説明

車両

【課題】燃料にガソリンとアルコールとの混合燃料を用いた車両において、低温始動の始動性を改善するために必要な情報を表示する際、表示スペースを省略することが可能な車両を提供する。
【解決手段】自動二輪車1は、ガソリンとアルコールとの混合燃料を貯留する燃料タンク2と、エンジン4と、ECU60と、バーグラフ41とを備えている。ECU60は、燃料の残量を検知する燃料量検知部63と、燃料のアルコール濃度を検出または推定することによってアルコール濃度の情報を取得するエタノール濃度情報検知部62と、バーグラフ41に燃料の残量の表示に代えてアルコール濃度の情報を表示させる表示切り替え部61と、を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はガソリンとアルコールとの混合燃料を用いた車両に関する。
【背景技術】
【0002】
ガソリンとアルコールとの混合燃料により走行が可能な車両において、エンジンが低温であるとき、前記エンジンの始動性が低下する場合があることは周知のとおりである。下記特許文献1では、このような低温始動時の始動性の低下を改善するための制御装置またはシステムが記載されている。
【0003】
下記特許文献1に記載の制御装置またはシステムによれば、燃料に含まれるアルコール濃度に基づいてエンジンの始動が可能な外気温度が算出される。前記外気温度は、始動可能外気温度表示灯に表示される。続いて、現在の外気温度が読み込まれ、前記始動可能外気温度と現在の外気温度とが比較される。前記始動可能外気温度と現在の外気温度との比較の結果により、現在の外気温度が前記始動可能外気温度よりも低い場合、前記エンジンにおいて始動時に異常が発生するおそれがあるとして、始動異常発生警告灯が点灯する。また、前記制御装置または前記システムによれば、現在の燃料量と現在の外気温度とに基づいて始動可能アルコール濃度が算出される。前記始動可能アルコール濃度は、現在の外気温度が前記始動可能外気温度よりも低い場合でも前記エンジンの始動が可能なアルコール濃度とされている。続いて、現在の燃料量と前記始動可能アルコール濃度とに基づいて必要ガソリン給油量が算出される。現在の燃料量と前記必要ガソリン給油量とを加算し、前記加算の結果が燃料タンクの容量よりも大きい場合、エンジン停止禁止通知灯が点灯する。また、前記加算の結果が燃料タンクの容量よりも小さい場合、前記必要ガソリン給油量が必要ガソリン給油量表示灯に表示される。
【特許文献1】特開2006−152990号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記制御装置または前記システムには、前記始動可能外気温度表示灯、前記始動異常発生警告灯、前記エンジン停止禁止通知灯、および前記必要ガソリン給油量表示灯が備えられる。つまり、前記エンジンの低温始動の始動性を改善するために必要な複数の情報は、個別に表示される。そのため、前記必要な情報を個別に表示するには、比較的大きな表示スペースが必要であるという問題があった。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ガソリンとアルコールとの混合燃料を用いた車両において、低温始動の始動性を改善するために必要な情報を表示する際、表示スペースを省略することが可能な車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る車両は、ガソリンとアルコールとの混合燃料を貯留する燃料タンクと、前記燃料を燃焼させるエンジンと、前記燃料の残量を検知する燃料量検知装置と、前記燃料のアルコール濃度を検出または推定することによって前記アルコール濃度の情報を取得するアルコール濃度情報検知装置と、前記燃料の残量を表示するバーグラフと、前記バーグラフに、前記燃料の残量の表示に代えて、前記アルコール濃度の情報を表示させる表示切り替え装置と、を備えている。
【発明の効果】
【0007】
燃料の残量と燃料のアルコール濃度の情報とは、前記バーグラフにより表示される。これにより、低温始動の始動性を改善するために必要な情報を表示する際、複数の表示部材を必要としない。したがって、本発明によれば、ガソリンとアルコールとの混合燃料を用いた車両において、低温始動の始動性を改善するために必要な情報を表示する際、表示スペースを省略することが可能な車両を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
<実施形態1>
以下の実施形態に係る車両の形式は何ら限定されず、いわゆるモータサイクルであってもよく、スクータ、モペット、モトクロッサ等であってもよい。また、前記車両は、ライダーが跨って乗車する車両またはそれに準じる車両であり、自動二輪車だけでなく、ATV(All Terrain Vehicle)等であってもよい。また、前記車両は、四輪車であってもよい。
【0009】
