説明

連動する熱化学反応装置およびエンジンならびに関連するシステムおよび方法

連動する熱化学反応装置およびエンジンならびに関連するシステムおよび方法。特定の一実施形態によるシステムは、反応領域を有する反応容器と、この反応領域と流体連通状態で接続する水素供与体供給源と、燃焼領域を有するエンジンとを含む。このシステムは、燃焼領域と反応領域との間を接続して反応領域に反応物および/または放射エネルギーを移送する移送流路をさらに含むことができる。このシステムは、反応領域とエンジンの燃焼領域との間を接続して反応領域から取り除かれた成分の少なくとも一部を燃焼領域に送出する生成物流路をさらに含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願に対する相互参照]
本出願は、2010年2月13日に提出されて「FULL SPECTRUM ENERGY AND RESOURCE INDEPENDENCE」という名称が付された米国特許出願第61/304403号に関する優先権およびその利益を請求する。本出願は、2010年7月21日に提出されて「METHOD AND SYSTEM OF THERMOCHEMICAL REGENERATION TO PROVIDE OXYGENATED FUEL, FOR EXAMPLE, WITH FUEL-COOLED FUEL INJECTORS」という名称が付された米国特許出願第12/804509号の一部継続出願であり、これは、2009年8月27日に提出されて「OXYGENATED FUEL PRODUCTION」という名称が付された米国仮出願第61/237425号と、2009年8月27日に提出されて「MULTIFUEL MULTIBURST」という名称が付された米国仮出願第61/237466号と、2009年8月27日に提出されて「FULL SPECTRUM ENERGY」という名称が付された米国仮出願第61/237479号と、2009年12月7日に提出されて「INTEGRATED FUEL INJECTORS AND IGNITERS AND ASSOCIATED METHODS OF USE AND MANUFACTURE」という名称が付されたPCT出願第PCT/US09/67044号と、2010年2月13日に提出されて「FULL SPECTRUM ENERGY AND RESOURCE INDEPENDENCE」という名称が付された米国仮出願第61/304403号と、2010年3月9日に提出されて「SYSTEM AND METHOD FOR PROVIDING HIGH VOLTAGE RF SHIELDING, FOR EXAMPLE, FOR USE WITH A FUEL INJECTOR」という名称が付された米国仮出願第61/3012100号とに関する優先権およびその利益を請求している。米国特許出願第12/84509号はまた、2009年12月7日に提出されて「INTEGRATED INJECTORS AND IGNITERS AND ASSOCIATED METHODS OF USE AND MANUFACTURE」という名称が付された米国特許出願第12/653085号の一部継続出願であり、これは、2008年1月7日に提出されて「MULTIFUEL STORAGE, METERING, AND IGNITION SYSTEM」という名称が付された米国特許出願第12/006774号(現米国特許第7628137号)の一部継続出願であって、2009年8月27日に提出されて「MULTIFUEL MULTIBURST」という名称が付された米国仮出願第61/237466号に関する優先権およびその利益を請求している。米国特許出願第12/804509号はまた、2009年10月19日に提出されて「MULTIFUEL STORAGE, METERING, AND IGNITION SYSTEM」という名称が付された米国特許出願第12/581825号の一部継続であり、これは、2008年1月7日に提出されて「MULTIFUEL STORAGE, METERING, AND IGNITION SYSTEM」という名称が付された米国特許出願第12/006774号(現米国特許第7628137号)の分割出願である。これらの出願のそれぞれは、これらの全体を参照することによって、この明細書に包含される。前述の出願および/または参照することにより、この明細書に包含される他のあらゆる資料がここに与えた開示と食い違う場合、ここにある開示が支配する。
【0002】
本出願は、連動する熱化学反応装置およびエンジンならびに関連するシステムおよび方法に概ね向けられる。特定の実施形態において、このようなシステムは、多種多様な供給原料から清浄に燃焼する水素ベースの燃料を作り出すために用いることができ、また水素ベースの燃料を形成する場合に取り除いた炭素および/または他の元素から建築用ブロック材(例えば建築構造物)を作り出すことができる。
【背景技術】
【0003】
太陽や、風、波、降雨の如き再生可能なエネルギー源およびバイオマスベースの資源は、重要なエネルギー源として非常に大きな可能性を持っているが、現在は広範囲に亙る受け入れを妨げるような種々の問題を抱えている。例えば、再生可能エネルギー源を電力の生産にて用いることは、断続的な可能性がある供給源の利用可能性に依存する。太陽エネルギーは太陽の利用可能性(すなわち日中のみ)によって制限され、風力は風のばらつきによって制限され、降雨エネルギーは渇水によって制限され、バイオマスエネルギーは、とりわけ季節の変化によって制限される。これらの結果および他の要因のため、再生可能な資源からのエネルギーの多くは、取り込んだり取り込まなかったりして無駄になってしまう傾向がある。
【0004】
