説明

親水性粘着剤、それを用いた親水性皮膚外用粘着剤組成物および親水性貼付剤

【課題】 充分な粘着力を有し薬物を安定に溶解又は均一に分散させることができかつ親水性媒体に対する溶解性に優れた親水性粘着剤を用いた親水性皮膚外用粘着剤組成物および親水性貼付剤を提供することを目的とする。
【解決手段】(1)アクリル酸65〜98質量%、(2)(メタ)アクリル酸アルキルエステルマクロモノマー1〜30質量%、(3)デンプン0.01〜3質量%を重合して得られるアクリル系共重合体を含有する親水性粘着剤として用い、これを親水性媒体に加えて親水性皮膚外用粘着剤組成物とする。支持体にこの親水性皮膚外用粘着剤組成物および剥離フィルムを積層して親水性貼付剤とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、親水性粘着剤、それを用いた親水性皮膚外用粘着剤組成物、および当該親水性皮膚外用粘着剤組成物を用いた親水性貼付剤に関する。詳細には、本発明は、粘着力が強く、薬物等の均一分散性に優れている、親水性粘着剤、親水性皮膚外用粘着剤組成物および親水性貼付剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、外用剤あるいは化粧品として、支持体上に粘着性を有する親水性皮膚外用粘着剤組成物を展延したパップ剤、冷却シートやテープ剤などの皮膚適用の貼付剤が開発されている。このような製剤は、所定の時間、皮膚に剥がれることなく密着していることが必要とされ、また薬物を安定に粘着剤層中に均一分散させることや溶解させることも重要である。
【0003】
従来の貼付剤として、親水性粘着剤組成物を用いた貼付剤では、ポリアクリル酸ナトリウムを粘着剤として用いたものが多く、ポリアクリル酸等の脂肪族カルボン酸のアルミニウム塩を主体とする合成高分子ゲルを組成中に含むシップ薬(特開昭60−226808号)、10%水溶液粘度が100〜1000cpsのポリアクリル酸と水溶性高分子、多価アルコール、水からなる経皮吸収性製剤(特開平6−135828号)、N−ビニルアセトアミド/アクリル酸ナトリウム共重合体、水溶性アルミニウム塩、水からなる含水ゲル貼付剤(特開平9−143060号)、ポリブテンおよびゼラチンを添加したパップ剤(特開平9−208462号)などが知られている。しかしながら、従来の親水性粘着剤組成物および親水性貼付剤は、粘着力が充分でなかったり、実用化が困難である等の問題があった。
【0004】
また、薬物が親油性物質である場合、従来の親水性粘着剤組成物はそれらの溶解性又は相溶性が低く膏体中に安定に溶解あるいは均一分散させることが困難であった。それゆえ、薬物の安定的溶解又は均一分散のために、従来は種々の溶解剤や界面活性剤からなる分散剤などを併用していた。これらの種々の成分を配合することにより従来の親水性粘着膏体は、製造工程が複雑であり、製品の均一化に多大の労力を要するものであった。
【0005】
親油性貼付剤については、粘着剤としてアクリル酸アルキルエステルを用いた製剤等が知られていて、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分単量体として重合させたアクリルエステル系ポリマーを用いた経皮吸収ゲル製剤(特開平3−223212)などが報告されている。しかし、親油性粘着剤の場合には、薬物の均一な分散が困難である等の問題があった。また、親油性貼付剤で主に用いられているアクリル酸アルキルエステル等の粘着剤は親油性であるため、親水性粘着剤組成物中では相溶性が悪く、製剤としての安定性や均一性で問題があった。さらに、接着剤として(メタ)アクリル酸アルキルエステルマクロモノマーを構成要素とする共重合体を含む経皮薬剤導入製剤(特表平10−508296)も報告されているが、親水基を有するモノマーの濃度が低く親油性であるため、従来の親油性貼付剤と同様の問題があった。
【特許文献1】特開昭60−226808号公報
【特許文献2】特開平6−135828号公報
【特許文献3】特開平9−143060号公報
【特許文献4】特開平9−208462号公報
【特許文献5】特開平3−223212号公報
【特許文献6】特表平10−508296号公報
【0006】
上述のような問題点を解決するために鋭意研究を行った結果、特定の質量比でアクリル酸と(メタ)アクリル酸アルキルエステルマクロモノマーとを重合して得られるアクリル系共重合体を含有する親水性粘着剤を用いることで、皮膚に対する粘着力に優れ、かつ使用感も良好であり、薬物を安定に溶解又は均一分散し得る親水性皮膚外用粘着剤組成物が得られることを見出し、特願2004−82782を出願した。
【0007】
そこで用いられるアクリル系共重合体は、
(1)アクリル酸70〜99質量%、および
(2)(メタ)アクリル酸アルキルエステルマクロモノマー1〜15質量%、
を重合して得られる共重合体であり、
好ましくは、
(1)アクリル酸70〜98質量%、
(2)(メタ)アクリル酸アルキルエステルマクロモノマー1〜15質量%、および
(3)1種または2種以上のアクリル酸以外のビニルモノマー0.01〜20質量%
を重合して得られるアクリル系共重合体である。
【0008】
