説明

送受信システム,外部発信受信装置,および送受信方法

【課題】無線型伝送装置の存在位置を検知する。
【解決手段】外部発信受信装置10と無線型伝送装置20との間において、情報がやりとりされる。外部発信受信装置10は、搬送波の送信レベルを順次変更する。無線型伝送装置20は、搬送波を受信して駆動し、搬送波を負荷変調して返信信号を送信する。外部発信受信装置10は、無線型伝送装置20からの返信があると、搬送波の送信レベルに基づいて外部発信受信装置10と無線型伝送装置20との間の通信距離を求める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、無線型伝送装置と外部発信受信装置とが通信する送受信システム,および無線型伝送装置と外部発信受信装置との間で実行される送受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、外部発信受信装置と無線型伝送装置とが無線周波数帯域の電波を利用して非接触にてデータ信号をやりとりする送受信システムが実用化されている。無線型伝送装置の代表例として、いわゆるRFID(Radio Frequency Identification)タグがある。RFIDタグは、無線タグとも呼ばれ、各種の周波数帯域で利用されている。
【0003】
例えば、13.56MHzを通信周波数としている無線タグ(所謂ICカード)では、外部発信受信装置(例えば、リーダライタ)と無線型伝送装置(例えば、無線タグ)との間で、次のような通信が実行される。ここでは、無線タグからの返信方式が負荷変調方式である場合について説明する。
【0004】
まず、リーダライタにおいて、送信データに基づいて13.56MHzの搬送波が振幅変調(Amplitude Shift Keying;ASK)されて、変調搬送波に応じた電磁波(またはマイクロ波)が送受信コイルから送信される。
【0005】
次に、無線タグにおいて、リーダライタからの電磁波が送受信コイルによって受信され、内部回路の動作用電源電力が生成される。無線タグの中には、電池のような駆動電源を備えるものもあり、その場合は、受信信号より駆動電力を生成しなくても良い。また、復調回路によってその変調搬送波から送信データが復元され、無線タグに搭載されたマイコンは、その送信データに従って返信データ(例えば、記憶部が記憶するデータ列)を読み出す。また、無線タグの出力回路は、返信データに基づいて副搬送波(例えば、212kHzの副搬送波)を振幅変調し、その変調副搬送波に従って送受信コイルに対するインピーダンスを変化させる。
【0006】
一方、リーダライタは、一定振幅の搬送波に応じた電磁波を送信している。ここで、無線タグにおけるインピーダンス変化に応じて、リーダライタの送受信コイルに対するインピーダンスも変化する。これにより、リーダライタにおける搬送波が負荷変調されるので、無線タグから返信データに応じた副搬送波が送られたことになる。
【0007】
このようにして、リーダライタは、無線タグに記憶された情報を非接触で取得することができる。
【0008】
また、外部発信受信装置と無線型伝送装置とが通信できる範囲は、外部発信受信装置からの信号(電波)の強弱によって決定される。つまり、従来の送受信システムでは、一定の通信可能範囲を確保するために、外部発信受信装置は、その通信可能範囲に応じて一定レベルの信号を送信するように設定されている。
【0009】
また、上記送受信システムは、様々な分野に適用することができる。例えば、収容容器に無線タグを取り付け、収容容器に収容された内容物(固体,液体,または気体)の特性に関するデータ(例えば、種類,濃度、製造年月日等)をその無線タグに記憶させる。このようにすれば、内容物に関する情報を非接触で容易に取得することができ、収容容器に収容された内容物を認識することができる。このような内容物の認識は、例えば、メタノール水溶液を直接燃料として発電するDMFC(直接メタノール型燃料電池)にとって必要となる。DMFCでは、円滑に発電し最大出力を得るために、燃料となるメタノール水溶液の濃度を管理することが重要である。
【特許文献1】特開平9−130999号公報
【特許文献2】特開2004−112646号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、従来の送受信システムでは、外部発信受信装置と無線型伝送装置との間において情報を非接触で必ず交換できることが前提になっている。つまり、無線型伝送装置が、通信可能範囲(外部発信受信装置と無線型伝送装置が通信可能な範囲)内に存在していることが前提になっている。したがって、無線型伝送装置が通信可能範囲内に存在しない場合については議論されていない。従来の送受信システムでは、外部発信受信装置からの信号に応じて無線型伝送装置が外部発信受信装置に交信するだけであり、無線型伝送装置の存在位置を検出するための工夫は、従来、提案されていない。
【0011】
また、液体や気体等の商品を収容容器に収容して取り扱う際に、収容容器に収容されている内容物の内容量を管理することが求められる場合が多い。例えば、DMFCにおいて、発電を継続させるためにはメタノール水溶液の残量を管理することが必要である。一般的に、内容物が液体の場合、内容量を管理する方法としては、内容物の導電性や誘電率に基づいて液面レベルを推計する方法や、超音波の反射を利用して液面レベルを推計する方法がある。しかしながら、液面レベルを推計するための回路の部品点数が多いので回路規模が大きくコストが高いので、実用性が低いと言う課題を有する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、無線型伝送装置の存在位置を検知することを目的とする。さらに詳しくは、本発明は、無線型伝送装置の存在位置を検知することによって内容量を管理することができるシステムを提供することを目的とする。
【0013】
この発明の1つの局面に従うと、送受信システムでは、搬送波を送信する外部発信受信装置と、搬送波を受信する無線型伝送装置との間で情報がやりとりされる。無線型伝送装置は、応答側送受信部と、返信信号供給部とを備える。応答側送受信部は、外部発信受信装置からの搬送波を受信する。返信信号供給部は、前記応答側送受信部における搬送波の受信状態に応じて前記搬送波に返信信号を重畳させる。上記外部発信受信装置は、発信側送受信部と、レベル設定部と、通信判断部と、発信側制御部とを備える。発信側送受信部は、搬送波を送信する。また、発信側送受信部は、搬送波に重畳された返信信号を受信する。レベル設定部は、発信側送受信部における搬送波の送信レベルを順次変更する。通信判断部は、外部発信受信装置からの返信の有無を判断する。発信側制御部は、通信判断部によって外部発信受信装置からの返信があると判断されると、発信側送受信部における搬送波の送信レベルに基づいて外部発信受信装置と上記無線型伝送装置との間の通信距離と求める。
【0014】
上記送受信システムでは、通信距離は、搬送波の送信レベルおよび搬送波の受信状態から求めることができる。無線型伝送装置は、搬送波の受信状態が予め定められた所定条件を満たしていると情報を返信するので、発信側制御部は、搬送波の送信レベルと通信距離との関係を利用して、通信距離を求めることができる。このように、無線型伝送装置までの距離を求めることができるので、無線型伝送装置の存在位置を検出することができる。
【0015】
好ましくは、上記レベル設定部は、上記発信側送受信部における搬送波の送信レベルを一方向に連続的または段階的に変化させる。上記発信側制御部は、上記通信判断部による判断結果が逆転すると、上記発信側送受信部における搬送波の送信レベルに基づいて上記通信距離を求める。
【0016】
上記送受信システムでは、例えば、レベル設定部は、搬送波の送信レベルを徐々に低くしていく。無線型伝送装置における搬送波の受信状態が所定条件を満たさなくなると、無線型伝送装置からの返信が途絶え、通信判断部による判断結果が「返信有り」から「返信無し」に変化する。このように通信判断部の判断結果が逆転するとき(すなわち、通信が行われている状態から通信が途絶えた状態に変化したとき)、搬送波の受信状態は予め定められた状態になっている。よって、発信側制御部は、搬送波の受信状態が予め定められた状態であるときの搬送波の送信レベルと通信距離との関係を利用して、通信距離を求めることができる。また、通信判断部による判断結果が「返信無し」から「返信有り」に変化した場合も、搬送波の受信状態は予め定められた状態になっている。
【0017】
好ましくは、上記発信側制御部は、上記搬送波の受信状態が所定条件を満たしている場合における搬送波の送信レベルと通信距離との対応関係を示す対応テーブルを有し、上記発信側送受信部における搬送波の送信レベルに対応する通信距離を上記対応テーブルの中から選択する。
【0018】
上記送受信システムでは、対応テーブルは、例えば、無線型伝送装置から返信が可能となるときの搬送波の送信レベルのうち最小の送信レベル(閾送信レベル)と通信距離との関係を示す。発信側制御部は、予め用意された対応テーブルを用いることによって、通信距離を求めることができる。
【0019】
また、外部発信受信装置は、発信側送受信部と、通信判断部と、発信側制御部とを備える。発信側送受信部は、外部発信受信装置と無線型伝送装置とが所定の距離になると無線型伝送装置からの返信が途絶えるように送信レベルが設定された搬送波を送信する。また、発信側送受信部は、搬送波に重畳された返信信号を受信する。通信判断部は、無線型送信装置からの返信の有無を判断する。発信側制御部は、通信判断部による判断結果に基づいて外部発信受信装置と無線型伝送装置との間の通信距離を判定する。
【0020】
上記送受信システムでは、無線型伝送装置からの返信が途絶えたとき、通信距離は予め定められた所定の距離を超えたと判断することができる。このように、既定距離と無線型伝送装置までの距離との長短関係を判定することができるので、無線型伝送装置の存在位置を検出することができる。
【0021】
好ましくは、上記無線型伝送装置は、上記応答側送受信部における搬送波の受信レベルが規定レベルを超えると、駆動電圧を生成する電圧生成部をさらに備える。上記返信信号供給部は、電圧生成部によって生成された駆動電圧によって駆動する。
【0022】
上記送受信システムでは、無線型伝送装置は、搬送波の受信レベルが予め定められたレベル(駆動電圧の生成が可能となるレベル)を超えたときに駆動する。
【0023】
好ましくは、上記無線型伝送装置は、上記応答側送受信部によって受信された搬送波の受信状態を検知する信号状態検知部と、信号状態検知部によって検知された搬送波の受信状態が所定条件を満たしているか否かを判断する応答側制御部とをさらに備える。上記返信信号供給部は、応答側制御部によって搬送波の受信状態が所定条件を満たしているとを判断されると、上記搬送波に上記返信信号を重畳させる。
【0024】
好ましくは、上記信号状態検知部は、上記応答側送受信部における搬送波の受信レベルを測定する。上記応答側制御部は、上記信号状態検知部によって測定された搬送波の受信レベルが所定レベルであるか否かを判断し、搬送波の受信レベルが所定レベルである場合に搬送波の受信状態が上記所定条件を満たしていると判断する。
【0025】
好ましくは、上記外部発信受信装置は、送信信号供給部をさらに備える。送信信号供給部は、上記搬送波を上記発信側送受信部へ供給するとともに、送信情報を搬送波に重畳させる。上記信号状態検知部は、上記応答側送受信部によって受信された搬送波に重畳された送信情報における誤り箇所の個数を計数する。上記応答側制御部は、上記信号状態検知部によって計数された誤り箇所数が所定数であるか否かを判断し、誤り箇所数が所定数である場合に搬送波の受信状態が上記所定条件を満たしていると判断する。
【0026】
また、上記送受信システムは、所定内容物を収容する収容容器をさらに備える。無線型伝送装置は、収容容器に収容された所定内容物の内容量の増減に応じて上記通信距離が変化するように収容容器に取り付けられる。
【0027】
上記送受信システムでは、無線型伝送装置の存在位置を検出することによって内容量を管理することができる。また、通信距離と内容量との関係が一義的であれば、通信距離から内容量を求めることができる。
【0028】
好ましくは、上記所定内容物は、液状である。上記収容容器は、上記所定内容物が収容される収容容器本体と、収容容器本体に収容された所定内容物の液面に浮遊する浮遊部材とを含む。上記無線型伝送装置は、浮遊部材に取り付けられる。
【0029】
上記送受信システムでは、収容容器に収容された内容物の内容量の増減に応じて液面が上昇または下降する。これに伴って、浮遊部材が上下に移動し通信距離が変化する。これにより、無線型伝送装置の存在位置を検出することによって内容量を管理することができる。また、通信距離と内容量との関係を一義的にするためには、例えば、外部発信受信装置の発信側送受信部を、浮遊部材の移動方向に対応する位置(例えば、浮遊部材の移動方向の延長線上)に配置すれば良い。
【0030】
好ましくは、上記収容容器は、上記所定内容物を収容する収容容器本体と、収容容器本体に内嵌され且つ上記所定内容物の内容量の増減に応じて移動する隔壁部材とを含む。上記無線型伝送装置は、隔壁部材に取り付けられる。
【0031】
上記送受信システムでは、収容容器に収容された内容物の内容量の増減に応じて隔壁部材が上下に移動し、通信距離が変化する。これにより、無線型伝送装置の存在位置を検出することによって内容量を管理することができる。また、通信距離と内容量との関係を一義的にするためには、例えば、外部発信受信装置の発信側送受信部を、隔壁部材の移動方向に対応する位置(例えば、隔壁部材の移動方向の延長線上)に配置すれば良い。
【0032】
好ましくは、上記収容容器は、所定内容物の内容量の増減に応じて外形状が伸縮する。上記無線型伝送装置は、収容容器に取り付けられる。
【0033】
上記送受信システムでは、収容容器に収容された内容物の内容量の増減に応じて通信距離も変化する。これにより、無線型伝送装置の存在位置を検出することによって内容量を管理することができる。また、通信距離と内容量との関係を一義的にするためには、例えば、外部発信受信装置の発信側送受信部を、収容容器の伸縮方向に対応する位置(例えば、伸縮方向の延長線上)に配置すれば良い。
【0034】
好ましくは、上記無線型伝送装置は、上記内容物に関する情報である内容物情報を記憶する記憶部をさらに備える。上記返信信号供給部は、記憶部に記憶された内容物情報を含む返信信号を上記搬送波に重畳させる。上記外部発信受信装置は、発信側送受信部によって受信された返信信号の中から内容物情報を検出する情報検出部をさらに備える。
【0035】
上記送受信システムでは、内容物の内容量と内容物に関する情報を同時に管理することができる。
【0036】
好ましくは、上記送受信システムは、液体燃料を用いて発電する発電部を含む燃料電池ユニットをさらに備える。上記収容容器は、発電部によって使用される液体燃料を収容する。
【0037】
