説明

通信制御装置及びボタン電話装置

【課題】番号非通知着信拒否の選択をした場合であっても、ファクシミリ自動受信を行うことにより、電話着信には従来通りの番号非通知着信拒否のOGM送出し、ファクシミリ着信には自動受信を可能とする通信制御装置を提供することを目的とする。
【解決手段】電話機能部8とファクシミリ機能部7の切替SW6と、番号非通知の電話着信呼への応答時に発側に警告音を送出する警告音送出手段と、着信呼がファクリミリ呼かを判定するファクシミリ呼判定手段とを設け、番号非通知着信拒否の装置動作モードにて着信拒否を選択した場合においても、番号非通知着信したファクシミリ呼に対して、そのファクシミリ内容を自動受信するようにしたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発信者番号通知サービスによる番号非通知呼に応答し、電話及びファクシミリ着信を受信する通信制御装置及びボタン電話装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発信者番号通知サービス(ナンバーディスプレイサービス)が提供される一般公衆回線、若しくはISDN回線と接続する留守番電話機能付きファクシミリ装置において、番号非通知着信呼を拒否する場合、予め利用者の操作等により番号非通知着信拒否の装置動作モードにて着信拒否を選択し、番号非通知着信を受信すると、着呼応答し、予め録音された応答メッセージ[以下、OGM(出トランクメッセージ)と略記する]を送信し、OGM送出後、強制切断を行っている。
【0003】
なお、通常、番号非通知呼に応答送出する上記OGMは、発信相手に番号通知による再発信を促す旨を録音したOGMが使用される。
【0004】
また、番号非通知着信拒否のOGM送出中は、番号通知による再発呼を前提としているため、番号非通知呼に対しては、装置の留守番録音機能やファクシミリ自動受信機能は動作させず、番号非通知呼にてファクシミリ受信を行う場合は、装置に具備するファクシミリ開始ボタン押下等の手動操作によって行っていた。
【0005】
また、番号非通知呼に応答し、OGM送出後に発信側操作者からのプッシュボタン操作による電話番号入力と、予め登録した電話番号との一致により、留守番電話機能等を動作させるものもある(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−312254号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述の従来の留守番電話機能付きファクシミリ装置では、番号非通知着信を拒否する場合、音声通話を目的とする電話着信とファクシミリ通信を目的とするファクシミリ着信を区別することなく、番号非通知着信に応答し、番号非通知着信用OGMを送信するが、発側からのファクシミリ送信呼出によるファクシミリ自動受信は行われず、OGM送出後に回線切断を行っていた。
【0007】
このため、電話着信については、従来の番号非通知着信の着信拒否機能を使用したいが、ファクシミリ着信については、番号非通知着信であっても自動でファクシミリ受信を行いたい利用者にとっては、何れかの機能(利用者の要求)を犠牲にしなければならなかった。
【0008】
例えば、ファクシミリによる受注を業務の主としている利用者の場合等で、電話着信については顧客の電話番号を着信履歴に残す為に、番号非通知着信拒否用に用意したOGMを送出し、番号通知による再発信を発信者に促したいが、受注を行うファクシミリ着信については、顧客へ再発信による手間をかけさせずに、番号非通知呼であっても、ファクシミリを自動受信したいというニーズに答えることはできず、電話着信用とファクシミリ着信用の専用回線を別々に用意しなければならないという課題があった。
【0009】
また、番号非通知呼に応答し、OGM送出後に発信側操作者からのプッシュボタン操作による電話番号入力と、予め登録した電話番号との一致により、留守番電話機能等を動作させる特許文献1に記載の方法も、ファクシミリ受信機能を動作させたとしても、不特定多数の顧客からの受注ファクシミリ等を受信する利用者の要求を満たすことはできないという課題があった。
【0010】
