説明

送受信装置およびその動作方法

【課題】半導体チップ面積を低減して再生データと再生クロックの生成の誤動作の可能性を軽減する。
【解決手段】送受信装置7は、クロックデータリカバリ回路11、デシリアライザ15、シリアライザ14、PLL回路13、周波数検出器12を具備する。クロックデータリカバリ回路11は受信信号RXとPLL回路13から生成されるクロック信号TXCLKに応答して、再生クロックCLKと再生データDATAを抽出する。デシリアライザ15はCLKとDATAからパラレル受信データDTを生成し、シリアライザ14はパラレル送信データDRとTXCLKからシリアル送信信号TXを生成する。検出器12は受信信号RXとクロック信号TXCLKの周波数の差を検出して周波数制御信号FCSを生成して、信号FCSに応答して周波数の記差を低減するように、PLL回路13はTXCLKの周期を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送受信装置およびその動作方法に関し、特に半導体チップ面積を低減するとともにホストからの受信信号の受信に際して再生データと再生クロックの生成での誤動作の可能性を軽減するのに有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、ホストとの双方向通信を実現するデバイス、例えば半導体集積回路では、ホストとデバイスとの間の双方向通信信号の周波数が規格により規定されており、通信信号が規定外の周波数になると通信を確立できなくなる。そのために、通信信号が規定内の周波数になるように調整する技術が知られている。
【0003】
下記特許文献1には、受信装置の周波数制御情報処理部から出力される周波数制御情報を送信装置に送出して、送信装置の周波数制御部は周波数制御情報に基づき送信装置の基本クロックの周波数を制御することによって、送信装置の基本クロックの周波数と受信装置のローカルクロックの周波数を同期することが記載されている。また、下記特許文献2には、受信データから受信クロックを再生するとともに受信クロックに送信クロックを同期させるため、電圧制御発振器の出力を可変分周器で分周した出力とエッジ検出器で受信データから得たエッジ検出タイミングとの位相差により可変分周器の分周比を制御するデジタルPLL(Phase Locked Loop)回路を使用することが記載されている。更に、下記特許文献3には、ホストからの受信信号とホストへの送信信号の周波数差を周波数誤差検出器によって検出して、送信信号の周波数を受信信号の周波数と合致させることが記載されている。
【0004】
一方、下記非特許文献1には光通信システムで使用されるデータリカバリー回路が記載され、このデータリカバリー回路は位相比較器(PC)、アップダウン決定回路(DC)、サイクリッククロックフェーズポインタ(CPP)、クロック補間器(CI)、クロックセレクタ(CS)によって構成されている。2相内部クロック信号はクロック補間器(CI)によって多相クロック信号に変換され、ポインタ(CPP)の出力信号に応答してクロックセレクタ(CS)によって多相クロック信号から選択クロック信号が選択される。選択クロック信号と光通信システムの伝送入力信号は、位相比較器(PC)の3個のフリップフロップのトリガ入力端子とデータ入力端子とにそれぞれ供給され、3個のフリップフロップの出力信号は位相比較器(PC)の2個の排他的OR回路の入力端子に供給される。また、一方の排他的OR回路の出力信号と他方の排他的OR回路の出力信号はそれぞれアップリクエストとダウンリクエストとしてアップダウン決定回路(DC)の入力端子に供給され、アップダウン決定回路(DC)のインクリメント制御信号とディクリメント制御信号はサイクリッククロックフェーズポインタ(CPP)に供給される。このデータリカバリー回路によって伝送入力信号のデータエッジのタイミングが選択クロック信号のタイミングの略中央に位置するように制御され、低ビットエラーレートでデータの回復(リカバリー)が可能とされるものである。
【0005】
さらに、下記非特許文献2には、ΣΔ変調器の出力により分周器の2つの分周比の間をトグルするフラクショナルPLL回路によって、シリアルATAインターフェースのためのスプレッドスペトクラムクロック発生器(SSCG:Spread Spectrum Clock Generator)を構成することが記載されている。また下記非特許文献2では、ΣΔ変調器の出力により多重係数分周器(DMD:Dual Modulus Divider)の2つの分周比(73/75)の間をトグルするものである。このように、スプレッドスペトクラムクロック発生器(SSCG)は、電子機器におけるEMIのような不要輻射を軽減するため、クロック信号を周波数変調してクロックの基本波と高調波のピーク電力を低減するものである。トータルエネルギーは同一であるが、クロック信号の振幅と信号エッジの波形とを保ったままクロック信号が広周波数帯域にわたり拡散される(spread)ので、ピークエネルギーを低減することができる。分周比が整数のみの一般的なPLL回路ではロックド・ループの周波数解像度は基準周波数fREFとなるので、精密な周波数解像度は小さな基準周波数fREFを必要とし、従って小さなループ周波数帯域となる。狭ループ周波数帯域は長いスイッチング時間となるので望ましくなく、PLL回路の電圧制御発振器(VCO)の位相雑音の抑圧が不十分でPLL回路外部からの雑音の影響を受けやすい。それに対して、フラクショナルPLL回路を使用するフラクショナルシンセサイザは、基準周波数fREFよりも精密な周波数解像度を持つために開発され、フラクショナル−N分周器では分周比は周期的に整数Nから整数N+1に変更されて、結果的に平均分周比はNよりも(N+1)分周のデューティー比分増加する。尚、EMIはElectromagnetic Interferenceの略であり、ATAはAdvanced Technology Attachmentの略である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−230750号 公報
【特許文献2】特開平8−335932号 公報
【特許文献3】特開2007−135189号 公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Yoshio Miki et al, “A 50−mW/ch 2.5−Gb/s/ch Data Recovery Circuit for the SFI−5 Interface With Digital Eye−Tracking”, IEEE JOURNAL OF SOLID−STATE CIRCUITS, VOL.39, NO.4, APRIL 2004, PP.613−621.
【非特許文献2】Wei−Ta Chen et al. “A Spread Spectrum Clock Generator for SATA−II”, 2005 IEEE International Symposium Circuits and Systems,23−26 May 2005, PP.2643−2646.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
HDD(Hard Disk Drive)/CD(Compact Disk)/DVD(Digital Versatile Disk)/BD(Blue-ray Disc)等の記録媒体を使用する半導体集積回路等のデバイスの開発では、汎用性が求められるので種々のホストとの接続可能性が要求される。また、このような汎用性が要求される半導体集積回路では、市場に安価に提供することが必須の課題となっている。このために、小さなチップ面積で、半導体集積回路を量産することが要求される。
【0009】
本発明者等は本発明に先立って、種々のホストとの接続可能なHDD/CD/DVD/BD等の記録媒体を使用する半導体集積回路等のデバイスの研究・開発に従事した。
【0010】
このデバイスの研究・開発においては、ホストとの接続において不要輻射を軽減するためスプレッドスペトクラムクロック発生器(SSCG)を利用するシリアルATAインターフェースが採用されることになった。
【0011】
またこのデバイスの研究・開発では、スプレッドスペトクラムクロック発生器(SSCG)を利用するシリアルATAインターフェースによってホストからの受信信号のクロック信号周波数が拡散された状態で拡散クロックと送信信号とを高精度で再生するために、上記非特許文献1に記載のデータリカバリー回路の採用が検討された。
【0012】
図1は、本発明に先立って本発明者等により検討された記録媒体を使用する半導体集積回路によって構成されるデバイスの構成を示す図である。
【0013】
以下に、図1に示すデバイスを構成する半導体集積回路7を、詳細に説明する。
【0014】
一般に、光ディスク装置やハードディスク装置等の記憶メディア(周辺装置)をパーソナルコンピュータ等のコンピュータに接続するためのインターフェースとして、例えば、標準規格のシリアルATA型インターフェースユニットがある。シリアルATAを使用することにより、各種の記憶メディアが互換性を持つコマンドや制御ソフトウエアのもとで、コンピュータに接続されることができる。図1に示したデバイスでは、記憶メディアとして光ディスク装置が採用され、この周辺装置がホストコンピュータとシリアルATAPIで接続される。尚、ATAPIは、Advanced Technology Attachment Peripheral Interfaceの略である。
【0015】
図1に示した光ディスク装置は、光ディスク5、光ピックアップ6、半導体集積回路7、水晶発振子3によって構成され、ホストコンピュータ(HOST)2とシリアルATAPI方式で接続されている。
【0016】
光ピックアップ6は、光ディスク5に光ビームを照射してデータの読み出し、書き込みを行なう。半導体集積回路7は、光ピックアップ6のデータ書き込みおよびデータ読み出しの処理を行なう記録再生ユニット(READ/WRITE)8と、記録再生ユニット8のデータをホストコンピュータ(HOST)2へ入出力するためのインターフェースユニット(ATAPI)1とを含んでいる。
【0017】
インターフェースユニット(ATAPI)1は、シリアライザ(SER)14、第1のPLL回路16、第2のPLL回路(PLL)13、デシリアライザ(DES)15、クロックデータリカバリ回路(CDR)11から構成される。
【0018】
周辺装置としての光ディスクからのデータ読み出しの処理では、パラレル・シリアル変換器としてのシリアライザ(SER)14は、記録再生ユニット8からのパラレル送信データを第2のPLL回路(PLL)13から供給されるクロックに同期したシリアル送信信号に変換して、ホストコンピュータ2に出力する。すなわち、光ディスク5のデータ読み出しの処理では、インターフェースユニット(ATAPI)1のシリアライザ(SER)14は、記録再生ユニット8からパラレル送信データを第2のPLL回路(PLL)13から供給されるクロックCLK2に同期したシリアル送信信号TXに変換してホストコンピュータ2に出力する。その際、第2のPLL回路(PLL)13は上記非特許文献2に記載のようなΣΔ変調器を含むフラクショナルPLL回路によるスプレッドスペトクラムクロック発生器(SSCG)を構成しているので、シリアル送信信号TXによる不要輻射を軽減することが可能となる。
