説明

車両用走行制御装置

【課題】変速機のフローティング状態において発生する歯打ち音を抑制する車両の走行制御装置を提供する。
【解決手段】手動変速機16のギヤ対46のギヤ間で歯打ち音が発生するフローティング状態であるか否かを判定するフローティング判定手段76と、上記フローティング状態であると判定された場合にスロットル弁開度θTHを所定量増加させるスロットル制御手段78と、上記スロットル弁開度θTHの増加に伴って上昇する駆動トルク増加分を相殺する引きずりトルクTBをホイールブレーキ54により発生させる制動トルク制御手段80とを含むことから、フローティング状態が判定されるとエンジン12からギヤ対46に伝達される駆動トルクが増加されてフローティング状態が速やかに回避されるので、手動変速機16のフローティング状態において発生する歯打ち音を抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジン、常時噛合型平行軸式の変速機、および制動装置を備える車両の走行制御装置に係り、特に上記変速機のフローティング状態において発生する歯打ち音を抑制する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エンジンと、動力伝達のために択一的に選択される複数のギヤ対を有し、エンジンから駆動輪への動力伝達経路の一部を構成する常時噛合型平行軸式変速機と、駆動輪の回転を制動する制動装置とを備えた車両の走行制御装置が知られている。上記制動装置としては、例えばホイールブレーキなどが用いられる。このような車両の走行制御装置としては、例えば特許文献1に記載されたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−32597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来の車両の走行制御装置では、エンジン回転速度制御中に車両の駆動力の正負が切り替わる際に、変速機において動力伝達のない中立状態でギヤ対が回転するフローティング状態が発生し、そのギヤ対のエンジン側ギヤの回転変動による振動荷重が上記ギヤ対の噛合歯に加わることにより、それら噛合歯の歯面同士が互いに打ち合うことで歯打ち音が発生するという問題があった。
【0005】
具体的に、上記エンジン回転速度制御としては、アイドル回転速度制御が挙げられる。このアイドル回転速度制御とは、アクセル全閉状態においてスロットル弁開度が調整されてエンジンの吸入空気量が制御されることにより、エンジンの回転速度が所定のアイドル回転速度に維持される制御である。そして、上記フローティング状態が発生する状況としては、例えば、アクセル全閉状態の減速走行中において、エンジンの回転速度が所定のアイドル回転速度を下回るまたは下回ろうとする際にアイドル回転速度を維持するためにスロットル弁開度が徐々に増加させられる場合が挙げられる。その他にも、上記フローティング状態が発生する状況としては、例えば、アイドル走行中において、例えば下り勾配等を走行することでエンジン回転速度が上昇する際にアイドル回転速度を維持するためにスロットル弁開度が低下させられるか或いは閉じられる場合が挙げられる。
【0006】
本発明は以上の事情を背景としてなされたものであり、その目的とするところは、変速機のフローティング状態において発生する歯打ち音を抑制する車両の走行制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するための請求項1にかかる発明の要旨とするところは、(1)エンジンと、動力伝達のために択一的に選択される複数のギヤ対を有し、エンジンから駆動輪への動力伝達経路の一部を構成する常時噛合型平行軸式変速機と、駆動輪の回転を制動する制動装置とを備えた車両の走行制御装置であって、(2)前記変速機のギヤ対のギヤ間で歯打ち音が発生するフローティング状態であるか否かを判定するフローティング判定手段と、(3)そのフローティング判定手段によりフローティング状態であると判定された場合に、前記エンジンのスロットル弁開度を所定量増加させるスロットル制御手段と、(4)そのスロットル制御手段によるスロットル弁開度の増加に伴って上昇する駆動トルク増加分を相殺する引きずりトルクを前記制動装置により発生させる制動トルク制御手段とを含むことにある。
【発明の効果】
【0008】
請求項1にかかる発明の車両の走行制御装置によれば、前記変速機のギヤ対のギヤ間で歯打ち音が発生するフローティング状態であるか否かを判定するフローティング判定手段と、そのフローティング判定手段によりフローティング状態であると判定された場合に、前記エンジンのスロットル弁開度を所定量増加させるスロットル制御手段と、そのスロットル制御手段によるスロットル弁開度の増加に伴って上昇する駆動トルク増加分を相殺する引きずりトルクを前記制動装置により発生させる制動トルク制御手段とを含むことから、フローティング状態が判定されると、エンジンからギヤ対に伝達される駆動トルクが増加されると共に、駆動輪からギヤ対には上記駆動トルク増加分に対して反対回転方向且つ同じ大きさの引きずりトルク(制動トルク)が伝達されることにより、ギヤ対が動力伝達状態とされてフローティング状態が速やかに回避されるので、変速機のフローティング状態において発生する歯打ち音を、車両の走行状態を維持しつつ抑制することができる。
