説明

車両内装部品の製造方法および車両内装部品

【課題】 表皮材で覆った車両内装部品の製造を容易とする。
【解決手段】 金型12の、表皮側のキャビティ面14aを有する金型14に、表皮材の下地となる透明ないし半透明の薄膜18をセットして一体成形する。よって、表皮材26と、ウレタン24と、樹脂基材20とからなる一体発泡部品25の、ウレタン欠損の有無を、透明ないし半透明の薄膜18を透して視覚的に把握することが可能となる。一体発泡部品のウレタン欠損の有無の検査を、作業者の触感によって行う必要が無くなり、検査時間を短縮することが可能となる。また、不良品の見落としも、より確実に防ぐことが可能となる。表皮材26である本革等は、透明ないし半透明の薄膜18に貼込まれるので、金型12による一体発泡成形時において、溶融状態のウレタンと接触することがない。よって、溶融状態のウレタンが本革等に染み込み、本革等の風合いを損うおそれもない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クッション層を樹脂浸透性素材からなる表皮材で覆った車両内装部品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車の内装の質感を高めるため、近年、表皮材を貼ったインストルメントパネルが多用されており、これを量産する方法として、発泡金型のキャビティ面に基材と表皮材とをセットし、金型キャビティにウレタンを注入する一体発泡成形法が一般に用いられている。
しかしながら、表皮材に天然皮革または本革(以下、「本革等」という。なお、本説明ではなめす前のものを「皮」と、なめした後のものを「革」とする。)を用いる場合には、本革等が多孔質構造を有することから、本革等に対してウレタンが染み込み、ウレタンの硬化と共に本革等を硬化させ、本革等の軟らかな風合いが損われるといった問題が指摘されていた。また、本革等がウレタンに含まれるアミン(触媒)によって劣化するといった問題も指摘されていた。
【0003】
これらの問題を解決するために、予め本革等の表皮材の裏面にフィルムを貼るなどの対策が行われることがある。しかしながら、インストルメントパネルは複雑な三次元形状を有していることから、本革等の表皮もこれに合せて三次元形状に縫製する必要があり、縫製部分には別途テープを貼る作業が必要となる等、作業工数を増大させる原因となっていた。また、縫製作業時に、本革等の裏面のフィルム等を傷つけ易く、縫製作業者には高い熟練度が要求されるものであった。
そこで、本革等の表皮材の替わりに、スラッシュ成形法等によって成形された樹脂製の表皮材を発泡金型のキャビティ面へとセットして、一体発泡部品を成形し、樹脂製の表皮材を覆うように本革等の表皮材を貼り込む手法も発明されている(例えば、特許文献1参照。)
【0004】
【特許文献1】特開2001−138822号公報(〔請求項1〕、〔請求項6〕、〔図4〕〜〔図7〕)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、スラッシュ成形法等によって成形された樹脂製の表皮材を本革等の表皮材の替わりに発泡金型のキャビティ面へとセットして、一体発泡部品を成形した後、本革等の表皮材を貼り込む手法によれば、本革等にウレタンが染み込むことは無く、テープの貼り付け作業が不用となり、縫製作業時に本革等の表皮裏面のフィルム等を傷つけることも無くなる。
しかしながら、ウレタンが樹脂製の表皮材によって覆われることから、一体発泡部品のウレタン欠損の有無の検査を作業者の触感によって行う必要があり、検査に多くの時間を要し、なおかつ、不良品の見落としのおそれもあった。したがって、本革等の表皮材を用いたインストルメントパネルの製造作業は、依然として効率が悪く、かつ、品質維持も容易ではなかった。以上の課題は、本革等を一例とするウレタン樹脂が染み込むような素材(本説明では、「樹脂浸透性素材」という。)を、インストルメントパネルの表皮材に用いた場合に生じ得るものである。また、インストルメントパネル以外の車両内装部品においても、構造を同じくする物であれば、同様の問題が生じうる。