説明

調理システム

【課題】 多種多様な調理方法に応じて調理の時間、温度及び圧力をシステム化して管理でき、特に、時間がかかり、かき混ぜ作業を要して重労働であった煮込み系調理を短時間かつ労力を要せず、しかも食材ロスを軽減することができる調理システムを提供すること。
【解決手段】 調理鍋の底を加熱する加熱手段と、加熱手段による過熱を冷却する冷却手段と、調理鍋内の蒸気を調整する蒸気調整手段と、鍋底温度、鍋内温度及び芯温を夫々検出する第1〜第3温度検出センサと、調理鍋内圧力を検出する圧力センサと、時間計測手段と、入力手段によって入力された時間、温度及び圧力に従い、時間計測手段及び各センサからの検出値に基づいて加熱手段、冷却手段及び蒸気調整手段の作動を制御する第1及び第2制御手段とを有し、入力手段は、調理モードに応じて、温度、圧力及び時間のうちの一又は複数の値を入力するように設定されている調理システムとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調理システムに関し、より詳しくは、調理モードに応じて設定した時間、温度及び圧力等に基づいて調理処理を実行する調理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
食材を調理する方法としては、「焼く」、「蒸す」、「煮る」、「茹でる」、「揚げる」等、多種多様な方法が存在する。これら個々の調理方法によって料理が完成する場合もあるが、これらの調理方法を組み合わせて各工程で実施することによって、最終的に料理が完成するものも多い。このように各工程で異なる調理方法を必要とする場合でも、1つの調理器で全ての工程を実施できれば便利である。ところが、「揚げる」方法では、大量の油を使用するため、他の調理方法と同じ調理器で行うことは不可能であるが、「揚げる」以外であっても、全ての調理方法を行うことのできる調理器は存在しない。
特に、大量に調理する場合に、調理器を換えると、調理器内の大量の料理を別の調理器へ移さなければならず、多大な労力と時間を要する。大量調理では、「鍋」、「回転釜」、「ティルティングパン」、「スープケトル」等を、調理特性に応じて使い分けを行っている。これらのうちの「回転釜」は、「煮る」、「茹でる」、「炒める」等のほとんどの調理方法において使用されてきた。
【0003】
しかしながら、「回転釜」は温度管理が行い難く、かき混ぜながらの調理作業となるので正確な時間管理もできない。また、「回転釜」を使用する場合の問題点として、食材の焦げ付きや食材をかき混ぜることによる煮崩れが起こりやすく、食材のロスが多いこと等がある。このような「回転釜」は、食材の焦げ付きを防止するために絶えず利用者がかき混ぜ作業を行わなければならず、利用者にとって極めて重労働となっている。
【0004】
そこで、食材に加熱された空気を吹き付けて調理する「焼く」なる調理方法を効果的に行うことのできる発明が提案されている。例えば、特許文献1に記載される調理器は、食材(被調理物)に偏って空気が吹き付けられることを防止し、加熱室内に空気の流れを調整して均一的に調理を行うことを可能とするコンベクションオーブンであり、効果的に「焼く」調理を行うことを可能にしている。
しかしながら、特許文献1に記載されるコンベクションオーブンでは、加熱空気を効率良く被調理物に吹き付けることはできても、その加熱空気の温度調整を被調理物に合わせて行うことができない。また、この特許文献1に記載されるコンベクションオーブンでは、オーブン機能やスチーム機能を有しているが、煮物、カレーやシチュー等の「煮込む」調理方法で使用すると長時間の調理を必要とすることとなる。
【0005】
【特許文献1】特開2002−364852号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述したような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、多種多様な調理方法に応じて調理の時間、温度及び圧力をシステム化して管理でき、特に、時間がかかり、かき混ぜ作業を要して重労働であった煮込み系調理を短時間かつ労力を要せず、しかも食材ロスを軽減することができる調理システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、蓋を有して内部を密閉できる調理鍋において被調理物を調理する調理システムであって、調理鍋の底を加熱する加熱手段と、前記加熱手段による過熱を冷却する冷却手段と、調理鍋から蒸気を排出して調理鍋内の蒸気を調整する蒸気調整手段と、調理鍋の鍋底温度を検出する第1温度検出センサと、調理鍋の鍋内温度を検出する第2温度検出センサと、調理鍋に収容される被調理物の芯温度を検出する第3温度検出センサと、調理鍋内の圧力を検出する圧力センサと、時間を計測する時間計測手段と、所望の時間、温度及び圧力を入力する入力手段と、該入力手段によって入力された時間及び温度に従い、時間計測手段及び第1〜第3温度検出センサからの検出値に基づいて加熱手段及び冷却手段の作動を制御する第1制御手段と、前記入力手段によって入力された時間及び圧力に従い、時間計測手段及び圧力センサからの検出値に基づいて蒸気調整手段の作動を制御するとともに、圧力制御のために第1制御手段と連携する第2制御手段とを有し、前記入力手段は、調理モードに応じて、温度、圧力及び時間のうちの一又は複数の値を入力するように設定されていることを特徴とする調理システムに関する。