【0009】
ここで、好ましくは、アクセル全閉状態か否かを判定するアクセル全閉判定手段と、車両が減速走行中であるか否かを判定する減速走行中判定手段と、エンジンの回転速度が予めアイドル回転速度またはその付近に設定された所定値以下であるか否かに基づいて、エンジンがアイドル回転速度制御の実行される回転速度領域であるか否かを判定するアイドル回転速度制御判定手段とを備え、前記フローティング判定手段は、アクセル全閉判定手段によりアクセル全閉状態と判定され、且つ減速走行中判定手段により減速走行中であると判定され、且つアイドル回転速度制御判定手段によりエンジンの回転速度が予めアイドル回転速度またはその付近に設定された所定値以下であると判定された場合に、フローティング状態であると判定するものである。このようにすれば、アクセル全閉状態の減速走行中において、エンジンの回転速度が所定のアイドル回転速度を下回るまたは下回ろうとする際にアイドル回転速度制御が実行されることにより変速機がフローティング状態となることを検出することができる。
【0010】
また、好ましくは、車両がアイドル走行状態であるか否かを判定するアイドル走行判定手段と、エンジン回転速度と予め設定されたアイドル回転速度との差が予め設定された閾値を上回るか否かを判定するアイドル回転逸脱度合判定手段とを備え、前記フローティング判定手段は、アイドル走行判定手段によりアイドル走行状態であると判定され、且つアイドル回転逸脱度合判定手段によりエンジン回転速度とアイドル回転速度との差が予め設定された閾値を上回ると判定された場合に、フローティング状態であると判定するものである。このようにすれば、アイドル走行中において、例えば下り勾配等を走行することでエンジン回転速度が上昇する際にアイドル回転速度制御が実行されることにより変速機がフローティング状態となることを検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明が適用された車両の制御系統を説明するブロック線図と、本発明の一実施例であって車両の走行制御装置として機能する電子制御装置の制御作動の要部を説明する機能ブロック線図とを示す図である。
【図2】図1の電子制御装置の信号処理によって実行される制御作動の要部を説明するフローチャートである。
【図3】図1の電子制御装置の信号処理によって実行される制御作動の要部を説明するフローチャートである。
【図4】図1の電子制御装置の制御作動を説明するタイムチャートを示す図である。
【図5】本発明が適用されていない従来の電子制御装置の制御作動を説明するタイムチャートを示す図である。
【図6】図1の電子制御装置の制御作動を説明するタイムチャートを示す図である。
【図7】本発明が適用されていない従来の電子制御装置の制御作動を説明するタイムチャートを示す図である。
【図8】本発明が適用されていない車両の走行状態の一例として減速走行からアイドル定常走行へ遷移する際の実際のエンジン回転速度、クラッチ捩れ角、車内音、ナックルアームの前後振動加速度、車両加速度、および異音(歯打ち音)発生タイミングを時系列的に示す図である。
【図9】図8に示す車両の走行状態と手動変速機のギヤ対の動力伝達状態との関係を表形式で示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
【実施例】
【0013】
図1は、本発明が適用された車両の制御系統を説明するブロック線図と、本発明の一実施例であって車両の走行制御装置として機能する電子制御装置10の制御作動の要部を説明する機能ブロック線図とを示す図である。図1において、たとえば内燃機関にて構成される走行用駆動力源としてのエンジン12の出力は、摩擦クラッチ14を経て手動変速機16に入力され、差動歯車装置18および車軸20を介して駆動輪(後輪)22へ伝達されるようになっている。なお、本実施例の車両は、FR(フロントエンジン・リヤドライブ)形式のものである。
【0014】
上記エンジン12は、燃料を燃焼させて動力を出力するガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の公知の内燃機関である。このエンジン12の吸気配管23には、アクセルペダル24の操作量に相当するアクセル開度Acc等に応じて吸気空気量を制御するためにスロットルアクチュエータ26により開き角すなわちスロットル弁開度θTHが調整される電子スロットル弁28が設けられている。上記アクセルペダル24は、運転者の出力要求量に応じて大きく踏み込み操作されるものであり、アクセル開度Accは、上記出力要求量に相当するものである。エンジン12では、マイクロコンピュータを主体として構成される電子制御装置10によって、スロットルアクチュエータ26により電子スロットル弁28が開閉制御される他、燃料噴射量制御のために燃料噴射弁34が制御され、点火時期制御のためにイグナイタ等の点火装置36が制御される等によって、必要なエンジン出力を発生するための出力制御が実行されるようになっている。上記電子制御装置10には、例えば、スロットル弁開度θTHを検出するスロットル弁開度センサ38、燃料供給量を検出する燃料供給量センサ、エンジン回転速度NEを検出するエンジン回転速度センサ40、車速Vを検出する車速センサ42、アクセル開度Accを検出するアクセル開度センサ44、およびブレーキペダル操作の有無を検出するためのブレーキセンサ等からそれらの検出信号がそれぞれ供給されるようになっている。
