説明

遊技機

【課題】遊技に不慣れな遊技者であっても興趣演出の実行を判りやすく認識することができる遊技機を提供すること。
【解決手段】スロットマシンにおける遊技の制御を行う主制御基板Cは、スタートレバーに対しての入力操作によるスタートスイッチのオン信号を検知した場合(S12:Yes)、成立役の抽選(S13)とその成立役に応じた別々の条件に基づいた始動演出の実行抽選を実行し(S19及びS23)、その抽選結果に基づいて、直ぐに図柄の変動を開始させる通常のゲームとするか、次回にスタートレバーが操作されてから図柄の変動を開始させる始動演出を伴うゲームとするかを切り替える。成立役と、スタートレバーに対する入力操作の回数とが対応したものとなり、遊技者は自らの動作を伴う興趣演出によって成立役を期待することができ、興趣演出の実行を判りやすく認識することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機やスロットマシンに代表される遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊技機の一種として、複数の図柄(識別情報の一種)が所定間隔おきにリールに付されて構成された図柄列を下方に変動させた後に停止図柄を表示する表示装置を備えたスロットマシン等が知られている。この種の遊技機では、表示装置の有効ライン上に特定の大当たり図柄が停止すると、いわゆるビックボーナスゲームやレギュラーボーナスゲームといった遊技者にとって有利なゲームが連続して発生し、遊技者には遊技をする上で使用するメダルが遊技価値の付与として多量に払い出される。
【0003】
かかる遊技機において、ボーナスゲームの発生に代表される遊技状態の遷移は、抽選条件が成立する毎に行われる抽選によって決定されるものである。一般には、その抽選は、必要数のメダルが投入された状態における変動開始の操作のたびに行われ、図柄の変動停止前に遷移する遊技状態が前もって定められる。このため、ボーナスゲーム等の特定の遊技状態への遷移を遊技者に期待させるための演出(以下、「興趣演出」と称す。)を大当たり図柄の停止前に実行し、遊技者に大当たりの発生を期待させる。
【0004】
興趣演出としては、例えば、図柄の変動を開始させるスタートレバーの操作時に特別の効果音を出力したり、図柄の変動停止時におけるランプの点灯パターンを特別のものに変化させたりする演出などがある。この興趣演出により、長時間にわたっての遊技が飽きにくいものとなり、また期待感が高められた状態で発生する大当たりによって遊技の興趣が高められる。このため、遊技者は、遊技を行う遊技機を選択する上で興趣演出の内容を参酌することも多くある。遊技場にとっては導入する遊技機の興趣演出が遊技機の稼働率に大きく影響するので、メーカーは、興趣演出の内容に工夫を凝らして遊技機の開発を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−291973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、遊技場には多数の遊技機が並んで設置されるため、興趣演出としての効果音が出力されても、自らが遊技を行っている遊技機から出力されたのか、別の遊技機から出力されたのかは判別し難いものである。このため、遊技に不慣れな遊技者は、折角の興趣演出を聞き逃してしまうことがあった。また、ランプの点灯パターン等を通常とは異ならせて興趣演出とする場合には、通常の状態と、興趣演出が行われた特別の状態との違いを遊技者が予め認識している必要があり、実行中の演出が興趣演出であるか否かの判別には相当の経験が必要となる。つまり、遊技に不慣れな遊技者は、興趣演出の実行を認識できないことが生じてしまうという問題点があった。
【0007】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、遊技に不慣れな遊技者であっても興趣演出の実行を判りやすく認識することができる遊技機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するための請求項1記載の遊技機は、遊技者によって入力操作が行われる操作手段と、複数の識別情報を可変表示する可変表示手段と、前記操作手段に対する入力操作に起因して前記可変表示手段による識別情報の変動開始又は変動停止の少なくとも一方を行わせる可変制御手段と、所定の抽選条件の成立を検出する検出手段と、その検出手段によって前記抽選条件の成立が検出された場合に抽選を行う抽選手段と、その抽選手段による抽選結果に基づいて前記可変表示手段の所定領域に停止させる識別情報を制御する停止制御手段と、その停止制御手段によって前記可変表示手段の所定領域に所定の識別情報を停止させた場合に所定の遊技価値を付与する遊技価値付与手段とを備え、前記可変制御手段は、前記操作手段を構成する特別操作手段に対して所定の入力操作が行われた場合に前記識別情報の変動を開始又は停止させる第1可変手段と、前記特別操作手段に対して前記所定の入力操作が少なくとも2回以上繰り返して行われた場合に前記識別情報の変動を開始又は停止させる第2可変手段と、前記抽選手段の抽選結果に応じて前記第1可変手段と前記第2可変手段とを切り替えて、前記識別情報の変動を開始又は停止させるための前記所定の入力操作の回数を変化させる入力回数変化手段とを備えている。
【0009】
この請求項1記載の遊技機によれば、検出手段によって所定の抽選条件の成立が検出されると、抽選手段によって抽選が行われる。遊技者によって操作手段に対する入力操作が行われると、その入力操作に起因して可変表示手段による識別情報の変動が開始又は停止する。可変表示手段の所定領域に停止する識別情報は、停止制御手段により抽選手段の抽選結果に基づいて制御される。可変表示手段の所定領域に所定の識別情報が停止すると、遊技価値付与手段によって所定の遊技価値が遊技者に付与される。
【0010】
ここで、入力回数変化手段によって第1可変手段が選択された場合、特別操作手段に対する所定の入力操作が行われることを条件に識別情報の変動が開始又は停止させられる。一方、入力回数変化手段によって第2可変手段が選択された場合、特別操作手段に対する所定の入力操作が少なくとも2回以上繰り返して行われることを条件に識別情報の変動が開始又は停止させられる。このため、入力回数変化手段により選択される可変手段に対応して、変動を開始又は停止させるために特別操作手段に対して行う所定の入力操作の回数が変化する。
【0011】
また、第1可変手段と第2可変手段とは、入力回数変化手段によって抽選手段の抽選結果に応じて切り替えられるので、識別情報の変動を開始又は停止させるために特別操作手段に対して行う所定の入力操作の回数が、抽選手段の抽選結果に対応する。一方、所定の遊技価値が付与される条件としての所定領域への所定の識別情報の停止は、停止制御手段によって抽選手段の抽選結果に基づいて制御されるので、所定の遊技価値の付与も抽選手段の抽選結果に対応する。このため、識別情報の変動開始又は変動停止に必要となる特別操作手段に対する所定の入力操作の回数が、所定の遊技価値の付与に対応したものとなる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の遊技機によれば、識別情報の変動開始又は変動停止に必要な入力操作の回数が異なる第1可変手段と第2可変手段とは、抽選手段の抽選結果に応じて切り替えられる。抽選手段の抽選結果は所定の遊技価値の付与に対応するので、所定の遊技価値の付与と、識別情報の変動開始又は変動停止に必要な入力操作の回数とが対応したものとなる。よって、入力操作の回数変化によって生じる動作の変化を所定の遊技価値の付与に対応した興趣演出とすることができ、遊技者は、自らの動作の変化を手掛かりにして興趣演出の実行を判りやすく認識することができるという効果がある。
また、特別操作手段に対して行う識別情報の変動開始又は変動停止に対する入力操作は、遊技をする上で繰り返して行うものであり、この入力操作の回数が所定の遊技価値の付与に対応付けられて変化する。よって、遊技をする上での動作の変化により通常の状態とは異なる特別の状態となっていることを遊技者に判りやすく示すことができ、遊技に不慣れな遊技者であっても興趣演出の実行を判りやすく認識することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施例であるスロットマシンの斜視図である。
【図2】各リールを展開して図柄配列を示した図である。
【図3】各役と、入賞図柄、獲得利益及び役成立率との対応を示した図である。
【図4】スロットマシンの電気的構成を示したブロック図である。
【図5】小役成立テーブルの一部を構成する水瓶用小役成立テーブルを示した図である。
【図6】主制御基板で実行されるメイン処理のフローチャートである。
【図7】主制御基板のメイン処理の中で実行される変動開始処理のフローチャートである。
【図8】変動開始処理の中で実行される始動演出処理のフローチャートである。
【図9】主制御基板のメイン処理の中で実行される変動停止処理のフローチャートである。
【図10】変動停止処理の中で実行される入賞判定処理のフローチャートである。
【図11】入力振分基板で実行されるコマンド受信処理のフローチャートである。
【図12】入力振分基板で実行されるメイン処理のフローチャートである。
【図13】入力振分基板のメイン処理の中で実行される押数カウンタ更新処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施例であるスロットマシン1の斜視図である。図1を参照して、スロットマシン1の全体構成について説明する。
【0015】
スロットマシン1は、前面を開放した箱状のマシン本体2を有している。マシン本体2の前面側には前面開閉扉としてのフロントパネル3が開閉自在に取り付けられている。このフロントパネル3が閉状態となっている場合に、フロントパネル3によってマシン本体2の前面開放側が閉鎖されるように構成されている。
【0016】
フロントパネル3は、閉状態である場合には、図示しないロック機構によって開放不可能な状態にロックされている。このロック状態はフロントパネル3に設けられた解除操作部たるキーシリンダ(図示せず)に対する所定のキー操作によって解除される。
【0017】
フロントパネル3には、縦長の3つの表示窓5L,5M,5Rが横並びに設けられている。表示窓5L,5M,5Rは、半透明の材質で形成されており、各表示窓5L〜5Rを通してマシン本体2の内部を視認可能に構成されている。
【0018】
マシン本体2内には、可変表示手段を構成する左リールLと、中リールMと、右リールRとが収納されている。各リールL,M,Rはそれぞれ円筒状(円環状)に形成されており、各リールL,M,Rの中心軸線が当該リールL,M,Rの回転軸線となって回転可能に支持されている。各リールL,M,Rの回転軸線は、略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリールL,M,Rが各表示窓5L,5M,5Rと1対1で対応している。従って、各リールL,M,Rの表面の一部は、それぞれ対応する表示窓5L,5M,5Rを通して視認可能な状態とされている。
【0019】
また、各リールL,M,Rが回転すると、各表示窓5L,5M,5Rには、リールL,M,Rの外周面に付した図柄が上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。これら各リールL,M,Rは、各リール毎に対応して1つずつ配設された3つのリール用ステッピングモータ28(図4参照)に連結されており、各リール用ステッピングモータ28の駆動により各リールL,M,Rが個別に独立して回転駆動及び停止が可能に構成される。
【0020】
各リールL,M,Rの外周面には、それぞれ識別情報としての図柄が多数設けられている。これらの図柄のうち、表示窓5L,5M,5Rを介して視認可能な図柄数は、主として表示窓5L,5M,5Rの上下方向の長さによって決定される所定数に限られる。本実施例では、遊技者に視認可能な図柄数は、各リールL,M,R毎に3個ずつとされている。
【0021】
ここで、図2及び図3を参照して、各リールL,M,Rに付される図柄について説明する。図2は、左リールLと、中リールMと、右リールRとを平面状に展開して図柄配列を示した展開図である。図2に示すように、各リールL,M,Rには21個の図柄が縦一列に設けられている。各リールL,M,Rに対応して「01」から「21」のコマ番号を付しているが、これらのコマ番号は説明の便宜上付したものであり、各リールL,M,Rに実際に付されているものではない。但し、以下の説明においては当該コマ番号を使用して説明する。図3は、遊技者に利益が付与される各役と、入賞図柄、獲得利益及び役成立率との対応を示した図である。
【0022】
図2に示すように、各リールL,M,Rの図柄は、色相の異なる2種類の「7」図柄と、「BAR」図柄と、「賽銭箱」図柄と、「鈴」図柄と、「水瓶」図柄と、「チェリー」図柄との計7種類で構成されている。「7」図柄は、ボーナス役としてのビックボーナス(以下、適宜「BB」と略す)の入賞を示す図柄であり、白色のもの(例えば、左リールコマ番号第2番。以下、適宜「白7」と略す。)と、赤色のもの(例えば、左リールコマ番号第11番。以下、適宜「赤7」と略す。)とが設けられている。「BAR」図柄(例えば、左リールコマ番号第16番)は、ボーナス役としてのレギュラーボーナス(以下、適宜「RB」と略す。)の入賞を示す図柄である。「水瓶」図柄(例えば、左リールコマ番号第5番)は、無償の再遊技が可能なリプレイ役の入賞を示す図柄である。また、「賽銭箱」図柄(例えば、左リールコマ番号第4番)、「鈴」図柄(例えば、左リールコマ番号第1番)、及び、「チェリー」図柄(例えば、左リールコマ番号第3番)は、各図柄毎に遊技者に付与される利益の異なる小役の入賞を示す図柄である。
【0023】
なお、図2に示すように、各リールL,M,Rにおいて、各図柄の数や配列は全く異なるように配設される。また、「チェリー」図柄を除く小役の入賞を示す図柄(小役図柄)と、リプレイ役の入賞を示す図柄(リプレイ図柄)とは、各リールL,M,Rに全て4コマ以下の間隔で配設されている。後述する小役成立テーブル22b(図4参照)を使用して強制的に小役図柄又はリプレイ図柄を所定の位置に停止させる場合、最大でも4コマ分の移動をするだけで、当該図柄を制御上の所定の停止位置に停止させることができる。
【0024】
ここで、スロットマシン1に設定される役について、図3を参照して説明する。役としては、ボーナス役、小役、リプレイ役、及び、ハズレ役の4種類に大別され、以下に順に説明する。ボーナス役とは、通常の遊技からいわゆるボーナスゲームと称する特別遊技(遊技者にとって有利な遊技)に移行させる役であり、ビッグボーナス(BB)とレギュラーボーナス(RB)との2種類が設定されている。なお、特別遊技とは、前回以前の遊技における役成立(入賞を含む)に基づいて当該遊技後に行われる遊技者にとって有利な遊技を意味している。