上記送受信システムでは、無線型伝送装置の存在位置を検出することによって収容容器に収容された液体燃料の内容量を管理することができる。
【0038】
また、上記送受信システムは、所定輸液を収容する輸液収容容器と、輸液収容容器に収容された所定輸液の液面に浮遊する浮遊部材と、輸液収容容器を取り付ける容器取付部とをさらに備える。上記無線型伝送装置は、浮遊部材に取り付けられる。
【0039】
上記送受信システムでは、輸液収容容器に収容された輸液の内容量の増減に応じて液面が上昇または下降する。これに伴って、浮遊部材は上下に移動し通信距離は変化する。これにより、無線型伝送装置の存在位置を検出することによって輸液収容容器に収容された輸液量を管理することができる。また、通信距離と内容量との関係を一義的にするためには、例えば、外部発信受信装置の発信側送受信部を、浮遊部材の移動方向に対応する位置(例えば、容器取付部の容器取付部分)に配置すれば良い。
【0040】
また、上記送受信システムは、プリンタをさらに備える。プリンタは、プリンタ用紙を収容する給紙トレーと、給紙トレーが挿入されて給紙トレーを収納するトレー収納部を有するプリンタ本体とを含む。給紙トレーは、給紙トレー本体と、給紙トレー本体の内部に配置され且つプリンタ用紙が載置される給紙板と、給紙トレーの挿入方向において給紙板の一端部をその給紙板の一端部に対応する給紙トレー本体底面の一端部から離れる方向へ付勢する付勢部材とを含む。上記無線型伝送装置は、給紙板の一端部に取り付けられる。
【0041】
上記送受信システムでは、給紙板にプリンタ用紙が載置されると、付勢部材に抗して給紙板の一端部が給紙トレー本体底面に近づく。給紙板に載置されたプリンタ用紙の枚数が減少すると、付勢部材によって給紙板の一端部がトレー本体の底面から離れる方向へ移動して通信距離が変化する。このように、プリンタ用紙の枚数の増減に応じて通信距離が変化するので、無線型伝送装置の存在位置を検出することによって給紙トレーに収容されたプリンタ用紙の枚数を管理することができる。また、通信距離と用紙枚数との関係を一義的にするためには、例えば、外部発信受信装置の発信側送受信部を、給紙板の移動方向に対応する位置(例えば、トレー収納部の上部)に配置すれば良い。
【0042】
また、上記送受信システムは、プリンタをさらに備える。プリンタは、所定のインクを収容するインクカートリッジと、インクカートリッジに収容されたインクの液面に浮遊する浮遊部材と、インクカートリッジを内部に収納するカートリッジホルダー部を有するプリンタ本体とを含む。上記無線型伝送装置は、浮遊部材に取り付けられる。
【0043】
上記送受信システムでは、インクカートリッジに収容されたインクの内容量の増減に応じてインクの液面が上昇または下降する。これに伴って、浮遊部材は上下に移動し通信距離が変化する。これにより、無線型伝送装置の存在位置を検出することによってインクカートリッジに収容されたインクの内容量を管理することができる。また、通信距離と内容量との関係を一義的にするためには、例えば、外部発信受信装置の発信側送受信部を、浮遊部材の移動方向に対応する位置(例えば、カートリッジホルダー部の上部)に配置すれば良い。
【0044】
この発明のもう1つの局面に従うと、外部発信受信装置は、搬送波を受信し搬送波の受信状態に応じて返信信号を搬送波に重畳させる無線型伝送装置との間で情報をやりとりする。外部発信受信装置は、発信側送受信部と、レベル設定部と、通信判断部と、発信側制御部とを備える。発信側送受信部は、上記搬送波を送信する。また、発信側送受信部は、搬送波に重畳された返信信号を受信する。レベル設定部は、発信側送受信部における搬送波の送信レベルを順次変更する。通信判断部は、外部発信受信装置からの返信の有無を判断する。発信側制御部は、通信判断部によって外部発信受信装置からの返信があると判断されると、発信側送受信部における搬送波の送信レベルに基づいて外部発信受信装置と無線型伝送装置との間の通信距離と求める。
【0045】
また、外部発信受信装置は、発信側送受信部と、通信判断部と、発信側制御部とを備える。発信側送受信部は、外部発信受信装置と無線型伝送装置とが所定の距離になると無線型伝送装置からの返信が途絶えるように送信レベルが設定された搬送波を送信する。また、発信側送受信部は、搬送波に重畳された返信信号を受信する。通信判断部は、無線型伝送装置からの返信の有無を判断する。発信側制御部は、通信判断部による判断結果に基づいて外部発信受信装置と無線型伝送装置との間の通信距離を判定する。
【0046】
この発明のさらにもう1つの局面に従うと、送受信方法は、搬送波を送信する外部発信受信装置と、搬送波を受信し搬送波の受信状態に応じて情報を返信する無線型伝送装置との間で実行される。上記送受信方法は、レベル変更ステップと、通信判断ステップと、算出ステップとを備える。レベル変更ステップでは、外部発信受信装置において、搬送波の送信レベルを順次変更する。通信判断ステップでは、外部発信受信装置において、無線型伝送装置からの返信の有無を判断する。算出ステップでは、返信判断ステップにて無線型伝送装置からの返信があると判断されると、搬送波の送信レベルに基づいて外部発信受信装置と無線型伝送装置との間の距離を外部発信受信装置において求める。
【0047】
また、送受信方法は、搬送波送信ステップと、通信判断ステップと、距離判定ステップとを備える。搬送波送信ステップでは、外部発信受信装置において、外部発信受信装置と無線型伝送装置とが所定の距離になると無線型伝送装置からの返信が途絶えるように送信レベルが設定された搬送波を送信する。通信判断ステップでは、外部発信受信装置において、無線型伝送装置からの返信の有無を判断する。距離判定ステップは、通信判断ステップにおける判断結果に基づいて外部発信受信装置と無線型伝送装置との間の通信距離を外部発信受信装置において判定する。
【発明の効果】
【0048】
以上のように、外部発信受信装置と無線型伝送装置と間の通信距離を求めることができるので、無線型伝送装置の存在位置を検知することができる。また、所定の収容容器に収容された内容物の内容量を管理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0049】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一の符号を付しその説明は繰り返さない。
【0050】
(第1の実施形態)
<全体構成>
図1は、本発明の第1の実施形態による送受信システムの全体構成を示す。このシステムでは、外部発信受信装置10と無線型伝送装置20との間において、負荷変調方式に従って所定周波数の搬送波(ここでは、13.56MHzの周波数の電波)を用いて情報がやりとりされる。外部発信受信装置10は、例えばリーダ・ライタであり、非接触にて無線型伝送装置20との間で情報交換を行う装置である。無線型伝送装置20は、例えば、RFID(Radio Frequency Identification)タグであり、自己に固有のデータ列であるID情報を記憶している。
【0051】
外部発信受信装置10は、搬送波を送信するとともに搬送波の送信電力(搬送波の送信レベル)を順次変更する。また、外部発信受信装置10は、送信情報に基づいて搬送波を変調する。変調された搬送波は、送信信号として送信される。
【0052】
無線型伝送装置20は、外部発信受信装置10からの搬送波を受信し、搬送波から駆動するために必要となる駆動電圧を生成し、生成した駆動電圧にて動作する。また、無線型伝送装置20は、搬送波に重畳された送信情報に応答してID情報を読み出し、読み出したID情報を含む返信情報に基づいて自己のアンテナのインピーダンスを変化させる(搬送波を負荷変調する)。これにより、搬送波に返信信号が重畳される。
【0053】
また、外部発信受信装置10は、無線型伝送装置20からの返信の有無を判断する。外部発信受信装置10は、「返信有り」と判断すると、搬送波の送信レベルに基づいて無線型伝送装置20までの距離(通信距離)を求める。
【0054】
<信号レベルと通信距離との関係>
ここで、信号レベルと通信距離との関係について説明する。
【0055】
図2は、送信側の装置と受信側の装置との間の通信距離と受信側の装置が受信する信号の振幅レベル(信号の受信レベル)との関係を示す。図2のように、送信側の装置が送信する信号の振幅レベル(信号の送信レベル)が高くなる程、受信レベルは高くなる。また、通信距離が長くなる程、受信レベルは低くなる。送信レベルが高くなるにつれて、受信レベルと通信距離との関係は、「曲線A」,「曲線B」,「曲線C」と順番に変化する。また、送信レベルが一定である場合(例えば、曲線Aの場合)、通信距離が「D1」,「D2」,「D3」と増加する程、信号の受信レベルは「L1」,「L2」,「L3」と減少する。
【0056】
以上より、「通信距離」は、「外部発信受信装置10から送信される搬送波の振幅レベル(搬送波の送信レベル)」および「無線型伝送装置20における搬送波の振幅レベル(搬送波の受信レベル)」の関数として表現することができる。ここで、「搬送波の受信レベル」が予め定められた所定レベルになっているとすると、「搬送波の送信レベル」と「通信距離」との対応関係を一義的に決定することができる。
【0057】
<信号レベルと駆動電圧との関係>
図3は、無線型伝送装置20において生成される駆動電圧と無線型伝送装置20のアンテナ受信電力(搬送波の受信レベル)との関係を示すグラフである。無線型伝送装置20には、駆動電圧を生成するために最低限必要の搬送波の受信レベル(閾入力レベル)が存在する。無線型伝送装置20は、搬送波の受信レベルが閾入力レベル以上である場合には、駆動電圧を生成することができ、返信信号を送信することができる。一方、無線型伝送装置20は、搬送波の受信レベルが閾入力レベルよりも低い場合には、駆動電圧を生成することができず、返信信号を送信することができない。
【0058】
図4は、外部発信受信装置10における搬送波の送信レベルと無線型伝送装置20における搬送波の受信レベルとの関係を示すグラフである。図4のように、搬送波の受信レベルが閾入力レベルに達するためには、通信距離が長くなる程、搬送波の送信レベルを高くする必要がある。例えば、通信距離が「D1」であるとき、無線型伝送装置20において閾入力レベルを超える受信レベルを得るためには、外部発信受信装置10における搬送波の送信レベルは「L1」を超える値が必要となる。すなわち、搬送波の送信レベルが「L1」を超えれば、無線型伝送装置20は、返信可能である。この場合、送信レベル「L1」が、無線型伝送装置20からの返信を得るために必要な送信レベルのうち最小の送信レベル(閾送信レベル)である。図4から分かるように、閾送信レベルは、通信距離に依存し、通信距離が長くなる程、高くなる。通信距離と閾送信レベルとの関係を利用すれば、外部発信受信装置10は、無線型伝送装置20からの返信の有無に基づいて、搬送波の受信レベルを把握することができる。
【0059】
<外部発信受信装置の内部構成>
図5は、図1に示した外部発信受信装置10の内部構成を示す。外部発信受信装置10は、制御部11と、送信信号供給部12と、送受信部13と、レベル設定部14と、復号部15と、通信判断部16を備える。
【0060】
制御部11は、例えばマイコンであり、ホストコンピュータからの命令に応答して動作する。制御部11は、送信情報を複数回出力する一方、互いに異なる送信レベルを示す複数のレベル情報を順次出力する。送信情報には、無線型伝送装置20に対して所定情報(例えば、ID情報)の返信を指示する命令(返信命令情報)が含まれる。
【0061】
送信信号供給部12は、搬送波を供給する。また、送信信号供給部12は、制御部11からの送信情報に基づいて搬送波を振幅変調し、搬送波に送信情報を重畳させる。
【0062】
送受信部13は、同調コンデンサC1と、可変抵抗R1と、送受信コイルL1とを含む。送信信号供給部12から送受信部13へ搬送波が供給されると、その搬送波に応じた電磁波が送受信コイルL1から発信される。また、無線型伝送装置20において負荷変調が実行されると、送受信部13における搬送波にその負荷変調に応じた成分(返信信号)が重畳される。すなわち、送受信部13は、無線型伝送装置20からの返信信号を受信する。返信信号には、所定情報(ここでは、無線型伝送装置20に固有のID情報)が含まれている。このようにして、送受信部13は、搬送波を送信する一方、搬送波に重畳された返信信号を受信する。
【0063】
レベル設定部14は、制御部11からのレベル情報に基づいて、送受信部13から送信される搬送波の振幅レベル(搬送波の送信レベル)を順次変更する。詳しくは、レベル設定部14は、搬送波の送信レベルがレベル情報に示された送信レベルになるように、送受信部13の可変抵抗R1の抵抗値を調整する。
【0064】
復号部15は、送受信部13における搬送波の中から返信信号を抽出する。また、復号部15は、抽出した返信信号に対して、増幅処理,復調化処理,および復号化処理を実行して返信情報を復元する。さらに、復号部15は、復元した返信情報の中から所定情報(ここでは、ID情報)を検出する。
【0065】
通信判断部16は、無線型伝送装置20からの返信の有無を判断する。例えば、通信判断部16は、復号部15によって返信信号が抽出された場合には無線型伝送装置20からの返信があった(返信有り)と判断し、返信信号が抽出されなかった場合には返信がなかった(返信無し)と判断する。
【0066】
また、制御部11は、通信判断部16によって「返信有り」と判断されると、送受信部13における搬送波の送信レベルに基づいて通信距離を求める。さらに、制御部11は、求めた通信距離を示す距離情報と復号部15によって検出されたID情報とを含む測定結果情報をホストコンピュータへ出力する。
【0067】
<制御部の内部構成>
制御部11は、送信情報出力部121と、レベル指定部122と、記憶部123と、距離決定部124と、測定結果出力部125とを含む。
【0068】
送信情報出力部121は、ホストコンピュータからの命令に応答して、送信情報を複数回出力する。レベル指定部122は、搬送波の送信レベルを示すレベル情報を出力する。また、レベル指定部122は、送信情報出力部121から送信情報が出力されるたびに、レベル情報に示された送信レベルを変更する。記憶部123は、搬送波の送信レベルと通信距離との対応関係を示すレベル情報対応テーブルを格納する。距離決定部124は、通信判断部16によって「返信有り」と判断されると、レベル指定部122から出力されたレベル情報を取得し、取得したレベル情報に示された送信レベルに対応する通信距離を記憶部123に格納されたレベル情報対応テーブルの中から選択する。このようにして、距離決定部124は、通信距離を求める。測定結果出力部125は、距離決定部124によって求められた通信距離を示す距離情報と復号部15によって検出されたID情報とを含む測定結果情報をホストコンピュータへ出力する。
【0069】
<レベル情報対応テーブル>
