説明

遊技機

【課題】 透明パネルスピーカを設けることにより遊技内容の興趣の向上を充分に図ることができる遊技機を提供すること。
【解決手段】 複数の識別情報の変動表示を行うことが可能な変動表示手段と、複数の識別情報の前面に設けられた透明液晶パネルと、透明液晶パネルの前面に配置され、透明板状部材を振動させることにより音を出力することが可能な透明パネルスピーカと、複数の識別情報の変動表示をそれぞれ停止させるための複数の停止操作手段と、内部当籤役を決定する内部抽籤手段と、内部抽籤手段により決定された内部当籤役に対応する停止態様で識別情報を停止表示させるために必要な複数の停止操作手段の操作順序を示す特定操作順序を、特定操作順序に応じて聞こえてくる方向が異なる音を透明パネルスピーカから出力することにより報知する操作順序報知手段とを備えたことを特徴とする遊技機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチスロ、スロットマシン等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールと、遊技メダルやコイン等(以下、メダル等)が投入され、遊技者によりスタートレバーが操作されたことを検出し、複数のリールの回転の開始を要求するスタートスイッチと、複数のリールのそれぞれに対応して設けられたストップボタンが遊技者により押されたことを検出し、該当するリールの回転の停止を要求する信号を出力するストップスイッチと、複数のリールのそれぞれに対応して設けられ、それぞれの駆動力を各リールに伝達するステッピングモータと、スタートスイッチ及びストップスイッチにより出力された信号に基づいて、ステッピングモータの動作を制御し、各リールの回転及びその停止を行うリール制御部と、を備え、スタートレバーが操作されたことを検出すると、乱数値に基づいて抽籤を行い、この抽籤の結果(以下、「内部当籤役」という)とストップボタンが操作されたことを検出したタイミングとに基づいてリールの回転の停止を行う、パチスロと呼ばれる遊技機が知られている。
【0003】
上述した遊技機のなかには、乱数値に基づく抽籤により決定された内部当籤役に対応する停止態様でリールを停止させるために、当該内部当籤役に対応する停止態様でリールを停止させるために必要な操作順序でストップボタンの操作を行う必要がある遊技機が存在する。さらに、これらの遊技機のなかには、決定された内部当籤役に対応する停止態様でリールを停止させるために必要な操作順序を報知する遊技機が存在する(例えば、特許文献1〜5参照)。
また、従来からディスプレイの前面に取り付けて使用した場合であっても、ディスプレイに表示される画像に影響を与えない透明スピーカが知られており、透明スピーカを液晶画面に配置した携帯電話や遊技機が存在する(例えば、特許文献6〜10参照)。例えば、特許文献9には、遊技者に対して正面の位置に透明スピーカを設けることにより、従来のスピーカと比べてより臨場感のある音による演出を行うことが可能な遊技機が記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2005−152036号公報
【特許文献2】特開2005−87499号公報
【特許文献3】特開2004−350799号公報
【特許文献4】特開2004−135732号公報
【特許文献5】特開2002−346037号公報
【特許文献6】特開平10−191496号公報
【特許文献7】特開2000−152385号公報
【特許文献8】特開2002−281578号公報
【特許文献9】特開2005−110942号公報
【特許文献10】特開2007−164060号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献9に記載の遊技機では、透明スピーカを設けることにより、臨場感のある音による演出を行うことは可能となるものの、遊技内容自体の興趣の向上を充分に図ることはできなかった。
【0006】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、透明スピーカを設けることにより遊技内容の興趣の向上を充分に図ることができる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上のような目的を達成するために、本発明は、以下のようなものを提供する。
(1) 複数の識別情報の変動表示を行うことが可能な変動表示手段と、
上記複数の識別情報の前面に設けられた透明液晶パネルと、
上記透明液晶パネルの前面に配置され、透明板状部材を振動させることにより音を出力することが可能な透明パネルスピーカと、
上記複数の識別情報の変動表示をそれぞれ停止させるための複数の停止操作手段と、
内部当籤役を決定する内部抽籤手段と、
上記内部抽籤手段により決定された上記内部当籤役に対応する停止態様で上記識別情報を停止表示させるために必要な上記複数の停止操作手段の操作順序を示す特定操作順序を、上記特定操作順序に応じて聞こえてくる方向が異なる音を上記透明パネルスピーカから出力することにより報知する操作順序報知手段と、
上記内部抽籤手段により決定された内部当籤役に対応する特定操作順序で、上記停止操作手段が操作された場合に、変動表示する上記識別情報を当該内部当籤役に対応する停止態様で停止表示させる停止制御手段と
を備えたことを特徴とする遊技機。
【0008】
(1)の発明によれば、複数の識別情報の前面に設けられた透明液晶パネルの前面に透明パネルスピーカが配置されているため、効率的に遊技者に音を伝達することができる。また、透明パネルスピーカは、遊技者により視認できないため、スピーカが露出することによる美観の低下を防止することができる。
また、(1)の発明によれば、決定された内部当籤役に対応する停止態様で識別情報を停止表示させるために必要な複数の停止操作手段の操作順序を示す特定操作順序を、特定操作順序に応じて聞こえてくる方向が異なる音を透明パネルスピーカから出力することにより報知する。例えば、聞こえてくる方向が右側から左側に変化するように音を出力することにより、右側から左側に向かって停止操作手段を操作する必要があることを報知することができる。このように、(1)の発明によれば、透明パネルスピーカを設けたことにより、従来とは異なる斬新な停止操作手段の操作順序の報知を行うことができ、遊技内容の興趣の向上を充分に図ることができる。
【0009】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(2) 上記(1)の遊技機であって、
上記操作順序報知手段は、透明パネルスピーカから音を出力するとともに、当該音に応じた画像を上記透明液晶パネルに表示することを特徴とする。
【0010】
(2)の発明によれば、操作順序報知手段は、透明パネルスピーカから音を出力するとともに、当該音に応じた画像を上記透明液晶パネルに表示する。透明パネルスピーカは、透明液晶パネルの前面に配置されているため、透明液晶パネルに表示された画像から音が出力されているように遊技者に感じさせることができ、遊技者を遊技の世界に強く引き込むことができる。
また、透明液晶パネルと透明パネルスピーカとを近くに配置することにより、透明液晶パネルに表示される画像と透明パネルスピーカから出力される音のずれを解消することができる。
【0011】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(3) 上記(1)又は(2)の遊技機であって、
上記透明パネルスピーカは、上記透明液晶パネルの前面の上記複数の識別情報と対向する位置にそれぞれ配置され、透明板状部材を振動させることによりそれぞれ独立して音を出力することが可能であり、
上記操作順序報知手段は、所定の音を上記特定操作順序に応じた順番で上記各透明パネルスピーカから出力することにより、上記特定操作順序を報知することを特徴とする。
【0012】
(3)の発明によれば、所定の音を特定操作順序に応じた順番で、複数の識別情報と対向する位置にそれぞれ配置された各透明パネルスピーカから出力することにより、特定操作順序を報知する。そのため、操作すべき識別情報から音が出力されているように遊技者に感じさせることができ、遊技者に確実に特定操作順序を報知することができるとともに、遊技者に楽しみを感じさせながら遊技を行わせることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、透明パネルスピーカを設けることにより遊技内容の興趣の向上を充分に図ることができる遊技機を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の遊技機に係る実施の形態について、以下図面を参照しながら説明する。はじめに、図1を参照して、本実施の形態における遊技機(以下、パチスロ)の機能フローについて説明する。
【0015】
遊技者によりメダルが投入され、スタートレバーが操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値)が抽出される。
【0016】
内部抽籤手段は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。内部当籤役の決定により、後述の入賞判定ラインに沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。尚、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられている。
【0017】
内部抽籤手段により決定された内部当籤役がベルの場合には、操作順序報知手段により、ベルに対応する図柄でリールを停止させるために必要な複数のストップボタンの操作順序を示す特定操作順序を報知する。具体的には、各リールと対向する位置にそれぞれ配置された各透明パネルスピーカから、所定の音を特定操作順序に応じた順番で出力し、当該所定の音に応じた画像を液晶表示装置に表示することにより特定操作順序を報知する。
【0018】
続いて、複数のリールの回転が行われた後で、遊技者によりストップボタンが押されると、リール停止制御手段は、内部当籤役とストップボタンが押されたタイミングとに基づいて、該当するリールの回転を停止する制御を行う。
【0019】
ここで、パチスロでは、基本的に、ストップボタンが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。本実施の形態では、上記規定時間内でのリールの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼び、その最大数を図柄4個分に定める。
【0020】
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が決定されているときでは、上記規定時間を利用して、その図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って極力表示されるようにリールの回転を停止する。その一方で、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せについては、上記規定時間を利用して、入賞判定ラインに沿って表示されることがないようにリールの回転を停止する。
また、内部抽籤手段により決定された内部当籤役がベルの場合には、操作順序報知手段により報知した特定操作順序通りにストップボタンの操作が行われた場合にのみ、ベルに対応する図柄が入賞判定ラインに沿って表示されるようにリールの回転を停止する。
【0021】
こうして、複数のリールの回転がすべて停止されると、入賞判定手段は、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。入賞に係るものであるとの判定が行われると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられる。以上のような一連の流れがパチスロにおける1回の遊技として行われる。
【0022】
また、パチスロでは、前述した一連の流れの中で、液晶表示装置により行う映像の表示、各種ランプにより行う光の出力、スピーカにより行う音の出力、或いはこれらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
