遊技台
【課題】制御部における制御プログラムが正しく動作しているかどうかなどのきめ細かい情報を、演出画像と一緒に確認しながら視覚的にわかりやすく表示できる遊技台を提供する。
【解決手段】スロットマシン100は、所定の演出画像を表示する液晶表示装置157と、演出に関する制御処理を実行する副制御部400と、副制御部400の制御処理に従って、液晶表示装置157に表示される演出画像の表示制御を行う副制御部500と、を備え、副制御部400は、所定の条件が成立した場合には、液晶表示装置157を制御する副制御部500に内部変数情報を送信し、副制御部500は、内部変数情報を受信した場合には、液晶表示装置157に表示される演出画像を維持したまま、内部変数情報を視認可能な表示態様で液晶表示装置157に表示する。
【解決手段】スロットマシン100は、所定の演出画像を表示する液晶表示装置157と、演出に関する制御処理を実行する副制御部400と、副制御部400の制御処理に従って、液晶表示装置157に表示される演出画像の表示制御を行う副制御部500と、を備え、副制御部400は、所定の条件が成立した場合には、液晶表示装置157を制御する副制御部500に内部変数情報を送信し、副制御部500は、内部変数情報を受信した場合には、液晶表示装置157に表示される演出画像を維持したまま、内部変数情報を視認可能な表示態様で液晶表示装置157に表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシン(パチスロ)、パチンコに代表される遊技台に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の遊技台は、リール上に描かれた図柄のうち、特定の組合せが有効ライン上に揃うことで多くの遊技媒体を通常よりも獲得できる有利な状態(以下、ボーナス遊技)へ移行するようになっている。また、このようなボーナス遊技以外でも遊技媒体を通常よりも多く獲得できる有利な状態として、内部抽選の結果を遊技者に報知するような場合がある。例えば、画像表示により抽選結果を報知し、その報知割合を変動させることで遊技者が目押し操作の指標として停止操作するような、いわゆるATと呼ばれる機能が登場している。また、当選したボーナスを一時的にストックし、一定ゲーム数の消化やストックしたボーナスを揃えられる解除抽選による当選などの種々の条件を設定して、ボーナスの塊を作り出す、いわゆるストックと呼ばれる機能も登場している。このような、いずれの遊技台も、内部抽選に用いられる抽選データを識別するための設定値情報により出玉率をある程度、設定できるようになっている。遊技店では、この設定値を所定操作により設定して、営業をしている。
【0003】
ところで、このような設定値に関しては、その遊技台における出玉率に影響することから遊技者は、大変な関心を持つ。したがって、遊技者は、設定値を推測しながら遊技台の選定を行なったり、遊技継続の材料としたりする場合があった。この点、この設定値の推測の材料として、営業開始から消化したゲーム数や、ボーナス回数や、小役入賞の回数、AT回数、ボーナス連荘回数などを表示する履歴表示機能を搭載したスロットマシンが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2763193号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載のスロットマシンでは、多くの情報を収集して遊技者のために情報を開示することが可能ではあるが、開発現場における遊技機開発の担当者に役に立つ情報を開示しているとは言えない。例えば、開発担当者は、制御部がどのような命令を発してどのように実行しているか等に細心の注意を配る傾向にあるが、上記特許文献1に記載のスロットマシンでは、ある程度、決まった情報を収集するに過ぎず、制御部を動作させるための制御プログラムが正しく動作しているかどうかなどの要望を満たすことは困難であった。
【0006】
また、近年、演出装置の大型化に伴い演出の種類の多様化が進み、画像表示装置における画像演出の表現もその種類が豊富に存在する。そして、このような演出の種類も演出抽選に左右されることになるが、開発担当者などは、その演出抽選がどのような結果で演出画像が表示されているのかなどを実際には確認することができなかった。
【0007】
このように、制御部を動作させるための制御プログラムが正しく動作しているか、演出抽選の結果がどのようになっているか等、よりきめ細かな情報が視覚的にわかりやすく表示できるような環境が望まれていた。
【0008】
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、制御部における制御プログラムが正しく動作しているかどうかなどのきめ細かい情報を、演出画像と一緒に確認しながら視覚的にわかりやすく表示できる遊技台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る遊技台は、次のように構成される。
【0010】
本発明は、その一態様として、所定の演出画像を表示するための表示手段と、演出に関する制御処理を実行する演出制御手段と、前記演出制御手段の制御処理に従って、前記表示手段に表示される演出画像の表示制御を行う表示制御手段と、を備えた遊技台であって、前記演出制御手段は、所定の条件が成立した場合には、前記制御処理の実行により変化する情報である内部変数情報を前記表示制御手段に送信し、前記表示制御手段は、前記内部変数情報を受信した場合には、前記表示手段に表示される演出画像を維持したまま、前記内部変数情報を視認可能な表示態様で前記表示手段に表示させる表示制御を行う。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、制御部における制御プログラムが正しく動作しているかどうかなどのきめ細かい情報を、演出画像と一緒に確認しながら視覚的にわかりやすく表示できる遊技台を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの外観を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの主制御部300の回路ブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの副制御部400の回路ブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの副制御部500の回路ブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの副制御部600の回路ブロック図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの各リールに施される図柄の配列を表面的に展開して示した図である。
【図7】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの役の種類、役の名称、役に対応する図柄組合せ、役の払出し、及び備考を示した図である。
【図8】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの電源投入処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【図9】図8のステップS105の設定値変更処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【図10】図8のステップS108の主制御部メイン処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【図11】図10のステップS301のメダル投入処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【図12】図11のステップS405の演出用投入ボタン受付処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【図13】(a)は、本発明の一実施形態に係るスロットマシンの副制御部400メイン処理の流れを示すフローチャート、(b)は、本発明の一実施形態に係るスロットマシンの副制御部400ストローブ割込み処理の流れを示すフローチャート、(c)は、本発明の一実施形態に係るスロットマシンの副制御部400タイマ割込み処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】図13のステップS602のコマンド入力処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【図15】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの表示制御コマンドの構成を示す図である。
【図16】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの表示制御コマンドに含まれる内部変数情報の構成を示す図である。
【図17】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの液晶表示装置に表示される演出画像例である。
【図18】図17の演出画像に、内部変数情報を表示するための領域を重ねて表示した場合の画像例である。
【図19】図18の内部変数情報表示領域に、遊技関連情報を表示した場合の画像例である。
【図20】図18の内部変数情報表示領域に、プログラム変数情報を表示した場合の画像例である。
【図21】図18の内部変数情報の表示領域に、操作履歴情報を表示した場合の画像例である。
【図22】本発明の一実施形態に係るスロットマシンにおいて、設定変更値処理中に液晶表示装置に表示される画像例である。
【図23】(a)は、本発明の一実施形態に係るスロットマシンの副制御部500メイン処理の流れを示すフローチャート、(b)は、本発明の一実施形態に係るスロットマシンの副制御部500割込み処理の流れを示すフローチャートである。
【図24】図23のステップS1004の画像制御処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【図25】(a)は、本発明の一実施形態に係るスロットマシンの副制御部600メイン処理の流れを示すフローチャート、(b)は、本発明の一実施形態に係るスロットマシンの副制御部600割込み処理の流れを示すフローチャートである。
【図26】本発明の一実施形態に係るスロットマシンのモータコマンド、パーツリストデータおよびパーツデータの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0014】
<全体構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシン100の外観斜視図である。スロットマシン100は、メダルの投入により遊技が開始され、遊技の結果によりメダルが払い出されるものである。
【0015】
スロットマシン100は、本体101と、本体101の正面に取付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には、(図1において図示省略)外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110〜112はステッピングモータ等の駆動手段により回転駆動される。
【0016】
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110〜112が構成されている。リール110〜112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110〜112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール110〜112は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示手段として機能する。なお、このような表示手段としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
【0017】
各々のリール110〜112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110〜112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110〜112を停止させる。
【0018】
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ラインを示すランプである。有効となる入賞ラインは、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。入賞ラインは5ラインあり、例えば、メダルが1枚ベットされた場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚ベットされた場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚ベットされた場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5ラインが入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ラインの数については5ラインに限定されるものではなく、また、例えば、メダルが1枚ベットされた場合に、中段の水平入賞ライン、上段水平入賞ライン、下段水平入賞ライン、右下り入賞ラインおよび右上り入賞ラインの5ラインを入賞ラインとして有効としてもよい。
【0019】
告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役(具体的には、ボーナス)に内部当選していること、または、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
【0020】
メダル投入ボタン130〜132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという。)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、メダル投入ボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、メダル投入ボタン131が押下されると2枚投入され、メダル投入ボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、メダル投入ボタン132はMAXBET投入ボタンとも言う。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
【0021】
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、メダル投入ボタン130〜132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。
【0022】
スタートレバー135は、リール110〜112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口141に所望するメダル枚数を投入するか、メダル投入ボタン130〜132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110〜112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
【0023】
ストップボタンユニット136には、ストップボタン137〜139が設けられている。ストップボタン137〜139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110〜112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110〜112に対応づけられている。以下、ストップボタン137〜139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。なお、各ストップボタン137〜139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137〜139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
【0024】
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。メダル払出口155は、メダルを払出すための払出口である。
【0025】
音孔160a〜cはスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の下部に設けられたタイトルパネル162は、遊技台を装飾するためのものであり、前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置200が配設されている。この演出装置200は、垂直方向に移動可能な垂直可動部材202と、水平方向に移動自在な水平可動部材204と、これらの可動部材202、204の奥側に配設された液晶表示装置157を備えており、液晶表示装置157が演出表示を行うと共に、垂直可動部材202および水平可動部材204が液晶表示装置157の手前で演出動作を行う構造となっている。また、演出装置200には、これらの可動部材202、204を駆動するための左駆動機構、右駆動機構および上駆動機構が配設されている。
【0026】
また、垂直可動部材202および水平可動部材204の手前側には、液晶表示装置157、垂直可動部材202および水平可動部材204を覆うようにして透明なカバー部材が配設されている。このカバー部材の上部および下部には、半透明に着色された上部遮蔽領域206および下部遮蔽領域208がそれぞれ設けられており、液晶表示装置157、垂直可動部材202および水平可動部材204の一部を遮蔽している。
【0027】
<制御部>
次に、図2〜図5を用いて、このスロットマシン100の制御部の回路構成について詳細に説明する。
【0028】
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300より送信されたコマンド(制御コマンドとも言う)に応じて各種機器を制御する副制御部400と、副制御部400より送信されたコマンドに応じて各種機器を制御する副制御部500と、副制御部500より送信されたコマンドに応じて各種機器を制御する副制御部600と、によって構成されている。
【0029】
<主制御部300>
まず、図2を用いて、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御するための演算処理装置であるCPU310や、CPU310が各ICや各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、その他、以下に述べる構成を有する。
【0030】
クロック補正回路314は、水晶発振器311から発振されたクロックを分周してCPU310に供給する回路である。例えば、水晶発振器311の周波数が16MHzの場合に、分周後のクロックは8MHzとなる。CPU310は、クロック補正回路314により分周されたクロックをシステムクロックとして受け入れて動作する。
【0031】
また、CPU310には、後述するセンサやスイッチの状態を常時監視するための監視周期やモータの駆動パルスの送信周期を設定するためのタイマ回路315がバスを介して接続されている。CPU310は、電源が投入されると、データバスを介してROM312の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路315に送信する。
【0032】
タイマ回路315は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU310に送信する。CPU310は、この割込み要求を契機に、各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、CPU310のシステムクロックを8MHz、タイマ回路315の分周値を1/256、ROM312の分周用のデータを47に設定した場合、この割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
【0033】
また、CPU310には、各ICを制御するための制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶しているROM312や、一時的なデータを保存するためのRAM313が接続されている。これらのROM312やRAM313については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する各制御部においても同様である。
【0034】
CPU310には、さらに、入力インタフェース360、出力インタフェース370、371がアドレスデコード回路350を介してアドレスバスに接続されている。CPU310は、これらのインタフェースを介して外部のデバイスと信号の送受信を行っている。
【0035】
CPU310は、割込み時間ごとに入力インタフェース360を介して、メダル受付センサ320、スタートレバーセンサ321、ストップボタンセンサ322、メダル投入ボタンセンサ323、精算スイッチセンサ324、メダル払い出しセンサ326、インデックスセンサ325、扉センサ327の状態を検出し、各センサを監視している。
【0036】
メダル受付センサ320は、メダル投入口141の内部の通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバーセンサ321は、スタートレバー135に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタンセンサ322は、各々のストップボタン137〜139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
【0037】
メダル投入ボタンセンサ323は、メダル投入ボタン130〜132のそれぞれに設置されており、RAM313に電子的に貯留されているメダルを遊技用のメダルとして投入する場合の投入操作を検出する。たとえば、CPU310は、メダル投入ボタン130に対応するメダル投入ボタンセンサ323がLレベルになった場合に、電子的に貯留メダルを1枚投入し、メダル投入ボタン131に対応するメダル投入ボタンセンサ323がLレベルになった場合に、電子的に貯留メダルを2枚投入し、メダル投入ボタン132に対応するメダル投入ボタンセンサがLレベルになった場合に、電子的に貯留メダルを3枚投入する。なお、メダル投入ボタン132が押された際、貯留されているメダル枚数が2枚の場合は2枚投入され、1枚の場合は1枚投入される。
【0038】
本実施形態では、メダル投入ボタン132を、演出用投入ボタンとしても機能させている。すなわち、メダル投入ボタン132は、遊技者(開発担当者、遊技店店員を含む)の操作を介入させる演出を行う場合に、遊技者による演出操作を受け付けるためのボタンとしても機能するようになっている。具体的には、規定枚数のメダルが投入され、遊技の開始操作が可能な状態になった状態において、メダル投入ボタン132に対応するメダル投入ボタンセンサ323がLレベルになった場合、CPU310は、遊技者による演出操作があったもの(演出用投入ボタンの受付)と判断し、遊技者の操作に対応した処理を実行する。
【0039】
精算スイッチセンサ324は、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、貯留されているメダルを精算する。メダル払い出しセンサ326は、払い出されるメダルを検出するためのセンサである。扉センサ327は、前面扉102の開閉を検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
【0040】
インデックスセンサ325は、具体的には、各リール110〜112の取付台の所定位置に設置されており、リールに設けた遮光片がこのインデックスセンサ325を通過するたびにLレベルになる。CPU310は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
【0041】
出力インタフェース370には、リールを駆動させるためのリールモータ駆動部330と、ホッパー(バケットにたまっているメダルをメダル払出口155から払出すための装置。)のモータを駆動するためのホッパーモータ駆動部331と、遊技ランプ340(具体的には、入賞ライン表示ランプ120、遊技開始ランプ121、再遊技ランプ122、告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124等)と、7セグメント表示器341(貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127等)が接続されている。
【0042】
また、CPU310には、乱数発生回路317がデータバスを介して接続されている。
【0043】
