説明

遊技機

【課題】出玉に関する制御変数を不正に書き換える不正行為を防止することができ、その不正行為によって不正な遊技が行われることを防止することができる遊技機を提供する。
【解決手段】制御変数の値を更新し得る更新処理を行う更新手段、更新処理後の制御変数の値を記憶する制御変数記憶手段170、今回の更新処理により制御変数の値が更新されたか否かを前回の更新処理後の制御変数の値に基づいて判断する更新判断手段190、遊技の進行に係る複数の契機のそれぞれに対して制御変数の値を更新することができるか否かが予め定められた更新契機情報、更新判断手段による制御変数の値が更新されたか否かの判断結果と更新契機情報とを照合して、制御変数の更新の有無と契機との関係が整合性が取れているか否かを判断する整合性判断手段230を備え、整合性が取れていない場合に、エラー処理を行うように形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、この種の遊技機、たとえばスロットマシンには、主として遊技を制御するメイン基板と、主として演出を制御するサブ基板とが設けられている。メイン基板とサブ基板とは、CPU、RAM、ROM、及びI/Oなどにより構成されている。
また、スロットマシンでは、遊技として、AT(アシストタイム)遊技や、RT(リプレイタイム)遊技や、ART(アシストリプレイタイム)遊技などの通常遊技よりも遊技者にとって有利な遊技が知られている。AT遊技は、小役などの当選を遊技者に報知する遊技であり、また、RT遊技は、通常遊技よりも再遊技役の当選確率を高く設定した遊技であり、また、ART遊技は、AT遊技とRT遊技とを組み合わせ遊技である。
【0003】
AT遊技やART遊技では、たとえば、設定される遊技回数の経過や、所定の遊技回数を1セットとする設定されるセット数の消化や、1セット毎に行われる継続抽選でハズレとなることにより、終了するものとなっている。このため、AT遊技中やART遊技中においては、メイン基板又はサブ基板のRAMにおいて、AT遊技やART遊技の終了に係る遊技回数や、セット数や、継続抽選の抽選確率などの制御変数が管理されるものとなっている。
そして、スロットマシンでは、メイン基板又はサブ基板のRAMにおいて管理される、このような遊技回数などの制御変数は、出玉に関わるものとなっている。すなわち、AT遊技やART遊技を備えるスロットマシンでは、AT遊技やART遊技が続けば続く程、出玉も多くなるものとなっている。
【0004】
このようなスロットマシンでは、ATに関する不正行為が行われる恐れがあった。たとえば、メイン基板とサブ基板との間に不正な装置を取り付け、この不正な装置によって、毎回押し順が報知されるようにしてAT抽選役の取りこぼしが無くなるようにする不正行為が行われる恐れがあった。かかる不正行為を防止すべく、特許文献1に記載の遊技機では、複数の回胴と、メイン基板と、サブ基板とを備え、サブ基板は、当選役及び複数の回胴の停止時の図柄に関する停止出目情報を取得し、当選役がAT抽選役のときに当選役と停止出目の整合性を判断し、整合しないときに不正行為を報知するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−51189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ATに関する不正行為としては上記したものだけでなく、ATの終了に関する制御変数、言い換えれば出玉に関する制御変数(AT遊技やART遊技の終了に係る遊技回数や、セット数や、継続抽選の抽選確率)を不正に書き換える不正行為が行われる恐れがある。
また、不正行為によらなくとも、ノイズなどによって出玉に関する制御変数(ATの終了に関する制御変数)が別の値に書き換ってしまうことも起こり得る。
そこで、本発明は、制御変数を監視することにより、出玉に関する制御変数を不正に書き換える不正行為を防止することができ、その不正行為によって不正な遊技が行われることを防止することができるとともに、ノイズなどによって制御変数が別の値に書き換ってしまった場合に誤作動を防止することができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
各請求項に記載された発明は、上記した各目的を達成するためになされたものであり、本発明の特徴点を図面に示した発明の実施の形態を用いて、以下に説明する。
なお、符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(請求項1)
請求項1記載の発明は、遊技の進行に係る複数の契機のそれぞれの発生により、遊技を制御するための制御変数の値を更新し得る更新処理を行う制御変数更新手段と、更新処理後の制御変数の値を記憶する制御変数記憶手段170と、今回の更新処理により制御変数の値が更新されたか否かを、制御変数記憶手段170により記憶されている前回の更新処理後の制御変数の値に基づいて判断する制御変数更新判断手段190と、遊技の進行に係る複数の契機のそれぞれに対して、制御変数の値を更新することができるか否かが予め定められた更新契機情報を記憶する更新契機情報記憶手段180と、制御変数更新判断手段190による制御変数の値が更新されたか否かの判断結果と、更新契機情報とを照合して、制御変数の更新の有無と契機との関係が、整合性が取れているか否かを判断する整合性判断手段230と、を備え、整合性判断手段230により整合性が取れていないと判断された場合に、所定のエラー処理を行うことを特徴とする。
【0008】
ここで、「制御変数」は、遊技を制御するためのものであり、出玉に関するものを含むものである。制御変数としては、たとえば、AT(アシストタイム)遊技やART(アシストリプレイタイム)遊技の終了に係る遊技回数や、セット数や、継続抽選の抽選確率などが挙げられる。
また、「遊技の進行に係る契機」としては、たとえばスロットマシン10においては、スタートスイッチ33が操作されたこと(スタートスイッチ33からの操作信号が入力されたこと)、ストップスイッチ34が操作されたこと(ストップスイッチ34からの操作信号がオフ状態からオン状態に変化したこと)、及びストップスイッチ34の操作が解除されたこと(ストップスイッチ34からの操作信号がオン状態からオフ状態に変化したこと)などが挙げられる。
【0009】
また、「整合性が取れている」としては、以下の場合が挙げられる。
たとえば、所定の契機(スタートスイッチ33が操作されたこと)において所定の制御変数を更新することが可能であると設定されている場合に、この所定の契機において所定の制御変数の値が更新された又は更新されなかったときには、整合性が取れていると判断することができる。
また、たとえば、所定の契機において所定の制御変数を更新することが不可能であると設定されている場合に、この所定の契機において所定の制御変数の値が更新されなかったときには、整合性が取れていると判断することができる。
【0010】
また、たとえば、所定の契機において所定の制御変数を必ず更新すると設定されている場合に、この所定の契機において所定の制御変数の値が更新されたときには、整合性が取れていると判断することができる。
また、「整合性が取れていない」としては、以下の場合が挙げられる。
たとえば、所定の契機において所定の制御変数を更新することが不可能であると設定されている場合に、この所定の契機において所定の制御変数の値が更新されたときには、整合性が取れていないと判断することができる。
また、たとえば、所定の契機において所定の制御変数を必ず更新すると設定されている場合に、この所定の契機において所定の制御変数の値が更新されなかったときには、整合性が取れていないと判断することができる。
【0011】
また、「エラー処理」としては、エラー報知を行ったり、遊技機外部の外部装置(たとえば遊技店に設置されているホールコンピュータ)へエラー信号を送信したり、リセット処理を行ったりすることができる。
すなわち本発明では、更新処理を行った後に、今回の更新処理により制御変数の値が更新されたか否かを、前回の更新処理後の制御変数の値に基づいて判断する。たとえば、今回の更新処理後の制御変数の値と、前回の更新処理後の制御変数の値との差分を取り、差分があれば更新されたと判断することができ、一方、差分がなければ更新されていないと判断することができる。
【0012】
そして、制御変数の値が更新されたか否かの判断結果と、更新契機情報とを照合して、制御変数の更新の有無と契機との関係が、整合性が取れているか否かを判断する。このとき、整合性が取れいなければ、所定のエラー処理を行う。
つまり、本発明では、不正行為やノイズなどにより、予め定められた契機以外のタイミングで制御変数の値が更新された場合に、所定のエラー処理を行う。
(請求項2)
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明の特徴に加え、制御変数は、取り得る範囲の値が予め定められており、制御変数の値が取り得る範囲内の値であるか否かを判断する制御変数範囲判断手段210を備え、制御変数範囲判断手段210により制御変数の値が取り得る範囲内の値でないと判断された場合に、所定のエラー処理を行うことを特徴とする。
【0013】
すなわち本発明では、予め定められた契機で制御変数の値が更新された場合であっても、不正行為やノイズなどにより、取り得る範囲内の値でない値に制御変数の値が更新された場合には、所定のエラー処理を行う。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
(請求項1)
すなわち請求項1記載の発明によれば、制御変数を監視することにより、出玉に関する制御変数を不正に書き換える、具体的には予め定められた契機以外の契機で制御変数を書き換える不正行為を防止することができ、その不正行為によって不正な遊技が行われることを防止することができるとともに、ノイズなどによって予期しないタイミングで制御変数が別の値に書き換ってしまった場合に誤作動を防止することができる遊技機を提供することができる。
【0015】
また、本発明によれば、制御変数を監視することにより、遊技機が正常に動作しているか否かの動作確認を行うことができる遊技機を提供することができる。
(請求項2)
すなわち請求項2記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明の効果に加え、制御変数を監視することにより、出玉に関する制御変数を不正に書き換える、具体的には出玉に関する制御変数を取り得る範囲内でない値に書き換える不正行為を防止することができ、その不正行為によって不正な遊技が行われることを防止することができるとともに、ノイズなどによって制御変数が取り得る範囲内でない値に書き換ってしまった場合に誤作動を防止することができる遊技機を提供することができる。
【0016】
