軟性フィルム及びそれを適用した表示装置
【課題】本発明は、軟性フィルムに含まれる絶縁フィルムを水分吸水性が0.01〜3.5%である材料で形成することで、耐熱性、引張強度、および寸法の安全性などが優秀な軟性フィルムを提供するものである。
【解決手段】本発明による軟性フィルムは、絶縁フィルムと;および該絶縁フィルム上に配置される金属層を含み、前記絶縁フィルムの水分吸水性が0.01〜3.5%であることを特徴とする。
【解決手段】本発明による軟性フィルムは、絶縁フィルムと;および該絶縁フィルム上に配置される金属層を含み、前記絶縁フィルムの水分吸水性が0.01〜3.5%であることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は軟性フィルムに関するもので、水分吸水性が0.01〜3.5%である絶縁フィルム上に金属層を形成することで、寸法の安全性、および絶縁フィルムと金属層の間の剥離強度などを向上し、走査率の高い表示装置に適用し得る軟性フィルムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
平板ディスプレイ技術が発達しながら液晶表示装置(Liquid Crystal Display、LCD)、プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel、PDP)、有機電界発光表示装置(Organic Light Emitting Device、OLED)等のような様々な種類の平板ディスプレイ装置が開発されている。平板ディスプレイは駆動部およびパネルを含み、駆動部から伝達される画像信号がパネルに含まれる多数の電極に伝達されることで画像を示す。
【0003】
平板ディスプレイに含まれる駆動部は印刷回路基板(Printed Circuit Board、PCB)であることもできて、パネルに含まれる多数の電極に画像信号を印加してパネルに画像を示す。駆動部から印加される画像信号はCOG(Chip-On-Glass)方式などによってパネルの電極に伝達される。
【0004】
COG方式は集積回路をパネルに含まれるガラス基板に直接実装する方式であって、製造単価を低めることができる。しかし、集積回路を実装する空間がガラス基板に確保されなければならないため、パネルのガラス基板の大きさが増加するという問題点があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、軟性フィルムに含まれる絶縁フィルムを水分吸水性が0.01〜3.5%である材料で形成することで、耐熱性、引張強度、および寸法の安全性などが優秀な軟性フィルムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明による軟性フィルムは、絶縁フィルム、および該絶縁フィルム上に配置される金属層を含み、前記絶縁フィルムは0.01〜3.5%の水分吸水性を有することを特徴とする。
【0007】
また、本発明による軟性フィルムは、絶縁フィルム、該絶縁フィルム上に配置される金属層、および該金属層上に配置される集積回路チップを含み、前記絶縁フィルムの水分吸水性は0.01〜3.5%であり、前記集積回路チップは前記金属層に形成される回路パターンと連結されることを特徴とする。
【0008】
また、本発明による表示装置は、画像を示すパネル、パネルに画像信号を印加する駆動部、パネルと駆動部とを連結する軟性フィルムを含み、金属層の厚さと前記絶縁フィルムの厚さは1:1.5〜1:10の比率を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、軟性フィルムに含まれる絶縁フィルムを水分吸水性が0.01〜3.5%である材料で形成することで、耐熱性、引張強度、および寸法の安全性などが優秀な軟性フィルムを提供し得るという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の好ましい実施例について図面を参照して説明する。
【0011】
図1a〜図1fは本発明の一実施例による軟性フィルムを示した図である。軟性フィルム100a〜100fはTAB(Tape Automated Bonding)方式の表示装置が含む駆動部から印加される画像信号をパネルの電極に伝達する。
【0012】
軟性フィルム100a〜100fは絶縁性を有するフィルム上に金属層を形成し、金属層に回路パターンを印刷することで駆動部から印加される画像信号をパネルの電極に伝達する。したがって、TAB方式に使われる軟性フィルムの回路パターンは駆動部の回路およびパネルの電極と正確に連結されて駆動部で印加する信号をパネルに伝達し得るものでなければならない。
【0013】
本実施例において、図1aは断面構造を有する2層構造の軟性フィルム100aを示し、図1bは両面構造を有する2層構造の軟性フィルム100bを示す。図1aを参照すると、軟性フィルム100aは絶縁フィルム110a、絶縁フィルム110a上に配置される第1金属層120a、および該第1金属層120a上に配置される第2金属層130aを含む。図1bに示した軟性フィルム100bは両面構造を有し、絶縁フィルム110aの上下側に第1金属層120b、および第2金属層130bが夫々配置される。
【0014】
絶縁フィルム110a、110bは軟性フィルム100a、100bのベースフィルムであって、電気絶縁性を有するポリイミド(Polyimide)、ポリエステル(Polyester)、または液晶ポリマー(Liquid Crystal Polymer)等の高分子物質を含むことができる。絶縁フィルム110a、110bは軟性フィルム100a、100bの引張強度、体積抵抗、または熱収縮特性などの物理的な特性を決定することができる。したがって、軟性フィルム100a、100bの物理的な特性を向上させるために安全性の優秀な高分子物質で絶縁フィルム110a、110bを形成することが好ましい。
【0015】
前記絶縁フィルム110a、110bが含む水分の量は軟性フィルム100a、100bの誘電率を変化させることができる。したがって、水分吸水性(Moisture Absorption)の高い絶縁フィルム110a、110bが軟性フィルム100a、100bに含まれる場合、湿度変化によって絶縁フィルム110a、110b内の水分量が増加することで絶縁フィルム110a、110bの誘電率が増加することがある。
【0016】
前記絶縁フィルム110a、110bの誘電率が増加することは、走査率の高い画像信号を伝達するのに悪影響を与えることができる。最近、高画質(High Definition、HD)放送に対する関心が高まるにつれて前記軟性フィルム100a、100bは表示装置の駆動部が伝送する高い走査率の画像信号をパネルに伝達し得るものでなければならない。走査率の高い画像信号を伝達するためには高い走査率に対応して前記軟性フィルム100a、100bが含む物質内の分極現象が速く起きなければならないから、前記軟性フィルム100a、100bが含む物質の水分吸水性が特定数値以下に制限されなければならない。
【0017】
本実施例において、前記絶縁フィルム110a、110bの水分吸水性はIPC TM-650 2.6.2規格によって試験すると仮定する。IPC TM-650 2.6.2規格に従う場合、24時間の間に23±1℃の温度で試験しようとする絶縁フィルム110a、110bを水分に露出させる。 IPC TM-650 2.6.2規格における水分吸水性は下の数学式1により測定することができる。
【0018】
【数1】
【0019】
数学式1において、W1は水分を吸収する前の絶縁フィルム110a、110bの重さ(weight)であり、W2は水分を吸収した後の絶縁フィルム110a、110bの重さである。水分吸収前の重さと水分吸収により増加する重さの割合で絶縁フィルム110a、110bの水分吸水性を測定する場合、誘電率の増加を考慮して0.01%〜3.5%の水分吸水性を有する高分子物質で絶縁フィルム110a、110bを形成することが好ましい。
【0020】
前記絶縁フィルム110a、110bが0.01〜3.5%の水分吸収性を有するようにするために、ポリイミドまたは液晶ポリマーなどの高分子物質で前記絶縁フィルム110a、110bを形成することができる。好ましくは、IPC TM-650 2.6.2の試験条件で3%内外の水分吸水性を有するポリイミドフィルムまたは0.04%の水分吸水性を有する液晶ポリマーなどを絶縁フィルム110a、110bの材料として利用する。
【0021】
液晶ポリマーはp-ヒドロキシ安息香酸(p-hydroxybenzoic acid、以下、「HBA」と称す)および6-ヒドロキシ-2-ナプトサン(6-hydroxy-2-naphthoic acid、以下、「HNA」と称す)の結合で形成することができる。HBAは一つのベンゼン環を有するヒドロキシ安息香酸の異性質体のうちの一つとして無色の固体結晶であり、HNAは二つのベンゼン環を有する物質である。HBAは化学式1に示したようであり、HNAは化学式2に示したような構造を有する。
【0022】
【化1】
【0023】
【化2】
【0024】
【化3】
【0025】
化学式3はHBAとHNAが結合して液晶ポリマーを形成する化学反応を示した構造式である。液晶ポリマーの形成過程でHNAのカルボキシ基(-OH)がHBAのアセチル基(CH3CHO)と結合してアセト酸(CH3COOH)を形成する。前記脱アセト酸の反応はHNAとHBAとの混合物を約200℃程度で加熱する反応であり得る。
【0026】
HBAとHNAとが連続的に結合して形成される液晶ポリマーは優秀な熱安全性および水分吸水性などの物理的な特性を有する。好ましくは、IPC TM-650 2.6.2の試験条件で0.04%内外の水分吸水性を有する液晶ポリマーを絶縁フィルムの材料として利用することができる。したがって、前記液晶ポリマーで絶縁フィルム110a、110bを形成する場合、水分吸水性が低くて走査率の高い信号を効率的に伝達し得る軟性フィルム100a、100bを得ることができる。
【0027】
一実施例として、0%〜100%までの相対湿度の変化に対応してポリイミドは最大0.28%内外の寸法変化を示し、液晶ポリマーは0.01%程度の寸法の変化を見せる。したがって、水分吸水性による寸法の安全性の側面が優秀な液晶ポリマーで前記絶縁フィルム110a、110bを形成することが好ましい。
【0028】
金属層120a〜130a、120b〜130bは絶縁フィルム110a、110b上に形成される導電性金属薄膜層であって、第1金属層120a、120bおよび第2金属層130a、130bを含む。前記金属層120a〜130a、120b〜130bはスパッタリング方式、無電解メッキ方式、または電解メッキ方式などで形成することができる。一実施例として、第1金属層120a、120bはスパッタリング方式または無電解メッキ方式で形成することができて、第2金属層130a、130bは電解メッキ方式で形成することができる。
【0029】
次の表1は絶縁フィルムの厚さが38μmである場合を基準として金属層の厚さによる効果を実験した結果である。
【0030】
【表1】
【0031】