乱数発生回路317は、水晶発振器316から発振されるクロックに基いて、一定の範囲内で値をインクリメントし、そのカウント値をCPU310に出力することのできるインクリメントカウンタであり、後述する入賞役の内部抽選をはじめ各種抽選処理に使用される。本発実施形態における乱数発生回路317は、水晶発振器316のクロック周波数を用いて0〜65535までの値をインクリメントする1つの乱数カウンタを備えている。
【0044】
また、CPU310のデータバスには、副制御部400に信号(例えば、ボーナスや小役の内部当選を示すコマンド、デバッグ表示コマンド、演出用投入ボタン受付コマンド等)を送信するための出力インタフェース371が接続されている。
【0045】
<副制御部400>
次に、図3を用いて、スロットマシン100の副制御部400について説明する。副制御部400は、主制御部300より送信されたコマンドに基づいて副制御部400の全体を制御する演算処理装置であるCPU410や、CPU410が各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。
【0046】
クロック補正回路414は、水晶発振器411から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU410に供給する回路である。
【0047】
また、CPU410にはタイマ回路415がバスを介して接続されている。CPU410は、所定のタイミングでデータバスを介してROM412の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路415に送信する。タイマ回路415は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU410に送信する。CPU410は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
【0048】
また、CPU410には、副制御部400の全体を制御するための命令及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータが記憶されたROM412や、データ等を一時的に保存するためのRAM413が各バスを介して接続されている。
【0049】
また、CPU410には、外部の信号を送受信するための入出力インタフェース460が接続されており、入出力インタフェース460には、各リール110〜112の図柄を背面より照明するためのバックライト420、RAM413のデータをクリアにするためのリセットスイッチ421が接続されている。さらに、CPU410には、データバスを介して主制御部300から信号(コマンド)を受信するための入力インタフェース461が接続されている。
【0050】
また、CPU410のデータバスとアドレスバスには、音源IC480が接続されている。音源IC480は、CPU410からの命令に応じて音声の制御を行う。また、音源IC480には、音声データが記憶されたROM481が接続されており、音源IC480は、ROM481から取得した音声データをアンプ482で増幅させてスピーカ483から出力する。
【0051】
また、CPU410には、主制御部300と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路450が接続されており、アドレスデコード回路450には、主制御部300からの信号(コマンド)を受信するための入力インタフェース461、入出力インタフェース470、時計IC422、が接続されている。CPU410は、時計IC422が接続されていることで、現在時刻を取得することが可能である。
【0052】
さらに、入出力インタフェース470には、デマルチプレクサ419が接続されている。デマルチプレクサ419は、入出力インタフェース470から送信された信号を各表示部等に分配する。即ち、デマルチプレクサ419は、CPU410から受信されたデータに応じて演出ランプ430(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、リールパネルランプ128、タイトルパネルランプ、受皿ランプ、等)を制御する。なお、タイトルパネルランプは、タイトルパネル162を照明するランプである。
【0053】
CPU410は、入力インタフェース461を介して受信したコマンドに基づいて、遊技全体を盛り上げる演出処理を自ら実行すると共に、演出処理を実行させるためのコマンドを入出力インタフェース460を介して副制御部500に送信する。また、CPU410は、演出処理において入出力インタフェース470を介して副制御部600からのコマンドを受信する。
【0054】
<副制御部500>
次に、図4を用いて、スロットマシン100の副制御部500について説明する。副制御部500は、演算処理装置であるCPU510や、各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。
【0055】
クロック補正回路514は、水晶発振器511から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU510に供給する回路である。
【0056】
このCPU510は、副制御部400のCPU410からの信号(コマンド)を入出力インタフェース520を介して受信し、副制御部500全体を制御する。
【0057】
また、CPU510にはタイマ回路515がバスを介して接続されている。CPU510は、所定のタイミングでデータバスを介してROM512の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路515に送信する。タイマ回路515は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU510に送信する。CPU510は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
【0058】
また、CPU510には、バスを介して、ROM512、RAM513、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)534が接続されている。ROM512には、副制御部500全体を制御するための制御プログラムデータや演出用のデータが記憶されている。RAM513は、CPU510で処理されるプログラムのワークエリア等を有する。VDP534には、水晶発信器533が接続され、さらに、バスを介して、画像データと、画像データ用のカラーパレットデータが記憶されているCG−ROM535、VRAM536が接続されている。VDP534は、CPU510からの信号をもとにCG−ROM535に記憶された画像データを読み出し、VRAM536のワークエリアを使用して画像信号を生成し、D/Aコンバータ537を介して液晶表示装置157の表示画面に画像を表示する。なお、液晶表示装置157には、CPU510によって液晶表示装置157の表示画面の輝度調整を可能とするため輝度調整信号が入力されている。
【0059】
また、CPU510には、主制御部300および副制御部400と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路550が接続されており、アドレスデコード回路550には、入出力インタフェース520が接続されている。入出力インタフェース520は、副制御部400から信号(コマンド)を受信すると共に副制御部600に信号(コマンド)を送信するためのインタフェースである。CPU510は、入出力インタフェース520を介して副制御部400から受信したコマンドに基づいて、液晶表示装置157の表示を制御する処理を実行すると共に、演出処理を実行させるためのコマンドを入出力インタフェース520を介して副制御部600に送信する。
【0060】
<副制御部600>
次に、図5を用いて、スロットマシン100の副制御部600について説明する。副制御部600は、演算処理装置であるCPU610や、各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。
【0061】
クロック補正回路614は、水晶発振器611から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU610に供給する回路である。
【0062】
このCPU610は、副制御部500のCPU510からの信号(コマンド)を入出力インタフェース620を介して受信し、副制御部600全体を制御する。
【0063】
また、CPU610にはタイマ回路615がバスを介して接続されている。CPU610は、所定のタイミングでデータバスを介してROM612の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路615に送信する。タイマ回路615は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU610に送信する。CPU610は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
【0064】
また、CPU610には、バスを介して、ROM612およびRAM613が接続されている。ROM612には、副制御部600全体を制御するための制御プログラムデータや演出用のデータが記憶されている。RAM613は、CPU610で処理されるプログラムのワークエリア等を有する。
【0065】
また、CPU610には、外部の機器から信号を受信するための入力インタフェース660、および外部の機器へ信号を送信するための出力インタフェース670が接続されている。入力インタフェース660には、演出装置200の左駆動機構、右駆動機構および上駆動機構が備える左センサA216、左センサB217、右センサA226、右センサB227、上センサA236および上センサB237が接続されている。なお、本実施形態の副制御部600は、オプションとしてさらに下センサA661、および下センサB662を接続可能に構成されている。
【0066】
出力インタフェース670には、演出装置200の左駆動機構、右駆動機構および上駆動機構が備える各モータ215、225、235がドライバを介して接続されている。具体的には、左モータドライバ671を介して左モータ215、右モータドライバ672を介して右モータ225、上モータドライバ673を介して上モータ235が接続されている。なお、本実施形態の副制御部600は、オプションとしてさらに下モータドライバ674を介して下モータ675を接続可能に構成されている。
【0067】
また、CPU610には、副制御部400および副制御部500と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路650が接続されており、アドレスデコード回路650には、入出力インタフェース620、入力インタフェース660および出力インタフェース670が接続されている。入出力インタフェース620は、副制御部500から信号(コマンド)を受信すると共に副制御部400に信号(コマンド)を送信するためのインタフェースである。CPU610は、入出力インタフェース620を介して副制御部500から受信したコマンドに基づいて、演出装置200の左駆動機構、右駆動機構および上駆動機構を制御する処理を実行すると共に、コマンドを入出力インタフェース620を介して副制御部400に送信する。
【0068】
なお、主制御部300と副制御部400の間の情報通信は、一方向の通信となっており、逆方向の通信は不可能に構成されている。すなわち、主制御部300からはコマンド等の信号を副制御部400へ送信することができるが、副制御部400からはコマンド等の信号を主制御部300へ送信することはできない。
【0069】
また、副制御部400と副制御部500、副制御部500と副制御部600、および副制御部600と副制御部400の間の直接的な情報通信は、一方向の通信となっており、逆方向の通信は不可能に構成されている。すなわち、副制御部400から副制御部500へ、副制御部500から副制御部600へ、および副制御部600から副制御部400へは、直接的にコマンド等の信号を送信することができるが、副制御部500から副制御部400へ、副制御部600から副制御部500へ、および副制御部400から副制御部600へは、直接的にコマンド等の信号を送信することができない。従って、副制御部500から副制御部400へ信号を送信する場合は、副制御部500から副制御部600を介して副制御部400へ信号を送信するようになっている。同様に、副制御部600から副制御部500へ信号を送信する場合は、副制御部600から副制御部400を介して副制御部500へ信号を送信し、副制御部400から副制御部600へ信号を送信する場合は、副制御部400から副制御部500を介して副制御部600へ信号を送信する。
【0070】
<図柄配列>
次に、図6を用いて、上述の各リール110〜112に施される図柄配列について説明する。なお、同図は、各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図である。
【0071】
各リール110〜112には、同図の右側に示す複数種類(本実施形態では、8種類)の図柄が所定コマ数(本実施形態では、番号0〜20の21コマ)だけ配置されている。また、同図の左端に示した番号0〜20は、各リール110〜112上の図柄の配置位置(図柄位置)を示す番号である。例えば、左リール110の番号0のコマには「チャンス図柄」、中リール111の番号1のコマには「BB1図柄」、右リール112の番号2のコマには「リプレイ図柄」がそれぞれ配置されている。
【0072】
<役の種類>
次に、図7を用いて、スロットマシン100の入賞役の種類について説明する。なお、同図は入賞役(作動役を含む)の種類、各入賞役の名称、各入賞役に対応する図柄組合せ、各入賞役の払出枚数、および各入賞役の作動を示した図である。
【0073】
スロットマシン100の入賞役には、特別役1(BB1)と、特別役2(BB2)と、特別役3(RB)と、小役(CHANCE、ベル、スイカ、チェリー)と、再遊技役(リプレイ)がある。なお、入賞役の種類は、これに限定されるものではなく、任意に採用できることは言うまでもない。また、本実施形態において、特別役1(BB1)はボーナス役1(BB1)と言うことがあり、特別役2(BB2)はボーナス役2(BB2)と言うことがあり、特別役3(RB)はボーナス役3(RB3)と言うことがある。また、これら特別役1〜3を総称してボーナス役と言うことがある。
【0074】
本実施形態における入賞役のうち、特別役1(BB1)、特別役2(BB2)および特別役3(RB)はボーナス遊技に移行する役として、また、再遊技役(リプレイ)は新たにメダルを投入することなく前回遊技で投入した枚数と同じ枚数のメダルを投入したものとする再遊技が可能となる役として、それぞれ入賞役とは区別され「作動役」と呼ばれる場合があるが、本実施形態における「入賞役」には、作動役である、特別役1(BB1)、特別役2(BB2)、特別役3(RB)および再遊技役1、再遊技役2が含まれる。また、「入賞」とは、入賞役に対応する図柄組合せが有効ライン上に表示されることをいうが、本実施形態における「入賞」には、メダルの配当を伴わない(メダルの払い出しを伴わない)作動役の図柄組合せが有効ライン上に表示される場合も含まれ、例えば、特別役1(BB1)、特別役2(BB2)、特別役3(RB)、再遊技役への入賞が含まれる。
【0075】
「特別役1(BB1)、特別役2(BB2)」(以下、特別役1(BB1)および特別役2(BB2)を「ビッグボーナス(BB)」と総称する場合がある)は、入賞によりビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。対応する図柄組合せは、BB1が「BB1図柄−BB1図柄−BB1図柄」、BB2が「BB2図柄−BB2図柄−BB2図柄」である。また、BB1、BB2についてはフラグ持越しを行う。すなわち、BB1、BB2に内部当選すると、これを示すフラグが立つ(主制御部300のRAM313の所定のエリア内に記憶される)が、その遊技においてBB1、BB2に入賞しなかったとしても、入賞するまで内部当選を示すフラグが立った状態が維持され、次遊技以降でもBB1、BB2に内部当選中となり、BB1に対応する図柄組合せ「BB1図柄−BB1図柄−BB1図柄」、BB2に対応する図柄組合せ「BB2図柄−BB2図柄−BB2図柄」が、有効ライン上に揃って入賞する状態にある。
【0076】
「特別役3(RB)」(以下、特別役3(RB)を「レギュラーボーナス」と称する場合がある。)は、入賞によりレギュラーボーナス遊技(RB遊技)が開始される特殊役(作動役)である。対応する図柄組合せは、「RB図柄−RB図柄−RB図柄」である。なお、RBについても上述のBBと同様にフラグ持越しを行う。但し、(詳細は後述するが)ビッグボーナス遊技(BB遊技)においては、レギュラーボーナス遊技(RB遊技)が内部当選することや、図柄組み合わせが入賞ライン上に表示されること、を開始条件とせずに自動的に開始させる設定としてもよい。なお、本実施形態では、上述したビッグボーナス遊技(BB遊技)およびレギュラーボーナス遊技(RB遊技)を合わせて特別遊技又は単にボーナス遊技と言うことがある。また特別遊技は、通常遊技よりも遊技媒体の獲得率が高く、遊技者に有利な遊技状態である。
【0077】
「小役1(CHANCE)、小役2(ベル)、小役3(スイカ)、小役4(チェリー)」(以下、単に「CHANCE」、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」と称する場合があり、小役1〜小役4のCHANCE、ベル、スイカ、チェリーとは、小役である。)は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役で、対応する図柄組合せは、CHANCEが「CHANCE図柄−CHANCE図柄−CHANCE図柄」、ベルが「ベル図柄−ベル図柄−ベル図柄」、スイカが「スイカ図柄−スイカ図柄−スイカ図柄」、チェリーが「チェリー図柄−ANY−ANY」である。また、対応する払出枚数は同図に示す通りである。なお、「チェリー図柄−ANY−ANY」の場合、左リール110の図柄が「チェリー図柄」であればよく、中リール111と右リール112の図柄はどの図柄でもよいことを示している。「小役1(CHANCE)、小役2(ベル)、小役3(スイカ)、および小役4(チェリー)」」を一般役と言う。
【0078】
「再遊技役(リプレイ)」は、入賞により次回の遊技でメダル(遊技媒体)の投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出は行われない。なお、対応する図柄組合せは、「リプレイ図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」である。
【0079】
<遊技状態の種類>
次に、スロットマシン100の遊技状態の種類について説明する。
【0080】
本実施形態では、スロットマシン100の遊技状態は、通常遊技状態(RT0モード)と、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の特別役(ボーナス役)内部当選遊技(RT1モード)と、BB遊技とRB遊技を含むボーナス遊技(RT2モード)と、再遊技変動遊技(RT3モード)と、に大別することができる。
【0081】
<通常遊技状態(RT0モード)>
通常遊技状態(RT0モード)の内容は特に限定されないが、例えば、内部抽選の結果が概ねハズレとなり、遊技者が複数回の遊技を行った場合に遊技中に獲得できるメダルの総数が、遊技中に投入したメダルの総数に満たないような遊技状態をいい、本実施形態では、後述する特別役(ボーナス役)内部当選遊技(RT1モード)、ボーナス遊技(RT2モード)、および再遊技変動遊技(RT3モード)以外の遊技状態をいう。この通常遊技状態(RT0モード)では、BB1、BB2またはRBに内部当選した場合(重複役による内部当選を含む)に特別役(ボーナス役)内部当選遊技(RT1モード)に移行する。また、再遊技変動遊技(RT3モード)が終了した場合には、通常遊技状態(RT0モード)に移行する。
【0082】
<特別役(ボーナス役)内部当選遊技(RT1モード)>
この特別役(ボーナス役)内部当選遊技(RT1モード)は、特別役に対応する図柄組合せを有効ライン上に表示させることが可能となっている遊技状態をいう。この特別役(ボーナス役)内部当選遊技(RT1モード)は、通常遊技状態(RT0モード)において、BB1、BB2またはRBに内部当選した場合(重複役による内部当選を含む)、または後で説明する再遊技変動遊技(RT3モード)において、BB1、BB2またはRBのいずれかの特別役に内部当選した場合(重複役による内部当選を含む)で、且つ所定の遊技数(本実施形態では、100ゲーム)を消化した場合に移行する。また、BB1、BB2またはRBに対応する図柄組合せが有効ライン上に表示された場合に終了し、入賞した特別役(特別役1〜3)の種類に応じて、次に説明するBB遊技(BB1遊技、BB2遊技)やRB遊技に移行する。
【0083】
<BB遊技(RT2モード)>
BB遊技(RT2モード)の内容は特に限定されないが、遊技者にとって通常遊技状態よりも利益の大きい遊技状態であり、本実施形態では、遊技中に獲得するメダルの総数が、遊技中に投入したメダルの総数を超えるような遊技状態をいう。BB遊技の一つであるBB1遊技は、特別役(ボーナス役)内部当選遊技(RT1モード)においてBB1に対応する図柄組合せが有効ライン上に表示された場合に移行し、後述するRB遊技を繰返し実行可能な遊技状態である。また、BB遊技の一つであるBB2遊技は、特別役(ボーナス役)内部当選遊技(RT1モード)においてBB2に対応する図柄組合せが有効ライン上に表示された場合に移行し、後述するRB遊技を繰返し実行可能な遊技状態である。また、BB遊技(BB1遊技またはBB2遊技)は、遊技中に予め定められた所定の数(例えば、351枚)を超えるメダルが払い出された場合に終了し、再遊技変動遊技(RT3モード)に移行する。但し、BB遊技中のRB遊技の開始条件は、RB遊技を開始する役(例えば、リプレイ)を設定し、この役が内部当選した場合、または、入賞した場合に、RB遊技を開始するように設定してもよい。さらには、BB遊技は、BB遊技中のRB遊技を除くBB一般遊技を予め定めた回数(例えば、30回)実行した場合、または、BB遊技中に実行したRB遊技の回数が予め定めた回数に達した場合(例えば、3回)に終了するようにしてもよい。
【0084】
<RB遊技(RT2モード)>
RB遊技(RT2モード)の内容は特に限定されないが、遊技者にとって通常遊技状態よりも利益の大きい遊技状態であり、本実施形態では、遊技中に獲得するメダルの総数が、遊技中に投入したメダルの総数を超えるような遊技状態をいう。RB遊技は、特別役(ボーナス役)内部当選遊技(RT1モード)においてRBに対応する図柄組合せが有効ライン上に表示された場合に移行する。また、RB遊技は、遊技中に予め定められた所定の数(例えば、104枚)を超えるメダルが払い出された場合に終了し、再遊技変動遊技(RT3モード)に移行する。但し、予め定めた所定の役が内部当選の確率を上昇させる変動(例えば、「設定1」、「通常遊技」に設定された「小役1」の内部当選確率1/15を、予め定めた所定の値である内部当選確率1/1.2に上昇させる)をし、予め定めた所定の数(例えば8回)の入賞があった場合に終了するようにしてもよい。
【0085】
<再遊技変動遊技(RT3モード)>
再遊技変動遊技(RT3モード)の内容は特に限定されないが、本実施形態では、再遊技役の内部当選確率を、通常遊技状態(RT0モード)における再遊技役(例えば、再遊技役1(リプレイ))の内部当選確率(本実施形態では、約1/7.3)よりも上昇させる変動を行う遊技状態である。再遊技変動遊技状態(RT3モード)は、BB遊技状態(RT2モード)において、遊技中に予め定められた所定の数(例えば、351枚)を超えるメダルが払い出された場合、および通常遊技状態(RT0モード)において、CHANCEに対応する図柄組合せが有効ライン上に表示された場合に移行する。また、再遊技変動遊技状態(RT3モード)では、所定の遊技数(本実施形態では、100ゲーム)を消化した場合に通常遊技状態(RT0モード)に移行し、BB1、BB2またはRBのいずれかの特別役に内部当選した場合(重複役による内部当選を含む)で、且つ所定の遊技数(本実施形態では、100ゲーム)を消化した場合に特別役(ボーナス役)内部当選遊技(RT1モード)に移行する。なお、本実施形態では、再遊技変動遊技をリプレイタイムとも言う。また、本実施形態で特典遊技とは、例えばRT準備状態やRT状態をいうが、これに限定されず通常遊技状態よりも遊技者に有利な特典が付与される遊技であればよい。したがって、例えば、AT(アシストタイム:入賞役の内部当選等をランプ等で遊技者に報知する機能)、ART(アシストリプレイタイム:上述のATとRTを併せ持つ機能)、ST(ストックタイム:ボーナス役の内部当選フラグを一時的に貯留し、一定の条件を満たした場合にボーナス役の内部当選フラグを放出する機能)等でもよい。
【0086】
<電源投入処理>
次に、図8を用いて、スロットマシン100の電源投入時に主制御部300のCPU310にて実行される電源投入処理について説明する。なお、同図は、電源投入処理の流れを示すフローチャートである。
【0087】
スロットマシン100の電源スイッチがONされると、主制御部300のCPU310にて、以下に説明する電源投入処理が実行される。
【0088】