【0023】
遊技者によりスタートレバーが操作されると、前述の内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行するものを抽籤により決定する。
【0024】
演出内容が決定されると、演出実行手段は、リールの回転が開始されるとき、各リールの回転がそれぞれ停止されるとき、入賞の有無の判定が行われたとき等の各契機に連動させて演出の実行を進める。このように、パチスロでは、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る或いは予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上が図られる。
【0025】
パチスロの機能フローについての説明は以上である。次に、本実施の形態におけるパチスロの構造について説明する。
【0026】
図2は、本実施の形態におけるパチスロの外部構造を示す。
【0027】
パチスロ1は、リールや回路基板等を収容するキャビネット2と、キャビネット2に対して開閉可能に取り付けられるフロントドア8とを備える。キャビネット2の内部には、3つのリール3(リール3L、3C及び3R)が横並びに設けられている。各リール3は、円筒状のフレームの周面に、複数の図柄(例えば21個)が回転方向に沿って連続的に配された帯状のシートを貼り付けて構成されている。
【0028】
リール3は、本発明における識別情報に相当するものである。本実施形態では、識別情報が機械式のリールである場合について説明するが、本発明における識別情報は、この例に限定されず、例えば、図柄が変動表示(例えば、スクロール表示)される様子を表示する表示装置(例えば、液晶表示装置等)であってもよい。
【0029】
フロントドア8の中央には、液晶表示装置5が設けられている。液晶表示装置5は、図柄表示領域4(図柄表示領域4L、4C及び4R)を含む表示画面を備え、正面から見て3つのリール3に重畳する手前側に位置するように設けられている。図柄表示領域4は、3つのリール3のそれぞれに対応して設けられており、その背後に設けられたリール3を透過することが可能な構成を備えている。
【0030】
つまり、図柄表示領域4は、表示窓としての機能を果たすものであり、その背後に設けられたリール3の回転及びその停止の動作が遊技者側から視認可能となる。また、本実施の形態では、図柄表示領域4を含めた表示画面の全体を使って、映像の表示が行われ、演出が実行される。
【0031】
図柄表示領域4(以下、表示窓4)は、その背後に設けられたリールの回転が停止されたとき、リール3の表面に配された複数種類の図柄のうち、その枠内における上段、中段及び下段の各領域にそれぞれ1個の図柄(合計で3個)を表示する。また、各表示窓4が有する上段、中段及び下段からなる3つの領域のうち予め定められた何れかをそれぞれ組合せてなる擬似的なラインを、入賞か否かの判定を行う対象となるライン(入賞判定ラインL)として定義する。
【0032】
本実施の形態では、各表示窓4の上段を組合せてなるトップライン、各表示窓4の中段を組合せてなるセンターライン、各表示窓4の下段を組合せてなるボトムライン、表示窓4Lの上段、表示窓4Cの中段及び表示窓4Rの下段を組合せてなるクロスダウンライン、表示窓4Lの下段、表示窓4Cの中段及び表示窓4Rの上段を組合せてなるクロスアップラインの5つを入賞判定ラインLとして設けている(図示せず)。
【0033】
フロントドア8には、遊技者による操作の対象となる各種装置が設けられている。メダル投入口22は、遊技者によって外部から投下されるメダルを受け入れるために設けられる。メダル投入口22に受け入れられたメダルは、所定枚数(例えば3枚)を上限として1回の遊技に投入されることとなり、所定枚数を超えた分はパチスロ内部に預けることが可能となる(いわゆるクレジット機能)。
【0034】
ベットボタン11及びベットボタン13は、パチスロ内部に預けられているメダルから1回の遊技に投入する枚数を決定するために設けられる。精算ボタン14は、パチスロ内部に預けられているメダルを外部に引き出すために設けられる。
【0035】
スタートレバー6は、全てのリール3の回転を開始するために設けられる。ストップボタン7(ストップボタン7L、7C及び7R)は、3つのリール3のそれぞれに対応づけられ、対応するリール3の回転を停止するために設けられる。
ストップボタン7は、本発明における停止操作手段に相当するものである。
【0036】
7セグ表示器18は、7セグメントLEDからなり、今回の遊技に投入されたメダルの枚数(以下、投入枚数)、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、パチスロ内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)等の情報を遊技者に対してデジタル表示する。
【0037】
ランプ9(LED等)は、演出内容に応じた点消灯のパターンにて光を出力する。透明パネルスピーカ21(透明パネルスピーカ21L、透明パネルスピーカ21C、透明パネルスピーカ21R)(図3参照)は、演出内容に応じた効果音や楽曲等の音を出力する。また、透明パネルスピーカ21(透明パネルスピーカ21L、透明パネルスピーカ21C、透明パネルスピーカ21R)は、特定操作順序を報知するための音を出力する。メダル払出口15は、後述のメダル払出装置50の駆動により排出されるメダルを外部に導く。メダル払出口15から排出されたメダルは、メダル受皿16に貯められる。
【0038】
図3は、図2に示したパチスロが備える液晶表示装置の一部の構成を示す展開図である。
液晶表示装置5の最前面には、保護ガラス32が設けられている。保護ガラス32の背面には、透明パネルスピーカ21が設けられた表示板33が設けられている。表示板33の背面には、透明液晶パネル34が設けられている。さらに、透明液晶パネル34の背面には、導光板35が設けられ、導光板35の上端部及び下端部に沿って、所謂白色光源である蛍光ランプ37a、37bがランプホルダ39(図示せず)により支持されて設けられている。さらに、導光板35の背面には、反射フィルム36が設けられている。また、透明液晶パネル駆動用のICを搭載したテーブルキャリアパッケージ(TCP)が設けられており(図示せず)、TCPは、透明液晶パネル34の端子部に接続したフレキシブル基板(図示せず)等により構成される。
透明液晶パネル34は、本発明における透明液晶パネルに相当するものである。
【0039】
表示板33の保護ガラス32側には、リール3(リール3L、3C及び3R)と対向する位置にそれぞれ透明パネルスピーカ21(透明パネルスピーカ21L、透明パネルスピーカ21C及び透明パネルスピーカ21R)が配置されている。
表示板33には、直方体形状を有し、表示板33と対向する面のほぼ全面に設けられた矩形状の開口と保護ガラス32と対向する面のほぼ全面に設けられた矩形状の開口とを貫通する内部空間が設けられた透明枠201(透明枠201L、透明枠201C及び透明枠201R)が設けられている。透明枠201の内部の底面及び上面には、それぞれ2つの直方体形状の溝が設けられている(図示せず)。透明枠201は、直方体形状の溝に透明振動板202及び透明固定電極板203(図4参照)を挟むことにより、透明振動板202及び透明固定電極板203を保持する。
本実施形態では、透明パネルスピーカ21は、透明液晶パネル34の前面に位置する表示板33の前面に設けられている。
【0040】
透明液晶パネル34は、薄膜トランジスタ層が形成されたガラス板等の透明な基板と、これに対向する透明な基板との間隙部に液晶が封入されて形成されている。
この透明液晶パネル34の表示モードは、ノーマリーブラックに設定されている。ノーマリーブラックとは、液晶を駆動していない状態で黒表示(透過した光が外部より視認できない)となる構成である。
【0041】
導光板35は、蛍光ランプ37a、37bからの光を透明液晶パネル34へ導き出す(透明液晶パネル34を照明する)ためのものであり、透明液晶パネル34の裏側に設けられている。導光板35は、例えば、2cm程度の厚さを有するアクリル系樹脂等の透明部材(導光機能を有する)で構成されている。
【0042】
反射フィルム36は、導光板35により導入された光を導光板35の正面側へ向けて反射させる。反射フィルム36として、例えば、白色のポリエステルフィルムやアルミ薄膜に銀蒸着膜を形成したものが用いられる。この反射フィルム36は、反射領域36A及び非反射領域(透過領域)36Bにより構成されている。
【0043】
蛍光ランプ37a、37bは、導光板35の上端部及び下端部に沿って配置され、両端はランプホルダ39(図示せず)により支持されている。この蛍光ランプ37a、37bから照射される光は、反射フィルム36で反射して透明液晶パネル34を照明する。
【0044】
図4は、図2に示したパチスロが備える液晶表示装置の一部の構成の断面図である。
表示板33の保護ガラス32側には、透明パネルスピーカ21が設けられている。
本実施の形態における透明パネルスピーカ21は、音波を発生する透明振動板202と、透明パネルスピーカ21の固定電極となる透明固定電極板203と、透明振動板202及び透明固定電極板203を保持する透明枠201とを備える。
また、透明振動板202の振動用スペースとして、保護ガラス32と透明振動板202と透明枠201とに囲まれた閉空間205aと、透明振動板202と透明固定電極板203と透明枠201とに囲まれた閉空間205bとが設けられている。
なお、透明パネルスピーカ21の接続リード線には透明電極材を配設し、電気的接続は全て透明化している(図示せず)。透明パネルスピーカ21を構成する部材は、すべて透明であるため、透明パネルスピーカ21は、遊技者に視認されない。そのため、透明パネルスピーカ21をリール3と対向する位置に設けた場合であっても、遊技者に不快感を与えることを防止することができる。
【0045】
透明振動板202は、透明振動板202のベース材となる透明フィルム202aと、透明フィルム202aに形成され、透明パネルスピーカ21の一方の電極となる透明電極202bとを備える。ここで、形成される透明電極202bとしては、例えば、酸化インジウム(In)と酸化スズ(SnO)からなるITO(Indium Tin Oxide)膜や酸化インジウム(In)膜を透明フィルム202a上に、蒸着法やスパッタリング法にて成膜することで形成できる。なお、低抵抗、高透明度(高透過率),電極の微細加工が行い易いという点から、本実施の形態においてはITO膜が望ましい。
透明振動板202は、本発明における透明板状部材に相当する。
【0046】
透明固定電極板203は、透明固定電極板203のベース材となるガラス基板203aと、ガラス基板203aに形成され透明パネルスピーカ21の他方の電極となる透明電極203bとを備える。また、透明固定電極板203に形成される透明電極203bとしては、例えば、前述したITO膜をガラス基板203a上に成膜することで実現できる。
【0047】
透明電極202bと透明電極203bとの間に電圧をかけることにより、透明電極202bが設けられた透明振動板202と透明電極203bが設けられた透明固定電極板203との間に静電力が働き、この静電力により透明振動板202が振動し、音波を発生する。
【0048】
図5は、本実施の形態におけるパチスロの内部構造を示す。フロントドア8が開放され、フロントドア8の裏面側の構造及びキャビネット2内部の構造が現れた状態が示されている。
【0049】
キャビネット2内部の上方には、主制御回路81を構成する基板(以下、主基板)が設けられている。主制御回路81は、内部当籤役の決定、リールの回転及び停止、入賞の有無の判定といった、パチスロにおける遊技の主な流れを制御する回路である。主制御回路81の具体的な構成は後述する。
【0050】
キャビネット2内部の中央には、3つのリール3(リール3L、3C及び3R)が設けられている。各リール3のそれぞれには、所定の減速比をもったギアを介してステッピングモータ59(ステッピングモータ59L、59C及び59R)が接続されている。
フロントドア8を閉めた場合には、リール3の前面に液晶表示装置5が位置する構造となっている。
【0051】