本発明の目的は、このような従来の課題を解決するものであり、番号非通知着信拒否の選択をした場合であっても、ファクシミリ自動受信を行うことにより、電話着信には従来通りの番号非通知着信拒否の警告音(OGM)送出し、ファクシミリ着信には自動受信を可能とする通信制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記目的を達成するために、番号非通知着信拒否の装置動作モードにて着信拒否を選択した場合に、番号非通知の電話着信呼に対しては、応答後、警告音(OGM)を送出し、一方、番号非通知のファクシミリ着信呼に対しては、ファクシミリを自動受信することを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、番号非通知着信拒否の装置動作モードにて着信拒否を選択し、番号非通知呼に着呼応答後、警告音を送出する通信制御装置において、番号非通知着信呼の内、電話着信呼に対しては、番号通知による再発信を促す旨を録音した警告音(OGM)を送出することができ、また、ファクシミリ着信呼に対しては、番号非通知着信拒否の装置動作モードにて着信拒否を選択した場合においてもファクシミリを自動受信することができるという効果を奏するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の通信制御装置の実施の形態は、電話機能部とファクシミリ機能部の切替手段を有し、発信者番号通知サービス回線を接続する通信制御装置において、番号非通知着信拒否の装置動作モードにて着信拒否を選択した場合に、番号非通知の電話着信呼に応答後、警告音を送出する警告音送出手段と、着信呼がファクリミリ呼かを判定するファクシミリ呼判定手段と、番号非通知のファクシミリ着信呼をファクシミリ機能部に自動切替制御する制御手段とを有する構成とするものである。これにより、番号非通知着信拒否の装置動作モードにて着信拒否を選択した場合において、番号非通知の電話着信呼に、警告音を送出することができ、且つ番号非通知のファクシミリ着信呼の場合に、ファクシミリ自動受信するという効果を奏する。
【0014】
また、警告音にOGMを送出する警告音送出手段を有する構成にしてもよい。これにより、番号通知による再発信を促す応答メッセージを録音したOGMを、電話発信者に聞かせることができる。
【0015】
また、ファクシミリ呼判定手段において、番号非通知呼への着呼応答後、CNG信号(ファクシミリ呼出信号)を検知するCNG信号検出手段と、CNG信号検出時にファクシミリ呼と判定するファクシミリ呼判定手段を有する構成にしてもよい。これにより、番号非通知着信拒否の装置動作モードにて着信拒否を選択した場合において、番号非通知呼に着呼応答後、CNG信号受信によりファクリミリ呼判定することができ、ファクシミリ着信の場合に、ファクシミリ自動受信するという効果を奏する。
【0016】
また、ファクシミリ呼判定手段において、ISDN回線から番号非通知を示す呼設定メッセージ受信時に、呼設定メッセージの付加情報よりファクシミリ呼と判定するファクシミリ呼判定手段を有する構成にしてもよい。これにより、ISDN着信呼の内、着呼応答前に着信呼がファクシミリ呼判定できる着信呼については、着呼応答後のOGM接続による不要な通話課金を発生させることなく、且つ発信側に番号通知による再発信の手間をかけることなく、ファクシミリ機能部へ接続し、ファクシミリ自動受信するという効果を奏する。
【0017】
さらに、番号非通知着信拒否の装置動作モードにて着信拒否を選択した場合に、番号非通知着信呼のファクシミリ受信可否を選択する選択手段を有する構成にしてもよい。これにより、従来使途である番号非通知着信拒否モードにてファクシミリ受信を拒否するモードと、本発明の番号非通知着信拒否モードにてファクシミリ受信を許可するモードの何れかを、利用者が選択することができる。
【0018】
次に本発明のボタン電話装置の場合は、ボタン電話機とファクシミリ装置を内線収容し、発信者番号通知サービスが提供される回線を外線収容するボタン電話装置において、番号非通知着信拒否の装置動作モードにて着信拒否を選択した場合に、番号非通知の電話着信呼に応答後、警告音を送出する警告音送出手段と、番号非通知のファクシミリ着信呼には、着信呼がファクリミリ呼かを判定するファクシミリ呼判定手段と、ファクシミリ呼を転送する転送先ファクシミリ内線を予め設定し記憶する記憶手段と、番号非通知のファクシミリ着信呼をファクシミリ内線に自動切替制御する制御手段とを有する構成とする。