エネルギーを取り込んで保存することに関連する前述の非能率性は、世界中の多くの地域で存立可能なエネルギー販売業者への再生可能なエネルギー供給源の展開を制限し、その理由は彼らが作り出すエネルギーの原価をしばしば高くすることになるためである。従って、化石燃料に関する技術の発展を支える政府助成金および他の計画は、このような燃料を用いることが一見便利で表面的に費用を掛からなくするため、世界は主たるエネルギー源として少なくとも部分的に石油および他の化石燃料に依存し続けている。同時に、使用する資源のための置換費用ならびに使用した化石燃料の環境悪化や健康への影響および他の副産物のための費用は、これらの燃料に起因したエネルギーの購入価格には含まれていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現状において、再生可能な資源を継続的に作り出すことに関連した前述および他の欠点を考慮すると、生成物および燃料をこのような資源と共に作り出す効率および商業的可能性を改善するための要求が依然としてある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
水素燃料および構造的材料を効率的に作り出すための器具およびシステムならびに方法の幾つかの例が以下に記述される。反応装置を加熱するために燃焼機関により作り出される廃熱に用い、燃焼または他の目的のために少なくとも何がしかの反応生成物をこの機関に戻すことによって、効率性をもたらすことができる。この全体の処理は、重合体および炭素複合材料を含む耐久消費材での使用のため、きれいに燃える燃料および再利用される炭素および/または他の成分をもたらすことができる。以下の説明は、当業者がこれらの実施と製造と使用とを充分に可能にする方法で以下の実施形態の多くの具体的詳細を与えるけれども、以下に記述した詳細および利点の幾つかは、この技術の特定の形態を実施するために必要ではない可能性がある。加えて、この技術は他の実施形態を含むことができ、これらは特許請求の範囲内にあるが、ここで詳細に記述していない。
【0007】
以下に記述したこの技術の特定な実施形態は、コンピューターによって実行可能な命令の形態を取ることができ、これはプログラム可能なコンピューターまたはコントローラーによって実行される手順を含む。当業者らは、この技術が以下に示されると共に記述されたもの以外のコンピューターまたは制御システムにて実施できることを理解しよう。この技術は、以下に記述したコンピューターが実行可能な1つ以上の命令を実行するために詳細にプログラムされるか、形成されるか、または構成される特別な目的のコンピューターか、コントローラーか、またはデーター処理装置において具体化することができる。従って、ここで概ね用いられるような「コンピューター」および「コントローラー」という用語は、任意のデーター処理装置を意味し、インターネット家電,携帯端末,多重プロセッサーシステム,プログラム可能な家庭用電化製品,ネットワークコンピューター、ミニコンピューターなどを含むことができる。この技術はまた、作業またはモジュールが通信網を介してつなげられた遠隔処理器具により行われる分散環境にて実行することができる。以下に記述したこの技術の形態は、ネットワークの全体に亙って電子的に振り分けられる媒体と同様に、磁気的または光学的に読み取り可能か、あるいは取り外し可能なコンピューターディスクを含むコンピューターが読み取り可能な媒体に格納または振り分けることができる。特定の実施形態において、この技術の形態に特有のデーター構造およびデーター伝送もまた、当該技術の範囲内に包含される。当該技術は、ステップを実行することに加え、特定のステップを行うためにコンピューターが読み取り可能な媒体のプログラムを作る方法を共に包含する。
【0008】
この技術の特定の実施形態によるシステムは、反応領域を有する反応容器と、この反応領域に流体連通状態で接続する水素供与体供給源と、燃焼領域を有するエンジンとを含む。このシステムは、燃焼領域と反応領域との間を接続して反応物および/または放射エネルギーを反応領域に移送するための移送流路をさらに含むことができる。このシステムはまた、反応領域とエンジンの燃焼領域との間を接続して反応領域から取り除かれた成分の少なくとも一部を燃焼領域に送出するための生成物流路をさらに含むことができる。例えば、特定の実施形態において、反応装置は分離工程を容易にするために燃焼工程からの廃熱を利用してメタンの如き炭化水素を分離することができる。結果として生ずる水素燃料の少なくとも一部を燃焼および/または他の目的のために単独または炭素または炭素化合物と組み合わせてエンジンに戻すことができる。
【0009】
この技術の他の実施形態による方法は、水素供与体を反応容器の反応領域へと導き、エンジンにて燃料を燃焼させて出力および排気生成物を生じさせることを含む。この方法は、排気生成物をエンジンと反応領域との間を接続する移送流路を介して導き、反応物および/または放射エネルギーを反応領域に移送することをさらに含むことができる。この方法はまた、水素供与体を反応領域にて分離生成物へと分離し、この分離生成物から非水素ベースの建築用ブロック材および/または水素ベースの燃料をもたらすことをさらに含むことができる。この方法は、反応領域から取り除かれた成分の一部をエンジンに導くことをさらに含むことができる。例えば、特定の実施形態において、この処理はメタンを水素と一酸化炭素とに分離し、これらの何れかまたは両方の一部を例えば燃焼のために燃料成分と共にエンジンに戻すことを含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】現状で開示された技術の一実施形態により燃焼機関からエネルギーを受け入れる反応システムの一部概略部分断面図である。
【図2】現状で開示された技術の一実施形態により燃焼機関からエネルギーを受けてこの機関に反応生成物を戻す反応システムの一部概略部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
