説明

透過性感圧接着剤

本発明は、極性可塑油、極性ポリエチレンコポリマーおよびポリイソブチレンを含む感圧ホットメルト処理可能接着組成物、本発明による接着組成物を含む層状接着構造ならびに医療機器に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、極性可塑油、極性ポリエチレンコポリマーおよびポリイソブチレンを含む感圧ホットメルト処理可能接着組成物、ならびに本発明による接着組成物を含む医療機器に関する。
【背景技術】
【0002】
感圧接着剤は、医療機器、例えば、オストミー器具、ドレッシング(創傷ドレッシングを含む)、創傷ドレナージ包帯、集尿装置、装具、皮膚へのプロテーゼを取り付けるのに長い間用いられてきた。
【0003】
水分を接着剤バルクへと吸収し、飽和状態になったら水分を透過する、親水性粒子または吸収剤を含有する親水コロイド接着剤は、医療機器を皮膚に取り付けるのに有用な感圧接着剤の周知の1つのグループである。しかしながら、親水コロイド接着剤における水分の保持によって、接着剤が変化する、例えば、膨潤、凝集喪失および分解の恐れがある。一方、非吸収接着剤は、皮膚と接着剤間で過剰の水分をトラップして、皮膚への接着および浸軟を生じさせる。
【0004】
上述した吸収接着剤の代替としては、ポリウレタン、シリコーンおよびポリアクリレートのような液体不透性水分透過性接着剤がある。
【0005】
液体不透性水分透過性接着剤は、水分は吸収しないが、皮膚表面から離れる水は透過する。このように、親水コロイドにより生じる膨潤効果は、通常得られない。
【0006】
米国特許第4,477,325号明細書には、EVA、PIBおよび吸水粒子またはポリマーでできた皮膚バリア組成物が記載されている。EVAは、25〜65重量%の酢酸ビニルを含有することができる。
【0007】
国際特許出願第2009/006901号パンフレットには、極性エチレンコポリマーおよび極性油または極性油の組み合わせをベースとする、優れた皮膚接着力を備えた感圧接着剤が記載されている。これらの接着剤は非常に軟性で、非常に高い水蒸気透過率を有しており、通気性を与え、皮膚に非常にやさしい。
【0008】
オストミーベースプレートに最良の接着剤は、ストーマ滲出液の流動性および量、体形、皮膚の硬さ、皮膚の凹凸、活動および発汗レベルの差、および当然のことながら、最終使用者による機器の好ましい変化パターンの変動といった様々な条件下で作用しなければならない。これらの要求を全てかなえるためには、粘着付与成分を添加して、接着剤の接着性能を増大させるのが好ましく、容易なことがある。
【0009】
粘着性を制御する、すなわち、弾性率を減じ、接着剤のガラス転移温度を上げるには、樹脂が添加されることが多い。しかしながら、樹脂は、接着剤の攻撃性を増やす。これによって、取り除く際、皮膚の剥がれが生じ、接着剤を皮膚にあまりやさしくないものとさせる。これらの接着剤は、従って、頻回にパターンを変えたいが、接着強度にそれでも頼りたい最終使用者にはあまり向いていない。
【0010】
ポリイソブチレンを用いると、性質は無極性であり、ガラス転移温度は低いが、国際特許出願第2009/006901号パンフレットに記載された極性接着剤に添加すると、粘着性および接着剤性能が増大し、かつ、必要な貯蔵安定性および皮膚へのやさしさも維持できることが意外にも見出された。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ポリイソブチレンを粘着性付与剤として用いると、樹脂を用いるのに比べて、細胞の剥がれる量が低減される。無極性成分の添加によって、接着剤の透過性が減じるであろう。しかしながら、最終使用者の健康な皮膚を維持するだけの十分な水蒸気透過率を備えた接着剤を生成できるということが見出された。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明を実施するのに用いてよいポリマーは、概して、エチレンと極性モノマーのコポリマーであろう。コポリマーは、典型的に、約70%未満のエチレンを含み、50g/m2/日を超える水蒸気透過率および2g/10分(190℃/21.1N)未満のメルトフローインデックスを有する。メルトフローインデックスは、ISO1133およびASTM D1238にある方法により測定することができる。かかるポリマーとしては、エチレンと酢酸ビニルのコポリマーおよびエチレンとブチルアクリレートのコポリマーが例示される。特に好ましいのは、約40%(w/w)を超える酢酸ビニル、2g/10分(190℃/21.1N)未満のメルトフローインデックス、およびMVTR試験方法に従って測定したとき、150μmのシートについて、50g/m2/日を超える水蒸気透過率を示すエチレンと酢酸ビニルのコポリマーである。
【0013】
本発明で用いてよい極性油は、概して、ポリマーの極性領域において良好な溶解性を有する、すなわち、ポリマーの引張強度をあまり犠牲にすることなく柔らかさを与えるであろう。良好な水蒸気透過性をサポートできる油が好ましい。かかる油としては、植物油、動物油およびこれらの誘導体が例示される。好ましい極性油は、エステル、エーテルおよびグリコールであり、特に好ましいのは、ポリプロピレンオキシド、例えば、アルファ−ブトキシ−ポリオキシプロピレンである。
【0014】
中間または低分子量のポリイソブチレンを用いて、接着剤の皮膚にやさしい性質を維持しながら、粘着性および剥離特性を増大する。
【0015】