【0025】
ビッグボーナス(BB)は、ボーナスゲームの1つであるビッグボーナスゲーム(以下、適宜BBゲームと略す。)に移行させる役である。「白7」又は「赤7」が後述する有効ライン6a〜6e(図1参照)上に同一色で3つ並んで停止した場合には、「BB」の入賞となって15枚のメダルの払出が行われると共に遊技がBBゲームに移行する。遊技を行う遊技者は、「BB」の入賞によってメダル15枚とBBゲームによる利益とを獲得する。BBゲームは、30回以内の小役ゲームと、小役ゲーム中の所定役(本実施例においてはリプレイ役)の入賞を条件に3回を上限として移行するボーナスゲームとにより構成される。ボーナスゲームは、所定の小役(本実施例においては賽銭箱役)に高確率で入賞する遊技を所定条件の成立まで(本実施例においては8回入賞するまで)行うものである。
【0026】
レギュラーボーナス(RB)は、ボーナスゲームの1つであるRBゲームに移行させる役である。「BAR」図柄が後述する有効ライン6a〜6e上に3つ並んで停止した場合には、「RB」の入賞となって15枚のメダルの払出が行われると共に遊技がRBゲームに移行する。RBゲームは、BBゲーム中のボーナスゲームに相当するゲームを1回だけ行うものである。
【0027】
小役とは、予め定めたメダルの払出を行う役である。スロットマシン1には、小役として、「賽銭箱」、「鈴」、及び、「チェリー」の3種類が設定されている。「賽銭箱」図柄が後述する有効ライン6a〜6e上に3つ並んで停止した場合には、「賽銭箱」の入賞となって15枚のメダルの払出が行われる。また、「鈴」図柄が有効ライン6a〜6e上に並んで停止した場合には、「鈴」の入賞となって9枚のメダルの払出が行われる。
【0028】
左リールLの「チェリー」図柄が有効ライン6a〜6e上に停止した場合には、「チェリー」の入賞となって2枚のメダルの払出が行われる。ここで、「チェリー」の役については、中リールM及び右リールRの「チェリー」図柄はメダルの払出とは無関係である。「チェリー」に限っては、左リールLにおける有効ライン6a〜6eが2つ重なる位置、即ち、上段又は下段に「チェリー」図柄が停止した場合には、その重なった有効ライン数を乗じた分だけメダルの払出が行われる。このため、1回の遊技で「チェリー」の入賞として4枚のメダルの払出が行われることがある。
【0029】
リプレイ役とは、無償で再遊技を行うことができる役である。「水瓶」図柄が有効ライン上に3つ並んで停止した場合には、「水瓶」の入賞となって当該遊技でのメダルの投入枚数(ベット枚数)を維持した遊技が次回の遊技で行われる。
【0030】
ハズレ役とは、上記したボーナス役、小役、及び、リプレイ役とは異なり、遊技者に利益が全く供与されない役であり、スロットマシン1においては、ゲームの半数以上がハズレ役となるように制御が行われる。上記したボーナス役、小役、及び、リプレイ役の入賞を示す図柄の組み合わせのいずれも有効ライン上に停止していない場合にはハズレ役となり、メダルの払出は一切行われない。
【0031】
なお、円筒状のリールL,M,Rを構成の一部として図柄を表示する表示装置は、識別情報を可変表示する可変表示手段の一例であり、可変表示手段は、上記以外の構成であってもよい。例えば、ベルト式リール等の他の機械的なリール構成としてもよい。また、機械的なリール構成に代えて、或いはこれに加えて、液晶表示器、ドットマトリクス表示器等の電気的表示により識別情報を可変表示させるものを設けてもよく、この場合は表示形態に豊富なバリエーションをもたせることが可能となる。
【0032】
図1に戻って説明する。フロントパネル3には、各表示窓5L,5M,5Rを結ぶように、横方向へ平行な3本の有効ライン6b〜6dと、斜め方向へたすき掛けとなる2本の有効ライン6a,6eとの計5本の有効ライン6a〜6eが付されている。また、各有効ライン6a〜6eに対応して、表示窓5L,5M,5Rの正面視左側には有効ライン表示ランプ7a〜7cが設けられている。
【0033】
第1有効ライン表示ランプ7aは、中央の横ライン(中央ライン)6cが有効化されていることを点灯して示すものである。1の遊技(1回のゲーム)に対して1枚以上のメダル投入があった場合には中央ライン6cが有効化され、第1有効ライン表示ランプ7aが点灯する。
【0034】
第2有効ライン表示ランプ7bは、上下の横ライン(上ライン6b及び下ライン6d)が有効化されていることを点灯して示すものである。1回のゲームに対して2枚以上のメダル投入があった場合には、中央ライン6cと共に上ライン6b及び下ライン6dが有効化され、第1有効ライン表示ランプ7aと第2有効ライン表示ランプ7bとが共に点灯する。
【0035】
第3有効ライン表示ランプ7cは、一対の斜めライン(右上がりライン6a及び右下がりライン6e)が有効化されていることを点灯して示すものである。1回のゲームに対して最大数の3枚のメダル投入があった場合には、全ての有効ライン6a〜6eが有効化され、全ての有効ライン表示ランプ7a〜7cが点灯する。なお、有効ライン数は、必ずしも5本とする必要はなく、6本以上としてもよく、5本未満としてもよい。
【0036】
表示窓5L,5M,5Rの正面視左下側には、各リールL,M,Rを一斉(同時である必要はない)に回転させて図柄の変動(変動表示)を開始させるために遊技者によって入力操作が行われるスタートレバー8が設けられている。スタートレバー8を揺動可能に支持するフロントパネル3の裏面側には、スタートスイッチ8a(図4参照)が連結されている。リールL,M,Rが停止している時に、スタートレバー8が傾倒されるとスタートスイッチ8aがオンに切り替わり、各リールL,M,Rの回転が開始される。
【0037】
スタートレバー8の右側には、回転している各リールL,M,Rの変動を個別に停止させるために遊技者によって入力操作が行われる押しボタン式のストップスイッチ9L,9M,9Rが設けられている。各ストップスイッチ9L,9M,9Rは、停止対象となるリールL,M,Rに対応する表示窓5L,5M,5Rの直下にそれぞれ配置されている。
【0038】
このストップスイッチ9L,9M,9Rは、白色半透明の合成樹脂により円筒状に形成されたボタンがスロットマシン1の前面側に突出して形成されると共に、そのボタンの裏側には、各ストップスイッチ9L,9M,9Rを赤色及び青色に光らせるスイッチランプ18L,18M,18Rが内蔵されている。スタートレバー8が遊技者により傾倒されて各リールL,M,Rの回転が開始されると、スイッチランプ18L,18M,18R(ストップスイッチ9L,9M,9R)が赤色に点灯してボタン全体を発光させ、ストップスイッチ9L,9M,9Rに対する停止操作をしても変動が停止しない期間中であることを遊技者に示す。各リールL,M,Rの回転後に一定時間(本実施例においては4.1秒)が経過するとストップスイッチ9L,9M,9Rが青色の点灯に切り替わり、停止操作により変動が停止する期間中であることを遊技者に示す。なお、ストップスイッチ9L,9M,9Rのいずれかに対するリール停止操作が行われると、その停止操作が行われたストップスイッチの裏側に内蔵されたスイッチランプが消灯する。
【0039】
表示窓5L,5M,5Rの右下側には、投資価値としてのメダルを投入するためのメダル投入口10が設けられている。フロントパネル3の裏面側には、このメダル投入口10に投入されたメダルの枚数を検出する投入メダル検出センサ10a(図4参照)が設けられている。
【0040】
メダル投入口10の左側には、予め貯留して記憶された(クレジットされた)クレジットメダルを一度に3枚投入するための押しボタン式のベットスイッチ11が設けられている。スロットマシン1の制御を行う主制御基板Cは、クレジットメダルの貯留数をMPU21(図4参照)の予め定めた記憶領域に記憶し、メダルの払出が行われる場合やメダルが必要量より多く投入された場合に、一定枚数(本実施例では50枚)以下の範囲内でクレジットメダルの数を増加させる。ベットスイッチ11が押下されてオンとなると、貯留記憶されたクレジットメダル数の範囲内で仮想的にメダルが投入され、投入メダル数に対応した有効ライン6a〜6eが有効化される。
【0041】
スタートレバー8の左側には、押しボタン式のクレジット払出スイッチ12が配設されている。このクレジット払出スイッチ12が遊技者により押下されると、メダル投入口10に必要量より多く投入されたメダルや所定の遊技結果に応じて遊技者に利益として払い出されたメダル等によるクレジットメダルが返還される。なお、表示窓5L,5M,5Rの左下には、上記したクレジットメダルの残数を表示するメダル枚数表示ランプ13が配設されており、クレジット払出スイッチ12が遊技者により押下されると、メダル枚数表示ランプ13に表示された枚数のメダルが遊技者へ払い出される。
【0042】
フロントパネル3の下側には、メダルを遊技者に払い出すためのメダル排出口14と、そのメダル排出口14から払い出されたメダルを貯留する下皿15とが配設されている。
【0043】
表示窓5L,5M,5Rの上側には、LCD16が配設されている。このLCD16は、遊技の進行に伴う各種の表示演出を実行すると共に、機械の内部で選定された情報を遊技者に示すためのものである。LCD16の左右両側には、スロットマシン1において行われる遊技の効果音を出力するスピーカ17が配設されている。また、LCD16の上側には、スロットマシン1の状態に応じて点灯状態が切り替えられるランプ18Uが配設されている。
【0044】
次に、図4を参照して、スロットマシン1の電気的構成について説明する。図4は、スロットマシン1の電気的構成を示したブロック図である。スロットマシン1は主制御基板Cを備え、この主制御基板Cには、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU21と、そのMPU21とバスライン24を介して接続されると共に各種のI/O装置と接続された入出力ポート25とが搭載されている。MPU21には、MPU21により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM22と、そのROM22内に記憶される制御プログラムの実行に当たって各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM23と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの回路とが内蔵されている。なお、図6から図10に示すフローチャートのプログラムは、制御プログラムの一部としてROM22内に記憶されている。
【0045】
ROM22は、内部抽選に従った図柄の組み合わせで各リールL,M,Rの回転が停止するように停止位置を決定する複数の停止位置決定テーブル、即ち、ボーナス成立テーブル22aと、小役成立テーブル22bと、最小移動ハズレテーブル22cとを備えている。ボーナス成立テーブル22aは、ボーナス役であるビックボーナス(BB)又はレギュラーボーナス(RB)のいずれかが成立した場合、即ち、ボーナス役に対する内部抽選に当選して入賞条件が成立した場合に使用され、各リールL,M,Rの回転停止時に有効ライン6a〜6eのいずれかに成立役に対応したボーナス図柄(「白7」、「赤7」又は「BAR」)を並べて停止させるテーブルである。小役成立テーブル22bは、それぞれの小役およびリプレイ役に対応して複数種類が設けられ、小役又はリプレイ役の成立時に使用され、各リールL,M,Rの回転停止時に有効ライン6a〜6eのいずれかに成立役の入賞を示す図柄を並べて停止させるテーブルである。各役の入賞条件は、本実施例においては後述する乱数カウンタ23bを使用したスロットマシン1の抽選に基づく役の成立となっている。なお、必ずしも各役の入賞条件を内部抽選による役成立のみとする必要はなく、他の条件を加えても良い。例えば、遊技者により操作されるストップスイッチ9L,9M,9Rの押し順を入賞条件に加えても良く、制御内容については一般的なものであるため説明を省略する。
【0046】
ここで、図5を参照して、リールL,M,Rの回転停止位置を決定する停止位置決定テーブルについて説明する。図5は、小役成立テーブル22bの一部を構成する水瓶用小役成立テーブル22b1を模式的に示した図である。この水瓶用小役成立テーブル22b1は、内部抽選によって「水瓶」の役が成立した場合に使用される。水瓶用小役成立テーブル22b1には、遊技者によって各ストップスイッチ9L,9M,9Rが操作されたタイミングに対するリールL,M,Rの停止位置が予め定められている。
【0047】
例えば、「水瓶」が成立した状態で図柄の変動が行われている場合に左リールLに対するストップスイッチ9Lが操作されると、そのタイミングが水平方向中段の有効ライン6c上にコマ番号第8番の図柄(「水瓶」図柄)が存在するときであれば、左リールLは直ちに停止し、水平方向中段の有効ライン6c上にはコマ番号第8番の図柄(「水瓶」図柄、図2参照)が停止する。その後にも引き続き水瓶用小役成立テーブル22b1を参照してリールの停止制御が行われる。
【0048】
具体的には、水平方向中段の有効ライン6c上にコマ番号17番の図柄(「賽銭箱」図柄、図2参照)が存在するタイミングで遊技者の操作によってストップスイッチ9Lがオンされると、左リールLは3コマ分回転を継続してから(滑ってから)、水平方向中段の有効ライン6c上にコマ番号第13番の図柄(「水瓶」図柄)を引き込んで停止する。このストップスイッチ9L,9M,9Rの操作後にリールの回転を継続する量(滑り量)は少ない方が遊技に対する不信感を与えないので、スロットマシン1においては最大4コマに設定されている。
【0049】
なお、水瓶用小役成立テーブル22b1以外にも、主制御基板CのROM22には、各成立役に対応した小役成立テーブル22b及びボーナス成立テーブル22aがそれぞれ設けられるが、一般的な制御であるのでその説明を省略する。
【0050】
図4に戻って、最小移動ハズレテーブル22cについて説明する。最小移動ハズレテーブル22cは、ボーナス役、小役及びリプレイ役に対する入賞条件が成立しなかった場合に使用されるテーブルであり、各リールL,M,Rの回転停止時に有効ライン6a〜6eのいずれにも成立役の入賞を示す図柄を停止させずに図柄を停止させるテーブルである。この最小移動ハズレテーブル22cには、ストップスイッチ9L,9M,9Rの操作時における各リールL,M,Rの位置から停止可能位置を検索し、その停止可能位置の範囲内において各リールL,M,Rの移動量が最も少ない位置にいずれの役の入賞をも伴わないハズレの表示結果を停止させる位置が定められている。当選していない図柄が有効ライン6a〜6eに停止してしまうタイミングでストップスイッチ9L,9M,9Rが押下されても、この最小移動ハズレテーブル22cを参照していずれの有効ライン6a〜6e上にも役の入賞を示す図柄が停止しないように、1コマから4コマまで図柄を滑らせて停止させる。