この明細書全体を通して「1つの例」,「一例」,「1つの実施形態」または「一実施形態」に対する参照は、この例示に関連して記述した特定の特徴,構造,処理または特性が本技術の少なくとも1つの例に含まれることを意味する。従って、この明細書全体を通していろいろな箇所での「1つの例において」,「一例において」,「1つの実施形態」または「一実施形態」の句の出現は、必ずしもすべて同じ例を参照していない。さらに、特定の特徴,構造,手順、ステップまたは特性をこの技術の一つ以上の例示にて任意の適当な方法で組み合わせることができる。ここに与えられた表題は、単なる便利さのためであり、請求した技術の範囲または意味を限定または解釈することを意図していない。
【0012】
[代表的な反応システム]
図1および図2は、水素ベースの燃料と建築用ブロック材すなわち建築構造物とをこの技術のいくつかの実施形態により作り出すための代表的な反応システムを例示する。図1は、燃焼工程からの廃熱を利用する反応装置の概略構成を例示する。図2は、反応システムのさらなる詳細を例示すると共に燃焼機関および反応装置を閉回路形式で結合することができる機構および構成を例示する。
【0013】
図1は、反応装置110を含む代表的なシステム100の部分概略図である。この反応装置110は、反応領域112を取り囲むか、または部分的に取り囲む反応容器111をさらに含む。少なくとも幾つかの例において、反応容器111は反応領域112内で起こる化学反応を促進させるために配された1つ以上の伝送面を有する。適当な伝送面は、「REACTOR VESSELS WITH TRANSMISSIVE SURFACES FOR PRODUCING HYDROGEN-BASED FUELS AND STRUCTURAL ELEMENTS, AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」という名称が付された同時係属中の米国出願第 号(代理人整理番号69545.8602US)に開示され、これは本件と同時に提出され、参照することによってこの明細書に包含される。代表的な一例において、この反応容器111は、供与体供給源130によって供与体入口113に与えられた水素供与体を収容する。例えば、この水素供与体はメタンまたは他の炭化水素を含むことができる。反応容器111内の供与体分配器すなわちマニホールド115は、水素供与体を反応領域112へと分散または散布する。反応容器111はまた、蒸気入口114を介して蒸気/水供給源140からの蒸気を受け入れる。反応容器111の蒸気分配器116は、蒸気を反応領域112へと散布する。反応容器111は、反応領域112に熱を与えて吸熱反応を促進させるヒーター123をさらに含むことができる。このヒーターのための出力(例えば電力)を再生可能なエネルギー供給源165から与えることができる。この再生可能なエネルギー供給源165は、太陽,風,水および/または他の適当な持続可能である供給源を含むことができる。反応領域112にて起こる反応は、メタンまたは他の炭化水素を水素または水素化合物ならびに炭素または炭素化合物へと分離させることを含むことができる。他の実施形態において、この反応装置110は、他の水素供与体、例えば窒素を含む水素供与体を分離させることができる。代表的な反応は、「CHEMICAL PROCESSES AND REACTORS FOR EFFICIENTLY PRODUCING HYDROGEN FUELS AND STRUCTURAL MATERIALS, AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」という名称が付された同時係属中の米国出願第 号(代理人整理番号69545.8601US)にさらに記述され、これは本件と同時に提出され、参照することによってこの明細書に包含される。反応生成物は、出口117を介して反応容器111を出、反応生成物捕集器171aにて捕集される。
【0014】
このシステム100は、反応容器111内の流路118に組成物を与える放射エネルギー(例えば廃熱)および/または追加の反応物の供給源150をさらに含むことができる。例えば、熱/反応物供給源150は、矢印Aで示すように、熱い燃焼/排気生成物152を流路118に与える燃焼チャンバー151を含むことができる。燃焼生成物152および関連する廃熱は、分離工程から分けられた工程(例えば発電工程)により作り出される。燃焼生成物捕集器171bは、反応容器111を出る燃焼生成物をさらなる再利用および/または他の利用のために捕集する。特定の一実施形態において、燃焼生成物152は、熱い一酸化炭素,水蒸気,および/または他の成分を含むことができる。1つ以上の伝送面119が(流路118の周囲に環状に位置させることができる)反応領域112と、流路118の内側領域120との間に配されている。従って、この伝送面119は、放射エネルギーおよび/または化学的成分が矢印Bに示すように流路118から径方向外側に反応領域112へと通過できることを可能にする。燃焼生成物152の流れにより与えられる放射エネルギー(例えば熱)および/または化学的成分を送出することにより、このシステム100は反応領域112にて起こる反応を例えば反応領域の温度および/または圧力、従って反応速度および/または反応の熱力学的効率を増大することによって高めることができる。それゆえ、前述の工程は、反力領域112での反応を促進することに加え、他の場合には無駄にされるエネルギーおよび/または成分を再生使用するか、再利用することができる。
【0015】
伝送面119の組成および構造は、放射エネルギーが流路118の内側領域120から反応領域112まで容易に通過できるように選択可能である。従って、伝送面119はガラスかグラフェンまたは再放射部品を含むことができる。適当な再放射部品は「CHEMICAL REACTORS WITH RE-RADIATING SURFACES AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」(代理人整理番号69545.8603US)という名称が付された同時係属中の米国出願第 号にさらに記述され、これは本件と同時に提出され、参照することによってこの明細書に包含される。
【0016】