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、クッション層を樹脂浸透性素材からなる表皮材で覆った車両内装部品の製造を容易とし、当該車両内装部品の品質の安定化を促進することにある。また、その他の目的として、表皮材に、様々な風合いや触感を与えることを容易とするものである。そして、コストを増大させることなく、自動車の内装の質感を高めることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための、本発明に係る車両内装部品の製造方法は、部品の骨格をなす樹脂基材と、クッション層を構成する発泡性樹脂材とが一体成形されると共に、前記発泡性樹脂材の表面を覆う表皮材として樹脂浸透性素材が用いられる車両内装部品の製造方法であって、前記樹脂基材と前記発泡性樹脂材とを一体成形するための一対の金型のうち、表皮側のキャビティ面を有する金型に表皮材の下地となる透明ないし半透明の薄膜を、基材側のキャビティ面を有する金型に樹脂基材を、各々セットし、前記一対の金型を型締めすることにより形成されるキャビティに発泡性樹脂材を満たし、前記透明ないし半透明の薄膜と、前記樹脂基材と、前記発泡性樹脂材とからなる一体発泡成形品を前記一対の金型から脱型した後、表皮材の前記透明ないし半透明の薄膜への貼込みと、不用部分のトリミングとを行う各工程を含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、前記樹脂基材と前記発泡性樹脂材とを一体成形するための一対の金型の、表皮側のキャビティ面を有する金型に表皮材の下地となる透明ないし半透明の薄膜をセットして一体成形することで、表皮材と、発泡性樹脂材と、樹脂基材とからなる一体発泡部品の、ウレタン欠損の有無を、透明ないし半透明の薄膜を透して視覚的に把握することが可能となる。なお、本発明においては、金型を締めた状態で発泡性樹脂材を注入する「クローズド注入法」を用いても良く、金型を開けた状態で発泡性樹脂材を注入する「オープン注入法」を用いても良い。また、樹脂浸透性素材からなる表皮材の前記透明ないし半透明の薄膜への貼込みと、不用部分のトリミングとを行う工程は、必要に応じ工程の前後を交換することができる。
【0007】
また、本発明においては、前記透明ないし半透明の薄膜を、熱可塑性樹脂パウダーをスラッシュ成形または真空成形することによって得ることが可能である。
また、本発明において、前記透明ないし半透明の薄膜に、表皮材に任意の凹凸模様を浮出させるための凹凸を形成することとしても良い。この構成によれば、表皮材自体では表現できないような凹凸模様も、透明ないし半透明の薄膜の凹凸を表皮材に浮出させることによって実現することが可能となる。
さらに、本発明において、前記透明ないし半透明の薄膜に0.01mm〜1.0mmの厚みを持たせることにより、透明ないし半透明の薄膜に必要な強度を持たせつつ、表皮材の触感を自由に調整することが可能となる。
【0008】
また、上記課題を解決するための、本発明に係る車両内装部品は、部品の骨格をなす樹脂基材と、クッション層を構成する発泡性樹脂材とが一体成形され、かつ、前記発泡性樹脂材の表面が、樹脂浸透性素材を用いた表皮材で覆われた車両内装部品であって、前記樹脂基材と前記発泡性樹脂材とを一体成形するための一対の金型のうち、表皮側のキャビティ面を有する金型に表皮材の下地となる透明ないし半透明の薄膜を、基材側のキャビティ面を有する金型に樹脂基材を、各々セットし、前記一対の金型を型締めすることにより形成されるキャビティに発泡性樹脂材を満たし、前記透明ないし半透明の薄膜と、前記樹脂基材と、前記発泡性樹脂材とからなる一体発泡成形品を前記一対の金型から脱型した後、表皮材の前記透明ないし半透明の薄膜への貼込みと、不要部分のトリミングとを行うことによりなることを特徴とするものである。