ステップS101では、各種のイニシャル処理(初期化処理)を行う。
【0089】
ステップS102では、RAM313の少なくとも一部に異常があるか否かを判定する。そして、RAM313に異常がある場合はステップS103に進み、異常が無い場合はステップS104に進む。なお、RAM313の異常を検出する方法は種々考えられるが、例えば、同一の情報を2つの第1の記憶領域及び第2の記録領域に記憶しておき、電源投入後に、第1の記憶領域に記憶された情報と、第2の記憶領域に記憶された情報を比較し、両者が異なる場合に異常と判定する方法が一例として挙げられる。
【0090】
ステップS103では、RAMエラー処理を行う。このRAMエラー処理では、使用スタックエリアを除く全てのRAM313の記憶領域をクリアする準備を行ったり、副制御部400にエラー発生コマンドの送信準備等を行ったりする。
【0091】
ステップS104では、設定キースイッチがON状態か否かを判定する。そして、設定キースイッチがON状態の場合はステップS105に進み、OFF状態の場合はステップS106に進む。なお、設定キースイッチは、スロットマシン100の設定値の変更を行うためのキースイッチであり、本体101の内部に設けられている。ここで、設定値とは、所定期間の遊技を行ったときに遊技者が賭け数として遊技台に使用した遊技媒体の総数に対して、遊技台が払い出した遊技媒体の総数の割合を調整するための値であり、いわゆる「払出率」と称されるものであり、複数段階の設定値、例えば、設定「1」〜設定「6」まで設定可能である。
【0092】
ステップS105では、設定値変更処理(詳細は後述)を行う。
【0093】
ステップS106では、強制RAMクリアがON状態か否かを判定する。具体的には、電源が投入され、且つリセットスイッチのリセットボタンが長押し(例えば、5秒間の押下)されたことに基づき、強制RAMクリアのON状態とする。そして、強制RAMクリアがON状態の場合はステップS107に進み、OFF状態の場合はステップS109に進む。
【0094】
ステップS107では、初期状態遊技開始処理を行う。この初期状態遊技開始処理では、「設定値の記憶領域」や「RAM313のクリア時に使用するスタック領域を除く記憶領域」のクリア、自動精算及び打ち止めの有無などの設定、内部当選の有無の設定、副制御部400に対する制御コマンドの送信などを行う。
【0095】
ステップS108では、主制御部メイン処理(詳細は後述)を行う。
【0096】
ステップS109では、復帰処理によりスロットマシン100を電源が遮断された前の状態に復帰し、後述する主制御部メインを再開する。
【0097】
<設定値変更処理>
次に、図9を用いて、設定値変更処理について説明する。なお、同図は、図8のステップS105の設定値変更処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【0098】
ステップS201では、設定値変更処理を開始したことを示す設定変更開始コマンドを副制御部400に送信する。
【0099】
ステップS202では、リセットボタンの押下操作があったか否かを判定する。リセットボタンは本体101の内部(詳しくは、前面扉102の背面)に設けられている。リセットボタンの押下操作があった場合には、ステップS203に進み、リセットボタンの押下操作がない場合には、ステップS204に進む。
【0100】
ステップS203では、デバッグ表示コマンドを副制御部400に送信する。デバッグ表示コマンドは、副制御部400が管理している内部変数情報(詳しくは後述するが、遊技関連情報、プログラム変数情報、操作履歴情報などが含まれる)を液晶表示装置157の画面上に表示させるための制御コマンドである。すなわち、本実施形態では、設定キースイッチの操作があり、かつリセットボタンの操作があった場合には、副制御部400は、デバッグ表示コマンドを受信するので、デバッグ表示コマンドの受信を契機に内部変数情報を、実行する演出画像に重ね合わせて表示させる。なお、詳しくは後述するが、内部変数情報は、複数のグループ(本実施形態では3)に分類されて管理されているため、副制御部400は、デバッグ表示コマンドを受信するたびに(リセットボタンが押下されるたびに)、液晶表示装置157に表示される内部変数情報をグループ単位に切り替える制御を行う。この結果、開発担当者は、設定値変更処理中に、リセットボタンを押下することにより、種々の内部変数情報をグループごとに確認することができるので、開発のデバッグ効率を向上させることができる。また、遊技店の店員にとっても、設定変更処理とともに種々の内部変数情報を確認できるので、便利な場合がある。一般的には、上述した開発のデバック効率を向上させることが目的ではあるが、使い方によっては、遊技台メーカーの営業職の人員が、遊技台の動作点検などを行うなどにも内部変数情報を閲覧して、動作点検に活用できる場合がある。なお、デバッグ表示コマンドを送信した後は、ステップS202に戻る。
【0101】
ステップS204では、現在設定されている設定値を設定値表示器に表示させる。なお、設定値表示器は、本体101の内部(詳しくは、前面扉102の背面)に設けられている7セグメントLED等の表示器である。
【0102】
ステップS205では、RAM313を初期化(RAMクリア)する。
【0103】
ステップS206では、設定変更操作があったか否かを判定する。ここで、設定変更操作とは、具体的には、設定変更スイッチの押下操作である。なお、設定変更スイッチは、本体101の内部(詳しくは、前面扉102の背面)に設けられたプッシュボタン式のスイッチである。設定変更スイッチの押下操作があった場合は、ステップS207に進み、そうでない場合はステップS208に進む。
【0104】
ステップS207では、設定値表示器に表示されている設定値を設定値変更操作に基づいて更新する。この設定値の更新は、設定変更スイッチを1回押下する毎に、現在設定されている設定値1〜6に対して1ずつ加算更新し、設定値が6を超えると1に戻ることを繰り返す。
【0105】
ステップS208では、スタートレバー135の操作があったか否かを判定する。スタートレバー135の操作があった場合はステップS209に進み、そうでない場合はステップS206に戻る。
【0106】
ステップS209では、現在、設定値表示器に表示されている設定値(変更操作ありで変更された設定値、変更操作なしで元々設定されていた設定値)をRAM313の設定値記憶領域に記憶し、設定値を確定する。
【0107】
ステップS210では、設定キースイッチがONからOFFに切り替えられたか否かを判定する。設定キースイッチがOFFにされた場合はステップS211へ進み、そうでない場合はステップS210の処理を繰り返し、設定キースイッチがOFFにされるのを待つ。
【0108】
ステップS211では、設定変更可能状態が終了したことを示す設定変更終了コマンドを副制御部400に送信して処理を終了する。
【0109】
なお、上述した設定値変更処理が実行されると、液晶表示装置157には、図22に示すように、リセットボタンで内部変数情報を確認できる旨のメッセージ(例えば、「リセットボタンでメーカー営業向け確認用情報を閲覧できます」などのメッセージ)が表示される。すなわち、本実施形態では、副制御部400が設定変更開始コマンドを受信すると、副制御部400は、図22に示す演出画像を表示するように副制御部500を制御する。
【0110】
<主制御部メイン処理>
次に、図10を用いて、主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は、図8のステップS108の主制御部メイン処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【0111】
遊技の基本的制御は、主制御部300のCPU310が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、CPU310が同図の主制御部メイン処理を繰り返し実行する。そして、各処理の実行によって得られた情報は、所定のタイミングで副制御部400に適宜送信される。
【0112】
ステップS301では、メダル投入に関する処理を行う。ここでは、メダルの投入の有無をチェックし、投入されたメダルの枚数に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。なお、前回の遊技で再遊技役に入賞した場合は、メダルの追加投入をすることなく前回の遊技と同じ賭け数の遊技を行うことができる。また、ステップS301では、遊技のスタート操作に関する処理を行う。ここでは、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタート操作されたと判断した場合は、投入されたメダル枚数を確定するとともに、副制御部400に対して、スタート操作を示すスタートコマンドを送信する。なお、ステップS301のメダル投入処理に関しては、詳しくは後述する。
【0113】
ステップS302では、有効な入賞ラインを確定し、ステップS303では、乱数発生回路317で発生させた乱数を取得する。
【0114】
ステップS304では、ステップS304で取得した乱数値と、現在の遊技状態に応じてROM312に格納されている入賞役抽選テーブルを用いて、入賞役の内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役(作動役を含む)に内部当選した場合、その入賞役のフラグがONになる。また、このステップS304では、入賞役内部抽選の結果、入賞役に内部当選したと判定した場合には入賞役に対応するコマンドを、また、ハズレ(入賞役の非当選)と判定した場合にはハズレに対応するコマンドを、副制御部400に送信する。例えば、特別役に内部当選した場合には、副制御部400に対して特別役(ボーナス役)内部当選コマンドを送信し、スイカまたはチェリーに内部当選した場合には、副制御部400に対してスイカ/チェリー内部当選コマンドを送信する。
【0115】
ステップS305では、ROM312に格納されているリール停止制御データ選択テーブルを参照し、ステップS304の内部抽選結果等に基づいて候補となるリール停止制御データを選択する。
【0116】
ステップS306では、リール回転開始処理により、全リール110〜112の回転を開始させる。
【0117】
ステップS307では、リール停止制御処理により、押されたストップボタン137〜139に対応するリール110〜112の回転を停止させる。この際、各リール110〜112を、ステップS305で選択したリール停止制御データに基づいて停止させる。
【0118】
ステップS308では、ストップボタン137〜139が押されることによって停止した図柄の入賞判定を行う。ここでは、有効ライン上に、内部当選した入賞役またはフラグ持越し中の入賞役に対応する図柄組合せが揃った(表示された)場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効ライン上に「リプレイ図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」が揃っていたならばリプレイ入賞と判定する。また、このステップS308では、入賞判定の結果、入賞役に入賞したと判定した場合に、入賞役に対応するコマンドを副制御部400に送信する。例えば、有効ライン上に「CHANCE図柄−CHANCE図柄−CHANCE図柄」が表示された場合(チャンスに入賞した場合)には、副制御部400に対してCHANCE図柄表示コマンドを送信する。また、BB1、BB2、またはRBに入賞した場合も同様に、副制御部400に対してBB1入賞コマンド、BB2入賞コマンド、またはRB入賞コマンドをそれぞれ送信する。
【0119】
ステップS309では、メダル払出処理を行う。このメダル払出処理では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを払い出す。
【0120】
ステップS310では、遊技状態制御処理を行う。この遊技状態制御処理では、遊技状態を移行するための制御が行われ、例えば、BB(ビッグボーナス)入賞の場合には次回からRT2モードを開始できるよう準備する。以上により1ゲームが終了する。以降、上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
【0121】
<演出用投入ボタン受付処理>
次に、図11を用いて、メダル投入処理について説明する。図11は、図10のステップS301のメダル投入処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【0122】
ステップS401では、再遊技作動フラグの設定がある(再遊技作動フラグがON)か否か(再遊技作動フラグがOFF)を判定する。再遊技作動フラグは、前回の遊技で再遊技役に入賞した場合に設定される。再遊技作動フラグの設定がある場合には、ステップS402に進み、再遊技作動フラグの設定がない場合には、ステップS404に進む。
【0123】
ステップS403では、前回の遊技で設定されたメダルの賭け数を再度設定する。
【0124】
ステップS404では、メダル投入を受け付ける投入受付処理を行う。
【0125】
ステップS405では、演出用投入ボタン受付処理(詳しくは後述)を行う。
【0126】
ステップS406では、メダルの賭け数の設定があるか否かを判断する。賭け数の設定がある場合には、ステップS407に進み、賭け数の設定がない場合には、ステップS404に戻る。
【0127】
ステップS407では、スタートレバー135の操作受付があったか否かを判断する。スタートレバー135の操作受付があった場合には、ステップS408に進み、スタートレバー135の操作受付がない場合には、ステップS404に戻る。
【0128】
ステップS408では、再遊技作動フラグの設定を消去する(再遊技作動フラグをOFFにする)。
【0129】
ステップS409では、その他の処理を行う。
【0130】
<演出用投入ボタン受付処理>
次に、図12を用いて、演出用投入ボタン受付処理について説明する。同図は、図11のステップS405の演出用投入ボタン受付処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【0131】
ステップS501では、規定枚数のメダルを投入済みであるか否かを判定する。規定枚数のメダルを投入済みである場合には、ステップS502に進み、そうでない場合には、演出用投入ボタン受付処理を終了する。
【0132】
ステップS502では、MAXBET投入ボタン(メダル投入ボタン132)の操作受付があったか否かを判定する。MAXBET投入ボタンの操作受付があった場合には、ステップS503に進み、MAXBET投入ボタンの操作受付がない場合には、演出用投入ボタン受付処理を終了する。
【0133】
ステップS503では、規定枚数のメダルを投入後にMAXBET投入ボタンが操作されたことを示す演出用投入ボタン受付コマンドを副制御部400に送信する。演出用投入ボタン受付コマンドは、上述のデバッグ表示コマンドと同一の機能を有しており、副制御部400が管理している内部変数情報を液晶表示装置157の画面上に表示させるための制御コマンドである。すなわち、本実施形態では、規定枚数のメダルを投入後にMAXBET投入ボタンが操作された場合には、副制御部400は、デバッグ表示コマンドを受信するので、デバッグ表示コマンドの受信を契機に内部変数情報を、実行する演出画像に重ね合わせて表示させる。また、副制御部400は、演出用投入ボタン受付コマンドを受信するたびに(MAXBET投入ボタンが押下されるたびに)、液晶表示装置157に表示される内部変数情報をグループ単位に切り替える制御を行う。この結果、開発担当者は、設定値変更処理中に、リセットボタンを押下することにより、種々の内部変数情報をグループごとに確認することができるので、開発のデバッグ効率を向上させることができる。また、遊技店の店員にとっても、設定変更処理とともに種々の内部変数情報を確認できるので、便利な場合がある。一般的には、上述した開発のデバック効率を向上させることが目的ではあるが、使い方によっては、遊技台メーカーの営業職の人員が、遊技台の動作点検などを行うなどにも内部変数情報を閲覧して、動作点検に活用できる場合がある。
【0134】
このように本実施形態では、設定値変更処理中に内部変数情報を確認できることに加えて、遊技の最中においても規定枚数のメダル投入後にMAXBET投入ボタンを操作することにより、種々の内部変数情報をグループごとに確認することができる。
【0135】
なお、本実施形態では、規定枚数のメダル投入後にMAXBET投入ボタンを操作すると種々の内部変数情報をグループごとに確認することができるが、内部変数情報の確認タイミングはこれに限定されない。例えば、規定枚数のメダル投入後に所定回数のMAXBET投入ボタンを操作してから内部変数情報を確認できるようにしてもよく、また、規定枚数に満たないBET数において、クレジットの貯留枚数がない状況下でMAXBET投入ボタンを操作すると種々の内部変数情報をグループごとに確認できるようにしてもよい。
【0136】
なお、ステップS503で演出用投入ボタン受付コマンドを副制御部400に送信した後は、ステップS502に戻る。
【0137】
<副制御部400の処理>
次に、図13を用いて、副制御部400の処理について説明する。まず、図13(a)を用いて、副制御部400メイン処理を行う。図13(a)は、副制御部400のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
【0138】
電源投入が行われると、まずステップS601で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM413内の記憶領域の初期化処理等を行う。
【0139】
ステップS602では、コマンド入力処理(詳細は後述する)を行う。
【0140】
ステップS603では、演出データの更新処理を行う。この演出データの更新処理では、演出を制御するための動作制御データ等の更新を行う。具体的には、例えば、副制御部500へ送信する制御コマンドの有無を判定し、判定結果に基づいて動作制御データ等を更新する。
【0141】
ステップS604では、ステップS603で更新した演出データの中に副制御部400の各演出デバイス(演出ランプ430、スピーカ483等)のドライバに出力するデータがあるか否かを判定する。該当する場合はステップS605へ進み、該当しない場合はステップS606に進む。
【0142】
ステップS605では、副制御部400の演出デバイスのドライバにデータをセットする。データのセットにより演出デバイスがそのデータに応じた演出を実行する。
【0143】
ステップS606では、ステップS603で更新した演出データの中に副制御部500に送信する制御コマンドがあるか否かを判定する。該当する場合はステップS607へ進み、該当しない場合はステップS602に戻る。
【0144】
ステップS607では、副制御部500に制御コマンド(例えば、液晶表示装置157に演出画像を表示するための表示制御コマンド等)を送信してステップS602に戻る。
【0145】
次に、図13(b)を用いて、副制御部400のストローブ割込み処理について説明する。同図は、副制御部400ストローブ割込み処理の流れを示すフローチャートである。
【0146】
このストローブ割込み処理は、副制御部400が、主制御部300が制御コマンドの送信とともに出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。ストローブ割込み処理のステップS701では、主制御部300が出力した制御コマンドを未処理コマンドとしてRAM413に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
【0147】
次に、図13(c)を用いて、副制御部400のタイマ割込み処理について説明する。同図は、副制御部400タイマ割込み処理の流れを示すフローチャートである。
【0148】
副制御部400は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込みを発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込みを契機として、副制御部400タイマ割込み処理を実行する。このタイマ割込み処理のステップS801では、RAM413の所定記憶領域に記憶した汎用タイマを更新する。なお、本実施形態では、割込み処理を5回行う毎に汎用タイマを1つ加算することによって汎用タイマの更新周期を10ms(=2ms×5回)に設定している。
【0149】
<コマンド入力処理>
次に、図14を用いて、コマンド入力処理について詳しく説明する。同図は、図13(a)のステップS602のコマンド入力処理を詳しく示すフローチャートである。
【0150】
ステップS901では、RAM413に設けたコマンド記憶領域に少なくとも1つの未処理コマンド(後述するストローブ割込み処理によって格納される制御コマンド)が格納されているか否かを判定する。該当する場合はステップS902へ進み、該当しない場合はコマンド入力処理を終了する。
【0151】
ステップS902では、未処理コマンドがデバッグ表示コマンドであるか否か(デバッグ表示コマンドを受信したか否か)を判定する。デバッグ表示コマンドを受信した場合には、ステップS904に進み、そうでない場合には、ステップS903に進む。
【0152】
ステップS903では、未処理コマンドが演出用投入ボタン受付コマンドであるか否か(演出用投入ボタン受付コマンドを受信したか否か)を判定する。演出用投入ボタン受付コマンドを受信した場合には、ステップS904に進み、そうでない場合には、ステップS906に進む。
【0153】
ステップS904では、液晶表示装置157に演出画像を表示させるための表示制御データのデバッグフラグをONに設定し、次いで、ステップS905では、表示制御データのページ番号をセットする。すなわち、デバッグ表示コマンドまたは演出用投入ボタン受付コマンドを受信した場合には、表示制御データのデバッグフラグをONに設定し、ページ番号をセットする。本実施形態では、表示制御データは、表示制御コマンドとして副制御部500に送信される(図13の副制御部400メイン処理のステップS607において副制御部500に送信される)。
【0154】
ここで、図15及び図16を用いて、表示制御コマンドについて説明する。図15は、表示制御コマンドの構成を示す概念図であり、図16は、表示制御コマンドに含まれる内部変数情報の構成を示す概念図である。表示制御コマンドは、図15に示すように、演出画像に関連するデータ群d1と、内部変数情報に関連するデータ群d2とに大別される。そして、データ群d1には、画像データ(本実施形態では、3つの画像データ、具体的には画像データ1、2、3で構成される)、及びアプリ固有データが含まれ、データ群2には、デバッグデータフラグ、ページ番号、内部変数情報(本実施形態では、複数の内部変数情報、具体的には、01データ、02データ、…で構成される)が含まれる。
【0155】
より詳しくは、画像データは、液晶表示装置157に画面上に表示される画像データであり、アプリ固有データは、画像データ上に表示される数値データ(例えば、獲得枚数、ARゲーム数など)である。例えば、図17に示すような画像データが液晶表示装置157上に表示される場合には、図17に示す画像データ(副制御部500のCG−ROM535に格納されている)を取得可能なアドレス情報が画像データに設定される。
【0156】
また、データ群2のデバッグデータフラグは、表示制御コマンドに内部変数情報を含んでいるか否かを示すフラグ情報であり、デバッグデータフラグがONの場合には、表示制御コマンドは内部変数情報を含み、デバッグデータフラグがOFFの場合には、内部変数情報を含まない。すなわち、デバッグデータフラグがONの場合には、液晶表示装置157には演出画像が表示されるとともに内部変数情報が表示され、デバッグデータフラグがOFFの場合には、液晶表示装置157には演出画像が表示される。
【0157】
本実施形態では、内部変数情報は、図16に示すように、3つのグループに分類されて管理されている(図16に示す各項目は、内部変数情報に関連するデータ群d2の01データ、02データ、…に相当するデータである)。ページ番号は、このグループを一意に識別可能な番号であり、本実施形態では、デバッグ表示コマンドまたは演出用投入ボタン受付コマンドを受信するたびに、ページ01→02→03→01→…という順序により、該当するページ番号の内部変数情報が順次、表示制御コマンドにセットされるようになっている。すなわち、設定値変更処理でリセットボタンを操作するごと、あるいは規定枚数のメダル投入後にMAXBET投入ボタンを操作するごとに、ページ番号が異なる内部変数情報が順次液晶表示装置157に表示されるようになっている。
【0158】
具体的には、ページ01の内部変数情報には、IN枚数、OUT枚数、トータルゲーム数、BB回数、RB回数、AT回数、設定値別ゲーム消化回数、テスト情報などの遊技関連情報で構成され、ページ02の内部変数情報には、AT抽選状態、AT権利、演出状態、などのプログラム変数(液晶表示装置157、可動部材202、204などを用いた演出を実行するプログラムの内部変数)に関する情報で構成され、ページ03の内部変数情報には、停止操作順、演出用投入ボタンの操作など操作履歴に関する情報で構成されている。なお、これらの内部変数情報は副制御部400が実行する制御処理に関する情報(制御処理の実行により変化する情報も含まれる)であり、副制御部400が管理している情報である(主制御部300からのコマンド送信により把握する情報も含まれる)。