上述したように、燃焼生成物152は、反応領域112での反応物としての役割をすることができる蒸気および/または他の成分を含むことができる。従って、伝送面119は、放射エネルギーが反応領域112へと入ることに加え、あるいはこれを可能にする代わりに、このような成分を反応領域112へと選択できるように製造可能である。特定の実施形態において、この伝送面119は、炭素の結晶構造体、例えば積層グラフェン構造体から形成することができる。炭素ベースの結晶構造体は、水分子が通り抜けることができるように慎重に選択された空隙(例えば流動方向Aに対して横切るように配された平行な層間)を含むことができる。同時に、反応領域112で作り出される有用な反応生成物がこの反応領域から抜けることを阻止するように、この空隙を選択することができる。特定の実施形態において、反応装置110により作り出されるか、または促進される同じ種類の建築構造物を用いることにより、伝送面119を形成することができる。
【0017】
このシステム100は、(例えばセンサーから)入力信号191を受け、この入力191の少なくとも一部に基づいた出力信号192(例えば制御指令)を与えるコントローラー190をさらに含むことができる。従って、このコントローラー190は、適当なプロセッサーとメモリーとI/O能力とを含むことができる。コントローラー190は、測定または検出された圧力,温度,流速,化学的濃度および/または他の適当なパラメーターに対応した信号を受けることができ、また反応物送出割合,圧力および温度,ヒーター作動,弁設定および/または他の適当な能動的に制御可能なパラメーターを制御する指令を出すことができる。オペレーターは、コントローラー190により自律的に行われる指令を変更,調整および/または解除するために追加の入力を与えることができる。
【0018】
図2は、この技術の他の実施形態による放射エネルギー/反応物供給源150と組み合わせた反応装置110を含むシステム100の部分概略図である。この実施形態において、放射エネルギー/反応物供給源150は、エンジン180、例えばシリンダー181内を往復運動するピストン182を持った内燃機関を含む。他の実施形態において、このエンジン180は、他の形態、例えば外燃形態を有することができる。図2に示す一実施形態において、エンジン180はエアーフィルター178を通ってシリンダー181に流入する空気を制御するための吸気弁183aによって開閉する吸気ポート184aを含む。図2に示す実施形態においてはこの空気流を絞らないようにすることができ、他の実施形態においては絞ることができる。燃料噴射器185は、燃料をこれが空気と混合されて着火する燃焼領域179へと導き、燃焼生成物152を生じさせる。噴射弁189aによって追加の燃料を導入することができる。燃焼生成物152は、排気弁183bにより制御される排気ポート184bを通ってシリンダー181を出る。代表的なエンジンおよび点火系のさらなる詳細は、2010年12月7日に提出された同時係属中の米国出願第12/653085号(代理人整理番号69545.8304US)に開示され、参照することによってこの明細書に包含される。
【0019】
エンジン180は、エンジンの作動を反応装置110の作動と統合するように特に設計した特徴を含むことができる。例えば、エンジン180および反応装置110は、以下にさらに詳細に記述される一般的な燃料供給源130から燃料を共有することができる。この燃料は、調整器186を介して燃料噴射器185に供給される。エンジン180はまた、第1の導管すなわち流路177aを介して反応装置110からの最終生成物と、第2導管すなわち流路177bを介して反応装置110からの水(例えば液体または蒸気)とを受け入れることができる。これらの特徴のさらなる形態は、このシステム100全体の他の特徴の説明に従って、以下にさらに詳細に記述される。
【0020】
図2に示したシステム100はまた、熱を移送すると共にここに開示された技術による反応生成物を分離するように形成された熱交換器と分離器とを含む。この実施形態の特定の一形態において、システム100は、蒸気を反応容器111に供給して生成物の構築を促進するための蒸気/水供給源140を含む。この蒸気/水供給源140からの蒸気は、少なくとも2つの経路を介して反応装置110に供給されることができる。第1の経路は、第1の熱交換器170aを通り、第1の蒸気分配器116aを介して反応容器111へと進む第1の水通路141aを含む。反応容器111から取り除かれた生成物は、反応装置生成物出口117を通り、生成物通路161に沿って進む。生成物通路161は、向流すなわち逆流式で第1の熱交換器170aを通過し、生成物を冷却すると共に反応容器111に入る蒸気を加熱する。生成物は、有用な最終生成物(例えば水素および炭素または炭素化合物)を分離する反応生成物分離器171aに進む。次に、生成物の少なくとも一部が元のエンジン180に向けられ、次に他の生成物が生成物捕集器160aにて捕集される。第1の弁176aが生成物の流れを調整する。生成物通路161に残った水は、反応生成物分離器171aにて分離され、蒸気/水供給源140に戻されることができる。
【0021】
蒸気/水供給源140からの蒸気を反応装置110に供給する第2経路は、第2熱交換器170bを貫通する第2水通路141bを含む。この第2水通路141bに沿って進む水は、蒸気の形態にて第2流れ分配器16bを介して反応装置110に入る。この水は、燃焼領域179を出る燃焼生成物によって加熱され、燃焼生成物通路154に沿い、(伝送面119を含むことができる)移送流路118を通り抜ける。使用済みの燃焼生成物152は、燃焼生成物捕集器160bにて捕集され、窒素化合物,リン酸塩,再利用される発光体添加物(例えばナトリウム,マグネシウムおよび/またはカリウムの供給源)および/または他の目的(例えば農業目的)のために利用または再生使用することができる他の組成物を含むことができる。発光体添加物を反応装置110の上流で燃焼生成物152(および/またはエンジン180で用いられる燃料)に加えることができ、反応領域112への伝送のために利用可能な放射エネルギーの量を増大させる。
