車両用走行情報提供装置
【課題】走行情報と地図データとの対応関係が理解しやすい車両用走行情報提供装置を提供する。
【解決手段】車両が走行情報の位置から所定距離以上離れている場合は、走行情報の第1シンボル画像105を道路形状画像における走行情報の存在位置に対応しない位置に表示し、車両が走行情報の位置から所定距離未満まで接近した場合は、立体的図法による道路形状画像を表示するとともに、走行情報の存在位置に関連させた表示位置又は表示様態の、前記第1シンボル画像105とは異なる第2シンボル画像104に変更して表示する。第1シンボル画像105から第2シンボル画像104に変更する前に、これら第1シンボル画像及び第2シンボル画像に対して連続的に遷移する補間画像を表示する。
【解決手段】車両が走行情報の位置から所定距離以上離れている場合は、走行情報の第1シンボル画像105を道路形状画像における走行情報の存在位置に対応しない位置に表示し、車両が走行情報の位置から所定距離未満まで接近した場合は、立体的図法による道路形状画像を表示するとともに、走行情報の存在位置に関連させた表示位置又は表示様態の、前記第1シンボル画像105とは異なる第2シンボル画像104に変更して表示する。第1シンボル画像105から第2シンボル画像104に変更する前に、これら第1シンボル画像及び第2シンボル画像に対して連続的に遷移する補間画像を表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用走行情報提供装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カーナビゲーションシステムによる経路案内を運転手に分かり易く提供するため、ヘッドアップディスプレイを用いて道路輪郭と進行方向像をフロントウィンドに表示する車両用経路誘導装置が知られている(特許文献1)。
【0003】
この車両用経路誘導装置では、目標交差点までの距離が大きいときは矢印による進行方向表示のみを表示し、目標交差点が近づいたら道路形状と進行方向とを重ね合わせた画像に切り換えて表示する(段落0041及び図11参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−83397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の車両用経路誘導装置では、目標交差点が近づいたらいきなり道路形状と進行方向とが重ね合わされた画像が表示されるので、ディスプレイに表示された目標交差点が実際に見ている前方景色のどれに対応するか即座に認識し難いという問題があった。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、走行情報と地図データとの対応関係が理解しやすい車両用走行情報提供装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、車両が近づくにつれ、走行情報の第1シンボル画像を連続的に遷移させながら第2シンボル画像に変更しつつ、道路形状画像における対応する位置へ表示することによって上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、第1シンボル画像が第2シンボル画像へ連続的に遷移しながら変更され、最終的に道路形状画像における対応する位置へ表示されるので、これら一連の表示を観察することで、その走行情報が道路形状のどの位置に対応するかを容易に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】発明の第1実施形態に係る車両用走行情報提供装置を示すブロック図である。
【図2】図1の液晶ディスプレイ(LCD1,LCD2)の設置位置を示す図である。
【図3】図1の車両用走行情報提供装置の制御手順を示すフローチャートである。
【図4】図3のステップS4のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図5】左図は発明の第1実施形態における二次元道路形状を示す図、右図はこれを運転手の視点で見た場合の三次元道路形状の図である。
【図6】左図は発明の第1実施形態における走行情報を表すシンボル画像を見やすい角度から見た図、右図はこれを運転手の視点で描いた道路と同じアングルから見た図である。
【図7】上段は発明の第1実施形態の3D道路形状に情報シンボル画像を接続する様子を示す図、下段はその変形例を示す図である。
【図8】発明の第1実施形態に係る可視範囲の一例を示す平面図である。
【図9】発明の第2実施形態に係る車両用走行情報提供装置の制御手順を示すサブルーチンのフローチャートである。
【図10】発明の第2実施形態において、分岐・矢印のシンボル画像の描画アングルを少しずつ変えた画像例を示す図である。
【図11】図10の分岐・矢印のシンボル画像を二次元から三次元に表示変更するタイミングと位置変更のタイミングを示す図である。
【図12】発明の第3実施形態に係る車両用走行情報提供装置の制御手順を示すサブルーチンのフローチャートである。
【図13】発明の第3実施形態において、道路の高低差を考慮した交差点形状の表示例を示す図である。
【図14】発明の第4実施形態に係る車両用走行情報提供装置の制御手順を示すサブルーチンのフローチャートである。
【図15】発明の第4実施形態において、紛らわしい交差点が存在する場合の接続タイミングを説明する図である。
【図16】発明の第5実施形態に係る車両用走行情報提供装置の制御手順を示すサブルーチンのフローチャートである。
【図17】発明の第5実施形態における道路形状の一例を示す図である。
【図18】発明の第5実施形態における表示例を示す図である。
【図19】発明の第6実施形態に係る車両用走行情報提供装置の制御手順を示すサブルーチンのフローチャートである。
【図20】発明の第6実施形態における道路形状の一例を示す図である。
【図21】発明の第6実施形態における表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、発明の一実施の形態に係る車両用走行情報提供装置を、経路案内表示を行うカーナビゲーションシステムに具現化した例を挙げて、図面を参照しながら説明する。
【0011】
《第1実施形態》
図1は発明の第1実施形態に係るナビゲーションシステムを示すブロック図である。本例のカーナビゲーションシステムは、その機能を実現するために、演算処理を行うCPUと、プログラムを記録したROMと、一時的にデータを記録するRAM等からなるシステム制御部1を備え、このシステム制御部1に以下の各機能部が接続され、全体としてカーナビゲーション装置として作動する。
【0012】
自車位置測定部5は、システム制御部1に接続され、GPS信号を受信して現在位置を測位するGPS受信部2と、ジャイロセンサ3と、車速センサ4とのそれぞれに接続され、GPS受信部2からの自車の測位信号と、ジャイロセンサ3からの自車の進行方位信号と、車速センサ4からの速度信号とに基づいて、車両の現在位置及び進行方向を示す信号を発生させる。
【0013】
地図データ検索部7は、システム制御部1及び自車位置測定部5に接続され、自車位置測定部5からの現在位置信号に基づいて、車両の現在位置近傍の地図データを地図データ記憶部6から読み出し、読み出した地図データを地図・交差点案内描画部16に出力する。
【0014】
地図データ記憶部6はハードディスクドライブやDVDなどのメモリであり、ここには地図や施設情報等の関連する各種情報が記録されている。この地図データ記憶部6に記録されている地図データは、経度及び緯度で表現されたノード座標の集合として記憶され、道路は2つ以上のノードの連結により構成され、地図データは道路リスト、ノードテーブル及び交差点構成ノードリスト等からなる道路ネットワーク情報を含む。
【0015】
なお、地図データ検索部7から地図・交差点案内図描画部16へ出力された地図データに基づいて所定の地図が形成され、これにより車両周囲の地図画像が液晶ディスプレイ(LCD1)17に表示される。また、車両位置マークが地図画像に重畳表示され、車両の移動に応じて地図画像をスクロール表示するか、あるいは地図画像を画面に固定し車両位置マークを移動させるか等によって、自車両が現在どこを走行しているのかが一目で分かるように表示される。
【0016】
案内経路演算部8は、システム制御部1に接続され、カーナビゲーション装置としてユーザが目的地に向けて進路を間違えることなく安全かつ確実に走行できるようにするため、案内経路を計算し、得られた経路を案内経路記憶部9に記憶する。
【0017】
この案内経路演算機能により、地図情報を用いて出発地から目的地まで、また必要に応じて入力された経由地を通る経路のほか、時間、距離、通行料金等の条件を加味して最も適切な経路が自動探索される。また、その探索された経路を案内経路として記憶し、案内タイミング決定部20によりタイミングが計られ、走行中に液晶ディスプレイ17,19の地図画像上に、他の道路とは色を変えて案内経路を太く描画する等の方法により表示される。
【0018】
地図・交差点案内図描画部16が交差点案内を液晶ディスプレイ17,19の画面に表示する際に、音声による交差点案内をスピーカー11から出力するため、音声生成・出力部10が設けられている。これにより、車両が案内経路上の進路を変更すべき交差点に所定の距離以内に近づいたときに、交差点を拡大表示し、進路を変更すべき方向を示す矢印等を描画して液晶ディスプレイ17,19に表示し、さらにスピーカー11から音声で右左折の案内を行うことにより、ユーザを目的地まで案内することができる。
【0019】
また、リモコン13、液晶ディスプレイ17,19のタッチパネル14、操作パネルスイッチ15は、操作インターフェース制御・管理部12を介してシステム制御部1に接続され、これらは操作インターフェース制御・管理部12とともにユーザがカーナビゲーション装置の種々の機能を任意に設定し、任意に操作を行う際の、システム制御部1に対する入力装置として機能する。
【0020】
本例では、液晶ディスプレイ17に加え、液晶ディスプレイ19を備え、主たるの液晶ディスプレイ17に表示される情報に関連する情報を液晶ディスプレイ19に表示することで、運転手にとってより分かり易い経路案内が行われる。
【0021】
液晶ディスプレイ19の車室内における設置位置の一例を図2に示す。液晶ディスプレイ19は、運転手が運転席に座って前方を見ている状態に対し、視線移動距離が短い場所に設置することが好ましい。同図は、車両の前席シートからインストルメントパネル、フロントウインドシールドまでの配置を示す図であるが、本例では、液晶ディスプレイ17は、インストルメントパネルの左右中央の上部であって図2に示す位置に設置されている。これに対し、液晶ディスプレイ19は、インストルメントパネルの運転席側の上部であって図2に示す位置に設置されている。
【0022】
液晶ディスプレイ19の設置位置は、液晶ディスプレイ17の設置位置に比べ、運転手にとって見やすい位置となる。なお、液晶ディスプレイ19は、前方を見ている場合も運転手視野の周辺部に入る位置に設置されているため、表示の煩わしさを解消する工夫を加えることが好ましい。
【0023】
3D道路・シンボル描画部18は、液晶ディスプレイ19に表示する三次元道路形状画像とシンボル画像を生成する。詳細は後述する。
【0024】
次に動作を説明する。
【0025】
図3は、本例のカーナビゲーション装置全体の制御フローを示すフローチャート、図4は図3のステップS4のサブルーチンを示すフローチャートである。なお、システム制御部1は、自車位置測定部5、地図データ検索部7、案内経路演算部9、音声生成・出力部10、地図・交差点案内図描画部16、3D道路・シンボル描画部18、案内タイミング決定部20等を統括して制御するものであるため、以下の説明ではシステム制御部1とこれらを併せた制御内容として説明する。
【0026】
図3に示すように、システム制御部1により経路案内のためのプログラムが起動すると、まず自車位置測定部5により自車の現在位置を測定して、現在位置を中心とした周辺地図を液晶ディスプレイ17に表示するとともに、現在位置の名称等を表示する(ステップS1)。
【0027】
次に、電話番号や住所、施設名称、登録地点等を用いて目的地を設定すると(ステップS2)、現在位置から目的地までの案内経路を探索する(ステップS3)。目的地に向かう経路が決定されると、自車位置測定部5による自車の現在位置の追跡を行いながら、目的地に到達するまで、経路を案内する処理を繰り返し行う(ステップS4)。
【0028】
次に、ステップS4の経路の案内処理のうち交差点における案内処理を説明する。本例では、まず次の右左折交差点の案内処理を開始するタイミングかどうかを判別したのち、右左折交差点の案内処理を2段階に分ける。そして、自車が案内対象の交差点から比較的遠い距離にある場合の前段の案内処理は、比較的簡易な内容とし、これに対し、自車が案内対象の交差点に十分接近した場合の後段の案内処理は、比較的詳細の情報まで表示する内容とする。
【0029】
すなわち、図4のステップS101において、自車位置測定部5による測定結果と、地図データ検索部7及び案内経路記憶部9から検索される情報に基づいて、システム制御部1が右左折交差点までの距離を算出する。
【0030】
ステップS102では、自車と右左折交差点との距離が所定距離以内か否か、本例では1km以内か否かを判定する。この判定の結果、自車の進路上にある、経路案内の必要な交差点から自車位置までの距離が1kmより遠い場合は、案内処理を開始するタイミングではないと判断し、ステップS106に進んで特に経路案内の表示を行わず、ステップS101へ戻る。一方、自車と右左折交差点との距離が1km以内の場合は、右左折交差点の案内処理を開始するタイミングであると判断し、ステップS103へ進む。
【0031】
ステップS103では、右左折交差点の案内処理を、上述した前段のものとするか、後段のものとするかを判定する。具体的には、次の右左折交差点から自車位置までの距離が所定の距離、本例では300mより遠い場合には前段の案内処理と判定し、ステップS108に進む。これに対し、所定距離以内の場合には後段の案内処理と判定し、ステップS104へ進む。
【0032】
