遊技機端末及び遊技場システム
【課題】 当りに関する稼動データが異常となった場合でも、簡単な操作で稼動データを修正することができるデータ表示装置及び遊技場システムを提供する。
【解決手段】 遊技者がパチスロ機の遊技を行うことにより、パチスロ機からリール信号、BIG信号及びREG信号の出力あるいはATが検知されると、データ表示装置は、稼動データを算出し、稼動データを表示器に表示する。さらに、データ表示装置に、上記信号に相当するノイズあるいはATの誤検知が発生することにより、稼動データの修正が必要になった場合は、店員等がリモコンを操作して対応する修正入力スイッチを押下することによりデータ修正信号が送信されて、リモコン受信部を介してデータ修正信号が受信されると、データ修正信号ありと判断し(B1:YES)、データ修正信号が例えばBIGデータ修正信号と識別し(B2)、BIG回数をデクリメントすると共に(B3)、BIGに関する稼動データを算出する(B4)。
【解決手段】 遊技者がパチスロ機の遊技を行うことにより、パチスロ機からリール信号、BIG信号及びREG信号の出力あるいはATが検知されると、データ表示装置は、稼動データを算出し、稼動データを表示器に表示する。さらに、データ表示装置に、上記信号に相当するノイズあるいはATの誤検知が発生することにより、稼動データの修正が必要になった場合は、店員等がリモコンを操作して対応する修正入力スイッチを押下することによりデータ修正信号が送信されて、リモコン受信部を介してデータ修正信号が受信されると、データ修正信号ありと判断し(B1:YES)、データ修正信号が例えばBIGデータ修正信号と識別し(B2)、BIG回数をデクリメントすると共に(B3)、BIGに関する稼動データを算出する(B4)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定条件の成立に伴って遊技者にとって有利な当り状態を呈するように構成された遊技機の稼動データを表示する遊技機端末及び遊技場システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在のパチンコホールに設置されている遊技機端末においては、遊技機から出力される各種信号に基づいて当り状態(パチンコ遊技機の場合は大当り、確率変動等、パチスロ機の場合はBIGボーナス、REGボーナス、AT、CT、集中役等)を検知した場合に、当り回数をインクリメントすると共に現在のスタート回数をリセットすることにより、当り状態に関連した稼動データの更新(再演算)を行なっているものが多く存在する(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−301256号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記遊技機端末によれば、遊技機から出力される各種信号に基づいて当り状態を判断する構成であるので、例えばノイズの影響により当り信号が遊技機端末に誤って入力したり、遊技機端末が当り状態を誤判断したりした場合は、誤った稼動データが表示され、その後も誤った稼動データを表示し続けることになり、遊技者からは、信用できない遊技機端末として、信頼を失ってしまうといった問題があった。
【0004】
また、遊技機端末ばかりでなく管理装置の稼動データの集計管理においても、管理される稼動データが異常値となり、その日の営業データが信用できないものとなり、閉店後の調整(釘調整、設定操作等)に支障をきたすといった問題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、当りに関する稼動データが異常となった場合でも、簡単な操作で稼動データを修正することができる遊技機端末及び遊技場システムを提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の遊技機端末は、所定条件の成立に伴って遊技者にとって有利な当り状態を呈するように構成された遊技機側より出力される信号を入力する信号入力部と、この信号入力部に入力された信号に基づいて、当り状態を含む遊技機の遊技状態を判定する判定手段と、この判定手段により当り状態と判定された回数である当り回数を含む稼動データを演算する演算手段と、この演算手段により演算された稼動データを表示する表示手段とを備えた遊技機端末において、作業員が操作する操作手段と、前記操作手段への操作に応じて出力される修正信号を入力する修正入力手段とを備え、前記演算手段は、前記修正入力手段が修正信号を入力したときは、前記判定手段が直前に判定した当り状態の判定を無効化し、稼動データを再演算することを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の遊技機端末は、記判定手段は、複数種類の当り状態を呈するように構成された遊技機の当り状態の種類を判定し、前記演算手段は、前記判定手段が判定した当り状態の種類に応じて当り回数を含む稼動データを演算し、前記修正入力手段が修正信号を受信したときは、入力した修正信号の種類に応じて無効化する直前の当り状態の判定を決定することを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の遊技機端末は、前記操作手段は、従業員が携帯するリモコン装置であり、前記修正入力手段は、前記リモコン装置により出力される修正信号を受信するように構成されていることを特徴とする。
請求項4記載の遊技場システムは、請求項1ないし3の何れかの遊技機端末と接続され、当り回数を含む稼動データを演算し蓄積する機能を有した外部機器を備え、前記遊技機端末は、前記修正入力手段が入力した修正信号を前記外部機器に送信し、前記外部機器は、前記遊技機端末から修正信号を受信したときは、直前の当り状態を無効化し、自身の蓄積する稼動データを再演算することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の遊技機端末によれば、例えば当り信号の誤入力や当りの誤検知により、表示手段に表示されている当りに関連した稼動データが異常となってしまった場合には、従業員による操作手段への操作に応じて、修正信号が入力される。これにより、演算手段が直前の当り状態の判定を無効化して再演算するようになるので、正常な稼動データに修正することができ、稼動データの信頼性を高めることができる。
【0009】
請求項2記載の遊技機端末によれば、複数種類の当り状態を呈するように構成される遊技機に適用することができるので、遊技機の適用機種の拡大を図ることができる。
請求項3記載の遊技機端末によれば、リモコン装置により出力される修正信号により請求項1と同様の効果を得ることができるので、使い勝手を良好とすることができる。
請求項4記載の遊技場用システムによれば、外部機器が蓄積している稼動データも修正することができるので、システム全体の稼動データの信頼性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(第1の実施例)
以下、本発明の第1の実施例について図1ないし図9を参照して説明する。
図1には、本実施例の全体構成が概略的に示されている。この図1において、各パチスロ機(遊技機に相当)1の上方に呼出ランプの機能を備えたデータ表示装置(遊技端末に相当)2が設けられている。このデータ表示装置2は、パチスロ機1から出力される以下に示す各種信号を受信したときは、その信号を中継機28を介して管理装置(外部機器に相当)3へ送信する機能、リモコン(操作手段及びリモコン装置に相当)4(図3参照)から受信した修正信号を受信する機能などを備えている。
【0011】
(1)アウト信号(1メダル投入(1クレジットメダル投入)毎に1パルス出力)
(2)セーフ信号(1メダル払出毎に1パルス出力)
(3)リール信号(1ゲーム開始毎に1パルス出力)
(4)BIG信号(ビッグボーナス(以下、BIGボーナス)期間中にレベル信号出力)
(5)REG信号(レギュラーボーナス(以下、REGボーナス)期間中にレベル信号出力)
データ表示装置2は、パチスロ機1より出力される信号に基づいて稼動データを算出し、これら稼動データの表示動作を行なう。管理装置3は、データ表示装置2から出力される信号に基づいて各パチスロ機1についての各種の稼動データを蓄積して管理するようになっている。パチスロ機1の正面には表示窓5が形成されており、その表示窓5を通じて内部に設けられた可変表示装置6の図柄を視認可能となっている。この場合、図柄は可変表示装置6が有する3個のリール(符号なし)の円周面に描かれており、リールの停止状態では表示窓の上段、中段、下段に対応して図柄が表示されるようになっている。また、表示窓5の右側方には遊技に関する各種演出を行なう演出表示部7が設けられている。
【0012】