【0019】
一方、周辺装置としての光ディスクへのデータ書き込みの処理では、クロックデータリカバリ回路(CDR)11は、ホストコンピュータ2から受信信号RXを受信して第1のPLL回路16から供給されるクロックCLK1に応答してシリアル再生データDATAと再生クロックCLKを生成してデシリアライザ(DES)15に出力する。シリアル・パラレル変換器としてのデシリアライザ(DES)15はシリアル再生データと再生クロックとからパラレル受信データを生成して、光ディスクへのデータ書き込みの処理が実行される。すなわち、光ディスク5へのデータ書き込みの処理では、インターフェースユニット(ATAPI)1のクロックデータリカバリ回路(CDR)11は、ホストコンピュータ2から受信信号RXを受信して第1のPLL回路16から供給されるクロックCLK1に応答してシリアル再生データDATAと再生クロックCLKを生成してデシリアライザ(DES)15に出力する。デシリアライザ(DES)15はシリアル再生データDATAと再生クロックCLKとからパラレル受信データを生成して記録再生ユニット8に出力して、光ディスク5へのデータ書き込みの処理が実行される。クロックデータリカバリ回路(CDR)11から再生される再生クロックCLKは、基準周波数信号として第1のPLL回路16の入力端子に供給されている。その結果、スプレッドスペトクラムを利用するシリアルATAインターフェースによってホストコンピュータ2からの受信信号RXのクロック信号周波数と再生クロックCLKの周波数との変化に追従して、第1のPLL回路16から生成されるクロックCLK1の周波数が変化することができる。従って、スプレッドスペトクラムを利用するシリアルATAインターフェースによってクロック周波数が変化するような状態でも、インターフェースユニット(ATAPI)1のクロックデータリカバリ回路(CDR)11はシリアル再生データDATAと再生クロックCLKを生成することが可能である。
【0020】
しかし、本発明者等は図1に示す半導体集積回路7は第1のPLL回路16と第2のPLL回路(PLL)13とを含むので、半導体チップ面積が大きくなると言う問題を明らかとした。特に、PLL回路に含まれるループフィルタ(LP:Loop Filter)はチップ占有面積の大きな容量素子と抵抗素子とを含むものであり、PLL回路に含まれる電圧制御発振器(VCO:Voltage Controlled Oscillator)は多段のCMOSインバータ・チェインを含むものであるために、図1に示す半導体集積回路7はチップ占有面積が大きくなるものである。
【0021】
従って、本発明者等は図1に示した本発明に先立って本発明者等によって検討された半導体集積回路7の半導体チップ面積を低減するために、第1のPLL回路16と第2のPLL回路(PLL)13とを単一のPLL回路で共用化することを本発明に先立って検討した。
【0022】
この共用化では、単一の共用化PLL回路が発生するクロックに応答してシリアライザ(SER)14は、記録再生ユニット8からのパラレル送信データをシリアル送信データTXに変換してホストコンピュータ2に出力する。その際に、シリアル送信データTXと単一の共用化PLL回路が発生するクロックの周波数の変化は、デバイス側のスプレッドスペクトラムによって決定される。
【0023】
一方、この共用化では、単一の共用化PLL回路が発生するクロックに応答してクロックデータリカバリ回路(CDR)11はホストコンピュータ2から受信信号RXを受信してシリアル再生データDATAと再生クロックCLKを生成してデシリアライザ(DES)15に出力する。しかしその際に、受信信号RXと再生クロックCLKの周波数の変化は、ホスト側のスプレッドスペクトラムによって決定される。
【0024】
一方、シリアルATAインターフェースでは、ホストとデバイスとの間ではホストからの受信信号RXとデバイスからの送信信号TXとのみが伝送され、その他の信号の伝送が不可能な規格となっている。従って、デバイスでのホストからの受信信号RXの受信用の受信クロックとデバイスでのホストへの送信信号TXの送信用の送信クロックは、非同期の関係となるものである。その結果、上述のような共用化によって、デバイス側のスプレッドスペクトラムによって決定される周波数を有するシリアライザ(SER)14のクロックの周波数とホスト側のスプレッドスペクトラムによって決定される周波数を有するクロックデータリカバリ回路(CDR)11のクロックの周波数とが、不一致となるものである。従って、その際の周波数の差が顕著となると、クロックデータリカバリ回路(CDR)11でのホストコンピュータ2からの受信信号RXの受信によるシリアル再生データDATAと再生クロックCLKの生成で正常な動作が困難となると言う問題が、本発明者等による検討によって明らかとされた。
【0025】
本発明は、以上のような本発明に先立った本発明者等による検討の結果、なされたものである。
【0026】
従って、本発明の目的とするところは、ホストと接続可能なデバイスを構成する半導体集積回路の半導体チップ面積を低減するとともにホストからの受信信号の受信に際して再生データと再生クロックの生成での誤動作の可能性を軽減することにある。
【0027】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0028】
本願において開示される発明のうちの代表的なものについて簡単に説明すれば下記のとおりである。
【0029】
すなわち、本発明の代表的な実施の形態による送受信装置(7)は、クロックデータリカバリ回路(11)、デシリアライザ(15)、シリアライザ(14)、PLL回路(13)、周波数検出器(12)を具備する。
【0030】
前記クロックデータリカバリ回路(11)は受信信号(RX)と前記PLL回路(13)から生成されるクロック信号(TXCLK)に応答して、再生クロック(CLK)と再生データ(DATA)を抽出する。
【0031】
シリアル・パラレル変換器の前記デシリアライザ(15)は、前記再生クロック(CLK)と前記再生データ(DATA)とからパラレル受信データ(DT)を生成する。
【0032】
パラレル・シリアル変換器の前記シリアライザ(14)は、パラレル送信データ(DR)と前記PLL回路(13)から生成される前記クロック信号(TXCLK)とからシリアル送信信号(TX)を生成する。
【0033】
前記周波数検出器(12)は前記受信信号(RX)の周波数と前記クロック信号(TXCLK)の周波数との差を検出して、前記PLL回路(13)に供給される周波数制御信号(FCS)を生成する。
【0034】
前記周波数制御信号(FCS)に応答して前記受信信号(RX)の前記周波数と前記クロック信号(TXCLK)の前記周波数との前記差を低減するように、前記PLL回路(13)は前記クロック信号(TXCLK)の周期を制御する(図2、図12参照)。
【発明の効果】
【0035】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記の通りである。
【0036】
すなわち、本発明によれば、半導体チップ面積を低減するとともにホストからの受信信号の受信に際して再生データと再生クロックの生成での誤動作の可能性を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】図1は、本発明に先立って本発明者等により検討された記録媒体を使用する半導体集積回路によって構成されるデバイスの構成を示す図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態1による送受信装置を具備した通信システムの構成を示す図である。
【図3】図3は、図2に示した送受信機能を有する送受信装置として構成されたデバイス1中に含まれるクロックデータリカバリ回路(CDR)11の構成を示す図である。
【図4A】図4Aは、図3に示したクロックデータリカバリ回路(CDR)11の動作を説明する図であって、信号間のタイミング関係を示すタイミングチャートである。
【図4B】図4Bは、図3に示したクロックデータリカバリ回路(CDR)11の動作を説明する図であって、選択クロック出力信号とジッタ成分との関係を示す図である。
【図5】図5は、図2に示した送受信機能を有する送受信装置として構成されたデバイス1中に含まれる周波数誤差検出器(CNT)12の構成を示す図である。
【図6】図6は、図5に示した周波数誤差検出器(CNT)12に含まれる周波数誤差検出調整器(DDC)123の構成を示す図である。
【図7】図7は、図2に示した送受信機能を有する送受信装置として構成されたデバイス1中に含まれるPLL回路(PLL)13の構成を示す図である。
【図8】図8は、図7に示したPLL回路(PLL)13に含まれる電圧制御発振器(VCO)134の構成を示す図である。
【図9A】図9Aは、図8に示した電圧制御発振器(VCO)134に含まれる電圧電流変換器(VIC)1341の構成を示す図である。
【図9B】図9Bは、図8に示した電圧制御発振器(VCO)134に含まれる4段の遅延回路1342A、1342B、1342C、1342Dの各々に相当する遅延回路1342の構成を示す図である。
【図10A】図10Aは、図7に示したPLL回路(PLL)13に含まれる波形生成部138の構成を示す図である。
【図10B】図10Bは、図7に示したPLL回路(PLL)13に含まれる波形生成部138の動作波形を示す図である。
【図11】図11は、図2から図10Bに説明した本発明の実施の形態1による送受信装置を具備した通信システムの送信クロックTXCLKの周波数制御動作を説明する図である。
【図12】図12は、本発明の実施の形態2による送受信装置を具備した通信システムの構成を示す図である。
【図13】図13は、図12に示した本発明の実施の形態2による送受信装置として構成されたデバイス1中に含まれるPLL回路(PLL)13の構成を示す図である。
【図14】図14は、図12に示した本発明の実施の形態2による送受信機能を有する送受信装置として構成されたデバイス1中に含まれる周波数誤差検出器(CNT)12の構成を示す図である。
【図15】図15は、図14に示した周波数誤差検出器(CNT)12に含まれる周波数誤差検出調整器(DDC)123の構成を示す図である。
【図16】図16は、図15に示した周波数誤差検出調整器(DDC)123の第1と第2の周波数検出器(FD)1231A、Bが測定する1相送信クロック信号TXCLKと受信信号RXの周波数の最大周波数(UF)、平均周波数(AF)、最小周波数(DF)を説明する図である。
【図17A】図17Aは、図13に示したPLL回路(PLL)13に含まれる波形生成部138の構成を示す図である。