前記車両は、燃料として、ガソリン、エタノール等のアルコール、およびガソリンとアルコールとが混合してなる混合燃料を使用可能である。以下の説明では、アルコールの例として、エタノールを用いる場合について説明する。
【0010】
《自動二輪車の構成》
図1に示すように、自動二輪車1は、燃料タンク2と、乗車シート3と、エンジン4と、それらを支持する車体フレーム5とを備えている。燃料タンク2には、蓋2aが設けられている。車体フレーム5の前側にはヘッドパイプ6が設けられ、ヘッドパイプ6にはステアリングシャフト(図示せず)が支持され、ステアリングシャフトの上側にはハンドル12が設けられている。また、ステアリングシャフトの下側にはフロントフォーク7が設けられている。フロントフォーク7の下端部には、前輪8が回転自在に支持されている。車体フレーム5にはスイングアーム9が揺動自在に支持され、スイングアーム9の後端部には後輪10が回転自在に支持されている。
【0011】
図2に示すように、エンジン4には、エンジン4の停止状態を検出するエンジンセンサ51が設けられている。エンジンセンサ51は、例えば図示しないクランク軸の回転速度を検出する回転速度センサであってもよく、図示しない点火装置の点火時期を検出する点火センサであってもよい。
【0012】
エンジン4は、エンジン4の内部に空気を導入する吸気通路26と、排ガスを排出する排気通路27と接続している。吸気通路26の中途には、燃料供給装置25が備えられている。本実施形態では、燃料供給装置25は、吸気通路26の内部に燃料を噴射するように配置されている。ただし、燃料供給装置25は気化器であってもよい。
【0013】
排気通路27には、触媒28が設けられている。また、排気通路27には、空燃比センサとして、排気中に含まれる成分を検出する排気センサ56が設けられている。排気センサ56は、例えば排ガス中の酸素を検出する。排気センサ56は、少なくとも排ガス中の空燃比がリッチ側またはリーン側にあることを検出できるセンサであればよい。ただし、空燃比センサとして、空燃比自体を検出するセンサを用いることにしてもよい。
【0014】
燃料タンク2の内部には、燃料タンク2内の燃料量を検出する燃料センサ57が設けられている。燃料センサ57の具体的構成は何ら限定されず、例えば液面センサ等の周知のセンサを好適に用いることができる。なお、自動二輪車1では、排気センサ56の検出値に基づいてエタノール濃度を推定することとしている。ただし、燃料タンク2内の燃料のエタノール濃度を検出するセンサを設け、エタノール濃度を直接検出することにしてもよい。前記燃料タンク2内の燃料のエタノール濃度を検出するセンサをエタノール濃度センサと称する。図2では、エタノール濃度センサ58が図示されている。
【0015】
また、自動二輪車1は、自動二輪車1の停止状態を検出する停止検出手段として、車速センサ59を備えている。ただし、前記停止検出手段は、車速センサ59に限定されない。前記停止検出手段は、例えばエンジン4と後輪10との間の駆動状態を検出するものであってもよい。
【0016】
自動二輪車1は、ECU(Electric Control Unit)60を備えている。ECU60は、少なくともインジケータパネル31における表示の制御を実行する。ECU60は、排気センサ56の検出値に基づいて燃料のエタノール濃度情報を検知するエタノール濃度情報検知部62を有している。また、ECU60は、燃料量検知部63、エンジン停止検知部64、および車両停止検知部65を有している。燃料量検知部63は、燃料センサ57にて検出される燃料タンク2内の燃料量の情報を検知する。エンジン停止検知部64は、以下のメインスイッチ24の作動に基づき、エンジン4の停止状態を検知する。なお、エンジン停止検知部64は、エンジンセンサ51にて検出されるクランク軸の回転速度または点火装置の点火時期より、エンジン4の停止状態を検知することも可能である。車両停止検知部65は、自動二輪車1の停止状態を検知する。車両停止検知部65は、前記停止検出手段として車速センサ59が用いられる場合、車速センサ59にて検出される車速に基づき自動二輪車1の停止状態を検知する。具体的に、車速センサ59にて検出される車速が零のとき、自動二輪車1は停止状態である。
【0017】
ECU60は、表示切り替え部61を有している。表示切り替え部61は、燃料の残量の表示に代えて、燃料のエタノール濃度情報を表示させるように、バーグラフ41の表示を切り替えることができる。
【0018】
ECU60は、メインスイッチ24を介して電源装置23と接続している。ECU60は、メインスイッチ24がオンに操作されると電源装置23との間で通電状態となり、作動することができる。ただし、自動二輪車1は、電源装置23とECU60との間に図示しないリレー回路等を備えている。そのため、ECU60の一部は、メインスイッチ24がオンに操作されていないときでも作動することができる。
【0019】