この共重合体を用いて貼付剤とする場合、粉末状の共重合体を薬物、その他の添加剤とともに撹拌しつつ水−グリセリン混合溶媒のような親水性媒体に再溶解させる。この場合前記アクリル系共重合体はやや疎水性であるため、親水性媒体に溶解するのに時間がかかるということが判明した。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、上記のようなアクリル系共重合体の親水性媒体に対する溶解性を改善することである。つまり、充分な粘着力を有し薬物を安定に溶解又は均一分散させることができ、さらに親水性媒体に対する溶解性にすぐれたアクリル系共重合体を用いた親水性粘着剤、それを用いた親水性皮膚外用粘着剤組成物および親水性貼付剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、アクリル酸と(メタ)アクリル酸アルキルエステルマクロモノマーとを重合してアクリル系共重合体を製造する際に、全モノマーに対し0.01〜3質量%のデンプンを添加して重合させることによって、親水性媒体に対する溶解性および親水性媒体中における安定性が改善されることを見出し本発明を完成した。デンプンを加えて共重合させることにより、アクリル系共重合体とデンプンのグラフト共重合体が形成され、デンプンの親水性によって生成物の水への親和性が向上すると考えられる。また、デンプンの添加量は、総質量の0.01〜3質量%であってその割合は小さいので、前記のアクリル系共重合体の優れた性質、つまり、皮膚に対する優れた粘着力、良好な使用感、薬物の安定な溶解性又は均一分散性などの性質は損なわれない。
【発明の効果】
【0011】
デンプンを加えて得られるアクリル系共重合は、水−グリセリン混合溶媒のような親水性媒体に容易に溶解し、溶液状態での安定性にも優れているので、親水性皮膚外用粘着剤組成物、親水性貼付剤の製造上きわめて優れている。また、本発明の親水性粘着剤を使用する親水性皮膚外用粘着剤組成物および親水性貼付剤は、皮膚に対する高い粘着力を有し、優れた薬物溶解性および薬物均一分散性を有し、かつ使用感も良好である。また、製剤からの薬物皮膚透過性も良好である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の親水性粘着剤、該親水性粘着剤を含有する親水性皮膚外用粘着剤組成物、および該親水性皮膚外用粘着剤組成物を含有する親水性貼付剤について説明する。
本発明の親水性粘着剤は、
(1)アクリル酸65〜98質量%、
(2)(メタ)アクリル酸アルキルエステルマクロモノマー1〜30質量%、
および
(3)デンプン0.01〜3質量%
を重合して得られるアクリル系共重合体を含有することを特徴とする。
好ましいアクリル系共重合体は、
(1)アクリル酸65〜98質量%、
(2)(メタ)アクリル酸アルキルエステルマクロモノマー1〜30質量%、
(3)デンプン0.01〜3質量%、
および
(4)1種または2種以上のアクリル酸以外のビニルモノマー0.01〜20質量%
を重合して得られるアクリル系共重合体である。
なお、本発明の親水性粘着剤は前記アクリル系共重合体の外に他の成分(他の粘着剤等)を含むことができる。
【0013】
本アクリル系共重合体における単量体の配合比率は、上記(1)アクリル酸の配合比率は65〜98質量%であり、好ましくは69.9〜98質量%である。65質量%未満では水への溶解度が減少し、親水性皮膚外用粘着剤組成物として不適となり、98質量%を超えると本発明の良好な粘着性、薬物溶解性又は薬物分散性を発揮できない。
【0014】
上記(2)(メタ)アクリル酸アルキルエステルマクロモノマーの配合比率は、1〜30質量%であり、好ましくは1〜25質量%であり、特に好ましくは2.5〜20質量%である。1質量%未満では本発明の良好な粘着性、薬物溶解性又は薬物分散性を発揮できない。30質量%を超えると水への溶解度が減少し、親水性皮膚外用粘着剤組成物として不適となる。
【0015】
上記(3)デンプンの配合比率は、0.01〜3質量%である。デンプンが3質量%を超えた場合、デンプンは重合溶媒中に溶解し難く沈殿となり、有効にグラフト化され難い。0.01質量%未満であると、共重合体の親水性媒体に対する溶解性の改善が不十分となる。デンプンの好ましい配合比率は0.05〜2質量%、更に好ましくは0.1〜1質量%である。
【0016】
上記(4)アクリル酸以外のビニルモノマーの配合比率は、0.01〜20質量%である。本発明の主旨を損なわない範囲で使用され、薬物の溶解性改善、粘着剤組成物の凝集力向上などに役立つ。
【0017】
本発明のアクリル系共重合体は、アクリル酸アルキルエステルマクロモノマーおよびデンプンを用いたことにより、アクリル酸ポリマーを主体とする幹ポリマーに、アクリル酸アルキルエステルおよびデンプンのグラフト鎖が結合したグラフト共重合体ポリマーとなると考えられる。アクリル酸アルキルエステルのグラフト鎖構造は粘着特性の向上に寄与する。また、デンプンのグラフト鎖構造は、生成したアクリル系共重合体の親水性媒体に対する溶解性の付与に寄与する。アクリル酸アルキルエステルマクロモノマーが生成共重合体を疎水性にするのに対し、デンプンが親水性とする。このため、デンプンを用いない場合に比して、アクリル酸アルキルエステルマクロモノマーの量を多くすることができる。このことにより、生成共重合体の親水性媒体に対する親和性を損なわないで、アクリル酸アルキルエステルマクロモノマーの量を調節することにより粘着特性を広い範囲で変えることができるという効果がえられる。
また、本発明のアクリル系共重合体は、アクリル酸部分が、遊離型であっても塩となっていても良い。
【0018】
本発明に用いる(1)アクリル酸としては、アクリル酸に限定されているわけではなく、アクリル酸ナトリウム等の塩を用いることができ、アクリル酸とアクリル酸塩の混合物等であっても良い。
【0019】
本発明に用いる(2)(メタ)アクリル酸アルキルエステルマクロモノマーとしては、炭素数が2〜12、好ましくは炭素数4〜8のアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステルを重合したオリゴマー(重合度は約20〜100等)の片末端にビニル基を有し、通常の条件でビニル重合可能なものである。例えば、(メタ)アクリル酸n−ブチルマクロモノマー、(メタ)アクリル酸n−ヘキシルマクロモノマー、(メタ)アクリル酸n−オクチルマクロモノマー、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシルマクロモノマー等が挙げられ、これらは単独でも、また2種以上を用いてもよい。また本発明のマクロモノマーは共重合体であってもよい。
