説明

車両用充電支援装置、車両用充電支援方法、コンピュータプログラム

【課題】現在位置からの位置変更を勘案し、現在位置での充電と、位置変更を行い充電効率の良い位置での充電との比較材料を提示可能な車両用充電支援装置、車両用充電支援方法及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】ナビゲーション装置1は、現在位置で目標充電量Etまで充電する為に必要な第1充電期間Taを算出する(S6)。更に、ナビゲーション装置1は、現在位置から最適位置への移動に要する消費電力量Ec及び位置変更期間Tcを算出する。又、ナビゲーション装置1は、移動完了時残量Efから目標充電量Etまでの充電に要する最適充電期間Toと、位置変更期間Tcを合算した第2充電期間Tbを算出する(S11)。ナビゲーション装置1は、第1充電期間Taと、第2充電期間Tbの比較結果に基づいて、充電位置案内画面80を表示する(S13、S14)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給電ユニットと受電ユニットを用いた車両のバッテリの充電を支援する車両用充電支援装置、車両用充電支援方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、バッテリから供給される電力に基づいて駆動されるモータを駆動源とする電気自動車や、モータとエンジンを併用して駆動源とするハイブリッド車両等の電動車両が多く存在する。
【0003】
又、このような車両のバッテリの充電方式の一つとして、車両に配設された受電ユニットに対して、車両外(例えば、駐車場の路面)に配設された給電ユニットにより非接触給電を行うことで、当該バッテリの充電を行う方式が知られている。この方式の場合、バッテリの充電を効率良く行うためには、受電ユニットと給電ユニットが適切な位置関係にあることが重要である。
【0004】
この点に鑑み、特許文献1記載の発明がなされている。当該特許文献1記載の受電案内装置は、給電装置が配設された駐車領域への駐車を完了すると、現在位置におけるバッテリの充電効率を報知する。これにより、当該充電案内装置は、現在の駐車位置がバッテリの充電にどの程度適しているかの判断基準を提供し得る。更に、当該受電案内装置は、現在位置よりも充電効率の良い駐車位置を報知する。これにより、当該受電案内装置は、より充電効率の良い位置でのバッテリの充電を行い得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特願2009−290389号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、上述のように駆動源としてモータを用いる車両の場合、特許文献1のように充電効率の良い位置が報知されたとしても、バッテリの電力が、充電効率の良い位置へ移動する際に消費されてしまう。そうすると、車両の位置変更時に消費した電力分もバッテリの充電をする必要が生じるため、車両の位置変更を行うことで充電効率を改善したとしても、位置変更を行うことなく現在位置における充電を継続した場合よりも、所望の残量までの充電に、より長期間を要する事態が生じてしまう。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、現在位置から充電効率の良い位置への位置変更に伴う消費電力を勘案し、現在位置での充電と、位置変更を行い充電効率の良い位置での充電との比較材料を提示可能な車両用充電支援装置、車両用充電支援方法及びコンピュータプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1に係る車両用充電支援装置(1)は、バッテリの充電に用いられる受電ユニットを有する自車両の現在位置を取得する現在位置取得手段(13)と、前記受電ユニットに対して非接触給電を行う給電ユニットを検出する給電ユニット検出手段(13)と、前記現在位置における前記給電ユニットによるバッテリの充電状態を特定する充電状態特定手段(13)と、前記バッテリの残量を取得するバッテリ残量取得手段(13)と、前記充電状態特定手段により特定された充電状態に基づいて、前記バッテリ残量から所定の目標充電量までの充電に要する第1充電期間を算出する第1充電期間算出手段(13)と、前記給電ユニットによるバッテリの充電状態が最良となる最適位置を特定する最適位置特定手段(13)と、前記現在位置から前記最適位置への移動に要する位置変更期間を推定する位置変更期間推定手段(13)と、前記現在位置から前記最適位置への移動に伴って消費される消費電力量を推定する消費電力推定手段(13)と、前記最適位置における充電状態に基づいて、前記バッテリ残量から前記消費電力量を減算した状態から、前記目標充電量までの充電に要する最適充電期間を算出する最適充電期間算出手段(13)と、前記位置変更期間と前記最適充電期間とを合算した第2充電期間を算出する第2充電期間算出手段(13)と、前記第1充電期間と前記第2充電期間とに基づいて、前記バッテリの充電に関する案内を行う案内手段(13)と、を有することを特徴とする。
【0009】
そして、請求項2記載の車両用充電支援装置(1)は、請求項1記載の車両用充電支援装置であって、前記案内手段(13)は、前記第1充電期間と、前記第2充電期間とを通知することを特徴とする。
【0010】
又、請求項3記載の車両用充電支援装置(1)は、請求項1又は請求項2記載の車両用充電支援装置であって、前記案内手段(13)は、前記第1充電期間と、前記第2充電期間とを比較した結果に基づいて、前記現在位置におけるバッテリの充電と、前記現在位置から位置変更を行い、前記最適位置でのバッテリの充電の何れか一方を推奨する案内を行うことを特徴とする。
【0011】
又、請求項4記載の車両用充電支援装置(1)は、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の車両用充電支援装置であって、前記充電状態特定手段(13)は、前記受電ユニットの位置と、前記給電ユニットの位置に基づいて、前記現在位置における前記給電ユニットによるバッテリの充電状態を特定し、前記最適位置特定手段(13)は、前記受電ユニットの位置と、前記給電ユニットの位置に基づいて、前記最適位置を特定することを特徴とする。
