説明

複合材料から成る部品を製造するための可撓性膜

本発明は、複合材料から成る部品を製造するのに用いられる成形装置に関する。この成形装置は誘導性の可撓性膜(1)と導電性の剛体部分(2)を含む。誘導性の可撓性膜は磁界を発生し、それが剛体部分に渦電流を生成し、熱の流れを生む。この熱の流れが伝導によって複合材料から成る部品を加熱する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複合材料から成る部品を製造するための変形可能な膜、及びそのような変形可能な膜を用いる成形装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複合材料は、寄せ集められた少なくとも2つの非混和成分で構成される。 それは、それを構成するいろいろな成分が個別に有していない性質を有する。複合材料があらゆる産業分野で、例えば航空機産業で、ますます多く使用される理由はここにある。
【0003】
複合材料に関する大きな問題のひとつは、あらゆるサイズのあらゆる形状の複合材料を低コストで製造することを可能にする装置および方法を確立することである。
【0004】
これに関して、例えば、互いに対して移動可能な2つの剛体の金型を用い、各金型が二分割インダクターを一体的に備え複合材料を加熱できるようになっている複合材料を変形させる装置を記載した特許文献1が知られている。この装置は、加熱と冷却の時間を短縮させるという点で利点がある。しかし、2つの金型は複合材料の形状に特有であり、そのために投資が相当に大きくなる。さらに、2つの金型のメンテナンスが厄介でコストもかかる。
【0005】
投資を減らすために、特許文献1は、剛体の金型と、対金型(counter mold)の役割をする膜から成る装置を用い、剛体の金型と一体化されたインダクターによって加熱するシステムを提案している。この特許で用いられる方法は以下のようなものである。
熱可塑性プラスチックの溶融温度にプリプレグを加熱し、真空下で圧縮し、そして、装置全体を冷却する。
しかし、この装置は、精密なある構造に合わせて特別に設計されたインダクターを直接組み込んだ剛体金型を用いる必要があり、やはり特定形状の複合材料のためにかなり大きな投資が必要になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】仏国特許出願公開第2,890,588号
【特許文献2】仏国特許出願公開第2,882,682号
【発明の概要】
【0007】
本発明は、従来技術の欠点を解消することを目標として、多大な投資の必要がなく、メンテナンスが容易であり、多様な形とサイズの複合材料に適合し、プリプレグ、半プリプレグ、又は乾燥タイプの補強材を用いることができ、有毒蒸気の放出を抑制でき、プレス、オートクレーブ、又はオーブンを使用せずに実質的な構造特性を有する複合材料部品を製造することを可能にする複合材料成形装置を提案する。
【0008】
詳しくは、本発明は複合材料から成る部品を製造するための成形装置であって、変形可能な膜と、剛体部分と、膜と剛体部分の間に真空を印加することを可能にする吸引手段と、を含み、成形装置が、変形可能な膜は電源ケーシングに結合された少なくとも一つのインダクターを含み、剛体部分は少なくとも部分的に導電性であることを特徴とする成形装置に関する。
【0009】
発電機を備えて交流電流を発生させる電源ケーシングの作用の下で、インダクターは変化する磁界を発生する。膜を剛体部分上に配置して作動させると、強い渦電流が膜と剛体部分の一部に生じ、きわめて速やかに加熱する。剛体部分におけるこの熱の発生は、材料の伝導によって非常に急速な温度の上昇を可能にし、抵抗加熱などの他の従来の手段に比べて最適な出力が得られる。
【0010】
同時に、可撓性の膜は、真空によって複合材料から成る部品及び剛体部分に押しつけられ、こうして複合材料から成る部品は膜と剛体部分の間で圧縮される。これにより、相当な割合で補強された複合材料部品を得ることができる。この圧縮ステップは、オートクレーブ・タイプの外側からの圧力と組み合わせ留ことによって改良できる。
【0011】
伝導による加熱は、部品がきわめて急速に溶融温度に到達し、その後きわめて急速に冷却することを可能にし、部品の製造におけるサイクル時間を短縮し、生産性を高めることを可能にする。しかし、この加熱スピードの増加は、また、加熱する膜をあまり長時間高温にしておく必要をなくし、その劣化を抑制することを可能にする。
【0012】
この加熱方法は、複合材料から成る部品を、その形に関わりなく効果的に均一に加熱することを可能にするという利点がある。実際、インダクターはもはや与えられた部品の幾何形状に合わせた形にする必要はなく、膜とそれが含むインダクターが変形して剛体部分の形を抱きしめるようになるので、複合材料から成る部品の形に適合する。
【0013】