市販品としては、アクリル酸ブチルマクロモノマー(東亜合成化学工業(株)製AB−6(重合度約60))がある。
【0020】
本発明に用いる(3)デンプンは、種々の植物由来の水溶性デンプンを用いることができる。医薬品添加物基準に適合したものを用いることが好ましい。
【0021】
本発明に用いる(4)アクリル酸以外のビニルモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、ビニルピロリドン、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジアセトンアクリルアミド、酢酸ビニル、メタクリル酸、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜12のアルコールとのエステル、アクリルアミドなどがある。
【0022】
本発明の親水性粘着剤を重合する合成方法は、特に限定されず、一般的な重合開始剤(過硫酸カリ、亜硫酸ナトリウム等)や溶媒(アセトン、グリセリン等)を用い、既知の製法で合成することができる。
【0023】
本発明の親水性粘着剤は、親水性媒体と合わせることにより、粘着性等に優れた親水性皮膚外用粘着剤組成物となる。
本発明の親水性皮膚外用粘着剤組成物は、本発明粘着剤(アクリル系共重合体)を0.
5〜85質量%配合し、好ましくは1〜70質量%配合する。
本発明に用いる親水性媒体としては、主モノマーである親水性のアクリル酸と親油性である(メタ)アクリル酸アルキルエステルマクロモノマーとの共重合体を溶解もしくは分散させるために、水と親水性有機溶媒との混合物を用いるのが好ましい。このような親水性有機溶媒としては、水との親和性に優れかつ該共重合体を溶解し、かつ薬学的に許容されるものであれば特に制限されない。
【0024】
親水性有機溶媒としては、例えば、多価アルコール類、アルコール類、ピロリドン類が挙げられ、1種又は2種以上を用いてもよい。また、さらに界面活性剤、脂肪酸類を含ませてもよい。具体的には多価アルコール類としては、グリセリン、1,3−ブチレングリ
コール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコールなど;アルコール類としては、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコールなど;ピロリドン類としては、2−ピロリドン、N−オクチル−2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドンなど;界面活性剤としては、親水性界面活性剤が好適で、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタントリオレイン酸エステル、モノラウリン酸ヘキサグリセリル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリエチレングリコールモノラウリン酸エステル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなど;脂肪酸類としては、酢酸、プロピオン酸、グルコン酸などがあり、親水性有機溶媒としては多価アルコールが好適である。
【0025】
また、本発明親水性皮膚外用粘着剤組成物には、更に経皮吸収促進剤、架橋剤、保湿成分を配合することができる。また、これらは単独でも、または2種以上を選択してもよい。
【0026】
本願に係る重合体は、アルミニウム化合物等の架橋剤により架橋することにより安定な保形性ゲルとすることができ、これにより粘着性をさらに向上することができる。架橋剤としては、親水性粘着剤を架橋し得るものであれば、その種類は特に制限されるものではないが、特に、多価金属化合物が好ましい。多価金属化合物としては、アルミニウム化合物、マグネシウム化合物、カルシウム化合物が特に好ましい。
【0027】
アルミニウム化合物、マグネシウム化合物およびカルシウム化合物としては、例えば水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、アルミニウムグリシネート、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、アセトグルタミドアルミニウム、酢酸アルミニウム、酸化アルミニウム、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、リン酸カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミナ・マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト等、更にこれらの化合物の水和物あるいは無水物が挙げられ、これらの化合物は単独でも、または2種以上を併用して用いてもよい。架橋剤の配合量は、その化合物により異なるが、0.001〜10質量
%、好ましくは0.01〜5質量%、更に好ましくは0.1〜2質量%とすることが望ましい。
【0028】