表1を参照すると、第1金属層120a、120bと第2金属層130a、130bとの厚さの和が前記絶縁フィルム110a、110bの厚さと1:1.5〜1:10の比率を有するように無電解メッキおよび電解メッキ工程を行うことが好ましい。前記金属層120a〜130a、120b〜130bの厚さが前記絶縁フィルム110a、110bの厚さの1/10より薄く形成されると、前記金属層120a〜130a、120b〜130bの剥離強度が低くなって前記絶縁フィルム110a、110bと容易に分離されるか、または前記金属層120a〜130a、120b〜130bに形成される回路パターンの寸法の安全性が低下することがある。一方、前記金属層120a〜130a、120b〜130bの厚さが前記絶縁フィルム110a、110bの厚さの2/3より太いと、前記軟性フィルム100aの軟性が低下するか、またはメッキ時間が長くなることでメッキ溶液の副成分によって前記金属層120a〜130a、120b〜130bが損傷されることがある。
【0032】
特に、前記第1金属層120a、120bは100nm内外、前記第2金属層130a、130bは9μm内外の厚さで形成することができる。この時、前記第1金属層120a、120bの厚さが細すぎる場合、回路パターンおよび接合層を形成する過程で前記第1金属層120a、120bが前記接合層に置換されることがあるため、前記第1金属層120a、120aは所定の厚さ以上で形成することが好ましい。
【0033】
前記第1金属層120a、120bは絶縁フィルム110a、110b上に形成されるシード層(Seed layer)であって、ニッケル、クロム、金、または銅を含むことができる。ニッケルとクロムとの合金で第1金属層120a、120bを形成する場合にはスパッタリング方式を利用することができて、金または銅で第1金属層120a、120bを形成する場合には無電解メッキ方式を利用することができる。
【0034】
前記無電解メッキ方式は絶縁フィルム110a、110bを金属イオンが含まれた無電解メッキ液に浸漬し、化学還元剤を追加して金属イオンを析出することで前記第1金属層120a、120bを形成する方式である。前記無電解メッキ液に前記絶縁フィルム110a、110bを浸漬する時間を調節して前記第1金属層120a、120bの厚さを調節することができる。
【0035】
前記第1金属層120a、120bの厚さは前記第1金属層120a、120bの形成方式により異なることがある。スパッタリング方式を利用する場合には、30nm内外の厚さ(ニッケル層と銅層とを合わせて)に前記第1金属層120a、120bを形成することができて、無電解メッキ方式を利用する場合には、0.1μm内外の厚さに第1金属層120a、120bを形成することができる。
【0036】
前記第2金属層130a、130bは電解メッキ方式で形成することができる。一実施例として、硫酸銅水溶液を含む電解メッキ溶液に前記第1金属層120a、120bが形成された絶縁フィルム110a、110bを浸漬し、所定の電流を加えることで第2金属層130a、130bを形成する。前記電流の強さおよび電流を加える時間を調節することで前記第2金属層130a、130bの厚さを調節することができる。前記第2金属層130a、130bは4〜13μm内外の厚さに形成することが好ましい。
【0037】
前記金属層120a〜130a、120b〜130bをエッチングして回路パターンを形成すると、該回路パターンを保護するために前記第2金属層130a、130b上に接着層として保護フィルムを付着する。該保護フィルムは回路パターンを保護し得る絶縁物質を含むことができて、一実施例としてテレフタル酸ポリエチレン(Polyethylene Terephthalate、PET)を含むことができる。
【0038】
保護フィルムを前記第2金属層130a、130bに付着する接着層はエポキシ(Epoxy)を含むことができて、2〜10μmの厚さで形成することができる。接着層の厚さが2μmより細いと、軟性フィルム100a、100bの輸送または保管過程で保護フィルムが分離されることがあり、接着層の厚さが10μmより太いと、生産単価が増加して製造工程で時間が長引き、保護フィルムを除去することが難しいことがある。
【0039】
図1cおよび図1dは3層構造を有する軟性フィルムを示した図である。図1cに示した軟性フィルム100cは3層構造を有する断面軟性フィルム100cを示した図で、図1dは3層構造を有する両面軟性フィルム100dを示した図である。
【0040】
3層構造の軟性フィルム100c、100dは絶縁フィルム110c、110d上に配置される第1金属層120c、120d、第1金属層120c、120d上に配置される第2金属層130c、130d、および第2金属層130c、130d上に配置される第3金属層140c、140dを含む。前記第1金属層120c、120dおよび第2金属層130c、130dはスパッタリング方式によって形成することができて、前記第3金属層140c、140dは電解メッキ方式によって形成することができる。
【0041】
一実施例としてスパッタリング方式で前記第1金属層120c、120dを形成する場合、前記第1金属層120c、120dはニッケルとクロムとの合金で形成することができて、好ましくは、ニッケル93%とクロム7%、またはニッケル97%とクロム3%との合金を利用することができる。ニッケルとクロムとの合金で形成される第1金属層120c、120dは7〜20nmの厚さに形成することが好ましい。
【0042】
前記第1金属層120c、120dをニッケルとクロムとの合金で形成する場合、ニッケルとクロム合金の高い電気抵抗により第3金属層140c、140dを形成する電解メッキ工程の効率が低下することがある。したがって、電気抵抗が高い金属で前記第2金属層130c、130dを形成することで、前記電解メッキ工程の効率を上げることができる。
【0043】
前記第1金属層120c、120dが電気抵抗の高いニッケルとクロムとの合金で形成される場合、電気抵抗を低めるために前記第3金属層140c、140dを形成する前に前記第1金属層120c、120d上に電気導電性の良い金属で前記第2金属層130c、130dをスパッタリング方式で形成することができる。この時、前記第2金属層130c、130dは銅などで形成することが好ましく、前記第2金属層130c、130dの厚さは前記第1金属層120a、120bの厚さと合わせて100nm内外であることが好ましい。
【0044】
前記第3金属層140c、140dは電気導電性の高い金または銅などを含むことができて、電解メッキ方式で形成される。前記第3金属層140c、140dが形成されると、表示装置の駆動部から伝達される電気信号を基板の電極に伝達する回路パターンを形成する。一実施例として、前記回路パターンは金属層120c〜140c、120d〜140dをエッチングすることで形成することができる。
【0045】
図1eおよび図1fは1層構造を有する軟性フィルムを示した図である。図1eに示した軟性フィルム100eは1層構造を有する断面軟性フィルム100eを示した図で、図1fは1層構造を有する両面軟性フィルム100fを示した図である。
【0046】
前記1層構造の軟性フィルム100e、100fは前記絶縁フィルム110e、110f上に配置される一つの金属層120e、120fを含む。これら金属層120e、120fはキャスティングまたは積層方式(laminating)によって形成することができる。この時、前記金属層120e、120fは表示装置で電気信号を効率的に伝達するために電気導電性の良い銅などを含むことができる。
【0047】
積層方式は絶縁フィルム110e、110f上に接着剤を塗布してオーブンで焼いて接着層を固定した後、前記絶縁フィルム110e、110f上に金属層120e、120fを位置させた後、プレス加工して軟性フィルム100e、100fを製造する方法である。一方、キャスティング方式は前記金属層120e、120f上に液状絶縁フィルム110e、110fの前駆体を数層で塗布し、高温のオーブンで乾燥、硬化させて軟性フィルム100e、100fを製造する方法である。
【0048】
キャスティング方式または積層方式で前記金属層120e、120fを形成すると、これら金属層120e、120fに表示装置の駆動部から伝達される電気信号を基板の電極に伝達する回路パターンを形成する。一実施例として、前記回路パターンは前記金属層120e、120fをエッチングすることで形成することができる。
【0049】
図2aおよび図2bは本発明の一実施例による軟性フィルムを含むTCP(Tape-Carrier-Package)を示した図である。図2aを参照すると、本実施例によるTCP200は軟性フィルム210、該軟性フィルム210に形成される回路パターン220、および前記軟性フィルム210上に配置されて前記回路パターン220と連結される集積回路チップ230を含む。
【0050】
前記軟性フィルム210は絶縁フィルムおよび該絶縁フィルム上に形成される金属層を含む。絶縁フィルムは前記軟性フィルム210のベースフィルムであって、絶縁性を有するポリイミド、ポリエステル、または液晶ポリマーなどの高分子物質を含むことができる。絶縁フィルムは前記軟性フィルム210の物理的な特性に大きい影響を及ぼすため、高い耐熱性と熱膨張計数、寸法の安全性、および低い水分吸水性などの物理的な特性を有することが好ましい。
【0051】
絶縁フィルムはIPC TM-650 2.6.2の試験条件で0.01〜3.5%の水分吸水性を有する材料で形成することが好ましい。絶縁フィルムの水分吸水性が3.5%より大きいと、水分吸収による軟性フィルム210の誘電率の増加によって寄生容量などによるインピーダンスが増加してTCP200が走査率の高い 信号を効率的に伝達することができない。一方、絶縁フィルムの水分吸水性が0.01%より小さいと、TCP200周囲の水分が金属層に形成される回路パターン220または集積回路チップ230に浸透してTCP200の動作に致命的な損傷を与えることがある。
【0052】
金属層は絶縁フィルム上に形成され、1層構造、2層構造、または3層構造を有することができる。1層構造で金属層を形成する場合、金属層は電気導電性を有するニッケル、クロム、金、または銅などの金属で形成することができて、キャスティング方式または積層方式で形成することができる。
【0053】
2層構造の金属層は絶縁フィルム上に形成される第1金属層および該第1金属層上に形成される第2金属層を含むことができる。第1金属層は無電解メッキ方式またはスパッタリング方式で形成することができて、第2金属層は電解メッキ方式で形成することができる。
【0054】
第1金属層はニッケル、クロム、金、または銅などを含むことができて、第2金属層を形成する電解メッキ工程の効率性を考慮して電気導電性の優秀な金または銅などの金属で形成することが好ましい。スパッタリング方式で第1金属層を形成する場合には、ニッケルとクロムとの合金で形成することができて、無電解メッキ方式で第1金属層を形成する場合にはニッケルまたは銅で形成することができる。
【0055】
無電解メッキ方式で第1金属層を形成する場合、硫酸銅水溶液成分を含む無電解メッキ溶液に絶縁フィルムを浸漬し、還元剤を利用して銅イオンを銅に析出することで第1金属層を無電解メッキすることができる。前記還元剤としては、ホルムアルデヒド(Formaldehyde、HCHO)系列の物質が使われることができる。一方、ニッケルで第1金属層を無電解メッキする場合、硫酸ニッケル水溶液に絶縁フィルムを浸漬し、還元剤として次亜リン酸ナトリウム(NaH2P02)を利用してニッケルイオンを析出することで第1金属層を形成することができる。