【0008】
請求項2に係る発明は、前記入力手段は、さらに調理鍋内に供給する水量値を入力し、停止弁を備えて調理鍋内に水を供給する水供給手段と、調理鍋内に供給される水の量を検出する水量センサと、前記入力手段によって入力された時間及び水量に従い、時間計測手段及び水量センサからの検出値に基づいて水供給手段の停止弁を開閉する第3制御手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載の調理システムに関する。
【0009】
請求項3に係る発明は、調理モードに応じた時間、温度、圧力及び水量のうちの一又は複数の値が予め設定されたレシピ情報が調理名を付されて記憶されたレシピ情報格納手段を有し、前記入力手段は、前記レシピ情報格納手段から所望の調理名を選択し、この選択された調理名が付されたレシピ情報に従い、前記各制御手段は、加熱手段、冷却手段、蒸気調整手段又は水供給手段を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の調理システムに関する。
【0010】
請求項4に係る発明は、前記入力手段又はレシピ情報格納手段は、複数の調理モードを要する調理において、各調理モードを各工程として工程ごとに時間、温度、圧力及び水量のうちの一又は複数の値が入力されるように設定されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の調理システムに関する。
【0011】
請求項5に係る発明は、前記各制御手段は、各工程終了後に一旦制御を停止し、前記入力手段からの次工程開始の指示によって、次工程における制御を開始することを特徴とする請求項4に記載の調理システムに関する。
【0012】
請求項6に係る発明は、前記入力手段は、予め設定された表示画面及び画面遷移のタッチパネルにおいて各指示を入力するようになっていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の調理システムに関する。
【0013】
請求項7に係る発明は、前記各種センサによって検出された値が時系列で記録される記録手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の調理システムに関する。
【0014】
請求項8に係る発明は、前記レシピ情報格納手段は、前記入力手段から調理モードに応じて入力された値をレシピ情報として調理名を付して記憶することを特徴とする請求項3乃至7のいずれかに記載の調理システムに関する。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に係る発明によれば、第1及び第2制御手段が、調理モードに応じて入力手段によって入力された時間、温度及び圧力に従い、時間計測手段、第1〜第3温度検出センサ及び圧力センサによる検出値に基づいて、加熱手段、冷却手段及び蒸気調整手段の作動を制御するようにしたので、調理モードに応じて予め設定した時間、温度及び圧力で調理をシステム化して進行させ管理することができ、食材ロスも軽減することができる。調理実施者は、下ごしらえをし、材料や調味料を順次加えたり、少しの時間かき混ぜたりするだけでよく、蓋部を閉めれば自動運転調理が実施されるので、従来の回転釜を用いる場合のように調理実施者が付きっ切りになる必要がなく、労力を要せず人件費を抑えることができる。
【0016】
請求項2に係る発明によれば、第3制御手段が、調理モードに応じて入力手段によって入力された時間及び水量に従い、時間計測手段及び水量センサによる検出値に基づいて、水供給手段の作動を制御するようにしたので、水加減を一定化することができるとともに、水が供給されている間に調味料等を加えることができ、より時間を短縮し、蓋部の開放時間も短縮することによって熱損失を少なくすることができる。
【0017】
請求項3に係る発明によれば、調理モードに応じて時間、温度及び圧力等が予め定められたレシピ情報が調理名を付されて格納されたレシピ情報格納手段から所望の調理名を選択し、この調理名のレシピ情報に従って各制御手段が各手段を制御することによって、調理モードに応じて予め設定された時間、温度及び圧力を利用して調理をシステム化して管理することができ、調理実施者の能力によらず、常に最良の状態で料理を仕上げることが可能となる。調理実施者は、自ら調理時間等を設定する必要もなく、さらに労力を要せず調理に要する時間を軽減して人件費を抑えることができる。
【0018】
請求項4に係る発明によれば、複数の調理モードを要して完成される調理において、各調理モードを各工程として工程ごとに値を入力することによって、一連の工程における時間、温度及び圧力等をシステム化して管理することが可能となる。
【0019】
請求項5に係る発明によれば、各工程を終了した時点で一旦制御が停止されることによって、調理実施者は各工程での仕上がり具合を確認して調味料を追加する等の修正を加える余裕ができ、次工程の準備が未だの場合にも調理実施者のペースで準備等することができる。
【0020】
請求項6に係る発明によれば、予め設定された表示画面及び画面遷移のタッチパネルで、数値や指示を入力するようになっていることによって、入力が容易で負担がなく、時間も短縮することができる。
【0021】