架橋する場合には、架橋速度調節剤で架橋速度を調節することにより所望の粘度を有する粘着剤組成物を得ることができる。架橋速度調節剤は、用いる架橋剤に合わせて選ばれ、例えば、エデト酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム等のキレート剤、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、サリチル酸、クエン酸等の有機酸、それらの金属塩、硫酸、塩酸等の無機酸、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等の有機塩基、水酸化ナトリウム、アンモニア等の無機塩基などが挙げられる。
【0029】
好ましい架橋調節剤は用いる架橋剤により異なるが、架橋剤として溶解度の大きいアルミニウム化合物を用いる場合は、架橋反応を全体的に均一に起こして安定なゲルを得るために、酒石酸等のオキシ酸を架橋調節剤として用いることが好ましい。すなわち、溶解度の大きいアルミニウム化合物をオキシ酸に予め溶解してキレート状で添加することにより、アクリル酸および(メタ)アクリル酸アルキルエステルマクロモノマーの共重合体の水溶液と均一に混合された後に、オキシ酸とキレートしたアルミニウムが解離し、よりキレート能の大きいポリアクリル酸に移行し、均一に架橋することができる。オキシ酸は有機酸に含まれるものであり、オキシ酸としては特に酒石酸が好ましい。
【0030】
経皮吸収促進剤としては、例えば、高級アルコール類、高級アルカン、脂肪酸エステル類、高級脂肪酸、テルペン類、有機塩基類、有機酸類、ビタミン類、レシチン類等の公知の経皮吸収促進剤を挙げることができる。
具体的には、ノナノール、デカノール、ドデカノール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール等の高級アルコール類、n−ヘプタン、n−ノナン等の高級アルカン、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル等の脂肪酸エステル、ラウリン酸、オレイン酸、カプリン酸、カプリル酸、ミリスチン酸等の高級脂肪酸、l−メントール、メントン、ハッカ油等のテルペン類、等が挙げられる。
【0031】
保湿剤としては、一般的に使用されるものであれば特に限定されないが、例えば、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、ピロリドンカルボン酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、尿素等が挙げられ、配合量は、5〜40質量%とすることが好ましい。
【0032】
本親水性皮膚外用粘着剤組成物は、含水ゲル、局所の熱を除去する用途で用いられる冷却シート、湿布剤、水分を補充する保湿シート、芳香シート、美容パック、サポーター等として用いることができる。また、本発明の親水性皮膚外用粘着剤組成物に薬物を配合することにより、優れた経皮吸収製剤とすることもできる。
【0033】
配合する薬物としては経皮吸収可能なあらゆる薬物が適用できる。例えば、鎮痛消炎剤、抗真菌剤、抗尿失禁剤、筋弛緩剤、鎮けい剤、強心剤、禁煙補助剤、抗アレルギー剤、局所麻酔剤、殺菌消毒剤、美白剤、抗しわ剤、保湿剤、皮膚刺激剤、ホルモン剤及びビタミン類等の薬物を配合することができる。具体的には、鎮痛消炎剤として非ステロイド性鎮痛消炎剤であるサリチル酸グリコール、サリチル酸メチル、アルクロフェナク、アンフェナクナトリウム、ウフェナマート、スプロフェン、ブフェキサマク、アンピロキシカム、ピロキシカム、メロキシカム、インドメタシン、ケトプロフェン、ザルトプロフェン、スリンダク、テノキシカム、アセトアミノフェン、メフェナム酸、フルフェナム酸、イブプロフェン、ロキソプロフェン、プラノプロフェン、フェンブフェン、ジクロフェナク、ジクロフェナクナトリウム、オキシフェンブタゾン、フェルビナク、フルルビプロフェン等、ステロイド性鎮痛消炎剤であるアムシノニド、吉草酸酢酸プレドニゾロン、吉草酸ジフルコルトロン、吉草酸デキサメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、酢酸ジフロラゾン、酢酸デキサメタゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、酢酸メチルプレドニゾロン、ジフルプレドナート、ジプロピオン酸ベタメタゾン、デキサメタゾン、トリアムシノロンアセトニド、ハルシノニド、ピバル酸フルメタゾン、ブデソニド、フランカルボン酸モメタゾン、フルオシノニド、フルオシノロンアセトニド、フルドロキシコルチド、プレドニゾロン、プロピオン酸アルクロメタゾン、プロピオン酸クロベタゾール、プロピオン酸デキサメタゾン、プロピオン酸デプロドン、プロピオン酸ベクロメタゾン、ベタメタゾン、酪酸クロベタゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン、酪酸プロピオン酸ベタメタゾン等、
抗真菌剤として塩酸クロコナゾール、塩酸ネチコナゾール、クロトリマゾール、ケトコナゾール、硝酸イソコナゾール、硝酸エコナゾール、硝酸オキシコナゾール、硝酸スルコナゾール、硝酸ミコナゾール、チオコナゾール、ビホナゾール、ラノコナゾール等、
抗尿失禁剤として塩酸オキシブチニン、塩酸テロジリン、塩酸フラボキサート等、
筋弛緩剤として塩酸エペリゾン、アフロクアロン、カルバミン酸クロルフェネシン、塩酸チザニジン、塩酸トルペリゾン、オキサゾラム、塩酸フルラゼパム、ジアゼパム、プラゼパム、フルニトラゼパム、フルラゼパム、ブロチゾラム、ブロマゼパム、クロルゾキサゾン、フェンプロバメート、メトカルバモール、ダントロレンナトリウム、メシル酸プリジノール等、
鎮けい剤として臭化ブチルスコポラミン、硫酸アトロピン、塩酸パパベリン等、
強心剤としてニトログリセリン、硝酸イソソルビド等、
禁煙補助剤としてニコチン等、