図6は、レベル情報対応テーブルの一例を示す。レベル情報対応テーブルは、無線型伝送装置20における搬送波の受信レベルが所定レベル(閾入力レベル)である場合における「搬送波の送信レベル」と「通信距離」との対応関係を示す。つまり、レベル情報対応テーブルは、「閾送信レベル」と「通信距離」との対応関係を示す。レベル情報対応テーブルにおいて、送信レベルが高くなる程、その送信レベルに対応する通信距離は長くなる。
【0070】
レベル情報対応テーブルは、例えば、次のような手順に従って作成される。
[ステップ1]:外部発信受信装置10における搬送波の送信レベルを設定する。
[ステップ2]:無線型伝送装置20を外部発信受信装置10から遠ざけつつ、外部発信受信装置10において無線型伝送装置20からの返信が検知されたか否かを監視する。
[ステップ3]:外部発信受信装置10において無線型伝送装置20からの返信が検知されている状態から無線型伝送装置20からの返信が検知されなくなった状態へ変化したとき(無線型伝送装置20からの返信が途絶えたとき)の通信距離を[ステップ1]において設定した搬送波の送信レベルに対応付ける。
【0071】
また、無線型伝送装置20を外部発信受信装置10に近づけていき、外部発信受信装置10において無線型伝送装置20からの返信が検知されていない状態(返信無し)から無線型伝送装置20からの返信が検知される状態(返信有り)へ変化したときの通信距離を[ステップ1]において設定した搬送波の送信レベルに対応付けても良い。
【0072】
<<送信信号供給部の内部構成>>
図7は、図5に示した送信信号供給部12の内部構成を示す。送信信号供給部12は、符号化処理部101と、誤り訂正符号付加部102と、送信データ生成部103と、変調回路104とを含む。
【0073】
符号化処理部101は、制御部11からの送信情報を符号化して、送信データを生成する。誤り訂正符号付加部102は、符号化処理部101によって生成された送信データに対して所定演算を実行して、誤り訂正符号を生成する。誤り訂正符号付加部102は、例えば、リードソロモン符号である。その後、誤り訂正符号付加部102は、生成した誤り訂正符号を送信データに付加する。送信データ生成部103は、誤り訂正符号付加部102からの送信データ(誤り訂正符号が付加された送信データ)に対して、ヘッダを付加する。ヘッダには、同期信号や通信開始識別子が含まれる。変調回路104は、送信データ生成部103からの送信データ(ヘッダが付加された送信データ)に基づいて搬送波を変調する。例えば、変調回路104は、送信データ生成部103からの送信データのデータ値が「1」である期間では振幅レベルが高い搬送波(例えば、振幅レベルが100Vである搬送波)を送受信部13へ供給し、送信データのデータ値が「0」である期間では振幅レベルが比較的低い搬送波(例えば、振幅レベルが90Vである搬送波)を送受信部13へ供給する。なお、この搬送波は、発振器(図示せず)等によって生成される。また、変調回路104は、送信データ生成部103からの送信データの出力が完了すると、一定振幅の搬送波を供給する。例えば、一定振幅の搬送波を供給するために、制御部11がデータ値が「1」である所定データを変調回路104へ出力し、変調回路104が振幅レベルが比較的高い方の搬送波を一定振幅搬送波として供給する。
【0074】
ここで、外部発信受信装置10から送信される搬送波について説明する。外部発信受信装置10において、変調回路104は、搬送波(図8A)を送信データ(図8B)に基づいて振幅変調する。また、送受信部13における搬送波の送信レベルは、レベル情報に示された送信レベル(図8C)になる。したがって、送受信部13から送信される搬送波(送信搬送波)は、図8Dのようになる。
【0075】
<<復号部の内部構成>>
図9は、図5に示した復号部15の内部構成を示す。復号部15は、受信増幅回路105と、復調回路106と、誤り訂正回路107と、復号化処理部108と、情報検出部109とを含む。
【0076】
受信増幅回路105は、送受信部13における搬送波の中から返信信号に相当する成分を抽出する。ここでは、受信増幅回路105は、所定の周波数帯域(ここでは、返信データのデータ値「1」に相当する周波数帯域であり、13.56MHz±212kHz)を抽出する。また、受信増幅回路105は、抽出した返信信号の振幅レベルを既定レベルに増幅する。例えば、受信増幅回路105は、送信信号供給部12によって供給される一定振幅搬送波の送信レベルを基準として、返信信号を増幅する。または、受信増幅回路105は、搬送波の送信レベルに関わらず、返信信号の振幅レベルを常に1Vp-pの一定振幅になるように自動調整しても良い。復調回路106は、受信増幅回路105によって増幅された返信信号を復調して、返信データを生成する。なお、この返信データには、ヘッダと誤り訂正符号とが付加されている。誤り訂正回路107は、復調回路106からの返信データに付加された誤り訂正符号を用いて、返信データに対して誤り訂正処理を実行する。復号化処理部108は、誤り訂正回路107によって訂正処理が実行された返信データを復号化して、返信情報を生成する。返信情報には、ID情報が含まれている。情報検出部109は、復号化処理部108によって生成された返信情報の中からID情報を検出する。
【0077】
通信判断部16は、受信増幅回路105によって返信信号が抽出されると、「返信有り」と判断する。
【0078】
<無線型伝送装置の内部構成>
図10は、図1に示した無線型伝送装置20の内部構成を示す。無線型伝送装置20は、記憶部21と、送受信部22と、電圧生成部23と、復号部24と、制御部25と、返信信号供給部26とを備える。
【0079】
記憶部21は、例えばEEPROMであり、この無線型伝送装置20に固有のID情報を示すデータ列を格納する。
【0080】
送受信部22は、送受信コイルL2と、同調コンデンサC2と、直列抵抗R2と、スイッチSWとを含む。送受信コイルL2が外部発信受信装置10からの電磁波を受信すると、電磁誘導により送受信部22には電磁波に応じた交流電圧が発生する。すなわち、送受信部22は、外部発信受信装置10からの搬送波を受信する。
【0081】
電圧生成部23は、整流ダイオードD3と、平滑コンデンサC3と、ツェナーダイオードZDとを含む。電圧生成部23は、送受信部22に発生した交流電圧を用いて、無線型伝送装置20内の各ブロックを駆動させるための駆動電圧を生成する。詳しくは、送受信部22において発生した交流電圧が電圧生成部23に入力されると、整流ダイオードD3および平滑コンデンサC3は、交流電圧を整流して直流電圧を生成する。また、ツェナーダイオードZDは、整流ダイオードD3と平滑コンデンサC3によって生成された直流電圧が所定レベルになるように直流電圧の電圧レベルを制限する。詳しくは、ツェナーダイオードZDは、直流電圧の電圧レベルが所定の上限レベルよりも高いときにはその上限レベル以下になるように電圧レベルを抑制する。このようにして、駆動電圧が生成されて、無線型伝送装置20内の各ブロックが駆動する。また、駆動電圧の電圧レベルを所定範囲内に収めることができ、電圧が高すぎて各ブロックが破壊されることを防止することができる。
【0082】
復号部24は、送受信部22によって受信された搬送波に対して復調化処理および復号化処理を実行して、送信情報を復元する。
【0083】
制御部25は、復号部24によって復元された送信情報に含まれる返信命令情報に応答して、記憶部21に格納されたID情報を読み出す。さらに、制御部25は、記憶部21から読み出したID情報を含む返信情報を出力する。
【0084】
返信信号供給部26は、制御部25からの返信情報に基づいて、送受信部22におけるインピーダンスを変化させる。詳しくは、返信信号供給部26は、返信情報に基づいてスイッチSWをオン/オフする。スイッチSWがオン/オフすることによって送受信部22のインピーダンスが変化して、送受信部22において搬送波が負荷変調される。この負荷変調によって、外部発信受信装置10の送受信部13における搬送波に対して返信情報に対応する成分(返信信号)が重畳される。
【0085】
<<復号部の内部構成>>
図11は、図10に示した復号部24の内部構成を示す。復号部24は、復調回路201と、誤り訂正回路202と、復号化処理部203とを含む。
【0086】
復調回路201は、送受信部22によって受信された搬送波を受ける。また、復調回路201は、送信信号(送信データに基づいて変調された搬送波)を復調して、送信データを生成する。なお、この送信データには、ヘッダと誤り訂正符号とが付加されている。誤り訂正回路202は、復調回路201によって生成された送信データに付加された誤り訂正符号を用いて、送信データに対して誤り訂正処理を実行する。復号化処理部203は、誤り訂正回路202によって訂正処理が実行された送信データを復号化して、送信情報を生成する。ここでは、送信情報には、返信命令情報が含まれている。送信情報は、制御部25に供給される。
【0087】
<<返信信号供給部の内部構成>>
図12は、図10に示した返信信号供給部26の内部構成を示す。返信信号供給部26は、符号化処理部204と、誤り訂正符号付加部205と、返信データ生成部206と、変調回路207とを含む。
【0088】
符号化処理部204は、制御部25からの返信情報を符号化して、返信データを生成する。誤り訂正符号付加部205は、符号化処理部204によって生成された返信データに対して所定演算を実行して、誤り訂正符号を生成する。そして、誤り訂正符号付加部205は、生成した誤り訂正符号を返信データに付加する。返信データ生成部206は、誤り訂正符号付加部205からの返信データ(誤り訂正符号が付加された返信データ)に対して、ヘッダを付加する。ヘッダには、同期信号や通信開始識別子が含まれる。変調回路207は、返信データに基づいて、送受信部22のスイッチSWをオン/オフする。例えば、スイッチSWは、変調回路207からの出力が「Hレベル」である場合ではオンになり、変調回路207からの出力が「Lレベル」である場合にはオフになる。ここでは、変調回路207は、返信データ生成部206からの返信データのデータ値が「1」である期間では送受信部22のスイッチSWを特定の周波数(例えば、副搬送波(ここでは、212kHz(=13.56MHz/64)))でオン/オフし、返信データのデータ値が「0」である期間ではスイッチSWをオフにする。なお、副搬送波は、例えば、無線型伝送装置20内の副搬送波生成部(図示せず)によって生成される。副搬送波生成部は、送受信部22によって受信された搬送波からクロック信号を生成し、そのクロック信号を分周することによって副搬送波を生成する。
【0089】
ここで、無線型伝送装置20によって搬送波に重畳される返信信号について説明する。図13A〜図13Cのように、無線型伝送装置20において、副搬送波(図13A)は、返信データ(図13B)に基づいて変調されて、変調副搬送波(図13C)になる。また、図13D,図13Eのように、送受信部22のスイッチSWが変調副搬送波に応じてオン/オフすることによって搬送波(図13D)が負荷変調されて、変調副搬送波に相当する成分が搬送波に重畳される(図13E)。外部発信受信装置10では、図13Fのように、変調副搬送波に相当する成分が抽出される。
【0090】
<動作>
次に、本実施形態による送受信システムによる動作について説明する。なお、ここでは、制御部11は、レベル情報に示された送信レベルを「Level1」から一段階ずつ高くしていくものとする。例えば、制御部11は、振幅レベル「Level1」を示すレベル情報の出力を完了すると、振幅レベル「Level2」を示すレベル情報を出力する。
【0091】
まず、外部発信受信装置10において、制御部11(送信情報出力部121)は、送信情報を送信信号供給部12へ出力し、送信信号供給部12は、制御部11からの送信情報に基づいて搬送波を変調する。一方、制御部11(レベル指定部122)は、送信レベル「Level1」を示すレベル情報をレベル設定部14へ出力し、レベル設定部14は、送受信部13における搬送波の送信レベルを「Level1」に設定する。これにより、送受信部13は、送信レベルが「Level1」であり且つ送信情報が重畳された搬送波(送信信号)を送信する。送信信号の送信が完了すると、送受信部13は、送信レベルが「Level1」である一定振幅の搬送波を送信する。
【0092】
次に、送信情報出力部121は、送信情報を再び出力する。レベル指定部122は、レベル情報に示された送信レベルを「Level1」から「Level2」に変更し、レベル設定部14は、送受信部13における搬送波の送信レベルを「Level2」に変更する。これにより、送受信部13は、送信レベルが「Level2」であり且つ送信情報が重畳された搬送波(送信信号)を送信する。また、送信信号の送信が完了すると、送受信部13は、送信レベルが「Level2」である一定振幅搬送波を送信する。
【0093】
このように、送信情報が重畳された搬送波(送信信号)の送信が繰り返されるとともに、送信信号が送信されるたびに搬送波の送信レベルが変更される。
【0094】
一方、無線型伝送装置20において、送受信部22は、外部発信受信装置10からの搬送波を受信する。送受信部22における搬送波の受信レベルが規定レベル(閾入力レベル)以上であれば、電圧生成部23によって駆動電圧が生成され、復号部24,制御部25,および返信信号供給部26は駆動状態になる。これにより、制御部25は、復号部24によって復元された送信情報(返信命令情報)に応答して、記憶部21に格納されたID情報を含む返信情報を出力する。また、返信信号供給部26は、制御部25からの返信情報に基づいて送受信部22のインピーダンスを変化させ、ID情報を含む返信信号を搬送波に重畳させる。
【0095】
このように、搬送波の受信レベルが閾入力レベル以上である場合には返信信号が送信され、搬送波の受信レベルが閾入力レベルよりも低い場合には返信信号が送信されない。
【0096】
また、外部発信受信装置10において、通信判断部16は、無線型伝送装置20からの返信の有無を判断する。通信判断部16によって「返信有り」と判断されると、制御部11では、距離決定部124は、レベル指定部122から出力されたレベル情報を取得する。次に、距離決定部124は、取得したレベル情報に示された送信レベルに対応する通信距離をレベル情報対応テーブルの中から選択する。このようにして、制御部11は、送受信部13における搬送波の送信レベルに基づいて、通信距離を求める。
【0097】
次に、測定結果出力部125は、距離決定部124によって求められた通信距離と復号部15によって検出されたID情報とを取得し、通信距離を示す距離情報およびID情報を測定結果情報に書き込み、ホストコンピュータへ出力する。これにより、ホストコンピュータは、外部発信受信装置10と無線型伝送装置20との距離を把握することができる。
【0098】
<<通信距離の算出>>
