説明

車両の下部車体構造

【課題】
この発明は、車両の下部車体構造において、タイダウン係合部の取付け剛性を高めつつも、サブフレームの組付け性を悪化させることがない車両の下部車体構造を提供することを目的とする。
【解決手段】
本実施形態は、リアサイドフレーム3下面に接合した連結ブラケット9を介して、サブフレーム8を締結固定している。そして、この連結ブラケット9に本体部91から車両前方側に延びる延出部95を形成し、この延出部95に、タイダウン係合部2等を締結固定している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両の下部車体構造に関し、特に、タイダウンフックの係合部を設けた車両の下部車体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の下部車体には、トレーラや鉄道の貨車等での車両搬送時に、該車両を固定するためのタイダウンフックの係合部(以下、タイダウン係合部)を設けることが、知られている。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、フロントサイドフレームにサブフレームを連結する連結部材に、タイダウン係合部を設けた下部車体構造が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−40141号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
もっとも、このタイダウン係合部には、タイダウン時に大きな荷重が作用するため、ある程度高い取付け剛性が必要である。
【0006】
前述の特許文献1のように、サブフレームの連結部材にタイダウン係合部を設けた場合には、こうした取付け剛性を十分に確保できず、タイダウン係合部や連結部材が変形するおそれが生じる。
【0007】
このため、より高い取付け剛性が確保できるように、連結部材だけではなく、車両前後方向に延びるサイドフレームに対しても、タイダウン係合部を連結固定することが考えられる。
【0008】
しかしながら、このように連結部材とサイドフレームにタイダウン係合部を固定した場合には、新たな問題が生じる。
【0009】
それは、サブフレームを車体に組付ける際、連結部材に設けたタイダウン係合部が邪魔をして組付け性を悪化させるという問題である。
【0010】
すなわち、サブフレームは、車両下方側から連結部材を介してサイドフレームに締結固定されるが、タイダウン係合部も連結部材とサイドフレームに固定した状態で、車両下方側に突出しているため、サブフレームの車両下方側からの組付けの際にサブフレーム等に干渉してしまうのである。
【0011】
そこで、この発明は、車両の下部車体構造において、タイダウン係合部の取付け剛性を高めつつも、サブフレームの組付け性を悪化させることがない車両の下部車体構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明の車両の下部車体構造は、車両前後方向に延びるフレーム部材と、該フレーム部材の下方に離間して該フレーム部材に結合した連結部材を介して連結するサブフレームとを備える車両の下部車体構造であって、前記連結部材に、サブフレームの連結部よりも車両前方又は後方に延びる延出部を形成し、該延出部に、車両固定用のタイダウン係合部を設け、該タイダウン係合部を、前記連結部材とフレーム部材に共締め固定したものである。
【0013】
上記構成によれば、連結部材に、サブフレームの連結部よりも車両前方又は後方に延びる延出部を形成し、その延出部において、車両固定用のタイダウン係合部を設け、連結部材とフレーム部材に共締め固定することになる。
【0014】
このため、タイダウン係合部は、連結部材の延出部で、連結部材だけではなくフレーム部材にも固定されることになり、また、サブフレームの連結部よりも車両前方又は後方位置で固定されることになる。
【0015】
すなわち、連結部材の延出部にタイダウン係合部を設けることにより、サブフレームの組付けに影響の少ない、サブフレームの連結部よりも車両前方又は後方位置で、タイダウン係合部を固定しつつも、連結部材とフレーム部材に締結固定することができるのである。
【0016】
なお、連結部材の延出部の形状については、フレーム部材に沿って延出する形状であれば、特に限定されるものではない。
【0017】