【0019】
これにより、番号非通知着信拒否の装置動作モードにて着信拒否を選択した場合において、番号非通知の電話着信呼に、警告音を送出することができ、且つ番号非通知のファクシミリ着信呼の場合に、ファクシミリ自動受信することができる。また、ボタン電話装置の内線にファクシミリ装置を収容することにより、ファクシミリ専用の外線を設けることなく、ボタン電話機からの発着信外線として使用することができ、外線の有効活用を図ることができる。
【0020】
また、警告音にOGMを送出する警告音送出手段を有する構成にしてもよい。これにより、番号通知による再発信を促す応答メッセージを録音したOGMを、電話発信者に聞かせることができる。
【0021】
また、ファクシミリ呼判定手段において、番号非通知呼への着呼応答後、CNG信号を検知するCNG信号検出手段と、CNG信号検出時にファクシミリ呼と判定するファクシミリ呼判定手段とを有する構成にしてもよい。これにより、番号非通知着信拒否の装置動作モードにて着信拒否を選択した場合において、番号非通知呼に着呼応答後、CNG信号受信によりファクリミリ呼判定することができ、ファクシミリ着信の場合に、ファクシミリ自動受信するという効果を奏する。
【0022】
また、ファクシミリ呼判定手段において、ISDN回線から番号非通知を示す呼設定メッセージ受信時に、呼設定メッセージの付加情報よりファクシミリ呼と判定するファクシミリ呼判定手段を有する構成にしてもよい。これにより、ISDN着信呼の内、着呼応答前に着信呼がファクシミリ呼判定できる着信呼については、着呼応答後の警告音接続による不要な通話課金を発生させることなく、且つ発信側に番号通知による再発信の手間をさせることなく、ファクシミリ機能部へ接続し、ファクシミリ自動受信するという効果を奏する。
【0023】
さらに、番号非通知着信拒否の装置動作モードにて着信拒否を選択した場合に、番号非通知着信呼のファクシミリ受信可否を選択する選択手段を有する構成にしてもよい。これにより、従来使途である番号非通知着信拒否モードにてファクシミリ呼を拒否するモードと、本発明の番号非通知着信拒否モードにてファクシミリ呼を許可するモードの何れかを、利用者が選択することができる。
【実施例】
【0024】
以下本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【0025】
(実施例1)
図1は、発信番号通知サービス対応型の通信制御装置を示し、番号非通知着信を拒否する装置の動作モードが設定されると、番号非通知呼に着呼応答し、発信者に番号通知による再発信を促す旨を録音したOGMを送出する機能(所謂ナンバーリクエスト機能)を有するものである。
【0026】
図1において、発信者番号通知サービスが提供される一般公衆回線若しくはISDN回線と接続する回線制御部1と、装置全体の各機能ブロック部と接続し制御する処理制御部2と、装置の動作に関する各種情報を記憶する記憶部3と、利用者による予め録音若しくは固定データとして用意された番号非通知着信拒否の音声案内メッセージを蓄積し回線へ送出するOGM制御部4と、電話機部及び回線へサービス音を送出するトーン制御部4aと、発側から送出される1100Hzのファクシミリ呼び出し信号であるCNG信号を検出するCNG検出部5と、回線と電話機能部またはファクシミリ機能部を接続切替する切替SW6と、ファクシミリ通信動作を司りファクシミリ送受信を行うファクシミリ機能部7と、電話機能を司る電話機能部8と、番号非通知着信拒否の装置動作モードを設定する操作部9とから構成される。
【0027】
そして、前記記憶部3には番号非通知着信拒否の装置動作モード等の各種設定データ3aを有する。なお、切替SW6は、以下の説明にて初期状態は、電話機能部に接続されているものとする。
【0028】
図2は、実施例1の通信制御装置の動作を説明するフローチャートを示し、以下、各ステップについて、説明する。