請求項7に係る発明によれば、各種センサで検出された値が時系列で記録されることによって、外部のPC(パーソナルコンピュータ)に取り込んで調理中のデータを収集すれば、計数管理が容易になり、HACCP(Hazard Analysis Critical Control Point)を実践していく上で重要なTT(温度及び時間)管理を確実に行うことができる。
【0022】
請求項8に係る発明によれば、入力手段から調理モードに応じて入力された値をレシピ情報として調理名を付けてレシピ情報格納手段に記憶することによって、次回調理時には、再度設定することなく格納されているレシピ情報を調理名で読み出して直ちに調理を開始することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明に係る調理システムの好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本調理システムは、「焼く」、「炒める」、「煮る」、「茹でる」、「圧力調理」、「蓄熱調理」などの異なる調理工程を1つの調理装置において実施する際に、各工程を管理し、特に温度及び時間の制御に、圧力制御を加えて管理することを特徴とする。
図1は、本発明に係る調理システムの実施形態の一例のシステム構成を示すブロック図である。図2は、本発明に係る調理システムを実行する調理装置の一例を示す斜視図である。図3は、図2の調理装置を右側から見た様子を示す右側面図である。
【0024】
調理装置(1)は、調理される被調理物を収容する容器である調理鍋(2)と、本体部(3)と、調理鍋(2)の底を加熱する加熱手段(4)と、蓋部(5)、加熱手段(4)を冷却する冷却手段(6)と、蒸気を発生して供給したり排出したりする蒸気調整手段(7)と、停止弁を備えて水又は湯を供給する水供給手段(8)を有し、また、第1〜第3温度検出センサ(11、12、13)、圧力センサ(14)、第1〜第3制御手段(21、22、23)、記録手段(24)、時間計測手段(25)及び入力手段(27)を備えている。
【0025】
第1温度検出センサ(11)は、加熱手段(4)の温度(鍋底温度)を検出する。第2温度検出センサ(12)は、調理鍋(2)内の温度(鍋内温度)を検出する。第3温度検出センサ(13)は、調理鍋(2)に収容される被調理物である食材の中心温度(芯温度)を検出する。圧力センサ(14)は、第2制御手段(22)及び記録手段(24)に接続され、調理鍋(2)内の圧力を検出する。第1制御手段(21)は、第1〜第3温度検出センサ(11、12、13)に接続され、加熱手段(4)及び冷却手段(6)の作動を制御する。第2制御手段(22)は、圧力センサ(14)に接続され、蒸気調整手段(7)を制御する。第3制御手段(23)は、水量センサ(15)に接続され、水供給手段(8)を制御する。記録手段(24)は、第1〜第3温度検出センサ(11、12、13)、圧力センサ(14)及び水量センサ(15)で夫々検出された温度、圧力及び水量を記録する。時間計測手段(25)は、第1〜第3制御手段(21、22、23)による各種制御のタイミングを計る。
【0026】
また、第1〜第3制御手段(21、22、23)は、入力手段(27)及びレシピ情報格納手段(31)に接続され、入力手段(27)から調理方法に関する指示を取得し、該レシピ情報格納手段(31)からは当該レシピ情報格納手段(31)に格納された調理方法の情報を取得し、これらに基づいて各種制御を行う。また、第1制御手段(21)は、図示しないブザー及び蓋部(5)の作動を制御する。入力手段(27)は、液晶画面のタッチパネル形式で、タッチパネルに表示される画面中のボタンを押下することによって各種指示が入力される。このようなタッチパネルによって各種指示を入力するため、入力手段(27)には表示画面内容や画面遷移を規定するプログラムが設定されている。これによって、各数値や指示の入力が容易になり、調理実施者に負担がなく、時間も短縮される。この画面表示に音声表示を加えてもよく、また、音声入力できるようにしてもよい。
【0027】
なお、調理鍋(2)内の圧力は、加熱手段(4)と蒸気調整手段(7)とによって調整される。即ち、該圧力は、加熱手段(4)による加熱に影響を受け、加熱されると上昇し、蒸気調整手段(7)によって蒸気が排出されて降下する。
【0028】
このように構成される調理システムにおいて、第1〜第3制御手段(21、22、23)は、入力手段(27)又はレシピ情報格納手段(31)から取得した情報に従い、その情報において設定されている時間、温度、圧力及び水量になるように、第1〜第3温度検出センサ(11、12、13)、圧力センサ(14)及び水量センサ(15)で夫々検出される温度値、圧力値及び水量値を基に、加熱手段(4)、冷却手段(6)、蒸気調整手段(7)及び水供給手段(8)の稼動及び停止を制御する。
例えば、第1制御手段(21)は、入力手段(27)から100℃に設定するという指示を取得し、第1〜第3温度検出センサ(11、12、13)で検出された温度値に基づいて、加熱手段(4)の稼動及び停止を制御する。このとき、予め設定された設定温度値(100℃)に対して、第1〜第3温度検出センサ(11、12、13)で検出される温度値が、低ければ、加熱手段(4)を稼動させて加熱し、高ければ、加熱手段(4)の稼動を停止させたり、冷却手段(6)を稼動させたりする。
【0029】
