説明

連続部品の検査方法、連続部品の検査プログラムおよび連続部品の検査装置

【課題】プレス加工等により所定の繰り返しピッチで複数個が帯状の材料に加工された連続部品に対する検査技術を提供する。
【解決手段】連続部品の検査方法は、正常品である連続部品の画像を取得する画像取得手順S1と、その画像から垂直エッジを検出してエッジピッチを求め、エッジピッチのヒストグラムを作成するエッジピッチヒストグラム作成手順S6と、連続部品の繰り返しピッチである基準ピッチを求める基準ピッチ算出手順S7と、連続部品が存在する画像領域の上限と下限を求め、その間の領域で基準ピッチ内に単一の部品が納まる画像領域を切り出すテンプレート領域抽出手順S8と、切り出された画像領域をテンプレートとして登録するテンプレート登録手順S9と、検査対象の連続部品の画像を取得し、テンプレートと基準ピッチとを用いて良否を判定する検査手順とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプレス加工等により所定の繰り返しピッチで複数個が帯状の材料に加工された連続部品に対する検査の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
帯状の金属板から連続的なプレス打ち抜き加工等によって製作されるコネクタコンタクトやリードフレームなどの部品は、加工後に部品の位置ずれや変形、バリなどの加工不良を検査し、これらの不良部品が製品として組み込まれることがないようにする必要がある。このような検査は、従来では作業員の目視による検査が多かったが、全数を検査することは不可能であるのでサンプリングにより検査することが行われていた。
【0003】
全数検査を行うために、CCD(Charge Coupled Device)カメラで撮像した画像やレーザーセンサを用いて照射したレーザの反射光を検知する検査装置も知られているが、これらの検査では検査対象の部品の形状やサイズ、判定基準などを検査装置に予め教示するティーチングの実施が不可欠であった。ティーチングは検査対象部品の種類毎に行う必要があると共に、ティーチングに多くの時間を要していた。
【0004】
ティーチングの時間を短縮するために、CCDカメラで取り込んだ検査対象のリードフレームの第1番目から第10番目の画像分の平均の輝度データに許容差を加えて比較値とし、この比較値と第11番目の画像データとを比較して異常を検出し、第12番目の画像に対しては第2番目から第11番目の画像により同様の比較を行うことが知られている。この方法によれば事前に検査装置に教示するティーチングを省略できるとするものである(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−118440号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、一般には検査の自動化を行うためには事前のティーチング作業が必要となる。ティーチングでは、例えば検査装置が備えるCCDカメラを用いて撮像した計測対象の画像を画面上で位置やサイズを合わせたり、検査の基準となる各種数値を入力したりする必要があり、多大の時間を要するという問題がある。また、このようなティーチングは、熟練者以外にとっては操作が難しく、その操作方法を習得するための負担も大きい、という問題もある。
【0007】
特許文献1で提案された方法はティーチングを省略できるものであるが、例えば第1番目から10番目の部品は検査非対象となること、また不良が連続して発生していた場合にそれらの画像を平均値を比較値(基準値)とすることで検査精度の低下が懸念されること、などの問題がある。
【0008】
本発明はこのような問題を解決するために成されたものであり、コネクタコンタクトやリードフレームなどのようにプレス加工等により所定の繰り返しピッチで複数個が帯状の材料に加工された連続部品の検査において、操作者が複雑な教示や設定作業のティーチングを行うことなく、対象部品の良否判定の検査を簡易に実現する方法を提供することを目的とする。本発明に拠れば、正常な加工部品が並んだ画像から1個の部品を自動的に切り出してテンプレートとして登録し、さらに、良品としての判定基準値も自動的に設定する。検査時には、その判定基準に従って良否検査を簡単に実行することができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために本発明の連続部品の検査方法は、所定の繰り返しピッチで複数個が帯状の材料に加工された連続部品の検査の方法であり、画像取得手順、エッジピッチヒストグラム作成手順、基準ピッチ算出手順、テンプレート領域抽出手順、テンプレート登録手順、検査手順とで構成する。
【0010】
画像取得手順は、正常品である連続部品の画像を取得する。正常品は予め目視等により検査し、形状や寸法が正常と判定されたものである。
【0011】
エッジピッチヒストグラム作成手順は、画像を構成する画素に対して、水平に並ぶ各画素列を走査してエッジを検出し、検出したエッジを基にエッジピッチを求め、各画素列毎にエッジピッチの出現個数を示すヒストグラムを作成する。即ち、画像を構成する画素が水平方向にX個、垂直方向にY個である時、最も密な場合にはY個のそれぞれの高さでX個の画素列についてエッジの検出を行うものである。そして、隣接するエッジ間の画素数からエッジピッチを求める。
【0012】
基準ピッチ算出手順は、ヒストグラムを基に、連続部品の繰り返しピッチである基準ピッチを求める。
【0013】
テンプレート領域抽出手順は、各画素列毎に求めたエッジを基に連続部品が存在する画像内の領域の高さ方向の上限と下限の画素位置を求め、その上限と下限の画素位置との間の領域で基準ピッチ内に単一の部品が納まる画像領域をテンプレート領域として抽出する。
【0014】
テンプレート登録手順は、テンプレート領域をテンプレートとし、基準ピッチを検査良否判定の基準値としてそれぞれを記憶部に登録する。
【0015】
検査手順は、検査対象の連続部品の画像を取得し、記憶部に記憶したテンプレートと前記基準ピッチとを用いて検査対象の連続部品に対して単一の部品毎の良否を判定する。
【発明の効果】
【0016】
正常品の画像を基に検査用のテンプレートを自動的に切り出し登録すると共に、良否判定の基準となる基準ピッチも登録するようにしたため検査前のティーチングに要する時間を大幅に短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】連続部品の検査装置の構成例(第1の実施例)である。