【0022】
第2熱交換器170bは、第2水通路141bに沿って水を加熱し、かつ燃焼生成物通路154に沿って燃焼生成物を冷却することに加え、反応容器111内に配された供与体分配器115へと供与体通路131に沿って通過する水素供与体を加熱することができる。供与体容器130は、水素供与体、例えばメタンの如き炭化水素か、アンモニアの如き窒素供与体を収容する。この供与体容器130は、(第1のヒーター132aおよび第2ヒーター132bとして示した)1つ以上のヒーター132を含み、中の水素供与体を蒸発および/または加圧することができる。三方弁133および調整器134は、供与体容器130を出て、第2熱交換器170bを通り、反応容器111へと供与体通路131に沿って進む流体および/または蒸気の量を制御する。上述したように、水素供与体はまた、少なくとも幾つかの実施形態において、エンジン180のための燃料として働くこともでき、第3の導管すなわち流路177cを介してエンジン180に送出可能である。
【0023】
反応容器111において、燃焼生成物152は燃焼生成物流路118を通過すると同時に、伝送面119を介して放射エネルギーおよび/または反応物を反応領域112へと送出する。燃焼生成物152は、第2の熱交換器170bを通過した後、水を燃焼生成物から分離する燃焼生成物分離器171bに入ることができる。この水は蒸気/水供給源140に戻り、残りの燃焼生成物は燃焼生成物捕集器160bに捕集される。特定の実施形態において、分離器171bは、燃焼生成物の流れの運動エネルギーによって駆動される遠心分離装置を含むことができる。燃焼生成物の流れの運動エネルギーが遠心力によって水を分離するのに不充分な場合、モーター/発電機172が遠心分離器171bにエネルギーを加えて必要な遠心力を与えることができる。燃焼生成物の流れの運動エネルギーが水を分離するのに必要であるよりも大きな場合、モーター/発電機172は、例えばこのシステム100の他の部品で用いるためのエネルギーを作り出すことができる。コントローラー190は、このシステム100の種々の部材からの入力を受け、流速,圧力,温度および/または他のパラメーターを制御する。
【0024】
コントローラー190はまた、エンジン180への反応生成物の戻りを制御することができる。例えば、このコントローラーは反応生成物および/または再捕集された水を一連の弁を介して元のエンジン180に向けることができる。特定の実施形態において、コントローラー190は、第1の分離器171aから得られた水素および一酸化炭素をエンジン180へと第1の導管177aを介して導く第1の弁176aの作動を指示することができる。これらの成分を燃焼領域179にて燃やしてエンジン180からの追加の出力をもたらすことができる。場合によっては、図示のようなエンジン180の燃焼領域179および/または他の部材を冷却することが望ましい可能性がある。このような場合、コントローラー190は、第2および第3の弁176b,176cおよび対応する第2の導管177bを介してエンジン180に対する水または蒸気の流れを制御することができる。
【0025】
場合によっては、反応装置110に与えられるエネルギーを他の目的のために用いられるエンジン180から引き出されたエネルギーと釣り合わせることが望ましい可能性がある。従って、このシステム100は、燃焼生成物152の一部を出力抽出器具188、例えばタービン交流発電機,排気ターボ過給機または機械式過給機に向けることができる燃焼生成物の流れの中にプロポーショニングバルブ187を含むことができる。出力抽出器具188が排気ターボ過給機を含む場合、これは吸気ポート184aを介してエンジンシリンダー181に入る空気を圧縮するために作動する。抽出器具188が排気ターボ過給機を含む場合、これは追加の出力を生じさせるさらなる燃焼のため、燃料を燃焼生成物の混合気中に導く追加の燃料噴射弁189bを含むことができる。この出力は、エンジン180により与えられる出力を補うことができ、すなわち例えば別個の発電機を介してこれを別箇に与えることができる。
【0026】
前述の説明から明らかなように、このシステム100の一つの特徴は、これが燃焼生成物152からエネルギーを節約して再使用するために特に形成されていることである。従って、このシステム100は、燃焼生成物152からのエネルギー損を低減させるように企図した追加の特徴を含むことができる。このような特徴は、シリンダー181の周囲,ピストン182の頂部および/または弁183a,183bの端部に配される断熱材を含むことができる。従って、この断熱材は、流路118以外の任意の熱伝達経路を介してエンジン180から離れて熱が運ばれることを阻止するか、少なくとも抑制する。
【0027】
前述の少なくとも幾つかの実施形態の1つの特徴は、反応システムが相互依存方式でつなげられた反応装置とエンジンとを含むことができることである。特に、このエンジンは、反応装置に導入されて水素ベースの燃料と非水素ベースの建築用ブロック材とを作り出す分離工程が促進される廃熱をもたらすことができる。この建築用ブロック材は、炭素,ホウ素,窒素,ケイ素および/または硫黄を包含する分子を含むことができ、建築構造物を形成するために利用可能である。上述した重合体および複合材料に加え、建築構造物の代表的な例が「ARCHITECTURAL CONSTRUCT HAVING FOR EXAMPLE A PLURALITY OF ARCHITECTURAL CRYSTALS」という名称が付された同時係属中の米国出願第 号(代理人整理番号69545.8701)にさらに詳細に記述され、これは本件と同時に提出され、参照することによってこの明細書に包含される。この構成の利点は、これがエンジンと反応装置との間の相乗効果をもたらすことができることである。例えば、上述した分離工程を導入するために反応装置によって通常必要とされるエネルギー入力は、燃焼生成物により与えられた追加のエネルギーのおかげで減じられることができる。清浄燃焼水素を燃焼室に加えることおよび/またはエンジンを冷却するために(例えば蒸気または液体の形態にて)水を供給することにより、エンジンの効率を改善することができる。蒸気および水素ベースの燃料の両方が反応装置によって作り出されるけれども、これらはエンジンに対して異なる割合で送出可能および/または異なるスケジュールおよび/またはさもなければ異なる方法で変えられることができる。