また、延出部の延出方向も車両前方又は後方側であれば、いずれであっても良いが、望ましくは、サブフレームの組付け状態で、サブフレームが配置されない側に延出する方が良い。作業者がタイダウンフックをタイダウン係合部に係合させる際に、サブフレームがない方が係合しやすいからである。
【0018】
さらに、タイダウン係合部についても、プレート部材に係合穴を穿設したもの、ロッド部材を環状に形成して係合穴を設けたもの等々、特に限定されるものではない。
【0019】
この発明の一実施態様においては、前記連結部材の延出部に一端を結合し、他端を該延出部の延出方向に延出して前記フレーム部材に結合する延出部材を設けたものである。
【0020】
上記構成によれば、連結部材の延出部に一端を結合し、他端を延出部の延出方向に延出してフレーム部材に結合する延出部材を設けることで、連結部材の延出部とフレーム部材との間を連結することになる。
【0021】
このため、連結部材の延出部は、延出部材によって強固にフレーム部材に結合されることになる。
【0022】
よって、連結部材の延出部の取付け剛性が高まり、タイダウン係合部から大きな荷重を受けたとしても、延出部が変形等することがなく、確実にタイダウン荷重を受けることができる。
【0023】
この発明の一実施態様においては、前記フレーム部材の車幅方向内方側に、燃料タンクを配置し、前記延出部材に、該燃料タンクの底部よりも下方へ突出する突出部位を設けたものである。
【0024】
上記構成によれば、延出部材に、燃料タンクの底部よりも下方へ突出する突出部位を設けることで、延出部材の方が、燃料タンクよりも先に路面等に当接(干渉)することになる。
【0025】
よって、延出部材に、燃料タンクを保護する保護部材としての機能を兼ねさせることができるため、悪路走行用の保護部材を別途設ける必要がなくなる。
【0026】
この発明の一実施態様においては、前記延出部に、車輪のサスペンション装置を取付けたものである。
【0027】
上記構成によれば、延出部材で補強された延出部に、車輪のサスペンション装置(例えばサスペンションアーム等)を取付けることになる。
【0028】
よって、サスペンション装置取付けのための補強部材を、別途設けることなく、サスペンション装置の取付け剛性を高めることができる。
【0029】
この発明の一実施態様においては、前記サスペンション装置のうち車輪の車両前後方向位置を規定するトレーリングアームを、前記延出部の車幅方向一端部に取付け、前記タイダウン係合部を、該延出部の車幅方向他端部に設け、前記延出部材の一端を、該延出部の車幅方向中央に結合したものである。
【0030】
上記構成によれば、トレーリングアームを、延出部の車幅方向一端部に取付け、タイダウン係合部を、延出部の車幅方向他端部に設け、延出部材の一端を、延出部の車幅方向中央に結合することになるため、延出部に対して荷重が作用する位置を車幅方向の両端部に分断して、車幅方向中央で延出部を強固に固定することになる。
【0031】
このため、延出部材による取付け剛性の向上を、効率的に機能させることができる。すなわち、延出部材を車幅方向中央に結合することで、車幅方向一端のトレーリングアームからの前後方向荷重に対しても、車幅方向他端のタイダウンフックからの荷重に対しても、効果的に取付け剛性を機能させることができるのである。
【0032】
よって、延出部にトレーリングアームとタイダウン係合部という複数の荷重入力点がある場合でも、延出部材によって効果的に取付け剛性を向上することができる。
【発明の効果】
【0033】
この発明によれば、連結部材の延出部に、タイダウン係合部を設けることにより、サブフレームの組付けに影響の少ない、サブフレームの連結部よりも車両前方又は後方位置でタイダウン係合部を固定しつつも、連結部材とフレーム部材に締結固定することができる。
【0034】
したがって、車両の下部車体構造において、タイダウン係合部の取付け剛性を高めつつも、サブフレームの組付け性を悪化させないことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。
まず、図1、図2で本実施形態の車両の下部車体構造について説明する。図1は、車両のタイダウン状態を示した全体側面図、図2は車両の下部車体構造の底面図である。
【0036】
本実施形態の車両Vは、図1に示すように、所謂ピックアップトラックであり、車両後部に荷台を備える車両Vである。
【0037】
この車両V下部の中央部後方には、燃料を入れる燃料タンク1を配置している。そして、この燃料タンク1の車両後方側には、車両Vを搬送する際に当該車両Vを固定するタイダウンフックHを係合するタイダウン係合部2を設けている。
【0038】