3つのリール3の左側には、副制御回路82を構成する基板(以下、副基板)が設けられている。副制御回路82は、映像の表示等による演出の実行を制御する回路である。副制御回路82の具体的な構成は後述する。
【0052】
キャビネット2内部の下方には、多量のメダルを収容可能で、それらを1枚ずつ排出可能な構造を有するメダル払出装置50(以下、ホッパー50)が設けられている。ホッパー50の左側には、パチスロ1が有する各装置に対して必要な電力を供給するための電源装置54が設けられている。
【0053】
フロントドア8裏側の中央、液晶表示装置5の下方には、セレクタ52が設けられている。セレクタ52は、材質や形状等が適正であるメダルか否かを選別する装置であり、メダル投入口22に受け入れられた適正なメダルをホッパー50へ案内する。尚、セレクタ52内においてメダルが通過する経路上には、後述のメダルセンサ22Sが設けられており、適正なメダルが通過したことを検出する。
【0054】
パチスロ1の構造についての説明は以上である。次に、図6及び図7を参照して、本実施の形態におけるパチスロ1が備える回路の構成について説明する。本実施の形態におけるパチスロ1は、主制御回路81、副制御回路82及びこれらと電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)を備える。
【0055】
図6は、本実施の形態におけるパチスロの主制御回路の構成を示す。
【0056】
主制御回路81は、回路基板上に設置されたマイクロコンピュータ40を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ40は、CPU41(以下、メインCPU41)、ROM42(以下、メインROM42)及びRAM43(以下、メインRAM43)により構成される。
【0057】
メインROM42には、メインCPU41により実行される制御プログラム、内部抽籤テーブル、停止制御テーブル番号選択テーブル、各リールの停止操作順序と、入賞の成立不成立との関係を示すテーブル、当り用停止制御位置決定テーブル、順押し・中押しはずれ用停止制御位置決定テーブル、逆押しはずれ用停止制御位置決定テーブル等のデータテーブル、副制御回路82に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶されている。メインRAM43には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
【0058】
メインCPU41には、クロックパルス発生回路144、分周器145、乱数発生器146及びサンプリング回路147が接続されている。クロックパルス発生回路144及び分周器145は、クロックパルスを発生する。メインCPU41は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器146は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路147は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
【0059】
マイクロコンピュータ40の入力ポートには、スイッチ等が接続されている。メインCPU41は、スイッチ等の入力を受けて、ステッピングモータ59(ステッピングモータ59L、59C及び59R)等の周辺装置の動作を制御する。ストップスイッチ56は、3つのストップボタン7(ストップボタン7L、7C及び7R)のそれぞれが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。また、スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。
【0060】
メダルセンサ22Sは、メダル投入口22に受け入れられたメダルが前述のセレクタ52内を通過したことを検出する。また、ベットスイッチ11S及びベットスイッチ13Sは、ベットボタン11及びベットボタン13が遊技者により押されたことを検出する。また、精算スイッチ14Sは、精算ボタン14が遊技者により押されたことを検出する。
【0061】
マイクロコンピュータ40により動作が制御される周辺装置としては、ステッピングモータ59、7セグ表示器18及びホッパー50がある。また、マイクロコンピュータ40の出力ポートには、各周辺装置の動作を制御するための回路が接続されている。
【0062】
モータ駆動回路49は、各リール3(リール3L、3C及び3R)に対応して設けられたステッピングモータ59の駆動を制御する。リール位置検出回路60は、発光部と受光部とを有する光センサにより、リール3が一回転したことを示すリールインデックスを各リール3に応じて検出する。
【0063】
ステッピングモータ59は、運動量がパルスの出力数に比例し、回転軸を指定された角度で停止させることが可能な構成を備えている。ステッピングモータ59の駆動力は、所定の減速比をもったギアを介してリール3に伝達される。ステッピングモータ59に対して1回のパルスが出力されるごとに、リール3は一定の角度で回転する。
【0064】
メインCPU41は、リールインデックスを検出してからステッピングモータ59に対してパルスを出力した回数をカウントすることによって、リールの回転角度(主に、リール3が図柄何個分だけ回転したか)を管理し、リール3の表面に配された各図柄の位置を管理するようにしている。
【0065】
表示部駆動回路58は、7セグ表示器18の動作を制御する。また、ホッパー駆動回路51は、ホッパー50の動作を制御する。また、払出完了信号回路61は、ホッパー50に設けられたメダル検出部50Sが行うメダルの検出を管理し、ホッパー50から外部に排出されたメダルが払出枚数に達したか否かをチェックする。
【0066】
図7は、本実施の形態におけるパチスロの副制御回路の構成を示す。
【0067】
副制御回路82は、主制御回路81と電気的に接続されており、主制御回路81から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路82は、基本的に、CPU206(以下、サブCPU206)、ROM208(以下、サブROM208)、RAM210(以下、サブRAM210)、レンダリングプロセッサ212、描画用RAM216、ドライバ218、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)232、オーディオRAM234及びA/D変換器233及びアンプ236を含んで構成されている。
【0068】
サブCPU206は、主制御回路81から送信されたコマンドに応じて、サブROM208に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力の制御を行う。サブRAM210は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路81から送信される内部当籤役、停止制御テーブル番号等の各種データを格納する格納領域が設けられている。サブROM208は、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域によって構成される。
【0069】
プログラム記憶領域には、サブCPU206が実行する制御プログラムが記憶されている。例えば、制御プログラムには、主制御回路81との通信を制御するための主基板通信タスクや、演出用乱数値を抽出し、演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスク、決定した演出内容に基づいて液晶表示装置5による映像の表示を制御する描画制御タスク、ランプ9による光の出力を制御するランプ制御タスク、透明パネルスピーカ21(透明パネルスピーカ21L、透明パネルスピーカ21C及び透明パネルスピーカ21R)による音の出力を制御する音声制御タスク、停止制御テーブル番号等に基づいて報知用演出データの決定及び登録を行うための報知用演出登録タスク等が含まれる。
【0070】
データ記憶領域は、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各演出内容を構成する演出データ及び報知用演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域等が含まれている。
【0071】
また、副制御回路82には、その動作が制御される周辺装置として、液晶表示装置5、透明パネルスピーカ21及びランプ9が接続されている。
【0072】
サブCPU206、レンダリングプロセッサ212、描画用RAM216(フレームバッファを含む)及びドライバ218は、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像を作成し、作成した映像を液晶表示装置5により表示する。
【0073】
また、サブCPU206、DSP232、オーディオRAM234、A/D変換器233及びアンプ236は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGM等の音や所定の音(特定操作順序を報知する音)を透明パネルスピーカ21により出力する。また、サブCPU206は、演出内容により指定されたランプデータに従ってランプ9の点灯及び消灯を行う。
【0074】
パチスロ1が備える回路の構成についての説明は以上である。次に、図8〜図19を参照して、メインROM42に記憶されている各種データテーブルの構成について説明する。
【0075】
図8を参照して、図柄配置テーブルについて説明する。図柄配置テーブルは、各リール3(リール3L、3C及び3R)の回転方向における各図柄の位置と、各位置に配された図柄の種類を特定するデータ(以下、図柄コード)とを規定している。
【0076】
図柄配置テーブルは、リールインデックスが検出されるときに表示窓4(表示窓4L、4C及び4R)内の中段に存在する図柄の位置を「0」として、リール3の回転方向に進む順に、各図柄の位置に対して「0」〜「20」をそれぞれ割り当てている。したがって、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたかを管理しつつ、図柄配置テーブルを参照することによって、主として表示窓4の中段に存在する図柄の位置及びその図柄の種類を常に管理することが可能となっている。
【0077】
図9を参照して、図柄組合せテーブルについて説明する。本実施の形態では、入賞判定ラインLに沿って各リール3(リール3L、3C及び3R)により表示される図柄の組合せが、図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せと一致する場合に、入賞と判定され、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスゲームの作動といった特典が遊技者に対して与えられる。
【0078】
図柄組合せテーブルは、特典の種類に応じて予め定められた図柄の組合せと、表示役と、払出枚数とを規定している。表示役は、入賞判定ラインLに沿って表示された図柄の組合せを識別するデータである。
【0079】
表示役は、各ビットに対して固有の図柄の組合せが割り当てられた1バイトのデータとして表される。例えば、各リール3の図柄「ベル」が入賞判定ラインLに沿って表示されたとき、表示役として「ベル(00000010)」が決定される。
【0080】
また、払出枚数として1以上の数値が決定された場合、メダルの払い出しが行われる。本実施の形態では、表示役としてチェリー、ベル又はスイカが決定されたときメダルの払い出しが行われる。また、払出枚数は、投入枚数に応じて規定されており、基本的に投入枚数が少ないときの方がより多くの払出枚数が決定される。
【0081】
また、表示役としてリプレイが決定されたとき、再遊技の作動が行われる。表示役としてBBが決定されたとき、ボーナスの作動が行われる。尚、入賞判定ラインLに沿って表示された図柄の組合せが、図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せの何れとも一致しない場合には、いわゆる「ハズレ」となる。
【0082】
図10を参照して、ボーナス作動時テーブルについて説明する。ボーナス作動時テーブルは、ボーナスの作動が行われるときに、メインRAM43に設けられた各種格納領域に格納するデータを規定している。