表示窓5の下方に設けられた操作パネル8には、クレジットメダルの投入ボタン9、クレジット清算ボタン10、メダル投入口11が設けられていると共に、スタートレバー12、左側ストップボタン13、中央ストップボタン14、右側ストップボタン15が配置されている。
この場合、パチスロ機1にあっては、一連のゲーム開始操作、つまりメダル投入口11にメダルが投入された状態、若しくは、投入ボタン9を通じてクレジットメダルの投入を受けた状態でスタートレバー12の操作が行われたときに、可変表示装置6の動作(リールの回転動作)が開始されるものであり、各ストップボタン13〜15の操作によりリールが停止した状態で1ゲームが終了するようになっている。そして、ゲーム終了時において、可変表示装置6が所定の当り状態、例えば各リールに停止表示された図柄の組み合わせが当り図柄となったときは、当り図柄に応じた枚数のメダルが受皿16に払出される。当り図柄としては、BIGボーナス図柄、REGボーナス図柄、小役図柄等が設定されている。尚、各リールに停止表示された図柄の組み合わせがBIGボーナス図柄あるいはREGボーナス図柄となったときには、その後に行われる各ゲームでの当り発生確率が大幅に高められたBIGボーナス状態あるいはREGボーナス状態(当り状態に相当)が所定期間だけ継続される構成となっている。
【0013】
また、予め定められた当り状態であるアシストタイム(以下、AT)突入に関する抽選に当選した場合に、ATに突入する。このATとは、BIGボーナスやREGボーナスとは別の当り状態であり、遊技者が特定の入賞図柄を揃え易くした状態である。つまり、通常状態においては入賞が困難な特定の役を入賞し易くするために、目押しすべき図柄の種類やストップボタンの操作順序などのナビゲーション情報を遊技者に報知する状態である。
【0014】
図2は、データ表示装置2を示す正面図である。この図2において、データ表示装置2の前面には、ランプ群17、呼出スイッチ18、データ切換スイッチ19、リモコン受信部(修正入力手段に相当)20、表示器(表示手段に相当)21が設けられている。この表示器21は、例えばバックライト付のカラー液晶表示パネルよりなるもので、パチスロ機1の所定の稼動データが表示されており、データ切換スイッチ19を押下することで、以下に示すような各種稼動データを切換表示することができる。
【0015】
総ゲーム数:営業開始から現在時点までの累計ゲーム回数を示す(BIG,REG及びAT中のゲーム回数を除く)。
現在のゲーム数:営業開始あるいは先回のBIGボーナス終了時点から現在時点までのゲーム回数を示す。
BIG回数:営業開始から現時点までのBIGボーナスの発生回数を示す。
REG回数:営業開始から現時点までのREGボーナスの発生回数を示す。
AT回数:営業開始から現時点までのATの発生回数を示す。
先回BIG獲得枚数:先回のBIGボーナス中に獲得したメダル数を示す。
先回AT獲得枚数:先回のAT中に獲得したメダル数を示す。
BIG確率:BIGボーナスの発生回数÷累計ゲーム回数の演算で得られる確率を示す。
REG確率:REGボーナスの発生回数÷累計ゲーム回数の演算で得られる確率を示す。
AT確率:ATの発生回数÷累計ゲーム回数の演算で得られる確率を示す。
平均BIG獲得枚数:各BIGボーナス中に獲得したメダル数の平均獲得枚数を示す。
平均AT獲得枚数:各AT中に獲得したメダルの平均獲得枚数を示す。
【0016】
図3はリモコン4の平面外観を示しており、リモコン4には、本発明に関連してBIGデータ修正スイッチ4a、REGデータ修正スイッチ4b、ATデータ修正スイッチ4c等が配置されている。
図4には、データ表示装置2の電気的構成が機能ブロックの組み合わせにより概略的に示されている。この図4において、制御部22は、CPU(演算手段及び判定手段に相当)23、制御プログラムを記憶したROM24およびワーキングエリア用のRAM25などと共にマイクロコンピュータを構成するもので、予め記憶した制御プログラムに基づいて動作し、パチスロ機1からの出力信号(アウト信号、セーフ信号、リール信号、BIG信号、REG信号)を送受信部(信号入力部に相当)26を通じて受信すると共に、図2に示した呼出スイッチ18やデータ切換スイッチ19を含む操作スイッチ群27からの操作信号を入力してランプ群17及び表示器21の制御を行う。また、制御部22は、管理装置3との間での信号の送受信を送受信部26を通じて行うようになっている。特に本実施例では、制御部22は、リモコン受信部20から後述する修正信号を入力したときは、表示器21に表示されている稼動データの修正を実行する。
【0017】
以下、本実施例の作用につきデータ表示装置2の動作のフローチャートを示す図5及び図6を参照しながら説明する。
遊技者がパチスロ機1による遊技を行うと、可変表示装置6の動作に伴ってパチスロ機1からリール信号が出力され、データ表示装置2にて稼動データの表示に関する処理が行なわれる。
【0018】
図5は、データ表示装置2のCPU23のメイン動作のうち本発明の要旨に関連した動作を示すフローチャートである。尚、以下の説明に出現する上述した総ゲーム数、現在ゲーム数、BIG回数、REG回数、AT回数などは、RAM25に設定されたデータ記憶エリアに格納されるものである。
この図5において、CPU23は、常時において、パチスロ機1からのリール信号、BIG信号、REG信号の入力の有無を判定すると共に差枚数検知によるAT検知を判定している(A1)。この差枚数検知とは、払出枚数−消費枚数に基づいてATの開始及び終了を判断する機能である。
【0019】
遊技者がパチスロ機1の遊技を行うことにより、パチスロ機1からリール信号が出力されると、CPU23は、リール信号ありと判断し(A1:YES)、信号の種類を識別すると共に(A2)、稼動データを算出し(A3)、稼動データを表示してから(A4)、リターンする。
この稼動データを算出するステップA3においては、総ゲーム数及び現在ゲーム数をインクリメントすると共にBIG確率及びREG確率を算出する。
【0020】
遊技者がパチスロ機1の遊技において当り状態としてのBIGボーナスを発生させると、パチスロ機1からBIG信号が出力される。
すると、CPU23は、稼動データを算出するステップA3において、現在ゲーム回数及び後述する先回BIG獲得枚数を記憶し、BIG回数をインクリメントすると共にBIG確率を算出し、BIGボーナス中に払い出されたメダルの枚数(先回BIG獲得枚数に表示される枚数)を計数して、平均BIG獲得枚数を算出する。尚、遊技者がパチスロ機1の遊技においてREGボーナスを発生させた場合は、CPU23は、REGボーナスに関連する稼動データを同様の動作により算出する。
【0021】
一方、遊技者がパチスロ機1の遊技において当り状態としてのATを発生させると、小役図柄が連続して当りやすくなるので、小役図柄が連続で当ることにより差枚数が増加するようになる。CPU23は、差枚数が所定数増加したときはAT検知であると判断し、そのAT検知と判断する契機となった小役図柄の当りからATが発生したものと判定する。例えば、ATが発生することにより小役図柄が3回連続で入賞することにより差枚数が所定枚数増加すると、CPU23は、AT検知であると判断し、3回連続で入賞した小役図柄の最初に入賞したゲームからATが発生したものとみなす。また、差枚数が所定枚数減少したときは、AT終了と判定する。よって、稼動データを算出するステップA3において、CPU23は、現在ゲーム数及び先回AT獲得枚数を記憶し、AT回数をインクリメントすると共にAT確率を算出し、AT中に払い出されたメダルの枚数(先回AT獲得枚数に表示される枚数)を計数し、平均AT獲得枚数を算出する。
以上のように、遊技者がパチスロ機1において通常の遊技を行っている間に当り状態となったときは、その当り回数が計数されると共に、当り状態中の平均払出枚数が演算される。
【0022】
ところで、パチスロ機1と管理装置3との間の信号経路にノイズが重畳した場合、データ表示装置2には当りを示す信号が誤入力し、データ表示装置2が表示する稼動データが異常となり、データの信頼性が低下する虞がある。
そこで、本実施例では、データ表示装置2に当りを示す信号が誤入力した場合は以下のようにして稼動データを修正し、信頼性を向上させるようにした。
<BIGボーナス修正>
図7はノイズなどによりデータ表示装置2にBIG信号が誤って入力した場合に、データ表示装置2が表示する稼動データの変化を示している。この図7では、誤入力が発生する直前から(状態A)、ノイズによりBIG信号の誤入力が発生し、遊技者が、この誤入力から50ゲーム遊技した後にBIGボーナスの誤表示があることに気付いて(状態B)、データ表示装置2の呼出スイッチ18を押下することにより店員を呼び出し、店員がリモコン4を操作によりBIGデータ修正スイッチ4aを押下して修正信号を送信して修正した(状態C)場合を例にとって説明する。
【0023】
