説明

超音波エッジ洗浄装置

【課題】 従来の超音波エッジ洗浄装置では、円錐形状に形成したホーン3の先端に二股部3a、3bを形成しているため、その二股部3a、3bが非常に短いので、被洗浄物1の端部の僅かな部分しか洗浄できないという問題がある。
【解決手段】 背面部6に洗浄液の供給部7及び排出部8装着し、背面部6の上端及び下端から傾斜壁9,10が対向するように形成され、傾斜壁9,10の間に挿入部11を形成し、傾斜壁9,10の間に側壁12,13を形成することにより、筐体14が形成され、挿入部11が側壁12,13に延長して切り欠き部15が形成されるように構成し、傾斜壁9,10にそれぞれ超音波振動子14,15が装着され、さらに、超音波振動子14,15に発振器(図示せず)から発振出力が印加されており、超音波振動子14,15を覆うように外壁16が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体の傾斜した対向壁に装着した超音波振動子から超音波を照射するようにし、筐体の対向壁の間に挿入したワークを洗浄する超音波エッジ洗浄装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、図4に示すように、半導体ウエハのような被洗浄物1が回転するように支持され、被洗浄物1のエッジ1aの近傍に洗浄液供給部2が装着され、又、円錐形状に形成されたホーン3の先端に鋭角(90度以下)に切り込みを設けて二股部3a、3bが構成され、この二股部3a、3bは被洗浄物1のエッジ1aを挟むように微小間隙を開けて装着され、さらに、ホーン3の後端に形成された拡大部3cに超音波振動子4が装着され、超音波振動子4に超音波発振器5から発振出力が印加されている。
【0003】
しかしながら、このよう構成された超音波エッジ洗浄装置では、円錐形状に形成したホーン3の先端に二股部3a、3bを形成しているため、その二股部1aが非常に短いので、被洗浄物1の端部の僅かな部分しか洗浄できないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−21314
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする問題点は、従来の超音波エッジ洗浄装置では、円錐形状に形成したホーン3の先端に二股部3a、3bを形成しているため、その二股部3a、3bが非常に短いので、被洗浄物1の端部の僅かな部分しか洗浄できないという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明では、背壁部に洗浄液の供給部及び排出部を設け、前記背壁部の上下部からほぼ中央に向けて突出した傾斜壁を設け、該傾斜壁の先端の間に挿入部を設け、前記傾斜壁の間に形成した側壁に前記挿入部から続けて切り欠きを設けた筐体と、該筐体の前記傾斜壁にそれぞれ装着した超音波振動子とからなり、前記挿入部に基板の端部を挿入し、前記供給部から洗浄液を供給し、前記超音波振動子からの超音波とともに、前記基板のエッジ及びその近傍を洗浄するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の超音波エッジ洗浄装置では、筐体の中央の切り欠き部から筐体の内部に形成した傾斜部の間に基板のエッジを挿入して、洗浄しているので、切り欠き部を長く形成することにより、基板のエッジを深く挿入することができ、基板のエッジをより幅広く洗浄することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施例の超音波エッジ洗浄装置の側面断面図である。
【図2】図1の超音波エッジ洗浄装置の側面図である。
【図3】図1の超音波エッジ洗浄装置の斜視図である。
【図4】従来の超音波エッジ洗浄装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明では、超音波振動子を筐体の内部に傾斜部を形成し、傾斜部の間に挿入部を形成し、傾斜部の間に形成した側壁に挿入部から続けて切り欠き部を形成することにより、基板を広い幅で挿入して洗浄することができる。
【実施例】
【0010】
図1は本発明の実施例の超音波エッジ洗浄装置の側面断面図で、背面部6に洗浄液の供給部7及び排出部8装着し、又、背面部6の上端及び下端から傾斜壁9,10が対向するように形成され、傾斜壁9,10の間に挿入部11を形成し、傾斜壁9,10の間に側壁12,13を形成することにより、筐体14が形成され、さらに、挿入部11が側壁12,13に延長して切り欠き部15が形成されるように構成し、又、傾斜壁9,10にそれぞれ超音波振動子16,17が装着され、さらに、超音波振動子16,17に発振器(図示せず)から発振出力が印加されており、又、超音波振動子16,17を覆うように外壁18が形成されている。
【0011】
このように構成した本実施例の超音波エッジ洗浄装置では、筐体14の供給部7から洗浄液を供給し、被洗浄物19を挿入部11から切り欠き部15に挿入すると、筐体14の内部に洗浄液が充満し、さらに、被洗浄物19に沿って切り欠き部15及び挿入部11から流れ出し、その状態で超音波振動子16,17に発振器から発振出力を印可すると、被洗浄物19のエッジ19aから内側まで洗浄される。
【0012】
本発明は、このように筐体14の内部に洗浄液を供給し、この洗浄液に向けて超音波振動子14,15から超音波を照射し、この洗浄液に被洗浄物19のエッジ19aを挿入することにより、被洗浄物19のエッジ19aを幅広く洗浄することができるという利点がある。
【産業上の利用可能性】
【0013】
なお、本発明の上記実施例では、筐体14の外側に外壁16を設けたが、筐体14の壁が強ければ、外壁16を設ける必要がない。
【符号の説明】
【0014】
6 背面部
7 供給部
8 排出部
9、10 傾斜面
11 挿入部
12,13 側壁
14 筐体
15 切り欠き部
16、17 超音波振動子
18 外壁
19 被洗浄物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
背壁部に洗浄液の供給部及び排出部を設け、前記背壁部の上下部からほぼ中央に向けて突出した傾斜壁を設け、該傾斜壁の先端の間に挿入部を設け、前記傾斜壁の間に形成した側壁に前記挿入部から続けて切り欠きを設けた筐体と、該筐体の前記傾斜壁にそれぞれ装着した超音波振動子とからなり、前記挿入部に基板の端部を挿入し、前記供給部から洗浄液を供給し、前記超音波振動子からの超音波とともに、前記基板のエッジ及びその近傍を洗浄することを特徴とする超音波エッジ洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−282994(P2010−282994A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−132764(P2009−132764)
【出願日】平成21年6月2日(2009.6.2)
【出願人】(000243364)本多電子株式会社 (255)
【Fターム(参考)】