【0012】
そして、請求項5記載の車両用充電支援装置(1)は、請求項1乃至請求項4の何れかに記載の車両用充電支援装置であって、前記バッテリの充電状態は、前記給電ユニットによるバッテリの充電効率であることを特徴とする。
【0013】
又、請求項6記載の車両用充電支援方法は、バッテリの充電に用いられる受電ユニットを有する自車両の現在位置を取得する現在位置取得ステップと、前記受電ユニットに対して非接触給電を行う給電ユニットを検出する給電ユニット検出ステップと、前記現在位置における前記給電ユニットによるバッテリの充電状態を特定する充電状態特定ステップと、前記バッテリの残量を取得するバッテリ残量取得ステップと、前記充電状態特定ステップにより特定された充電状態に基づいて、前記バッテリ残量から所定の目標充電量までの充電に要する第1充電期間を算出する第1充電期間算出ステップと、前記給電ユニットによるバッテリの充電状態が最良となる最適位置を特定する最適位置特定ステップと、前記現在位置から前記最適位置への移動に要する位置変更期間を推定する位置変更期間推定ステップと、前記現在位置から前記最適位置への移動に伴って消費される消費電力量を推定する消費電力推定ステップと、前記最適位置における充電状態に基づいて、前記バッテリ残量から前記消費電力量を減算した状態から、前記目標充電量までの充電に要する最適充電期間を算出する最適充電期間算出ステップと、前記位置変更期間と前記最適充電期間とを合算した第2充電期間を算出する第2充電期間算出ステップと、前記第1充電期間と前記第2充電期間とに基づいて、前記バッテリの充電に関する案内を行う案内ステップと、を有することを特徴とする。
【0014】
更に、請求項7記載のコンピュータプログラムは、コンピュータに搭載され、バッテリの充電に用いられる受電ユニットを有する自車両の現在位置を取得する現在位置取得機能と、前記受電ユニットに対して非接触給電を行う給電ユニットを検出する給電ユニット検出機能と、前記現在位置における前記給電ユニットによるバッテリの充電状態を特定する充電状態特定機能と、前記バッテリの残量を取得するバッテリ残量取得機能と、前記充電状態特定機能により特定された充電状態に基づいて、前記バッテリ残量から所定の目標充電量までの充電に要する第1充電期間を算出する第1充電期間算出機能と、前記給電ユニットによるバッテリの充電状態が最良となる最適位置を特定する最適位置特定機能と、前記現在位置から前記最適位置への移動に要する位置変更期間を推定する位置変更期間推定機能と、前記現在位置から前記最適位置への移動に伴って消費される消費電力量を推定する消費電力推定機能と、前記最適位置における充電状態に基づいて、前記バッテリ残量から前記消費電力量を減算した状態から、前記目標充電量までの充電に要する最適充電期間を算出する最適充電期間算出機能と、前記位置変更期間と前記最適充電期間とを合算した第2充電期間を算出する第2充電期間算出機能と、前記第1充電期間と前記第2充電期間とに基づいて、前記バッテリの充電に関する案内を行う案内機能と、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1記載の車両用充電支援装置は、最適位置への移動に要する位置変更期間と、当該最適位置で目標充電量までのバッテリの充電に要する最適充電期間に基づいて、第2充電期間を算出する。そして、当該車両用充電支援装置は、現在位置で目標充電量までのバッテリの充電に要する第1充電期間と当該第2充電期間とに基づいて、バッテリの充電に関する案内を行う。従って、当該車両用充電支援装置は、位置変更に伴う消費電力も考慮した状態で、現在位置での充電と、最適位置への移動を伴った充電を比較する材料を、ユーザに提供し得る。
【0016】
請求項2記載の車両用充電支援装置は、第1充電期間と、第2充電期間とを通知するので、位置変更に伴う消費電力も考慮した状態で、現在位置での充電と、最適位置への移動を伴った充電を比較する具体的な材料を、ユーザに提供し得る。従って、ユーザは、目標充電量までに要する期間の長短に基づいて、現在位置での充電と、最適位置への移動を伴った充電を比較し、位置変更の要否を判断することができる。
【0017】
請求項3記載の車両用充電支援装置は、前記第1充電期間と、前記第2充電期間とを比較した結果に基づいて、前記現在位置におけるバッテリの充電と、前記現在位置から位置変更を行い、前記最適位置でのバッテリの充電の何れか一方を推奨する。従って、当該車両用充電支援装置によればユーザは、現在位置におけるバッテリの充電と、前記現在位置から位置変更を行い、前記最適位置でのバッテリの充電の何れか一方を、より容易に選択し得る。
【0018】
請求項4記載の車両用充電支援装置は、受電ユニットの位置と、給電ユニットの位置に基づいて、現在位置におけるバッテリの充電状態と、最適位置におけるバッテリの充電状態を特定する。従って、当該車両用充電支援装置は、より平易な方法で現在位置におけるバッテリの充電状態と、最適位置におけるバッテリの充電状態を特定し得る。
【0019】
請求項5記載の車両用充電支援装置において、前記バッテリの充電状態は、前記給電ユニットによるバッテリの充電効率である。従って、当該車両用充電支援装置は、位置変更に伴う消費電力も考慮した状態で、現在位置での充電と、最適位置への移動を伴った充電を比較する為のより明確な材料を、ユーザに提供し得る。
【0020】
請求項6記載の車両用充電支援方法では、第2充電期間が、最適位置への移動に要する位置変更期間と、当該最適位置で目標充電量までのバッテリの充電に要する最適充電期間とに基づいて算出される。そして、バッテリの充電に関する案内が、現在位置で目標充電量までのバッテリの充電に要する第1充電期間と当該第2充電期間とに基づいて行われる。従って、当該車両用充電支援方法によれば、位置変更に伴う消費電力も考慮した状態で、現在位置での充電と、最適位置への移動を伴った充電を比較する材料がユーザに提供される。
【0021】