例えば、送受信部13における搬送波の送信レベルが「Level2」であるときに通信判断部16が初めて「受信有り」と判断すると、距離決定部124は、レベル情報対応テーブルの中から送信レベル「Level2」に対応する通信距離「D2」を選択する。この後、搬送波の送信レベルは一段階ずつ高くなっていくので、無線型伝送装置20は返信可能であり、通信判断部16は「返信有り」と判断するであろう。だが、ここでは、最初に「返信有り」と判断されたときの搬送波の送信レベルを距離決定部124が取得できれば通信距離を求めることができる。よって、通信距離が求められた後は、距離決定部124は、通信距離の算出を実行しなくても良い。
【0099】
<<受信判定について>>
また、外部発信受信装置10において、通信判断部16がID情報の検出の有無に基づいて無線型伝送装置20からの返信の有無を判断しても構わない。この場合、通信判断部16は、復号部15によってID情報が検出された場合には「返信有り」と判断し、ID情報が検出されない場合には「返信無し」と判断する。このように、ID情報の検出の有無によって返信の有無を判断することによって、複数の無線型伝送装置20が存在していても、特定の無線型伝送装置との通信距離を求めることができる。また、複数の無線型伝送装置に対して送信信号を順次送信して全ての無線型伝送装置からの返信信号を受信した後、その複数の無線型伝送装置の各々との通信距離を取得することも可能である。
【0100】
<効果>
以上のように、搬送波の送信レベルに基づいて通信距離を求めることができ、無線型伝送装置の存在位置を検知することができる。また、通信距離を求めるとともに無線型伝送装置に記憶された情報を取得することができる。
【0101】
なお、搬送波の送信レベルを段階的に(すなわち、デジタル的に)変化させる例について説明したが、搬送波の送信レベルを連続的に(すなわち、アナログ的に)変化させる場合でも、同様の効果を得ることができる。
【0102】
また、本実施形態では、送信信号が送信されるたびに搬送波の送信レベルが一段階ずつ高くなる場合について説明したが、一段階ずつ低くなっていく場合でも通信距離を求めることが可能である。この場合、制御部11の距離決定部124は、通信判断部16によって最後に「返信有り」と判断されると、通信距離の算出を実行する。すなわち、搬送波の送信レベルが連続的または段階的に一方向に変化する場合、制御部11は、通信判断部16による判断結果が逆転すると、通信距離の算出を実行する。
【0103】
また、搬送波の送信レベルの最小値および最大値は、外部発信受信装置10に対して無線型伝送装置20がどの程度の範囲を移動するのか(無線型伝送装置20の可動範囲)に応じて適宜決定すれば良い。
【0104】
また、搬送波の送信レベルと通信距離との関係を数式化しても良い。つまり、制御部11の距離決定部124は、レベル情報対応テーブルを用いずに、レベル指定部122から取得したレベル情報に示された送信レベルに対して、搬送波の送信レベルと通信距離との関係に基づいた所定の演算を施すことによって、通信距離を算出しても良い。
【0105】
さらに、無線型伝送装置20の記憶部21にID情報以外の情報(例えば、無線型伝送装置が取り付けられる商品に関する情報)が書き込まれていても構わない。
【0106】
また、搬送波の送信レベルを一定として搬送波の周波数を変動させても良い。すなわち、搬送波の周波数を基本周波数からずらすと、搬送波の送信レベルを低くした場合と同様に無線型伝送装置における搬送波の受信レベルを低くなる。このように、搬送波の周波数を順次変更することによって、通信距離を求めることも可能である。
【0107】
(負荷変調方式の変形例)
なお、搬送波に重畳される成分は、返信データに基づいて変調された副搬送波ではなく、返信データであっても良い。この場合、変調回路207は、返信データ生成部206からの返信データを所定の転送レート(副搬送波の周波数に応じた転送レート)で送受信部22のスイッチSWへ出力する。変調回路207は、返信データのデータ値が「1」である区間ではスイッチSWをオンにし、返信データのデータ値が「0」である区間ではスイッチSWをオフにする。
【0108】
例えば、図14A,図14Bのように、無線型伝送装置20において、変調回路207は、副搬送波の周波数に基づいて、返信データを送受信部22のスイッチSWへ出力する。また、図14C,図14Dのように、送受信部22のスイッチSWが返信データに応じてオン/オフすることによって搬送波が負荷変調されて、返信データに相当する成分が一定振幅搬送波に重畳される。外部発信受信装置10では、図14Eのように、返信データに相当する成分が抽出される。
【0109】
(第2の実施形態)
また、レベル設定部14によって外部発信受信装置10における搬送波の送信レベルを順次変更せずに搬送波の送信レベルを固定した場合でも、無線型伝送装置の存在位置を検出することは可能である。
【0110】
<構成>
本発明の第2の実施形態による送受信システムは、図1に示した送受信システムと構成は同様であるが、外部発信受信装置10の構成が異なる。なお、無線型伝送装置20の構成は、第1の実施形態(図10)と同様である。
【0111】
図15は、本実施形態における外部発信受信装置10の構成を示す。図15に示した外部発信受信装置10では、図5に示した外部発信受信装置10からレベル設定部14が削除されている。また、送受信部13の可変抵抗R1の抵抗値の設定および制御部11による処理が異なる。その他の構成は、図5と同様である。
【0112】
送受信部13の可変抵抗R1の抵抗値は、搬送波の送信レベルが所定レベルになるように設定されている。すなわち、送受信部13における搬送波の送信レベルは、無線型伝送装置20と外部発信受信装置10との間の通信距離が予め定められた距離(既定距離)を超えたときに無線型伝送装置20からの返信が途絶えるように設定されている。
【0113】
制御部11は、無線型伝送装置20からの返信が途絶えると、外部発信受信装置10と無線型伝送装置20との間の通信距離が既定距離を超えたと判断する。詳しくは、制御部11は、レベル指定部122,記憶部123,および距離決定部124に代えて、距離判定部126を含む。距離判定部126は、通信判断部16による判定結果が「返信有り」から「返信無し」になると通信距離が既定距離を超えたと判定する。また、距離判定部126は、通信判断部16による判定結果が「返信無し」から「返信有り」になると通信距離が既定距離より短くなったと判定する。測定結果出力部125は、通信距離を示す距離情報に代えて、距離判定部126による判定結果を示す距離情報を測定結果情報に書き込み、ホストコンピュータへ出力する。
【0114】
<動作>
外部発信受信装置10に対して無線型伝送装置20が遠ざかり通信距離が既定距離よりも長くなると、無線型伝送装置20における搬送波の受信レベルは閾入力レベルよりも低くなり、無線型伝送装置20からの返信が途絶える。このとき、外部発信受信装置10では、通信判断部16の判断結果が「返信有り」から「返信無し」へ変化し、制御部11の距離判定部126は、「通信距離が既定距離を超えた」と判定する。
【0115】
一方、無線型伝送装置20が近づいて通信距離が既定距離よりも短くなると、無線型伝送装置20における搬送波の受信レベルは閾入力レベルを超え、無線型伝送装置20からの返信が始まる。このとき、外部発信受信装置10では、通信判断部16の判断結果が「返信無し」から「返信有り」へ変化し、制御部11の距離判定部126は、「通信距離が既定距離よりも短くなった」と判定する。
【0116】
<効果>
以上のように、無線型伝送装置からの返信の有無に基づいて通信距離と既定距離との長短関係を判定することができ、無線型伝送装置の存在位置を検知することができる。また、通信距離を求めるとともに無線型伝送装置に記憶された情報を取得することができる。
【0117】
(無線型伝送装置の変形例)
無線型伝送装置は、図10に示した構成に限らず、搬送波の受信状態(例えば、搬送波の受信レベル、搬送波に発生する誤り箇所数)に応じて搬送波に返信信号を重畳させる構成であれば良い。以下に、第1の実施形態の変形例を例に挙げて説明する。
【0118】
<構成>
本発明の第1の実施形態の変形例による送受信システムは、図1に示した送受信システムと構成は同様であるが、無線型伝送装置20の構成が異なる。なお、外部発信受信装置10の構成は、第1の実施形態(図5)と同様である。無線型伝送装置20は、外部発信受信装置10からの搬送波を受信し、搬送波の受信状態が所定条件を満たしている場合に搬送波に返信信号を重畳させる。
【0119】
<誤り箇所数と通信距離との関係>
ここで、信号の誤り箇所数と通信距離との対応関係について説明する。
【0120】
図16Aは、信号の送信レベルが一定である場合における「通信距離」と「通信S/N」との関係を示す。図2のように、信号の送信レベルが一定である場合、通信距離が長くなる程、信号の受信レベルは低くなる。ここで、送信側の装置と受信側の装置と間の通信経路におけるノイズが一定であるとすると、図16Aのように、通信距離が長くなる程、通信S/Nは小さくなり、受信側の装置が受信する信号に誤り箇所が発生しやすくなる。
【0121】
図16Bは、信号の送信レベルが一定である場合における「誤り率(受信側の装置が受信する信号における誤り率)」と「通信S/N」との関係を示す。信号の送信レベルが一定である場合、通信S/Nは小さくなる程、受信側の装置が受信する信号における誤り率が高くなる。
【0122】
図16Cは、信号の送信レベルが一定である場合における「誤り箇所数(受信側の装置が受信する信号に発生する誤り箇所の個数)」と「通信距離」との関係を示す。図16A,図16Bより、通信距離が長くなる程、受信側の装置が受信する信号における誤り箇所数は多くなる。
【0123】
以上より、「通信距離」は、「搬送波の送信レベル」および「無線型伝送装置20が受信する搬送波に重畳された送信情報における誤り箇所数」の関数として表現することができる。ここで、「誤り箇所数」が予め定められた所定数になっていると、「搬送波の送信レベル」と「通信距離」の対応関係を一義的に決定することができる。
【0124】
また、図2の説明より、「通信距離」は、「搬送波の送信レベル」と「搬送波の受信レベル」の関数として表現することも可能である。以上をまとめると、「通信距離」は、「搬送波の送信レベル」および「搬送波の受信状態」の関数として表現することができる。ここで、「搬送波の受信状態」が予め定められた状態になっていると、「搬送波の送信レベル」と「通信距離」の対応関係を一義的に決定することができる。
【0125】
<無線型伝送装置の内部構成>
図17は、本変形例における無線型伝送装置20の内部構成を示す。無線型伝送装置20は、信号状態検知部27と、制御部28と、図10に示した記憶部21,送受信部22,電圧生成部23,復号部24,返信信号供給部26とを備える。
【0126】
信号状態検知部27は、送受信部22における搬送波の受信状態(送受信部22によって受信された搬送波の信号状態)を検知する。制御部28は、信号状態検知部27によって検知された搬送波の受信状態が所定条件を満たしていると判断すると、返信情報を出力する。
【0127】
<<制御部の内部構成>>
制御部28は、信号状態判断部221と、ID読出部222と、返信情報出力部223とを含む。
【0128】
信号状態判断部221は、信号状態検知部27によって検知された搬送波の受信状態が予め定められた所定条件を満たしているか否かを判断し、所定条件を満たしている場合には「受信有り」と判断し、所定条件を満たしていない場合には「受信無し」と判断する。
【0129】
ID読出部222は、復号部24によって復元された送信情報に含まれる返信命令情報に応答して、記憶部21に格納されたID情報を読み出す。返信情報出力部223は、信号状態判断部221によって「受信有り」と判定されると、ID読出部222によって読み出されたID情報を含む返信情報を出力する。
【0130】
<<復号部および信号状態検知部の内部構成>>
図18は、図17に示した復号部24および信号状態検知部27の内部構成を示す。復号部24は、図11と同様の構成である。信号状態検知部27は、受信レベル測定部211と、誤り箇所計数回路212とを含む。
【0131】
受信レベル測定部211は、送受信部22によって受信された搬送波の振幅レベル(搬送波の受信レベル)を測定する。誤り箇所計数回路212は、誤り訂正回路202において誤り訂正処理が実行される送信データに発生している誤り箇所の個数を計数する。
【0132】
<レベル情報対応テーブル>
本変形例において記憶部123に格納されるレベル情報対応テーブルは、無線型伝送装置20における搬送波の受信状態が予め定められた状態である場合における「搬送波の送信レベル」と「通信距離」との対応関係を示す。換言すれば、このレベル情報対応テーブルは、「通信距離」と「無線型伝送装置において搬送波の受信状態が予め定められた状態になるために最低限必要とされる搬送波の送信レベル」との対応関係を示す。ここで、搬送波の受信状態が予め定められた状態である場合とは、例えば、搬送波の受信レベルが所定レベル(予め定められた受信レベル)である場合,または、搬送波に重畳された送信情報における誤り箇所数が所定数(予め定められた個数)である場合を意味する。レベル情報対応テーブルにおいて、振幅レベルが高くなる程、その振幅レベルに対応する通信距離は長くなる。
【0133】
このレベル情報対応テーブルは、例えば、次のような手順に従って作成される。
[ステップ1]:無線型伝送装置20における搬送波の受信状態が満たすべき条件(例えば、受信レベルが所定レベルよりも高いという条件、または、誤り箇所数が所定値よりも少ないという条件)を決定する。
[ステップ2]:外部発信受信装置10における搬送波の送信レベルを設定する。
[ステップ3]:無線型伝送装置20を外部発信受信装置10から遠ざけつつ、外部発信受信装置10において無線型伝送装置20からの返信が検知されたか否かを監視する。
[ステップ4]:外部発信受信装置10において無線型伝送装置20からの返信が検知されている状態から無線型伝送装置20からの返信が検知されなくなった状態へ変化したとき(無線型伝送装置20からの返信が途絶えたとき)の通信距離を[ステップ2]において設定した搬送波の送信レベルに対応付ける。
【0134】
また、無線型伝送装置20を外部発信受信装置10に近づけていき、外部発信受信装置10において無線型伝送装置20からの返信が検知されていない状態(返信無し)から無線型伝送装置20からの返信が検知される状態(返信有り)へ変化したときの通信距離を[ステップ2]において設定した搬送波の送信レベルに対応付けても良い。
【0135】
<動作>
本実施形態による送受信システムによる動作について説明する。なお、ここでは、制御部11は、第1の実施形態と同様に、レベル情報に示された送信レベルを「Level1」から一段階ずつ高くしていくものとする。
【0136】
まず、第1の実施形態と同様に、外部発信受信装置10において、送信情報が重畳された搬送波(送信信号)の送信が繰り返されるとともに、送信信号が送信されるたびに搬送波の送信レベルが変更される。
【0137】