【0051】
主制御基板CのRAM23は、状態フラグ23aと、乱数カウンタ23bと、BB成立フラグ23cと、RB成立フラグ23dと、小役成立フラグ23eと、演出抽選カウンタ23fと、始動操作カウンタ23gと、停止演出フラグ23hとを備えている。
【0052】
状態フラグ23aは、スロットマシン1における遊技の状態、即ち、通常ゲーム中、ボーナスゲーム中、或いは、エラー状態等その他の状態を示すためのフラグである。この状態フラグ23aは、電源入時に通常ゲームの状態を示すデータ(本実施例においては「0」)が設定される一方、後述するBB成立フラグ23c又はRB成立フラグ23dがオンされて、「白7」、「赤7」又は「BAR」のいずれかが有効ライン6a〜6e上に同一図柄で3つ並んで停止した場合、その後の遊技をボーナスゲームへ移行させるために、ボーナスゲーム中を示すデータ(BBは「1」、RBは「2」)が書き込まれる(図10、S72参照)。また、ボーナスゲームの終了時には、その後の遊技を通常ゲームへ移行させるために、状態フラグ23aには、通常ゲームの状態を示すデータが書き込まれる(図示せず)。
【0053】
乱数カウンタ23bは、成立役を選定する内部抽選を行うためのカウンタである。この乱数カウンタ23bは、後述するカウンタ更新処理(図6、S5参照)によって、「0」〜「65535」の範囲内で順に加算して更新される。かかる乱数カウンタ23bの値は、遊技者によってスタートレバー8が操作されてスタートスイッチ8aのオンが検出された場合(始動操作時)に、後述する変動開始処理において参照され、このとき参照された値に対して予め割り当てられた役が成立役となる(図7、S13参照)。この乱数カウンタ23bの値に対して各成立役は、図3に示す割合で割り当てられており、例えば、1/293の割合である224個の乱数値が「BB」に割り当てられ、また、約1/390の割合である168個の乱数値が「RB」に割り当てられている(図3参照)。
【0054】
なお、本実施例では、内部抽選に当選して「BB」又は「RB」の成立があることを条件(十分条件)として「BB」又は「RB」の成立に対する入賞が発生するように構成されているが、必ずしも役成立を入賞発生の十分条件とする必要はない。「BB」又は「RB」の成立があってもその成立を必要条件の成立として記憶(ストック)し続け、その後に別の条件が成立した場合(例えば、取得された乱数カウンタ23bの値が特定値であった場合)に、前もって役成立のあった「BB」又は「RB」が連続して発生するようにしても良い。
【0055】
BB成立フラグ23c及びRB成立フラグ23dは、「BB」及び「RB」に応じたボーナス図柄を有効ライン6a〜6e上に揃え得るゲームであることを示すフラグであって、ボーナス成立テーブル22aを参照させるためのフラグである。始動操作時に参照された乱数カウンタ23bの値が、「BB」又は「RB」を成立させるものであった場合に、成立したボーナス役に対応した成立フラグ23c,23dがオンされる(図7、S14及びS18参照)。一方、「白7」、「赤7」又は「BAR」のいずれかが有効ライン6a〜6e上に同一図柄で3つ並んで停止した場合、即ち、ボーナス役に入賞した場合、状態フラグ23aにボーナスゲーム中を示すデータが書き込まれると共に、入賞したボーナス役に対応した成立フラグ23c,23dがオフされる(図10、S73参照)。
【0056】
小役成立フラグ23eは、始動操作時の内部抽選による成立役が小役又はリプレイ役であることを示すためのフラグであり、各役に対応して1つずつ設けられている。この小役成立フラグ23eは、始動操作時に参照された乱数カウンタ23bの値が小役又はリプレイ役の成立を示す値であった場合、即ち、「賽銭箱」、「鈴」、「水瓶」又は「チェリー」用に割り当てられた各値(図3参照)のいずれかであった場合に、その値に対応したフラグがオンされる(図7、S23参照)。一方、小役成立フラグ23fは、全てのリールL,M,Rの回転が停止したタイミングでオフされる(図10、S75参照)。
【0057】
なお、「チェリー」については、その役成立があってもストップスイッチ9Lの操作タイミング(停止タイミング)如何によっては、「チェリー」図柄が有効ライン6a〜6e上に停止しない。左リールLには、「チェリー」図柄が2つだけ配列されており、適当な操作タイミングでなければメダルの払出が行われない構成となっている。
【0058】
演出抽選カウンタ23fは、興趣演出の実行抽選に使用するカウンタであり、本実施例では「0〜511」まで順に1ずつ加算されて更新され、最大値(つまり511)に達した後再び「0」に戻される。この演出抽選カウンタ23fの値は、遊技者によってスタートレバー8が操作されてスタートスイッチ8aのオンが検出された場合(変動開始時)に、後述する変動開始処理において参照され、そのとき参照された値に対応してスロットマシン1に設定された2種類の興趣演出を実行するか否かが決定される。なお、興趣演出とは、図柄の変動開始時又はその変動途中でLCD16の表示画面に機種毎に設定された文字やキャラクタ等の図柄を現出させたり、スタートレバー8の操作時にスピーカ17から特別の効果音を出力したり、ストップスイッチ9L,9M,9Rの停止操作時にランプの点灯パターンを特別のものに変化させたりする等、通常とは異なる状態を発生させて変動停止後に入賞が発生し易い等の特別の状態であることを遊技者に示す演出である。
【0059】
ここで、本実施例におけるスロットマシン1に設定された興趣演出について説明する。スロットマシン1には、興趣演出として「始動演出」と「停止演出」とが設定されている。始動演出は、スタートレバー8に対しての始動用の入力操作(始動操作)に関連した演出である。通常時にはスタートレバー8に対する1回の始動操作で図柄の変動が開始されるのに対し、始動演出を伴うゲームにおいてはスタートレバー8に対して3回の始動操作を行うことにより図柄の変動が開始される。通常1回で開始されるはずの変動が、始動演出を伴うゲームにおいては1回では開始されないので、遊技者には通常の状態とは異なる特別の状態であることを認識させることができる。
【0060】
停止演出は、ストップスイッチ9L,9M,9Rに対して行われるリールL,M,Rの回転停止の入力操作(停止操作)に関連した演出である。通常時には、回転中のリールに対応したストップスイッチを遊技者が押下操作することでリールの回転が停止して図柄の変動停止となるのに対し、停止演出の実行されるゲームにおいてはストップスイッチに対して3回の停止操作を行うことにより図柄の変動が停止する。通常1回の停止操作をするだけで停止するはずの図柄の変動が停止演出中には停止しないので、始動演出と同様、遊技者には通常の状態とは異なる特別の状態であることを容易に認識させることができる。
【0061】
これら始動演出と停止演出とは、上記した演出抽選カウンタ23fの値と乱数カウンタ23bの値とに基づいて別々に設定された実行条件が図柄の変動開始時に成立した場合に実行される。なお、実行条件の詳細については、図7のフローチャートを参照して後述する。
【0062】
始動操作カウンタ23gは、始動演出の実行時において図柄の変動開始までに必要な始動操作の回数を記憶するためのカウンタである。この始動操作カウンタ23gには、スタートレバー8が操作されたタイミングで行われる抽選によって始動演出の実行条件が成立した場合に「2」が書き込まれ(図7、S25参照)、その後に始動操作が行われる度に「1」ずつ減算される(図8、S33参照)。この減算後の始動操作カウンタ23gの値が「0」となった時期が3回の始動操作が行われた時期であり、このタイミングで図柄の変動が開始される。これにより、始動演出として、スタートレバー8に対しての3回の始動操作を条件として図柄の変動を開始することができる。
【0063】
停止演出フラグ23hは、停止演出の実行条件が成立したか否かを示すフラグである。この停止演出フラグ23hは、スタートレバー8が操作されたタイミングで停止演出の実行条件が成立した場合、停止演出が終了するまで、即ち、いずれかのストップスイッチに対して3回の停止操作が行われるまでオンされ、それ以外の期間中にはオフされる。
【0064】
入出力ポート25は、前述した通りROM22及びRAM23を内蔵したMPU21に接続されると共に、各種のI/O装置と接続されている。具体的には、入出力ポート25は、投入メダル検出センサ10aと、ベットスイッチ11と、スタートスイッチ8aと、リール位置検出センサ27と、左・中・右の各リールL,M,Rをそれぞれ回転させるための左・中・右リール用ステッピングモータ28と、有効ライン表示ランプ7a〜7cと、メダル枚数表示ランプ13と、入賞役に応じてメダルの払出動作を行うホッパ駆動モータ29と、入力振分基板Fと、サブ制御基板Sとにそれぞれ接続されている。
【0065】
入力振分基板Fは、左・中・右の各リールL,M,Rの回転を停止させるためのストップスイッチ9L,9M,9Rに対する停止操作を無効と有効とに振り分けるものである。停止操作が無効にされると停止操作が行われてもリールL,M,Rの回転は停止せず、停止操作が有効にされると停止操作とほぼ同時にリールL,M,Rの回転が停止する。
【0066】
この入力振分基板Fは、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU31と、そのMPU31とバスライン34を介して接続されると共に各種のI/O装置とMPU31とを接続する入出力ポート35とが搭載されている。また、サブ制御基板Fの入出力ポート35には、主制御基板Cが双方向通信可能に電気的に接続されており、また、左・中・右リールストップスイッチ9L,9M,9Rと、スイッチランプ18L,18M,18Rとがそれぞれ接続されている。
【0067】
入力振分基板FのMPU31には、MPU31により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM32と、そのROM32内に記憶される制御プログラムの実行に当たって各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM33と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路とが内蔵されている。図11から図13に示すフローチャートのプログラムは、制御プログラムの一部としてROM32内に記憶されている。また、RAM33は、時間計測カウンタ33aと、停止演出フラグ33bと、左押数カウンタ33cと、中押数カウンタ33dと、右押数カウンタ33eとを備えている。
【0068】
時間計測カウンタ33aは、図柄の変動が開始されてからの時間を計測するためのカウンタである。この時間計測カウンタ33aの値は、主制御基板Cから送信(又は出力)される変動開始を示す制御用のコマンド(変動開始コマンド)を受信(又は入力)したときに「0」クリアされる(図11、S105参照)。その後、時間計測カウンタ33aの値は、入力振分基板Fのメイン処理の中で4ミリ秒(ms)毎に「1」ずつ加算される(図12、S113参照)。
【0069】
この時間計測カウンタ33aが「1050」以上になるまで、即ち、図柄の変動開始後に4.1秒が経過するまでは、ストップスイッチ9L,9M,9Rに対する停止操作が行われても入力制御基板Fから主制御基板CへはリールL,M,Rの回転を停止させるための停止実行コマンドが送信されないようになっている。具体的には、いずれかのストップスイッチに対する停止操作が行われ、そのオン信号を入力振分基板Fが検知したときに時間計測カウンタ33aの値は参照され、その値が「1050」未満であれば停止実行コマンドを主制御基板Cへ送信する処理をスキップさせて(図12、S117:No)、今回の停止操作を無効に振り分ける。
【0070】
一方、時間計測カウンタ33aが「1050」以上になり、変動開始から4.1秒が経過した後にいずれかのストップスイッチのオン信号を入力振分基板Fが検知すると、入力振分基板Fは、停止操作が有効となるように主制御基板Cへ停止実行コマンドを送信する(図12、S123参照)。主制御基板Cは、停止実行コマンドを受信すると変動開始時の抽選による成立役に対応した停止位置決定テーブルに従ってリールL,M,Rの回転を停止させる。このように図柄の変動開始後における一定時間の停止操作を無効に振り分けることにより、単位時間当たりのゲーム回数が多くなり過ぎることを抑制し、時間当たりのメダル消費数(又はメダル獲得数)が過度に上昇することを制限できる。
【0071】
停止演出フラグ33bは、上述した主制御基板Cの停止演出フラグ23hと同様、停止演出の実行条件が成立したか否かを示すフラグである。停止演出の実行条件が成立した場合に主制御基板Cより送信される停止演出コマンドを入力振分基板Fが受信すると、停止演出フラグ33bがオンされる。停止演出フラグ33bがオンの状態で入力振分基板Fがストップスイッチ9L,9M,9Rのオン信号を検知すると、後述する各押数カウンタ33c〜33eを用いてストップスイッチ9L,9M,9Rに対する停止操作の回数が計数される。入力振分基板Fは、停止演出フラグ33bがオンの状態であり、且つ、変動開始から4.1秒が経過した後に、いずれかのストップスイッチに対して合計3回の停止操作を検知すると、停止実行コマンドを主制御基板Cへ送信する。一方、停止演出フラグ33bがオフの状態では、入力振分基板Fは、変動開始から4.1秒が経過した後に入力振分基板Fがストップスイッチ9L,9M,9Rのオン信号を1回検知すると停止実行コマンドを主制御基板Cへ送信する。
【0072】
左・中・右押数カウンタ33c〜33eは、左・中・右の各リールに対応したストップスイッチ9L,9M,9Rに対する停止操作の回数を計数するためのカウンタである。各押数カウンタ33c〜33eの値は、主制御基板Cから停止演出コマンドを受信したタイミングで「0」クリアされる(図11、S103参照)。また、停止演出フラグ33bがオンの状態で入力振分基板Fがストップスイッチ9L,9M,9Rのオン信号を検知したときに、その信号を検知したストップスイッチに対応した押数カウンタの値が「1」ずつ加算される(図12、S120参照)。停止演出フラグ33bがオンの状態でいずれかの押数カウンタ33c〜33eの値が「3」以上になるまでは、入力振分基板Fから主制御基板Cへ停止実行コマンドが送信されず、その値が「3」以上になって始めて停止実行コマンドが主制御基板Cへ送信される(図12、S121参照)。これにより、ストップスイッチ9L,9M,9Rに対する停止操作を行ってもリールL,M,Rの回転が停止しない停止演出の実行により、遊技者は、通常の状態とは異なった状態であることを認識することができる。