請求項7記載のコンピュータプログラムによれば、第2充電期間が、最適位置への移動に要する位置変更期間と、当該最適位置で目標充電量までのバッテリの充電に要する最適充電期間とに基づいて算出される。そして、バッテリの充電に関する案内が、現在位置で目標充電量までのバッテリの充電に要する第1充電期間と当該第2充電期間とに基づいて行われる。従って、当該コンピュータプログラムによれば、位置変更に伴う消費電力も考慮した状態で、現在位置での充電と、最適位置への移動を伴った充電を比較する材料がユーザに提供される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本実施形態に係るナビゲーション装置を示したブロック図である。
【図2】充電位置案内処理プログラムのフローチャートである。
【図3】現在位置でのバッテリ充電時の状況の一例を示す説明図である。
【図4】充電効率マップの一例を示す説明図である。
【図5】最適位置でのバッテリ充電時の状況を示す説明図である。
【図6】バッテリ残量と充電期間の関係を示す説明図(1)である。
【図7】バッテリ残量と充電期間の関係を示す説明図(2)である。
【図8】最適位置での充電を推奨する充電位置案内画面の一例を示す説明図である。
【図9】現在位置での充電を推奨する充電位置案内画面の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る車両用充電支援装置等を、ナビゲーション装置に具体化した一実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係るナビゲーション装置1の概略構成について図1を用いて説明する。図1は、本実施形態に係るナビゲーション装置1を示すブロック図である。
【0024】
図1に示すように本実施形態に係るナビゲーション装置1は、車両の現在位置を検出する現在位置検出部11と、各種のデータが記録されたデータ記録部12と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーションECU13と、ユーザからの操作を受け付ける操作部14と、ユーザに対して地図や目的地までの案内経路を表示する液晶ディスプレイ15と、経路案内に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ16と、プログラムを記憶した記憶媒体であるDVDを読み取るDVDドライブ17と、交通情報センタ等の情報センタとの間で通信を行う通信モジュール18と、から構成されている。又、ナビゲーション装置1は、自車両60の駆動源であるモータ(図示せず)に電力を供給する為のバッテリ55と、後述する給電ユニット65との非接触給電により当該バッテリ55を充電する為の受電ユニット50と接続されている。
【0025】
以下に、ナビゲーション装置1を構成する各構成要素について順に説明する。現在位置検出部11は、GPS21、車速センサ22、ステアリングセンサ23、ジャイロセンサ24、高度計(図示せず)等からなり、現在の車両の位置、方位、車両の走行速度等を検出する。ここで、特に車速センサ22は、車両の移動距離や車速を検出する為のセンサであり、車両の車輪の回転に応じてパルスを発生させ、パルス信号をナビゲーションECU13に出力する。そして、ナビゲーションECU13は、発生するパルスを計数することにより車輪の回転速度や移動距離を算出する。尚、上記4種類のセンサをナビゲーション装置1が全て備える必要はなく、これらの内の一又は複数種類のセンサのみをナビゲーション装置1が備える構成としても良い。
【0026】
データ記録部12は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。当該ハードディスクは、地図情報DB31、車両旋回半径情報32、受電ユニット位置情報33及び充電効率マップ34を記録している。
【0027】
ここで、地図情報DB31は、経路案内、交通情報案内及び地図表示に必要な各種地図データを記録している。地図データは、具体的には、道路(リンク)形状に関するリンクデータ、ノード点に関するノードデータ、施設等の地点に関する情報であるPOIデータ、各交差点に関する交差点データ、経路を探索するための探索データ、地点を検索するための検索データ、地図、道路、交通情報等の画像を液晶ディスプレイ15に描画するための画像描画データ等から構成されている。尚、地図情報DB31は、地図配信センタ等から配信される更新データや記憶媒体(例えば、DVDやメモリーカード)を介して提供される更新データに基づいて更新される。
【0028】
車両旋回半径情報32は、車両の旋回半径の大きさを示す情報である。当該車両旋回半径情報32は、後述する消費電力量Ecや位置変更期間Tcを算出する際に参照される。そして、受電ユニット位置情報33は、当該自車両60における受電ユニット50の配設位置を示す情報である。当該受電ユニット位置情報33は、後述する最適位置の特定及び充電効率の特定等を行う際に参照される。充電効率マップ34は、受電ユニット50と給電ユニット65の間の距離(以下、オフセット量)と、バッテリ55の充電効率の関係を示す(図4参照)。当該充電効率マップ34は、後述する充電効率の特定を行う際に参照される。尚、充電効率マップ34の詳細については後述する。
【0029】
一方、ナビゲーションECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)13は、目的地が選択された場合に現在位置から目的地までの案内経路を設定する案内経路設定処理や、後述する充電位置案内処理(図2参照)等のナビゲーション装置1の全体の制御を行う電子制御ユニットである。そして、当該ナビゲーションECU13は、演算装置及び制御装置としてのCPU41、並びにCPU41が各種の演算処理を行うにあたってワーキングメモリとして使用されると共に、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM42、制御用のプログラムのほか、後述する充電位置案内処理プログラム(図2参照)等が記録されたROM43、ROM43から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ44等の内部記憶装置を備えている。