ステップS108では、前段の経路案内として、運転手の視点から見た前方道路形状を示す道路イメージ、例えば図5に102で示すような車両位置から進行方向に向かう立体的図法による道路形状画像と、交差点での進路を示す矢印のシンボル画像、例えば図6の105のような二次元的又は平面的な矢印のシンボル画像(その形状が比較的分かり易いアングルで描画したもの)とを、液晶ディスプレイ19に表示する。以下、この二次元的矢印のシンボル画像の表示様態を2D矢印とも称する。なお、図6に示すように、矢印のシンボル画像は左の二次元的態様の方が右の三次元的態様に比べ、見易く判り易いといえる。
【0033】
また、この2D矢印105の表示位置は、図7の201又は211に示すように、液晶ディスプレイ19における道路イメージ画像の表示位置の上部であって、センタリングされた位置とされている。
【0034】
図4に戻り、ステップS104では、後段の経路案内を開始するかどうかを判定する。この後段の経路案内では、上述した前方道路イメージを描画する際に用いたアングルと同様のアングルで矢印を描いたシンボル画像、たとえば図6の104で示すような三次元的又は立体的な様態の矢印のシンボル画像を、図7の205又は215に示すように、道路イメージにおける右左折交差点が存在する位置に重畳表示する。以下、この三次元的又は立体的な矢印のシンボル画像を3D矢印とも称する。
【0035】
ステップS104は、即ち2D矢印105から3D矢印104へ表示を変更する所定のタイミングであるか否かを判定する処理である。
【0036】
ここで、所定のタイミングに関する詳細な内容と、2D矢印105から3D矢印104へ表示を変更する前後の表示に関する詳細な内容について説明する。
【0037】
この所定のタイミングを決定するための条件として、本例では運転手にとっての道路可視範囲を考える。可視範囲とは、ここでは平坦な土地で、道路上に障害物がない条件下で運転手が前方を見たときに視線を動かさず一目で道路形状を把握できる道路範囲を指す。図8の道路形状の平面図において、自分の車両305から視認可能な可視範囲が301のハッチング範囲である。
【0038】
本例の可視範囲は、運転手が正面を見たときに視界に入る前景の、車両305の直前部分における左右方向の長さ302(例えば30m)、車両遠方における左右方向の長さ303(例えば200m)、そして長さ302と長さ303とを隔てる距離304(例えば200m)から決まる台形とする。なお、本例の可視範囲のサイズは固定したが、自車の走行速度や走行中道路の種別によって変更してもよい。
【0039】
そして、この可視範囲は、自車の移動や転回に伴って道路上を移動又は回転し、自車が案内交差点に近づくにつれて、あるタイミングで、可視範囲の外側に案内交差点が存在する状態から、可視範囲内に案内交差点が存在する状態へと変化する。このタイミングを前述の所定のタイミング、即ち2D矢印105を表示する状態から3D矢印104を表示する状態へ変更するタイミングとする。
【0040】
図4に戻り、ステップS104において、所定のタイミングであると判定されたら、ステップS105へ進み、図7の202→203→204→205にその遷移状態を示すように、当初は道路イメージの中央上部に表示されていた2D矢印105が、道路イメージにおける右左折交差点が存在する位置へ移動すると同時に、その表示様態を二次元画像から三次元画像、すなわち3D矢印104に変更する。道路イメージは三次元的又は立体的画像により描画されているので、矢印のシンボル画像が2D矢印105から3D矢印104に遷移すると、道路イメージに対して矢印のシンボル画像104は違和感なく接続される印象を受ける。図7の202〜204に示すシンボル画像は、201の2D矢印から205の3D矢印に変化する間の遷移的な連続する画像であることから、本例においては補間画像と称する。
【0041】
すなわち、液晶ディスプレイ19に表示される前方の道路イメージ画像と矢印のシンボル画像は、上述した所定のタイミング以前では、図7の201に示す状態で表示されている。そして、ステップS104において、所定のタイミング(Yes)と判定されると、次のステップS105において、矢印のシンボル画像が図5における案内交差点の位置103に接続される印象を与えるような画面の遷移を行う。この様子の一例を図7の201〜205に示し、別例を同図の211〜215に示す。201〜215は、液晶ディスプレイ19に表示される画像を区別するための符号である。
【0042】
図7における左端の201及び211は、矢印のシンボル画像105が前方の道路イメージ画像の上部に表示されている状態である。これに対し、同図における右端の205及び215は、矢印のシンボル画像104の表示アングルと表示位置が、前方道路イメージの案内交差点が描かれている位置とそのアングルに一致した状態、つまり、矢印のシンボル画像が道路イメージと同じ三次元的又は立体的な表示態様となり、しかも中央上部ではなく、対象となる交差点の位置に表示された状態である。
【0043】
そして、これら2つの状態を補間する補間画像を、202〜204又は212〜214に示すように順次連続的に表示することで、運転手からみて2D矢印105から3D矢印104へ遷移し、これが前方道路イメージの案内交差点の部分に関連付けられることを分かりやすく提示する。なお、205及び215のような3D矢印104が道路イメージと組み合わされて表示される状態を、以下、矢印のシンボル画像が道路イメージに「接続された」状態とも称する。
【0044】
2つの画像を補間するための補間画像としては、図7の202〜204に示すように、矢印のシンボル画像が回転すると共に位置が移動するような印象を与える画像群を用意し、それらを連続的に順次表示してもよい。これに代えて又は付加して、同図の211〜214に示すように、矢印のシンボル画像が前方道路イメージのどの位置に関連付けられるかを示す補助図形の画像216を表示してもよい。この場合は、同図に示すように矢印のシンボル画像105が徐々に消失されていくように構成することができる。
【0045】
図4に戻り、ステップS105の処理を実行した後は、自車が移動に伴って案内交差点を通過するまで、ステップS105において道路イメージと3D矢印104が組み合わされた画像表示を継続する。
【0046】
以上のとおり、本実施形態に係る走行情報提供装置によれば以下の効果が奏される。
【0047】
自車が右左折する必要のある交差点に接近中である場合に、その右左折交差点が遠くにある場合には、図7のディスプレイ画像201又は211に示すように、液晶ディスプレイ19に表示されている案内方向を示す矢印のシンボル画像が、同時に表示されている前方道路イメージ画像に「接続されていない」ので、その可視範囲内(図8の301)には矢印のシンボル画像に相当する走行情報が存在しないこと、すなわち自車前方近傍には右左折交差点が存在しないことを短時間で理解することができる。
【0048】
一方、右左折交差点が近い位置、すなわち可視範囲内103にある場合には、案内方向を示す矢印のシンボル画像が前方道路イメージ画像と「接続される」ので、案内交差点が自車からある程度近い距離に入ったことや、前景道路イメージ中のどこに矢印のシンボル画像に相当する交差点が存在するかを短時間で理解することができる。
【0049】
さらに前景道路イメージは、運転手が前方を見たときに視界に入る道路の形状と同様の立体的形状とされているので、実際の前景中のどこが右左折交差点であるかをも短時間で理解又はその支援をすることができる。
【0050】
また、矢印のシンボル画像が前方道路イメージ画像に接続される際には、図7のディスプレイ画像202〜205又は212〜215に示すように、その接続位置がよくわかるように連続的に変化する画像を順次表示する。これにより、接続の前後で表示の変化が大きい場合、例えば前方道路イメージ画像の中に接続された矢印のシンボル画像の大きさが小さい場合や、液晶ディスプレイ10の表示画面上で2D矢印での表示位置とその2D矢印の接続後の位置が離れている場合でも、どこにあるのかを把握しやすい。
【0051】
さらに、矢印のシンボル画像が前方道路イメージ画像に接続される際には、矢印のシンボル画像を描くためのアングルが、図7の201又は211に示す所定のアングルから同図の205又は215に示す前方道路イメージ画像と同じアングルへ連続的に変化する画像を順次表示するので、矢印のシンボル画像が前方道路イメージ画像にどのような角度で接続されたのかも把握しやすい。
【0052】
そしてこのようなことから、前方道路イメージ画像と運転手が実際に見る前景とを対応させやすくなるので、前方道路イメージ画像に接続された、矢印のシンボル画像の位置、すなわち右左折交差点位置までの距離感も把握しやすい。また、道路イメージ画像に接続されていない状態において、運転手が自分からは見えないはずの右左折交差点を探してしまうといった無駄をなくすことができる。
【0053】
《第2実施形態》
図9は、発明の第2実施形態に係る車両用走行情報提供装置の制御手順を示すフローチャートであり、上述した第1実施形態のステップS4のサブルーチンである。第1実施形態の車両用走行情報提供装置に対し、図1に示す機能ブロック、図2に示す液晶ディスプレイ17,19の設置位置、図3に示すシステム全体の制御手順は同じであるため、その説明及び図面をここに援用する。
【0054】
本実施形態では、図1に示す構成のカーナビゲーションシステムの経路案内表示を、高速道路または自動車専用道路にて行う場合について説明する。なお、高速道路または自動車専用道路は、その道路形状が直線部分の他、分岐と合流の組み合わせで形作られていることが多く、カーナビゲーションシステムは自車が分岐に差し掛かった際に進路を案内する機能が必要とされる。ただし、特に渋滞していない場合は、一般道と比べ走行速度が速いため、第1実施形態で述べた可視範囲301に相当する距離を比較的短時間で通過することがある。
【0055】
図9に示す制御手順のうち図4のステップS101〜ステップS108と同じステップには同一の符号を付してある。
【0056】
ステップS201では、自車が現在走行中の道路が高速道路または自動車専用道路であるかどうかを判定する。このステップS210でNoと判定された場合はステップS101へ進み、その後の制御手順は第1実施形態の図4と同じであるためその説明をここに援用する。
【0057】
ステップS210で高速道路または自動車専用道路である(Yes)と判定された場合は、ステップS202に進む。ステップS202では、
経路案内の必要な分岐が自車から1km以内に存在するかどうかを判定する。このステップS202で1km以内に存在しない(No)と判定された場合は、ステップS206へ進み、液晶ディスプレイ19には案内表示を行わない。
【0058】
ステップS202で経路案内の必要な分岐が自車から1km以内に存在する(Yes)と判定された場合は、ステップS203へ進む。
【0059】
ステップS203では、さらに、経路案内の必要な分岐が500m以内に存在するかどうかを判定する。このステップS203は上述した第1実施形態の図4のステップS103とほぼ同じであるが、自車から分岐までの距離に関する判定基準を高速走行時の特性に合わせ変更したものである。
【0060】
このステップS203で、経路案内の必要な分岐が500m以内に存在しない(No)と判断された場合は、ステップS209に進み、第1実施形態の図4のステップS108と同様に、前段の経路案内として、運転手の視点から見た前方道路形状を示す道路イメージ、例えば図5に102で示すような車両位置から進行方向に向かう立体的図法による道路形状画像と、交差点での進路を示す矢印のシンボル画像、例えば図6の105のような二次元的又は平面的な矢印のシンボル画像(その形状が比較的分かり易いアングルで描画したもの)とを、液晶ディスプレイ19に表示する。この2D矢印105の表示位置は、図7の201又は211に示すように、液晶ディスプレイ19における道路イメージ画像の表示位置の上部であって、センタリングされた位置とする。
【0061】
ステップS203で、経路案内の必要な分岐が500m以内に存在する(Yes)と判定された場合は、ステップS204へ進む。
【0062】
ステップS204では、経路案内の必要な分岐に到達する時刻が、可視範囲内(図8の301)に到達するまでに残り5秒以下であると推測されるかどうかを判定する。この推測は、分岐点と、図8の可視範囲301における自車進路の自車から最も離れた地点との間の距離を、自車の走行速度で除することにより行うことができる。
【0063】
そして、ステップS204で、分岐に到達するまでの時間が5秒以内である(Yes)と判定された場合は、ステップS205に進む。
【0064】
ステップS205では、分岐点の道路部分の描画アングルおよび分岐点での進路を示す矢印シンボル画像の描画アングルが順次変化する印象を与えるように、表示の準備処理を行う。具体的には、分岐点が可視範囲301に到達するまでの距離を計算し、この距離に応じて分岐点及び矢印シンボル画像の描画アングルを少しずつ変えた補間画像を生成する。
【0065】
例えば、ステップS204で経路案内の必要な分岐が可視範囲内に到達するまでに残り5秒と判断された場合であって、自車からの分岐点までの距離が300mであり、可視範囲内における自車進路の自車から最も離れた地点までの距離が200mである場合、つまり分岐点が可視範囲に入るまで残り100mだった場合において、自車から300m先に分岐点があるときは図10の421に示すシンボル画像を表示し、自車から200m先(これを可視範囲内における道路最遠点までの距離として)に分岐点があるときには同図の423に示すシンボル画像を表示し、その中間地点、たとえば自車から250m先に分岐点があるときには同図の422に示すシンボル画像を表示するように各画像を生成する。
【0066】
なお、一度生成したシンボル画像は、自車がその分岐点を通過するまでは保持する。そして、分岐が可視範囲内に到達するまでステップS210において、分岐シンボル画像が二次元画像から三次元画像へ変化する印象を与えるよう、表示する補間画像の更新を行う。この様子を図11の411、412、413に示す。
【0067】
図9へ戻り、ステップS204で分岐点に到達するまでの時間が5秒以内でない(No)と判定された場合は、ステップS207へ進む。
【0068】