【0056】
第2金属層は硫酸銅水溶液成分を含む電解メッキ溶液に所定の電流を印加して銅イオンを銅に析出することで形成することができる。印加される電流の量は形成しようとする第2金属層の厚さによって調節することができる。第2金属層が形成されると、第1金属層および第2金属層をエッチングすることで回路パターン220を形成する。
【0057】
前記軟性フィルム210に形成される回路パターン220は集積回路チップ230と連結されるインナーリード(Inner Lead)220a、および表示装置の駆動部またはパネルと連結されるアウターリード(Outer Lead)220bを含むことができる。前記回路パターン220のピッチはTCP200が適用される表示装置の解像度などによって異なることがあるが、通常的に前記インナーリード220aは40μm内外、アウターリード220bは60μm内外のピッチを有する。
【0058】
図2bは図2aに示したTCPの2-2’方向の断面を示した断面図である。図2bを参照すると、本実施例によるTCP200は軟性フィルム210、集積回路チップ230、および軟性フィルム210と集積回路チップ230とを連結する金バンプ240を含むことができる。
【0059】
前記軟性フィルム210は絶縁フィルム212、該絶縁フィルム212上に形成される金属層214を含む。前記絶縁フィルム212は前記軟性フィルム210を構成する基本フィルム(Base film)であって、絶縁性を有するポリイミド、ポリエステル、または液晶ポリマーなどの高分子物質を含むことができる。前記絶縁フィルム212が水分を吸収する場合、誘電率が増加して走査率の高い信号伝達の効率性が低下することがあるため、IPC TM-650 2.6.2の試験条件で0.01〜3.5%の水分吸水性を有する高分子物質で絶縁フィルム212を形成することが好ましい。
【0060】
前記金属層214は電気導電性を有するニッケル、クロム、金、または銅などの金属を含む薄膜層であって、本実施例においては、前記金属層214が第1金属層および第2金属層を含む2層構造であると仮定する。第1金属層はニッケル、金、クロム、または銅などで無電解メッキ方式により形成することができて、第2金属層は金、または銅などで電解メッキ方式により形成することができる。この時、第2金属層を形成する電解メッキ工程の効率性を考慮して第1金属層をニッケルまたは銅で形成することが好ましい。
【0061】
前記集積回路チップ230は前記金属層214をエッチングすることで形成される回路パターン220と連結されるように軟性フィルム210上に配置される。本実施例においては、前記集積回路チップ230が配置される軟性フィルム210の領域にデバイスホール(Device Hole、250)が形成される。前記集積回路チップ230が配置される領域に前記デバイスホール250を形成し、前記集積回路チップ230と連結される回路パターン220にフライングリード(Flying Lead)という電極を形成した後、前記集積回路チップ230の金バンプ240と前記フライングリードとを連結する。前記フライングリードには錫をメッキすることができて、熱または超音波を利用して錫がメッキされたフライングリードと金バンプ240の間にAu-Sn結合を形成することができる。
【0062】
図3aおよび図3bは本発明の一実施例による軟性フィルムを含むCOF(Chip-On-Film)を示した図である。図3aを参照すると、本実施例によるCOF300は軟性フィルム310、該軟性フィルム310上に印刷される回路パターン320、および該回路パターン320と連結されるように軟性フィルム310上に付着される集積回路チップ330を含む。
【0063】
前記軟性フィルム310は絶縁フィルム、および該絶縁フィルム上に形成される金属層を含む。前記絶縁フィルムは軟性フィルム310のベースフィルムであって、絶縁性を有するポリイミド、ポリエステル、または液晶ポリマーなどの高分子物質を含むことができる。前記絶縁フィルムは軟性フィルム310の物理的な特性に大きい影響を及ぼすため、高い耐熱性と熱膨張計数、寸法の安全性、および低い水分吸水性を有する高分子物質を含むことが好ましい。
【0064】
絶縁フィルムの水分吸水性はIPC TM-650 2.6.2の試験条件で0.01〜3.5%の値を有することが好ましい。
【0065】
【表2】
【0066】
表2を参照すると、絶縁フィルムの水分吸水性が3.5%より大きいと、水分吸収による軟性フィルム310の誘電率の増加によって寄生容量などによるインピーダンスが増加してCOF300が走査率の高い信号を効率的に伝達することができない。一方、絶縁フィルムの水分吸水性が0.01%より小さいと、COF300周囲の水分が金属層に形成される回路パターン320または集積回路チップ330に浸透してCOF300の動作を阻害することがある。
【0067】
絶縁フィルム上にスパッタリング方式、無電解メッキ方式、または電解メッキ方式などを利用して金属層を形成する。該金属層をエッチングすることで回路パターン320が形成され、該回路パターン320は表示装置の駆動部またはパネルと連結されるアウターリード320bおよび集積回路チップ330と連結されるインナーリード320aを含む。前記アウターリード320bは前記駆動部またはパネルと異方性導電フィルム(Anisotropic Conductive Film、ACF)を通じて連結されることができる。
【0068】
前記アウターリード320bはOLB(Outer Lead Bonding)パッドを通じて表示装置の駆動部またはパネルと連結され、前記インナーリード320aはILB(Inner Lead Bonding)パッドを通じて前記集積回路チップ330と連結されることができる。特に、インナーリード320a上に錫層をメッキし、前記集積回路チップ330の金バンプと前記錫層に熱または超音波を加えてAu-Sn結合を形成することで前記集積回路チップ330とインナーリード320aとを連結することができる。
【0069】
一方、金属層は第1金属層および第2金属層を含む2層構造を有することができる。第1金属層はスパッタリング方式または無電解メッキ方式で形成することができて、ニッケル、クロム、金、または銅などを含む。第2金属層は電解メッキ方式で形成することができて、金、または銅などを含む。第2金属層を形成する電解メッキ工程の効率性を高めるために電気抵抗の低い銅またはニッケルなどで第1金属層を形成することができる。
【0070】
図3bは図3aに示したCOFの3-3’方向の断面を示した断面図である。図3bを参照すると、本実施例によるCOF300は絶縁フィルム312と該絶縁フィルム312上に形成される金属層314を含む軟性フィルム310、前記金属層314に形成される回路パターン320と連結される集積回路チップ330、および該集積回路チップ330と前記回路パターン320とを連結する金バンプ340を含む。
【0071】
前記絶縁フィルム312は前記軟性フィルム310に含まれる基本フィルムであって、絶縁性を有するポリイミド、ポリエステル、または液晶ポリマーなどの高分子物質を含むことができる。最近、高画質放送の提供が増えるにつれて120Hzの高い走査率を有する画像信号を伝達しなければならないため、前記絶縁フィルム312は水分吸水性の低い物質で形成することが好ましい。一実施例としては、IPC TM-650 2.6.2試験条件で0.01%〜0.3%の水分吸水性を有する高分子物質で前記絶縁フィルム312を形成し、前記軟性フィルム310の信号伝達の効率を上げることができる。
【0072】
前記金属層314は電気導電性を有する金属で形成される薄膜層であって、前記絶縁フィルム312上に形成される第1金属層、および該第1金属層上に形成される第2金属層を含むことができる。第1金属層はスパッタリング方式または無電解メッキ方式を利用してニッケル、クロム、金、または銅で形成することができて、第2金属層は電解メッキ方式を利用して金または銅で形成することができる。
【0073】
第1金属層をスパッタリング方式で形成する場合、ニッケルとクロムとの合金で形成することができて、無電解メッキ方式を利用して第1金属層を形成する場合、銅で第1金属層を形成することができる。第1金属層の厚さには制限がないが、ニッケルとクロムとの合金で形成する場合には30nm内外、銅で形成する場合には0.1μm内外の厚さで形成することが好ましい。
【0074】
無電解メッキ方式は前記絶縁フィルム312を金属イオンを含む無電解メッキ液に浸漬して化学還元剤を追加して金属イオンを析出することで金属層を形成する方式である。前記絶縁フィルム312を無電解メッキ液に浸漬する時間を調節することで第1金属層の厚さを調節することができる。
【0075】
第2金属層は電解メッキ液に所定の電流を印加して電解メッキ液に含まれた金属イオンを析出する電解メッキ方式によって形成することができる。電流の強さおよび電流を印加する時間を調節して第2金属層の厚さを調節することができて、好ましくは、4〜13μmの厚さで第2金属層を形成することができる。
【0076】
前記集積回路チップ330は前記回路パターン320のインナーリード320aと連結されて表示装置の駆動部から伝達される画像信号をパネルに伝送する。前記インナーリード320aはCOF300と連結される表示装置の解像度により異なるピッチを有することがある。最近は、表示装置の解像度の増加によって30μm内外のピッチでインナーリード320aを形成する。前記集積回路チップ330は前記金バンプ340を通じてインナーリード320aと連結されることができる。
【0077】
図3bを参照すると、COF300にはTCP200とは異なってデバイスホール250が形成されない。該デバイスホール250を形成しないことで前記COF300はTCP200のフライングリードの存在によるファインピッチ(fine pitch)対応の問題点を克服することができて、軟性が優秀でベンディング(Bending)のための別途のスリットを形成する必要がないから、製造工程の効率を上げることができる。一実施例として、TCP200で40μm内外のピッチを有するリードを形成することに対し、COF300では30μm内外のピッチを有するリードを形成することができるから、解像度の高い表示装置に適用するのに有利である。
【0078】
図4は本発明の一実施例による表示装置を示した図である。図4を参照すると、本実施例による表示装置400は画像を示すパネル410、該パネル410に画像信号を印加する駆動部420、430、前記パネル410と駆動部420、430とを連結する軟性フィルム440、および該軟性フィルム440をパネル410または前記駆動部420、430と付着する導電性フィルム450を含む。
【0079】
本実施例による表示装置400は平面表示装置(Flat Panel Display、FPD)であって、液晶表示装置(Liquid Crystal Display、LCD)、プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel、PDP)、または有機電界発光表示装置(Organic Light Emitting Device)であり得る。