【0073】
サブ制御基板Sは、主制御基板Cから送信されるコマンドを受信してスピーカ17から効果音などの出力制御を行うと共に表示用制御基板Dを制御してLCD16に演出表示などを行わせるものである。このサブ制御基板Sには、主制御基板Cと、サブ制御基板Sから送信されるコマンドを受信してLCD16上に演出表示を行う表示用制御基板Dと、スピーカ17と、ランプ18Uとがそれぞれ接続されている。
【0074】
次に、図6から図10に示すフローチャートを参照して、主制御基板Cで行われる各処理について説明する。図6は、スロットマシン1の電源入後に主制御基板Cにおいて実行されるメイン処理のフローチャートである。
【0075】
メイン処理では、まず、バックアップデータの復元を含む初期化処理を実行し(S1)、次に、S2〜S6の各処理を所定時間毎(例えば、2ms毎)に繰り返し実行して、遊技の制御を行う。以下に、S2〜S7の各処理を説明する。
【0076】
S2の処理では、状態フラグ23aに基づいて進行中の遊技状態を判断する(S2)。判断の結果、状態フラグ23aの内容が通常ゲーム中を示すものであった場合には(S2:「通常遊技」)、変動開始処理(S3)及び変動停止処理(S4)による通常ゲームに対する処理を実行する。また、状態フラグ23aの内容がボーナスゲーム中を示すものであった場合には(S2:「ボーナス」)、ボーナスゲーム実行処理(S7)を実行する。更に、状態フラグ23aの内容がその他の遊技状態を示すものであった場合には(S2:「その他」)、S3,S4,S7による各遊技に関する処理をスキップする。
【0077】
変動開始処理(S3)では、3枚のメダルが投入(ベット)されている状態でスタートスイッチ8aがオンされたか否かを判断した上で所定の処理が行われる。即ち、1回のゲームに対しての最大投入数である3枚のメダルが投入されたマックスベット状態でスタートスイッチ8aがオンされたと判断された場合には、遊技者によりスタートレバー8が所定操作されたものと判断して、その時の乱数カウンタ23bの値等に応じて内部抽選に基づく成立役を選定すると共に、各リールL,M,Rの始動(回転)等が実行される。この変動開始処理(S3)の内容詳細については、図7及び図8を参照して後述する。
【0078】
変動停止処理(S4)では、ストップスイッチ9L,9M,9Rの操作に起因して、回転している各リールL,M,Rを、前記変動開始処理(S3)で設定された成立役に応じた所定位置で停止させる。また、所定位置で停止させた際に予め定められた所定図柄が有効ライン6a〜6e上に停止した場合には、その所定図柄に応じた枚数のメダルを払い出す。この変動停止処理(S4)の内容詳細については、図9及び図10を参照して後述する。
【0079】
ボーナスゲーム実行処理(S7)では、入賞役に対応したビックボーナス(BB)ゲーム又はレギュラーボーナス(RB)ゲームに対する制御が行われる。BBゲームの場合、30回を上限とした小役ゲームと、小役ゲーム中のリプレイ役の入賞を条件に行われるボーナスゲームとが行われる。RBゲームの場合には、BBゲーム中のボーナスゲームに相当するゲームが1回だけ行われる。
【0080】
カウンタ更新処理(S5)では、乱数カウンタ23b、演出抽選カウンタ23f等の各カウンタの値を更新する。各処理(S6)では、上記した処理以外の処理を実行するものである。各処理の終了後は、処理をS2へ移行して、再び、S2〜S7の処理を繰り返し実行する。
【0081】
図7は、変動開始処理(S3)のフローチャートである。この変動開始処理(S3)では、3枚のメダルが投入されたマックスベット状態でスタートスイッチ8aがオンしたと判断された場合に、その時の乱数カウンタ23bの値に基づいて抽選される成立役に応じて各フラグを設定すると共に、各リールL,M,Rを始動させる。
【0082】
変動開始処理(S3)では、まず、マックスベットされているか、即ち、3枚のメダルが投入されているか否かを判断する(S11)。判断の結果、マックスベットされていれば(S11:Yes)、次に、スタートスイッチ8aのオン信号を検知したか否かを判断する(S12)。スタートスイッチ8aのオン信号を検知していれば(S12:Yes)、遊技者によってスタートレバー8の操作が行われたタイミングであり、このタイミングで成立役の抽選として乱数カウンタ23bの値が示す成立役を判断する(S13)。
【0083】
S13の処理において、乱数カウンタ23bの値が示す成立役が「BB」であった場合には(S13:「BB」)、BB成立フラグ23cをオンし(S14)、演出抽選カウンタ23fの値が「63」以下であるか否かを判断する(S15)。S15の処理において演出抽選カウンタ23fの値が「63」以下であれば(S15:Yes)、停止演出の実行条件の成立となる。この場合には、入力振分基板Fへ停止演出の実行を示す停止演出コマンドを送信し(S16)、停止演出フラグ23hをオンして(S17)、処理をS19へ移行する。一方、S15の処理において、演出抽選カウンタ23fの値が「64」以上であれば(S15:No)、S16及びS17の処理をスキップして処理をS19へ移行する。
【0084】
ここで、演出抽選カウンタ23fは、上述したように「0」から「511」の合計「512」の値を取りうるものである。このため、S15の処理において演出抽選カウンタ23fの値が「63」以下となって停止演出の実行条件が成立する確率は、「64」を「512」で除した「0.125」(即ち8分の1)となる。従って、ビッグボーナスが成立したゲームのうち8分の1の確率で停止演出が実行される。なお、停止演出の実行条件は、上記した以外には成立しないため、遊技者は、停止演出の実行を認識した時点でビッグボーナスの成立を確信することができる。
【0085】
S13の処理において、乱数カウンタ23bの値が示す成立役が「RB」であった場合には(S13:「RB」)、RB成立フラグ23dをオンし(S18)、処理をS19へ移行する。
【0086】
S19の処理では、演出抽選カウンタ23fの値が「255」以下であるか否かを判断する(S19)。その値が「255」以下でなければ(S19:No)、始動演出の実行抽選に対してはハズレとなり、左・中・右リール用ステッピングモータ28を駆動して各リールL,M,Rを始動させ(S20)、変動開始を示す変動開始コマンドを入力振分基板Fへ送信し(S21)、更にサブ制御基板Sへ通常の開始音を出力させるための通常開始音コマンドを送信して(S22)、この変動開始処理(S3)を終了する。
【0087】
S19の処理において演出抽選カウンタ23fの値が「255」以下であれば(S19:Yes)、始動演出の実行条件の成立となり、始動操作カウンタ23gに「2」を書き込み(S25)、この変動開始処理(S3)を終了する。上述したように演出抽選カウンタ23fの値は合計「512」の値を取りうるので、演出抽選カウンタ23fの値が「255」以下となって始動演出の実行条件が成立する確率は、「256」を「512」で除した「0.5」(即ち2分の1)となる。従って、ボーナス役が成立したゲームのうち2分の1の確率で始動演出が実行される。また始動操作カウンタ23gの値が更新されて始動演出が実行される場合には、各リールL,M,Rを始動させて図柄の変動を開始させる等のS20からS22の処理がスキップされるので、遊技者がスタートレバー8に対して始動操作をしても図柄の変動が開始されない状況となって、通常とは異なる状態であることを遊技者に認識させることができる。
【0088】
S13の処理において、乱数カウンタ23bの値が示す成立役が「賽銭箱」、「鈴」、「水瓶」又は「チェリー」のいずれかであれば(S13:「小役」又は「リプレイ役」)、成立役に対応した小役成立フラグ23eをオンして(S23)、処理をS24へ移行する。S13の処理においてボーナス役、小役及びリプレイ役のいずれも成立していない「ハズレ」と判断された場合には、いずれの成立フラグ23c〜23eもオンに更新しないで、処理をS24へ移行する。
【0089】
S24の処理では、演出抽選カウンタ23fの値が「7」か否かを判断し(S23)、その値が「7」であれば始動演出の実行条件の成立となり、始動操作カウンタ23gに「2」を書き込み(S24)、この変動開始処理(S3)を終了する。S23の処理は、ボーナス役が成立しなかったゲームの開始時に行われる処理であり、かかるゲームの開始時において512分の1の確率で始動演出が実行される。つまり、始動演出は、ボーナス役が成立したゲームに対して2分の1の確率で実行される一方、ボーナス役が成立しなかったゲームに対してはその役成立のあったゲームより低確率の512分の1の確率で実行されるので、始動演出が実行されるとその後にボーナス役の入賞となってボーナスゲームへ遷移する頻度が高められる。よって、始動演出の実行により遊技者に成立役を示唆し、遊技者はその始動演出の実行によりボーナス役への遷移を期待することができる。なお、始動演出は、必ずしも上記した確率で実行させるようにする必要はない。始動演出の実行確率を異ならせることにより、その実行頻度と有利な遊技状態への遷移に対する期待の程度を変化させることができる。
【0090】
S24の処理において、演出抽選カウンタ23fの値が「7」でなければ(S24:No)、処理をS20へ移行する。この場合には通常のスロットマシンと同様、スタートレバー8への1回の始動操作により図柄の変動が開始される。
【0091】
S11の処理においてマックスベットされていない場合(S11:No)、及び、S12の処理においてスタートスイッチ8aのオン信号が検知されていない場合には(S12:No)、始動演出として3回目のスタートレバー8への始動操作により図柄の変動を開始させるための始動演出処理を実行して(S26)、この変動開始処理(S3)を終了する。
【0092】
ここで、本実施例のスロットマシン1においては必ず3枚のメダルが投入された状態で1回のゲームを行わせるものであり、3枚のメダルが投入されていない状態においては、成立役の抽選やリールL,M,Rを始動させる等のS12〜S23の処理は、S11の処理によりスキップする。また、スタートスイッチ8のオン信号が検知されてS13以降の処理が行われると、変動開始処理(S3)の後に行われる各処理(図6、S6参照)の中でベット数が「0」とされ、ベット数が「0」とされた後に行われる次回の変動開始処理(S3)においてはS11の処理においてマックスベットされていない状態となる。
【0093】
図8は、変動開始処理(S3)の中で行われる始動演出処理(S26)のフローチャートである。始動演出処理(S26)は、始動演出の実行となって1回目のスタートレバー8に対する始動操作に対してはリールL,M,Rの回転をしないで図柄の変動を開始させなかった場合に、その後の始動操作により図柄の変動を開始させる処理である。
【0094】
まず、始動操作カウンタ23gの値が「1」以上であるか否かを判断し(S31)、「1」以上でなければ(S31:No)、S32以降の処理をスキップして始動演出処理(S26)を終了する。始動操作カウンタ23gの値が「1」以上でなければ始動演出の実行条件が不成立の状態であり、始動演出としての変動開始の処理を行う必要がないからである。
【0095】
S31の処理において、始動操作カウンタ23gの値が「1」以上であれば(S31:Yes)、スタートスイッチ8aのオン信号を検知したか否かを判断し(S32)、そのオン信号を検知していれば(S32:Yes)始動操作カウンタ23gの値を「1」減算してから(S33)、BB成立フラグ23cがオンか否かを判断する(S34)。S34の処理においてBB成立フラグ23cがオンであれば(S34:Yes)処理をS38へ移行する。
【0096】
S34の処理においてBB成立フラグ23cがオフであれば(S34:No)、今回のスタートレバー8の操作したタイミングにおける乱数カウンタ23bの値が示す成立役を判断する(S35)。S35の処理において「BB」の成立と判断された場合には(S35:「BB」)、BB成立フラグ23cをオンし(S36)、処理をS38へ移行する。一方、「RB」の成立と判断された場合にはRB成立フラグ23dをオンし(S37)、処理をS38へ移行する。ボーナス役の成立でなければ(S35:「その他」)、ボーナス成立フラグ23c,23dの状態を更新しないで処理をS38へ移行する。このS34からS37の処理により、2回目以降にスタートレバー8が操作されたタイミングでもボーナス役の成立に対する抽選が行われ、そのボーナス役が成立していればボーナス成立フラグ23c,23dの状態が更新される。よって、3回のスタートレバー8に対する始動操作に対しての抽選方法を複雑化することができ、本実施例においては1回の始動操作に基づく抽選より遊技者にボーナスゲームへの機会を多くして抽選を多彩なものとすることができる。
【0097】
なお、S34からS37の処理は必ずしも行う必要はなく、省略しても良い。一般にスロットマシンにおいてはスタートレバーに対する始動操作のタイミングで抽選が行われて興趣演出の実行や成立役等が定められるものであり、本実施例のスロットマシン1においてもS34からS37の処理を省略することで従来と同様の抽選方法を踏襲することができる。よって、複数回の始動操作を条件に図柄の変動を開始させる遊技を付加したことに伴って従来とは抽選条件が変化してしまうことを抑制し、従来通りのボーナスゲームの発生確率(役成立率)に従ったスロットマシンを従来と同様の制御で提供することができる。
【0098】
S38の処理では、S33の処理により減算された始動操作カウンタ23gの値が「1」以上であるか否かを判断し(S38)、その値が「1」以上であれば(S38:Yes)、再度の始動操作を待機する必要があるので、各リールL,M,Rの始動も行わずに始動演出処理(S26)を終了する。
【0099】
S38の処理において始動操作カウンタ23gの値が「1」未満、即ち「0」であれば(S38:No)、スタートレバー8が1回目の始動操作後に2回、即ち合計3回操作されたタイミングである。この場合には、左・中・右リール用ステッピングモータ28を駆動して各リールL,M,Rを始動させ(S39)、更に変動開始コマンドを入力振分基板Fへ送信する(S40)。これにより、遊技者には、1回目と2回目の始動操作が無効に振り分けられた後、3回目の始動操作が有効となって図柄の変動が開始される遊技性が付与される。
【0100】
S40の処理後、BB成立フラグ23c又はRB成立フラグ23dのいずれかがオンであるか否かを判断し(S41)、いずれかがオンであれば(S41:Yes)サブ制御基板Sへ特別開始音コマンドを送信してから(S42)、始動演出処理(S26)を終了する。一方、S41の処理においていずれのボーナス成立フラグ23c,23dもオンでなければ(S41:No)、サブ制御基板Sへ通常開始音コマンドを送信してから(S43)、始動演出処理(S26)を終了する。