ステップS207では、分岐点が可視範囲内に存在するかどうかを判定する。ここで分岐点が可視範囲内にない(No)と判定される場合は、ステップS209に進んで上述した処理を実行する。
【0069】
ステップS207で分岐点が可視範囲内にある(Yes)と判定された場合は、ステップS208に進み、液晶ディスプレイ19に、前方道路形状を示す道路イメージに分岐・矢印のシンボル画像を接続した状態を表示し、自車が分岐に接近し通過するまでステップS208の表示処理を継続する。この処理の結果、液晶ディスプレイ19に順次表示される画像例を、図11の414、415、416に示す。
【0070】
以上のとおり、本実施形態に係る走行情報提供装置によれば以下の効果が奏される。
【0071】
特に高速道路やその他の自動車専用道路等は、車両が高速で走行しうる道路であり、カーナビゲーション装置として案内の必要な箇所が分岐や合流の組み合わせで構成される道路形状である。
【0072】
案内すべき分岐が十分遠くにある場合には、液晶ディスプレイ19において、案内方向を示す分岐・矢印のシンボル画像が、同時に表示されている前方道路イメージ画像に接続されないので、本実施形態における可視範囲内301にはこの種の走行情報が存在しないことを短時間で理解でき、すなわち自車の前方近傍には分岐点が存在しないことを短時間で理解することができる。
【0073】
また、案内すべき分岐点が、自車の移動に伴い可視範囲301にまで近づきつつある状況では、可視範囲301に入る手前で、分岐のシンボル画像の描画アングルが二次元画像から、運転手の視点で前方を見たときの道路形状と同様の三次元アングルに変化する補間画像を表示するので、分岐点が可視範囲301に入る以前であっても、その距離感を概ね得ることができる。
【0074】
さらに高速走行時に自車が可視範囲に相当する距離を短時間で通過するような場合でも、補間画像を所定の時間をかけて順次表示できるため、分岐・矢印のシンボル画像の位置や形状、その道路イメージへの接続の様子を十分な時間表示することができ、運転手は余裕をもって認知することができる。
【0075】
そして、分岐点が前方道路における可視範囲内301にある場合には、分岐・矢印のシンボル画像が前方道路イメージと接続されるので、第1実施形態の効果と同様に、分岐点が自車からある程度近い距離に入ったことや、前景道路イメージ中のどこに矢印のシンボル画像が存在するかといった事柄を短時間で理解することができる。
【0076】
《第3実施形態》
図12は、発明の第3実施形態に係る車両用走行情報提供装置の制御手順を示すフローチャートであり、上述した第1実施形態のステップS4のサブルーチンである。第1実施形態の車両用走行情報提供装置に対し、図1に示す機能ブロック、図2に示す液晶ディスプレイ17,19の設置位置、図3に示すシステム全体の制御手順は同じであるため、その説明及び図面をここに援用する。
【0077】
図1に示す地図データ記憶部6に格納された道路ネットワークには、そのノード座標を東西南北方向に一意に決定するだけでなく、高度データを持ち、高度をも考慮した自車位置を測位することで、立体交差や高架道路に並走する他の道路を走行する場合のGPS測位精度を向上させることができる。
【0078】
本実施形態では、高度を考慮した道路ネットワークデータが地図データ記憶部6に格納されたカーナビゲーション装置において、道路の立体形状を分かりやすく提示する例を説明する。
【0079】
図12は本実施形態における制御手順を示すフローチャートであり、上述した第1実施形態の図4のステップS103とステップS104の間にステップS601〜ステップS606を追加したものである。図4と同じ処理を実行するステップには同じ符号を付し、その説明をここに援用する。
【0080】
ステップS601では、案内交差点の形状について判定する。交差点が立体交差や五差路以上の分岐道を持つ交差点であればYesと判定し、ステップS604へ進む。
【0081】
ステップS604では、その案内交差点が自車の可視範囲内301に到達するまでの時刻が残り5秒以下であると推測されるかどうかを判定する。この推測は、分岐点と、可視範囲における自車進路の自車から最も離れた地点との間の距離を、自車の走行速度で除することにより推測することができる。そして、案内交差点が自車の可視範囲内まで5秒以下である(Yes)と判定された場合は、ステップS605に進む。
【0082】
ステップS605では、案内交差点の形状画像およびそこでの進路を示す矢印シンボル画像の描画アングルが、順次変化する印象を与えるために準備処理を行う。具体的には、自車の可視範囲に到達するまでの距離を計算し、距離に応じて分岐・矢印シンボル画像の描画アングルを少しずつ変えた画像を生成する。
【0083】
例えば、ステップS604で、経路案内の必要な交差点の分岐が可視範囲内に到達するまでに残り5秒と判断されたときの自車からの距離が300mであり、可視範囲内における自車進路の自車から最も離れた地点までの距離が200mである場合、つまり可視範囲301に分岐が入るまで残り100mだった場合において、自車から300m先に分岐があるときは図13の401に示すシンボル画像を表示し、また自車から200m先(これを可視範囲内における道路最遠点までの距離として)に分岐があるときは同図の405に示すシンボル画像を表示し、その中間地点、自車から200mから300mの間に分岐があるときには402,403,404に示すシンボルを表示するように生成する。
【0084】
なお、一度生成したシンボル画像は、その交差点の分岐を通過するまでは保持する。
【0085】
そしてステップS606において、分岐が可視範囲内に到達するまで、分岐のシンボル画像が二次元態様から三次元態様へ変化する印象を与えるよう、表示する補間画像の更新を自車の移動に伴って行う。この様子を図13の401→402→403→404→405に示す。
【0086】
なお、ステップS604にて、経路案内の必要な交差点の分岐が可視範囲内に到達するまでに残り5秒以内でない(No)と判定された場合は、ステップS108に進み、第1実施形態と同様、前段の経路案内として、運転手の視点から見た前方道路形状を示す道路イメージ、例えば図5に102で示すような車両位置から進行方向に向かう立体的図法による道路形状画像と、交差点での進路を示す矢印のシンボル画像、例えば図6の105のような二次元的又は平面的な矢印のシンボル画像(その形状が比較的分かり易いアングルで描画したもの)とを、液晶ディスプレイ19に表示する。また、この2D矢印105の表示位置は、図7の201又は211に示すように、液晶ディスプレイ19における道路イメージ画像の表示位置の上部であって、センタリングされた位置とする。
【0087】
以上のとおり、本実施形態に係る走行情報提供装置によれば以下の効果が奏される。
【0088】
案内すべき交差点が立体交差である場合や、分岐する道路の数が多いため短時間でその形状を把握することが困難な場合であっても、自車の移動に伴い可視範囲まで接近中に、分岐・矢印のシンボル画像の描画アングルが二次元から三次元に変化するので、自車が可視範囲301に入る前の分岐までの距離感を得ることができる。
【0089】
また、分岐する道路の数が多いため、通常の交差点よりも道路形状の把握に時間を要する場合でも、遷移する補間画像を所定の時間をかけて順次表示するため、分岐・矢印のシンボル画像の位置、形状、又はその道路イメージへの接続の様子を十分な時間表示することができ、運転手は余裕をもって認知することができる。
【0090】
さらに、例えば立体的な形状を持つ交差点の場合など、一定のアングルで見た限りではその形状を把握しにくい道路形状であっても、複数のアングルから見た形状を順次切り替えて表示するので、運転手にとって理解が容易になる。
【0091】
《第4実施形態》
図14は、発明の第4実施形態に係る車両用走行情報提供装置の制御手順を示すフローチャートであり、上述した第1実施形態のステップS4のサブルーチンである。第1実施形態の車両用走行情報提供装置に対し、図1に示す機能ブロック、図2に示す液晶ディスプレイ17,19の設置位置、図3に示すシステム全体の制御手順は同じであるため、その説明及び図面をここに援用する。
【0092】
本実施形態では、右左折交差点の手前に、形状が類似する別の交差点が存在し、その交差点を誤って右または左に進路変更する可能性のある場合に効果的な情報提供である。
【0093】
図14は本実施形態における制御手順を示すフローチャートであり、上述した第1実施形態の図4のステップS104に代えてステップS301〜ステップS306を追加したものである。図4と同じ処理を実行するステップには同じ符号を付し、その説明をここに援用する。
【0094】
まずステップS103までは第1実施形態と同様の処理を行う。
【0095】
また、ステップS301での判定も、第1実施形態と同じ所定のタイミングで実行される。このステップS301にて案内すべき交差点が自車の可視範囲内に到達していない(No)と判定された場合は、第1実施形態のステップS108と同様、前段の経路案内として、運転手の視点から見た前方道路形状を示す道路イメージ、例えば図5に102で示すような車両位置から進行方向に向かう立体的図法による道路形状画像と、交差点での進路を示す矢印のシンボル画像、例えば図6の105のような二次元的又は平面的な矢印のシンボル画像(その形状が比較的分かり易いアングルで描画したもの)とを、液晶ディスプレイ19に表示する。また、この2D矢印105の表示位置は、図7の201又は211に示すように、液晶ディスプレイ19における道路イメージ画像の表示位置の上部であって、センタリングされた位置とする。
【0096】
これに対し、ステップS301で案内すべき交差点が自車の可視範囲内に到達した(Yes)と判定された場合は、ステップS302へ進む。
【0097】
ステップS302では、案内交差点のχm、例えば30m以上手前に別の交差点があり、案内交差点にて案内する方向と同じ方向に進路をとることができるかを判定する。
【0098】
この判定がYesである場合はステップS304に進み、手前の交差点を自車が通り過ぎたら、図7に示す容量で2D矢印201を3D矢印205へ補間画像202〜204を表示しつつ変更処理を実行する。これにより、手前の交差点を通過後に案内交差点を示すことになるので、運転手が手前の交差点を誤って案内交差点と誤解することがなくなる。
【0099】
ステップS302にて、案内交差点のχm以上手前に別の交差点はない(No)と判定された場合はステップS303へ進む。ステップS303では、案内交差点のχm未満手前に他の交差点があり、案内交差点にて案内する方向と同じ方向に進路をとることができるかを判定する。
【0100】
図15の中図に示すように、ステップS302では2つの交差点が互いにχ+αm離れているか否かを判定するのに対し、ステップS303では同図の右図に示すように2つの交差点が互いにχ−αm離れているか否かを判定する。
【0101】
ステップS303にて、案内交差点のχm未満手前に他の交差点がある(Yes)と判定された場合、すなわち、案内交差点の手前に他の交差点があり、その距離がχm未満である場合はステップS305に進み、自車が案内交差点の手前χmまで接近したら図7に示す2D矢印201を3D矢印205に表示変更する。
【0102】
このように、案内交差点とその手前の誤解しやすい交差点とが十分に区別できるほど接近した後に、進路変更すべき交差点を指し示すので、案内情報を誤解しにくくなり、かつ余裕をもって右左折の準備ができる距離まで近づいたタイミングで案内交差点を示すことができる。
【0103】
なお、ステップS303で案内交差点のχm未満手前に他の交差点はない(No)と判定された場合は、ステップS306へ進み、図15の左図に示すように案内交差点の手前には他に誤って進路変更する可能性のある交差点はないと判断し、ステップS105へ進む。ステップS105では、図7の202→203→204→205に示すように、道路イメージの中央上部に表示されていた2D矢印105を道路イメージにおける右左折交差点が存在する位置へ移動すると同時に、その表示様態を二次元画像から三次元画像、すなわち3D矢印104に変更する。
【0104】
以上のとおり、本実施形態に係る走行情報提供装置によれば以下の効果が奏される。
【0105】
経路案内されるべき交差点の手前に、それと似た形状の交差点が存在する場合であっても、両交差点間の距離が所定値よりも離れていれば、手前の交差点を通り過ぎた後に、経路案内に関する情報を前方道路イメージに接続するようにしたので、間違って手前の交差点を曲がるといった状況を回避でき、かつ走行情報が前方道路イメージに接続される際に表示される補間画像を、運転手は十分な時間、視認することができる。
【0106】
一方、両交差点間の距離が所定よりも近接している場合には、前景イメージ上で手前の交差点と案内交差点とが明確に区別できる位置まで近づいてから、案内情報を表すシンボルを前方道路イメージに接続するようにしたので、補間画像を表示する時間が限定された場合でも、間違って手前の交差点を曲がる状況を回避することができる。
【0107】
《第5実施形態》
図16は、発明の第5実施形態に係る車両用走行情報提供装置の制御手順を示すフローチャートであり、上述した第1実施形態のステップS4のサブルーチンである。第1実施形態の車両用走行情報提供装置に対し、図1に示す機能ブロック、図2に示す液晶ディスプレイ17,19の設置位置、図3に示すシステム全体の制御手順は同じであるため、その説明及び図面をここに援用する。
【0108】
本実施形態は、例えば図17に示すように道路形状が大きくカーブしている等の事情により、案内交差点へ接近中に交差点までの距離は十分近いにも拘らず案内交差点が可視領域301に入らないまま自車が接近していく場合、すなわち第1実施形態の制御手順のみでは、2D矢印201が3D矢印205に表示変更するタイミングが遅れるといった場合に効果的な処理手順である。
【0109】
図16は本実施形態における制御手順を示すフローチャートであり、上述した第4実施形態の図14のステップS301及びステップS108に代えてステップS301及びステップS401〜S404を追加したものである。図4や図14と同じ処理を実行するステップには同じ符号を付し、その説明をここに援用する。
【0110】