【0159】
図18は、内部変数情報を液晶表示装置157に表示する場合に内部変数情報が表示される領域(以下、内部変数表示領域S1という)を示している。本実施形態では、内部変数情報を液晶表示装置157に表示する場合には、演出画像の画像データを表示しつつ、内部変数情報を表示するが、その際には、内部変数情報の視認性をよくするため、半透明の下敷き画像を演出画像に重ねて表示して、内部変数表示領域S1を形成する。
【0160】
このように、演出画像の一部に半透明画像を重ねて表示することにより内部変数表示領域S1を形成し、その内部変数表示領域S1に内部変数情報を視認可能な表示態様で表示する。これにより、演出画像と内部変数情報の両者を確認することができる。この場合、内部変数表示領域S1は演出画像の表示領域よりも小さい表示領域で形成され、内部変数情報はプログラム言語でなく、テキスト情報として、表示されることが望ましい。また、半透明画像により内部変数情報の視認性を向上させる実施形態を説明したが、内部変数情報の文字の周囲に白色で枠線を囲い表示するなどの強調表示を行って視認性を向上させてもよい。この場合には、内部変数情報の視認性がさらに向上する場合がある。
【0161】
図19は、図18に示す内部変数表示領域S1に遊技関連情報に関連する内部変数情報を表示した場合の画面例である。すなわち、表示制御コマンドのデバッグデータフラグがON、かつページ番号が01の場合には、図19に示すように、演出画像を表示しつつ、遊技関連情報(具体的には、IN枚数1000枚、OUT枚数800枚、トータルゲーム数1200ゲーム、BB回数4回、RB回数1回、AT回数3回、設定値6のゲーム数17500、設定値5のゲーム数12400など)を表示する。この場合には、ユーザ(遊技者、店員、開発担当者)は、遊技関連情報を確認することができる。
【0162】
また、図20は、図18に示す内部変数表示領域S1にプログラム変数に関する内部変数情報を表示した場合の画面例である。すなわち、表示制御コマンドのデバッグデータフラグがON、かつページ番号が02の場合には、図20に示すように、演出画像を表示しつつ、プログラム変数に関する内部変数情報(具体的には、AT抽選状態が高確率状態、AT権利が3回、演出状態が高確率状態など)を表示する。この場合には、ユーザ(遊技者、店員、開発担当者)は、実行中の演出を見ながら、その演出を実行しているプログラムの内部変数を確認することができる。
【0163】
また、図21は、図18に示す内部変数表示領域S1に操作履歴情報に関する内部変数情報を表示した場合の画面例である。すなわち、表示制御コマンドのデバッグデータフラグがON、かつページ番号が03の場合には、図21に示すように、演出画像を表示しつつ、操作履歴情報に関する内部変数情報(具体的には、直近3ゲームのストップボタンの停止操作順[左→中→右、左→中→右、中→右→左]、直近3ゲームの演出用投入ボタンの操作の有無[有り、無し、有り]など)を表示する。この場合には、ユーザ(遊技者、店員、開発担当者)は、操作履歴情報を確認することができる。
【0164】
なお、この場合には、以下のケースで大いに役に立つ場合がある。例えば、遊技者が遊技台の表示装置に表示されている停止操作指示(押し順ナビ)を間違えて操作した場合、それに難癖を付け遊技店に文句を言ってくる遊技客がいたとする。その場合でも、操作履歴情報を確認することにより、さらなるトラブルの発展に歯止めをかけることができる場合もある。
【0165】
図14に戻り、ステップS906では、その他のコマンドに応じた処理を実行する。例えば、内部当選した入賞役に関するコマンドを受信した場合には、入賞役に応じた表示制御情報をセットする。なお、ステップS902及びS903で述べたコマンドも含めて、コマンド記憶領域から取得した未処理コマンドは、コマンド記憶領域から消去する。
【0166】
<副制御部500の処理>
次に、副制御部500の処理について説明する。まず、図23(a)を用いて、副制御部500メイン処理について説明する。図23(a)は、副制御部500のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
【0167】
電源投入が行われると、まずステップS1001で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM513内の記憶領域の初期化処理等を行う。また、CG−ROM535に記憶した画像データやカラーパレットデータのうち、使用頻度の多いデータをVRAM613に転送する処理等を行う。
【0168】
ステップS1002では、コマンド入力処理を行う。ここでは、まず、RAM513に設けたコマンド記憶領域に少なくとも1つの未処理コマンド(後述する副制御部500の割込み処理によって格納される制御コマンド)が格納されているか否かを判定する。そしてコマンド記憶領域に未処理の制御コマンドが格納されている場合には、コマンド記憶領域から制御コマンドを1つ取得して解析し、解析結果に応じた処理を実行する。なお、取得した制御コマンドはコマンド記憶領域から消去する。
【0169】
ステップS1003では、演出データの更新処理を行う。この演出データの更新処理では、例えば、副制御部600へ送信する制御コマンドの有無を判定し、判定結果に基づいて演出のための制御データ等の更新を行う。
【0170】
ステップS1004では、画像制御処理(詳しくは後述する)を行う。画像制御処理は、VDP534により、液晶表示装置157に演出用の画像を表示させる処理である。本実施形態では、受信した表示制御コマンドの内容に応じて、演出画像及び内部変数を表示させる。
【0171】
ステップS1005では、ステップS1003で更新した演出データの中に副制御部600に送信する制御コマンドがあるか否かを判定する。該当する場合はステップS1006に進み、該当しない場合はステップS1002に戻る。
【0172】
ステップS1006では、副制御部600に制御コマンドを送信する。ここでは、垂直可動部材202および水平可動部材204を動作させる演出を行う場合に、モータコマンド等を副制御部600に送信する。コマンドを送信した後は、ステップS1002に戻る。
【0173】
次に、図23(b)を用いて、副制御部500の割込み処理について説明する。同図は、副制御部500割込み処理の流れを示すフローチャートである。副制御部500は、所定の周期(本実施形態では、2msに1回)でタイマ割込みを発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込みを契機として、副制御部500割込み処理を実行する。
【0174】
ステップS1101では、副制御部400からの受信コマンドがあるか否かを判定する。副制御部400からコマンドを受信した場合はステップS1002に進み、そうでない場合は処理を終了する。
【0175】
ステップS1102では、受信コマンドを未処理コマンドとしてRAM513のコマンド記憶領域に記憶する。
【0176】
<画像制御処理>
次に、図24を用いて、画像制御処理について説明する。同図は、図15(a)のステップS1004の画像制御処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【0177】
ステップS1201では、画像データの転送指示を行う。ここでは、CPU510は、まず、VRAM536の表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていない表示領域に記憶された1フレームの画像が演出画像表示装置157に表示される。次に、CPU10は、VDP534のアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてROM座標(CG−ROM535の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM536の転送先アドレス)などを設定した後、CG−ROM535からVRAM536への画像データの転送開始を指示する命令を設定する。VDP534は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをCG−ROM535からVRAM536に転送する。その後、VDP534は、転送終了割込信号をCPU510に対して出力する。
【0178】
ステップS1202では、VDP534からの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合はステップS1203に進み、そうでない場合は転送終了割込信号が入力されるのを待つ。
【0179】
ステップS1203では、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、CPU510は、ステップS1201でVRAM536に転送した画像データに基づいてVRAM536の表示領域AまたはBに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM536の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)など)をVDP534に指示する。VDP534はアトリビュートレジスタに格納された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。
【0180】
ステップS1204では、描画指示を行う。この描画指示では、CPU510は、VDP534に画像の描画開始を指示する。VDP534は、CPU510の指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。
【0181】
ステップS1205では、画像の描画終了に基づくVDP534からの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が入力された場合はステップS1206に進み、そうでない場合は生成終了割込み信号が入力されるのを待つ。
【0182】
ステップS1206では、RAM513の所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタをインクリメント(+1)する。
【0183】
ステップS1207では、受信した表示制御コマンドのデバッグ表示フラグがONであるか否かを判定する。デバッグ表示フラグがONの場合には、内部変数情報を表示するため、ステップS1208に進み、デバッグ表示フラグがOFFの場合には、内部変数情報を表示しないため、ステップS1210に進む。
【0184】
ステップS1208では、表示制御コマンドに内部変数情報が含まれているので、表示制御コマンドのページ番号を取得し、次いで、ステップS1209では、取得したページ番号の内部変数情報を視認可能な情報に加工し、レイアウト調整した後に、液晶表示装置157に表示する。例えば、ページ番号が01の場合には、内部変数情報として、IN枚数、OUT枚数、トータルゲーム数などの遊技関連情報が含まれているので、これらの情報をユーザ(遊技者、店員、開発担当者)が識別できる情報(情報のタイトルを付して10進法表記で表示するなど)に加工して表示する(図19参照)。
【0185】
ステップS1210では、表示制御コマンドに内部変数情報が含まれていないので、内部変数情報を表示しない。つまり、現在、液晶画像表示装置157上に内部変数情報が表示されている場合には、液晶画像表示装置157上に表示されている内部変数情報が消去され、現在、液晶画像表示装置157上に内部変数情報が表示されていない場合には、演出画像に変化はない。
【0186】
なお、本実施形態では、表示制御コマンドのデバッグ表示フラグがOFFの場合に、内部変数情報を表示しないようにしたが、これに代えてまたは加えて、所定の操作を示すコマンド(例えば、スタートレバー135の操作を示すスタートコマンド)を受信した場合に内部変数情報を消去するようにしてもよい。
【0187】
また、本実施形態では、ボタン(リセットボタン、MAXBETボタン)の操作により、内部変数情報の表示切り替えを行うようにしたが、内部変数情報の表示切り替えの方法はこれに限定されず、他の方法でもよい。例えば、所定時間の経過により、内部変数情報の表示が順次切り替えられるようにしてもよい。
【0188】
<副制御部600の処理>
次に、副制御部600の処理について説明する。図25(a)は、副制御部600のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
【0189】
電源投入が行われると、まずステップS1301で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM613内の記憶領域の初期化処理等を行う。また、左モータ215、右モータ225および上モータ235を制御して、垂直可動部材202および水平可動部材204を基準位置に移動させる処理を行う。
【0190】
ステップS1302では、RAM613のコマンド記憶領域に未処理コマンド(後述する副制御部600の割込み処理によって格納される制御コマンド)が格納されているか否かを判定する。未処理コマンドがある場合はステップS1303に進み、そうでない場合はステップS1304に進む。
【0191】
ステップS1303では、未処理コマンドの内容を解析して判定する。
【0192】
ステップS1304では、未処理コマンドがモータコマンドであるか否かを判定する。未処理コマンドが、左モータ215、右モータ225および上モータ235を制御するためのモータコマンドである場合はステップS1305に進み、そうでない場合はステップS1306に進む。
【0193】
ステップS1305では、左モータ215、右モータ225、上モータ235の駆動制御を行うモータ制御処理を行う。具体的には、本実施形態では、受信したモータコマンドに基づき、ROM612の所定の領域に予め記憶されたパーツリストデータを参照して制御情報を取得する。そして、取得したパーツリストデータに基づき、ROM612の所定の領域に予め記憶されたパーツデータを参照してより詳細な制御情報を取得する。
【0194】
図26は、モータコマンド、パーツリストデータおよびパーツデータの構造を示した概念図である。同図に示されるように、副制御部500から送信されるモータコマンドは、2byte×4の合計8byte長のデータによって構成されており、先頭から2byteごとに、左モータ215、右モータ225、上モータ235および下モータ675についてどのパーツリストデータを参照するかを示した情報(各々のパーツリストデータが格納されているROM612上の先頭アドレス)がそれぞれ格納されている。なお、本実施形態では、下モータ675は使用していないのでモータコマンドの下モータ675の領域には無効コマンドが格納されているが、下モータ675の領域に無効コマンドを格納するのではなく、モータコマンドを2byte×3の合計6byte長のデータで構成してもよい。
【0195】
パーツリストデータは、同図に示されるように、例えば「動作パターン」、「動作回数」、「データ数(N)」および「データ1〜N」の項目から構成されており、ROM612の所定記憶領域に予め記憶されている。本実施形態では、「動作パターン」の領域に0が格納されている場合は絶対座標動作(主動作)を示し、1が格納されている場合は相対座標動作(副動作)を示している。また、「動作回数」の領域には、0〜65535の範囲で動作回数が格納されている(0の場合は無限ループとなる)。「データ数」の領域には、0〜65535の範囲でデータ1〜Nの総数(N)が格納されている(0の場合は無効(無視)となる)。「データ1〜N」の領域には、パーツデータを参照するためのアドレス(各々のパーツデータが格納されているROM612上の先頭アドレス)がそれぞれ格納されている。すなわち、パーツリストデータは最小単位の制御情報である複数のパーツデータを時系列的に組み合わせることで、様々な連続動作の制御を実行可能に構成されている。
【0196】
パーツデータは、同図に示されるように、例えば「動作パターン」、「移動位置(停止ポジション)」、「移動に要する時間」の項目から構成されており、ROM612の所定記憶領域に予め記憶されている。本実施形態では、「動作パターン」の領域に0が格納されている場合は絶対座標動作(主動作)を示し、1が格納されている場合は相対座標動作(副動作)を示している。「移動位置」の領域には、移動位置(移動先の位置)の座標に関する情報(例えば、基準位置(原点)から移動先までのモータのステップ数)が0.4ミリ単位で格納されている。「移動に要する時間」の領域には、0〜65535msの範囲で移動に要する時間が格納されている(0の場合は最速動作となる)。
【0197】
図25に戻り、ステップS1306では、副制御部400へコマンドを送信するか否かを判定する。副制御部400へコマンドを送信する場合はステップS1307に進み、そうでない場合は、ステップS1302に戻る。
【0198】
ステップS1307では、副制御部400へコマンドを送信して、ステップS1302に戻る。副制御部600メイン処理では上記ステップS1302〜S1307の処理を繰り返し実行する。
【0199】
次に、図26(b)を用いて、副制御部600の割込み処理について説明する。同図は、副制御部600割込み処理の流れを示すフローチャートである。副制御部600は、所定の周期(本実施形態では、2msに1回)でタイマ割込みを発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込みを契機として、副制御部600割込み処理を実行する。
【0200】
ステップS1401では、受信コマンドがあるか否かを判定する。副制御部500からコマンドを受信した場合はステップS1402に進み、そうでない場合は処理を終了する。
【0201】
ステップS1402では、受信コマンドを未処理コマンドとしてRAM613のコマンド記憶領域に記憶する。
【0202】
以上述べたように、本実施形態によれば、所定の演出画像を表示するための表示手段(例えば、液晶表示装置157)と、演出に関する制御処理を実行する演出制御手段(例えば、副制御部400)と、前記演出制御手段の制御処理に従って、前記表示手段に表示される演出画像の表示制御を行う表示制御手段(例えば、副制御部500)と、を備えた遊技台(例えば、スロットマシン100)であって、前記演出制御手段は、所定の条件が成立した場合には(例えば、設定値変更処理中にリセットボタン押下、規定枚数のメダル投入後にMAXBETボタン押下など)、前記制御処理の実行により変化する情報である内部変数情報(例えば、メダル投入数、メダル払出数、BB回数、AT抽選状態、停止操作順など)を前記表示制御手段に送信し、前記表示制御手段は、前記内部変数情報を受信した場合には、前記表示手段に表示される演出画像を維持したまま、前記内部変数情報を視認可能な表示態様で前記表示手段に表示させる表示制御を行う。
【0203】
このような構成により、本実施形態においては、演出制御手段が管理する内部変数情報を演出画像と一緒に視覚的に確認することができる。この結果、演出画像では確認できない内部的な制御処理の実行結果などを確認することができる。
【0204】
また、前記内部変数情報は、遊技に関連する遊技関連情報、プログラム変数に関するプログラム変数情報、及び操作履歴に関する操作履歴情報のうち、少なくとも一つ以上を含むことが好ましい。
【0205】
この場合には、遊技に関する内部変数情報を確認することができ、開発担当者にとっては、開発のデバッグ効率を向上させることができる場合がある。
【0206】
また、前記内部変数情報は、複数のグループに分類されており、前記演出制御手段は、前記所定の条件が成立するたびに、前記内部変数情報をグループ単位で順次送信し、前記表示制御手段は、前記所定の条件が成立するたびに、受信した前記内部変数情報を順次グループ単位で前記表示手段に表示することが好ましい。
【0207】
この場合には、種類別にまとまりある内部変数情報を順次確認でき、関連する情報をひとまとまりで確認することができる。この結果、開発のデバッグ効率を向上させることができる。
【0208】
また、遊技に関する操作を行うための操作手段を備え、前記所定の条件は、前記操作手段に対する操作が行われた場合に成立し、前記操作手段に対する操作が行われるごとに、前記演出制御手段は、前記内部変数情報をグループ単位で順次送信し、前記表示制御手段は、受信した前記内部変数情報を順次グループ単位で前記表示手段に表示することが好ましい。
【0209】
この場合には、遊技台に備えられた操作手段を操作することにより、簡単に内部変数情報の表示を切り替えることができる。
【0210】
また、前記操作手段には、遊技を開始するための遊技開始操作手段が含まれ、前記演出制御手段は、前記遊技開始操作手段に対する操作が行われる場合には、前記表示手段に表示されている内部変数情報を消去する制御情報を前記表示制御手段に送信し、前記表示制御手段は、前記表示手段に表示されている内部変数情報を消去することが好ましい。
【0211】
この場合には、遊技操作の開始に基づいて、表示している内部変数情報を消去するので、内変数情報の消去が容易である。
【0212】
以上、本発明に係る遊技台は、複数種類の図柄が施された複数のリールと、各々の前記リールに対応して設けられ、前記リールの回転を個別に停止させるためのストップボタンと、前記抽選結果決定手段の抽選結果と前記ストップボタンの操作に基づいて、前記リールを停止させるリール停止制御手段と、を備えると共に、前記リールの回転を開始させるためのスタートレバーを備え、停止時の前記リールにより表示される図柄の組合せが、内部当選した前記役に対応して予め定められた図柄の組合せである場合に、前記役に入賞するように構成されているスロットマシンに好適であるが、パチンコやゲーム機などにも適用可能である。
【0213】
例えば、「所定の遊技領域に球を発射する発射装置と、発射装置から発射された球を入球可能に構成された入賞口と、入賞口に入球した球を検知する検知手段と、検知手段が球を検知した場合に球を払出す払出手段と、所定の図柄(識別情報)を変動表示する可変表示装置を備え、入賞口に遊技球が入って入賞することを契機として、可変表示装置が図柄を変動させた後に停止表示させて、遊技状態の推移を告知するようなパチンコ機」において、所定の時期に所定の操作部を操作することにより、内部変数情報が表示されるようにしてもよい。
【0214】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、本発明の実施の形態に対して種々の変形や変更を施すことができ、そのような変形や変更を伴うものもまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0215】
100 スロットマシン
110、111、112 リール
113 図柄表示窓
114 入賞ライン
130、131、132 メダル投入ボタン
135 スタートレバー
137、138、139 ストップボタン
300 主制御部
400、500、600 副制御部
157 液晶表示装置
202 垂直可動部材
204 水平可動部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシン(パチスロ)、パチンコに代表される遊技台に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の遊技台は、リール上に描かれた図柄のうち、特定の組合せが有効ライン上に揃うことで多くの遊技媒体を通常よりも獲得できる有利な状態(以下、ボーナス遊技)へ移行するようになっている。また、このようなボーナス遊技以外でも遊技媒体を通常よりも多く獲得できる有利な状態として、内部抽選の結果を遊技者に報知するような場合がある。例えば、画像表示により抽選結果を報知し、その報知割合を変動させることで遊技者が目押し操作の指標として停止操作するような、いわゆるATと呼ばれる機能が登場している。また、当選したボーナスを一時的にストックし、一定ゲーム数の消化やストックしたボーナスを揃えられる解除抽選による当選などの種々の条件を設定して、ボーナスの塊を作り出す、いわゆるストックと呼ばれる機能も登場している。このような、いずれの遊技台も、内部抽選に用いられる抽選データを識別するための設定値情報により出玉率をある程度、設定できるようになっている。遊技店では、この設定値を所定操作により設定して、営業をしている。
【0003】
ところで、このような設定値に関しては、その遊技台における出玉率に影響することから遊技者は、大変な関心を持つ。したがって、遊技者は、設定値を推測しながら遊技台の選定を行なったり、遊技継続の材料としたりする場合があった。この点、この設定値の推測の材料として、営業開始から消化したゲーム数や、ボーナス回数や、小役入賞の回数、AT回数、ボーナス連荘回数などを表示する履歴表示機能を搭載したスロットマシンが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2763193号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載のスロットマシンでは、多くの情報を収集して遊技者のために情報を開示することが可能ではあるが、開発現場における遊技機開発の担当者に役に立つ情報を開示しているとは言えない。例えば、開発担当者は、制御部がどのような命令を発してどのように実行しているか等に細心の注意を配る傾向にあるが、上記特許文献1に記載のスロットマシンでは、ある程度、決まった情報を収集するに過ぎず、制御部を動作させるための制御プログラムが正しく動作しているかどうかなどの要望を満たすことは困難であった。