さらに、この加熱方法は、膜から短い距離にある剛体部分の表面だけを加熱することを可能にするのできわめて効率的である。また、変形可能な膜は容易に製造でき剛体部分は加熱システムを何も含まないので、この装置は非常に経済的であり、簡単に実現できる。
【0014】
さらに、吸引部材を備え、温度サイクルが速いこの成形装置は、膜が外の環境に対するシールとなって加熱のさいに樹脂及び/又は補強材に含まれる化学物質からの有毒な蒸気の放出を抑えることができる。実際、それらの有毒蒸気は、吸引手段によって吸引されて大気へ放出される前に処理することができる。そのような訳で、環境及びユーザーにとって、本発明に係わる成形装置は、衛生及び安全面での条件として、特に例えば揮発性有機化合物の放出という点で有利である。
【0015】
有利な形としては、インダクターは少なくとも一つの誘導コイルで構成される。
【0016】
種々の実施形態は以下の通りである。すなわち、インダクターは電気抵抗率が10-8から10-1W.mまでの間の金属で作られる。このケーシングでは、インダクターはさらに好ましくは、例えば一本乃至数本の細い高電導性の銅線で構成され、それが膜のボディに埋め込まれる。この実施形態は、(単数又は複数の)銅線は膜の可撓性を妨げることがないので、製造するのに非常に簡単で、安価であり、かつ効果的である。
【0017】
インダクターは可撓性のダクトで構成され、その中で導電性流体が循環する。この実施形態では、ダクトは膜のボディに直接エッチングされ、導電性流体(例えば、フェロフルイド(ferrofluid))がこのダクトに注入される。こうすると、前述の実施形態と比べても、膜はさらにフレキシブルになり、剛体部分の形をさらによく抱きしめることができる。
【0018】
有利な形では、膜は次の群:すなわちシリコーン、ナイロン、ポリウレタン、エポキシ複合材、から選択される一つの材料で作られる。これらの材料は、膜がどんなタイプの形も抱きしめるのに十分な可撓性を有することを可能にし、同時に、膜は複合材料から成る部品を圧縮して成形するのに十分な強度を、しかもこの部品の溶融温度においても、有することができる。
【0019】
種々の実施形態は以下の通りである。すなわち、膜は展開可能又は展開不可能であり、インダクターは膜の厚みに含まれるコイルを形成する。膜は任意の幾何形状の立体(回転立体、凸立体、凹立体、等)であり、インダクターはソレノイドを形成し、それは一方において加熱出力を高めることを可能にし、他方において中空ボディを製造することを可能にする。このケーシングでは、管状の膜を製造しようとする部品の空所に配置し、他方剛体部分を部品のまわりに配置することができる。又はもっと効果的な実施形態では、剛体部分を空所に配置し、膜を部品のまわりに配置することができる。
【0020】
ある好ましい実施形態では、膜は弾性的であり、それによって特に中空のボディを作るときに、剛体部分の形をよりよく抱きしめることが可能になる。
【0021】
本発明のある特別な実施形態では、膜はさらに導電性の粒子を含み、それも膜が加熱することを可能にする。このようにして、複合材料からなる部品の加熱がより均一になるが、同時に膜が直接加熱されるのでもっと低い溶融温度での作業が可能になる。
【0022】
有利な形として、膜はさらに、成形される部品の冷却時間をさらに減らすための冷却手段を含む。それらの冷却手段は、膜のボディにエッチングで設けられるチャンネルであり、冷却流体、例えば水、がそこに循環するものであってよい。剛体部分も冷却流体が循環するダクトを含むことができる。本発明による成形装置は、空気の流れを装置の上又は下に噴射して対流によって複合材料の温度を速やかに下げる別の冷却装置を含むことができる。これらの冷却装置を結合してさらに速やかな温度低下を実現するように十分な配慮を払うことができる。
【0023】
本発明のある好ましい実施形態では、剛体部分の表面だけが導電性である。こうすると、剛体部分の表面だけが加熱され、剛体部分のボディの不必要な加熱が避けられ、熱的な慣性も小さくなる。
【0024】
有利な形として、剛体部分は、導電性の剛体部分表面の下に配置された断熱層を含み、加熱装置の効果と熱損失を高める。
【0025】
種々の実施形態は以下の通りである。すなわち、剛体部分は導電性の材料で構成される。剛体部分は導電性の材料で被膜される。剛体部分は磁性材料で構成される。剛体部分は磁性材料で被膜される。
【0026】
磁性材料の使用により、加熱の効果を高めることが可能になる。
【0027】
有利な形として、本発明による成形装置はさらに封止手段を備え、吸引手段が膜と剛体部分の間に真空を印加したときに、膜と剛体部分の間の封止を確実にして、膜が剛体部分にしっかり押しつけられるようにすることができる。
【0028】
有利な形として、本発明による成形装置は熱電対を備え、複合材料の温度を測定することができ、複合材料の温度に応じた周波数サーボ回路を備える。