【0015】
上記手動変速機16は、動力伝達のために択一的に選択される複数のギヤ対46を有し、エンジン12から駆動輪22への動力伝達経路の一部を構成するよく知られた所謂常時噛合型平行軸式の変速機である。具体的には、手動変速機16は、トランスミッションケース48内において相対回転可能に軸支され、互いに平行に設けられた入力軸50および出力軸52と、ギヤ比がそれぞれ異なり、入力軸50および出力軸52の2軸間において常時噛み合う状態で設けられた複数のギヤ対46と、それら複数のギヤ対46に対応してそれぞれ設けられた図示しない複数の同期噛合クラッチとを備えて構成されている。手動変速機16では、上記複数の同期噛合クラッチが択一的に係合状態とされることにより、その係合状態とされた同期噛合クラッチに対応するギヤ対46が動力伝達状態とされるようになっている。そして、複数のギヤ対46が択一的に選択されて動力伝達状態とされることにより、複数のギヤ段のいずれか1が成立させられるようになっている。前記電子制御装置10には、前述の検出信号の他に、例えば、手動変速機16において成立されたギヤ段を検出するシフトポジションセンサ53からその検出信号が供給されるようになっている。なお、手動変速機16は、本発明における常時噛合型平行軸式変速機に相当するものである。
【0016】
ホイールブレーキ54は、よく知られた所謂ディスクブレーキから構成され、後輪すなわち駆動輪22と図示しない前輪とを含む車輪の回転を制動する本発明における制動装置として機能するものである。具体的には、ホイールブレーキ54は、車軸20に固定されて上記車輪と共に回転する図示しない円盤状のディスクと、非回転部材に配設され、供給されるブレーキ油圧PBに応じて上記ディスクを挟圧して車輪に制動トルクを発生させる油圧シリンダを有する図示しないキャリパーとを備えて構成されている。上記ブレーキ油圧PBは、運転者により踏み込み操作されるブレーキペダル60の踏力或いは踏込量に応じてマスターシリンダ62で発生させられた油圧がブレーキアクチュエータ64にて増圧、保持、または減圧されて各キャリパーへ供給される油圧である。上記ブレーキアクチュエータ64は、図示しない油圧ポンプやアキュムレータ、および各ホイールブレーキ54への油路に設けられた例えばリニアソレノイドバルブ等の電磁弁などを備え、電子制御装置10からの指令に従って上記油圧ポンプおよび電磁弁が作動させられることにより、各ホイールブレーキ54へ供給されるブレーキ油圧PBを個別に調圧制御するものである。本実施例では、上述のようにブレーキペダル60の踏力に応じてマスターシリンダ62で発生させられた油圧の他、ブレーキアクチュエータ64の油圧ポンプで単独に発生させられた油圧が供給されることによっても所定の制動トルクが発生するようになっている。すなわち、ブレーキペダル60の非操作時であっても、電子制御装置10によってブレーキアクチュエータ64からブレーキ油圧PBが供給されるとともにそのブレーキ油圧PBが調圧制御されることにより、車両の制動力を制御することができるようになっている。
【0017】
電子制御装置10は、車両の走行制御装置として機能するものであって、CPU、ROM、RAM、および入出力インターフェースなどから成る所謂マイクロコンピュータを含んで構成されている。上記CPUは、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより、エンジン12の出力制御(後述のスロットル制御を含む)やホイールブレーキ54のブレーキ油圧制御(後述の制動トルク制御を含む)などを実行するようになっている。以下では、電子制御装置10が備える制御機能の要部を説明する。
【0018】
アクセル全閉判定手段66は、実際のアクセル開度Accが予め0[%]またはその付近に設定された所定値Acc1以下であるか否かに基づいて、アクセル全閉状態か否かを判定する。
【0019】
減速走行中判定手段68は、実際の車速Vに基づいて車両が減速走行中であるか否かを判定する。
【0020】