【0006】
また、近年、演出装置の大型化に伴い演出の種類の多様化が進み、画像表示装置における画像演出の表現もその種類が豊富に存在する。そして、このような演出の種類も演出抽選に左右されることになるが、開発担当者などは、その演出抽選がどのような結果で演出画像が表示されているのかなどを実際には確認することができなかった。
【0007】
このように、制御部を動作させるための制御プログラムが正しく動作しているか、演出抽選の結果がどのようになっているか等、よりきめ細かな情報が視覚的にわかりやすく表示できるような環境が望まれていた。
【0008】
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、制御部における制御プログラムが正しく動作しているかどうかなどのきめ細かい情報を、演出画像と一緒に確認しながら視覚的にわかりやすく表示できる遊技台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る遊技台は、次のように構成される。
【0010】
本発明は、その一態様として、所定の演出画像を表示するための表示手段と、演出に関する制御処理を実行する演出制御手段と、前記演出制御手段の制御処理に従って、前記表示手段に表示される演出画像の表示制御を行う表示制御手段と、を備えた遊技台であって、前記演出制御手段は、所定の条件が成立した場合には、前記制御処理の実行により変化する情報である内部変数情報を前記表示制御手段に送信し、前記表示制御手段は、前記内部変数情報を受信した場合には、前記表示手段に表示される演出画像を維持したまま、前記内部変数情報を視認可能な表示態様で前記表示手段に表示させる表示制御を行う。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、制御部における制御プログラムが正しく動作しているかどうかなどのきめ細かい情報を、演出画像と一緒に確認しながら視覚的にわかりやすく表示できる遊技台を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの外観を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの主制御部300の回路ブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの副制御部400の回路ブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの副制御部500の回路ブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの副制御部600の回路ブロック図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの各リールに施される図柄の配列を表面的に展開して示した図である。
【図7】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの役の種類、役の名称、役に対応する図柄組合せ、役の払出し、及び備考を示した図である。
【図8】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの電源投入処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【図9】図8のステップS105の設定値変更処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【図10】図8のステップS108の主制御部メイン処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【図11】図10のステップS301のメダル投入処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【図12】図11のステップS405の演出用投入ボタン受付処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【図13】(a)は、本発明の一実施形態に係るスロットマシンの副制御部400メイン処理の流れを示すフローチャート、(b)は、本発明の一実施形態に係るスロットマシンの副制御部400ストローブ割込み処理の流れを示すフローチャート、(c)は、本発明の一実施形態に係るスロットマシンの副制御部400タイマ割込み処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】図13のステップS602のコマンド入力処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【図15】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの表示制御コマンドの構成を示す図である。
【図16】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの表示制御コマンドに含まれる内部変数情報の構成を示す図である。
【図17】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの液晶表示装置に表示される演出画像例である。
【図18】図17の演出画像に、内部変数情報を表示するための領域を重ねて表示した場合の画像例である。
【図19】図18の内部変数情報表示領域に、遊技関連情報を表示した場合の画像例である。
【図20】図18の内部変数情報表示領域に、プログラム変数情報を表示した場合の画像例である。
【図21】図18の内部変数情報の表示領域に、操作履歴情報を表示した場合の画像例である。
【図22】本発明の一実施形態に係るスロットマシンにおいて、設定変更値処理中に液晶表示装置に表示される画像例である。
【図23】(a)は、本発明の一実施形態に係るスロットマシンの副制御部500メイン処理の流れを示すフローチャート、(b)は、本発明の一実施形態に係るスロットマシンの副制御部500割込み処理の流れを示すフローチャートである。
【図24】図23のステップS1004の画像制御処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【図25】(a)は、本発明の一実施形態に係るスロットマシンの副制御部600メイン処理の流れを示すフローチャート、(b)は、本発明の一実施形態に係るスロットマシンの副制御部600割込み処理の流れを示すフローチャートである。
【図26】本発明の一実施形態に係るスロットマシンのモータコマンド、パーツリストデータおよびパーツデータの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0014】
<全体構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシン100の外観斜視図である。スロットマシン100は、メダルの投入により遊技が開始され、遊技の結果によりメダルが払い出されるものである。
【0015】
スロットマシン100は、本体101と、本体101の正面に取付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には、(図1において図示省略)外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110〜112はステッピングモータ等の駆動手段により回転駆動される。
【0016】
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110〜112が構成されている。リール110〜112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110〜112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール110〜112は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示手段として機能する。なお、このような表示手段としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
【0017】
各々のリール110〜112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110〜112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110〜112を停止させる。
【0018】
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ラインを示すランプである。有効となる入賞ラインは、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。入賞ラインは5ラインあり、例えば、メダルが1枚ベットされた場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚ベットされた場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚ベットされた場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5ラインが入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ラインの数については5ラインに限定されるものではなく、また、例えば、メダルが1枚ベットされた場合に、中段の水平入賞ライン、上段水平入賞ライン、下段水平入賞ライン、右下り入賞ラインおよび右上り入賞ラインの5ラインを入賞ラインとして有効としてもよい。
【0019】
告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役(具体的には、ボーナス)に内部当選していること、または、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
【0020】
メダル投入ボタン130〜132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという。)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、メダル投入ボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、メダル投入ボタン131が押下されると2枚投入され、メダル投入ボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、メダル投入ボタン132はMAXBET投入ボタンとも言う。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
【0021】
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、メダル投入ボタン130〜132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。
【0022】
スタートレバー135は、リール110〜112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口141に所望するメダル枚数を投入するか、メダル投入ボタン130〜132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110〜112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
【0023】
ストップボタンユニット136には、ストップボタン137〜139が設けられている。ストップボタン137〜139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110〜112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110〜112に対応づけられている。以下、ストップボタン137〜139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。なお、各ストップボタン137〜139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137〜139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
【0024】
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。メダル払出口155は、メダルを払出すための払出口である。
【0025】
音孔160a〜cはスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の下部に設けられたタイトルパネル162は、遊技台を装飾するためのものであり、前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置200が配設されている。この演出装置200は、垂直方向に移動可能な垂直可動部材202と、水平方向に移動自在な水平可動部材204と、これらの可動部材202、204の奥側に配設された液晶表示装置157を備えており、液晶表示装置157が演出表示を行うと共に、垂直可動部材202および水平可動部材204が液晶表示装置157の手前で演出動作を行う構造となっている。また、演出装置200には、これらの可動部材202、204を駆動するための左駆動機構、右駆動機構および上駆動機構が配設されている。
【0026】
また、垂直可動部材202および水平可動部材204の手前側には、液晶表示装置157、垂直可動部材202および水平可動部材204を覆うようにして透明なカバー部材が配設されている。このカバー部材の上部および下部には、半透明に着色された上部遮蔽領域206および下部遮蔽領域208がそれぞれ設けられており、液晶表示装置157、垂直可動部材202および水平可動部材204の一部を遮蔽している。
【0027】
<制御部>
次に、図2〜図5を用いて、このスロットマシン100の制御部の回路構成について詳細に説明する。
【0028】
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300より送信されたコマンド(制御コマンドとも言う)に応じて各種機器を制御する副制御部400と、副制御部400より送信されたコマンドに応じて各種機器を制御する副制御部500と、副制御部500より送信されたコマンドに応じて各種機器を制御する副制御部600と、によって構成されている。
【0029】
<主制御部300>
まず、図2を用いて、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御するための演算処理装置であるCPU310や、CPU310が各ICや各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、その他、以下に述べる構成を有する。
【0030】
クロック補正回路314は、水晶発振器311から発振されたクロックを分周してCPU310に供給する回路である。例えば、水晶発振器311の周波数が16MHzの場合に、分周後のクロックは8MHzとなる。CPU310は、クロック補正回路314により分周されたクロックをシステムクロックとして受け入れて動作する。
【0031】
また、CPU310には、後述するセンサやスイッチの状態を常時監視するための監視周期やモータの駆動パルスの送信周期を設定するためのタイマ回路315がバスを介して接続されている。CPU310は、電源が投入されると、データバスを介してROM312の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路315に送信する。
【0032】
タイマ回路315は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU310に送信する。CPU310は、この割込み要求を契機に、各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、CPU310のシステムクロックを8MHz、タイマ回路315の分周値を1/256、ROM312の分周用のデータを47に設定した場合、この割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
【0033】
また、CPU310には、各ICを制御するための制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶しているROM312や、一時的なデータを保存するためのRAM313が接続されている。これらのROM312やRAM313については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する各制御部においても同様である。
【0034】
CPU310には、さらに、入力インタフェース360、出力インタフェース370、371がアドレスデコード回路350を介してアドレスバスに接続されている。CPU310は、これらのインタフェースを介して外部のデバイスと信号の送受信を行っている。
【0035】
CPU310は、割込み時間ごとに入力インタフェース360を介して、メダル受付センサ320、スタートレバーセンサ321、ストップボタンセンサ322、メダル投入ボタンセンサ323、精算スイッチセンサ324、メダル払い出しセンサ326、インデックスセンサ325、扉センサ327の状態を検出し、各センサを監視している。
【0036】
メダル受付センサ320は、メダル投入口141の内部の通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバーセンサ321は、スタートレバー135に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタンセンサ322は、各々のストップボタン137〜139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
【0037】
メダル投入ボタンセンサ323は、メダル投入ボタン130〜132のそれぞれに設置されており、RAM313に電子的に貯留されているメダルを遊技用のメダルとして投入する場合の投入操作を検出する。たとえば、CPU310は、メダル投入ボタン130に対応するメダル投入ボタンセンサ323がLレベルになった場合に、電子的に貯留メダルを1枚投入し、メダル投入ボタン131に対応するメダル投入ボタンセンサ323がLレベルになった場合に、電子的に貯留メダルを2枚投入し、メダル投入ボタン132に対応するメダル投入ボタンセンサがLレベルになった場合に、電子的に貯留メダルを3枚投入する。なお、メダル投入ボタン132が押された際、貯留されているメダル枚数が2枚の場合は2枚投入され、1枚の場合は1枚投入される。
【0038】
本実施形態では、メダル投入ボタン132を、演出用投入ボタンとしても機能させている。すなわち、メダル投入ボタン132は、遊技者(開発担当者、遊技店店員を含む)の操作を介入させる演出を行う場合に、遊技者による演出操作を受け付けるためのボタンとしても機能するようになっている。具体的には、規定枚数のメダルが投入され、遊技の開始操作が可能な状態になった状態において、メダル投入ボタン132に対応するメダル投入ボタンセンサ323がLレベルになった場合、CPU310は、遊技者による演出操作があったもの(演出用投入ボタンの受付)と判断し、遊技者の操作に対応した処理を実行する。
【0039】
精算スイッチセンサ324は、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、貯留されているメダルを精算する。メダル払い出しセンサ326は、払い出されるメダルを検出するためのセンサである。扉センサ327は、前面扉102の開閉を検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
【0040】
インデックスセンサ325は、具体的には、各リール110〜112の取付台の所定位置に設置されており、リールに設けた遮光片がこのインデックスセンサ325を通過するたびにLレベルになる。CPU310は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
【0041】
出力インタフェース370には、リールを駆動させるためのリールモータ駆動部330と、ホッパー(バケットにたまっているメダルをメダル払出口155から払出すための装置。)のモータを駆動するためのホッパーモータ駆動部331と、遊技ランプ340(具体的には、入賞ライン表示ランプ120、遊技開始ランプ121、再遊技ランプ122、告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124等)と、7セグメント表示器341(貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127等)が接続されている。
【0042】
また、CPU310には、乱数発生回路317がデータバスを介して接続されている。
【0043】
乱数発生回路317は、水晶発振器316から発振されるクロックに基いて、一定の範囲内で値をインクリメントし、そのカウント値をCPU310に出力することのできるインクリメントカウンタであり、後述する入賞役の内部抽選をはじめ各種抽選処理に使用される。本発実施形態における乱数発生回路317は、水晶発振器316のクロック周波数を用いて0〜65535までの値をインクリメントする1つの乱数カウンタを備えている。
【0044】
また、CPU310のデータバスには、副制御部400に信号(例えば、ボーナスや小役の内部当選を示すコマンド、デバッグ表示コマンド、演出用投入ボタン受付コマンド等)を送信するための出力インタフェース371が接続されている。
【0045】
<副制御部400>
次に、図3を用いて、スロットマシン100の副制御部400について説明する。副制御部400は、主制御部300より送信されたコマンドに基づいて副制御部400の全体を制御する演算処理装置であるCPU410や、CPU410が各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。
【0046】
クロック補正回路414は、水晶発振器411から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU410に供給する回路である。
【0047】
また、CPU410にはタイマ回路415がバスを介して接続されている。CPU410は、所定のタイミングでデータバスを介してROM412の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路415に送信する。タイマ回路415は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU410に送信する。CPU410は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
【0048】
また、CPU410には、副制御部400の全体を制御するための命令及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータが記憶されたROM412や、データ等を一時的に保存するためのRAM413が各バスを介して接続されている。
【0049】
また、CPU410には、外部の信号を送受信するための入出力インタフェース460が接続されており、入出力インタフェース460には、各リール110〜112の図柄を背面より照明するためのバックライト420、RAM413のデータをクリアにするためのリセットスイッチ421が接続されている。さらに、CPU410には、データバスを介して主制御部300から信号(コマンド)を受信するための入力インタフェース461が接続されている。
【0050】
また、CPU410のデータバスとアドレスバスには、音源IC480が接続されている。音源IC480は、CPU410からの命令に応じて音声の制御を行う。また、音源IC480には、音声データが記憶されたROM481が接続されており、音源IC480は、ROM481から取得した音声データをアンプ482で増幅させてスピーカ483から出力する。
【0051】
また、CPU410には、主制御部300と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路450が接続されており、アドレスデコード回路450には、主制御部300からの信号(コマンド)を受信するための入力インタフェース461、入出力インタフェース470、時計IC422、が接続されている。CPU410は、時計IC422が接続されていることで、現在時刻を取得することが可能である。
【0052】