自動二輪車1は、燃料タンク2内部の燃料の残量を表示するバーグラフ41を備えている。バーグラフ41は、後述するデジタルパネル33に設けられている。デジタルパネル33は、インジケータパネル31に設けられている。また、インジケータパネル31には、後述するリセットボタン39およびセレクトボタン40が設けられている。なお、バーグラフ41は、後述するように、燃料タンク2内部の燃料残量の表示に代えて、燃料のエタノール濃度情報を表示することができる。
【0020】
本実施形態に係る自動二輪車1は、表示切り替え装置、アルコール濃度検知装置、燃料量検知装置、エンジン停止検知装置、および車両停止検知装置を備えている。前記表示切り替え装置は、少なくとも表示切り替え部61で構成されている。前記アルコール濃度情報検知装置は、少なくともエタノール濃度情報検知部62と、エタノール濃度センサ58または排気センサ56とで構成されている。前記燃料量検知装置は、少なくとも燃料量検知部63と燃料センサ57とで構成されている。前記エンジン停止検知装置は、少なくともエンジン停止検知部64とECU60とで構成されている。また、前記車両停止検知装置は、少なくとも車両停止検知部65と車両停止検出手段である車速センサ59とで構成されている。
【0021】
前述したように、表示切り替え部61は、燃料の残量の表示に代えて、燃料のエタノール濃度情報を表示させるように、バーグラフ41の表示を切り替えることができる。表示切り替え部61は、前記燃料量検知装置からの出力に基づく信号を入力する。また、表示切り替え部61は、前記アルコール濃度情報検知装置からの出力に基づく信号を入力する。これにより、前記表示切り替え装置は、バーグラフ41に、燃料の残量の表示に代えて、燃料のエタノール濃度情報を表示させることができる。セレクトボタン40またはリセットボタン39の操作により、バーグラフ41が燃料の残量の表示から燃料のエタノール濃度情報の表示へと切り替える場合、表示切り替え部61は、セレクトボタン40またはリセットボタン39からの出力に基づく信号を入力する。また、セレクトボタン40またはリセットボタン39の操作が例えば自動二輪車1の停止時に限定される場合、表示切り替え部61は、前記車両停止検知装置からの出力に基づく信号を入力する。さらに、エンジンが停止される際、自動的にバーグラフ41が燃料の残量の表示から燃料のエタノール濃度情報の表示へと切り替える場合、表示切り替え部61は、前記エンジン停止検知装置からの出力に基づく信号を入力する。
【0022】
《インジケータパネルの構成》
図3に示すように、自動二輪車1には、インジケータパネル31が設けられている。インジケータパネル31は、自動二輪車1のハンドル12の前方(図1の左側)に設けられている。また、インジケータパネル31には、エンジン回転速度メータ32、およびデジタルパネル33が設けられている。デジタルパネル33は、メインスイッチ24の操作に基づき、下記の表示について点灯し、または消灯する。さらに、図3の左側に示すように、インジケータパネル31には、方向指示表示灯34、ニュートラルランプ35、ヘッドライト表示灯37、および油温警告灯38が設けられている。前記警告灯等には、いずれも従来から使用されている周知のものを使用することができる。なお、ニュートラルランプ35は、自動二輪車1に備えられた変速装置がニュートラルを有していない場合、インジケータパネル31に設けられていなくてもよい。インジケータパネル31には、後述するセレクトボタン40およびリセットボタン39が設けられている。
【0023】
インジケータパネル31には、さらに低温発進警告灯36が設けられている。低温発進警告灯36は、例えば、エンジン4の始動時に、エンジン4が所定の温度より低い場合、点灯または点滅する。低温発進警告灯36が点灯または点滅することにより、自動二輪車1の乗員に対し、自動二輪車1の発進を待機するように促すことができる。低温発進警告灯36は、少なくともエンジン4の始動時にエンジン4が所定の温度以上である場合、またはエンジン4の始動後、エンジン4が所定の温度以上になった場合に消灯することができる。
【0024】
図4または図5に示すように、デジタルパネル33には、燃料計42と車速計43とオドメータ44とトリップメータ45と時計46とが設けられている。図4および図3では、デジタルパネル33において表示可能なものを全て表示している。車速計43は、キロメートル表示もしくはマイル表示のいずれかで表示可能である。ただし、図5ではキロメートル表示のものを図示している。燃料計42の一部は、バーグラフ41で形成される。デジタルパネル33およびバーグラフ41の構成は、特に特徴を有しているものではない。つまり、デジタルパネル33およびバーグラフ41は、既存する周知のものを使用することができる。燃料計42は、バーグラフ41の目盛りの表示数に基づいて、燃料タンク2(図2等参照)の内部の燃料残量が表示される。すなわち、バーグラフ41の目盛りの表示数は、燃料が消費されるに従い減少していく。また、オドメータ44とトリップメータ45と時計46とは、切り替えが可能である。オドメータ44とトリップメータ45と時計46とは、セレクトボタン40により、切り替えが可能である。このとき、オドメータ44とトリップメータ45と時計46との切り替えの順序は、特に限定されない。デジタルパネル33において、オドメータ44、トリップメータ45、もしくは時計46のうちいずれかが表示されているとき、バーグラフ41では燃料計42により前記燃料の残量が表示される。