【0101】
また、S32の処理において、スタートスイッチ8aのオン信号を検知していなければ(S32:No)、遊技者による2回目以降の始動操作を待機した状態であるので、始動操作カウンタ23gの値を更新せず、また各リールL,M,Rの始動も行わずに始動演出処理(S26)を終了する。
【0102】
ここで、サブ制御基板Sは、特別開始音コマンドを受信した場合には、リールの変動を停止させるタイミングで、通常開始音コマンドを受信した場合より高い音程の「ピローン」という変動開始の効果音をスピーカ17により出力する。S41の処理によりいずれかのボーナス成立フラグ23c,23dがオンである場合に限って特別開始音コマンドは送信されるので、始動演出における3回目の始動操作時に特別開始音が伴った場合には必ずボーナス役が成立していることとなり、遊技者にボーナス役の成立を前もって確信できる遊技性を付加することができる。なお、必ずしもいずれかのボーナス成立フラグ23c,23dがオンである場合に限って特別開始音コマンドが送信されるように構成する必要はなく、S41及びS43の処理を省略して始動演出の実行時における変動開始時には必ず特別開始音コマンドが送信されるようにしても良い。
【0103】
図9は、変動停止処理(S4)のフローチャートである。この変動停止処理(S4)では、ストップスイッチ9L,9M,9Rに対する停止操作に起因して、各リールL,M,Rの回転を、前記変動開始処理(S3)で選定された成立役に対応した停止位置で停止させるための処理である。また、始動演出の実行条件が成立している場合に限って1番目のリール停止時に特別の効果音の出力を行わせるための処理である。
【0104】
この変動停止処理(S4)では、まず、少なくとも1のリールL,M,Rが回転しているか否かを判断する(S51)。判断の結果、いずれのリールL,M,Rも停止していれば(S51:No)、図柄の変動開始待ちの状態であるので、この変動停止処理(S4)を終了する。一方、少なくとも1のリールL,M,Rの回転中であれば(S51:Yes)、図柄の変動中であるので、次に、回転中のリールL,M,Rに対していずれかの停止実行コマンドを入力振分基板Fより受信したか否かを判断する(S52)。
【0105】
ここで、入力振分基板Fは、図示しない制御により、ストップスイッチ9L,9M,9Rに対する停止操作の実行を示す1バイト目のデータと、いずれのストップスイッチ9L,9M,9Rに対する停止操作の実行であるかを示す2バイト目のデータとを送信する。本実施例における停止コマンドには、1バイト目のデータとして「C0h」が、2バイト目のデータとしては、左リールストップスイッチ9Lに対しては「00h」、中リールストップスイッチ9Mに対しては「01h」、右リールストップスイッチ9Rに対しては「02h」が入力振分基板Fの制御によってそれぞれ送信される。
【0106】
S52の処理において、停止実行コマンドを受信していなければ(S52:No)、遊技者によるストップスイッチ9L,9M,9Rに対する停止操作を待機している状態であるので、回転中のリールL,M,Rをそのまま回転させておくためにS53以降の処理をスキップして、変動停止処理(S4)を終了する。
【0107】
一方、回転中のいずれかのリールL,M,Rに対応した停止実行コマンドを受信していれば(S52:Yes)、遊技者によって回転中のリールL,M,Rに対応したストップスイッチ9L,9M,9Rが必要回数分停止操作されたタイミングである。この場合には、BB成立フラグ23c又はRB成立フラグ23dがオンか否かを判断し(S53)、いずれかのボーナス成立フラグ23c,23dがオンされていれば(S53:Yes)、同一のボーナス図柄を有効ライン6a〜6e上に揃わせるために、オンとなっているフラグ23c,23dに対応したボーナス成立テーブル22aに従って停止操作のあったリールを停止させ(S54)、処理をS61へ移行する。
【0108】
S53の処理において、BB成立フラグ23c又はRB成立フラグ23dがオンされていなければ(S53:No)、次に、リプレイ役を含むいずれかの小役成立フラグ23eがオンされているか否かを判断する(S55)。S55の処理において、いずれかの小役成立フラグ23eがオンされていれば(S55:Yes)、オンされている小役成立フラグ23eに対応した小役成立テーブル22bに従って停止操作のあったリールを停止させ(S56)、処理をS61へ移行する。一方、いずれの小役成立フラグ23eもオンされていなければ(S55:No)、最小移動ハズレテーブル22cに従って各リールL,M,Rを停止させ(S57)、処理をS61へ移行する。
【0109】
S61の処理では、停止操作されたリールが何番目のリール停止であるかを判断する(S61)。1番目のリール停止であると判断されると(S61:「1番目」)、停止演出フラグ23hがオンであるか否かを判断する(S62)。停止演出フラグ23hがオンであると判断されると(S62:Yes)、サブ制御基板Sへ拡大停止音コマンドを送信してから(S63)、停止演出フラグ23hをオフし(S64)、変動停止処理(S4)を終了する。一方、S62の処理において停止演出フラグ23hがオフであれば(S62:No)、S63及びS64の処理をスキップして変動停止処理(S4)を終了する。
【0110】
ここで、サブ制御基板Sは、拡大停止音コマンドを受信した場合には、停止操作のあったストップスイッチに対応したリールの変動を停止させるタイミングで、通常のリール停止時より大きな「ドーン」という効果音をスピーカ17により出力する。停止演出フラグ23hは、停止演出の実行条件が成立したゲームに限ってオンとされ、その回の変動における最初のリールを停止させるためにはいずれかのストップスイッチに対して3回の停止操作を必要とする。その3回の停止操作を行ったタイミングで「ドーン」の効果音を伴って図柄の変動が停止することで、遊技者にはスイッチの接触不良などの故障ではなく、特別の状態を示す演出(停止演出)の実行中であることを判りやすく認識させることができる。
【0111】
S61の処理において、2番目のリール停止であれば(S61:「2番目」)、S62〜S65の処理を行わずに、この変動停止処理(S4)を終了する。また、S61の処理において、3番目のリール停止であれば(S61:「第3番目」)、全てのリールL,M,Rが停止したタイミングであるので、ボーナス役や小役等の入賞判定およびその判定に基づく処理を行う入賞判定処理を実行してから(S65)、この変動停止処理(S4)を終了する。
【0112】
図10は、変動停止処理(S4)の中で実行される入賞判定処理(S65)のフローチャートである。入賞判定処理(S65)では、まず、ボーナス役(「BB」又は「RB」)の入賞か確認する(S71)。ボーナス役の入賞であれば(S71:Yes)、入賞したボーナス役に対応したデータを状態フラグ23aに書き込み(S72)、そのボーナス役に対応したボーナス成立フラグ(BB成立フラグ23c又はRB成立フラグ23dのいずれか)をオフする(S73)。その後、入賞役に対応した枚数のメダルを払い出すメダル払出処理を行ってから(S74)、小役成立フラグ23eをオフして(S75)、この入賞判定処理(S77)を終了する。一方、S71の処理において、ボーナス役の入賞でないことが確認された場合には(S71:No)、小役成立フラグ23eのオフのみを行って(S75)、入賞判定処理(S65)を終了する。
【0113】
ここで、S75の処理によって小役成立フラグ23eは各ゲーム毎にオフされる一方、ボーナス成立フラグ23c,23dはボーナス役の入賞がなければオフされることがない。これにより、ボーナス役の成立があった場合にボーナス役の入賞がなくてもボーナス役成立による価値の付与は次回のゲームに持ち越され、小役に比べて低確率で成立するボーナスゲームによる利益を遊技者が確実に享受できるようになっている。
【0114】
次に、図11から図13に示すフローチャートを参照して、入力振分基板Fにおいて実行される各処理について説明する。図11は、主制御基板Cから送信される各コマンドを受信するためのコマンド受信処理を示したフローチャートである。このコマンド受信処理は、主制御基板Cから制御用のコマンドを受信した場合に開始される割込処理によって行われる。
【0115】
コマンド受信処理では、まず、主制御基板Cから停止演出コマンドを受信したか否かを判断する(S101)。停止演出コマンドを受信していれば(S101:Yes)、停止演出フラグ33bをオンし(S102)、今回のゲームで停止演出を実行させることをRAM33に記憶する。更に、左・中・右押数カウンタ33c〜33eの各値を「0」クリアし(S103)、このコマンド受信処理を終了する。
【0116】
S101の処理において停止演出コマンドを受信していない場合には(S101:No)、変動開始コマンドを受信したか否かを判断する(S104)。変動開始コマンドを受信していれば(S104:Yes)、リールL,M,Rが回転して図柄の変動が開始されるタイミングであるので、時間計測カウンタ33aを「0」クリアし(S105)、変動開始からの経過時間を計測する。更に、スイッチランプ18L,18M,18Rを赤色で点灯させて(S106)、停止操作をしても変動が停止しない期間中であることをストップスイッチ9L,9M,9Rの赤色発光により示してから、このコマンド受信処理を終了する。
【0117】
S104の処理において変動開始コマンドを受信していないと判断された場合には(S104:No)、他のコマンドに対する処理を実行して(S107)、コマンド受信処理を終了する。
【0118】
図12は、入力振分基板Fで行われるメイン処理のフローチャートである。まず、RAMやI/O等の各値の初期化、及び、タイマ割込等の各割込の設定を行う等の初期化処理を実行し(S111)、その後にS112からS125に示す処理を所定時間毎(本実施例においては4ms毎)に繰り返し実行する。
【0119】
S112からS115の処理は、時間計測カウンタ33aの値を更新すると共に、変動開始から4.1秒経過したタイミングでスイッチランプを赤色から青色に変更させる処理である。まず、S112の処理において時間計測カウンタ33aの値が「1050」以上であるか否かを判断する(S112)。この時間計測カウンタ33aの値は、変動開始時に「0」クリアされているので、変動開始後の一定期間中は必ず時間計測カウンタの値は「1050」未満となっている。
【0120】
S112の処理において時間計測カウンタ33aの値が「1050」未満であると判断されると(S112:No)、時間計測カウンタ33aの値に「1」を加算し(S113)、その加算により時間計測カウンタ33aの値が「1050」以上となったかを判断する(S114)。その値が「1050」以上となっていなければ(S114:No)、処理をS116へ移行する。
【0121】
S116の処理では、ストップスイッチ9L,9M,9Rのオン信号を検知したか否かを判断し(S116)、オン信号を検知していなければ(S116:No)、前回のS112の処理の実行からの経過時間をチェックする(S125)。チェックの結果、前回のS112の処理の実行から所定時間(4ms)経過していれば(S125:Yes)、処理をS112へ移行する。一方、所定時間が経過していなければ(S125:No)、その経過があるまでS125の処理を繰り返す。
【0122】
S125の処理後には、S112以降の処理を繰り返し、S113の処理により時間計測カウンタ33aの値を加算し続ける。変動開始からS113の処理が1050回行われると、時間計測カウンタ33aの値は「1050」となり、S114の処理において時間計測カウンタ33aの値が「1050」以上と判断される(S114:Yes)。この場合には、変動開始時に赤色で点灯させたスイッチランプ18L,18M,18Rを青色点灯に切り替えて(S115)、停止操作により変動が停止する期間に切り替わったことをストップスイッチ9L,9M,9Rの青色発光により示してから、処理をS116へ移行する。
【0123】
S116からS124の処理では、ストップスイッチ9L,9M,9Rを常に監視し、そのオン信号を検知して遊技者による停止操作の実行を検出した場合にはその停止操作の実行時期に応じた処理を行わせる。これにより、停止操作が有効な期間中だけでなく、停止操作が無効に振り分けられる期間中においても遊技者による入力操作に応じた制御をスロットマシン1において行うことができる。
【0124】
S116の処理でストップスイッチ9L,9M,9Rのオン信号を検知したと判断されると(S116:Yes)、時間計測カウンタ33aの値が「1050」以上であるか否かを判断し(S117)、「1050」未満であれば(S117:No)、停止操作をしても変動が停止しない期間中の停止操作に基づいて押数カウンタ33c〜33eの値を更新する押数カウンタ更新処理を実行してから(S118)、処理をS125へ移行する。この押数カウンタ更新処理(S118)については、図13を参照して後述する。
【0125】
S117の処理において時間計測カウンタ33aの値が「1050」以上であると判断された場合には(S117:Yes)、図柄の変動開始後に4.1秒以上の時間が経過しているので、ストップスイッチ9L,9M,9Rに対して所定回数の停止操作があった場合に主制御基板Cへ停止実行コマンドを送信する必要がある。この場合には、停止演出フラグ33bがオンであるか否かを判断する(S119)。
【0126】
S119の処理において停止演出フラグ33bがオンでなければ(S119:No)、停止演出を実行させるゲームではないので、S118の処理においてオン信号を検知したストップスイッチ9L,9M,9Rに対応した停止実行コマンドを主制御基板Cへ送信する(S123)。主制御基板Cは、停止実行コマンドを受信すると、オン信号を検知したストップスイッチ9L,9M,9Rに対応したリールL,M,Rの回転を、上述した変動停止処理(図9参照)により確定停止させる。その後、オン信号を検知したストップスイッチ9L,9M,9Rに対応したスイッチランプ18L,18M,18Rを消灯して(S124)、処理をS117へ移行する。これにより、停止演出の実行条件が成立していないゲームにおいては、遊技者は、変動開始から4.1秒経過した後には、1回だけストップスイッチ9L,9M,9Rに対する停止操作を行うことにより、図柄の変動を停止させることができる。
【0127】