状態Aにおける稼動データは、総ゲーム数は「5000」、現在ゲーム数は「100」、BIG回数は「20」、BIG確率は「1/250」、REG回数は「10」、REG確率は「1/500」、AT回数は「5」、AT確率は「1/1000」、先回BIG獲得枚数は「415」、平均BIG獲得枚数は「400」、先回AT獲得枚数は「250」、平均AT獲得枚数は「150」である。
ノイズによりBIG信号が誤ってデータ表示装置2に入力すると、データ表示装置2は、BIG回数をインクリメントすると共に、先回BIG獲得枚数をリセットし、さらに各稼動データを演算する。このようなノイズは単発的であることから、管理装置3は、直ちに通常動作に復帰する。
【0024】
ノイズによりBIG信号がデータ表示装置2に誤って入力されてから50ゲーム遊技を行った状態Bにおける稼動データは、総ゲーム数は「5050」、現在ゲーム数は「50」、BIG回数は「21」、BIG確率は「1/240」、REG回数は「10」、REG確率は「1/505」、AT回数は「5」、AT確率は「1/1010」、先回BIG獲得枚数は「0」、平均BIG獲得枚数は「381」、先回AT獲得枚数は「250」、平均AT獲得枚数は「150」である。
このようにBIG信号がデータ表示装置2に誤って入力されてから遊技者がゲームを継続すると、BIG回数及びBIG確率は異常値が継続的に表示されると共に、先回BIG獲得枚数はリセットされたままとなる。
【0025】
さて、遊技者がデータ表示装置2の表示内容の異常に気づいて店員を呼ぶと、店員は、状態Bにおける誤表示を修正するために、リモコン4のBIGデータ修正スイッチ4aを押下する。すると、リモコン4からBIGデータ修正信号が送信され、リモコン受信部20を介してデータ表示装置2が当該修正信号を受信して修正動作を実行する。
【0026】
図6はデータ表示装置2の修正動作を示すフローチャートを示している。この図6において、CPU23は、リモコン4からのデータ修正信号を受信すると(B1:YES)、データ修正信号がBIGデータ修正信号と識別し(B2)、BIG回数を状態Bの場合の「21」からデクリメントし「20」に修正すると共に(B3)、稼動データを再演算し(B4)、稼動データを表示してから(B5)、リターンする。尚、この稼動データを算出するステップB4においては、現在ゲーム数は、状態Aの場合の「100」と状態Bの場合の「50」が加算されて「150」に修正され、BIG確率は、(修正されたBIG回数「20」)/(総ゲーム数「5050」)より「1/203」に修正され、先回BIG獲得枚数は、状態Aの先回BIG獲得枚数「415」に変更され、平均BIG獲得枚数は、状態Aの平均BIG獲得枚数「400」に修正される。
【0027】
従って、修正後の状態Cにおける稼動データは、総ゲーム数「5050」、現在ゲーム数「150」、BIG回数「20」、BIG確率「1/253」、REG回数「10」、REG確率「1/505」、AT回数「5」、AT確率「1/1010」、先回BIG獲得枚数「415」、平均BIG獲得枚数「400」、先回AT獲得枚数「250」、平均AT獲得枚数「150」となり、斯様な稼動データが図7に示すようにデータ表示装置2の表示器21に表示される。
【0028】
<AT修正>
データ表示装置2は、上述したように差枚数検知に基づいてATを判断しているものの、遊技状態によってはその判断を誤る場合があり、このような場合は、データ表示装置2の表示データの信頼性が低下する。図8は、データ表示装置2の差枚数検知によりAT中と誤検知された場合の小役の獲得状況を示している。この図8において、ゲーム数とは、ATの開始と判断されてからのゲーム数を示し、獲得枚数は、各ゲームに獲得したメダル枚数を示している。
【0029】
この図8は、遊技者がたまたま成立した15枚役を3回連続獲得することで、データ表示装置2が3ゲーム目にATが発生したと誤検知し、1ゲーム目をAT開始であると誤判断した場合を示している。つまり、最初の15枚役を獲得したときからATが開始されたものとし、その後の差枚数検知により20ゲーム目をもってATが終了したと判断した場合のATの例を示している。尚、図8の例では、誤検知のAT中の差枚数である先回AT獲得枚数は「−4」となる(投入メダル3枚×20ゲームよりアウトは60、払出メダル15枚×3ゲームと3枚×2ゲーム+5枚×1ゲームよりセーフは56であり、差メダルはセーフ「56」−アウト「60」により算出されるものである)。
【0030】
このようなデータ表示装置2の差枚数検知により誤検知が発生した場合は、以下のようにして稼動データを修正し、信頼性を高めるようにした。
図9は、上述したようなAT誤検知が発生した場合のデータ表示装置2の稼動データの状態を示しており、ATの誤検知が発生する直前から(状態A)、AT誤検知が発生して20ゲーム後にAT終了検知され、遊技者が、この誤検知から30ゲーム遊技した後に誤検知があることに気付いて(状態B)、データ表示装置2の呼出スイッチ18を押下することにより店員を呼び出し、店員がリモコン4の操作によりATデータ修正スイッチ4cを押下して修正信号を送信して修正した(状態C)場合を例にとって説明する。
【0031】
図9に示すデータ表示装置2の状態Aにおいては、総ゲーム数は「3000」、現ゲーム数は「200」、BIG回数は「15」、BIG確率は「1/200」、REG回数は「5」、REG確率は「1/600」、AT回数は「10」、AT確率は「1/300」、先回BIG獲得枚数は「400」、平均BIG獲得枚数は「380」、先回AT獲得枚数は「200」、平均AT獲得枚数は「250」を表示しており、AT終了後から30ゲーム遊技を行った状態Bにおいては、総ゲーム数は「3030」、現ゲーム数は「30」、BIG回数は「15」、BIG確率は「1/202」、REG回数は「5」、REG確率は「1/606」、AT回数は「11」、AT確率は「1/275」、先回BIG獲得枚数は「400」、平均BIG獲得枚数は「380」、先回AT獲得枚数は「−4」、平均AT獲得枚数は「227」を表示している。
【0032】
さて、遊技者がデータ表示装置2のAT回数及びAT確率等の表示内容の異常に気づいて店員を呼ぶと、店員は、データ表示装置2の状態Bにおける誤表示を修正するために、リモコン4のATデータ修正スイッチ4cを押下する。すると、リモコン4からAT修正信号が送信され、リモコン受信部20を介してデータ表示装置2がAT修正信号を受信して図6に示す修正動作を実行する。
【0033】
尚、図6に示す稼動データを算出するステップC4においては、AT回数がデクリメントされることにより、AT状態中と検知された20ゲームは、通常のゲーム数にカウントされることになる。そのため、総ゲーム数は、状態Bの場合の「3030」と誤検知されたATゲーム数「20」が加算されて「3050」に修正され、現在ゲーム数は、状態Aの場合の「200」と状態Bの場合の「30」と誤検知されたATゲーム数「20」が加算されて「250」に修正され、BIG確率は、(状態BのBIG回数「15」)/(修正された総ゲーム数「3050」)より「1/203」に修正され、REG確率は、(状態BのREG回数「5」/(修正された総ゲーム数「3050」)より「1/610」に修正され、AT確率は、デクリメント後のAT回数「10」/データ再演算後の総ゲーム数「3050」より「1/305」に修正され、先回AT獲得枚数は、状態A「200」に変更され、平均AT獲得枚数は、状態A「250」に変更されて修正される。
【0034】
従って、修正後の状態Cにおける稼動データは、図9に示すように総ゲーム数「3050」、現在ゲーム数「250」、BIG回数「5」、BIG確率「1/203」、REG回数「5」、REG確率「1/610」、AT回数「10」、AT確率「1/305」、先回BIG獲得枚数「400」、平均BIG獲得枚数「380」、先回AT獲得枚数「200」、平均AT獲得枚数「250」としてデータ表示装置2の表示器21に表示される。
【0035】
このような構成によれば、リモコン4に対する操作によりデータ表示装置2による前回の当り状態を無効化するようにしたので、ノイズなどにより誤った信号が管理装置3に入力されたり、データ表示装置2がAT発生を誤検知してしまうことにより、データ表示装置2に表示されている当りに関する稼動データが異常となってしまった場合であっても、リモコン4を操作するだけの簡単な操作でデータ表示装置2の表示データを正常なデータに戻すことができ、稼動データの信頼性を高めることができる。
【0036】
また、リモコン4からの修正信号に基づいて当り状態の種類を判定し、当り状態に応じて正常な稼動データに戻すようにしたので、BIGボーナス、REGボーナス、AT等の複数種類の当り状態を呈する構成のパチスロ機1であっても、正常な稼動データに確実に戻すことができると共に、すばやく簡単に正常な稼動データに戻すことができる。
【0037】
(第2の実施例)