ステップS301までは第4実施形態の処理と同じであるが、ステップS301にて案内交差点が可視範囲内301に到達していない(No)と判定された場合は、ステップS401へ進む。
【0111】
ステップS401では、案内交差点までχm、例えば30mの距離に近づいたか否かを判定する。このステップS401にて案内交差点までχmの距離に近づいていない(No)場合はステップS402に進み、2D矢印201と前方道路イメージを、図18の501のように同時に表示する。この表示は第1実施形態における図7の201に相当する。
【0112】
ステップS401で案内交差点までχmの距離に近づいた(Yes)と判定された場合は、ステップS403に進む。このステップS403では、2D矢印を3D矢印に表示変更するが、図18の502〜505に示すように、2Dの矢印の帯部を延長しつつ3D矢印に遷移させたのち、同図の506に示すように帯の一部507が可視範囲に含まれるように前方道路イメージに接続する。
【0113】
なお、図18における符号503、504、505で示す矢印のシンボルは前方道路イメージの表示を省略したものであり、2D矢印が3D矢印に表示変更される際に補間画像として順次表示されるシンボル画像の一例を表わしている。
【0114】
これにより、案内交差点までの道路形状を、矢印の帯部が延長された際の形状から認知することができる。また、矢印のシンボル画像が前方道路イメージに接続される際に帯部の一部が可視範囲に含まれるように接続されるので、案内交差点の運転手からみた存在方向や距離感を容易に認知することができる。
【0115】
すなわち、本実施形態の車両用走行情報提供装置によれば、車両の走行情報が存在する位置が所定距離よりも接近し、且つそれが前方の可視範囲内に存在しない条件下であっても、走行情報の存在する方向に向かって所定のシンボル画像が表示されるので、運転手は前景道路においてどの方向に走行情報が存在するかを把握することができる。
【0116】
また、走行情報を表すシンボル画像の表示位置や表示様態の補間画像を、シンボル画像の変更タイミングで表示するので、運転手は前景道路イメージに表示されない走行情報についても、その位置を容易に推測することができる。
【0117】
《第6実施形態》
図19は、発明の第6実施形態に係る車両用走行情報提供装置の制御手順を示すフローチャートであり、上述した第1実施形態のステップS4のサブルーチンである。第1実施形態の車両用走行情報提供装置に対し、図1に示す機能ブロック、図2に示す液晶ディスプレイ17,19の設置位置、図3に示すシステム全体の制御手順は同じであるため、その説明及び図面をここに援用する。
【0118】
本実施形態は、図20に示すように二つ以上の交差点が隣接するような道路形状で、2つの交差点の案内(同図に521→520で示す)が短時間のうちに連続して行われる必要がある場合に効果的な処理手順である。
【0119】
図19は本実施形態における制御手順を示すフローチャートであり、上述した第1実施形態の図4のステップS105に代えてステップS501〜S503を追加したものである。図4と同じ処理を実行するステップには同じ符号を付し、その説明をここに援用する。
【0120】
ステップS104にて、2D矢印105から3D矢印104へ表示を変更する所定のタイミングではない(No)と判定された場合はステップS108へ進み、前段の経路案内として、運転手の視点から見た前方道路形状を示す道路イメージ、例えば図5に102で示すような車両位置から進行方向に向かう立体的図法による道路形状画像と、交差点での進路を示す矢印のシンボル画像、例えば図6の105のような二次元的又は平面的な矢印のシンボル画像(その形状が比較的分かり易いアングルで描画したもの)とを、液晶ディスプレイ19に表示する。
【0121】
これに対してステップS104にて、2D矢印105から3D矢印104へ表示を変更する所定のタイミングである(Yes)と判定された場合は、ステップS501に進む。
【0122】
ステップS501では、案内経路上の、自車から最寄りの案内交差点とその次の交差点との間の距離を検索する。そしてこの距離が所定の距離、例えば30m未満か否かを判定し、30m以上であれば(No)ステップS503へ進む。
【0123】
ステップS503では、基本的には第1実施形態のステップS105と同様の処理を行い、交差点案内のための情報を提示する。
【0124】
ステップS503で自車から最寄りの案内交差点とその次の交差点との距離が30m未満である(Yes)と判定された場合は、ステップS502へ進む。
【0125】
ステップS502では、図21の511〜512に示すように、最寄りの案内交差点についての案内情報(3D矢印)を提示すると共に、その次の案内交差点が、この案内情報における3D道路形状を描画した際の可視範囲内に含まれるかどうかを検索し、もし含まれるのであれば、同図の513〜514に示すように次の交差点に関する案内情報515も、最寄の交差点の案内情報を表示したのと同じ前方道路イメージ上に表示する。
【0126】
上述したように、図20に示す2つの交差点を矢印521→520のように走行する場合に液晶ディスプレイ19に表示される画像例を図21に示す。上記ステップS502での処理の結果、図21の511から514に向かって画像が切り替わる。
【0127】
最初の交差点521を通過する前において、次の交差点520は、液晶ディスプレイ19に表示される前方道路イメージの可視範囲には入っていないため、図4に示すステップS105と同様の処理により、図21の511に示すように一つ目の交差点521に対する矢印のみが表示される。その後、同図の512に示すように車両が最初の交差点上で転回し、次の交差点が可視範囲に入ると、同図の513,514に示すように次の交差点520に関する案内情報、すなわち矢印515を前方道路イメージ上に描画する。
【0128】
これにより、2つ以上の交差点の案内が連続して行われるような場合であっても、最初の交差点を通過中または通過後に、すぐ次の交差点に関する案内情報を提示することができる。
【0129】
また、液晶ディスプレイ19における画面切替により表現される視覚的回転のため、道路形状やそれに関連する案内情報の位置関係を運動視差により表現できるため、最寄りの交差点とその次の交差点までの距離感を分かりやすく表示することができる。
【0130】
なお、発明に係る自車位置測定手段は自車位置測定部5、発明に係る地図データ検索手段は地図データ記憶部6及び地図データ検索部7、発明に係る走行情報検索手段は案内経路検索部8及び案内経路記憶部9、発明に係る表示手段は液晶ディスプレイ17,19、発明に係る表示制御手段は地図・交差点案内図描画部16、発明に係る制御手段はシステム制御部1及び3D道路・シンボル描画部18及び案内タイミング決定部20にそれぞれ対応する。
【符号の説明】
【0131】
1…システム制御部
5…自車位置測定部
6…地図データ記憶部
7…地図データ検索部
8…案内経路演算部
9…案内経路記憶部
16…地図・交差点案内図描画部
18…3D道路・シンボル描画部
17,19…液晶ディスプレイ
20…案内タイミング決定部
101…二次元地図画像
102…三次元道路イメージ画像
103…交差点
104…三次元的矢印のシンボル画像(3D矢印)
105…二次元的矢印のシンボル画像(2D矢印)
301…可視範囲
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用走行情報提供装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カーナビゲーションシステムによる経路案内を運転手に分かり易く提供するため、ヘッドアップディスプレイを用いて道路輪郭と進行方向像をフロントウィンドに表示する車両用経路誘導装置が知られている(特許文献1)。
【0003】
この車両用経路誘導装置では、目標交差点までの距離が大きいときは矢印による進行方向表示のみを表示し、目標交差点が近づいたら道路形状と進行方向とを重ね合わせた画像に切り換えて表示する(段落0041及び図11参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−83397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の車両用経路誘導装置では、目標交差点が近づいたらいきなり道路形状と進行方向とが重ね合わされた画像が表示されるので、ディスプレイに表示された目標交差点が実際に見ている前方景色のどれに対応するか即座に認識し難いという問題があった。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、走行情報と地図データとの対応関係が理解しやすい車両用走行情報提供装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、車両が近づくにつれ、走行情報の第1シンボル画像を連続的に遷移させながら第2シンボル画像に変更しつつ、道路形状画像における対応する位置へ表示することによって上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、第1シンボル画像が第2シンボル画像へ連続的に遷移しながら変更され、最終的に道路形状画像における対応する位置へ表示されるので、これら一連の表示を観察することで、その走行情報が道路形状のどの位置に対応するかを容易に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】発明の第1実施形態に係る車両用走行情報提供装置を示すブロック図である。
【図2】図1の液晶ディスプレイ(LCD1,LCD2)の設置位置を示す図である。
【図3】図1の車両用走行情報提供装置の制御手順を示すフローチャートである。
【図4】図3のステップS4のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図5】左図は発明の第1実施形態における二次元道路形状を示す図、右図はこれを運転手の視点で見た場合の三次元道路形状の図である。
【図6】左図は発明の第1実施形態における走行情報を表すシンボル画像を見やすい角度から見た図、右図はこれを運転手の視点で描いた道路と同じアングルから見た図である。
【図7】上段は発明の第1実施形態の3D道路形状に情報シンボル画像を接続する様子を示す図、下段はその変形例を示す図である。
【図8】発明の第1実施形態に係る可視範囲の一例を示す平面図である。
【図9】発明の第2実施形態に係る車両用走行情報提供装置の制御手順を示すサブルーチンのフローチャートである。
【図10】発明の第2実施形態において、分岐・矢印のシンボル画像の描画アングルを少しずつ変えた画像例を示す図である。
【図11】図10の分岐・矢印のシンボル画像を二次元から三次元に表示変更するタイミングと位置変更のタイミングを示す図である。
【図12】発明の第3実施形態に係る車両用走行情報提供装置の制御手順を示すサブルーチンのフローチャートである。
【図13】発明の第3実施形態において、道路の高低差を考慮した交差点形状の表示例を示す図である。
【図14】発明の第4実施形態に係る車両用走行情報提供装置の制御手順を示すサブルーチンのフローチャートである。
【図15】発明の第4実施形態において、紛らわしい交差点が存在する場合の接続タイミングを説明する図である。
【図16】発明の第5実施形態に係る車両用走行情報提供装置の制御手順を示すサブルーチンのフローチャートである。
【図17】発明の第5実施形態における道路形状の一例を示す図である。
【図18】発明の第5実施形態における表示例を示す図である。
【図19】発明の第6実施形態に係る車両用走行情報提供装置の制御手順を示すサブルーチンのフローチャートである。
【図20】発明の第6実施形態における道路形状の一例を示す図である。
【図21】発明の第6実施形態における表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、発明の一実施の形態に係る車両用走行情報提供装置を、経路案内表示を行うカーナビゲーションシステムに具現化した例を挙げて、図面を参照しながら説明する。
【0011】
《第1実施形態》
図1は発明の第1実施形態に係るナビゲーションシステムを示すブロック図である。本例のカーナビゲーションシステムは、その機能を実現するために、演算処理を行うCPUと、プログラムを記録したROMと、一時的にデータを記録するRAM等からなるシステム制御部1を備え、このシステム制御部1に以下の各機能部が接続され、全体としてカーナビゲーション装置として作動する。
【0012】
自車位置測定部5は、システム制御部1に接続され、GPS信号を受信して現在位置を測位するGPS受信部2と、ジャイロセンサ3と、車速センサ4とのそれぞれに接続され、GPS受信部2からの自車の測位信号と、ジャイロセンサ3からの自車の進行方位信号と、車速センサ4からの速度信号とに基づいて、車両の現在位置及び進行方向を示す信号を発生させる。
【0013】
地図データ検索部7は、システム制御部1及び自車位置測定部5に接続され、自車位置測定部5からの現在位置信号に基づいて、車両の現在位置近傍の地図データを地図データ記憶部6から読み出し、読み出した地図データを地図・交差点案内描画部16に出力する。
【0014】
地図データ記憶部6はハードディスクドライブやDVDなどのメモリであり、ここには地図や施設情報等の関連する各種情報が記録されている。この地図データ記憶部6に記録されている地図データは、経度及び緯度で表現されたノード座標の集合として記憶され、道路は2つ以上のノードの連結により構成され、地図データは道路リスト、ノードテーブル及び交差点構成ノードリスト等からなる道路ネットワーク情報を含む。
【0015】
なお、地図データ検索部7から地図・交差点案内図描画部16へ出力された地図データに基づいて所定の地図が形成され、これにより車両周囲の地図画像が液晶ディスプレイ(LCD1)17に表示される。また、車両位置マークが地図画像に重畳表示され、車両の移動に応じて地図画像をスクロール表示するか、あるいは地図画像を画面に固定し車両位置マークを移動させるか等によって、自車両が現在どこを走行しているのかが一目で分かるように表示される。
【0016】