また、S119の処理において停止演出フラグ33bがオンであれば(S119:Yes)、オン信号を検知したストップスイッチに対応した押数カウンタの値に「1」を加算する(S120)。即ち、オン信号を検知したストップスイッチが左リールLに対応したストップスイッチ9Lであれば左押数カウンタ33cの値が加算され、中リールMに対応したストップスイッチ9Mであれば中押数カウンタ33dが、右リールRに対応したストップスイッチ9Rであれば右押数カウンタ33eの値がそれぞれ加算される。
【0128】
S121の処理では、S120の処理による加算後の押数カウンタの値が「3」以上となったか否かを判断する(S121)。「3」以上となっていなければ(S121:No)、停止演出としていずれかのストップスイッチ9L,9M,9Rに対する3回の停止操作が行われていないので、S123の停止実行コマンドを送信することなく、処理をS125へ移行する。これにより、停止演出の実行条件が成立して停止演出フラグ33bがオンとなったゲームにおいては、変動開始から4.1秒が経過して停止操作により変動が停止する期間中に遊技者がストップスイッチ9L,9M,9Rに対する停止操作を行っても、図柄の変動が継続する特別の状態が発生する。
【0129】
なお、停止演出を伴うゲームにおいても所定期間の経過後(例えば、変動開始から30秒経過した後や、1回目のストップスイッチに対する停止操作から10秒経過した後)には、ストップスイッチに対する3回の停止操作が行われていなくてもS123の処理を実行して図柄の変動を停止しても良い。
【0130】
S121の処理において、加算後の押数カウンタの値が「3」以上であると判断されると(S121:Yes)、停止演出フラグ33bをオフしてから(S122)、停止実行コマンドの送信と(S123)、スイッチランプ18L,18M,18Rの消灯とを行い(S124)、処理をS125へ移行する。S122の処理により停止演出フラグ33bがオフとなることで、次回以降のストップスイッチ9L,9M,9Rに対する停止操作に対しては毎回停止実行コマンドが主制御基板Cへ送信される。これにより、次に停止演出の実行条件が成立するまでは、1回のストップスイッチ9L,9M,9Rに対する停止操作によって図柄の変動を停止させることができる。
【0131】
図13は、入力振分基板Fのメイン処理の中で実行される押数カウンタ更新処理(S118)のフローチャートである。押数カウンタ更新処理(S118)は、停止操作をしても変動が停止しない期間中の停止操作に基づいて押数カウンタ33c〜33eの値を更新する処理である。この押数カウンタ更新処理(S118)は、停止操作をしても変動が停止しない変動開始から4.1秒が経過するまでの期間中に限って行われる(図12参照)。
【0132】
まず、停止演出フラグ33bがオンであるか否かを判断し(S131)、オンであれば(S131:Yes)、時間計測カウンタ33aの値が「500」以上であるか否かを判断し(S132)、その値が「500」以上であれば(S132:Yes)、図12に示すS116の処理でオン信号を検知したストップスイッチに対応した押数カウンタの値が「1」以上であるか否かを判断し(S133)、その押数カウンタの値が「1」以上でなければ(S133:No)、その値に「1」を加算する(S134)。
【0133】
一方、停止演出フラグ33bがオフであると判断された場合(S131:No)、時間計測カウンタ33aの値が「500」未満の場合(S132:No)、オン信号を検知したストップスイッチに対応した押数カウンタの値が「1」以上である場合のいずれか1つでも条件を満たせば、いずれの押数カウンタ33c〜33eの値を更新することなくこの押数カウンタ更新処理(S118)を終了する。
【0134】
このように、図13の押数カウンタ更新処理では、停止操作をしても変動が停止しない期間中においてストップスイッチ9L,9M,9Rのオン信号が検知された場合には、停止演出としての複数回の停止操作の1回として押数カウンタの値を更新する。よって、変動開始後に少しだけ早まって停止操作をしてしまった場合に遊技者が停止演出かもしれないと期待して遊技を行う場合に、その後に必要となる停止操作を2回とし、合計3回の停止操作による停止演出をより確実に実現することができる。
【0135】
また、S133の処理においては、時間計測カウンタ33aの値が「500」以上、即ち、変動開始後に5秒間が経過した後であるか否かを判断し、その経過時間が5秒より短い場合には、S135の処理による押数カウンタの値の更新を行わない。よって、停止演出が行われるゲームにおいて、変動開始から一定時間が経過した後におけるストップスイッチ9L,9M,9Rに対する停止操作に基づいて押数カウンタ33c〜33eの値を更新し、変動開始の直後に行われる停止操作により停止演出としての停止操作の回数が減少することを防止することができる。
【0136】
更に、S134の処理においては、オン信号を検知したストップスイッチに対応した押数カウンタの値が「1」以上でない場合、即ち「0」であるか否かを判断し、「0」である場合に限ってその押数カウンタの値に「1」を加算する。停止操作をしても変動が停止しない期間中に行われる停止操作により押数カウンタの値が「3」以上となっていると、停止演出の実行条件が成立したゲームであっても、変動開始から4.1秒経過した後の変動が停止する期間中の1回の停止操作で図柄の変動が停止してしまい、停止演出による遊技性を遊技者に提供できない。
【0137】
これに対し、スロットマシン1では、停止演出としての停止操作の回数が3回であるのに対して、停止操作をしても変動が停止しない期間中の停止操作により押数カウンタを更新する回数はその停止演出としての操作回数より少ない1回とされている。よって、変動開始から一定時間が経過した後の停止操作により変動が停止する期間中の停止操作において通常の状態における遊技と確実に差異を生じさせることができ、停止演出による遊技の興趣を遊技者に確実に付与することができる。なお、押数カウンタ更新処理(S118)は、複数回の停止操作による興趣演出の遊技性を遊技者に付与するために必ずしも必要となるものではなく、制御を簡易にするために省略しても良い。
【0138】
次に、上記したスロットマシン1における遊技内容について図1を主に参照して説明する。遊技者は、まず、3枚のメダルをメダル投入口10より投入するか、又はクレジットされたメダルをベットスイッチ11を押下してマックスベット状態としてからスタートレバー8を傾倒して始動操作を行う。
【0139】
マックスベット状態におけるスタートレバー8に対する始動操作は、主制御基板Cによって抽選条件の成立として検出され(図7、S11:Yes、S12:Yes)、乱数カウンタ23bを使用した成立役の抽選が行われた後、リールL,M,Rが回転して図柄の変動が開始される。
【0140】
図柄の変動開始から4.1秒が経過するまでには、停止操作をしても変動が停止しない期間がある。この期間の経過後に遊技者がストップスイッチ9L,9M,9Rを押下して停止操作を行うと、その操作に起因して主制御基板Cの変動停止処理(図9参照)によりステッピングモータ28によるリールの回転が停止させられ、図柄の変動が停止する。ストップスイッチ9L,9M,9Rに対する停止操作により、フロントパネル3の有効ライン6a〜6e上に停止する図柄は、主制御基板Cの停止位置決定テーブルにより乱数カウンタ23bによる成立役の抽選結果に基づいて制御され、いずれかの有効ライン6a〜6e上にボーナス役又は小役の入賞を示す図柄が停止すると、遊技者への遊技価値の付与としてメダルがメダル排出口14より払い出されたり、クレジットメダルの残数が加算される。
【0141】
ここで、マックスベット状態におけるスタートレバー8に対する始動操作時には、始動演出又は停止演出の実行抽選が行われる。具体的には、主制御基板Cの制御により、スタートレバー8に対しての始動操作によるスタートスイッチ8aのオン信号を検知した場合に(図7、S12:Yes)、成立役の抽選と共にその抽選によりボーナス役が成立したか否かに応じた別々の条件に基づいて始動演出の実行条件が成立したか否かが判断される。始動演出の実行条件が成立していないと判断されると、スタートレバー8に対する1回の始動操作が行われることを条件に図柄の変動が開始させられる。
【0142】
一方、始動演出の実行条件が成立していると判断されると、始動操作カウンタ23gに「2」が書き込まれ、図8に示す始動演出処理によりスタートレバー8に対する始動操作が合計3回行われることを条件に図柄の変動が開始させられる。始動演出の実行条件は、成立役の抽選結果に応じて切り替えられるので、図柄の変動開始に必要となるスタートレバー8に対しての始動操作の回数と成立役(本実施例においてはボーナス役の成立)とが対応したものとなる。
【0143】
始動演出の実行となった場合、遊技者は、マックスベット状態での1回目のスタートレバー8に対する始動操作により変動が開始しないことを認識する。このとき、遊技者は、スタートレバー8に対する始動操作をミスしたかと思い、2回目の始動操作を1回目より特に意識して実行する。それでも変動が開始されないことにより通常とは異なる状態であることを意識しつつ遊技者が3回目の始動操作を行うと、変動が開始される。変動の開始後には高確率でボーナス役の入賞となってメダルの払い出しが行われるので、遊技者は、自らの動作を繰り返したことが1種の興趣演出であったことを認識する。通常のゲームとは異なり自らの動作(始動操作)を繰り返すことを手掛かりにしてボーナス役の入賞を期待させるので、興趣演出の実行を見逃しにくくすることができる。
【0144】
また、始動演出として複数回の始動操作があることを知った遊技者は、1回目の始動操作の時点で、始動操作のミスなのか、或いは始動演出であってボーナス役の成立が期待できる始動演出を伴うゲームなのかを意識する。即ち、2回目の始動操作で変動が開始されなければ始動演出であってボーナス役の入賞が期待できるので、変動が開始されないことを願いつつ2回目の始動操作を行う。2回目の始動操作後においても変動が開始されなければ、始動演出を伴うゲームであることを確信し、ボーナス役の入賞を期待しながら最後の3回目の始動操作を行って遊技を開始する。逆に2回目の始動操作で変動が開始された場合には、始動演出を伴わないゲームであってボーナス役の入賞に対する期待が持てない通常のゲームであることを認識し、遊技者は落胆する。このように2回目の始動操作の直後に変動が開始されるか、開始されないかによって、ボーナス役の入賞に対しての遊技者の期待感は全く異なる。このため、2回目の始動操作は、その後に還元される利益を左右する緊張感の高まる時期となる。よって、遊技者にとって意識を集中した熱のこもるポイントを意図的に生じさせることができ、遊技の面白みが増すのである。
【0145】
特に、スタートレバー8に対して行う始動操作は、遊技をする上で毎回行うものであり、この始動操作の回数がボーナス役の成立に対応付けられて変化する。よって、遊技をする上での自らの動作の変化により通常の状態とは異なる特別の状態となっていることを遊技者に判りやすく示すことができ、遊技に不慣れな遊技者であっても興趣演出の実行を判りやすく認識することができるのである。
【0146】
また、スロットマシン1においては、上述したようにスタートレバー8に対する始動操作の回数を変化させる始動演出以外に、図柄の変動を停止させるストップスイッチ9L,9M,9Rに対する停止操作の回数を変化させる停止演出を実行する。停止演出の実行条件は、成立役がビッグボーナスである場合に限って成立するので、成立役と、ストップスイッチに対する停止操作の回数とが対応する。遊技者は、自らの動作の変化を伴う興趣演出(停止演出)によってビッグボーナスの成立を期待することができ、自らの動作の変化を手掛かりにして興趣演出の実行を判りやすく認識することができる。
【0147】
ここで、従来の遊技機において始動操作を行ってから通常時より長い時間の経過後に図柄の変動が開始される演出を行ってボーナス役等の成立を示唆するものが知られている。このため停止操作から通常時より長い時間の経過後に変動が停止する演出を行ってボーナス役等の成立を示唆するスロットマシンも容易に考えられる。しかし、停止操作は、遊技者が停止する図柄をタイミングで行うものであり、停止操作からの時間を長くすると遊技者の意図したタイミングとは全く別のタイミングで図柄が停止し、遊技者に1回のゲームが無駄に消費されたという不満感を抱かせ兼ねない。本実施例のスロットマシン1においては、停止操作を行っても変動が停止しない興趣演出により遊技者に再度の停止操作の機会を付与し、自らの停止操作によって変動を停止させることができるので、遊技者に無駄なゲームを行わせることなく停止操作による興趣演出の面白みを提供することができる。
【0148】
また、図柄の変動停止のためのストップスイッチ9L,9M,9Rに対する停止操作は、ボーナス役等の入賞を期待して遊技を行う遊技者が意識を最大限に高めて行うものであり、この停止操作の回数がボーナス役の成立に対応して変化する。この意識を高めた状態における停止操作が無効とされ、3回の停止操作を繰り返すことで変動が停止した回のゲームは遊技者に強く印象づけられ、通常の状態とは異なる状態であることを意識させることができる。その後には、役成立のあったボーナス役の入賞が確実に発生するので、遊技者には興趣演出の実行があったことを判りやすく認識させることができる。
【0149】
更に、入力振分基板Fは、停止演出を伴うゲームにおいては、図柄の変動後に3つのストップスイッチ9L,9M,9Rのいずれかに対して3回の停止操作が行われた場合に1のリールの変動を停止させるので、遊技者が3つのストップスイッチ9L,9M,9Rを順に連続して操作しても図柄の変動は継続される。よって、遊技者には、自らの停止操作が失敗して識別情報の変動が継続されているのではなく、スロットマシン1の制御による変動の継続であることを複数個のストップスイッチ9L,9M,9Rに対しての停止操作に対する反応によって繰り返して示すことができ、遊技に不慣れな遊技者でも興趣演出の実行を一層判り易く認識することができる。
【0150】
また、停止演出においては、入力振分基板Fによりストップスイッチ9L,9M,9Rのいずれかに対する3回の停止操作によって図柄の変動が停止させられる。このため、1回目の停止操作により変動が停止しないことを遊技者に認識させ、2回目の停止操作により遊技者に操作回数の増加を意識的に確認させ、その後に変動が継続した場合には最後の3回目の停止操作によってボーナス役の図柄を狙う遊技性を提供することができる。ここで、ボーナス役等の役成立を停止図柄により示すいわゆるリーチ目等においては、1回のゲームの停止図柄によりボーナス役の成立を確認させてその後に更なるメダルの投入を必要としてボーナス役の入賞が発生する。これに対し、スロットマシン1においては、1回のゲームの中で、ボーナス役の成立の確認と、ボーナス役を狙う遊技とを行わせることができるので、メダルの消費を伴う遊技者にとって無駄となってしまうゲームを少なくし、遊技者の不満感を軽減することができる。