また、本発明によれば、制御変数を監視することにより、遊技機が正常に動作しているか否かの動作確認を行うことができる遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施の形態であって、スロットマシンの正面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態であって、スロットマシンのブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態であって、更新契機テーブルを説明するための説明図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態であって、範囲値テーブルを説明するための説明図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態であって、サブ制御処理の概略を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施の形態であって、遊技開始時AT処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第1の実施の形態であって、遊技終了時AT処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第1の実施の形態であって、制御変数監視処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第1の実施の形態であって、AT開始処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第2の実施の形態であって、更新契機テーブルを説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態を、図1〜図9に基づいて説明する。
以下、「前面」とは、スロットマシン10において遊技を行う際に遊技者が向き合う面をいい、「右側」とは、スロットマシン10の前面に向き合って遊技を行う遊技者から見て右側をいい、「左側」とは、スロットマシン10の前面に向き合って遊技を行う遊技者から見て左側をいう。
(スロットマシン10)
図1に概略を示すように、遊技機としてのスロットマシン10は、前面に開口部を有する箱型の筐体11を備え、筐体11の前面には、開口部を塞ぐ前扉12を備え、筐体11の内部には、3個の回転リール45を横並びに配置したリールユニット40や、スロットマシン10を制御するための制御装置20や、遊技媒体としてのメダルを払い出すためのホッパーユニットや、スロットマシン10が備える各装置に電力を供給するための電源ユニットなどを備えている。
【0019】
前扉12の略中央には、前方へ向けて突出する操作部16が設けられ、操作部16の上方には、各回転リール45の周囲に付されている図柄を遊技者に見せるための図柄表示窓15が設けられ、図柄表示窓15の上方には、画像を表示する表示装置55が設けられ、図柄表示窓15及び表示装置55の周囲縁には、演出用ランプ17が設けられている。図柄表示窓15は、図1に示すように、縦3列横3行に配置した合計9個の図柄を遊技者に見せるように形成されている。
また、縦3列横3行に配置した合計9個の図柄が表示される位置には、図柄の並びを示す入賞ラインが設定されている。
【0020】
また、操作部16の上面右側には、メダルを投入するためのメダル投入口36が設けられ、操作部16の上面左側には、スロットマシン10に電子的に貯留(クレジット)されているメダルをベットするためのベットスイッチ32が設けられ、操作部16の上面左端付近には、クレジットされているメダルを返却するための精算スイッチ35が設けられ、操作部16の前面左側には、すべての回転リール45の回転を開始させるためのスタートスイッチ33が設けられ、操作部16の前面中央には、回転リール45の回転を停止させるためのものであって各回転リール45にそれぞれ対応している3個のストップスイッチ34が横並びに設けられている。
【0021】
また、前扉12の下部中央には、メダル払出口37が設けられ、メダル払出口37の下方には、メダル受け皿38が設けられている。さらに、前扉12の裏面下部には、スピーカ18が設けられている。
(リールユニット40)
リールユニット40は、横並びに設けた3個の回転リール45と、各回転リール45を回転させるためのものであって各回転リール45にそれぞれ対応しているステッピングモータと、これらを支持するためのフレームとを備えている。各回転リール45の周囲には、複数種類の図柄が所定の配列で合計21個付されている。また、各ステッピングモータの出力軸には、対応する回転リール45がそれぞれ固定されている。
【0022】
また、ステッピングモータは、パルス信号によって駆動するものであって、入力されるパルス信号のパターンによって、加速・定速・減速のパターンが決まる。また、ステッピングモータは、一のパルス信号の入力により、回転リール45の周囲に付された図柄1個分に相当する量駆動する。ステッピングモータが図柄1個分に相当する量駆動すると、対応する回転リール45が、周囲に付された図柄1個分に相当する量回転する(1コマ回転する)。
また、各回転リール45には、インデックスセンサにより検知されるインデックスが設けられており、インデックスが検知されてからのステッピングモータのパルス数により回転リール45の回転位置及び停止位置を特定できるようになっている。
【0023】
(制御装置20)
制御装置20は、図2に示すように、主として遊技を制御する遊技制御装置21と、遊技制御装置21からの信号を受信して、主として遊技の演出を制御する演出制御装置22とを備えている。
遊技制御装置21は、メイン基板などとも呼ばれるものであって、CPU、RAM、ROM、及びI/Oなどを備えたマイクロコンピュータを用いて構成されている。CPUがROMに記憶された所定のプログラムを実行することにより、遊技制御装置21を構成するマイクロコンピュータが、役の抽選(役抽選)、回転リール45の回転・停止及びメダルの払い出しなどの遊技の進行を制御する遊技制御手段60として機能する。詳細には、遊技制御手段60は、図2に示すように、操作コマンド送信手段90、役抽選手段100、回転制御手段110、停止制御手段120及び停止図柄判定手段130などとして機能する。遊技制御装置21の入力手段としては、ベットスイッチ32、スタートスイッチ33、ストップスイッチ34、精算スイッチ35、接触センサ52及びリールユニット40の各回転リール45のインデックスセンサなどが接続され、遊技制御装置21の出力手段としては、リールユニット40のステッピングモータや、ホッパーユニットなどが接続されている。
【0024】
また、演出制御装置22は、サブ基板などとも呼ばれるものであって、遊技制御装置21と同様に、CPU、RAM、ROM、及びI/Oなどを備えたマイクロコンピュータを用いて構成されている。CPUがROMに記憶された所定のプログラムを実行することにより、演出制御装置22を構成するマイクロコンピュータが、役抽選の結果や、遊技の進行に応じて遊技の演出を制御する演出制御手段140として機能する。演出制御装置22の入力手段としては、遊技制御装置21が接続され、演出制御装置22の出力手段としては、表示装置55や、演出用ランプ17や、スピーカ18などが接続されている。
また、遊技制御装置21と演出制御装置22との間における信号の送受信は、遊技制御装置21における役抽選に関するデータ等の内部データの信頼性を担保すべく、一方通行となるように形成されている。
【0025】
ここで、スロットマシン10の遊技について説明する。スロットマシン10では、予め定められた規定枚数(本実施の形態では3枚)のメダルをベットすることで、すべての入賞ラインが有効となって有効入賞ラインとなり、遊技が開始可能となる。3枚のメダルをベットした状態でスタートスイッチ33を操作すると、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの役抽選が行われるとともに、すべての回転リール45の回転が開始して、遊技が開始する。その後、ストップスイッチ34を操作すると、対応する回転リール45の回転が停止し、すべてのストップスイッチ34の操作を終えると、すべての回転リール45の回転が停止する。このとき、当選した役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に揃っていれば、その役に応じたメダルの払い出しその他の利益が遊技者に付与されて、1回の遊技が終了する。一方、当選した役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に揃っていなければ、ハズレとなって1回の遊技が終了する。
【0026】
(ストップスイッチ34)
ストップスイッチ34は、押しボタン式のスイッチとなっており、たとえばフォトセンサ、導通センサ、圧力センサなどを用いて押下操作を検知するようにすることができる。そして、ストップスイッチ34は、押下操作によりONとなり、遊技制御装置21へ出力する操作信号がOFF状態からON状態へ変化する。また、押下操作の解除により、ストップスイッチ34はOFFとなり、遊技制御装置21へ出力する操作信号がON状態からOFF状態へ変化する。遊技制御装置21は、ストップスイッチ34からの操作信号がOFF状態からON状態へ変化したこと(操作信号が入力されたこと)を契機に、対応する回転リール45の回転を停止させる。
【0027】
(役)
本実施の形態では、役として、有効入賞ライン上に所定の図柄の組み合わせが停止表示されることにより、遊技状態がボーナス状態であるボーナス遊技へ移行するボーナス役と、有効入賞ライン上に所定の図柄の組み合わせが停止表示されることにより、メダルが払い出される小役と、有効入賞ライン上に所定の図柄の組み合わせが停止表示されることにより、メダルの払い出しはないがメダルを新たに投入することなく前回の遊技と同じ条件で再度遊技を行うことができる再遊技を実行させる再遊技役とがある。
また、小役としては、図柄の組み合わせが異なるベル役、チェリー役及びスイカ役などがある。
【0028】
(操作コマンド送信手段90)
操作コマンド送信手段90は、スタートスイッチ33が操作された旨、言い換えれば遊技が開始された旨を示す開始操作コマンド、ストップスイッチ34が操作された旨を示す停止操作コマンド及び三番目の停止操作に係るストップスイッチ34の押下操作が解除された旨を示す第三停止操作終了コマンドを演出制御装置22へ送信するものである。開始操作コマンド、停止操作コマンド及び第三停止操作終了コマンドは、遊技制御装置21のROMに予め記憶されている。
そして、操作コマンド送信手段90は、スタートスイッチ33の操作(スタートスイッチ33からの操作信号の入力)を契機に(遊技の進行に係る契機の発生により)、開始操作コマンドを演出制御装置22へ送信する。
【0029】
また、操作コマンド送信手段90は、ストップスイッチ34からの操作信号の入力、具体的にはストップスイッチ34からの操作信号がOFF状態からON状態へ変化したことを契機に(遊技の進行に係る契機の発生により)、停止操作コマンドを演出制御装置22へ送信する。停止操作コマンドには、一番目、二番目又は三番目の停止操作のうちのいずれであるか、及び、3個のストップスイッチ34のうちのいずれが操作されたかを示す情報が含まれる。
また、操作コマンド送信手段90は、三番目の停止操作に係るストップスイッチ34の押下操作が解除された、具体的には三番目の停止操作に係るストップスイッチ34からの操作信号がON状態からOFF状態へ変化したことを契機に(遊技の進行に係る契機の発生により)、第三停止操作終了コマンドを演出制御装置22へ送信する。
【0030】
(役抽選手段100)
役抽選手段100は、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの役抽選を行うものである。役抽選手段100は、スタートスイッチ33の操作を契機に、特に図示しないループカウンタの数値を読み取り、この数値と、ループカウンタがカウントする数値を全領域として各役の当選領域及びハズレの領域を規定した当選判定テーブルとを比較して、役の当否を決定する。
当選領域としては、一の役に対応付けられた単独当選領域の他に、複数の役に対応付けられた重複当選領域を設けることができる。本実施の形態では、スイカ役とチェリー役とは、同時に当選(重複当選)することが無いように設定されている。
【0031】