また、第2制御手段(22)は、例えば、レシピ情報格納手段(31)から取得した情報(例えば、圧力を40kPaに設定)に従い、圧力センサ(14)で検出される圧力値に基づいて、蒸気調整手段(7)を制御して蒸気を排出したり排出を停止したりするとともに、第1制御手段(21)の制御を促して、第1制御手段(21)を介して加熱手段(4)及び冷却手段(6)を稼動又は停止させる。
また、第3制御手段(23)は、入力手段(27)から取得した指示(例えば、水10Lを供給)を取得し、水量センサ(15)で検出される水量値にもとづいて、水供給手段(8)に備えられた停止弁を開閉することにより、供給する水量を調整する。
【0030】
以上のように構成された調理システムにおいては、調理方法を「焼く 炒める」、「圧力調理」、「蓄熱調理」及び「煮る 茹でる」の4つの「調理モード」に分類している。「焼く」と「炒める」は同様の温度設定で実施することができ、「煮る」と「茹でる」は同様の温度及び水量設定で実施することができるため、同じ分類としている。「焼く 炒める」モードでは、設定した鍋底温度に制御されることによって調理できる。「圧力調理」モードでは、設定した圧力に従って加熱温度と蒸気の調整とによって調理できる。「煮る 茹でる」モードでは、設定した鍋内温度(水温)に制御されることによって調理できる。また、調理途中でも任意に次の工程に移行することができる「スキップ」モードが設定されている。なお、いずれの調理モードにおいても、特に被調理物内部の芯温度を計測しながら調理したい場合に、その芯温度値を追加的に設定することができる。
【0031】
ここで、「蓄熱調理」とは、加熱調理時、即ち、「焼く 炒める」、「圧力調理」及び「煮る 茹でる」の調理モードによる調理時において加熱手段(4)によって加熱されて蓄えられた鍋底の熱を用い、その加熱手段(4)が作動を停止した後にする調理である。「蓄熱調理」は、蓋部(5)を閉めて圧力がかかった状態と、蓋部(5)を開けた状態のいずれかで行われる。従って、蓋部(5)を閉めた状態での「蓄熱調理」では、設定された時間と圧力に制御されることによって調理され、蓋部(5)を開けた状態での「蓄熱調理」では、設定された時間に制御されることによって調理される。
【0032】
次に、本発明に係る調理システムを実行する調理装置(1)において、入力手段(27)から入力した調理方法に従って調理する場合の動作について、図1及び図2に基づいて説明する。ここでは、「チキンカレー」に要する調理方法(工程)を設定する場合を例に説明する。なお、調理鍋(2)は、満水時容量80Lのものを例に説明する。
【0033】
図4は、入力手段から調理方法を入力して設定する際に入力手段に表示される一連の画面の一例を示す画面遷移図である。図5は、入力手段から現在時刻を入力する際に入力手段に表示される画面の一例を示すレイアウト図である。
まず、調理装置(1)の電源が入れられると、入力手段(27)にTOP画面(51)が表示される。このTOP画面(51)の「時計」ボタンが選択されると、時計設定画面(59)へ遷移する。現在年月日及び時刻が入力されると、時間計測手段(25)に時間情報が送信される。なお、現在時刻の時間計測手段(25)への設定は、時刻情報をメモリに記憶させることによって電源入力ごとにする必要はない。
【0034】
次いで、TOP画面(51)に戻り、「調理」ボタンが選択されると、設定一覧画面(53)へ遷移する。「工程1」ボタンが選択されると、調理設定画面(55)へ遷移する。「チキンカレー」の工程1として「調理モード」の「焼 炒」が選択され、調理時間(5分間)及び温度(300℃)の設定値がテンキーから入力されて確定された後、設定一覧画面(53)へ戻る。このとき、設定一覧画面(53)の「工程1」には、調理方法に「焼く 炒める」、時間に「5」、温度に「300」が表示される。
【0035】
次いで、「工程2」ボタンが選択されて調理設定画面(55)へ遷移し、「調理モード」の「圧力調理」が選択され、調理時間(20分間)及び圧力(40kPa)が入力された後、設定一覧画面(53)へ戻る(ステップ3)。設定一覧画面(53)の「工程2」には、調理方法に「圧力調理」、時間に「20」、圧力に「40」が表示される。また、調理設定画面(55)には例示していないが、「圧力調理」前に供給する水量(34L)も入力される。
【0036】
次いで、「工程3」ボタンが選択されて調理設定画面(55)へ遷移し、「調理モード」の「蓄熱調理」が選択され、調理時間(10分間)が入力された後、設定一覧画面(53)へ戻る。設定一覧画面(53)の「工程3」には、調理方法に「蓄熱調理」が表示される。なお、「チキンカレー」の調理では、以上の3つの工程があればよいので、「工程4」には入力しない。
【0037】
次いで、設定一覧画面(53)で「戻る」ボタンが選択されると、調理START画面(57)へ遷移する。なお、画面59上部の「チキンカレー」の表示は、「メモリ書込み」を選択し、図示しない調理名称登録画面において登録することによって、表示される。この「チキンカレー」での設定内容も、画面59の「メモリ書込み」を選択し、図示しないメモリ書込み内容確認画面において登録することができる。このとき、当該入力手段(27)がら「チキンカレー」の設定内容がレシピ情報格納手段(31)に記憶されることになる。このように設定したレシピ情報をレシピ情報格納手段(31)に記憶しておけば、次回調理時には、再度設定することなく記憶したレシピ情報を読み出して直ちに調理を開始することができる。読み出した内容は、そのまま実行することは勿論、設定時と同様にして適宜設定値を変更することも可能である。