【図17B】図17Bは、図13に示したPLL回路(PLL)13に含まれる波形生成部138の動作波形を示す図であって、変調周期調整信号MNと分周帰還信号fmと波形信号FWAVEとの関係を示す図である。
【図17C】図17Cは、図13に示したPLL回路(PLL)13に含まれる波形生成部138の動作波形を示す図であって、変調度調整信号MTと分周帰還信号fmと波形信号FWAVEとの関係を示す図である。
【図18】図18は、図12から図17Cに説明した本発明の実施の形態2による送受信装置を具備した通信システムの送信クロックTXCLKの周波数制御動作を説明する図である。
【図19】図19は、本発明の実施の形態3による半導体集積回路によって構成される送受信装置としてのデバイスを具備した通信システムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
1.実施の形態の概要
まず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。代表的な実施の形態についての概要説明で括弧を付して参照する図面の参照符号はそれが付された構成要素の概念に含まれるものを例示するに過ぎない。
【0039】
[1]本発明の代表的な実施の形態による送受信装置(7)は、クロックデータリカバリ回路(11)と、デシリアライザ(15)と、シリアライザ(14)と、PLL回路(13)と、周波数検出器(12)とを具備する。
【0040】
前記クロックデータリカバリ回路(11)は受信信号(RX)と前記PLL回路(13)から生成されるクロック信号(TXCLK)とに応答して、再生クロック(CLK)と再生データ(DATA)とを抽出するものである。
【0041】
シリアル・パラレル変換器としての前記デシリアライザ(15)は、前記再生クロック(CLK)と前記再生データ(DATA)とからパラレル受信データ(DT)を生成するものである。
【0042】
パラレル・シリアル変換器としての前記シリアライザ(14)は、パラレル送信データ(DR)を前記PLL回路(13)から生成される前記クロック信号(TXCLK)とからシリアル送信信号(TX)を生成するものである。
【0043】
前記周波数検出器(12)は前記受信信号(RX)の周波数と前記クロック信号(TXCLK)の周波数との差を検出することによって、前記PLL回路(13)に供給される周波数制御信号(FCS)を生成するものである。
【0044】
前記周波数制御信号(FCS)に応答して前記受信信号(RX)の前記周波数と前記クロック信号(TXCLK)の前記周波数との前記差を低減するように、前記PLL回路(13)は前記クロック信号(TXCLK)の周期を制御することを特徴とするものである(図2、図12参照)。
【0045】
前記実施の形態によれば、半導体チップ面積を低減するとともにホストからの受信信号の受信に際して再生データと再生クロックの生成での誤動作の可能性を軽減することができる。
【0046】
好適な実施の形態による送受信装置(7)では、前記PLL回路(13)は、波形生成器(138)と、ΔΣ変調器(137)と、可変分周器(136)とを含む。
【0047】
前記波形生成器(138)から生成される波形信号(FWAVE)に応答して前記ΔΣ変調器(137)が前記可変分周器(136)の平均分周数(N)を少数点以下の値に制御することによって、前記PLL回路(13)はスプレッドスペクトラムクロック発生器(SSCG)を構成するものである(図7、図13参照)。
【0048】
前記好適な実施の形態によれば、シリアル送信信号(TX)の生成に際して不要輻射を低減することが可能となる。
【0049】
より好適な実施の形態による送受信装置(7)では、前記周波数検出器(12)から生成される前記周波数制御信号(FCS)が前記PLL回路(13)の前記波形生成器(138)に供給されることによって、前記PLL回路(13)から生成される前記クロック信号(TXCLK)の位相が制御されることを特徴とするものである(図10A、図10B、図14、図15参照)。
【0050】
他の好適な実施の形態による送受信装置(7)では、前記周波数検出器(12)は前記受信信号(RX)の前記周波数と前記クロック信号(TXCLK)の前記周波数との前記差を検出することによって、前記PLL回路(13)に供給される変調周期調整信号(MN)と変調度調整信号(MT)を生成するものである(図14、図15参照)。
【0051】
前記変調周期調整信号(MN)と前記変調度調整信号(MT)に応答して、前記受信信号(RX)の前記周波数と前記クロック信号(TXCLK)の前記周波数との前記差を低減するように、前記PLL回路(13)は前記クロック信号(TXCLK)の周期と変調度とを制御することを特徴とするものである(図17A〜図17C参照)。
【0052】
具体的な実施の形態による送受信装置(7)では、前記クロックデータリカバリ回路(11)は、位相比較器(111)と、積分器(112)と、位相選択部(113)と、クロック選択部(114)とを含む。
【0053】
前記クロック選択部(114)には前記PLL回路(13)から生成される多相の前記クロック信号(TXCLK0〜7)と前記位相選択部(113)から生成されるポインタ値(P)とが供給され、前記ポインタ値(P)に応答して前記クロック選択部(114)は前記多相の前記クロック信号から複数の選択クロック出力信号(CLK0〜2)を生成するものである。
【0054】
前記位相比較器(111)には前記受信信号(RX)と前記クロック選択部(114)から生成される前記複数の選択クロック出力信号(CLK0〜2)とが供給され、前記位相比較器(111)は前記受信信号(RX)の位相と前記複数の選択クロック出力信号(CLK0〜2)の複数の位相との関係に応答して進相信号(EARLY)と遅相信号(LATE)を生成するものである。
【0055】
前記積分器(112)には前記位相比較器(111)から生成される前記進相信号(EARLY)と前記遅相信号(LATE)とが供給され、前記積分器(112)はアップ信号(UP)とダウン信号(DN)を生成するものである。
【0056】
前記クロック選択部(114)には前記積分器(112)から生成される前記アップ信号(UP)と前記ダウン信号(DN)が供給され、前記クロック選択部(114)から生成される前記ポインタ値(P)の値が設定されることを特徴とするものである(図4A,B参照)。
【0057】
他の具体的な実施の形態による送受信装置(7)では、前記クロックデータリカバリ回路(11)と、前記デシリアライザ(15)と、前記シリアライザ(14)と、前記PLL回路(13)と、前記周波数検出器(12)とは半導体集積回路(1)に構成されたことを特徴とするものである(図2、図12参照)。
【0058】
最も具体的な実施の形態による送受信装置(7)では、前記PLL回路(13)の前記波形生成器(138)から生成される前記波形信号(FWAVE)は、三角波形信号であることを特徴とするものである(図10A、図10B、図17A〜図17C参照)。
【0059】
〔2〕本発明の別の観点の代表的な実施の形態は、クロックデータリカバリ回路(11)と、デシリアライザ(15)と、シリアライザ(14)と、PLL回路(13)と、周波数検出器(12)とを具備する送受信装置(7)の動作方法である。
【0060】
前記クロックデータリカバリ回路(11)は受信信号(RX)と前記PLL回路(13)から生成されるクロック信号(TXCLK)とに応答して、再生クロック(CLK)と再生データ(DATA)とを抽出するものである。
【0061】
シリアル・パラレル変換器としての前記デシリアライザ(15)は、前記再生クロック(CLK)と前記再生データ(DATA)とからパラレル受信データ(DT)を生成するものである。
【0062】
パラレル・シリアル変換器としての前記シリアライザ(14)は、パラレル送信データ(DR)と前記PLL回路(13)から生成される前記クロック信号(TXCLK)とからシリアル送信信号(TX)を生成するものである。
【0063】
前記周波数検出器(12)は前記受信信号(RX)の周波数と前記クロック信号(TXCLK)の周波数との差を検出することによって、前記PLL回路(13)に供給される周波数制御信号(FCS)を生成するものである。
【0064】
前記周波数制御信号(FCS)に応答して前記受信信号(RX)の前記周波数と前記クロック信号(TXCLK)の前記周波数との前記差を低減するように、前記PLL回路(13)は前記クロック信号(TXCLK)の周期を制御することを特徴とするものである(図2、図12参照)。
【0065】
前記実施の形態によれば、半導体チップ面積を低減するとともにホストからの受信信号の受信に際して再生データと再生クロックの生成での誤動作の可能性を軽減することができる。
【0066】
2.実施の形態の詳細
次に、実施の形態について更に詳述する。尚、発明を実施するための最良の形態を説明するための全図において、前記の図と同一の機能を有する部品には同一の符号を付して、その繰り返しの説明は省略する。
【0067】
[実施の形態1]
《通信システム》
図2は、本発明の実施の形態1による送受信装置を具備した通信システムの構成を示す図である。
図2に示す通信システムは、デバイス1とホスト2によって構成され、デバイス1は送受信機能を有する送受信装置として構成される一方、ホスト2も送受信機能を有する送受信装置として構成され、デバイス1とホスト2との間の双方向通信が可能とされている。すなわち、図2に示す通信システムでは、ホスト2はデバイス1に受信信号RXを出力して、デバイス1からの送信信号TXを受信するものであり、デバイス1はホスト2からの受信信号RXを受信して受信データDTを出力して、送信データDRを受信してホスト2に送信信号TXを送信する。
【0068】
図2に示す通信システムに含まれるデバイス1は図1に示すインターフェースユニット(ATAPI)1に対応するものであって、デバイス1からの送信データDRは図1に示す記録再生ユニット8とピックアップ6を介してHDD等の記録媒体5に書き込まれる。一方、記録媒体5の書き込みデータは、ピックアップ6と記録再生ユニット8とを介して読み出され、送信データDRとしてデバイス1に送信されるものである。また、デバイス1には基準信号Frefを供給する基準信号生成源3が接続され、図2には図示されていないがホスト2にも別の基準信号を供給する別の基準信号生成源が接続されている。
【0069】
図2に示すデバイス1は、半導体集積回路によって構成された送受信装置であり、図1に示したインターフェースユニット(ATAPI)1と同様にクロックデータリカバリ回路(CDR)11、シリアライザ(SER)14、デシリアライザ(DES)15を含んでいる。図1に示したインターフェースユニット(ATAPI)1に含まれた第1のPLL回路16と第2のPLL回路(PLL)13とは、図2に示したデバイス1では単一のPLL回路(PLL)13で共用化されている。また、特に図2に示したデバイス1には、図1のインターフェースユニット(ATAPI)1に含まれていない周波数誤差検出器(CNT)12が追加されている。
【0070】