【0080】
前記パネル410は画像を示す多数の画素を含む。前記パネル410には前記駆動部420、430と連結される多数の電極が配置され、これら電極が交差する領域に画素が形成される。前記電極は第1電極410a、および該第1電極410aと交差する方向に形成される第2電極410bを含むことができて、一実施例として前記第1電極410aは水平方向、前記第2電極410bは垂直方向に形成されることができる。
【0081】
前記駆動部420、430はスキャンドライバ420、およびデータドライバ430を含むことができて、前記パネル410に形成された第1電極410aおよび第2電極410bと連結されることができる。
【0082】
前記スキャンドライバ420は前記第1電極410aにスキャン信号を印加して前記データドライバ430が垂直方向に配列された第2電極410bにデータ信号を伝送し得るようにする。前記スキャンドライバ420が前記第1電極410aにスキャン信号を印加すると、スキャン信号が印加された第1電極410aにデータ信号を印加し得るようになり、データドライバ430から伝送されるデータ信号により画像がパネル400に表示される。前記スキャンドライバ420およびデータドライバ430から伝送される信号は前記軟性フィルム440を通じてパネル400の電極に伝達される。
【0083】
前記軟性フィルム440は所定の回路パターンが印刷された軟性を有するフィルムであって、絶縁性を有する絶縁フィルム、該絶縁フィルム上に形成される金属層、および該金属層に形成される回路パターンと連結される集積回路チップなどを含むことができる。前記駆動部420、430で印加する画像信号は前記軟性フィルム440の回路パターンおよび集積回路チップを通じて前記パネル410の電極に伝達される。前記軟性フィルム440は前記パネル410および駆動部420、430と導電性フィルム450で連結されることができる。
【0084】
該導電性フィルム450は接着性を有する薄膜状のフィルムであって、前記軟性フィルム440とパネルの間、および駆動部420、430と軟性フィルム440の間に配置される。一実施例として、前記導電性フィルム450は異方性導電フィルム(Anisotropic Conductive Film、ACF)であり得る。
【0085】
図5は図4に示した表示装置のA-A'の断面を示した断面図である。
【0086】
図5を参照すると、本実施例による表示装置500は画像を示すパネル510、該パネル510に画像信号を印加する駆動部530、該駆動部530と前記パネル510とを連結する軟性フィルム540、および該軟性フィルム540を前記駆動部540およびパネル510と電気的に連結する伝導性フィルム550を含む。
【0087】
また、本実施例による表示装置500は前記軟性フィルム540と伝導性フィルム550とが連結される領域を密封する樹脂560をさらに含むことができる。該樹脂560は絶縁物質で形成することができて、前記軟性フィルム540と伝導性フィルム550とが連結される領域に流入される不純物を遮断することで前記パネル510と連結される軟性フィルム540の信号ラインの損傷を防止して寿命を延ばす。
【0088】
本図面には示していないが、前記パネル510は横方向に配置される多数のスキャン電極およびこれらスキャン電極と交差するように配置される多数のデータ電極を含むことができる。A-A'方向に配置されるデータ電極は図5に示した伝導性フィルム550を通じて前記軟性フィルム540と連結され、前記データドライバ530から印加される画像信号を受信し、それにより画像を示す。
【0089】
前記データドライバ530は基板530a上に形成される駆動IC530b、および該駆動IC530bを保護する保護樹脂530cを含む。該保護樹脂530cは絶縁性を有する物質で形成することができて、前記基板530a上に形成される回路パターン(図示せず)および駆動IC530bを外部から流入される不純物から遮断する。該駆動IC530bは表示装置500の制御部(図示せず)から伝送される制御信号により画像信号を軟性フィルム540を通じてパネル510に印加する。
【0090】
該パネル510とデータドライバ530の間に配置される軟性フィルム540は絶縁性を有するポリイミドなどで形成されるベースフィルム540a、該ベースフィルム540a上に形成される金属薄膜540b、該金属薄膜に形成される所定の回路パターンと連結されるIC540c、および前記回路パターンとIC540cを密封して保護するレジン(Resin)保護膜540dを含む。
【0091】
図6は本発明の他の実施例による表示装置を示した図である。
【0092】
伝導性フィルム650を通じて軟性フィルム640がパネル610および駆動部620、630と付着されると、前記伝導性フィルム650と付着された軟性フィルム640を樹脂660で密封することができる。図6を参照すると、前記伝導性フィルム650に付着された軟性フィルム640の領域を前記樹脂660で密封して連結された領域の破損を防止し、外部から流入される不純物を遮断することができる。
【0093】
以上、説明した内容を通じて当業者であれば本発明の技術事象を外れない範囲で変更が可能であり、本発明の技術的範囲は、明細書の詳細な説明に記載された内容に限るのではなく、特許請求範囲により定めるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1a】本発明の一実施例による軟性フィルムを示した図である。
【図1b】本発明の一実施例による軟性フィルムを示した図である。
【図1c】本発明の一実施例による軟性フィルムを示した図である。
【図1d】本発明の一実施例による軟性フィルムを示した図である。
【図1e】本発明の一実施例による軟性フィルムを示した図である。
【図1f】本発明の一実施例による軟性フィルムを示した図である。
【図2a】本発明の一実施例による軟性フィルムを含むTCPを示した図である。
【図2b】本発明の一実施例による軟性フィルムを含むTCPを示した図である。
【図3a】本発明の一実施例による軟性フィルムを含むCOFを示した図である。
【図3b】本発明の一実施例による軟性フィルムを含むCOFを示した図である。
【図4】本発明の一実施例による表示装置を示した図である。
【図5】図4の表示装置のA-A’断面を示した図である。
【図6】本発明の他の実施例による表示装置を示した図である。
【符号の説明】
【0095】
100a〜100f 軟性フィルム
110a〜110f 絶縁フィルム
120a〜120f 第1金属層
130a〜130d 第2金属層
150c〜150d 第3金属層
140a〜140f ホール
200 TCP
300 COF
【技術分野】
【0001】
本発明は軟性フィルムに関するもので、水分吸水性が0.01〜3.5%である絶縁フィルム上に金属層を形成することで、寸法の安全性、および絶縁フィルムと金属層の間の剥離強度などを向上し、走査率の高い表示装置に適用し得る軟性フィルムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
平板ディスプレイ技術が発達しながら液晶表示装置(Liquid Crystal Display、LCD)、プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel、PDP)、有機電界発光表示装置(Organic Light Emitting Device、OLED)等のような様々な種類の平板ディスプレイ装置が開発されている。平板ディスプレイは駆動部およびパネルを含み、駆動部から伝達される画像信号がパネルに含まれる多数の電極に伝達されることで画像を示す。
【0003】
平板ディスプレイに含まれる駆動部は印刷回路基板(Printed Circuit Board、PCB)であることもできて、パネルに含まれる多数の電極に画像信号を印加してパネルに画像を示す。駆動部から印加される画像信号はCOG(Chip-On-Glass)方式などによってパネルの電極に伝達される。
【0004】
COG方式は集積回路をパネルに含まれるガラス基板に直接実装する方式であって、製造単価を低めることができる。しかし、集積回路を実装する空間がガラス基板に確保されなければならないため、パネルのガラス基板の大きさが増加するという問題点があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、軟性フィルムに含まれる絶縁フィルムを水分吸水性が0.01〜3.5%である材料で形成することで、耐熱性、引張強度、および寸法の安全性などが優秀な軟性フィルムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明による軟性フィルムは、絶縁フィルム、および該絶縁フィルム上に配置される金属層を含み、前記絶縁フィルムは0.01〜3.5%の水分吸水性を有することを特徴とする。
【0007】
また、本発明による軟性フィルムは、絶縁フィルム、該絶縁フィルム上に配置される金属層、および該金属層上に配置される集積回路チップを含み、前記絶縁フィルムの水分吸水性は0.01〜3.5%であり、前記集積回路チップは前記金属層に形成される回路パターンと連結されることを特徴とする。
【0008】
また、本発明による表示装置は、画像を示すパネル、パネルに画像信号を印加する駆動部、パネルと駆動部とを連結する軟性フィルムを含み、金属層の厚さと前記絶縁フィルムの厚さは1:1.5〜1:10の比率を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、軟性フィルムに含まれる絶縁フィルムを水分吸水性が0.01〜3.5%である材料で形成することで、耐熱性、引張強度、および寸法の安全性などが優秀な軟性フィルムを提供し得るという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の好ましい実施例について図面を参照して説明する。
【0011】
図1a〜図1fは本発明の一実施例による軟性フィルムを示した図である。軟性フィルム100a〜100fはTAB(Tape Automated Bonding)方式の表示装置が含む駆動部から印加される画像信号をパネルの電極に伝達する。
【0012】
軟性フィルム100a〜100fは絶縁性を有するフィルム上に金属層を形成し、金属層に回路パターンを印刷することで駆動部から印加される画像信号をパネルの電極に伝達する。したがって、TAB方式に使われる軟性フィルムの回路パターンは駆動部の回路およびパネルの電極と正確に連結されて駆動部で印加する信号をパネルに伝達し得るものでなければならない。
【0013】
本実施例において、図1aは断面構造を有する2層構造の軟性フィルム100aを示し、図1bは両面構造を有する2層構造の軟性フィルム100bを示す。図1aを参照すると、軟性フィルム100aは絶縁フィルム110a、絶縁フィルム110a上に配置される第1金属層120a、および該第1金属層120a上に配置される第2金属層130aを含む。図1bに示した軟性フィルム100bは両面構造を有し、絶縁フィルム110aの上下側に第1金属層120b、および第2金属層130bが夫々配置される。
【0014】