案内経路演算部8は、システム制御部1に接続され、カーナビゲーション装置としてユーザが目的地に向けて進路を間違えることなく安全かつ確実に走行できるようにするため、案内経路を計算し、得られた経路を案内経路記憶部9に記憶する。
【0017】
この案内経路演算機能により、地図情報を用いて出発地から目的地まで、また必要に応じて入力された経由地を通る経路のほか、時間、距離、通行料金等の条件を加味して最も適切な経路が自動探索される。また、その探索された経路を案内経路として記憶し、案内タイミング決定部20によりタイミングが計られ、走行中に液晶ディスプレイ17,19の地図画像上に、他の道路とは色を変えて案内経路を太く描画する等の方法により表示される。
【0018】
地図・交差点案内図描画部16が交差点案内を液晶ディスプレイ17,19の画面に表示する際に、音声による交差点案内をスピーカー11から出力するため、音声生成・出力部10が設けられている。これにより、車両が案内経路上の進路を変更すべき交差点に所定の距離以内に近づいたときに、交差点を拡大表示し、進路を変更すべき方向を示す矢印等を描画して液晶ディスプレイ17,19に表示し、さらにスピーカー11から音声で右左折の案内を行うことにより、ユーザを目的地まで案内することができる。
【0019】
また、リモコン13、液晶ディスプレイ17,19のタッチパネル14、操作パネルスイッチ15は、操作インターフェース制御・管理部12を介してシステム制御部1に接続され、これらは操作インターフェース制御・管理部12とともにユーザがカーナビゲーション装置の種々の機能を任意に設定し、任意に操作を行う際の、システム制御部1に対する入力装置として機能する。
【0020】
本例では、液晶ディスプレイ17に加え、液晶ディスプレイ19を備え、主たるの液晶ディスプレイ17に表示される情報に関連する情報を液晶ディスプレイ19に表示することで、運転手にとってより分かり易い経路案内が行われる。
【0021】
液晶ディスプレイ19の車室内における設置位置の一例を図2に示す。液晶ディスプレイ19は、運転手が運転席に座って前方を見ている状態に対し、視線移動距離が短い場所に設置することが好ましい。同図は、車両の前席シートからインストルメントパネル、フロントウインドシールドまでの配置を示す図であるが、本例では、液晶ディスプレイ17は、インストルメントパネルの左右中央の上部であって図2に示す位置に設置されている。これに対し、液晶ディスプレイ19は、インストルメントパネルの運転席側の上部であって図2に示す位置に設置されている。
【0022】
液晶ディスプレイ19の設置位置は、液晶ディスプレイ17の設置位置に比べ、運転手にとって見やすい位置となる。なお、液晶ディスプレイ19は、前方を見ている場合も運転手視野の周辺部に入る位置に設置されているため、表示の煩わしさを解消する工夫を加えることが好ましい。
【0023】
3D道路・シンボル描画部18は、液晶ディスプレイ19に表示する三次元道路形状画像とシンボル画像を生成する。詳細は後述する。
【0024】
次に動作を説明する。
【0025】
図3は、本例のカーナビゲーション装置全体の制御フローを示すフローチャート、図4は図3のステップS4のサブルーチンを示すフローチャートである。なお、システム制御部1は、自車位置測定部5、地図データ検索部7、案内経路演算部9、音声生成・出力部10、地図・交差点案内図描画部16、3D道路・シンボル描画部18、案内タイミング決定部20等を統括して制御するものであるため、以下の説明ではシステム制御部1とこれらを併せた制御内容として説明する。
【0026】
図3に示すように、システム制御部1により経路案内のためのプログラムが起動すると、まず自車位置測定部5により自車の現在位置を測定して、現在位置を中心とした周辺地図を液晶ディスプレイ17に表示するとともに、現在位置の名称等を表示する(ステップS1)。
【0027】
次に、電話番号や住所、施設名称、登録地点等を用いて目的地を設定すると(ステップS2)、現在位置から目的地までの案内経路を探索する(ステップS3)。目的地に向かう経路が決定されると、自車位置測定部5による自車の現在位置の追跡を行いながら、目的地に到達するまで、経路を案内する処理を繰り返し行う(ステップS4)。
【0028】
次に、ステップS4の経路の案内処理のうち交差点における案内処理を説明する。本例では、まず次の右左折交差点の案内処理を開始するタイミングかどうかを判別したのち、右左折交差点の案内処理を2段階に分ける。そして、自車が案内対象の交差点から比較的遠い距離にある場合の前段の案内処理は、比較的簡易な内容とし、これに対し、自車が案内対象の交差点に十分接近した場合の後段の案内処理は、比較的詳細の情報まで表示する内容とする。
【0029】
すなわち、図4のステップS101において、自車位置測定部5による測定結果と、地図データ検索部7及び案内経路記憶部9から検索される情報に基づいて、システム制御部1が右左折交差点までの距離を算出する。
【0030】
ステップS102では、自車と右左折交差点との距離が所定距離以内か否か、本例では1km以内か否かを判定する。この判定の結果、自車の進路上にある、経路案内の必要な交差点から自車位置までの距離が1kmより遠い場合は、案内処理を開始するタイミングではないと判断し、ステップS106に進んで特に経路案内の表示を行わず、ステップS101へ戻る。一方、自車と右左折交差点との距離が1km以内の場合は、右左折交差点の案内処理を開始するタイミングであると判断し、ステップS103へ進む。
【0031】
ステップS103では、右左折交差点の案内処理を、上述した前段のものとするか、後段のものとするかを判定する。具体的には、次の右左折交差点から自車位置までの距離が所定の距離、本例では300mより遠い場合には前段の案内処理と判定し、ステップS108に進む。これに対し、所定距離以内の場合には後段の案内処理と判定し、ステップS104へ進む。
【0032】
ステップS108では、前段の経路案内として、運転手の視点から見た前方道路形状を示す道路イメージ、例えば図5に102で示すような車両位置から進行方向に向かう立体的図法による道路形状画像と、交差点での進路を示す矢印のシンボル画像、例えば図6の105のような二次元的又は平面的な矢印のシンボル画像(その形状が比較的分かり易いアングルで描画したもの)とを、液晶ディスプレイ19に表示する。以下、この二次元的矢印のシンボル画像の表示様態を2D矢印とも称する。なお、図6に示すように、矢印のシンボル画像は左の二次元的態様の方が右の三次元的態様に比べ、見易く判り易いといえる。
【0033】
また、この2D矢印105の表示位置は、図7の201又は211に示すように、液晶ディスプレイ19における道路イメージ画像の表示位置の上部であって、センタリングされた位置とされている。
【0034】
図4に戻り、ステップS104では、後段の経路案内を開始するかどうかを判定する。この後段の経路案内では、上述した前方道路イメージを描画する際に用いたアングルと同様のアングルで矢印を描いたシンボル画像、たとえば図6の104で示すような三次元的又は立体的な様態の矢印のシンボル画像を、図7の205又は215に示すように、道路イメージにおける右左折交差点が存在する位置に重畳表示する。以下、この三次元的又は立体的な矢印のシンボル画像を3D矢印とも称する。
【0035】
ステップS104は、即ち2D矢印105から3D矢印104へ表示を変更する所定のタイミングであるか否かを判定する処理である。
【0036】
ここで、所定のタイミングに関する詳細な内容と、2D矢印105から3D矢印104へ表示を変更する前後の表示に関する詳細な内容について説明する。
【0037】
この所定のタイミングを決定するための条件として、本例では運転手にとっての道路可視範囲を考える。可視範囲とは、ここでは平坦な土地で、道路上に障害物がない条件下で運転手が前方を見たときに視線を動かさず一目で道路形状を把握できる道路範囲を指す。図8の道路形状の平面図において、自分の車両305から視認可能な可視範囲が301のハッチング範囲である。
【0038】
本例の可視範囲は、運転手が正面を見たときに視界に入る前景の、車両305の直前部分における左右方向の長さ302(例えば30m)、車両遠方における左右方向の長さ303(例えば200m)、そして長さ302と長さ303とを隔てる距離304(例えば200m)から決まる台形とする。なお、本例の可視範囲のサイズは固定したが、自車の走行速度や走行中道路の種別によって変更してもよい。
【0039】
そして、この可視範囲は、自車の移動や転回に伴って道路上を移動又は回転し、自車が案内交差点に近づくにつれて、あるタイミングで、可視範囲の外側に案内交差点が存在する状態から、可視範囲内に案内交差点が存在する状態へと変化する。このタイミングを前述の所定のタイミング、即ち2D矢印105を表示する状態から3D矢印104を表示する状態へ変更するタイミングとする。
【0040】
図4に戻り、ステップS104において、所定のタイミングであると判定されたら、ステップS105へ進み、図7の202→203→204→205にその遷移状態を示すように、当初は道路イメージの中央上部に表示されていた2D矢印105が、道路イメージにおける右左折交差点が存在する位置へ移動すると同時に、その表示様態を二次元画像から三次元画像、すなわち3D矢印104に変更する。道路イメージは三次元的又は立体的画像により描画されているので、矢印のシンボル画像が2D矢印105から3D矢印104に遷移すると、道路イメージに対して矢印のシンボル画像104は違和感なく接続される印象を受ける。図7の202〜204に示すシンボル画像は、201の2D矢印から205の3D矢印に変化する間の遷移的な連続する画像であることから、本例においては補間画像と称する。
【0041】
すなわち、液晶ディスプレイ19に表示される前方の道路イメージ画像と矢印のシンボル画像は、上述した所定のタイミング以前では、図7の201に示す状態で表示されている。そして、ステップS104において、所定のタイミング(Yes)と判定されると、次のステップS105において、矢印のシンボル画像が図5における案内交差点の位置103に接続される印象を与えるような画面の遷移を行う。この様子の一例を図7の201〜205に示し、別例を同図の211〜215に示す。201〜215は、液晶ディスプレイ19に表示される画像を区別するための符号である。
【0042】
図7における左端の201及び211は、矢印のシンボル画像105が前方の道路イメージ画像の上部に表示されている状態である。これに対し、同図における右端の205及び215は、矢印のシンボル画像104の表示アングルと表示位置が、前方道路イメージの案内交差点が描かれている位置とそのアングルに一致した状態、つまり、矢印のシンボル画像が道路イメージと同じ三次元的又は立体的な表示態様となり、しかも中央上部ではなく、対象となる交差点の位置に表示された状態である。
【0043】
そして、これら2つの状態を補間する補間画像を、202〜204又は212〜214に示すように順次連続的に表示することで、運転手からみて2D矢印105から3D矢印104へ遷移し、これが前方道路イメージの案内交差点の部分に関連付けられることを分かりやすく提示する。なお、205及び215のような3D矢印104が道路イメージと組み合わされて表示される状態を、以下、矢印のシンボル画像が道路イメージに「接続された」状態とも称する。
【0044】
2つの画像を補間するための補間画像としては、図7の202〜204に示すように、矢印のシンボル画像が回転すると共に位置が移動するような印象を与える画像群を用意し、それらを連続的に順次表示してもよい。これに代えて又は付加して、同図の211〜214に示すように、矢印のシンボル画像が前方道路イメージのどの位置に関連付けられるかを示す補助図形の画像216を表示してもよい。この場合は、同図に示すように矢印のシンボル画像105が徐々に消失されていくように構成することができる。
【0045】
図4に戻り、ステップS105の処理を実行した後は、自車が移動に伴って案内交差点を通過するまで、ステップS105において道路イメージと3D矢印104が組み合わされた画像表示を継続する。
【0046】
以上のとおり、本実施形態に係る走行情報提供装置によれば以下の効果が奏される。
【0047】
自車が右左折する必要のある交差点に接近中である場合に、その右左折交差点が遠くにある場合には、図7のディスプレイ画像201又は211に示すように、液晶ディスプレイ19に表示されている案内方向を示す矢印のシンボル画像が、同時に表示されている前方道路イメージ画像に「接続されていない」ので、その可視範囲内(図8の301)には矢印のシンボル画像に相当する走行情報が存在しないこと、すなわち自車前方近傍には右左折交差点が存在しないことを短時間で理解することができる。
【0048】
一方、右左折交差点が近い位置、すなわち可視範囲内103にある場合には、案内方向を示す矢印のシンボル画像が前方道路イメージ画像と「接続される」ので、案内交差点が自車からある程度近い距離に入ったことや、前景道路イメージ中のどこに矢印のシンボル画像に相当する交差点が存在するかを短時間で理解することができる。
【0049】
さらに前景道路イメージは、運転手が前方を見たときに視界に入る道路の形状と同様の立体的形状とされているので、実際の前景中のどこが右左折交差点であるかをも短時間で理解又はその支援をすることができる。
【0050】
また、矢印のシンボル画像が前方道路イメージ画像に接続される際には、図7のディスプレイ画像202〜205又は212〜215に示すように、その接続位置がよくわかるように連続的に変化する画像を順次表示する。これにより、接続の前後で表示の変化が大きい場合、例えば前方道路イメージ画像の中に接続された矢印のシンボル画像の大きさが小さい場合や、液晶ディスプレイ10の表示画面上で2D矢印での表示位置とその2D矢印の接続後の位置が離れている場合でも、どこにあるのかを把握しやすい。
【0051】
さらに、矢印のシンボル画像が前方道路イメージ画像に接続される際には、矢印のシンボル画像を描くためのアングルが、図7の201又は211に示す所定のアングルから同図の205又は215に示す前方道路イメージ画像と同じアングルへ連続的に変化する画像を順次表示するので、矢印のシンボル画像が前方道路イメージ画像にどのような角度で接続されたのかも把握しやすい。
【0052】