無極性で、低ガラス転移温度を有するポリイソブチレンを、他の極性エチレンコポリマーおよび油と混合すると、安定な特性を得ることができることが意外にも見出された。
【0016】
さらに、粘着性の無極性領域を、他の極性接着剤に導入することにより、いずれかの相の特性を調節することにより、接着性能を大幅にカスタマイズすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の接着剤は、様々な用途に有用とさせる独特の特徴を示す。皮膚への良好な接着、高水蒸気透過率および皮膚へのやさしさ等の特徴は、極性エチレンコポリマーを、好適な極性油およびポリイソブチレンおよび任意のその他の成分と共に用いることにより得られる。
【0018】
本発明の接着剤は、改善された水分処理特性を与える接着剤を含有する従来の親水コロイドとして処方してよい。
【0019】
本発明の接着剤の高水蒸気透過率は、2つ以上の接着層を備えたラミネート機器構造に特に好適なものとさせる。例示の機器において、非吸収基材接着層を、吸収バルク接着層と組み合わせて、粘着性および耐久性を、良好な吸収力と組み合わせる。
【0020】
本発明の一実施形態において、感圧ホットメルト処理可能接着組成物は、最終接着剤の10%(w/w)を超える含量の極性可塑油または極性可塑油の組み合わせ、少なくとも1つの極性ポリエチレンコポリマーおよびポリイソブチレンを含み、ポリエチレンコポリマーの含量が、最終接着剤の5〜50%(w/w)であり、ポリエチレンコポリマーが、2g/10分(190℃/21.1N)未満のメルトフローインデックスを有する。
【0021】
本発明の一実施形態において、感圧ホットメルト処理可能接着組成物は、最終接着剤の10%(w/w)を超える含量の極性可塑油または極性可塑油の組み合わせ、少なくとも1つの極性ポリエチレンコポリマーおよびポリイソブチレンを混合することにより生成され、ポリエチレンコポリマーの含量が、最終接着剤の5〜50%(w/w)であり、ポリエチレンコポリマーが、2g/10分(190℃/21.1N)未満のメルトフローインデックスを有する。
【0022】
本発明の実施形態において、連続形態にある最終接着剤は、MVTR試験方法に従って測定したとき、150μmのシートについて、少なくとも100g/m2/日の水蒸気透過率を示す。
【0023】
接着組成物に用いられる主なポリマーはエチレンコポリマーである。コポリマーは、高透水性を得るためには、かなりの量の極性成分を含有していなければならない。コポリマーのエチレン部分は、接着剤の凝集強度を確保する結晶領域を形成することができるのが好ましい。
【0024】
本発明の一実施形態において、極性ポリエチレンコポリマーは、エチレン酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル一酸化炭素、エチレン酢酸ブチル、エチレンビニルアルコール、エチレンブチルアクリレート、エチレンブチルアクリレート一酸化炭素およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0025】
極性ポリエチレンコポリマーは、好ましくは、エチレン酢酸ビニルである。
【0026】
極性ポリマーとは、MVTR試験方法に従って測定したとき、150μmのシートについて、50g/m2/日を超える水蒸気透過率のポリマーを意味する。
【0027】
本発明の一つの目的は、水透過性接着剤、すなわち、ホットメルト処理可能で、通常の使用条件下で、大量の残渣を残すことなく除去できる接着剤を提供することである。
【0028】
本発明の実施形態において、エチレン酢酸ビニルは、少なくとも40%(w/w)の酢酸ビニル、好ましくは、40〜80%(w/w)の酢酸ビニルの含量を有する。
【0029】
接着組成物は、Dahlquistの基準を満たさなければならない。好ましくは、弾性率は、100,000Pa未満としなければならず、非常に軟性で、皮膚にやさしく、快適な接着剤については、弾性率(G’)は、DMAより、32℃および1Hzで測定したとき、1〜30kPaと低くすることができる。
【0030】
付け心地の良い皮膚にやさしい材料とするには、接着剤はできる限り軟性であるのが非常に重要である。軟性の材料を得るには、ポリマー含量は、できる限り低くしなければならない。極性ポリエチレンコポリマーの最大ポリマー含量は、最終接着剤の50%(w/w)を超えてはならない。
【0031】
好ましくは、接着剤に用いる極性ポリエチレンコポリマーは、2g/10分(190℃/21.1N)未満のメルトフローインデックス(MFI)となるレベルの分子構造を有していなければならない。メルトフローインデックスは、ISO1133およびASTM D1238にある方法により測定することができる。
【0032】
高分子量および低MFIのポリマーを用いる利点は、高分子量ポリマーによって、接着剤に十分に高い凝集強度が確保できることである。
【0033】
最終接着剤の含量とは、接着組成物に用いる成分の総重量に対する成分の重量でのパーセンテージを意味する。
【0034】
本発明の実施形態において、極性ポリエチレンコポリマーの含量は、最終接着剤の10〜45%(w/w)、好ましくは、15〜30%である。
【0035】
本発明の他の実施形態において、極性ポリエチレンコポリマーの分子量は、250,000g/モルを超える。
【0036】
本発明の一実施形態において、接着組成物は、最終接着剤の20〜70%(w/w)、好ましくは、30〜65%(w/w)の含量で、極性可塑油または極性可塑油の組み合わせを含む。
【0037】