【図2】ティーチングフロー例(第1の実施例)である。
【図3】輝度による部品領域と背景領域の識別(第1の実施例)である。
【図4】単純形状の部品の基準ピッチの求め方(第1の実施例)である。
【図5】複雑形状の部品の基準ピッチの求め方(第1の実施例)である。
【図6】テンプレートの作成例(第1の実施例)である。
【図7】検査フロー例(第1の実施例)である。
【図8】テンプレートマッチングによる位置計測例(第1の実施例)である。
【図9】差分演算用テンプレートによるテンプレートマッチング例(第2の実施例)である。
【図10】分割テンプレートによるテンプレートマッチング例(第3の実施例)である。
【図11】2個取りの場合におけるテンプレートマッチングである。
【図12】ピン倒れ方向によるピッチの誤判定例である。
【図13】テンプレートマッチングによる計測値(相関値とピッチ)の分布例である。
【図14】2個取り用の場合の検査例である。
【図15】連続部品の検査装置の構成例(第4の実施例)である。
【図16】ティーチングフロー例(第4の実施例)である。
【図17】検査フロー例(第4の実施例)である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の連続部品の検査方法を図1〜図17を用いて説明する。本実施例は所定の繰り返しピッチで帯状の材料に加工された連続部品として、帯状金属板からプレス加工によって形成したコネクタ・コンタクト(端子)を例に説明する。しかし、同一の単一部品が連続的に並んだような類似の構成を持つ部品(ワーク)に対して、本発明は同様の手段で適用可能である。
【0019】
(第1の実施例)
まず本発明の検査装置の構成例を図1を用いて説明する。検査装置100は、画像の取得やデータの制御等全体を制御する主制御部110、CCDカメラ121やディスプレイ122、キーボード123に対し入出力制御を行う入出力制御部120、検査プログラム140を実行する主メモリ130、テンプレート画像を記憶するテンプレート記憶部150、良否判定の基準となる基準ピッチを記憶する基準ピッチ記憶部160およびCCDカメラ121から取り込んだ画像を記憶する画像記憶部170とから構成する。
【0020】
CCDカメラ121は、ティーチングの際に正常品部品の画像を取得したり、検査対象部品の画像を取得するものであり、ディスプレイ122は、オペレータに対し検査の進捗や検査結果を表示する。また、キーボード123は、オペレータによって操作され、検査装置に対してティーチングや検査の指示を行うものである。
【0021】
検査プログラム140は、ティーチング部141と検査部146との2つのプログラムから構成し、ティーチング部141はさらに正常品画像取得部142、エッジピッチ・ヒストグラム作成部143、基準ピッチ算出部144およびテンプレート作成部145からなる。また、検査部146は、さらに検査対象部品画像取得部147、テンプレートマッチング計測部148および良否判定部149からなる。これらの個々のプログラムについて次に説明する。最初に、ティーチング部141の各プログラムの概要を説明する。
【0022】
正常部品画像取得部142は、検査用のテンプレートを作成するために予め形状、寸法等を顕微鏡等を用いて計測し、正常と判断された連続部品(単一の部品が複数個連続したもの)をCCDカメラ121で撮像し、その画像を取り込むプログラムである。取り込んだ画像の画素値を画像記憶部170に記憶する。
【0023】
エッジピッチ・ヒストグラム作成部143は、画像記憶部170に記憶した連続部品の画像の画素に対して垂直方向のエッジを検出し、隣接するエッジ間の画素を数えてエッジピッチを求め、エッジピッチの出現度数で表すエッジピッチのヒストグラムを作成する。画素のX軸とY軸の個数がそれぞれx個とy個である場合に、y個のそれぞれの高さでx個の画素列についてエッジの検出を行ない、エッジピッチを求め、そしてヒストグラムを求める。y個のヒストグラムが作成されることになる。
【0024】
基準ピッチ算出部144は、エッジピッチ・ヒストグラム作成部143で作成したヒストグラムをもとに単一の部品の繰り返しピッチを求める。例えば、y個のヒストグラムの中で最大のエッジピッチを繰り返しピッチとする。求めた繰り返しピッチを基準ピッチとして基準ピッチ記憶部160に記憶する。
【0025】
テンプレート作成部145は、各画素列毎に求めたエッジを基に部品が存在する画像内の領域の高さ方向の上限と下限の画素位置を求め、その上限と下限との間の領域で基準ピッチ内に一つの部品(単一の部品)が納まる画像領域を切り出し、その画像をテンプレートとしてテンプレート記憶部150に記憶する。
【0026】
上記に説明した正常部品画像取得部142〜テンプレート作成部145でティーチングが自動的に行われることになる。次に、検査部146の個々のプログラムの概要を説明する。
【0027】
検査対象部品画像取得部147は、検査対象の連続部品を正常部品と同様にCCDカメラ121で撮像し、その画像を取り込むプログラムである。取り込んだ画像の画素値を画像記憶部170に記憶する。
【0028】
テンプレートマッチング計測部148は、取得した検査対象の連続部品の画像に対してテンプレート記憶部150に記憶したテンプレートを用いてテンプレートマッチングを行い、マッチングしたテンプレートの画素位置を順次記憶する。隣接する画素位置間の距離を部品の繰り返しピッチとして求める。
【0029】
良否判定部149は、繰り返しピッチと基準ピッチ記憶部160に記憶した基準ピッチと比較し、その差が予め決められた許容値内であればその部品は「良品」と判定する。許容値を超えているようであれば「不良」と判定する。基準ピッチに対する許容値は検査にあたって、オペレータにより設定されているものとする。
【0030】
次に、本発明の検査方法についてティーチングのフローと検査のフローとに分けて詳細に説明する。
【0031】
図2は、ティーチングのフロー例を示すもので、予め計測されて正常の部品と判断された連続部品の画像取得をCCDカメラ121を介して行い、取得した画像の画素情報を画像記憶部170に記憶する。なお、CCDカメラ121の撮像に際しては、連続部品の背面から照明を行うバックライト照明で撮像を行う。続いて画像記憶部170に記憶した画素を基に輝度ヒストグラムを作成する。輝度ヒストグラムの作成は、輝度分布のクラスタに基いて部品領域を抽出するために行う(S1、S2)。