アイドル回転速度制御判定手段70は、エンジン回転速度NEが予めアイドル回転速度NEidleまたはその付近に設定された所定値NE1以下であるか否かに基づいて、エンジン12がアイドル回転速度制御の実行される回転速度領域であるか否かを判定する。上記アイドル回転速度制御とは、アクセル全閉状態においてスロットル弁開度θTHが調整されてエンジン12の吸入空気量が制御されることにより、エンジン12の回転速度NEが所定のアイドル回転速度NEidleに維持される制御であり、上記アイドル回転速度NEidleは、エンジン12が運転状態を維持するのに必要且つ十分な回転速度であって、例えば、900[rad/s]またはその付近に設定される。
【0021】
アイドル走行判定手段72は、車両がアイドル走行状態であるか否かを判定する。
【0022】
アイドル回転逸脱度合判定手段74は、エンジン回転速度NEと予め設定されたアイドル回転速度NEidleとの差△NEが予め設定された閾値△NE1を上回るか否かを判定する。上記閾値△NE1は、例えば、アイドル走行中において例えば下り勾配等を走行することでエンジン回転速度NEが上昇する際にアイドル回転速度を維持するためにスロットル弁開度θTHが低下させられるか或いは閉じられるアイドル回転速度制御が実行された場合に、手動変速機16がフローティング状態となる下限値であって、予め実験的に求められる。
【0023】
フローティング判定手段76は、手動変速機16がその手動変速機16のギヤ対46のギヤ間で歯打ち音が発生するフローティング状態であるか否かを判定する。本実施例では、フローティング判定手段76は、例えば、アクセル全閉判定手段66によりアクセル全閉状態と判定され、且つ減速走行中判定手段68により減速走行中であると判定され、且つアイドル回転速度制御判定手段70によりエンジン12がアイドル回転速度制御の実行される回転速度領域であると判定された場合に、手動変速機16がフローティング状態であると判定する。また、フローティング判定手段76は、例えば、アイドル走行判定手段72によりアイドル走行状態であると判定され、且つアイドル回転逸脱度合判定手段74によりエンジン回転速度NEと予め設定されたアイドル回転速度NEidleとの差△NEが予め実験的に求められた閾値△NE1を上回ると判定された場合に、手動変速機16がフローティング状態であると判定する。
【0024】
スロットル制御手段78は、フローティング判定手段76によりフローティング状態であると判定された場合に、エンジン12のスロットル弁開度θTHを、車両が平坦路においてアイドル定常走行するための予め実験的に求められた所定値θTH1とすることにより、所定量増加させる。すなわち、アクセル全閉状態の減速走行中においてエンジン回転速度NEが所定のアイドル回転速度NEidleを下回る場合には、アイドル回転速度NEidleを維持するためにアイドル回転速度制御によりスロットル弁開度θTHが所定値θTH1に向けて徐々に増加させられるのではなく、一気に所定値θTH1まで増加されることで所定量増加される。また、アイドル走行中において例えば下り勾配等を走行することでエンジン回転速度NEが上昇する場合には、アイドル回転速度NEidleを維持するためにアイドル回転速度制御によりスロットル弁開度θTHが0[%]またはその付近とされるのではなく、所定値θTH1に留められることでその0[%]またはその付近とされる時と比較して相対的に所定量増加される。
【0025】
制動トルク制御手段80は、スロットル制御手段78によるスロットル弁開度θTHの増加に伴って上昇する駆動トルク増加分を相殺する引きずりトルクTBをホイールブレーキ54により発生させる。本実施例では、例えば、上記スロットル弁開度θTHの増加に伴って上昇する駆動トルクに対応する差△NEの絶対値と、上記引きずりトルクTBとの予め実験的に求められた関係から、実際の差△NEの絶対値に基づいて、駆動トルク上昇分を相殺するための引きずりトルクTBが算出され、その算出された引きずりトルクTBを発生させるためにホイールブレーキ54にブレーキ油圧PBが供給されるようになっている。上記駆動トルク上昇分を相殺するとは、その駆動トルク増加分に対して同じ大きさ且つ反対回転方向の制動トルクを発生させることを意味している。
【0026】
また、制動トルク制御手段80は、上記算出された引きずりトルクTBが予め設定された所定値TB1を下回るか否かが判定され、上記判定が肯定される場合には、引きずりトルクTBの発生を継続し、また、上記判定が否定される場合には、引きずりトルクTBの発生を停止する。
【0027】
また、フローティング判定手段76は、エンジン回転速度NEとアイドル回転速度NEidleとの差△NEの絶対値が予め設定された閾値△NE2を下回るか否かに基づいて、エンジン回転速度NEがアイドル回転速度NEidleに収束したか否かを判定し、その判定が肯定された場合には、制動トルク制御手段80による前記引きずりトルクの発生を停止させる。上記閾値△NE2は、例えば、手動変速機16がフローティング状態を維持する上限値であって、予め実験的に求められる。
【0028】