接着剤は、最良の軟性および皮膚へのやさしさを得るために、好ましくは、約40%以上の可塑油を含有していなければならない。
【0038】
本発明の一実施形態において、接着組成物は、極性可塑油を含み、極性可塑油は、液体ロジン誘導体、芳香族オレフィンオリゴマー、植物および動物油および誘導体からなる群から選択され、好ましい極性油は、エステル、エーテルおよびグリコールである。
【0039】
特に好ましいのは、アルファ−ブトキシ−ポリオキシプロピレン等のポリプロピレンオキシドである。ポリプロピレンオキシド油は、接着組成物の高透過性に寄与する。
【0040】
本発明の一実施形態において、接着組成物は、接着剤の剥離および粘着性を増大するのに好適な中間または低分子量のポリイソブチレンを含む。かかるポリイソブチレンとしては、分子量それぞれ40.000および60,000g/モルのOppanol B10 SFNおよびOppanol B12 SFNが例示される。
【0041】
本発明の実施形態によれば、ポリイソブチレンの分子量は100,000g/モル未満、好ましくは、40,000〜60,000g/モルである。
【0042】
本発明の一実施形態において、ポリイソブチレンの含量は、最終接着剤の1〜30%(w/w)であり、好ましくは、高水蒸気透過率を維持するためには、含量は5〜20%(w/w)である。
【0043】
低ガラス転移温度で高透過性および無極性エラストマーである熱可塑性材料を混合するときは、相分離/移動のリスクがある。しかしながら、ポリイソブチレンを含有する本発明による接着組成物は、十分な安定性を有する。
【0044】
本発明による接着組成物の中には、凝集性を与える主ポリマーおよびポリイソブチレンの他に、少量の追加のポリマーを含有するものがある。この、またはこれらの追加のポリマーは、粘着性を与えるために添加される。これらの追加のポリマーは、任意であり、全ての目的について必ずしも必要なものではない。
【0045】
本発明の一実施形態において、接着組成物は、低分子量、すなわち、MFI>2のポリマーをさらに含む。
【0046】
低Mwポリマーの接着剤への添加は、接着剤と皮膚との間に多くの水分が存在するとき、好都合であり得る。
【0047】
好ましくは、極性ポリエチレンコポリマーおよび追加のポリマー(油、ポリイソブチレン、粘着付与樹脂等を含まない)を含む合計ポリマー含量は、最終接着剤の50%(w/w)を超えてはならない。
【0048】
粘着付与樹脂、可塑剤およびワックス等の追加の成分を組成物に添加してもよい。追加の成分を用いて、接着剤の極性相またはポリイソブチレン相の特性を制御することができる。これは、いずれかの相と完全に、または主に相溶性のある成分を選択することにより可能である。
【0049】
本発明の一実施形態において、接着組成物は、天然、変性または合成樹脂、好ましくは、極性樹脂、例えば、ロジン、ロジンエステル、水素化ロジン、水素化ロジンエステルおよびかかる極性樹脂または純粋な芳香族モノマー樹脂の誘導体等の粘着付与樹脂をさらに含む。
【0050】
本発明の他の実施形態において、接着組成物は、水素化炭化水素樹脂等の接着剤のポリイソブチレン部分と相溶性のある無極性樹脂を含む。
【0051】
粘着付与樹脂を添加すると、接着剤の粘着性を制御する、すなわち、弾性率を減じ、ガラス転移温度を上げることができる。
【0052】
粘着付与樹脂の含量は、最終接着剤の0〜40%(w/w)である。好ましくは、接着剤は、樹脂を実質的に含まない。接着組成物が、樹脂を含有するときは、粘着付与樹脂の含量は、最終接着剤の0,1〜40%(w/w)、より好ましくは、最終接着剤の10〜20%(w/w)であるのが好ましい。
【0053】
本発明の一実施形態において、接着組成物は、極性可塑油および樹脂を、最終接着剤の50%(w/w)を超える含量で含む。
【0054】
本発明の一実施形態において、接着組成物は、鉱油、クエン酸油、パラフィン油、フタル酸エステル、アジピン酸エステル(例えば、DOA)および液体または固体樹脂の群から選択される追加の可塑剤をさらに含む。
【0055】
本発明の他の実施形態において、接着組成物は、ポリエチレンワックスをさらに含む。
【0056】
付帯的な利点のために、他の成分を添加してもよい。これは、酸化防止剤、安定剤、レオロジー修正のためのフィラー、またはビタミンEやイブプロフェンのような活性成分とすることができる。
【0057】
本発明の他の実施形態において、接着組成物は、酸化防止剤、安定剤、フィラー、顔料、流動性改良剤および活性成分の群から選択されるその他の成分をさらに含む。
【0058】
本発明のある好ましい実施形態において、接着組成物は、極性活性成分を含む。
【0059】
塩および/または親水コロイドを、吸収粒子またはポリマーとして、組成物に添加して、吸収材料を作製してもよい。
【0060】
塩は、水溶性塩であってよく、無機塩または有機塩とすることができる。
【0061】
本発明の一実施形態によれば、接着組成物は、これらに限られるものではないが、NaCl、CaCl2、K2SO4、NaHCO3、Na2CO3、KCl、NaBr、NaI、KI、NH4Cl、AlCl3およびこれらの混合物の群から選択される、好ましくは、NaClである水溶性無機塩を含む。
【0062】
本発明の他の実施形態によれば、接着組成物は、これらに限られるものではないが、CH3COONa、CH3COOK、COONa、COOKおよびこれらの混合物の群からの水溶性有機塩を含む。
【0063】
接着剤は、吸収よりも透過に依拠する機器において粒子なしで用いることができる。
【0064】