【0032】
図3(a)は、取得した画像を模式的に示したもので、同じ繰り返しピッチで打ち抜かれたコネクタコンタクトの部品が下部の連結部分で繋がり連続部品を形成している。また、図3(b)は取得した画像から作成した輝度ヒストグラムを示し、撮像時にバックライト照明を用いたためはっきりとした双峰性を示している。図3(b)の低輝度のピークL1が部品領域の輝度を代表するものであり、高輝度のピークL2が背景領域の輝度を代表するものである。続いて、輝度ヒストグラムの双峰の谷を用いて部品領域を区別するための輝度の閾値を決定する。この閾値を基にエッジを検出し、取得した画像中に並んだ複数の部品の中から単一の部品(基本単位)を切り出すために、エッジの繰り返し周期(エッジピッチ)を求めることを行う。
【0033】
図3(a)に示すように部品は水平に並んでいるため、取得した画像から垂直エッジの検出を行う(以降、単にエッジと言う)。エッジの検出は、例えば5×5サイズのエッジフィルタを掛けた後、水平ライン上で局所的なピークを閾値を用いて検出してエッジの位置とし、隣接するエッジの間隔に基いてエッジピッチを算出する。そして、そのエッジピッチからエッジピッチ・ヒストグラムを作成する。ヒストグラムの作成は、例えば画面の垂直方向に10画素間隔の位置(水平ライン)で実施する。そして、エッジピッチのヒストグラムから正常部品の繰り返しピッチである基準ピッチを求める。
【0034】
図4は正常と判定された連続部品の画像から基準ピッチを求める方法を示したもので、図4(a)は図3(a)で示した取得画像であり、図4(b)はその画像から検出したエッジを基に高さh1〜h3に対するエッジピッチを示している。閾値を用いてエッジの検出を行うとき、エッジの極性(正負)を別々に扱うこともできる。ここでは、高さh1は「負」の極性のエッジを、高さh2とh3は「正」の極性のエッジを検出し、それらに基づいてエッジピッチ(図の矢印の長さがエッジピッチを示している)を求めた例を示している。高さh1〜h3に対するヒストグラムは図4(b)の右の図に示される。図4(a)のような単純な形状の場合、どの高さでもヒストグラムは同じピッチでピークを持ち、そのピークを基準ピッチとする。ここで求めた基準ピッチは、図4(c)に示すように単一の部品の間隔(繰り返しピッチ)である。
【0035】
部品の形状が複雑な形状の場合は、エッジピッチのヒストグラムは様々な分布形状を示し、ピークを示すピッチが必ずしも実際の単一の部品の間隔とは一致しない。従って、1箇所だけではなく、複数の高さでエッジピッチのヒストグラムを作成してピッチを調べる必要がある。このような場合は、様々な高さの水平ラインにおける複数のエッジピッチのヒストグラムに基いて、それぞれの高さでの繰り返し周期を求める。例えば、図5(a)に示すような複雑な形状の部品では、図5(b)に示すようにエッジピッチのヒストグラムは色々な位置でピークを持つが、周期が最大となるピッチが部品の繰り返しピッチを表している。この繰り返しピッチを図5(c)に示すように連続部品に対する基準ピッチと決定する(S3−S7)。
【0036】
次に、基準ピッチに基いてテンプレートの抽出を行う領域を求める。S7で求めた基準ピッチをテンプレートの最大幅として、求めた領域からテンプレートを抽出する。そのために、まず図6(a)に示すように、下部の連結部分を除いた部品が存在する領域の垂直方向の上限と下限を求める。これは、例えば画像の下方から上方に向かってそれぞれの水平ラインの画素列で検出されたエッジを調べて最初にエッジが検出された画素列の高さを下限とし、続いてさらに上方に向かって水平ラインの画素列で検出されたエッジを調べ、エッジが検出されなくなる画素列の高さを上限とすればよい。もし、画像の連結部分にプレスのための送り穴が形成されているようであれば、それらを考慮した下限を求めるアルゴリズムにしておけばよい。
【0037】
上記のようにして求めた領域の上限と下限から、それぞれ所定の画素数分(例えば10画素分)上方にシフトさせた上限と下限の位置を求め、この上限と下限との間の領域からテンプレートを切り出すことになる。なお、テンプレートの垂直サイズ(V)はこの上限と下限の大きさに合わせることとする(即ち、上限と下限がテンプレートの上端と下端となる(図6(b)参照)。また、テンプレートの幅は先に求めた基準ピッチ(P)に合わせることとする。即ち、テンプレートの外形はV(縦)×P(横)のサイズの矩形である。
【0038】
続いて、テンプレートを切り出すため水平方向の位置である左端と右端を決定する必要がある。このため、図6(b)に示した上下端間の領域の部品領域の画素(閾値により部品領域と判定した画素)に対し垂直方向にその画素数を投影(積分)して部品領域の画素数のヒストグラムを作成する。図6(c)が作成したヒストグラムである。そして、図6(c)のヒストグラムの水平方向に連続する一つの画素の塊の中央の位置に、テンプレートの中心を合わせ左端位置と右端位置とを決定する。あるいは、投影した塊の両端の位置に何画素かのマージンを加えた位置を、新たな左端位置・右端位置として求め直してもよい。これで、テンプレートを切り出す領域の上限位置と下限位置、水平方向の左端位置と右端位置とが決まり、この領域の画素をテンプレートの画像としてテンプレート記憶領域160に記憶する。このようにして、取得した画像の画素から基準ピッチに基いてテンプレートとする画像を切り出し、テンプレート記憶部150に記憶させる(登録する)。また、基準ピッチも基準ピッチ記憶部160に記憶する(S8−S10)。
【0039】
なお、基準ピッチの決定については、図4のように高さの異なる各水平ラインのエッジピッチ・ヒストグラムのピーク位置が同一である場合は、そのエッジピッチを基準ピッチとすれば良いが、ピーク位置が水平ラインによって数画素程度にばらつくような場合は精度を上げる方法として下記の様々な手法が考えられる。
【0040】
・代表的な水平ラインを選び、その水平ライン上の両端のエッジ位置を求め、エッジピッチの個数で割って平均ピッチを算出する。
【0041】
・両端のエッジ位置をサブピクセル精度で求めた後に同様に平均ピッチを求める。
【0042】
・複数の水平ラインの平均ピッチから、更にその平均値を求める。
