誘電体膜を処理するための方法とシステム
【課題】誘電体膜を処理するための方法とシステムを提供する。
【解決手段】誘電体膜を処理するための方法とシステムは、誘電体膜の少なくとも一つの表面をCxHy含有材料に露出することを有する。xとyはそれぞれ1以上の整数である。エッチプロセスすなわちアッシングの結果、誘電体膜に形成された形態の露出表面は、ダメージを受けるか活性化するかして、汚染物質の保留・湿気の吸収・誘電率の上昇などを引き起こし得る。ダメージを受けた表面は、少なくとも、表面を修復して例えば誘電率を復活させる(すなわち誘電率を減少させる)か、表面を洗浄して汚染物質や湿気や残渣を取り去るかして処理する。さらに、膜中の形態のバリア層とメタリゼーションのための準備は、形態の側壁表面を被覆して、露出した空孔を閉じ、またバリア膜堆積用の表面を提供する処理を含んでもよい。
【解決手段】誘電体膜を処理するための方法とシステムは、誘電体膜の少なくとも一つの表面をCxHy含有材料に露出することを有する。xとyはそれぞれ1以上の整数である。エッチプロセスすなわちアッシングの結果、誘電体膜に形成された形態の露出表面は、ダメージを受けるか活性化するかして、汚染物質の保留・湿気の吸収・誘電率の上昇などを引き起こし得る。ダメージを受けた表面は、少なくとも、表面を修復して例えば誘電率を復活させる(すなわち誘電率を減少させる)か、表面を洗浄して汚染物質や湿気や残渣を取り去るかして処理する。さらに、膜中の形態のバリア層とメタリゼーションのための準備は、形態の側壁表面を被覆して、露出した空孔を閉じ、またバリア膜堆積用の表面を提供する処理を含んでもよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は誘電体膜を処理するための方法とシステムに関し、特に、誘電体膜の修復・被覆・洗浄の少なくとも一つを行なうために誘電体膜を処理する方法とシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体業者に知られているように、相互接続遅延は集積回路(IC)のスピードとパフォーマンスを改善する駆動装置の主要な制限要因である。相互接続遅延を最小にする方法の一つは、ICの生産に低誘電率(low−k)材料を使用することにより相互接続キャパシタンスを低減することである。このようなlow−k材料はまた低温処理にとっても有用であることが分かった。このため、近年、二酸化シリコンなどの比較的高い誘電率の絶縁材に取って代わるlow−k材料が開発された。特に、low−k膜は、半導体デバイスの金属層間のインターレベルおよびイントラレベルの誘電体層に利用されている。さらに、絶縁材料の誘電率をさらに減らすため、材料膜を空孔を有するように形成する、すなわち多孔質low−k誘電体膜である。このようなlow−k膜は、フォトレジストの施工に似たスピンオン誘電体(SOD)方法によって、または化学気相堆積(CVD)によって堆積することができる。従って、low−k材料の使用は既存の半導体製造プロセスに容易に適応可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
low−k材料は半導体回路の製作にとって有望であるが、本発明者らは、これらの膜がまた多くの挑戦を提供することを認めた。第一に、low−k膜は伝統的な誘電体ほど強くはない傾向があり、ウェーハープロセスの間に、例えば誘電体層のパターニングに一般に使用されるエッチプロセスやプラズマアッシングプロセスによって、ダメージを受けることがある。さらに、low−k材料は、ダメージを受けたとき、特にパターニング後に、非常に反応的になる傾向があり、そのためlow−k膜が、水を吸収する、および/または、誘電体層の電気的性質を変え得る他の蒸気および/またはプロセス汚染物質と反応するようになる。
【0004】
さらに、本発明者らは、いくつかのlow−k誘電体膜の多孔性がしばしばメタリゼーションを誘電体とインテグレートすることに関する問題を悪化させることを認めた。一般に、low−k誘電体膜との銅メタリゼーションのインテグレーションはダマシン構造の使用を必要とし、銅堆積の前に誘電体膜中に金属配線パターンを形成する。誘電体膜中への銅の拡散を最小にするため、一般に、パターンエッチングに続いてパターンの内側表面上にバリア層を形成する。しかしながら、誘電体膜中へのパターンのエッチングに続く空孔の露出および/またはlow−k膜のダメージは、誘電体膜へのバリア層の密着の弱さに加え、それらの露出した空孔の近くにあるバリア層の不完全さを通してバリア材料と銅が拡散するといった問題を引き起こす。
【0005】
さらに、多孔質low−k誘電体膜は、また上述したダメージを受けたlow−k膜は、湿気と他の汚染物質を吸収しやすい。例えば、パターンエッチングの後、露出表面は疎水から親水に変わることがあり、露出表面層は炭素(C)を欠乏することがあり、空孔は汚染物質をエッチングプロセスから保持することがある。
【0006】
本発明の要約
本発明の目的の一つは、誘電体膜を処理することに関する従来技術における上述した問題または他の問題のいずれかを軽減するか除去することである。
【0007】
本発明の別の目的は、誘電体膜を修復および/または被覆、洗浄するために誘電体膜を処理することである。
【0008】
本発明のさらに別の目的は、誘電体膜中へのバリア材料の拡散を低減するため、および/または、誘電体膜へのバリア膜の密着性を改善するために誘電体膜を処理することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
これらの目的および/または他の目的のいずれかは本発明による誘電体膜を処理する方法によって提供され得る。一つの側面において、この方法は、誘電体膜の少なくとも一つの表面をCxHy含有材料に露出することを有し、xとyはそれぞれ1以上の整数である。あるいは、この方法は、誘電体膜の少なくとも一つの表面を、窒素含有材料と塩素含有材料の少なくとも一つに露出することをさらに有することができる。
【0010】
別の側面において、基板上に誘電体膜を生成する方法は、基板上に誘電体膜を形成し、誘電体膜上にマスクを形成し、マスクにパターンを形成し、マスクのパターンを誘電体膜に転写することにより、誘電体膜に少なくとも一つの形態を形成し、誘電体膜の形態の側壁を処理化合物に露出することを有する。処理化合物はCxHy含有材料を有し、xとyはそれぞれ1以上の整数である。あるいは、処理化合物はN含有材料とCl含有材料の少なくとも一つをさらに有することができる。
【0011】
別の側面において、誘電体膜を処理する方法は、誘電体膜を処理化合物に露出することを有し、処理化合物はCxHy含有材料を有し、xとyはそれぞれ1以上の整数である。あるいは、処理化合物はN含有材料とCl含有材料の少なくとも一つをさらに有することができる。
【0012】
別の側面において、処理された誘電体膜が示され、それは、誘電体膜と、誘電体膜中に形成された形態と、形態の表面を修復するための手段とを有している。
【0013】
別の側面において、被覆された誘電体膜が示され、それは、多孔質誘電体膜と、多孔質誘電体膜中に形成された形態と、多孔質誘電体膜中の形態の表面上の露出空孔を被覆するための手段とを有する。
【0014】
別の側面において、基板上の誘電体膜を処理するための処理システムが示される。このシステムは、処理チャンバーと、処理チャンバーに連結された、基板上の誘電体膜を処理するために処理チャンバーに処理化合物を供給するように構成された流体分配システムとを有し、処理化合物はCxHy含有材料を有し、xとyはそれぞれ1以上の整数である。あるいは、処理化合物はN含有材料とCl含有材料の少なくとも一つをさらに有している。
【0015】
別の側面において、基板上の誘電体膜を処理するための処理システムが示される。このシステムは、誘電体膜を処理化合物に露出するための手段を有し、処理化合物はCxHy含有材料を有し、xとyはそれぞれ1以上の整数である。あるいは、処理化合物はN含有材料とCl含有材料の少なくとも一つをさらに有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図面に参照すると、いくつかの図面を通して同様の参照符号は同一または対応する部材を示しており、図1Aないし図1Eは、誘電体膜中のパターンを形成し、誘電体膜の表面を修復と被覆と洗浄の少なくとも一つを行なうために誘電体膜中のエッチングパターンの露出表面を処理する方法の図式表現を示している。また図2は、本発明の実施形態による方法を行なうフローチャート100を示している。図1Aと図1Bと図2に示されるように、110において、追加の層を有していてもいなくてもよい基板10の上面に誘電体膜20を形成する。基板10は、誘電体膜が基板上に形成される半導体基板や金属導体基板、他の基板であってよい。誘電体膜は、SiO2の誘電率未満の公称誘電率値を有しており、それは約4(例えば、熱二酸化シリコンの誘電率は3.8から3.9までの範囲とすることができる)である。特に、誘電体膜20は3.0未満の誘電率、または1.6から2.7までの範囲にある誘電率を有し得る。
【0017】
誘電体膜20は、化学気相堆積(CVD)技術または、例えば東京エレクトロン社(TEL)から商業的に入手可能なClean Track ACT 8 SODおよびACT 12 SODコーティングシステムで提供されるスピンオン誘電体(SOD)技術を使用して形成することができる。Clean Track ACT 8(200mm)とACT 12(300mm)コーティングシステムは、SOD材料のコートと焼成と硬化のツールを提供する。トラックシステムは、100mm、200mm、300mm、それより大きい基板サイズを処理するように構成することができる。基板上に誘電体膜を形成するための他のシステムと方法は、スピンオン誘電体技術とCVD誘電体技術の両分野の当業者によく知られている。
【0018】
誘電体膜20は、例えば、低誘電率(すなわちlow−k)誘電体膜として特徴づけることができる。誘電体膜20は、有機材料、無機材料、無機有機ハイブリッド材料の少なくとも一つを含み得る。さらに、誘電体膜20は多孔質であっても非多孔質であってもよい。例えば、誘電体膜は、CVD技術を使用して堆積した、酸化オルガノシラン(または有機シロキサン)などの無機のケイ酸ベース材料を含み得る。このような膜の例としては、Applied Materials社から商業的に入手可能なBlack Diamond(登録商標)CVD有機シリケイトガラス(OSG)膜や、Novellus Systemsから商業的に入手可能なCoral(登録商標)CVD膜などがある。さらに、例えば、多孔質誘電体膜は、硬化プロセスの間に破壊されて小さい空間(すなわち空孔)を作り出すCH3結合を有する酸化シリコンベース基などの単相材料を含むことができる。さらに、例えば、多孔質誘電体膜は、硬化プロセスの間に蒸発する有機材料(例えばポロゲン)の空孔を有する酸化シリコンベース基などの二相材料を含むことができる。あるいは、誘電体膜20は、SOD技術を使用して堆積される無機のケイ酸ベース材料、例えば水素シルセスキオキサン(HSQ)やメチルシルセスキオキサン(MSQ)を含んでいてもよい。このような膜の例としては、Dow Corningから商業的に入手可能なFOx HSQや、Dow Corningから商業的に入手可能なXLK多孔質HSQ、JSR Microelectronicsから商業的に入手可能なJSR LKD−5109などがある。あるいはまた、誘電体膜20は、SOD技術を使用して堆積される有機材料を含むことができる。このような膜の例としては、Dow Chemicalから商業的に入手可能なSiLK−IやSiLK−J、SiLK−H、SiLK−D、多孔質SiLKや、Honeywellから商業的に入手可能なFLARE(登録商標)やナノガラスなどがある。
【0019】
誘電体膜20を用意できたら、120において、その上面にパターンマスク30を形成する。パターンマスク30は、マイクロリソグラフィとこれに続く現像溶剤を使用しての感光材料の照射領域(ポジティブフォトレジストの場合)または非照射領域(ネガティブレジストの場合)の除去とによってフォトレジストなどの感光材料の層に形成されたパターン35を含むことができる。あるいは、マスク30は、その中に反射防止コーティング(ARC)、例えば埋込ARC(BARC)層や犠牲DUO(登録商標)層やチューナブルエッチレジスタントARC(TERA)層、が埋め込まれた二層マスクまたは多層マスクを含むことができる。例えば、マスク層はトラックシステムまたはCVDシステムを使用して形成することができる。トラックシステムは、248nmレジストと193nmレジスト、157nmレジスト、EUVレジスト、(上面/底面)反射防止コーティング(TARC/BARC)、上面被覆とを処理するように構成することができる。例えば、トラックシステムは、東京エレクトロン社(TEL)から商業的に入手可能なClean Track ACT 8またはACT 12レジストコーティング現像システムを含むことができる。基板上にフォトレジスト膜を形成するための他のシステムと方法は、スピンオン技術の当業者によく知られている。さらに、例えば、マスクパターンは、あらゆる適当な従来のステッピングリソグラフィックシステムや走査型リソグラフィックシステムを使用して形成することができる。
【0020】
130において、プラズマエッチングを使用してパターン35をその下にある誘電体膜に転写して、側壁45を有する形態40を形成することができる。例えば、酸化シリコンや二酸化シリコンその他などの酸化誘電体膜をエッチングする際や酸化オルガノシランなどの無機low−k誘電体膜をエッチングする際、エッチングガス組成は一般に、C4F8、C5F8、C3F6、C4F6、CF4、その他の少なくとも一つなどのフルオロカーボンベース化学物質と、不活性ガスと酸素とCOの少なくとも一つとを含む。さらに、例えば、有機low−k誘電体をエッチングエッチングする際、エッチングガス組成は一般に、窒素含有ガスと水素含有ガスの少なくとも一つとを含む。上述したような誘電体膜を選択的にエッチングするための技術は、誘電体エッチングプロセスの当業者によく知られている。
【0021】
エッチングの間、誘電体膜20に形成された形態の露出表面、例えば側壁45は、ダメージを受ける、または活性化することがある。これらの表面が被るダメージまたは活性化は、エッチングプロセス(すなわちドライエッチングまたはアッシングの間のマスク除去)の間に、水の吸収または汚染物質および/または化学物質の吸収を引き起こすことがある。例えば、エッチング処理の間、多孔質low−k誘電体は、ダメージおよび/または活性化に非常に敏感になり得る。一般に、多孔質low−k膜は、シラノール(Si−OH)グループおよび/または有機グループを有する最も一般的な酸化シリコンベースである。これらの材料は、エッチング処理の間の有機成分のいくらかの欠乏のために、活性化したかダメージを受けたようになることがある。どちらの場合も、水および/または他の汚染物質を容易に吸収することができる追加のシラノールグループが露出する。従って、low−k誘電体層が露出したデバイス構造は、特にパターンステップ後に、汚染物質なしに処理し維持することが難しい。さらに、low−k材料のバルクの活性化および/またはダメージは、誘電率(k値)に増加をもたらす。活性化したかダメージを受けたlow−k膜が1以上のk値の増加を示し得ることが観察された。
【0022】
前述したように、本発明の一実施形態において、(例えばエッチングプロセスやアッシングプロセスにより)ダメージを受けた露出表面を、ダメージを受けた表面の修復・被覆・洗浄の少なくとも一つを行なうように処理する。ダメージを受けた表面の修復は誘電率の値を復活させることを含む。
【0023】