絶縁フィルム110a、110bは軟性フィルム100a、100bのベースフィルムであって、電気絶縁性を有するポリイミド(Polyimide)、ポリエステル(Polyester)、または液晶ポリマー(Liquid Crystal Polymer)等の高分子物質を含むことができる。絶縁フィルム110a、110bは軟性フィルム100a、100bの引張強度、体積抵抗、または熱収縮特性などの物理的な特性を決定することができる。したがって、軟性フィルム100a、100bの物理的な特性を向上させるために安全性の優秀な高分子物質で絶縁フィルム110a、110bを形成することが好ましい。
【0015】
前記絶縁フィルム110a、110bが含む水分の量は軟性フィルム100a、100bの誘電率を変化させることができる。したがって、水分吸水性(Moisture Absorption)の高い絶縁フィルム110a、110bが軟性フィルム100a、100bに含まれる場合、湿度変化によって絶縁フィルム110a、110b内の水分量が増加することで絶縁フィルム110a、110bの誘電率が増加することがある。
【0016】
前記絶縁フィルム110a、110bの誘電率が増加することは、走査率の高い画像信号を伝達するのに悪影響を与えることができる。最近、高画質(High Definition、HD)放送に対する関心が高まるにつれて前記軟性フィルム100a、100bは表示装置の駆動部が伝送する高い走査率の画像信号をパネルに伝達し得るものでなければならない。走査率の高い画像信号を伝達するためには高い走査率に対応して前記軟性フィルム100a、100bが含む物質内の分極現象が速く起きなければならないから、前記軟性フィルム100a、100bが含む物質の水分吸水性が特定数値以下に制限されなければならない。
【0017】
本実施例において、前記絶縁フィルム110a、110bの水分吸水性はIPC TM-650 2.6.2規格によって試験すると仮定する。IPC TM-650 2.6.2規格に従う場合、24時間の間に23±1℃の温度で試験しようとする絶縁フィルム110a、110bを水分に露出させる。 IPC TM-650 2.6.2規格における水分吸水性は下の数学式1により測定することができる。
【0018】
【数1】
【0019】
数学式1において、W1は水分を吸収する前の絶縁フィルム110a、110bの重さ(weight)であり、W2は水分を吸収した後の絶縁フィルム110a、110bの重さである。水分吸収前の重さと水分吸収により増加する重さの割合で絶縁フィルム110a、110bの水分吸水性を測定する場合、誘電率の増加を考慮して0.01%〜3.5%の水分吸水性を有する高分子物質で絶縁フィルム110a、110bを形成することが好ましい。
【0020】
前記絶縁フィルム110a、110bが0.01〜3.5%の水分吸収性を有するようにするために、ポリイミドまたは液晶ポリマーなどの高分子物質で前記絶縁フィルム110a、110bを形成することができる。好ましくは、IPC TM-650 2.6.2の試験条件で3%内外の水分吸水性を有するポリイミドフィルムまたは0.04%の水分吸水性を有する液晶ポリマーなどを絶縁フィルム110a、110bの材料として利用する。
【0021】
液晶ポリマーはp-ヒドロキシ安息香酸(p-hydroxybenzoic acid、以下、「HBA」と称す)および6-ヒドロキシ-2-ナプトサン(6-hydroxy-2-naphthoic acid、以下、「HNA」と称す)の結合で形成することができる。HBAは一つのベンゼン環を有するヒドロキシ安息香酸の異性質体のうちの一つとして無色の固体結晶であり、HNAは二つのベンゼン環を有する物質である。HBAは化学式1に示したようであり、HNAは化学式2に示したような構造を有する。
【0022】
【化1】
【0023】
【化2】
【0024】
【化3】
【0025】
化学式3はHBAとHNAが結合して液晶ポリマーを形成する化学反応を示した構造式である。液晶ポリマーの形成過程でHNAのカルボキシ基(-OH)がHBAのアセチル基(CH3CHO)と結合してアセト酸(CH3COOH)を形成する。前記脱アセト酸の反応はHNAとHBAとの混合物を約200℃程度で加熱する反応であり得る。
【0026】
HBAとHNAとが連続的に結合して形成される液晶ポリマーは優秀な熱安全性および水分吸水性などの物理的な特性を有する。好ましくは、IPC TM-650 2.6.2の試験条件で0.04%内外の水分吸水性を有する液晶ポリマーを絶縁フィルムの材料として利用することができる。したがって、前記液晶ポリマーで絶縁フィルム110a、110bを形成する場合、水分吸水性が低くて走査率の高い信号を効率的に伝達し得る軟性フィルム100a、100bを得ることができる。
【0027】
一実施例として、0%〜100%までの相対湿度の変化に対応してポリイミドは最大0.28%内外の寸法変化を示し、液晶ポリマーは0.01%程度の寸法の変化を見せる。したがって、水分吸水性による寸法の安全性の側面が優秀な液晶ポリマーで前記絶縁フィルム110a、110bを形成することが好ましい。
【0028】
金属層120a〜130a、120b〜130bは絶縁フィルム110a、110b上に形成される導電性金属薄膜層であって、第1金属層120a、120bおよび第2金属層130a、130bを含む。前記金属層120a〜130a、120b〜130bはスパッタリング方式、無電解メッキ方式、または電解メッキ方式などで形成することができる。一実施例として、第1金属層120a、120bはスパッタリング方式または無電解メッキ方式で形成することができて、第2金属層130a、130bは電解メッキ方式で形成することができる。
【0029】
次の表1は絶縁フィルムの厚さが38μmである場合を基準として金属層の厚さによる効果を実験した結果である。
【0030】
【表1】
【0031】
表1を参照すると、第1金属層120a、120bと第2金属層130a、130bとの厚さの和が前記絶縁フィルム110a、110bの厚さと1:1.5〜1:10の比率を有するように無電解メッキおよび電解メッキ工程を行うことが好ましい。前記金属層120a〜130a、120b〜130bの厚さが前記絶縁フィルム110a、110bの厚さの1/10より薄く形成されると、前記金属層120a〜130a、120b〜130bの剥離強度が低くなって前記絶縁フィルム110a、110bと容易に分離されるか、または前記金属層120a〜130a、120b〜130bに形成される回路パターンの寸法の安全性が低下することがある。一方、前記金属層120a〜130a、120b〜130bの厚さが前記絶縁フィルム110a、110bの厚さの2/3より太いと、前記軟性フィルム100aの軟性が低下するか、またはメッキ時間が長くなることでメッキ溶液の副成分によって前記金属層120a〜130a、120b〜130bが損傷されることがある。
【0032】
特に、前記第1金属層120a、120bは100nm内外、前記第2金属層130a、130bは9μm内外の厚さで形成することができる。この時、前記第1金属層120a、120bの厚さが細すぎる場合、回路パターンおよび接合層を形成する過程で前記第1金属層120a、120bが前記接合層に置換されることがあるため、前記第1金属層120a、120aは所定の厚さ以上で形成することが好ましい。
【0033】
前記第1金属層120a、120bは絶縁フィルム110a、110b上に形成されるシード層(Seed layer)であって、ニッケル、クロム、金、または銅を含むことができる。ニッケルとクロムとの合金で第1金属層120a、120bを形成する場合にはスパッタリング方式を利用することができて、金または銅で第1金属層120a、120bを形成する場合には無電解メッキ方式を利用することができる。
【0034】
前記無電解メッキ方式は絶縁フィルム110a、110bを金属イオンが含まれた無電解メッキ液に浸漬し、化学還元剤を追加して金属イオンを析出することで前記第1金属層120a、120bを形成する方式である。前記無電解メッキ液に前記絶縁フィルム110a、110bを浸漬する時間を調節して前記第1金属層120a、120bの厚さを調節することができる。
【0035】
前記第1金属層120a、120bの厚さは前記第1金属層120a、120bの形成方式により異なることがある。スパッタリング方式を利用する場合には、30nm内外の厚さ(ニッケル層と銅層とを合わせて)に前記第1金属層120a、120bを形成することができて、無電解メッキ方式を利用する場合には、0.1μm内外の厚さに第1金属層120a、120bを形成することができる。
【0036】
前記第2金属層130a、130bは電解メッキ方式で形成することができる。一実施例として、硫酸銅水溶液を含む電解メッキ溶液に前記第1金属層120a、120bが形成された絶縁フィルム110a、110bを浸漬し、所定の電流を加えることで第2金属層130a、130bを形成する。前記電流の強さおよび電流を加える時間を調節することで前記第2金属層130a、130bの厚さを調節することができる。前記第2金属層130a、130bは4〜13μm内外の厚さに形成することが好ましい。
【0037】
前記金属層120a〜130a、120b〜130bをエッチングして回路パターンを形成すると、該回路パターンを保護するために前記第2金属層130a、130b上に接着層として保護フィルムを付着する。該保護フィルムは回路パターンを保護し得る絶縁物質を含むことができて、一実施例としてテレフタル酸ポリエチレン(Polyethylene Terephthalate、PET)を含むことができる。
【0038】
保護フィルムを前記第2金属層130a、130bに付着する接着層はエポキシ(Epoxy)を含むことができて、2〜10μmの厚さで形成することができる。接着層の厚さが2μmより細いと、軟性フィルム100a、100bの輸送または保管過程で保護フィルムが分離されることがあり、接着層の厚さが10μmより太いと、生産単価が増加して製造工程で時間が長引き、保護フィルムを除去することが難しいことがある。
【0039】
図1cおよび図1dは3層構造を有する軟性フィルムを示した図である。図1cに示した軟性フィルム100cは3層構造を有する断面軟性フィルム100cを示した図で、図1dは3層構造を有する両面軟性フィルム100dを示した図である。
【0040】
3層構造の軟性フィルム100c、100dは絶縁フィルム110c、110d上に配置される第1金属層120c、120d、第1金属層120c、120d上に配置される第2金属層130c、130d、および第2金属層130c、130d上に配置される第3金属層140c、140dを含む。前記第1金属層120c、120dおよび第2金属層130c、130dはスパッタリング方式によって形成することができて、前記第3金属層140c、140dは電解メッキ方式によって形成することができる。
【0041】
一実施例としてスパッタリング方式で前記第1金属層120c、120dを形成する場合、前記第1金属層120c、120dはニッケルとクロムとの合金で形成することができて、好ましくは、ニッケル93%とクロム7%、またはニッケル97%とクロム3%との合金を利用することができる。ニッケルとクロムとの合金で形成される第1金属層120c、120dは7〜20nmの厚さに形成することが好ましい。