【0043】
以上の手順により、ティーチング作業を自動的に行うことができる。これまでのティーチングのように、部品の位置やサイズを正確に入力したり合わせる必要が無く、また検査判定値を入力する必要もなく、簡易なティーチングを実現している。
【0044】
次に、検査のフローについて図7を用いて説明する。最初に検査対象の連続部品の画像取得をCCDカメラ121を介して行い、取得した画像の画素情報を画像記憶部170に記憶する。ティーチングの時と同様に、CCDカメラ121の撮像に際しては、バックライト照明で撮像を行う(S20)。
【0045】
テンプレート記憶部150よりティーチングで記憶したテンプレートを取り出し、画像記憶部170に記憶した検査対象の画像とテンプレートマッチングを行いテンプレートがマッチングする位置を計測する。まず左端の部品を1個検出して位置を記憶し、その位置を基準にして基準ピッチを用いて残りの部品に対する探索範囲を絞り込み順次検出して位置を記憶して行く。テンプレートマッチングには例えば正規化相関演算を用いる。計測位置はピクセル単位で求めるだけでなく、相関値の関数フィッティングなどによってサブピクセル精度で求めることにより、計測精度を向上させることができる(S21、S22)。
【0046】
求めた計測位置を基に、隣接した計測位置の差から部品の繰り返しピッチである計測ピッチを算出する。基準ピッチ記憶部160に記憶した基準ピッチを取り出し、計測ピッチと基準ピッチとを比較し、その差が所定の値(閾値)の範囲内であれば良品と判定し、範囲を超えているようであれば不良と判定する(S23−S25)。
【0047】
図8は上記のテンプレートマッチングによる計測位置とそれから算出した計測ピッチの例を示した図である。図8(a)は、計測位置がp1、p2・・と求められ、それから求めた計測ピッチがP1、P2・・であることを示している。この計測ピッチに対し基準ピッチと比較し、予め定めた閾値内かどうかで良否判定されることになる。図8(a)は計測ピッチがいずれも基準ピッチと許容される範囲にあり、「良」と判定された例である。
【0048】
良否判定の閾値は、例えば次式で示すように、予め計測精度を与えておけばよい。このように、判定の閾値を相対的な精度(基準ピッチに対する比率)で一律に規定することにより、製品毎に特定の値を設定したり、製品のサイズを正確に合わせたりする必要がなくなる。
【0049】
良否判定の閾値=基準ピッチ(ピクセル)×計測精度(%)
図8(b)は不良と判定された例で、計測位置p1’、p2’・・に対し、計測ピッチP1’、P2’・・が得られ、P2’とP3’とが基準ピッチに対する閾値(許容値)を超えている例である。
【0050】
上記では、良否判定を基準ピッチを用いて行ったが、テンプレートマッチングにより検出した時の相関値を良否判定に利用することも可能である。相関値が予め定めた閾値以下の場合、計測ピッチが許容値以内であっても、部品の変形や欠損などが生じているとして不良と判定する。
【0051】
(第2の実施例)
第1の実施例では、正規化相関演算のテンプレートマッチングを利用し、部品の加工不良によるピッチ誤差を検出して良否判定を行った。この良否判定に変えて画像差分を利用することで特定の種類の不良検出を実現できる。この方法は、ティーチング時に登録したテンプレート画像の他に差分演算用のテンプレートを登録しておき、不良の検出を行うものである。
【0052】
差分演算用のテンプレートは、登録したテンプレート10の画像を基にして、処理領域を制限するマスクパターンを作成する。まず、テンプレート10の画像から図9(a)に示すような輝度ヒストグラムから得られるので、輝度の値に基いてテンプレート10の画像を3つの領域R1、R2、R3に分割する。R1の領域は部品領域であり、R2は部品と背景の境界領域、R3は背景領域である。テンプレート10の画像から、R1〜R3の領域にそれぞれ対応する画像を第1の差分演算用テンプレート11、第2の差分演算用テンプレート12、第3の差分演算用テンプレート13として作成する(図9(a)参照)。作成した差分演算用テンプレートは、元のテンプレート10と共にテンプレート記憶部150に記憶しておく。
【0053】
検査は、検査対象画像(探索画像)に対してテンプレート10を用いてテンプレートマッチングによって位置を検出し、その位置において第1〜第3の差分演算用テンプレートを順次用いてテンプレートマッチングを行う。例えば、第1の差分演算用テンプレート11を用いて部品内欠け不良21を、第2の差分演算用テンプレート12を用いて部品バリ不良22を、第3の差分演算用テンプレート13を用いてひげバリ不良23を検出できる(図9(b)参照)。
【0054】
また、差分演算用テンプレートおよび探索画像を共に2値化した上でSAD(Sum of Absolute Differences)演算(残差の和)を用いた場合、特定の変化の生じた画素数が得られる。その画素数の割合に応じて良否判定を行うことも可能である。
【0055】
(第3の実施例)
第1の実施例では、自動的に抽出したテンプレートの全領域を使って位置を計測し、良否判定を行った。ここで図10(a)のように、元のテンプレートを分割して分割テンプレートを作成し、それぞれの分割テンプレートについて検査処理を行うことにより、小さい領域に生じた不良でも検知することが可能となり、良否判定の精度を高めることができる。分割の仕方は、上下二分割や左右二分割を始めとして、色々な分割パターンが考えられ、分割領域に重なりがあっても構わない。また、部品が存在する位置に合わせて分割領域を設定することも可能である。図10では、元のテンプレート10を上下に均等に2分割して分割テンプレート31と分割テンプレート32を作成した例を示した。
【0056】
この場合、分割テンプレート32のように左右方向の位置ズレは計測できても、上下方向の位置ズレは計測できない場合もあり得る。そのような場合は、それぞれの分割テンプレートに対して位置計測結果の有効性を上下/左右と設定することで、このような問題に対応することができる。有効性は、上下/左右方向の自己相関値の分布により判別することができる。図10(b)に示すように、分割テンプレート31の場合は有効性を上下左右に、分割テンプレート32の場合は左右に設定される。
【0057】
(第4の実施例)