さらに、入出力インタフェース470には、デマルチプレクサ419が接続されている。デマルチプレクサ419は、入出力インタフェース470から送信された信号を各表示部等に分配する。即ち、デマルチプレクサ419は、CPU410から受信されたデータに応じて演出ランプ430(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、リールパネルランプ128、タイトルパネルランプ、受皿ランプ、等)を制御する。なお、タイトルパネルランプは、タイトルパネル162を照明するランプである。
【0053】
CPU410は、入力インタフェース461を介して受信したコマンドに基づいて、遊技全体を盛り上げる演出処理を自ら実行すると共に、演出処理を実行させるためのコマンドを入出力インタフェース460を介して副制御部500に送信する。また、CPU410は、演出処理において入出力インタフェース470を介して副制御部600からのコマンドを受信する。
【0054】
<副制御部500>
次に、図4を用いて、スロットマシン100の副制御部500について説明する。副制御部500は、演算処理装置であるCPU510や、各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。
【0055】
クロック補正回路514は、水晶発振器511から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU510に供給する回路である。
【0056】
このCPU510は、副制御部400のCPU410からの信号(コマンド)を入出力インタフェース520を介して受信し、副制御部500全体を制御する。
【0057】
また、CPU510にはタイマ回路515がバスを介して接続されている。CPU510は、所定のタイミングでデータバスを介してROM512の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路515に送信する。タイマ回路515は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU510に送信する。CPU510は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
【0058】
また、CPU510には、バスを介して、ROM512、RAM513、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)534が接続されている。ROM512には、副制御部500全体を制御するための制御プログラムデータや演出用のデータが記憶されている。RAM513は、CPU510で処理されるプログラムのワークエリア等を有する。VDP534には、水晶発信器533が接続され、さらに、バスを介して、画像データと、画像データ用のカラーパレットデータが記憶されているCG−ROM535、VRAM536が接続されている。VDP534は、CPU510からの信号をもとにCG−ROM535に記憶された画像データを読み出し、VRAM536のワークエリアを使用して画像信号を生成し、D/Aコンバータ537を介して液晶表示装置157の表示画面に画像を表示する。なお、液晶表示装置157には、CPU510によって液晶表示装置157の表示画面の輝度調整を可能とするため輝度調整信号が入力されている。
【0059】
また、CPU510には、主制御部300および副制御部400と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路550が接続されており、アドレスデコード回路550には、入出力インタフェース520が接続されている。入出力インタフェース520は、副制御部400から信号(コマンド)を受信すると共に副制御部600に信号(コマンド)を送信するためのインタフェースである。CPU510は、入出力インタフェース520を介して副制御部400から受信したコマンドに基づいて、液晶表示装置157の表示を制御する処理を実行すると共に、演出処理を実行させるためのコマンドを入出力インタフェース520を介して副制御部600に送信する。
【0060】
<副制御部600>
次に、図5を用いて、スロットマシン100の副制御部600について説明する。副制御部600は、演算処理装置であるCPU610や、各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。
【0061】
クロック補正回路614は、水晶発振器611から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU610に供給する回路である。
【0062】
このCPU610は、副制御部500のCPU510からの信号(コマンド)を入出力インタフェース620を介して受信し、副制御部600全体を制御する。
【0063】
また、CPU610にはタイマ回路615がバスを介して接続されている。CPU610は、所定のタイミングでデータバスを介してROM612の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路615に送信する。タイマ回路615は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU610に送信する。CPU610は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
【0064】
また、CPU610には、バスを介して、ROM612およびRAM613が接続されている。ROM612には、副制御部600全体を制御するための制御プログラムデータや演出用のデータが記憶されている。RAM613は、CPU610で処理されるプログラムのワークエリア等を有する。
【0065】
また、CPU610には、外部の機器から信号を受信するための入力インタフェース660、および外部の機器へ信号を送信するための出力インタフェース670が接続されている。入力インタフェース660には、演出装置200の左駆動機構、右駆動機構および上駆動機構が備える左センサA216、左センサB217、右センサA226、右センサB227、上センサA236および上センサB237が接続されている。なお、本実施形態の副制御部600は、オプションとしてさらに下センサA661、および下センサB662を接続可能に構成されている。
【0066】
出力インタフェース670には、演出装置200の左駆動機構、右駆動機構および上駆動機構が備える各モータ215、225、235がドライバを介して接続されている。具体的には、左モータドライバ671を介して左モータ215、右モータドライバ672を介して右モータ225、上モータドライバ673を介して上モータ235が接続されている。なお、本実施形態の副制御部600は、オプションとしてさらに下モータドライバ674を介して下モータ675を接続可能に構成されている。
【0067】
また、CPU610には、副制御部400および副制御部500と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路650が接続されており、アドレスデコード回路650には、入出力インタフェース620、入力インタフェース660および出力インタフェース670が接続されている。入出力インタフェース620は、副制御部500から信号(コマンド)を受信すると共に副制御部400に信号(コマンド)を送信するためのインタフェースである。CPU610は、入出力インタフェース620を介して副制御部500から受信したコマンドに基づいて、演出装置200の左駆動機構、右駆動機構および上駆動機構を制御する処理を実行すると共に、コマンドを入出力インタフェース620を介して副制御部400に送信する。
【0068】
なお、主制御部300と副制御部400の間の情報通信は、一方向の通信となっており、逆方向の通信は不可能に構成されている。すなわち、主制御部300からはコマンド等の信号を副制御部400へ送信することができるが、副制御部400からはコマンド等の信号を主制御部300へ送信することはできない。
【0069】
また、副制御部400と副制御部500、副制御部500と副制御部600、および副制御部600と副制御部400の間の直接的な情報通信は、一方向の通信となっており、逆方向の通信は不可能に構成されている。すなわち、副制御部400から副制御部500へ、副制御部500から副制御部600へ、および副制御部600から副制御部400へは、直接的にコマンド等の信号を送信することができるが、副制御部500から副制御部400へ、副制御部600から副制御部500へ、および副制御部400から副制御部600へは、直接的にコマンド等の信号を送信することができない。従って、副制御部500から副制御部400へ信号を送信する場合は、副制御部500から副制御部600を介して副制御部400へ信号を送信するようになっている。同様に、副制御部600から副制御部500へ信号を送信する場合は、副制御部600から副制御部400を介して副制御部500へ信号を送信し、副制御部400から副制御部600へ信号を送信する場合は、副制御部400から副制御部500を介して副制御部600へ信号を送信する。
【0070】
<図柄配列>
次に、図6を用いて、上述の各リール110〜112に施される図柄配列について説明する。なお、同図は、各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図である。
【0071】
各リール110〜112には、同図の右側に示す複数種類(本実施形態では、8種類)の図柄が所定コマ数(本実施形態では、番号0〜20の21コマ)だけ配置されている。また、同図の左端に示した番号0〜20は、各リール110〜112上の図柄の配置位置(図柄位置)を示す番号である。例えば、左リール110の番号0のコマには「チャンス図柄」、中リール111の番号1のコマには「BB1図柄」、右リール112の番号2のコマには「リプレイ図柄」がそれぞれ配置されている。
【0072】
<役の種類>
次に、図7を用いて、スロットマシン100の入賞役の種類について説明する。なお、同図は入賞役(作動役を含む)の種類、各入賞役の名称、各入賞役に対応する図柄組合せ、各入賞役の払出枚数、および各入賞役の作動を示した図である。
【0073】
スロットマシン100の入賞役には、特別役1(BB1)と、特別役2(BB2)と、特別役3(RB)と、小役(CHANCE、ベル、スイカ、チェリー)と、再遊技役(リプレイ)がある。なお、入賞役の種類は、これに限定されるものではなく、任意に採用できることは言うまでもない。また、本実施形態において、特別役1(BB1)はボーナス役1(BB1)と言うことがあり、特別役2(BB2)はボーナス役2(BB2)と言うことがあり、特別役3(RB)はボーナス役3(RB3)と言うことがある。また、これら特別役1〜3を総称してボーナス役と言うことがある。
【0074】
本実施形態における入賞役のうち、特別役1(BB1)、特別役2(BB2)および特別役3(RB)はボーナス遊技に移行する役として、また、再遊技役(リプレイ)は新たにメダルを投入することなく前回遊技で投入した枚数と同じ枚数のメダルを投入したものとする再遊技が可能となる役として、それぞれ入賞役とは区別され「作動役」と呼ばれる場合があるが、本実施形態における「入賞役」には、作動役である、特別役1(BB1)、特別役2(BB2)、特別役3(RB)および再遊技役1、再遊技役2が含まれる。また、「入賞」とは、入賞役に対応する図柄組合せが有効ライン上に表示されることをいうが、本実施形態における「入賞」には、メダルの配当を伴わない(メダルの払い出しを伴わない)作動役の図柄組合せが有効ライン上に表示される場合も含まれ、例えば、特別役1(BB1)、特別役2(BB2)、特別役3(RB)、再遊技役への入賞が含まれる。
【0075】
「特別役1(BB1)、特別役2(BB2)」(以下、特別役1(BB1)および特別役2(BB2)を「ビッグボーナス(BB)」と総称する場合がある)は、入賞によりビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。対応する図柄組合せは、BB1が「BB1図柄−BB1図柄−BB1図柄」、BB2が「BB2図柄−BB2図柄−BB2図柄」である。また、BB1、BB2についてはフラグ持越しを行う。すなわち、BB1、BB2に内部当選すると、これを示すフラグが立つ(主制御部300のRAM313の所定のエリア内に記憶される)が、その遊技においてBB1、BB2に入賞しなかったとしても、入賞するまで内部当選を示すフラグが立った状態が維持され、次遊技以降でもBB1、BB2に内部当選中となり、BB1に対応する図柄組合せ「BB1図柄−BB1図柄−BB1図柄」、BB2に対応する図柄組合せ「BB2図柄−BB2図柄−BB2図柄」が、有効ライン上に揃って入賞する状態にある。
【0076】
「特別役3(RB)」(以下、特別役3(RB)を「レギュラーボーナス」と称する場合がある。)は、入賞によりレギュラーボーナス遊技(RB遊技)が開始される特殊役(作動役)である。対応する図柄組合せは、「RB図柄−RB図柄−RB図柄」である。なお、RBについても上述のBBと同様にフラグ持越しを行う。但し、(詳細は後述するが)ビッグボーナス遊技(BB遊技)においては、レギュラーボーナス遊技(RB遊技)が内部当選することや、図柄組み合わせが入賞ライン上に表示されること、を開始条件とせずに自動的に開始させる設定としてもよい。なお、本実施形態では、上述したビッグボーナス遊技(BB遊技)およびレギュラーボーナス遊技(RB遊技)を合わせて特別遊技又は単にボーナス遊技と言うことがある。また特別遊技は、通常遊技よりも遊技媒体の獲得率が高く、遊技者に有利な遊技状態である。
【0077】
「小役1(CHANCE)、小役2(ベル)、小役3(スイカ)、小役4(チェリー)」(以下、単に「CHANCE」、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」と称する場合があり、小役1〜小役4のCHANCE、ベル、スイカ、チェリーとは、小役である。)は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役で、対応する図柄組合せは、CHANCEが「CHANCE図柄−CHANCE図柄−CHANCE図柄」、ベルが「ベル図柄−ベル図柄−ベル図柄」、スイカが「スイカ図柄−スイカ図柄−スイカ図柄」、チェリーが「チェリー図柄−ANY−ANY」である。また、対応する払出枚数は同図に示す通りである。なお、「チェリー図柄−ANY−ANY」の場合、左リール110の図柄が「チェリー図柄」であればよく、中リール111と右リール112の図柄はどの図柄でもよいことを示している。「小役1(CHANCE)、小役2(ベル)、小役3(スイカ)、および小役4(チェリー)」」を一般役と言う。
【0078】
「再遊技役(リプレイ)」は、入賞により次回の遊技でメダル(遊技媒体)の投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出は行われない。なお、対応する図柄組合せは、「リプレイ図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」である。
【0079】
<遊技状態の種類>
次に、スロットマシン100の遊技状態の種類について説明する。
【0080】
本実施形態では、スロットマシン100の遊技状態は、通常遊技状態(RT0モード)と、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の特別役(ボーナス役)内部当選遊技(RT1モード)と、BB遊技とRB遊技を含むボーナス遊技(RT2モード)と、再遊技変動遊技(RT3モード)と、に大別することができる。
【0081】
<通常遊技状態(RT0モード)>
通常遊技状態(RT0モード)の内容は特に限定されないが、例えば、内部抽選の結果が概ねハズレとなり、遊技者が複数回の遊技を行った場合に遊技中に獲得できるメダルの総数が、遊技中に投入したメダルの総数に満たないような遊技状態をいい、本実施形態では、後述する特別役(ボーナス役)内部当選遊技(RT1モード)、ボーナス遊技(RT2モード)、および再遊技変動遊技(RT3モード)以外の遊技状態をいう。この通常遊技状態(RT0モード)では、BB1、BB2またはRBに内部当選した場合(重複役による内部当選を含む)に特別役(ボーナス役)内部当選遊技(RT1モード)に移行する。また、再遊技変動遊技(RT3モード)が終了した場合には、通常遊技状態(RT0モード)に移行する。
【0082】
<特別役(ボーナス役)内部当選遊技(RT1モード)>
この特別役(ボーナス役)内部当選遊技(RT1モード)は、特別役に対応する図柄組合せを有効ライン上に表示させることが可能となっている遊技状態をいう。この特別役(ボーナス役)内部当選遊技(RT1モード)は、通常遊技状態(RT0モード)において、BB1、BB2またはRBに内部当選した場合(重複役による内部当選を含む)、または後で説明する再遊技変動遊技(RT3モード)において、BB1、BB2またはRBのいずれかの特別役に内部当選した場合(重複役による内部当選を含む)で、且つ所定の遊技数(本実施形態では、100ゲーム)を消化した場合に移行する。また、BB1、BB2またはRBに対応する図柄組合せが有効ライン上に表示された場合に終了し、入賞した特別役(特別役1〜3)の種類に応じて、次に説明するBB遊技(BB1遊技、BB2遊技)やRB遊技に移行する。
【0083】
<BB遊技(RT2モード)>
BB遊技(RT2モード)の内容は特に限定されないが、遊技者にとって通常遊技状態よりも利益の大きい遊技状態であり、本実施形態では、遊技中に獲得するメダルの総数が、遊技中に投入したメダルの総数を超えるような遊技状態をいう。BB遊技の一つであるBB1遊技は、特別役(ボーナス役)内部当選遊技(RT1モード)においてBB1に対応する図柄組合せが有効ライン上に表示された場合に移行し、後述するRB遊技を繰返し実行可能な遊技状態である。また、BB遊技の一つであるBB2遊技は、特別役(ボーナス役)内部当選遊技(RT1モード)においてBB2に対応する図柄組合せが有効ライン上に表示された場合に移行し、後述するRB遊技を繰返し実行可能な遊技状態である。また、BB遊技(BB1遊技またはBB2遊技)は、遊技中に予め定められた所定の数(例えば、351枚)を超えるメダルが払い出された場合に終了し、再遊技変動遊技(RT3モード)に移行する。但し、BB遊技中のRB遊技の開始条件は、RB遊技を開始する役(例えば、リプレイ)を設定し、この役が内部当選した場合、または、入賞した場合に、RB遊技を開始するように設定してもよい。さらには、BB遊技は、BB遊技中のRB遊技を除くBB一般遊技を予め定めた回数(例えば、30回)実行した場合、または、BB遊技中に実行したRB遊技の回数が予め定めた回数に達した場合(例えば、3回)に終了するようにしてもよい。
【0084】
<RB遊技(RT2モード)>
RB遊技(RT2モード)の内容は特に限定されないが、遊技者にとって通常遊技状態よりも利益の大きい遊技状態であり、本実施形態では、遊技中に獲得するメダルの総数が、遊技中に投入したメダルの総数を超えるような遊技状態をいう。RB遊技は、特別役(ボーナス役)内部当選遊技(RT1モード)においてRBに対応する図柄組合せが有効ライン上に表示された場合に移行する。また、RB遊技は、遊技中に予め定められた所定の数(例えば、104枚)を超えるメダルが払い出された場合に終了し、再遊技変動遊技(RT3モード)に移行する。但し、予め定めた所定の役が内部当選の確率を上昇させる変動(例えば、「設定1」、「通常遊技」に設定された「小役1」の内部当選確率1/15を、予め定めた所定の値である内部当選確率1/1.2に上昇させる)をし、予め定めた所定の数(例えば8回)の入賞があった場合に終了するようにしてもよい。
【0085】
<再遊技変動遊技(RT3モード)>
再遊技変動遊技(RT3モード)の内容は特に限定されないが、本実施形態では、再遊技役の内部当選確率を、通常遊技状態(RT0モード)における再遊技役(例えば、再遊技役1(リプレイ))の内部当選確率(本実施形態では、約1/7.3)よりも上昇させる変動を行う遊技状態である。再遊技変動遊技状態(RT3モード)は、BB遊技状態(RT2モード)において、遊技中に予め定められた所定の数(例えば、351枚)を超えるメダルが払い出された場合、および通常遊技状態(RT0モード)において、CHANCEに対応する図柄組合せが有効ライン上に表示された場合に移行する。また、再遊技変動遊技状態(RT3モード)では、所定の遊技数(本実施形態では、100ゲーム)を消化した場合に通常遊技状態(RT0モード)に移行し、BB1、BB2またはRBのいずれかの特別役に内部当選した場合(重複役による内部当選を含む)で、且つ所定の遊技数(本実施形態では、100ゲーム)を消化した場合に特別役(ボーナス役)内部当選遊技(RT1モード)に移行する。なお、本実施形態では、再遊技変動遊技をリプレイタイムとも言う。また、本実施形態で特典遊技とは、例えばRT準備状態やRT状態をいうが、これに限定されず通常遊技状態よりも遊技者に有利な特典が付与される遊技であればよい。したがって、例えば、AT(アシストタイム:入賞役の内部当選等をランプ等で遊技者に報知する機能)、ART(アシストリプレイタイム:上述のATとRTを併せ持つ機能)、ST(ストックタイム:ボーナス役の内部当選フラグを一時的に貯留し、一定の条件を満たした場合にボーナス役の内部当選フラグを放出する機能)等でもよい。
【0086】
<電源投入処理>
次に、図8を用いて、スロットマシン100の電源投入時に主制御部300のCPU310にて実行される電源投入処理について説明する。なお、同図は、電源投入処理の流れを示すフローチャートである。
【0087】
スロットマシン100の電源スイッチがONされると、主制御部300のCPU310にて、以下に説明する電源投入処理が実行される。
【0088】
ステップS101では、各種のイニシャル処理(初期化処理)を行う。
【0089】
ステップS102では、RAM313の少なくとも一部に異常があるか否かを判定する。そして、RAM313に異常がある場合はステップS103に進み、異常が無い場合はステップS104に進む。なお、RAM313の異常を検出する方法は種々考えられるが、例えば、同一の情報を2つの第1の記憶領域及び第2の記録領域に記憶しておき、電源投入後に、第1の記憶領域に記憶された情報と、第2の記憶領域に記憶された情報を比較し、両者が異なる場合に異常と判定する方法が一例として挙げられる。
【0090】
ステップS103では、RAMエラー処理を行う。このRAMエラー処理では、使用スタックエリアを除く全てのRAM313の記憶領域をクリアする準備を行ったり、副制御部400にエラー発生コマンドの送信準備等を行ったりする。
【0091】
ステップS104では、設定キースイッチがON状態か否かを判定する。そして、設定キースイッチがON状態の場合はステップS105に進み、OFF状態の場合はステップS106に進む。なお、設定キースイッチは、スロットマシン100の設定値の変更を行うためのキースイッチであり、本体101の内部に設けられている。ここで、設定値とは、所定期間の遊技を行ったときに遊技者が賭け数として遊技台に使用した遊技媒体の総数に対して、遊技台が払い出した遊技媒体の総数の割合を調整するための値であり、いわゆる「払出率」と称されるものであり、複数段階の設定値、例えば、設定「1」〜設定「6」まで設定可能である。
【0092】
ステップS105では、設定値変更処理(詳細は後述)を行う。
【0093】
ステップS106では、強制RAMクリアがON状態か否かを判定する。具体的には、電源が投入され、且つリセットスイッチのリセットボタンが長押し(例えば、5秒間の押下)されたことに基づき、強制RAMクリアのON状態とする。そして、強制RAMクリアがON状態の場合はステップS107に進み、OFF状態の場合はステップS109に進む。
【0094】
ステップS107では、初期状態遊技開始処理を行う。この初期状態遊技開始処理では、「設定値の記憶領域」や「RAM313のクリア時に使用するスタック領域を除く記憶領域」のクリア、自動精算及び打ち止めの有無などの設定、内部当選の有無の設定、副制御部400に対する制御コマンドの送信などを行う。
【0095】
ステップS108では、主制御部メイン処理(詳細は後述)を行う。
【0096】
ステップS109では、復帰処理によりスロットマシン100を電源が遮断された前の状態に復帰し、後述する主制御部メインを再開する。
【0097】
<設定値変更処理>
次に、図9を用いて、設定値変更処理について説明する。なお、同図は、図8のステップS105の設定値変更処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【0098】
ステップS201では、設定値変更処理を開始したことを示す設定変更開始コマンドを副制御部400に送信する。
【0099】
ステップS202では、リセットボタンの押下操作があったか否かを判定する。リセットボタンは本体101の内部(詳しくは、前面扉102の背面)に設けられている。リセットボタンの押下操作があった場合には、ステップS203に進み、リセットボタンの押下操作がない場合には、ステップS204に進む。
【0100】