【0083】
作動中フラグは、作動が行われるボーナスの種類を識別するためのデータである。本実施の形態では、ボーナスの種類としてBB(第1種特別役物に係る役物連続作動装置)及びRB(第1種特別役物)を設けている。RBの作動は、BBの作動が行われている間、連続的に行われる。
【0084】
BBの作動は、規定枚数に達するメダルの払い出しが行われた場合に終了する。RBの作動は、規定回数に達する遊技が行われた場合、規定回数に達する入賞が有った場合、又は、BBの作動が終了した場合の何れかによって終了する。ボーナス終了枚数カウンタ、遊技可能回数カウンタ及び入賞可能回数カウンタは、ボーナスの終了契機となる上記規定枚数或いは上記規定回数に達したか否かを管理するためのデータである。
【0085】
より具体的には、ボーナス作動時テーブルにより規定されている数値が上記各カウンタに格納され、ボーナスの作動を通じてその減算が行われていく。その結果、各カウンタの値が「0」に更新されたことを条件に該当ボーナスの作動が終了する。
【0086】
図11及び図12を参照して、内部抽籤テーブルについて説明する。内部抽籤テーブルは、当籤番号に応じて、データポインタと抽籤値とを規定している。データポインタは、内部抽籤テーブルを参照して行う抽籤の結果として取得されるデータであり、後述の内部当籤役決定テーブルにより規定されている内部当籤役を指定するためのデータである。データポインタには、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタが設けられている。
【0087】
本実施の形態では、予め定められた数値の範囲「0〜65535」から抽出される乱数値を、各当籤番号に応じた抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって内部的な抽籤が行われる。
【0088】
したがって、抽籤値として規定されている数値が大きいほど、これが割り当てられたデータ(つまり、データポインタ)が決定される確率が高い。尚、各当籤番号の当籤確率は、「各当籤番号に対応する抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(65536)」によって表すことができる。
【0089】
図11は、一般遊技状態用内部抽籤テーブルを示す。図12は、RB作動中用内部抽籤テーブルを示す。本実施の形態では、ボーナスの作動が行われているか否かといった状況に応じて、複数種類の内部抽籤テーブルを使い分けることにより、決定される内部当籤役の種類や当籤確率を変動させ、この結果、遊技者が抱く期待に起伏が生じるようにしている。
【0090】
図13及び図14を参照して、内部当籤役決定テーブルについて説明する。内部当籤役決定テーブルは、データポインタに応じて内部当籤役を規定している。データポインタが決定されると、内部当籤役が一義的に取得される構成となっている。
【0091】
内部当籤役は、入賞判定ラインLに沿って表示を許可する各リール3(リール3L、3C及び3R)の図柄の組合せを識別するデータである。内部当籤役は、表示役と同様に、各ビットに対して固有の図柄の組合せが割り当てられた1バイトのデータとして表される。尚、データポインタが「0」のとき、内部当籤役の内容は「ハズレ」となるが、これは前述の図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せの表示が何れも許可されないことを示す。
【0092】
図13は、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを示す。小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルは、メダルの払い出しに係る内部当籤役又は再遊技の作動に係る内部当籤役を規定している。図14は、ボーナス用内部当籤役決定テーブルを示す。ボーナス用内部当籤役決定テーブルは、ボーナスの作動に係る内部当籤役を規定している。
【0093】
図15は、停止制御テーブル番号選択テーブルを示す図である。
停止制御テーブル番号選択テーブルは、内部抽籤手段により決定された内部当籤役がベルの場合に、各リール3L、3C、3Rを停止制御する際に参照する停止制御テーブル番号を決定するものである。すなわち、内部当籤役としてベルが決定した場合には、6通りの停止制御テーブルのいずれか一つを参照してそれに基づいて停止制御が行われる。
【0094】
図16は、図15で選択された各停止制御テーブル番号における各リール3L、3C、3Rの停止操作順序と、入賞の成立不成立との関係を示す図である。例えば、図15の停止制御テーブル番号選択テーブルによって選択された停止制御テーブル番号が1の場合、停止操作順序が「左中右」(ストップボタン7L、ストップボタン7C、ストップボタン7Rの順でストップボタン7を操作)であればベルが入賞することとなる。しかしながら、それ以外の停止操作順序であればベルは入賞しないようになっている。すなわち、ベルを入賞させるためには、内部当籤役がベルであり、かつ、ストップボタン7の停止操作を停止制御テーブル番号に対応した停止操作順序で行う必要がある。
【0095】
図17〜図19を用いて、内部当選役がベルの場合の各リール3L、3C、3Rの具体的な停止制御について説明する。
【0096】
「停止制御位置決定テーブル」には、各リール3L、3C、3Rの「停止操作位置」と「停止制御位置」とが示されている。「停止操作位置」は、各リール3L、3C、3Rに対応して設けられたストップボタン7L、7C、7Rが操作されたとき、表示窓4(表示窓4L、4C及び4R)内の中段に存在する図柄(具体的には、図柄の中心が表示窓4内の中段の上方に位置し、その中心が表示窓4内の中段に最も近い図柄)の図柄位置を表す。「停止制御位置」とは、停止操作が行われたリール3が停止したとき、表示窓4内の中段に停止表示される図柄の図柄位置を表す。ここで、本実施例では、滑り駒数を最大“4コマ”としている。
【0097】
図17は、当り用停止制御位置決定テーブルを示す図である。
このテーブルは、ベルに内部当選(内部抽籤手段により決定された内部当籤役がベル)した後、「ベル−ベル−ベル」が入賞判定ラインに沿って並び、ベルの入賞が成立するようにリールを停止制御する際に使用される。
当り用停止制御位置決定テーブルは、操作順序報知手段により報知された操作順序通りにストップボタン7の停止操作が行われた場合に採用される停止制御位置決定テーブルである。
【0098】
図17において、左のリール3Lの「停止制御位置」は、図柄位置“3”、“8”、“11”、“15”又は“19”のいずれかであり、これらに対応する図柄は「ベル」である。
また、中央のリール3Cの「停止制御位置」は、図柄位置“3”、“7”、“11”、“15”又は“19”のいずれかであり、これらに対応する図柄は、「ベル」である。
また、右のリール3Rの「停止制御位置」は、図柄位置“1”、“5”、“10”、“14”又は“18”のいずれかであり、これらに対応する図柄は、「ベル」である。
【0099】
以上のように、図17に示す当り用停止制御位置決定テーブルが各リール3L、3C、3Rの停止制御に使用された場合には、表示窓4(表示窓4L、4C及び4R)内の中段に「ベル」が停止表示され、入賞が成立することとなる。
【0100】
図18は、順押し・中押しはずれ用停止制御位置決定テーブルを示す図である。
このテーブルは、ベルに内部当選した後、「ベル−ベル−ベル」が入賞判定ラインに沿って並ばないように(ベルの入賞が不成立となるように)リールを停止制御する際に使用される。ここで、左のリール3L及び中央のリール3Cの停止操作位置に対する停止制御位置は、図17に示すものと同じである。
なお、「第1停止操作」として左のストップボタン7Lを操作することを「順押し」といい、「第1停止操作」として中央のストップボタン7Cを操作することを「中押し」という。
順押し・中押しはずれ用停止制御位置決定テーブルは、「第1停止操作」が順押し又は中押しで、かつ、操作順序報知手段により報知された操作順序とは異なる停止操作が行われた場合に採用される停止制御位置決定テーブルである。
【0101】
図18において、右のリール3Rの「停止制御位置」は、図柄位置“2”、“6”、“11”、“15”又は“19”のいずれかであり、これらに対応する図柄は、「Replay」である。
【0102】
以上のように、図18に示す順押し・中押しはずれ用停止制御位置決定テーブルが各リール3L、3C、3Rの停止制御に使用された場合には、表示窓4L、4C内の中段に「ベル」が停止表示され、表示窓4R内の中段に「Replay」が停止表示されるので、ベルの入賞が不成立となる。
【0103】
図19は、逆押しはずれ用停止制御位置決定テーブルを示す図である。
このテーブルは、ベルに内部当選した後、「ベル−ベル−ベル」が入賞判定ラインに沿って並ばないように(ベルの入賞が不成立となるように)リールを停止制御する際に使用される。ここで、中央のリール3C及び右のリール3Rの停止操作位置に対する停止制御位置は、図17に示すものと同じである。
なお、「第1停止操作」として右のストップボタン7Rを操作することを「逆押し」という。
逆押しはずれ用停止制御位置決定テーブルは、「第1停止操作」が逆押しで、かつ、操作順序報知手段により報知された操作順序とは異なる停止操作が行われた場合に採用される停止制御位置決定テーブルである。
【0104】
図19において、左のリール3Lの「停止制御位置」は、図柄位置“4”、“9”、“12”、“17”又は“20”のいずれかであり、これらに対応する図柄は、「Replay」である。
【0105】
以上のように、図19に示す逆押しはずれ用停止制御位置決定テーブルが各リール3L、3C、3Rの停止制御に使用された場合には、左の表示窓4L内の中段に「Replay」が停止表示され、表示窓4C、4R内の中段に「ベル」が停止表示されるので、ベルの入賞が不成立となる。
【0106】
本実施例では、停止制御テーブル番号が“1”、“2”、“3”、“4”、“5”、又は“6”の場合には、各々「左中右」、「左右中」、「中左右」、「中右左」、「右左中」、又は「右中左」で停止操作を行うことにより、ベルの入賞が成立するようになっている。
【0107】
メインROM42に記憶されているデータテーブルの内容についての説明は以上である。次に、図20〜図22を参照して、メインRAM43に設けられている各種格納領域の構成について説明する。
【0108】
図20を参照して、内部当籤役格納領域の構成について説明する。内部当籤役格納領域は、前述の1バイトのデータにより表される内部当籤役を格納する。ビットに「1」が立っているとき、該当する図柄の組合せの表示が許可される。尚、全ビットが「0」であるとき、その内容はハズレとなる。
【0109】
尚、メインRAM43には、前述の表示役が格納される表示役格納領域が設けられている。表示役格納領域の構成は、内部当籤役格納領域の構成と同様となっている。ビットに「1」が立っているとき、該当する図柄の組合せが入賞判定ラインLに沿って表示されたことになる。
【0110】
図21を参照して、持越役格納領域の構成について説明する。
【0111】
前述の抽籤の結果、ボーナスの作動に係る内部当籤役が決定されたときは、これが持越役格納領域に格納される。持越役格納領域に格納されたボーナスの作動に係る内部当籤役(以下、持越役)は、対応する図柄の組合せが入賞判定ラインLに表示されるまで、その内容がクリアされずに保持される構成となっている。そして、持越役格納領域に持越役が格納されている間は、前述の抽籤の結果にかかわらず、これが内部当籤役格納領域に格納される。
【0112】
図22を参照して、作動中フラグ格納領域の構成について説明する。
【0113】
作動中フラグ格納領域は、1バイトからなる作動中フラグを格納する。作動中フラグは、各ビットに対して固有のボーナスが割り当てられている。ビットに「1」が立っているとき、該当するボーナスの作動が行われている。尚、全ビットが「0」であるときの状態を一般遊技状態と定義する。
【0114】
また、図示しないが、メインRAM43には、停止制御テーブル番号の記憶領域が設けられている。
【0115】
メインRAM43に設けられる各種格納領域の構成についての説明は以上である。次に、主制御回路81のメインCPU41により実行されるプログラムの内容について説明する。