そしてこのようなことから、前方道路イメージ画像と運転手が実際に見る前景とを対応させやすくなるので、前方道路イメージ画像に接続された、矢印のシンボル画像の位置、すなわち右左折交差点位置までの距離感も把握しやすい。また、道路イメージ画像に接続されていない状態において、運転手が自分からは見えないはずの右左折交差点を探してしまうといった無駄をなくすことができる。
【0053】
《第2実施形態》
図9は、発明の第2実施形態に係る車両用走行情報提供装置の制御手順を示すフローチャートであり、上述した第1実施形態のステップS4のサブルーチンである。第1実施形態の車両用走行情報提供装置に対し、図1に示す機能ブロック、図2に示す液晶ディスプレイ17,19の設置位置、図3に示すシステム全体の制御手順は同じであるため、その説明及び図面をここに援用する。
【0054】
本実施形態では、図1に示す構成のカーナビゲーションシステムの経路案内表示を、高速道路または自動車専用道路にて行う場合について説明する。なお、高速道路または自動車専用道路は、その道路形状が直線部分の他、分岐と合流の組み合わせで形作られていることが多く、カーナビゲーションシステムは自車が分岐に差し掛かった際に進路を案内する機能が必要とされる。ただし、特に渋滞していない場合は、一般道と比べ走行速度が速いため、第1実施形態で述べた可視範囲301に相当する距離を比較的短時間で通過することがある。
【0055】
図9に示す制御手順のうち図4のステップS101〜ステップS108と同じステップには同一の符号を付してある。
【0056】
ステップS201では、自車が現在走行中の道路が高速道路または自動車専用道路であるかどうかを判定する。このステップS210でNoと判定された場合はステップS101へ進み、その後の制御手順は第1実施形態の図4と同じであるためその説明をここに援用する。
【0057】
ステップS210で高速道路または自動車専用道路である(Yes)と判定された場合は、ステップS202に進む。ステップS202では、
経路案内の必要な分岐が自車から1km以内に存在するかどうかを判定する。このステップS202で1km以内に存在しない(No)と判定された場合は、ステップS206へ進み、液晶ディスプレイ19には案内表示を行わない。
【0058】
ステップS202で経路案内の必要な分岐が自車から1km以内に存在する(Yes)と判定された場合は、ステップS203へ進む。
【0059】
ステップS203では、さらに、経路案内の必要な分岐が500m以内に存在するかどうかを判定する。このステップS203は上述した第1実施形態の図4のステップS103とほぼ同じであるが、自車から分岐までの距離に関する判定基準を高速走行時の特性に合わせ変更したものである。
【0060】
このステップS203で、経路案内の必要な分岐が500m以内に存在しない(No)と判断された場合は、ステップS209に進み、第1実施形態の図4のステップS108と同様に、前段の経路案内として、運転手の視点から見た前方道路形状を示す道路イメージ、例えば図5に102で示すような車両位置から進行方向に向かう立体的図法による道路形状画像と、交差点での進路を示す矢印のシンボル画像、例えば図6の105のような二次元的又は平面的な矢印のシンボル画像(その形状が比較的分かり易いアングルで描画したもの)とを、液晶ディスプレイ19に表示する。この2D矢印105の表示位置は、図7の201又は211に示すように、液晶ディスプレイ19における道路イメージ画像の表示位置の上部であって、センタリングされた位置とする。
【0061】
ステップS203で、経路案内の必要な分岐が500m以内に存在する(Yes)と判定された場合は、ステップS204へ進む。
【0062】
ステップS204では、経路案内の必要な分岐に到達する時刻が、可視範囲内(図8の301)に到達するまでに残り5秒以下であると推測されるかどうかを判定する。この推測は、分岐点と、図8の可視範囲301における自車進路の自車から最も離れた地点との間の距離を、自車の走行速度で除することにより行うことができる。
【0063】
そして、ステップS204で、分岐に到達するまでの時間が5秒以内である(Yes)と判定された場合は、ステップS205に進む。
【0064】
ステップS205では、分岐点の道路部分の描画アングルおよび分岐点での進路を示す矢印シンボル画像の描画アングルが順次変化する印象を与えるように、表示の準備処理を行う。具体的には、分岐点が可視範囲301に到達するまでの距離を計算し、この距離に応じて分岐点及び矢印シンボル画像の描画アングルを少しずつ変えた補間画像を生成する。
【0065】
例えば、ステップS204で経路案内の必要な分岐が可視範囲内に到達するまでに残り5秒と判断された場合であって、自車からの分岐点までの距離が300mであり、可視範囲内における自車進路の自車から最も離れた地点までの距離が200mである場合、つまり分岐点が可視範囲に入るまで残り100mだった場合において、自車から300m先に分岐点があるときは図10の421に示すシンボル画像を表示し、自車から200m先(これを可視範囲内における道路最遠点までの距離として)に分岐点があるときには同図の423に示すシンボル画像を表示し、その中間地点、たとえば自車から250m先に分岐点があるときには同図の422に示すシンボル画像を表示するように各画像を生成する。
【0066】
なお、一度生成したシンボル画像は、自車がその分岐点を通過するまでは保持する。そして、分岐が可視範囲内に到達するまでステップS210において、分岐シンボル画像が二次元画像から三次元画像へ変化する印象を与えるよう、表示する補間画像の更新を行う。この様子を図11の411、412、413に示す。
【0067】
図9へ戻り、ステップS204で分岐点に到達するまでの時間が5秒以内でない(No)と判定された場合は、ステップS207へ進む。
【0068】
ステップS207では、分岐点が可視範囲内に存在するかどうかを判定する。ここで分岐点が可視範囲内にない(No)と判定される場合は、ステップS209に進んで上述した処理を実行する。
【0069】
ステップS207で分岐点が可視範囲内にある(Yes)と判定された場合は、ステップS208に進み、液晶ディスプレイ19に、前方道路形状を示す道路イメージに分岐・矢印のシンボル画像を接続した状態を表示し、自車が分岐に接近し通過するまでステップS208の表示処理を継続する。この処理の結果、液晶ディスプレイ19に順次表示される画像例を、図11の414、415、416に示す。
【0070】
以上のとおり、本実施形態に係る走行情報提供装置によれば以下の効果が奏される。
【0071】
特に高速道路やその他の自動車専用道路等は、車両が高速で走行しうる道路であり、カーナビゲーション装置として案内の必要な箇所が分岐や合流の組み合わせで構成される道路形状である。
【0072】
案内すべき分岐が十分遠くにある場合には、液晶ディスプレイ19において、案内方向を示す分岐・矢印のシンボル画像が、同時に表示されている前方道路イメージ画像に接続されないので、本実施形態における可視範囲内301にはこの種の走行情報が存在しないことを短時間で理解でき、すなわち自車の前方近傍には分岐点が存在しないことを短時間で理解することができる。
【0073】
また、案内すべき分岐点が、自車の移動に伴い可視範囲301にまで近づきつつある状況では、可視範囲301に入る手前で、分岐のシンボル画像の描画アングルが二次元画像から、運転手の視点で前方を見たときの道路形状と同様の三次元アングルに変化する補間画像を表示するので、分岐点が可視範囲301に入る以前であっても、その距離感を概ね得ることができる。
【0074】
さらに高速走行時に自車が可視範囲に相当する距離を短時間で通過するような場合でも、補間画像を所定の時間をかけて順次表示できるため、分岐・矢印のシンボル画像の位置や形状、その道路イメージへの接続の様子を十分な時間表示することができ、運転手は余裕をもって認知することができる。
【0075】
そして、分岐点が前方道路における可視範囲内301にある場合には、分岐・矢印のシンボル画像が前方道路イメージと接続されるので、第1実施形態の効果と同様に、分岐点が自車からある程度近い距離に入ったことや、前景道路イメージ中のどこに矢印のシンボル画像が存在するかといった事柄を短時間で理解することができる。
【0076】
《第3実施形態》
図12は、発明の第3実施形態に係る車両用走行情報提供装置の制御手順を示すフローチャートであり、上述した第1実施形態のステップS4のサブルーチンである。第1実施形態の車両用走行情報提供装置に対し、図1に示す機能ブロック、図2に示す液晶ディスプレイ17,19の設置位置、図3に示すシステム全体の制御手順は同じであるため、その説明及び図面をここに援用する。
【0077】
図1に示す地図データ記憶部6に格納された道路ネットワークには、そのノード座標を東西南北方向に一意に決定するだけでなく、高度データを持ち、高度をも考慮した自車位置を測位することで、立体交差や高架道路に並走する他の道路を走行する場合のGPS測位精度を向上させることができる。
【0078】
本実施形態では、高度を考慮した道路ネットワークデータが地図データ記憶部6に格納されたカーナビゲーション装置において、道路の立体形状を分かりやすく提示する例を説明する。
【0079】
図12は本実施形態における制御手順を示すフローチャートであり、上述した第1実施形態の図4のステップS103とステップS104の間にステップS601〜ステップS606を追加したものである。図4と同じ処理を実行するステップには同じ符号を付し、その説明をここに援用する。
【0080】
ステップS601では、案内交差点の形状について判定する。交差点が立体交差や五差路以上の分岐道を持つ交差点であればYesと判定し、ステップS604へ進む。
【0081】
ステップS604では、その案内交差点が自車の可視範囲内301に到達するまでの時刻が残り5秒以下であると推測されるかどうかを判定する。この推測は、分岐点と、可視範囲における自車進路の自車から最も離れた地点との間の距離を、自車の走行速度で除することにより推測することができる。そして、案内交差点が自車の可視範囲内まで5秒以下である(Yes)と判定された場合は、ステップS605に進む。
【0082】
ステップS605では、案内交差点の形状画像およびそこでの進路を示す矢印シンボル画像の描画アングルが、順次変化する印象を与えるために準備処理を行う。具体的には、自車の可視範囲に到達するまでの距離を計算し、距離に応じて分岐・矢印シンボル画像の描画アングルを少しずつ変えた画像を生成する。
【0083】
例えば、ステップS604で、経路案内の必要な交差点の分岐が可視範囲内に到達するまでに残り5秒と判断されたときの自車からの距離が300mであり、可視範囲内における自車進路の自車から最も離れた地点までの距離が200mである場合、つまり可視範囲301に分岐が入るまで残り100mだった場合において、自車から300m先に分岐があるときは図13の401に示すシンボル画像を表示し、また自車から200m先(これを可視範囲内における道路最遠点までの距離として)に分岐があるときは同図の405に示すシンボル画像を表示し、その中間地点、自車から200mから300mの間に分岐があるときには402,403,404に示すシンボルを表示するように生成する。
【0084】
なお、一度生成したシンボル画像は、その交差点の分岐を通過するまでは保持する。
【0085】
そしてステップS606において、分岐が可視範囲内に到達するまで、分岐のシンボル画像が二次元態様から三次元態様へ変化する印象を与えるよう、表示する補間画像の更新を自車の移動に伴って行う。この様子を図13の401→402→403→404→405に示す。
【0086】
なお、ステップS604にて、経路案内の必要な交差点の分岐が可視範囲内に到達するまでに残り5秒以内でない(No)と判定された場合は、ステップS108に進み、第1実施形態と同様、前段の経路案内として、運転手の視点から見た前方道路形状を示す道路イメージ、例えば図5に102で示すような車両位置から進行方向に向かう立体的図法による道路形状画像と、交差点での進路を示す矢印のシンボル画像、例えば図6の105のような二次元的又は平面的な矢印のシンボル画像(その形状が比較的分かり易いアングルで描画したもの)とを、液晶ディスプレイ19に表示する。また、この2D矢印105の表示位置は、図7の201又は211に示すように、液晶ディスプレイ19における道路イメージ画像の表示位置の上部であって、センタリングされた位置とする。
【0087】
以上のとおり、本実施形態に係る走行情報提供装置によれば以下の効果が奏される。
【0088】
案内すべき交差点が立体交差である場合や、分岐する道路の数が多いため短時間でその形状を把握することが困難な場合であっても、自車の移動に伴い可視範囲まで接近中に、分岐・矢印のシンボル画像の描画アングルが二次元から三次元に変化するので、自車が可視範囲301に入る前の分岐までの距離感を得ることができる。
【0089】
また、分岐する道路の数が多いため、通常の交差点よりも道路形状の把握に時間を要する場合でも、遷移する補間画像を所定の時間をかけて順次表示するため、分岐・矢印のシンボル画像の位置、形状、又はその道路イメージへの接続の様子を十分な時間表示することができ、運転手は余裕をもって認知することができる。
【0090】
さらに、例えば立体的な形状を持つ交差点の場合など、一定のアングルで見た限りではその形状を把握しにくい道路形状であっても、複数のアングルから見た形状を順次切り替えて表示するので、運転手にとって理解が容易になる。
【0091】
《第4実施形態》
図14は、発明の第4実施形態に係る車両用走行情報提供装置の制御手順を示すフローチャートであり、上述した第1実施形態のステップS4のサブルーチンである。第1実施形態の車両用走行情報提供装置に対し、図1に示す機能ブロック、図2に示す液晶ディスプレイ17,19の設置位置、図3に示すシステム全体の制御手順は同じであるため、その説明及び図面をここに援用する。
【0092】
本実施形態では、右左折交差点の手前に、形状が類似する別の交差点が存在し、その交差点を誤って右または左に進路変更する可能性のある場合に効果的な情報提供である。
【0093】