また、当選判定テーブルとしては、遊技状態が通常状態である遊技において用いられる通常当選判定テーブル及び遊技状態がボーナス状態である遊技において用いられるボーナス当選判定テーブルなどの複数のテーブルがある。たとえば、ボーナス当選判定テーブルは、小役などの特定の役の当選確率が通常当選判定テーブルよりも高くなるように設定することができる。このようにすると、ボーナス遊技においては、遊技状態が通常状態である遊技よりも多くのメダルを獲得することができるようになり、遊技者にとって有利な遊技となる。
当選判定テーブルとしては、遊技状態がRT状態である遊技において用いられるRT当選判定テーブルを設けることができる。RT当選判定テーブルは、再遊技役の当選確率が通常当選判定テーブルとは異なるように設定することができる。たとえば、RT当選判定テーブルを、再遊技役の当選確率が通常当選判定テーブルよりも高くなるように設定すると、遊技状態がRT状態である遊技は、遊技状態が通常状態である遊技よりもメダルの消費枚数が少なくなり、遊技者にとって有利な遊技となる。
【0032】
また、役抽選手段100は、遊技制御装置21のRAMにおける所定の記憶領域に役抽選の結果を記憶する。また、役抽選手段100は、役抽選の結果を示す役抽選結果コマンドを演出制御装置22へ送信する。
(回転制御手段110)
回転制御手段110は、回転リール45の回転駆動を制御するものである。回転制御手段110は、遊技の開始条件(たとえば3枚のメダルのベットなど)が成立している場合に、スタートスイッチ33の操作(スタートスイッチ33からの操作信号の入力)を契機として、3個すべての回転リール45の回転を開始させて、その回転速度が所定の定常速度に達するまで加速させて、その回転速度が所定の定常速度に達したときには、回転リール45を所定の定常速度で定速回転させる。
【0033】
(停止制御手段120)
停止制御手段120は、ストップスイッチ34の操作を契機として、役抽選の結果及びストップスイッチ34が操作された時点における対応する回転リール45の回転位置に基づいて、回転リール45の回転を停止させる停止制御を行うものである。
停止制御手段120は、各ストップスイッチ34が停止操作された際における対応する回転リール45の回転位置を、対応するインデックスが検知されてから対応するストップスイッチ34が停止操作されるまでの間における対応するステッピングモータのステップ数で特定しつつ、ストップスイッチ34が停止操作された時点で、有効入賞ライン上に直ちに停止できる図柄(すなわち、回転リール45の回転位置)を基準として、この図柄から回転方向に予め定められた個数(最大スベリコマ数、本実施の形態では4コマ)移動した図柄までの範囲内で、対応する回転リール45を停止させる。ここで、「コマ」とは、回転リール45の回転量であって、回転リール45の周囲に付された図柄1個分に相当する量を意味するものである。
【0034】
また、停止制御手段120は、役抽選の結果がいずれかの役に当選の場合には、各回転リール45の回転を停止させるに際し、当選した役を構成する図柄の組み合わせがいずれかの有効入賞ライン上に極力揃うように、かつ、当選した役以外の役を構成する図柄の組み合わせについてはいずれの有効入賞ライン上にも揃わないように、引き込み制御及び蹴飛ばし制御を行い、一方、役抽選の結果がハズレの場合には、各回転リール45の回転を停止させるに際し、いずれの有効入賞ライン上にも、いずれの役を構成する図柄の組み合わせも揃わないように、蹴飛ばし制御を行う。
また、停止制御手段120は、リールユニット40の各ステッピングモータへのパルス信号の供給を停止することにより、回転リール45の回転を適位置で停止させる。
【0035】
(停止図柄判定手段130)
停止図柄判定手段130は、すべての回転リール45の回転が停止した際に、有効入賞ライン上に停止表示されている図柄の組み合わせを判定するものである。停止図柄判定手段130により判定が行われると、この判定の結果に基づいた制御が所定の手段により実行される。たとえば、停止図柄判定手段130により、小役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されていると判定されると、遊技制御手段60は、この小役に応じた所定枚数のメダルを払い出すようにする。また、たとえば、停止図柄判定手段130により、ボーナス役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されていると判定されると、遊技制御手段60は、遊技状態をボーナス状態へ移行させてボーナス遊技を開始する。
【0036】
(演出制御手段140)
演出制御手段140は、表示装置55や演出用ランプ17やスピーカ18を制御して、役抽選の結果や、遊技の進行に応じて、遊技の演出の実行を制御するものである。具体的には、演出制御手段140は、表示装置55に特定の画像を表示させたり、演出用ランプ17を点灯又は点滅させたり、スピーカ18から所定の音を出力させたりすることにより、遊技を盛り上げる演出を実行する。
また、本実施の形態では、演出制御装置22には、演出状態として、AT状態が設けられている。AT状態は、役抽選の結果に関する情報を遊技者に対して報知する報知演出を実行する状態である。役抽選の結果に関する情報(報知の内容)としては、当選した役の情報や、当選した役を構成する図柄の組み合わせを有効入賞ライン上に停止表示させるためのストップスイッチ34の操作順序(押し順)などがある。
【0037】
遊技者は、たとえば当選した小役が報知されると、当選した小役を構成する図柄が有効入賞ライン上に停止するようタイミングを図ってストップスイッチ34を操作することにより、報知がない場合と比較してより多くの小役を有効入賞ライン上に停止表示させることができ、ひいてはより多くの枚数のメダルを獲得することができる。このため、演出状態がAT状態であるAT遊技は、通常遊技(演出状態がAT状態でなくかつ遊技状態が通常状態である遊技)よりも遊技者にとって有利な遊技(有利遊技)となっている。
また、本実施の形態では、AT状態として、第1AT状態と、第2AT状態とが設けられている。なお、AT状態としては、これに限られるものではない。
【0038】
また、本実施の形態では、演出制御手段140は、演出状態がAT状態でない遊技において、所定の契機により、演出状態を第1AT状態又は第2AT状態にすることを決定する。たとえば、演出制御手段140は、演出状態がAT状態でない遊技において役抽選により所定の役(たとえばボーナス役、スイカ役又はチェリー役)に当選したときに、演出状態を第1AT状態又は第2AT状態にするか否かをAT抽選により決定することができる。そして、演出制御手段140は、演出状態を第1AT状態にすることを決定した場合には、演出制御装置22のRAMにおける所定の記憶領域に第1AT予約フラグを成立させ、演出状態を第2AT状態にすることを決定した場合には、演出制御装置22のRAMにおける所定の記憶領域に第2AT予約フラグを成立させる。
【0039】
また、本実施の形態では、演出制御装置22のRAMには、第1遊技回数記憶領域151、第2遊技回数記憶領域171、第1継続率記憶領域152、第2継続率記憶領域172、第1セット数記憶領域153、第2セット数記憶領域173、第1AT種別記憶領域154、第2AT種別記憶領域174、遊技回数判断結果記憶領域191、継続率判断結果記憶領域192、セット数判断結果記憶領域193及びAT種別判断結果記憶領域194が設けられている。
第1遊技回数記憶領域151、第1継続率記憶領域152、第1セット数記憶領域153及び第1AT種別記憶領域154は、後述する制御変数を記憶するためのものである。また、第2遊技回数記憶領域171、第2継続率記憶領域172、第2セット数記憶領域173、第2AT種別記憶領域174、遊技回数判断結果記憶領域191、継続率判断結果記憶領域192、セット数判断結果記憶領域193及びAT種別判断結果記憶領域194は、後述する制御変数を監視するためのものである。
【0040】
そして、上記したこれらの各記憶領域は、上記した用途にのみ用いられ、他の用途には用いられないように設定されている。すなわち、上記各記憶領域は、演出状態がAT状態でない遊技(通常遊技やボーナス遊技など)においても、上記した用途のために常に確保されている。
そして、本実施の形態では、演出制御手段140は、図2に示すように、AT状態制御手段150と、演出実行手段160と、制御変数記憶手段170と、更新契機情報記憶手段180と、制御変数更新判断手段190と、整合性判断手段230と、範囲値テーブル200と、制御変数範囲判断手段210と、エラー処理実行手段220とを備えている。
【0041】
(AT状態制御手段(制御変数更新手段)150)
AT状態制御手段150は、AT状態を制御するものである。AT状態制御手段150は、図2に示すように、演出制御装置22のRAMにおける、第1遊技回数記憶領域151、第1継続率記憶領域152、第1セット数記憶領域153及び第1AT種別記憶領域154を備えている。
本実施の形態では、AT状態制御手段150は、第1AT予約フラグが成立している場合であって、所定のAT開始条件(たとえば第1AT予約フラグが成立してからの所定の遊技回数の経過など)が成立した場合に、第三停止操作終了コマンドを受信したときに(遊技の進行に係る契機の発生により)、演出制御装置22のRAMにおける第1AT種別記憶領域154に第1の所定値(本実施の形態では「1」:制御変数)を書き込む(更新処理)。これにより、AT状態制御手段150は、AT種別の制御変数Mを第1の所定値を設定して、演出状態を第1AT状態に設定する。なお、このとき、第1AT予約フラグは消去される。
【0042】
また、AT状態制御手段150は、第2AT予約フラグが成立している場合であって、所定のAT開始条件が成立した場合に、第三停止操作終了コマンドを受信したときに(遊技の進行に係る契機の発生により)、演出制御装置22のRAMにおける第1AT種別記憶領域154に第2の所定値(本実施の形態では「2」:制御変数)を書き込む(更新処理)。これにより、AT状態制御手段150は、AT種別の制御変数Mを第2の所定値を設定して、演出状態を第1AT状態に設定する。なお、このとき、第2AT予約フラグは消去される。
また、本実施の形態では、AT状態制御手段150は、AT状態の終了を、所定の遊技回数(たとえば40回)を1セットとするセット数のストック及び1セット毎に行う継続抽選の結果により管理するように形成されている。具体的には、AT状態制御手段150は、1セットに係る所定の遊技回数が経過するときに、継続抽選を行い、継続抽選の結果が当選の場合にはAT状態を継続し、継続抽選の結果がハズレの場合にセット数をストックしているときには、AT状態を継続し、継続抽選の結果がハズレの場合にセット数をストックしていないときには、AT状態を終了する。
【0043】
詳細には、AT状態制御手段150は、AT状態の開始時(具体的には所定のAT開始条件が成立した遊技の次の遊技)に、開始操作コマンドを受信したときに(遊技の進行に係る契機の発生により)、継続抽選の抽選確率を複数の抽選確率(本実施の形態では、当選確率が50%、60%、70%、80%及び90%の5個)のうちから選択抽選により選択し、選択した抽選確率を演出制御装置22のRAMにおける第1継続率記憶領域152に書き込む(更新処理)。これにより、AT状態制御手段150は、継続抽選の抽選確率の制御変数Tを選択した抽選確率に設定する。なお、継続抽選の複数の抽選確率及び選択抽選の抽選確率は、演出制御装置22のROMに予め記憶されている。また、AT状態制御手段150は、第1AT状態よりも第2AT状態の方がより当選確率の高い継続抽選の抽選確率を選択し易いように、選択抽選を行う。
【0044】