そのために、本発明の実施形態によれば、図1Eに示されるように、側壁45などの、ダメージを受けた表面の修復・露出した多孔質表面の被覆・ダメージを受けた表面の洗浄の少なくとも一つを行なうため、140において誘電体膜20を処理する。修復プロセスは、誘電率の値を復活させることによる誘電体膜の回復を含む。k値の復活は、例えば、炭素欠乏部位に炭素含有材料(例えばCH3)を補充することによって特徴づけることができる。修復プロセスはまた、low−k膜に表面上のシラノール(Si−OH)グループを攻撃して表面を皮膜する表面被覆シリルグループを形成する処理剤を使用するlow−k表面の被膜を含んでもよい。low−k表面の被膜の詳細は、弁護士事件番号SSI−03501、ウェーハープロセスにおける低誘電体材料の皮膜方法(METHOD OF PASSIVATING OF LOW DIELECTRIC MATERIALS IN WAFER PROCESSING)と題する米国特許出願に提供され、その内容は参照によってここに組み込まれる。さらに、被覆プロセスは、例えば、露出表面中の露出空孔を被覆することによって特徴づけることができる。さらに、洗浄プロセスは、湿気の除去・汚染物質や残渣の除去のいずれか一つを有することができる。
【0024】
これらの処理プロセスの間、CxHy含有化合物を含んでいる処理化合物に誘電体膜20を露出する。ここで下付文字「x」と「y」は1以上の整数を表している。あるいは、処理化合物はさらに、誘電体膜20の表面化学物質を支援するために、窒素(n)含有化合物と塩素(Cl)含有化合物の少なくとも一つを含むことができる。例えば、CxHy含有成分は、CH含有化合物とCH2含有化合物、CH3含有化合物の少なくとも一つを含むことができる。
【0025】
図3Aと図3Bはさらに処理プロセスの例を示している。図3Aには、多孔質low−k誘電体膜142が空孔144を有しているのが示されている。ここで、エッチングプロセスまたはアッシングプロセスの後に、これらの空孔の露出表面がダメージを受けたことが観察された。表面のダメージは、OH部位として湿気(すなわちH2O)を吸収し得るダングリングボンド146として現われる。図3Bにおいて、CxHy含有材料(例えばCH3)を含んでいる処理化合物に誘電体膜を露出し、その間、処理プロセスは、空孔144を洗浄してOHと他の残渣を取り去り、OH部位とダングリングボンド146をCxHy(例えばCH3)と置き換えることによって空孔の露出表面を修復し、誘電体膜142上へのCxHy(例えばCH3)含有分子148の密着により露出空孔144をふさぐことによって空孔144を被覆するのを容易にする。従って、処理されたlow−k膜は、汚染物質と湿気がなく、ダングリングボンドがより少なく、表面領域に被覆された空孔を有するなどの改善された物理特性を有するlow−k膜を提供する。さらに表面領域中のCxHy材料は、CxHy材料を含まない膜よりも低い誘電率を与える。
【0026】
図4Aにおいて、処理化合物は、すべての有機グループを有し得るシラン構造150、例えばヘキサメチルジシリザン(HMDS)、または有機グループとハロゲン化物グループ(F、Cl、Br、その他)の組み合わせを含み、それらは位置1ないし4のいずれか一つに付着する。
【0027】
図4Bを参照すると、処理化合物は5価の有機シリコン化合物152を含む。ここで、シリコン原子は、1、2、3、4、5の位置に5つの配位子が両三角錐形状に配位している。一般に、このような化合物152は、位置1〜5の一以上にハライド原子が配位している陰イオン、例えばジフルオロトリメチルイリケイト陰イオンである。構造152が陰イオンであるとき、化合物152はまた適当な陽イオン、例えばナトリウムやカリウム、他のいかなる無機や有機の陽イオン(図示せず)を含む。
【0028】
図4Cを参照すると、処理化合物はシラザン構造154を有し、それは、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)の場合など、二つの有機シリルグループがアミンの窒素に配位したアミン構造として記述することができる。
【0029】
図4Dは、反応シーケンス(1)における誘電体材料の表面の上のシラノールグループと反応しているヘキサメチルジシラザン(HMDS)と、反応シーケンス(2)における誘電体材料の表面の上のシラノールグループと反応しているトリメチルジシラザン(TMDS)の図式表現を示している。トリメチルジシラザン(TMDS)は反応シーケンス(1)の産物であり、これは次に反応シーケンス(2)に従ってlow−k材料の表面上のシラノールグループとさらに反応することができることに注目すべきである。このため、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)は、本発明の方法による使用にとって優秀な処理化合物である。
【0030】
図4Eは、誘電体材料の表面51上のシラノールグループ53とシリルグループ55の間の立体障害を示している。シラノールグループ53は極めて大きく、実際にシラノールグループ53に保護バリアを提供することができることに注目すべきである。従って、誘電体材料の表面全体すなわちバルクを完全にシリレートすることは一般に可能ではない。しかし、誘電体材料が予備処理されていると、より多くのパーセントのシラノールグループ53が表面51上にシリルグループ55と置き換えられると信じられている。
【0031】
あるいは、処理化合物は、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、トリメチルジシラザン(TMDS)、クロロトリメチルシラン(TMCS)、トリクロロメチルシラン(TCMS)、[C6H5Si(CH3)2]2NH(または1,3−ジフェニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン)、C15H29NSi(またはN−tert−ブチル−1,1ジメチル−1−(2,3,4,5−テトラメチル−2,4−シクロペンタジエン−1−yl)−シランアミン)、(CH3)2NHジメチルアミン、H2N(CH2)3Si(OC2H5)33−アミノプロピルトリエトキシシラン、(CH4SiO)4(またはTMCTS、またはテトラメチルシクロテトラシロキサン)、[(CH3)2SiO]4(またはOMCTS、またはオクタメチルシクロテトラシロキサン)の少なくとも一つを含むことができる。
【0032】
一例では、1nm以下の空孔サイズを持つ多孔質low−k誘電体膜を処理するとき、処理化合物は、HMDS、TMDS、(CH3)2NHジメチルアミンの少なくとも一つを含むことができる。第二の例では、1nm以上の空孔サイズを持つ多孔質low−k誘電体膜を処理するとき、処理化合物は、[C6H5Si(CH3)2]2NH、C15H29NSi、H2N(CH2)3Si(OC2H5)33−アミノプロピルトリエトキシシランの少なくとも一つを含むことができる。あるいは、第三の例では、誘電体膜を、第一の一定時間の間、第一の処理化合物、例えばHMDSとTMDSと(CH3)2NHジメチルアミンの少なくとも一つなどに露出し、第二の一定時間の間、第二の処理化合物、例えば[C6H5Si(CH3)2]2NHとC15H29NSiとH2N(CH2)3Si(OC2H5)33−アミノプロピルトリエトキシシランの少なくとも一つに露出する。
【0033】
または、誘電体膜を処理化合物に露出することに加えて、露出によって容易になった表面反応を支援または加速するために基板を加熱することができる。基板温度は50Cから400Cまでの範囲とすることができる、望ましくは、基板温度は100Cから200Cまでの範囲とすることができる。
【0034】
図5は、エッチング処理やアッシングに続いて誘電体膜の露出表面の修復・被覆・洗浄の少なくとも一つを行なうために誘電体膜を処理するための処理システム170のブロック図を示している。処理システム170は、処理チャンバー172と、処理チャンバー172に連結された、処理チャンバー172内に設置された基板に処理化合物を導入するように構成された流体分配システムと、処理チャンバー172と流体分配システムに連結された、処理システム170をプロセス処方に従って制御するように構成された制御部176とを有している。
【0035】
処理システム170は気相処理装置を含むことができる。処理化合物は、搬送ガスの有無にかかわらず蒸気搬送によって誘電体膜に導入される。例えば、流体分配システム174は、窒素などの搬送ガスや不活性ガスを供給するための搬送ガス供給システムと、HMDSの貯留槽などの処理化合物の貯留槽とを有することができる。流体分配システム174はさらに、処理化合物の貯留槽を通して搬送ガスをバブリングし、処理化合物蒸気を、処理すべき誘電体膜を有する基板に露出するための処理チャンバー172に搬送することを可能にする蒸気配送システムを有することができる。さらに、流体分配システム174は、その中の処理化合物蒸気の濃縮を防止するために、蒸気配送システムの温度を上昇させるための温度コントロールシステムをさらに有することができる。処理チャンバー172はさらに、固定されるか搬送可能か回転可能としてよい基板を設置するための基板ホルダーを有することができる。さらに、基板ホルダーは、処理化合物への誘電体膜の露出の際の表面反応を支援するために基板の温度を加熱および/または制御するように構成することができる。基板温度は50Cから400Cまでの範囲とすることができ、望ましく、基板温度は100Cから200Cまでの範囲とすることができる。さらなる詳細のために、代表的な蒸気搬送供給装置が、東京エレクトロン社に譲渡された米国特許第5,035,200号に記述されており、それは参照によってそのまま全体がここに組み込まれる。
【0036】
処理システム170は液相処理装置を含むことができる。処理化合物は搬送液体の有無にかかわらず液体搬送によって誘電体膜に導入される。例えば、流体分配システム174は、HMDSの貯留槽などの処理化合物の貯留槽と、処理チャンバー172を通して処理化合物を循環させるための液体配送システムとを有することができる。処理チャンバー172は液浸槽を有することができ、これは、処理すべき誘電体膜を有している基板を処理化合物の槽に搬入搬出するための基板ホルダーを有している。さらに、基板ホルダーは、処理化合物への誘電体膜の露出の際の表面反応を支援するために基板の温度を加熱および/または制御するように構成することができる。基板温度は50Cから400Cまでの範囲とすることができ、望ましく、基板温度は100Cから200Cまでの範囲とすることができる。例えば、基板の処理表面への局所的な化学輸送を促進するために処理化合物の槽内で泡を生成することができる。さらなる詳細のために、代表的な液浸槽装置が、東京エレクトロン社に譲渡された米国特許第5,730,162号に記述されており、また、超音波のかきまぜを有する液浸槽装置が米国特許第5,911,232号に記述されており、それらはいずれも参照によってそのまま全体がここに組み込まれる。さらに、例えば、流体分配システム174は、HMDSの貯留槽などの処理化合物の貯留槽と、処理すべき誘電体膜を有している基板の上面に処理化合物を分配するための液体配送システムとを有することができる。液体配送システムはさらに、処理化合物を分配するための一以上の流体ノズルを有することができる。処理チャンバー172はさらに、固定されるか搬送可能か回転可能としてよい基板を設置するための基板ホルダーを有することができる。さらに、基板ホルダーは、処理化合物への誘電体膜の露出の際の表面反応を支援するために基板の温度を加熱および/または制御するように構成することができる。基板温度は50Cから400Cまでの範囲とすることができ、望ましく、基板温度は100Cから200Cまでの範囲とすることができる。さらなる詳細のために、代表的な液体分配供給装置が、東京エレクトロン社に譲渡された米国特許第6,589,338号に記述されており、それは参照によってそのまま全体がここに組み込まれる。
【0037】
処理システム170は超臨界処理装置を含むことができる。処理化合物は、後に詳述するように、超臨界二酸化炭素(SCCO2)などの超臨界流体や液体CO2によって誘電体膜に導入される。
【0038】
制御部176は、マイクロプロセッサと、メモリーと、それらのシステムからの出力を監視することに加えて処理チャンバーに172と流体分配システム174への入力と通信し作動するに十分な制御信号を生成可能である(潜在的にD/A変換器および/またはA/D変換器を含んでいる)デジタルI/Oポートとを有している。メモリーに保存されたプログラムを利用し、保存されたプロセス処方に従ってシステム172と174を相互に作用する。制御部176の一例は、テキサス州オースティンにあるDell株式会社から入手可能なDELL PRECISION WORKSTATION 530(登録商標)である。制御部176はまた、汎用コンピューター、デジタル信号プロセス、その他で構成してもよい。
【0039】
制御部176は、処理チャンバー172と流体分配システム174に対してローカルに配置してもよく、また処理チャンバー172と流体分配システム174に対してインターネットやイントラネットを介してリモートに配置してもよい。従って、制御部176は、直接接続とイントラネットとインターネットの少なくとも一つを使用して処理チャンバー172および流体分配システム174とデータを交換することができる。制御部176は、顧客サイト(すなわちデバイスメーカー、その他)にあるイントラネットと連結され得るか、ベンダーサイト(すなわち装置製造業者)にあるイントラネットと連結され得る。さらに、別のコンピューター(すなわち制御部やサーバー、その他)が制御部176にアクセスし、直接接続とイントラネットとインターネットの少なくとも一つを介してデータを交換することができる。
【0040】
図6は、超臨界処理装置200の簡易の概要を示している。装置200は、源弁223を介して入口ライン226に接続された二酸化炭素源221を有し、源弁223は開閉して二酸化炭素源221から入口ライン226への二酸化炭素の流れを開始と停止することができる。入口ライン226は好ましくは、超臨界二酸化炭素の流れを生成および/または維持するために、箱220によって概略的に示される、一以上の逆流弁とポンプとヒーターとを有している。入口ライン226は好ましくはまた、開閉して超臨界二酸化炭素の流れを許すか処理チャンバー201内に流れ込むのを防止するように構成された入口弁225を有している。
【0041】
さらに図6を参照すると、処理チャンバー201は好ましくは、処理チャンバー201を排気するための、および/または、処理チャンバー201内の圧力を調整するための一以上の圧力弁209を備えている。また処理チャンバー201は、本発明の実施形態によると、処理チャンバー201を加圧および/または減圧するためのポンプおよび/または真空211に連結されている。
【0042】
再び図6を参照すると、装置200の処理チャンバー201の内部には好ましくは、ウェーハー構造213を保持および/または支持するためのチャック233がある。チャック233および/または処理チャンバー201は、本発明のさらなる実施形態によると、ウェーハー構造213の温度および/または処理チャンバー201内の超臨界処理溶液の温度を調整するための一以上のヒーター231を有している。
【0043】
装置200は、また好ましくは、処理チャンバー201に連結された循環ラインすなわち輪203を有している。循環ライン203は、循環ライン203と処理チャンバー201を介した超臨界処理溶液の流れを調整するための一以上の弁215と215’を備えている。循環ライン203は、また好ましくは、超臨界処理溶液を維持するとともに循環ライン203と処理チャンバー201を通して超臨界処理溶液を流すための、箱205によって概略的に示した、任意の個数の逆流弁および/またはポンプ、ヒーターを備えている。本発明の実施形態によると、循環ライン203は、本来の場所に超臨界処理溶液を生成するための循環ライン203内に修復化合物などの化学物質を導入するための注入ポート207を有している。