【0030】
操作部14は、走行開始地点としての出発地及び走行終了地点としての目的地を入力する際等に操作され、各種のキー、ボタン等の複数の操作スイッチ(図示せず)から構成される。そして、ナビゲーションECU13は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。尚、液晶ディスプレイ15の前面に設けたタッチパネルによって構成することもできる。
【0031】
液晶ディスプレイ15には、道路を含む地図画像、交通情報、操作案内、操作メニュー、キーの案内、出発地から目的地までの案内経路、案内経路に沿った案内情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。又、液晶ディスプレイ15には、後述する充電位置案内画面80(図8、図9参照)が、充電位置案内処理プログラム(図2参照)に基づいて表示される。
【0032】
スピーカ16は、ナビゲーションECU13からの指示に基づいて案内経路に沿った走行を案内する音声ガイダンスや、交通情報の案内音声を出力する。
【0033】
DVDドライブ17は、DVDやCD等の記録媒体に記録されたデータを読み取り可能なドライブである。そして、読み取ったデータに基づいて地図情報DB31の更新等が行われる。
【0034】
通信モジュール18は、交通情報センタ、例えば、VICS(登録商標:Vehicle Information and Communication System)センタやプローブセンタ等から送信された渋滞情報、規制情報、交通事故情報等の各情報から成る交通情報を受信する為の通信装置であり、例えば携帯電話機やDCMが該当する。当該通信モジュール18は、駐車場の駐車枠70内に埋設された給電ユニット65(図3、図5参照)と通信することにより、当該給電ユニット65の位置情報を取得する際に用いられる。
【0035】
受電ユニット50は、自車両60底面の所定位置に配設されており、駐車枠70内に埋設された給電ユニット65(図3、図5参照)との間で非接触給電を行う。又、受電ユニット50は、充電部(図示せず)を有しており、当該充電部を介して、給電ユニット65から受電した電力をバッテリ55に充電する。
【0036】
バッテリ55は、充電と放電とを繰り返すことができる二次電池であり、鉛蓄電池、ニッケルカドミニウム電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池、ナトリウム硫黄電池等が用いられる。当該バッテリ55は、自車両60の駆動源であるモータ(図示せず)に電力を供給する。又、当該バッテリ55は、受電ユニット50及び給電ユニット65間の非接触給電により供給された電力を蓄える。図2に示すように、バッテリ55は、ナビゲーションECU13と接続されている。従って、ナビゲーションECU13は、当該バッテリ55に蓄電されている電力量(例えば、後述するバッテリ残量Ep)を取得し得る。
【0037】
次に、ナビゲーション装置1において実行される充電位置案内処理プログラムについて、図2を参照しつつ詳細に説明する。当該充電位置案内処理プログラムは、給電ユニット65が埋設された駐車枠70に自車両60が駐車した後に、現在の自車両60の駐車位置(以下、現在位置)と、当該現在位置よりもバッテリ55の充電効率の良い最適位置を、位置変更を考慮した上で比較し、バッテリ55の充電に関する案内を行う為のプログラムである。図2は、本実施形態に係る充電位置案内処理プログラムのフローチャートである。
【0038】
当該充電位置案内処理プログラムは、図3に示すように、路面上に駐車枠70が描かれ、当該駐車枠70内の地面に給電ユニット65が埋設された駐車場に、自車両60が進入し、後退駐車により所望の駐車枠70への駐車を完了した時点で、CPU41により実行される。駐車の完了は、例えば、シフトレバーがパーキング位置にあること、サイドブレーキが使用されていること等に基づいて判断し得る。
【0039】
ここで、給電ユニット65は、上述したように、受電ユニット50との間で非接触給電を行う。ここで、非接触給電の具体的な方法としては、二つのコイル間に発生する相互誘導を利用した方法が挙げられる。この方法の場合、給電ユニット65側の一次コイルに高周波電流を印加することで磁界変化を発生させ、受電ユニット50側の二次コイルに誘導電流を発生させる。これにより、給電ユニット65から受電ユニット50への非接触給電が実現される。
【0040】
又、給電ユニット65は、通信モジュール(図示せず)を有しており、通信モジュール18を介して、ナビゲーション装置1に対して、給電ユニット位置情報を送信し得る。給電ユニット位置情報は、当該給電ユニット65の埋設位置のX座標、Y座標を示す座標情報であり、給電ユニット65に配設された記憶装置に格納されている。尚、給電ユニット65にGPS等の現在位置検出部を搭載した場合には、当該現在位置検出部を用いて、給電ユニット位置情報を生成することも可能である。
【0041】
図2に示すように、充電位置案内処理プログラムでは、先ずS1で、CPU41は、現在位置検出部11により、現在位置情報を取得する。当該現在位置情報は、現在位置検出部11の検出結果に基づいて生成され、自車両60の現在位置のX座標、Y座標を示す座標情報である。現在位置情報を取得した後、CPU41は、S2に処理を移行する。
【0042】
S2においては、CPU41は、現在位置で給電ユニット65からの非接触給電による受電が可能であるか否かを判断する。受電可能である場合(S2:YES)、CPU41は、S3に処理を移行する。一方、受電不能である場合(S2:NO)、CPU41は、充電位置案内処理プログラムを終了する。尚、受電不能である場合には、現在位置におけるバッテリ55の充電効率が「0%」である場合や、給電ユニット65が非稼働である場合を含む。
【0043】