また、AT状態制御手段150は、AT状態の開始時に、開始操作コマンドを受信したときに(遊技の進行に係る契機の発生により)、演出制御装置22のRAMにおける第1遊技回数記憶領域151に1セットの遊技回数に相当する所定値(本実施の形態では「40」)を書き込む(更新処理)。これにより、AT状態制御手段150は、遊技回数の制御変数Nを所定値に設定する。そして、AT状態制御手段150は、AT状態において、開始操作コマンドを受信したときに(遊技の進行に係る契機の発生により)、演出制御装置22のRAMにおける第1遊技回数記憶領域151に記憶されている遊技回数の制御変数Nの現在の値から1回の遊技回数に相当する所定値(本実施の形態では「1」)を減算し、その減算後の値を第1遊技回数記憶領域151に書き込む(更新処理)。これにより、遊技回数の制御変数Nが更新される。そして、AT状態制御手段150は、遊技回数の制御変数Nを更新することによって、1セットに係る遊技回数をカウントする。
【0045】
また、AT状態制御手段150は、AT状態において、開始操作コマンドを受信した場合であって(遊技の進行に係る契機の発生により)、役抽選によりスイカ役に当選した旨を示す役抽選結果コマンドを受信した場合に、1又は複数のセット数をストックするか否かのストック抽選を行い、ストック抽選の結果が当選の場合には、その抽選結果に応じたセット数をストックする。より詳しく説明すると、ストック抽選の結果が当選の場合には、演出制御装置22のRAMにおける第1セット数記憶領域153に記憶されているセット数の制御変数Sの現在の値に、その抽選結果に応じたセット数に相当する所定値(本実施の形態では1セットに相当する所定値を「1」としている。)を加算し、その加算後の値を、第1セット数記憶領域153に書き込む(更新処理)。これにより、セット数の制御変数Sが更新される。そして、AT状態制御手段150は、セット数の制御変数Sを更新することによって、セット数をストックする。なお、ストック抽選の抽選確率は、演出制御装置22のROMに予め記憶されている。また、AT状態制御手段150は、第1AT状態よりも第2AT状態の方がよりセット数をストックし易いように、ストック抽選を行う。たとえば、第1AT状態よりも第2AT状態の方がより当選し易いように、ストック抽選を行ったり、第1AT状態よりも第2AT状態の方がより多くのセット数をストックし易いように、ストック抽選を行うことができる。
【0046】
また、AT状態制御手段150は、AT状態において、開始操作コマンドを受信した場合であって(遊技の進行に係る契機の発生により)、役抽選によりチェリー役に当選した旨を示す役抽選結果コマンドを受信した場合に、継続抽選の抽選確率を上昇させるか否かのアップ抽選を行い、アップ抽選の結果が当選の場合には、その抽選結果に基づいて継続抽選の抽選確率を上昇させる。より詳しく説明すると、アップ抽選の結果が当選の場合には、演出制御装置22のRAMにおける第1継続率記憶領域152に記憶されている継続抽選の抽選確率の制御変数Tの現在の値を参照し、現在の当選確率及びアップ抽選の結果に基づいて、継続抽選の抽選確率を選択し、選択した抽選確率を第1継続率記憶領域152に書き込む(更新処理)。これにより、継続抽選の抽選確率の制御変数Tが更新される。そして、AT状態制御手段150は、継続抽選の抽選確率の制御変数Tを更新することによって、継続抽選の抽選確率を上昇させる。たとえば、アップ抽選の抽選結果としては、当選確率を一段階上昇させる(たとえば現在の当選確率が50%であれば60%に上昇させる)、当選確率を二段階上昇させる(たとえば現在の当選確率が50%であれば70%に上昇させる)などを設けることができる。なお、アップ抽選の結果が当選の場合に、現在の当選確率が90%であるときには、継続抽選の抽選確率をそのまま維持するようにすることができる。またなお、アップ抽選の抽選確率は、演出制御装置22のROMに予め記憶されている。また、AT状態制御手段150は、第1AT状態よりも第2AT状態の方がより継続抽選の抽選確率を上昇させ易いように、アップ抽選を行う。たとえば、第1AT状態よりも第2AT状態の方がより当選し易いように、アップ抽選を行ったり、第1AT状態よりも第2AT状態の方が複数段階上昇させ易いように、アップ抽選を行うことができる。
【0047】
また、AT状態制御手段150は、AT状態において、遊技回数の制御変数Nが所定の閾値(本実施の形態では「0」)となったときに、継続抽選の抽選確率の制御変数Tに基づいて、継続抽選を行う。継続抽選の結果が当選の場合には、AT状態を継続し、継続抽選の結果がハズレの場合には、第1セット数記憶領域153を参照して、セット数をストックしているか否かを確認する。セット数をストックしている(セット数の制御変数Sが「1」以上である)場合には、AT状態を継続し、セット数をストックしていない(セット数の制御変数Sが「1」以上でない)場合には、第三停止操作終了コマンドを受信したときに(遊技の進行に係る契機の発生により)、演出制御装置22のRAMにおける第1AT種別記憶領域154を第1の所定値(「1」)及び第2の所定値(「2」)以外の値(本実施の形態では「0」)に初期化して(更新処理)、AT状態を終了する。これにより、AT種別の制御変数Mが初期値(本実施の形態では「0」)に更新されて、AT状態が終了する。
【0048】
一方、継続抽選の結果が当選の場合には、第三停止操作終了コマンドを受信したときに(遊技の進行に係る契機の発生により)、演出制御装置22のRAMにおける第1遊技回数記憶領域151に1セットの遊技回数に相当する所定値(本実施の形態では「40」)を書き込む(更新処理)。また、継続抽選の結果がハズレでかつセット数をストックしている場合には、第三停止操作終了コマンドを受信したときに(遊技の進行に係る契機の発生により)、演出制御装置22のRAMにおける第1セット数記憶領域153に記憶されているセット数の制御変数Sの現在の値から1セットに相当する所定値(本実施の形態では「1」)を減算し、その減算後の値を第1セット数記憶領域153に書き込む(更新処理)とともに、演出制御装置22のRAMにおける第1遊技回数記憶領域151に1セットの遊技回数に相当する所定値(本実施の形態では「40」)を書き込む(更新処理)。
【0049】
なお、AT状態制御手段150は、AT状態において停止操作コマンドを受信した場合には(遊技の進行に係る契機の発生により)、AT種別の制御変数M、継続抽選の抽選確率の制御変数T、遊技回数の制御変数N及びセット数の制御変数Sの値を更新しない。ここで、停止操作コマンドには、一番目の停止操作がされた旨を示す第一停止操作コマンド、二番目の停止操作がされた旨を示す第二停止操作コマンド及び三番目の停止操作がされた旨を示す第三停止操作コマンドがある。
またなお、AT状態制御手段150は、遊技状態がRT状態であるときに、AT状態を実行するようにしてもよい。
【0050】
以上説明したように、AT種別の制御変数M、遊技回数の制御変数N、継続抽選の抽選確率の制御変数T及びセット数の制御変数Sの各制御変数は、有利遊技であるAT遊技を制御するためのものであるから、こられの制御変数は、出玉に関する制御変数である。
なお、当然のことではあるが、AT状態制御手段150は、演出状態がAT状態でない場合には、継続抽選の抽選確率の制御変数T、遊技回数の制御変数N及びセット数の制御変数Sの値を更新しない。これらの各制御変数は、AT遊技以外の通常遊技やボーナス遊技中においては、初期値のまま更新されることはないものとなっている。
(演出実行手段160)
演出実行手段160は、演出を実行するものである。演出実行手段160は、たとえば、通常遊技やボーナス遊技などにおいて、遊技を盛り上げる演出を実行する。
【0051】
また、演出実行手段160は、AT状態において、役抽選の結果に関する情報を遊技者に報知する報知演出を実行する。
また、演出実行手段160は、開始操作コマンドの受信を契機として演出を開始し、第一停止操作コマンド、第二停止操作コマンド、第三停止操作コマンド又は第三停止操作終了コマンドの受信を契機として演出内容を更新する発展演出を実行する。
(制御変数記憶手段170)
制御変数記憶手段170は、AT状態制御手段150による処理であるAT処理などを含む遊技に関する処理(更新処理)後の制御変数の値を記憶するものである。ここで、「遊技に関する処理」としては、AT処理の他に、たとえばAT抽選や演出に関する処理などを含むものである。
【0052】
制御変数記憶手段170は、図2に示すように、第2遊技回数記憶領域171、第2継続率記憶領域172、第2セット数記憶領域173及び第2AT種別記憶領域174により構成されている。
そして、本実施の形態では、制御変数記憶手段170は、開始操作コマンドを受信した場合、第一停止操作コマンドを受信した場合、第二停止操作コマンドを受信した場合、第三停止操作コマンドを受信した場合及び第三停止操作終了コマンドを受信した場合のそれぞれの場合において、遊技に関する処理が行われた後に、制御変数の現在の値を記憶する。
また、制御変数記憶手段170は、第1AT種別記憶領域154を参照して、AT種別の制御変数Mの現在の値を第2AT種別記憶領域174に書き込むことによりAT種別の制御変数Mの現在の値を記憶する。同様に、制御変数記憶手段170は、第1継続率記憶領域152を参照して、継続抽選の抽選確率の制御変数Tの現在の値を第2継続率記憶領域172に書き込み、第1遊技回数記憶領域151を参照して、遊技回数の制御変数Nの現在の値を第2遊技回数記憶領域171に書き込み、第1セット数記憶領域153を参照して、セット数の制御変数Sの現在の値を第2セット数記憶領域173に書き込む。
【0053】
(更新契機情報記憶手段180)
更新契機情報記憶手段180は、遊技の進行に係る複数の契機のそれぞれに対して、制御変数の値を更新することができるか否かが予め定められた更新契機テーブル(更新契機情報)を記憶するものである。更新契機情報記憶手段180は、演出制御装置22のROMによって構成されている。
更新契機テーブルには、図3に示すように、開始操作コマンドの受信、第一停止操作コマンドの受信、第二停止操作コマンドの受信、第三停止操作コマンドの受信及び第三停止操作終了コマンドの受信のそれぞれの契機に対して、AT種別の制御変数M、継続抽選の抽選確率の制御変数T、遊技回数の制御変数N及びセット数の制御変数Sのそれぞれの制御変数を更新することができるか否かが予め定められている。また、本実施の形態では、更新契機テーブルには、たとえば、更新可能である場合を「0」とし、更新不可能である場合を「1」として設定されている。
【0054】
(制御変数更新判断手段190)
制御変数更新判断手段190は、今回の遊技に関する処理により制御変数の値が更新されたか否かを、制御変数記憶手段170により記憶されている制御変数の値に基づいて判断するものである。制御変数更新判断手段190は、図2に示すように、演出制御装置22のRAMにおける、遊技回数判断結果記憶領域191、継続率判断結果記憶領域192、セット数判断結果記憶領域193及びAT種別判断結果記憶領域194を備えている。
本実施の形態では、制御変数更新判断手段190は、制御変数の現在の値と、制御変数記憶手段170により記憶されている制御変数の値との差分をとり、差分があれば更新されたと判断し、差分がなければ更新されていないと判断する。たとえば、制御変数更新判断手段190は、第1遊技回数記憶領域151に記憶されている遊技回数の制御変数Nの現在の値と、第2遊技回数記憶領域171に記憶されている遊技回数の制御変数Nの値との差分をとり、差分があれば更新されたと判断し、差分がなければ更新されていないと判断する。
【0055】