【0038】
図6は、調理開始後に入力手段に表示される一連の画面の一例を示す表示画面遷移図である。
次に、調理START画面(57)の「START」ボタンが押下されると、調理が開始されて調理中画面(61)に遷移する。調理中画面(61)には、「チキンカレー」の調理方法として設定された各工程における調理方法、時間、圧力などが表示されている。なお、調理START画面(57)において、「AUTO」に設定して「START」ボタンが選択されているので、設定した工程1〜3を順次実施していくが、「STEP」に設定されている場合には、各工程を終了する度に「START」ボタンを押して確認することになる。このように各工程を終了した時点で一旦制御が停止されることによって、調理実施者は各工程での仕上がり具合を確認して調味料を追加する等の修正を加える余裕ができ、次工程の準備が未だの場合にも調理実施者のペースで準備等することができる。
【0039】
このとき、第1制御手段(21)は、入力手段(27)に入力された「チキンカレー」の工程1の情報に基づいて、調理鍋(2)の鍋底温度が300℃になるように加熱手段(4)を作動させる。蓋部(5)は、衛生面や熱効率等から、閉じられていることが好ましいが、完全に閉じられている必要はなく、調理鍋(2)を略覆う状態であればよい。その後、第1制御手段(21)は、鍋底温度を検出する第1温度検出センサ(11)から300℃を検出したという情報を取得すると、ブザーを作動する(ステップ1)。
【0040】
このブザーに応じて、調理実施者は、蓋部(5)を開けて調理鍋(2)に油をひき、鶏肉、野菜の順に入れて5分間炒め、にんにくペースト(40g)を加えてさらに炒める。なお、鶏肉及び野菜については、予め定められた大きさに切られた鶏肉(6kg)、玉葱(9kg)、人参(4.5kg)及びじゃが芋(2kg)に、塩、胡椒及びカレー粉が混ぜ合わされている。本調理システムでは、被調理物の量に合わせて時間、温度及び圧力を設定するので、被調理物を必ず計量する必要があり、この計量管理によって食材ロスを軽減し、TT(温度及び時間)管理における歩留まりを向上することが可能となる。
前記5分間に、第1制御手段(21)は、鍋底温度が300℃を保つように、第1温度検出センサ(11)からの情報を受けながら、加熱手段(4)及び冷却手段(6)を稼動又は停止させる(ステップ2)。なお、工程1の調理中に、調理中画面(61)の「詳細表示」ボタンが押下されると、調理中画面(61)が表示される。以降の工程2及び工程3においても同様の画面が表示される。
【0041】
「焼く、炒める」の5分間が経過すると、第1制御手段(21)は、ブザーを作動し、第3制御手段(23)が、入力手段(27)に入力された「チキンカレー」の工程2の情報に基づいて、水34Lを供給するように水供給手段(8)の停止弁を解除して給水を開始させる。その後、第3制御手段(23)は、水量センサ(15)から34Lを検出したという情報を取得すると、水供給手段(8)の停止弁を作動させて給水を終了する(ステップ3)。この水を供給している間に、調理実施者はブイヨンを加える。
【0042】
水の供給を終了し、調理実施者が蓋部(5)を閉めると、第1制御手段(21)は蓋部(5)をロックして「圧力調理」を開始する。即ち、入力手段(27)に入力された「チキンカレー」の工程2の情報(内部圧力40kPaで20分間調理)に従い、第2制御手段(22)は、圧力センサ(14)からの圧力情報に応じて蒸気調整手段(7)を制御するとともに、第1制御手段(21)に促して加熱手段(4)を制御し、圧力40kPaを維持するように圧力制御を行う(ステップ4)。
このように蓋部(5)を閉めて適切な設定値で圧力を調整して圧力調理を行うことによって、食材の焦げ付きや、かき混ぜによる煮崩れを防ぐことができる。
【0043】
なお、前記圧力制御は、加熱手段(4)である底面ヒーターの加熱による蒸気の発生での昇圧と、蒸気調整手段(7)に備えられた排出制御弁で調理鍋(2)外に逃すことによる降圧とを、蒸気調整手段(7)によって調整することによって行われる。この際、多少調理鍋(2)内の圧力変動が大きくなっても、敢えて長時間、排出制御弁を開放させるように制御する。これによって、密封して行う圧力調理時に発生する「煮込み臭」(肉類を煮込むことで発生する臭いの灰汁のようなもの)を調理鍋(2)から排出させながら調理することができ、味の面で仕上がりがよくなるからである。また、長時間の排出制御弁の開放によって、圧力が低下して加熱手段(4)が稼動し続けることになり、調理鍋(2)の底面の余熱量が大きくなり、次工程の「蓄熱調理」における蓄熱能力が大きくなるというメリットもある。
【0044】
工程2における20分間が経過すると、第1制御手段(21)は、ブザーを作動するとともに、蓋部(5)のロックを解除する。
このブザーに応じて、調理実施者は、調理鍋(2)内にカレールウ、醤油及びウスターソースを加えて10分間かき混ぜながら被調理物にとろみをつける(ステップ5)。このとき、調理鍋(2)内の被調理物は、調理鍋(2)の鍋底の余熱で「蓄熱調理」される。なお、前記ステップ1〜5において、各種センサが検出した温度値、圧力値及び水量値は、時系列で記録手段(24)に記録される。記録された各値については、外部のPCに取り込んで処理するようにしてもよい。このように調理中のデータを収集すれば、PCにおいて計数管理が容易になり、HACCPを実践していく上で重要なポイントになるTT管理を確実に行うことができる。