【0044】
図7は、上述した図6よりも詳細な超臨界処理装置76を示している。超臨界処理装置76は、ウェーハーを超臨界処理溶液で生成し処理するように構成されている。超臨界処理装置76は、二酸化炭素供給容器332と二酸化炭素ポンプ334、処理チャンバー336、化学物質供給容器338、循環ポンプ340、排気収集容器344とを有している。二酸化炭素供給容器332は、二酸化炭素ポンプ334と二酸化炭素配管346を介して処理チャンバー336に連結されている。二酸化炭素配管346は、二酸化炭素ポンプ334と処理チャンバー336の間に配置された二酸化炭素ヒーター348を有している。処理チャンバー336は処理チャンバーヒーター350を有している。
【0045】
循環ポンプ340は循環ライン352上に配置されており、それは循環入口354と循環出口356において処理チャンバー336に連結されている。化学物質供給容器338は循環ライン352に化学物質供給ライン358を介して連結されており、それは第一の注入ポンプ359を有している。すすぎ剤供給容器360が循環ライン352にすすぎ供給ライン362を介して連結されており、それは第二の注入ポンプ363を有している。排気収集容器344は排気配管364を介して処理チャンバー336に連結されている。
【0046】
二酸化炭素供給容器332と二酸化炭素ポンプ334と二酸化炭素ヒーター348は二酸化炭素供給設備349を形成する。化学物質供給容器338と第一の注入ポンプ359とすすぎ剤供給容器360と第二の注入ポンプ363は化学物質およびすすぎ剤供給設備365を形成する。
【0047】
超臨界処理装置76が、超臨界流体処理システムによく見られる弁調整と制御電子部品とフィルターと有用的接続を有することは当業者に容易に明白であろう。
【0048】
さらに図7を参照すると、運転中、その上に誘電体膜を有する(図示しない)ウェーハーを処理チャンバー336のウェーハーキャビティ312に挿入し、ゲート弁306を閉じて処理チャンバー336を閉鎖する。処理チャンバー336を二酸化炭素ポンプ334によって二酸化炭素供給容器332からの二酸化炭素で加圧し、また二酸化炭素ヒーター348によって二酸化炭素を加熱すると同時に処理チャンバーヒーター350によって処理チャンバー336を加熱して処理チャンバー336内の二酸化炭素の温度が臨界温度を超えていることを確実にする。二酸化炭素の臨界温度は31Cである。好ましくは、超臨界被膜ステップの間、処理チャンバー336内の二酸化炭素の臨界温度は40Cから約200Cまでの範囲内にあり、好ましくは、150Cかその近くにある。
【0049】
初期超臨界条件に達したら、第一の注入ポンプ359が修復化合物などの処理化学物質を化学物質供給容器338から処理チャンバー336に循環ライン352を通して注ぎ込むと同時に二酸化炭素ポンプがさらに超臨界二酸化炭素を加圧する。処理チャンバー336への処理化学物質の添加の初期において、処理チャンバー336内の圧力は好ましくは約1,070ないし9,000psiにあり、好ましくは3,000psiかその近くにある。所望の量の処理化学物質を処理チャンバー336に注ぎ込んで所望の超臨界の条件に達したら、二酸化炭素ポンプ334は処理チャンバー336を加圧するのを停止し、第一の注入ポンプ359は処理チャンバー336内にポンプ処理化学物質を注ぎ込むのを停止し、循環ポンプ340は超臨界二酸化炭素と処理化学物質を含んでいる超臨界洗浄溶液を循環させ始める。好ましくは、この時点における処理チャンバー336内の圧力は約3000のpsiである。超臨界処理溶液を循環させることによって、超臨界処理溶液がウェーハーの表面に直ちに補充され、これによりウェーハー上の誘電体層の表面を被膜する速度が高まる。
【0050】
誘電体層を備えた(図示しない)ウェーハーを圧力チャンバー336内で処理する際、ウェーハーは機械式チャックや真空チャックや他の適当な保持手段か固定手段を使用して保持する。本発明の実施形態によると、ウェーハーは処理チャンバー336内に固定するか、あるいは、超臨界処理ステップの間、自転させるか、回転させるか、さもなければ揺り動かす。
【0051】
超臨界処理溶液を循環ライン352と処理チャンバー336を通して循環させた後、処理チャンバー336内の条件を初期超臨界条件近くに戻すためにある程度の超臨界処理溶液を排気収集容器334に排気して処理チャンバー336を部分的に減圧する。好ましくは、超臨界処理溶液を処理チャンバー336から収集容器344に完全に排気する前に、少なくとも一つのこのような減圧と圧縮のサイクルで処理チャンバーを循環させる。圧力チャンバー336を排気した後、第二の超臨界処理ステップを行なうか、またはゲート弁306を通して処理チャンバー336からウェーハーを取り去り、(図示しない)第二の処理装置またはモジュール内でウェーハー処理を続ける。
【0052】
図8は、本発明の方法による、超臨界洗浄被膜処理ステップなどの超臨界処理ステップに対する時間対圧力の代表的なプロット400を示している。図7と図8の両方を参照すると、最初の時間T0の前に、その上にエッチ残渣が付着したウェーハー構造をゲート弁306を通して処理チャンバー336内に置き、処理チャンバー336を密閉する。最初の時間T0から第一の継続時間T1の間、処理チャンバー336を加圧する。処理チャンバー336が臨界圧Pc(1,070psi)に達したら、次に修復化合物を含んでいる処理化学物質を、先に説明したように、好ましくは循環ライン352を通して、処理チャンバー236に注入する。処理化学物質は好ましくは、システムに注入される、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)とクロロトリメチルシラン(TMCS)とトリクロロメチルシラン(TCMS)とそれらの組み合わせを含む。処理化学物質のいくつかの注入は第一の継続時間T1にわたって行なって化学物質の所望の濃度の超臨界処理溶液を生成することができる。処理化学物質はまた、本発明の実施形態によると、一以上の搬送溶剤やアンミン塩、フッ化水素および/または他のフッ化物の源、N、N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、ガンマ−ブチロラセトン(BLO)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、エチレンカーボネート(EC)N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルピペリドン、プロピレンカーボネート、アルコール、それらの化合物を含むことができる。好ましくは、処理化学物質の注入は、変曲点405によって示されるように、約1100〜1200psiに達したら開始する。あるいは、第二の時間T2のあたりか、第二の時間T2の後に、処理化学物質を処理チャンバー336に注入する。
【0053】
処理チャンバー336が第二の時間T2に好ましくは約3,000psi(しかし、動作圧力が超臨界条件を維持するに十分でありさえすればどんな値でも構わない)である動作圧力Popに達した後、超臨界処理溶液を上述したように循環ライン325を使用して処理チャンバー336を通してウェーハーの上および/または周りに循環させる。続いて処理チャンバー336内の圧力が上昇し、次の継続時間にわたって、超臨界処理溶液が循環ライン325を使用して処理チャンバー336を通してウェーハーの上および/または周りに循環し続ける、および/または、処理チャンバー内の超臨界処理溶液の濃度が後述するようにプッシュスループロセスによって調整される。
【0054】
図8を参照すると、プッシュスループロセスにおいて、継続時間T3にわたって、超臨界二酸化炭素の新鮮なストックを処理チャンバー336に供給すると同時に、超臨界洗浄溶液をその中に浮遊するか溶けるかした残渣と一緒に処理チャンバー336から通気孔ライン364を通して排出する。プッシュスループロセスステップが完了した後、次の継続時間T4にわたって、処理チャンバー336を複数回の減圧と圧縮のサイクルに循環させる。これは、好ましくは、第一の排気において処理チャンバー336を動作圧力Popより低く約1,100〜1,200psiに通気し、続いて処理チャンバー336内の圧力を1,100〜1,200psiから動作圧力Popまで、または第一の再加圧でその上に引き上げることによって実施する。その後、減圧と圧縮のサイクルを完了し、処理チャンバーを完全に大気圧に通気または排気する。ウェーハー処理のために、次のウェーハー処理ステップが始まるか、処理チャンバーからウェーハーを取り出し第二の処理装置またはモジュールに移して処理を続ける。
【0055】
プロット400は模範的な目的のためだけに示す。超臨界処理ステップが、本発明から逸脱しない範囲において、どのような異なる時間/圧力または温度のプロファイルでも持つことができることは当業者には理解できよう。さらに、任意の回数の減圧圧縮サイクルを有するエッチングステップを伴う任意の回数の洗浄すすぎ処理シーケンスも考えられる。また、前述したように、超臨界処理溶液内の様々な化学物質と化学種の濃度を身近の用途に合わせたり超臨界処理ステップ中でいつでも変えたりすることができる。本発明の好適な実施形態によると、図6と図7を参照しながら上述したように、誘電体層に約3分サイクルで1ないし10の被膜ステップを処理する。
【0056】
図9は、パターニングしたlow−k誘電体層とエッチ残渣を含んでいる基板構造を超臨界洗浄と処理化合物(または被膜溶液)を使用して処理するためのステップの概要を示しているブロック図500である。502において、エッチ残渣を含んでいる基板構造を処理チャンバー内に置いて密閉する。基板構造を処理チャンバー内に置いて密閉した後、ステップ504において処理チャンバーを超臨界CO2で加圧し、処理化学物質を超臨界CO2に加えて超臨界洗浄被膜溶液を生成する。好ましくは、超臨界洗浄被膜化学物質は少なくとも一つの有機シリコン化合物を含んでいる。
【0057】
ステップ504において超臨界洗浄被膜溶液を生成した後、ステップ506において、基板構造から少なくとも残渣の一部を取り除き、残渣が取り除かれた後の露出表面を被膜するのに十分な一定時間の間、基板構造を超臨界処理溶液中に維持する。ステップ506の間、好ましくは超臨界洗浄被膜溶液を処理チャンバーに循環させて、および/または、さもなければ揺り動かして超臨界洗浄溶液を基板構造の表面上に行きわたらせる。
【0058】
さらに図9を参照すると、ステップ506において少なくとも残渣の一部を基板構造物から取り除いた後、ステップ508において処理チャンバーを部分的に排気する。ステップ504と506を含む洗浄プロセスを、ステップ508をステップ504に接続している矢印によって示されるように、基板構造物から残渣を取り除いて露出表面を被膜するのに必要な任意の回数繰り返す。本発明の実施形態によると、ステップ504と506を含む処理は、新鮮な超臨界二酸化炭素または新鮮な化学または両方を使用している。あるいは、処理チャンバーを超臨界二酸化炭素で薄めることによって、洗浄化学物質またはそれらの組み合わせの追加の添加物を加えることによって、洗浄化学物質の濃度を修正する。
【0059】
さらに図9を参照すると、処理ステップ504と506と508が完了した後、ステップ510において好ましくは基板構造を超臨界すすぎ溶液で処理する。超臨界すすぎ溶液は好ましくは超臨界CO2と一以上の有機溶剤を含むが、純粋な超臨界CO2であってもよい。
【0060】
さらに図9を参照すると、ステップで504と506と508において基板構造を洗浄し、ステップ510においてすすいだ後、ステップ512において処理チャンバーを減圧し、処理チャンバーから基板構造を取り出す。あるいは、ステップ510と504を接続している矢印によって示されるように、ステップ504と506、508、510を含む一以上の追加の洗浄すすぎ処理に基板構造を循環させる。あるいは、または一以上の追加の洗浄すすぎ処理に基板構造を巡回させるのに加えて、ステップ510と508を接続している矢印によって示されるように、ステップ512において基板構造を処理チャンバーから取り出す前に、基板構造をいくつかのすすぎサイクルで処理する。
【0061】
前述したように、基板構造にlow−k誘電体層を被膜する前に、超臨界二酸化炭素と、メタノールおよび/またはエタノール、n−ヘキサン、それらの組み合わせなどの一以上の溶剤とを含む超臨界溶液を使用して、基板構造を乾燥および/または予備処理することができる。また、前述したように、超臨界二酸化炭素とn−ヘキサンを含む超臨界溶液でのlow−k誘電体層の予備処理は、low−k誘電体層の表面上のシリルグループの被覆を改善する。また、エッチ残渣および/またはパターンニングしたlow−k誘電体を有するウェーハーを任意の回数の洗浄すすぎステップおよび/またはシーケンスにより処理できることは当業者には自明であろう。
【0062】
ここに主にlow−k誘電体材料を被膜する方法をエッチング後処理および/またはエッチング後洗浄処理に関連して説明したが、low−k誘電体材料を直接被膜することに本発明の方法を使用できることは当業者には理解できよう。さらに、low−kの誘電材料を処理する際、本発明の方法によれば、超臨界すすぎステップは必ずしも必要ではなく、超臨界被膜溶液でlow−k誘電体材料を処理する前にlow−k誘電体材料を単純に乾燥させる方が用途によっては好適となり得ることが認められよう。
【0063】
一例において、図6と図7に先に詳しく説明したような超臨界処理システムは、low−k誘電体層を修復化合物にいくつかの条件下で露出することによってMSQ材料から形成されたlow−k誘電体層でサンプルを処理するのに利用される。第一の条件群の下では、low−k誘電体材料の層を有するサンプルをヘキサンと約6パーセントTMCSの溶液で処理した。続いて約1時間のあいだ約100Cでサンプルをアニールした。第二の条件群の下では、low−k誘電体材料の層を有するサンプルを、約3,000psiにおいて約1.0パーセントTMCSを含む超臨界二酸化炭素被膜溶液で処理した。また第三の条件群の下では、low−k誘電体材料の層を有するサンプルを、100Cで約3,000のpsiにおいて約1.0パーセントTMCSを含む超臨界二酸化炭素被膜溶液で処理した。上記の条件下でのサンプルの処理の後、非処理サンプルと各処理サンプルのフーリエ変換赤外(FTIR)スペクトルを収集した。収集したFTIRスペクトルの比較プロットを図10Aと図10Bに示す。
【0064】
図10Aは、約250から4,000(m−1)までの波数の(IR)スペクトル領域を描いている。ピーク611はSi(CH3)3グループのCH伸縮に対応し、それは処理化合物で処理したサンプルのすべてについて相当に増加している。ピーク661はSi(CH3)3グループのCH屈曲に対応し、それもまた処理化合物で処理したサンプルのすべてについて相当に増加している。図10Bは、処理したサンプルにおけるピーク661での増大をより明瞭に示すために約2,800から3,100までの波数の、図10Aに示した(IR)スペクトルの拡大領域の比較プロットを示している。
【0065】
さらに図10Aを参照すると、広いピーク663はOH伸縮に対応し、処理したサンプルでは無視してよいが、処理していないサンプルでは顕著である。図10Aと図10Bに示したスペクトルから、TMCSが湿式ベンチ条件と超臨界処理条件の両方においてlow−k誘電体材料表面の被膜にとって効果的な処理化合物であることは明瞭である。
【0066】