従来のHC接着剤のように、マイクロコロイドをはじめとするほとんどの液体吸収ポリマー粒子を用いることができる。透過性接着剤による特別な利点は、表面膜が吸収を完全にブロックしないであろうことである。
【0065】
具体的には、親水コロイドは、グアーガム、ロカストビーンガム(LBG)、ペクチン、アルギン酸塩、ジャガイモデンプン、ゼラチン、キサンタン、カラヤゴム、セルロース誘導体(例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース等のカルボキシメチルセルロースの塩)、デンプングリコール酸ナトリウム、ポリビニルアルコールおよび/またはポリエチレングリコールであってよい。
【0066】
本発明の一実施形態において、親水コロイドの含量は、合計組成物の60%(w/w)未満である。
【0067】
マイクロコロイド粒子は、例えば、マイクロコロイド粒子を含む接着組成物を開示している国際公開第02/066087号パンフレットから当該技術分野において周知されている。マイクロコロイド粒子は、20ミクロン未満の粒子サイズを有していてよい。
【0068】
本発明はまた、上述した感圧接着組成物を含む医療機器にも関する。
【0069】
本発明による接着組成物を含む医療機器は、オストミー器具、ドレッシング、皮膚保護包帯、集尿装置、装具またはプロテーゼ、例えば、乳房用プロテーゼ、糞管理装置および計器等の電子機器あるいは電池等の電源であってよい。
【0070】
医療機器はまた、医療機器または医療機器の一部を、皮膚に固定する、あるいは、皮膚に取り付けた医療機器周囲をシーリングするためのテープ(例えば、弾性テープまたはフィルム)、ドレッシングまたは包帯であってもよい。
【0071】
医療機器は、その最も単純な構造において、本発明による感圧接着組成物の層とバッキング層を含む接着構造であってよい。
【0072】
バッキング層は、弾性がある(低弾性率を有する)のが好適であり、接着構造を、皮膚の動きに適合させ、用いるときは快適さを与えるものとすることができる。
【0073】
本発明の好ましい実施形態において、バッキング材料は、接着剤とバッキング材料間の接着力を改善する構造化表面を有する。特に好ましいのは、溶融接着剤が透過して、例えば、不織および不織膜ラミネートと機械的なインターロックを作製することのできるバッキング材料である。
【0074】
本発明により用いられるバッキング層の厚さは、用いるバッキングのタイプに応じて異なる。ポリウレタンフィルム等のポリマーフィルムについては、全体の厚さは、10〜100μm、好ましくは、10〜50μm、最も好ましくは、約30μmであってよい。
【0075】
本発明の一実施形態において、バッキング層は、蒸気不透性である。
【0076】
本発明の他の実施形態において、バッキング層は、水蒸気透過性であり、500g/m2/24時間を超える水蒸気透過率を有する。この場合、本発明の接着構造は、良好な水蒸気透過率を与えることができ、また、大量の水分を構造を通して移動し、皮膚から離すことができる。接着層の化学組成と物理構造、バッキング層の化学および物理構造の両方が、水蒸気透過性に影響する。物理構造に関して、バッキング層は連続(水蒸気透過性に影響する穴、孔、凹みはなく、添加された粒子または繊維もない)であっても、不連続(水蒸気透過性に影響する穴、孔、凹みがあり、添加された粒子または繊維あり)であってもよい。
【0077】
バッキング層の水蒸気透過率は、好適には、500g/m2/24時間を超え、最も好ましくは、1,000g/m2/24時間を超え、さらに好ましくは、3,000を超え、最も好ましくは、10,000を超える。
【0078】
本発明の他の実施形態において、層状接着構造は、バッキング層と、本発明による感圧接着組成物の少なくとも1つの層とを含む。
【0079】
本発明による接着剤は、数多くあるやり方で、化学的か、機械的かのいずれかにより、発泡接着剤へと発泡させてよい。
【0080】
接着剤処方自体に添加される化学発泡剤またはその他材料は、様々な機構により気泡を生成することができる。これらの機構としては、これらに限られるものではないが、化学反応、物理変化、熱分解または化学分解、分散相の浸出、低沸点材料の蒸発、またはこれらの方法の組み合わせが挙げられる。
【0081】
市販の化学発泡剤のいずれを用いてもよい。化学発泡剤は、分解前後の両方について、無毒で、皮膚にやさしく、環境に安全であるのが適切である。
【0082】
接着混合物に添加される化学発泡剤の量は、約0.01重量%〜約90重量%の範囲とすることができ、実際的な範囲は、約1重量%〜約20重量%である。添加されるガスの量は、候補の混合物から生成されるガスの量を測定し、最終生成物に必要な発泡量を計算し、発泡プロセス中に雰囲気へ失われるガスの量を経験により加減することにより決めることができる。
【0083】
本発明の発泡接着剤を作製する他の方法は、機械的プロセスを用いて、接着剤塊を泡へとホイップするのと同様に、物理的発泡剤を添加して、発泡構造を作製する方法である。接着剤の製造プロセス中に、空気、窒素、二酸化炭素、その他ガスまたは低沸点揮発性液体の組み込みを含む多くのプロセスが可能である。
【0084】
さらなる実施形態によれば、本発明は、接着層の厚さが、最も厚いところで50〜250μmである薄い接着ドレッシング等の医療機器に関する。接着層は、このように、異なる厚さを有していても、50〜250μmの値から選択される均一な厚さを有していてもよい。
【0085】