S3に移行すると、CPU41は、現在位置におけるバッテリ55の充電効率を特定する。具体的には、先ず、CPU41は、通信モジュール18を介して、駐車枠70内に埋設されている給電ユニット65と通信を行うことで、当該給電ユニット65の給電ユニット位置情報を取得する。そして、CPU41は、S1で取得した現在位置情報と、受電ユニット位置情報33に基づいて、現在位置の自車両60における受電ユニット50の位置を特定する。続いて、CPU41は、当該受電ユニット50の位置と、給電ユニット位置情報に基づいて、オフセット量を算出する。オフセット量は、給電ユニット65から受電ユニット50までの水平距離を意味する。その後、CPU41は、算出したオフセット量と、充電効率マップ34に基づいて、現在位置におけるバッテリ55の充電効率を特定する。現在位置におけるバッテリ55の充電効率を特定した後、CPU41は、S4に処理を移行する。
【0044】
ここで、図4に示すように、充電効率マップ34は、オフセット量と、バッテリ55の充電効率の関係を規定している。本実施形態においては、受電ユニット50側のコイルと給電ユニット65側のコイルの間に発生する相互誘導により、バッテリ55の充電を行う。従って、バッテリ55の充電効率は、オフセット量が「0」の場合に最も高い値を示し、オフセット量の値が大きくなる程、小さな値を示す。従って、CPU41は、充電効率マップ34(図4参照)に基づいて、算出したオフセット量に対応するバッテリ55の充電効率を特定し得る。
【0045】
S4では、CPU41は、バッテリ55から、現時点におけるバッテリ55の残量(以下、バッテリ残量Ep)を取得する。バッテリ残量Epを取得した後、CPU41は、S5に処理を移行する。
【0046】
S5においては、CPU41は、目標充電量Etを取得する。目標充電量Etは、給電ユニット65による非接触給電によるバッテリ55の充電に関する目標値であり、本実施形態では、満充電状態(即ち、100%)を意味する。尚、目標充電量Etは、満充電でなくても良く、ユーザが任意の値を目標充電量Etに設定する構成であっても良い。目標充電量Etを取得した後、CPU41は、S6に処理を移行する。
【0047】
S6に移行すると、CPU41は、第1充電期間Taを算出する。第1充電期間Taは、現在位置において、現在のバッテリ残量Epから目標充電量Etまでバッテリ55を充電するために必要な期間を意味する(図6、図7参照)。具体的には、CPU41は、S3で特定した充電効率(即ち、現在位置におけるバッテリ55の充電効率)と、バッテリ残量Epと、目標充電量Etに基づいて、第1充電期間Taを算出する。第1充電期間Taを算出した後、CPU41は、S7に処理を移行する。
【0048】
S7では、CPU41は、給電ユニット位置情報に基づいて、最適位置を特定する。ここで、最適位置とは、受電ユニット50と給電ユニット65の間の非接触給電によるバッテリ55の充電効率が最も良い状態である駐車位置を意味する。
上述したように、本実施形態においては、給電ユニット65側の一次コイルに高周波電流を印加することで磁界変化を発生させ、受電ユニット50側の二次コイルに誘導電流を発生させることによって、バッテリ55の充電を行う。従って、バッテリ55の充電効率は、給電ユニット65側の一次コイルの中心軸と、受電ユニット50側の二次コイルの中心軸が相互に一致する場合に最も高くなる(図4参照)。つまり、CPU41は、給電ユニット位置情報及び受電ユニット位置情報33に基づいて、給電ユニット位置情報が示す座標と受電ユニット50の位置座標が一致する位置を、最適位置として特定する(図5参照)。最適位置を特定した後、CPU41は、S8に処理を移行する。
【0049】
S8においては、CPU41は、消費電力量Ecを算出する。消費電力量Ecは、現在位置から最適位置へ移動する際に、モータ(図示せず)の駆動等により消費されるバッテリ55の電力量を意味する。具体的には、CPU41は、現在位置情報と、受電ユニット位置情報33と、給電ユニット位置情報に基づいて、現在位置と最適位置の相対的な位置関係を特定する。そして、CPU41は、現在位置と最適位置の相対的な位置関係と、車両旋回半径情報32に基づいて、自車両60が現在位置から最適位置へ至る際の軌跡(切り替えしを含む)を求める。その後、CPU41は、当該軌跡の長さと、所定の目標車速度に基づいて、消費電力量Ecを算出する。消費電力量Ecを算出した後、CPU41は、S9に処理を移行する。
【0050】
S9に移行すると、CPU41は、位置変更期間Tcを算出する。位置変更期間Tcは、現在位置から最適位置への移動に要する時間を意味する。具体的には、CPU41は、自車両60が現在位置から最適位置へ至る際の軌跡の長さと、所定の目標車速度に基づいて、位置変更期間Tcを算出する。位置変更期間Tcを算出した後、CPU41は、S10に処理を移行する。
【0051】
S10では、CPU41は、最適充電期間Toを算出する。最適充電期間Toは、最適位置へ移動した後、当該最適位置において、目標充電量Etまでバッテリ55を充電するために必要な期間を意味する(図6、図7参照)。具体的には、CPU41は、先ず、現在のバッテリ残量Epから消費電力量Ecを減算し、最適位置への移動完了時のバッテリ残量(以下、移動完了時残量Ef)を算出する。そして、CPU41は、最適位置におけるバッテリ55の充電効率と、移動完了時残量Efと、目標充電量Etに基づいて、最適充電期間Toを算出する。ここで、最適位置におけるバッテリ55の充電効率は、給電ユニット65の構成等により定まる最大充電効率(本実施形態においては、90%)を意味し、充電効率マップ34に基づいて特定される。最適充電期間Toを算出した後、CPU41は、S11に処理を移行する。
【0052】
S11においては、CPU41は、位置変更期間Tcと、最適充電期間Toを合算し、第2充電期間Tbを算出する。即ち、第2充電期間Tbは、現在位置から最適位置への移動し、当該最適位置でバッテリ55を目標充電量Etまで充電するために必要な期間を示す(図6、図7)。第2充電期間Tbを算出した後、CPU41は、S12に処理を移行する。
【0053】
S12に移行すると、CPU41は、第1充電期間Taから第2充電期間Tbを減算した値が所定値よりも大きいか否かを判断する。当該所定値は、ユーザが任意に設定した値であり、フラッシュメモリ44等の記憶装置に格納されている。第1充電期間Taから第2充電期間Tbを減算した値が所定値よりも大きい場合(S12:YES)、CPU41は、S13に処理を移行する。一方、第1充電期間Taから第2充電期間Tbを減算した値が所定値以下である場合(S12:NO)、CPU41は、S14に処理を移行する。