ステップS203では、デバッグ表示コマンドを副制御部400に送信する。デバッグ表示コマンドは、副制御部400が管理している内部変数情報(詳しくは後述するが、遊技関連情報、プログラム変数情報、操作履歴情報などが含まれる)を液晶表示装置157の画面上に表示させるための制御コマンドである。すなわち、本実施形態では、設定キースイッチの操作があり、かつリセットボタンの操作があった場合には、副制御部400は、デバッグ表示コマンドを受信するので、デバッグ表示コマンドの受信を契機に内部変数情報を、実行する演出画像に重ね合わせて表示させる。なお、詳しくは後述するが、内部変数情報は、複数のグループ(本実施形態では3)に分類されて管理されているため、副制御部400は、デバッグ表示コマンドを受信するたびに(リセットボタンが押下されるたびに)、液晶表示装置157に表示される内部変数情報をグループ単位に切り替える制御を行う。この結果、開発担当者は、設定値変更処理中に、リセットボタンを押下することにより、種々の内部変数情報をグループごとに確認することができるので、開発のデバッグ効率を向上させることができる。また、遊技店の店員にとっても、設定変更処理とともに種々の内部変数情報を確認できるので、便利な場合がある。一般的には、上述した開発のデバック効率を向上させることが目的ではあるが、使い方によっては、遊技台メーカーの営業職の人員が、遊技台の動作点検などを行うなどにも内部変数情報を閲覧して、動作点検に活用できる場合がある。なお、デバッグ表示コマンドを送信した後は、ステップS202に戻る。
【0101】
ステップS204では、現在設定されている設定値を設定値表示器に表示させる。なお、設定値表示器は、本体101の内部(詳しくは、前面扉102の背面)に設けられている7セグメントLED等の表示器である。
【0102】
ステップS205では、RAM313を初期化(RAMクリア)する。
【0103】
ステップS206では、設定変更操作があったか否かを判定する。ここで、設定変更操作とは、具体的には、設定変更スイッチの押下操作である。なお、設定変更スイッチは、本体101の内部(詳しくは、前面扉102の背面)に設けられたプッシュボタン式のスイッチである。設定変更スイッチの押下操作があった場合は、ステップS207に進み、そうでない場合はステップS208に進む。
【0104】
ステップS207では、設定値表示器に表示されている設定値を設定値変更操作に基づいて更新する。この設定値の更新は、設定変更スイッチを1回押下する毎に、現在設定されている設定値1〜6に対して1ずつ加算更新し、設定値が6を超えると1に戻ることを繰り返す。
【0105】
ステップS208では、スタートレバー135の操作があったか否かを判定する。スタートレバー135の操作があった場合はステップS209に進み、そうでない場合はステップS206に戻る。
【0106】
ステップS209では、現在、設定値表示器に表示されている設定値(変更操作ありで変更された設定値、変更操作なしで元々設定されていた設定値)をRAM313の設定値記憶領域に記憶し、設定値を確定する。
【0107】
ステップS210では、設定キースイッチがONからOFFに切り替えられたか否かを判定する。設定キースイッチがOFFにされた場合はステップS211へ進み、そうでない場合はステップS210の処理を繰り返し、設定キースイッチがOFFにされるのを待つ。
【0108】
ステップS211では、設定変更可能状態が終了したことを示す設定変更終了コマンドを副制御部400に送信して処理を終了する。
【0109】
なお、上述した設定値変更処理が実行されると、液晶表示装置157には、図22に示すように、リセットボタンで内部変数情報を確認できる旨のメッセージ(例えば、「リセットボタンでメーカー営業向け確認用情報を閲覧できます」などのメッセージ)が表示される。すなわち、本実施形態では、副制御部400が設定変更開始コマンドを受信すると、副制御部400は、図22に示す演出画像を表示するように副制御部500を制御する。
【0110】
<主制御部メイン処理>
次に、図10を用いて、主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は、図8のステップS108の主制御部メイン処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【0111】
遊技の基本的制御は、主制御部300のCPU310が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、CPU310が同図の主制御部メイン処理を繰り返し実行する。そして、各処理の実行によって得られた情報は、所定のタイミングで副制御部400に適宜送信される。
【0112】
ステップS301では、メダル投入に関する処理を行う。ここでは、メダルの投入の有無をチェックし、投入されたメダルの枚数に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。なお、前回の遊技で再遊技役に入賞した場合は、メダルの追加投入をすることなく前回の遊技と同じ賭け数の遊技を行うことができる。また、ステップS301では、遊技のスタート操作に関する処理を行う。ここでは、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタート操作されたと判断した場合は、投入されたメダル枚数を確定するとともに、副制御部400に対して、スタート操作を示すスタートコマンドを送信する。なお、ステップS301のメダル投入処理に関しては、詳しくは後述する。
【0113】
ステップS302では、有効な入賞ラインを確定し、ステップS303では、乱数発生回路317で発生させた乱数を取得する。
【0114】
ステップS304では、ステップS304で取得した乱数値と、現在の遊技状態に応じてROM312に格納されている入賞役抽選テーブルを用いて、入賞役の内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役(作動役を含む)に内部当選した場合、その入賞役のフラグがONになる。また、このステップS304では、入賞役内部抽選の結果、入賞役に内部当選したと判定した場合には入賞役に対応するコマンドを、また、ハズレ(入賞役の非当選)と判定した場合にはハズレに対応するコマンドを、副制御部400に送信する。例えば、特別役に内部当選した場合には、副制御部400に対して特別役(ボーナス役)内部当選コマンドを送信し、スイカまたはチェリーに内部当選した場合には、副制御部400に対してスイカ/チェリー内部当選コマンドを送信する。
【0115】
ステップS305では、ROM312に格納されているリール停止制御データ選択テーブルを参照し、ステップS304の内部抽選結果等に基づいて候補となるリール停止制御データを選択する。
【0116】
ステップS306では、リール回転開始処理により、全リール110〜112の回転を開始させる。
【0117】
ステップS307では、リール停止制御処理により、押されたストップボタン137〜139に対応するリール110〜112の回転を停止させる。この際、各リール110〜112を、ステップS305で選択したリール停止制御データに基づいて停止させる。
【0118】
ステップS308では、ストップボタン137〜139が押されることによって停止した図柄の入賞判定を行う。ここでは、有効ライン上に、内部当選した入賞役またはフラグ持越し中の入賞役に対応する図柄組合せが揃った(表示された)場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効ライン上に「リプレイ図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」が揃っていたならばリプレイ入賞と判定する。また、このステップS308では、入賞判定の結果、入賞役に入賞したと判定した場合に、入賞役に対応するコマンドを副制御部400に送信する。例えば、有効ライン上に「CHANCE図柄−CHANCE図柄−CHANCE図柄」が表示された場合(チャンスに入賞した場合)には、副制御部400に対してCHANCE図柄表示コマンドを送信する。また、BB1、BB2、またはRBに入賞した場合も同様に、副制御部400に対してBB1入賞コマンド、BB2入賞コマンド、またはRB入賞コマンドをそれぞれ送信する。
【0119】
ステップS309では、メダル払出処理を行う。このメダル払出処理では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを払い出す。
【0120】
ステップS310では、遊技状態制御処理を行う。この遊技状態制御処理では、遊技状態を移行するための制御が行われ、例えば、BB(ビッグボーナス)入賞の場合には次回からRT2モードを開始できるよう準備する。以上により1ゲームが終了する。以降、上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
【0121】
<演出用投入ボタン受付処理>
次に、図11を用いて、メダル投入処理について説明する。図11は、図10のステップS301のメダル投入処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【0122】
ステップS401では、再遊技作動フラグの設定がある(再遊技作動フラグがON)か否か(再遊技作動フラグがOFF)を判定する。再遊技作動フラグは、前回の遊技で再遊技役に入賞した場合に設定される。再遊技作動フラグの設定がある場合には、ステップS402に進み、再遊技作動フラグの設定がない場合には、ステップS404に進む。
【0123】
ステップS403では、前回の遊技で設定されたメダルの賭け数を再度設定する。
【0124】
ステップS404では、メダル投入を受け付ける投入受付処理を行う。
【0125】
ステップS405では、演出用投入ボタン受付処理(詳しくは後述)を行う。
【0126】
ステップS406では、メダルの賭け数の設定があるか否かを判断する。賭け数の設定がある場合には、ステップS407に進み、賭け数の設定がない場合には、ステップS404に戻る。
【0127】
ステップS407では、スタートレバー135の操作受付があったか否かを判断する。スタートレバー135の操作受付があった場合には、ステップS408に進み、スタートレバー135の操作受付がない場合には、ステップS404に戻る。
【0128】
ステップS408では、再遊技作動フラグの設定を消去する(再遊技作動フラグをOFFにする)。
【0129】
ステップS409では、その他の処理を行う。
【0130】
<演出用投入ボタン受付処理>
次に、図12を用いて、演出用投入ボタン受付処理について説明する。同図は、図11のステップS405の演出用投入ボタン受付処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【0131】
ステップS501では、規定枚数のメダルを投入済みであるか否かを判定する。規定枚数のメダルを投入済みである場合には、ステップS502に進み、そうでない場合には、演出用投入ボタン受付処理を終了する。
【0132】
ステップS502では、MAXBET投入ボタン(メダル投入ボタン132)の操作受付があったか否かを判定する。MAXBET投入ボタンの操作受付があった場合には、ステップS503に進み、MAXBET投入ボタンの操作受付がない場合には、演出用投入ボタン受付処理を終了する。
【0133】
ステップS503では、規定枚数のメダルを投入後にMAXBET投入ボタンが操作されたことを示す演出用投入ボタン受付コマンドを副制御部400に送信する。演出用投入ボタン受付コマンドは、上述のデバッグ表示コマンドと同一の機能を有しており、副制御部400が管理している内部変数情報を液晶表示装置157の画面上に表示させるための制御コマンドである。すなわち、本実施形態では、規定枚数のメダルを投入後にMAXBET投入ボタンが操作された場合には、副制御部400は、デバッグ表示コマンドを受信するので、デバッグ表示コマンドの受信を契機に内部変数情報を、実行する演出画像に重ね合わせて表示させる。また、副制御部400は、演出用投入ボタン受付コマンドを受信するたびに(MAXBET投入ボタンが押下されるたびに)、液晶表示装置157に表示される内部変数情報をグループ単位に切り替える制御を行う。この結果、開発担当者は、設定値変更処理中に、リセットボタンを押下することにより、種々の内部変数情報をグループごとに確認することができるので、開発のデバッグ効率を向上させることができる。また、遊技店の店員にとっても、設定変更処理とともに種々の内部変数情報を確認できるので、便利な場合がある。一般的には、上述した開発のデバック効率を向上させることが目的ではあるが、使い方によっては、遊技台メーカーの営業職の人員が、遊技台の動作点検などを行うなどにも内部変数情報を閲覧して、動作点検に活用できる場合がある。
【0134】
このように本実施形態では、設定値変更処理中に内部変数情報を確認できることに加えて、遊技の最中においても規定枚数のメダル投入後にMAXBET投入ボタンを操作することにより、種々の内部変数情報をグループごとに確認することができる。
【0135】
なお、本実施形態では、規定枚数のメダル投入後にMAXBET投入ボタンを操作すると種々の内部変数情報をグループごとに確認することができるが、内部変数情報の確認タイミングはこれに限定されない。例えば、規定枚数のメダル投入後に所定回数のMAXBET投入ボタンを操作してから内部変数情報を確認できるようにしてもよく、また、規定枚数に満たないBET数において、クレジットの貯留枚数がない状況下でMAXBET投入ボタンを操作すると種々の内部変数情報をグループごとに確認できるようにしてもよい。
【0136】
なお、ステップS503で演出用投入ボタン受付コマンドを副制御部400に送信した後は、ステップS502に戻る。
【0137】
<副制御部400の処理>
次に、図13を用いて、副制御部400の処理について説明する。まず、図13(a)を用いて、副制御部400メイン処理を行う。図13(a)は、副制御部400のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
【0138】
電源投入が行われると、まずステップS601で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM413内の記憶領域の初期化処理等を行う。
【0139】
ステップS602では、コマンド入力処理(詳細は後述する)を行う。
【0140】
ステップS603では、演出データの更新処理を行う。この演出データの更新処理では、演出を制御するための動作制御データ等の更新を行う。具体的には、例えば、副制御部500へ送信する制御コマンドの有無を判定し、判定結果に基づいて動作制御データ等を更新する。
【0141】
ステップS604では、ステップS603で更新した演出データの中に副制御部400の各演出デバイス(演出ランプ430、スピーカ483等)のドライバに出力するデータがあるか否かを判定する。該当する場合はステップS605へ進み、該当しない場合はステップS606に進む。
【0142】
ステップS605では、副制御部400の演出デバイスのドライバにデータをセットする。データのセットにより演出デバイスがそのデータに応じた演出を実行する。
【0143】
ステップS606では、ステップS603で更新した演出データの中に副制御部500に送信する制御コマンドがあるか否かを判定する。該当する場合はステップS607へ進み、該当しない場合はステップS602に戻る。
【0144】
ステップS607では、副制御部500に制御コマンド(例えば、液晶表示装置157に演出画像を表示するための表示制御コマンド等)を送信してステップS602に戻る。
【0145】
次に、図13(b)を用いて、副制御部400のストローブ割込み処理について説明する。同図は、副制御部400ストローブ割込み処理の流れを示すフローチャートである。
【0146】
このストローブ割込み処理は、副制御部400が、主制御部300が制御コマンドの送信とともに出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。ストローブ割込み処理のステップS701では、主制御部300が出力した制御コマンドを未処理コマンドとしてRAM413に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
【0147】
次に、図13(c)を用いて、副制御部400のタイマ割込み処理について説明する。同図は、副制御部400タイマ割込み処理の流れを示すフローチャートである。
【0148】
副制御部400は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込みを発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込みを契機として、副制御部400タイマ割込み処理を実行する。このタイマ割込み処理のステップS801では、RAM413の所定記憶領域に記憶した汎用タイマを更新する。なお、本実施形態では、割込み処理を5回行う毎に汎用タイマを1つ加算することによって汎用タイマの更新周期を10ms(=2ms×5回)に設定している。
【0149】
<コマンド入力処理>
次に、図14を用いて、コマンド入力処理について詳しく説明する。同図は、図13(a)のステップS602のコマンド入力処理を詳しく示すフローチャートである。
【0150】
ステップS901では、RAM413に設けたコマンド記憶領域に少なくとも1つの未処理コマンド(後述するストローブ割込み処理によって格納される制御コマンド)が格納されているか否かを判定する。該当する場合はステップS902へ進み、該当しない場合はコマンド入力処理を終了する。
【0151】
ステップS902では、未処理コマンドがデバッグ表示コマンドであるか否か(デバッグ表示コマンドを受信したか否か)を判定する。デバッグ表示コマンドを受信した場合には、ステップS904に進み、そうでない場合には、ステップS903に進む。
【0152】
ステップS903では、未処理コマンドが演出用投入ボタン受付コマンドであるか否か(演出用投入ボタン受付コマンドを受信したか否か)を判定する。演出用投入ボタン受付コマンドを受信した場合には、ステップS904に進み、そうでない場合には、ステップS906に進む。
【0153】
ステップS904では、液晶表示装置157に演出画像を表示させるための表示制御データのデバッグフラグをONに設定し、次いで、ステップS905では、表示制御データのページ番号をセットする。すなわち、デバッグ表示コマンドまたは演出用投入ボタン受付コマンドを受信した場合には、表示制御データのデバッグフラグをONに設定し、ページ番号をセットする。本実施形態では、表示制御データは、表示制御コマンドとして副制御部500に送信される(図13の副制御部400メイン処理のステップS607において副制御部500に送信される)。
【0154】
ここで、図15及び図16を用いて、表示制御コマンドについて説明する。図15は、表示制御コマンドの構成を示す概念図であり、図16は、表示制御コマンドに含まれる内部変数情報の構成を示す概念図である。表示制御コマンドは、図15に示すように、演出画像に関連するデータ群d1と、内部変数情報に関連するデータ群d2とに大別される。そして、データ群d1には、画像データ(本実施形態では、3つの画像データ、具体的には画像データ1、2、3で構成される)、及びアプリ固有データが含まれ、データ群2には、デバッグデータフラグ、ページ番号、内部変数情報(本実施形態では、複数の内部変数情報、具体的には、01データ、02データ、…で構成される)が含まれる。
【0155】
より詳しくは、画像データは、液晶表示装置157に画面上に表示される画像データであり、アプリ固有データは、画像データ上に表示される数値データ(例えば、獲得枚数、ARゲーム数など)である。例えば、図17に示すような画像データが液晶表示装置157上に表示される場合には、図17に示す画像データ(副制御部500のCG−ROM535に格納されている)を取得可能なアドレス情報が画像データに設定される。
【0156】
また、データ群2のデバッグデータフラグは、表示制御コマンドに内部変数情報を含んでいるか否かを示すフラグ情報であり、デバッグデータフラグがONの場合には、表示制御コマンドは内部変数情報を含み、デバッグデータフラグがOFFの場合には、内部変数情報を含まない。すなわち、デバッグデータフラグがONの場合には、液晶表示装置157には演出画像が表示されるとともに内部変数情報が表示され、デバッグデータフラグがOFFの場合には、液晶表示装置157には演出画像が表示される。
【0157】
本実施形態では、内部変数情報は、図16に示すように、3つのグループに分類されて管理されている(図16に示す各項目は、内部変数情報に関連するデータ群d2の01データ、02データ、…に相当するデータである)。ページ番号は、このグループを一意に識別可能な番号であり、本実施形態では、デバッグ表示コマンドまたは演出用投入ボタン受付コマンドを受信するたびに、ページ01→02→03→01→…という順序により、該当するページ番号の内部変数情報が順次、表示制御コマンドにセットされるようになっている。すなわち、設定値変更処理でリセットボタンを操作するごと、あるいは規定枚数のメダル投入後にMAXBET投入ボタンを操作するごとに、ページ番号が異なる内部変数情報が順次液晶表示装置157に表示されるようになっている。
【0158】
具体的には、ページ01の内部変数情報には、IN枚数、OUT枚数、トータルゲーム数、BB回数、RB回数、AT回数、設定値別ゲーム消化回数、テスト情報などの遊技関連情報で構成され、ページ02の内部変数情報には、AT抽選状態、AT権利、演出状態、などのプログラム変数(液晶表示装置157、可動部材202、204などを用いた演出を実行するプログラムの内部変数)に関する情報で構成され、ページ03の内部変数情報には、停止操作順、演出用投入ボタンの操作など操作履歴に関する情報で構成されている。なお、これらの内部変数情報は副制御部400が実行する制御処理に関する情報(制御処理の実行により変化する情報も含まれる)であり、副制御部400が管理している情報である(主制御部300からのコマンド送信により把握する情報も含まれる)。
【0159】
図18は、内部変数情報を液晶表示装置157に表示する場合に内部変数情報が表示される領域(以下、内部変数表示領域S1という)を示している。本実施形態では、内部変数情報を液晶表示装置157に表示する場合には、演出画像の画像データを表示しつつ、内部変数情報を表示するが、その際には、内部変数情報の視認性をよくするため、半透明の下敷き画像を演出画像に重ねて表示して、内部変数表示領域S1を形成する。
【0160】
このように、演出画像の一部に半透明画像を重ねて表示することにより内部変数表示領域S1を形成し、その内部変数表示領域S1に内部変数情報を視認可能な表示態様で表示する。これにより、演出画像と内部変数情報の両者を確認することができる。この場合、内部変数表示領域S1は演出画像の表示領域よりも小さい表示領域で形成され、内部変数情報はプログラム言語でなく、テキスト情報として、表示されることが望ましい。また、半透明画像により内部変数情報の視認性を向上させる実施形態を説明したが、内部変数情報の文字の周囲に白色で枠線を囲い表示するなどの強調表示を行って視認性を向上させてもよい。この場合には、内部変数情報の視認性がさらに向上する場合がある。
【0161】
図19は、図18に示す内部変数表示領域S1に遊技関連情報に関連する内部変数情報を表示した場合の画面例である。すなわち、表示制御コマンドのデバッグデータフラグがON、かつページ番号が01の場合には、図19に示すように、演出画像を表示しつつ、遊技関連情報(具体的には、IN枚数1000枚、OUT枚数800枚、トータルゲーム数1200ゲーム、BB回数4回、RB回数1回、AT回数3回、設定値6のゲーム数17500、設定値5のゲーム数12400など)を表示する。この場合には、ユーザ(遊技者、店員、開発担当者)は、遊技関連情報を確認することができる。
【0162】
また、図20は、図18に示す内部変数表示領域S1にプログラム変数に関する内部変数情報を表示した場合の画面例である。すなわち、表示制御コマンドのデバッグデータフラグがON、かつページ番号が02の場合には、図20に示すように、演出画像を表示しつつ、プログラム変数に関する内部変数情報(具体的には、AT抽選状態が高確率状態、AT権利が3回、演出状態が高確率状態など)を表示する。この場合には、ユーザ(遊技者、店員、開発担当者)は、実行中の演出を見ながら、その演出を実行しているプログラムの内部変数を確認することができる。
【0163】
また、図21は、図18に示す内部変数表示領域S1に操作履歴情報に関する内部変数情報を表示した場合の画面例である。すなわち、表示制御コマンドのデバッグデータフラグがON、かつページ番号が03の場合には、図21に示すように、演出画像を表示しつつ、操作履歴情報に関する内部変数情報(具体的には、直近3ゲームのストップボタンの停止操作順[左→中→右、左→中→右、中→右→左]、直近3ゲームの演出用投入ボタンの操作の有無[有り、無し、有り]など)を表示する。この場合には、ユーザ(遊技者、店員、開発担当者)は、操作履歴情報を確認することができる。
【0164】
なお、この場合には、以下のケースで大いに役に立つ場合がある。例えば、遊技者が遊技台の表示装置に表示されている停止操作指示(押し順ナビ)を間違えて操作した場合、それに難癖を付け遊技店に文句を言ってくる遊技客がいたとする。その場合でも、操作履歴情報を確認することにより、さらなるトラブルの発展に歯止めをかけることができる場合もある。
【0165】
