説明

誘導バルブ

吐出システムを水源に取り付ける流体用誘導バルブ。第1のモードでは、水は、水栓出口とすることができる第1の出口20まで誘導バルブを通って流れる。第2のモードでは、水は、接続部材に締結される流体管38、59と、薬品ディスペンサとに誘導される。接続部材によって、第2のモードにおいて水を流体管に導くシャトル弁22の移動がもたらされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包括的には、ディスペンサを吐水口に接続する装置に関する。より詳細には、本発明は、吐水口からディスペンサに水を誘導する(divert)ことができる、水栓に取り付けるための接続装置に関する。
【0002】
[連邦政府委託の研究又は開発に関する記載]
該当なし
【0003】
[関連出願の相互参照]
該当なし
【背景技術】
【0004】
噴霧装置をシャワーヘッドに接続する誘導バルブは、米国特許第5,560,548号、及び同第5,624,073号に示されている。噴霧装置をトイレットに接続する誘導バルブが、米国特許第6,704,946号に開示されている。これらの装置は、シャワーヘッド又はトイレットと共に使用するために特に設計されている。これらは水栓に接続する使用には向いていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
水栓から標準水流を提供し、また代替的には、水栓からディスペンサへ水を誘導する様態で、当該水栓に取り付けることができる誘導バルブが必要とされている。容易に接続及び分離することができる、水栓と共に使用する誘導バルブも必要とされている。
【0006】
したがって、水栓と共に使用するための改良された誘導バルブが必要とされている。
【0007】
したがって本発明の目的は、以下のようなものである:
a.改良された誘導バルブを提供すること。
b.特に水栓と共に使用されるようになっている誘導バルブを提供すること。
c.ディスペンサに対して容易に接続及び分離される、上記の種類の誘導バルブを提供すること。
d.逆流防止機能を含む上記の種類の誘導バルブを提供すること。
e.特殊工具を用いずに製造することによってコスト効率を良くすることができる、上記の種類の誘導バルブを提供すること。
【課題を解決するための手段】
【0008】
吐出システムを水源に取り付ける本発明の誘導バルブによって、上記の目的が達成されると共に従来技術の欠点が克服される。当該誘導バルブは、環状キャビティと、流体入口と、第1の流体出口と、第2の流体出口とを有するバルブハウジングを備える。環状キャビティによって、流体入口と、第1の流体出口と、第2の流体出口との間の流体連通が可能になる。シャトル弁がバルブハウジング内の環状キャビティ内で摺動可能に取り付けられる。このキャビティ内に上記シャトル弁を拘束する手段がある。上記シャトル弁は、当該シャトル弁が、流体が上記流体入口と上記第1の流体出口との間を流れるように当該弁を拘束する上記手段に隣接して適所におさまる第1の位置まで水圧によって上記環状キャビティ内で摺動可能である。上記シャトル弁は、当該シャトル弁が、流体が上記流体入口と上記第2の流体出口との間を流れるように上記バルブハウジングの上記環状キャビティ内に位置決めされる第2の位置まで当該環状キャビティ内で摺動可能である。
【0009】
好ましい一実施の形態において、一方向弁部材はシャトル弁内に位置決めされる。
【0010】
一態様において、流路は、シャトル弁が第2の位置まで動いて第2の流体出口に水を通す場合よりも遅い速度で第1の流体出口に水を通すように構成及び配置される。
【0011】
別の態様において、可撓管はバルブハウジングへの接続の反対にある接続部材に締結され、薬品噴霧装置は接続部材への接続の反対にある端において流体管に接続される。
【0012】
別の好ましい一実施の形態において、第1の流体出口は水栓出口の形態である。
【0013】
さらに別の態様において、ブーツ部材は水栓への接続用に流体入口に接続される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1を参照すると、全体的に11で示される多機能ディスペンサにホース13によって接続される、全体的に10で示される誘導が示されている。この好ましいディスペンサは、米国特許第6,708,901号に記載されている。
【0015】