【0054】
S13では、CPU41は、現在位置から最適位置へ位置変更してバッテリ55の充電を行うメリットがある旨を出力する。具体的には、CPU41は、充電位置案内画面80を液晶ディスプレイ15に表示することにより、現在位置から最適位置へ位置変更してバッテリ55の充電を行うメリットがある旨を報知する。ここでいうメリットとは、より短期間で目標充電量Etまでの充電を行うことができることを意味する。充電位置案内画面80(図8参照)を液晶ディスプレイ15に表示した後、CPU41は、充電支援処理プログラムを終了する。
【0055】
S14においては、CPU41は、現在位置から最適位置へ位置変更してバッテリ55の充電を行うメリットがない旨を出力する。即ち、CPU41は、現在位置でバッテリ55の充電を行う方が、メリットがある旨を出力する。具体的には、CPU41は、充電位置案内画面80を液晶ディスプレイ15に表示することにより、現在位置から最適位置へ位置変更してバッテリ55の充電を行うメリットがない旨を報知する。充電位置案内画面80(図9参照)を液晶ディスプレイ15に表示した後、CPU41は、充電支援処理プログラムを終了する。
【0056】
続いて、現在位置での充電を継続する場合と、最適位置へ移動して当該最適位置で充電を行う場合とを、バッテリ55の残量と、現在からの経過時間の関係の観点で比較する。図6、図7は、バッテリ55の残量と経過時間の関係を示すグラフである。尚、図6、図7においては、現在位置でバッテリ55の充電を行った場合のバッテリ55の残量を「第1バッテリ残量Ea」といい、現在位置から最適位置へ移動し、最適位置でバッテリ55の充電を行った場合のバッテリ55の残量を「第2バッテリ残量Eb」という。
【0057】
上述したように、現在位置で充電を継続する場合、第1バッテリ残量Eaは、現在位置における充電効率(即ち、S3で特定された充電効率)に従って継続的に充電されるので、バッテリ残量Epから目標充電量Etへ向かって、現在位置での充電効率を傾きとする直線的に増加する(図6、図7参照)。そして、第1バッテリ残量Eaがバッテリ残量Epから目標充電量Etとなるまでの期間が、S6で算出される第1充電期間Taとなる。
【0058】
一方、第2バッテリ残量Ebは、現在位置から最適位置へ移動する際に、モータの駆動等により、バッテリ残量Epから消費電力量Ec分消費され、位置変更期間Tcの時点で移動完了時残量Efとなる。その後、最適位置でのバッテリ55の充電が開始され、最適位置における充電効率に従って充電されるので、移動完了時残量Efから目標充電量Etへ向かって、最適位置での充電効率を傾きとする直線状に増加する(図6、図7参照)。即ち、移動完了時残量Efから目標充電量Etまでの充電に要する期間が最適充電期間Toとなる。そして、最適位置へ移動して当該最適位置で充電を行う場合に要する期間は、位置変更期間Tcと最適充電期間Toを合わせた第2充電期間Tbとなる。
【0059】
ここで、図6に示すように、第1充電期間Taよりも第2充電期間Tbが短い場合、最適位置へ移動させた方が、より短い時間で目標充電量Etまで充電することができる。この場合、最適位置へ自車両60を移動させたとしても、現在位置で充電を継続するよりも短期間で、目標充電量Etまでバッテリ55を充電することができるので、現在位置から最適位置へ移動させるメリットがあるといえる。
【0060】
一方、図7に示すように、第1充電期間Taよりも第2充電期間Tbが長い場合、最適位置へ移動させたことにより、現在位置で充電を継続するよりも、目標充電量Etまで充電する為に長い期間が必要となる。従って、現在位置で充電を継続した方が、最適位置へ移動させて、最適な状態(高い充電効率)で充電するよりも短期間で目標充電量Etまでバッテリ55の充電を完了することができる。従って、最適位置へ移動させるメリットは、ほとんどないといえる。
【0061】
尚、最適位置への移動することのメリットの有無は、ユーザの主観に影響される。この点、S12において、第1充電期間Taと第2充電期間Tbの差を、ユーザが設定した所定値と比較して、当該メリットの有無を判定している。従って、S12における判定結果は、ユーザの主観的要素が反映されたものとなる。
【0062】
次に、S13、S14において、液晶ディスプレイ15に表示される充電位置案内画面80について、図8、図9を参照しつつ説明する。図8は、S13における充電位置案内画面80の一例を示し、図9は、S14における充電位置案内画面80の一例を示す説明図である。
【0063】
図8、図9に示すように、充電位置案内画面80は、第1充電効率表示部81と、第2充電効率表示部82と、充電期間グラフ83とを有している。第1充電効率表示部81は、S3で特定された充電効率に基づいて、現在位置におけるバッテリ55の充電効率を表示する。第2充電効率表示部82は、S7で特定された最適位置と充電効率マップ34に基づいて、最適位置におけるバッテリ55の充電効率を表示する。
【0064】
充電期間グラフ83は、第1充電効率表示部81と、第2充電効率表示部82の上方に形成され、第1充電期間Taと、第2充電期間Tbとをグラフ表示する。従って、ユーザは、第1充電期間Taに係る棒グラフと、第2充電期間Tbに係る棒グラフを視認することにより、目標充電量Etまでの充電に要する期間の観点で、現在位置で充電を継続した場合と、最適位置へ移動させて充電を行う場合の両者を比較することができ、最適位置への移動の要否を判断し得る。
【0065】
具体的には、充電期間グラフ83は、第1充電効率表示部81の上方に位置する部分に、第1充電期間Taを示すグラフを示す。これにより、ユーザは、第1充電効率表示部81に表示された現在位置における充電効率と、充電期間グラフ83における第1充電期間Taを示すグラフを対応付けて把握できる。
【0066】