【0029】
有利な形として、本発明による成形装置はその構成成分の少なくともひとつに振動を印加する手段を備える。
【0030】
本発明による成形装置は熱可塑プラスチック、又は合成及び/又は天然繊維、例えば亜麻や麻、で強化された合成及び/又は天然熱硬化樹脂、の成形に特に適合する。本発明は、加熱温度のコントロールが最適なのでこれらの天然複合材料の実施に特に適合する。
【0031】
例えば、本発明は特許文献2に記載された方法を実施するために用いることができる。
【0032】
第二の様態で、本発明は、前述の実施形態のいずれかに記載された成形装置を実施する複合材料からなる部品を成形する方法に関し、この方法は以下のステップ、すなわち、成形装置に複合材料を構成する補強材とマトリクスを剛体部分と膜の間に導入するステップと、膜と剛体部分の間に真空を印加するステップと、電源ケーシングによってインダクターにパワーと周波数が制御された電流で給電して実施されるサイクルを行うステップと、を含む。
【0033】
本発明による複合材料を製造する方法は、インダクターに印加される周波数を精密に制御して複合材料の温度を最適にすることで得られる複合材料の性質をコントロールするので特に有利である。本発明による成形方法では、温度の制御はインダクターに印加される周波数の制御によって行われる。この周波数制御により、加熱されるゾーンをコントロールすることが可能になる。実際、非常に高い周波数では、複合材料の繊維が導電性である場合、繊維だけを加熱することが可能になり、したがって熱慣性が非常に小さくなる。低い周波数では、剛体部分も加熱することができ、熱慣性は実質的にもっと大きくなる。電流のパワーを制御することにより、複合材料の温度を制御することが可能になる。そのようにして、複合材料の所望の性質が複合材料の温度を制御することによって得られるが、これに対して従来の方法では複合材料の構成成分に加えられる圧力又は流量を制御してこれらの性質が得られていた。例えば、本発明による方法では、複合材料の欠陥発生率はインダクターに印加される電流の周波数とパワーによってコントロールできる。
【0034】
有利な形として、この方法は以下のステップのひとつ又はいくつかを含む。すなわち、実施サイクルの間、膜と剛体部分の間の圧力を変化させるステップと、実施サイクルの間、膜に可変な応力を加えるステップと、温度が変化する複合材料を冷却させるステップとを含む。
【0035】
有利な形として、電流の周波数は実施サイクルの間に変化する。
【0036】
有利な形として、この方法は、導電性物質からなる繊維を含む複合材料で実施できる。そのような場合、膜を複合材料上に設置して作動させるとき、強い渦電流が導電性繊維に直接発生する。したがって繊維は直接加熱される。
【0037】
有利な形として、この方法は以下のステップを含む。すなわち、温度の上昇を可能にするようにパワーを高めるステップと、一定の温度にするためにパワーを維持するステップと、部品の冷却を行うためにパワーを下げるステップと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】膜が平面である本発明の第一の実施形態に係わる成形装置を示す断面ダイアグラムである。
【図2】図1の装置の膜を示す概略上面図である。
【図3】膜が管状である本発明の第二の実施形態に係わる成形装置を示す側面ダイアグラムである。
【図4】図3の膜を示す側面ダイアグラムである。
【図5】本発明の第三の実施形態に係わる成形装置を示す断面ダイアグラムである。
【図6】本発明の第三の実施形態に係わる成形装置を示す断面ダイアグラムである。
【0039】
分かりやすくするために、すべての図面にわたって同一又は同様の要素は同一の参照符号によって表される。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1と2の装置は、天然繊維で強化された繊維を用いて行われる複合材料から成る曲面部品の製造を可能にする。
【0041】
この装置は可撓性部材1,剛体部分2,吸引部材3(ここではポンプである)を含む。
【0042】
可撓性部材1はシリコーンで作られる。この例では、その厚さは約5mmである。この膜1はインダクター4を含み、それはここではコイルに巻かれた銅ケーブルであり、膜の面内に含まれる。この銅ケーブルは何本かのワイヤで構成され、直径が2mmで導電率は59.6x108S/mである。導体ケーブル4は、膜の外側で交流発電機6に結合されている。膜1はさらに、チャンネル5を含み、これもコイルを形成し、水などの冷却液体がその中を流れることができる。
【0043】
剛体部分2は、上面7を有し、そこには複合材料で作られる部品の所望の形状に対応する浮き彫り(relief)がある。剛体部分2には鋼から成る導電層8が被膜され、それは膜が発生する変化する磁界の作用で加熱できる。この加熱層8の下に熱損失を防ぐ断熱層9がある。この実施形態では、この断熱層9はセラミックで作られている。