【0025】
図5(a)は、デジタルパネル33にてオドメータ44が表示されている場合を図示している。図5(b)は、トリップメータ45のうち、第1トリップ45aを図示している。図5(c)は、トリップメータ45のうち、第2トリップ45bを図示している。デジタルパネル33は、第1トリップ45aと第2トリップ45bとで、トリップメータ45を二つ用いている。トリップメータ45は、図5(b)および図5(c)のように二つ用いられることに限定されない。トリップメータ45は、一つであってもよい。また、図5(d)は、時計46が表示されている場合を図示している。デジタルパネル33において第1トリップ45aが表示されている場合、リセットボタン39が押されることによって第1トリップ45aには初期値が表示されるようになる。前記初期値は、例えば0.0と表示される。また、デジタルパネル33において第2トリップ45bが表示されている場合、リセットボタン39が押されることによって第2トリップ45bには初期値が表示されるようになる。前記初期値は、例えば0.0と表示される。時計46は、リセットボタン39とセレクトボタン40の所定の操作に基づき、時刻表示を修正させることができる。
【0026】
図6に示すように、デジタルパネル33において、バーグラフ41は、燃料のエタノール濃度情報を表示することが可能である。燃料のエタノール濃度は、例えば、燃料タンク2に貯留された燃料からエタノール濃度センサ58により直接的に検出されてもよく、エンジン4にて燃焼後の排ガスの成分より推定されることであってもよい。図6(a)は、例えば前記エタノール濃度が100%である場合を図示している。図6(d)は、例えば前記エタノール濃度が0%、つまり、ガソリン濃度が100%である場合を示している。バーグラフ41では、前記エタノール濃度が0%の場合から濃度が高くなる順に図6(d)、図6(c)、図6(b)、および図6(a)に示すように表示される。デジタルパネル33では、前記エタノール濃度情報が表示される際、例えば車速計43にE−と表示される。
【0027】
バーグラフ41での前記燃料の残量と前記エタノール濃度情報との表示は、例えばセレクトボタン40の操作に基づいて切り替えられる。すなわち、セレクトボタン40が一回ずつ押されるに従い、例えば順に図5(a)、図5(b)、図5(c)、図5(d)、および図6のように切り替わって表示される。もしくは、オドメータ44が表示されているとき、例えばセレクトボタン40が所定の時間以上押されると、図6に示す前記エタノール濃度情報の表示に切り替わる。図6に示す前記エタノール濃度情報の表示より、例えばセレクトボタン40が所定の時間以上押されると、オドメータ44の表示に戻る。もしくは、オドメータ44が表示されているとき、例えばリセットボタン39が操作されると図6に示す前記エタノール濃度情報の表示に切り替わる。この場合、図6に示す前記エタノール濃度情報の表示より、例えばリセットボタン39が操作されると、前記燃料の残量の表示に戻る。
【0028】
このときのセレクトボタン40またはリセットボタン39の操作は、例えば自動二輪車1が停止しているときに限定されることにしてもよい。つまり、自動二輪車1の走行中にセレクトボタン40が操作された場合、表示切り替え部61(図2参照)は、前記燃料の残量と前記エタノール濃度情報とを切り替えることはない。自動二輪車1が停止しているときとは、少なくとも自動二輪車1の車速が零のときである。もしくは、前記燃料の残量と前記エタノール濃度情報とは、エンジン4が停止される際、自動的に切り替わることにしてもよい。自動的に切り替わるということは、自動二輪車1の乗員が、セレクトボタン40またはリセットボタン39を操作することがないということである。すなわち、エンジン4が停止されると、表示切り替え部61は前記燃料の残量の表示から前記エタノール濃度情報の表示へと切り替える。エンジン4は、例えばメインスイッチ24(図2参照)が操作されることにより停止する。また、エンジン4は、例えばエンジン4を停止するためのスイッチ等が操作されることにより停止する。前記スイッチ等とECU60とは、電子的に接続している。前記エタノール濃度情報が表示された後、所定の時間が経過すると、自動的にデジタルパネル33が消灯する。もしくは、前記エタノール濃度情報が表示されているときにメインスイッチ24が操作されると、デジタルパネル33が消灯する。
【0029】
また、前記エタノール濃度情報は、メインスイッチ24がオンに操作された後、エンジン4の始動前に前記燃料の残量に代わって表示されることにしてもよい。この場合、自動二輪車1の乗員は、エンジン4を停止した後、メインスイッチ24をオフからオンに操作することで、必要に応じて前記エタノール濃度情報を視認することができる。