本発明は、low−k誘電体表面を被膜し、超臨界処理環境でのパターニングしたlow−k誘電体層における(これに限らないが、スピンオンポリマー反射防止コート層とフォトポリマーを含む)エッチ残渣を取り除くなどの他のステップと両立できるという特性を有している。
【0067】
本発明はまた、パターニングステップ後に失った誘電体材料の誘電率(k値)を復活させるか部分的に復活させることが観察され、長時間にわたって安定しているlow−k誘電体層を作り出すことが示された。本発明はまた、露出多孔質表面を被覆するか部分的に被覆することが観察された。
【0068】
本発明のある特定の代表的な実施形態だけを先に詳しく説明したが、代表的な実施形態において本発明の新規な教示と利点から実質的に逸脱することなく多くの変形が可能であることは当業者であれば容易に認めるであろう。例えば、low−kの表面へのダメージをエッチングまたはアッシングによるダメージに関連して説明したが、本発明はこのようなダメージだけを処理することに限定されるものではなく、low−k膜を有するウェーハーの他の取り扱いや処理によって引き起こされたlow−k膜へのダメージを処理するように実行されてもよい。従って、そのような変更はすべて本発明の範囲内に含まれるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1A】本発明の実施形態による誘電体膜を形成し処理する方法の簡易の図式表現を示している。
【図1B】本発明の実施形態による誘電体膜を形成し処理する方法の簡易の図式表現を示している。
【図1C】本発明の実施形態による誘電体膜を形成し処理する方法の簡易の図式表現を示している。
【図1D】本発明の実施形態による誘電体膜を形成し処理する方法の簡易の図式表現を示している。
【図1E】本発明の実施形態による誘電体膜を形成し処理する方法の簡易の図式表現を示している。
【図2】本発明の実施形態による誘電体膜を生成する方法を示している。
【図3A】誘電体膜を処理する方法を示している。
【図3B】誘電体膜を処理する方法を示している。
【図4A】本発明の実施形態による誘電体膜を処理するために使用される有機シリコン構造の図式表現を示している。
【図4B】本発明の実施形態による誘電体膜を処理するために使用される有機シリコン構造の図式表現を示している。
【図4C】本発明の実施形態による誘電体膜を処理するために使用される有機シリコン構造の図式表現を示している。
【図4D】本発明の別の実施形態による誘電体材料のシラノールグループとの反応の図式表現を示している。
【図4E】誘電体材料の表面上のシラノールグループとシリルグループの間の立体障害を示している。
【図5】本発明の実施形態による誘電体膜を処理するための処理システムを示している。
【図6】本発明の別の実施形態による超臨界処理システムの簡易の概要を示している。
【図7】本発明の別の実施形態による超臨界処理システムの詳細な概略図を示している。
【図8】本発明の実施形態による超臨界洗浄またはすすぎ、硬化ステップの時間対圧力のプロットである。
【図9】本発明の別の実施形態による誘電体層を処理するためのステップを概説する概略ブロック図である。
【図10A】修復化合物での処理の前後におけるシリコンベースlow−k誘電体材料の赤外吸収スペクトルを示している。
【図10B】修復化合物での処理の前後におけるシリコンベースlow−k誘電体材料の赤外吸収スペクトルを示している。
【技術分野】
【0001】
本発明は誘電体膜を処理するための方法とシステムに関し、特に、誘電体膜の修復・被覆・洗浄の少なくとも一つを行なうために誘電体膜を処理する方法とシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体業者に知られているように、相互接続遅延は集積回路(IC)のスピードとパフォーマンスを改善する駆動装置の主要な制限要因である。相互接続遅延を最小にする方法の一つは、ICの生産に低誘電率(low−k)材料を使用することにより相互接続キャパシタンスを低減することである。このようなlow−k材料はまた低温処理にとっても有用であることが分かった。このため、近年、二酸化シリコンなどの比較的高い誘電率の絶縁材に取って代わるlow−k材料が開発された。特に、low−k膜は、半導体デバイスの金属層間のインターレベルおよびイントラレベルの誘電体層に利用されている。さらに、絶縁材料の誘電率をさらに減らすため、材料膜を空孔を有するように形成する、すなわち多孔質low−k誘電体膜である。このようなlow−k膜は、フォトレジストの施工に似たスピンオン誘電体(SOD)方法によって、または化学気相堆積(CVD)によって堆積することができる。従って、low−k材料の使用は既存の半導体製造プロセスに容易に適応可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
low−k材料は半導体回路の製作にとって有望であるが、本発明者らは、これらの膜がまた多くの挑戦を提供することを認めた。第一に、low−k膜は伝統的な誘電体ほど強くはない傾向があり、ウェーハープロセスの間に、例えば誘電体層のパターニングに一般に使用されるエッチプロセスやプラズマアッシングプロセスによって、ダメージを受けることがある。さらに、low−k材料は、ダメージを受けたとき、特にパターニング後に、非常に反応的になる傾向があり、そのためlow−k膜が、水を吸収する、および/または、誘電体層の電気的性質を変え得る他の蒸気および/またはプロセス汚染物質と反応するようになる。
【0004】
さらに、本発明者らは、いくつかのlow−k誘電体膜の多孔性がしばしばメタリゼーションを誘電体とインテグレートすることに関する問題を悪化させることを認めた。一般に、low−k誘電体膜との銅メタリゼーションのインテグレーションはダマシン構造の使用を必要とし、銅堆積の前に誘電体膜中に金属配線パターンを形成する。誘電体膜中への銅の拡散を最小にするため、一般に、パターンエッチングに続いてパターンの内側表面上にバリア層を形成する。しかしながら、誘電体膜中へのパターンのエッチングに続く空孔の露出および/またはlow−k膜のダメージは、誘電体膜へのバリア層の密着の弱さに加え、それらの露出した空孔の近くにあるバリア層の不完全さを通してバリア材料と銅が拡散するといった問題を引き起こす。
【0005】
さらに、多孔質low−k誘電体膜は、また上述したダメージを受けたlow−k膜は、湿気と他の汚染物質を吸収しやすい。例えば、パターンエッチングの後、露出表面は疎水から親水に変わることがあり、露出表面層は炭素(C)を欠乏することがあり、空孔は汚染物質をエッチングプロセスから保持することがある。
【0006】
本発明の要約
本発明の目的の一つは、誘電体膜を処理することに関する従来技術における上述した問題または他の問題のいずれかを軽減するか除去することである。
【0007】
本発明の別の目的は、誘電体膜を修復および/または被覆、洗浄するために誘電体膜を処理することである。
【0008】
本発明のさらに別の目的は、誘電体膜中へのバリア材料の拡散を低減するため、および/または、誘電体膜へのバリア膜の密着性を改善するために誘電体膜を処理することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
これらの目的および/または他の目的のいずれかは本発明による誘電体膜を処理する方法によって提供され得る。一つの側面において、この方法は、誘電体膜の少なくとも一つの表面をCxHy含有材料に露出することを有し、xとyはそれぞれ1以上の整数である。あるいは、この方法は、誘電体膜の少なくとも一つの表面を、窒素含有材料と塩素含有材料の少なくとも一つに露出することをさらに有することができる。
【0010】
別の側面において、基板上に誘電体膜を生成する方法は、基板上に誘電体膜を形成し、誘電体膜上にマスクを形成し、マスクにパターンを形成し、マスクのパターンを誘電体膜に転写することにより、誘電体膜に少なくとも一つの形態を形成し、誘電体膜の形態の側壁を処理化合物に露出することを有する。処理化合物はCxHy含有材料を有し、xとyはそれぞれ1以上の整数である。あるいは、処理化合物はN含有材料とCl含有材料の少なくとも一つをさらに有することができる。
【0011】
別の側面において、誘電体膜を処理する方法は、誘電体膜を処理化合物に露出することを有し、処理化合物はCxHy含有材料を有し、xとyはそれぞれ1以上の整数である。あるいは、処理化合物はN含有材料とCl含有材料の少なくとも一つをさらに有することができる。
【0012】
別の側面において、処理された誘電体膜が示され、それは、誘電体膜と、誘電体膜中に形成された形態と、形態の表面を修復するための手段とを有している。
【0013】
別の側面において、被覆された誘電体膜が示され、それは、多孔質誘電体膜と、多孔質誘電体膜中に形成された形態と、多孔質誘電体膜中の形態の表面上の露出空孔を被覆するための手段とを有する。
【0014】
別の側面において、基板上の誘電体膜を処理するための処理システムが示される。このシステムは、処理チャンバーと、処理チャンバーに連結された、基板上の誘電体膜を処理するために処理チャンバーに処理化合物を供給するように構成された流体分配システムとを有し、処理化合物はCxHy含有材料を有し、xとyはそれぞれ1以上の整数である。あるいは、処理化合物はN含有材料とCl含有材料の少なくとも一つをさらに有している。
【0015】
別の側面において、基板上の誘電体膜を処理するための処理システムが示される。このシステムは、誘電体膜を処理化合物に露出するための手段を有し、処理化合物はCxHy含有材料を有し、xとyはそれぞれ1以上の整数である。あるいは、処理化合物はN含有材料とCl含有材料の少なくとも一つをさらに有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図面に参照すると、いくつかの図面を通して同様の参照符号は同一または対応する部材を示しており、図1Aないし図1Eは、誘電体膜中のパターンを形成し、誘電体膜の表面を修復と被覆と洗浄の少なくとも一つを行なうために誘電体膜中のエッチングパターンの露出表面を処理する方法の図式表現を示している。また図2は、本発明の実施形態による方法を行なうフローチャート100を示している。図1Aと図1Bと図2に示されるように、110において、追加の層を有していてもいなくてもよい基板10の上面に誘電体膜20を形成する。基板10は、誘電体膜が基板上に形成される半導体基板や金属導体基板、他の基板であってよい。誘電体膜は、SiO2の誘電率未満の公称誘電率値を有しており、それは約4(例えば、熱二酸化シリコンの誘電率は3.8から3.9までの範囲とすることができる)である。特に、誘電体膜20は3.0未満の誘電率、または1.6から2.7までの範囲にある誘電率を有し得る。
【0017】
誘電体膜20は、化学気相堆積(CVD)技術または、例えば東京エレクトロン社(TEL)から商業的に入手可能なClean Track ACT 8 SODおよびACT 12 SODコーティングシステムで提供されるスピンオン誘電体(SOD)技術を使用して形成することができる。Clean Track ACT 8(200mm)とACT 12(300mm)コーティングシステムは、SOD材料のコートと焼成と硬化のツールを提供する。トラックシステムは、100mm、200mm、300mm、それより大きい基板サイズを処理するように構成することができる。基板上に誘電体膜を形成するための他のシステムと方法は、スピンオン誘電体技術とCVD誘電体技術の両分野の当業者によく知られている。
【0018】
誘電体膜20は、例えば、低誘電率(すなわちlow−k)誘電体膜として特徴づけることができる。誘電体膜20は、有機材料、無機材料、無機有機ハイブリッド材料の少なくとも一つを含み得る。さらに、誘電体膜20は多孔質であっても非多孔質であってもよい。例えば、誘電体膜は、CVD技術を使用して堆積した、酸化オルガノシラン(または有機シロキサン)などの無機のケイ酸ベース材料を含み得る。このような膜の例としては、Applied Materials社から商業的に入手可能なBlack Diamond(登録商標)CVD有機シリケイトガラス(OSG)膜や、Novellus Systemsから商業的に入手可能なCoral(登録商標)CVD膜などがある。さらに、例えば、多孔質誘電体膜は、硬化プロセスの間に破壊されて小さい空間(すなわち空孔)を作り出すCH3結合を有する酸化シリコンベース基などの単相材料を含むことができる。さらに、例えば、多孔質誘電体膜は、硬化プロセスの間に蒸発する有機材料(例えばポロゲン)の空孔を有する酸化シリコンベース基などの二相材料を含むことができる。あるいは、誘電体膜20は、SOD技術を使用して堆積される無機のケイ酸ベース材料、例えば水素シルセスキオキサン(HSQ)やメチルシルセスキオキサン(MSQ)を含んでいてもよい。このような膜の例としては、Dow Corningから商業的に入手可能なFOx HSQや、Dow Corningから商業的に入手可能なXLK多孔質HSQ、JSR Microelectronicsから商業的に入手可能なJSR LKD−5109などがある。あるいはまた、誘電体膜20は、SOD技術を使用して堆積される有機材料を含むことができる。このような膜の例としては、Dow Chemicalから商業的に入手可能なSiLK−IやSiLK−J、SiLK−H、SiLK−D、多孔質SiLKや、Honeywellから商業的に入手可能なFLARE(登録商標)やナノガラスなどがある。
【0019】
誘電体膜20を用意できたら、120において、その上面にパターンマスク30を形成する。パターンマスク30は、マイクロリソグラフィとこれに続く現像溶剤を使用しての感光材料の照射領域(ポジティブフォトレジストの場合)または非照射領域(ネガティブレジストの場合)の除去とによってフォトレジストなどの感光材料の層に形成されたパターン35を含むことができる。あるいは、マスク30は、その中に反射防止コーティング(ARC)、例えば埋込ARC(BARC)層や犠牲DUO(登録商標)層やチューナブルエッチレジスタントARC(TERA)層、が埋め込まれた二層マスクまたは多層マスクを含むことができる。例えば、マスク層はトラックシステムまたはCVDシステムを使用して形成することができる。トラックシステムは、248nmレジストと193nmレジスト、157nmレジスト、EUVレジスト、(上面/底面)反射防止コーティング(TARC/BARC)、上面被覆とを処理するように構成することができる。例えば、トラックシステムは、東京エレクトロン社(TEL)から商業的に入手可能なClean Track ACT 8またはACT 12レジストコーティング現像システムを含むことができる。基板上にフォトレジスト膜を形成するための他のシステムと方法は、スピンオン技術の当業者によく知られている。さらに、例えば、マスクパターンは、あらゆる適当な従来のステッピングリソグラフィックシステムや走査型リソグラフィックシステムを使用して形成することができる。
【0020】
130において、プラズマエッチングを使用してパターン35をその下にある誘電体膜に転写して、側壁45を有する形態40を形成することができる。例えば、酸化シリコンや二酸化シリコンその他などの酸化誘電体膜をエッチングする際や酸化オルガノシランなどの無機low−k誘電体膜をエッチングする際、エッチングガス組成は一般に、C4F8、C5F8、C3F6、C4F6、CF4、その他の少なくとも一つなどのフルオロカーボンベース化学物質と、不活性ガスと酸素とCOの少なくとも一つとを含む。さらに、例えば、有機low−k誘電体をエッチングエッチングする際、エッチングガス組成は一般に、窒素含有ガスと水素含有ガスの少なくとも一つとを含む。上述したような誘電体膜を選択的にエッチングするための技術は、誘電体エッチングプロセスの当業者によく知られている。