【0029】
(ステップS1)まず、発信者番号通知サービスを提供する回線からの外線着信時、回線制御部1は、外線着信を検出し、回線から受信した発信電話番号または非通知理由等の着信情報を、処理制御部2に送り、ステップS2に移行する。なお、ここで回線制御部1が回線から受信する着信情報とは、一般公衆回線の場合は、発信電話番号若しくは発信電話番号非通知理由等のパラメータ情報であり、ISDN回線の場合は、レイヤ3呼設定メッセージである。
【0030】
(ステップS2)処理制御部2では、着信情報を解析し、着信呼が番号通知呼か番号非通知呼かを判定する。
【0031】
なお、一般公衆回線にて発信電話番号を受信した場合、若しくはISDN回線にて呼設定メッセージの発番号情報要素に含まれる表示識別子を参照し、表示識別子に表示可を示す呼設定メッセージを受信した場合は、番号通知呼であり、ステップS3に移行する。また、一般公衆回線にて番号非通知理由情報を受信した場合、若しくはISDN回線にて前記表示識別子が表示可以外の場合は、番号非通知呼と判定し、ステップS4に移行する。
【0032】
(ステップS3)番号通知呼の場合は、装置の各種動作モード(例えば、着信鳴動、留守番録音等)に従った従来処理を行い、処理を終了する。
【0033】
(ステップS4)記憶部3の設定データ3aに予め設定された番号非通知着信拒否の装置動作モードを読み出し、装置動作モードが、着信拒否か着信許可かを確認する。装置動作モードが着信拒否選択の場合、ステップS5に移行する。また、着信許可の場合は、ステップS3に移行する。
【0034】
なお、回線から受信した番号非通知理由等は、網側の提供サービスにも拠るが、ユーザ拒否、公衆電話発信、サービス提供不可、サービス競合等の理由があり、何れの場合に番号非通知着信拒否の装置動作モードを適用するかは、各番号非通知理由毎に番号非通知着信拒否の装置動作モードを設けてもよい。また、番号非通知理由に拠っては、敢えて設定手段を設けず、固定で着信許可若しくは着信拒否扱いとしてもよい。
【0035】
(ステップS5)処理制御部2から回線制御部1に呼応答を指示し、回線に応答信号が送出され、番号非通知着信に着呼応答し、ステップS6に移行する。
【0036】
(ステップS6)着呼応答後、番号通知による再発信を促すOGM送出指示を、処理制御部2からOGM制御部4に行い、OGMを回線へ送出し、ステップS7に移行する。
【0037】
これにより、着信呼が電話着信の場合、発信者に番号通知による再発信を促すことができる。なお、応答後、回線への警告音送出は、OGMの代わりにトーン制御部4aに接続しサービス音を送出してもよい。
【0038】
(ステップS7)OGM送出開始後、処理制御装置2は、発信側からのCNG信号を検知するために、CNG検出部5にCNG信号検出の指示を行い、ステップS8に移行する。なお、ここで、CNG信号検出の開始タイミングは、ステップS6でのOGM送出の前後は問わないし、また、OGM送出完了後に行ってもよい。
【0039】
(ステップS8)CNG信号検出監視タイマ(T1)を起動し、ステップS9に移行する。なお、本実施例では、タイマ(T1)の満了にてCNG信号検出の監視を終了させるが、タイマ(T1)に拠らず、OGM送出の完了に拠ってもよい。
【0040】
(ステップS9)発信側から送出されるCNG信号検出の有無を確認する。発信側からファクシミリ送信が行われると、CNG信号が回線を通じて装置に送られ、CNG信号検出部5にてCNG信号を検出し、処理制御部2に伝え、ステップS10に移行する。また、CNG信号を検知しない場合は、ステップS11に移行し、CNG信号検出の監視を継続する。
【0041】
(ステップS10)CNG信号検出が、処理制御部2に伝えられ、処理制御部2は、切替SW6をファクシミリ機能部7に切替え、以降、ファクシミリ機能部7にてファクシミリ受信が行われた後、処理を終了する。
【0042】
(ステップS11)処理制御部2は、CNG信号検出監視タイマ(T1)が満了するまで、CNG信号検出を継続する。タイマ(T1)満了時は、処理制御部2からCNG信号検出部にCNG信号検出停止を指示し、ステップS12に移行する。タイマ(T1)未満了時は、ステップS9に移行する。