【0028】
前述から、例示の目的のためにこの技術の特定の実施形態がここに記述されているが、この技術から逸脱することなく、種々の変更をすることができることは認識されよう。例えば、上述した工程の特定な実施形態は、メタンとの関連で記述した。他の実施形態において、他の炭化水素燃料または非炭素含有水素供与体は、水素ベースの燃料および建築構造物を形成するために同様な工程を経ることができる。ヒーター123を作動させることができるか、または他の方法で反応装置110に適切に結合できる他の廃熱供給源、例えば回生制動からの廃熱によって、エンジンからもたらされる廃熱を補うことができる。
【0029】
特定の実施形態に関連して記述したこの技術の特定の形態を他の実施形態にて組み合わせるか、または省くことができる。例えば、実施形態によってはエンジンが水素ベースの燃料を受け入れ可能であるが、反応装置110からの水を冷却しなかったり、あるいは逆でもよい。さらに、この技術の特定の実施形態と関連した利点をこれらの実施形態に関連して記述したけれども、他の実施形態もまた、このような利点を示すことができ、すべての実施形態がこの開示の範囲内に含まれるように、このような利点を示す必要があるわけではない。従って、本開示および関連する技術は、ここに明白に示されないか、または記述されない他の実施形態を包含することができる。
【0030】
前で参照することによってもこの明細書に包含されない範囲のため、本出願は以下の資料のそれぞれの内容のすべてを参照することによって、これらの全体を包含する。すなわち、2010年8月16日に提出されて「SUSTAINABLE ECONOMIC DEVELOPMENT THROUGH INTEGRATED PRODUCTION OF RENEWABLE ENERGY, MATERIALS RESOURCES, AND NUTRIENT REGIMES」という名称が付された米国特許出願第12/857553号と、2010年8月16日に提出されて「SYSTEMS AND METHODS FOR SUSTAINABLE ECONOMIC DEVELOPMENT THROUGH INTEGRATED FULL SPECTRUM PRODUCTION OF RENEWABLE ENERGY」という名称が付された米国特許出願第12/857553号と、2010年8月16日に提出されて「SYSTEMS AND METHODS FOR SUSTAINABLE ECONOMIC DEVELOPMENT THROUGH INTEGRATED FULL SPECTRUM PRODUCTION OF RENEWABLE MATERIAL RESOURCES USING SOLAR THERMAL」という名称が付された米国特許出願第12/857554号と、2010年8月16日に提出されて「ENERGY SYSTEM FOR DWELLING SUPPORT」という名称が付された米国特許出願第12/857502号と、2011年2月14日に提出されて「DELIVERY SYSTEMS WITH IN-LINE SELECTIVE EXTRACTION DEVICES AND ASSOCIATED METHODS OF OPERATION」という名称が付された代理人整理番号69545-8505.US00と、2010年8月16日に提出されて「COMPREHENSIVE COST MODELING OF AUTOGENOUS SYSTEMS AND PROCESSES FOR THE PRODUCTION OF ENERGY, MATERIAL RESOURCES AND NUTRIENT REGIMES」という名称が付された米国特許出願第61/401699号と、2011年2月14日に提出されて「CHEMICAL PROCESSES AND REACTORS FOR EFFICIENTLY PRODUCING HYDROGEN FUELS AND STRUCTURAL MATERIALS, AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」という名称が付された代理人整理番号69545-8601.US00と、2011年2月14日に提出されて「REACTOR VESSELS WITH TRANSMISSIVE SURFACES FOR PRODUCING HYDROGEN-BASED FUELS AND STRUCTURAL ELEMENTS, AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」という名称が付された代理人整理番号69545-8602.US00と、2011年2月14日に提出されて「CHEMICAL REACTORS WITH RE - RADIATING SURFACES AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」という名称が付されて代理人整理番号69545-8603.US00と、2011年2月14日に提出されて「THERMAL TRANSFER DEVICE AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」という名称が付された代理人整理番号69545-8604.US00と、2011年2月14日に提出されて「CHEMICAL REACTORS WITH ANNULARLY POSITIONED DELIVERY AND REMOVAL DEVICES, AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」という名称が付された代理人整理番号69545-8605.US00と、2011年2月14日に提出されて「REACTORS