【0042】
前記第1金属層120c、120dをニッケルとクロムとの合金で形成する場合、ニッケルとクロム合金の高い電気抵抗により第3金属層140c、140dを形成する電解メッキ工程の効率が低下することがある。したがって、電気抵抗が高い金属で前記第2金属層130c、130dを形成することで、前記電解メッキ工程の効率を上げることができる。
【0043】
前記第1金属層120c、120dが電気抵抗の高いニッケルとクロムとの合金で形成される場合、電気抵抗を低めるために前記第3金属層140c、140dを形成する前に前記第1金属層120c、120d上に電気導電性の良い金属で前記第2金属層130c、130dをスパッタリング方式で形成することができる。この時、前記第2金属層130c、130dは銅などで形成することが好ましく、前記第2金属層130c、130dの厚さは前記第1金属層120a、120bの厚さと合わせて100nm内外であることが好ましい。
【0044】
前記第3金属層140c、140dは電気導電性の高い金または銅などを含むことができて、電解メッキ方式で形成される。前記第3金属層140c、140dが形成されると、表示装置の駆動部から伝達される電気信号を基板の電極に伝達する回路パターンを形成する。一実施例として、前記回路パターンは金属層120c〜140c、120d〜140dをエッチングすることで形成することができる。
【0045】
図1eおよび図1fは1層構造を有する軟性フィルムを示した図である。図1eに示した軟性フィルム100eは1層構造を有する断面軟性フィルム100eを示した図で、図1fは1層構造を有する両面軟性フィルム100fを示した図である。
【0046】
前記1層構造の軟性フィルム100e、100fは前記絶縁フィルム110e、110f上に配置される一つの金属層120e、120fを含む。これら金属層120e、120fはキャスティングまたは積層方式(laminating)によって形成することができる。この時、前記金属層120e、120fは表示装置で電気信号を効率的に伝達するために電気導電性の良い銅などを含むことができる。
【0047】
積層方式は絶縁フィルム110e、110f上に接着剤を塗布してオーブンで焼いて接着層を固定した後、前記絶縁フィルム110e、110f上に金属層120e、120fを位置させた後、プレス加工して軟性フィルム100e、100fを製造する方法である。一方、キャスティング方式は前記金属層120e、120f上に液状絶縁フィルム110e、110fの前駆体を数層で塗布し、高温のオーブンで乾燥、硬化させて軟性フィルム100e、100fを製造する方法である。
【0048】
キャスティング方式または積層方式で前記金属層120e、120fを形成すると、これら金属層120e、120fに表示装置の駆動部から伝達される電気信号を基板の電極に伝達する回路パターンを形成する。一実施例として、前記回路パターンは前記金属層120e、120fをエッチングすることで形成することができる。
【0049】
図2aおよび図2bは本発明の一実施例による軟性フィルムを含むTCP(Tape-Carrier-Package)を示した図である。図2aを参照すると、本実施例によるTCP200は軟性フィルム210、該軟性フィルム210に形成される回路パターン220、および前記軟性フィルム210上に配置されて前記回路パターン220と連結される集積回路チップ230を含む。
【0050】
前記軟性フィルム210は絶縁フィルムおよび該絶縁フィルム上に形成される金属層を含む。絶縁フィルムは前記軟性フィルム210のベースフィルムであって、絶縁性を有するポリイミド、ポリエステル、または液晶ポリマーなどの高分子物質を含むことができる。絶縁フィルムは前記軟性フィルム210の物理的な特性に大きい影響を及ぼすため、高い耐熱性と熱膨張計数、寸法の安全性、および低い水分吸水性などの物理的な特性を有することが好ましい。
【0051】
絶縁フィルムはIPC TM-650 2.6.2の試験条件で0.01〜3.5%の水分吸水性を有する材料で形成することが好ましい。絶縁フィルムの水分吸水性が3.5%より大きいと、水分吸収による軟性フィルム210の誘電率の増加によって寄生容量などによるインピーダンスが増加してTCP200が走査率の高い 信号を効率的に伝達することができない。一方、絶縁フィルムの水分吸水性が0.01%より小さいと、TCP200周囲の水分が金属層に形成される回路パターン220または集積回路チップ230に浸透してTCP200の動作に致命的な損傷を与えることがある。
【0052】
金属層は絶縁フィルム上に形成され、1層構造、2層構造、または3層構造を有することができる。1層構造で金属層を形成する場合、金属層は電気導電性を有するニッケル、クロム、金、または銅などの金属で形成することができて、キャスティング方式または積層方式で形成することができる。
【0053】
2層構造の金属層は絶縁フィルム上に形成される第1金属層および該第1金属層上に形成される第2金属層を含むことができる。第1金属層は無電解メッキ方式またはスパッタリング方式で形成することができて、第2金属層は電解メッキ方式で形成することができる。
【0054】
第1金属層はニッケル、クロム、金、または銅などを含むことができて、第2金属層を形成する電解メッキ工程の効率性を考慮して電気導電性の優秀な金または銅などの金属で形成することが好ましい。スパッタリング方式で第1金属層を形成する場合には、ニッケルとクロムとの合金で形成することができて、無電解メッキ方式で第1金属層を形成する場合にはニッケルまたは銅で形成することができる。
【0055】
無電解メッキ方式で第1金属層を形成する場合、硫酸銅水溶液成分を含む無電解メッキ溶液に絶縁フィルムを浸漬し、還元剤を利用して銅イオンを銅に析出することで第1金属層を無電解メッキすることができる。前記還元剤としては、ホルムアルデヒド(Formaldehyde、HCHO)系列の物質が使われることができる。一方、ニッケルで第1金属層を無電解メッキする場合、硫酸ニッケル水溶液に絶縁フィルムを浸漬し、還元剤として次亜リン酸ナトリウム(NaH2P02)を利用してニッケルイオンを析出することで第1金属層を形成することができる。
【0056】
第2金属層は硫酸銅水溶液成分を含む電解メッキ溶液に所定の電流を印加して銅イオンを銅に析出することで形成することができる。印加される電流の量は形成しようとする第2金属層の厚さによって調節することができる。第2金属層が形成されると、第1金属層および第2金属層をエッチングすることで回路パターン220を形成する。
【0057】
前記軟性フィルム210に形成される回路パターン220は集積回路チップ230と連結されるインナーリード(Inner Lead)220a、および表示装置の駆動部またはパネルと連結されるアウターリード(Outer Lead)220bを含むことができる。前記回路パターン220のピッチはTCP200が適用される表示装置の解像度などによって異なることがあるが、通常的に前記インナーリード220aは40μm内外、アウターリード220bは60μm内外のピッチを有する。
【0058】
図2bは図2aに示したTCPの2-2’方向の断面を示した断面図である。図2bを参照すると、本実施例によるTCP200は軟性フィルム210、集積回路チップ230、および軟性フィルム210と集積回路チップ230とを連結する金バンプ240を含むことができる。
【0059】
前記軟性フィルム210は絶縁フィルム212、該絶縁フィルム212上に形成される金属層214を含む。前記絶縁フィルム212は前記軟性フィルム210を構成する基本フィルム(Base film)であって、絶縁性を有するポリイミド、ポリエステル、または液晶ポリマーなどの高分子物質を含むことができる。前記絶縁フィルム212が水分を吸収する場合、誘電率が増加して走査率の高い信号伝達の効率性が低下することがあるため、IPC TM-650 2.6.2の試験条件で0.01〜3.5%の水分吸水性を有する高分子物質で絶縁フィルム212を形成することが好ましい。
【0060】
前記金属層214は電気導電性を有するニッケル、クロム、金、または銅などの金属を含む薄膜層であって、本実施例においては、前記金属層214が第1金属層および第2金属層を含む2層構造であると仮定する。第1金属層はニッケル、金、クロム、または銅などで無電解メッキ方式により形成することができて、第2金属層は金、または銅などで電解メッキ方式により形成することができる。この時、第2金属層を形成する電解メッキ工程の効率性を考慮して第1金属層をニッケルまたは銅で形成することが好ましい。
【0061】
前記集積回路チップ230は前記金属層214をエッチングすることで形成される回路パターン220と連結されるように軟性フィルム210上に配置される。本実施例においては、前記集積回路チップ230が配置される軟性フィルム210の領域にデバイスホール(Device Hole、250)が形成される。前記集積回路チップ230が配置される領域に前記デバイスホール250を形成し、前記集積回路チップ230と連結される回路パターン220にフライングリード(Flying Lead)という電極を形成した後、前記集積回路チップ230の金バンプ240と前記フライングリードとを連結する。前記フライングリードには錫をメッキすることができて、熱または超音波を利用して錫がメッキされたフライングリードと金バンプ240の間にAu-Sn結合を形成することができる。
【0062】
図3aおよび図3bは本発明の一実施例による軟性フィルムを含むCOF(Chip-On-Film)を示した図である。図3aを参照すると、本実施例によるCOF300は軟性フィルム310、該軟性フィルム310上に印刷される回路パターン320、および該回路パターン320と連結されるように軟性フィルム310上に付着される集積回路チップ330を含む。
【0063】
前記軟性フィルム310は絶縁フィルム、および該絶縁フィルム上に形成される金属層を含む。前記絶縁フィルムは軟性フィルム310のベースフィルムであって、絶縁性を有するポリイミド、ポリエステル、または液晶ポリマーなどの高分子物質を含むことができる。前記絶縁フィルムは軟性フィルム310の物理的な特性に大きい影響を及ぼすため、高い耐熱性と熱膨張計数、寸法の安全性、および低い水分吸水性を有する高分子物質を含むことが好ましい。
【0064】
絶縁フィルムの水分吸水性はIPC TM-650 2.6.2の試験条件で0.01〜3.5%の値を有することが好ましい。
【0065】
【表2】
【0066】
表2を参照すると、絶縁フィルムの水分吸水性が3.5%より大きいと、水分吸収による軟性フィルム310の誘電率の増加によって寄生容量などによるインピーダンスが増加してCOF300が走査率の高い信号を効率的に伝達することができない。一方、絶縁フィルムの水分吸水性が0.01%より小さいと、COF300周囲の水分が金属層に形成される回路パターン320または集積回路チップ330に浸透してCOF300の動作を阻害することがある。
【0067】