以下、本発明の第2の実施例を図10及び図11に基づいて説明するに、第1の実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略して異なる部分についてのみ説明する。本実施例の特徴は、データ表示装置2が表示する稼動データに加えて管理装置3が管理する稼動データも同時に修正することを特徴とする。尚、本実施例では、ATに関する稼動データを修正した例を示す。
【0038】
データ表示装置2は、リモコン4から送信されたデータ修正信号を受付けたときは、当該信号を管理装置3へ送信する機能等を備えている。
図10は、管理装置(外部機器に相当)3に表示される稼動データを示しており、ベースデータとして、累計の投入メダル枚数を示すアウト、累計払い出しメダル枚数を示すセーフ、アウトとセーフの差を示す差、BIG、REG及びAT中を除いた通常状態中の投入メダル枚数を示すベース中アウト、BIG、REG及びAT中を除いた通常状態中の払い出しメダル枚数を示すベース中セーフ、ベース中セーフ/ベース中アウトにより算出され、通常状態中の出玉率を示すベースが表示される。
【0039】
この図10では、AT誤検知が発生した場合の管理装置3に蓄積された稼動データの状態の変化を示しており、状態Bは第1の実施例を示す図9の状態Bに相当し、状態Cは図9の状態Cに相当する。
また、大当り履歴データとして、BIG、REG及びAT等の特別状態である大当りが発生した時刻である時間、当該大当りが発生した大当り間のゲーム数を示すゲーム数、当該大当りの大当り種類を示す種別、当該大当り中の差メダル数を示すTYが表示される。
【0040】
尚、図10に示す状態Bにおいては、アウト「11000」、セーフ「16850」、差「−5850」、ベース中アウト「9090」、ベース中セーフ「3944」、ベース「43」を示しており、時間「16:00」、ゲーム数「200」に発生したATが誤検知されたATに相当する。
図11は、データ表示装置2の修正動作を示している。この図11において、データ表示装置2のCPU23は、第1の実施例で説明したように、リモコン4からのデータ修正信号を受信したときは(C1:YES)、データ修正信号がATデータ修正信号と識別し(C2)、AT回数を修正すると共に(C3)、稼動データを再演算し(C4)、稼動データを表示する(C5)。
【0041】
ここで、管理装置3は、上述のように稼動データを修正したときは、ATデータ修正信号を管理装置3に送信してから(C6)、リターンする。
管理装置3は、データ表示装置2からATデータ修正信号を受信すると、ATデータ修正信号の入力を確認したところで、自身のAT回数をデクリメントすると共に自身の稼動データを上記と同様の方法により再演算し、ベース中アウトとベース中セーフもAT中の差枚数を加味することで再演算して修正する。
【0042】
この管理装置3の稼動データの再演算により、ベース中アウトは、誤検知されたATはベース状態中であったことになるため、状態Bの場合の「9090」にAT中のアウト「60」が加算されて「9150」に修正され、ベース中セーフは、状態Bの場合の「3944」にAT中のセーフ「56」が加算されて「4000」に修正され、ベースは、修正後のベース中セーフ「4000」/修正後のベース中アウト「9150」より「44」に修正され、ゲーム数は、時間「16:00」の「200」と時間「16:03」の「30」と誤検知されたATゲーム数「20」が加算されて「250」に修正され、誤検知のAT回数はデクリメントされて稼動データ上無効化されるため、時間「16:00」に発生したATのレコードは削除されて、時間「16:03」のレコードに移行される。
同様に、リモコン4のBIGデータ修正スイッチ4aに対する操作により、データ表示装置2が表示するBIGボーナスに関する稼動データに加えて、管理装置3が記憶しているBIGボーナスに関する稼動データも修正することができる。
【0043】
このような構成によれば、データ表示装置2は、リモコン4から修正信号を受信したときは当該修正信号を管理装置3に送信し、管理装置3は、修正信号を受信したときは自身の蓄積した稼動データを再演算するようにしたので、データ表示装置2が表示する稼動データに加えて管理装置3が管理する稼動データも簡単に正常なデータとすることができる。従って、データ表示装置2及び管理装置3の稼動データを簡単且つすばやく正常な稼動データに戻すことができるので、システム全体の稼動データの信頼性を高めることができるようになる。
【0044】
(変形例)
本発明は、上記実施例にのみ限定されるものではなく、次にように変形又は拡張することができる。
上記第1の実施例において、ノイズとしてBIG信号が誤入力された場合を説明したが、REG信号の誤入力が発生した場合であってもよく、その場合は、REG信号に関連する稼動データを上記第1の実施例と同様の動作により算出して修正を行なう。
【0045】
上記第2の実施例において、データ表示装置2に修正信号の入力があった場合に、当該修正信号を管理装置3に送信することで、当該修正信号に対応した稼動データを再演算する構成としたが、データ表示装置2は、データ表示装置2で修正した稼動データそのものを管理装置3に送信する構成としてもよい。
上記実施例において、リモコンのスイッチはBIGデータ修正スイッチ4a、REGデータ修正スイッチ4b及びATデータ修正スイッチ4cのみの構成としたが、その他の当り状態(確率変動、CT、集中役等)に対応するスイッチを設けるようにしてもよい。
【0046】
上記実施例において、リモコン4から送信される各種データ修正信号をリモコン受信部20により受信することでデータ表示装置2にデータ修正信号を受付ける構成としたが、データ表示装置2に各種修正入力スイッチ(操作手段に相当)を設けることにより、直接修正入力を受付ける構成としてもよい。
上記実施例において、AT中のゲーム回数を累計ゲーム回数に含まない構成としたが、設定を設けて機種によっては、AT中のゲーム回数を累計ゲーム回数に含めることもできる構成としてもよい。
【0047】
上記実施例において、データ表示装置2が遊技状態を判定し、稼動データを演算する構成としたが、複数のデータ表示装置2に接続している中継機28が、複数の遊技機の遊技状態を判定し、稼動データを演算する構成としてもよい(この場合、データ表示装置2と中継機28とを含めたものが、遊技機端末に相当する)。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の第1の実施例における全体構成を示す図
【図2】データ表示装置の正面図
【図3】リモコンの平面図
【図4】データ表示装置の電気的構成を示すブロック図
【図5】データ表示装置のメイン動作を示すフローチャート
【図6】データ表示装置の修正動作を示すフローチャート
【図7】データ表示装置におけるBIGボーナス修正時の稼動データの変化を示す図
【図8】誤検知したAT中の小役獲得状況を示す図
【図9】AT修正時を示す図7相当図
【図10】本発明の第2の実施例における管理装置における稼動データを示す図
【図11】図6相当図
【符号の説明】
【0049】
図面中、1はパチスロ機(遊技機)、2はデータ表示装置(遊技機端末)、3は管理装置(外部機器)、4はリモコン(操作手段、リモコン装置)、18は呼出スイッチ、19はデータ切換スイッチ、20はリモコン受信部(修正入力手段)、21は表示器(表示手段)、22は制御部、23はCPU(演算手段、判定手段)、26は送受信部(信号入力部)、28は中継機を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定条件の成立に伴って遊技者にとって有利な当り状態を呈するように構成された遊技機の稼動データを表示する遊技機端末及び遊技場システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在のパチンコホールに設置されている遊技機端末においては、遊技機から出力される各種信号に基づいて当り状態(パチンコ遊技機の場合は大当り、確率変動等、パチスロ機の場合はBIGボーナス、REGボーナス、AT、CT、集中役等)を検知した場合に、当り回数をインクリメントすると共に現在のスタート回数をリセットすることにより、当り状態に関連した稼動データの更新(再演算)を行なっているものが多く存在する(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−301256号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記遊技機端末によれば、遊技機から出力される各種信号に基づいて当り状態を判断する構成であるので、例えばノイズの影響により当り信号が遊技機端末に誤って入力したり、遊技機端末が当り状態を誤判断したりした場合は、誤った稼動データが表示され、その後も誤った稼動データを表示し続けることになり、遊技者からは、信用できない遊技機端末として、信頼を失ってしまうといった問題があった。