【0043】
(ステップS12)CNG信号検出監視タイマ(T1)満了にて、処理制御部2は、回線制御部1に呼切断を指示し、通話を強制切断し、処理を終了させる。
【0044】
このように、番号非通知着信拒否の装置動作モードにて着信拒否選択し、番号非通知呼に着呼応答後、OGMを送出する通信制御装置において、電話着信には、番号非通知のOGM送出により、発信者に番号通知による再発信を促し、ファクシミリ着信には、番号非通知着信拒否の装置動作モードにて着信拒否を選択した場合においても発信者に再発信させることなく、ファクシミリ受信を自動で行うことができる。
【0045】
次に、図3は、ISDN回線への着信応答前にファクシミリ呼判定する通信制御装置の動作を示すフローチャートである。
【0046】
(ステップS21)まず、ISDN回線からの局線着信時、回線制御部1は、ISDNレイヤ3メッセージである呼設定メッセージを受信し、呼設定メッセージを、処理制御部2に送る。
【0047】
(ステップS22)処理制御部2では、呼設定メッセージの発番号情報要素に含まれる表示識別子を参照し、表示識別子が表示可を示す呼設定メッセージの場合は、番号通知呼と判定し、ステップS23に移行する。また、前記表示識別子が表示可以外の場合は番号非通知呼と判定し、ステップS24に移行する。
【0048】
(ステップS23)装置の各種動作モード(例えば、着信鳴動、留守番録音等)に従った従来処理を行い、処理を終了する。
【0049】
(ステップS24)記憶部3の設定データ3aに予め設定された番号非通知着信拒否の装置動作モードを読み出し、番号非通知着信拒否の装置動作モードを確認する。番号非通知着信拒否の装置動作モードが着信拒否選択の場合、ステップS25に移行する。また、前記番号非通知着信拒否の装置動作モードが着信許可の場合、ステップS23に移行する。
【0050】
なお、表示識別子(番号非通知理由)には、網側の提供サービスにも拠るが、例えば、表示不可(ユーザ拒否)、相互接続条件により表示不可等の幾つかの理由があるが、何れの場合に番号非通知着信拒否の装置動作モードを適用するかは、各番号非通知理由毎に番号非通知着信拒否の装置動作モードを設けてもよい。また、番号非通知理由に拠っては、敢えて設定手段を設けず、固定で着信許可若しくは着信拒否扱いとしてもよい。
【0051】
(ステップS25)処理制御部2は呼設定メッセージの高位レイヤ整合性情報要素に含まれる高位レイヤ特性識別を参照し、高位レイヤ特性識別がファクシミリ呼を示すかを判定する。高位レイヤ特性識別がファクシミリ呼を示す場合は、ステップS26に移行する。また、高位レイヤ特性識別が電話の場合、若しくは高位レイヤ整合性情報要素を含まない場合は、図2のステップS5に移行する。これは、ISDN着信呼の内、ISDN着信呼の生成源が一般公衆回線等の理由によりファクシミリ着信呼であっても高位レイヤ整合性情報要素が付加されないため、ステップS5に移行させ、ファクシミリ着信の場合は、着呼応答後のCNG信号検出により、ファクシミリ受信を行わせるものである。
【0052】
(ステップS26)処理制御部2から切替SW6をファクシミリ機能部7に切替え、番号非通知呼をファクシミリ機能部7に接続し、ファクシミリ受信が行われ、処理を終了する。
【0053】
以上、このように、ISDN着信呼の内、着呼応答前に着信呼がファクシミリ着信であることを判別できる着信呼については、OGM接続による不要な通話課金を発生することなく、且つ発信側に番号通知による再発信をさせることなく、直接ファクシミリへ接続し、ファクシミリ自動受信することができる。
【0054】
また、ISDN着信呼の内、着呼応答前に着信呼がファクシミリ着信であることを判別できない着信呼についても、電話着信の場合には、番号非通知のOGM送出による発信者への番号通知による再発信を促すことができ、ファクシミリ着信の場合には、発信者に再発信させることなく、ファクシミリ受信を人手を介することなく自動で行うことができる優れた通信制御装置を提供することができる。
【0055】