【0045】
「蓄熱調理」を終了すると、「チキンカレー」が完成する。ステップ1における予熱開始から、ステップ4における圧力上昇時間を含め、ステップ5までの全工程は約48分で終了し、125人分の「チキンカレー」が仕上がる。全工程を終了すると、調理情報画面(65)に遷移し、各工程の調理結果が表示され、昇温時間を含む運転時間が工程ごとに表示される。
【0046】
このように、第1及び第2制御手段(21、22)が、入力手段(27)によって入力された各工程の調理方法の情報に従い、時間計測手段(25)及び各種センサ(11、12、13)による情報に基づいて、加熱手段(4)、冷却手段(6)及び蒸気調整手段(7)の作動を制御するようにしたので、調理方法に応じて予め設定した時間、温度及び圧力で調理をシステム化して進行させ管理することができる。調理実施者は、下ごしらえをし、材料や調味料を順次加えたり、少しの時間かき混ぜたりするだけでよく、蓋部(5)を閉めれば自動運転調理が実施されるので、従来の回転釜を用いる場合のように調理実施者が付きっ切りになる必要がなく、労力を要せず人件費を抑えることができる。
【0047】
また、このようなシステムにおいて、圧力調整による煮込み系調理を可能としたことによって、煮込み系調理を取り入れても全調理工程を60分程度のサイクルで仕上げることができ、従来は調理時間の短い「焼く」、「揚げる」、「炒める」に偏っていた献立において、栄養バランスのよい煮込み系のヘルシーなメニューを取り入れることができる。また、このシステムを実行する調理装置(1)の占領時間を短くすることができるので、クックチルとの連携によって多くの煮込み系のメニューを献立に加えることができる。なお、クックチルとは、工場で加熱調理した食品を急速に冷やしチルド状態(0〜3℃)で低温保存し、提供直前に再加熱する調理・保存の技術である。
【0048】
また、第3制御手段(23)が、入力手段(27)によって入力された調理方法の情報に従い、時間計測手段(25)及び水量センサ(15)による情報に基づいて、水供給手段(8)の作動を制御するようにしたので、水加減を一定化することができるとともに、水が供給されている間に調味料等を加えることができ、より時間を短縮し、蓋部(5)の開放時間も短縮することによって熱損失を少なくすることができる。
【0049】
次に、レシピ情報格納手段(31)に格納された調理方法に従って調理する場合の動作について、図1及び図2に基づいて説明する。
なお、レシピ情報格納手段(31)には、所定分量の所定の被調理物が、調理される所定の調理モードに応じた好適な温度値、圧力値及び水量値並びにこれらの設定時間からなるレシピ情報、即ち、時系列で変化する温度値及び圧力値の情報が複数記憶されている。該レシピ情報は、所定の被調理物の分量だけでなく、切り方の違いによる大きさ等に応じても異なる値が設定されることになる。これらのレシピ情報は、調理名で読み出せるように格納されている。ここでは、レシピ情報格納手段(31)に記憶されているレシピ情報を有する調理名のうち、「チキンカレー」を選択した場合について説明する。
【0050】
図7は、レシピ情報格納手段から調理名を選択して実施する際に入力手段に表示される画面の一例を示す表示画面図である。
まず、調理装置(1)の電源が入れられると、入力手段(27)にTOP画面(51)が表示される。このTOP画面(51)の「メモリ」ボタンが選択されると、メモリ読出し選択画面(73)へ遷移し、レシピ情報格納手段(31)に格納されているレシピ情報の調理名が読み出されて表示される(ステップ11)。
【0051】
次いで、前記メモリ読出し選択画面(73)に表示された調理名から「チキンカレー」を選択すると、メモリ読出し内容確認画面(75)へ遷移し、「確定」ボタンを押下すると調理START画面(57)へ遷移する(ステップ12)。
【0052】
調理START画面(57)の「START」ボタンが押下されると、第1制御手段(21)は、レシピ情報格納手段(31)から取得した「チキンカレー」のレシピ情報、即ち、メモリ読出し内容確認画面(75)に表示された内容に基づいて、調理鍋(2)の鍋底温度が300℃になるように加熱手段(4)を作動させる。その後、第1制御手段(21)は、鍋底温度を検出する第1温度検出センサ(11)から300℃を検出したという情報を取得すると、ブザーを作動するとともに、蓋部(5)のロックを解除する(ステップ13)。
【0053】
このブザーに応じて、調理実施者は、調理鍋(2)に油をひき、鶏肉、野菜の順に入れて5分間炒め、にんにくペースト(40g)を加えてさらに炒める。この間、第1制御手段(21)は、ステップ2と全く同様に、鍋底温度が300℃を保つように、第1温度検出センサ(11)からの情報を受けながら、加熱手段(4)及び冷却手段(6)を稼動又は停止させる(ステップ14)。
【0054】