【0044】
本発明よる成形装置は、さらに、封止手段10を含み、それによって吸引部材が膜を剛体部分に押しつけるときに膜と剛体部分の間を封止することが可能になる。
【0045】
さらに、図3と4の装置は、膜1,固定部分2を含み、その間に成形されるファブリック11が配置される。この装置はさらに、吸引部材3と交流電流を発生させる発電機6を含む。
【0046】
膜1は管状であり、ソレノイドを形成するインダクター4を含む。
【0047】
図5と6は、発電機と結合されたインダクターを備えた可撓性の膜1と固定部分2を含む成形装置の部分を示す。この成形装置には、複数のプリプレグから構成されるマトリクス11がある。膜1とマトリクス11の間に、いろいろな消耗品(consumable)12と13がある。これらの消耗品12,13は用いるプリプレグとその溶融温度に応じて性質が異なる。
【0048】
図5の実施形態では、消耗品12は複合材料部品の表面条件に合わせて過剰な樹脂を微小な孔から滲出させることができる微細孔分離フィルムである。消耗品13は、加熱のさいに滲出して吸引部材の作用によって上方へ移動する過剰な樹脂を吸収する排出フェルトである。この排出フェルトも真空への配置の均一性を保証する。第三の消耗品を追加することもできる。すなわち、複合材料部品の表面粗さを大きくして、その後に行われるかもしれない接着での付着力を高める剥離ファブリックである。
【0049】
図6の実施形態では、ツールのまわりに漆喰封止材が塗布される。これによって積層構造を真空フィルム又は可撓性膜15によって圧縮することが可能になる。この形態では、インダクターである膜1は加熱システムとして用いられるだけであり、ツールの温度又は少なくとも部分的に導電性である場合に成層部材の温度を上昇させることができる。この真空膜は、真空を印加したときに成形ツールの形を抱きしめることができるように弾性材料で作られる。
【0050】
図1から6までの成形装置のいずれかを実施して複合竿量から成る部品を製造する方法。
【0051】
第一のステップで、剛体部分に剥離剤が塗布される。次に、成形しようとするプリプレグが剛体部分上に配置される。混合物の形の半プリプレグ、コーティング、チョーキング(chalking)、共混合材(co-mixture)又は熱可塑フィルムなども用いることができる。上記熱可塑物質は、ポリエチル・エーテル・ケトン(polyethyletherceton)、ポリフェニレン・スルホン、ポリエチレンから選択できるが、ポリ乳酸、ポリ酪酸タイプの生体高分子を用いることもできる。
【0052】
次に、補強材が望ましい向きで配置される。この材料の向きは予め定められた機械的特性に従って選択される。
【0053】
プリプレグ上にいろいろな消耗品が次のような順序で配置される。すなわち、剥離ファブリック、分離フィルム、吸収ファブリック、及びドレーン。しかし、消耗品のいくつかは不可欠ではなく、所望の特性に応じて省かれる。使用する消耗品は、加熱時に分解しないように、プリプレグの温度よりも高い分解温度を有するものでなければならない。
【0054】
ユニット上に可撓性膜が配置され、それは漆喰封止材の塗布又は他の適当な封止手段を用いて行われる。
【0055】
次に、吸引部材によって十分な真空がユニットに印加される。得られる真空は、少なくとも0.5barの真空である。膜と剛体部分の間に真空を実現するためには、真空吸い込みが必要である。これは、ひとつ又はいくつかの真空アウトプットを用いて膜に配置するか、又は金型にひとつ又はいくつかのオリフィスを配置することで行われる。
【0056】
次に発電機を作動させて交流電流を発生させ、それによってインダクターによって磁界を発生することが可能になる。この磁界によって剛体部分が加熱され、それが発生する熱は伝導によってプリプレグに移される。プリプレグは溶融温度で液体になり、それによって剛体部分を包む。加熱されたプリプレグは剛体部分上で複合材料部品を形成し、剛体部分上の可撓性膜が発生する力で維持される。
【0057】
次に、プリプレグは、装置の上部を流通する気流システムによって所定の温度に、例えば60゜に、冷却される。このステップで複合材料部品の最終的な構造及び寸法特性、並びにその最終的な外観、が決められる。
【0058】
複合材料から成る部品を製造するこの方法は、本発明による成形装置によって加速される。例えば、複合材料から成る部品を250゜で4重のポリアミドから成るプリプレグを炭素繊維の補強材と共に用いて製造するプロセスは、出力2000Wの発電機を備え20kHzの周波数で運転される本発明による成形装置で3分間にわたる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合材料から成る部品を製造するための成形装置であって、