FOR CONDUCTING THERMOCHEMICAL PROCESSES WITH SOLAR HEAT INPUT, AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」という名称が付された代理人整理番号69545-8606.US00と、2011年2月14日に提出されて「INDUCTION FOR THERMOCHEMICAL PROCESS, AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」という名称が付された代理人整理番号69545-8608.US00と、2010年9月22日に提出されて「REDUCING AND HARVESTING DRAG ENERGY ON MOBILE ENGINES USING THERMAL CHEMICAL REGENERATION」という名称が付された米国特許出願第61/385508号と、2011年2月14日に提出されて「REACTOR VESSELS WITH PRESSURE AND HEAT TRANSFER FEATURES FOR PRODUCING HYDROGEN-BASED FUELS AND STRUCTURAL ELEMENTS, AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」という名称が付された代理人整理番号69545-8616.US00と、2011年2月14日に提出されて「ARCHITECTURAL CONSTRUCT HAVING FOR EXAMPLE A PLURALITY OF ARCHITECTURAL CRYSTALS」という名称が付された代理人整理番号69545-8701.US00と、2010年8月16日に提出されて「METHODS AND APPARATUSES FOR DETECTION OF PROPERTIES OF FLUID CONVEYANCE SYSTEMS」という名称が付された米国特許出願第12/806634号と、2011年2月14日に提出されて「METHODS, DEVICES, AND SYSTEMS FOR DETECTING PROPERTIES OF TARGET SAMPLES」という名称が付された代理人整理番号69545-8801.US01と、2011年2月14日に提出されて「SYSTEM FOR PROCESSING BIOMASS INTO HYDROCARBONS, ALCOHOL VAPORS, HYDROGEN, CARBON, ETC.」という名称が付された代理人整理番号69545-9002.US00と、2011年2月14日に提出されて「CARBON RECYCLING AND REINVESTMENT USING THERMOCHEMICAL REGENERATION」という名称が付された代理人整理番号69545-9004.US00と、2012月14日の1に提出されて「OXYGENATED FUEL」という名称が付された代理人整理番号69545-9006.US00と、2009年8月27日に提出されて「CARBON SEQUESTRATION」という名称が付された米国特許出願第61/237419号と、2009年8月27日に提出されて「OXYGENATED FUEL PRODUCTION」という名称が付された米国特許出願第61/237425号と、2011年2月14日に提出されて「MULTI-PURPOSE RENEWABLE FUEL FOR ISOLATING CONTAMINANTS AND STORING ENERGY」という名称を付された代理人整理番号69545-9102.US00と、2010年12月8日に提出されて「LIQUID FUELS FROM HYDROGEN, OXIDES OF CARBON, AND/OR NITROGEN; AND PRODUCTION OF CARBON FOR MANUFACTURING DURABLE GOODS」という名称が付された米国特許出願第61/421189号と、2011年2月14日に提出されて「ENGINEERED FUEL STORAGE, RESPECIATION AND TRANSPORT」という名称が付された代理人整理番号69545-9105.US00とを包含する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応領域を有する反応容器と、
この反応容器の反応領域と流体連通状態で接続する水素供与体供給源と、
燃焼領域を有するエンジンと、
前記燃焼領域と前記反応領域との間を接続して(a)反応物および(b)放射エネルギーの少なくとも一方を前記反応領域に移送する移送流路と、
前記反応領域と前記エンジンの燃焼領域との間を接続して前記反応領域から取り除かれた成分の少なくとも一部を前記燃焼領域に送出する生成物流路と
を具えたことを特徴とする化学反応システム。
【請求項2】
前記反応領域と流体連通状態で接続する蒸気供給源をさらに具えたことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記反応領域と前記移送流路の内側領域との間に配される伝送面をさらに具え、この伝送面は、前記反応物および前記放射エネルギーの少なくとも一方を伝送可能であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記反応領域と前記エンジンの燃焼領域との間を操作可能に接続して前記反応領域から取り除かれた成分を分離する分離器をさらに具えたことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記反応容器と熱伝達状態で配されて前記反応容器内の反応物を加熱するヒーターをさらに具えたことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記移送流路を介する以外に前記エンジンから離れて伝わる熱を少なくとも制限するように配される断熱材をさらに具えたことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記断熱材が前記エンジンのシリンダーの周囲に配されていることを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
