説明

複合機、機械処理可能なジョブ操作の方法、及び媒体

【課題】MFPに対してジョブを発信するコンピューティング機器のネットワークにおいて、MFPを介して、1以上のコンピューティング機器のリモートアクセスを実行する。
【解決手段】MFP220は、ネットワークリンクを介したリモート機器のアクセスが可能な第1コンピューティング機器210を識別する命令と、第1コンピューティング機器210の仮想デスクトップセッションを開始する命令と、仮想デスクトップセッション内に、複合機220のジョブ命令を第1コンピューティング機器210へ送信する命令を実行する。第1リモートコンピューティング機器210の識別要素は、第2コンピューティング機器230から取得する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にはネットワーク環境におけるコンピューティング機器のリモートアクセスに関し、より詳細には、ネットワーク環境における複合機からのコンピューティング機器のリモートアクセス技術に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータネットワーク環境において、第1コンピューティング機器は仮想ネットワークコンピューティングサーバーをホストし、第2コンピューティング機器は仮想ネットワークコンピューティングクライアントをホストすることができる。ここで、クライアントは、サーバーのデスクトップにアクセスし制御する。
【0003】
複合機(MFP)は、例えばネットワーク接続され、当該MFPと通信するコンピューティング機器からの情報を印刷したりFAXしたりすることに使用される。MFPは更に、ドキュメントの用紙をスキャンしたり、スキャンした用紙を電子形式でコンピューティング機器に送信したりするように構成される。
上記のコンピューティング機器がパーソナルコンピュータ(PC)であるコンピューティングネットワークでは、MFPは、PCの類として構成されるのではなく、一般には用紙の入出力に機能が限定される周辺機器として構成される。従って、コンピューティング機器とMFPとの典型的な交信においては、MFPにジョブを印刷させるため、ユーザーは、コンピューティング機器で1以上の工程を実行する必要がある。また、典型的なスキャン操作では、MFPでスキャンした情報を特定のコンピューティング機器へ送るよう命令するために、ユーザーは、MFPで1以上の工程を実行する必要がある。
【0004】
コンピューティング機器が、MFPを有するネットワークに単にログオンしただけの場合、ユーザーは、単にログオンしたコンピューティング機器からMFPで印刷ジョブを開始することは不可能である。また、ユーザーは、スキャンしたドキュメントファイルをコンピューティング機器で受信されたものとしてMFPで閲覧することは不可能である。
【0005】
また、遠隔のMFPにおいて、ファイルのセキュアプリンティングの責任者がユーザー1人である場合、特に再印刷の際、発信元又はファイルの発信元のコンピューティング機器からセキュアなMFPまで、ユーザーが複数回行き来する必要がある。
ネットワークアーキテクチャにおいて、MFPは、ファイルの発信元のコンピューティング機器から離れた施錠された部屋にある。また、MFPは、暗証番号(PIN)の入力に応じた印刷などのセキュリティ対策をサポートするよう構成される。
【0006】
例えば特許文献1には、印刷指示を行う端末装置から画像形成装置が離れて設置されているような場合であっても、端末装置でなされる印刷設定及び印刷指示を画像形成装置上で行うことを可能とするためのプリンタシステムが開示されている。ここでは、画像形成装置は、端末装置に対してリモートデスクトップ接続の要求を行い、その要求を受けた端末装置は、画像形成装置に対してグラフィック・ユーザ・インターフェースによる操作画面の画像表示データを送信する。そして、画像表示データから生成した操作画面にて、PC上のプリンタドライバを起動し、所望の印刷結果となる印刷条件に再設定して印刷実行指示を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−304881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、MFPに対してジョブを発信するコンピューティング機器のネットワークにおいて、ネットワークにログインしたジョブ発信元のコンピューティング機器のそれぞれのIPアドレスとパスワードを含むデータベースに基づき、MFPを介して、1以上のコンピューティング機器のリモートアクセスを実行するための複合機、ジョブ操作方法、及びコンピュータ読み取り可能な媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る複合機は、処理装置と、アドレス可能メモリと、ディスプレイを有するユーザーインターフェースとを備える。
上記の処理装置は、必ずしも以下の順序通りである必要はないが、(a)ユーザーインターフェースを介して、MFPのネットワークにログオンした、すなわちネットワークリンクを介したリモート機器のアクセスが可能な第1コンピューティング機器を識別することと、(b)ユーザーインターフェースを介して、第1コンピューティング機器の仮想デスクトップセッションを開始することと、(c)仮想デスクトップセッション内に、MFPのジョブ命令を第1コンピューティング機器へ送信することから成る命令を実行するよう構成されることを特徴とする。