絶縁フィルム上にスパッタリング方式、無電解メッキ方式、または電解メッキ方式などを利用して金属層を形成する。該金属層をエッチングすることで回路パターン320が形成され、該回路パターン320は表示装置の駆動部またはパネルと連結されるアウターリード320bおよび集積回路チップ330と連結されるインナーリード320aを含む。前記アウターリード320bは前記駆動部またはパネルと異方性導電フィルム(Anisotropic Conductive Film、ACF)を通じて連結されることができる。
【0068】
前記アウターリード320bはOLB(Outer Lead Bonding)パッドを通じて表示装置の駆動部またはパネルと連結され、前記インナーリード320aはILB(Inner Lead Bonding)パッドを通じて前記集積回路チップ330と連結されることができる。特に、インナーリード320a上に錫層をメッキし、前記集積回路チップ330の金バンプと前記錫層に熱または超音波を加えてAu-Sn結合を形成することで前記集積回路チップ330とインナーリード320aとを連結することができる。
【0069】
一方、金属層は第1金属層および第2金属層を含む2層構造を有することができる。第1金属層はスパッタリング方式または無電解メッキ方式で形成することができて、ニッケル、クロム、金、または銅などを含む。第2金属層は電解メッキ方式で形成することができて、金、または銅などを含む。第2金属層を形成する電解メッキ工程の効率性を高めるために電気抵抗の低い銅またはニッケルなどで第1金属層を形成することができる。
【0070】
図3bは図3aに示したCOFの3-3’方向の断面を示した断面図である。図3bを参照すると、本実施例によるCOF300は絶縁フィルム312と該絶縁フィルム312上に形成される金属層314を含む軟性フィルム310、前記金属層314に形成される回路パターン320と連結される集積回路チップ330、および該集積回路チップ330と前記回路パターン320とを連結する金バンプ340を含む。
【0071】
前記絶縁フィルム312は前記軟性フィルム310に含まれる基本フィルムであって、絶縁性を有するポリイミド、ポリエステル、または液晶ポリマーなどの高分子物質を含むことができる。最近、高画質放送の提供が増えるにつれて120Hzの高い走査率を有する画像信号を伝達しなければならないため、前記絶縁フィルム312は水分吸水性の低い物質で形成することが好ましい。一実施例としては、IPC TM-650 2.6.2試験条件で0.01%〜0.3%の水分吸水性を有する高分子物質で前記絶縁フィルム312を形成し、前記軟性フィルム310の信号伝達の効率を上げることができる。
【0072】
前記金属層314は電気導電性を有する金属で形成される薄膜層であって、前記絶縁フィルム312上に形成される第1金属層、および該第1金属層上に形成される第2金属層を含むことができる。第1金属層はスパッタリング方式または無電解メッキ方式を利用してニッケル、クロム、金、または銅で形成することができて、第2金属層は電解メッキ方式を利用して金または銅で形成することができる。
【0073】
第1金属層をスパッタリング方式で形成する場合、ニッケルとクロムとの合金で形成することができて、無電解メッキ方式を利用して第1金属層を形成する場合、銅で第1金属層を形成することができる。第1金属層の厚さには制限がないが、ニッケルとクロムとの合金で形成する場合には30nm内外、銅で形成する場合には0.1μm内外の厚さで形成することが好ましい。
【0074】
無電解メッキ方式は前記絶縁フィルム312を金属イオンを含む無電解メッキ液に浸漬して化学還元剤を追加して金属イオンを析出することで金属層を形成する方式である。前記絶縁フィルム312を無電解メッキ液に浸漬する時間を調節することで第1金属層の厚さを調節することができる。
【0075】
第2金属層は電解メッキ液に所定の電流を印加して電解メッキ液に含まれた金属イオンを析出する電解メッキ方式によって形成することができる。電流の強さおよび電流を印加する時間を調節して第2金属層の厚さを調節することができて、好ましくは、4〜13μmの厚さで第2金属層を形成することができる。
【0076】
前記集積回路チップ330は前記回路パターン320のインナーリード320aと連結されて表示装置の駆動部から伝達される画像信号をパネルに伝送する。前記インナーリード320aはCOF300と連結される表示装置の解像度により異なるピッチを有することがある。最近は、表示装置の解像度の増加によって30μm内外のピッチでインナーリード320aを形成する。前記集積回路チップ330は前記金バンプ340を通じてインナーリード320aと連結されることができる。
【0077】
図3bを参照すると、COF300にはTCP200とは異なってデバイスホール250が形成されない。該デバイスホール250を形成しないことで前記COF300はTCP200のフライングリードの存在によるファインピッチ(fine pitch)対応の問題点を克服することができて、軟性が優秀でベンディング(Bending)のための別途のスリットを形成する必要がないから、製造工程の効率を上げることができる。一実施例として、TCP200で40μm内外のピッチを有するリードを形成することに対し、COF300では30μm内外のピッチを有するリードを形成することができるから、解像度の高い表示装置に適用するのに有利である。
【0078】
図4は本発明の一実施例による表示装置を示した図である。図4を参照すると、本実施例による表示装置400は画像を示すパネル410、該パネル410に画像信号を印加する駆動部420、430、前記パネル410と駆動部420、430とを連結する軟性フィルム440、および該軟性フィルム440をパネル410または前記駆動部420、430と付着する導電性フィルム450を含む。
【0079】
本実施例による表示装置400は平面表示装置(Flat Panel Display、FPD)であって、液晶表示装置(Liquid Crystal Display、LCD)、プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel、PDP)、または有機電界発光表示装置(Organic Light Emitting Device)であり得る。
【0080】
前記パネル410は画像を示す多数の画素を含む。前記パネル410には前記駆動部420、430と連結される多数の電極が配置され、これら電極が交差する領域に画素が形成される。前記電極は第1電極410a、および該第1電極410aと交差する方向に形成される第2電極410bを含むことができて、一実施例として前記第1電極410aは水平方向、前記第2電極410bは垂直方向に形成されることができる。
【0081】
前記駆動部420、430はスキャンドライバ420、およびデータドライバ430を含むことができて、前記パネル410に形成された第1電極410aおよび第2電極410bと連結されることができる。
【0082】
前記スキャンドライバ420は前記第1電極410aにスキャン信号を印加して前記データドライバ430が垂直方向に配列された第2電極410bにデータ信号を伝送し得るようにする。前記スキャンドライバ420が前記第1電極410aにスキャン信号を印加すると、スキャン信号が印加された第1電極410aにデータ信号を印加し得るようになり、データドライバ430から伝送されるデータ信号により画像がパネル400に表示される。前記スキャンドライバ420およびデータドライバ430から伝送される信号は前記軟性フィルム440を通じてパネル400の電極に伝達される。
【0083】
前記軟性フィルム440は所定の回路パターンが印刷された軟性を有するフィルムであって、絶縁性を有する絶縁フィルム、該絶縁フィルム上に形成される金属層、および該金属層に形成される回路パターンと連結される集積回路チップなどを含むことができる。前記駆動部420、430で印加する画像信号は前記軟性フィルム440の回路パターンおよび集積回路チップを通じて前記パネル410の電極に伝達される。前記軟性フィルム440は前記パネル410および駆動部420、430と導電性フィルム450で連結されることができる。
【0084】
該導電性フィルム450は接着性を有する薄膜状のフィルムであって、前記軟性フィルム440とパネルの間、および駆動部420、430と軟性フィルム440の間に配置される。一実施例として、前記導電性フィルム450は異方性導電フィルム(Anisotropic Conductive Film、ACF)であり得る。
【0085】
図5は図4に示した表示装置のA-A'の断面を示した断面図である。
【0086】
図5を参照すると、本実施例による表示装置500は画像を示すパネル510、該パネル510に画像信号を印加する駆動部530、該駆動部530と前記パネル510とを連結する軟性フィルム540、および該軟性フィルム540を前記駆動部540およびパネル510と電気的に連結する伝導性フィルム550を含む。
【0087】
また、本実施例による表示装置500は前記軟性フィルム540と伝導性フィルム550とが連結される領域を密封する樹脂560をさらに含むことができる。該樹脂560は絶縁物質で形成することができて、前記軟性フィルム540と伝導性フィルム550とが連結される領域に流入される不純物を遮断することで前記パネル510と連結される軟性フィルム540の信号ラインの損傷を防止して寿命を延ばす。
【0088】
本図面には示していないが、前記パネル510は横方向に配置される多数のスキャン電極およびこれらスキャン電極と交差するように配置される多数のデータ電極を含むことができる。A-A'方向に配置されるデータ電極は図5に示した伝導性フィルム550を通じて前記軟性フィルム540と連結され、前記データドライバ530から印加される画像信号を受信し、それにより画像を示す。
【0089】
前記データドライバ530は基板530a上に形成される駆動IC530b、および該駆動IC530bを保護する保護樹脂530cを含む。該保護樹脂530cは絶縁性を有する物質で形成することができて、前記基板530a上に形成される回路パターン(図示せず)および駆動IC530bを外部から流入される不純物から遮断する。該駆動IC530bは表示装置500の制御部(図示せず)から伝送される制御信号により画像信号を軟性フィルム540を通じてパネル510に印加する。
【0090】
該パネル510とデータドライバ530の間に配置される軟性フィルム540は絶縁性を有するポリイミドなどで形成されるベースフィルム540a、該ベースフィルム540a上に形成される金属薄膜540b、該金属薄膜に形成される所定の回路パターンと連結されるIC540c、および前記回路パターンとIC540cを密封して保護するレジン(Resin)保護膜540dを含む。
【0091】
図6は本発明の他の実施例による表示装置を示した図である。
【0092】
伝導性フィルム650を通じて軟性フィルム640がパネル610および駆動部620、630と付着されると、前記伝導性フィルム650と付着された軟性フィルム640を樹脂660で密封することができる。図6を参照すると、前記伝導性フィルム650に付着された軟性フィルム640の領域を前記樹脂660で密封して連結された領域の破損を防止し、外部から流入される不純物を遮断することができる。
【0093】