クロックデータリカバリ回路(CDR)11は、上記非特許文献1に記載のデータリカバリ回路と略同様にデバイス1によって受信されたホスト2からの受信信号RXとPLL回路(PLL)13から生成される8相のクロック信号TXCLKに応答して、再生クロックCLKと再生データDATAとを抽出してデシリアライザ(DES)15に出力する。するとシリアル・パラレル変換器としてのデシリアライザ(DES)15はシリアル再生データDATAと再生クロックCLKとからパラレル受信データDTを生成して、記録媒体5へのデータ書き込みの処理が実行される。
【0071】
記録媒体5からのデータ読み出しの処理では、パラレル・シリアル変換器としてのシリアライザ(SER)14は、記録再生ユニット8からのパラレル送信データDRをPLL回路(PLL)13から供給される1相のクロック信号TXCLKに同期したシリアル送信信号TXに変換して、ホスト2に出力する。その際に、PLL回路(PLL)13は上記非特許文献2に記載のようなΣΔ変調器を含むフラクショナルPLL回路によるスプレッドスペトクラムクロック発生器(SSCG)を構成しているので、シリアル送信信号TXによる不要輻射を軽減することが可能となる。
【0072】
周波数誤差検出器(CNT)12には、ホスト2からの受信信号RXとクロックデータリカバリ回路(CDR)11からの再生データDATAと基準信号生成源3からの基準信号FrefとPLL回路(PLL)13からの1相の送信クロックTXCLKが供給される。従って、周波数誤差検出器(CNT)12が受信信号RXの周波数と送信クロックTXCLKの周波数との大きな差を検出した場合には、周波数誤差検出器(CNT)12は周波数制御信号FCSをPLL回路(PLL)13に出力する。するとPLL回路(PLL)13は、この周波数制御信号FCSに応答してクロックデータリカバリ回路(CDR)11に供給される8相のクロック信号TXCLKの周期を制御して受信信号RXの周波数と送信クロックTXCLKの周波数との差を縮小するように、動作するものである。
【0073】
以下に、図2に示す通信システムに含まれるクロックデータリカバリ回路(CDR)11、周波数誤差検出器(CNT)12、PLL回路(PLL)13等の内部回路の構成と動作とを説明する。
【0074】
《クロックデータリカバリ回路の構成》
図3は、図2に示した送受信機能を有する送受信装置として構成されたデバイス1中に含まれるクロックデータリカバリ回路(CDR)11の構成を示す図である。
【0075】
図3に示すクロックデータリカバリ回路(CDR)11の基本的な構成は、上記非特許文献1に記載されたデータリカバリ回路と類似したものである。図3に示すクロックデータリカバリ回路(CDR)11は、位相比較器(PD)111、積分器(INT_CIR)112、位相選択部(Phase_Sel)113、クロック選択部(CLK_SEL)114、インバータ115を含んでいる。
【0076】
位相比較器(PD)111の3個のフリップフロップ1111A、1111B、1111Cのデータ入力端子にはホスト2から出力された受信信号RXが共通に供給される一方、3個のフリップフロップ1111A、1111B、1111Cのトリガ入力端子にはクロック選択部(CLK_SEL)114から出力された3個の選択クロック出力信号CLK0、CLK1、CLK2がそれぞれ供給される。位相比較器(PD)111の第1のフリップフロップ1111Aの出力信号と第2のフリップフロップ1111Bの出力信号とは第1の排他的OR回路1112Aの入力端子に供給される一方、位相比較器(PD)111の第2のフリップフロップ1111Bの出力信号と3番目のフリップフロップ1111Cの出力信号とは第2の排他的OR回路1112Bの入力端子に供給される。
【0077】
位相比較器(PD)111の第1の排他的OR回路1112Aの出力信号EARLYと第2の排他的OR回路1112Bの出力信号LATEは積分器(INT_CIR)112のデータ入力端子に供給される一方、入力端子にクロック選択部(CLK_SEL)114からの第2の選択クロック出力信号CLK1が供給されたインバータ115の出力信号が積分器(INT_CIR)112のトリガ入力端子に供給される。
【0078】
積分器(INT_CIR)112のアップ出力信号UPとダウン出力信号DNとは位相選択部(Phase_Sel)113の入力端子に供給され、位相選択部(Phase_Sel)113のポインタ出力信号Pはクロック選択部(CLK_SEL)114の選択入力端子に供給され、クロック選択部(CLK_SEL)114の8個のデータ入力端子にはPLL回路(PLL)13から生成される8相のクロック信号TXCLK0、TXCLK1、TXCLK2、TXCLK3、TXCLK4、TXCLK5、TXCLK6、TXCLK7が供給される。クロック選択部(CLK_SEL)114の選択入力端子に供給されるポインタ出力信号Pの値に従って、8相のクロック信号TXCLK0〜TXCLK7から3個のクロック信号が、第1の選択クロック出力信号CLK0、第2の選択クロック出力信号CLK1、第3の選択クロック出力信号CLK2としてクロック選択部(CLK_SEL)114によって生成される。
【0079】
図3に示したクロックデータリカバリ回路(CDR)11では、第2のフリップフロップ1111Bの出力端子から生成される出力信号は再生データDATAとしてデシリアライザ(DES)15と周波数誤差検出器(CNT)12に出力される一方、クロック選択部(CLK_SEL)114から生成される第2の選択クロック出力信号CLK1は再生クロックCLKとしてデシリアライザ(DES)15に出力される。
【0080】
《クロックデータリカバリ回路の動作》
図4A、図4Bは、図3に示したクロックデータリカバリ回路(CDR)11の動作を説明する図である。図4Aは信号間のタイミング関係を示すタイミングチャートであり、図4Bは選択クロック出力信号とジッタ成分との関係を示す図である。
【0081】
図4Aの上部には、クロック選択部(CLK_SEL)114の8個のデータ入力端子に供給されるPLL回路(PLL)13から生成される8相のクロック信号TXCLK0、TXCLK1、TXCLK2、TXCLK3、TXCLK4、TXCLK5、TXCLK6、TXCLK7が示されている。
【0082】
図4Aの中央部には、ホスト2からの受信信号RXとクロック選択部(CLK_SEL)114によって生成される第1の選択クロック出力信号CLK0、第2の選択クロック出力信号CLK1、第3の選択クロック出力信号CLK2が示されている。この例では、8相のクロック信号TXCLK0〜TXCLK7から選択された第3のクロック信号TXCLK2、第4のクロック信号TXCLK3、第5のクロック信号TXCLK4が、それぞれ第1の選択クロック出力信号CLK0、第2の選択クロック出力信号CLK1、第3の選択クロック出力信号CLK2としてクロック選択部(CLK_SEL)114から出力されている。また、この例では、ホスト2からの受信信号RXの立ち上りエッジは、第1の選択クロック出力信号CLK0の立ち上りエッジと第2の選択クロック出力信号CLK1の立ち上りエッジとの間のタイミングとなっている。
【0083】
図4Aの下部には、位相比較器(PD)111の3個のフリップフロップ1111A、1111B、1111Cの出力信号Q1111A、Q1111B、Q1111Cと位相比較器(PD)111の排他的OR回路1112A、1112Bの出力信号EX1112A(出力信号EARLY)、EX1112B(出力信号LATE)とインバータ115の出力信号としての第2の選択クロック出力信号CLK1の反転信号/CLK1とが示されている。図3のクロックデータリカバリ回路(CDR)11の積分器(INT_CIR)112は、反転信号/CLK1の立ち上りエッジで排他的OR回路1112A、1112Bの出力信号EX1112A(出力信号EARLY)、EX1112B(出力信号LATE)のレベルを順次積算する。
【0084】
図4Aの最下部には、第1の排他的OR回路1112Aの出力信号EX1112A(出力信号EARLY)の積算値EX1112A´の波形と第2の排他的OR回路1112Bの出力信号EX1112B(出力信号LATE)の積算値EX1112B´の波形が示されている。
【0085】
反転信号/CLK1の立ち上りエッジのタイミングで、第2の排他的OR回路1112Bの出力信号EX1112B(出力信号LATE)はローレベル(接地電位)であるので、第2の排他的OR回路1112Bの出力信号EX1112B(出力信号LATE)の積算値EX1112B´もローレベル(接地電位)となる。それに対して第1の排他的OR回路1112Aの出力信号EX1112A(出力信号EARLY)はハイレベルであるので、第1の排他的OR回路1112Aの出力信号EX1112A(出力信号EARLY)の積算値EX1112A´は、図4Aの最下部に示すようにステップ状に増大する。
【0086】
図3に示したクロックデータリカバリ回路(CDR)11の積分器(INT_CIR)112は、第1の排他的OR回路1112Aの出力信号EX1112A(出力信号EARLY)の積算値EX1112A´のレベルと第2の排他的OR回路1112Bの出力信号EX1112B(出力信号LATE)の積算値EX1112B´のレベルとの差を検出する。積算値EX1112B´のレベルと所定値Mの加算値よりも積算値EX1112A´のレベルが高いレベルとなると、積分器(INT_CIR)112はアップ出力信号UPを生成する。積算値EX1112A´のレベルと所定値Mの加算値よりも積算値EX1112B´のレベルが高いレベルとなると、積分器(INT_CIR)112はダウン出力信号DNを生成する。
【0087】
図3に示すクロックデータリカバリ回路(CDR)11では積分器(INT_CIR)112から生成されるアップ出力信号UPに応答して位相選択部(Phase_Sel)11のポインタ値Pは、1個増加する。位相選択部(Phase_Sel)11は、8相のクロック信号TXCLK0〜TXCLK7に対応する8個のポインタφ0、φ1、φ2、φ3、φ4、φ5、φ6、φ7を含む。ポインタの初期値は、8個のポインタφ0〜φ7のいずれかに任意に設定される。アップ出力信号UPに応答してポインタの値は初期値から時計回りでシフトする一方、ダウン出力信号DNに応答してポインタの値は初期値から反時計回りでシフトするものである。
【0088】
位相選択部(Phase_Sel)11のポインタ値Pが1個増加することに応答して、8相のクロック信号TXCLK0〜TXCLK7から選択された第4のクロック信号TXCLK3、第5のクロック信号TXCLK4、第6のクロック信号TXCLK5が、それぞれ第1の選択クロック出力信号CLK0、第2の選択クロック出力信号CLK1、第3の選択クロック出力信号CLK2としてクロック選択部(CLK_SEL)114から出力されるようになる。
【0089】