第1の実施例では、例えばプレス成型において、部品1個分の金型を用いてプレス加工を行う「1個取り」と呼ばれる場合を想定していた。しかし、プレス成型においては、複数個の部品を一度に打ち抜く「多数個取り」と呼ばれる方法で連続部品を加工する場合もあり、本実施例は多数個取りに対する検査方法および検査装置について説明する。
【0058】
まず、実施例1に示した方法を2個取りの場合に適用した場合を説明する。図11(a)は2個取り用の金型の例を示したものであり、図11(b)に示すように送りピッチP0でプレス成型する。2個の部品の加工形状間のピッチP1はP0/2であることが求められるが、実際には僅か差が出る。また、2個の加工形状も必ずしも両者は完全には一致しないため、加工成型される部品も僅かに異なったものとなり、検査時の撮影画像にも微小な差異が生じることになる。なお、ここで、送りピッチP0とは、画像内の画素数で表される送りピッチ相当の移動量とする。
【0059】
実施例1で説明した方法により、2個取りでプレス成型した加工品からテンプレートを作成(図11(b)の右の図が自動作成したテンプレート)し、これを用いて各部品に対してテンプレートマッチングを行なうと、図11(c)に示すような相関値とピッチとなる。即ち、2個取りの1個目の部品(網点の形状)と2個目の部品(網点のない形状)とでは相関値とピッチが異なったものとなる。
【0060】
このような状態で加工品を検査すると、ピン倒れの方向によっては本来NGと判定されなければならないものがOKと判定されたり、逆にOKであるべきものがNGと判定されたりする場合がある。図12は、そのような例を説明する図で、図12(a)は上述したように2個取りでピッチがP1とP2と異なる(P0=P1+P2)が、この差は許容範囲内にあり、良品であるとする。
【0061】
図12(b)は、中央の部品が左に大きく倒れた状態にあり、図に示されるようにP1とP2の差はむしろ少なくなってOKと判断される場合である。この場合は、部品の倒れ方が大きく許容範囲を超えておりNGと判定されるべきものである。また、図12(c)は、中央の部品が右に小さく倒れた状態にあり、図に示されるようにP1とP2の差はむしろ大きくなってOKと判断される場合である。この場合は、部品の倒れ方が小さく許容範囲内でOKと判定されるべきものである。実施例4はこのような多数個取りのケースについて、加工部品の検査精度を向上するものである。
【0062】
実施例4の検査方法の概要を次に説明する。まず、第1の実施例と同様に自動ティーチングによりテンプレートを切り出す。そのテンプレートを用いて、ティーチング画像内の各部品をテンプレートマッチングにより相関値とピッチとを計測する。1個取りの金型であれば、相関値とピッチは図13(a)に示すように全ての計測値は1箇所に集中する。しかし2個取りの金型の場合、それぞれの金型の微小な差異の影響で、偶数番目と奇数番目の相関値とピッチの分布は、図13(b)に示すように2つのグループに分離する。このように、マッチング計測値の分布が2つのグループに分かれた場合は、2個取りであると自動的に判断し、図14(a)に示すようにそれぞれのグループから一つずつ、合計2個のテンプレートを切り出して登録する。ピッチ不良の検査時には、それぞれ1個おきにマッチングを行って繰り返しピッチを算出し、基準値(送りピッチP0に一致)と比較して良否判定を行う。図14(b)に示すようにどちらのグループ(網点のある部品のグループと、網点のない部品のグループ)も、送りピッチP0は基準値で一致しているため、上述したようなピンの倒れを異常として検出することが可能となる。
【0063】
多数個取りの場合の検査装置の構成例を図15に示す。図15は実施例1で示した図1に合わせて描いたもので、図1と異なる個所は、検査プログラム140のティーチング部141の多数個取り判定部200、多数個テンプレート作成部201と、検査部146のテンプレート選択部202、テンプレート別良否判定部203である。これ以外の図15に示す他の構成要素は図1と同一である。
【0064】
多数個取り判定部200は、正常部品の画像から実施例1の方法でテンプレート領域を求め、その領域の画像をテンプレートとしてテンプレートマッチングにより各部品画像に対する相関値とピッチを求め、求めた相関値とピッチの分布をもとにグループ分化してグループ個数が複数あれば多数個取りと判定することを行なう。複数グループかどうかの判定は、例えば、1個おきのグループの相関値とピッチの平均および分散を調べ、平均値の距離が所定の閾値を超えているか否かで判断する。
【0065】
多数個テンプレート作成部201は、グループ毎にグループに属する部品画像からテンプレートを求め、求めたグループ毎のテンプレートをテンプレート記憶部150に記憶する。また、ピッチの分布を基に多数個取りの送りピッチを求め、これを検査時の基準値として基準ピッチ記憶部160に記憶する。
【0066】
テンプレート選択部202は、検査部品の画像の任意の部品を対象に、登録してあるグループ毎に求めた複数のテンプレートでテンプレートマッチングを行い、その中から最も相関値の高いテンプレートを選択する。
【0067】
テンプレート別良否判定部203は、選択されたテンプレートを用いて、前述の任意の部品画像の位置から基準値間隔に位置する部品を対象にテンプレートマッチングを行って部品位置を求め、その部品位置から繰り返しピッチを算出して基準値とを比較し、部品の良否判定を行う。
【0068】
これらのテンプレート選択部202とテンプレート別良否判定部203は、検査対象の連続部品から良否判定した部品を除いた部品の画像を対象とし、複数のテンプレートから選択されたテンプレートを除いた残りのテンプレートにより繰り返し行なって該検査対象の連続部品の画像の全部品の検査を行なう。
【0069】
次に、実施例4のティーチングのフローを図16を用いて説明する。
【0070】
まず、正常部品の画像を取得し、続いて多数個取りを判定するためのテンプレートを切り出す。この方法は、実施例1で説明した図2のステップS1〜S8で行なった方法でテンプレート領域を求め、これをテンプレートとして切り出す(S30、S31)。
【0071】
切り出したテンプレートを用いて、取得した画像に対してテンプレートマッチングを行い、各部品画像に対する相関値とピッチとを求め、相関値・ピッチ分布図を作成する。そして、作成した分布図を基に、グループ化を行う(S32、S33)。
【0072】