【0004】
また、遊技機端末ばかりでなく管理装置の稼動データの集計管理においても、管理される稼動データが異常値となり、その日の営業データが信用できないものとなり、閉店後の調整(釘調整、設定操作等)に支障をきたすといった問題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、当りに関する稼動データが異常となった場合でも、簡単な操作で稼動データを修正することができる遊技機端末及び遊技場システムを提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の遊技機端末は、所定条件の成立に伴って遊技者にとって有利な当り状態を呈するように構成された遊技機側より出力される信号を入力する信号入力部と、この信号入力部に入力された信号に基づいて、当り状態を含む遊技機の遊技状態を判定する判定手段と、この判定手段により当り状態と判定された回数である当り回数を含む稼動データを演算する演算手段と、この演算手段により演算された稼動データを表示する表示手段とを備えた遊技機端末において、作業員が操作する操作手段と、前記操作手段への操作に応じて出力される修正信号を入力する修正入力手段とを備え、前記演算手段は、前記修正入力手段が修正信号を入力したときは、前記判定手段が直前に判定した当り状態の判定を無効化し、稼動データを再演算することを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の遊技機端末は、記判定手段は、複数種類の当り状態を呈するように構成された遊技機の当り状態の種類を判定し、前記演算手段は、前記判定手段が判定した当り状態の種類に応じて当り回数を含む稼動データを演算し、前記修正入力手段が修正信号を受信したときは、入力した修正信号の種類に応じて無効化する直前の当り状態の判定を決定することを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の遊技機端末は、前記操作手段は、従業員が携帯するリモコン装置であり、前記修正入力手段は、前記リモコン装置により出力される修正信号を受信するように構成されていることを特徴とする。
請求項4記載の遊技場システムは、請求項1ないし3の何れかの遊技機端末と接続され、当り回数を含む稼動データを演算し蓄積する機能を有した外部機器を備え、前記遊技機端末は、前記修正入力手段が入力した修正信号を前記外部機器に送信し、前記外部機器は、前記遊技機端末から修正信号を受信したときは、直前の当り状態を無効化し、自身の蓄積する稼動データを再演算することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の遊技機端末によれば、例えば当り信号の誤入力や当りの誤検知により、表示手段に表示されている当りに関連した稼動データが異常となってしまった場合には、従業員による操作手段への操作に応じて、修正信号が入力される。これにより、演算手段が直前の当り状態の判定を無効化して再演算するようになるので、正常な稼動データに修正することができ、稼動データの信頼性を高めることができる。
【0009】
請求項2記載の遊技機端末によれば、複数種類の当り状態を呈するように構成される遊技機に適用することができるので、遊技機の適用機種の拡大を図ることができる。
請求項3記載の遊技機端末によれば、リモコン装置により出力される修正信号により請求項1と同様の効果を得ることができるので、使い勝手を良好とすることができる。
請求項4記載の遊技場用システムによれば、外部機器が蓄積している稼動データも修正することができるので、システム全体の稼動データの信頼性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(第1の実施例)
以下、本発明の第1の実施例について図1ないし図9を参照して説明する。
図1には、本実施例の全体構成が概略的に示されている。この図1において、各パチスロ機(遊技機に相当)1の上方に呼出ランプの機能を備えたデータ表示装置(遊技端末に相当)2が設けられている。このデータ表示装置2は、パチスロ機1から出力される以下に示す各種信号を受信したときは、その信号を中継機28を介して管理装置(外部機器に相当)3へ送信する機能、リモコン(操作手段及びリモコン装置に相当)4(図3参照)から受信した修正信号を受信する機能などを備えている。
【0011】
(1)アウト信号(1メダル投入(1クレジットメダル投入)毎に1パルス出力)
(2)セーフ信号(1メダル払出毎に1パルス出力)
(3)リール信号(1ゲーム開始毎に1パルス出力)
(4)BIG信号(ビッグボーナス(以下、BIGボーナス)期間中にレベル信号出力)
(5)REG信号(レギュラーボーナス(以下、REGボーナス)期間中にレベル信号出力)
データ表示装置2は、パチスロ機1より出力される信号に基づいて稼動データを算出し、これら稼動データの表示動作を行なう。管理装置3は、データ表示装置2から出力される信号に基づいて各パチスロ機1についての各種の稼動データを蓄積して管理するようになっている。パチスロ機1の正面には表示窓5が形成されており、その表示窓5を通じて内部に設けられた可変表示装置6の図柄を視認可能となっている。この場合、図柄は可変表示装置6が有する3個のリール(符号なし)の円周面に描かれており、リールの停止状態では表示窓の上段、中段、下段に対応して図柄が表示されるようになっている。また、表示窓5の右側方には遊技に関する各種演出を行なう演出表示部7が設けられている。
【0012】
表示窓5の下方に設けられた操作パネル8には、クレジットメダルの投入ボタン9、クレジット清算ボタン10、メダル投入口11が設けられていると共に、スタートレバー12、左側ストップボタン13、中央ストップボタン14、右側ストップボタン15が配置されている。
この場合、パチスロ機1にあっては、一連のゲーム開始操作、つまりメダル投入口11にメダルが投入された状態、若しくは、投入ボタン9を通じてクレジットメダルの投入を受けた状態でスタートレバー12の操作が行われたときに、可変表示装置6の動作(リールの回転動作)が開始されるものであり、各ストップボタン13〜15の操作によりリールが停止した状態で1ゲームが終了するようになっている。そして、ゲーム終了時において、可変表示装置6が所定の当り状態、例えば各リールに停止表示された図柄の組み合わせが当り図柄となったときは、当り図柄に応じた枚数のメダルが受皿16に払出される。当り図柄としては、BIGボーナス図柄、REGボーナス図柄、小役図柄等が設定されている。尚、各リールに停止表示された図柄の組み合わせがBIGボーナス図柄あるいはREGボーナス図柄となったときには、その後に行われる各ゲームでの当り発生確率が大幅に高められたBIGボーナス状態あるいはREGボーナス状態(当り状態に相当)が所定期間だけ継続される構成となっている。
【0013】
また、予め定められた当り状態であるアシストタイム(以下、AT)突入に関する抽選に当選した場合に、ATに突入する。このATとは、BIGボーナスやREGボーナスとは別の当り状態であり、遊技者が特定の入賞図柄を揃え易くした状態である。つまり、通常状態においては入賞が困難な特定の役を入賞し易くするために、目押しすべき図柄の種類やストップボタンの操作順序などのナビゲーション情報を遊技者に報知する状態である。
【0014】
図2は、データ表示装置2を示す正面図である。この図2において、データ表示装置2の前面には、ランプ群17、呼出スイッチ18、データ切換スイッチ19、リモコン受信部(修正入力手段に相当)20、表示器(表示手段に相当)21が設けられている。この表示器21は、例えばバックライト付のカラー液晶表示パネルよりなるもので、パチスロ機1の所定の稼動データが表示されており、データ切換スイッチ19を押下することで、以下に示すような各種稼動データを切換表示することができる。
【0015】
総ゲーム数:営業開始から現在時点までの累計ゲーム回数を示す(BIG,REG及びAT中のゲーム回数を除く)。
現在のゲーム数:営業開始あるいは先回のBIGボーナス終了時点から現在時点までのゲーム回数を示す。
BIG回数:営業開始から現時点までのBIGボーナスの発生回数を示す。
REG回数:営業開始から現時点までのREGボーナスの発生回数を示す。
AT回数:営業開始から現時点までのATの発生回数を示す。
先回BIG獲得枚数:先回のBIGボーナス中に獲得したメダル数を示す。
先回AT獲得枚数:先回のAT中に獲得したメダル数を示す。
BIG確率:BIGボーナスの発生回数÷累計ゲーム回数の演算で得られる確率を示す。
REG確率:REGボーナスの発生回数÷累計ゲーム回数の演算で得られる確率を示す。
AT確率:ATの発生回数÷累計ゲーム回数の演算で得られる確率を示す。
平均BIG獲得枚数:各BIGボーナス中に獲得したメダル数の平均獲得枚数を示す。