このタイダウン係合部2に、車両V搬送時にタイダウンフックHが係合することで、搬送手段Cとの間でタイダウンベルトTが緊締される。こうして緊締されることで、タイダウンベルトTは、大きなタイダウン荷重をタイダウン係合部2に与えることになる。
【0039】
本実施形態の下部車体構造は、図2に示すように、車両前後方向に延びる一対のリアサイドフレーム3,3と、その外側で車両中央部(図面の左側)において車両前後方向に延びる一対のサイドシル4,4と、リアサイドフレーム3とサイドシル4との間で車幅方向に延びる複数のトルクボックス5…と、を備えている。また、この一対のリアサイドフレーム3,3の間には、前述の燃料タンク1を、長手方向が車幅方向を向くように配置している。
【0040】
この燃料タンク1は、リアサイドフレーム3,3に各角部の四点で締結固定することで、車体に対して強固に固定している。また、燃料タンク1の車幅方向中央部には、燃料タンク1の車両前後位置に亘って車幅方向に所定幅を持って延びる保護プレート6を設けている。
【0041】
燃料タンク1の両側位置には、悪路走行時に燃料タンク1を保護する保護バー7,7を配置している。この保護バー7,7は、円筒状のパイプ部材で構成され、燃料タンク1側部を保護するため、燃料タンク1に沿って車両前後方向に延びるように配設している。
【0042】
また、この保護バー7は、その前端及び後端のフランジ部71,72を、リアサイドフレーム3等に締結固定することで、車体に対して強固に固定している。
【0043】
燃料タンク1の車両後方側には、後輪(図示せず)のサスペンション装置等を懸架支持するサブフレーム8(図2の一点鎖線で囲んだ部分)を配置している。
【0044】
このサブフレーム8は、リアサイドフレーム3,3の下方で、該リアサイドフレーム3,3間を架渡すように配置され、前端の固定部等でリアサイドフレーム3,3下面に接合した連結ブラケット9,9を介して、リアサイドフレーム3,3に締結固定している。
【0045】
前述のタイダウン係合部2,2は、前述のように燃料タンク1の車両後方側位置に設けられ、前述の連結ブラケット9,9を介してリアサイドフレーム3,3に締結固定している。
【0046】
前述の連結ブラケット9とタイダウン係合部2等の詳細構造ついて、図3〜図5により説明する。図3は、連結ブラケット9の近傍の詳細底面図、図4はその詳細側面図、図5は図3のA−A線矢視断面図である。
【0047】
本実施形態の連結ブラケット9は、サイドシル4の位置より車両後方側のリアサイドフレーム3に設けられ、該リアサイドフレーム3の車両上方側へ屈曲する屈曲部3aの下側に接合している。
【0048】
この連結ブラケット9は、本体部91を車両前後方向に延びるコの字断面のブラケット部材で構成し、本体部91の下側面にサブフレーム8上端部を受ける膨出段部92を形成し、その膨出段部92の中央にサブフレーム8の連結部となるボルト挿通穴93を形成している。また、本体部91の両側面には、リアサイドフレーム3の側面に強固に接合する接合部94,94を設けている。
【0049】
さらに、この連結ブラケット9には、本体部91から車両前方側に延びる延出部95を形成している。この延出部95もコの字状断面で車両前後方向に延び、リアサイドフレーム3の両側面と下面に、それぞれ接合している。
【0050】
この延出部95には、前述のタイダウン係合部2等を締結固定している。すなわち、図5に示すように、延出部95の車幅方向内方側の側面にタイダウン係合部2を締結固定し、延出部95の下面に保護バー7の後端フランジ部72と、サスペンション装置のトレーリングアーム82の取付けフランジ部81を締結固定している。
【0051】
前述のタイダウン係合部2は、平板状のプレート部材で構成し、下部の中央にタイダウンフックHを係合する長孔形状の係合穴21を形成している。
【0052】
また、タイダウン係合部2の車両前後方向の両端縁には、折り曲げ部22,22を形成して、タイダウン係合部2の自体の強度を高めている。
【0053】
さらに、タイダウン係合部2の上部には、正三角形を構成するように三つの挿通穴23(図5参照)を形成し、三本の締結ボルト24…でタイダウン係合部2を確実に且つ強固にリアサイドフレーム3と連結ブラケット9に共締め固定している。
【0054】
このタイダウン係合部2には、前述のように車両タイダウン時にタイダウンフックHが係合して大きなタイダウン荷重が作用するが、このように、リアサイドフレーム3と連結ブラケット9に共締め固定することで、タイダウン係合部2の取付け剛性が高まり、破損変形等のおそれがなくなる。