【0010】
いくつかの実施形態において、上記の処理装置は、第1リモートコンピューティング機器の識別要素、すなわち第1リモートコンピューティング機器を第2コンピューティング機器から取得するように更に構成され、及び/又は、ユーザーが提供した識別要素に基づき第1リモートコンピューティング機器の識別要素を第2コンピューティング機器から取得するように更に構成される。
【0011】
いくつかの実施形態において、上記の処理装置は、ユーザーが提供した暗証番号に基づき、第1リモートコンピューティング機器の識別要素を第2コンピューティング機器から取得するように更に構成される。またいくつかの実施形態において、上記の処理装置は、送信されたジョブ命令に従って複合機のジョブを第1コンピューティング機器から受信するように更に構成される。
【0012】
本発明は、処理工程として具現化されてもよい。例えば、本発明の実施形態は、処理装置と、アドレス可能なメモリと、ディスプレイとを備える複合機(MFP)のユーザーインターフェースを介したジョブソースコンピューティング機器における機械処理可能なジョブ操作の方法を実現するものである。
この方法は、必ずしも以下の順序通りである必要は無いが、(a)ユーザーインターフェースを介して、MFPとネットワーク通信する、すなわちネットワークリンクを介したリモート機器のアクセスが可能な、例えばMFPと同一のネットワークにログオンした第1コンピューティング機器を識別する工程と、(b)ユーザーインターフェースを介して、ジョブソースコンピューティング機器の仮想デスクトップセッションを開始する工程と、(c)仮想デスクトップセッション内に、複合機のジョブ命令をジョブソースコンピューティング機器へ送信する工程とを有することを特徴とする。
【0013】
機械処理可能な方法としてのいくつかの実施形態は、第1リモートコンピューティング機器の識別要素を第2コンピューティング機器から取得する工程を更に有する。
機械処理可能な方法の他の実施形態は、ユーザーが提供した識別要素に基づき第1リモートコンピューティング機器の識別要素を第2コンピューティング機器から取得する工程を更に有する。
また、機械処理可能な方法のいくつかの実施形態は、ユーザーが提供した暗証番号に基づき第1リモートコンピューティング機器の識別要素を第2コンピューティング機器から取得する工程を更に有する。そして、機械処理可能な方法としての実施形態は、送信されたジョブ命令に応じて複合機のジョブを第1コンピューティング機器から受信する工程を更に有する。
【0014】
本発明の実施形態は、DVD、CD、あるいは携帯フラッシュメモリ機器などの媒体に存在してもよい。従って、本発明の実施形態は、複合機により実行される場合、コンピュータに、(a)ユーザーインターフェースを介して、MFPとネットワーク通信する、すなわちネットワークリンクを介したリモート機器からアクセス可能な、例えばMFPと同一のネットワークにログオンした第1コンピューティング機器を識別させ、(b)ユーザーインターフェースを介して、第1コンピューティング機器の仮想デスクトップセッションを開始させ、(c)仮想デスクトップセッション内に、複合機のジョブ命令を第1コンピューティング機器へ送信させるようにするコンピュータ実行可能な命令を記憶するコンピュータ読み取り可能な媒体を含む。
【0015】
また、コンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータにより実行される場合、コンピュータに、第1コンピューティング機器の識別要素を第2コンピューティング機器から取得させるようにするコンピュータ実行可能な命令を更に記憶する。
また、コンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータにより実行される場合、コンピュータに、第1コンピューティング機器の識別要素を第2コンピューティング機器から取得させるようにするコンピュータ実行可能な命令をオプションとして更に記憶する。
【0016】
また、コンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータにより実行される場合、コンピュータに、ユーザーが提供した識別要素に基づき第1コンピューティング機器の識別要素を第2コンピューティング機器から取得させるようにするコンピュータ実行可能な命令を更に記憶する。
また、コンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータにより実行される場合、コンピュータに、ユーザーが提供した暗証番号に基づき第1コンピューティング機器の識別要素を第2コンピューティング機器から取得させるようにするコンピュータ実行可能な命令を更に記憶する。
また、コンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータにより実行される場合、コンピュータに、送信されたジョブ命令に応じて複合機のジョブを第1コンピューティング機器から受信させるようにするコンピュータ実行可能な命令を更に記憶する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態のネットワーク図の例を示す図である。