そして、制御変数更新判断手段190は、各制御変数についての判断結果を記憶する。たとえば、制御変数更新判断手段190は、遊技回数の制御変数Nが更新されていたと判断した場合には、演出制御装置22のRAMにおける遊技回数判断結果記憶領域191に、第1の所定値(本実施の形態では「0」)を書き込み、遊技回数の制御変数Nが更新されていないと判断した場合には、演出制御装置22のRAMにおける遊技回数判断結果記憶領域191に、第2の所定値(本実施の形態では「1」)を書き込む。同様に、制御変数更新判断手段190は、AT種別の制御変数M、継続抽選の抽選確率の制御変数T及びセット数の制御変数Sのそれぞれについても、更新されていたと判断した場合には第1の所定値を、更新されていないと判断した場合には第2の所定値を、所定の記憶領域(AT種別判断結果記憶領域194、継続率判断結果記憶領域192又はセット数判断結果記憶領域193)に書き込むことにより、判断結果を記憶する。
【0056】
(整合性判断手段230)
整合性判断手段230は、制御変数更新判断手段190による制御変数の値が更新されたか否かの判断結果と、更新契機テーブルとを照合して、制御変数の更新の有無と契機との関係が、整合性が取れているか否かを判断するものである。
整合性判断手段230は、更新契機テーブルを参照して所定の契機において所定の制御変数を更新可能(本実施の形態では「0」)である場合に、制御変数更新判断手段190によるその制御変数が更新されたか否かの判断結果が更新されたものである、すなわち第1の所定値(本実施の形態では「0」)であるときには、更新可能な契機で更新されたものであるから、整合性が取れていると判断する。たとえば、整合性判断手段230は、開始操作コマンドを受信した場合に、遊技回数判断結果記憶領域191が第1の所定値であるときには、遊技回数の制御変数Nについては整合性が取れていると判断する。
【0057】
また、整合性判断手段230は、更新契機テーブルを参照して所定の契機において所定の制御変数を更新可能(本実施の形態では「0」)である場合に、制御変数更新判断手段190によるその制御変数が更新されたか否かの判断結果が更新されていないものである、すなわち第2の所定値(本実施の形態では「1」)であるときには、更新可能な契機で更新されなかったものであるから、整合性が取れていると判断する。たとえば、整合性判断手段230は、開始操作コマンドを受信した場合に、遊技回数判断結果記憶領域191が第2の所定値であるときには、遊技回数の制御変数Nについては整合性が取れていると判断する。
また、整合性判断手段230は、更新契機テーブルを参照して所定の契機において所定の制御変数を更新不可能(本実施の形態では「1」)である場合に、制御変数更新判断手段190によるその制御変数が更新されたか否かの判断結果が更新されたものである、すなわち第1の所定値(本実施の形態では「0」)であるときには、更新不可能な契機で更新されたものであるから、整合性が取れていないと判断する。たとえば、整合性判断手段230は、第一停止操作コマンドを受信した場合に、遊技回数判断結果記憶領域191が第1の所定値であるときには、遊技回数の制御変数Nについては整合性が取れていないと判断する。
【0058】
また、整合性判断手段230は、更新契機テーブルを参照して所定の契機において所定の制御変数を更新不可能(本実施の形態では「1」)である場合に、制御変数更新判断手段190によるその制御変数が更新されたか否かの判断結果が更新されていないものである、すなわち第2の所定値(本実施の形態では「1」)であるときには、更新不可能な契機で更新されなかったものであるから、整合性が取れていると判断する。たとえば、整合性判断手段230は、第一停止操作コマンドを受信した場合に、遊技回数判断結果記憶領域191が第2の所定値であるときには、遊技回数の制御変数Nについては整合性が取れていると判断する。
【0059】
(範囲値テーブル200)
範囲値テーブル200は、制御変数の取り得る範囲の値が予め定められているものである。本実施の形態では、図4に示すように、遊技回数の制御変数N及び継続抽選の抽選確率の制御変数Tについて、取り得る範囲の上限値が予め定められている。また、範囲値テーブル200は、演出制御装置22のROMに予め記憶されている。
(制御変数範囲判断手段210)
制御変数範囲判断手段210は、制御変数の値が取り得る範囲内の値であるか否かを判断するものである。制御変数範囲判断手段210は、遊技に関する処理が行われた後に、遊技回数の制御変数N及び継続抽選の抽選確率の制御変数Tについて、これらの制御変数の現在の値が取り得る範囲内であるか否かを判断する。具体的には、制御変数範囲判断手段210は、たとえば第1遊技回数記憶領域151を参照して、遊技回数の制御変数Nの現在の値を取得し、範囲値テーブル200を参照して、遊技回数の制御変数Nの上限値を取得する。そして、これらを比較し、遊技回数の制御変数Nの現在の値が上限値以下である場合には、遊技回数の制御変数Nの現在の値は、取り得る範囲内であると判断し、一方、遊技回数の制御変数Nの現在の値が上限値より大きい場合には、遊技回数の制御変数Nの現在の値は、取り得る範囲内でないと判断する。また、制御変数範囲判断手段210は、継続抽選の抽選確率の制御変数Tについても、同様に判断する。
【0060】
(エラー処理実行手段220)
エラー処理実行手段220は、所定のエラー処理を行うものである。本実施の形態では、エラー処理実行手段220は、整合性判断手段230により整合性が取れていないと判断された場合、及び、制御変数範囲判断手段210により遊技回数の制御変数N又は継続抽選の抽選確率の制御変数Tについて、制御変数の現在の値が取り得る範囲内でないと判断された場合に、エラー処理を行う。
また、本実施の形態では、エラー処理実行手段220は、エラー処理として、エラー報知を実行する。具体的には、エラー処理実行手段220は、エラー報知として、表示装置55に「ERROR」の文字を表示させたり、スピーカ18から所定の警告音を出音させたり、演出用ランプ17を遊技中とは異なる態様で点灯・消灯・点滅させたりする。
【0061】
(スロットマシン10の動作)
以下、図5〜図9に示すフローチャートに基づいて、本実施の形態に係るスロットマシン10の演出制御装置22における処理であるサブ制御処理について説明する。
図5に示すステップ100において、開始操作コマンドを受信したか否かが判断される。ここで、受信したと判断されると、ステップ101に進む。一方、受信していないと判断されると、ステップ105に進む。
ステップ101において、演出状態がAT状態であるか否かが判断される。ここで、AT状態であると判断されると、ステップ102に進む。一方、AT状態でないと判断されると、ステップ103に進む。
【0062】
ステップ102において、開始操作コマンドを受信したときのAT状態の制御に関する処理である遊技開始時AT処理が行われる。そして、次のステップ103に進む。
ステップ103において、演出実行手段160により、演出を実行する演出実行処理が行われる。具体的には、報知演出や発展演出が行われる。そして、次のステップ104に進む。
ステップ104において、制御変数を監視する制御変数監視処理が行われる。そして、ステップ100に戻る。
ステップ105において、第一停止操作コマンド、第二停止操作コマンド又は第三停止操作コマンドを受信したか否かが判断される。ここで、いずれかを受信したと判断されると、ステップ106に進む。一方、いずれも受信していないと判断されると、ステップ108に進む。
【0063】
ステップ106において、演出実行手段160により、発展演出を実行していた場合に、演出内容を更新する演出更新処理が行われる。そして、次のステップ107に進む。なお、発展演出を実行していなかった場合には、当該処理は行われず、ステップ107に進む。
ステップ107において、制御変数監視処理が行われる。そして、ステップ100に戻る。
ステップ108において、第三停止操作終了コマンドを受信したか否かが判断される。ここで、受信したと判断されると、ステップ109に進む。一方、受信していないと判断されると、ステップ100に戻る。
【0064】
ステップ109において、演出状態がAT状態であるか否かが判断される。ここで、AT状態であると判断されると、ステップ110に進む。一方、AT状態でないと判断されると、ステップ111に進む。
ステップ110において、第三停止操作終了コマンドを受信したときのAT状態の制御に関する処理である遊技終了時AT処理が行われる。そして、次のステップ112に進む。
ステップ111において、AT状態を開始する処理であるAT開始処理が行われる。そして、ステップ112に進む。
【0065】
ステップ112において、演出実行手段160により、発展演出を実行していた場合に、演出内容を更新する演出更新処理が行われる。そして、ステップ113に進む。なお、発展演出を実行していなかった場合には、当該処理は行われず、ステップ113に進む。
ステップ113において、制御変数監視処理が行われる。そして、当該サブ制御処理が終了する。
つぎに、上述したステップ102の遊技開始時AT処理について説明する。
図6に示すステップ200において、AT状態の開始時であるか否か、具体的には所定のAT開始条件が成立した遊技の次の遊技であるか否かが判断される。ここで、AT状態の開始時であると判断されると、ステップ201に進む。一方、AT状態の開始時でないと判断されると、ステップ203に進む。
【0066】
ステップ201において、AT状態制御手段150により、継続抽選の抽選確率を設定する継続率設定処理が行われる。具体的には、継続抽選の抽選確率が複数の抽選確率(本実施の形態では、当選確率が50%、60%、70%、80%及び90%の5個)のうちから選択抽選により選択され、選択された抽選確率が演出制御装置22のRAMにおける第1継続率記憶領域152に書き込まれる(更新処理)。そして、次のステップ202に進む。
ステップ202において、AT状態制御手段150により、演出制御装置22のRAMにおける第1遊技回数記憶領域151に1セットの遊技回数に相当する所定値(本実施の形態では「40」)が書き込まれる(更新処理)。これにより、遊技回数の制御変数Nが1セットの遊技回数に相当する所定値に設定される。そして、次のステップ203に進む。
【0067】
ステップ203において、AT状態制御手段150により、演出制御装置22のRAMにおける第1遊技回数記憶領域151に記憶されている遊技回数の制御変数Nの現在の値から1回の遊技回数に相当する所定値(本実施の形態では「1」)が減算され、その減算後の値が第1遊技回数記憶領域151に書き込まれる(更新処理)。そして、次のステップ204に進む。
ステップ204において、受信した役抽選結果コマンドに基づいて、役抽選によりスイカ役に当選したか否かが判断される。ここで、当選したと判断されると、ステップ205に進む。一方、当選していないと判断されると、ステップ206に進む。
【0068】
ステップ205において、AT状態制御手段150により、セット数をストックし得るセット数ストック処理が行われる。具体的には、ストック抽選が行われ、ストック抽選の結果が当選の場合には、演出制御装置22のRAMにおける第1セット数記憶領域153に記憶されているセット数の制御変数Sの現在の値に、その抽選結果に応じたセット数に相当する所定値が加算され、その加算後の値が第1セット数記憶領域153に書き込まれる(更新処理)。一方、ストック抽選の結果がハズレの場合には、セット数の制御変数Sは更新されない。そして、ステップ208に進む。
ステップ206において、受信した役抽選結果コマンドに基づいて、役抽選によりチェリー役に当選したか否かが判断される。ここで、当選したと判断されると、ステップ207に進む。一方、当選していないと判断されると、ステップ208に進む。
【0069】