図2及び図3に示されているように、誘導バルブ10は、環状キャビティ14を有するバルブハウジング12を備える。流体流入路16がブーツ型接続部26によって設けられ、ブーツ型接続部26はねじ山付きコネクタ15によってハウジング12に接続される。流体を出口20へ輸送する流路19及び25によって、流入路16と流体連通するキャビティ18がある。シャトル弁22が環状キャビティ14内に摺動可能に位置決めされる。一方向弁23はキャビティ部31を有する弁22内に位置決めされる。シャトル弁22は、ハウジング部材21内で肩部30と接触するシール32を有する弁駆動部材28と接触する。付加的なシール40及び43も弁駆動部材28に設けられる。
【0016】
即時接続・分離接続部品(quick connect-disconnect coupling part)の形態でガルディナ接続装置(Gardena connecting device)が41で示される。これは、Gardena Manufacturing GmbH社から容易に入手可能である。これは、外側スリーブ42と内側保持カラー44と、外側スリーブ42から延びているタブ46に保持されながらこれを接触する環状部48とを備える。内側保持カラー44に枢動可能に取り付けられると共に、開口部51を通って延びるロッキングロッキング要素50がある。ばね52が、環状部48に対して外側スリーブ42のタブ46を付勢する。一方向弁54が接続部品41の中央流路53内に配置される。シールが56に設けられる。
【0017】
図4及び図5は、「A」の接尾辞が続く以外では同じである符号によって参照される同様の構成要素によって、代替的な一実施形態10Aを示す。実施形態10と10Aとの間の差異は、実施形態10Aにおいて、ハウジング部材21Aに配置されるOリングシール40Aの位置決めである。対照的にOリングシール40は、実施形態10において駆動部材28に配置される。
【0018】
動作
誘導バルブ10及び10Aのより良い理解はこれらの動作の説明によってもたらされる。図1〜図3を参照すると、誘導バルブ10は、ブーツ26の形態の流体流入路16によって水栓(図示せず)に接続される。図2には示されていないが、スロット付きシールド(slotted shield)27は接続部材24に取り付けられることになり、接続部材24はネジ山29によってバルブハウジング12に接続される。スロット付きシールド27は図2において位置決めされているように、駆動部材28に重なって(over)延びる。水は、キャビティ17へ、次いで流路25を通ってキャビティ14へと流入し、流路19を通ってキャビティ18から流出する。キャビティ14内の水圧は、弁23とシャトル弁22とに作用して、シャトル弁22と駆動部28とを図2に示される位置まで動かす。この位置では、シャトル弁22は、肩部30に係合するシール32によってさらなる移動を抑えられる。シャトル弁22のこの移動は、クラッキング点によって、シャトル弁22が、水が弁23を通って流れずに上記の様態で動くことが可能になるように、クラッキング点を有する弁23を設計することによってもたらされる。
【0019】
図1において見られるように、製品をディスペンサ11から吐出することが望ましい場合、ガルディナ接続部品41は、ハウジング部材21の接続部材24に係合するまで、駆動部材28とハウジング部材21の一部との上方を移動させられる。同時に、可撓性ロッキング要素50はハウジング部材21の縮径部55に係合する。ロッキング要素50の縮径部55への移動は、これらに対して動くフランジ57によってもたらされる。これが図3に示されている。この位置で駆動部材28は、弁54と接触して弁54を開放すると共に、シャトル弁22を図3に示される位置まで動かす。この位置で、シャトル弁22が流路19を覆うことが見られる。これによって、全ての加圧された水が弁23を通ってキャビティ31へ流入する。そこから水は、オリフィス34を通って弁22とバルブハウジング部12との間の流路33、キャビティ37、次いでオリフィス36、流路38、弁54を通って、そして継手62を通ってホース13へと流入する。継手62は保持カラー44のねじ山部分59に接続する。
【0020】