図14は本実施形態における制御手順を示すフローチャートであり、上述した第1実施形態の図4のステップS104に代えてステップS301〜ステップS306を追加したものである。図4と同じ処理を実行するステップには同じ符号を付し、その説明をここに援用する。
【0094】
まずステップS103までは第1実施形態と同様の処理を行う。
【0095】
また、ステップS301での判定も、第1実施形態と同じ所定のタイミングで実行される。このステップS301にて案内すべき交差点が自車の可視範囲内に到達していない(No)と判定された場合は、第1実施形態のステップS108と同様、前段の経路案内として、運転手の視点から見た前方道路形状を示す道路イメージ、例えば図5に102で示すような車両位置から進行方向に向かう立体的図法による道路形状画像と、交差点での進路を示す矢印のシンボル画像、例えば図6の105のような二次元的又は平面的な矢印のシンボル画像(その形状が比較的分かり易いアングルで描画したもの)とを、液晶ディスプレイ19に表示する。また、この2D矢印105の表示位置は、図7の201又は211に示すように、液晶ディスプレイ19における道路イメージ画像の表示位置の上部であって、センタリングされた位置とする。
【0096】
これに対し、ステップS301で案内すべき交差点が自車の可視範囲内に到達した(Yes)と判定された場合は、ステップS302へ進む。
【0097】
ステップS302では、案内交差点のχm、例えば30m以上手前に別の交差点があり、案内交差点にて案内する方向と同じ方向に進路をとることができるかを判定する。
【0098】
この判定がYesである場合はステップS304に進み、手前の交差点を自車が通り過ぎたら、図7に示す容量で2D矢印201を3D矢印205へ補間画像202〜204を表示しつつ変更処理を実行する。これにより、手前の交差点を通過後に案内交差点を示すことになるので、運転手が手前の交差点を誤って案内交差点と誤解することがなくなる。
【0099】
ステップS302にて、案内交差点のχm以上手前に別の交差点はない(No)と判定された場合はステップS303へ進む。ステップS303では、案内交差点のχm未満手前に他の交差点があり、案内交差点にて案内する方向と同じ方向に進路をとることができるかを判定する。
【0100】
図15の中図に示すように、ステップS302では2つの交差点が互いにχ+αm離れているか否かを判定するのに対し、ステップS303では同図の右図に示すように2つの交差点が互いにχ−αm離れているか否かを判定する。
【0101】
ステップS303にて、案内交差点のχm未満手前に他の交差点がある(Yes)と判定された場合、すなわち、案内交差点の手前に他の交差点があり、その距離がχm未満である場合はステップS305に進み、自車が案内交差点の手前χmまで接近したら図7に示す2D矢印201を3D矢印205に表示変更する。
【0102】
このように、案内交差点とその手前の誤解しやすい交差点とが十分に区別できるほど接近した後に、進路変更すべき交差点を指し示すので、案内情報を誤解しにくくなり、かつ余裕をもって右左折の準備ができる距離まで近づいたタイミングで案内交差点を示すことができる。
【0103】
なお、ステップS303で案内交差点のχm未満手前に他の交差点はない(No)と判定された場合は、ステップS306へ進み、図15の左図に示すように案内交差点の手前には他に誤って進路変更する可能性のある交差点はないと判断し、ステップS105へ進む。ステップS105では、図7の202→203→204→205に示すように、道路イメージの中央上部に表示されていた2D矢印105を道路イメージにおける右左折交差点が存在する位置へ移動すると同時に、その表示様態を二次元画像から三次元画像、すなわち3D矢印104に変更する。
【0104】
以上のとおり、本実施形態に係る走行情報提供装置によれば以下の効果が奏される。
【0105】
経路案内されるべき交差点の手前に、それと似た形状の交差点が存在する場合であっても、両交差点間の距離が所定値よりも離れていれば、手前の交差点を通り過ぎた後に、経路案内に関する情報を前方道路イメージに接続するようにしたので、間違って手前の交差点を曲がるといった状況を回避でき、かつ走行情報が前方道路イメージに接続される際に表示される補間画像を、運転手は十分な時間、視認することができる。
【0106】
一方、両交差点間の距離が所定よりも近接している場合には、前景イメージ上で手前の交差点と案内交差点とが明確に区別できる位置まで近づいてから、案内情報を表すシンボルを前方道路イメージに接続するようにしたので、補間画像を表示する時間が限定された場合でも、間違って手前の交差点を曲がる状況を回避することができる。
【0107】
《第5実施形態》
図16は、発明の第5実施形態に係る車両用走行情報提供装置の制御手順を示すフローチャートであり、上述した第1実施形態のステップS4のサブルーチンである。第1実施形態の車両用走行情報提供装置に対し、図1に示す機能ブロック、図2に示す液晶ディスプレイ17,19の設置位置、図3に示すシステム全体の制御手順は同じであるため、その説明及び図面をここに援用する。
【0108】
本実施形態は、例えば図17に示すように道路形状が大きくカーブしている等の事情により、案内交差点へ接近中に交差点までの距離は十分近いにも拘らず案内交差点が可視領域301に入らないまま自車が接近していく場合、すなわち第1実施形態の制御手順のみでは、2D矢印201が3D矢印205に表示変更するタイミングが遅れるといった場合に効果的な処理手順である。
【0109】
図16は本実施形態における制御手順を示すフローチャートであり、上述した第4実施形態の図14のステップS301及びステップS108に代えてステップS301及びステップS401〜S404を追加したものである。図4や図14と同じ処理を実行するステップには同じ符号を付し、その説明をここに援用する。
【0110】
ステップS301までは第4実施形態の処理と同じであるが、ステップS301にて案内交差点が可視範囲内301に到達していない(No)と判定された場合は、ステップS401へ進む。
【0111】
ステップS401では、案内交差点までχm、例えば30mの距離に近づいたか否かを判定する。このステップS401にて案内交差点までχmの距離に近づいていない(No)場合はステップS402に進み、2D矢印201と前方道路イメージを、図18の501のように同時に表示する。この表示は第1実施形態における図7の201に相当する。
【0112】
ステップS401で案内交差点までχmの距離に近づいた(Yes)と判定された場合は、ステップS403に進む。このステップS403では、2D矢印を3D矢印に表示変更するが、図18の502〜505に示すように、2Dの矢印の帯部を延長しつつ3D矢印に遷移させたのち、同図の506に示すように帯の一部507が可視範囲に含まれるように前方道路イメージに接続する。
【0113】
なお、図18における符号503、504、505で示す矢印のシンボルは前方道路イメージの表示を省略したものであり、2D矢印が3D矢印に表示変更される際に補間画像として順次表示されるシンボル画像の一例を表わしている。
【0114】
これにより、案内交差点までの道路形状を、矢印の帯部が延長された際の形状から認知することができる。また、矢印のシンボル画像が前方道路イメージに接続される際に帯部の一部が可視範囲に含まれるように接続されるので、案内交差点の運転手からみた存在方向や距離感を容易に認知することができる。
【0115】
すなわち、本実施形態の車両用走行情報提供装置によれば、車両の走行情報が存在する位置が所定距離よりも接近し、且つそれが前方の可視範囲内に存在しない条件下であっても、走行情報の存在する方向に向かって所定のシンボル画像が表示されるので、運転手は前景道路においてどの方向に走行情報が存在するかを把握することができる。
【0116】
また、走行情報を表すシンボル画像の表示位置や表示様態の補間画像を、シンボル画像の変更タイミングで表示するので、運転手は前景道路イメージに表示されない走行情報についても、その位置を容易に推測することができる。
【0117】
《第6実施形態》
図19は、発明の第6実施形態に係る車両用走行情報提供装置の制御手順を示すフローチャートであり、上述した第1実施形態のステップS4のサブルーチンである。第1実施形態の車両用走行情報提供装置に対し、図1に示す機能ブロック、図2に示す液晶ディスプレイ17,19の設置位置、図3に示すシステム全体の制御手順は同じであるため、その説明及び図面をここに援用する。
【0118】
本実施形態は、図20に示すように二つ以上の交差点が隣接するような道路形状で、2つの交差点の案内(同図に521→520で示す)が短時間のうちに連続して行われる必要がある場合に効果的な処理手順である。
【0119】
図19は本実施形態における制御手順を示すフローチャートであり、上述した第1実施形態の図4のステップS105に代えてステップS501〜S503を追加したものである。図4と同じ処理を実行するステップには同じ符号を付し、その説明をここに援用する。
【0120】
ステップS104にて、2D矢印105から3D矢印104へ表示を変更する所定のタイミングではない(No)と判定された場合はステップS108へ進み、前段の経路案内として、運転手の視点から見た前方道路形状を示す道路イメージ、例えば図5に102で示すような車両位置から進行方向に向かう立体的図法による道路形状画像と、交差点での進路を示す矢印のシンボル画像、例えば図6の105のような二次元的又は平面的な矢印のシンボル画像(その形状が比較的分かり易いアングルで描画したもの)とを、液晶ディスプレイ19に表示する。
【0121】
これに対してステップS104にて、2D矢印105から3D矢印104へ表示を変更する所定のタイミングである(Yes)と判定された場合は、ステップS501に進む。
【0122】
ステップS501では、案内経路上の、自車から最寄りの案内交差点とその次の交差点との間の距離を検索する。そしてこの距離が所定の距離、例えば30m未満か否かを判定し、30m以上であれば(No)ステップS503へ進む。
【0123】
ステップS503では、基本的には第1実施形態のステップS105と同様の処理を行い、交差点案内のための情報を提示する。
【0124】
ステップS503で自車から最寄りの案内交差点とその次の交差点との距離が30m未満である(Yes)と判定された場合は、ステップS502へ進む。
【0125】
ステップS502では、図21の511〜512に示すように、最寄りの案内交差点についての案内情報(3D矢印)を提示すると共に、その次の案内交差点が、この案内情報における3D道路形状を描画した際の可視範囲内に含まれるかどうかを検索し、もし含まれるのであれば、同図の513〜514に示すように次の交差点に関する案内情報515も、最寄の交差点の案内情報を表示したのと同じ前方道路イメージ上に表示する。
【0126】
上述したように、図20に示す2つの交差点を矢印521→520のように走行する場合に液晶ディスプレイ19に表示される画像例を図21に示す。上記ステップS502での処理の結果、図21の511から514に向かって画像が切り替わる。
【0127】
最初の交差点521を通過する前において、次の交差点520は、液晶ディスプレイ19に表示される前方道路イメージの可視範囲には入っていないため、図4に示すステップS105と同様の処理により、図21の511に示すように一つ目の交差点521に対する矢印のみが表示される。その後、同図の512に示すように車両が最初の交差点上で転回し、次の交差点が可視範囲に入ると、同図の513,514に示すように次の交差点520に関する案内情報、すなわち矢印515を前方道路イメージ上に描画する。
【0128】
これにより、2つ以上の交差点の案内が連続して行われるような場合であっても、最初の交差点を通過中または通過後に、すぐ次の交差点に関する案内情報を提示することができる。
【0129】
また、液晶ディスプレイ19における画面切替により表現される視覚的回転のため、道路形状やそれに関連する案内情報の位置関係を運動視差により表現できるため、最寄りの交差点とその次の交差点までの距離感を分かりやすく表示することができる。
【0130】
なお、発明に係る自車位置測定手段は自車位置測定部5、発明に係る地図データ検索手段は地図データ記憶部6及び地図データ検索部7、発明に係る走行情報検索手段は案内経路検索部8及び案内経路記憶部9、発明に係る表示手段は液晶ディスプレイ17,19、発明に係る表示制御手段は地図・交差点案内図描画部16、発明に係る制御手段はシステム制御部1及び3D道路・シンボル描画部18及び案内タイミング決定部20にそれぞれ対応する。
【符号の説明】
【0131】
1…システム制御部
5…自車位置測定部
6…地図データ記憶部
7…地図データ検索部
8…案内経路演算部
9…案内経路記憶部
16…地図・交差点案内図描画部
18…3D道路・シンボル描画部
17,19…液晶ディスプレイ
20…案内タイミング決定部
101…二次元地図画像
102…三次元道路イメージ画像
103…交差点
104…三次元的矢印のシンボル画像(3D矢印)
105…二次元的矢印のシンボル画像(2D矢印)
301…可視範囲
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の現在位置及び進行方向を検出する自車位置測定手段と、
道路ネットワークデータ及びこれに関連付けられた道路形状データを含む道路地図データを記憶するとともに、これら地図データから目的とする地図データを検索する地図データ検索手段と、
車両の走行に関連する走行情報であって目的とする走行情報の種類と位置を検索する走行情報検索手段と、
運転手の視界内に設置された表示手段と、
前記地図データ検索手段で検索された地図データと、前記走行情報検索手段により検索された当該地図データに存在する走行情報とを、所定の図法で描画して前記表示手段に表示する表示制御手段と、
前記車両が目的とする走行情報の存在位置に接近する場合であって前記車両が前記走行情報の存在位置から所定距離以上離れている場合は、車両位置から進行方向に向かう立体的図法による道路形状画像を表示するとともに、前記走行情報の第1シンボル画像を前記道路形状画像における前記走行情報の存在位置に対応しない位置に表示し、