抗アレルギー剤として塩酸アゼラスチン、塩酸エピナスチン、オキサトミド、セロトロダスト、トラニラスト、フマル酸ケトチフェン等、
局所麻酔剤として塩酸プロカイン、塩酸ジブカイン、リドカイン等、
殺菌消毒剤としてヨウ素、ヨードチンキ、ヨードホルム、ポビドンヨード等、
皮膚刺激剤としてカプサイシン、トウガラシエキス、ノニル酸ワニリルアミド、
ビタミン類として酢酸トコフェロール、アスコルビン酸等を挙げることができる。
【0034】
これらに特に限定されるものではないが、親油性薬物がより好適である。これら薬物は必要に応じて単独で、または2種以上を併用して用いてもよい。
本発明の親水性皮膚外用粘着剤組成物や親水性貼付剤に配合された薬物は経皮的に長時間に亘って供給されるのでその薬物の血中濃度または局所濃度を長期間に亘って一定に保つ効果が奏される。
【0035】
更に本発明の親水性皮膚外用粘着剤組成物には、通常親水性製剤等に配合される添加剤を配合することができる。例えば、増粘剤として、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、充填剤としてカオリン、酸化チタン、軽質無水ケイ酸、疎水性軽質無水ケイ酸等、抗酸化剤として無水亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム等の亜硫酸塩やロンガリット、エデト酸ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、ジブチルヒドロキシアニソール等、その他必要に応じて界面活性剤、香料、防腐剤、pH調節剤等を配合できる。
【0036】
また、本発明の親水性皮膚外用粘着剤組成物を適用することができる製剤の形態は特に限定されないが、
(a)支持体上に、
(b)親水性皮膚外用粘着剤組成物を含む粘着剤層、および
(c)剥離フィルム
を順次積層してなる親水性貼付剤がより好適である。
【0037】
本親水性皮膚外用粘着剤組成物や親水性貼付剤の製造法は、特に限定されるものではなく、通常の製造方法が用いられ、例えば、親水性貼付剤として使用される場合は、本発明に係る親水性粘着剤、親水性媒体、薬物等を混合し、均一なペースト状になるまでよく練合する。これを紙、織布、不織布、プラスチックフィルム等の支持体に展延し、必要によりポリエチレンフィルム等の剥離フィルムで被覆することにより製造することができる。
【0038】
また、架橋剤を配合した架橋型の親水性貼付剤とする場合は、本発明に係る親水性粘着剤、親水性媒体、薬物等を混合予製配合物とし、別途架橋剤および場合により架橋調節剤を含む予製配合物を調製し、この2つの予製配合物を混合し、直ちに不織布上に展延することにより架橋型の親水性貼付剤を製造することができる。勿論、架橋剤や架橋剤を溶解させるオキシ酸の種類を変えることにより、即架橋形成型の製法や、遅延型の架橋形成型の製法とすることができる。
また、架橋剤の溶解状態を経時的に変えることにより架橋速度を調節することもでき、例えば、架橋剤をオキシ酸を含まない水溶性高分子に均一分散させ、各予製配合物が混合された時点で、徐々に架橋剤溶出が始まり数十分後に架橋する方法を用いても良い。
【0039】
尚、本発明の親水性皮膚外用粘着剤組成物は、上記親水性貼付剤に好適に用いられることを述べてきたが、目的により、化粧品、創傷被覆剤、リザーバー型パッチ剤等、他の製剤に応用することも可能である。
【実施例】
【0040】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されるものではない。
【0041】
アクリル共重合体の合成:
共重合体1
重合には攪拌羽根とリフラックスコンデンサー付きの1リットルの内容積を有するセパラブルフラスコを用いた。アクリル酸100g、アクリル酸ブチルマクロモノマー(東亞合成工業(株)製AB−6)10g、酢酸ビニル5g、および可溶性デンプン(バレイショデンプン)0.3gを溶解させた水200gとアセトン300gからなる混合溶媒をフラスコに入れ、モノマーを溶解し、窒素置換しつつ温度を上昇させた。温度が70℃になった時、過硫酸カリ0.1gと亜硫酸ナトリウム0.5gとを10mLの水に溶解させた開始剤溶液を2mL添加した。開始剤はその後1時間間隔で1mLを計8mL添加した。温度を70℃に保ちつつ重合を進め計8時間で重合を終了した。得られたアクリル系共重合体溶液は60℃に加熱して溶媒を揮散させた後、はさみで砕片にして保存した。
【0042】
共重合体2
モノマーとして、アクリル酸100g、アクリル酸ブチルマクロモノマー8g、アクリル酸メトキシエチル3g、ビニルピロリドン4g、デンプン0.3gを用いたほかは共重合体1と同様にしてアクリル系共重合体を得た。
【0043】
共重合体3
モノマーとして、アクリル酸100g、アクリル酸ブチルマクロモノマー25g、アクリル酸メトキシエチル8g、ビニルピロリドン6g、デンプン0.2gを用いたほかは共重合体1と同様にしてアクリル系共重合体を得た。
【0044】
共重合体4
モノマーとして、アクリル酸150g、アクリル酸ブチルマクロモノマー40g、アクリル酸メトキシエチル12g、デンプン0.1gを用いたほかは共重合体1と同様にしてアクリル系共重合体を得た。
【0045】
比較共重合体1
モノマーとして、アクリル酸100g、酢酸ビニル10gを用いた他は共重合体1と同様にしてアクリル系共重合体を得た。
【0046】
比較共重合体2
デンプンを含まない水を用いた他は共重合体1と同様にしてアクリル系共重合体を得た。
【0047】
比較共重合体3
デンプン4gを含む水を用いた他は共重合体1と同様にしてアクリル系共重合体を得た。
上記共重合体1〜4および比較共重合体1〜3について、共重合体の各構成モノマーの質量%を表1に示した。
【表1】