本発明のドレッシングは、好ましい実施形態において、体液、特に、傷からの滲出液を吸い込むための吸収パッドを含み、創傷ドレッシングが、創傷部位に湿った環境を一定して保ち、同時に、創傷周囲の皮膚がふやけるのを防ぐことができるようになっている。
【0086】
本発明のドレッシングは、適用前または適用中に除去される1つ以上の剥離ライナまたはカバーフィルムにより一部または全体が任意でカバーされている。保護カバーまたは剥離ライナは、例えば、シリコン処理紙であってよい。ドレッシングと同じ輪郭を有する必要はなく、多くのドレッシングは、保護カバーの大きめのシートに取り付けることができる。剥離ライナは、医療機器の剥離ライナとして有用なことが知られているいずれの材料であってもよい。
【0087】
保護カバーは、本発明のドレッシング使用中は存在しないため、本発明の必須の部分ではない。さらに、本発明のドレッシングは、ドレッシングを皮膚へ、接着層に触れることなく適用するのに、それ自体が公知の1つ以上の「非接触」グリップを含んでいてもよい。かかる非接触グリップは、ドレッシング適用後は存在しない。大きめのドレッシングについては、2個または3個、さらには4個の「非接触」グリップを有するのが好適である。
【0088】
医療機器の接着部における可撓性は、接着剤中の面取りやパターン化等の機器設計によって得られることが多い。
【0089】
本発明のドレッシングまたは接着シートは、ドレッシングの端部が「巻き上がる」恐れを減じて、装着時間を減じるために、面取り端部を有していてよい。例えば、欧州特許第0 264 299号明細書または米国特許第5,133,821号明細書に開示されているとおり、面取りは、それ自体公知のやり方で不連続または連続で行ってよい。
【0090】
他の態様において、本発明は、上述した接着構造を含むオストミー器具のためのウエハに関する。
【0091】
本発明のオストミー器具は、ツーピース器具のウエハ形成部の形態、またはワンピース器具の形態にあり、ストーマから出る材料を収集する収集袋を含む。個別の収集袋を、それ自体公知の何らかのやり方、例えば、結合リングを用いた機械的結合により、または、接着フランジの使用により、ウエハに取り付けてよい。
【0092】
本発明のオストミー器具のためのウエハはまた、典型的に、水蒸気透過性および耐水性補強材料と、上述した剥離ライナとを含む。
【0093】
本発明のオストミー器具は、オストミー器具の作製に従来用いられている材料からそれ自体公知のやり方で製造してよい。
【0094】
有利な特性を備えた機器は、積層構造に本発明の透過性接着剤を用いることにより得ることができる。
【0095】
本発明の一実施形態において、構造は、吸水接着剤の少なくとも1つの層をさらに含む。
【0096】
厳しい条件、例えば、大量の発汗による高湿負荷下で、非常に良好な接着力を備えたデバイスを、本発明の透過性であるが、非吸収性の接着剤(親水性フィラーなし)の層、好ましくは、薄層を、吸水接着剤と皮膚と間に配置することによって得ることができる。このようにして、接着剤がかなりの量の水を吸収した後でも、良好な接着力を維持することができる。
【0097】
本発明による吸収接着構造を、オストミー機器と接続して用いると特に有利である。大量の吸水を損なうことなく、接着剤は、ストーマからの攻撃的な流体に対する抵抗性を与えることができるからである。従って、皮膚を、腐食性のあるストーマ流体から十分に保護し、同時に、接着剤と皮膚の間に、健全な非密封ミクロ環境を与える機器を作製することができる。
【0098】
さらなる実施形態において、本発明は、使用者の皮膚に接着させるタイプのプロテーゼ、例えば、本発明による接着構造を含む乳房用プロテーゼに関する。
【0099】
本発明はまた、上述した接着構造を含む集尿装置にも関する。
【0100】
本発明による集尿装置は、ウリシースの形態であってよい。
【0101】
上述したとおり、医療機器はまた、例えば、機器または機器の一部を皮膚に固定する医療テープであってもよい。
【0102】
本発明による医療機器はまた、皮膚に取り付ける測定機器または治療機器、例えば、ECG(Electro CardioGraphy)、EMG(Electro MyoGraphy)、EEG(Electro EncephaloGraphy)、血糖、脈、血圧、pHおよび酸素を測定するのに有用な機器であってもよい。
【0103】
かかる測定機器は、当該技術分野において公知であり、それらは、通常、感圧接着剤により皮膚に取り付けられる。
【0104】
かかる機器の例は、例えば、国際公開第03/065926号パンフレット、米国特許第5,054,488号明細書、米国特許第5,458,124号明細書、米国特許第6,372号明細書、米国特許第6,385号明細書、国際公開第99/59465号パンフレットおよび米国特許出願第2003/0009097号明細書に記載されている。本発明による接着構造は、これらの機器を皮膚に取り付けるのに用いられる接着構造と置き換えてもよい。
【0105】
本発明の他の実施形態において、接着剤は、袋またはその他収集機器を肛門の皮膚へ取り付ける糞収集機器の一部である。
【0106】
実験
実験室方法
方法1:混合
接着剤を、Brabender OHG,Duisburg,Germany製Brabenderミキサー(約60グラム含有)またはLinden Maschinenfabrik,Marienheiden,Germany製Herrmann Linden LK II0.5(約600グラム含有)でコンパウンドした。ミキサーのチャンバー温度は、約120℃であり、接着剤を50〜60rpmでコンパウンドした。
【0107】