そして、充電期間グラフ83は、第2充電効率表示部82の上方に位置する部分に、第2充電期間Tbを示すグラフを示す。これにより、ユーザは、第2充電効率表示部82に表示された最適位置における充電効率と、充電期間グラフ83における第2充電期間Tbを示すグラフを対応付けて把握できる。又、第2充電期間Tbを示すグラフは、位置変更期間Tcと、最適充電期間Toを区別して表示している。従って、ユーザは、現在位置から最適位置への変更が、第2充電期間Tbに及ぼす影響の大きさを把握し得る。
【0067】
更に、S13で表示される充電位置案内画面80(図8参照)は、S14で表示される充電位置案内画面80(図9参照)と異なる背景色で表示される。従って、ユーザは、充電位置案内画面80の背景色の相違に基づいて、最適位置に位置変更して充電を行うメリットの有無を把握し得る。これにより、ユーザは、現在位置から最適位置への移動の要否を、より容易に判断し得る。
【0068】
以上、説明したように、本実施形態に係るナビゲーション装置1、ナビゲーション装置1による車両用充電支援方法及びナビゲーション装置1で実行されるコンピュータプログラム(以下、ナビゲーション装置1等という)では、現在位置におけるバッテリ55の充電効率が特定され(S3)、現在位置でバッテリ残量Epから目標充電量Etまでの充電するために必要な第1充電期間Taが算出される(S6)。
【0069】
そして、当該ナビゲーション装置1等では、現在位置よりも充電効率の良い最適位置が特定され(S7)、現在位置から最適位置への移動に要する消費電力量Ec及び位置変更期間Tcが算出される(S8、S9)。更に、最適位置における移動完了時残量Efから目標充電量Etまでの充電に要する最適充電期間Toが算出される(S10)。そして、最適位置へ移動し、最適位置で目標充電量Etまで充電する為に要する第2充電期間Tbが、位置変更期間Tcと、最適充電期間Toを合算して算出される(S11)。当該ナビゲーション装置1等では、第1充電期間Taと、第2充電期間Tbとを比較し(S12)、比較結果に基づいて、充電位置案内画面80を液晶ディスプレイ15に表示する(S13、S14)。
【0070】
従って、当該ナビゲーション装置1等は、現在位置から最適位置への位置変更に伴う消費電力量Ecや位置変更期間Tcを考慮したうえで、現在位置での充電に要する期間(第1充電期間Ta)と、最適位置への移動を伴った充電に要する期間(第2充電期間Tb)を比較する材料(充電位置案内画面80)を提示し得る。これにより、ユーザは、現在位置から最適位置への移動の必要性を十分に吟味し、的確な判断を行い得る。
【0071】
又、当該ナビゲーション装置1等は、充電位置案内画面80における充電期間グラフ83によって、バッテリ残量Epから目標充電量Etまでの充電に要する期間(即ち、第1充電期間Ta、第2充電期間Tb)の長短を、ユーザに提示し得る。従って、ユーザは、目標充電量Etまでに要する期間の長短に基づいて、現在位置での充電と、最適位置への移動を伴った充電を比較し、最適位置への移動の要否を判断することができる。
【0072】
更に、当該ナビゲーション装置1等は、充電位置案内画面80の背景色を変更することにより、第1充電期間Taと第2充電期間Tbを比較した結果を報知する(図8、図9参照)。従って、当該ナビゲーション装置1等によれば、ユーザは、現在位置におけるバッテリの充電と、前記現在位置から位置変更を行い、前記最適位置でのバッテリの充電と、の何れか一方を、より容易に選択し得る。
【0073】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。例えば、本実施形態においては、現在位置からの最適位置への移動するための軌跡を算出し、当該軌跡と所定の目標車速度に基づいて、消費電力量Ec及び位置変更期間Tcを求めていたが、この態様に限定するものではない。例えば、最適位置に対する現在位置の前後左右のズレを取得し、当該ズレの大きさに基づくテーブルを用いて、消費電力量Ecや位置変更期間Tcを算出しても良い。
【0074】
又、実際に現在位置から最適位置へ移動した場合の自車両60の軌跡や車両速度等をフラッシュメモリ44等に学習しておき、当該学習内容を、消費電力量Ec及び位置変更期間Tcの算出を行う際に用いても良い。これにより、消費電力量Ec及び位置変更期間Tcの算出結果に、ユーザの運転操作に係る癖等が反映されることとなるので、より現実に即した第2充電期間Tbを算出することができ、もって、最適位置への移動の要否に関する判断精度を向上させ得る。
【0075】
又、本実施形態においては、給電ユニット65の位置を検出する際に、給電ユニット65との通信により給電ユニット位置情報を取得していたが、この態様に限定するものではない。給電ユニット65の位置を特定することができれば種々の方法を採用し得る。例えば、ナビゲーション装置1にカメラを接続しておき、給電ユニットをカメラで撮像した画像に対して画像認識処理を行うことで、自車両60に対する給電ユニット65の位置を特定するように構成しても良い。この場合、給電ユニット65は、駐車場の地面等と区別可能な色や形状を有していることが好ましい。又、給電ユニット65が駐車場の地面等に埋設されている場合、給電ユニット65の位置を示す目印が駐車場の地面に描かれていることが望ましい。
【0076】
又、本実施形態においては、図4に示す充電効率マップ34と、オフセット量に基づいて、バッテリ55の充電効率を特定していたが、この態様に限定されるものではない。ナビゲーション装置1に磁界センサを接続し、磁界強度に基づいて充電効率を特定しても良いし、オフセット量と充電効率の関係を示すテーブルを用いても良い。又、充電効率マップ34に、高さの概念を加えた態様であっても良いし、更に、給電ユニット65と受電ユニット50の角度に応じて充電効率が変化する場合は、角度も考慮するように構成してもよい。
【0077】
更に、本実施形態においては、充電状態の一例として、給電ユニット65によるバッテリ55の充電効率を用いていたが、この態様に限定されるものではない。即ち、現在位置でのバッテリ55の充電と、最適位置でのバッテリ55の充電の良否を判断可能な指標であれば、種々の指標を用いることができる。
【符号の説明】
【0078】
1 ナビゲーション装置