製品をディスペンサ11から吐出することがもはや望ましくない場合、ガルディナ接続部品41は、スロット付きシールド27上の60のようなスロットによって反対側で把持され、バルブハウジング12から離れた方向に引っ張られる。これは図1で最良に見られる。この引っ張り動作は、フランジ57のロッキング要素50との接触を解除すると共に、ロッキング要素50の縮径部55からの移動、及び接続部品41をバルブハウジング12と駆動部材28とから離す移動を可能にする。次いで、シャトル弁22と弁23とに作用する水圧は、シャトル弁22を図2に示される位置まで動かすことができる。シャトル弁22のこの移動は、弁23の所定のクラッキング点によってもたらされる。次いで水は、標準位置にあるように、流路19と、キャビティ18と、エアレータ35とを通って流れる。エアレータ35は、誘導バルブ10が図2に示される非誘導位置にあるときに、図3に示される誘導位置にあるときよりも遅い流速を出口20を通じてもたらす。エアレータによって引き起こされる少量の背圧は、弁23に作用すると共にシャトル弁の非誘導位置への移動を助ける。
【0021】
実施形態10Aの動作は、実施形態10に関して上述したものと実質的に同じである。1つの差異は、接続部品41とハウジング部材21Aとの間に設けられるシール40Aである。シール40は駆動部材28に配置されるが、シール40Aは駆動部材28Aではなくハウジング部材21Aに配置される。ハウジング部材21Aと接続部品41との間のシーリングは、図3で視覚化されるようにもたらされる。別の差異は、弁駆動部材28Aがバレル65A内で摺動するとき、ハウジング部材21A内で弁駆動部材28Aの移動を制限するように、フランジ部分64Aを肩部66Aに係合することである。
【0022】
図3を参照すると、キャビティ14と18との間に、付加的な流路61が仮想線で示されている。これによって、大部分の水が誘導されるときにさえ出口20に対して最少量の水流がもたらされる。いくつかの給排水設備基準は、これを給湯及び給水のクロスオーバを防ぐ手段として必要とする。
【0023】
実施形態10及び10Aの重要な一態様は、所定の水圧と共に、シャトル弁22及び22Aを動かすために、一方向弁23及び23Aを使用することである。したがって、一方向弁23及び23Aは、所定の水圧と共に、各シャトル弁22及び22Aを動かすだけでなく、バックチェック弁(back-check valve)としても機能する二重機能を果たす。
【0024】
したがって、ここで水源との即時接続・分離を提供する誘導バルブが提供されることが分かる。この誘導バルブは、市場で容易に入手可能である接続部品によって駆動され、したがって、設計及び構成要素の費用を削減する。また、このディスペンサは、ディスペンサ11がもはや使用されない場合にユーザに水を止めることを気付かせる流液型の抽気スロット(flow-through type bleeder slot)60が設けられると共に、水が誘導される場合に水栓での水圧の解放も行う。加えて、ガルディナ接続部品41内の一方向弁54は、ホース13がディスペンサ11から分離されるときにホース13から水が排出されるのを防ぐように機能する。
【0025】
別の重要な一態様は、ばねの必要性を取り除く誘導バルブを設けることにある。これによって欠陥のあるばねに起因する維持費が削減される。
【0026】
バルブハウジング12とシャトル弁22とを構成する好ましい材料は、ガラス繊維入りポリプロピレンである。しかしながら、他のプラスチック材料及び金属を使用してもよい。たとえば、アセチル及びポリカーボネート、並びに黄銅及びアルミニウムを使用してもよい。
【0027】
誘導バルブ10及び10Aは、特定の接続・分離接続部品41と共に使用することに関して説明されてきた。シャトル弁22及び22Aそれぞれの駆動部材28及び28Aの移動を提供するこのような任意の接続部品を使用することができることが理解されるであろう。誘導バルブ10及び10Aが特定のディスペンサ11と共に使用されることは必須ではない。これらは、任意の液体吐出デバイス又は装置に接続して利用することができる。スロット付きシールド27は省いてもよい。しかしながら、スロット付きシールド27は、ハウジング部材21及び21Aからそれぞれ延びるときに駆動部材28及び28Aとの偶発的な接触を低減する。ブーツコネクタ26は水栓への接続に関して説明されてきた。所望であれば、一般的に使用されるスクリューコネクタを利用してもよい。本発明の精神内にあるすべてのそのような変更形態及び他の変更形態は、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲内にあるように意図される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】多機能ディスペンサと共に、誘導バルブを示す側面図である。