【0116】
まず、図23を参照して、メインCPU41の制御によるメインフローチャートについて説明する。パチスロ1に電源が投入されると、はじめに、メインCPU41は、初期化処理を行う(ステップS1)。次に、メインCPU41は、メインRAM43における指定格納領域のクリアを行う(ステップS2)。例えば、内部当籤役格納領域や表示役格納領域等、1回の遊技ごとに消去が必要となる格納領域に格納されたデータがクリアされる。
【0117】
次に、メインCPU41は、後で図面を参照して説明するメダル受付・スタートチェック処理を行う(ステップS3)。この処理では、メダルセンサ22Sやスタートスイッチ6Sの入力のチェック等が行われる。
【0118】
次に、メインCPU41は、乱数値を抽出し、メインRAM43に設けられた乱数値格納領域に格納する(ステップS4)。次に、メインCPU41は、後で図面を参照して説明する内部抽籤処理を行う(ステップS5)。この処理では、乱数値に基づいた抽籤により内部当籤役の決定が行われる。
【0119】
次に、メインCPU41は、ステップS5において決定された内部当籤役がベルであるか否かを判断する(ステップS6)。ステップS6において、内部当籤役がベルでないと判断した場合、メインCPU41は、処理をステップS8に移す。一方、ステップS6において、内部当籤役がベルであると判断した場合、メインCPU41は、停止制御テーブル番号選択処理を実行する(ステップS7)。この処理では、停止制御テーブル番号選択テーブルを参照して、乱数値に基づいた抽籤により停止制御テーブル番号の決定が行われる。
【0120】
次に、メインCPU41は、スタートコマンドを副制御回路82に対して送信する(ステップS8)。スタートコマンドは、内部当籤役、停止制御テーブル番号等を特定するパラメータを含んで構成される。
【0121】
次に、メインCPU41は、全メインリール3(リール3L、3C及び3R)の回転開始を要求する(ステップS9)。尚、全メインリール3の回転開始が要求されると、一定の周期(1.1173msec)で実行される割込処理(後述の図30)によってステッピングモータ59(ステッピングモータ59L、59C及び59R)の駆動が制御され、各リール3の回転が開始される。
【0122】
次に、メインCPU41は、ステップS5において決定された内部当籤役がベルであるか否かを判断する(ステップS10)。ステップS10において、内部当籤役がベルであると判断した場合、メインCPU41は、後で図面を参照して説明するベル用リール停止制御処理を実行する(ステップS11)。この処理では、ストップスイッチ56の入力のチェックが行われ、ストップボタン7が押されたタイミングとステップS5において決定された内部当籤役とステップS7において決定された停止制御テーブル番号とに基づいて該当リールの回転が停止される。
【0123】
一方、ステップS10において、内部当籤役がベルでないと判断した場合、メインCPU41は、後で図面を参照して説明するリール停止制御処理を行う(ステップS12)。この処理では、ストップスイッチの入力のチェックが行われ、ストップボタンが押されたタイミングと内部当籤役とに基づいて該当リールの回転が停止される。
【0124】
次に、メインCPU41は、入賞判定ラインLに沿って表示された図柄の組合せを検索し、その結果に基づいて払出枚数等を決定する(ステップS13)。検索の結果、入賞判定ラインLに沿って表示された図柄の組合せが図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せと一致する場合、対応する表示役及び払出枚数が決定される。次に、メインCPU41は、表示コマンドを副制御回路82に対して送信する(ステップS14)。表示コマンドは、表示役や払出枚数等を特定するパラメータを含んで構成される。
ステップS8〜ステップS14の処理を実行するとき、メインCPU41は、変動表示手段として機能する。
【0125】
次に、メインCPU41は、メダル払出処理を行う(ステップS15)。決定された払出枚数に基づいて、ホッパー50の駆動やクレジット枚数の更新が行われる。次に、メインCPU41は、払出枚数に基づいて、ボーナス終了枚数カウンタを更新する(ステップS16)。払出枚数として決定された数値がボーナス終了枚数カウンタから減算される。
【0126】
次に、メインCPU41は、ボーナス作動中フラグがオンであるか否かを判別する(ステップS17)。メインCPU41は、ボーナス作動中フラグがオンであると判別したときには、後で図面を参照して説明するボーナス終了チェック処理を行う(ステップS18)。ボーナスの終了契機を管理するための各種カウンタを参照して、ボーナスの作動を終了するか否かがチェックされる。
【0127】
メインCPU41は、ステップS18の後、又は、ステップS17においてボーナス作動中フラグがオンではないと判別したときには、後で図面を参照して説明するボーナス作動チェック処理を行う(ステップS19)。ボーナスの作動を開始するか否かがチェックされる。この処理が終了すると、ステップS2に移る。
【0128】
次に、図24を参照して、メダル受付・スタートチェック処理について説明する。
はじめに、メインCPU41は、自動投入カウンタは0であるか否かを判別する(ステップS31)。自動投入カウンタは0であると判別したときには、メダル通過許可を行う(ステップS32)。セレクタ52のソレノイドの駆動が行われ、セレクタ52内のメダルの通過が促される。
【0129】
メインCPU41は、自動投入カウンタは0ではないと判別したときには、自動投入カウンタを投入枚数カウンタに複写する(ステップS33)。次に、メインCPU41は、自動投入カウンタをクリアする(ステップS34)。ステップS33及びステップS34は再遊技を行うための処理である。
【0130】
メインCPU41は、ステップS32又はステップS34の後で、投入枚数カウンタの最大値として3をセットする(ステップS35)。次に、メインCPU41は、ボーナス作動中フラグがオンであるか否かを判別する(ステップS36)。メインCPU41は、ボーナス作動中フラグがオンであると判別したときには、投入枚数カウンタの最大値を変更する(ステップS37)。例えば、最大値が2に変更される。
【0131】
メインCPU41は、ステップS37の後、又は、ステップS36においてボーナス作動中フラグがオンではないと判別したときには、メダルの通過は検出されたか否かを判別する(ステップS38)。メインCPU41は、メダルの通過は検出されたと判別したときには、投入枚数カウンタは最大値に達したか否かを判別する(ステップS39)。メインCPU41は、投入枚数カウンタは最大値に達していないと判別したときには、投入枚数カウンタを1加算する(ステップS40)。次に、メインCPU41は、有効ラインカウンタに5を格納する(ステップS41)。次に、メインCPU41は、メダル投入コマンドを副制御回路82に対して送信する(ステップS42)。メダル投入コマンドは、投入枚数等を特定するためのパラメータを含んで構成されている。
【0132】
メインCPU41は、ステップS39において投入枚数カウンタは最大値であると判別したときには、クレジットカウンタを1加算する(ステップS43)。メインCPU41は、ステップS43の後、ステップS42の後、又は、ステップS38においてメダルの通過が検出されていないと判別したときには、ベットスイッチ11S及びベットスイッチ13Sのチェックを行う(ステップS44)。ベットボタン11及びベットボタン13に対応する数値が投入枚数カウンタに加算される一方でクレジットカウンタから減算される。
【0133】
次に、メインCPU41は、投入枚数カウンタは最大値に達したか否かを判別する(ステップS45)。投入枚数カウンタは最大値に達していないと判別したときには、ステップS38に移る一方で、投入枚数カウンタは最大値に達したと判別したときには、スタートスイッチ6Sはオンであるか否かを判別する(ステップS46)。
【0134】
メインCPU41は、スタートスイッチ6Sはオンではないと判別したときには、ステップS38に移る一方で、スタートスイッチ6Sはオンであると判別したときには、メダル通過禁止を行う(ステップS47)。セレクタ52のソレノイドの駆動が行われず、メダルの排出が促される。この処理が終了すると、メダル受付・スタートチェック処理を終了する。
【0135】
次に、図25を参照して、内部抽籤処理について説明する。
なお、図25に示す内部抽籤処理を実行するとき、メインCPU41は、内部抽籤手段として機能する。
はじめに、メインCPU41は、内部抽籤テーブル及び抽籤回数を決定する(ステップS61)。作動中フラグ格納領域が参照され、ボーナスの作動の有無等に応じて、内部抽籤テーブル及び抽籤回数が決定される。尚、抽籤回数は、内部抽籤テーブルにより規定された各当籤番号について、抽籤値の減算及び桁かりが生じたか否かの判定を行う回数を示す。
【0136】
次に、メインCPU41は、乱数値格納領域に格納されている乱数値を取得し、判定用乱数値としてセットする(ステップS62)。次に、メインCPU41は、当籤番号の初期値として1をセットする(ステップS63)。
【0137】
次に、メインCPU41は、内部抽籤テーブルを参照し、当籤番号に対応する抽籤値を取得する(ステップS64)。次に、メインCPU41は、判定用乱数値から抽籤値を減算する(ステップS65)。次に、メインCPU41は、桁かりが行われたか否かを判別する(ステップS66)。メインCPU41は、桁かりが行われていないと判別したときには、抽籤回数を1減算し、当籤番号を1加算する(ステップS67)。
【0138】
次に、メインCPU41は、抽籤回数は0であるか否かを判別する(ステップS68)。メインCPU41は、抽籤回数は0ではないと判別したときには、ステップS64に移る一方で、抽籤回数は0であると判別したときには、小役・リプレイ用データポインタとして0をセットし、ボーナス用データポインタとして0をセットする(ステップS69)。
【0139】
メインCPU41は、ステップS66において桁かりが行われたと判別したときには、現在の当籤番号に応じて、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタを取得する(ステップS70)。メインCPU41は、ステップS70又はステップS69の後で、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを参照し、小役・リプレイ用データポインタに基づいて内部当籤役を取得する(ステップS71)。
【0140】
次に、メインCPU41は、取得した内部当籤役を内部当籤役格納領域に格納する(ステップS72)。次に、メインCPU41は、持越役格納領域に格納されているデータは0であるか否かを判別する(ステップS73)。メインCPU41は、持越役格納領域に格納されているデータは0であると判別したときは、ボーナス用内部当籤役決定テーブルを参照し、ボーナス用データポインタに基づいて内部当籤役を取得する(ステップS74)。次に、メインCPU41は、取得した内部当籤役を持越役格納領域に格納する(ステップS75)。
【0141】
メインCPU41は、ステップS75の後、又は、ステップS73において持越役格納領域に格納されているデータは0ではないと判別したときには、持越役格納領域と内部当籤役格納領域との論理和をとり、その結果を内部当籤役格納領域に格納する(ステップS76)。つまり、ボーナスの作動に係る内部当籤役の持ち越しが行われる。この処理が終了すると、内部抽籤処理を終了する。
【0142】
次に、図26を参照して、リール停止制御処理について説明する。はじめに、メインCPU41は、有効なストップボタン7(ストップボタン7L、7C及び7R)が押されたか否かを判別する(ステップS101)。メインCPU41は、有効なストップボタン7が押されていないと判別したときには、これが押されるまで待機する。
【0143】
メインCPU41は、有効なストップボタン7が押されたと判別したときには、該当ストップボタン7の操作を無効化する(ステップS102)。各ストップボタン7の有効及び無効の状態は、メインRAM43に設けられた所定の格納領域において管理される。
【0144】