一方、無線型伝送装置20において、送受信部22は、外部発信受信装置10からの搬送波を受信する。制御部28において、信号状態判断部221は、信号状態検知部27よって検知された搬送波の受信状態が所定条件(例えば、レベル情報対応テーブルの作成時に決定された所定条件)を満たしているか否かを判断する。詳しくは、信号状態判断部221は、受信レベル測定部211によって測定された受信レベルが予め定められた受信レベル(例えば、レベル情報対応テーブルの作成時に決定された所定レベル)よりも高い場合、搬送波の受信状態が所定条件を満たしていると判断して「受信有り」と判断する。または、信号状態判断部221は、誤り箇所計数回路212によって計数された誤り箇所数が予め定められた誤り箇所数(例えば、レベル情報対応テーブル作成時に決定された所定数)よりも少ない場合、「受信有り」と判断する。また、ID読出部222は、復号部24によって復元された送信情報に含まれる返信命令情報に応答して、記憶部21に格納されたID情報を読み出す。
【0138】
ここで、信号状態判断部221によって「受信有り」と判定されると、返信情報出力部223は、ID読出部222によって読み出されたID情報を取得し、ID情報を返信情報に書き込み、返信情報を返信信号供給部26へ出力する。返信信号供給部26は、制御部28(返信情報出力部223)からの返信情報に基づいて送受信部22のインピーダンスを変化させる。これにより、ID情報を含む返信信号が搬送波に重畳される。
【0139】
このように、搬送波の受信状態が所定条件を満たしている場合には返信信号が送信され、搬送波の受信状態が所定条件を満たしていない場合には返信信号が送信されない。
【0140】
次に、第1の実施形態と同様に、外部発信受信装置10の制御部11において、距離決定部124は、通信判断部16によって「返信有り」と判断されると、レベル指定部122から出力されたレベル情報を取得し、取得したレベル情報に示された送信レベルに対応する通信距離を記憶部123に格納されたレベル情報対応テーブルの中から選択する。このようにして、通信距離が求められる。
【0141】
<効果>
以上のように、搬送波の送信レベルに基づいて通信距離を求めることができ、無線型伝送装置の存在位置を検知することができる。また、通信距離を求めるとともに無線型伝送装置に記憶された情報を取得することができる。
【0142】
なお、無線型伝送装置20が電圧生成部23に代えて駆動電圧を出力する電池を備える構成であっても同様の効果を得ることができる。
【0143】
また、第2の実施形態の無線型伝送装置として図17に示した無線型伝送装置を適用しても、第2の実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
【0144】
以上の実施形態の説明において、外部発信受信装置10が送信信号(送信情報に基づいて変調された搬送波)の送信を完了してから一定振幅の搬送波を送信している間(すなわち、外部発信受信装置10の動作モードが「読み取り動作」である間)に搬送波の負荷変調によって返信信号が返信されているが、外部発信受信装置10からの搬送波の振幅レベルが一定でない期間に搬送波の負荷変調を実行することも可能である。例えば、送信信号が送信されている間に、その送信信号を負荷変調することによって返信信号を送信することも可能である。この場合、返信信号を受信するための搬送波を送信する必要が無くなる(一定振幅搬送波の送信が不要になる)。このように、外部発信受信装置10は「書き込み動作」と「読み取り動作」の両方を同時に実行することができる。これによれば、通信に要する時間を短縮することができる。この「書き込み動作」と「読み取り動作」の両方が同時に行われる方式は、1対1の通信ではなく、1対複数の通信時の時間短縮に非常に有効である。
【0145】
以上の各実施形態は、様々な場面に応用することができる。以下に、代表例として、第1の実施形態による送受信システムを適用する例を「適用例」として紹介する。
【0146】
(適用例1)
<構成>
図19は、本実施形態による送受信システムを適用した容器管理システムの構成を示す。この容器管理システムは、外部発信受信装置10と、無線型伝送装置20と、収容容器30と、表示装置40とを備える。このシステムは、収容容器30に収容された液状の内容物を管理する。
【0147】
<<収容容器>>
収容容器30は、容器本体301と、浮遊部材302とを含む。容器本体301は、例えば、断面積が一定である形状(例えば、立方体形状、直方体形状または円柱形状等)を有し、液体を収容する。浮遊部材302は、数ミリ角程度の大きさの板状部材であり、容器本体301に収容された液体の液面に浮遊している。浮遊部材302は、容器本体301に収容された液体よりも密度または比重が小さい材料によって構成される。ただし、浮遊部材302は、液体の表面に浮遊すれば良いので、浮遊部材302の密度が液体密度よりも軽い必要はなく、表面張力で液面に浮遊可能であれば、浮遊部材302の密度が液体密度よりも重くても良い。浮遊部材302は、容器本体301に収容された液体の内容量の増減に応じて、上下に移動する。また、浮遊部材302の表面には、無線型伝送装置20が取り付けられる。
【0148】
<<外部発信受信装置>>
外部発信受信装置10の送受信コイルL1は、ループ状の送受信アンテナになっている。外部発信受信装置10は、浮遊部材302の移動方向(浮遊部材302が内容量の増減に応じて移動する方向)に対応する位置に送受信アンテナが配置されるように、設置される。なお、ここでは、外部発信受信装置10の送受信アンテナは、浮遊部材302の移動方向の延長線上に配置される。
【0149】
また、外部発信受信装置10の制御部11(距離決定部124)は、求めた通信距離に基づいて、収容容器30に収容された液体の内容量を算出する。「外部発信受信装置10から容器本体301の底面までの距離DD1」および「容器本体の301の底面積SS1」は一定であり、制御部11(記憶部123)は、これらの値を予め記憶している。また、制御部11(測定結果出力部125)は、測定結果情報に代えて、求めた液体内容量を示す内容量情報と検出したID情報とが書き込まれた管理情報を表示装置40へ出力する。
【0150】
<<表示装置>>
表示装置40は、外部発信受信装置10からの管理情報(ID情報、内容量情報)を表示する。
【0151】
<<無線型伝送装置>>
図20は、浮遊部材302における無線型伝送装置20の取り付け例を示す。無線型伝送装置20は、例えばICチップとして形成され、収容容器30の浮遊部材302の表面に取り付けられる。無線型伝送装置20の送受信コイルL2は、ループ状の送受信アンテナとして配置される。ここで、浮遊部材302の表面全体に防水処理または撥水処理を施せば、ICチップを保護することができるだけでなく、浮遊性を向上することができる。
【0152】
<動作>
次に、図19に示した容器管理システムによる動作について説明する。
【0153】
まず、外部発信受信装置10と無線型伝送装置20との間で種々の信号(送信信号,返信信号)がやりとりされて、外部発信受信装置10の制御部11において、距離決定部124は、通信距離DD2を求める。
【0154】
次に、距離決定部124は、記憶部123に記憶された「距離DD1」から「通信距離DD2」を減算して、「容器本体301の底面から液体表面までの距離(液面レベル)DD3」を算出する。次に、距離決定部124は、算出した「液面レベルDD3」に「容器本体301の底面積SS1」を乗算することによって、収容容器30に収容された液体の内容量を算出する。次に、測定結果出力部125は、復号部15によって検出されたID情報と距離決定部124によって算出された液体内容量を示す内容量情報とを管理情報に書き込み、管理情報を表示装置40へ出力する。次に、表示装置40は、外部発信受信装置10からの管理情報(ID情報,内容量情報)を表示する。
【0155】
ここで、図21のように、収容容器30に収容された液体の内容量が減少すると、無線型伝送装置20が取り付けられた浮遊部材302が下降する。これにより、無線型伝送装置20が外部発信受信装置10から遠ざかるので、通信距離DD2は図19の場合よりも長くなり、距離決定部124によって算出される液体内容量が減少する。つまり、表示装置40に表示される液体内容量が減少する。
【0156】
このように、内容量の増減に伴って通信距離が変化するので、外部発信受信装置と無線型伝送装置との通信距離に基づいて収容容器に収容された内容物の内容量を測定することができる。
【0157】
<効果>
以上のように、無線型伝送装置の存在位置を検知することによって収容容器に収容された内容物の内容量を管理することができる。
【0158】
また、搬送波の送信レベルの最大値は、収容容器30の内容量の残量が規定量(例えば、内容物を新たに充填したり、新たな収容容器30との交換が必要と判断される量)になっているときでも無線型伝送装置20が返信できる電力レベルであることが好ましい。また、搬送波の送信レベルの最小値は、収容容器30が内容物で満たされている状態(所謂、満タンの状態)であるときに無線型伝送装置20が返信できる電力レベルであることが好ましい。
【0159】
なお、無線型伝送装置20の記憶部21が内容物情報を記憶していれば、無線型伝送装置20の制御部25は、ID情報と合わせて内容物情報を返信情報(返信信号の元となる情報)に書き込むことも可能である。内容物情報は、例えば、内容物の種類,製造年月日等、収容容器30に収容された内容物に関する情報である。この場合、情報検出部109によってID情報とともに内容物情報を取得すれば、液体内容量の測定と同時に、品質管理も実行することができる。
【0160】
また、外部発信受信装置10の送受信コイルL1を配置する位置は、収容容器30の上部に限らない。液面レベルの変化に対して外部発信受信装置10と無線型伝送装置20との距離が一義的に決まれば、外部発信受信装置10の送受信コイルL1を収容容器30の横に配置しても構わない。
【0161】
なお、本適用例では容器本体301の断面積が一定である場合を示したが、液面レベルDD3と収容されている液体内容量の関係が予め求められていれば、一定の断面積でなくても良い。
【0162】
また、距離測定用の搬送波を送信する前に、通信距離が最大であるときでも無線型伝送装置20が返信可能となるように送信レベルが設定された搬送波(基準搬送波)を送信しても良い。例えば、基準搬送波が「100mW」であるとすると、搬送波の送信レベルを、基準レベル100mW、距離測定用レベル10mW、基準レベル100mW、距離測定用レベル20mW、・・・というように変化させても良い。または、基準レベル100mW、距離測定用レベル10mW、距離測定用レベル20mW、距離測定用レベル30mW、・・・というように変化させても良い。このようにすれば、通信距離以外の要因(例えば、装置の故障や、電波遮蔽による通信不良)によって無線型伝送装置20から返信が途絶えたのかを判断することができ、内容量の誤判定を防止することができる。また、無線型伝送装置20からの返信の有無に基づいて収容容器30が装着されているか否かを確認することができるので、装着確認用の構成部品が不要になる。
【0163】
<ICタグの設置場所>
なお、図22のように、浮遊部材302に3つの無線型伝送装置20−1,20−2,20−3が配置されていても構わない。この場合、外部発信受信装置10は、無線型伝送装置20−1との通信距離dd1,無線型伝送装置20−2との通信距離dd2,無線型伝送装置20−3との通信距離dd3に基づいて、通信距離DD2を測定する。これによれば、液面が傾いている場合でも、通信距離を正確に測定することができる。特に、携帯可能な電子機器に収容容器が装着される場合に有効である。
【0164】
(収容容器の変形例1)
また、図23のように、図19に示した収容容器30に代えて収容容器30Aを用いた場合も同様の効果を得ることができる。収容容器30Aは、容器本体301Aと、容器本体301Aに内嵌された隔壁部材302Aとを含む。隔壁部材302Aは、容器本体301Aに収容された液体の増減に応じて、容器本体301Aの内壁に沿って容器本体301Aの高さ方向に移動する。隔壁部材302Aには、無線型伝送装置20が取り付けられる。また、外部発信受信装置10の送受信コイルL1は、隔壁部材302Aの移動方向に対応する位置に配置される。なお、ここでは、送受信コイルL1は、隔壁部材302Aの移動方向の延長線上である収容容器30Aの上方に配置される。これによれば、収容容器30Aが傾いても通信距離DD2を測定することができる。また、気密性を確保することができるので、収容容器30Aが傾いても内容物である液体が外部に漏れ出したり、収容容器30A内に外気が入り込んだりするのを防止することができる。
【0165】
(収容容器の変形例2)
さらに、図24のように、図19に示した収容容器30に代えて収容容器30Bを用いた場合も同様の効果を得ることができる。収容容器30Bは、自己の内部に収容された液体の内容量の増減に応じて外形状が伸縮する(図25参照)。収容容器30Bは、例えば、ゴム材等の弾性部材で構成される。ここでは、収容容器30Bは、高さ方向に伸縮する。収容容器30Bの表面のうち伸縮方向の延長線上(ここでは、収容容器30Bの上面)には無線型伝送装置20が取り付けられる。外部発信受信装置10の送受信コイルL1は、収容容器30Bの伸縮方向に対応する位置に配置される。ここでは、伸縮方向の延長線上である収容容器30Bの上方に配置される。これによれば、容器管理システム全体が傾いても通信距離DD2を測定することができる。また、無線型伝送装置20は軽量であるので、無線型伝送装置20の自重が収容容器30Bの形状に及ぼす影響が少なく計測誤差を低減することができる。また、収容容器30Bの上面が外部発信受信装置10に対して略平行な状態にできるようにすれば、通信距離DD2の測定を精度良く実行することができる。さらに、収容容器30Bは、その全体を同一の部材,材料によって形成されていても良いが、部分的に部材,材料を異ならせても良い。これによれば、収容容器30Bの上面が外部発信受信装置10に対して略平行な状態となるように収容容器30Bの各部における変形の程度を調整することができる。
【0166】
(適用例2)
<構成>
図26は、本実施形態による送受信システムを適用した燃料電池システムの構成を示す。燃料電池システムは、無線型伝送装置20と、収容容器30と、燃料電池ユニット50と、電子機器60とを備える。このシステムでは、燃料電池ユニット50は収容容器30に収容されたメタノール水溶液を燃料として発電し、電子機器60は燃料電池ユニット50の電力によって駆動するとともに収容容器30に収容されたメタノール水溶液を管理する。電子機器60は、例えばノート型パソコンである。
【0167】
<<収容容器>>
収容容器30は、メタノール水溶液を収容する。浮遊部材302に取り付けられた無線型伝送装置20の記憶部21は、ID情報に加えて、内容物情報としてメタノール情報を記憶する。メタノール情報は、例えば、メタノール水溶液の濃度等、収容容器30に収容されたメタノール水溶液に関する情報である。なお、返信信号には、ID情報に加えて、メタノール情報も含まれる。
【0168】
<<燃料電池ユニット>>