13 ナビゲーションECU
41 CPU
42 RAM
43 ROM



【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリの充電に用いられる受電ユニットを有する自車両の現在位置を取得する現在位置取得手段と、
前記受電ユニットに対して非接触給電を行う給電ユニットを検出する給電ユニット検出手段と、
前記現在位置における前記給電ユニットによるバッテリの充電状態を特定する充電状態特定手段と、
前記バッテリの残量を取得するバッテリ残量取得手段と、
前記充電状態特定手段により特定された充電状態に基づいて、前記バッテリ残量から所定の目標充電量までの充電に要する第1充電期間を算出する第1充電期間算出手段と、
前記給電ユニットによるバッテリの充電状態が最良となる最適位置を特定する最適位置特定手段と、
前記現在位置から前記最適位置への移動に要する位置変更期間を推定する位置変更期間推定手段と、
前記現在位置から前記最適位置への移動に伴って消費される消費電力量を推定する消費電力推定手段と、
前記最適位置における充電状態に基づいて、前記バッテリ残量から前記消費電力量を減算した状態から、前記目標充電量までの充電に要する最適充電期間を算出する最適充電期間算出手段と、
前記位置変更期間と前記最適充電期間とを合算した第2充電期間を算出する第2充電期間算出手段と、
前記第1充電期間と前記第2充電期間とに基づいて、前記バッテリの充電に関する案内を行う案内手段と、
を有することを特徴とする車両用充電支援装置。
【請求項2】
請求項1記載の車両用充電支援装置であって、
前記案内手段は、前記第1充電期間と、前記第2充電期間とを通知する
ことを特徴とする車両用充電支援装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の車両用充電支援装置であって、
前記案内手段は、
前記第1充電期間と、前記第2充電期間とを比較した結果に基づいて、前記現在位置におけるバッテリの充電と、前記現在位置から位置変更を行い、前記最適位置でのバッテリの充電の何れか一方を推奨する案内を行う
ことを特徴とする車両用充電支援装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れかに記載の車両用充電支援装置であって、
前記充電状態特定手段は、
前記受電ユニットの位置と、前記給電ユニットの位置に基づいて、前記現在位置における前記給電ユニットによるバッテリの充電状態を特定し、
前記最適位置特定手段は、
前記受電ユニットの位置と、前記給電ユニットの位置に基づいて、前記最適位置を特定する
ことを特徴とする車両用充電支援装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4の何れかに記載の車両用充電支援装置であって、
前記バッテリの充電状態は、前記給電ユニットによるバッテリの充電効率である
ことを特徴とする車両用充電支援装置。
【請求項6】
バッテリの充電に用いられる受電ユニットを有する自車両の現在位置を取得する現在位置取得ステップと、
前記受電ユニットに対して非接触給電を行う給電ユニットを検出する給電ユニット検出ステップと、
前記現在位置における前記給電ユニットによるバッテリの充電状態を特定する充電状態特定ステップと、
前記バッテリの残量を取得するバッテリ残量取得ステップと、
前記充電状態特定ステップにより特定された充電状態に基づいて、前記バッテリ残量から所定の目標充電量までの充電に要する第1充電期間を算出する第1充電期間算出ステップと、
前記給電ユニットによるバッテリの充電状態が最良となる最適位置を特定する最適位置特定ステップと、
前記現在位置から前記最適位置への移動に要する位置変更期間を推定する位置変更期間推定ステップと、
前記現在位置から前記最適位置への移動に伴って消費される消費電力量を推定する消費電力推定ステップと、
前記最適位置における充電状態に基づいて、前記バッテリ残量から前記消費電力量を減算した状態から、前記目標充電量までの充電に要する最適充電期間を算出する最適充電期間算出ステップと、
前記位置変更期間と前記最適充電期間とを合算した第2充電期間を算出する第2充電期間算出ステップと、
前記第1充電期間と前記第2充電期間とに基づいて、前記バッテリの充電に関する案内を行う案内ステップと、
を有することを特徴とする車両用充電支援方法。
【請求項7】
コンピュータに搭載され、
バッテリの充電に用いられる受電ユニットを有する自車両の現在位置を取得する現在位置取得機能と、
前記受電ユニットに対して非接触給電を行う給電ユニットを検出する給電ユニット検出機能と、
前記現在位置における前記給電ユニットによるバッテリの充電状態を特定する充電状態特定機能と、
前記バッテリの残量を取得するバッテリ残量取得機能と、
前記充電状態特定機能により特定された充電状態に基づいて、前記バッテリ残量から所定の目標充電量までの充電に要する第1充電期間を算出する第1充電期間算出機能と、
前記給電ユニットによるバッテリの充電状態が最良となる最適位置を特定する最適位置特定機能と、
前記現在位置から前記最適位置への移動に要する位置変更期間を推定する位置変更期間推定機能と、
前記現在位置から前記最適位置への移動に伴って消費される消費電力量を推定する消費電力推定機能と、
前記最適位置における充電状態に基づいて、前記バッテリ残量から前記消費電力量を減算した状態から、前記目標充電量までの充電に要する最適充電期間を算出する最適充電期間算出機能と、
前記位置変更期間と前記最適充電期間とを合算した第2充電期間を算出する第2充電期間算出機能と、
前記第1充電期間と前記第2充電期間とに基づいて、前記バッテリの充電に関する案内を行う案内機能と、
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−217461(P2011−217461A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−81239(P2010−81239)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】