次に、メインCPU41は、チェック回数として5をセットする(ステップS103)。本実施の形態では、滑り駒数の最大数を「4」としていることから、ストップボタン7が押されたときに該当表示窓4(表示窓4L、4C又は4R)の中段にある図柄の位置を含め、そこから4個先の図柄の位置までがチェックの対象となる。つまり、「0」、「1」、「2」、「3」及び「4」の5つの数値の何れかが滑り駒数として決定される。
【0145】
次に、メインCPU41は、内部当籤役に基づいて、ストップボタン7が押されたときに該当表示窓4の中段にある図柄の位置(以下、停止開始位置)を含めたチェック回数の範囲内にある各図柄の位置の中で、最も優先順位の高い図柄の位置を検索する(ステップS104)。この処理では、内部当籤役によって表示が許可されている図柄の組合せを、入賞判定ラインLに沿って表示することが可能となる図柄の位置が、最も優先順位の高い図柄の位置として決定される。
【0146】
次に、メインCPU41は、検索の結果に基づいて滑り駒数を決定する(ステップS105)。停止開始位置から上記最も優先順位の高い図柄の位置までの図柄の個数が滑り駒数として決定される。次に、メインCPU41は、停止予定位置待ちへ移行する(ステップS106)。停止予定位置待ちへ移行すると、後述の割込処理によってステッピングモータ(ステッピングモータ59L、59C及び59R)の駆動が制御され、最も優先順位の高い図柄の位置が該当表示窓4の中段に到達するのを待って該当リール3の回転が停止される。
【0147】
次に、メインCPU41は、リール停止コマンドを副制御回路82に対して送信する(ステップS107)。リール停止コマンドは、停止したリール3の種別等を特定するパラメータを含んで構成されている。
【0148】
次に、メインCPU41は、操作が有効なストップボタン7があるか否かを判別する(ステップS108)。つまり、まだ回転中のリール3があるか否かが判別される。メインCPU41は、操作が有効なストップボタン7があると判別したときには、ステップS101に移る一方で、操作が有効なストップボタン7がないと判別したときには、リール停止制御処理を終了する。
【0149】
次に、図27を参照して、ベル用リール停止制御処理について説明する。
なお、図27に示すベル用リール停止制御処理を実行するとき、メインCPU41は、停止制御手段として機能する。
はじめに、メインCPU41は、有効なストップボタン7(ストップボタン7L、7C及び7R)が押されたか否かを判別する(ステップS170)。メインCPU41は、有効なストップボタン7が押されていないと判別したときには、これが押されるまで待機する。
【0150】
メインCPU41は、有効なストップボタン7が押されたと判別したときには、該当ストップボタン7の操作を無効化する(ステップS171)。各ストップボタン7の有効及び無効の状態は、メインRAM43に設けられた所定の格納領域において管理される。
【0151】
次に、メインCPU41は、チェック回数として5をセットする(ステップS172)。本実施の形態では、滑り駒数の最大数を「4」としていることから、ストップボタン7が押されたときに該当表示窓4(表示窓4L、4C又は4R)の中段にある図柄の位置を含め、そこから4個先の図柄の位置までがチェックの対象となる。つまり、「0」、「1」、「2」、「3」及び「4」の5つの数値の何れかが滑り駒数として決定される。
【0152】
次に、メインCPU41は、正しいストップボタン7が押されたか否かを判断する(ステップS173)。この処理では、メインCPU41は、ステップS7において決定された停止制御テーブル番号に対応した停止操作順序でストップボタン7が押されたか否かを判断する。例えば、ステップS7において決定された停止制御テーブル番号が1の場合、停止操作順序が「左中右」(ストップボタン7L、ストップボタン7C、ストップボタン7Rの順でストップボタン7を操作)であればベルが入賞することとなる。すなわち、停止制御テーブル番号が1の場合には、最初に押されたストップボタン7(第1停止操作)がストップボタン7Lである場合、又は、第1停止操作がストップボタン7Lで、2番目に押されたストップボタン7(第2停止操作)がストップボタン7Cである場合、又は、第1停止操作がストップボタン7Lで、第2停止操作がストップボタン7Cで、3番目に押されたストップボタン7(第3停止操作)がストップボタン7Rである場合、メインCPU41は、正しいストップボタン7が押されたと判断する。
【0153】
ステップS173において、正しいストップボタン7が押されたと判断された場合、メインCPU41は、当り用停止制御位置決定テーブルに基づいて滑り駒数を決定する(ステップS174)。当り用停止制御位置決定テーブルが各リール3L、3C、3Rの停止制御に使用された場合には、表示窓4(表示窓4L、4C及び4R)内の中段に「ベル」が停止表示される。
【0154】
一方、ステップS173において、正しいストップボタン7が押されていないと判断された場合、メインCPU41は、はずれ用停止制御位置決定テーブルに基づいて滑り駒数を決定する(ステップS175)。第1停止操作がストップボタン7L又はストップボタン7Cの場合には、メインCPU41は、順押し・中押しはずれ用停止制御位置決定テーブルに基づいて滑り駒数を決定する。第1停止操作がストップボタン7Rの場合には、メインCPU41は、逆押しはずれ用停止制御位置決定テーブルに基づいて滑り駒数を決定する。
順押し・中押しはずれ用停止制御位置決定テーブル又は逆押しはずれ用停止制御位置決定テーブルが停止制御に使用された場合には、ベルの入賞が不成立となる。
【0155】
次に、メインCPU41は、停止予定位置待ちへ移行する(ステップS176)。停止予定位置待ちへ移行すると、後述の割込処理によってステッピングモータ(ステッピングモータ59L、59C及び59R)の駆動が制御され、該当リール3の回転が停止される。
【0156】
次に、メインCPU41は、リール停止コマンドを副制御回路82に対して送信する(ステップS177)。リール停止コマンドは、停止したリール3の種別等を特定するパラメータを含んで構成されている。
【0157】
次に、メインCPU41は、操作が有効なストップボタン7があるか否かを判別する(ステップS178)。つまり、まだ回転中のリール3があるか否かが判別される。メインCPU41は、操作が有効なストップボタン7があると判別したときには、ステップS179に移る一方で、操作が有効なストップボタン7がないと判別したときには、ベル用リール停止制御処理を終了する。
【0158】
次に、メインCPU41は、正しいストップボタン7が押されたか否かを判断する(ステップS179)。この処理では、メインCPU41は、ステップS7において決定された停止制御テーブル番号に対応した停止操作順序でストップボタン7が押されたか否かを判断する。例えば、ステップS7において決定された停止制御テーブル番号が1の場合、停止操作順序が「左中右」(ストップボタン7L、ストップボタン7C、ストップボタン7Rの順でストップボタン7を操作)であればベルが入賞することとなる。すなわち、停止制御テーブル番号が1の場合には、最初に押されたストップボタン7(第1停止操作)がストップボタン7Lである場合、又は、第1停止操作がストップボタン7Lで、2番目に押されたストップボタン7(第2停止操作)がストップボタン7Cである場合、又は、第1停止操作がストップボタン7Lで、第2停止操作がストップボタン7Cで、3番目に押されたストップボタン7(第3停止操作)がストップボタン7Rである場合、メインCPU41は、正しいストップボタン7が押されたと判断する。
【0159】
ステップS179において、正しいストップボタン7が押されたと判断された場合、メインCPU41は、報知継続コマンドを副制御回路82に対して送信する(ステップS180)。報知継続コマンドには、既に操作されたストップボタン7の個数についての情報と、停止制御テーブル番号を特定するパラメータとが含まれる。例えば、既にストップボタン7Lとストップボタン7Cとが操作されている場合には、既に操作されたストップボタン7の個数が2であることを示す情報が報知継続コマンドに含まれる。
【0160】
ステップS179において、正しいストップボタン7が押されていないと判断された場合、又は、ステップS180の処理を実行した場合、処理をステップS170に戻す。
【0161】
次に、図28を参照して、ボーナス作動チェック処理について説明する。はじめに、メインCPU41は、表示役はBBであるか否かを判別する(ステップS121)。メインCPU41は、表示役はBBであると判別したときには、ボーナス作動時テーブルを参照し、BB作動時処理を行う(ステップS122)。この処理では、BB作動中フラグがオンにされ、ボーナス終了枚数カウンタに所定値がセットされる。
【0162】
次に、メインCPU41は、持越役格納領域をクリアする(ステップS123)。次に、メインCPU41は、ボーナス開始コマンドを副制御回路82に対して送信する(ステップS124)。この処理が終了すると、ボーナス作動チェック処理を終了する。
【0163】
メインCPU41は、ステップS121において表示役はBBではないと判別したときには、表示役はリプレイであるか否かを判別する(ステップS125)。メインCPU41は、表示役はリプレイであると判別したときには、投入枚数カウンタの値を自動投入カウンタに複写する(ステップS126)。
【0164】
メインCPU41は、ステップS125において表示役はリプレイではないと判別したときには、BB作動中フラグはオンであるか否かを判別する(ステップS127)。メインCPU41は、BB作動中フラグはオンではないと判別したときには、ボーナス作動チェック処理を終了する一方で、BB作動中フラグはオンであると判別したときには、RB作動中フラグはオンであるか否かを判別する(ステップS128)。
【0165】
メインCPU41は、RB作動中フラグはオンであると判別したときには、ボーナス作動チェック処理を終了する一方で、RB作動中フラグはオンではないと判別したときには、ボーナス作動時テーブルを参照し、RB作動時処理を行う(ステップS129)。この処理では、RB作動中フラグがオンにされ、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタに所定値がセットされる。この処理が終了すると、ボーナス作動チェック処理を終了する。
【0166】
次に、図29を参照して、ボーナス終了チェック処理について説明する。はじめに、メインCPU41は、ボーナス終了枚数カウンタは0であるか否かを判別する(ステップS141)。メインCPU41は、ボーナス終了枚数カウンタは0であると判別したときには、BB終了時処理を行う(ステップS142)。この処理では、BB作動中フラグ及びRB作動中フラグがオフされ、ボーナスの終了契機を管理するための各種カウンタがクリアされる。次に、メインCPU41は、ボーナス終了コマンドを副制御回路82に対して送信する(ステップS143)。この処理が終了すると、ボーナス終了チェック処理を終了する。
【0167】
メインCPU41は、ステップS141においてボーナス終了枚数カウンタは0ではないと判別したときには、入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタを更新する(ステップS144)。遊技可能回数カウンタが1減算され、また、入賞が有った場合に入賞可能回数カウンタが1減算される。次に、メインCPU41は、入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタは0であるか否かを判別する(ステップS145)。
【0168】
メインCPU41は、入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタは0ではないと判別したときには、ボーナス終了チェック処理を終了する一方で、入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタは0であると判別したときには、RB終了時処理を行う(ステップS146)。この処理では、RB作動中フラグがオフされ、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタがクリアされる。この処理が終了すると、ボーナス終了チェック処理を終了する。