【0048】
<親水性貼付剤(薬物無し)の製法>
共重合体を含むA配合物と、架橋剤および架橋剤調節剤を含むB配合物を調製した。実施例1〜4の配合物組成を表2に示した。また比較例1〜4の配合物組成を表3に示した。
A配合物のpHを0.1N水酸化ナトリウム溶液を滴下して6.0付近に調整した。その後A配合物とB配合物とを混合しよく攪拌し粘着剤組成物を調製した。調製した粘着剤組成物を調製後直ちに(1〜2分後)不織布上に展延し、粘着剤層側を剥離フィルムで覆うことにより、厚さ2〜2.5mmの親水性貼付剤を作成した。
【0049】
【表2】

【0050】
【表3】

【0051】
<試験例1:ヒト貼付試験>
実施例1〜4及び比較例1〜4の各親水性貼付剤をボランティアの肘に貼付して、ヒト皮膚粘着性官能試験を行った。
(試験法)製造した各貼付剤をボランティア20名の肘に貼付し、8時間経過後に貼付剤を剥離した。粘着力の強さ、及び剥離直後の皮膚刺激性を下記評価基準により評価した。結果を表4に示した。
【0052】
評価基準(ヒト皮膚粘着性試験)
×:弱い(試験中に脱落)
△:やや弱い(試験中に部分的剥離有り)
○:強い(試験中良く付いており部分的剥離無し)
評価基準(ヒト皮膚刺激性試験)
×:悪い(赤み、発疹が明瞭に認められる)
△:やや悪い(かすかな赤みが認められる)
○:良い(赤み、発疹が認められない)
【0053】
【表4】