予備混合物を各ポリマーから作製した。ポリマーをミキサーに加え、ミキサーを始動した。ポリマーが溶融し、平滑な表面が得られたら、油を、数mlから始めて量を増やしながら、少しずつ、徐々に加えた。前の部分がポリマーによく混ざるまで、油の後の部分は加えなかった。
【0108】
Levamelt/PPO接着剤については、予備混合物中のLevameltとPPOの比は、典型的に、約1:1であった。
【0109】
接着剤は、ポリマーと油の予備混合物からコンパウンドした。予備混合物を、ポリイソブチレン、樹脂および/または、処方に用いた場合は高MFIポリマーと共にミキサーに加えた。ミキサーを始動し、ポリマーが溶融して、平滑な表面が得られたら、追加の油を、数mlから始めて量を増やしながら、少しずつ、徐々に加えた。
【0110】
処方が親水コロイドまたは塩を含む場合には、それらを接着剤に加え、約15分間混合した。
【0111】
方法2:予備架橋Levaprenの機械的分解
場合によっては、例えば、LevaprenVPKA8857を用いたときは、予備架橋EVAの機械的分解を行う必要があった。ポリマーを、約10時間、冷Hermann Linden LKII0.5ミキサーで混合して、ポリマー鎖の機械的分解を行った。加熱システムには電源を入れず、混合速度は、低く、約20rpmに保って、ポリマーでの最良の機械的作業を確保した。ポリマーの分解の後、処理したポリマーの熱成形フィルムを目視検査した。少量のポリマーゲル塊のみが残るようになるまで、機械的処理を続けた。
【0112】
方法3:ガンマ照射
ポリマー約1キロをビニール袋に入れた。袋を包装して、ガンマ照射業者、例えば、BGS Beta−Gamma Service,(Wiehl,Germany)に送った。ポリマーに特定のガンマ線量、例えば、30kGyを照射した。ガンマ照射により、ポリマーのモル重量が増加する。ポリマーを戻したら、油と混合して、上述した予備混合物を得た。
【0113】
方法4:水蒸気透過率(MVTR)の測定
MVTRを、24時間にわたって、倒置カップ法を用いて、1平方メートル当たりのグラム(g/m2)で測定した。
【0114】
開口部を有する水および水蒸気不透性の容器またはカップを用いた。20mlの塩水(脱塩水中0.9%NaCl)を容器に入れ、開口部を試験接着フィルムでシールした。容器を、電気的に加熱した湿度キャビネットに入れ、容器またはカップを逆さまにして、水が接着剤と接触するようにした。キャビネットを、37℃および15%相対湿度(RH)に維持した。容器の重量損失は、時間の関数に従っていた。重量損失は、接着フィルムを通して伝わる水蒸気の蒸発によるものであった。この差を用いて、水蒸気透過率、すなわちMVTRを計算した。MVTRは、カップの開口部の面積で除算した時間当たりの重量損失として計算された(g/m2/24時間)。材料のMVTRは、材料の厚さの線形関数であった。このように、MVTRを記録して、材料を特定するとき、MVTRを記録した材料の厚さも与えることが重要であった。150μmを対照として用いた。これより厚い、または薄い試料を測定する場合は、MVTRは、150μmの試料に対応するものとして記録した。このように、測定されたMVTRが10g/m2/24時間の300μmの試料は、試料の厚さと試料のMVTR間の線形接続によって、150μmの試料についてMVTR=20g/m2/24時間を有するものとして記録した。
【0115】
最後に、この方法を用いると、支持PUフィルムを用いることによるエラーを招いたことを注記しておく。接着剤/フィルムラミネートが、直列の2つの抵抗のシステムであったという事実を利用して、エラーを排除した。フィルムおよび接着剤は均質で、透過速度は、
1/P(測定)=1/P(フィルム)+1/P(接着剤)
で表すことができる。
【0116】
従って、接着剤のフィルム透過性および厚さを知ることにより、式
P(接着剤)=d(接着剤)/150ミクロン*1/(1/P(測定)−1/P(フィルム))
を用いて接着剤の本当の透過性(P(接着剤))
(式中、d(接着剤)は、接着剤の実際に測定された厚さ、P(フィルム)は接着剤のないフィルムのMVTRおよびP(測定)は実際に測定したMVTR)
を計算することができた。
【0117】
方法5:剥離損傷モードの測定:
剥離損傷モードを、好適な試料を皮膚から剥離することにより測定した。
【0118】
接着剤の接着または凝集破壊である剥離損傷モードを目視観察した。凝集破壊の接着剤は、剥がすとき、基材に残渣を残す可能性があるため凝集破壊は望ましくなかった。
【0119】
2つの剥離ライナ間で約200ミクロンの接着フィルムへと熱成形することにより、試験試料を作製した。この接着フィルムを、BBA Fiberweb製80gsmの弾性不織布(Dreamex,CS9540002,80gsm)上に転写コートし、100℃で約5分間熱処理して、接着剤をNWに完全にボンドした。幅1cmの試験試料を、不織布の低モジュール軸に沿って切断した。
【0120】
試験試料を、前腕の内側に適用し、剥がす前、約2時間そのままにした。結果を、接着または凝集剥離損傷モードとして記録した。
【0121】
方法6:接着剤の皮膚へのやさしさ/攻撃性の測定:
試験試料を、剥離ライナと40ミクロンPURフィルム間の厚さ100ミクロンの接着層で熱成形することにより作製した。25×100mmの試料/ストリップを打ち抜いた。被験者は、4つの異なる接着組成物のストリップを着用した。各被験者は、12時間で交換する頻度で各接着剤の5つのストリップを着用した。皮膚の評価は、最後のストリップの除去直後および最後のストリップ除去後12時間に行った。