【0169】
次に、図30を参照して、メインCPU41の制御による割込処理(1.1173msec)について説明する。はじめに、メインCPU41は、レジスタの退避を行う(ステップS161)。次に、メインCPU41は、入力ポートチェック処理を行う(ステップS162)。この処理では、ストップスイッチ56等の各種スイッチから入力される信号がチェックされる。
【0170】
次に、メインCPU41は、リール制御処理を行う(ステップS163)。この処理では、全リール3(リール3L、3C及び3R)の回転開始が要求されたときに、各リール3の回転を開始し、その後一定速度での回転を行うよう、ステッピングモータ59(ステッピングモータ59L、59C及び59R)の駆動が制御される。また、滑り駒数が決定されたときは、該当リール3の回転が滑り駒数分継続するのを待ってその回転の減速及び停止を行うよう、ステッピングモータ59の駆動が制御される。
【0171】
次に、メインCPU41は、ランプ・7セグ駆動処理を行う(ステップS164)。次に、メインCPU41は、レジスタの復帰を行う(ステップS165)。この処理が終了すると、割込処理を終了する。
【0172】
主制御回路81のメインCPU41により実行されるプログラムの内容についての説明は以上である。次に、図31〜図33を参照して、副制御回路82のサブCPU206により実行されるプログラムの内容について説明する。
【0173】
図31を参照して、サブCPU206により行われる主基板通信タスクについて説明する。はじめに、サブCPU206は、主制御回路81から送信されたコマンドの受信チェックを行う(ステップS301)。次に、サブCPU206は、コマンドを受信した場合、そのコマンドの種別を抽出する(ステップS302)。
【0174】
次に、サブCPU206は、前回とは異なるコマンドを受信したか否かを判別する(ステップS303)。サブCPU206は、前回とは異なるコマンドを受信しなかったと判別したときには、ステップS301に移る一方で、前回とは異なるコマンドを受信したと判別したときには、メッセージキューに格納し(ステップS304)、ステップS301に移る。
【0175】
次に、図32を参照して、サブCPU206により行われる演出登録タスクについて説明する。はじめに、サブCPU206は、メッセージキューからメッセージを取り出す(ステップS311)。次に、サブCPU206は、メッセージは有るか否かを判別する(ステップS312)。サブCPU206は、メッセージは有ると判別したときには、メッセージから遊技情報を複写する(ステップS313)。例えば、パラメータによって特定される、内部当籤役、回転が停止したリール3(リール3L、3C及び3R)の種別、表示役、作動中フラグ等といった各種データがサブRAM210に設けられた格納領域に複写される。
【0176】
次に、サブCPU206は、後で図面を参照して説明する演出内容決定処理を行う(ステップS314)。この処理では、受信したコマンドの種別に応じて、演出内容の決定や演出データの登録等が行われる。
【0177】
サブCPU206は、ステップS314の後、又は、ステップS312においてメッセージは無かったと判別したときには、アニメーションデータの登録を行う(ステップS315)。次に、サブCPU206は、サウンドデータの登録を行う(ステップS316)。次に、サブCPU206は、ランプデータの登録を行う(ステップS317)。アニメーションデータの登録、サウンドデータの登録及びランプデータの登録は、演出内容決定処理において登録された演出データに基づいて行われる。この処理が終了すると、ステップS311に移る。
【0178】
次に、図33を参照して、サブCPU206により実行される演出内容決定処理のフローチャートについて説明する。はじめに、サブCPU206は、スタートコマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS321)。サブCPU206は、スタートコマンド受信時であると判別したときには、処理をステップS322に移す。
【0179】
ステップS322において、サブCPU206は、内部当籤役がベルであるか否かを判断する。この処理では、受信したスタートコマンドに含まれる内部当籤役を特定するパラメータに基づいて、サブCPU206は、内部当籤役がベルであるか否かを判断する。ステップS322において、内部当籤役がベルであると判断した場合、サブCPU206は、停止制御テーブル番号に基づいて、報知用演出番号を決定し、登録する(ステップS323)。この処理では、サブCPU206は、受信したスタートコマンドに含まれる停止制御テーブル番号を特定するパラメータに基づいて、報知用演出番号を決定する。報知用演出番号は、今回において実行する報知用演出内容を指定するデータである。
【0180】
次に、サブCPU206は、登録されている報知用演出番号に基づいて、報知用演出データを登録する(ステップS324)。報知用演出データは、アニメーションデータ、サウンドデータ及びランプデータを指定するデータである。報知用演出データが登録されると、対応するアニメーションデータ等が決定され、映像の表示等の報知用演出が実行される。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
報知用演出を実行するとき、サブCPU206は、操作順序報知手段として機能する。
【0181】
図34A〜図34Dは、図2に示したパチスロが備える液晶表示装置に表示される報知画像の一例を示す図である。
図34A〜図34Dは、報知用演出が実行される際に液晶表示装置5に表示される画像の一例である。
図34Aでは、リール3L、リール3C、リール3Rの下側に、それぞれ太鼓を持つゴリラ画像301A、ゴリラ画像301B、ゴリラ画像301Cが液晶表示装置5に表示されている。
本実施例では、液晶表示装置5に表示されるゴリラが太鼓を叩くゴリラ画像302とゴリラ画像302に合わせて各透明パネルスピーカ21から出力される太鼓を叩く音により、ストップボタン7の操作順序を報知する。
透明パネルスピーカ21から出力される太鼓を叩く音は、本発明における所定の音に相当する。
【0182】
図34Bは、ストップボタン7Rを操作すべきことを報知する場合に、液晶表示装置に表示される報知画像である。図34Bでは、リール3Rの下側に、ゴリラが太鼓を叩くゴリラ画像302Cが表示されている。さらに、図34Bに示す報知画像が表示されている際には、リール3Rと対向する位置に配置された透明パネルスピーカ21Rから太鼓を叩く音が出力される。
【0183】
図34Cは、ストップボタン7Cを操作すべきことを報知する場合に、液晶表示装置に表示される報知画像である。図34Cでは、リール3Cの下側に、ゴリラが太鼓を叩くゴリラ画像302Bが表示されている。さらに、図34Cに示す報知画像が表示されている際には、リール3Cと対向する位置に配置された透明パネルスピーカ21Cから太鼓を叩く音が出力される。
【0184】
図34Dは、ストップボタン7Lを操作すべきことを報知する場合に、液晶表示装置に表示される報知画像である。図34Dでは、リール3Lの下側に、ゴリラが太鼓を叩くゴリラ画像302Aが表示されている。さらに、図34Dに示す報知画像が表示されている際には、リール3Lと対向する位置に配置された透明パネルスピーカ21Lから太鼓を叩く音が出力される。
報知用演出では、図34Aに示す報知画像を液晶表示装置5に表示した後に、図34B〜図34Dに示すいずれかの報知画像を液晶表示装置5に表示する。
【0185】
図33Aに戻り、ステップS322において、内部当籤役がベルでないと判断した場合、サブCPU206は、演出用乱数値を抽出し、内部当籤役等に基づいて演出番号を抽籤により決定し、登録する(ステップS325)。演出番号は、今回において実行する演出内容を指定するデータである。
【0186】
次に、サブCPU206は、登録されている演出番号に基づいて、スタート時の演出データを登録する(ステップS326)。演出データは、アニメーションデータ、サウンドデータ及びランプデータを指定するデータである。演出データが登録されると、対応するアニメーションデータ等が決定され、映像の表示等の演出が実行される。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
【0187】
次に、サブCPU206は、スタートコマンド受信時ではないと判別したときには、リール停止コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS327)。サブCPU206は、リール停止コマンド受信時であると判別したときには、登録されている演出番号とストップボタン7(ストップボタン7L、7C及び7R)の種別に基づいて、停止時の演出データを登録する(ステップS328)。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
【0188】
次に、サブCPU206は、リール停止コマンド受信時ではないと判別したときには、表示コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS329)。サブCPU206は、表示コマンド受信時であると判別したときには、登録されている演出番号に基づいて、表示時の演出データを登録する(ステップS330)。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
【0189】
次に、サブCPU206は、表示コマンド受信時ではないと判別したときには、ボーナス開始コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS331)。サブCPU206は、ボーナス開始コマンド受信時であると判別したときには、ボーナス開始用の演出データを登録する(ステップS332)。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
【0190】
次に、サブCPU206は、ボーナス開始コマンド受信時ではないと判別したときには、ボーナス終了コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS333)。サブCPU206は、ボーナス終了コマンド受信時であると判別したときには、ボーナス終了用の演出データを登録する(ステップS334)。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
【0191】
次に、サブCPU206は、ボーナス終了コマンド受信時ではないと判別したときには、報知継続コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS335)。サブCPU206は、報知継続コマンド受信時ではないと判別したときには、演出内容決定処理を終了する一方で、報知継続コマンド受信時であると判別したときには、サブCPU206は、停止制御テーブル番号と、既に操作されたストップボタン7の個数についての情報とに基づいて、報知用演出番号を決定し、登録する(ステップS336)。この処理では、サブCPU206は、受信した報知継続コマンドに含まれる停止制御テーブル番号を特定するパラメータと、受信した報知継続コマンドに含まれる既に操作されたストップボタン7の個数についての情報とに基づいて、報知用演出番号を決定する。報知用演出番号は、今回において実行する報知用演出内容を指定するデータである。
【0192】
次に、サブCPU206は、登録されている報知用演出番号に基づいて、報知用演出データを登録する(ステップS337)。報知用演出データは、アニメーションデータ、サウンドデータ及びランプデータを指定するデータである。報知用演出データが登録されると、対応するアニメーションデータ等が決定され、映像の表示等の報知用演出が実行される。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
【0193】
上述したパチスロ1によれば、複数のリール3の前面に設けられた透明液晶パネル34の前面に透明パネルスピーカ21が配置されているため、効率的に遊技者に音を伝達することができる。また、透明パネルスピーカ21は、遊技者により視認できないため、スピーカが露出することによる美観の低下を防止することができる。