燃料電池ユニット50は、発電部500と、外部発信受信装置10とを含む。発電部500は、燃料供給ポンプ501と、DMFC発電セル502と、電圧変換回路503とを含む。また、収容容器30は、燃料電池ユニット50に対して着脱可能である。
【0169】
燃料供給ポンプ501は、収容容器30の中からメタノール水溶液を吸い出し、吸い出したメタノール水溶液を発電セル502へ供給する。発電セル502は、燃料供給ポンプ501から供給されたメタノール水溶液を用いて発電する。電圧変換回路503は、発電セル502によって発生した電力を電子機器60にとって適切な電圧に変換し、変換した電力を電子機器60へ供給する。
【0170】
外部発信受信装置10は、適用例1と同様の構成であり、収容容器30が燃料電池ユニットに装着されたときに浮遊部材302の移動方向に対応する位置に送受信アンテナが配置されるように、燃料電池ユニット50に設けられる。
【0171】
また、外部発信受信装置10において、復号部15は、返信信号の中から、ID情報に加えて、メタノール情報も検出する。制御部11では、距離決定部124は、求めた通信距離に基づいて、収容容器30に収容されたメタノール水溶液の内容量を算出する。例えば、記憶部123は、通信距離とメタノール水溶液の内容量との対応関係を示す内容量対応テーブルを予め格納しており、距離決定部124は、求めた通信距離に対応するメタノールの内容量を内容量対応テーブルの中から選択する。
【0172】
また、測定結果出力部125は、測定結果情報に代えて、復号部15によって検出されたID情報およびメタノール情報と距離決定部124によって算出されたメタノール水溶液の内容量を示す内容量情報とを含む管理情報を電子機器60へ出力する。
【0173】
さらに、記憶部123は、メタノール水溶液の規定量を予め格納しており、測定結果出力部125は、距離決定部124によって求められた収容容器30に収容されたメタノール水溶液の内容量が記憶部123に格納された規定量よりも少ないと判断すると、残量減少信号を電子機器60へ出力する。
【0174】
<<電子機器>>
電子機器60は、制御用マイコン601と、表示部602とを含む。制御用マイコン601は、外部発信受信装置10からの管理情報を受け取り、管理情報を表示部602へ出力する。また、制御用マイコン601は、外部発信受信装置10からの残量減少信号を受け取ると、警告表示命令を出力する。表示部602は、制御用マイコン601からの管理情報(ID情報,メタノール情報,内容量情報)を表示する。また、表示部602は、制御用マイコン601からの警告表示命令を受け取ると、残量減少通知画像を表示する。残量減少通知画像は、例えば、「燃料残量「少」」等、メタノール水溶液の残量が少ないことを通知する画像である。
【0175】
<動作>
次に、図26に示した燃料電池システムによる動作について説明する。
【0176】
燃料電池ユニット50による発電運転が開始されると、外部発信受信装置10と無線型伝送装置20との間で種々の信号(送信信号,返信信号)がやりとりされて、外部発信受信装置10の制御部11において、距離決定部124は、定期的に、通信距離DD2を求める。また、距離決定部124は、求めた通信距離に基づいて収容容器30に収容されたメタノール水溶液の内容量を算出する。次に、測定結果出力部125は、復号部15によって検出されたID情報およびメタノール情報と距離決定部124によって算出されたメタノール水溶液の内容量を示す内容量情報とを管理情報に書き込み、管理情報を電子機器60へ定期的に出力する。これにより、電子機器60の表示部602に表示される管理情報(ID情報,メタノール情報,内容量情報)が定期的に更新される。
【0177】
また、測定結果出力部125は、距離決定部124によって算出されたメタノール水溶液の内容量が規定量よりも少ないと判定すると、残量減少信号を制御用マイコン601へ出力する。よって、表示部602には「残量「少」」が表示される。これにより、電子機器60のユーザに燃料交換や燃料補充を促すことができる。
【0178】
このようにして、外部発信受信装置と無線型伝送装置との通信距離に基づいて、メタノール水溶液の内容量を測定することができる。
【0179】
<効果>
以上のように、無線型伝送装置の存在位置を検知することによってメタノール水溶液の内容量を管理することができる。また、メタノール情報を取得することによって、収容容器に収容されたメタノール水溶液を識別することができる。このように、メタノール水溶液の種類と内容量を同時に管理することができる。
【0180】
また、内容物情報としてのメタノール情報を参照することによって、仕様の異なったメタノール水溶液を誤って使用してしまうことを防止することができる。すなわち、表示部602に表示される内容物情報には、内容物の燃料電池システムに対する適合・不適合に関する情報を含むことができる。
【0181】
また、電子機器を対象とする燃料電池システムにおいて、収容容器30は、比較的小さい。ここで、無線型伝送装置(例えば無線タグ)が取り付けられた浮遊部材302は、数ミリ角程度の大きさで作製することができるので、小型の収容容器30にも用いることができる。つまり、小型の収容容器にも適用することができる。
【0182】
さらに、従来の内容量管理方法(内容物の導電率や誘電率あるいは超音波の反射を利用した液面レベル測定)のための構成部品を、小型軽量の無線型伝送装置で代替することが可能となる。その結果、燃料電池システムの燃料情報(燃料濃度、内容物の特性、カートリッジのリサイクル回数等)を記憶させると同時に、内容量を管理する部品としての共用化を実現することができる。このように、収容容器の小型軽量化という優れた効果を得ることができる。また、従来の内容量管理方法のための構成部品が不要となるので、燃料を収容する空間を大きくすることができる。これにより、燃料電池システムの運転の長時間化を実現することができる。
【0183】
なお、外部発信受信装置10の送受信部13における搬送波の送信レベルの最大値は、例えば、500mW程度の値を採ることができる。また、送信レベルの最小値は、送受信時の感度に基づいて決定すれば良い。
【0184】
なお、メタノール水溶液を燃料として例に挙げたがメタノールに限られるものではなく、ボロハイドライドをアルカリ水溶液に溶かした溶液等の液体をメタノールの代わりに燃料として用いることもできる。
【0185】
また、定期的に測定した液面レベルに関する情報を外部発信受信装置10,無線型伝送装置20に記憶させても良い。また、記憶させた液面レベルの情報と測定経過時間から、燃料電池システムの予想残存駆動時間を求めることもできる。
【0186】
また、図26に示した収容容器30に代えて、図23や図24に示した収容容器を備えていても良い。
【0187】
(適用例3)
<構成>
図27は、本実施形態による送受信システムを適用した輸液管理システムの構成を示す。輸液管理システムは、外部発信受信装置10と、無線型伝送装置20と、輸液パック71と、輸液用スタンド72と、情報伝送装置73と、表示装置40とを備える。この輸液管理システムは、病院等の医療現場で点滴に使用される輸液パックを管理する。
【0188】
<<輸液パック>>
輸液パック71は、輸液を収容する。また、輸液パック71に収容された輸液の液面には、浮遊部材302が浮遊している。
【0189】
無線型伝送装置20は、輸液パック71に浮遊する浮遊部材302の表面に取り付けられる。無線型伝送装置20の記憶部21は、ID情報に加えて、内容物情報として輸液情報を記憶する。輸液情報は、例えば、薬品の種類、濃度、容量、使用有効期限、輸液パック容器に関する情報等、輸液等に関する情報である。なお、返信信号には、ID情報に加えて、輸液情報も含まれる。
【0190】
<<輸液用スタンド>>
輸液用スタンド72は、設置面から略垂直に延びる支柱部72aと、支柱部72aの先端部から突出するパック取付部72bからなる。輸液パック71は、パック取付部72bの取付フックに取り付けられる。
【0191】
外部発信受信装置10の送受信コイルL1は、ループ状の送受信アンテナになっている。外部発信受信装置10は、輸液パック71が輸液用スタンド72に取り付けられた状態ときに浮遊部材302の移動方向に対応する位置に送受信アンテナ(送受信コイルL1)が配置されるように、輸液用スタンド72に設けられる。なお、ここでは、送受信コイルL1は、浮遊部材302の移動方向の延長線上である輸液用スタンド72のパック取付部72bに配置される。また、復号部15は、ID情報に加えて、輸液情報を検出する。
【0192】
制御部11において、距離決定部124は、求めた通信距離に基づいて、輸液パック71に収容された輸液の内容量(輸液量)を算出する。例えば、記憶部123は、通信距離と輸液量との対応関係を示す内容量対応テーブルを予め格納しており、距離決定部124は、求めた通信距離に対応する内容量を内容量対応テーブルの中から選択する。内容量対応テーブルには、複数の内容量と複数の通信距離とが対応付けられており、通信距離が長くなる程、その通信距離に対応する内容量は少なくなる。
【0193】
測定結果出力部125は、測定結果情報に代えて、復号部15によって検出されたID情報および輸液情報と距離決定部124によって算出された輸液量を示す内容量情報とが書き込まれた測定結果情報を情報伝送装置73へ出力する。
【0194】
また、記憶部123は、輸液の規定量を予め格納しており、測定結果出力部125は、距離決定部124によって求められた輸液量が記憶部123に格納された規定量よりも少ないと判断すると、残量減少信号を情報伝送装置73へ出力する。
【0195】
さらに、記憶部123は、患者に投与すべき輸液の種類等、患者に関する情報である患者情報を予め格納しており、測定結果出力部125は、復号部15によって検出された輸液情報と記憶部123に格納された患者情報とが一致しない場合には、警告信号を情報伝送装置73へ出力する。
【0196】
<<情報伝送装置>>
情報伝送装置73は、外部発信受信装置10からの種々の信号(管理情報,残量減少信号,警告信号)を表示装置40へ伝送する。ここで、情報伝送装置73と表示装置40とが無線で通信する場合には、外部発信受信装置10と無線型伝送装置20の通信に干渉しない周波数を採用すれば良い。また、情報伝送装置73と表示装置40との通信は、有線で行っても良い。
【0197】
<<表示装置>>
表示装置40は、病室やナースステーション等に設置される。表示装置40は、情報伝送装置73からの管理情報(ID情報,輸液情報、内容量情報)を表示する。また、表示装置40は、情報伝送装置73からの残量減少信号を受け取ると、残量減少通知画像を表示する。また、表示装置40は、情報伝送装置73からの警告信号を受け取ると、輸液不適合通知画像を表示する。輸液不適合通知画像は、例えば、「輸液パック不適合」等、輸液パックが患者に正しく割り当てられていないことを通知する画像である。
【0198】
<動作>
次に、図27に示した輸液管理システムによる動作について説明する。
【0199】
輸液パック71が輸液用スタンド72に取り付けられると、外部発信受信装置10と無線型伝送装置20との間で種々の信号(送信信号,返信信号)がやりとりされて、外部発信受信装置10の制御部11において、距離決定部124は、定期的に、通信距離を求める。また、距離決定部124は、取得した通信距離に基づいて、輸液パック71の輸液量を求める。例えば、距離決定部124は、記憶部123に記憶された内容量対応テーブルの中から通信距離に対応する内容量を検出する。次に、測定結果出力部125は、復号部15によって検出されたID情報および輸液情報と距離決定部124によって算出された輸液量を示す内容量情報とを管理情報に書き込み、管理情報を情報伝送装置73へ定期的に出力する。
【0200】
次に、情報伝送装置73は、外部発信受信装置10からの管理情報を表示装置40へ伝送する。これにより、表示装置40に表示される管理情報(ID情報,輸液情報,内容量情報)が定期的に更新される。
【0201】
また、測定結果出力部125は、距離決定部124によって算出された輸液量が規定量よりも少ないと判定すると、残量減少信号を出力する。よって、表示装置40には「残量「少」」が表示される。これにより、点滴交換の注意を促すことができる。
【0202】
さらに、測定結果出力部125は、記憶部123に予め記憶された患者情報と復号部15によって検出された輸液情報とが一致しないと判定すると、警告信号を出力する。よって、表示装置40には「輸液パック不適合」が表示される。これにより、点滴不適合の注意を促すことができる。
【0203】
このように、輸液パックの内容量の増減に伴って通信距離が変化するので、内容量と通信距離との関係に基づいて輸液パックに収容された輸液量を求めることができる。
【0204】
<効果>
以上のように、無線型伝送装置の存在位置を検知することによって、輸液パックの内容量を管理することができる。さらに、輸液パックに収容された輸液の種類と内容量を同時に管理することができる。
【0205】
また、各々の患者に割り当てられた輸液パックの残量を管理することができるので、数多くの患者の対する輸液交換のタイミングを把握することができる。この場合、情報伝送装置73と表示装置40とが無線で通信するようにし、表示装置40を小型で携帯可能なものとして看護師や医師が携帯するようにしても良い。これにより、看護師や医師は、輸液切れに伴う煩雑な作業から開放される。また、輸液情報を参照することによって、患者に適した輸液であるかどうかの照合ができるので、患者に誤った輸液を点滴するような医療過誤を防止できる。
【0206】
また、無線型伝送装置が取り付けられた浮遊部材302は、数ミリ角程度の大きさで作製することができるので、小型の輸液パック71にも使用することができる。つまり、小型の輸液パックにも適用することができる。
【0207】
なお、表示装置40は、残量減少通知画像、輸液不適合通知画像と共に警告音を発しても良い。また、警告音を発する警報装置を別途設けても良い。また、本適用例では、表示装置40は、病室やナースステーション等に設置するとしたが、これらとは別に情報伝送装置73や外部発信受信装置10,輸液用スタンド72等に付属させても良い。さらに、情報伝送装置73と外部発信受信装置10を一体化させても良い。
【0208】
なお、輸液用スタンド72に設置される各装置(外部発信受信装置10,情報伝送装置73等)は、コンセントから電源が供給されるタイプでも良いし、充電池を用いたコードレスタイプであっても良い。さらに、本適用例では点滴に使用される輸液パックを例として挙げたが、本適用例における輸液は血液を含む。すなわち、輸血に使用される輸血パックにも適用可能である。この場合、無線型伝送装置20の記憶部21が血液型に関する情報を記憶していれば、輸血用血液の残量管理や血液型の管理を行うことができる。その結果、本適用例における輸液管理システムと同様に、患者に誤った血液を輸血するような医療過誤を防止できる。また、本システムは、医療用に限定されるものではなく、医療用用途以外の液体を用いた輸液管理システムにも適用可能である。また、無線型伝送装置20を浮遊部材302に取り付けるのではなく、輸液パック71を形成する材料と同一の材料を用いたカプセルに収容した状態で、輸液パック71の輸液面に浮遊させても良い。