図2および図3は、車両の走行制御装置として機能する電子制御装置10の信号処理によって実行される制御作動の要部を説明するフローチャートである。これらのフローチャートは、手動変速機16のフローティング状態においてスロットル弁開度θTHを所定量増加させるとともにそのスロットル弁開度増加に見合う駆動トルク上昇分を相殺する引きずりトルクTBを発生させるための一連の手順を示したフローチャートであって、たとえば数msec〜数十msecの所定の周期ごとにそれぞれのルーチンが同時並行にて繰り返し実行される。
【0029】
先ず、図2について説明する。図2において、先ず、アクセル全閉判定手段66および減速走行中判定手段68に対応するステップS1(以下、ステップを省略する)では、アクセル全閉状態か否か、および車両が減速走行中であるか否かが判定される。
【0030】
S1の判定が否定される場合には、本ルーチンが終了させられるが、肯定される場合には、アイドル回転速度制御判定手段70に対応するS2において、エンジン回転速度NEが所定値NE1以下であるか否かに基づいて、エンジン12がアイドル回転速度制御の実行される回転速度領域であるか否かが判定される。
【0031】
S2の判定が否定される場合には、本ルーチンが終了させられるが、肯定される場合には、スロットル制御手段78に対応するS3において、エンジン12のスロットル弁開度θTHが、車両が平坦路においてアイドル定常走行するための予め実験的に求められた所定値θTH1とされることにより、所定量増加される。
【0032】
次いで、制動トルク制御手段80に対応するS4では、S3におけるスロットル弁開度θTHの増加に伴って上昇する駆動トルクを相殺する引きずりトルクTBが算出され、その算出された引きずりトルクTBがホイールブレーキ54により付加される。
【0033】
次いで、フローティング判定手段76に対応するS5では、エンジン回転速度NEとアイドル回転速度NEidleとの差△NEの絶対値が予め設定された閾値△NE2を下回るか否かに基づいて、エンジン回転速度NEがアイドル回転速度NEidleに収束したか否かが判定される。
【0034】
S5の判定が否定される場合には、制動トルク制御手段80に対応するS6において、S4におけるホイールブレーキ54による引きずりトルクTBの付加が停止されて、本ルーチンが終了させられる。
【0035】
続いて、図3について説明する。図3において、先ず、アイドル走行判定手段72に対応するS11では、車両がアイドル走行状態であるか否かが判定される。
【0036】
S11の判定が否定される場合には、本ルーチンが終了させられるが、肯定される場合には、アイドル回転逸脱度合判定手段74に対応するS12において、エンジン回転速度NEと予め設定されたアイドル回転速度NEidleとの差△NEが予め設定された閾値△NE1を上回るか否かが判定される。
【0037】
S12の判定が否定される場合には、本ルーチンが終了させられるが、肯定される場合には、スロットル制御手段78に対応するS13において、エンジン12のスロットル弁開度θTHが、車両が平坦路においてアイドル定常走行するための予め実験的に求められた所定値θTH1とされることにより、所定量増加される。
【0038】
次いで、制動トルク制御手段80に対応するS14では、S13におけるスロットル弁開度θTHの増加に伴って上昇する駆動トルクを相殺する引きずりトルクTBが算出され、その算出された引きずりトルクTBがホイールブレーキ54により付加される。
【0039】
次いで、制動トルク制御手段80に対応するS15では、S14において算出された引きずりトルクTBが予め設定された所定値TB1を下回るか否かが判定される。
【0040】
S15の判定が否定される場合には、S14におけるホイールブレーキ54による引きずりトルクTBの付加が停止されるとともに電子スロットル弁28が全閉状態とされ、図2におけるS1以下が実行される。 S15の判定が肯定される場合には、S12以下が繰り返し実行される。
【0041】
図4は、電子制御装置10の制御作動を説明するタイムチャートであって、例えば、アクセル全閉状態の減速走行中においてエンジン回転速度NEが所定のアイドル回転速度NEidleを下回る際のエンジン回転速度NE[rpm]、スロットル弁開度θTH[%]、およびブレーキ油圧PB[Pa]の一例を時系列的に示す図である。図4において、横軸は、経過時間t[s]を示している。なお、t1時点以前は、図2のS1における判定が肯定されるアクセル全閉状態の減速走行中であることを示している。
【0042】
t1時点は、図2のS2の判定が肯定された時点である。このt1時点直後に図2のS3およびS4が速やかに実施されることにより、スロットル弁開度θTHがアイドル定常走行するための所定値θTH1とされ、ブレーキ油圧PBが上記スロットル弁開度増加に見合う引きずりトルクTBを発生させる値とされている。これにより、エンジン12からギヤ対46に伝達される駆動トルクが上昇するとともに、その駆動トルク上昇分に対して同じ大きさ且つ反対方向の制動トルクが駆動輪22からギヤ対46に伝達されて、ギヤ対46の伝達トルクが負から正へ速やかに切り替えられる。そして、車両は、アクセル全閉状態の減速走行からアイドル定常走行に速やかに遷移している。