「焼く、炒める」の5分間が経過すると、第1制御手段(21)は、ステップ3と全く同様に、ブザーを作動し、第3制御手段(23)が、レシピ情報格納手段(31)から取得した「チキンカレー」のレシピ情報に基づいて、水34Lを供給するように水供給手段(8)の停止弁を解除して給水を開始させる。その後、第3制御手段(23)は、水量センサ(15)から34Lを検出したという情報を取得すると、水供給手段(8)の停止弁を作動させて給水を終了する(ステップ15)。この水を供給している間に、調理実施者はブイヨンを加える。
【0055】
水の供給を終了し、調理実施者が蓋部(5)を閉めると、第1制御手段(21)は、ステップ4と全く同様に、蓋部(5)をロックして「圧力調理」を開始する。即ち、レシピ情報格納手段(31)から取得した情報(内部圧力40kPaで20分間調理)に従い、第2制御手段(22)は、圧力センサ(14)からの圧力情報に応じて蒸気調整手段(7)を制御するとともに、第1制御手段(21)に促して加熱手段(4)を制御し、圧力40kPaを維持するように圧力制御を行う(ステップ16)。
【0056】
ここで、ステップ13〜ステップ16の調理中、入力手段(27)のタッチパネルには調理中画面(61)や各工程画面(63)が表示されるが、何らかの不具合が生じた場合にはその旨を知らせる画面を表示するようにしてもよい。
図8は、調理中に入力手段に表示される警告画面及びエラー発生確認画面の一例を示すレイアウト図である。図9は、警告又はエラー発生の原因を確認するための画面の一例を示すレイアウト図である。
【0057】
例えば、調理鍋(2)内の水分が無くなった場合には警告画面(81)を表示し、エラーが発生した場合には調理を強制終了してTOP画面(51)に戻って告知ウィンドウが開かれたエラー確認画面(82)を表示し、調理実施者に確認を促すようにする。警告画面(81)の「確認」ボタンが押下されると、警告画面(81)の警告ウィンドウが消え、調理設定画面(55)が表示されるので、TOP画面(51)に戻って「温度モニタ」又は「エラーモニタ」ボタンを押下することによって不具合の原因を確認する。また、エラー確認画面(82)の「確認」ボタンが押下されると、告知ウィンドウが消え、TOP画面(51)が表示される。「温度モニタ」ボタンが押下されると温度モニタ画面(91)が表示され、温度の異常を確認することができる。また、「エラーモニタ」ボタンが押下されるとエラーモニタ画面(92)が表示されるので、各種異常を確認することができる。これら各種異常は、第1〜第3温度検出センサ(11、12、13)、圧力センサ(14)、水量センサ(15)と、蓋部(5)の開閉を検知するセンサ等によって検知することができる。
【0058】
20分が経過すると、第1制御手段(21)は、ブザーを作動するとともに、蓋部(5)のロックを解除する。
このブザーに応じて、調理実施者は、調理鍋(2)内にカレールウ、醤油及びウスターソースを加えて10分間かき混ぜながら被調理物にとろみをつける(ステップ17)。
【0059】
「蓄熱調理」を終了すると、「チキンカレー」が完成する。このメモリを利用した調理においても、全工程を終了すると、調理情報画面(65)に遷移し、各工程の調理結果が表示される。
調理の全工程を終了した後は、調理鍋(2)の洗浄を完了すると、加熱手段(4)を作動して鍋を乾燥する。
図10は、調理鍋洗浄後に調理鍋を乾燥するための画面の一例を示すレイアウト図である。
調理鍋(2)の洗浄完了後、TOP画面(51)の「手動操作」ボタンが押下されると、手動操作画面(101)に遷移し、「洗浄完了」ボタンが押下されると、第1制御手段(21)は、加熱手段(4)を所定時間作動させ、調理鍋(2)を乾燥させる。
【0060】
このように、第1及び第2制御手段(21、22)が、レシピ情報格納手段(31)から選択した調理名が有するレシピ情報に従い、時間計測手段(25)及び各種センサ(11、12、13、14)による情報に基づいて、加熱手段(4)、冷却手段(6)及び蒸気調整手段(7)の作動を制御するようにしたので、調理方法に応じて予め設定された時間、温度及び圧力を利用して調理をシステム化して進行させ管理することができ、調理実施者の能力によらず、常に最良の状態で料理を仕上げることが可能となる。調理実施者は、自ら調理時間、温度及び圧力を設定する必要もなく、下ごしらえをし、材料や調味料を順次加えたり、少しの時間かき混ぜたりするだけでよく、蓋部(5)を閉めれば自動運転調理が実施されるので、さらに労力を要せず調理に要する時間を軽減して人件費を抑えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、蓋を有して内部を密閉できる調理鍋を有する調理装置に対して好適に利用されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明に係る調理システムの実施形態の一例のシステム構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る調理システムを実行する調理装置の一例を示す斜視図である。
【図3】図2の調理装置を右側から見た様子を示す右側面図である。
【図4】入力手段から調理方法を入力して設定する際に入力手段に表示される一連の画面の一例を示す画面遷移図である。
【図5】入力手段から現在時刻を入力する際に入力手段に表示される画面の一例を示すレイアウト図である。
【図6】調理開始後に入力手段に表示される一連の画面の一例を示す表示画面遷移図である。
【図7】レシピ情報格納手段から調理方法を選択して実施する際に入力手段に表示される画面の一例を示す表示画面図である。