本発明によれば、前記樹脂基材と前記発泡性樹脂材とを一体成形するための一対の金型の、表皮側のキャビティ面を有する金型に表皮材の下地となる透明ないし半透明の薄膜をセットすることで、表皮材と、発泡性樹脂材と、樹脂基材とからなる一体発泡部品の、ウレタン欠損の有無が、透明ないし半透明の薄膜を透して視覚的に、簡単、確実に把握される。よって、品質の確保が確実になされた車両内装部品となる。なお、本発明においては、金型を締めた状態で発泡性樹脂材を注入する「クローズド注入法」が用いられても良く、金型を開けた状態で発泡性樹脂材を注入する「オープン注入法」が用いられても良い。また、樹脂浸透性素材からなる表皮材の前記透明ないし半透明の薄膜への貼込みと、不用部分のトリミングとを行う手順は、必要に応じその前後を交換することとする。
【0009】
また、本発明において、前記透明ないし半透明の薄膜は、熱可塑性樹脂パウダーをスラッシュ成形または真空成形して得られたものである。
さらに、前記透明ないし半透明の薄膜に、表皮材に任意の凹凸模様を浮出させるための凹凸が形成されていることとしても良い。この構成によれば、表皮材自体では表現できないような凹凸模様が、透明ないし半透明の薄膜の凹凸を表皮材に浮出させることによって表現された車両内装部品となる。
加えて、前記透明ないし半透明の薄膜が0.01mm〜1.0mmの厚みを有するものとすることで、透明ないし半透明の薄膜に必要な強度を持たせつつ、表皮材の触感設定の自由度が高い車両内装部品となる。
【発明の効果】
【0010】
本発明はこのように構成したので、クッション層を樹脂浸透性素材からなる表皮材で覆った車両内装部品の製造効率が高まり、当該車両内装部品の品質の安定化が図られる。また、表皮材に、様々な風合いや触感を与えることが容易となる。そして、コストを増大させることなく、自動車の内装の質感を高めることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1には、車両内装部品の一例として、インストルメントパネル10(図1(5)参照)を製造する手順を示している。本発明の実施の形態では、発泡成形を行う一対の金型(発泡金型)12を用い、以下の手順で製造を行う。
【0012】
ステップ(1):型開きされた発泡金型12の、表皮側のキャビティ面14aを有する金型14に、表皮材の下地となる透明ないし半透明の薄膜18をセットする。また、基材側のキャビティ面16aを有する金型16に、樹脂基材20をセットする。透明ないし半透明の薄膜18および樹脂基材20は、何れも金型14、16のキャビティ面14a、16aと一致する形状に形成されたものであり、キャビティ面14a、16aに対し嵌め込むことで、確実にセットがなされる。
ここで、透明ないし半透明の薄膜18は、熱可塑性樹脂、例えば、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、ポリ塩化ビニル(PVC)等のパウダーをスラッシュ成形または真空成形することによって得られるものである。材料にTPUを用いスラッシュ成形による場合には、スラッシュ成形金型の型温度を270℃以下に抑えることで、TPUの黄変を防ぎ必要な透明度を確保することができる。また、透明度確保のため、着色剤(顔料等)は使用しない。さらに、溶融したTPUパウダーには空気が混入することから、そのままスラッシュ成形すると、TPUの薄膜中に空気が気泡として残ってしまい、透明度が損われる。そこで、スラッシュ成形を真空引きした密閉室内で行ったり、スラッシュ成形金型を振動させて、溶融したTPUから空気を除く等の対策を採ることが望ましい。なお、透明ないし半透明の薄膜18には、0.01mm〜1.0mmの厚みを持たせることとする。
一方、樹脂基材20については、従来の一体発泡成形法に用いられるインストルメントパネルと同様である。
【0013】
ステップ(2):一対の金型14、16を型締めすることにより形成されるキャビティ17に対し、発泡金型12に設けられたウレタン注入ヘッド22からウレタン24を注入し、キャビティ17をウレタン24で満たす。なお、一対の金型14、16の型締めを行った後にウレタンを流し込むこと(クローズド注入法)としても良く、一対の金型14、16の型締め前に、金型14にセットされた透明ないし半透明の薄膜18上へとウレタンを流し込み、その後に、一対の金型14、16の型締めを行うこと(オープン注入法)としても良い。