【0055】
また、共締め固定する場所を、車両前方側に延出する延出部95とすることで、サブフレーム8の組付け作業の際に、タイダウン係合部2が邪魔になることはなく、組付け性を悪化させることもない。
【0056】
さらに、この延出部95が、サブフレーム8の組付け配置位置(車両後方位置)とは反対側(車両前方側)に延出しているため、作業者がタイダウンフックHをタイダウン係合部2に係合させる際に、サブフレーム8が邪魔にならず係合作業の作業性を向上することができる。
【0057】
前述の保護バー7は、前端と後端のフランジ部71,72と車両下方側に突出したパイプ状の突出部73とから構成している。
【0058】
このうち、突出部73の車両下方側の突出量は、燃料タンク1の底部1a(図4参照)よりも下側に突出するように設定している。突出部73をこのように設定することで、悪路を走行する場合などに、保護バー7の方が、燃料タンク1よりも先に路面等に当接(干渉)するため、燃料タンクを保護できる。
【0059】
また、保護バー7は、後端のフランジ部72を連結ブラケット9の延出部95に締結固定して、前端のフランジ部71をリアサイドフレーム3に締結固定しているため、延出部95の取付け剛性を高める機能も有する。特に、保護バー7が車両前後方向に延びるように配設されているため、延出部95の車両前後方向の取付け剛性を高めることができる。
【0060】
このため、延出部95は、保護バー7によって強固にリアサイドフレーム3に結合され、取付け剛性が高まることになり、タイダウン係合部2から大きなタイダウン荷重を受けたとしても、延出部95が破損変形等することがなく、確実にタイダウン荷重を受けることができる。
【0061】
また、こうした取付け剛性を向上する部材を保護バー7を利用(兼用)して構成することで、各部材を別々に設ける必要がなくなり、コスト削減、レイアウトスペースの減少といった効果を得ることができる。
【0062】
サスペンション装置のトレーリングアーム82(一点破線で示したリンク)は、車両前後方向に延びて後輪の車両前後方向位置を規定するリンク部材である。このため、前述のトレーリングアーム82の取付けフランジ部81には、車両前後方向の大きなサスペンション荷重が入力されることになる。
【0063】
もっとも、この取付けフランジ部81は、前述のように保護バー7で強固に連結された延出部95に締結固定されているため、取付け剛性が高く、確実にこのサスペンション荷重を受けることができる。特に、連結ブラケット9の延出部95に締結固定したことにより、別途補強部材を設けずに、サスペンション装置の取付け剛性を高めることができる。
【0064】
以上のように、連結ブラケット9の延出部95に対して様々な部材を締結固定することにより、様々な効果を奏することができるが、さらに、各部材の締結固定の位置関係を見ると、次の効果も奏する。
【0065】
図6は、延出部95に対する各部材の締結位置による効果を説明する模式図である。なお、各構成要素は、前述した同一の符号を付して説明を省略する。
【0066】
この図6に示すように、連結ブラケット9の延出部95には、保護バー7の後端のフランジ部72を、車幅方向中央位置で締結固定し、トレーリングアーム82の取付けフランジ部81を、車幅方向外方位置で締結固定し、さらにタイダウン係合部2を車幅方向内方端で締結固定している。
【0067】
すなわち、延出部95の取付け剛性を高める保護バー7を中央で締結固定して、延出部95に荷重を入力するトレーリングアーム82の取付けフランジ部81とタイダウン係合部2を、それぞれ分断して車幅方向の外方と内方で締結固定しているのである。
【0068】
このように締結固定することにより、保護バー7による取付け剛性の向上を、トレーリングアーム82、タイダウンフックH、いずれからの入力荷重に対しても、効果的に機能させることができる。
【0069】
特に、トレーリングアーム82からの車両前後方向荷重や、タイダウンフックHからの車両前後方向荷重(なお、タイダウンフックHからは車幅方向の荷重も作用するが、延出部95の側面部に締結固定されているため、車幅方向の荷重は、リアサイドフレーム3の側面が受けることになる。)に対して、保護バー7が車両前後方向に延びて、車両前後方向の取付け剛性を高めているため、適切に取付け剛性を向上することができる。
【0070】