【0030】
(作用および効果)
以上のように、自動二輪車1は、バーグラフ41を備えている。バーグラフ41は、インジケータパネル31に設けられている。バーグラフ41は、燃料タンク2に貯留された燃料の残量と前記エタノール濃度情報とを表示することができる。つまり、自動二輪車1は、前記燃料の残量と前記エタノール濃度情報とを表示するために、それぞれ個別の表示部材を用いていない。これにより、自動二輪車1では、前記燃料の残量と前記エタノール濃度情報とを表示するための表示スペースが省略される。
【0031】
バーグラフ41において、前記燃料の残量と前記エタノール濃度情報との表示は、自動二輪車1が停止しているときに切り替えられることにしてもよい。もしくは、前記燃料の残量と前記エタノール濃度情報との表示は、エンジン4が停止される際に切り替えられることにしてもよい。前記燃料の残量と前記エタノール濃度情報との表示が、エンジン4が停止される際に切り替えられる場合、自動二輪車1に乗車する乗員は、前記エタノール濃度情報の表示を視認するためにインジケータパネル31において操作を行う必要がない。また、自動二輪車1への給油が必要な場合、給油時にはエンジン4を停止する場面が登場する。これにより、前記乗員は、給油時に前記エタノール濃度情報を知ることができる。そのため、前記乗員は、容易に前記燃料のガソリンとエタノールとのそれぞれの給油量を適宜選択することができる。
【0032】
<実施形態2>
前記実施形態において、バーグラフ41は、前記燃料の残量と前記エタノール濃度情報との表示が可能であった。しかし、本実施形態において、バーグラフ41は、次回の給油時に必要なガソリンとエタノールとの比率をさらに表示することができる。次回の給油時に必要なガソリンとエタノールとの比率は、具体的に次回の給油時に必要なエタノール濃度20%(以下ではE20と記載する)の燃料量のと、エタノール濃度100%(以下ではE100と記載する)の燃料量との比率が表示される。自動二輪車1において、次回の給油時に必要なE20の燃料量の比率とE100の燃料量との比率が表示されることにより、前記乗員は、必要な燃料量のうち、E20とE100との比率で給油することが可能となる。ここでいう次回の給油時に必要なE20とE100との燃料量の比率とは、例えば自動二輪車1のエンジン4が所定の温度に満たない温度であるときに自動二輪車1が発進する場合が考慮された比率である。また、以下では、エンジン4が所定の温度に満たない温度であるときに自動二輪車1が発進することを冷機即発進と称する。すなわち、前記乗員がバーグラフ41で表示される次回給油時に必要なE20とE100との燃料量の比率で給油すると、冷機即発進の場合でも自動二輪車1の発進性は低下することがない。バーグラフ41は、次回の給油時に必要なE20の燃料量およびE100の燃料量の比率を例えば図7または図8のように表示する。
【0033】
図2に示すように、ECU60は、給油量比率算出部66を有している。給油量比率算出部66は、前記エタノール濃度情報検知装置にて取得されたエタノール濃度の情報と、前記燃料量検知装置にて検知された前記燃料の残量とに基づき、次回給油時に必要なエタノール濃度100%の燃料の給油量とエタノール濃度20%の燃料の給油量との比率を算出することができる。自動二輪車1は、少なくとも給油量比率算出部66と燃料量検知部63とエタノール濃度情報検知部62とで構成された給油量比率算出装置を備えている。表示切り替え部61は、前記燃料量検知装置からの出力に基づく信号を入力する。また、表示切り替え部61は、前記アルコール濃度情報検知装置からの出力に基づく信号を入力する。さらに、表示切り替え部61は、前記給油量比率算出装置からの出力に基づく信号を入力する。これにより、前記表示切り替え装置は、バーグラフ41に、燃料の残量の表示に代えて、前記エタノール濃度情報を表示させることができる。
【0034】
図7に示すように、デジタルパネル33は、次回の給油時に必要なE20の燃料量およびE100の燃料量の比率を表示している。デジタルパネル33では、次回の給油時に必要なE20の燃料量およびE100の燃料量の比率が表示される際、例えば車速計43にE−と表示される。図7では、バーグラフ41の目盛りにおいて、図の下から二つの目盛りが次回の給油時に必要なE20の燃料量を表示し、上から四つの目盛りが次回の給油時に必要なE100の燃料量を表示している。この場合、次回の給油時に必要なE20の燃料量の比率が30%強であり、E100の燃料量の比率が70%弱であるとする。このとき、バーグラフ41は、E20の燃料量の比率とE100の燃料量の比率とを互いに異なる色で表示している。もしくは、このとき、バーグラフ41は、E20の燃料量の比率とE100の燃料量の比率とを点灯と点滅とにより表示している。つまり、例えば、図7に示すように、バーグラフ41の目盛りにおいて、図の下から二つの目盛りが点灯し、上から四つの目盛りが点滅する。或いは、例えば、図7に示すように、バーグラフ41の目盛りにおいて、図の下から二つの目盛りが点滅し、上から四つの目盛りが点灯する。