ステップ(3):ウレタンを固化させることにより、透明ないし半透明の薄膜18と、樹脂基材20と、ウレタン24とが一体発泡成形品25となる。そこで、一対の金型14、16を開いて、この一体発泡成形品25を発泡金型12から脱型する。
【0014】
ステップ(4):発泡金型12から脱型した一体発泡成形品25のウレタン欠損の有無等の検査を、透明ないし半透明の薄膜18を透して視覚的に行う。そして、不良が発見された場合には、この時点で一体発泡成形品25の補修を行う。その後、一体発泡成形品25の透明ないし半透明の薄膜18に、表皮材26を貼込む。表皮材26の貼込み作業は手作業で行われる。ここで用いられる表皮材26は、インストルメントパネルの複雑な三次元形状に合せて、本革等を三次元形状に縫製したものである。
ステップ(5):透明ないし半透明の薄膜18、樹脂基材20、ウレタン24の不要部分をトリミングする。なお、このトリミング作業は、ステップ(4)の本革等の表皮の貼込み作業前に行っても良い。
【0015】
以上の手順により、部品の骨格をなす樹脂基材20と、クッション層を構成するウレタン24とが一体成形されると共に、ウレタン24の表面を覆う表皮材26として本革等が用いられたインストルメントパネル10が製造される。なお、透明ないし半透明の薄膜18の成形時に、当該薄膜自体に任意の凹凸模様を形成しておくこととすれば、透明ないし半透明の薄膜18に貼込まれた表皮材26に、任意の凹凸模様を浮出させることができる。
【0016】
上記構成をなす、本発明の実施の形態によれば、次のような作用効果を得ることが可能となる。まず、本発明の実施の形態によれば、樹脂基材20と発泡性樹脂材であるウレタン24とを一体成形するための一対の金型12の、表皮側のキャビティ面14aを有する金型14に、表皮材の下地となる透明ないし半透明の薄膜18をセットして一体成形する。よって、表皮材26と、ウレタン24と、樹脂基材20とからなる一体発泡部品25の、ウレタン欠損の有無を、透明ないし半透明の薄膜18を透して視覚的に把握することが可能となる。したがって、一体発泡部品25のウレタン欠損の有無の検査を、従来のごとく、作業者の触感によって行う必要が無くなり、検査時間を短縮することが可能となる。また、不良品の見落としも、より確実に防ぐことが可能となる。
また、表皮材である本革等は、一対の金型12による一体発泡成形時において、金型キャビティに充填される溶融状態のウレタンと接触することがないので、溶融状態のウレタンが本革等に染み込み、本革等の風合いを損うおそれはない。さらに、透明薄膜ないし半透明の薄膜18がウレタンを覆い、本革等からなる表皮材26の下地材として機能するので、ウレタン24は、本革等からなる表皮材26に直接触れることがない。よって、ウレタン24に含まれるアミンが本革等を変質させるおそれもない。
【0017】
また、透明ないし半透明の薄膜18を、TPU等の熱可塑性樹脂パウダーをスラッシュ成形または真空成形することによって得ることで、金型14のキャビティ面14aの形状に形状が一致した、透明ないし半透明の薄膜18を、容易に量産することが可能である。
また、透明ないし半透明の薄膜18をスラッシュ成形または真空成形する際、透明ないし半透明の薄膜18を、0.01mm〜1.0mmの厚みに成形することにより、透明ないし半透明の薄膜18に必要な強度を持たせつつ、透明ないし半透明の薄膜18に貼込まれる表皮材26の触感を、自由に調整することが可能となる。ここで、表皮材26の柔軟性を高め、高級感を演出する上では、透明ないし半透明の薄膜18は、可能な限り薄い方が好ましい。なお、表皮材26の触感の調整は、透明ないし半透明の薄膜18の硬度を変えることによっても可能であり、当該硬度の調整は、材料を変更することによっても行うことができる。
また、透明ないし半透明の薄膜18に、表皮材26に任意の凹凸模様を浮出させるための凹凸を形成することとすれば、表皮材26自体では表現できないような凹凸模様も、透明ないし半透明の薄膜18の凹凸を表皮材26に浮出させることによって実現することが可能となる。したがって、インストルメントパネル10に様々な風合いや触感を与えることが可能となる。
【0018】