【0043】
t2時点は、図2のS5の判定が肯定された時点である。このt2時点直後に図2のS6が速やかに実施されて引きずりトルクTBの付加が停止される。このt2時点以後は、アイドル定常走行が継続されている。
【0044】
因みに、図5は、本発明が適用されていない従来の電子制御装置10の制御作動を説明するタイムチャートであって、アクセル全閉状態の減速走行中においてエンジン回転速度NEが所定のアイドル回転速度NEidleを下回る際のエンジン回転速度NE[rpm]、スロットル弁開度θTH[%]、およびブレーキ油圧PB[Pa]の一例を時系列的に示す図であり、図4に対応する図である。図5において、横軸は、経過時間t[s]を示している。なお、t3時点以前は、アクセル全閉状態の減速走行中であることを示している。
【0045】
t3時点は、エンジン回転速度NEが所定のアイドル回転速度NEidle以下となったことでアイドル回転速度制御が開始された時点を示している。このt3時点より、スロットル弁開度θTHが徐々に増加されてエンジン回転速度NEがアイドル回転速度NEidleに近づけられ、アクセル全閉状態の減速走行からアイドル定常走行に緩やかに遷移している。なお、この場合のアイドル回転速度制御では、ブレーキ油圧PBを変化させる制御は行われない。また、このt3時点より、車両の駆動力の負から正への切り替えが開始され、その途中において手動変速機16で動力伝達のない中立状態が発生する。
【0046】
t4時点は、車両の駆動力が負から正へ切り替わる際に、手動変速機16において動力伝達のない中立状態が終了する時点を示している。すなわち、t3時点からt4時点までの間で、手動変速機16において動力伝達のない中立状態でギヤ対46が回転するフローティング状態が発生している。
【0047】
図5の従来例においては、t3時点からt4時点まで手動変速機16におけるフローティング状態が発生しているのに対して、図4の本実施例においては、t1時点直後においてギヤ対46の伝達トルクが瞬時に負から正へ遷移されることにより手動変速機16のフローティング状態の発生時間が短縮されている。
【0048】
図6は、電子制御装置10の制御作動を説明するタイムチャートであって、例えば、アイドル走行中において例えば下り勾配等を走行することでエンジン回転速度NEが上昇する際のエンジン回転速度NE[rpm]、スロットル弁開度θTH[%]、およびブレーキ油圧PB[Pa]の一例を時系列的に示す図である。図6において、横軸は、経過時間t[s]を示している。なお、t11時点は、車両の走行路が下り勾配となることに伴いスロットル弁開度θTHが所定値θTH2に増加された時点を示している。
【0049】
t12時点は、図3のS12の判定が肯定された時点である。このt12時点直後に図3のS13およびS14が速やかに実施されることにより、スロットル弁開度θTHが所定値θTH2からアイドル定常走行するための所定値θTH1とされ、ブレーキ油圧PBが所定の引きずりトルクTBを発生させる値とされている。ここで、t12時点では、スロットル弁開度θTHが、後述の図7において電子スロットル弁28の全閉状態に相当する0[%]付近とされることに比較して相対的に所定値θTH1まで増加されており、ブレーキ油圧PBは、上記相対的に増加されるスロットル弁開度θTHに見合う駆動トルク上昇分を相殺する引きずりトルクTBを発生させる値とされている。これにより、スロットル弁開度θTHが所定値θTH2から所定値θTH1とされることによる減速走行からアイドル定常走行へ速やかに遷移している。そして、その遷移中に車両の駆動力が負から正へ切り替えられる際に、ギヤ対46の伝達トルクは負から正へ速やかに切り替えられる。
【0050】
t13時点は、図3のS12の判定が否定された時点である。このt13時点直後に引きずりトルクTBの付加が停止され、t13時点以後は、アイドル定常走行が継続されている。
【0051】
因みに、図7は、本発明が適用されていない従来の電子制御装置10の制御作動を説明するタイムチャートであって、アイドル走行中において例えば下り勾配等を走行することでエンジン回転速度NEが上昇する際のエンジン回転速度NE[rpm]、スロットル弁開度θTH[%]、およびブレーキ油圧PB[Pa]の一例を時系列的に示す図であり、図6に対応する図である。図7において、横軸は、経過時間t[s]を示している。なお、t14時点は、車両の走行路が下り勾配となることに伴いスロットル弁開度θTHが増加された時点を示している。
【0052】
t15時点は、エンジン回転速度NEがアイドル回転速度NEidleに比較して所定値高くなったことでアイドル回転速度制御が実行された時点を示している。このt15時点より、電子スロットル弁28が全閉状態とされてスロットル弁開度θTHが0[%]付近まで低下されることにより、車両が減速走行状態とされてエンジン回転速度NEが低下している。
【0053】