【0122】
方法7:剥離力
試験試料を、剥離ライナと25ミクロンPURフィルム間の厚さ100ミクロンの接着層で熱成形することにより作製した。25×100mmの試料/ストリップを打ち抜いた。
【0123】
剥離ライナを除去し、試料を、Teflonプレートに置き、短時間、2kgの圧力に晒した。30分後、試料を90°の角度で、Teflonプレートから、Instron5543を用いて、20Nロードセルで剥がした。
【0124】
方法8:粘着力
試験試料を、2つの剥離ライナ間に約100ミクロンの接着フィルム層を熱成形することにより作製した。20×65mmの試料を打ち抜き、試料をスライドガラスに取り付け、剥離ライナを除去した。直径10mmの丸いTeflonプローブを用いて、接着剤の粘着性を測定する。
【0125】
方法9:DMAならびにG’およびtan(δ)の測定
パラメータG’およびtan(δ)を次のようにして測定した。接着剤を、厚さ1mmのプレートに押しつけた。直径25mmの円形試料を切断し、Thermo Electron製RheoStress RS600レオメータに入れた。適用した形状は平行プレート25mmであり、変形は1%に固定して、測定が線形レジームで確実になされるようにした。測定は32℃で行った。
【0126】
【表1】

【実施例】
【0127】
結果
実施例1:本発明による接着剤。下の表に、本発明により調製した接着組成物の例を示す。
【0128】
【表2】

【0129】
損傷モードに変化なく、剥離および粘着性が増大することが分かる。ポリイソブチレン(低ガラス転移温度)が、流動性を増大することによって、接着剤の接着強度が増大する。極性樹脂は、ガラス転移温度を増大し、モジュールを下げる。
【0130】
目視観察の他、皮膚評価によれば、樹脂含有接着剤の除去の際に、皮膚に「焼けるような感じ」があるのが分かった。この感覚は、ある程度、高接着力と皮膚の伸張により、STR068.05で経験されたが、STR060.42においてはなかった。同様の接着性については、ポリイソブチレン含有接着剤の除去は、樹脂含有接着剤の除去より快適であると結論された。
【0131】
ポリイソブチレンの添加について、MVTRの減少は、16%(w/w)添加の樹脂よりも僅かに低く、24%(w/w)よりは僅かに高いことも観察できる。
【0132】
実施例2:ポリイソブチレン含有組成物の安定性
接着組成物STR060.42を、40℃で3カ月間保管し、剥離およびMVTR測定を繰り返した。
【0133】
【表3】

【0134】
MVTRおよび剥離には僅かな変化のみが観察される。偏差は、実験誤差内と考えられる。試料のDMAスペクトルも記録したところ、保管後、レオロジー特性に差は示さなかった。
【0135】
実施例3:処理安定性−熱成形
【0136】
【表4】

【0137】
プレス時間が長くなるにつれ、MVTRに僅かな変化が観察される。偏差は、実験誤差内と考えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
最終接着剤の10%(w/w)を超える含量の極性可塑油または極性可塑油の組み合わせと、
少なくとも1つの極性ポリエチレンコポリマーと、
ポリイソブチレンと、
を含み、
前記ポリエチレンコポリマーの含量が、前記最終接着剤の5〜50%(w/w)であり、
前記ポリエチレンコポリマーが、2g/10分(190℃/21.1N)未満のメルトフローインデックスを有する、感圧ホットメルト処理可能接着組成物。
【請求項2】
最終接着剤の10%(w/w)を超える含量の極性可塑油または極性可塑油の組み合わせと、
少なくとも1つの極性ポリエチレンコポリマーと、
ポリイソブチレンと、
を混合することにより生成され、
前記ポリエチレンコポリマーの含量が、前記最終接着剤の5〜50%(w/w)であり、
前記ポリエチレンコポリマーが、2g/10分(190℃/21.1N)未満のメルトフローインデックスを有する、感圧ホットメルト処理可能接着組成物。
【請求項3】
連続形態にある前記最終接着剤が、MVTR試験方法に従って測定したとき、150μmの接着シートについて、少なくとも100g/m2/日の水蒸気透過率を示す、請求項1又は2に記載の感圧接着組成物。
【請求項4】
前記極性ポリエチレンコポリマーが、エチレン酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル一酸化炭素、エチレン酢酸ブチル、エチレンビニルアルコール、エチレンブチルアクリレート、エチレンブチルアクリレート一酸化炭素およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の感圧接着組成物。
【請求項5】
前記極性ポリエチレンコポリマーが、エチレン酢酸ビニルである、請求項4に記載の感圧接着組成物。
【請求項6】
前記エチレン酢酸ビニルが、少なくとも40%(w/w)の酢酸ビニル、好ましくは、40〜80%(w/w)の酢酸ビニルの含量を有する、請求項5に記載の感圧接着組成物。
【請求項7】
前記極性ポリエチレンコポリマーの含量が、前記最終接着剤の10〜45%(w/w)、好ましくは、15〜30%である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の感圧接着組成物。
【請求項8】
前記極性ポリエチレンコポリマーが、250,000g/モルを超える分子量を有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の感圧接着組成物。
【請求項9】