【図2】本発明の実施形態の機能ブロック図の例を示す図である。
【図3】本発明の実施形態の処理工程例を示すフローチャートである。
【図4】本発明のシステム例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
添付の図面中の図において、本発明の複数の実施形態が例示されるが、本発明の範囲を限定するものではない。図1は、本発明のシステム例100を示す図である。複合機(MFP)110はネットワークリンク111を備え、パーソナルコンピュータ120として示されるコンピューティング機器はネットワークリンク121を備え、コンピューティング機器130はネットワークリンク131を備え、これらはローカルエリアネットワークやインターネットなどの通信媒体140を介して操作可能に通信する。
【0019】
ネットワークリンク111、121、131は複数のリンクから構成され、無線通信リンクと、有線及び光ファイバー通信リンクとを備える。処理工程例を図2の機能ブロック図及び図3のフローチャートの両方に示す。
図2を参照すると、コンピュータネットワーク環境200において、第1コンピューティング機器210は仮想ネットワークコンピューティングサーバー211をホストし、別のコンピューティング機器が仮想ネットワークコンピューティングクライアント221をホストする複合機(MFP)220として示される。ここで、クライアントはサーバー211のオペレーティングシステムのデスクトップ部にアクセスして制御する。
【0020】
図2に例示したシステムにおいて、図3のフローチャートに示すように処理工程例300が実行される。この際、第1コンピューティング機器からMFPにジョブが送信される(ステップ310)。
MFPにおいてユーザーが、ジョブ又はジョブのバリエーションをそのMFPに再送信することを所望する場合、MFPにおけるジョブの状態に応じて、ユーザーが所望するジョブを起動したコンピューティング機器の識別をMFPで開始する(ステップ320)。
【0021】
ユーザーは、第1コンピューティング機器とMFP間のリモートアクセスセッションを設定する必要はないが、例えば、MFPのネットワークにログオンしたネットワークリンクを介して、リモート機器のアクセスのために第1コンピューティング機器が利用できることが好ましい。従って、本処理例の別の実施形態はステップ320から開始し、この際、例えば、ユーザーは、第1コンピューティング機器からMFPへ初めて送られたMFPのジョブを開始することを所望し、あるいは、第1コンピューティング機器からMFPへの関係のない又は前回の通信を開始することを所望する。
【0022】
いずれの例においても、コンピューティング機器が識別されると、第1コンピューティング機器及びMFP間において、仮想デスクトップのセッション又はオペレーティングシステム(OS)に基づいてセッションを開始する(ステップ330)。これにより本処理工程例を続行するが、これには、第1コンピューティング機器のIPアドレスに関連するパスワードの送信が含まれる。第1コンピューティング機器からMFPへの印刷ジョブなどの同一又は修正したジョブの送信を開始すると(ステップ340)、仮想デスクトップのセッションが終了する。
【0023】
図2に例示のシステムでは、第1のユーザーがユーザーインターフェース212を介してサブプロセスを開始する。ここで、第1コンピューティング機器は、ユーザーの入力に応じて、ジョブ、例えば印刷ジョブ213をMFP220に送信する。MFPにおいて、第1のユーザー又は第2のユーザーは、ネットワーク200の第1コンピューティング機器210の位置を見つけるために、例えばIPアドレスを決定するために、MFPのユーザーインターフェース222を介してサブプロセスを開始する。
【0024】
図2に例示したシステム例では、サーバー231をホストする第2コンピューティング機器230に対して、MFP220から送信された問い合わせ223が示されている。サーバー231は、ネットワークに現在ログインしている1以上のコンピューティング機器を各々のIPアドレスといっしょに提供する(問い合わせ232)。
【0025】
MFPのユーザーインターフェース222において、ユーザーは、第1コンピューティング機器を選択し、第1コンピューティング機器がホストするサーバー211を起動すべく、第1コンピューティング機器210に送信される(問い合わせ224)パスワードを第1コンピューティング機器に入力する。そして、第1コンピューティング機器210のオペレーティングシステムのデスクトップの仮想デスクトップ214を動かす。
【0026】
動かされた仮想デスクトップ214を介して、MFPのユーザーインターフェース222において、ユーザーはジョブ225、例えば第1コンピューティング機器210からMFP220に送信された最新のジョブのジョブ設定を修正する。そして修正したジョブ、例えば、修正した印刷ジョブを実行するよう要求する(問い合わせ226)。その後、第1コンピューティング機器210のサーバー211は、MFP220に修正したジョブ215を送信する。