【図2】接続装置と共に、誘導バルブの一実施形態の断面図である。
【図3】誘導バルブを係合している接続装置と、誘導位置にある誘導バルブとを示す図2に類似の図である。
【図4】誘導バルブの代替的な一実施形態の断面図である。
【図5】誘導位置にある誘導バルブを示す図4に類似の図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吐出システムを水源に取り付ける誘導バルブであって、
a.バルブハウジングであって、該バルブハウジング内に画定される環状キャビティと、流体入口と、第1の流体出口と、第2の流体出口とを有し、前記環状キャビティは、前記流体入口と、前記第1の流体出口及び前記第2の流体出口との間の流体連通を可能にする、バルブハウジング、
b.前記バルブハウジングの前記環状キャビティ内に摺動可能に(slidingly)取り付けられるシャトル弁、
c.前記キャビティ内で前記シャトル弁を拘束する手段、
d.前記シャトル弁は、該シャトル弁が、流体が前記流体入口と前記第1の流体出口との間を流れるように該弁を拘束する前記手段に隣接して適所におさまる第1の位置まで水圧によって前記環状キャビティ内で摺動可能であるように構成及び配置されること、及び
e.前記シャトル弁は、該シャトル弁が、流体が前記流体入口と前記第2の流体出口との間を流れるように前記バルブハウジングの該環状キャビティ内に位置決めされる第2の位置まで前記環状キャビティ内で摺動可能であること、
を含む、吐出システムを水源に取り付ける誘導バルブ。
【請求項2】
前記シャトル弁内に位置決めされる一方向弁部材をさらに備える、請求項1に記載の誘導バルブ。
【請求項3】
前記シャトル弁が前記第2の位置まで動いて前記第2の流体出口に水を通す場合よりも遅い速度で、前記第1の流体出口に水を通すように構成及び配置される流路を備える、請求項1に記載の誘導バルブ。
【請求項4】
前記バルブハウジングに接続されると共に、前記シャトル弁を前記第2の位置まで動かすように構成及び配置される接続部材をさらに備える、請求項1に記載の誘導バルブ。
【請求項5】
前記接続部材は前記弁を前記第2の位置まで動かす駆動部材を備える、請求項4に記載の誘導バルブ。
【請求項6】
前記接続部材は、押すことによる接続及び引っ張ることによる分離をもたらすように構成及び配置される、請求項4に記載の誘導バルブ。
【請求項7】
前記接続部材は一方向弁を備える、請求項6に記載の誘導バルブ。
【請求項8】
前記一方向弁はシャトル弁駆動部材によって開放される、請求項7に記載の誘導バルブ。
【請求項9】
前記バルブハウジングへの前記接続と反対にある前記接続部材に締結される可撓管部材をさらに備える、請求項6に記載の誘導バルブ。
【請求項10】
前記接続部材への前記接続と反対にある端において前記流体管に接続される薬品噴霧装置をさらに備える、請求項9に記載の誘導バルブ。
【請求項11】
前記接続部材はステム部材である、請求項10に記載の誘導バルブ。
【請求項12】
前記第1の流体出口は水栓出口として構成及び配置される、請求項1に記載の誘導バルブ。
【請求項13】
ブーツ部材が水栓への接続用に前記流体入口に接続される、請求項1に記載の誘導バルブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−532631(P2009−532631A)
【公表日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−501621(P2009−501621)
【出願日】平成19年1月23日(2007.1.23)
【国際出願番号】PCT/US2007/060901
【国際公開番号】WO2007/109384
【国際公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(398061050)ジョンソンディバーシー・インコーポレーテッド (101)
【住所又は居所原語表記】8310 16th Street,Sturtevant,Wisconsin 53177−0902,United States of America
【Fターム(参考)】