図4Bの左は積分器(INT_CIR)112がアップ出力信号UPを生成する以前の状態case1を示したものであり、この状態case1ではクロック選択部(CLK_SEL)114から出力される第1の選択クロック出力信号CLK0が左側のジッタ成分に埋没していることが理解される。このような状態case1では、図3に示すクロックデータリカバリ回路(CDR)11は、低ビットエラーレートで再生データDATAを回復(リカバリー)することは不可能である。また図4Bの左に示した状態case1は、8相のクロック信号TXCLK0〜TXCLK7から選択された第3のクロック信号TXCLK2、第4のクロック信号TXCLK3、第5のクロック信号TXCLK4が、それぞれ第1の選択クロック出力信号CLK0、第2の選択クロック出力信号CLK1、第3の選択クロック出力信号CLK2としてクロック選択部(CLK_SEL)114から出力され、ホスト2からの受信信号RXの立ち上りエッジが第1の選択クロック出力信号CLK0の立ち上りエッジと第2の選択クロック出力信号CLK1の立ち上りエッジの間のタイミングとなっている状態に対応するものである。
【0090】
図4Bの中央は積分器(INT_CIR)112がアップ出力信号UPを生成した状態case2を示したものであり、この状態case2ではクロック選択部(CLK_SEL)114から出力される第1の選択クロック出力信号CLK0と第3の選択クロック出力信号CLK2とがそれぞれ左側のジッタ成分と右側のジッタ成分に埋没していないことが理解される。この状態case2で、図3に示したクロックデータリカバリ回路(CDR)11は低ビットエラーレートで再生データDATAを回復(リカバリー)することが可能となる。また図4Bの中央に示した状態case2は、8相のクロック信号TXCLK0〜TXCLK7から選択された第4のクロック信号TXCLK3、第5のクロック信号TXCLK4、第6のクロック信号TXCLK5が、それぞれ第1の選択クロック出力信号CLK0、第2の選択クロック出力信号CLK1、第3の選択クロック出力信号CLK2としてクロック選択部(CLK_SEL)114から出力され、ホスト2からの受信信号RXの立ち上りエッジが第1の選択クロック出力信号CLK0の立ち上りエッジの前のタイミングとなっている状態に対応するものである。
【0091】
尚、図4Bの右は積分器(INT_CIR)112がダウン出力信号DNを生成する以前の状態case3を示したものであり、この状態case3ではクロック選択部(CLK_SEL)114から出力される第3の選択クロック出力信号CLK2が右側のジッタ成分に埋没していることが理解される。また、このような状態case3では、図3に示すクロックデータリカバリ回路(CDR)11は低ビットエラーレートで再生データDATAを回復(リカバリー)することは不可能である。また図4Bの右に示した状態case3は、8相のクロック信号TXCLK0〜TXCLK7から選択された第6のクロック信号TXCLK5、第7のクロック信号TXCLK6、第8のクロック信号TXCLK7が、それぞれ第1の選択クロック出力信号CLK0、第2の選択クロック出力信号CLK1、第3の選択クロック出力信号CLK2としてクロック選択部(CLK_SEL)114から出力され、ホスト2からの受信信号RXの立ち上りエッジが第2の選択クロック出力信号CLK1の立ち上りエッジと第3の選択クロック出力信号CLK2の立ち上りエッジとの間のタイミングとなっている状態に対応するものである。この状態case3で積分器(INT_CIR)112がダウン出力信号DNを生成することによって、図4Bの中央の状態case2に遷移するものである。
【0092】
このように図3に示したクロックデータリカバリ回路(CDR)11は、アナログフィルタのように半導体面積の増大を生じるアナログ回路を使用することなく、全てデジタル回路で構成されているためチップ占有面積を削減することが可能となるものである。
【0093】
《周波数誤差検出器》
図5は、図2に示した送受信機能を有する送受信装置として構成されたデバイス1中に含まれる周波数誤差検出器(CNT)12の構成を示す図である。
【0094】
図5に示すように周波数誤差検出器(CNT)12は、信号検出器(SD)121、シーケンサ(SQ)122、周波数誤差検出調整器(DDC)123を含んでいる。
【0095】
信号検出器(SD)121は、クロックデータリカバリ回路(CDR)11から生成される再生データDATAを入力してデータを検出して、検出データをシーケンサ(SQ)122に供給する。すなわち、受信信号RXの周波数と送信クロック信号TXCLKの周波数との誤差が顕著となって図3に示したクロックデータリカバリ回路(CDR)11でのシリアル再生データDATAと再生クロックCLKの正常な再生が不可能な状態をシーケンサ(SQ)122は、信号検出器(SD)121からの検出データの状態から知ることが可能である。例えば、正常な再生が不可能な状態では、信号検出器(SD)121からの検出データのレベルが一定に保持されるものとなる。このような状態となるとシーケンサ(SQ)122は、周波数誤差検出シーケンス動作の開始を指示するコマンドであるシーケンス信号SQSを周波数誤差検出調整器(DDC)123に出力する。
【0096】
すると、シーケンス信号SQSに応答して周波数誤差検出調整器(DDC)123は、ホスト2からの受信信号RXの周波数とPLL回路(PLL)13からの1相送信クロック信号TXCLKの周波数の誤差を検出する動作を開始する。周波数の誤差が所定の値よりも大きくなると、ハイレベルの周波数制御信号FCSが周波数誤差検出調整器(DDC)123から生成される。尚、シーケンサ(SQ)122からシーケンス信号SQSが供給されない状態では、周波数誤差検出調整器(DDC)123は、周波数の誤差を検出する動作を停止している。
【0097】
《周波数誤差検出調整器》
図6は、図5に示した周波数誤差検出器(CNT)12に含まれる周波数誤差検出調整器(DDC)123の構成を示す図である。
【0098】
図6に示すように周波数誤差検出調整器(DDC)123は、第1周波数検出器(FD)1231Aと第2周波数検出器(FD)1231Bと誤差検出回路(DD)1232を含んでいる。
【0099】
周波数誤差検出調整器(DDC)123の第1周波数検出器(FD)1231Aと第2周波数検出器(FD)1231Bの動作は、シーケンサ(SQ)122からシーケンス信号SQSによって開始される。第1周波数検出器(FD)1231Aは、基準信号生成源3から供給される基準信号Frefによって決定されるカウント時間の間にPLL回路(PLL)13からの1相送信クロック信号TXCLKのパルスをカウントすることによって送信クロック信号TXCLKの周波数を測定して第1カウント数Tを生成する。また、第2周波数検出器(FD)1231Bも、基準信号Frefによって決定されるカウント時間の間にホスト2からの受信信号RXのパルスをカウントすることによって受信信号RXの周波数を測定して第2カウント数Rを生成する。
【0100】
誤差検出回路(DD)1232は、第1周波数検出器(FD)1231Aから供給される第1カウント数Tと第2周波数検出器(FD)1231Bから供給される第2カウント数Rとの差から1相送信クロック信号TXCLKの周波数と受信信号RXの周波数との周波数の誤差を検出する。周波数の誤差が所定の値よりも大きくなると、ハイレベルの周波数制御信号FCSが周波数誤差検出調整器(DDC)123の誤差検出回路(DD)1232から生成され、PLL回路(PLL)13に供給される。また、ハイレベルの周波数制御信号FCSのパルス幅は第1カウント数Tと第2カウント数Rとの差に比例するので、周波数の誤差の増大に比例してハイレベルの周波数制御信号FCSのパルス幅も増大する。
【0101】
《PLL回路》
図7は、図2に示した送受信機能を有する送受信装置として構成されたデバイス1中に含まれるPLL回路(PLL)13の構成を示す図である。
【0102】
図7に示したようにPLL回路(PLL)13は、位相周波数比較器(PFD)131、チャージポンプ(CP)132、ループフィルタ(LF)133、電圧制御発振器(VCO)134、プリスケーラ(PRS)135、プログラマブルカウンタ(PGC)136、波形生成器138、ΣΔ変調器137を含んでいる。特に、波形生成器138から生成される波形信号FWAVEに応答してΣΔ変調器137は可変分周器として構成されたプログラマブルカウンタ(PGC)136の平均分周数Nを少数以下の値に精密に制御するので、図7に示すPLL回路(PLL)1312は上記非特許文献2に記載と同様にフラクショナルPLL回路である。
【0103】
位相周波数比較器(PFD)131は、基準信号生成源3の基準信号Frefとプログラマブルカウンタ(PGC)136からの帰還信号FBの出力信号の位相と周波数とを比較して比較出力信号をチャージポンプ(CP)132に供給する。位相周波数比較器(PFD)131の比較出力信号に応答してチャージポンプ(CP)132は、ループフィルタ(LF)133に充放電電流を供給することによってループフィルタ(LF)133の出力電圧が決定される。ループフィルタ(LF)133の出力電圧は、周波数制御電圧として電圧制御発振器(VCO)134に供給される。従って、電圧制御発振器(VCO)134が発振する8相のクロック信号TXCLK0〜TXCLK7の周波数はループフィルタ(LF)133の出力の周波数制御電圧によって制御される。電圧制御発振器(VCO)134が発振する8相のクロック信号TXCLK0〜TXCLK7は図3に示したクロックデータリカバリ回路(CDR)11のクロック選択部(CLK_SEL)114に供給される一方、8相のクロック信号TXCLK0〜TXCLK7のうちの1相である1相送信クロック信号TXCLKはプリスケーラ(PRS)135とプログラマブルカウンタ(PGC)136によって分周される。この分周によってプログラマブルカウンタ(PGC)136からの帰還信号FBの出力信号の位相と周波数とが基準信号Frefの位相と周波数と一致するようにPLL回路(PLL)13が動作するので、8相のクロック信号TXCLK0〜TXCLK7の周波数は分周数と基準信号Frefとの積となる。
【0104】
波形生成器138から生成される波形信号FWAVEに応答してΣΔ変調器137は、可変分周器として構成されたプログラマブルカウンタ(PGC)136の平均分周数Nを少数以下の値に精密に制御する。すなわち、波形生成器138は、変調信号としての三角波形信号FWAVEを生成してΣΔ変調器137に供給する。波形生成器138が三角波形信号FWAVEを生成する際、三角波形信号FWAVEの位相は図5と図6とに示した周波数誤差検出調整器(DDC)123の誤差検出回路(DD)1232から生成される周波数制御信号FCSによって制御される。
【0105】
《電圧制御発振器》
図8は、図7に示したPLL回路(PLL)13に含まれる電圧制御発振器(VCO)134の構成を示す図である。
【0106】