以上、説明した内容を通じて当業者であれば本発明の技術事象を外れない範囲で変更が可能であり、本発明の技術的範囲は、明細書の詳細な説明に記載された内容に限るのではなく、特許請求範囲により定めるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1a】本発明の一実施例による軟性フィルムを示した図である。
【図1b】本発明の一実施例による軟性フィルムを示した図である。
【図1c】本発明の一実施例による軟性フィルムを示した図である。
【図1d】本発明の一実施例による軟性フィルムを示した図である。
【図1e】本発明の一実施例による軟性フィルムを示した図である。
【図1f】本発明の一実施例による軟性フィルムを示した図である。
【図2a】本発明の一実施例による軟性フィルムを含むTCPを示した図である。
【図2b】本発明の一実施例による軟性フィルムを含むTCPを示した図である。
【図3a】本発明の一実施例による軟性フィルムを含むCOFを示した図である。
【図3b】本発明の一実施例による軟性フィルムを含むCOFを示した図である。
【図4】本発明の一実施例による表示装置を示した図である。
【図5】図4の表示装置のA-A’断面を示した図である。
【図6】本発明の他の実施例による表示装置を示した図である。
【符号の説明】
【0095】
100a〜100f 軟性フィルム
110a〜110f 絶縁フィルム
120a〜120f 第1金属層
130a〜130d 第2金属層
150c〜150d 第3金属層
140a〜140f ホール
200 TCP
300 COF
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁フィルムと、
該絶縁フィルム上に配置される金属層とを含み、
前記絶縁フィルムの水分吸水性が0.01〜3.5%であることを特徴とする軟性フィルム。
【請求項2】
前記絶縁フィルムはポリイミド、ポリエステル、および液晶ポリマーのうち少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1に記載の軟性フィルム。
【請求項3】
前記金属層はニッケル、クロム、金、および銅のうち少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1に記載の軟性フィルム。
【請求項4】
前記金属層は、
前記絶縁フィルム上に電解メッキされた第1金属層と、
該第1金属層上に電解メッキされた第2金属層とを含むことを特徴とする請求項1に記載の軟性フィルム。
【請求項5】
前記金属層の厚さは前記絶縁フィルムの厚さと1:1.5〜1:10の比率を有することを特徴とする請求項1に記載の軟性フィルム。
【請求項6】
絶縁フィルムと、
該絶縁フィルム上に配置されてその上に形成される回路パターンを含む金属層と、
該金属層上に配置される集積回路チップとを含み、
前記絶縁フィルムの水分吸水性が0.01〜3.5%で、前記集積回路チップが前記回路パターンに連結されることを特徴とする軟性フィルム。
【請求項7】
前記絶縁フィルムはポリイミド、ポリエステル、および液晶ポリマーのうち少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項6に記載の軟性フィルム。
【請求項8】
前記集積回路チップが配置される領域に形成されたデバイスホールをさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の軟性フィルム。
【請求項9】
前記金属層は、
前記絶縁フィルム上に電解メッキされた第1金属層と、
該第1金属層上に電解メッキされた第2金属層とを含むことを特徴とする請求項6に記載の軟性フィルム。
【請求項10】
前記金属層上に形成された金バンプをさらに含み、
前記集積回路チップは前記金バンプを貫通して前記回路パターンに連結されることを特徴とする請求項6に記載の軟性フィルム。
【請求項11】
前記金属層の厚さは前記絶縁フィルムの厚さと1:1.5〜1:10の比率を有することを特徴とする請求項6に記載の軟性フィルム。
【請求項12】
前記第1金属層と前記第2金属層との厚さの和が前記第3金属層の厚さと1:5〜1:120の比率を有することを特徴とする請求項9に記載の軟性フィルム。
【請求項13】
パネルと、
駆動部と、
前記パネルと前記駆動部の間に配置される軟性フィルムとを含み、
該軟性フィルムは、
絶縁フィルムと、
該絶縁フィルム上に配置されてその上に形成される回路パターンを含む金属層と、
該金属層上に配置される集積回路チップとを含み、
前記絶縁フィルムの水分吸水性が0.01〜3.5%であることを特徴とする表示装置。
【請求項14】
前記パネルは、
第1電極と、
該第1電極と交差する方向に形成された第2電極とを含み、
前記第1電極と前記第2電極は前記回路パターンに連結されることを特徴とする請求項13に記載の表示装置。
【請求項15】
前記金属層は、前記絶縁フィルム上に電解メッキされた第1金属層と、
前記第1金属層上に電解メッキされた第2金属層とを含むことを特徴とする請求項13に記載の表示装置。
【請求項16】
前記金属層の厚さは前記絶縁フィルムの厚さと1:1.5〜1:10の比率を有することを特徴とする請求項13に記載の表示装置。
【請求項17】
前記パネルと、前記駆動部のうち少なくとも一つを前記軟性フィルムに連結する伝導性フィルムとをさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の表示装置。
【請求項18】
前記伝導性フィルムは異方性伝導フィルムであることを特徴とする請求項17に記載の表示装置。
【請求項19】
前記伝導性フィルムに接触されている前記軟性フィルムの一部分を密封する樹脂をさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の表示装置。
【請求項1】
絶縁フィルムと、
該絶縁フィルム上に配置される金属層とを含み、
前記絶縁フィルムの水分吸水性が0.01〜3.5%であることを特徴とする軟性フィルム。
【請求項2】
前記絶縁フィルムはポリイミド、ポリエステル、および液晶ポリマーのうち少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1に記載の軟性フィルム。
【請求項3】
前記金属層はニッケル、クロム、金、および銅のうち少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1に記載の軟性フィルム。
【請求項4】
前記金属層は、
前記絶縁フィルム上に電解メッキされた第1金属層と、
該第1金属層上に電解メッキされた第2金属層とを含むことを特徴とする請求項1に記載の軟性フィルム。
【請求項5】
前記金属層の厚さは前記絶縁フィルムの厚さと1:1.5〜1:10の比率を有することを特徴とする請求項1に記載の軟性フィルム。
【請求項6】
絶縁フィルムと、
該絶縁フィルム上に配置されてその上に形成される回路パターンを含む金属層と、
該金属層上に配置される集積回路チップとを含み、
前記絶縁フィルムの水分吸水性が0.01〜3.5%で、前記集積回路チップが前記回路パターンに連結されることを特徴とする軟性フィルム。
【請求項7】
前記絶縁フィルムはポリイミド、ポリエステル、および液晶ポリマーのうち少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項6に記載の軟性フィルム。
【請求項8】
前記集積回路チップが配置される領域に形成されたデバイスホールをさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の軟性フィルム。
【請求項9】
前記金属層は、
前記絶縁フィルム上に電解メッキされた第1金属層と、
該第1金属層上に電解メッキされた第2金属層とを含むことを特徴とする請求項6に記載の軟性フィルム。
【請求項10】
前記金属層上に形成された金バンプをさらに含み、
前記集積回路チップは前記金バンプを貫通して前記回路パターンに連結されることを特徴とする請求項6に記載の軟性フィルム。
【請求項11】
前記金属層の厚さは前記絶縁フィルムの厚さと1:1.5〜1:10の比率を有することを特徴とする請求項6に記載の軟性フィルム。
【請求項12】
前記第1金属層と前記第2金属層との厚さの和が前記第3金属層の厚さと1:5〜1:120の比率を有することを特徴とする請求項9に記載の軟性フィルム。
【請求項13】
パネルと、
駆動部と、
前記パネルと前記駆動部の間に配置される軟性フィルムとを含み、
該軟性フィルムは、
絶縁フィルムと、
該絶縁フィルム上に配置されてその上に形成される回路パターンを含む金属層と、
該金属層上に配置される集積回路チップとを含み、
前記絶縁フィルムの水分吸水性が0.01〜3.5%であることを特徴とする表示装置。
【請求項14】
前記パネルは、
第1電極と、
該第1電極と交差する方向に形成された第2電極とを含み、
前記第1電極と前記第2電極は前記回路パターンに連結されることを特徴とする請求項13に記載の表示装置。
【請求項15】
前記金属層は、前記絶縁フィルム上に電解メッキされた第1金属層と、
前記第1金属層上に電解メッキされた第2金属層とを含むことを特徴とする請求項13に記載の表示装置。
【請求項16】
前記金属層の厚さは前記絶縁フィルムの厚さと1:1.5〜1:10の比率を有することを特徴とする請求項13に記載の表示装置。
【請求項17】
前記パネルと、前記駆動部のうち少なくとも一つを前記軟性フィルムに連結する伝導性フィルムとをさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の表示装置。
【請求項18】
前記伝導性フィルムは異方性伝導フィルムであることを特徴とする請求項17に記載の表示装置。
【請求項19】
前記伝導性フィルムに接触されている前記軟性フィルムの一部分を密封する樹脂をさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の表示装置。
【図1a】
【図1b】
【図1c】
【図1d】
【図1e】
【図1f】
【図2a】
【図2b】
【図3a】
【図3b】
【図4】
【図5】
【図6】
【図1b】
【図1c】
【図1d】
【図1e】
【図1f】
【図2a】
【図2b】
【図3a】
【図3b】
【図4】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2009−154524(P2009−154524A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−196334(P2008−196334)
【出願日】平成20年7月30日(2008.7.30)
【出願人】(502032105)エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド (2,269)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月30日(2008.7.30)
【出願人】(502032105)エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド (2,269)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]