前記車両が目的とする走行情報の存在位置に接近する場合であって前記車両が前記走行情報の存在位置から所定距離未満まで接近した場合は、前記立体的図法による道路形状画像を表示するとともに、前記走行情報の存在位置に関連させた表示位置又は表示様態の、前記第1シンボル画像とは異なる第2シンボル画像に変更して表示し、
前記第1シンボル画像から前記第2シンボル画像に変更する前に、これら第1シンボル画像及び第2シンボル画像に対して連続的に遷移する補間画像を表示する制御手段と、を備える車両用走行情報提供装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用走行情報提供装置において、
前記制御手段は、道路上に障害物がないと仮定した場合に運転手が視認できる可視範囲に基づいて、前記地図データから生成する道路形状図形の描画範囲を決定することを特徴とする。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の車両走行情報提供装置において、
前記制御手段は、
前記車両が目的とする走行情報から所定距離以上離れている場合は、前記第1シンボル画像を前記立体的図法による道路形状図形とは異なる図法で描画して表示し、
前記車両が前記走行情報から所定距離未満まで接近している場合は、前記第2シンボル画像を前記立体的図法による道路形状図形と同じ図法で描画して表示する車両用走行情報提供装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両用走行情報提供装置において、
前記制御手段は、前記第1シンボル画像及び前記第2シンボル画像を、前記道路形状画像の上部であって左右の中心部に表示する車両用走行情報提供装置。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれか一項に記載の車両用走行情報提供装置において、
前記制御手段は、前記走行情報の存在位置が前記可視範囲外から可視範囲内に入った場合又は入る直前に、前記補間画像を表示するとともに前記第1シンボル画像の表示位置又は表示態様から前記第2シンボル画像の表示位置又は表示態様に変更して表示する車両用走行情報提供装置。
【請求項6】
請求項3〜5のいずれか一項に記載の車両用走行情報提供装置において、
前記制御手段は、前記走行情報の存在位置が前記可視範囲外から可視範囲内に入った場合又は入る直前に、前記補間画像を表示するとともに前記第1シンボル画像の図法から前記第2シンボル画像の図法に変更して表示する車両用走行情報提供装置。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の車両用走行情報提供装置において、
前記制御手段は、前記第1シンボル画像の表示位置又は表示態様から前記第2シンボル画像の表示位置又は表示態様に変更して表示する第1処理と、前記第1シンボル画像の図法から前記第2シンボル画像の図法に変更して表示する第2処理とを同時に行う車両用走行情報提供装置。
【請求項8】
請求項7に記載の車両用走行情報提供装置において、
前記制御手段は、前記第1処理と前記第2処理との実行タイミングを、前記車両の走行速度に応じて変更する車両用走行情報提供装置。
【請求項9】
請求項8に記載の車両用走行情報提供装置において、
前記制御手段は、前記車両が前記走行情報の存在する位置へ接近するときの走行速度が所定速度より速い場合は、前記車両の移動により前記描画範囲内に前記走行情報が入るまでの時間を推定するとともに、この推定時間に応じて前記実行タイミングを変更する車両用走行情報提供装置。
【請求項10】
請求項8に記載の車両用走行情報提供装置において、
前記制御手段は、前記車両の進行方向における前方の道路形状に応じて、前記実行タイミングを変更する車両用走行情報提供装置。
【請求項11】
請求項10に記載の車両用走行情報提供装置において、
前記制御手段は、
前記車両が前記走行情報の存在位置へ接近する場合であって前記走行情報が前記描画範囲内に存在しない場合は、前記車両と前記走行情報の存在位置との距離が所定値となったときに、前記第1処理と前記第2処理とを実行し、
当該第1処理及び第2処理の実行後に、前記道路形状画像の道路部分から前記走行情報の存在する方向へ接続する第3シンボル画像を表示する車両用走行情報提供装置。
【請求項12】
請求項10に記載の車両用走行情報提供装置において、
前記制御手段は、
前記車両が前記走行情報の存在位置へ接近する場合であって、前記車両と前記走行情報の存在位置との間に前記走行情報が存在する道路形状に類似した形状の道路が存在する場合は、
前記走行情報が存在する道路と、これに類似する形状の道路とが所定距離以上離れているときには、前記車両が前記類似する道路を通過する時又は通過した直後に前記第1処理及び前記第2処理を実行し、
前記走行情報が存在する道路と、これに類似する形状の道路とが所定距離より近いときには、前記車両から前記走行情報の存在位置までの距離が所定値になったときに前記第1処理及び前記第2処理を実行する車両用走行情報提供装置。
【請求項13】
請求項10に記載の車両用走行情報提供装置において、
前記制御手段は、
前記車両が前記走行情報の存在位置へ接近する場合であって、前記走行情報の存在位置から他の走行情報の存在位置までの距離が所定距離以下である場合は、
前記走行情報のうち最初に到達する走行情報に基づき前記実行タイミングを変更する車両用走行情報提供装置。
【請求項14】
車両の現在位置及び進行方向に基づいて車両の走行に関連する走行情報を提供する方法であって、
前記車両が目的とする走行情報の存在位置から所定距離以上離れている場合は、車両位置から進行方向に向かう立体的図法による道路形状画像を表示するとともに、前記走行情報の第1シンボル画像を前記道路形状画像における前記走行情報の存在位置に対応しない位置に表示し、
前記車両が前記走行情報の存在位置から所定距離未満まで接近した場合は、前記立体的図法による道路形状画像を表示するとともに、前記走行情報の存在位置に関連させた表示位置又は表示様態の、前記第1シンボル画像とは異なる第2シンボル画像に変更して表示し、かつ前記第1シンボル画像から前記第2シンボル画像に変更する前に、これら第1シンボル画像及び第2シンボル画像に対して連続的に遷移する補間画像を表示する車両用走行情報の提供方法。
【請求項1】
車両の現在位置及び進行方向を検出する自車位置測定手段と、
道路ネットワークデータ及びこれに関連付けられた道路形状データを含む道路地図データを記憶するとともに、これら地図データから目的とする地図データを検索する地図データ検索手段と、
車両の走行に関連する走行情報であって目的とする走行情報の種類と位置を検索する走行情報検索手段と、
運転手の視界内に設置された表示手段と、
前記地図データ検索手段で検索された地図データと、前記走行情報検索手段により検索された当該地図データに存在する走行情報とを、所定の図法で描画して前記表示手段に表示する表示制御手段と、
前記車両が目的とする走行情報の存在位置に接近する場合であって前記車両が前記走行情報の存在位置から所定距離以上離れている場合は、車両位置から進行方向に向かう立体的図法による道路形状画像を表示するとともに、前記走行情報の第1シンボル画像を前記道路形状画像における前記走行情報の存在位置に対応しない位置に表示し、
前記車両が目的とする走行情報の存在位置に接近する場合であって前記車両が前記走行情報の存在位置から所定距離未満まで接近した場合は、前記立体的図法による道路形状画像を表示するとともに、前記走行情報の存在位置に関連させた表示位置又は表示様態の、前記第1シンボル画像とは異なる第2シンボル画像に変更して表示し、
前記第1シンボル画像から前記第2シンボル画像に変更する前に、これら第1シンボル画像及び第2シンボル画像に対して連続的に遷移する補間画像を表示する制御手段と、を備える車両用走行情報提供装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用走行情報提供装置において、
前記制御手段は、道路上に障害物がないと仮定した場合に運転手が視認できる可視範囲に基づいて、前記地図データから生成する道路形状図形の描画範囲を決定することを特徴とする。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の車両走行情報提供装置において、
前記制御手段は、
前記車両が目的とする走行情報から所定距離以上離れている場合は、前記第1シンボル画像を前記立体的図法による道路形状図形とは異なる図法で描画して表示し、
前記車両が前記走行情報から所定距離未満まで接近している場合は、前記第2シンボル画像を前記立体的図法による道路形状図形と同じ図法で描画して表示する車両用走行情報提供装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両用走行情報提供装置において、
前記制御手段は、前記第1シンボル画像及び前記第2シンボル画像を、前記道路形状画像の上部であって左右の中心部に表示する車両用走行情報提供装置。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれか一項に記載の車両用走行情報提供装置において、
前記制御手段は、前記走行情報の存在位置が前記可視範囲外から可視範囲内に入った場合又は入る直前に、前記補間画像を表示するとともに前記第1シンボル画像の表示位置又は表示態様から前記第2シンボル画像の表示位置又は表示態様に変更して表示する車両用走行情報提供装置。
【請求項6】
請求項3〜5のいずれか一項に記載の車両用走行情報提供装置において、
前記制御手段は、前記走行情報の存在位置が前記可視範囲外から可視範囲内に入った場合又は入る直前に、前記補間画像を表示するとともに前記第1シンボル画像の図法から前記第2シンボル画像の図法に変更して表示する車両用走行情報提供装置。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の車両用走行情報提供装置において、
前記制御手段は、前記第1シンボル画像の表示位置又は表示態様から前記第2シンボル画像の表示位置又は表示態様に変更して表示する第1処理と、前記第1シンボル画像の図法から前記第2シンボル画像の図法に変更して表示する第2処理とを同時に行う車両用走行情報提供装置。
【請求項8】
請求項7に記載の車両用走行情報提供装置において、
前記制御手段は、前記第1処理と前記第2処理との実行タイミングを、前記車両の走行速度に応じて変更する車両用走行情報提供装置。
【請求項9】
請求項8に記載の車両用走行情報提供装置において、
前記制御手段は、前記車両が前記走行情報の存在する位置へ接近するときの走行速度が所定速度より速い場合は、前記車両の移動により前記描画範囲内に前記走行情報が入るまでの時間を推定するとともに、この推定時間に応じて前記実行タイミングを変更する車両用走行情報提供装置。
【請求項10】
請求項8に記載の車両用走行情報提供装置において、
前記制御手段は、前記車両の進行方向における前方の道路形状に応じて、前記実行タイミングを変更する車両用走行情報提供装置。
【請求項11】
請求項10に記載の車両用走行情報提供装置において、
前記制御手段は、
前記車両が前記走行情報の存在位置へ接近する場合であって前記走行情報が前記描画範囲内に存在しない場合は、前記車両と前記走行情報の存在位置との距離が所定値となったときに、前記第1処理と前記第2処理とを実行し、
当該第1処理及び第2処理の実行後に、前記道路形状画像の道路部分から前記走行情報の存在する方向へ接続する第3シンボル画像を表示する車両用走行情報提供装置。
【請求項12】
請求項10に記載の車両用走行情報提供装置において、
前記制御手段は、
前記車両が前記走行情報の存在位置へ接近する場合であって、前記車両と前記走行情報の存在位置との間に前記走行情報が存在する道路形状に類似した形状の道路が存在する場合は、
前記走行情報が存在する道路と、これに類似する形状の道路とが所定距離以上離れているときには、前記車両が前記類似する道路を通過する時又は通過した直後に前記第1処理及び前記第2処理を実行し、
前記走行情報が存在する道路と、これに類似する形状の道路とが所定距離より近いときには、前記車両から前記走行情報の存在位置までの距離が所定値になったときに前記第1処理及び前記第2処理を実行する車両用走行情報提供装置。
【請求項13】
請求項10に記載の車両用走行情報提供装置において、
前記制御手段は、
前記車両が前記走行情報の存在位置へ接近する場合であって、前記走行情報の存在位置から他の走行情報の存在位置までの距離が所定距離以下である場合は、
前記走行情報のうち最初に到達する走行情報に基づき前記実行タイミングを変更する車両用走行情報提供装置。
【請求項14】
車両の現在位置及び進行方向に基づいて車両の走行に関連する走行情報を提供する方法であって、
前記車両が目的とする走行情報の存在位置から所定距離以上離れている場合は、車両位置から進行方向に向かう立体的図法による道路形状画像を表示するとともに、前記走行情報の第1シンボル画像を前記道路形状画像における前記走行情報の存在位置に対応しない位置に表示し、
前記車両が前記走行情報の存在位置から所定距離未満まで接近した場合は、前記立体的図法による道路形状画像を表示するとともに、前記走行情報の存在位置に関連させた表示位置又は表示様態の、前記第1シンボル画像とは異なる第2シンボル画像に変更して表示し、かつ前記第1シンボル画像から前記第2シンボル画像に変更する前に、これら第1シンボル画像及び第2シンボル画像に対して連続的に遷移する補間画像を表示する車両用走行情報の提供方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2010−181363(P2010−181363A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−26996(P2009−26996)
【出願日】平成21年2月9日(2009.2.9)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月9日(2009.2.9)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
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