ステップ207において、AT状態制御手段150により、継続抽選の抽選確率を上昇し得る継続率上昇処理が行われる。具体的には、アップ抽選が行われ、アップ抽選の結果が当選の場合には、演出制御装置22のRAMにおける第1継続率記憶領域152に記憶されている継続抽選の抽選確率の制御変数Tの現在の値が参照され、現在の当選確率及びアップ抽選の結果に基づいて、継続抽選の抽選確率が選択され、選択した抽選確率が第1継続率記憶領域152に書き込まれる(更新処理)。そして、次のステップ208に進む。
ステップ208において、遊技回数の制御変数Nが「0」(所定の閾値)であるか否かが判断される。ここで、「0」であると判断されると、ステップ209に進む。一方、「0」でないと判断されると、当該遊技開始時AT処理が終了する。
【0070】
ステップ209において、AT状態制御手段150により、継続抽選の抽選確率の制御変数Tに基づいて、継続抽選を行う継続抽選処理が行われるとともに、継続抽選の結果が記憶される。そして、当該遊技開始時AT処理が終了する。
つぎに、上述したステップ110の遊技終了時AT処理について説明する。
図7に示すステップ300において、遊技回数の制御変数Nが「0」(所定の閾値)であるか否かが判断される。ここで、「0」であると判断されると、ステップ301に進む。一方、「0」でないと判断されると、当該遊技終了時AT処理が終了する。
ステップ301において、継続抽選の結果がハズレであったか否かが判断される。ここで、ハズレであったと判断されると、ステップ302に進む。一方、ハズレでなかったと判断されると、ステップ305に進む。
【0071】
ステップ302において、セット数の制御変数Sが「1」以上であるか否か、すなわちセット数をストックしているか否かが判断される。ここで、「1」以上でないと判断されると、ステップ303に進む。一方、「1」以上であると判断されると、ステップ304に進む。
ステップ303において、AT状態制御手段150により、AT状態を終了する初期化処理が行われる。具体的には、演出制御装置22のRAMにおける第1AT種別記憶領域154が第1の所定値(「1」)及び第2の所定値(「2」)以外の値(「0」)に初期化されて(更新処理)、AT状態が終了する。また、演出制御装置22のRAMにおける第1遊技回数記憶領域151、第1継続率記憶領域152及び第1セット数記憶領域153も、初期化される(更新処理)。そして、当該遊技終了時AT処理が終了する。
【0072】
ステップ304において、AT状態制御手段150により、演出制御装置22のRAMにおける第1セット数記憶領域153に記憶されているセット数の制御変数Sの現在の値から1セットに相当する所定値(本実施の形態では「1」)が減算され、その減算後の値が、第1セット数記憶領域153に書き込まれる(更新処理)。そして、ステップ305に進む。
ステップ305において、AT状態制御手段150により、演出制御装置22のRAMにおける第1遊技回数記憶領域151に1セットの遊技回数に相当する所定値(本実施の形態では「40」)が書き込まれる(更新処理)。そして、当該遊技終了時AT処理が終了する。
【0073】
つぎに、上述したステップ104、ステップ107及びステップ113の制御変数監視処理について説明する。
図8に示すステップ400において、制御変数更新判断手段190により、制御変数記憶手段170により記憶されている制御変数の値に基づいて、今回の遊技に関する処理により各制御変数の値が更新されたか否かが判断される。具体的には、第1遊技回数記憶領域151に記憶されている遊技回数の制御変数Nの現在の値と、第2遊技回数記憶領域171に記憶されている遊技回数の制御変数Nの値との差分をとり、差分があれば更新されたと判断し、差分がなければ更新されていないと判断する。また、第1継続率記憶領域152に記憶されている継続抽選の抽選確率の制御変数Tの現在の値と、第2継続率記憶領域172に記憶されている継続抽選の抽選確率の制御変数Tの値との差分をとり、差分があれば更新されたと判断し、差分がなければ更新されていないと判断する。また、第1セット数記憶領域153に記憶されているセット数の制御変数Sの現在の値と、第2セット数記憶領域173に記憶されているセット数の制御変数Sの値との差分をとり、差分があれば更新されたと判断し、差分がなければ更新されていないと判断する。また、第1AT種別記憶領域154に記憶されているAT種別の制御変数Mの現在の値と、第2AT種別記憶領域174に記憶されているAT種別の制御変数Mの値との差分をとり、差分があれば更新されたと判断し、差分がなければ更新されていないと判断する。
【0074】
そして、各制御変数について、差分があった場合には第1の所定値を、差分が無かった場合には第2の所定値を、所定の記憶領域(遊技回数判断結果記憶領域191、継続率判断結果記憶領域192、セット数判断結果記憶領域193又はAT種別判断結果記憶領域194)に書き込む。そして、次のステップ401に進む。
ステップ401において、整合性判断手段230により、制御変数更新判断手段190による制御変数の値が更新されたか否かの判断結果と、更新契機テーブルとが照合されて、制御変数の更新の有無と契機との関係が、整合性が取れているか否かが判断される。具体的には、遊技回数判断結果記憶領域191の値と、更新契機テーブルとが照合されて、遊技回数の制御変数Nの更新の有無と契機との関係が、整合性が取れているか否かが判断される。また、継続率判断結果記憶領域192の値と、更新契機テーブルとが照合されて、継続抽選の抽選確率の制御変数Tの更新の有無と契機との関係が、整合性が取れているか否かが判断される。また、セット数判断結果記憶領域193の値と、更新契機テーブルとが照合されて、セット数の制御変数Sの更新の有無と契機との関係が、整合性が取れているか否かが判断される。また、AT種別判断結果記憶領域194の値と、更新契機テーブルとが照合されて、AT種別の制御変数Mの更新の有無と契機との関係が、整合性が取れているか否かが判断される。そして、次のステップ402に進む。
【0075】
ステップ402において、整合性判断手段230により、いずれかの制御変数について整合性が取れていないと判断されると、ステップ403に進む。一方、整合性判断手段230により、各制御変数について整合性が取れていると判断されると、ステップ404に進む。
ステップ403において、エラー処理実行手段220により、エラー報知が実行される。そして、ステップ407に進む。
ステップ404において、制御変数範囲判断手段210により、遊技回数の制御変数N及び継続抽選の抽選確率の制御変数Tについて、これらの制御変数の現在の値が取り得る範囲内であるか否かが判断される。具体的には、第1遊技回数記憶領域151が参照されて、遊技回数の制御変数Nの現在の値が取得され、範囲値テーブル200が参照されて、遊技回数の制御変数Nの上限値が取得される。そして、これらが比較され、遊技回数の制御変数Nの現在の値が上限値以下である場合には、遊技回数の制御変数Nの現在の値は、取り得る範囲内であると判断され、一方、遊技回数の制御変数Nの現在の値が上限値より大きい場合には、遊技回数の制御変数Nの現在の値は、取り得る範囲内でないと判断される。また、第1継続率記憶領域152が参照されて、継続抽選の抽選確率の制御変数Tの現在の値が取得され、範囲値テーブル200が参照されて、継続抽選の抽選確率の制御変数Tの上限値が取得される。そして、これらが比較され、継続抽選の抽選確率の制御変数Tの現在の値が上限値以下である場合には、継続抽選の抽選確率の制御変数Tの現在の値は、取り得る範囲内であると判断され、一方、継続抽選の抽選確率の制御変数Tの現在の値が上限値より大きい場合には、継続抽選の抽選確率の制御変数Tの現在の値は、取り得る範囲内でないと判断される。そして、次のステップ405に進む。
【0076】
ステップ405において、制御変数範囲判断手段210により、遊技回数の制御変数N又は継続抽選の抽選確率の制御変数Tについて、制御変数の現在の値が取り得る範囲内でないと判断されると、ステップ406に進む。一方、制御変数範囲判断手段210により、遊技回数の制御変数N又は継続抽選の抽選確率の制御変数Tについて、制御変数の現在の値が取り得る範囲内であると判断されると、ステップ407に進む。
ステップ406において、エラー処理実行手段220により、エラー報知が実行される。そして、ステップ407に進む。
ステップ407において、制御変数記憶手段170により、各制御変数の現在の値を記憶する制御変数記憶処理が行われる。そして、当該制御変数監視処理が終了する。
【0077】
つぎに、上述したステップ111のAT開始処理について説明する。
図9に示すステップ500において、第1AT予約フラグが成立しているか否かが判断される。ここで、成立していると判断されると、ステップ501に進む。一方、成立していないと判断されると、ステップ503に進む。
ステップ501において、所定のAT開始条件が成立したか否かが判断される。ここで、成立したと判断されると、ステップ502に進む。一方、成立していないと判断されると、当該AT開始処理が終了する。
ステップ502において、AT状態制御手段150により、演出制御装置22のRAMにおける第1AT種別記憶領域154に第1の所定値(「1」)が書き込まれ(更新処理)、演出状態が第1AT状態に設定される。そして、当該AT開始処理が終了する。
【0078】
ステップ503において、第2AT予約フラグが成立しているか否かが判断される。ここで、成立していると判断されると、ステップ504に進む。一方、成立していないと判断されると、当該AT開始処理が終了する。
ステップ504において、所定のAT開始条件が成立したか否かが判断される。ここで、成立したと判断されると、ステップ505に進む。一方、成立していないと判断されると、当該AT開始処理が終了する。
ステップ505において、AT状態制御手段150により、演出制御装置22のRAMにおける第1AT種別記憶領域154に第2の所定値(「2」)が書き込まれ(更新処理)、演出状態が第2AT状態に設定される。そして、当該AT開始処理が終了する。
【0079】
(作用・効果)
以上説明したように、本実施の形態では、開始停止操作コマンド、第一停止操作コマンド、第二停止操作コマンド、第三停止操作コマンド及び第三停止操作終了コマンドの各コマンドの受信を契機に、遊技に関する処理を行う。たとえば、通常遊技においては、遊技に関する処理として、AT抽選やATを開始するための処理や演出に関する処理を行う。また、AT遊技においては、遊技に関する処理として、AT種別の制御変数M、遊技回数の制御変数N、継続抽選の抽選確率の制御変数T及びセット数の制御変数Sの各制御変数を更新し得るAT処理及び演出に関する処理を行う。そして、上記各コマンドを受信する度に、制御変数を監視する制御変数監視処理を行う。
【0080】
具体的には、制御変数監視処理として、まず、制御変数の値が更新されたか否かを、前回の遊技に関する処理後の制御変数の値に基づいて判断する。詳細には、制御変数の現在の値と、前回の遊技に関する処理後の制御変数の値との差分を取り、差分があれば更新されたと判断し、一方、差分がなければ更新されていないと判断する。
つぎに、制御変数の値が更新されたか否かの判断結果と、更新契機テーブルとを照合して、制御変数の更新の有無と契機との関係が、整合性が取れているか否かを判断する。詳細には、その制御変数を更新可能な契機でその制御変数が更新されていれば又は更新されていなければ、整合性が取れていると判断する。また、その制御変数を更新不可能な契機でその制御変数が更新されていなければ、整合性が取れていると判断する。また、その制御変数を更新不可能な契機でその制御変数が更新されていれば、整合性が取れていないと判断する。そして、整合性が取れいなければ、エラー報知を行う。