平均AT獲得枚数:各AT中に獲得したメダルの平均獲得枚数を示す。
【0016】
図3はリモコン4の平面外観を示しており、リモコン4には、本発明に関連してBIGデータ修正スイッチ4a、REGデータ修正スイッチ4b、ATデータ修正スイッチ4c等が配置されている。
図4には、データ表示装置2の電気的構成が機能ブロックの組み合わせにより概略的に示されている。この図4において、制御部22は、CPU(演算手段及び判定手段に相当)23、制御プログラムを記憶したROM24およびワーキングエリア用のRAM25などと共にマイクロコンピュータを構成するもので、予め記憶した制御プログラムに基づいて動作し、パチスロ機1からの出力信号(アウト信号、セーフ信号、リール信号、BIG信号、REG信号)を送受信部(信号入力部に相当)26を通じて受信すると共に、図2に示した呼出スイッチ18やデータ切換スイッチ19を含む操作スイッチ群27からの操作信号を入力してランプ群17及び表示器21の制御を行う。また、制御部22は、管理装置3との間での信号の送受信を送受信部26を通じて行うようになっている。特に本実施例では、制御部22は、リモコン受信部20から後述する修正信号を入力したときは、表示器21に表示されている稼動データの修正を実行する。
【0017】
以下、本実施例の作用につきデータ表示装置2の動作のフローチャートを示す図5及び図6を参照しながら説明する。
遊技者がパチスロ機1による遊技を行うと、可変表示装置6の動作に伴ってパチスロ機1からリール信号が出力され、データ表示装置2にて稼動データの表示に関する処理が行なわれる。
【0018】
図5は、データ表示装置2のCPU23のメイン動作のうち本発明の要旨に関連した動作を示すフローチャートである。尚、以下の説明に出現する上述した総ゲーム数、現在ゲーム数、BIG回数、REG回数、AT回数などは、RAM25に設定されたデータ記憶エリアに格納されるものである。
この図5において、CPU23は、常時において、パチスロ機1からのリール信号、BIG信号、REG信号の入力の有無を判定すると共に差枚数検知によるAT検知を判定している(A1)。この差枚数検知とは、払出枚数−消費枚数に基づいてATの開始及び終了を判断する機能である。
【0019】
遊技者がパチスロ機1の遊技を行うことにより、パチスロ機1からリール信号が出力されると、CPU23は、リール信号ありと判断し(A1:YES)、信号の種類を識別すると共に(A2)、稼動データを算出し(A3)、稼動データを表示してから(A4)、リターンする。
この稼動データを算出するステップA3においては、総ゲーム数及び現在ゲーム数をインクリメントすると共にBIG確率及びREG確率を算出する。
【0020】
遊技者がパチスロ機1の遊技において当り状態としてのBIGボーナスを発生させると、パチスロ機1からBIG信号が出力される。
すると、CPU23は、稼動データを算出するステップA3において、現在ゲーム回数及び後述する先回BIG獲得枚数を記憶し、BIG回数をインクリメントすると共にBIG確率を算出し、BIGボーナス中に払い出されたメダルの枚数(先回BIG獲得枚数に表示される枚数)を計数して、平均BIG獲得枚数を算出する。尚、遊技者がパチスロ機1の遊技においてREGボーナスを発生させた場合は、CPU23は、REGボーナスに関連する稼動データを同様の動作により算出する。
【0021】
一方、遊技者がパチスロ機1の遊技において当り状態としてのATを発生させると、小役図柄が連続して当りやすくなるので、小役図柄が連続で当ることにより差枚数が増加するようになる。CPU23は、差枚数が所定数増加したときはAT検知であると判断し、そのAT検知と判断する契機となった小役図柄の当りからATが発生したものと判定する。例えば、ATが発生することにより小役図柄が3回連続で入賞することにより差枚数が所定枚数増加すると、CPU23は、AT検知であると判断し、3回連続で入賞した小役図柄の最初に入賞したゲームからATが発生したものとみなす。また、差枚数が所定枚数減少したときは、AT終了と判定する。よって、稼動データを算出するステップA3において、CPU23は、現在ゲーム数及び先回AT獲得枚数を記憶し、AT回数をインクリメントすると共にAT確率を算出し、AT中に払い出されたメダルの枚数(先回AT獲得枚数に表示される枚数)を計数し、平均AT獲得枚数を算出する。
以上のように、遊技者がパチスロ機1において通常の遊技を行っている間に当り状態となったときは、その当り回数が計数されると共に、当り状態中の平均払出枚数が演算される。
【0022】
ところで、パチスロ機1と管理装置3との間の信号経路にノイズが重畳した場合、データ表示装置2には当りを示す信号が誤入力し、データ表示装置2が表示する稼動データが異常となり、データの信頼性が低下する虞がある。
そこで、本実施例では、データ表示装置2に当りを示す信号が誤入力した場合は以下のようにして稼動データを修正し、信頼性を向上させるようにした。
<BIGボーナス修正>
図7はノイズなどによりデータ表示装置2にBIG信号が誤って入力した場合に、データ表示装置2が表示する稼動データの変化を示している。この図7では、誤入力が発生する直前から(状態A)、ノイズによりBIG信号の誤入力が発生し、遊技者が、この誤入力から50ゲーム遊技した後にBIGボーナスの誤表示があることに気付いて(状態B)、データ表示装置2の呼出スイッチ18を押下することにより店員を呼び出し、店員がリモコン4を操作によりBIGデータ修正スイッチ4aを押下して修正信号を送信して修正した(状態C)場合を例にとって説明する。
【0023】
状態Aにおける稼動データは、総ゲーム数は「5000」、現在ゲーム数は「100」、BIG回数は「20」、BIG確率は「1/250」、REG回数は「10」、REG確率は「1/500」、AT回数は「5」、AT確率は「1/1000」、先回BIG獲得枚数は「415」、平均BIG獲得枚数は「400」、先回AT獲得枚数は「250」、平均AT獲得枚数は「150」である。
ノイズによりBIG信号が誤ってデータ表示装置2に入力すると、データ表示装置2は、BIG回数をインクリメントすると共に、先回BIG獲得枚数をリセットし、さらに各稼動データを演算する。このようなノイズは単発的であることから、管理装置3は、直ちに通常動作に復帰する。
【0024】
ノイズによりBIG信号がデータ表示装置2に誤って入力されてから50ゲーム遊技を行った状態Bにおける稼動データは、総ゲーム数は「5050」、現在ゲーム数は「50」、BIG回数は「21」、BIG確率は「1/240」、REG回数は「10」、REG確率は「1/505」、AT回数は「5」、AT確率は「1/1010」、先回BIG獲得枚数は「0」、平均BIG獲得枚数は「381」、先回AT獲得枚数は「250」、平均AT獲得枚数は「150」である。
このようにBIG信号がデータ表示装置2に誤って入力されてから遊技者がゲームを継続すると、BIG回数及びBIG確率は異常値が継続的に表示されると共に、先回BIG獲得枚数はリセットされたままとなる。
【0025】
さて、遊技者がデータ表示装置2の表示内容の異常に気づいて店員を呼ぶと、店員は、状態Bにおける誤表示を修正するために、リモコン4のBIGデータ修正スイッチ4aを押下する。すると、リモコン4からBIGデータ修正信号が送信され、リモコン受信部20を介してデータ表示装置2が当該修正信号を受信して修正動作を実行する。
【0026】
図6はデータ表示装置2の修正動作を示すフローチャートを示している。この図6において、CPU23は、リモコン4からのデータ修正信号を受信すると(B1:YES)、データ修正信号がBIGデータ修正信号と識別し(B2)、BIG回数を状態Bの場合の「21」からデクリメントし「20」に修正すると共に(B3)、稼動データを再演算し(B4)、稼動データを表示してから(B5)、リターンする。尚、この稼動データを算出するステップB4においては、現在ゲーム数は、状態Aの場合の「100」と状態Bの場合の「50」が加算されて「150」に修正され、BIG確率は、(修正されたBIG回数「20」)/(総ゲーム数「5050」)より「1/203」に修正され、先回BIG獲得枚数は、状態Aの先回BIG獲得枚数「415」に変更され、平均BIG獲得枚数は、状態Aの平均BIG獲得枚数「400」に修正される。
【0027】
従って、修正後の状態Cにおける稼動データは、総ゲーム数「5050」、現在ゲーム数「150」、BIG回数「20」、BIG確率「1/253」、REG回数「10」、REG確率「1/505」、AT回数「5」、AT確率「1/1010」、先回BIG獲得枚数「415」、平均BIG獲得枚数「400」、先回AT獲得枚数「250」、平均AT獲得枚数「150」となり、斯様な稼動データが図7に示すようにデータ表示装置2の表示器21に表示される。
【0028】
<AT修正>