【0027】
図2に例示したシステム例のいくつかの実施形態において、問い合わせ223の一部に対し、ユーザーの暗証番号(PIN)が、MFP220から第2コンピューティング機器230に送信される。第2コンピューティング機器230がホストするサーバー231は、ネットワークに現在ログインしている1以上のコンピューティング機器を各々のIPアドレスといっしょに提供する(問い合わせ232)。
【0028】
第2コンピューティング機器230は、暗証番号(PIN)と、第1コンピューティング機器210のIPアドレス及びパスワードの両方とを関連付ける。いくつかの実施形態において、PINとIPアドレス及びパスワードとを関連付けるデータベースは、MFPにおいてホストされる。
【0029】
本発明の実施形態は、クライアントノードとサーバーノードとを備え、それぞれのノードには、第2コンピューティングノードを介した第1コンピューティングノードへのアクセス、すなわち、リモートアクセスをサポートするのに十分なコンピュータ命令が存在する。このようなネットワークのためのリモートアクセスのソフトウェアは、RealVNC社製のREALVNC(登録商標)から得られ、またMICROSOFT(登録商標)のWINDOWS(登録商標)のリモートデスクトッププロトコルを介して得られる。
【0030】
リモートアクセスソフトウェアのサーバー版をホストするサーバーのユーザーは、リモートアクセスソフトウェアのクライアント版をホストするクライアントのユーザーインターフェースを介してサーバーにアクセスする。例えば、固有の暗証番号(PIN)は、サーバーのIPアドレスと、リモートアクセスソフトウェアにより提供されたリモートアクセスインターフェースを介したサーバーへのアクセスを可能にするパスワードに関連付けられる。
【0031】
クライアントのユーザーインターフェースを介してPINを入力することにより、ユーザーはサーバーのデスクトップを制御する。PINは、タッチスクリーン又はキーボードを介して、電波による個体識別(RFID;Radio Frequency Identification)タグ又は近接バッジなどのトランスポンダーといった近接機器を介して手動で入力される。従って、ユーザーは、MFPを介して修正した設定で、ドキュメントの最初の印刷又は再印刷を開始する。
【0032】
図4は、図1に例示した実施形態を更に詳細に示す図である。ネットワークシステム400は、MFP110と、通信媒体140を介してネットワーク接続されたパーソナルコンピュータ120及びコンピューティング機器130から構成される。クライアントノードの一例として、MFP110は、ユーザーインターフェース401と、印刷モジュール402と、スキャンモジュール403と、電子メールモジュール404と、MFPのリモートアクセスクライアント406をホストするよう構成されたオペレーティングシステム(OS)を含む中央処理装置(CPU)414とを備えている。
【0033】
データストア407は、MFP110で生成したあるいは通信インターフェース408を介して受信した1以上のジョブファイルを記憶するためのものである。サーバーノードの一例として、パーソナルコンピュータ120は、ユーザーインターフェース411と、データストア412と、通信インターフェース413と、リモートアクセスサーバーをホストするよう構成されたOSを含むCPU404とを備える。
【0034】
サーバーノードのオプションの一例として、コンピューティング機器130は、通信インターフェース421と、サーバーをホストするよう構成されたOSを含むCPU422と、1以上のインデックスモジュール423とを備える。インデックスモジュール423は、MFP110からの1以上の通信に応じてコンピューティングノードにリモートアクセスするためのコンピューティングノードのIPアドレス及び/又はパスワードを提供するために、例えば、テーブルを記憶するデータストア424にアクセスするように構成されている。
【0035】
図4のユーザーインターフェースは、少なくとも1つのユーザーインターフェースエレメントを備える。ユーザーインターフェースエレメントの例としては、ボタン、ダイアル、キーボード、タッチパッド、タッチスクリーン、マウス、ホイール関連の機器及びボイスLOSインタープリタ(voice and line-sight interpreters)などの手動入力を含む入力機器が挙げられる。ユーザーインターフェースエレメントの他の例としては、ディスプレイ、触覚フィードバック機器、聴覚機器などの出力機器が挙げられる。MFPのディスプレイは、サーバーノードのデスクトップの一部、すなわち、識別されたパーソナルコンピュータをユーザーが見るのに十分な大きさがあり、MFPのディスプレイは、サーバーノードのデスクトップの他の部分を表示するためにサポートするように構成されている。
【0036】
MFPのユーザーインターフェースのいくつかの実施形態において、ディスプレイは、例えば、印刷ジョブの名前によって識別することで印刷した一組の最新の印刷ジョブを出力する。MFPの処理は、これら表示されたジョブの1つのユーザーによる選択を受信し、またユーザーが提供したパスワードを受信するようになっている。
【0037】