t16時点は、エンジン回転速度NEがアイドル回転速度NEidleに比較して所定値低くなったことでアイドル回転速度制御が実行された時点を示している。このt16時点より、スロットル弁開度θTHが所定値θTH1に増加されてエンジン回転速度NEがアイドル回転速度NEidleに徐々に近づけられ、減速走行からアイドル定常走行に緩やかに遷移している。なお、この場合のアイドル回転速度制御では、ブレーキ油圧PBを変化させる制御は行われない。また、このt16時点より、車両の駆動力の負から正への切り替えが開始され、その途中において手動変速機16で動力伝達のない中立状態が発生する。
【0054】
図7の従来例では、車両が減速走行からアイドル定常走行に遷移する際に駆動力が負から正へ切り替えられる途中において、手動変速機16で動力伝達のない中立状態すなわちフローティング状態が比較的長い間発生しているのに対して、図6の本実施例では、ギヤ対46の伝達トルクが瞬時に負から正へ遷移されることにより手動変速機16のフローティング状態の発生時間が短縮されている。
【0055】
以下においては、手動変速機16において発生するフローティング状態と車両の走行状態との関係を示しつつ、その車両の走行状態と異音(歯打ち音)の発生タイミングとの関係を説明する。図8は、本発明が適用されていない車両の走行状態の一例として減速走行からアイドル定常走行へ遷移する際の実際のエンジン回転速度NE[rpm]、クラッチ捩れ角[rad]、車内音、ナックルアームの前後振動加速度[m/s2]、車両加速度[m/s2]、および異音(歯打ち音)発生タイミングを時系列的に示す図である。また、図9は、図8に示す車両の走行状態と手動変速機16のギヤ対46の動力伝達状態との関係を表形式で示す図である。なお、図8において車両の走行状態を矢印で区分して示す記号a乃至eは、図9の最上段に示す車両走行状態を表す記号a乃至eに対応している。
【0056】
図8において、矢印aは減速走行を示している。この減速走行中においては、図9に示すように、手動変速機16のギヤ対46は、エンジン12側ギヤ46aが駆動輪22側ギヤ22bから回転駆動される状態にあり、そのエンジン側ギヤ22aへの入力トルクは、マイナス値(マイナストルク)となっている。
【0057】
図8において、矢印b,c,dは車両の駆動力が負から正へ切り替えられる減速走行から加速走行へ遷移する途中の状態を示している。この遷移状態においては、車両加速度が0.2[m/s]程度以下の微減速走行から無加速走行を経て微加速走行へ遷移している。この遷移状態においては、クラッチ捩り角が負から正へ切り替えられている。そして、その切り替え時すなわち矢印Aで示す異音タイミング付近において、矢印Bで示すように車内音が比較的大きくなっているとともに矢印Cで示すようにナックルアーム前後振動加速度が比較的大きくなっている。図9に示すように、無加速走行中、微減速走行中、および微加速走行中において手動変速機16のギヤ対46は、動力伝達のない中立状態でそれぞれ回転するフローティング状態にある。そして、微減速走行中および微加速走行中において手動変速機16のギヤ対46は、エンジン12側ギヤ46aが駆動輪22側ギヤ22bに対してガタ共振により相対回転変動することにより互いの歯面同士が打ち合う状態とされ、異音(減速側および加速側)が発生している状態にある。前記車内音およびナックルアーム前後振動加速度の増加は、この異音の発生に起因して生じている。
【0058】
図8において、矢印eは加速走行を示している。この加速走行中においては、図9に示すように、手動変速機16のギヤ対46は、駆動輪22側ギヤ22bがエンジン12側ギヤ46aから回転駆動される状態にあり、そのエンジン側ギヤ22aへの入力トルクは、プラス値(プラストルク)となっている。
【0059】
図8に示すように、エンジン回転速度NEがアイドリング回転速度NEidleへ収束する際に矢印eで示す加速走行から矢印dで示す微加速走行となる期間がある。この微加速走行においても、矢印DおよびGで示す異音タイミング付近において、矢印EおよびHで示すように車内音が比較的大きくなっているとともに矢印FおよびIで示すようにナックルアーム前後振動加速度が比較的大きくなっている。この車内音およびナックルアーム前後振動加速度の増加も、前述のように、微加速走行中において手動変速機16のギヤ対46の歯面同士が打ち合うことによる異音に起因して生じている。
【0060】
以上のことから、本実施例の車両用走行制御装置としての電子制御装置10によれば、手動変速機16のギヤ対46のギヤ間で歯打ち音が発生するフローティング状態であるか否かを判定するフローティング判定手段76と、そのフローティング判定手段76によりフローティング状態であると判定された場合に、エンジン12のスロットル弁開度θTHを所定量増加させてアイドル定常走行するための所定値θTH1とするスロットル制御手段78と、そのスロットル制御手段78によるスロットル弁開度θTHの増加に伴って上昇する駆動トルク増加分を相殺する引きずりトルクTBをホイールブレーキ(制動装置)54により発生させる制動トルク制御手段80とを含むことから、フローティング状態が判定されると、エンジン12からギヤ対46に伝達される駆動トルクが増加されると共に、駆動輪22からギヤ対46には上記駆動トルク増加分に対して反対回転方向且つ同じ大きさの引きずりトルク(制動トルク)TBが伝達されることにより、ギヤ対46が動力伝達状態とされてフローティング状態が速やかに回避されるので、手動変速機16のフローティング状態において発生する歯打ち音を、車両の走行状態を維持しつつ抑制することができる。