なお、例えば、延出部95に対して保護バー7を車幅方向の一端側に締結固定し、タイダウン係合部2とトレーリングアーム82の取付けフランジ部81を、二つとも他端側に締結固定した場合には、常に一端側から大きな荷重が入力されるため、保護バー7に対する負担が大きくなり、本実施形態と同様の取付け剛性を確保するには、さらに締結力を高める必要等が生じ、効率的に取付け剛性を向上することはできない。
【0071】
このように、本実施形態では、各部材の締結固定の位置関係を工夫することにより、効率的な取付け剛性を確保することができる。
【0072】
もっとも、この位置関係は、内方側をトレーリングアーム、外方側をタイダウン係合部と逆にしても同様の効果を得ることができる。
【0073】
以上のように、本実施形態では、連結ブラケット9に車両前方側に延びる延出部95を設けて、タイダウン係合部2等を締結固定したが、サブフレーム8の組付け作業の際に、邪魔にならないようにリアサイドフレーム3に沿って延びるのであれば、車両後方側に延びるように延出部を設けてもよい。
【0074】
また、延出部95の形状も、コの字状断面以外にも、L字断面や、平板形状であってもよい。
【0075】
さらに、タイダウンフックHが係合するタイダウン係合部2も、プレート状の部材以外にも、ロッド部材を環状に成形したものでも良く、特に限定されるものでもない。
【0076】
加えて、本実施形態では、車両後部のリアサイドフレーム3で説明したが、当然、車両前部のフロントサイドフレームに設けるタイダウン係合部2や連結ブラケット9において、本発明を実施してもよい。
【0077】
以上、この発明の構成と、前述の実施形態との対応において、
この発明のフレーム部材は、実施形態のリアサイドフレーム33に対応し、
以下同様に、
連結部材は、連結ブラケット9に対応し、
延出部材は、保護バー7に対応するも、
この発明は、前述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、全ての車両の下部車体構造に適用する実施形態を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本実施形態の車両のタイダウン状態を示した全体側面図。
【図2】本実施形態の車両の下部車体構造の底面図。
【図3】連結ブラケットの近傍の詳細底面図。
【図4】連結ブラケットの近傍の詳細側面図。
【図5】図3のA−A線矢視断面図。
【図6】延出部に対する各部材の締結位置による効果を説明する模式図。
【符号の説明】
【0079】
H…タイダウンフック
V…車両
1…燃料タンク
2…タイダウン係合部
3…リアサイドフレーム(フレーム部材)
7…保護バー(延出部材)
8…サブフレーム
82…トレーリングアーム(サスペンション装置)
9…連結ブラケット(連結部材)
95…延出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両前後方向に延びるフレーム部材と、該フレーム部材の下方に離間して該フレーム部材に結合した連結部材を介して連結するサブフレームとを備える車両の下部車体構造であって、
前記連結部材に、サブフレームの連結部よりも車両前方又は後方に延びる延出部を形成し、
該延出部に、車両固定用のタイダウン係合部を設け、
該タイダウン係合部を、前記連結部材とフレーム部材に共締め固定した
車両の下部車体構造。
【請求項2】
前記連結部材の延出部に一端を結合し、他端を該延出部の延出方向に延出して前記フレーム部材に結合する延出部材を設けた
請求項1記載の車両の下部車体構造。
【請求項3】
前記フレーム部材の車幅方向内方側に、燃料タンクを配置し、
前記延出部材に、該燃料タンクの底部よりも下方へ突出する突出部位を設けた
請求項2記載の車両の下部車体構造。
【請求項4】
前記延出部に、車輪のサスペンション装置を取付けた
請求項2又は3記載の車両の下部車体構造。
【請求項5】
前記サスペンション装置のうち車輪の車両前後方向位置を規定するトレーリングアームを、前記延出部の車幅方向一端部に取付け、
前記タイダウン係合部を、該延出部の車幅方向他端部に設け、
前記延出部材の一端を、該延出部の車幅方向中央に結合した
請求項4記載の車両の下部車体構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2006−123585(P2006−123585A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−310798(P2004−310798)
【出願日】平成16年10月26日(2004.10.26)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】