティング材料は、炭素、金属及びポリマーから成る群から選択された材料を含む、請求項1記載の光ファイバ装置。
【請求項3】
前記コーティング材料は、前記光ファイバに対してハーメチックシールを提供する、請求項1又は2記載の光ファイバ装置。
【請求項4】
前記コーティング材料は、前記光ファイバ端部に差し向けられた前記光の一部分の光学減衰量を制御する第1の厚さで設けられ、前記第1の厚さは、10マイクロメートル(μm)〜200マイクロメートルである、請求項1〜3のうちいずれか一に記載の光ファイバ装置。
【請求項5】
前記光ファイバ端部は、角度劈開されている、請求項1〜4のうちいずれか一に記載の光ファイバ装置。
【請求項6】
前記光ファイバ端部に差し向けられた前記光の一部分を選択的に光学的に減衰させるよう前記コーティング材料の少なくとも一部分に設けられた光学減衰パターンを更に有する、請求項1〜5のうちいずれか一に記載の光ファイバ装置。
【請求項7】
前記光学減衰パターンは、リングパターン又は凹状パターンで構成されている、請求項6記載の光ファイバ装置。
【請求項8】
前記光学減衰パターンは、前記光ファイバ端部に差し向けられた前記光の一部分の少なくとも1つの発散角を光学的に減衰させるよう構成されている、請求項6記載の光ファイバ装置。
【請求項9】
光ファイバリンクのための光学減衰を行う方法であって、
光ファイバ端部を備えた光ファイバを用意するステップと、
前記光ファイバ端部に差し向けられた光の一部分を光学的に減衰させるよう構成されたコーティング材料を前記光ファイバ端部の少なくとも一部分に被着させるステップと、
前記光ファイバ端部を角度劈開するステップとを有する、方法。
【請求項10】
前記コーティング材料を被着させる前記ステップは、前記コーティング材料を前記光ファイバ端部の外面全体に被着させるステップを含む、請求項6記載の方法。
【請求項11】
前記コーティング材料の一部分を所望厚さに除去するステップを更に有する、請求項9又は10記載の方法。
【請求項12】
光学的減衰パターンを前記コーティング材料の少なくとも一部分に施すステップを更に有する、請求項9〜11のうちいずれか一に記載の方法。
【請求項13】
前記光学減衰パターンを施す前記ステップは、前記コーティング材料の前記少なくとも一部分を除去するステップ、前記コーティング材料の前記少なくとも一部分にパターンをエッチングするステップ及び前記コーティング材料の前記少なくとも一部分に化学的処理を施すステップから成る群から選択されたステップのうちの1つを含む、請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記光学減衰パターンは、リングパターン又は凹状パターンで構成されている、請求項12又は13記載の方法。
【請求項15】
前記光学減衰パターンが前記光ファイバ端部に差し向けられた前記光の少なくとも1つの発散角を光学的に減衰させるステップを更に有する、請求項12〜14のうちいずれか一に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2013−508747(P2013−508747A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−534246(P2012−534246)
【出願日】平成22年10月8日(2010.10.8)
【国際出願番号】PCT/US2010/051966
【国際公開番号】WO2011/046821
【国際公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(397068274)コーニング インコーポレイテッド (1,222)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月8日(2010.10.8)
【国際出願番号】PCT/US2010/051966
【国際公開番号】WO2011/046821
【国際公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(397068274)コーニング インコーポレイテッド (1,222)
【Fターム(参考)】
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