【0151】
更に、スロットマシン1においては、入力振分基板Fは、図12に示すメイン処理により、通常のゲームにおいてはストップスイッチ9L,9M,9Rに対する1回の停止操作に基づいて主制御基板Cへ停止実行コマンドを送信し、停止演出フラグ33bがオンとなった停止演出を伴うゲームにおいてはストップスイッチ9L,9M,9Rに対する3回の停止操作に基づいて主制御基板へ停止実行コマンドを送信する。即ち、入力振分基板Fは、ストップスイッチ9L,9M,9Rに対する少なくとも2種以上の停止操作の回数に基づいて主制御基板Cへ停止実行コマンドを送信するので、主制御基板Cにおいては停止操作の回数を計数しなくとも、停止演出として図柄の変動停止に必要とする停止操作の回数を変化させることができる。よって、変動停止時における主制御基板Cの制御を簡略化して遊技価値の付与抽選や変動停止時の制御に新たな制御が入り混じって誤作動が発生することを防止することができる。
【0152】
ここで、本実施例においては、ストップスイッチ9L,9M,9Rに対して行われた停止操作の有効と無効との振り分けを入力振分基板Fにより制御するように構成したが、必ずしも入力振分基板Fを設ける必要はなく、主制御基板Cにストップスイッチ9L,9M,9Rを直接接続して主制御基板Cの制御により停止操作の有効と無効との振り分けを行わせても良い。また、本実施例においては停止操作の無効と有効との振り分けは、入力振分基板Fから主制御基板Cへ出力される停止実行コマンドの出力を停止演出を伴うゲームにおいて制限して行ったが、必ずしもコマンドの出力を制限して停止演出を行わせる必要はない。例えば、主制御基板Cとストップスイッチ9L,9M,9Rとの間に介在するリレー(継電器)を入力振分基板に設け、主制御基板Cとストップスイッチ9L,9M,9Rとを結ぶ回路の接点を入力振分基板により制御しても良い。即ち、該回路の接点を停止操作を有効にする通常時においては閉鎖し、停止操作を無効にするときには開放するようにしても良い。ストップスイッチ9L,9M,9Rに対する停止操作に対応した信号が少なくとも2種以上の入力操作回数に基づいて出力され、主制御基板Cの制御として信号入力のタイミングで図柄の変動を停止させるだけで図柄の変動停止に必要とする停止操作の回数を変化させることができる。
【0153】
また、本実施例においては、スタートレバー8とストップスイッチ9L,9M,9Rとにより複数回の入力操作により図柄の変動を開始又は停止させる興趣演出を実行するものであったが、いずれか一方、即ち、始動演出若しくは停止演出のいずれか一方を複数回の入力操作による興趣演出として行わせても良い。また始動演出および停止演出としての変動を開始又は停止させるために必要とする入力操作の回数は、3回に限定されず、2回或いは4回以上としても良い。
【0154】
なお、請求項1記載の遊技機及び後述する遊技機1における識別情報とは、上記実施例における「7」、「賽銭箱」、「水瓶」等の各図柄が該当する。また、請求項1記載の遊技機及び遊技機1における検出手段としては、スタートスイッチ8a並びにスタートスイッチ8aのオン信号の検知及びマックスベットを確認して役成立の抽選条件の成立か否かを判断する処理(図7のS11及びS12の処理)が該当する。また、抽選手段としては、上記実施例における乱数カウンタ23bとその乱数カウンタ23bの値に基づいて成立役を選定する変動開始処理における各処理(図7のS13からS15及びS18,S22の各処理)が該当する。また、停止制御手段としては、上記実施例における主制御基板CのROM22に設けられる各成立テーブル22a〜22cに基づいて各リールL,M,Rを停止させる変動停止処理(図9のS4の処理)を行う主制御基板Cが該当する。また、遊技価値付与手段としては、状態フラグ23aの状態に基づいて実行されるボーナスゲーム実行処理(図6のS7の処理)、メダル払出処理(図10のS77の処理)、及び、入賞役に応じてメダルの払出動作を行うホッパ駆動モータ29が該当する。
【0155】
また、請求項1記載の遊技機及び遊技機1における特別操作手段としては、上記実施例におけるスタートレバー8と、ストップスイッチ9L,9M,9Rとが該当する。特別操作手段としてのスタートレバー8に対する第1可変手段と第2可変手段と入力回数変化手段としては、上記実施例における主制御基板Cが該当し、特に第1可変手段としては、リールL,M,Rを始動させる図7のS20の処理が該当し、第2可変手段としては、2回目の始動操作が行われたタイミングでリールL,M,Rを始動させる図7のS25の処理が該当し、入力回数変化手段としては、主制御基板Cの始動演出フラグ23gと、その始動演出フラグ23gを成立役がボーナス役であるか否かに対応して別々の条件に従ってオンに切り替える各処理(図7のS19,S23,S24の各処理)が該当する。
【0156】
また、特別操作手段としてのストップスイッチ9L,9M,9Rに対する第1可変手段と第2可変手段と入力回数変化手段としては、上記実施例における主制御基板Cと入力振分基板Fとが該当し、特に第1可変手段としては入力振分基板Fにおいて停止演出フラグ33bがオフである場合に停止実行コマンドを主制御基板Cへ送信する図12のS118及びS123の処理並びにその停止実行コマンドに基づいて図柄の変動を停止させる図9の変動停止処理(S4)が該当し、第2可変手段としては入力振分基板Fにおいて停止演出フラグ33bがオンである場合に停止実行コマンドを主制御基板Cへ送信する図12のS119〜S121,S123の各処理並びに図9の変動停止処理(S4)が該当し、入力回数変化手段としては主制御基板Cにおける図7のS15及びS16の処理と、入力振分基板Fにおける停止演出フラグ33bと、入力振分基板Fにおける停止演出フラグ33bのオンオフを切り替える各処理(図11のS102及び図12のS122の各処理)とが該当する。
【0157】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
【0158】
例えば、上記実施例においては、乱数カウンタ23bの値に基づく抽選によるボーナス役の成立か否かに応じて図柄の変動を開始又は停止させるための入力操作の回数を変化させたが、必ずしも入力操作の回数を変化させるのはボーナス役の成立に応じるものとする必要はない。特定の小役(例えば、「チェリー」)が成立するゲームにおいて入力操作の回数を多くしても良く、「BB」又は「RB」の成立があった場合にその成立を記憶(ストック)する遊技機におけるその成立があったゲームにおいてその回数を多くしても良い。即ち、特別遊技へ遷移し得ること、又は、遷移する確率が高いこと等、通常とは異なる特別の状態となっている場合に通常時より高確率で図柄の変動を開始又は停止させるための入力回数を変化させるものであれば良い。
【0159】
また、上記実施例においては、遊技者の操作により図柄の変動開始又は変動停止とを行わせるように構成されていたが、図柄の変動の開始又は停止のいずれか一方を遊技者の操作を必要としないで主制御基板C等のスロットマシン1の制御のみに基づいて行わせても良い。
【0160】
更に、上記実施例においては、始動演出の実行条件が成立したゲームにおいては、3回の始動操作が行われなければ図柄の変動を開始させなかったが、必ずしも3回の始動操作を図柄の変動開始の条件とする必要はない。1回目の始動操作後に所定時間(本実施例においては10秒)が経過したか否かを判断する処理を(例えば、図8のS31とS32の間に)設けて、1回目の始動操作後に所定時間が経過したと判断された場合には、始動操作カウンタの値を「0」クリアすると共に図8のS39の処理へ移行し、スタートスイッチ8aのオン信号を検知しなくても各リールL,M,Rの始動と、変動開始コマンドの送信とを行わせても良い。1回目の始動操作後に所定時間が経過すると、スタートレバー8に対する始動操作が無くても各リールL,M,Rが始動して図柄の変動が開始されるので、再度の始動操作が待機中であることが判らない遊技者が遊技を行っていても、速やかに遊技を再開させることができる。
【0161】
また、上記実施例においては、停止演出を伴うゲームにおいては、いずれかのストップスイッチ9L,9M,9Rに対して3回の停止操作が行われることを条件に図柄の変動が停止するものであったが、予め選定されたストップスイッチに限って3回の停止操作が行われた場合にリールの回転を停止させて図柄の変動を停止させても良い。複数回の停止操作により図柄の変動を停止させる場合に、停止操作の繰り返しを必要とするリール(又はストップスイッチ)を限定することができる。
【0162】
また、停止演出を伴うゲームにおいては、ストップスイッチのうち一般に最初に停止操作を行い易いストップスイッチ、即ち、スタートレバー8に最も近い左側のストップスイッチ9Lに限って3回の停止操作が行われることを条件に図柄の変動が停止するようにしても良い。一般に遊技者が最初に停止操作を行い易いストップスイッチに対して所定回数の停止操作が行われた場合に識別情報の変動を停止させることにより、変動が継続された状態で遊技者に特別の状態となったことを示すと共に、その後に遊技者が停止を意図する識別情報を狙う機会を改めて付与することができる。よって、変動が停止した段階で特別の状態を示唆するいわゆるリーチ目等に比較して無駄な遊技の発生を少なくして無駄に遊技媒体を消費する不満感を軽減することができる。
【0163】
本発明を上記実施例とは異なるタイプの遊技機(パチンコ機)等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
【0164】
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄が特定図柄であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えたスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0165】
以下に本発明の遊技機および変形例を示す。遊技者によって入力操作が行われる操作手段と、複数の識別情報を可変表示する可変表示手段と、前記操作手段に対する入力操作に起因して前記可変表示手段による識別情報の変動開始又は変動停止の少なくとも一方を行わせる可変制御手段と、所定の抽選条件の成立を検出する検出手段と、その検出手段によって前記抽選条件の成立が検出された場合に抽選を行う抽選手段と、その抽選手段による抽選結果に基づいて前記可変表示手段の所定領域に停止させる識別情報を制御する停止制御手段と、その停止制御手段によって前記可変表示手段の所定領域に所定の識別情報を停止させた場合に所定の遊技価値を付与する遊技価値付与手段とを備えた遊技機において、前記可変制御手段は、前記操作手段を構成する特別操作手段に対して所定の入力操作が行われた場合に前記識別情報の変動を開始又は停止させる第1可変手段と、前記特別操作手段に対して前記所定の入力操作が少なくとも2回以上繰り返して行われた場合に前記識別情報の変動を開始又は停止させる第2可変手段と、前記抽選手段の抽選結果に応じて前記第1可変手段と前記第2可変手段とを切り替えて、前記識別情報の変動を開始又は停止させるための前記所定の入力操作の回数を変化させる入力回数変化手段とを備えていることを特徴とする遊技機1。
【0166】
ここで、遊技機1における「所定の入力操作」とは、必ずしも1回の入力操作のみを意味するものでなく、2回以上の入力操作(例えばボタンを2回押下する操作)をも含むものである。なお、遊技機1において、第1可変手段は特別操作手段に対して1回の入力操作が行われた場合に識別情報の変動を開始又は停止させるものとし、第2可変手段は特別操作手段に対して入力操作が少なくとも2回以上繰り返して行われた場合に識別情報の変動を開始又は停止させるものとすることが好ましい。抽選手段の抽選結果に応じて1回の入力操作と2回以上の入力操作とを切り替えることができ、通常の状態においては入力操作の回数を最小限に留めて簡易にしつつ、特別の状態は遊技者に判りやすく示すことができる。
【0167】
また、遊技機1において入力回数変化手段は、抽選手段の抽選結果が遊技者に所定の遊技価値が付与される抽選結果である場合に入力操作の回数が増加するように入力操作の回数を変化させることが好ましい。遊技者には所定の遊技価値の付与を入力操作の繰り返しと共に期待させることができ、自らの動作を繰り返すことで段階的に有利な遊技状態に近づく遊技性を付与することができる。
【0168】
また、遊技機1における「識別情報の変動を停止させる」とは、必ずしも可変表示手段により行われるすべての識別情報の変動を停止させる場合に限定されるものでなく、複数の識別情報からなる少なくとも2以上の識別情報列が可変表示手段により変動させられた状態における1の識別情報列の変動を停止させる場合をも含むものである。
【0169】
遊技機1において、前記特別操作手段に対する所定の入力操作に応じて更新される入力情報を記憶する記憶手段と、その記憶手段に記憶される入力情報を前記特別操作手段に対する前記所定の入力操作の実行に応じて更新する更新手段と、その更新手段により更新される入力情報に基づいて前記所定の入力操作が予め設定された少なくとも2回以上の所定回数行われたか否かを判断する回数判断手段とを備え、前記第2可変手段は、その回数判断手段により前記所定の入力操作が前記所定回数行われたと判断された場合に前記識別情報の変動を開始又は停止させるものであることを特徴とする遊技機2。
【0170】
遊技機2によれば、記憶手段に記憶される入力情報は、特別操作手段に対する入力操作の実行に応じて更新手段により更新されるので、その入力情報に基づいて特別操作手段に対する入力操作が所定回数繰り返して行われたか否かを判断することができる。よって、予め設定された所定回数の入力操作が行われたタイミングで第2可変手段により識別情報の変動を開始又は停止させることができ、入力操作の回数と所定の遊技価値の付与とが対応した興趣演出による遊技性を遊技者に提供することができる。
【0171】
なお、遊技機2における記憶手段と更新手段と回数判断手段とは、特別操作手段としてのスタートレバー8に対する記憶手段としては主制御基板Cの始動操作カウンタ23gが例示され、更新手段としては始動操作カウンタ23gの値を減して更新する処理(図8のS33の処理)が例示され、回数判断手段としては始動操作カウンタ23gの値が「1」以上か否かを判断する図8のS38の処理が例示される。また、特別操作手段としてのストップスイッチ9L,9M,9Rに対する記憶手段としては入力振分基板Fの左・中・右押数カウンタ33c〜33eが例示され、更新手段としては押数カウンタ33c〜33eの値を加算して更新する図12のS120の処理が例示され、回数判断手段としては加算後の押数カウンタ33c〜33eの値が「3」以上か否かを判断する図12のS121の処理が例示される。