【0054】
表4に示した結果より明らかなように、本発明の親水性粘着剤を含む親水性貼付剤は、比較例と比較して所定の時間、ヒト皮膚に対して強い粘着力を維持し、また皮膚刺激性も良好であった。比較例では、所定時間内に脱落あるいは部分的に剥離してしまい、強い粘着力が得られないものであった。
【0055】
<親水性貼付剤(薬物含有)の製法>
A配合物とB配合物を調整した。実施例5〜10、比較例5〜8の配合物組成を表5に示した。A配合物のpHを0.1N水酸化ナトリウム溶液または0.1N塩酸を適宜滴下して6.0付近に調整した。その後A配合物とB配合物とを混合しよく攪拌し粘着剤組成物
を調製した。調製後直ちに(1〜2分後)不織布上に展延し、粘着剤層側を剥離フィルムで覆うことにより、厚さ2〜2.5mmの薬物含有の親水性貼付剤を作成した。
【0056】
【表5】

【0057】
<試験例2:薬物均一分散性試験>
油性薬物(酢酸トコフェロール)入り親水性貼付剤をアルミラミネートフィルムでヒートシール包装し、40℃で4週間保存した後開封し、貼付剤表面におけるブリード(油分のしみ出し)の有無を肉眼で観察した。表面ブリード有は×で、表面ブリード無しは○で結果を表6に示した。
【0058】
【表6】

【0059】
表6に示した結果より明らかなように、本発明の粘着剤を使用した薬物入り親水性貼付剤は、比較例と比べて薬物高濃度の薬物均一分散性を示した。
【0060】
実施例11および比較例9
<親水性貼付剤の製法>
実施例5〜10と同様にして、表7に示す配合比を有する貼付剤を作成し、実施例11とした。
比較例9として、表8に示す配合を有するケトプロフェン0.3質量%含有のパップ剤
を用いた。
【0061】
【表7】

【0062】
【表8】

【0063】
<試験例3:薬物経皮吸収性試験>
ヘアレスマウスの摘出皮膚を32℃の水を循環させたフランツ型拡散セルに挟み、レシーバー(真皮)側に等張リン酸緩衝液(pH7.4)を入れ、マグネティックスターラーにより攪拌した。ドナー(角質)側に実施例11で調製したケトプロフェン0.3質量%含有の製剤を適用し、レシーバー中の溶液を経時的に採取して、その中の薬物濃度を測定し、皮膚を透過した薬物量を求めた。比較例9のパップ剤についても同様に試験を行い、皮膚透過薬物量を求めた。試験で得られた透過薬物量から、経時的(適用時間ごとの)累積薬物量を求め、製剤に配合した薬物量に対する皮膚透過した割合を累積薬物透過率(%)として表9に示した。
【0064】
【表9】

【0065】
表9に示した結果より明らかなように、本発明の親水性貼付剤は、比較例9と比べて良好な薬物皮膚透過性を示した。
【0066】
<試験例4:アクリル系共重合体の親水性媒体に対する溶解性試験>
実施例12〜15の配合物および比較例10〜12の配合物に必要な成分を秤量して混合し、ガラス瓶に入れて密栓して60℃に保持し、8時間後及び24時間後に取り出し、ホモジナイズ処理を10分行って、配合物の均一化の状態を観察した。その配合物組成を表10および表11に示し、均一化の状態観察結果を表12に示した。
【0067】
【表10】