【0035】
また、図示はしていないが、以下に他を例示する。次回の給油に必要なE20およびE100の燃料量の比率を表示するバーグラフ41の目盛りにおいて、例えば下から三つの目盛りがE20の燃料量を表示し上から三つの目盛りがE100の燃料量の比率を表示する場合がある。この場合、次回の給油時に必要なE20の燃料量の比率は50%であり、E100の燃料量の比率は50%である。
【0036】
前記燃料の残量と前記エタノール濃度情報と次回の給油時に必要なE20の燃料量およびE100の燃料量の比率との表示は、例えばセレクトボタン40の操作に基づいて切り替えられる。すなわち、セレクトボタン40が一回ずつ押されるに従い、例えば順に図5(a)、図5(b)、図5(c)、図5(d)、図6、および図7のように切り替わって表示される。もしくは、図5(a)のようにオドメータ44が表示されているとき、例えばセレクトボタン40が所定の時間以上押されると、図6に示す前記エタノール濃度情報の表示に切り替わる。続いて、前記エタノール濃度情報の表示より、例えばセレクトボタン40が所定の時間以上押されると、図5に示す次回の給油時に必要なE20およびE100の燃料量の比率の表示に切り替わる。図5に示す次回の給油時に必要なE20およびE100の燃料量の比率の表示より、例えばセレクトボタン40が所定の時間以上押されると、前記燃料の残量の表示に戻る。もしくは、オドメータ44が表示されているとき、例えばリセットボタン39が操作されると、図6に示す前記エタノール濃度情報の表示に切り替わる。続いて、再度リセットボタン39が操作されると、図7に示す次回の給油時に必要なE20の燃料量およびE100の燃料量の比率との表示に切り替わる。図7に示す次回の給油時に必要なE20およびE100の燃料量の比率の表示より、例えばリセットボタン39が操作されると、前記燃料の残量の表示に戻る。
【0037】
このときのセレクトボタン40またはリセットボタン39の操作は、例えば自動二輪車1が停止しているときに限定されることにしてもよい。もしくは、前記燃料の残量と、前記エタノール濃度情報と、次回の給油時に必要なE20の燃料量およびE100の燃料量の比率とは、エンジン4が停止される際、自動的に切り替わることにしてもよい。すなわち、エンジン4が停止されると、表示切り替え部61(図2参照)は前記燃料の残量の表示から前記エタノール濃度情報の表示へと切り替える。エンジン4は、例えばメインスイッチ24(図2参照)が操作されることにより停止する。また、エンジン4は、例えばエンジン4を停止するためのスイッチ等が操作されることにより停止する。前記エタノール濃度情報が表示された後、所定の時間が経過すると、表示切り替え部61は前記エタノール濃度情報の表示から次回の給油時に必要なE20およびE100の燃料量の比率の表示へと自動的に切り替える。この後、所定の時間が経過すると、自動的にデジタルパネル33が消灯する。もしくは、次回の給油時に必要なE20およびE100の燃料量の比率が表示されているときにメインスイッチ24が操作されると、デジタルパネル33が消灯する。
【0038】
また、前記エタノール濃度情報と、次回の給油時に必要なE20の燃料量およびE100の燃料量の比率とは、メインスイッチ24がオンに操作された後、エンジン4の始動前に前記燃料の残量に代わって表示されることにしてもよい。この場合、自動二輪車1の乗員は、エンジン4を停止した後、メインスイッチ24をオフからオンに操作することで、必要に応じ、前記エタノール濃度情報と次回の給油時に必要なE20の燃料量およびE100の燃料量の比率とを視認することができる。
【0039】
図8に示すように、デジタルパネル33は、次回の給油時に必要なE20の燃料量およびE100の燃料量の比率を表示している。デジタルパネル33では、次回の給油時に必要なE100の燃料量の比率が表示される際、例えば車速計43にE1と表示される。また、デジタルパネル33では、次回の給油時に必要なE20の燃料量の比率が表示される際、例えば車速計43にE2と表示される。図8(a)では、次回の給油時に必要なE100の給油量の比率を表示している。バーグラフ41の目盛りにおいて目盛りが四つ表示されている。また、図8(b)では、次回の給油時に必要なE20の給油量の比率を表示している。バーグラフ41の目盛りにおいて目盛りが二つ表示されている。この場合、次回の給油時に必要なE100の燃料量の比率が70%弱であり、E20の燃料量の比率が30%強であるとする。また、他の例示として、図8(a)に示すバーグラフ41の目盛りにおいて目盛りが六つ表示されている場合、次回の給油時に必要なE100の燃料量の比率は100%であるとする。このとき、図8(b)に示すデジタルパネル33のバーグラフ41の目盛りにおいて目盛りが表示されていない場合、次回の給油時に必要なE20の燃料量の比率は0%であるとする。