また、番号非通知着信拒否の装置動作モードにて着信拒否を選択した場合において、番号非通知着信呼のファクシミリ受信可否を選択する選択手段を設け、従来使途である番号非通知着信拒否モードにてファクシミリ受信を拒否するモードと、本実施例の番号非通知着信拒否モードにてファクシミリ受信を許可するモードの何れかを、利用者が選択することができるようにしても良い。
【0056】
(実施例2)
図4〜6はボタン電話装置の場合を示す。
【0057】
ボタン電話装置は、外線との通信制御及び通話を行う外線制御部1aと、装置全体の制御を司る中央処理制御部2と、ボタン電話制御装置の各種処理を行うために必要な情報を記憶する記憶部3と、利用者による予め録音若しくは固定データとして用意された番号非通知着信拒否の音声案内メッセージを蓄積し回線へ送出するOGM制御部4と、内線電話機及び外線へサービス音を送出するトーン制御部4aと、発側から送出されるCNG信号を検出するCNG検出部5と、内線及び外線間、外線とOGM間、外線とCNG検出部等との通話路を切替制御する時分割スイッチ6aと、ボタン電話機及びファクシミリ装置を内線収容し各内線電話機との通信制御及び通話を行う内線制御部7aと、内線制御部7aに接続されるボタン電話機711〜71mと、ファクシミリ装置721〜72nから構成される。
【0058】
そして、前記記憶部3には、番号非通知着信拒否の装置動作モード等の設定データ3aと、ファクシミリ着信を転送する転送先ファクシミリ内線データ3bとを有する。
【0059】
図5〜6のフローチャートにおいて、その動作を説明する。
【0060】
なお、実施例1と同じステップについては、図2、3のステップ説明を援用し、以降の説明では、実施例2にて固有のステップに関してのみの説明とする。
【0061】
(ステップS1a)まず、発信者番号通知サービスを提供する回線からの外線着信時、外線制御部1aは、外線着信を検出し、着信外線から受信した発信電話番号または非通知理由等の着信情報を、処理制御部2に送り、ステップS2に移行する。なお、ここで外線制御部1aが外線から受信する着信情報とは、一般公衆回線の場合は、発信電話番号若しくは発信電話番号非通知理由等のパラメータ情報であり、ISDN回線の場合は、レイヤ3呼設定メッセージである。
【0062】
(ステップS3a)装置の各種動作モード(例えば、ボタン電話機への一般着信等)に従った従来処理を行い、処理を終了する。
【0063】
(ステップS5a)処理制御部2は、ステップS6にてOGM送出するため、外線とOGM制御部間の通話路をOGM制御部−>外線方向に形成する指示を時分割スイッチ6aに行う。また、外線制御部1aに呼応答を指示し、外線に応答信号が送出され、番号非通知着信に着呼応答し、ステップS6に移行する。
【0064】
(ステップS7a)OGM送出開始後、処理制御装置2は、発信側からのCNG信号(ファクシミリ通信呼出信号)を検知するために、外線とCNG検出部間の通話路を外線−>CNG検出部方向に形成する指示を時分割スイッチ6aに行い、CNG検出部5にCNG信号検出の指示を行い、ステップS8に移行する。なお、ここで、CNG信号検出の開始タイミングは、ステップS6でのOGM送出の前後は問わないし、また、OGM送出完了後に行ってもよい。
【0065】
(ステップS10a)CNG信号検出が、処理制御部2に伝えられ、処理制御部2は、転送先ファクシミリ内線データ3bを読み出し、転送先ファクシミリ内線ポートを決定する。例えば、転送先ファクシミリ内線ポートとしてファクシミリ装置721を読み出し、ステップS10bに移行する。
【0066】
(ステップS10b)処理制御部2は、転送先ファクシミリ内線(ファクシミリ装置721)に着信起動を内線制御部7aに指示する。この後、着信したファクシミリ装置721の応答により、処理制御部2により、CNG信号検出した外線とファクシミリ装置721の呼転送が形成され、外線とファクシミリ装置721は通話状態となる。以降、ファクシミリ装置721にてファクシミリ自動受信が行われ、処理を終了する。
【0067】
なお、転送先ファクシミリ内線データ3bは、ボタン電話装置に複数台分設けても良い。その場合、ファクシミリ着信外線と転送先ファクミシリ内線は、1対1に対応付けることによって、他の外線からのファクシミリ着信との競合を回避でき、ファクシミリ受信を効率良く利用することができる。
【0068】