【図8】調理中に入力手段に表示される警告画面及びエラー発生確認画面の一例を示すレイアウト図である。
【図9】警告又はエラー発生の原因を確認するための画面の一例を示すレイアウト図である。
【図10】調理鍋洗浄後に調理鍋を乾燥するための画面の一例を示すレイアウト図である。
【符号の説明】
【0063】
1 調理装置
2 調理鍋
4 加熱手段
5 蓋部
6 冷却手段
7 蒸気調整手段
11 第1温度検出センサ
12 第2温度検出センサ
13 第3温度検出センサ
14 圧力センサ
21 第1制御手段
22 第2制御手段
27 入力手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓋を有して内部を密閉できる調理鍋において被調理物を調理する調理システムであって、
調理鍋の底を加熱する加熱手段と、
前記加熱手段による過熱を冷却する冷却手段と、
調理鍋から蒸気を排出して調理鍋内の蒸気を調整する蒸気調整手段と、
調理鍋の鍋底温度を検出する第1温度検出センサと、調理鍋の鍋内温度を検出する第2温度検出センサと、調理鍋に収容される被調理物の芯温を検出する第3温度検出センサと、
調理鍋内の圧力を検出する圧力センサと、
時間を計測する時間計測手段と、
所望の時間、温度及び圧力を入力する入力手段と、
該入力手段によって入力された時間及び温度に従い、時間計測手段及び第1〜第3温度検出センサからの検出値に基づいて加熱手段及び冷却手段の作動を制御する第1制御手段と、
前記入力手段によって入力された時間及び圧力に従い、時間計測手段及び圧力センサからの検出値に基づいて蒸気調整手段の作動を制御するとともに、圧力制御のために第1制御手段と連携する第2制御手段とを有し、
前記入力手段は、調理モードに応じて、温度、圧力及び時間のうちの一又は複数の値を入力するように設定されていることを特徴とする調理システム。
【請求項2】
前記入力手段は、さらに調理鍋内に供給する水量値を入力し、
停止弁を備えて調理鍋内に水を供給する水供給手段と、
調理鍋内に供給される水の量を検出する水量センサと、
前記入力手段によって入力された時間及び水量に従い、時間計測手段及び水量センサからの検出値に基づいて水供給手段の停止弁を開閉する第3制御手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載の調理システム。
【請求項3】
調理モードに応じた時間、温度、圧力及び水量のうちの一又は複数の値が予め設定されたレシピ情報が調理名を付されて記憶されたレシピ情報格納手段を有し、
前記入力手段は、前記レシピ情報格納手段から所望の調理名を選択し、この選択された調理名が付されたレシピ情報に従い、前記各制御手段は、加熱手段、冷却手段、蒸気調整手段又は水供給手段を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の調理システム。
【請求項4】
前記入力手段又はレシピ情報格納手段は、複数の調理モードを要する調理において、各調理モードを各工程として工程ごとに時間、温度、圧力及び水量のうちの一又は複数の値が入力されるように設定されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の調理システム。
【請求項5】
前記各制御手段は、各工程終了後に一旦制御を停止し、前記入力手段からの次工程開始の指示によって、次工程における制御を開始することを特徴とする請求項4に記載の調理システム。
【請求項6】
前記入力手段は、予め設定された表示画面及び画面遷移のタッチパネルにおいて各指示を入力するようになっていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の調理システム。
【請求項7】
前記各種センサによって検出された値が時系列で記録される記録手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の調理システム。
【請求項8】
前記レシピ情報格納手段は、前記入力手段から調理モードに応じて入力された値をレシピ情報として調理名を付して記憶することを特徴とする請求項3乃至7のいずれかに記載の調理システム。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−282700(P2007−282700A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−110718(P2006−110718)
【出願日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成18年1月15日 日本電熱協会発行の「エレクトロヒート第145号」に発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第3項適用申請有り 平成18年3月14日〜17日 社団法人日本能率協会主催の「第6回厨房設備機器展」に出品
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成18年3月1日 社団法人全日本司厨士協会発行の「西洋料理3 第52巻第3号(通巻675号)に発表
【出願人】(591174553)ニチワ電機株式会社 (28)
【Fターム(参考)】