【0040】
前記燃料の残量と、前記エタノール濃度情報と、次回の給油時に必要なE20の燃料量およびE100の燃料量の比率との表示は、例えばセレクトボタン40の操作に基づいて切り替えられる。すなわち、セレクトボタン40が一回ずつ押されるに従い、例えば順に図5(a)、図5(b)、図5(c)、図5(d)、図6、図8(a)、および図8(b)のように切り替わって表示される。もしくは、オドメータ44が表示されているとき、例えばセレクトボタン40が所定の時間以上押されると、図6に示す前記エタノール濃度情報の表示に切り替わる。続いて、前記エタノール濃度情報の表示より、例えばセレクトボタン40が所定の時間以上押されると、図8(a)に示す次回の給油時に必要なE100の燃料量の比率の表示に切り替わる。続いて、セレクトボタン40が所定の時間以上押されると、図8(b)に示す次回の給油時に必要なE20の燃料量の比率の表示に切り替わる。ただし、次回の給油時に必要なE20の燃料量とE100の燃料量との比率の表示の順序は、図8(a)と図8(b)とでどちらが先でもよい。図8に示す次回の給油時に必要なE100およびE20の燃料量の比率の表示より、例えばセレクトボタン40が所定の時間以上押されると、前記燃料の残量の表示に戻る。もしくは、オドメータ44が表示されているとき、例えばリセットボタン39が操作されると図6に示す前記エタノール濃度情報の表示に切り替わり、再度リセットボタン39が操作されると図8に示す次回の給油時に必要なE20の燃料量およびE100の燃料量の比率との表示に切り替わる。図8に示す次回の給油時に必要なE100およびE20の燃料量の比率の表示より、例えばリセットボタン39が操作されると、図5に示す前記燃料の残量の表示に戻る。
【0041】
このときのセレクトボタン40またはリセットボタン39の操作は、例えば自動二輪車1が停止しているときに限定されることにしてもよい。もしくは、前記燃料の残量と、前記エタノール濃度情報と、次回の給油時に必要なE20の燃料量およびE100の燃料量の比率とは、エンジン4が停止される際、自動的に切り替わることにしてもよい。すなわち、エンジン4が停止されると、表示切り替え部61(図2参照)は、前記燃料の残量の表示から前記エタノール濃度情報の表示へと切り替える。エンジン4は、例えばメインスイッチ24(図2参照)が操作されることにより停止する。また、エンジン4は、例えばエンジン4を停止するためのスイッチ等が操作されることにより停止する。前記エタノール濃度情報が表示された後、所定の時間が経過すると、表示切り替え部61は、前記エタノール濃度情報の表示から次回の給油時に必要なE100の燃料量の比率の表示へと自動的に切り替える。続いて、表示切り替え部61は、次回の給油時に必要なE100の燃料量の比率の表示から次回の給油時に必要なE20の燃料量の比率の表示へと自動的に切り替える。次回の給油時に必要なE20の燃料量の比率が表示された後、所定の時間が経過すると、自動的にデジタルパネル33が消灯する。もしくは、次回の給油時に必要なE20の燃料量の比率が表示されているときにメインスイッチ24が操作されると、デジタルパネル33が消灯する。ただし、前述したように、次回の給油時に必要なE20およびE100の燃料量の比率との表示は、順序が入れ替わっていてもよい。
【0042】
(作用および効果)
以上のように、本実施形態において、バーグラフ41は、燃料の残量と前記燃料のエタノール濃度情報との表示に加え、次回の給油時に必要なE100の燃料の給油量とE20の燃料の給油量との比率を表示することができる。つまり、自動二輪車1は、前記燃料の残量と前記エタノール濃度情報と次回の給油時に必要なE100の燃料の給油量とE20の燃料の給油量との比率とを表示するために、それぞれ個別の表示部材を用いていない。これにより、自動二輪車1では、前記燃料の残量と前記エタノール濃度情報と次回の給油時に必要なE100の燃料の給油量とE20の燃料の給油量との比率とを表示するための表示スペースが省略される。
【0043】
バーグラフ41において、前記燃料の残量と、前記エタノール濃度情報と、次回の給油時に必要なE100およびE20の燃料の給油量の比率との表示は、自動二輪車1が停止しているときに切り替えられることにしてもよい。もしくは、前記燃料の残量と、前記エタノール濃度情報と、次回の給油時に必要なE100およびE20の燃料の給油量の比率との表示は、エンジン4が停止される際に切り替えられることにしてもよい。この場合、自動二輪車1に乗車する乗員は、前記エタノール濃度情報の表示を視認するためにインジケータパネル31において操作を行う必要がない。また、自動二輪車1への給油が必要な場合、給油時にはエンジン4を停止する場面が登場する。これにより、前記乗員は、給油時に前記エタノール濃度情報と、必要なE100およびE20の燃料の給油量の比率とを視認することができる。つまり、前記乗員は、バーグラフ41の表示に応じて容易にガソリンとエタノールとを給油することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明はガソリンとアルコールとの混合燃料を用いた車両に関して有用である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本実施形態に係る車両の側面図である。