ジョブの名前及びパスワードの入力に応じて、MFPは、選択した印刷ジョブに関連するIPアドレスを用いてリモートデスクトップのセッションを確立する。他の実施形態において、第1コンピューティング機器のプリンタドライバは、ソースコンピューティングノードとしてその名前、すなわちコンピュータ名を印刷ジョブに埋め込む。従って、MFPは、最新の印刷ジョブのそれぞれの印刷ジョブ名をディスプレイに出力するのではなく、最新の印刷ジョブのそれぞれのコンピュータ名を表示する。その後、ユーザーは、表示された最適なコンピュータ名を選択し、パスワード又はPINを用いて、MFPから選択したコンピュータのリモートアクセスを開始する。
【0038】
NetBIOS名前情報のIPネットワークのスキャンは、http://www.inetcat.net/software/nbtscan.html.で入手できるNBTScanを介して具現化される。システムにログインしたコンピュータの検知は、Motivate Systems(登録商標)によるユーザーロケータを介して具現化される。
【0039】
以上により、ネットワークにログインしたジョブ発信元のコンピューティング機器のそれぞれのIPアドレス及びパスワードを含むデータベースに基づき、MFPに対してジョブを発信するコンピューティング機器のネットワークにおける1以上のコンピューティング機器のMFPを介してリモートアクセスを実行するためのシステム、機器、方法、及びコンピュータ読み取り可能な媒体が本明細書において提供されるということが理解されよう。本明細書に記載のモジュール及び機能は更に再分割、組み合わせ、及び/又は変更することができるが、それでも本発明の実施形態の精神に含まれるということも、当業者によって理解されるであろう。
【0040】
また、本発明の様々なバリエーションを詳細に示して説明したが、本発明の範囲内のその他の修正は、本開示に基づき当業者により直ちに明らかになり、例えば、本明細書に記載のフローチャート又は処理工程の例は修正及び変更を加えることができるが、それでも本発明の精神に含まれる。実施形態の特定の特徴及び態様の様々な組み合わせ又は部分的組み合わせが可能であり、更に本発明の範囲内であることも考えられる。従って、開示された実施形態の様々な特徴及び態様は、開示の発明の各種形態を形成するため、互いに組み合わせたり代替したりすることができるということが理解されよう。よって、本明細書において開示された本発明の範囲は、上記開示された特定の実施形態によって制限されないことが意図されている。
【符号の説明】
【0041】
110…MFP、111…ネットワークリンク、120…パーソナルコンピュータ、121…ネットワークリンク、130…コンピューティング機器、131…ネットワークリンク、140…通信媒体、200…ネットワーク、210…コンピューティング機器、211…サーバー、211…仮想ネットワークコンピューティングサーバー、212…ユーザーインターフェース、213…印刷ジョブ、214…仮想デスクトップ、215…ジョブ、220…MFP、221…仮想ネットワークコンピューティングクライアント、222…ユーザーインターフェース、223…クエリ、225…ジョブ、230…コンピューティング機器、231…サーバー、400…ネットワークシステム、401…ユーザーインターフェース、402…印刷モジュール、403…スキャンモジュール、404…CPU、404…電子メールモジュール、406…リモートアクセスクライアント、407…データストア、408…通信インターフェース、411…ユーザーインターフェース、412…データストア、413…通信インターフェース、421…通信インターフェース、422…CPU、423…インデックスモジュール、424…データストア。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理装置と、メモリと、ディスプレイを有するユーザーインターフェースとを備える複合機であって、
前記処理装置は、前記ユーザーインターフェースを介して、
前記複合機と同一のネットワークにログインした第1コンピューティング機器であって、ネットワークリンクを介したリモート機器のアクセスが可能な前記第1コンピューティング機器を識別する命令と、
前記ユーザーインターフェースを介して、前記第1コンピューティング機器の仮想デスクトップセッションを開始する命令と、
前記仮想デスクトップセッション内に、複合機のジョブ命令を前記第1コンピューティング機器へ送信する命令と、を含む命令を実行する手段を有することを特徴とする複合機。
【請求項2】
前記処理装置は、前記第1コンピューティング機器の識別要素を第2コンピューティング機器から取得する手段を有することを特徴とする請求項1に記載の複合機。
【請求項3】
前記処理装置は、ユーザーが提供した識別要素に基づき前記第1コンピューティング機器の識別要素を第2コンピューティング機器から取得する手段を有することを特徴とする請求項1に記載の複合機。
【請求項4】
前記処理装置は、ユーザーが提供した暗証番号に基づき前記第1コンピューティング機器の識別要素を第2コンピューティング機器から取得する手段を有することを特徴とする請求項1に記載の複合機。
【請求項5】