図8に示したように電圧制御発振器(VCO)134は、電圧電流変換器(VIC)1341と4段の遅延回路1342A、1342B、1342C、1342Dから構成されている。図7に示したPLL回路(PLL)1312のループフィルタ(LF)133の周波数制御出力電圧Vcに応答して電圧電流変換器(VIC)1341はその内部で変換電流を生成して、更に電圧電流変換器(VIC)1341の内部で変換電流は制御電圧Vpに変換される。電圧制御発振器(VCO)134から生成される制御電圧Vpが4段の遅延回路1342A〜Dに共通に供給されることによって、4段の遅延回路1342A〜Dの各遅延回路の遅延時間が設定される。制御電圧Vpが大きな電圧である場合に、4段の遅延回路1342A〜Dの各遅延回路の動作電流は大きくなり、各遅延回路の遅延時間が小さくなるので、電圧制御発振器(VCO)134が発振する8相のクロック信号TXCLK0〜TXCLK7の発振周波数は高くなる。逆に制御電圧Vpが小さな電圧である場合に、4段の遅延回路1342A〜Dの各遅延回路の動作電流は小さくなり、各遅延回路の遅延時間が大きくなるので、電圧制御発振器(VCO)134が発振する8相のクロック信号TXCLK0〜TXCLK7の発振周波数は低くなる。尚、図8に示した電圧制御発振器(VCO)134では、1段目の遅延回路1342Aの第1出力端子Out1と第2出力端子Out2から第2相クロック信号TXCLK1と第6相クロック信号TXCLK5が生成され、2段目の遅延回路1342Bの第2入力端子In2と第1入力端子In1に供給される。2段目の遅延回路1342Bの第1出力端子Out1と第2出力端子Out2から第7相クロック信号TXCLK6と第3相クロック信号TXCLK2が生成され、3段目の遅延回路1342Cの第2入力端子In2と第1入力端子In1に供給される。3段目の遅延回路1342Cの第1出力端子Out1と第2出力端子Out2から第4相クロック信号TXCLK3と第8相クロック信号TXCLK7が生成され、4段目の遅延回路1342Dの第2入力端子In2と第1入力端子In1に供給される。4段目の遅延回路1342Dの第1出力端子Out1と第2出力端子Out2から第1相クロック信号TXCLK0と第5相クロック信号TXCLK4が生成され、1段目の遅延回路1342Aの第1入力端子In1と第2入力端子In2に供給される。
【0107】
図9Aは、図8に示した電圧制御発振器(VCO)134に含まれる電圧電流変換器(VIC)1341の構成を示す図であり、図9Bは、4段の遅延回路1342A、1342B、1342C、1342Dの各々に相当する遅延回路1342の構成を示す図である。
【0108】
図9Aに示すように電圧電流変換器(VIC)1341は、NチャンネルMOSトランジスタ(以下、NMOSと略す)13411とPチャンネルMOSトランジスタ(以下、PMOSと略す)13412を含んでいる。NMOS13411のソースは接地され、NMOS13411のゲートにループフィルタ(LF)133から生成される周波数制御出力電圧Vcが供給されることによって、NMOS13411のドレインに変換電流が流れる。PMOS13412のドレインとゲートが接続されることによって、PMOS13412はダイオード接続されている。PMOS13412のソースは電源電圧Vddに接続され、制御電圧VpはPMOS13412のソース・ゲート間電圧降下として生成される。
【0109】
図9Bに示したように遅延回路1342は、5個のPMOS13421〜13425と2個のNMOS13426、13427を含んでいる。2個のNMOS13426、13427のソースはともに接地され、NMOS13426のゲートとPMOS13422のゲートとは第1入力端子In1に接続され、NMOS13427のゲートとPMOS13425のゲートは第2入力端子In2に接続されている。NMOS13426のドレインとPMOS13422のドレインは第1出力端子Out1に接続され、NMOS13427のドレインとPMOS13425のドレインは第2出力端子Out2に接続されている。PMOS13423のゲートとドレインは第2出力端子Out2と第1出力端子Out1に接続され、PMOS13424のゲートとドレインは第1出力端子Out1と第2出力端子Out2に接続されている。電源電圧Vddと4個のPMOS13422〜13425のソースの間には、PMOS13421のソース・ドレイン電流経路が接続されている。制御電圧Vpが大きな電圧である場合、遅延回路1342の動作電流としてのPMOS13421のドレイン電流は大きくなり、遅延回路1342の遅延時間が小さくなる。
【0110】
《波形生成部》
図10Aは、図7に示したPLL回路(PLL)13に含まれる波形生成部138の構成を、図10Bは、その動作波形を、それぞれ示す図である。
【0111】
図10Aに示したように波形生成部138は、波形生成レジスタ(RGS)1386、加算器1385、セレクタ1384、第1データ入力レジスタ1382、第2データ入力レジスタ1383、分周器1381を含んでいる。
【0112】
波形生成部138が三角波形信号FWAVEを生成するように、三角波形の勾配形成のため正勾配データDが第1データ入力レジスタ1382に保持され、負勾配データ−Dが第2データ入力レジスタ1383に保持される。この正勾配データDと負勾配データ−Dは、外部から供給される外部データDから生成可能となっている。第1データ入力レジスタ1382の正勾配データDと第2データ入力レジスタ1383の負勾配データ−Dとは、セレクタ1384の第1入力端子In1と第2入力端子In2とにそれぞれ供給されている。
【0113】
PLL回路(PLL)1312のプリスケーラ(PRS)135とプログラマブルカウンタ(PGC)136から供給される帰還信号FBが分周器1381により分周されることによって、分周帰還信号fmが生成され、分周帰還信号fmはセレクタ1384の選択制御端子に供給される。分周帰還信号fmがハイレベルの時には、第1入力端子In1の正勾配データDが選択されてセレクタ1384の出力端子から加算器1385の第1入力端子に供給される。分周帰還信号fmがローレベルの時には、第2入力端子In2の負勾配データ−Dが選択されてセレクタ1384の出力端子から加算器1385の第1入力端子に供給される。波形生成レジスタ(RGS)1386の保持データは、三角波形信号FWAVEとして波形生成部138の出力端子からΣΔ変調器137に供給される一方、加算器1385の第2入力端子に供給される。
【0114】
一方、周波数誤差検出調整器(DDC)123の誤差検出回路(DD)1232から生成される周波数制御信号FCSが、分周器1381と波形生成レジスタ(RGS)1386の制御入力端子に供給される。周波数制御信号FCSがハイレベルの時には分周器1381の分周動作が停止され波形生成レジスタ(RGS)1386の保持データが保持される一方、周波数制御信号FCSがローレベルの時には分周器1381の分周動作が実行され波形生成レジスタ(RGS)1386は加算器1385からの更新データを格納する。
【0115】
図10Bは、図10Aに示した波形生成部138の動作を説明する波形図である。
【0116】
図10Bに示すように、分周帰還信号fmがハイレベルの期間T1、T4には第1データ入力レジスタ1382の正勾配データDによって三角波形信号FWAVEのレベルは増加する一方、分周帰還信号fmがローレベルの期間T3、T5に第2データ入力レジスタ1383の負勾配データ−Dによって三角波形信号FWAVEのレベルは減少する。また、周波数制御信号FCSがハイレベルの期間T2には、分周帰還信号fmのレベルが保持される一方、三角波形信号FWAVEのレベルも保持される。
【0117】
このようにして波形生成器138から生成される波形信号FWAVEに応答してΣΔ変調器137はプログラマブルカウンタ(PGC)136の平均分周数Nを少数以下の値に精密に制御するので、電圧制御発振器(VCO)134から発振される8相のクロック信号TXCLK0〜7の周波数と位相とが制御されることが可能となる。この波形生成部138の動作によって、PLL回路(PLL)13の電圧制御発振器(VCO)134から発振される8相のクロック信号TXCLK0〜7の周波数と位相とをホスト2からの受信信号RXの周波数と位相とに近接させることが可能となる。
【0118】
《送信クロックの周波数制御動作》
以下に、図2から図10Bまでに説明した本発明の実施の形態1による送受信装置を具備した通信システムでの送信クロックTXCLKの周波数制御動作を説明する。
【0119】
図11は、図2から図10Bに説明した本発明の実施の形態1による送受信装置を具備した通信システムの送信クロックTXCLKの周波数制御動作を説明する図である。
【0120】
図11の上部には、本発明の実施の形態1による送受信装置の電源電圧の投入時(パワーオンシーケンス時)の送信クロックTXCLKの周波数制御動作が示されている。
【0121】
パワーオンシーケンスの第1ステップ(Step1)では、送受信装置の電源電圧の投入直後であるので、クロックデータリカバリ回路(CDR)11での再生データDATAと再生クロックCLKとの正常な再生が不可能な状態であるので、シーケンサ(SQ)122は周波数誤差検出シーケンス動作の開始を指示するコマンドであるシーケンス信号SQSを周波数誤差検出調整器(DDC)123に出力する。すると、周波数誤差検出器(CNT)12の周波数誤差検出調整器(DDC)123の第2周波数検出器(FD)1231Bはホスト2からの受信信号RXの周波数の6つの区間(1)〜(6)に分割した測定を開始する。6つの区間(1)〜(6)の測定結果の中で、最高周波数の区間(図11の例では、第3区間(3))の情報を第2カウント数情報Rとして第2周波数検出器(FD)1231Bは誤差検出回路(DD)1232に送信する。一方、送受信装置の電源電圧の投入直後では、PLL回路(PLL)13の電圧制御発振器(VCO)134から送信クロックTXCLKはまだ発振されていないので、第1周波数検出器(FD)1231Aは送信クロックTXCLKの未発振情報を第1カウント数情報Tとして誤差検出回路(DD)1232に送信する。すると、誤差検出回路(DD)1232は第1カウント数情報Tと第2カウント数情報Rとに応答して、最高周波数の区間の1区間前の区間(図11の例では、第2区間(2))までハイレベルとなる周波数制御信号FCSを生成して波形生成器138に供給する。
【0122】
従って、パワーオンシーケンスの第2ステップ(Step2)では、第2の区間(2)までハイレベルとされる周波数制御信号FCSによって波形生成器138の波形生成レジスタ(RGS)1386のデータは第2区間(2)まで最大値に維持され、その後、波形生成レジスタ(RGS)1386のデータは第2データ入力レジスタ1383の負勾配データ−Dに従って最小値まで減少する。その後、波形生成レジスタ(RGS)1386のデータは、第1データ入力レジスタ1382の正勾配データDに従って最大値に向って増加する。その結果、PLL回路(PLL)13の電圧制御発振器(VCO)134から生成される送信クロックTXCLKの周波数も第2区間(2)まで最大値に維持され、その後、所定の勾配で減少するものとなる。このようにして、送受信装置の電源電圧の投入時(パワーオンシーケンス時)の送信クロックTXCLKの周波数制御動作によって、ホスト2からの受信信号RXの周波数とPLL回路(PLL)13から生成される送信クロックTXCLKの周波数との差を低減することが可能となる。