グループの個数が複数あるかどうかを調べ、複数ある場合はグループ毎にグループに属する部品画像からテンプレートを切り出し、テンプレート記憶部150に登録する。このテンプレートの切り出しも、グループに属する部品画像を対象として実施例1で説明した図2のステップS1〜S8で行なった方法で求めることができる。登録するテンプレートはグループの個数だけ、即ち多数個取りの多数個の数だけ登録されることになる。例えば、2個取りであれば、グループの個数は2個であり、2個のテンプレートが登録される(S34、S35)。
【0073】
続いて、相関値・ピッチ分布図を基に多数個分の部品の繰り返しピッチ(即ち、送りピッチ)を求め、この繰り返しピッチを検査時の良否判定に用いる基準値として基準ピッチ記憶部160に登録する(S36、S37)。
【0074】
ステップS34で、グループの数が一つの場合は1個取りと判断し、ステップS31で求めたテンプレートを登録する。また、このテンプレート切り出し時に求めたピッチ(基準ピッチ)は1個取りの送りピッチであるので、このピッチを基準値として基準ピッチ記憶部160に登録する。なお、多数個取りでも部品間ピッチの精度が高く、且つその部品間ピッチのn倍(n:多数個の数)が精度高く送りピッチと一致している場合は1個取りと判断されても問題ない。例えば、2個取りの金型であってもそれらが殆ど一致している場合には、相関値とピッチの分布が重なって1つのグループと判断されることがあるが、2個取りであっても加工形状とピッチに差が無いということなので、1個取りと判定してピッチ検査を実施したとしても問題は無い(S38、S37)。
【0075】
ステップS31〜S34が図15に示した多数個取り判定部200に相当し、ステップS35〜S37が多数個テンプレート作成部201に相当する。
【0076】
次に、図17を用いて、実施例4の検査フローを説明する。まず、検査対象部品の画像を実施例1と同様に取得する。続いて、テンプレート記憶部150に登録されているテンプレートの数により多数個取りかどうかを判断する。テンプレートが複数登録されていれば多数個取りてある。多数個取りと判断した場合はステップS42に進み、1個取りの場合はステップS49に進む(S40、S41)。
【0077】
ステップS42において、カウンタ(i)を初期化する。カウンタは後述する処理においてテンプレートマッチングにより部品位置を計測するが、そのテンプレートマッチングの計測を開始する部品画像の位置を定めるために用いるものである。最初の開始位置はここでは左端の部品としたいため、i=1とする(S42)。
【0078】
次に、登録した複数あるテンプレートのうち、未選択のテンプレートのうちの1つのテンプレートを用いて左端からi番目の部品画像(最初はi=1であるので左端の部品となる)に対してテンプレートマッチングを行なう(より正確には、画像の左側からテンプレートを走査して最初にマッチングした位置が左端の部品画像ということになる)。さらに、残りの未選択のテンプレートに対しても、同様に相関値を求める。そして、求めた相関値の中から最も相関値が高いテンプレートを選択する。ここで未選択のテンプレートとは、次のステップでテンプレートを選択することを行なうが、登録された複数あるテンプレートから既に選択されたテンプレートを除いた残りのテンプレートを未選択のテンプレートと言う。最初の段階では未だテンプレートの選択は行なわれていないので、テンプレート記憶部150に登録された全てのテンプレートが対象となる(S43、S44)。
【0079】
選択したテンプレートを用いて、左端からi番目の部品位置から基準ピッチ記憶部160に記憶した基準値の間隔に位置する部品画像に対してテンプレートマッチングを行い、部品位置を計測する。2個取りの場合、送りピッチである基準値は部品間ピッチの2倍となっているので、部品画像1個置きにテンプレートマッチングを行なっていることになる。計測が終了したらカウンタをカウントアップ(i=i+1)し、ステップS43に戻る(S45)。
【0080】
ステップS45から戻ったステップ43では、選択したテンプレートを除いたテンプレート(未選択のテンプレート)を用いて、今度は左から2番目の部品画像に対してテンプレートマッチングを行なってテンプレート毎の相関値を求め、テンプレートを選択することになる。ステップS43〜S46までがテンプレートマッチングによる部品位置計測ルーチンであり、登録されている全てのテンプレートが順次選択されて部品位置の計測が終わったところでこのルーチンは終了となる。
【0081】
部品位置計測ルーチンで計測した部品位置から繰り返しピッチを求め、その値と基準値とを比較して実施例1と同様に良否判定を行なう(S47、S48)。
【0082】
ステップS41で1個取りの場合は、登録したテンプレートを用いて画像の左端からテンプレートマッチングを行い、部品位置を求めステップS47に進む(S49)。
【0083】
以上が検査のフローであるが、この実施例では画像の左端からテンプレートマッチングを行なうようにしたが、右端から行なうようにしてもよい。また、テンプレートの選択を行なうとき1つの部品画像に対し相関値を求めることを行なったが、例えばテンプレートの数に等しい隣接する部品画像に対してテンプレートマッチングを行なって相関値を求めテンプレートを選択するようにしてもよい。
【0084】
ステップS43、S44が図15に示したテンプレート選択部202に相当し、ステップS45〜S48がテンプレート別良否判定部203に相当する。
【符号の説明】
【0085】
10 テンプレート
11 差分演算用テンプレート
12 差分演算用テンプレート
13 差分演算用テンプレート
21 部品内欠け不良
22 部品バリ不良
23 ひげバリ不良
31 分割テンプレート
32 分割テンプレート
100 検査装置
110 主制御部
120 入出力制御部
121 CCDカメラ
122 ディスプレイ
123 キーボード
130 主メモリ
140 検査プログラム
141 ティーチング部
142 正常部品画像取得部
143 エッジピッチ・ヒストグラム作成部
144 基準ピッチ算出部
145 テンプレート作成部
146 検査部
147 検査対象部品画像取得部
148 テンプレートマッチング計測部
149 良否判定部
150 テンプレート記憶部
160 基準ピッチ記憶部
170 画像記憶部
200 多数個取り判定部
201 多数個テンプレート作成部
202 テンプレート選択部