【図2】本実施形態に係るバーグラフでの表示の切り替えを示すブロック図である。
【図3】本実施形態に係るインジケータパネルおよびバーグラフの正面図である。
【図4】デジタルパネルの正面図であり、表示可能なものを全て表示した図である。
【図5】デジタルパネルの正面図であり、(a)は燃料の残量とオドメータとが表示された図、(b)は燃料の残量と第1トリップとが表示された図、(c)は燃料の残量と第2トリップとが表示された図、(d)は燃料の残量と時計とが表示された図である。
【図6】エタノール濃度を表示したバーグラフの正面図であり、(a)から(d)に向かってエタノール濃度が小さくなる様子を示している。
【図7】次回の給油時に必要なE100とE20との給油量の比率を表示したバーグラフを示す図である。
【図8】次回の給油時に必要なガソリンとエタノールとの比率を表示したバーグラフを示す図であり、(a)はE100の燃料量の比率を表示した図であり、(b)はE20の燃料量の比率を表示した図である。
【符号の説明】
【0046】
2 燃料タンク
4 エンジン
41 バーグラフ
56 排気センサ(アルコール濃度情報検知装置)
57 燃料センサ(燃料量検知装置)
58 エタノール濃度センサ(アルコール濃度情報検知装置)
59 車速センサ(車両停止検知装置)
60 ECU(エンジン停止検知装置)
61 表示切り替え部(表示切り替え装置)
62 エタノール濃度情報検知部(アルコール濃度情報検知装置)(給油量比率算出装置)
63 燃料検出部(燃料量検知装置)(給油量比率算出装置)
64 エンジン停止検知部(エンジン停止検知装置)
65 車両停止検知部(車両停止検知装置)
66 給油量比率算出部(給油量比率算出装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガソリンとアルコールとの混合燃料を貯留する燃料タンクと、
前記燃料を燃焼させるエンジンと、
前記燃料の残量を検知する燃料量検知装置と、
前記燃料のアルコール濃度を検出または推定することによって前記アルコール濃度の情報を取得するアルコール濃度情報検知装置と、
前記燃料の残量を表示するバーグラフと、
前記バーグラフに、前記燃料の残量の表示に代えて、前記アルコール濃度の情報を表示させる表示切り替え装置と、
を備えた車両。
【請求項2】
前記車両が停止していることを検知する車両停止検知装置をさらに備え、
前記表示切り替え装置は、前記車両が停止している間に前記燃料の残量の表示に代えて前記アルコール濃度の情報を表示させる、
請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記エンジンが停止していることを検知するエンジン停止検知装置をさらに備え、
前記表示切り替え装置は、前記エンジンの停止時に前記燃料の残量の表示に代えて前記アルコール濃度の情報を表示させる、
請求項1に記載の車両。
【請求項4】
前記アルコール濃度情報検知装置にて取得された前記アルコール濃度の情報と、前記燃料量検知装置にて検知された前記燃料の残量とに基づき、次回給油時に必要なアルコール濃度100%の燃料の給油量とアルコール濃度20%の燃料の給油量との比率を算出する給油量比率算出装置をさらに備え、
前記表示切り替え装置は、前記燃料の残量の表示に代えて、前記アルコール濃度の情報と、前記給油量比率算出装置により算出された前記比率と、を表示させる、
請求項1に記載の車両。
【請求項5】
前記車両が停止していることを検知する車両停止検知装置をさらに備え、
前記表示切り替え装置は、前記車両が停止している間に、前記燃料の残量の表示に代えて、前記アルコール濃度の情報と、前記給油量比率算出装置により算出された前記比率と、を表示させる、
請求項4に記載の車両。
【請求項6】
前記エンジンが停止していることを検知するエンジン停止検知装置をさらに備え、
前記表示切り替え装置は、前記エンジンの停止時に、前記燃料の残量の表示に代えて、前記アルコール濃度の情報と、前記給油量比率算出装置により算出された前記比率と、を表示させる、
請求項4に記載の車両。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2010−38140(P2010−38140A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−205612(P2008−205612)
【出願日】平成20年8月8日(2008.8.8)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)
【Fターム(参考)】