(ステップS12a)CNG信号検出監視タイマ(T1)満了にて、処理制御部2は、外線制御部1aに呼切断を指示し、通話を強制切断し、処理を終了する。
【0069】
このように、番号非通知着信拒否の装置動作モードにて着信拒否選択し、番号非通知呼に着呼応答後、OGMを送出する通信制御装置において、電話着信には、番号非通知のOGM送出により、発信者に番号通知による再発信を促し、ファクシミリ着信には、番号非通知着信拒否の装置動作モードにて着信拒否を選択した場合においても発信者に再発信させることなく、ファクシミリ受信を自動で行うことができる優れたボタン電話装置を提供することができる。また、ボタン電話装置の内線にファクシミリ装置を収容することにより、ファクシミリ専用の外線を設けることなく、ボタン電話機からの発着信外線として使用することができ、外線の有効活用を図ることができる。
【0070】
次に、図6は、ISDN回線への着信応答前にファクシミリ呼判定するボタン電話装置の動作を示すフローチャートである。
【0071】
(ステップS21a)まず、ISDN回線からの外線着信時、外線制御部1aは、ISDNレイヤ3メッセージである呼設定メッセージを受信し、呼設定メッセージを、処理制御部2に送り、ステップS22に移行する。
【0072】
(ステップS23a)装置の各種動作モード(例えば、ボタン電話機への一般着信等)に従った従来処理を行い、処理を終了する。
【0073】
(ステップS25a)処理制御部2は呼設定メッセージの高位レイヤ整合性情報要素に含まれる高位レイヤ特性識別を参照し、高位レイヤ特性識別がファクシミリ呼を示すかを判定する。高位レイヤ特性識別がファクシミリ呼を示す場合は、ステップS26aに移行する。また、高位レイヤ特性識別が電話の場合、若しくは高位レイヤ整合性情報要素を含まない場合は、図5のステップS5aに移行する。これは、ISDN着信呼の内、ISDN着信呼の生成源が一般公衆回線等の理由によりファクシミリ着信呼であっても高位レイヤ整合性情報要素が付加されないため、ステップS5aに移行させ、ファクシミリ着信の場合は、着呼応答後のCNG信号検出により、ファクシミリ受信を行わせるものである。
【0074】
(ステップS26a)処理制御部2は、転送先ファクシミリ内線データ3bを読み出し、転送先ファクシミリ内線ポートを決定する。例えば、転送先ファクシミリ内線ポートとしてファクシミリ装置721を読み出し、ステップS26bに移行する。
【0075】
(ステップS26b)処理制御部2は、転送先ファクシミリ内線(ファクシミリ装置721)に着信起動を内線制御部7aに指示する。この後、着信したファクシミリ装置721の応答により、処理制御部2により、CNG信号検出した外線とファクシミリ装置の呼転送が形成され、外線とファクシミリ装置は通話状態となる。以降、ファクシミリ内線にてファクシミリ自動受信が行われ、処理を終了する。
【0076】
以上、ISDN着信呼の内、着呼応答前に着信呼がファクシミリ着信であることを判別できる着信呼については、OGM接続による不要な通話課金を発生することなく、且つ発信側に番号通知による再発信をさせることなく、直接ファクシミリへ接続し、ファクシミリ自動受信する優れたボタン電話装置を提供することができる。
【0077】
また、ISDN着信呼の内、着呼応答前に着信呼がファクシミリ着信であることを判別できない着信呼についても、電話着信には、番号非通知のOGM送出による発信者への番号通知による再発信を促すことができ、またファクシミリ着信の場合には、発信者に再発信させることなく、ファクシミリ受信を自動で行うことができる優れたボタン電話装置を提供することができる。
【0078】
また、番号非通知着信拒否の装置動作モードにて着信拒否を選択した場合において、番号非通知着信呼のファクシミリ受信可否を選択する選択手段を設け、従来使途である番号非通知着信拒否モードにてファクシミリ受信を拒否するモードと、本実施例の番号非通知着信拒否モードにてファクシミリ受信を許可するモードの何れかを、利用者が選択することができるようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明の通信制御装置は、番号非通知着信拒否を行う場合においても、番号非通知着信呼に対して、番号通知による再発信の告示をOGM送出にて行い、ファクシミリ自動受信することができるという効果を有し、留守番電話機能付きファクシミリ装置、ボタン電話装置、交換装置に利用される。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の実施例1の通信制御装置の機能ブロック図