なお、本発明の実施の形態では、車両内装部品の一例として、インストルメントパネル10を例示して説明したが、同様の手順によって他の車両内装部品を製造することも可能である。また、ここで用いられる表皮材としても、本革等のみならず、人口皮革、ファブリック地等、他の樹脂浸透性素材を用いることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態に係る、インストルメントパネル10を製造する手順を示す説明図である。
【符号の説明】
【0020】
10:インストルメントパネル、 12、14、16:発泡金型、17:キャビティ、18:透明ないし半透明の薄膜、20:樹脂基材、22:注入ヘッド、24:ウレタン、25:一体発泡成形品、26:表皮材


【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品の骨格をなす樹脂基材と、クッション層を構成する発泡性樹脂材とが一体成形されると共に、前記発泡性樹脂材の表面を覆う表皮材として樹脂浸透性素材が用いられる車両内装部品の製造方法であって、
前記樹脂基材と前記発泡性樹脂材とを一体成形するための一対の金型のうち、表皮側のキャビティ面を有する金型に表皮材の下地となる透明ないし半透明の薄膜を、基材側のキャビティ面を有する金型に樹脂基材を、各々セットし、
前記一対の金型を型締めすることにより形成されるキャビティに発泡性樹脂材を満たし、
前記透明ないし半透明の薄膜と、前記樹脂基材と、前記発泡性樹脂材とからなる一体発泡成形品を前記一対の金型から脱型した後、
表皮材の前記透明ないし半透明の薄膜への貼込みと、不用部分のトリミングとを行う各工程を含むことを特徴とする車両内装部品の製造方法。
【請求項2】
前記透明ないし半透明の薄膜を、熱可塑性樹脂パウダーをスラッシュ成形または真空成形することによって得ることを特徴とする請求項1記載の車両内装部品の製造方法。
【請求項3】
前記透明ないし半透明の薄膜に、表皮材に任意の凹凸模様を浮出させるための凹凸を形成することを特徴とする請求項1または2記載の車両内装部品の製造方法。
【請求項4】
前記透明ないし半透明の薄膜に0.01mm〜1.0mmの厚みを持たせることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の車両内装部品の製造方法。
【請求項5】
部品の骨格をなす樹脂基材と、クッション層を構成する発泡性樹脂材とが一体成形され、かつ、前記発泡性樹脂材の表面が、樹脂浸透性素材を用いた表皮材で覆われた車両内装部品であって、
前記樹脂基材と前記発泡性樹脂材とを一体成形するための一対の金型のうち、表皮側のキャビティ面を有する金型に表皮材の下地となる透明ないし半透明の薄膜を、基材側のキャビティ面を有する金型に樹脂基材を、各々セットし、前記一対の金型を型締めすることにより形成されるキャビティに発泡性樹脂材を満たし、前記透明ないし半透明の薄膜と、前記樹脂基材と、前記発泡性樹脂材とからなる一体発泡成形品を前記一対の金型から脱型した後、表皮材の前記透明ないし半透明の薄膜への貼込みと、不要部分のトリミングとを行うことによりなることを特徴とする車両内装部品。
【請求項6】
前記透明ないし半透明の薄膜は、熱可塑性樹脂パウダーをスラッシュ成形または真空成形して得られたものであることを特徴とする請求項5記載の車両内装部品。
【請求項7】
前記透明ないし半透明の薄膜に、表皮材に任意の凹凸模様を浮出させるための凹凸が形成されていることを特徴とする請求項5または6記載の車両内装部品。
【請求項8】
前記透明ないし半透明の薄膜が0.01mm〜1.0mmの厚みを有することを特徴とする請求項5から7のいずれか1項記載の車両内装部品の製造方法。


【図1】
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【公開番号】特開2006−175831(P2006−175831A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−374201(P2004−374201)
【出願日】平成16年12月24日(2004.12.24)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】