203 テンプレート別良否判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の繰り返しピッチで複数個が帯状の材料に加工された連続部品の検査方法であって、
正常品である前記連続部品の画像を取得する画像取得手順と、
前記画像を構成する画素に対して、水平に並ぶ各画素列を走査してエッジを検出し、検出したエッジを基にエッジピッチを求め、各画素列毎に該エッジピッチの出現個数を示すヒストグラムを作成するエッジピッチヒストグラム作成手順と、
前記ヒストグラムを基に、前記連続部品の繰り返しピッチである基準ピッチを求める基準ピッチ算出手順と、
前記各画素列毎に求めたエッジを基に前記連続部品が存在する画像内の領域の高さ方向の上限と下限の画素位置を求め、該上限と下限の画素位置との間の領域で前記基準ピッチ内に単一の部品が納まる画像領域をテンプレート領域として抽出するテンプレート領域抽出手順と、
前記テンプレート領域をテンプレートとし、前記基準ピッチを検査良否判定の基準値としてそれぞれを記憶部に登録するテンプレート登録手順と、
検査対象の連続部品の画像を取得し、前記記憶部に記憶した前記テンプレートと前記基準ピッチとを用いて該検査対象の連続部品に対して単一の部品毎の良否を判定する検査手順と
を有することを特徴とする連続部品の検査方法。
【請求項2】
前記検査手順は、取得した前記検査対象の連続部品の画像に対して前記テンプレートとのテンプレートマッチングを行ってマッチングした水平方向の画素位置を求め、求めた該画素位置から前記繰り返しピッチを算出し、該繰り返しピッチと前記基準ピッチとを比較して部品の良否判定を行う
ことを特徴とする請求項1記載の連続部品の検査方法。
【請求項3】
前記エッジの検出および前記テンプレート領域の抽出は、取得した部品の画像の各画素の輝度値を求め、該輝度値と該輝度値を有する画素数とで示される輝度ヒストグラムを作成し、該輝度ヒストグラムから部品領域と背景領域とを区別する輝度値に対する閾値を求め、該閾値に基づいて該エッジの検出と該テンプレート領域の抽出を行う
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の連続部品の検査方法。
【請求項4】
前記正常品の部品の画像を取得する際と、前記検査対象の部品の画像を取得する際に、該部品に対して背景から照明するバックライト照明を用いる、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の連続部品の検査方法。
【請求項5】
前記テンプレート登録手順は、前記テンプレートからテンプレートマッチングのマッチング領域を制限した複数の差分演算用テンプレートを作成し、該テンプレートと共に前記記憶部に登録し、
前記検査手順は、取得した前記検査対象の連続する複数の部品の画像に対して前記テンプレートとのテンプレートマッチングを行ってマッチングした画素位置を求め、該画素位置において前記差分演算用テンプレートを用いてテンプレートマッチングを行って良否の判定を行う
ことを特徴とする請求項1記載の連続部品の検査方法。
【請求項6】
所定の繰り返しピッチで複数個が帯状の材料に加工された連続部品の検査プログラムであって、
コンピュータに、
正常品である前記連続部品の画像を取得する画像取得手順と、
前記画像を構成する画素に対して、水平に並ぶ各画素列を走査してエッジを検出し、検出したエッジを基にエッジピッチを求め、各画素列毎に該エッジピッチの出現個数を示すヒストグラムを作成するエッジピッチヒストグラム作成手順と、
前記ヒストグラムを基に、前記連続部品の繰り返しピッチである基準ピッチを求める基準ピッチ算出手順と、
前記各画素列毎に求めたエッジを基に前記連続部品が存在する画像内の領域の高さ方向の上限と下限の画素位置を求め、該上限と下限の画素位置との間の領域で前記基準ピッチ内に単一の部品が納まる画像領域を切り出すテンプレート領域抽出手順と、
前記切り出された画像領域をテンプレートとし、前記基準ピッチを検査良否判定の基準値としてそれぞれを記憶部に登録するテンプレート登録手順と、
検査対象の連続部品の画像を取得し、前記記憶部に記憶した前記テンプレートと前記基準ピッチとを用いて該検査対象の連続部品に対して単一の部品毎の良否を判定する検査手順と
を実行させるための連続部品の検査プログラム。
【請求項7】
所定の繰り返しピッチで複数個が帯状の材料にプレス加工された連続部品の検査装置であって、
正常品である前記連続部品の画像を取得する画像取得手段と、
前記画像を構成する画素に対して、水平に並ぶ各画素列を走査してエッジを検出し、検出したエッジを基にエッジピッチを求め、各画素列毎に該エッジピッチの出現個数を示すヒストグラムを作成するエッジピッチヒストグラム作成手段と、
前記ヒストグラムを基に、前記連続部品の繰り返しピッチである基準ピッチを求める基準ピッチ算出手段と、
前記各画素列毎に求めたエッジを基に前記連続部品が存在する画像内の領域の高さ方向の上限と下限の画素位置を求め、該上限と下限の画素位置との間の領域で前記基準ピッチ内に単一の部品が納まる画像領域を切り出すテンプレート領域抽出手段と、
前記切り出された画像領域をテンプレートとし、前記基準ピッチを検査良否判定の基準値としてそれぞれを記憶部に登録するテンプレート登録手段と、
検査対象の連続部品の画像を取得し、前記記憶部に記憶した前記テンプレートと前記基準ピッチとを用いて該検査対象の連続部品に対して単一の部品毎の良否を判定する検査手段と
を有することを特徴とする連続部品の検査装置。
【請求項8】
所定の繰り返しピッチで複数個が帯状の材料に加工された連続部品の検査方法であって、
正常品である前記連続部品の画像を取得する画像取得手順と、
前記画像を構成する画素に対して、水平に並ぶ各画素列を走査してエッジを検出し、検出したエッジを基にエッジピッチを求め、各画素列毎に該エッジピッチの出現個数を示すヒストグラムを作成するエッジピッチヒストグラム作成手順と、
前記ヒストグラムを基に、前記連続部品の繰り返しピッチである基準ピッチを求める基準ピッチ算出手順と、
前記各画素列毎に求めたエッジを基に前記連続部品が存在する画像内の領域の高さ方向の上限と下限の画素位置を求め、該上限と下限の画素位置との間の領域で前記基準ピッチ内に単一の部品が納まる画像領域をテンプレート領域として抽出するテンプレート領域抽出手順と、