【0209】
(適用例4)
<構成>
次に、図28,図29,図30を参照しつつ、本実施形態による送受信システムを適用した用紙管理システムについて説明する。この用紙管理システムは、外部発信受信装置10と、無線型伝送装置20と、給紙トレー81と、プリンタ本体82とを備える。この用紙管理システムは、プリンタに収容されるプリンタ用紙を管理する。
【0210】
図28は、プリンタ用紙管理システムにおけるプリンタの外観図を示す。プリンタは、給紙トレー81と、給紙トレー81が挿入される凹状のトレー収納部800が形成されたプリンタ本体82とを含む。給紙トレー81は、トレー収納部800に挿入されて、トレー収納部800の中に収納される。
【0211】
<<給紙トレー>>
図29は、図28に示した給紙トレー81の断面模式図である。給紙トレー81は、矩形箱状のトレー本体801と、矩形状の給紙板802と、付勢部材としての弾性体(例えば、バネ)803とを含む。給紙板802は、トレー本体801の内部(詳しくは、トレー本体801の底面801aの上部)に配置され、プリンタ用紙が載置される。バネ803は、給紙トレー81の挿入方向において、給紙板802の一方端部とトレー本体801の底面801aの一方端部との間に接続される。バネ803の付勢力により、給紙板802の一方端部は、トレー本体801の底面801aから離れる方向へ付勢されている。給紙板802にプリンタ用紙が載置されると、バネ803の付勢力に抗して給紙板802の一方端部がトレー本体801の底面801aに近づく。
【0212】
無線型伝送装置20は、給紙トレー81の挿入方向において、給紙板802の一方端部に取り付けられる。無線型伝送装置20の記憶部21は、ID情報に加えて、内容物情報として用紙情報を記憶している。用紙情報は、例えば、プリンタ用紙の種類やサイズ等、プリンタ用紙に関する情報である。なお、返信信号には、ID情報に加えて、用紙情報が含まれる。
【0213】
<<プリンタ本体>>
図30は、図28に示したプリンタ本体82の断面模式図である。プリンタ本体82は、外部発信受信装置10と、表示部804とを含む。
【0214】
外部発信受信装置10の送受信コイルL1は、ループ状の送受信アンテナになっている。外部発信受信装置10は、給紙板802の移動方向に対応する位置に送受信アンテナ(送受信コイルL1)が配置されるように、プリンタ本体82に設けられる。なお、ここでは、送受信コイルL1は、給紙板802の一方端部の移動方向の延長線上であるトレー収納部800の上面部800aに設置される。また、復号部15は、ID情報に加えて、用紙情報も検出する。
【0215】
制御部11において、距離決定部124は、求めた通信距離に基づいて、給紙トレー81に収容されたプリンタ用紙の枚数を求める。例えば、記憶部123は、通信距離とプリンタ用紙の枚数との対応関係を示す内容量対応テーブルを予め格納しており、距離決定部124は、求めた通信距離に対応する枚数を内容量対応テーブルの中から選択する。内容量対応テーブルには、複数の用紙枚数と複数の通信距離とが対応付けられており、通信距離が長くなる程、その通信距離に対応する用紙枚数は多くなる。
【0216】
また、測定結果出力部125は、測定結果情報に代えて、復号部15によって検出されたID情報および用紙情報と距離決定部124によって算出された用紙枚数を示す用紙枚数情報とが書き込まれた管理情報を表示部804へ出力する。
【0217】
また、記憶部123は、プリンタ用紙の規定量を予め格納しており、測定結果出力部125は、距離決定部124によって算出された用紙枚数が記憶部123に格納された規定量よりも少ないと判断すると、残量減少信号を表示部401へ出力する。
【0218】
表示部804は、外部発信受信装置10からの管理情報(ID情報,用紙情報,用紙枚数情報)を表示する。また、表示部804は、外部発信受信装置10からの残量減少信号を受け取ると、残量減少通知画像(例えば、残量「少」)を表示する。
【0219】
<動作>
次に、用紙管理システムによる動作について説明する。
【0220】
プリンタ本体82のトレー収納部800に給紙トレー81が収納されると、外部発信受信装置10と無線型伝送装置20との間で種々の信号(送信信号,返信信号)がやりとりされて、外部発信受信装置10の制御部11において、距離決定部124は、定期的に、通信距離を求める。また、距離決定部124は、取得した通信距離に基づいて、給紙トレー81に収容されたプリンタ用紙の枚数を求める。次に、測定結果出力部125は、復号部15によって検出されたID情報および用紙情報と距離決定部124によって算出された用紙枚数を示す用紙枚数情報とを管理情報に書き込み、管理情報を表示部804へ出力する。その結果、表示部804に表示される管理情報が定期的に更新される。
【0221】
ここで、給紙トレー81に収容されたプリンタ用紙の枚数が減少すると、給紙板802の一方端部は、バネ803によってトレー本体801の上方へ(つまり、トレー収納部800の上面部800aへ)近づく。これにより、通信距離が短くなり、距離決定部124によって算出される用紙枚数が減少する。つまり、表示部804に表示される用紙枚数が減少する。
【0222】
また、測定結果出力部125は、距離決定部124によって算出された用紙枚数が規定量よりも少ないと判定すると、残量減少信号を出力する。よって、表示部804には「残量「少」」が表示される。これにより、用紙の補給を促すことができる。なお、表示部804が、残量減少信号と共に警告音を発しても良い。
【0223】
このように、プリンタ用紙の枚数の増減に伴って通信距離が変化するので、用紙枚数と通信距離との関係に基づいて給紙トレーに収容された用紙の枚数を求めることができる。
【0224】
<効果>
以上のように、無線型伝送装置の存在位置を検知することによって、給紙トレーに収容された用紙の枚数を管理することができる。さらに、給紙トレーに収容された用紙の種類と枚数を同時に管理することができる。また、用紙情報をパソコンの表示画面に表示すれば、パソコンから印刷するときにサイズの異なった紙を指定してしまうことを防止することができる。
【0225】
また、無線型伝送装置(例えば無線タグ)は、数ミリ角程度の大きさで作製することができるので、給紙トレー内の任意のスペースに搭載することが可能である。
【0226】
さらに、本適用例では、定期的に通信距離を求めているが、プリンター本体の動作に応じて通信距離を求めるようにすれば、プリンターが動作していない時における通信距離の測定を省略することができる。
【0227】
(適用例5)
<構成>
次に、図31A,図31B,および図32を参照しつつ、本実施形態による送受信システムを適用したインク管理システムについて説明する。インク管理システムは、外部発信受信装置10と、無線型伝送装置20と、プリンタ本体90と、インクを収納するインクカートリッジ92とを備える。このシステムは、プリンタ(詳しくは、インクジェットプリンタ)に内蔵されるインクカートリッジに収容されたインクを管理する。
【0228】
図31Aは、インク管理システムにおけるインクジェットプリンタの外観図である。インクジェットプリンタは、カートリッジホルダー部91が形成されたプリンタ本体90と、カートリッジホルダー部91に収納されるインクカートリッジ92(図31B参照)とを含む。また、プリンタ本体90には、外部発信受信装置10(図31Bでは、図示せず)と、表示部901とを含む。図32は、インクカートリッジ92を収納した状態であるカートリッジホルダー部91の断面模式図である。
【0229】
<<インクカートリッジ>>
インクカートリッジ92に収容されたインクの液面には、無線型伝送装置20が取り付けられた浮遊部材302が浮遊している。無線型伝送装置20の記憶部21は、ID情報に加えて、内容物情報としてインク情報を記憶している。インク情報は、例えば、インクの色や種類等、インクに関する情報である。なお、無線型伝送装置20から返信される返信信号には、ID情報に加えて、インク情報が含まれる。
【0230】
<<外部発信受信装置>>
外部発信受信装置10の送受信コイルL1は、ループ状の送受信アンテナになっている。外部発信受信装置10は、浮遊部材302の移動方向に対応する位置に送受信アンテナ(送受信コイルL1)が配置されるように、プリンタ本体90に設けられる。なお。ここでは、送受信コイルL1は、移動方向の延長線上であるカートリッジホルダー部91の上部に配置される。また、復号部15は、ID情報に加えて、インク情報も検出する。
【0231】
制御部11において、距離決定部124は、求めた通信距離に基づいて、インクカートリッジ92に収容されたインクの内容量(インク量)を求める。例えば、記憶部123は、通信距離とインク量との対応関係を示す内容量対応テーブルを格納しており、距離決定部124は、求めた通信距離に対応するインク量を内容量対応テーブルの中から選択する。
【0232】
また、測定結果出力部125は、測定結果情報に代えて、復号部15によって検出されたID情報およびインク情報と求めたインク量を示す内容量情報とが書き込まれた管理情報を表示部901へ出力する。
【0233】
また、記憶部123は、インク量の規定量を格納しており、測定結果出力部125は、距離決定部124によって求められたインク量が記憶部123に格納された規定量よりも少ないと判断すると、残量減少信号を表示部901へ出力する。
【0234】
表示部901は、外部発信受信装置10からの管理情報(ID情報,インク情報,内容量情報)を表示する。また、表示部901は、外部発信受信装置10からの残量減少信号を受け取ると、残量減少通知画像(例えば、残量「少」)を表示する。なお、表示部901が、残量減少信号と共に警告音を発しても良い。
【0235】
<動作>
次に、インク管理システムによる動作について説明する。
【0236】
カートリッジホルダー部91にインクカートリッジ92が収納されると、外部発信受信装置10と無線型伝送装置20との間で種々の信号(送信信号,返信信号)がやりとりされて、外部発信受信装置10の制御部11において、距離決定部124は、定期的に、通信距離を求める。また、距離決定部124は、求めた通信距離に基づいて、インクカートリッジ92に収容されたインクの内容量を求める。次に、測定結果出力部125は、復号部15によって検出されたID情報およびインク情報と距離決定部124によって算出されたインク量を示す内容量情報とを管理情報に書き込み、管理情報を表示部901へ定期的に出力する。これにより、表示部901に表示される管理情報が定期的に更新される。
【0237】
また、測定結果出力部125は、距離決定部124によって算出されたインク量が規定量よりも少ないと判定すると、残量減少信号を出力する。よって、表示部901には「残量「少」」が表示される。これにより、インクカートリッジの交換を促すことができる。
【0238】
<効果>
以上のように、インクカートリッジに収容されたインクの種類と内容量を同時に管理することができる。
【0239】
また、無線型伝送装置(例えば無線タグ)が取り付けられた浮遊部材302は、数ミリ角程度の大きさで作製することができるので、小型のインクカートリッジ内部に搭載することができる。
【0240】
(その他の適用例)
本実施形態による送受信システムは、上述したシステムだけでなく、当業者が容易想到な範囲に含まれるシステムに適用可能である。例えば、石油燃料(例えば、灯油,ガソリン)の収納容器、自動車などの燃料タンク、食用の調味料,油,スープ,酒類などを保管する収納容器のように、液体を収納する場合はすべて使用可能である。大型のものとしては、浮遊式の蓋を持つ原油の貯蔵タンクにおいても使用可能である。
【0241】
また、内容物が液体の場合以外(例えば、米びつのように固体を収容する場合)にも適用可能である。この場合、収容容器としては、例えば、図23や図24に示すような形態が好ましい。また、図23や図24に示す形態では、内容物が気体の場合でも適用可能である。
【0242】
以上の適用例の各々において、制御部11において、距離決定部124は、求めた通信距離に基づいて内容量(または用紙枚数)を求めているが、搬送波の送信レベルに基づいて内容量(または用紙枚数)を直接求めることも可能である。この場合、例えば、記憶部123には、レベル情報対応テーブルに代えて、送信レベルと内容量(または用紙枚数)との対応関係を示す対応テーブルを記憶されている。この対応テーブルは、レベル情報対応テーブルと同様の手順で作成することが可能である。
【0243】
また、各適用例において、通信距離と内容量(輸液量,用紙枚数,インク量)との関係は数式化しても良い。例えば、距離決定部124が、内容量対応テーブルを用いずに、通信距離と内容量(輸液量,用紙枚数,インク量)との関係に基づいた所定の演算を用いて内容量(輸液量,用紙枚数,インク量)を求めても良い。
【0244】
また、第1の実施形態による送受信システムを適用する例について説明してきたが、第2の実施形態も、当然、適用可能である。第2の実施形態による送受信システムを適用例1(図19)に適用する場合、収容容器30の内容量が規定量であるときの外部発信受信装置10と無線型伝送装置20との間の距離を「既定距離」として設定する。この場合、外部発信受信装置10の制御部11において、距離判定部126は、通信距離が既定距離を超えたと判定すると、内容量が規定値よりも少なくなったと判定する。このようにして、収容容器30の内容量を管理することができる。適用例2,3,5においても、適用例1のように既定距離を設定すれば良い。
【0245】
また、第2の実施形態による送受信システムを適用例4(図28)に適用する場合、給紙トレー81に収容されたプリンタ用紙が規定枚数であるときの外部発信受信装置10と無線型伝送装置20との間の距離を「既定距離」として設定する。この場合、外部発信受信装置10の制御部11において、距離判定部126は、通信距離が既定距離よりも短くなったと判定すると、プリンタ用紙の枚数が規定枚数よりも少なくなったと判定する。このようにして、給紙トレー81に収容されたプリンタ用紙の枚数を管理することができる。
【0246】
なお、本発明は、負荷変調方式に限られるものではなく、搬送波の受信状態に応じて無線型伝送装置から情報が返信される通信方式であれば適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0247】
以上説明したように、本発明は、無線型伝送装置の存在位置を検知することができるので、所定の収容容器に収納された内容物の内容量を管理する容器管理システムや、給紙トレーに収容されたプリンタ用紙を管理する用紙管理システム等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0248】
【図1】この発明の第1の実施形態による送受信システムの全体構成および返信信号について説明するための図。