データ表示装置2は、上述したように差枚数検知に基づいてATを判断しているものの、遊技状態によってはその判断を誤る場合があり、このような場合は、データ表示装置2の表示データの信頼性が低下する。図8は、データ表示装置2の差枚数検知によりAT中と誤検知された場合の小役の獲得状況を示している。この図8において、ゲーム数とは、ATの開始と判断されてからのゲーム数を示し、獲得枚数は、各ゲームに獲得したメダル枚数を示している。
【0029】
この図8は、遊技者がたまたま成立した15枚役を3回連続獲得することで、データ表示装置2が3ゲーム目にATが発生したと誤検知し、1ゲーム目をAT開始であると誤判断した場合を示している。つまり、最初の15枚役を獲得したときからATが開始されたものとし、その後の差枚数検知により20ゲーム目をもってATが終了したと判断した場合のATの例を示している。尚、図8の例では、誤検知のAT中の差枚数である先回AT獲得枚数は「−4」となる(投入メダル3枚×20ゲームよりアウトは60、払出メダル15枚×3ゲームと3枚×2ゲーム+5枚×1ゲームよりセーフは56であり、差メダルはセーフ「56」−アウト「60」により算出されるものである)。
【0030】
このようなデータ表示装置2の差枚数検知により誤検知が発生した場合は、以下のようにして稼動データを修正し、信頼性を高めるようにした。
図9は、上述したようなAT誤検知が発生した場合のデータ表示装置2の稼動データの状態を示しており、ATの誤検知が発生する直前から(状態A)、AT誤検知が発生して20ゲーム後にAT終了検知され、遊技者が、この誤検知から30ゲーム遊技した後に誤検知があることに気付いて(状態B)、データ表示装置2の呼出スイッチ18を押下することにより店員を呼び出し、店員がリモコン4の操作によりATデータ修正スイッチ4cを押下して修正信号を送信して修正した(状態C)場合を例にとって説明する。
【0031】
図9に示すデータ表示装置2の状態Aにおいては、総ゲーム数は「3000」、現ゲーム数は「200」、BIG回数は「15」、BIG確率は「1/200」、REG回数は「5」、REG確率は「1/600」、AT回数は「10」、AT確率は「1/300」、先回BIG獲得枚数は「400」、平均BIG獲得枚数は「380」、先回AT獲得枚数は「200」、平均AT獲得枚数は「250」を表示しており、AT終了後から30ゲーム遊技を行った状態Bにおいては、総ゲーム数は「3030」、現ゲーム数は「30」、BIG回数は「15」、BIG確率は「1/202」、REG回数は「5」、REG確率は「1/606」、AT回数は「11」、AT確率は「1/275」、先回BIG獲得枚数は「400」、平均BIG獲得枚数は「380」、先回AT獲得枚数は「−4」、平均AT獲得枚数は「227」を表示している。
【0032】
さて、遊技者がデータ表示装置2のAT回数及びAT確率等の表示内容の異常に気づいて店員を呼ぶと、店員は、データ表示装置2の状態Bにおける誤表示を修正するために、リモコン4のATデータ修正スイッチ4cを押下する。すると、リモコン4からAT修正信号が送信され、リモコン受信部20を介してデータ表示装置2がAT修正信号を受信して図6に示す修正動作を実行する。
【0033】
尚、図6に示す稼動データを算出するステップC4においては、AT回数がデクリメントされることにより、AT状態中と検知された20ゲームは、通常のゲーム数にカウントされることになる。そのため、総ゲーム数は、状態Bの場合の「3030」と誤検知されたATゲーム数「20」が加算されて「3050」に修正され、現在ゲーム数は、状態Aの場合の「200」と状態Bの場合の「30」と誤検知されたATゲーム数「20」が加算されて「250」に修正され、BIG確率は、(状態BのBIG回数「15」)/(修正された総ゲーム数「3050」)より「1/203」に修正され、REG確率は、(状態BのREG回数「5」/(修正された総ゲーム数「3050」)より「1/610」に修正され、AT確率は、デクリメント後のAT回数「10」/データ再演算後の総ゲーム数「3050」より「1/305」に修正され、先回AT獲得枚数は、状態A「200」に変更され、平均AT獲得枚数は、状態A「250」に変更されて修正される。
【0034】
従って、修正後の状態Cにおける稼動データは、図9に示すように総ゲーム数「3050」、現在ゲーム数「250」、BIG回数「5」、BIG確率「1/203」、REG回数「5」、REG確率「1/610」、AT回数「10」、AT確率「1/305」、先回BIG獲得枚数「400」、平均BIG獲得枚数「380」、先回AT獲得枚数「200」、平均AT獲得枚数「250」としてデータ表示装置2の表示器21に表示される。
【0035】
このような構成によれば、リモコン4に対する操作によりデータ表示装置2による前回の当り状態を無効化するようにしたので、ノイズなどにより誤った信号が管理装置3に入力されたり、データ表示装置2がAT発生を誤検知してしまうことにより、データ表示装置2に表示されている当りに関する稼動データが異常となってしまった場合であっても、リモコン4を操作するだけの簡単な操作でデータ表示装置2の表示データを正常なデータに戻すことができ、稼動データの信頼性を高めることができる。
【0036】
また、リモコン4からの修正信号に基づいて当り状態の種類を判定し、当り状態に応じて正常な稼動データに戻すようにしたので、BIGボーナス、REGボーナス、AT等の複数種類の当り状態を呈する構成のパチスロ機1であっても、正常な稼動データに確実に戻すことができると共に、すばやく簡単に正常な稼動データに戻すことができる。
【0037】
(第2の実施例)
以下、本発明の第2の実施例を図10及び図11に基づいて説明するに、第1の実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略して異なる部分についてのみ説明する。本実施例の特徴は、データ表示装置2が表示する稼動データに加えて管理装置3が管理する稼動データも同時に修正することを特徴とする。尚、本実施例では、ATに関する稼動データを修正した例を示す。
【0038】
データ表示装置2は、リモコン4から送信されたデータ修正信号を受付けたときは、当該信号を管理装置3へ送信する機能等を備えている。
図10は、管理装置(外部機器に相当)3に表示される稼動データを示しており、ベースデータとして、累計の投入メダル枚数を示すアウト、累計払い出しメダル枚数を示すセーフ、アウトとセーフの差を示す差、BIG、REG及びAT中を除いた通常状態中の投入メダル枚数を示すベース中アウト、BIG、REG及びAT中を除いた通常状態中の払い出しメダル枚数を示すベース中セーフ、ベース中セーフ/ベース中アウトにより算出され、通常状態中の出玉率を示すベースが表示される。
【0039】
この図10では、AT誤検知が発生した場合の管理装置3に蓄積された稼動データの状態の変化を示しており、状態Bは第1の実施例を示す図9の状態Bに相当し、状態Cは図9の状態Cに相当する。
また、大当り履歴データとして、BIG、REG及びAT等の特別状態である大当りが発生した時刻である時間、当該大当りが発生した大当り間のゲーム数を示すゲーム数、当該大当りの大当り種類を示す種別、当該大当り中の差メダル数を示すTYが表示される。
【0040】
尚、図10に示す状態Bにおいては、アウト「11000」、セーフ「16850」、差「−5850」、ベース中アウト「9090」、ベース中セーフ「3944」、ベース「43」を示しており、時間「16:00」、ゲーム数「200」に発生したATが誤検知されたATに相当する。
図11は、データ表示装置2の修正動作を示している。この図11において、データ表示装置2のCPU23は、第1の実施例で説明したように、リモコン4からのデータ修正信号を受信したときは(C1:YES)、データ修正信号がATデータ修正信号と識別し(C2)、AT回数を修正すると共に(C3)、稼動データを再演算し(C4)、稼動データを表示する(C5)。
【0041】
ここで、管理装置3は、上述のように稼動データを修正したときは、ATデータ修正信号を管理装置3に送信してから(C6)、リターンする。
管理装置3は、データ表示装置2からATデータ修正信号を受信すると、ATデータ修正信号の入力を確認したところで、自身のAT回数をデクリメントすると共に自身の稼動データを上記と同様の方法により再演算し、ベース中アウトとベース中セーフもAT中の差枚数を加味することで再演算して修正する。
【0042】
この管理装置3の稼動データの再演算により、ベース中アウトは、誤検知されたATはベース状態中であったことになるため、状態Bの場合の「9090」にAT中のアウト「60」が加算されて「9150」に修正され、ベース中セーフは、状態Bの場合の「3944」にAT中のセーフ「56」が加算されて「4000」に修正され、ベースは、修正後のベース中セーフ「4000」/修正後のベース中アウト「9150」より「44」に修正され、ゲーム数は、時間「16:00」の「200」と時間「16:03」の「30」と誤検知されたATゲーム数「20」が加算されて「250」に修正され、誤検知のAT回数はデクリメントされて稼動データ上無効化されるため、時間「16:00」に発生したATのレコードは削除されて、時間「16:03」のレコードに移行される。