【0081】
さらに、遊技回数の制御変数N及び継続抽選の抽選確率の制御変数Tについて、これらの制御変数の現在の値が取り得る範囲内であるか否かを、範囲値テーブル200を参照して判断する。詳細には、制御変数の現在の値と、範囲値テーブル200に規定されているその制御変数の取り得る上限値とを比較し、その制御変数の現在の値が上限値以下である場合には、その制御変数の現在の値は、取り得る範囲内であると判断し、一方、その制御変数の現在の値が上限値より大きい場合には、その制御変数の現在の値は、取り得る範囲内でないと判断する。そして、制御変数の現在の値が取り得る範囲内でければ、エラー報知を行う。
【0082】
すなわち、本実施の形態では、どのようなタイミングでどのような処理を行うかが予め定められているため、各制御変数は、更新可能な時期、言い換えれば変更可能なタイミングも予め定められている。そして、本実施の形態では、開始操作コマンドの受信などの複数の契機のそれぞれに対して制御変数の値を更新することができるか否かが予め定められた更新契機テーブルを用意しており、上記した各コマンドを受信する度に、更新契機テーブルに基づいて、制御変数の更新の有無と契機との関係が、整合性が取れているか否かを判断する。そして、本来更新(変更)することを予定していない契機において制御変数が更新(変更)された場合には、エラー報知を行う。これにより、本実施の形態によれば、演出制御装置22のRAMを不正に書き換える不正行為、具体的には予め定められた契機以外の契機で出玉に関する制御変数を不正に書き換える不正行為を防止することができ、その不正行為によって不正な遊技が行われることを防止することができるとともに、ノイズなどによって予期しないタイミングで制御変数が別の値に書き換ってしまった場合に誤作動を防止することができる。さらに、本実施の形態によれば、ノイズなどによって制御変数が予期しないタイミングで書き換ってしまった場合にエラー報知を行うので、販売前などにおいて、スロットマシン10が適切に動作しているか否かの動作確認を行うことができる。
【0083】
また、本実施の形態では、遊技回数の制御変数N及び継続抽選の抽選確率の制御変数Tについては、取り得る範囲の上限値が予め定められており、これらの制御変数が予め定められた契機で制御変数の値が更新された場合であっても、これらの制御変数が上限値より大きい値に更新された場合には、エラー報知を行う。これにより、本実施の形態によれば、演出制御装置22のRAMを不正に書き換える不正行為、具体的には出玉に関する制御変数を取り得る範囲内でない値に書き換える不正行為を防止することができ、その不正行為によって不正な遊技が行われることを防止することができるとともに、ノイズなどによって制御変数が取り得る範囲内でない値に書き換ってしまった場合に誤作動を防止することができる。さらに、本実施の形態によれば、ノイズなどによって制御変数が取り得る範囲内でない値に書き換ってしまった場合にエラー報知を行うので、販売前などにおいて、スロットマシン10が適切に動作しているか否かの動作確認を行うことができる。
【0084】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態を、図10に基づいて説明する。
上記第1の実施の形態では、遊技回数の制御変数NなどのAT遊技を制御するための制御変数を監視していたが、本実施の形態では、遊技の進行を遅延させる遅延演出を実行するとともに、実行予定の遅延演出の制御変数Pも監視する点が相違する。以下、相違点を中心に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
本実施の形態では、遊技制御装置21は、上記第1の実施の形態では演出制御装置22に設けられていたAT状態制御手段150、制御変数記憶手段170、更新契機情報記憶手段180、制御変数更新判断手段190、範囲値テーブル200、制御変数範囲判断手段210、エラー処理実行手段220を備えるとともに、さらに、遅延演出決定手段、遅延演出実行手段を備えている。
【0085】
また、本実施の形態では、第1遊技回数記憶領域151、第2遊技回数記憶領域171、第1継続率記憶領域152、第2継続率記憶領域172、第1セット数記憶領域153、第2セット数記憶領域173、第1AT種別記憶領域154、第2AT種別記憶領域174、遊技回数判断結果記憶領域191、継続率判断結果記憶領域192、セット数判断結果記憶領域193及びAT種別判断結果記憶領域194は、遊技制御装置21のRAMに設けられている。さらに、本実施の形態では、遊技制御装置21のRAMには、第1実行遅延演出記憶領域及び第2実行遅延演出記憶領域が設けられている。
また、本実施の形態では、演出制御装置22は、演出実行手段160に加え、AT開始終了制御手段を備えている。
【0086】
(遅延演出実行決定手段(制御変数更新手段))
遅延演出実行決定手段は、遊技の進行を遅延させる遅延演出を実行することを決定するものである。遅延演出としては、スロットマシン10の動作が一旦停止したかのように遊技者に見せるフリーズ演出と、回転リール45を用いた演出である回転リール演出とがある。
ここで、「フリーズ演出」としては、たとえば、スタートスイッチ33が操作されてから全ての回転リール45が所定の定常速度に達して定速回転するまでの時間や、全ての回転リール45が所定の定常速度に達してからストップスイッチ34が有効となるまでの時間や、ストップスイッチ34が操作(一番目、二番目又は三番目の停止操作)されてから対応する回転リール45に対して停止制御が行われるまでの時間や、メダルを払い出す場合に、停止図柄判定手段130による判定が行われてからメダルの払い出しを開始するまでの時間や、当該遊技が終了してから次回の遊技の開始に係るメダルの受け付け状態となるまでの時間を、通常の遊技の進行よりも遅らせることができる。たとえばスタートスイッチ33が操作されてから全ての回転リール45が回転を開始するまでの時間を通常の遊技の進行よりも遅らせることにより、スタートスイッチ33の操作によってスロットマシン10の動作が一旦停止したかのように遊技者に見せることができる。
【0087】
また、「回転リール演出」は、スタートスイッチ33が操作されてから全ての回転リール45が所定の定常速度に達して定速回転するまでの間において、回転リール45の回転方向や回転速度を変化させることにより、結果として通常の遊技の進行よりも遊技の進行を遅延させることができる。
そして、本実施の形態では、複数のフリーズ演出及び複数の回転リール演出を備え、遅延演出実行決定手段は、複数のフリーズ演出及び複数の回転リール演出のうちからいずれかの遅延演出を実行するか否かの実行抽選を行い、実行抽選の結果が当選の場合には、その実行抽選の結果に応じた遅延演出を実行することを決定する(遊技に関する処理)。一方、実行抽選の結果がハズレの場合には、遅延演出を実行することを決定しない(遊技に関する処理)。
【0088】
また、遅延演出実行決定手段は、通常遊技において(AT種別の制御変数Mが第1の所定値又は第2の所定値でない場合に)、スタートスイッチ33が操作された、すなわちスタートスイッチ33からの操作信号を受信した場合であって(遊技の進行に係る契機の発生により)、役抽選により所定の役(たとえばボーナス役、スイカ役又はチェリー役)に当選した場合に、実行抽選を行う。
そして、遅延演出実行決定手段は、実行抽選の結果が当選の場合には、その実行抽選の結果に応じて、実行する遅延演出に相当する所定値(制御変数)を第1実行遅延演出記憶領域に書き込む(更新処理)。これにより、遅延演出実行決定手段は、実行予定の遅延演出の制御変数Pを、実行する遅延演出に相当する所定値に設定して、所定の遅延演出を実行することを決定する。
【0089】
また、遅延演出実行決定手段は、スタートスイッチ33からの操作信号を受信した場合であって(遊技の進行に係る契機の発生により)、実行予定の遅延演出の制御変数Pの現在の値に相当する遅延演出が、後述する遅延演出実行手段により実行された場合に、第1実行遅延演出記憶領域を初期化する(更新処理)。これにより、実行予定の遅延演出の制御変数Pがいずれの遅延演出にも相当しない初期値に更新される。
(遅延演出実行手段)
遅延演出実行手段は、遅延演出を実行するものである。本実施の形態では、遅延演出実行手段は、いずれかの遅延演出を実行することが決定されている場合であって、所定の実行条件(たとえば遅延演出の実行決定からの所定の遊技回数の経過など)が成立した場合に、第1実行遅延演出記憶領域を参照して、実行予定の遅延演出の制御変数Pの現在の値に基づいて、実行することが決定されている遅延演出を実行する(遊技に関する処理)。
【0090】
(遊技制御手段60)
上記第1の実施の形態では、演出制御手段140がAT抽選を行うものであったが、本実施の形態では、遊技制御手段60がAT抽選を行う。
本実施の形態では、遊技制御手段60は、遅延演出実行手段により遅延演出が実行されたときに、AT抽選を行う。なお、本実施の形態では、実行した遅延演出に応じて、AT抽選の抽選確率が異なるようにしている。たとえば、特定の遅延演出を実行した場合には、100%の当選確率でAT抽選を行うようにすることができる。このように、本実施の形態では、遅延演出はAT抽選の契機となっているので、遅延演出の実行決定の制御変数Pは出玉に関する制御変数である。
【0091】
そして、遊技制御手段60は、演出状態を第1AT状態にすることを決定した場合には、遊技制御装置21のRAMにおける所定の記憶領域に第1AT予約フラグを成立させ、演出状態を第2AT状態にすることを決定した場合には、遊技制御装置21のRAMにおける所定の記憶領域に第2AT予約フラグを成立させる。
(AT状態制御手段150)
本実施の形態では、AT状態制御手段150は、第1AT予約フラグが成立している場合であって、所定のAT開始条件(たとえば第1AT予約フラグが成立してからの所定の遊技回数の経過など)が成立した場合に、三番目の停止操作に係るストップスイッチ34の押下操作が解除された、具体的には三番目の停止操作に係るストップスイッチ34からの操作信号がON状態からOFF状態へ変化したときに(遊技の進行に係る契機の発生により)、遊技制御装置21のRAMにおける第1AT種別記憶領域154に第1の所定値(本実施の形態では「1」:制御変数)を書き込む(AT種別の制御変数Mを更新する更新処理)。このとき、AT状態制御手段150は、第1AT状態を開始することを指示する第1AT開始コマンドを演出制御装置22へ送信する。なお、このとき、第1AT予約フラグは消去される。
【0092】
また、AT状態制御手段150は、第2AT予約フラグが成立している場合であって、所定のAT開始条件が成立した場合に、三番目の停止操作に係るストップスイッチ34の押下操作が解除されたときに(遊技の進行に係る契機の発生により)、遊技制御装置21のRAMにおける第1AT種別記憶領域154に第2の所定値(本実施の形態では「2」:制御変数)を書き込む(AT種別の制御変数Mを更新する更新処理)。このとき、AT状態制御手段150は、第2AT状態を開始することを指示する第2AT開始コマンドを演出制御装置22へ送信する。なお、このとき、第2AT予約フラグは消去される。
また、AT状態制御手段150は、AT種別の制御変数Mが第1の所定値又は第2の所定値に設定されているAT遊技の開始時に、スタートスイッチ33からの操作信号を受信したときに(遊技の進行に係る契機の発生により)、上記第1の実施の形態と同様に、継続抽選の抽選確率を設定する(継続抽選の抽選確率の制御変数Tを更新する更新処理)。
【0093】