【図2】実施例1の通信制御装置の動作を示すフローチャート
【図3】実施例1の通信制御装置の動作を示すフローチャート
【図4】本発明の実施例2のボタン電話装置の機能ブロック図
【図5】実施例2のボタン電話装置の動作を示すフローチャート
【図6】実施例2のボタン電話装置の動作を示すフローチャート
【符号の説明】
【0081】
1 回線制御部
1a 外線制御部
2 処理制御部
3 記憶部
3a 設定データ
3b 転送先ファクシミリ内線データ
4 OGM制御部
4a トーン制御部
5 CNG検出部
6 切替SW部
6a 時分割スイッチ
7 ファクシミリ機能部
7a 内線制御部
711〜71m ボタン電話機
721〜72n ファクシミリ装置
8 電話機能部
9 操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発信者番号通知サービス回線を接続した通信制御装置において、番号非通知着信拒否の装置動作モードにて着信拒否を選択した場合に、番号非通知の電話着信呼に対しては、応答後、警告音を送出し、一方、番号非通知のファクシミリ着信呼に対しては、ファクシミリを自動受信することを特徴とする通信制御装置。
【請求項2】
警告音をOGMとしたことを特徴とする請求項1記載の通信制御装置。
【請求項3】
番号非通知呼への着呼応答後、CNG信号を検知するCNG信号検出手段と、CNG信号検出時にファクシミリ呼と判定するファクシミリ呼判定手段を有することを特徴とする請求項1記載の通信制御装置。
【請求項4】
ISDN回線から番号非通知を示す呼設定メッセージ受信時に、呼設定メッセージの付加情報よりファクシミリ呼と判定するファクシミリ呼判定手段を有することを特徴とする請求項1または請求項3記載の通信制御装置。
【請求項5】
番号非通知着信拒否の装置動作モードにて着信拒否を選択した場合において、番号非通知ファクシミリ呼のファクシミリ受信可否を選択する選択手段を有することを特徴とする請求項1記載の通信制御装置。
【請求項6】
ボタン電話機とファクシミリ装置を内線収容し、発信者番号通知サービスが提供される回線を外線収容するボタン電話装置において、番号非通知着信拒否の装置動作モードにて着信拒否を選択した場合に、番号非通知の電話着信呼に対しては、応答後、警告音を送出するようにし、一方、番号非通知のファクシミリ着信呼に対しては、予め選定されたファクシミリ内線にファクシミリ呼を転送し、ファクシミリを自動受信することを特徴とするボタン電話装置。
【請求項7】
警告音をOGMとしたことを特徴とする請求項6記載のボタン電話装置。
【請求項8】
番号非通知呼への着呼応答後、CNG信号を検知するCNG信号検出手段と、CNG信号検出時にファクシミリ呼と判定するファクシミリ呼判定手段とを有することを特徴とする請求項6記載のボタン電話装置。
【請求項9】
ISDN回線から番号非通知を示す呼設定メッセージ受信時に、呼設定メッセージの付加情報よりファクシミリ呼と判定するファクシミリ呼判定手段を有することを特徴とする請求項6または請求項8記載のボタン電話装置。
【請求項10】
番号非通知着信拒否の装置動作モードにて着信拒否を選択した場合において、番号非通知ファクシミリ呼のファクシミリ受信可否を選択する選択手段を有することを特徴とする請求項6記載のボタン電話装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2006−121564(P2006−121564A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−309405(P2004−309405)
【出願日】平成16年10月25日(2004.10.25)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】