【0123】
図11の下部には、本発明の実施の形態1による送受信装置のホストとデバイスの間の通信動作時の送信クロックTXCLKの周波数制御動作が示されている。
【0124】
図11の上部で説明したパワーオンシーケンス時の送信クロックTXCLKの周波数制御動作によって、電源電圧の投入直後にホスト2からの受信信号RXの周波数とPLL回路(PLL)13から生成される送信クロックTXCLKの周波数との差が低減される。しかし、その後の送受信装置のホストとデバイスの間の通信動作の間に、受信信号RXの周波数と送信クロックTXCLKの周波数との差が増大する可能性がある。
【0125】
周波数誤差検出器(CNT)12の周波数誤差検出調整器(DDC)123は、通信動作の間に受信信号RXの周波数と送信クロックTXCLKの周波数の誤差を検出するものであり、その周波数誤差が所定の値よりも大きくなると、周波数誤差を補正するようなパルス期間でハイレベルの周波数制御信号FCSを生成する。
【0126】
通信動作時の第1ステップ(Step1)では、周波数誤差検出器(CNT)12の周波数誤差検出調整器(DDC)123はホスト2からの受信信号RXの周波数とPLL回路(PLL)13の信クロックTXCLKの周波数の6つの区間(1)〜(6)に分割した測定を実行する。この測定の間に周波数誤差が所定の値よりも大きくなると、周波数誤差検出調整器(DDC)123は周波数誤差を補正するための周波数制御信号FCSを生成する。
【0127】
従って、通信動作時の第2ステップ(Step2)では、PLL回路(PLL)13の電圧制御発振器(VCO)134から生成される送信クロックTXCLKの周波数は第2区間(2)の終了まで最大値に維持され、その後、所定の勾配で減少するものとなる。このように、送受信装置の通信動作時の送信クロックTXCLKの周波数制御動作によって、ホスト2からの受信信号RXの周波数とPLL回路(PLL)13から生成される送信クロックTXCLKの周波数との差を低減することが可能となる。
【0128】
[実施の形態2]
《他の通信システム》
図12は、本発明の実施の形態2による送受信装置を具備した通信システムの構成を示す図である。
【0129】
図12に示す本発明の実施の形態2による通信システムが図2に示した本発明の実施の形態1による通信システムと相違するのは、図12に示すデバイス1の周波数誤差検出器(CNT)12が周波数制御信号FCSだけでなく変調度調整信号MTと変調周期調整信号MNとを生成してPLL回路(PLL)13に供給している点である。
【0130】
《他の周波数誤差検出器》
図14は、図12に示した本発明の実施の形態2による送受信機能を有する送受信装置として構成されたデバイス1中に含まれる周波数誤差検出器(CNT)12の構成を示す図である。
【0131】
図14に示す本発明の実施の形態2による周波数誤差検出器(CNT)12が図5に示した本発明の実施の形態1による周波数誤差検出器(CNT)12と相違するのは、受信信号RXの周波数と送信クロック信号TXCLKの周波数との誤差が顕著となると、シーケンサ(SQ)122からのシーケンス信号SQに応答して周波数誤差検出調整器(DDC)123が周波数制御信号FCSを生成するだけでなく受信信号RXの変調度と送信クロック信号TXCLKの変調度とを検出して変調度の誤差を補償する変調度調整信号MTを生成する一方、受信信号RXの変調周期と送信クロック信号TXCLKの変調周期とを検出して変調周期の誤差を補償する変調周期調整信号MNを生成する点である。
【0132】
図15は、図14に示した周波数誤差検出器(CNT)12に含まれる周波数誤差検出調整器(DDC)123の構成を示す図である。
【0133】
図15に示す本発明の実施の形態2による周波数誤差検出調整器(DDC)123が図6に示した本発明の実施の形態1による周波数誤差検出調整器(DDC)123と相違する第1点は、第1周波数検出器(FD)1231Aが1相送信クロック信号TXCLKの周波数の最大周波数(UF)、平均周波数(AF)、最小周波数(DF)を測定して、これらの測定結果を誤差検出回路(DD)1232に供給する点である。相違の第2点は、第2周波数検出器(FD)1231Bが受信信号RXの周波数の最大周波数(UF)、平均周波数(AF)、最小周波数(DF)を測定して、これらの測定結果を誤差検出回路(DD)1232に供給する点である。相違の第3点は、誤差検出回路(DD)1232は、1相送信クロック信号TXCLKの周波数の最大周波数(UF)、平均周波数(AF)、最小周波数(DF)の測定結果と受信信号RXの周波数の最大周波数(UF)、平均周波数(AF)、最小周波数(DF)の測定結果とに応答して、周波数制御信号FCSとともに変調度調整信号MTと変調周期調整信号MNとを生成する点である。
【0134】
図16は、図15に示した周波数誤差検出調整器(DDC)123の第1と第2の周波数検出器(FD)1231A、Bが測定する1相送信クロック信号TXCLKと受信信号RXの周波数の最大周波数(UF)、平均周波数(AF)、最小周波数(DF)を説明する図である。
【0135】
図16に示すように、最大周波数(UF)は最も周波数が高い区間での周波数であり、最小周波数(DF)は最も周波数が低い区間での周波数であり、平均周波数(AF)は長時間測定した周波数の平均値である。
【0136】
《他のPLL回路》
図13は、図12に示した本発明の実施の形態2による送受信装置として構成されたデバイス1中に含まれるPLL回路(PLL)13の構成を示す図である。
図13に示す本発明の実施の形態2によるPLL回路(PLL)13が図7に示した本発明の実施の形態1によるPLL回路(PLL)13と相違するのは、図13に示すPLL回路(PLL)13では波形生成器138から生成される三角波形信号FWAVEの位相が周波数誤差検出器(CNT)12から生成される周波数制御信号FCSによって制御される一方、三角波形信号FWAVEの変調度と変調周期とが周波数誤差検出器(CNT)12から生成される変調度調整信号MTと変調周期調整信号MNとによってそれぞれ制御される点である。
【0137】
《他の波形生成部》
図17Aは、図13に示したPLL回路(PLL)13に含まれる波形生成部138の構成を示す図である。
【0138】
図17Aに示す本発明の実施の形態2による波形生成部138が図10Aに示した本発明の実施の形態1による波形生成部138と相違するのは、図17Aに示す波形生成部138では周波数誤差検出器(CNT)12から生成される変調周期調整信号MNと変調度調整信号MTが分周器1381と第1と第2のデータ入力レジスタ1382、1383にそれぞれ供給されている点である。
【0139】
図17B、図17Cは、図17Aに示した波形生成部138の動作を説明する波形図である。
【0140】
図17Bに示すように、分周器1381に供給される変調周期調整信号MNの値によって分周器1381の分周数が可変となるので、分周器1381から生成される分周帰還信号fmの変調周期が可変となって、波形生成器138から生成される波形信号FWAVEの変調周期が可変となる。
【0141】
図17Cに示すように、第1と第2のデータ入力レジスタ1382、1383に供給される変調度調整信号MTの値によって第1と第2のデータ入力レジスタ1382、1383の正と負の勾配データが可変となるので、波形生成器138から生成される波形信号FWAVEの変調度(波形振幅)が可変となる。
【0142】
《他の送信クロックの周波数制御動作》
以下に、図12から図17Cまでに説明した本発明の実施の形態2による送受信装置を具備した通信システムでの送信クロックTXCLKの周波数制御動作を説明する。
【0143】
図18は、図12から図17Cに説明した本発明の実施の形態2による送受信装置を具備した通信システムの送信クロックTXCLKの周波数制御動作を説明する図である。
【0144】
図18の上部には、本発明の実施の形態2による送受信装置の電源電圧の投入時(パワーオンシーケンス時)の送信クロックTXCLKの周波数制御動作が示されている。
【0145】
図18のパワーオンシーケンスでは、図11に示した本発明の実施の形態1によるパワーオンシーケンスと同様に、第2の区間(2)までハイレベルとされる周波数誤差検出器(CNT)12から生成される周波数制御信号FCSによって波形生成器138の波形生成レジスタ(RGS)1386のデータは第2の区間(2)まで最大値に維持され、その後負勾配データに従って最小値まで減少する。その後、波形生成レジスタ(RGS)1386のデータは、正勾配データ従って最大値に向って増加する。その結果、PLL回路(PLL)13の電圧制御発振器(VCO)134から生成される送信クロックTXCLKの周波数も第2の区間(2)まで最大値に維持され、その後、所定の勾配で減少するものとなる。この送受信装置のパワーオンシーケンスの送信クロックTXCLKの周波数制御動作によって、ホスト2からの受信信号RXの周波数とPLL回路(PLL)13から生成される送信クロックTXCLKの周波数との差を低減することが可能となる。
【0146】
図18の下部には、本発明の実施の形態2による送受信装置のホストとデバイスの間の通信動作時の送信クロックTXCLKの周波数制御動作が示されている。
【0147】
図18の通信動作時には、図11に示した本発明の実施の形態1による通信動作時と同様に、周波数誤差検出器(CNT)12の周波数誤差検出調整器(DDC)123はホスト2からの受信信号RXの周波数とPLL回路(PLL)13の信クロックTXCLKの周波数の6つの区間(1)〜(6)に分割した測定を実行する。
【0148】
通信動作の間に受信信号RXの周波数と送信クロックTXCLKの周波数との周波数誤差が所定の値よりも大きくなると、周波数誤差を補償するように変調周期調整信号MNと変調度調整信号MTとが周波数誤差検出器(CNT)12から生成される。この送受信装置の通信動作時の送信クロックTXCLKの周波数制御動作によって、ホスト2からの受信信号RXの周波数とPLL回路(PLL)13から生成される送信クロックTXCLKの周波数との差を低減することが可能となる。
【0149】
[実施の形態3]
図19は、本発明の実施の形態3による半導体集積回路によって構成される送受信装置としてのデバイスを具備した通信システムの構成を示す図である。
【0150】
図19に示す通信システムは、図1に示した光ディスク装置と同様に、光ディスク5、光ピックアップ6、半導体集積回路7、水晶発振子3によって構成されている。図1に示した光ディスク装置と同様に、図19に示す通信システムの半導体集積回路7は、ホストコンピュータ(HOST)2とシリアルATAPI方式で接続されるインターフェースユニット(ATAPI)1と光ピックアップ6のデータ書き込みおよびデータ読み出しの処理を実行する記録再生ユニット(READ/WRITE)8とを含んでいる。
【0151】