エンジンおよび化学反応装置を作動させるための方法であって、
水素供与体を反応容器の反応領域へと導くステップと、
エンジンの燃料を燃焼させて出力および燃焼生成物を生じさせるステップと、
前記エンジンと前記反応領域との間を接続する移送流路を通して前記燃焼生成物を導き、(a)反応物および(b)放射エネルギーの少なくとも一方を前記反応領域に移送するステップと、
前記水素供与体を前記反応領域にて分離生成物へと切り離すステップと、
前記分離生成物から
(a)非水素ベースの建築用ブロック材および
(b)水素ベースの燃料
をもたらすステップと、
前記反応領域から取り除かれた成分を前記エンジンに導くステップと
を具えたことを特徴とする方法。
【請求項9】
前記水素供与体を導くステップがメタンを導くステップを含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記反応領域から取り除かれた成分を導くステップは、前記非水素ベースの建築用ブロック材および前記水素ベースの燃料の少なくとも一方の一部を前記エンジンに導くステップを含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記燃料を燃焼させるステップが燃料を内燃機関にて燃焼させるステップを含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記燃料を燃焼させるステップが前記水素供与体の化学成分と同じ化学成分を有する燃料を燃焼させるステップを含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記燃焼生成物を導くステップが蒸気および放射エネルギーを前記反応領域へと導くステップを含み、この方法は蒸気の追加部分を前記反応領域へと導くステップをさらに具えたことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記成分を導くステップが前記水素ベースの燃料を燃焼させるために前記エンジンに導くステップを含み、この方法は
前記反応領域から回収された水を冷却のために前記エンジンに導くステップと、
前記エンジンに入る前記水素ベースの燃料と前記水との割合を自動的に制御して様々に変化させるステップと
をさらに具えたことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項15】
熱を再生可能なエネルギー源から前記反応領域に与えるステップをさらに具えたことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項16】
熱を与えるステップが回生制動から得られる熱を与えるステップを含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
熱を与えるステップが太陽エネルギーから得られる熱を与えるステップを含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項18】
燃焼生成物以外に熱経路によって前記エンジンから離れて伝達する熱を前記エンジンに与えられた断熱材を介して少なくとも制限するステップをさらに具えたことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項19】
エンジンおよび化学反応装置を作動させるための方法であって、
メタンを反応容器の反応領域に導くステップと、
炭化水素燃料を内燃機関にて燃焼させて出力と水および放射エネルギーを含む燃焼生成物とを生じさせるステップと、
前記内燃機関と前記反応領域との間を接続する移送流路を通して前記燃焼生成物を導き、前記反応領域に(a)蒸気の形態にある水の第1の部分および(b)放射エネルギーを移送するステップと、
前記メタンを切り離して水素および一酸化炭素を前記反応領域にて生じさせるステップと、
前記水素および一酸化炭素および水を前記反応領域から取り除くステップと、
前記水素および一酸化炭素から前記水の少なくとも一部を分離するステップと、
前記水素および一酸化炭素の一部を燃焼のために前記エンジンに導くステップと、
前記水素および一酸化炭素から分離された水の少なくともある程度を前記内燃機関に導いて前記内燃機関を冷却するステップと
を具えたことを特徴とする方法。
【請求項20】
前記燃焼生成物の一部を前記反応領域の上流に回収するステップと、
前記燃焼生成物の一部および水素の一部を排気ターボ過給機に与えるステップと、
追加の出力を前記排気ターボ過給機にて生じさせるステップと
をさらに具えたことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記反応領域から取り除かれた一酸化炭素からグラフェンを形成するステップをさらに具えたことを特徴とする請求項19に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2013−519512(P2013−519512A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−553090(P2012−553090)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【国際出願番号】PCT/US2011/024808
【国際公開番号】WO2011/100728
【国際公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(511201174)マクアリスター テクノロジーズ エルエルシー (23)
【Fターム(参考)】