【0061】
また、本実施例の電子制御装置10によれば、アクセル全閉状態か否かを判定するアクセル全閉判定手段66と、車両が減速走行中であるか否かを判定する減速走行中判定手段68と、エンジン12の回転速度NEが予めアイドル回転速度NEidleまたはその付近に設定された所定値NE1以下であるか否かに基づいて、エンジン12がアイドル回転速度制御の実行される回転速度領域であるか否かを判定するアイドル回転速度制御判定手段70とを備え、フローティング判定手段76は、アクセル全閉判定手段66によりアクセル全閉状態と判定され、且つ減速走行中判定手段68により減速走行中であると判定され、且つアイドル回転速度制御判定手段70によりエンジン回転速度NEが予めアイドル回転速度NEidleまたはその付近に設定された所定値NE1以下であると判定された場合に、フローティング状態であると判定するものである。このようにすれば、アクセル全閉状態の減速走行中において、エンジン12の回転速度NEが所定のアイドル回転速度NEidleを下回るまたは下回ろうとする際にアイドル回転速度制御が実行されることによって手動変速機16がフローティング状態となることを検出することができる。
【0062】
また、本実施例の電子制御装置10によれば、車両がアイドル走行状態であるか否かを判定するアイドル走行判定手段72と、エンジン回転速度NEと予め設定されたアイドル回転速度NEidleとの差△NEの絶対値が予め設定された閾値△NE1を上回るか否かを判定するアイドル回転逸脱度合判定手段74とを備え、フローティング判定手段76は、アイドル走行判定手段72によりアイドル走行状態であると判定され、且つアイドル回転逸脱度合判定手段74によりエンジン回転速度NEとアイドル回転速度NEidleとの差△NEが予め設定された閾値△NE1を上回ると判定された場合に、フローティング状態であると判定するものである。このようにすれば、アイドル走行中において、例えば下り勾配等を走行することでエンジン回転速度NEが上昇する際にアイドル回転速度制御が実行されることにより手動変速機16がフローティング状態となることを検出することができる。
【0063】
以上、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、別の態様でも実施され得る。
【0064】
例えば、前述の実施例において、車両はFR形式であったが、これに限らず、例えばFF形式やRR形式等のその他の駆動形式の車両であっても本発明は適用し得る。
【0065】
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、その他一々例示はしないが、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々変更、改良を加えた態様で実施することができる。
【符号の説明】
【0066】
10:電子制御装置(車両用走行制御装置)
12:エンジン
16:手動変速機(常時噛合型平行軸式変速機)
46:ギヤ対
54:ホイールブレーキ(制動装置)
76:フローティング判定手段
78:スロットル制御手段
80:制動トルク制御手段
TB:引きずりトルク
θTH:スロットル弁開度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンと、動力伝達のために択一的に選択される複数のギヤ対を有し、該エンジンから駆動輪への動力伝達経路の一部を構成する常時噛合型平行軸式変速機と、該駆動輪の回転を制動する制動装置とを備えた車両の走行制御装置であって、
前記変速機のギヤ対のギヤ間で歯打ち音が発生するフローティング状態であるか否かを判定するフローティング判定手段と、
該フローティング判定手段によりフローティング状態であると判定された場合に、前記エンジンのスロットル弁開度を所定量増加させるスロットル制御手段と、
該スロットル制御手段によるスロットル弁開度の増加に伴って上昇する駆動トルク増加分を相殺する引きずりトルクを前記制動装置により発生させる制動トルク制御手段と
を、含むことを特徴とする車両の走行制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−195215(P2010−195215A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−42895(P2009−42895)
【出願日】平成21年2月25日(2009.2.25)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】