また、特定操作順序に応じた順番で、複数のリール3と対向する位置にそれぞれ配置された各透明パネルスピーカ21から所定の音を出力することにより、特定操作順序を報知する。そのため、操作すべきリール3から音が出力されているように遊技者に感じさせることができ、遊技者に確実に特定操作順序を報知することができるとともに、遊技者に楽しみを感じさせながら遊技を行わせることができる。
このように、透明パネルスピーカ21を設けたことにより、従来とは異なる斬新なストップボタン7の操作順序の報知を行うことができ、遊技内容の興趣の向上を充分に図ることができる。
【0194】
また、操作順序報知手段は、透明パネルスピーカ21から音を出力するとともに、当該音に応じた画像を透明液晶パネル34に表示する。透明パネルスピーカ21は、透明液晶パネル34の前面に配置されているため、透明液晶パネル34に表示された画像から音が出力されているように遊技者に感じさせることができ、遊技者を遊技の世界に強く引き込むことができる。
また、透明液晶パネル34と透明パネルスピーカ21とを近くに配置することにより、透明液晶パネル34に表示される画像と透明パネルスピーカ21から出力される音のずれを解消することができる。
【0195】
本実施形態では、透明パネルスピーカ21の前面に保護ガラス32が設けられ、保護ガラス32の透明パネルスピーカ21と面する部分に穴が設けられていない場合について説明したが、保護ガラス32の透明パネルスピーカ21と面する部分に穴を設けてもよい。保護ガラス32の透明パネルスピーカ21と面する部分に穴を設けることにより、より効率的に遊技者に音を伝達することができるとともに、穴が設けられていないことに起因する音のこもりを抑制することができる。
また、保護ガラス32の透明パネルスピーカ21と面する部分に、透明パネルスピーカ21とほぼ同じ大きさの開口を設け、透明パネルスピーカ21を露出させることとしてもよい。透明パネルスピーカ21を露出させることにより、より高品質の音を遊技者に伝達させることができる。
【0196】
本実施形態では、操作すべきリール3と対向する位置に配置された透明パネルスピーカ21から所定の音を出力することにより、特定操作順序を報知する場合について説明したが、本発明では、例えば、聞こえてくる方向が右側から左側に変化するように音を出力することにより、右側から左側に向かって停止操作手段を操作する必要があることを報知してもよい。例えば、右側から左側に向かって移動する車の画像を液晶表示装置5に表示し、車の画像の移動に合わせて、右側から左側に向かって音が移動するように透明パネルスピーカ21から音を出力することとしてもよい。
【0197】
本実施形態では、透明パネルスピーカ21が3個設けられる場合について説明したが、本発明では、透明パネルスピーカは、1個であってもよい。この場合には、リール3R、リール3C、リール3Lの前面を覆うように透明パネルスピーカ21を表示板33の前面に設ければよい。
【0198】
本実施形態では、透明パネルスピーカ21が、透明液晶パネル34の前面に位置する表示板33の前面に設けられる場合について説明したが、透明パネルスピーカ21を透明液晶パネル34の前面に直接設けることとしてもよい。
【0199】
本実施形態では、透明電極202bと透明電極203bとの間に電圧をかけることにより、透明電極202bが設けられた透明振動板202と透明電極203bが設けられた透明固定電極板203との間に静電力が働き、この静電力により透明振動板202が振動し、音波を発生する場合について説明したが、本発明における透明パネルスピーカは、透明板状部材を振動させることにより音を出力することが可能な構成であれば、特に限定されない。例えば、遊技者に視認されない位置に振動板を設け、当該振動板を振動させることにより生じる空気圧により透明振動板を振動させ、透明振動板から音波を発生させることとしてもよい。
【0200】
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各手段等の具体的構成は、適宜設計変更可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0201】
【図1】本実施形態に係るパチスロの機能フローを示す機能ブロック図である。
【図2】本実施形態に係るパチスロの外部構造を示す斜視図である。
【図3】図2に示したパチスロが備える液晶表示装置の一部の構成を示す展開図である。
【図4】図2に示したパチスロが備える液晶表示装置の一部の構成の断面図である。
【図5】図2に示したパチスロの内部構造を示す正面図である。
【図6】図2に示したパチスロの主制御回路の構成を示すブロック図である。
【図7】図5に示した副制御回路の構成を示すブロック図である。
【図8】図柄配置テーブルを示す図である。
【図9】図柄組合せテーブルを示す図である。
【図10】ボーナス作動時テーブルを示す図である。
【図11】一般遊技状態用内部抽籤テーブルを示す図である。
【図12】RB作動中用内部抽籤テーブルを示す図である。
【図13】小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを示す図である。
【図14】ボーナス用内部当籤役決定テーブルを示す図である。
【図15】停止制御テーブル番号選択テーブルを示す図である。
【図16】各リールの停止操作順序と、入賞の成立不成立との関係を示す図である。
【図17】当り用停止制御位置決定テーブルを示す図である。
【図18】順押し・中押しはずれ用停止制御位置決定テーブルを示す図である。
【図19】逆押しはずれ用停止制御位置決定テーブルを示す図である。
【図20】内部当籤役格納領域を説明するための図である。
【図21】持越役格納領域を説明するための図である。
【図22】作動中フラグ格納領域を説明するための図である。
【図23】図5に示した主制御回路のメインCPUにより実行される処理を示すフローチャートである。
【図24】メダル受付・スタートチェック処理を示すフローチャートである。
【図25】内部抽籤処理を示すフローチャートである。
【図26】リール停止制御処理を示すフローチャートである。
【図27】ベル用リール停止制御処理を示すフローチャートである。
【図28】ボーナス作動チェック処理を示すフローチャートである。
【図29】ボーナス終了チェック処理を示すフローチャートである。
【図30】割込処理を示すフローチャートである。
【図31】図6に示したサブCPUにより行われる主基板通信タスクを示すフローチャートである。
【図32】図6に示したサブCPUにより行われる演出登録タスクを示すフローチャートである。
【図33A】図6に示したサブCPUにより行われる演出内容決定処理を示すフローチャートである。
【図33B】図6に示したサブCPUにより行われる演出内容決定処理を示すフローチャートである。
【図34A】図2に示したパチスロが備える液晶表示装置に表示される報知画像の一例を示す図である。
【図34B】図2に示したパチスロが備える液晶表示装置に表示される報知画像の一例を示す図である。
【図34C】図2に示したパチスロが備える液晶表示装置に表示される報知画像の一例を示す図である。
【図34D】図2に示したパチスロが備える液晶表示装置に表示される報知画像の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0202】
1 パチスロ
2 キャビネット
3(3L、3C、3R) リール
4(4L、4C、4R) 図柄表示領域(表示窓)
5 液晶表示装置
6 スタートレバー
6S スタートスイッチ
7(7L、7C、7R) ストップボタン
8 フロントドア
9 ランプ
11 ベットボタン
11S ベットスイッチ
13 ベットボタン
13S ベットスイッチ
14 精算ボタン
14S 精算スイッチ
15 メダル払出口
16 メダル受皿
18 7セグ表示器
21(21L、21C、21R) 透明パネルスピーカ
22 メダル投入口
22S メダルセンサ
32 保護ガラス
33 表示板
34 透明液晶パネル
35 導光板
36 反射フィルム
37(37a、37b) 蛍光ランプ
40 マイクロコンピュータ
41 メインCPU
42 メインROM
43 メインRAM
49 モータ駆動回路
50 メダル払出装置(ホッパー)
50S メダル検出部
51 ホッパー駆動回路
52 セレクタ
54 電源装置
56 ストップスイッチ
58 表示部駆動回路
59(59L、59C、59R) ステッピングモータ
60 リール位置検出回路
61 払出完了信号回路
81 主制御回路
82 副制御回路
144 クロックパルス発生回路
145 分周器
146 乱数発生器
147 サンプリング回路
201 透明枠
202 透明振動板
202a 透明フィルム
202b 透明電極
203 透明固定電極板
203a ガラス基板
203b 透明電極
205(205a、205b) 閉空間
206 サブCPU
208 サブROM
210 サブRAM
212 レンダリングプロセッサ
216 描画用RAM
218 ドライバ
232 DSP
233 A/D変換器
234 オーディオRAM
236 アンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の識別情報の変動表示を行うことが可能な変動表示手段と、
前記複数の識別情報の前面に設けられた透明液晶パネルと、
前記透明液晶パネルの前面に配置され、透明板状部材を振動させることにより音を出力することが可能な透明パネルスピーカと、
前記複数の識別情報の変動表示をそれぞれ停止させるための複数の停止操作手段と、
内部当籤役を決定する内部抽籤手段と、
前記内部抽籤手段により決定された前記内部当籤役に対応する停止態様で前記識別情報を停止表示させるために必要な前記複数の停止操作手段の操作順序を示す特定操作順序を、前記特定操作順序に応じて聞こえてくる方向が異なる音を前記透明パネルスピーカから出力することにより報知する操作順序報知手段と、
前記内部抽籤手段により決定された内部当籤役に対応する特定操作順序で、前記停止操作手段が操作された場合に、変動表示する前記識別情報を当該内部当籤役に対応する停止態様で停止表示させる停止制御手段と
を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記操作順序報知手段は、透明パネルスピーカから音を出力するとともに、当該音に応じた画像を前記透明液晶パネルに表示することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記透明パネルスピーカは、前記透明液晶パネルの前面の前記複数の識別情報と対向する位置にそれぞれ配置され、透明板状部材を振動させることによりそれぞれ独立して音を出力することが可能であり、
前記操作順序報知手段は、所定の音を前記特定操作順序に応じた順番で前記各透明パネルスピーカから出力することにより、前記特定操作順序を報知することを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33A】
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【図33B】
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【図34A】
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【図34B】
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【図34C】
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【図34D】
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【公開番号】特開2010−5023(P2010−5023A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−165949(P2008−165949)
【出願日】平成20年6月25日(2008.6.25)
【出願人】(598098526)株式会社ユニバーサルエンターテインメント (7,628)
【Fターム(参考)】