【0021】
エッチングの間、誘電体膜20に形成された形態の露出表面、例えば側壁45は、ダメージを受ける、または活性化することがある。これらの表面が被るダメージまたは活性化は、エッチングプロセス(すなわちドライエッチングまたはアッシングの間のマスク除去)の間に、水の吸収または汚染物質および/または化学物質の吸収を引き起こすことがある。例えば、エッチング処理の間、多孔質low−k誘電体は、ダメージおよび/または活性化に非常に敏感になり得る。一般に、多孔質low−k膜は、シラノール(Si−OH)グループおよび/または有機グループを有する最も一般的な酸化シリコンベースである。これらの材料は、エッチング処理の間の有機成分のいくらかの欠乏のために、活性化したかダメージを受けたようになることがある。どちらの場合も、水および/または他の汚染物質を容易に吸収することができる追加のシラノールグループが露出する。従って、low−k誘電体層が露出したデバイス構造は、特にパターンステップ後に、汚染物質なしに処理し維持することが難しい。さらに、low−k材料のバルクの活性化および/またはダメージは、誘電率(k値)に増加をもたらす。活性化したかダメージを受けたlow−k膜が1以上のk値の増加を示し得ることが観察された。
【0022】
前述したように、本発明の一実施形態において、(例えばエッチングプロセスやアッシングプロセスにより)ダメージを受けた露出表面を、ダメージを受けた表面の修復・被覆・洗浄の少なくとも一つを行なうように処理する。ダメージを受けた表面の修復は誘電率の値を復活させることを含む。
【0023】
そのために、本発明の実施形態によれば、図1Eに示されるように、側壁45などの、ダメージを受けた表面の修復・露出した多孔質表面の被覆・ダメージを受けた表面の洗浄の少なくとも一つを行なうため、140において誘電体膜20を処理する。修復プロセスは、誘電率の値を復活させることによる誘電体膜の回復を含む。k値の復活は、例えば、炭素欠乏部位に炭素含有材料(例えばCH3)を補充することによって特徴づけることができる。修復プロセスはまた、low−k膜に表面上のシラノール(Si−OH)グループを攻撃して表面を皮膜する表面被覆シリルグループを形成する処理剤を使用するlow−k表面の被膜を含んでもよい。low−k表面の被膜の詳細は、弁護士事件番号SSI−03501、ウェーハープロセスにおける低誘電体材料の皮膜方法(METHOD OF PASSIVATING OF LOW DIELECTRIC MATERIALS IN WAFER PROCESSING)と題する米国特許出願に提供され、その内容は参照によってここに組み込まれる。さらに、被覆プロセスは、例えば、露出表面中の露出空孔を被覆することによって特徴づけることができる。さらに、洗浄プロセスは、湿気の除去・汚染物質や残渣の除去のいずれか一つを有することができる。
【0024】
これらの処理プロセスの間、CxHy含有化合物を含んでいる処理化合物に誘電体膜20を露出する。ここで下付文字「x」と「y」は1以上の整数を表している。あるいは、処理化合物はさらに、誘電体膜20の表面化学物質を支援するために、窒素(n)含有化合物と塩素(Cl)含有化合物の少なくとも一つを含むことができる。例えば、CxHy含有成分は、CH含有化合物とCH2含有化合物、CH3含有化合物の少なくとも一つを含むことができる。
【0025】
図3Aと図3Bはさらに処理プロセスの例を示している。図3Aには、多孔質low−k誘電体膜142が空孔144を有しているのが示されている。ここで、エッチングプロセスまたはアッシングプロセスの後に、これらの空孔の露出表面がダメージを受けたことが観察された。表面のダメージは、OH部位として湿気(すなわちH2O)を吸収し得るダングリングボンド146として現われる。図3Bにおいて、CxHy含有材料(例えばCH3)を含んでいる処理化合物に誘電体膜を露出し、その間、処理プロセスは、空孔144を洗浄してOHと他の残渣を取り去り、OH部位とダングリングボンド146をCxHy(例えばCH3)と置き換えることによって空孔の露出表面を修復し、誘電体膜142上へのCxHy(例えばCH3)含有分子148の密着により露出空孔144をふさぐことによって空孔144を被覆するのを容易にする。従って、処理されたlow−k膜は、汚染物質と湿気がなく、ダングリングボンドがより少なく、表面領域に被覆された空孔を有するなどの改善された物理特性を有するlow−k膜を提供する。さらに表面領域中のCxHy材料は、CxHy材料を含まない膜よりも低い誘電率を与える。
【0026】
図4Aにおいて、処理化合物は、すべての有機グループを有し得るシラン構造150、例えばヘキサメチルジシリザン(HMDS)、または有機グループとハロゲン化物グループ(F、Cl、Br、その他)の組み合わせを含み、それらは位置1ないし4のいずれか一つに付着する。
【0027】
図4Bを参照すると、処理化合物は5価の有機シリコン化合物152を含む。ここで、シリコン原子は、1、2、3、4、5の位置に5つの配位子が両三角錐形状に配位している。一般に、このような化合物152は、位置1〜5の一以上にハライド原子が配位している陰イオン、例えばジフルオロトリメチルイリケイト陰イオンである。構造152が陰イオンであるとき、化合物152はまた適当な陽イオン、例えばナトリウムやカリウム、他のいかなる無機や有機の陽イオン(図示せず)を含む。
【0028】
図4Cを参照すると、処理化合物はシラザン構造154を有し、それは、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)の場合など、二つの有機シリルグループがアミンの窒素に配位したアミン構造として記述することができる。
【0029】
図4Dは、反応シーケンス(1)における誘電体材料の表面の上のシラノールグループと反応しているヘキサメチルジシラザン(HMDS)と、反応シーケンス(2)における誘電体材料の表面の上のシラノールグループと反応しているトリメチルジシラザン(TMDS)の図式表現を示している。トリメチルジシラザン(TMDS)は反応シーケンス(1)の産物であり、これは次に反応シーケンス(2)に従ってlow−k材料の表面上のシラノールグループとさらに反応することができることに注目すべきである。このため、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)は、本発明の方法による使用にとって優秀な処理化合物である。
【0030】
図4Eは、誘電体材料の表面51上のシラノールグループ53とシリルグループ55の間の立体障害を示している。シラノールグループ53は極めて大きく、実際にシラノールグループ53に保護バリアを提供することができることに注目すべきである。従って、誘電体材料の表面全体すなわちバルクを完全にシリレートすることは一般に可能ではない。しかし、誘電体材料が予備処理されていると、より多くのパーセントのシラノールグループ53が表面51上にシリルグループ55と置き換えられると信じられている。
【0031】
あるいは、処理化合物は、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、トリメチルジシラザン(TMDS)、クロロトリメチルシラン(TMCS)、トリクロロメチルシラン(TCMS)、[C6H5Si(CH3)2]2NH(または1,3−ジフェニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン)、C15H29NSi(またはN−tert−ブチル−1,1ジメチル−1−(2,3,4,5−テトラメチル−2,4−シクロペンタジエン−1−yl)−シランアミン)、(CH3)2NHジメチルアミン、H2N(CH2)3Si(OC2H5)33−アミノプロピルトリエトキシシラン、(CH4SiO)4(またはTMCTS、またはテトラメチルシクロテトラシロキサン)、[(CH3)2SiO]4(またはOMCTS、またはオクタメチルシクロテトラシロキサン)の少なくとも一つを含むことができる。
【0032】
一例では、1nm以下の空孔サイズを持つ多孔質low−k誘電体膜を処理するとき、処理化合物は、HMDS、TMDS、(CH3)2NHジメチルアミンの少なくとも一つを含むことができる。第二の例では、1nm以上の空孔サイズを持つ多孔質low−k誘電体膜を処理するとき、処理化合物は、[C6H5Si(CH3)2]2NH、C15H29NSi、H2N(CH2)3Si(OC2H5)33−アミノプロピルトリエトキシシランの少なくとも一つを含むことができる。あるいは、第三の例では、誘電体膜を、第一の一定時間の間、第一の処理化合物、例えばHMDSとTMDSと(CH3)2NHジメチルアミンの少なくとも一つなどに露出し、第二の一定時間の間、第二の処理化合物、例えば[C6H5Si(CH3)2]2NHとC15H29NSiとH2N(CH2)3Si(OC2H5)33−アミノプロピルトリエトキシシランの少なくとも一つに露出する。
【0033】
または、誘電体膜を処理化合物に露出することに加えて、露出によって容易になった表面反応を支援または加速するために基板を加熱することができる。基板温度は50Cから400Cまでの範囲とすることができる、望ましくは、基板温度は100Cから200Cまでの範囲とすることができる。
【0034】
図5は、エッチング処理やアッシングに続いて誘電体膜の露出表面の修復・被覆・洗浄の少なくとも一つを行なうために誘電体膜を処理するための処理システム170のブロック図を示している。処理システム170は、処理チャンバー172と、処理チャンバー172に連結された、処理チャンバー172内に設置された基板に処理化合物を導入するように構成された流体分配システムと、処理チャンバー172と流体分配システムに連結された、処理システム170をプロセス処方に従って制御するように構成された制御部176とを有している。
【0035】
処理システム170は気相処理装置を含むことができる。処理化合物は、搬送ガスの有無にかかわらず蒸気搬送によって誘電体膜に導入される。例えば、流体分配システム174は、窒素などの搬送ガスや不活性ガスを供給するための搬送ガス供給システムと、HMDSの貯留槽などの処理化合物の貯留槽とを有することができる。流体分配システム174はさらに、処理化合物の貯留槽を通して搬送ガスをバブリングし、処理化合物蒸気を、処理すべき誘電体膜を有する基板に露出するための処理チャンバー172に搬送することを可能にする蒸気配送システムを有することができる。さらに、流体分配システム174は、その中の処理化合物蒸気の濃縮を防止するために、蒸気配送システムの温度を上昇させるための温度コントロールシステムをさらに有することができる。処理チャンバー172はさらに、固定されるか搬送可能か回転可能としてよい基板を設置するための基板ホルダーを有することができる。さらに、基板ホルダーは、処理化合物への誘電体膜の露出の際の表面反応を支援するために基板の温度を加熱および/または制御するように構成することができる。基板温度は50Cから400Cまでの範囲とすることができ、望ましく、基板温度は100Cから200Cまでの範囲とすることができる。さらなる詳細のために、代表的な蒸気搬送供給装置が、東京エレクトロン社に譲渡された米国特許第5,035,200号に記述されており、それは参照によってそのまま全体がここに組み込まれる。
【0036】
処理システム170は液相処理装置を含むことができる。処理化合物は搬送液体の有無にかかわらず液体搬送によって誘電体膜に導入される。例えば、流体分配システム174は、HMDSの貯留槽などの処理化合物の貯留槽と、処理チャンバー172を通して処理化合物を循環させるための液体配送システムとを有することができる。処理チャンバー172は液浸槽を有することができ、これは、処理すべき誘電体膜を有している基板を処理化合物の槽に搬入搬出するための基板ホルダーを有している。さらに、基板ホルダーは、処理化合物への誘電体膜の露出の際の表面反応を支援するために基板の温度を加熱および/または制御するように構成することができる。基板温度は50Cから400Cまでの範囲とすることができ、望ましく、基板温度は100Cから200Cまでの範囲とすることができる。例えば、基板の処理表面への局所的な化学輸送を促進するために処理化合物の槽内で泡を生成することができる。さらなる詳細のために、代表的な液浸槽装置が、東京エレクトロン社に譲渡された米国特許第5,730,162号に記述されており、また、超音波のかきまぜを有する液浸槽装置が米国特許第5,911,232号に記述されており、それらはいずれも参照によってそのまま全体がここに組み込まれる。さらに、例えば、流体分配システム174は、HMDSの貯留槽などの処理化合物の貯留槽と、処理すべき誘電体膜を有している基板の上面に処理化合物を分配するための液体配送システムとを有することができる。液体配送システムはさらに、処理化合物を分配するための一以上の流体ノズルを有することができる。処理チャンバー172はさらに、固定されるか搬送可能か回転可能としてよい基板を設置するための基板ホルダーを有することができる。さらに、基板ホルダーは、処理化合物への誘電体膜の露出の際の表面反応を支援するために基板の温度を加熱および/または制御するように構成することができる。基板温度は50Cから400Cまでの範囲とすることができ、望ましく、基板温度は100Cから200Cまでの範囲とすることができる。さらなる詳細のために、代表的な液体分配供給装置が、東京エレクトロン社に譲渡された米国特許第6,589,338号に記述されており、それは参照によってそのまま全体がここに組み込まれる。
【0037】
処理システム170は超臨界処理装置を含むことができる。処理化合物は、後に詳述するように、超臨界二酸化炭素(SCCO2)などの超臨界流体や液体CO2によって誘電体膜に導入される。
【0038】
制御部176は、マイクロプロセッサと、メモリーと、それらのシステムからの出力を監視することに加えて処理チャンバーに172と流体分配システム174への入力と通信し作動するに十分な制御信号を生成可能である(潜在的にD/A変換器および/またはA/D変換器を含んでいる)デジタルI/Oポートとを有している。メモリーに保存されたプログラムを利用し、保存されたプロセス処方に従ってシステム172と174を相互に作用する。制御部176の一例は、テキサス州オースティンにあるDell株式会社から入手可能なDELL PRECISION WORKSTATION 530(登録商標)である。制御部176はまた、汎用コンピューター、デジタル信号プロセス、その他で構成してもよい。
【0039】
制御部176は、処理チャンバー172と流体分配システム174に対してローカルに配置してもよく、また処理チャンバー172と流体分配システム174に対してインターネットやイントラネットを介してリモートに配置してもよい。従って、制御部176は、直接接続とイントラネットとインターネットの少なくとも一つを使用して処理チャンバー172および流体分配システム174とデータを交換することができる。制御部176は、顧客サイト(すなわちデバイスメーカー、その他)にあるイントラネットと連結され得るか、ベンダーサイト(すなわち装置製造業者)にあるイントラネットと連結され得る。さらに、別のコンピューター(すなわち制御部やサーバー、その他)が制御部176にアクセスし、直接接続とイントラネットとインターネットの少なくとも一つを介してデータを交換することができる。
【0040】