【0068】
【表11】

【0069】
【表12】

【0070】
評価基準
ランクA:全ての材料が溶解もしくは均一微分散した溶液である。
ランクB:大部分の材料が溶解もしくは均一微分散しているが一部不溶物がある。
ランクC:材料の不溶物が多い。
表12に示されるとおり、本発明のアクリル系共重合体は、親水性媒体に対する溶解性が優れている。一方、デンプンを加えないで重合させた比較共重合体2は、親水性媒体に対する溶解性が悪く、デンプンを3質量%を超えて用いた比較共重合体3は、親水性媒体に対して一部不溶物が残った。また、比較共重合体2に単にデンプンを混ぜても、親水性媒体に対する溶解性は改善されなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)アクリル酸65〜98質量%、
(2)(メタ)アクリル酸アルキルエステルマクロモノマー1〜30質量%、
および
(3)デンプン0.01〜3質量%
を重合して得られるアクリル系共重合体を含有する親水性粘着剤。
【請求項2】
前記アクリル系共重合体が、
(1)アクリル酸65〜98質量%、
(2)(メタ)アクリル酸アルキルエステルマクロモノマー1〜30質量%、
(3)デンプン0.01〜3質量%、
および
(4)1種又は2種以上のアクリル酸以外のビニルモノマー0.01〜20質量%
を重合して得られることを特徴とする、請求項1に記載の親水性粘着剤。
【請求項3】
前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルマクロモノマーが、(メタ)アクリル酸と炭素数2〜12のアルコールとのエステルの重合体であることを特徴とする、請求項1または2に記載の親水性粘着剤。
【請求項4】
前記ビニルモノマーが、ビニルピロリドン、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジアセトンアクリルアミド、酢酸ビニル、メタクリル酸、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜12のアルコールとのエステル、アクリルアミドから選ばれた1種あるいは2種以上であることを特徴とする、請求項2または3に記載の親水性粘着剤。
【請求項5】
(1)アクリル酸65〜98質量%、
(2)(メタ)アクリル酸アルキルエステルマクロモノマー1〜30質量%、
および
(3)デンプン0.01〜3質量%
を重合して得られるアクリル系共重合体を含有する親水性粘着剤、ならびに、親水性媒体を含有する親水性皮膚外用粘着剤組成物。
【請求項6】
前記アクリル系共重合体が、
(1)アクリル酸65〜98質量%、
(2)(メタ)アクリル酸アルキルエステルマクロモノマー1〜30質量%、
(3)デンプン0.01〜3質量%、
および
(4)1種又は2種以上のアクリル酸以外のビニルモノマー0.01〜20質量%
を重合して得られることを特徴とする、請求項5に記載の親水性皮膚外用粘着剤組成物。
【請求項7】
前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルマクロモノマーが、(メタ)アクリル酸と炭素数2〜12のアルコールとのエステルの重合体であることを特徴とする、請求項5または6に記載の親水性皮膚外用粘着剤組成物。
【請求項8】
前記ビニルモノマーが、ビニルピロリドン、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジアセトンアクリルアミド、酢酸ビニル、メタクリル酸、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜12のアルコールとのエステル、アクリルアミドから選ばれた1種あるいは2種以上であることを特徴とする、請求項6または7に記載の親水性皮膚外用粘着剤組成物。
【請求項9】
前記親水性媒体が、水、ならびに、多価アルコール類、界面活性剤、脂肪酸類およびアルコール類から成る群から選択される1種又は2種以上の混合物であることを特徴とする、請求項5〜8のいずれか1項に記載の親水性皮膚外用粘着剤組成物。
【請求項10】
前記親水性皮膚外用粘着剤組成物が、さらに架橋剤を含有することを特徴とする、請求項5〜9のいずれか1項に記載の親水性皮膚外用粘着剤組成物。
【請求項11】
前記親水性皮膚外用粘着剤組成物が、さらに薬物を含有することを特徴とする、請求項5〜10のいずれか1項に記載の親水性皮膚外用粘着剤組成物。
【請求項12】
前記薬物が、鎮痛消炎剤、抗真菌剤、抗尿失禁剤、筋弛緩剤、鎮けい剤、強心剤、禁煙補助剤、抗アレルギー剤、局所麻酔剤、殺菌消毒剤、美白剤、抗しわ剤、保湿剤、皮膚刺激剤、ホルモン剤及びビタミン類から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする、請求項11に記載の親水性皮膚外用粘着剤組成物。
【請求項13】
前記親水性皮膚外用粘着剤組成物が、さらに経皮吸収促進剤を含有することを特徴とする、請求項5〜12のいずれか1項に記載の親水性皮膚外用粘着剤組成物。
【請求項14】
(a)支持体上に、
(b)親水性皮膚外用粘着剤組成物を含む粘着剤層、および
(c)剥離フィルム
を順次積層してなる親水性貼付剤において、該親水性皮膚外用粘着剤組成物が、請求項5〜13のいずれか1項に記載の親水性皮膚外用粘着剤組成物であることを特徴とする親水性貼付剤。

【公開番号】特開2007−112991(P2007−112991A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−252699(P2006−252699)
【出願日】平成18年9月19日(2006.9.19)
【出願人】(501296380)コスメディ製薬株式会社 (42)
【出願人】(000174622)埼玉第一製薬株式会社 (31)
【Fターム(参考)】