図14に戻り、ステップS906では、その他のコマンドに応じた処理を実行する。例えば、内部当選した入賞役に関するコマンドを受信した場合には、入賞役に応じた表示制御情報をセットする。なお、ステップS902及びS903で述べたコマンドも含めて、コマンド記憶領域から取得した未処理コマンドは、コマンド記憶領域から消去する。
【0166】
<副制御部500の処理>
次に、副制御部500の処理について説明する。まず、図23(a)を用いて、副制御部500メイン処理について説明する。図23(a)は、副制御部500のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
【0167】
電源投入が行われると、まずステップS1001で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM513内の記憶領域の初期化処理等を行う。また、CG−ROM535に記憶した画像データやカラーパレットデータのうち、使用頻度の多いデータをVRAM613に転送する処理等を行う。
【0168】
ステップS1002では、コマンド入力処理を行う。ここでは、まず、RAM513に設けたコマンド記憶領域に少なくとも1つの未処理コマンド(後述する副制御部500の割込み処理によって格納される制御コマンド)が格納されているか否かを判定する。そしてコマンド記憶領域に未処理の制御コマンドが格納されている場合には、コマンド記憶領域から制御コマンドを1つ取得して解析し、解析結果に応じた処理を実行する。なお、取得した制御コマンドはコマンド記憶領域から消去する。
【0169】
ステップS1003では、演出データの更新処理を行う。この演出データの更新処理では、例えば、副制御部600へ送信する制御コマンドの有無を判定し、判定結果に基づいて演出のための制御データ等の更新を行う。
【0170】
ステップS1004では、画像制御処理(詳しくは後述する)を行う。画像制御処理は、VDP534により、液晶表示装置157に演出用の画像を表示させる処理である。本実施形態では、受信した表示制御コマンドの内容に応じて、演出画像及び内部変数を表示させる。
【0171】
ステップS1005では、ステップS1003で更新した演出データの中に副制御部600に送信する制御コマンドがあるか否かを判定する。該当する場合はステップS1006に進み、該当しない場合はステップS1002に戻る。
【0172】
ステップS1006では、副制御部600に制御コマンドを送信する。ここでは、垂直可動部材202および水平可動部材204を動作させる演出を行う場合に、モータコマンド等を副制御部600に送信する。コマンドを送信した後は、ステップS1002に戻る。
【0173】
次に、図23(b)を用いて、副制御部500の割込み処理について説明する。同図は、副制御部500割込み処理の流れを示すフローチャートである。副制御部500は、所定の周期(本実施形態では、2msに1回)でタイマ割込みを発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込みを契機として、副制御部500割込み処理を実行する。
【0174】
ステップS1101では、副制御部400からの受信コマンドがあるか否かを判定する。副制御部400からコマンドを受信した場合はステップS1002に進み、そうでない場合は処理を終了する。
【0175】
ステップS1102では、受信コマンドを未処理コマンドとしてRAM513のコマンド記憶領域に記憶する。
【0176】
<画像制御処理>
次に、図24を用いて、画像制御処理について説明する。同図は、図15(a)のステップS1004の画像制御処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
【0177】
ステップS1201では、画像データの転送指示を行う。ここでは、CPU510は、まず、VRAM536の表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていない表示領域に記憶された1フレームの画像が演出画像表示装置157に表示される。次に、CPU10は、VDP534のアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてROM座標(CG−ROM535の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM536の転送先アドレス)などを設定した後、CG−ROM535からVRAM536への画像データの転送開始を指示する命令を設定する。VDP534は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをCG−ROM535からVRAM536に転送する。その後、VDP534は、転送終了割込信号をCPU510に対して出力する。
【0178】
ステップS1202では、VDP534からの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合はステップS1203に進み、そうでない場合は転送終了割込信号が入力されるのを待つ。
【0179】
ステップS1203では、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、CPU510は、ステップS1201でVRAM536に転送した画像データに基づいてVRAM536の表示領域AまたはBに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM536の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)など)をVDP534に指示する。VDP534はアトリビュートレジスタに格納された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。
【0180】
ステップS1204では、描画指示を行う。この描画指示では、CPU510は、VDP534に画像の描画開始を指示する。VDP534は、CPU510の指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。
【0181】
ステップS1205では、画像の描画終了に基づくVDP534からの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が入力された場合はステップS1206に進み、そうでない場合は生成終了割込み信号が入力されるのを待つ。
【0182】
ステップS1206では、RAM513の所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタをインクリメント(+1)する。
【0183】
ステップS1207では、受信した表示制御コマンドのデバッグ表示フラグがONであるか否かを判定する。デバッグ表示フラグがONの場合には、内部変数情報を表示するため、ステップS1208に進み、デバッグ表示フラグがOFFの場合には、内部変数情報を表示しないため、ステップS1210に進む。
【0184】
ステップS1208では、表示制御コマンドに内部変数情報が含まれているので、表示制御コマンドのページ番号を取得し、次いで、ステップS1209では、取得したページ番号の内部変数情報を視認可能な情報に加工し、レイアウト調整した後に、液晶表示装置157に表示する。例えば、ページ番号が01の場合には、内部変数情報として、IN枚数、OUT枚数、トータルゲーム数などの遊技関連情報が含まれているので、これらの情報をユーザ(遊技者、店員、開発担当者)が識別できる情報(情報のタイトルを付して10進法表記で表示するなど)に加工して表示する(図19参照)。
【0185】
ステップS1210では、表示制御コマンドに内部変数情報が含まれていないので、内部変数情報を表示しない。つまり、現在、液晶画像表示装置157上に内部変数情報が表示されている場合には、液晶画像表示装置157上に表示されている内部変数情報が消去され、現在、液晶画像表示装置157上に内部変数情報が表示されていない場合には、演出画像に変化はない。
【0186】
なお、本実施形態では、表示制御コマンドのデバッグ表示フラグがOFFの場合に、内部変数情報を表示しないようにしたが、これに代えてまたは加えて、所定の操作を示すコマンド(例えば、スタートレバー135の操作を示すスタートコマンド)を受信した場合に内部変数情報を消去するようにしてもよい。
【0187】
また、本実施形態では、ボタン(リセットボタン、MAXBETボタン)の操作により、内部変数情報の表示切り替えを行うようにしたが、内部変数情報の表示切り替えの方法はこれに限定されず、他の方法でもよい。例えば、所定時間の経過により、内部変数情報の表示が順次切り替えられるようにしてもよい。
【0188】
<副制御部600の処理>
次に、副制御部600の処理について説明する。図25(a)は、副制御部600のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
【0189】
電源投入が行われると、まずステップS1301で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM613内の記憶領域の初期化処理等を行う。また、左モータ215、右モータ225および上モータ235を制御して、垂直可動部材202および水平可動部材204を基準位置に移動させる処理を行う。
【0190】
ステップS1302では、RAM613のコマンド記憶領域に未処理コマンド(後述する副制御部600の割込み処理によって格納される制御コマンド)が格納されているか否かを判定する。未処理コマンドがある場合はステップS1303に進み、そうでない場合はステップS1304に進む。
【0191】
ステップS1303では、未処理コマンドの内容を解析して判定する。
【0192】
ステップS1304では、未処理コマンドがモータコマンドであるか否かを判定する。未処理コマンドが、左モータ215、右モータ225および上モータ235を制御するためのモータコマンドである場合はステップS1305に進み、そうでない場合はステップS1306に進む。
【0193】
ステップS1305では、左モータ215、右モータ225、上モータ235の駆動制御を行うモータ制御処理を行う。具体的には、本実施形態では、受信したモータコマンドに基づき、ROM612の所定の領域に予め記憶されたパーツリストデータを参照して制御情報を取得する。そして、取得したパーツリストデータに基づき、ROM612の所定の領域に予め記憶されたパーツデータを参照してより詳細な制御情報を取得する。
【0194】
図26は、モータコマンド、パーツリストデータおよびパーツデータの構造を示した概念図である。同図に示されるように、副制御部500から送信されるモータコマンドは、2byte×4の合計8byte長のデータによって構成されており、先頭から2byteごとに、左モータ215、右モータ225、上モータ235および下モータ675についてどのパーツリストデータを参照するかを示した情報(各々のパーツリストデータが格納されているROM612上の先頭アドレス)がそれぞれ格納されている。なお、本実施形態では、下モータ675は使用していないのでモータコマンドの下モータ675の領域には無効コマンドが格納されているが、下モータ675の領域に無効コマンドを格納するのではなく、モータコマンドを2byte×3の合計6byte長のデータで構成してもよい。
【0195】
パーツリストデータは、同図に示されるように、例えば「動作パターン」、「動作回数」、「データ数(N)」および「データ1〜N」の項目から構成されており、ROM612の所定記憶領域に予め記憶されている。本実施形態では、「動作パターン」の領域に0が格納されている場合は絶対座標動作(主動作)を示し、1が格納されている場合は相対座標動作(副動作)を示している。また、「動作回数」の領域には、0〜65535の範囲で動作回数が格納されている(0の場合は無限ループとなる)。「データ数」の領域には、0〜65535の範囲でデータ1〜Nの総数(N)が格納されている(0の場合は無効(無視)となる)。「データ1〜N」の領域には、パーツデータを参照するためのアドレス(各々のパーツデータが格納されているROM612上の先頭アドレス)がそれぞれ格納されている。すなわち、パーツリストデータは最小単位の制御情報である複数のパーツデータを時系列的に組み合わせることで、様々な連続動作の制御を実行可能に構成されている。
【0196】
パーツデータは、同図に示されるように、例えば「動作パターン」、「移動位置(停止ポジション)」、「移動に要する時間」の項目から構成されており、ROM612の所定記憶領域に予め記憶されている。本実施形態では、「動作パターン」の領域に0が格納されている場合は絶対座標動作(主動作)を示し、1が格納されている場合は相対座標動作(副動作)を示している。「移動位置」の領域には、移動位置(移動先の位置)の座標に関する情報(例えば、基準位置(原点)から移動先までのモータのステップ数)が0.4ミリ単位で格納されている。「移動に要する時間」の領域には、0〜65535msの範囲で移動に要する時間が格納されている(0の場合は最速動作となる)。
【0197】
図25に戻り、ステップS1306では、副制御部400へコマンドを送信するか否かを判定する。副制御部400へコマンドを送信する場合はステップS1307に進み、そうでない場合は、ステップS1302に戻る。
【0198】
ステップS1307では、副制御部400へコマンドを送信して、ステップS1302に戻る。副制御部600メイン処理では上記ステップS1302〜S1307の処理を繰り返し実行する。
【0199】
次に、図26(b)を用いて、副制御部600の割込み処理について説明する。同図は、副制御部600割込み処理の流れを示すフローチャートである。副制御部600は、所定の周期(本実施形態では、2msに1回)でタイマ割込みを発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込みを契機として、副制御部600割込み処理を実行する。
【0200】
ステップS1401では、受信コマンドがあるか否かを判定する。副制御部500からコマンドを受信した場合はステップS1402に進み、そうでない場合は処理を終了する。
【0201】
ステップS1402では、受信コマンドを未処理コマンドとしてRAM613のコマンド記憶領域に記憶する。
【0202】
以上述べたように、本実施形態によれば、所定の演出画像を表示するための表示手段(例えば、液晶表示装置157)と、演出に関する制御処理を実行する演出制御手段(例えば、副制御部400)と、前記演出制御手段の制御処理に従って、前記表示手段に表示される演出画像の表示制御を行う表示制御手段(例えば、副制御部500)と、を備えた遊技台(例えば、スロットマシン100)であって、前記演出制御手段は、所定の条件が成立した場合には(例えば、設定値変更処理中にリセットボタン押下、規定枚数のメダル投入後にMAXBETボタン押下など)、前記制御処理の実行により変化する情報である内部変数情報(例えば、メダル投入数、メダル払出数、BB回数、AT抽選状態、停止操作順など)を前記表示制御手段に送信し、前記表示制御手段は、前記内部変数情報を受信した場合には、前記表示手段に表示される演出画像を維持したまま、前記内部変数情報を視認可能な表示態様で前記表示手段に表示させる表示制御を行う。
【0203】
このような構成により、本実施形態においては、演出制御手段が管理する内部変数情報を演出画像と一緒に視覚的に確認することができる。この結果、演出画像では確認できない内部的な制御処理の実行結果などを確認することができる。
【0204】
また、前記内部変数情報は、遊技に関連する遊技関連情報、プログラム変数に関するプログラム変数情報、及び操作履歴に関する操作履歴情報のうち、少なくとも一つ以上を含むことが好ましい。
【0205】
この場合には、遊技に関する内部変数情報を確認することができ、開発担当者にとっては、開発のデバッグ効率を向上させることができる場合がある。
【0206】
また、前記内部変数情報は、複数のグループに分類されており、前記演出制御手段は、前記所定の条件が成立するたびに、前記内部変数情報をグループ単位で順次送信し、前記表示制御手段は、前記所定の条件が成立するたびに、受信した前記内部変数情報を順次グループ単位で前記表示手段に表示することが好ましい。
【0207】
この場合には、種類別にまとまりある内部変数情報を順次確認でき、関連する情報をひとまとまりで確認することができる。この結果、開発のデバッグ効率を向上させることができる。
【0208】
また、遊技に関する操作を行うための操作手段を備え、前記所定の条件は、前記操作手段に対する操作が行われた場合に成立し、前記操作手段に対する操作が行われるごとに、前記演出制御手段は、前記内部変数情報をグループ単位で順次送信し、前記表示制御手段は、受信した前記内部変数情報を順次グループ単位で前記表示手段に表示することが好ましい。
【0209】
この場合には、遊技台に備えられた操作手段を操作することにより、簡単に内部変数情報の表示を切り替えることができる。
【0210】
また、前記操作手段には、遊技を開始するための遊技開始操作手段が含まれ、前記演出制御手段は、前記遊技開始操作手段に対する操作が行われる場合には、前記表示手段に表示されている内部変数情報を消去する制御情報を前記表示制御手段に送信し、前記表示制御手段は、前記表示手段に表示されている内部変数情報を消去することが好ましい。
【0211】
この場合には、遊技操作の開始に基づいて、表示している内部変数情報を消去するので、内変数情報の消去が容易である。
【0212】
以上、本発明に係る遊技台は、複数種類の図柄が施された複数のリールと、各々の前記リールに対応して設けられ、前記リールの回転を個別に停止させるためのストップボタンと、前記抽選結果決定手段の抽選結果と前記ストップボタンの操作に基づいて、前記リールを停止させるリール停止制御手段と、を備えると共に、前記リールの回転を開始させるためのスタートレバーを備え、停止時の前記リールにより表示される図柄の組合せが、内部当選した前記役に対応して予め定められた図柄の組合せである場合に、前記役に入賞するように構成されているスロットマシンに好適であるが、パチンコやゲーム機などにも適用可能である。
【0213】
例えば、「所定の遊技領域に球を発射する発射装置と、発射装置から発射された球を入球可能に構成された入賞口と、入賞口に入球した球を検知する検知手段と、検知手段が球を検知した場合に球を払出す払出手段と、所定の図柄(識別情報)を変動表示する可変表示装置を備え、入賞口に遊技球が入って入賞することを契機として、可変表示装置が図柄を変動させた後に停止表示させて、遊技状態の推移を告知するようなパチンコ機」において、所定の時期に所定の操作部を操作することにより、内部変数情報が表示されるようにしてもよい。
【0214】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、本発明の実施の形態に対して種々の変形や変更を施すことができ、そのような変形や変更を伴うものもまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0215】
100 スロットマシン
110、111、112 リール
113 図柄表示窓
114 入賞ライン
130、131、132 メダル投入ボタン
135 スタートレバー
137、138、139 ストップボタン
300 主制御部
400、500、600 副制御部
157 液晶表示装置
202 垂直可動部材
204 水平可動部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の演出画像を表示するための表示手段と、
演出に関する制御処理を実行する演出制御手段と、
前記演出制御手段の制御処理に従って、前記表示手段に表示される演出画像の表示制御を行う表示制御手段と、を備えた遊技台であって、
前記演出制御手段は、
所定の条件が成立した場合には、前記制御処理の実行により変化する情報である内部変数情報を前記表示制御手段に送信し、
前記表示制御手段は、前記内部変数情報を受信した場合には、前記表示手段に表示される演出画像を維持したまま、前記内部変数情報を視認可能な表示態様で前記表示手段に表示させる表示制御を行うことを特徴とする遊技台。
【請求項2】
前記内部変数情報は、遊技に関連する遊技関連情報、プログラム変数に関するプログラム変数情報、及び操作履歴に関する操作履歴情報のうち、少なくとも一つ以上を含むことを特徴とする請求項1記載の遊技台。
【請求項3】
前記内部変数情報は、複数のグループに分類されており、
前記演出制御手段は、
前記所定の条件が成立するたびに、前記内部変数情報をグループ単位で順次送信し、
前記表示制御手段は、
前記所定の条件が成立するたびに、受信した前記内部変数情報を順次グループ単位で前記表示手段に表示することを特徴とする請求項1又は2記載の遊技台。
【請求項4】
遊技に関する操作を行うための操作手段を備え、
前記所定の条件は、前記操作手段に対する操作が行われた場合に成立し、
前記操作手段に対する操作が行われるごとに、前記演出制御手段は、前記内部変数情報をグループ単位で順次送信し、前記表示制御手段は、受信した前記内部変数情報を順次グループ単位で前記表示手段に表示することを特徴とする請求項3記載の遊技台。
【請求項5】
前記操作手段には、遊技を開始するための遊技開始操作手段が含まれ、
前記演出制御手段は、
前記遊技開始操作手段に対する操作が行われる場合には、前記表示手段に表示されている内部変数情報を消去する制御情報を前記表示制御手段に送信し、
前記表示制御手段は、
前記表示手段に表示されている内部変数情報を消去することを特徴とする請求項4記載の遊技台。
【請求項1】
所定の演出画像を表示するための表示手段と、
演出に関する制御処理を実行する演出制御手段と、
前記演出制御手段の制御処理に従って、前記表示手段に表示される演出画像の表示制御を行う表示制御手段と、を備えた遊技台であって、
前記演出制御手段は、
所定の条件が成立した場合には、前記制御処理の実行により変化する情報である内部変数情報を前記表示制御手段に送信し、
前記表示制御手段は、前記内部変数情報を受信した場合には、前記表示手段に表示される演出画像を維持したまま、前記内部変数情報を視認可能な表示態様で前記表示手段に表示させる表示制御を行うことを特徴とする遊技台。
【請求項2】
前記内部変数情報は、遊技に関連する遊技関連情報、プログラム変数に関するプログラム変数情報、及び操作履歴に関する操作履歴情報のうち、少なくとも一つ以上を含むことを特徴とする請求項1記載の遊技台。
【請求項3】
前記内部変数情報は、複数のグループに分類されており、
前記演出制御手段は、
前記所定の条件が成立するたびに、前記内部変数情報をグループ単位で順次送信し、
前記表示制御手段は、
前記所定の条件が成立するたびに、受信した前記内部変数情報を順次グループ単位で前記表示手段に表示することを特徴とする請求項1又は2記載の遊技台。
【請求項4】
遊技に関する操作を行うための操作手段を備え、
前記所定の条件は、前記操作手段に対する操作が行われた場合に成立し、
前記操作手段に対する操作が行われるごとに、前記演出制御手段は、前記内部変数情報をグループ単位で順次送信し、前記表示制御手段は、受信した前記内部変数情報を順次グループ単位で前記表示手段に表示することを特徴とする請求項3記載の遊技台。
【請求項5】
前記操作手段には、遊技を開始するための遊技開始操作手段が含まれ、
前記演出制御手段は、
前記遊技開始操作手段に対する操作が行われる場合には、前記表示手段に表示されている内部変数情報を消去する制御情報を前記表示制御手段に送信し、
前記表示制御手段は、
前記表示手段に表示されている内部変数情報を消去することを特徴とする請求項4記載の遊技台。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図6】
【図7】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
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【図11】
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【図13】
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【図16】
【図22】
【図23】
【図24】
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【図26】
【図6】
【図7】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2011−62321(P2011−62321A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−215113(P2009−215113)
【出願日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【出願人】(597044139)株式会社大都技研 (1,470)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【出願人】(597044139)株式会社大都技研 (1,470)
【Fターム(参考)】
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