また、AT状態制御手段150は、AT遊技の開始時に、スタートスイッチ33からの操作信号を受信したときに(遊技の進行に係る契機の発生により)、上記第1の実施の形態と同様に、1セットの遊技回数を設定する(遊技回数の制御変数Nを更新する更新処理)。そして、AT状態制御手段150は、AT遊技において、スタートスイッチ33からの操作信号を受信したときに(遊技の進行に係る契機の発生により)、上記第1の実施の形態と同様に、1セットに係る遊技回数をカウントする(遊技回数の制御変数Nを更新する更新処理)。
また、AT状態制御手段150は、AT遊技において、スタートスイッチ33からの操作信号を受信した場合であって(遊技の進行に係る契機の発生により)、役抽選によりスイカ役に当選した場合に、上記第1の実施の形態と同様に、ストック抽選を行い、ストック抽選の結果が当選の場合には、その抽選結果に応じたセット数をストックする(セット数の制御変数Sを更新する更新処理)。
【0094】
また、AT状態制御手段150は、AT遊技において、スタートスイッチ33からの操作信号を受信した場合であって(遊技の進行に係る契機の発生により)、役抽選によりチェリー役に当選した場合に、上記第1の実施の形態と同様に、アップ抽選を行い、アップ抽選の結果が当選の場合には、その抽選結果に基づいて継続抽選の抽選確率を上昇させる(継続抽選の抽選確率の制御変数Tを更新する更新処理)。
また、AT状態制御手段150は、AT遊技において、遊技回数の制御変数Nが所定の閾値(本実施の形態では「1」)となったときに、継続抽選の抽選確率の制御変数Tに基づいて、継続抽選を行う。継続抽選の結果がハズレの場合であって、セット数をストックしていない場合には、三番目の停止操作に係るストップスイッチ34の押下操作が解除されたときに(遊技の進行に係る契機の発生により)、上記第1の実施の形態と同様に、遊技制御装置21のRAMにおける第1AT種別記憶領域154を初期化する(AT種別の制御変数Mを更新する更新処理)。このとき、AT状態制御手段150は、AT状態を終了することを指示するAT終了コマンドを演出制御装置22へ送信する。
【0095】
一方、継続抽選の結果が当選の場合には、三番目の停止操作に係るストップスイッチ34の押下操作が解除されたときに(遊技の進行に係る契機の発生により)、上記第1の実施の形態と同様に、1セットの遊技回数を設定する(遊技回数の制御変数Nを更新する更新処理)。また、継続抽選の結果がハズレでかつセット数をストックしている場合には、三番目の停止操作に係るストップスイッチ34の押下操作が解除されたときに(遊技の進行に係る契機の発生により)、上記第1の実施の形態と同様に、ストックしているセット数を減算する(セット数の制御変数Sを更新する更新処理)とともに、1セットの遊技回数を設定する(遊技回数の制御変数Nを更新する更新処理)。
【0096】
(制御変数記憶手段170)
本実施の形態では、制御変数記憶手段170は、第2実行遅延演出記憶領域を備えている。
そして、本実施の形態では、制御変数記憶手段170は、AT遊技において、スタートスイッチ33からの操作信号を受信した場合、一番目の停止操作に係るストップスイッチ34からの操作信号を受信した場合、二番目の停止操作に係るストップスイッチ34からの操作信号を受信した場合、三番目の停止操作に係るストップスイッチ34からの操作信号を受信した場合及び三番目の停止操作に係るストップスイッチ34からの操作信号がON状態からOFF状態へ変化した場合のそれぞれの場合において、遊技に関する処理が行われた後に、実行予定の遅延演出の制御変数Pの現在の値を記憶する。
【0097】
(更新契機テーブル)
本実施の形態では、更新契機テーブルには、更新契機テーブルには、図10に示すように、スタートスイッチ33からの操作信号の受信、一番目の停止操作に係るストップスイッチ34からの操作信号の受信、二番目の停止操作に係るストップスイッチ34からの操作信号の受信、三番目の停止操作に係るストップスイッチ34からの操作信号の受信及び三番目の停止操作に係るストップスイッチ34からの操作信号がON状態からOFF状態への変化したことのそれぞれの契機に対して、AT種別の制御変数M、継続抽選の抽選確率の制御変数T、遊技回数の制御変数N、セット数の制御変数S及び実行予定の遅延演出の制御変数Pのそれぞれの制御変数を更新することができるか否かが予め定められている。
【0098】
また、本実施の形態では、更新契機テーブルは、遊技制御装置21のROMに記憶されている。
(エラー処理実行手段220)
本実施の形態では、エラー処理実行手段220は、エラー処理として、エラー報知の実行を指示するエラー報知実行コマンドを演出制御装置22へ送信する。
また、エラー処理実行手段220は、エラー処理として、遊技制御装置21の状態を、ベットスイッチ32、スタートスイッチ33又はストップスイッチ34からの操作信号を受信しても遊技を進行させないようにするエラー状態に設定するとともに、スロットマシン10の外部の外部装置(たとえば遊技店に設置されているホールコンピュータ)へエラー信号を送信する。なお、エラー処理実行手段220は、特に図示していないリセットスイッチの操作によりエラー状態を解除するようにすることができる。
【0099】
(演出制御手段140)
本実施の形態では、演出制御手段140は、エラー報知実行コマンドを受信したときに、エラー報知を実行する。
(AT開始終了制御手段)
AT開始終了制御手段は、AT状態の開始及び終了を制御するものである。本実施の形態では、AT開始終了制御手段は、第1AT開始コマンドを受信したときに、演出状態を第1AT状態に設定し、第2AT開始コマンドを受信したときに、演出状態を第2AT状態に設定し、AT終了コマンドを受信したときに、設定しているAT状態を終了する。
【0100】
このような構成としても、上記第1の実施の形態と同様の作用・効果を奏する。
なお、本実施の形態では、遅延演出を実行する旨を示すコマンドを遊技制御装置21から演出制御装置22へ送信し、当該コマンドの受信を契機として演出制御手段140がAT抽選を行うようにしてもよい。この場合には、AT状態制御手段150、制御変数記憶手段170、更新契機情報記憶手段180、制御変数更新判断手段190、範囲値テーブル200、制御変数範囲判断手段210及びエラー処理実行手段220を演出制御装置22に設け、遅延演出決定手段及び遅延演出実行手段を遊技制御装置21に設けるようにすることができる。
(他の実施の形態)
上述した実施の形態では、エラー処理実行手段220は、エラー処理として、制御変数を初期値に初期化するようにすることができる。また、エラー処理実行手段220は、エラー処理として、制御変数を、制御変数記憶手段170により記憶されている値に戻すようにすることができる。
【0101】
また、上述した実施の形態では、一般に「当選フラグ」などと呼ばれる役抽選の結果の制御変数を監視するようにしてもよい。すなわち、整合性判断手段230は、役抽選の結果の制御変数について、制御変数の更新の有無と契機との関係が、整合性が取れているか否かを判断するようにしてもよい。役抽選の結果の制御変数については、スタートスイッチ33が操作された場合及び三番目の停止操作が解除された場合にのみ、更新可能とすることができる。
また、上述した実施の形態では、整合性判断手段230は、すべての制御変数について整合性が取れているか否かを判断するものであるが、これに限られるものではなく、更新された制御変数についてのみ整合性が取れているか否かを判断するようにしてもよい。
【0102】
また、上述した実施の形態では、更新契機テーブルにおいて、所定の契機に対して所定の制御変数を必ず更新すると予め定めるようにすることができる。たとえば、更新契機テーブルにおいて、スタートスイッチ33が操作された場合にのみ遊技回数の制御変数Nを必ず更新すると予め定めるようにすることができる。この場合には、更新契機テーブルにおいて、必ず更新する場合をたとえば「3」として設定することができる。さらにこの場合には、整合性判断手段230は、スタートスイッチ33が操作された場合に遊技回数の制御変数Nが更新されたときには、整合性が取れていると判断することができ、また、スタートスイッチ33が操作された場合に遊技回数の制御変数Nが更新されなかったときには、整合性が取れていないと判断することができる。また、整合性判断手段230は、各ストップスイッチ34が操作された場合などの他の契機において遊技回数の制御変数Nが更新されたときには、整合性が取れていないと判断することができ、また、各ストップスイッチ34が操作された場合などの他の契機において遊技回数の制御変数Nが更新されなかったときには、整合性が取れていると判断することができる。
【0103】
また、上述した実施の形態では、遊技回数の制御変数N及び継続抽選の抽選確率の制御変数Tについて、取り得る範囲の上限値が予め定められているものであるが、これに限られるものではない。たとえば、遊技回数の制御変数N及び継続抽選の抽選確率の制御変数T以外の制御変数についても、取り得る範囲を予め定めるようにしてもよい。また、制御変数の取り得る範囲についても、上限値に限られず下限値を予め定めるようにしてもよい。
また、上述した実施の形態では、整合性が取れているか否かをすべての遊技において判断するものであるが、これに限られるものではない。たとえば、AT遊技においてのみ判断するようにしてもよい。
【0104】
また、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲における変形および改良なども含むものである。また、本発明は、上述した実施の形態を適宜組み合わせる、または組み替えることもできる。
【符号の説明】
【0105】
10 スロットマシン(遊技機)
150 AT状態制御手段(制御変数更新手段)
170 制御変数記憶手段 180 更新契機情報記憶手段
190 制御変数更新判断手段 210 制御変数範囲判断手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技の進行に係る複数の契機のそれぞれの発生により、遊技を制御するための制御変数の値を更新し得る更新処理を行う制御変数更新手段と、
更新処理後の制御変数の値を記憶する制御変数記憶手段と、
今回の更新処理により制御変数の値が更新されたか否かを、制御変数記憶手段により記憶されている前回の更新処理後の制御変数の値に基づいて判断する制御変数更新判断手段と、
遊技の進行に係る複数の契機のそれぞれに対して、制御変数の値を更新することができるか否かが予め定められた更新契機情報を記憶する更新契機情報記憶手段と、
制御変数更新判断手段による制御変数の値が更新されたか否かの判断結果と、更新契機情報とを照合して、制御変数の更新の有無と契機との関係が、整合性が取れているか否かを判断する整合性判断手段と、を備え、
整合性判断手段により整合性が取れていないと判断された場合に、所定のエラー処理を行うことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
制御変数は、取り得る範囲の値が予め定められており、
制御変数の値が取り得る範囲内の値であるか否かを判断する制御変数範囲判断手段を備え、
制御変数範囲判断手段により制御変数の値が取り得る範囲内の値でないと判断された場合に、所定のエラー処理を行うことを特徴とする請求項1記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−106867(P2013−106867A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−255749(P2011−255749)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(390031772)株式会社オリンピア (2,719)
【Fターム(参考)】