図6は、超臨界処理装置200の簡易の概要を示している。装置200は、源弁223を介して入口ライン226に接続された二酸化炭素源221を有し、源弁223は開閉して二酸化炭素源221から入口ライン226への二酸化炭素の流れを開始と停止することができる。入口ライン226は好ましくは、超臨界二酸化炭素の流れを生成および/または維持するために、箱220によって概略的に示される、一以上の逆流弁とポンプとヒーターとを有している。入口ライン226は好ましくはまた、開閉して超臨界二酸化炭素の流れを許すか処理チャンバー201内に流れ込むのを防止するように構成された入口弁225を有している。
【0041】
さらに図6を参照すると、処理チャンバー201は好ましくは、処理チャンバー201を排気するための、および/または、処理チャンバー201内の圧力を調整するための一以上の圧力弁209を備えている。また処理チャンバー201は、本発明の実施形態によると、処理チャンバー201を加圧および/または減圧するためのポンプおよび/または真空211に連結されている。
【0042】
再び図6を参照すると、装置200の処理チャンバー201の内部には好ましくは、ウェーハー構造213を保持および/または支持するためのチャック233がある。チャック233および/または処理チャンバー201は、本発明のさらなる実施形態によると、ウェーハー構造213の温度および/または処理チャンバー201内の超臨界処理溶液の温度を調整するための一以上のヒーター231を有している。
【0043】
装置200は、また好ましくは、処理チャンバー201に連結された循環ラインすなわち輪203を有している。循環ライン203は、循環ライン203と処理チャンバー201を介した超臨界処理溶液の流れを調整するための一以上の弁215と215’を備えている。循環ライン203は、また好ましくは、超臨界処理溶液を維持するとともに循環ライン203と処理チャンバー201を通して超臨界処理溶液を流すための、箱205によって概略的に示した、任意の個数の逆流弁および/またはポンプ、ヒーターを備えている。本発明の実施形態によると、循環ライン203は、本来の場所に超臨界処理溶液を生成するための循環ライン203内に修復化合物などの化学物質を導入するための注入ポート207を有している。
【0044】
図7は、上述した図6よりも詳細な超臨界処理装置76を示している。超臨界処理装置76は、ウェーハーを超臨界処理溶液で生成し処理するように構成されている。超臨界処理装置76は、二酸化炭素供給容器332と二酸化炭素ポンプ334、処理チャンバー336、化学物質供給容器338、循環ポンプ340、排気収集容器344とを有している。二酸化炭素供給容器332は、二酸化炭素ポンプ334と二酸化炭素配管346を介して処理チャンバー336に連結されている。二酸化炭素配管346は、二酸化炭素ポンプ334と処理チャンバー336の間に配置された二酸化炭素ヒーター348を有している。処理チャンバー336は処理チャンバーヒーター350を有している。
【0045】
循環ポンプ340は循環ライン352上に配置されており、それは循環入口354と循環出口356において処理チャンバー336に連結されている。化学物質供給容器338は循環ライン352に化学物質供給ライン358を介して連結されており、それは第一の注入ポンプ359を有している。すすぎ剤供給容器360が循環ライン352にすすぎ供給ライン362を介して連結されており、それは第二の注入ポンプ363を有している。排気収集容器344は排気配管364を介して処理チャンバー336に連結されている。
【0046】
二酸化炭素供給容器332と二酸化炭素ポンプ334と二酸化炭素ヒーター348は二酸化炭素供給設備349を形成する。化学物質供給容器338と第一の注入ポンプ359とすすぎ剤供給容器360と第二の注入ポンプ363は化学物質およびすすぎ剤供給設備365を形成する。
【0047】
超臨界処理装置76が、超臨界流体処理システムによく見られる弁調整と制御電子部品とフィルターと有用的接続を有することは当業者に容易に明白であろう。
【0048】
さらに図7を参照すると、運転中、その上に誘電体膜を有する(図示しない)ウェーハーを処理チャンバー336のウェーハーキャビティ312に挿入し、ゲート弁306を閉じて処理チャンバー336を閉鎖する。処理チャンバー336を二酸化炭素ポンプ334によって二酸化炭素供給容器332からの二酸化炭素で加圧し、また二酸化炭素ヒーター348によって二酸化炭素を加熱すると同時に処理チャンバーヒーター350によって処理チャンバー336を加熱して処理チャンバー336内の二酸化炭素の温度が臨界温度を超えていることを確実にする。二酸化炭素の臨界温度は31Cである。好ましくは、超臨界被膜ステップの間、処理チャンバー336内の二酸化炭素の臨界温度は40Cから約200Cまでの範囲内にあり、好ましくは、150Cかその近くにある。
【0049】
初期超臨界条件に達したら、第一の注入ポンプ359が修復化合物などの処理化学物質を化学物質供給容器338から処理チャンバー336に循環ライン352を通して注ぎ込むと同時に二酸化炭素ポンプがさらに超臨界二酸化炭素を加圧する。処理チャンバー336への処理化学物質の添加の初期において、処理チャンバー336内の圧力は好ましくは約1,070ないし9,000psiにあり、好ましくは3,000psiかその近くにある。所望の量の処理化学物質を処理チャンバー336に注ぎ込んで所望の超臨界の条件に達したら、二酸化炭素ポンプ334は処理チャンバー336を加圧するのを停止し、第一の注入ポンプ359は処理チャンバー336内にポンプ処理化学物質を注ぎ込むのを停止し、循環ポンプ340は超臨界二酸化炭素と処理化学物質を含んでいる超臨界洗浄溶液を循環させ始める。好ましくは、この時点における処理チャンバー336内の圧力は約3000のpsiである。超臨界処理溶液を循環させることによって、超臨界処理溶液がウェーハーの表面に直ちに補充され、これによりウェーハー上の誘電体層の表面を被膜する速度が高まる。
【0050】
誘電体層を備えた(図示しない)ウェーハーを圧力チャンバー336内で処理する際、ウェーハーは機械式チャックや真空チャックや他の適当な保持手段か固定手段を使用して保持する。本発明の実施形態によると、ウェーハーは処理チャンバー336内に固定するか、あるいは、超臨界処理ステップの間、自転させるか、回転させるか、さもなければ揺り動かす。
【0051】
超臨界処理溶液を循環ライン352と処理チャンバー336を通して循環させた後、処理チャンバー336内の条件を初期超臨界条件近くに戻すためにある程度の超臨界処理溶液を排気収集容器334に排気して処理チャンバー336を部分的に減圧する。好ましくは、超臨界処理溶液を処理チャンバー336から収集容器344に完全に排気する前に、少なくとも一つのこのような減圧と圧縮のサイクルで処理チャンバーを循環させる。圧力チャンバー336を排気した後、第二の超臨界処理ステップを行なうか、またはゲート弁306を通して処理チャンバー336からウェーハーを取り去り、(図示しない)第二の処理装置またはモジュール内でウェーハー処理を続ける。
【0052】
図8は、本発明の方法による、超臨界洗浄被膜処理ステップなどの超臨界処理ステップに対する時間対圧力の代表的なプロット400を示している。図7と図8の両方を参照すると、最初の時間T0の前に、その上にエッチ残渣が付着したウェーハー構造をゲート弁306を通して処理チャンバー336内に置き、処理チャンバー336を密閉する。最初の時間T0から第一の継続時間T1の間、処理チャンバー336を加圧する。処理チャンバー336が臨界圧Pc(1,070psi)に達したら、次に修復化合物を含んでいる処理化学物質を、先に説明したように、好ましくは循環ライン352を通して、処理チャンバー236に注入する。処理化学物質は好ましくは、システムに注入される、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)とクロロトリメチルシラン(TMCS)とトリクロロメチルシラン(TCMS)とそれらの組み合わせを含む。処理化学物質のいくつかの注入は第一の継続時間T1にわたって行なって化学物質の所望の濃度の超臨界処理溶液を生成することができる。処理化学物質はまた、本発明の実施形態によると、一以上の搬送溶剤やアンミン塩、フッ化水素および/または他のフッ化物の源、N、N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、ガンマ−ブチロラセトン(BLO)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、エチレンカーボネート(EC)N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルピペリドン、プロピレンカーボネート、アルコール、それらの化合物を含むことができる。好ましくは、処理化学物質の注入は、変曲点405によって示されるように、約1100〜1200psiに達したら開始する。あるいは、第二の時間T2のあたりか、第二の時間T2の後に、処理化学物質を処理チャンバー336に注入する。
【0053】
処理チャンバー336が第二の時間T2に好ましくは約3,000psi(しかし、動作圧力が超臨界条件を維持するに十分でありさえすればどんな値でも構わない)である動作圧力Popに達した後、超臨界処理溶液を上述したように循環ライン325を使用して処理チャンバー336を通してウェーハーの上および/または周りに循環させる。続いて処理チャンバー336内の圧力が上昇し、次の継続時間にわたって、超臨界処理溶液が循環ライン325を使用して処理チャンバー336を通してウェーハーの上および/または周りに循環し続ける、および/または、処理チャンバー内の超臨界処理溶液の濃度が後述するようにプッシュスループロセスによって調整される。
【0054】
図8を参照すると、プッシュスループロセスにおいて、継続時間T3にわたって、超臨界二酸化炭素の新鮮なストックを処理チャンバー336に供給すると同時に、超臨界洗浄溶液をその中に浮遊するか溶けるかした残渣と一緒に処理チャンバー336から通気孔ライン364を通して排出する。プッシュスループロセスステップが完了した後、次の継続時間T4にわたって、処理チャンバー336を複数回の減圧と圧縮のサイクルに循環させる。これは、好ましくは、第一の排気において処理チャンバー336を動作圧力Popより低く約1,100〜1,200psiに通気し、続いて処理チャンバー336内の圧力を1,100〜1,200psiから動作圧力Popまで、または第一の再加圧でその上に引き上げることによって実施する。その後、減圧と圧縮のサイクルを完了し、処理チャンバーを完全に大気圧に通気または排気する。ウェーハー処理のために、次のウェーハー処理ステップが始まるか、処理チャンバーからウェーハーを取り出し第二の処理装置またはモジュールに移して処理を続ける。
【0055】
プロット400は模範的な目的のためだけに示す。超臨界処理ステップが、本発明から逸脱しない範囲において、どのような異なる時間/圧力または温度のプロファイルでも持つことができることは当業者には理解できよう。さらに、任意の回数の減圧圧縮サイクルを有するエッチングステップを伴う任意の回数の洗浄すすぎ処理シーケンスも考えられる。また、前述したように、超臨界処理溶液内の様々な化学物質と化学種の濃度を身近の用途に合わせたり超臨界処理ステップ中でいつでも変えたりすることができる。本発明の好適な実施形態によると、図6と図7を参照しながら上述したように、誘電体層に約3分サイクルで1ないし10の被膜ステップを処理する。
【0056】
図9は、パターニングしたlow−k誘電体層とエッチ残渣を含んでいる基板構造を超臨界洗浄と処理化合物(または被膜溶液)を使用して処理するためのステップの概要を示しているブロック図500である。502において、エッチ残渣を含んでいる基板構造を処理チャンバー内に置いて密閉する。基板構造を処理チャンバー内に置いて密閉した後、ステップ504において処理チャンバーを超臨界CO2で加圧し、処理化学物質を超臨界CO2に加えて超臨界洗浄被膜溶液を生成する。好ましくは、超臨界洗浄被膜化学物質は少なくとも一つの有機シリコン化合物を含んでいる。
【0057】
ステップ504において超臨界洗浄被膜溶液を生成した後、ステップ506において、基板構造から少なくとも残渣の一部を取り除き、残渣が取り除かれた後の露出表面を被膜するのに十分な一定時間の間、基板構造を超臨界処理溶液中に維持する。ステップ506の間、好ましくは超臨界洗浄被膜溶液を処理チャンバーに循環させて、および/または、さもなければ揺り動かして超臨界洗浄溶液を基板構造の表面上に行きわたらせる。
【0058】
さらに図9を参照すると、ステップ506において少なくとも残渣の一部を基板構造物から取り除いた後、ステップ508において処理チャンバーを部分的に排気する。ステップ504と506を含む洗浄プロセスを、ステップ508をステップ504に接続している矢印によって示されるように、基板構造物から残渣を取り除いて露出表面を被膜するのに必要な任意の回数繰り返す。本発明の実施形態によると、ステップ504と506を含む処理は、新鮮な超臨界二酸化炭素または新鮮な化学または両方を使用している。あるいは、処理チャンバーを超臨界二酸化炭素で薄めることによって、洗浄化学物質またはそれらの組み合わせの追加の添加物を加えることによって、洗浄化学物質の濃度を修正する。
【0059】
さらに図9を参照すると、処理ステップ504と506と508が完了した後、ステップ510において好ましくは基板構造を超臨界すすぎ溶液で処理する。超臨界すすぎ溶液は好ましくは超臨界CO2と一以上の有機溶剤を含むが、純粋な超臨界CO2であってもよい。
【0060】
さらに図9を参照すると、ステップで504と506と508において基板構造を洗浄し、ステップ510においてすすいだ後、ステップ512において処理チャンバーを減圧し、処理チャンバーから基板構造を取り出す。あるいは、ステップ510と504を接続している矢印によって示されるように、ステップ504と506、508、510を含む一以上の追加の洗浄すすぎ処理に基板構造を循環させる。あるいは、または一以上の追加の洗浄すすぎ処理に基板構造を巡回させるのに加えて、ステップ510と508を接続している矢印によって示されるように、ステップ512において基板構造を処理チャンバーから取り出す前に、基板構造をいくつかのすすぎサイクルで処理する。
【0061】
前述したように、基板構造にlow−k誘電体層を被膜する前に、超臨界二酸化炭素と、メタノールおよび/またはエタノール、n−ヘキサン、それらの組み合わせなどの一以上の溶剤とを含む超臨界溶液を使用して、基板構造を乾燥および/または予備処理することができる。また、前述したように、超臨界二酸化炭素とn−ヘキサンを含む超臨界溶液でのlow−k誘電体層の予備処理は、low−k誘電体層の表面上のシリルグループの被覆を改善する。また、エッチ残渣および/またはパターンニングしたlow−k誘電体を有するウェーハーを任意の回数の洗浄すすぎステップおよび/またはシーケンスにより処理できることは当業者には自明であろう。
【0062】
ここに主にlow−k誘電体材料を被膜する方法をエッチング後処理および/またはエッチング後洗浄処理に関連して説明したが、low−k誘電体材料を直接被膜することに本発明の方法を使用できることは当業者には理解できよう。さらに、low−kの誘電材料を処理する際、本発明の方法によれば、超臨界すすぎステップは必ずしも必要ではなく、超臨界被膜溶液でlow−k誘電体材料を処理する前にlow−k誘電体材料を単純に乾燥させる方が用途によっては好適となり得ることが認められよう。
【0063】