変形可能な膜(1)と、
剛体部分(2)と、
膜(1)と剛体部分(2)の間に真空を印加するための吸引手段(3)と、
を含み、
変形可能な膜(1)は電源ケーシング(6)に結合された少なくとも一つのインダクター(4)を含み、
剛体部分(2)は少なくとも部分的に導電性であることを特徴とする成形装置。
【請求項2】
インダクター(4)は、電気抵抗率が10-8から10-1 W.mの間にある金属を含むことを特徴とする請求項1に記載の成形装置。
【請求項3】
インダクター(4)は可撓性ダクトで構成され、その中を導電性流体が循環することを特徴とする請求項1又は2に記載の成形装置。
【請求項4】
膜(1)は展開不可能であり、インダクター(4)は膜の厚さに含まれるコイルを画定することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の成形装置。
【請求項5】
膜(1)は管状であり、インダクター(4)はソレノイドを画定することを特徴とする請求項1〜3の何れか何れか一項に記載の成形装置。
【請求項6】
膜(1)が弾性的であることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の成形装置。
【請求項7】
膜(1)はさらに、導電性粒子、フェロフルイド、導電性流体の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の成形装置。
【請求項8】
膜はさらに冷却手段(5)を含むことを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の成形装置。
【請求項9】
剛体部分(2)の表面(7,8)だけが導電性であることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の成形装置。
【請求項10】
剛体部分は剛体部分の導電性である表面(8)の下に配置された断熱層(9)を含むことを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載の成形装置。
【請求項11】
剛体部分(2)は磁性物質で構成されることを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の成形装置。
【請求項12】
剛体部分は磁性物質が被膜されていることを特徴とする請求項1〜11の何れか一項に記載の成形装置。
【請求項13】
さらに吸引手段(3)が真空を生成したときに膜(1)と剛体部分(2)を合わせて封止する封止手段(14)を含むことを特徴とする請求項1〜12の何れか1項に記載の成形装置。
【請求項14】
装置は複合材料の温度を測定するための熱電対と複合材料の温度に応じて電源ケーシングの周波数サーボ回路を含むことを特徴とする請求項1〜13の何れか一項に記載の成形装置。
【請求項15】
装置はその構成成分の少なくともひとつに振動運動を印加する手段を含むことを特徴とする請求項1〜14の何れか一項に記載の成形装置。
【請求項16】
請求項1〜15の何れか一項に記載の成形装置を実際に用いて複合材料から成る部品を成形する方法であって、
成形装置に補強材と複合材料を構成するマトリクスを剛体部分と可撓性膜の間のスペースに導入するステップと、
膜と剛体部分の間に真空を印加するステップと、
インダクターに粗い電源手段を供給することを含む実施サイクルを適用するステップと、を含む成形方法。
【請求項17】
実施サイクルの間に膜と剛体部分の間の圧力を変化させるステップを含むことを特徴とする請求項16に記載の成形方法。
【請求項18】
さらに、実施サイクルの間に膜に可変応力を加えるステップを含むことを特徴とする請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
実施サイクルの間に電流の周波数が変化することを特徴とする請求項16〜18の何れか一項に記載の方法。
【請求項20】
さらに温度が可変な複合材料を冷却するステップを含むことを特徴とする請求項16〜19の何れか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−517357(P2012−517357A)
【公表日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−548743(P2011−548743)
【出願日】平成22年2月5日(2010.2.5)
【国際出願番号】PCT/FR2010/000085
【国際公開番号】WO2010/089479
【国際公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(511193536)ユニベルシテ デュ アーブル (1)
【Fターム(参考)】