【図2】信号の受信レベルと通信距離との関係を説明するためのグラフ。
【図3】無線型伝送装置において生成される駆動電圧と搬送波の受信レベルとの関係を説明するためのグラフ。
【図4】搬送波の送信レベルと搬送波の受信レベルとの関係を説明するためのグラフ。
【図5】図1に示した外部発信受信装置の内部構成を示すブロック図。
【図6】レベル情報対応テーブルの一例を示す図。
【図7】図5に示した送信信号供給部の内部構成を示すブロック図。
【図8】外部発信受信装置から送信される搬送波について説明するための波形図。
【図9】図5に示した復号部の内部構成を示すブロック図。
【図10】図1に示した無線型伝送装置の内部構成を示すブロック図。
【図11】図10に示した復号部の内部構成を示すブロック図。
【図12】図10に示した返信信号供給部の内部構成を示すブロック図。
【図13】負荷変調方式について説明するための波形図。
【図14】負荷変調方式の変形例について説明するための波形図。
【図15】この発明の第2の実施形態おける外部発信受信装置の内部構成を示すブロック図。
【図16】誤り箇所数と通信距離との関係を説明するためのグラフ。
【図17】無線型伝送装置の変形例を示すブロック図。
【図18】図17に示した復号部および信号状態検知部の内部構成を示すブロック図。
【図19】本発明の適用例1(容器管理システム)について説明するための図。
【図20】図19に示した浮遊部材における無線型伝送装置の取り付け例を示す図。
【図21】図19に示した収容容器に入っている液体が少なくなった場合について説明するための図。
【図22】図19に示した浮遊部材における無線型伝送装置の別の取り付け例を示す図。
【図23】図19に示した収容容器の変形例1を示す図。
【図24】図19に示した収容容器の変形例2を示す図。
【図25】図24に示した収容容器に入っている液体が少なくなった場合について説明するための図。
【図26】本発明の適用例2(燃料電池システム)について説明するための図。
【図27】本発明の適用例3(輸液管理システム)について説明するための図。
【図28】本発明の適用例4(用紙管理システム)について説明するため図。
【図29】図28に示した給紙トレーの断面模式図。
【図30】図28に示したプリンタ本体の断面模式図。
【図31】(A)本発明の適用例5(インク管理システム)について説明するための図。(B)図31Aに示したカートリッジホルダー部について説明するための図。
【図32】図31Bに示したカートリッジホルダー部の断面模式図。
【符号の説明】
【0249】
10 外部発信受信装置
20 無線型伝送装置
11,25,28 制御部
12 送信信号供給部
13,22 送受信部
14 レベル設定部
15,24 復号部
16 通信判断部
21 記憶部
23 電圧生成部
26 返信信号供給部
27 信号状態検知部
101,204 符号化処理部
102,205 誤り訂正符号付加部
103 送信データ生成部
104,207 変調回路
105 受信増幅回路
106,201 復調回路
107,202 誤り訂正回路
108,203 復号化処理部
109 情報検出部
121 送信情報出力部
122 レベル指定部
123 記憶部
124 距離決定部
125 測定結果出力部
126 距離判定部
206 返信データ生成部
211 受信レベル測定部
212 誤り箇所計数回路
221 信号状態判断部
222 ID読出部
223 返信情報出力部
30,30A,30B 収容容器
301,301A 容器本体
302 浮遊部材
302A 隔壁部材
40 表示装置
50 燃料電池ユニット
500 発電部
501 燃料供給ポンプ
502 DMFC発電セル
503 電圧変換回路
60 電子機器
601 制御用マイコン
602 表示部
71 輸液パック
72 輸液用スタンド
80,90 プリンタ
81 給紙トレー
82 プリンタ本体
800 トレー収納部
801 トレー本体
802 給紙板
803 付勢部材
804,901 表示部
91 カートリッジホルダー部
92 インクカートリッジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送波を送信する外部発信受信装置と、前記搬送波を受信する無線型伝送装置との間にで情報がやりとりされる送受信システムであって、
前記無線型伝送装置は、
前記外部発信受信装置からの搬送波を受信する応答側送受信部と、
前記応答側送受信部における搬送波の受信状態に応じて前記搬送波に返信信号を重畳させる返信信号供給部とを備え、
前記外部発信受信装置は、
前記搬送波を送信する一方、該搬送波に重畳された返信信号を受信する発信側送受信部と、
前記発信側送受信部における搬送波の送信レベルを順次変更するレベル設定部と、
前記外部発信受信装置からの返信の有無を判断する通信判断部と、
前記通信判断部によって前記外部発信受信装置からの返信があると判断されると、前記発信側送受信部における搬送波の送信レベルに基づいて該外部発信受信装置と前記無線型伝送装置との間の通信距離と求める発信側制御部とを備える
ことを特徴とする送受信システム。
【請求項2】
請求項1において、
前記レベル設定部は、前記発信側送受信部における搬送波の送信レベルを一方向に連続的または段階的に変化させ、
前記発信側制御部は、前記通信判断部による判断結果が逆転すると、前記発信側送受信部における搬送波の送信レベルに基づいて前記通信距離を求める
ことを特徴とする送受信システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、
前記発信側制御部は、前記搬送波の受信状態が所定条件を満たしている場合における搬送波の送信レベルと通信距離との対応関係を示す対応テーブルを有し、前記発信側送受信部における搬送波の送信レベルに対応する通信距離を前記対応テーブルの中から選択する
ことを特徴とする送受信システム。
【請求項4】
搬送波を送信する外部発信受信装置と、前記搬送波を受信する無線型伝送装置との間で情報がやりとりされる送受信システムであって、
前記無線型伝送装置は、
前記外部発信受信装置からの搬送波を受信する応答側送受信部と、
前記応答側送受信部における搬送波の受信状態に応じて前記搬送波に返信信号を重畳させる返信信号供給部とを備え、
前記外部発信受信装置は、
該外部発信受信装置と前記無線型伝送装置とが所定の距離を超えると無線型伝送装置からの返信が途絶えるように送信レベルが設定された搬送波を送信する一方、該搬送波に重畳された返信信号を受信する発信側送受信部と、
前記無線型送信装置からの返信の有無を判断する通信判断部と、
前記通信判断部による判断結果に基づいて外部発信受信装置と前記無線型伝送装置との間の通信距離を判定する発信側制御部とを備える
ことを特徴とする送受信システム。
【請求項5】
請求項1または請求項4において、
前記無線型伝送装置は、
前記応答側送受信部における搬送波の受信レベルが規定レベルを超えると、駆動電圧を生成する電圧生成部をさらに備え、
前記返信信号供給部は、前記電圧生成部によって生成された駆動電圧によって駆動する
ことを特徴とする送受信システム。
【請求項6】
請求項1または請求項4において、
前記無線型伝送装置は、
前記応答側送受信部における搬送波の受信状態を検知する信号状態検知部と、
前記信号状態検知部によって検知された搬送波の受信状態が前記所定条件を満たしているか否かを判断する応答側制御部とをさらに備え、
前記返信信号供給部は、前記応答側制御部によって搬送波の受信状態が前記所定条件を満たしているとを判断されると、前記搬送波に前記返信信号を重畳させる
ことを特徴とする送受信システム。
【請求項7】
請求項6において、
前記信号状態検知部は、前記応答側送受信部における搬送波の受信レベルを測定し、
前記応答側制御部は、前記信号状態検知部によって測定された搬送波の受信レベルが所定レベルであるか否かを判断し、該搬送波の受信レベルが該所定レベルである場合に該搬送波の受信状態が前記所定条件を満たしていると判断する
ことを特徴とする送受信システム。
【請求項8】
請求項6において、
前記外部発信受信装置は、
前記搬送波を前記発信側送受信部へ供給するとともに、送信情報を該搬送波に重畳させる送信信号供給部をさらに備え、
前記信号状態検知部は、前記応答側送受信部によって受信された搬送波に重畳された送信情報における誤り箇所の個数を計数し、
前記応答側制御部は、前記信号状態検知部によって計数された誤り箇所数が所定数であるか否かを判断し、該誤り箇所数が該所定数である場合に該搬送波の受信状態が前記所定条件を満たしていると判断する
ことを特徴とする送受信システム。
【請求項9】
請求項1または請求項4において、
所定内容物を収容する収容容器をさらに備え、
前記無線型伝送装置は、前記収容容器に収容された内容物の内容量の増減に応じて前記通信距離が変化するように該収容容器に取り付けられる
ことを特徴とする送受信システム。
【請求項10】
請求項9において、
前記所定内容物は、液状であり、
前記収容容器は、前記所定内容物が収容される収容容器本体と、前記収容容器本体に収容された所定内容物の液面に浮遊する浮遊部材とを含み、
前記無線型伝送装置は、前記浮遊部材に取り付けられる
ことを特徴とする送受信システム。
【請求項11】
請求項9において、
前記収容容器は、前記所定内容物を収容する収容容器本体と、前記収容容器本体に内嵌され且つ前記所定内容物の内容量の増減に応じて移動する隔壁部材とを含み、
前記無線型伝送装置は、前記隔壁部材に取り付けられる
ことを特徴とする送受信システム。
【請求項12】
請求項9において、
前記収容容器は、前記所定内容物の内容量の増減に応じて外形状が伸縮し、
前記無線型伝送装置は、前記収容容器に取り付けられる
ことを特徴とする送受信システム。
【請求項13】
請求項9において、
前記無線型伝送装置は、
前記内容物に関する情報である内容物情報を記憶する記憶部をさらに備え、
前記返信信号供給部は、前記記憶部に記憶された内容物情報を含む返信信号を前記搬送波に重畳させ、
前記外部発信受信装置は、
前記発信側送受信部によって受信された返信信号の中から前記内容物情報を検出する情報検出部をさらに備える
ことを特徴とする送受信システム。
【請求項14】
請求項9において、
液体燃料を用いて発電する発電部を含む燃料電池ユニットをさらに備え、
前記収容容器は、前記発電部によって使用される液体燃料を収容する
ことを特徴とする送受信システム。
【請求項15】
請求項1または請求項4において、
所定輸液を収容する輸液収容容器と、
前記輸液収容容器に収容された所定輸液の液面に浮遊する浮遊部材と、
前記輸液収容容器を取り付ける容器取付部とをさらに備え、
前記無線型伝送装置は、前記浮遊部材に取り付けられる
ことを特徴とする送受信システム。
【請求項16】
請求項1または請求項4において、
プリンタ用紙を収容する給紙トレーと、前記給紙トレーが挿入されて給紙トレーを収納するトレー収納部を有するプリンタ本体とを含むプリンタをさらに備え、
前記給紙トレーは、給紙トレー本体と、前記給紙トレー本体の内部に配置され且つ前記プリンタ用紙が載置される給紙板と、前記給紙トレーの挿入方向において前記給紙板の一端部を該給紙板の一端部に対応する前記給紙トレー本体底面の一端部から離れる方向へ付勢する付勢部材とを含み、
前記無線型伝送装置は、前記給紙板の一端部に取り付けられる
ことを特徴とする送受信システム。
【請求項17】
請求項1または請求項4において、
所定のインクを収容するインクカートリッジと、前記インクカートリッジに収容されたインクの液面に浮遊する浮遊部材と、前記インクカートリッジを内部に収納するカートリッジホルダー部を有するプリンタ本体とを含むプリンタをさらに備え、
前記無線型伝送装置は、前記浮遊部材に取り付けられる
ことを特徴とする送受信システム。
【請求項18】
搬送波を受信し該搬送波の受信状態に応じて該搬送波に返信信号を重畳させる無線型伝送装置との間で情報をやりとりする外部発信受信装置であって、
前記搬送波を送信する一方、該搬送波に重畳された返信信号を受信する発信側送受信部と、
前記発信側送受信部における搬送波の送信レベルを順次変更するレベル設定部と、
前記外部発信受信装置からの返信の有無を判断する通信判断部と、
前記通信判断部によって前記外部発信受信装置からの返信があると判断されると、前記発信側送受信部における搬送波の送信レベルに基づいて該外部発信受信装置と前記無線型伝送装置との間の通信距離と求める発信側制御部とを備える
ことを特徴とする外部発信受信装置。
【請求項19】
搬送波を受信し該搬送波の受信状態に応じて該搬送波に返信信号を重畳させる無線型伝送装置との間で情報をやりとりする外部発信受信装置であって、
該外部発信受信装置と前記無線型伝送装置とが所定の距離を超えると該無線型伝送装置からの返信が途絶えるように送信レベルが設定された搬送波を送信する一方、該搬送波に重畳された返信信号を受信する発信側送受信部と、
前記無線型伝送装置からの返信の有無を判断する通信判断部と、
前記通信判断部による判断結果に基づいて該外部発信受信装置と前記無線型伝送装置との間の通信距離を判定する発信側制御部とを備える
ことを特徴とする外部発信受信装置。
【請求項20】
搬送波を送信する外部発信受信装置と、前記搬送波を受信し該搬送波の受信状態に応じて情報を返信する無線型伝送装置との間で行う送受信方法であって、
前記外部発信受信装置において、前記搬送波の送信レベルを順次変更するレベル変更ステップと、
前記外部発信受信装置において、前記無線型伝送装置からの返信の有無を判断する通信判断ステップと、
前記返信判断ステップにて前記無線型伝送装置からの返信があると判断されると、前記搬送波の送信レベルに基づいて前記外部発信受信装置と前記無線型伝送装置との間の距離を前記外部発信受信装置において求める算出ステップとを備える
ことを特徴とする送受信方法。
【請求項21】
搬送波を送信する外部発信受信装置と、前記搬送波を受信し該搬送波の受信状態に応じて情報を返信する無線型伝送装置情報との間で行う送受信方法であって、
前記外部発信受信装置において、該外部発信受信装置と前記無線型伝送装置とが所定の距離を超えると該無線型伝送装置からの返信が途絶えるように送信レベルが設定された搬送波を送信する搬送波送信ステップと、
前記外部発信受信装置において、前記無線型伝送装置からの返信の有無を判断する通信判断ステップと、
前記通信判断ステップにおける判断結果に基づいて該外部発信受信装置と前記無線型伝送装置との間の通信距離を前記外部発信受信装置において判定する距離判定ステップとを備える
ことを特徴とする送受信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2007−93595(P2007−93595A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−235849(P2006−235849)
【出願日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】