一例において、図6と図7に先に詳しく説明したような超臨界処理システムは、low−k誘電体層を修復化合物にいくつかの条件下で露出することによってMSQ材料から形成されたlow−k誘電体層でサンプルを処理するのに利用される。第一の条件群の下では、low−k誘電体材料の層を有するサンプルをヘキサンと約6パーセントTMCSの溶液で処理した。続いて約1時間のあいだ約100Cでサンプルをアニールした。第二の条件群の下では、low−k誘電体材料の層を有するサンプルを、約3,000psiにおいて約1.0パーセントTMCSを含む超臨界二酸化炭素被膜溶液で処理した。また第三の条件群の下では、low−k誘電体材料の層を有するサンプルを、100Cで約3,000のpsiにおいて約1.0パーセントTMCSを含む超臨界二酸化炭素被膜溶液で処理した。上記の条件下でのサンプルの処理の後、非処理サンプルと各処理サンプルのフーリエ変換赤外(FTIR)スペクトルを収集した。収集したFTIRスペクトルの比較プロットを図10Aと図10Bに示す。
【0064】
図10Aは、約250から4,000(m−1)までの波数の(IR)スペクトル領域を描いている。ピーク611はSi(CH3)3グループのCH伸縮に対応し、それは処理化合物で処理したサンプルのすべてについて相当に増加している。ピーク661はSi(CH3)3グループのCH屈曲に対応し、それもまた処理化合物で処理したサンプルのすべてについて相当に増加している。図10Bは、処理したサンプルにおけるピーク661での増大をより明瞭に示すために約2,800から3,100までの波数の、図10Aに示した(IR)スペクトルの拡大領域の比較プロットを示している。
【0065】
さらに図10Aを参照すると、広いピーク663はOH伸縮に対応し、処理したサンプルでは無視してよいが、処理していないサンプルでは顕著である。図10Aと図10Bに示したスペクトルから、TMCSが湿式ベンチ条件と超臨界処理条件の両方においてlow−k誘電体材料表面の被膜にとって効果的な処理化合物であることは明瞭である。
【0066】
本発明は、low−k誘電体表面を被膜し、超臨界処理環境でのパターニングしたlow−k誘電体層における(これに限らないが、スピンオンポリマー反射防止コート層とフォトポリマーを含む)エッチ残渣を取り除くなどの他のステップと両立できるという特性を有している。
【0067】
本発明はまた、パターニングステップ後に失った誘電体材料の誘電率(k値)を復活させるか部分的に復活させることが観察され、長時間にわたって安定しているlow−k誘電体層を作り出すことが示された。本発明はまた、露出多孔質表面を被覆するか部分的に被覆することが観察された。
【0068】
本発明のある特定の代表的な実施形態だけを先に詳しく説明したが、代表的な実施形態において本発明の新規な教示と利点から実質的に逸脱することなく多くの変形が可能であることは当業者であれば容易に認めるであろう。例えば、low−kの表面へのダメージをエッチングまたはアッシングによるダメージに関連して説明したが、本発明はこのようなダメージだけを処理することに限定されるものではなく、low−k膜を有するウェーハーの他の取り扱いや処理によって引き起こされたlow−k膜へのダメージを処理するように実行されてもよい。従って、そのような変更はすべて本発明の範囲内に含まれるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1A】本発明の実施形態による誘電体膜を形成し処理する方法の簡易の図式表現を示している。
【図1B】本発明の実施形態による誘電体膜を形成し処理する方法の簡易の図式表現を示している。
【図1C】本発明の実施形態による誘電体膜を形成し処理する方法の簡易の図式表現を示している。
【図1D】本発明の実施形態による誘電体膜を形成し処理する方法の簡易の図式表現を示している。
【図1E】本発明の実施形態による誘電体膜を形成し処理する方法の簡易の図式表現を示している。
【図2】本発明の実施形態による誘電体膜を生成する方法を示している。
【図3A】誘電体膜を処理する方法を示している。
【図3B】誘電体膜を処理する方法を示している。
【図4A】本発明の実施形態による誘電体膜を処理するために使用される有機シリコン構造の図式表現を示している。
【図4B】本発明の実施形態による誘電体膜を処理するために使用される有機シリコン構造の図式表現を示している。
【図4C】本発明の実施形態による誘電体膜を処理するために使用される有機シリコン構造の図式表現を示している。
【図4D】本発明の別の実施形態による誘電体材料のシラノールグループとの反応の図式表現を示している。
【図4E】誘電体材料の表面上のシラノールグループとシリルグループの間の立体障害を示している。
【図5】本発明の実施形態による誘電体膜を処理するための処理システムを示している。
【図6】本発明の別の実施形態による超臨界処理システムの簡易の概要を示している。
【図7】本発明の別の実施形態による超臨界処理システムの詳細な概略図を示している。
【図8】本発明の実施形態による超臨界洗浄またはすすぎ、硬化ステップの時間対圧力のプロットである。
【図9】本発明の別の実施形態による誘電体層を処理するためのステップを概説する概略ブロック図である。
【図10A】修復化合物での処理の前後におけるシリコンベースlow−k誘電体材料の赤外吸収スペクトルを示している。
【図10B】修復化合物での処理の前後におけるシリコンベースlow−k誘電体材料の赤外吸収スペクトルを示している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体膜を処理する方法であり、
前記誘電体膜の少なくとも一つの表面をCxHy含有材料に露出する工程を有しており、
xとyはそれぞれ1以上の整数であり、前記誘電体膜はSiO2の誘電率値未満の誘電率値を有している、誘電体膜を処理する方法。
【請求項2】
前記誘電体膜の少なくとも一つの前記表面を、窒素含有材料と塩素含有材料の少なくとも一つに露出することをさらに有している、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記誘電体膜を露出する前記工程は、1.6から2.7までの範囲にある誘電率を持つ誘電体膜を露出することを有している、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記誘電体膜を露出する前記工程は、多孔質誘電体膜と非多孔質誘電体膜の少なくとも一つを露出することを有している、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記多孔質誘電体膜を露出する前記工程は、単相材料と二相材料の少なくとも一つを露出することを有している、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記誘電体膜を露出する前記工程は、有機材料と無機材料の少なくとも一つを含んでいる膜を露出する工程を有している、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
膜を露出する前記工程は、無機有機ハイブリッド材料を含んでいる膜を露出することを有している、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
膜を露出する前記工程は、酸化有機シランを含んでいる膜を露出することを有している、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
膜を露出する前記工程は、水素シルセスキオキサンとメチルシルセスキオキサンの少なくとも一つを含んでいる膜を露出することを有している、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
膜を露出する前記工程は、ケイ酸ベース材料を含んでいる膜を露出することを有している、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
膜を露出する前記工程は、シリコンと炭素と酸素を含んでいる共同体膜を露出する工程を有している、請求項6に記載の方法。
【請求項12】
共同体膜を露出する前記工程は、共同体膜中の水素を露出することを有している、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記誘電体膜を前記CxHy含有材料に露出する前記工程は、前記CxHy含有材料を、気相・液相・超臨界流体の少なくとも一つで導入する工程を有している、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記CxHy含有材料を前記超臨界流体で導入する前記工程は、前記CxHy含有材料を超臨界二酸化炭素で導入することを有している、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記誘電体膜を前記CxHy含有材料に露出する前記工程は、前記誘電体膜を、CH2含有材料とCH3含有材料の少なくとも一つに露出することを有している、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項16】
前記誘電体膜を前記CxHy含有材料に露出する前記工程は、前記誘電体膜を、TMCTSとOMCTSの少なくとも一つに露出することを有している、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記誘電体膜を前記CxHy含有材料に露出する前記工程は、前記誘電体膜を、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、トリメチルジシラザン(TMDS)、クロロトリメチルシラン(TMCS)、トリクロロメチルシラン(TCMS)、[C6H5Si(CH3)2]2NH、C15H29NSi、(CH3)2NHジメチルアミン、H2N(CH2)3Si(OC2H5)33−アミノプロピルトリエトキシシランの少なくとも一つに露出することを有している、請求項2に記載の方法。
【請求項18】
前記基板上の前記誘電体膜を50Cから400Cまでの範囲にある温度に加熱する工程をさらに有している、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記誘電体膜を前記CxHy含有材料に露出する工程は、前記誘電体膜を修復する工程と前記誘電体膜を被覆する工程と前記誘電体膜を洗浄する工程の少なくとも一つを容易にする、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項20】
前記誘電体膜の少なくとも一つの表面をCxHy含有材料に露出する前記工程は、前記誘電体膜の少なくとも一つの表面を第一のCxHy含有材料に露出し、第二のCxHy含有材料に露出することを有している、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
基板上に誘電体膜を生成する方法であり、
前記基板上に前記誘電体膜を形成する工程と、
前記誘電体膜上にマスクを形成する工程と、
前記マスクにパターンを形成する工程と、
前記マスクの前記パターンを前記誘電体膜に転写することにより、前記誘電体膜に少なくとも一つの形態を形成する工程と、
前記誘電体膜の前記形態の側壁を処理化合物に露出する工程とを有し、前記処理化合物はCxHy含有材料を有し、xとyはそれぞれ1以上の整数である、方法。
【請求項22】
前記形態の前記側壁を前記処理化合物に露出する工程をさらに有し、前記処理化合物はN含有材料とCl含有材料の少なくとも一つをさらに有している、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記基板上の前記誘電体膜を50Cから400Cまでの範囲にある温度に加熱する工程をさらに有している、請求項21または請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記形態の前記側壁を前記CxHy含有材料に露出する前記工程は、前記形態の前記側壁をCH2含有材料とCH3含有材料の少なくとも一つに露出する工程を有している、請求項21または請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記形態の前記側壁を前記CxHy含有材料に露出する前記工程は、前記形態の前記側壁をTMCTSとOMCTSの少なくとも一つに露出する工程を有している、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記誘電体膜中の前記形態の前記側壁を前記修復化合物に露出する前記工程は、前記誘電体膜を、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、トリメチルジシラザン(TMDS)、クロロトリメチルシラン(TMCS)、トリクロロメチルシラン(TCMS)、[C6H5Si(CH3)2]2NH、C15H29NSi、(CH3)2NHジメチルアミン、H2N(CH2)3Si(OC2H5)33−アミノプロピルトリエトキシシランの少なくとも一つに露出することを有している、請求項22に記載の方法。
【請求項27】
誘電体膜を処理する方法であり、
前記誘電体膜を処理化合物に露出する工程を有し、前記処理化合物はCxHy含有材料を有し、xとyはそれぞれ1以上の整数である、方法。
【請求項28】
前記誘電体膜を前記処理化合物に露出する工程をさらに有し、前記処理化合物はN含有材料とCl含有材料の少なくとも一つをさらに有している、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記誘電体膜を前記処理化合物に露出する工程は、前記誘電体膜を修復する工程と前記誘電体膜を被覆する工程と前記誘電体膜を洗浄する工程の少なくとも一つを容易にする、請求項27または請求項28に記載の方法。
【請求項30】
処理された誘電体膜であり、
誘電体膜と、
前記誘電体膜中に形成された形態と、
前記形態の表面を修復するための手段とを有している、誘電体膜。
【請求項31】
被覆された誘電体膜であり、
多孔質誘電体膜と、
前記多孔質誘電体膜中に形成された形態と、
前記多孔質誘電体膜中の前記形態の表面上の露出された空孔を被覆するための手段とを有している、誘電体膜。
【請求項32】
基板上の誘電体膜を処理するための処理システムであり、
処理チャンバーと、
前記処理チャンバーに連結された、前記基板上の前記誘電体膜を処理するために前記処理チャンバーに処理化合物を供給するように構成された流体分配システムとを有し、前記処理化合物はCxHy含有材料を有し、xとyはそれぞれ1以上の整数である、処理システム。
【請求項33】
前記処理化合物はN含有材料とCl含有材料の少なくとも一つをさらに有している、請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
処理化合物は前記誘電体膜を修復する工程と前記誘電体膜を被覆する工程と前記誘電体膜を洗浄する工程の少なくとも一つを容易にする、請求項32または請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
前記CxHy含有材料はCH2含有材料とCH3含有材料の少なくとも一つを有している、請求項32または請求項33に記載の処理システム。
【請求項36】
前記CxHy含有材料はTMCTSとOMCTSの少なくとも一つを有している、請求項32に記載の処理システム。
【請求項37】
前記処理化合物は、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、トリメチルジシラザン(TMDS)、クロロトリメチルシラン(TMCS)、トリクロロメチルシラン(TCMS)、[C6H5Si(CH3)2]2NH、C15H29NSi、(CH3)2NHジメチルアミン、H2N(CH2)3Si(OC2H5)33−アミノプロピルトリエトキシシランの少なくとも一つを有している、請求項33に記載の処理システム。
【請求項38】