前記処理装置は、送信された前記ジョブ命令に従って前記複合機のジョブを前記第1コンピューティング機器から受信する手段を有することを特徴とする請求項1に記載の複合機。
【請求項6】
処理装置と、メモリと、ディスプレイとを備える複合機のジョブソースコンピューティング機器における、ユーザーインターフェースを介した機械処理可能なジョブ操作の方法であって、前記方法は、前記ユーザーインターフェースを介して、
前記複合機と同一のネットワークにログインした第1コンピューティング機器であって、ネットワークリンクを介したリモート機器のアクセスが可能な前記第1コンピューティング機器を識別することと、
前記ユーザーインターフェースを介して、前記ジョブソースコンピューティング機器の仮想デスクトップセッションを開始することと、
前記仮想デスクトップセッション内に、複合機のジョブ命令を前記ジョブソースコンピューティング機器へ送信することを有することを特徴とする、機械処理可能なジョブ操作の方法。
【請求項7】
前記第1コンピューティング機器の識別要素を第2コンピューティング機器から取得することを更に有することを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ユーザーが提供した識別要素に基づき前記第1コンピューティング機器の識別要素を第2コンピューティング機器から取得することを更に有することを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項9】
ユーザーが提供した暗証番号に基づき前記第1コンピューティング機器の識別要素を第2コンピューティング機器から取得することを更に有することを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項10】
送信された前記ジョブ命令に応じて前記複合機のジョブを前記第1コンピューティング機器から受信することを更に有することを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項11】
コンピュータ実行可能な命令を記憶することを特徴とするコンピュータ読み取り可能な媒体であって、
ユーザーインターフェースとディスプレイを有する複合機により実行されるときに、
コンピュータに、前記ユーザーインターフェースを介して、
前記複合機と同一のネットワークにログインした第1コンピューティング機器であって、ネットワークリンクを介したリモート機器のアクセスが可能な前記第1コンピューティング機器を識別させ、
前記ユーザーインターフェースを介して、前記第1コンピューティング機器の仮想デスクトップセッションを開始させ、
前記仮想デスクトップセッション内に、複合機のジョブ命令を前記第1コンピューティング機器へ送信させるようにしたコンピュータ実行可能な命令を記憶することを特徴とするコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項12】
前記複合機により実行されるときに、前記複合機に、前記第1コンピューティング機器の識別要素を第2コンピューティング機器から取得させるようにするコンピュータ実行可能な命令を更に記憶することを特徴とする請求項11に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項13】
前記複合機により実行されるときに、前記複合機に、ユーザーが提供した識別要素に基づき前記第1コンピューティング機器の識別要素を第2コンピューティング機器から取得させるようにするコンピュータ実行可能な命令を更に記憶することを特徴とする請求項11に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項14】
前記複合機により実行されるときに、前記複合機に、ユーザーが提供した識別要素に基づき前記第1コンピューティング機器の識別要素を第2コンピューティング機器から取得させるようにするコンピュータ実行可能な命令を更に記憶することを特徴とする請求項11に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項15】
前記複合機により実行されるときに、前記複合機に、ユーザーが提供した暗証番号に基づき前記第1コンピューティング機器の識別要素を第2コンピューティング機器から取得させるようにするコンピュータ実行可能な命令を更に記憶することを特徴とする請求項11に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項16】
前記複合機により実行される場合、前記複合機に、前記送信されたジョブ命令に応じて前記複合機のジョブを前記第1コンピューティング機器から受信させるようにするコンピュータ実行可能な命令を更に記憶することを特徴とする請求項11に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−55609(P2010−55609A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−183511(P2009−183511)
【出願日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】