図19に示した半導体集積回路7のインターフェースユニット(ATAPI)1はクロックデータリカバリ回路(CDR)11、周波数誤差検出器(CNT)12、PLL回路(PLL)13、シリアライザ(SER)14、デシリアライザ(DES)15を含み、上述した本発明の実施の形態1または実施の形態2によるデバイス1と同様に構成されるものである。従って、図19に示す本発明の実施の形態3による通信システムによれば、半導体集積回路7のチップ面積の低減が可能であり、ホスト2からの受信信号の受信に際して再生データと再生クロックの再生での誤動作の可能性を低減することが可能となる。
【0152】
以上、本発明者によってなされた発明を種々の実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
【0153】
例えば、ΣΔ変調器137を含むフラクショナルPLL回路(PLL)13はPLL回路によるスプレッドスペトクラムクロック発生器(SSCG)を構成するため波に形生成器138から生成される波形信号FWAVEは三角波形に限定されるものではなく、それ以外の正弦波形等を使用することが可能である。
【0154】
またデータ記録用の記録媒体5としては、回転駆動されるHDD/CD/DVD/BD等のディスク記録媒体に限定されるものではなく、大容量半導体不揮発性メモリファイルを使用することも可能である。
【符号の説明】
【0155】
1…デバイス
11…クロックデータリカバリ回路
111…位相比較器
1111A、B、C…フリップフロップ
1112A、B…排他的OR回路
112…積分器
113…位相選択部
114…クロック選択部
12…周波数誤算検出器
121…信号検出器
122…シーケンサ
123…周波数誤差検出調整器
1231A、B…周波数検出器
1232…誤差検出回路
13…PLL回路
131…位相周波数比較器
132…チャージポンプ
133…ループフィルタ
134…電圧制御発振器
1341…電圧電流変換器
13411、13426、13427…NチャンネルMOSトランジスタ
13412、13421〜13425…PチャンネルMOSトランジスタ
1342A、B、C、D…遅延回路
135…プリスケーラ
136…プログラマブルカウンタ
137…ΣΔ変調器
138…波形生成器
1381…分周器
1382、1383…データ入力レジスタ
1384…セレクタ
1385…加算器
1386…波形生成レジスタ
14…シリアライザ
15…デシリアライザ
2…ホスト
3…発振子
5…メディア
6…ピックアップ
7…LSI
8…記録再生部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロックデータリカバリ回路と、デシリアライザと、シリアライザと、PLL回路と、周波数検出器とを具備して、
前記クロックデータリカバリ回路は受信信号と前記PLL回路から生成されるクロック信号とに応答して、再生クロックと再生データとを抽出するものであり、
シリアル・パラレル変換器としての前記デシリアライザは、前記再生クロックと前記再生データとからパラレル受信データを生成するものであり、
パラレル・シリアル変換器としての前記シリアライザは、パラレル送信データと前記PLL回路から生成される前記クロック信号とからシリアル送信信号を生成するものであり、
前記周波数検出器は前記受信信号の周波数と前記クロック信号の周波数との差を検出することによって、前記PLL回路に供給される周波数制御信号を生成するものであり、
前記周波数制御信号に応答して前記受信信号の前記周波数と前記クロック信号の前記周波数との前記差を低減するように、前記PLL回路は前記クロック信号の周期を制御する
ことを特徴とする送受信装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記PLL回路は、波形生成器と、ΔΣ変調器と、可変分周器とを含み、
前記波形生成器から生成される波形信号に応答して前記ΔΣ変調器が前記可変分周器の平均分周数を少数点以下の値に制御することによって、前記PLL回路はスプレッドスペクトラムクロック発生器を構成する
ことを特徴とする送受信装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記周波数検出器から生成される前記周波数制御信号が前記PLL回路の前記波形生成器に供給されることによって、前記PLL回路から生成される前記クロック信号の位相が制御される
ことを特徴とする送受信装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記周波数検出器は前記受信信号の前記周波数と前記クロック信号の前記周波数との前記差を検出することによって、前記PLL回路に供給される変調周期調整信号と変調度調整信号を生成するものであり、
前記変調周期調整信号と前記変調度調整信号に応答して、前記受信信号の前記周波数と前記クロック信号の前記周波数との前記差を低減するように、前記PLL回路は前記クロック信号の周期と変調度とを制御する
ことを特徴とする送受信装置。
【請求項5】
請求項1において、
前記クロックデータリカバリ回路は、位相比較器と、積分器と、位相選択部と、クロック選択部とを含み、
前記クロック選択部には前記PLL回路から生成される多相の前記クロック信号と前記位相選択部から生成されるポインタ値とが供給され、前記ポインタ値に応答して前記クロック選択部は前記多相の前記クロック信号から複数の選択クロック出力信号を生成するものであり、
前記位相比較器には前記受信信号と前記クロック選択部から生成される前記複数の選択クロック出力信号とが供給され、前記位相比較器は前記受信信号の位相と前記複数の選択クロック出力信号の複数の位相との関係に応答して進相信号と遅相信号を生成するものであり、
前記積分器には前記位相比較器から生成される前記進相信号と前記遅相信号とが供給され、前記積分器はアップ信号とダウン信号を生成するものであり、
前記クロック選択部には前記積分器から生成される前記アップ信号と前記ダウン信号が供給され、前記クロック選択部から生成される前記ポインタ値の値が設定される
ことを特徴とする送受信装置。
【請求項6】
請求項5において、
前記クロックデータリカバリ回路と、前記デシリアライザと、前記シリアライザと、前記PLL回路と、前記周波数検出器とは半導体集積回路に構成された
ことを特徴とする送受信装置。
【請求項7】
請求項5において、
前記PLL回路の前記波形生成器から生成される前記波形信号は、三角波形信号である
ことを特徴とする送受信装置。
【請求項8】
クロックデータリカバリ回路と、デシリアライザと、シリアライザと、PLL回路と、周波数検出器とを具備する送受信装置の動作方法であって、
前記クロックデータリカバリ回路は受信信号と前記PLL回路から生成されるクロック信号とに応答して、再生クロックと再生データとを抽出するものであり、
シリアル・パラレル変換器としての前記デシリアライザは、前記再生クロックと前記再生データとからパラレル受信データを生成するものであり、
パラレル・シリアル変換器としての前記シリアライザは、パラレル送信データと前記PLL回路から生成される前記クロック信号とからシリアル送信信号を生成するものであり、
前記周波数検出器は前記受信信号の周波数と前記クロック信号の周波数との差を検出することによって、前記PLL回路に供給される周波数制御信号を生成するものであり、
前記周波数制御信号に応答して前記受信信号の前記周波数と前記クロック信号の前記周波数との前記差を低減するように、前記PLL回路は前記クロック信号の周期を制御する
ことを特徴とする送受信装置の動作方法。
【請求項9】
請求項8において、
前記PLL回路は、波形生成器と、ΔΣ変調器と、可変分周器とを含み、
前記波形生成器から生成される波形信号に応答して前記ΔΣ変調器が前記可変分周器の平均分周数を少数点以下の値に制御することによって、前記PLL回路はスプレッドスペクトラムクロック発生器を構成する
ことを特徴とする送受信装置の動作方法。
【請求項10】
請求項9において、
前記周波数検出器から生成される前記周波数制御信号が前記PLL回路の前記波形生成器に供給されることによって、前記PLL回路から生成される前記クロック信号の位相が制御される
ことを特徴とする送受信装置の動作方法。
【請求項11】
請求項10において、
前記周波数検出器は前記受信信号の前記周波数と前記クロック信号の前記周波数との前記差を検出することによって、前記PLL回路に供給される変調周期調整信号と変調度調整信号を生成するものであり、
前記変調周期調整信号と前記変調度調整信号に応答して、前記受信信号の前記周波数と前記クロック信号の前記周波数との前記差を低減するように、前記PLL回路は前記クロック信号の周期と変調度とを制御する
ことを特徴とする送受信装置の動作方法。
【請求項12】
請求項8において、
前記クロックデータリカバリ回路は、位相比較器と、積分器と、位相選択部と、クロック選択部とを含み、
前記クロック選択部には前記PLL回路から生成される多相の前記クロック信号と前記位相選択部から生成されるポインタ値とが供給され、前記ポインタ値に応答して前記クロック選択部は前記多相の前記クロック信号から複数の選択クロック出力信号を生成するものであり、
前記位相比較器には前記受信信号と前記クロック選択部から生成される前記複数の選択クロック出力信号とが供給され、前記位相比較器は前記受信信号の位相と前記複数の選択クロック出力信号の複数の位相との関係に応答して進相信号と遅相信号を生成するものであり、
前記積分器には前記位相比較器から生成される前記進相信号と前記遅相信号とが供給され、前記積分器はアップ信号とダウン信号を生成するものであり、
前記クロック選択部には前記積分器から生成される前記アップ信号と前記ダウン信号が供給され、前記クロック選択部から生成される前記ポインタ値の値が設定される
ことを特徴とする送受信装置の動作方法。
【請求項13】
請求項12において、
前記クロックデータリカバリ回路と、前記デシリアライザと、前記シリアライザと、前記PLL回路と、前記周波数検出器とは半導体集積回路に構成された
ことを特徴とする送受信装置の動作方法。
【請求項14】
請求項12において、
前記PLL回路の前記波形生成器から生成される前記波形信号は、三角波形信号である
ことを特徴とする送受信装置の動作方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17A】
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【図17B】
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【図17C】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−41121(P2011−41121A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−188352(P2009−188352)
【出願日】平成21年8月17日(2009.8.17)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】