前記処理チャンバーは前記基板を支持するように構成された基板ホルダーをさらに有している、請求項32に記載の処理システム。
【請求項39】
前記基板ホルダーはさらに、前記基板を50Cから400Cまでの範囲にある温度に加熱するように構成されている、請求項38に記載の処理システム。
【請求項40】
前記処理チャンバーは超臨界処理チャンバーを有し、前記流体分配システムは前記処理チャンバーに前記超臨界流体と前記処理化合物を供給するように構成されている、請求項32に記載の処理システム。
【請求項41】
前記処理チャンバーは蒸気処理処理チャンバーを有し、前記流体分配システムは前記処理チャンバーに前記処理化合物の蒸気を供給するように構成されている、請求項32に記載の処理システム。
【請求項42】
前記処理チャンバーは液浸槽を有し、前記流体分配システムは前記処理チャンバーに液化処理化合物を供給するように構成されている、請求項32に記載の処理システム。
【請求項43】
前記処理チャンバーは液相処理システムを有し、前記流体分配システムは前記誘電体膜に前記処理化合物を分配するように構成されている、請求項32に記載の処理システム。
【請求項44】
前記液相処理システムは、前記処理化合物を前記分配する間、前記誘電体膜と共に前記基板を支持し回転させるように構成された基板ホルダーを有している、請求項38に記載の処理システム。
【請求項45】
基板上の誘電体膜を処理するための処理システムであり、
前記誘電体膜を処理化合物に露出するための手段を有し、前記処理化合物はCxHy含有材料を有し、xとyはそれぞれ1以上の整数である、処理システム。
【請求項46】
前記処理化合物はN含有材料とCl含有材料の少なくとも一つをさらに有している、請求項45に記載の処理システム。
【請求項47】
前記基板上の前記誘電体膜を50Cから200Cまでの範囲にある温度に加熱するための手段をさらに有している、請求項45の処理システム。
【請求項48】
処理された誘電体膜であり、
表面領域を有する誘電体膜と、
low−k膜の前記表面領域に位置しているCxHy含有材料とを有している、誘電体膜。
【請求項1】
誘電体膜を処理する方法であり、
前記誘電体膜の少なくとも一つの表面をCxHy含有材料に露出する工程を有しており、
xとyはそれぞれ1以上の整数であり、前記誘電体膜はSiO2の誘電率値未満の誘電率値を有している、誘電体膜を処理する方法。
【請求項2】
前記誘電体膜の少なくとも一つの前記表面を、窒素含有材料と塩素含有材料の少なくとも一つに露出することをさらに有している、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記誘電体膜を露出する前記工程は、1.6から2.7までの範囲にある誘電率を持つ誘電体膜を露出することを有している、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記誘電体膜を露出する前記工程は、多孔質誘電体膜と非多孔質誘電体膜の少なくとも一つを露出することを有している、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記多孔質誘電体膜を露出する前記工程は、単相材料と二相材料の少なくとも一つを露出することを有している、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記誘電体膜を露出する前記工程は、有機材料と無機材料の少なくとも一つを含んでいる膜を露出する工程を有している、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
膜を露出する前記工程は、無機有機ハイブリッド材料を含んでいる膜を露出することを有している、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
膜を露出する前記工程は、酸化有機シランを含んでいる膜を露出することを有している、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
膜を露出する前記工程は、水素シルセスキオキサンとメチルシルセスキオキサンの少なくとも一つを含んでいる膜を露出することを有している、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
膜を露出する前記工程は、ケイ酸ベース材料を含んでいる膜を露出することを有している、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
膜を露出する前記工程は、シリコンと炭素と酸素を含んでいる共同体膜を露出する工程を有している、請求項6に記載の方法。
【請求項12】
共同体膜を露出する前記工程は、共同体膜中の水素を露出することを有している、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記誘電体膜を前記CxHy含有材料に露出する前記工程は、前記CxHy含有材料を、気相・液相・超臨界流体の少なくとも一つで導入する工程を有している、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記CxHy含有材料を前記超臨界流体で導入する前記工程は、前記CxHy含有材料を超臨界二酸化炭素で導入することを有している、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記誘電体膜を前記CxHy含有材料に露出する前記工程は、前記誘電体膜を、CH2含有材料とCH3含有材料の少なくとも一つに露出することを有している、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項16】
前記誘電体膜を前記CxHy含有材料に露出する前記工程は、前記誘電体膜を、TMCTSとOMCTSの少なくとも一つに露出することを有している、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記誘電体膜を前記CxHy含有材料に露出する前記工程は、前記誘電体膜を、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、トリメチルジシラザン(TMDS)、クロロトリメチルシラン(TMCS)、トリクロロメチルシラン(TCMS)、[C6H5Si(CH3)2]2NH、C15H29NSi、(CH3)2NHジメチルアミン、H2N(CH2)3Si(OC2H5)33−アミノプロピルトリエトキシシランの少なくとも一つに露出することを有している、請求項2に記載の方法。
【請求項18】
前記基板上の前記誘電体膜を50Cから400Cまでの範囲にある温度に加熱する工程をさらに有している、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記誘電体膜を前記CxHy含有材料に露出する工程は、前記誘電体膜を修復する工程と前記誘電体膜を被覆する工程と前記誘電体膜を洗浄する工程の少なくとも一つを容易にする、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項20】
前記誘電体膜の少なくとも一つの表面をCxHy含有材料に露出する前記工程は、前記誘電体膜の少なくとも一つの表面を第一のCxHy含有材料に露出し、第二のCxHy含有材料に露出することを有している、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
基板上に誘電体膜を生成する方法であり、
前記基板上に前記誘電体膜を形成する工程と、
前記誘電体膜上にマスクを形成する工程と、
前記マスクにパターンを形成する工程と、
前記マスクの前記パターンを前記誘電体膜に転写することにより、前記誘電体膜に少なくとも一つの形態を形成する工程と、
前記誘電体膜の前記形態の側壁を処理化合物に露出する工程とを有し、前記処理化合物はCxHy含有材料を有し、xとyはそれぞれ1以上の整数である、方法。
【請求項22】
前記形態の前記側壁を前記処理化合物に露出する工程をさらに有し、前記処理化合物はN含有材料とCl含有材料の少なくとも一つをさらに有している、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記基板上の前記誘電体膜を50Cから400Cまでの範囲にある温度に加熱する工程をさらに有している、請求項21または請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記形態の前記側壁を前記CxHy含有材料に露出する前記工程は、前記形態の前記側壁をCH2含有材料とCH3含有材料の少なくとも一つに露出する工程を有している、請求項21または請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記形態の前記側壁を前記CxHy含有材料に露出する前記工程は、前記形態の前記側壁をTMCTSとOMCTSの少なくとも一つに露出する工程を有している、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記誘電体膜中の前記形態の前記側壁を前記修復化合物に露出する前記工程は、前記誘電体膜を、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、トリメチルジシラザン(TMDS)、クロロトリメチルシラン(TMCS)、トリクロロメチルシラン(TCMS)、[C6H5Si(CH3)2]2NH、C15H29NSi、(CH3)2NHジメチルアミン、H2N(CH2)3Si(OC2H5)33−アミノプロピルトリエトキシシランの少なくとも一つに露出することを有している、請求項22に記載の方法。
【請求項27】
誘電体膜を処理する方法であり、
前記誘電体膜を処理化合物に露出する工程を有し、前記処理化合物はCxHy含有材料を有し、xとyはそれぞれ1以上の整数である、方法。
【請求項28】
前記誘電体膜を前記処理化合物に露出する工程をさらに有し、前記処理化合物はN含有材料とCl含有材料の少なくとも一つをさらに有している、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記誘電体膜を前記処理化合物に露出する工程は、前記誘電体膜を修復する工程と前記誘電体膜を被覆する工程と前記誘電体膜を洗浄する工程の少なくとも一つを容易にする、請求項27または請求項28に記載の方法。
【請求項30】
処理された誘電体膜であり、
誘電体膜と、
前記誘電体膜中に形成された形態と、
前記形態の表面を修復するための手段とを有している、誘電体膜。
【請求項31】
被覆された誘電体膜であり、
多孔質誘電体膜と、
前記多孔質誘電体膜中に形成された形態と、
前記多孔質誘電体膜中の前記形態の表面上の露出された空孔を被覆するための手段とを有している、誘電体膜。
【請求項32】
基板上の誘電体膜を処理するための処理システムであり、
処理チャンバーと、
前記処理チャンバーに連結された、前記基板上の前記誘電体膜を処理するために前記処理チャンバーに処理化合物を供給するように構成された流体分配システムとを有し、前記処理化合物はCxHy含有材料を有し、xとyはそれぞれ1以上の整数である、処理システム。
【請求項33】
前記処理化合物はN含有材料とCl含有材料の少なくとも一つをさらに有している、請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
処理化合物は前記誘電体膜を修復する工程と前記誘電体膜を被覆する工程と前記誘電体膜を洗浄する工程の少なくとも一つを容易にする、請求項32または請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
前記CxHy含有材料はCH2含有材料とCH3含有材料の少なくとも一つを有している、請求項32または請求項33に記載の処理システム。
【請求項36】
前記CxHy含有材料はTMCTSとOMCTSの少なくとも一つを有している、請求項32に記載の処理システム。
【請求項37】
前記処理化合物は、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、トリメチルジシラザン(TMDS)、クロロトリメチルシラン(TMCS)、トリクロロメチルシラン(TCMS)、[C6H5Si(CH3)2]2NH、C15H29NSi、(CH3)2NHジメチルアミン、H2N(CH2)3Si(OC2H5)33−アミノプロピルトリエトキシシランの少なくとも一つを有している、請求項33に記載の処理システム。
【請求項38】
前記処理チャンバーは前記基板を支持するように構成された基板ホルダーをさらに有している、請求項32に記載の処理システム。
【請求項39】
前記基板ホルダーはさらに、前記基板を50Cから400Cまでの範囲にある温度に加熱するように構成されている、請求項38に記載の処理システム。
【請求項40】
前記処理チャンバーは超臨界処理チャンバーを有し、前記流体分配システムは前記処理チャンバーに前記超臨界流体と前記処理化合物を供給するように構成されている、請求項32に記載の処理システム。
【請求項41】
前記処理チャンバーは蒸気処理処理チャンバーを有し、前記流体分配システムは前記処理チャンバーに前記処理化合物の蒸気を供給するように構成されている、請求項32に記載の処理システム。
【請求項42】
前記処理チャンバーは液浸槽を有し、前記流体分配システムは前記処理チャンバーに液化処理化合物を供給するように構成されている、請求項32に記載の処理システム。
【請求項43】
前記処理チャンバーは液相処理システムを有し、前記流体分配システムは前記誘電体膜に前記処理化合物を分配するように構成されている、請求項32に記載の処理システム。
【請求項44】
前記液相処理システムは、前記処理化合物を前記分配する間、前記誘電体膜と共に前記基板を支持し回転させるように構成された基板ホルダーを有している、請求項38に記載の処理システム。
【請求項45】
基板上の誘電体膜を処理するための処理システムであり、
前記誘電体膜を処理化合物に露出するための手段を有し、前記処理化合物はCxHy含有材料を有し、xとyはそれぞれ1以上の整数である、処理システム。
【請求項46】
前記処理化合物はN含有材料とCl含有材料の少なくとも一つをさらに有している、請求項45に記載の処理システム。
【請求項47】
前記基板上の前記誘電体膜を50Cから200Cまでの範囲にある温度に加熱するための手段をさらに有している、請求項45の処理システム。
【請求項48】
処理された誘電体膜であり、
表面領域を有する誘電体膜と、
low−k膜の前記表面領域に位置しているCxHy含有材料とを有している、誘電体膜。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【公表番号】特表2007−517380(P2007−517380A)
【公表日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533950(P2006−533950)
【出願日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【国際出願番号】PCT/US2004/030909
【国際公開番号】WO2005/038863
【国際公開日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【国際出願番号】PCT/US2004/030909
【国際公開番号】WO2005/038863
【国際公開日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】
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