【0172】
遊技機1又は2において、前記特別操作手段は、前記識別情報の変動を開始させるための始動操作が行われるものであることを特徴とする遊技機3。識別情報の変動を開始させるための始動操作は、変動開始の条件となっている遊技機においては遊技の回数分だけ行われるものであり、その操作方法に変化が生じたことは遊技者が認識しやすい。
【0173】
遊技機3によれば、識別情報の変動を開始させるための始動操作の回数が所定の遊技価値の付与に対応する。始動操作の回数変化は、遊技経験の少ない不慣れな遊技者であっても明確に認識することができるので、興趣演出の実行を遊技者に判りやすく示すことができる。
【0174】
遊技機3において、前記検出手段は、前記抽選条件の成立として前記識別情報の変動を開始させるための始動操作の実行を検出し、前記抽選手段は、その始動操作の実行を検出した時期に対応した抽選を行うものであって、前記第2可変手段により前記始動操作が少なくとも2回以上繰り返して行われた場合に前記識別情報の変動を開始させるとき、複数回の始動操作のうち2回目以降の始動操作の実行検出時期に対応した抽選結果を導出するものであることを特徴とする遊技機4。
【0175】
遊技機4によれば、2回目以降の始動操作の実行検出時期が抽選結果の導出に対応するので、最初の始動操作の実行検出時期のみに対応した抽選結果を導出する場合に比較して抽選方法を複雑化することができ、第2可変手段により複数回の始動操作を条件に識別情報の変動を開始させる遊技における抽選を多彩なものとすることができる。
【0176】
遊技機3において、前記検出手段は、前記抽選条件の成立として前記識別情報の変動を開始させるための始動操作の実行を検出し、前記抽選手段は、その始動操作の実行を検出した時期に対応した抽選を行うものであって、前記第2可変手段により前記始動操作が少なくとも2回以上繰り返して行われた場合に前記識別情報の変動を開始させるとき、複数回の始動操作のうち最初の始動操作の実行検出時期のみに対応した抽選結果を導出するものであることを特徴とする遊技機5。
【0177】
遊技機5によれば、最初の始動操作の実行検出時期のみが抽選結果の導出に対応する。このため、1回の始動操作により変動開始となる通常の遊技に対する抽選と、2回以上の始動操作により変動開始となる特別の遊技に対する抽選とが、共に前回の変動停止後における最初の始動操作の実行時期となる。よって、通常の遊技と特別の遊技とにおける抽選条件の差異を無くして抽選結果の公平さを保ちつつ、複数回の始動操作を条件に識別情報の変動を開始させる遊技性を提供することができる。また最初の始動操作の実行時期に対応した抽選方法は、従来の遊技機と同一であるので、従来の抽選方法を踏襲しつつ複数回の始動操作を条件に識別情報の変動を開始させる遊技性を提供することができる。
【0178】
遊技機1から5のいずれかにおいて、前記抽選手段の抽選結果に基づいて遊技状態を遊技者にとって有利な特別遊技状態へ遷移させる遊技状態変更手段を備え、前記入力回数変化手段は、その遊技状態変更手段により遊技状態が前記特別遊技状態へ遷移した後には、前記特別遊技状態へ遷移する前より前記第2可変手段を高確率で選択するものであることを特徴とする遊技機6。
【0179】
遊技機6によれば、遊技状態が特別遊技状態へ遷移した後には、遊技状態が特別遊技状態へ遷移する前より第2可変手段が高確率で選択される。このため、特別遊技状態へ遷移した後の遊技において、遊技者に所定の入力操作を繰り返し行わせて識別情報の変動を開始又は停止させることができる。従って、遊技者には、入力操作の繰り返しによって有利な遊技状態に対する期待感を高める遊技性を提供することができる。
【0180】
なお、遊技機6において、入力回数変化手段は、遊技状態が特別遊技状態へ遷移する前には第2可変手段を所定確率で選択するものとし、特別遊技状態へ遷移した後には所定確率より高確率で第2可変手段を選択するものとしても良い。遊技者は複数回の入力操作を繰り返しても有利な遊技状態への遷移を確信し得ず、特別遊技状態ではないことへの疑心を抱かせて遊技に対してのわくわく感を付与することができる。
【0181】
また、遊技機6及び後述する遊技機7における「特別遊技状態」とは、抽選手段による抽選結果に基づいて可変表示手段の所定領域に所定の識別情報が停止し得る状態、又は、抽選手段による抽選結果に基づいて可変表示手段の所定領域に所定の識別情報が停止し易い複数回の遊技で構成される特別遊技への遷移が確定した状態、若しくは、その特別遊技中の状態を意味し、上記実施例における特別遊技状態としてはボーナス成立フラグ23c,23dがオンされてボーナスゲームへの遷移が確定した状態が例示される。
【0182】
また、遊技機6及び後述する遊技機7における遊技状態変更手段としては、上記実施例における主制御基板Cが該当し、特に主制御基板CのRAMに設けられるボーナス成立フラグ23c,23dと、ボーナス成立フラグ23c,23dをオンする図7のS14及びS18の各処理とが例示される。
【0183】
遊技機6において、前記入力回数変化手段は、前記特別遊技状態へ遷移する前には前記第2可変手段を選択せず、前記遊技状態変更手段により遊技状態が前記特別遊技状態へ遷移した後に限って前記第2可変手段を選択するものであることを特徴とする遊技機7。
【0184】
遊技機7によれば、遊技状態が特別遊技状態へ遷移した後に限って第2可変手段が選択されるので、遊技者が特別操作手段に対する複数回の入力操作によって識別情報の変動を開始又は停止させたときには必ず特別遊技状態中となる。よって、遊技者には複数回の入力操作をすることで特別遊技状態への遷移を確信させる遊技性を付与することができ、特別の状態であることを一層判りやすく示すことができる。
【0185】
遊技機1から7のいずれかにおいて、前記入力回数変化手段によって前記第2可変手段が選択された場合には前記第1可変手段が選択された場合とは異なる特別情報を、前記特別操作手段に対する所定の入力操作に基づいて出力する出力手段を備えていることを特徴とする遊技機8。
【0186】
遊技機8によれば、第2可変手段が選択されて変動の開始又は停止に複数回の入力操作を必要とする場合には、所定の入力操作に基づいて特別情報が出力される。よって、入力操作の回数変化と所定の遊技価値の付与とが対応した興趣演出の実行を一層判りやすく遊技者に示すことができる。
【0187】
なお、出力手段としては、上記実施例におけるスピーカ17と、そのスピーカ17により拡大停止音を出力させる処理(図9のS53の処理)を行う主制御基板Cと、主制御基板Cの指示に基づいてスピーカの音声出力を制御するサブ制御基板Sとが例示される。また、出力手段は、特別情報としての音を出力するスピーカとそのスピーカにより出力される音の強さ、高さ、音色の少なくとも1つを入力操作の回数に応じて異ならせる音制御手段としても良く、又は、表示情報を出力するLCDやランプ等に代表される表示装置とその表示装置の表示態様を入力操作の回数に応じて異ならせる表示制御手段としても良い。また、遊技機8において、「最後の入力操作に基づいて出力する」とは、最後の入力操作に対応した所定のタイミングで出力することを意味しており、最後の入力操作と同時に出力することはもちろん、最後の入力操作から一定時間が経過した後に出力することをも意味している。
【0188】
遊技機8において、前記出力手段は、前記特別情報を、前記特別操作手段に対する2回以上の入力操作のうち前記識別情報の変動を開始又は停止させる最後の入力操作に基づいて出力するものであることを特徴とする遊技機9。
【0189】
遊技機9によれば、識別情報の変動開始又は変動停止に基づいて特別情報が出力されるので、遊技者には、入力操作の回数変化に伴って興趣演出の実行を意識させた状態で特別情報の出力を認識させることができる。よって、遊技者の期待感を高めた状態における特別情報の出力によって興趣演出の実行を更に判りやすく示すことができる。
【0190】
遊技機9において、前記最後の入力操作であるか否かを判断する操作判断手段を備え、その操作判断手段により前記最後の入力操作でないと判断された場合にはその入力操作に同期した遊技に関する情報を出力せず、前記操作判断手段により前記最後の入力操作であると判断された場合に限って前記出力手段により前記特別情報を遊技に関する情報として出力することを特徴とする遊技機10。
【0191】
遊技機10によれば、最後の入力操作でない場合には遊技に関する情報は出力されず、最後の入力操作に限って入力操作に同期した情報が出力される。よって、入力操作に対しての反応が無かった遊技機から変動開始又は変動停止に基づいて特別情報が出力されることとなり、特別情報の出力による遊技の興趣を一層引き立てることができる。なお、遊技機10における操作判断手段としては上記実施例における図8のS38の処理が例示される。
【0192】
遊技機1から10のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機11。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、可変表示手段において変動表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【0193】
遊技機1から10のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機12。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えばスタートレバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止され、その停止時の確定識別情報が予め定めた特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0194】
遊技機1から10のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機13。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定停止する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えばスタートレバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止され、その停止時の確定識別情報が予め定めた特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の変動開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
【0195】
遊技機1から13のいずれかにおいて、前記入力回数変化手段によって前記第2可変手段が選択された場合に所定時間が経過したか否かを判断する時間判断手段と、その時間判断手段により所定時間が経過したと判断された場合には前記所定の入力操作が予め設定された少なくとも2回以上の所定回数行われる前に前記第2可変手段に代えて前記識別情報の変動を開始又は停止させる第3可変手段を備えていることを特徴とする遊技機14。複数回の入力操作による興趣演出が実行される場合に遊技者が特別操作手段に対して1回の操作をしても識別情報の変動が開始又は停止しないと、遊技者が遊技機の故障と勘違いして遊技を辞めてしまうことが考えられる。この場合、大当たり等の遊技価値が付与される(又は付与され易い)状態を遊技者が放棄することもあり、遊技性を知らない遊技者には不測の不利益が生じ兼ねない。
【0196】
遊技機14によれば、第2可変手段が選択された場合に時間判断手段によって所定時間の経過と判断されると、第2可変手段に代えて第3可変手段により識別情報の変動が開始又は停止させられる。よって、第2可変手段が選択されて2回以上の所定回数の入力操作が待機された状態で遊技者が1回の操作だけをして遊技機の故障と勘違いしても、遊技者の操作を介さずに変動を開始又は停止させることができる。これにより遊技性を知らない遊技者が被る不利益を未然に抑制することができる。
【符号の説明】
【0197】
1 スロットマシン(遊技機)
6a〜6e 有効ライン(所定領域)
8 スタートレバー(操作手段の一部、特別操作手段)
8a スタートスイッチ(検出手段の一部)
9L,9M,9R ストップスイッチ(操作手段の一部、特別操作手段)
28 リール用ステッピングモータ(可変表示手段の一部)
29 ホッパ駆動モータ(遊技価値付与手段の一部)
C 主制御基板(抽選手段、可変制御手段の一部、停止制御手段)
F 入力振分基板(可変制御手段の一部)
L 左リール(可変表示手段の一部)
M 中リール(可変表示手段の一部)
R 右リール(可変表示手段の一部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者によって入力操作が行われる操作手段と、複数の識別情報を可変表示する可変表示手段と、前記操作手段に対する入力操作に起因して前記可変表示手段による識別情報の変動開始又は変動停止の少なくとも一方を行わせる可変制御手段と、所定の抽選条件の成立を検出する検出手段と、その検出手段によって前記抽選条件の成立が検出された場合に抽選を行う抽選手段と、その抽選手段による抽選結果に基づいて前記可変表示手段の所定領域に停止させる識別情報を制御する停止制御手段と、その停止制御手段によって前記可変表示手段の所定領域に所定の識別情報を停止させた場合に所定の遊技価値を付与する遊技価値付与手段とを備えた遊技機において、
前記可変制御手段は、前記操作手段を構成する特別操作手段に対して所定の入力操作が行われた場合に前記識別情報の変動を開始又は停止させる第1可変手段と、
前記特別操作手段に対して前記所定の入力操作が少なくとも2回以上繰り返して行われた場合に前記識別情報の変動を開始又は停止させる第2可変手段と、
前記抽選手段の抽選結果に応じて前記第1可変手段と前記第2可変手段とを切り替えて、前記識別情報の変動を開始又は停止させるための前記所定の入力操作の回数を変化させる入力回数変化手段とを備えていることを特徴とする遊技機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−13799(P2013−13799A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−234239(P2012−234239)
【出願日】平成24年10月24日(2012.10.24)
【分割の表示】特願2011−245439(P2011−245439)の分割
【原出願日】平成15年6月26日(2003.6.26)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】