前記極性可塑油が、液体ロジン誘導体、芳香族オレフィンオリゴマー、植物および動物油および誘導体からなる群から選択され、好ましくは、極性油はエステル、エーテルおよびグリコールであり、特に好ましくは、アルファ−ブトキシ−ポリオキシプロピレン等のポリプロピレンオキシドである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の感圧接着組成物。
【請求項10】
前記極性可塑油の含量が、前記最終接着剤の20〜70%(w/w)、好ましくは、30〜60%である、請求項9に記載の感圧接着組成物。
【請求項11】
前記ポリイソブチレンの含量が、前記最終接着剤の1〜30%(w/w)、好ましくは、5〜20%である、請求項1〜10に記載の感圧接着組成物。
【請求項12】
前記ポリイソブチレンが、100,000g/モル未満、好ましくは、40,000〜60,000g/モルの分子量を有する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の感圧接着組成物。
【請求項13】
前記組成物が、MFI>2(190℃/21.1N)のポリマーをさらに含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の感圧接着組成物。
【請求項14】
前記組成物が、天然、変性または合成樹脂、好ましくは、ロジンエステル等の極性樹脂およびその誘導体または純芳香族モノマー樹脂等の粘着付与樹脂をさらに含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載の感圧接着組成物。
【請求項15】
前記組成物が、水素化炭化水素樹脂等の前記接着剤の前記ポリイソブチレン部分と相溶性のある無極性樹脂をさらに含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載の感圧接着組成物。
【請求項16】
前記粘着付与樹脂の含量が、前記最終接着剤の0.1〜40%(w/w)、好ましくは、10〜20%である、請求項14又は15に記載の感圧接着組成物。
【請求項17】
前記組成物が、鉱油、クエン酸油、パラフィン油、フタル酸エステル、アジピン酸エステル(例えば、DOA)および液体または固体樹脂の群から選択される追加の可塑剤をさらに含む、請求項1〜16のいずれか1項に記載の感圧接着組成物。
【請求項18】
前記組成物が、ポリエチレンワックスをさらに含む、請求項1〜17のいずれか1項に記載の感圧接着組成物。
【請求項19】
前記組成物が、酸化防止剤、安定剤、フィラー、顔料、流動性改良剤および活性成分の群から選択されるその他の成分をさらに含む、請求項1〜18のいずれか1項に記載の感圧接着組成物。
【請求項20】
前記その他の成分が、極性活性成分である、請求項19に記載の感圧接着組成物。
【請求項21】
前記組成物が、親水コロイド等の吸収粒子をさらに含む、請求項1〜20のいずれか1項に記載の感圧接着組成物。
【請求項22】
前記親水コロイドの含量が、前記合計組成物の60%w/w未満である、請求項21に記載の感圧接着組成物。
【請求項23】
前記組成物が、塩をさらに含む、請求項1〜22のいずれか1項に記載の感圧接着組成物。
【請求項24】
前記水溶性無機塩が、NaCl、CaCl2、K2SO4、NaHCO3、Na2CO3、KCl、NaBr、NaI、KI、NH4Cl、AlCl3およびこれらの混合物の群から選択される、好ましくは、NaClである、請求項23に記載の感圧接着組成物。
【請求項25】
前記水溶性有機塩が、CH3COONa、CH3COOK、COONa、COOKおよびこれらの混合物の群からである、請求項23に記載の感圧接着組成物。
【請求項26】
バッキング層と、請求項1〜25のいずれか1項に記載の感圧接着組成物の少なくとも1層とを含む、層状接着構造。
【請求項27】
前記構造が、吸水接着剤の少なくとも1つの層をさらに含む、請求項26に記載の層状接着構造。
【請求項28】
請求項1〜25のいずれか1項に記載の感圧接着組成物の層が、吸水接着剤の層と皮膚との間にある、請求項27に記載の層状接着構造。
【請求項29】
請求項1〜25のいずれか1項に記載の感圧接着組成物と、バッキング層とを含む、医療機器。
【請求項30】
前記バッキング層が、蒸気不透性である、請求項29に記載の医療機器。
【請求項31】
前記バッキング層が、水蒸気透過性であり、500g/m2/24時間を超える水蒸気透過率を有する、請求項29に記載の医療機器。
【請求項32】
前記医療機器が、ドレッシング、オストミー器具、プロテーゼ、例えば、乳房用プロテーゼ、集尿装置、糞管理装置、測定機器または治療機器、医療テープ、または医療機器周囲を皮膚の上にシーリングするためのドレッシングまたは包帯である、請求項29〜31のいずれか1項に記載の医療機器。

【公表番号】特表2012−512285(P2012−512285A)
【公表日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−541093(P2011−541093)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【国際出願番号】PCT/DK2009/050343
【国際公開番号】WO2010/069333
【国際公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
【出願人】(500085884)コロプラスト アクティーゼルスカブ (153)
【Fターム(参考)】