同様に、リモコン4のBIGデータ修正スイッチ4aに対する操作により、データ表示装置2が表示するBIGボーナスに関する稼動データに加えて、管理装置3が記憶しているBIGボーナスに関する稼動データも修正することができる。
【0043】
このような構成によれば、データ表示装置2は、リモコン4から修正信号を受信したときは当該修正信号を管理装置3に送信し、管理装置3は、修正信号を受信したときは自身の蓄積した稼動データを再演算するようにしたので、データ表示装置2が表示する稼動データに加えて管理装置3が管理する稼動データも簡単に正常なデータとすることができる。従って、データ表示装置2及び管理装置3の稼動データを簡単且つすばやく正常な稼動データに戻すことができるので、システム全体の稼動データの信頼性を高めることができるようになる。
【0044】
(変形例)
本発明は、上記実施例にのみ限定されるものではなく、次にように変形又は拡張することができる。
上記第1の実施例において、ノイズとしてBIG信号が誤入力された場合を説明したが、REG信号の誤入力が発生した場合であってもよく、その場合は、REG信号に関連する稼動データを上記第1の実施例と同様の動作により算出して修正を行なう。
【0045】
上記第2の実施例において、データ表示装置2に修正信号の入力があった場合に、当該修正信号を管理装置3に送信することで、当該修正信号に対応した稼動データを再演算する構成としたが、データ表示装置2は、データ表示装置2で修正した稼動データそのものを管理装置3に送信する構成としてもよい。
上記実施例において、リモコンのスイッチはBIGデータ修正スイッチ4a、REGデータ修正スイッチ4b及びATデータ修正スイッチ4cのみの構成としたが、その他の当り状態(確率変動、CT、集中役等)に対応するスイッチを設けるようにしてもよい。
【0046】
上記実施例において、リモコン4から送信される各種データ修正信号をリモコン受信部20により受信することでデータ表示装置2にデータ修正信号を受付ける構成としたが、データ表示装置2に各種修正入力スイッチ(操作手段に相当)を設けることにより、直接修正入力を受付ける構成としてもよい。
上記実施例において、AT中のゲーム回数を累計ゲーム回数に含まない構成としたが、設定を設けて機種によっては、AT中のゲーム回数を累計ゲーム回数に含めることもできる構成としてもよい。
【0047】
上記実施例において、データ表示装置2が遊技状態を判定し、稼動データを演算する構成としたが、複数のデータ表示装置2に接続している中継機28が、複数の遊技機の遊技状態を判定し、稼動データを演算する構成としてもよい(この場合、データ表示装置2と中継機28とを含めたものが、遊技機端末に相当する)。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の第1の実施例における全体構成を示す図
【図2】データ表示装置の正面図
【図3】リモコンの平面図
【図4】データ表示装置の電気的構成を示すブロック図
【図5】データ表示装置のメイン動作を示すフローチャート
【図6】データ表示装置の修正動作を示すフローチャート
【図7】データ表示装置におけるBIGボーナス修正時の稼動データの変化を示す図
【図8】誤検知したAT中の小役獲得状況を示す図
【図9】AT修正時を示す図7相当図
【図10】本発明の第2の実施例における管理装置における稼動データを示す図
【図11】図6相当図
【符号の説明】
【0049】
図面中、1はパチスロ機(遊技機)、2はデータ表示装置(遊技機端末)、3は管理装置(外部機器)、4はリモコン(操作手段、リモコン装置)、18は呼出スイッチ、19はデータ切換スイッチ、20はリモコン受信部(修正入力手段)、21は表示器(表示手段)、22は制御部、23はCPU(演算手段、判定手段)、26は送受信部(信号入力部)、28は中継機を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定条件の成立に伴って遊技者にとって有利な当り状態を呈するように構成された遊技機側より出力される信号を入力する信号入力部と、
この信号入力部に入力された信号に基づいて、当り状態を含む遊技機の遊技状態を判定する判定手段と、
この判定手段により当り状態と判定された回数である当り回数を含む稼動データを演算する演算手段と、
この演算手段により演算された稼動データを表示する表示手段とを備えた遊技機端末において、
作業員が操作する操作手段と、
前記操作手段への操作に応じて出力される修正信号を入力する修正入力手段とを備え、
前記演算手段は、前記修正入力手段が修正信号を入力したときは、前記判定手段が直前に判定した当り状態の判定を無効化し、稼動データを再演算することを特徴とする遊技機端末。
【請求項2】
前記判定手段は、複数種類の当り状態を呈するように構成された遊技機の当り状態の種類を判定し、
前記演算手段は、前記判定手段が判定した当り状態の種類に応じて当り回数を含む稼動データを演算し、前記修正入力手段が修正信号を受信したときは、入力した修正信号の種類に応じて無効化する直前の当り状態の判定を決定することを特徴とする請求項1記載の遊技機端末。
【請求項3】
前記操作手段は、従業員が携帯するリモコン装置であり、
前記修正入力手段は、前記リモコン装置により出力される修正信号を受信するように構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の遊技機端末。
【請求項4】
請求項1ないし3の何れかの遊技機端末と接続され、当り回数を含む稼動データを演算し蓄積する機能を有した外部機器を備え、
前記遊技機端末は、前記修正入力手段が入力した修正信号を前記外部機器に送信し、
前記外部機器は、前記遊技機端末から修正信号を受信したときは、直前の当り状態を無効化し、自身の蓄積する稼動データを再演算することを特徴とする遊技場システム。
【請求項1】
所定条件の成立に伴って遊技者にとって有利な当り状態を呈するように構成された遊技機側より出力される信号を入力する信号入力部と、
この信号入力部に入力された信号に基づいて、当り状態を含む遊技機の遊技状態を判定する判定手段と、
この判定手段により当り状態と判定された回数である当り回数を含む稼動データを演算する演算手段と、
この演算手段により演算された稼動データを表示する表示手段とを備えた遊技機端末において、
作業員が操作する操作手段と、
前記操作手段への操作に応じて出力される修正信号を入力する修正入力手段とを備え、
前記演算手段は、前記修正入力手段が修正信号を入力したときは、前記判定手段が直前に判定した当り状態の判定を無効化し、稼動データを再演算することを特徴とする遊技機端末。
【請求項2】
前記判定手段は、複数種類の当り状態を呈するように構成された遊技機の当り状態の種類を判定し、
前記演算手段は、前記判定手段が判定した当り状態の種類に応じて当り回数を含む稼動データを演算し、前記修正入力手段が修正信号を受信したときは、入力した修正信号の種類に応じて無効化する直前の当り状態の判定を決定することを特徴とする請求項1記載の遊技機端末。
【請求項3】
前記操作手段は、従業員が携帯するリモコン装置であり、
前記修正入力手段は、前記リモコン装置により出力される修正信号を受信するように構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の遊技機端末。
【請求項4】
請求項1ないし3の何れかの遊技機端末と接続され、当り回数を含む稼動データを演算し蓄積する機能を有した外部機器を備え、
前記遊技機端末は、前記修正入力手段が入力した修正信号を前記外部機器に送信し、
前記外部機器は、前記遊技機端末から修正信号を受信したときは、直前の当り状態を無効化し、自身の蓄積する稼動データを再演算することを特徴とする遊技場システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−75493(P2006−75493A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−265345(P2004−265345)
【出願日】平成16年9月13日(2004.9.13)
【出願人】(000108937)ダイコク電機株式会社 (893)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月13日(2004.9.13)
【出願人】(000108937)ダイコク電機株式会社 (893)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]