前記テンプレート領域の画像を判定テンプレートとし、該判定テンプレートを用いて前記画像に対してテンプレートマッチングを行って相関値とピッチとを求め、求めた該相関値と該ピッチの分布からグループ化を行い、該グループの数が複数の場合に多数個取りと判定する多数個取り判定手順と、
多数個取りと判定した場合に、前記テンプレート領域抽出手順により前記グループに属する部品のテンプレート領域を求める多数個テンプレート領域抽出手順と、
前記グループに属する部品の前記テンプレート領域のそれぞれの画像をテンプレートとし、前記ピッチの分布に基づいて多数個取りの送りピッチを算出して該送りピッチを検査の良否判定の基準値とし、複数の該テンプレートと該基準値とを記憶部に登録するテンプレート登録手順と、
検査対象の連続部品の画像を取得し、前記記憶部に記憶した複数の前記テンプレートと前記基準値とを用いて該検査対象の連続部品に対して単一の部品毎の良否を判定する検査手順と
を有することを特徴とする連続部品の検査方法。
【請求項9】
前記検査手順は、
取得した前記検査対象の連続部品の画像の内の任意の部品画像を対象として複数の前記テンプレートを用いてテンプレートマッチングを行なって相関値を求め、求めた相関値ので最も高い値を示したテンプレートを選択するテンプレート選択手順と、
前記選択されたテンプレートを用いて前記任意の部品画像の位置から前記基準値の間隔に位置する部品画像を対象にテンプレートマッチングを行い、マッチングした水平方向の画素位置から繰り返しピッチを算出し、該繰り返しピッチと前記基準値とを比較して前記部品画像の良否判定を行うテンプレート別良否判定手順とを行い、
前記検査対象の連続部品の画像の内から前記テンプレート良否判定手順で判定した部品画像を除いた部品画像を対象とし、複数の前記テンプレートから前記選択されたテンプレートを除いたテンプレートにより前記テンプレート選択手順と該テンプレート良否判定手順とを順次行なって該検査対象の連続部品の画像の全ての検査を行なう
ことを特徴とする請求項8に記載の連続部品の検査方法。
【請求項10】
所定の繰り返しピッチで複数個が帯状の材料に加工された連続部品の検査プログラムであって、
コンピュータに、
正常品である前記連続部品の画像を取得する画像取得手順と、
前記画像を構成する画素に対して、水平に並ぶ各画素列を走査してエッジを検出し、検出したエッジを基にエッジピッチを求め、各画素列毎に該エッジピッチの出現個数を示すヒストグラムを作成するエッジピッチヒストグラム作成手順と、
前記ヒストグラムを基に、前記連続部品の繰り返しピッチである基準ピッチを求める基準ピッチ算出手順と、
前記各画素列毎に求めたエッジを基に前記連続部品が存在する画像内の領域の高さ方向の上限と下限の画素位置を求め、該上限と下限の画素位置との間の領域で前記基準ピッチ内に単一の部品が納まる画像領域をテンプレート領域として抽出するテンプレート領域抽出手順と、
前記テンプレート領域の画像を判定テンプレートとし、該判定テンプレートを用いて前記画像に対してテンプレートマッチングを行って相関値とピッチとを求め、求めた該相関値と該ピッチの分布からグループ化を行い、該グループの数が複数の場合に多数個取りと判定する多数個取り判定手順と、
多数個取りと判定した場合に、前記テンプレート領域抽出手順により前記グループに属する部品のテンプレート領域を求める多数個テンプレート領域抽出手順と、
前記グループに属する部品の前記テンプレート領域のそれぞれの画像をテンプレートとし、前記ピッチの分布に基づいて多数個取りの送りピッチを算出して該送りピッチを検査の良否判定の基準値とし、複数の該テンプレートと該基準値とを記憶部に登録するテンプレート登録手順と、
検査対象の連続部品の画像を取得し、前記記憶部に記憶した複数の前記テンプレートと前記基準値とを用いて該検査対象の連続部品に対して単一の部品毎の良否を判定する検査手順と
を実行させるための連続部品の検査プログラム。
【請求項11】
所定の繰り返しピッチで複数個が帯状の材料にプレス加工された連続部品の検査装置であって、
正常品である前記連続部品の画像を取得する画像取得手段と、
前記画像を構成する画素に対して、水平に並ぶ各画素列を走査してエッジを検出し、検出したエッジを基にエッジピッチを求め、各画素列毎に該エッジピッチの出現個数を示すヒストグラムを作成するエッジピッチヒストグラム作成手段と、
前記ヒストグラムを基に、前記連続部品の繰り返しピッチである基準ピッチを求める基準ピッチ算出手段と、
前記各画素列毎に求めたエッジを基に前記連続部品が存在する画像内の領域の高さ方向の上限と下限の画素位置を求め、該上限と下限の画素位置との間の領域で前記基準ピッチ内に単一の部品が納まる画像領域をテンプレート領域として抽出するテンプレート領域抽出手段と、
前記テンプレート領域の画像を判定テンプレートとし、該判定テンプレートを用いて前記画像に対してテンプレートマッチングを行って相関値とピッチとを求め、求めた該相関値と該ピッチの分布からグループ化を行い、該グループの数が複数の場合に多数個取りと判定する多数個取り判定手段と、
多数個取りと判定した場合に、前記テンプレート領域抽出手段により前記グループに属する部品のテンプレート領域を求める多数個テンプレート領域抽出手段と、
前記グループに属する部品の前記テンプレート領域のそれぞれの画像をテンプレートとし、前記ピッチの分布に基づいて多数個取りの送りピッチを算出して該送りピッチを検査の良否判定の基準値とし、複数の該テンプレートと該基準値とを記憶部に登録するテンプレート登録手段と、
検査対象の連続部品の画像を取得し、前記記憶部に記憶した複数の前記テンプレートと前記基準値とを用いて該検査対象の連続部品に対して単一の部品毎の良否を判定する検査手段と
を有することを特徴とする連続部品の検査装置。

【図2】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図12】
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【図13】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−95253(P2011−95253A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−222231(P2010−222231)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】