説明

遊技機

【課題】画像表示装置による演出効果を高めることができ、遊技者に意外性を与え、演出により新たな期待感を持たせることが可能な遊技機を提供する。
【解決手段】演出実行決定手段及び特賞信号出力手段を有する主基板と、演出制御手段を有する周辺基板と、演出制御手段に従って特別遊技状態時における第1演出を実行する演出手段と、を備える遊技機であって、特賞信号出力手段は、特別遊技状態時における第2演出を実行するための、遊技機外に設置された遊技データ表示手段と接続可能であり、演出実行決定手段は、遊技機の特別遊技状態を終了させる所定条件が満たされる前に演出手段による第1演出を終了させる信号を、演出制御手段に出力するとともに、第1演出の終了に同期して遊技データ表示手段による第2演出を終了させる信号を、特賞信号出力手段に出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチスロ・パチンコ等の遊技機に関し、特に、遊技機の画像表示装置等の演出効果を高めることが可能な遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機としてパチスロ・パチンコなどが知られている。例えば、遊技機としてのパチスロは、メダルを投入し始動レバーを操作して、複数の図柄を各々有する複数の回胴を回転させた後、遊技者が停止ボタンを順次押すことにより回胴の回転を停止させたときの、図柄の揃い状態によって当たり又は外れが決定されるものである。尚、始動レバーの操作と同時に、遊技機の内部で抽選が実行されることにより当たり又は外れが決定され、遊技者の停止ボタンによる回胴の停止位置の制御は、その抽選結果に基づいて行われるようになっている。
【0003】
遊技機、例えばパチスロにおいては、遊技者の期待感を高揚すべく、表示装置による画像表示、スピーカからの音声出力、ランプ等のイルミネーション装置の点灯や点滅等によって、当選の報知その他の演出が行われている。
【0004】
また、遊技機の例えば上部に、該遊技機とは別体の遊技データ表示装置(データランプともいう。)が遊技機ごとに設けられて、その日の大当たりの回数を表示したり、大当たり中にランプの点滅等を行って、遊技機提供者や遊技者に、所定の情報乃至状態を通知・告知するようにしていることも多い。
【0005】
遊技中に大当たり(特賞、ボーナス)に当選すると、遊技機は、自身の画像表示装置やイルミネーション装置により遊技者に大当たりであることの演出を行い、スピーカから効果音等を鳴らして、遊技者の視覚、聴覚に訴えて演出効果を高めるようにしている。この時、遊技機とは別に設置されているデータランプも同時に、ランプの点滅等を行って大当たりであることの演出を行う。これにより、遊技者は大当たりであると確信でき、また、遊技者は、データランプによる特賞状態を報知する演出を見て、遊技機が特賞中であることを強く意識する。一方、大当たりの終了条件が、獲得メダル数により規定されている場合には、規定された獲得メダル数を超えたときには、遊技機の大当たり状態が解除され、通常遊技等に移行し、これに伴い、画像表示装置等の大当たりの演出も終了し、データランプの演出も終了する。
【0006】
また、遊技機には、特賞ではないが、遊技者をサポートし、当選確率を高めて大量の出玉が期待できる支援遊技を備えていることが多い。支援遊技には、例えば、アシストタイム、リプレイタイム、更には、アシストタイム及びリプレイタイムの両方を有するアシストリプレイタイム等が挙げられる。
【0007】
支援遊技では、遊技者に遊技者に有利な状態で、例えば、所定のゲーム数の遊技を行うことができる等の権利が与えられ、所定のゲーム数を消化されるまで、この遊技モードが維持される。この時、画像表示装置には、支援遊技の告知や演出が行われ、更には一例としてデータランプのランプも同時に点滅等により支援遊技中であることの演出を行うものもある。これにより、遊技者は、安心感をもってゲームを行うことができるが、遊技者にとってはかえって単調なゲームとなってしまう恐れもある。このため、支援遊技中であっても、遊技機の画像表示装置の演出内容を変化させて、遊技者に驚きを与える演出も行われている。例えば、遊技機の内部処理状態としては支援遊技状態であっても、敢えて画像表示装置の演出内容を変えたり、演出を停止したりすると、演出内容の変更、停止により、遊技者は、遊技機が支援遊技を終了したと感じることとなる。
【0008】
なお、遊技者の興味が失われることなく、遊技機の興趣を維持するため、現在の遊技状態を異なる利益内容の遊技状態に変更するタイミングと、現在の遊技状態に対応する利益条件演出パターンを、変更後の遊技状態に対応する利益条件演出パターンに変更するタイミングと、を異ならせるようにしたパチンコ遊技機が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2004−187939号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記の様に仮に、支援遊技中である場合に敢えて、画像表示装置が、支援遊技が終了したことの演出を行ったとしても、パチスロ・パチンコ等の遊技機に詳しい上級の遊技者であれば、そのような画像表示装置等の演出が遊技者自身の期待や予想と異なるときには、遊技機とは別体のデータランプによる報知状態を確認して、遊技機の真の遊技モードを判断することがある。上級の遊技者は、画像表示装置の演出に関しては、単なる演出であると認識し、一方、データランプの報知は、遊技機の遊技モードを忠実に反映されており、信頼できるものであると確信しているからである。
これは、データランプの処理は、遊技機に関する規則、規格等に基づいた動作を行うように定められたメイン制御部(主基板)からの信号によって制御されているため、データランプの演出の信号を出力するか否かは予め定めることが出来てもその他の具体的な演出の制御は制約され、結果的に遊技機の遊技モードを忠実に再現することに起因する。これに対して、画像表示装置等の処理は、サブ制御部(周辺基板)による演出制御に従っており、演出に関して遊技機に関する規則、規格等の制限を受けることなく、ある程度自由な演出が可能であるため、遊技モードを忠実に再現するものとは限らないという構成となっていることに基づく。従って、上級の遊技者であれば、データランプによる報知状態を確認することにより、遊技機が実際にいかなる状態(遊技中)であるかが確信できてしまうものであったため、遊技機の画像表示装置による演出効果が薄れてしまい、画像表示装置による演出が生かされなくなってしまう恐れがある。
【0011】
そこで本発明は、演出抽選によって画像表示装置による演出タイミングと、データランプによる消灯、点滅等の演出タイミングと、を合せることにより、画像表示装置による演出効果を高めることができ、どのような遊技者に対しても意外性を与えることができ、演出により新たな期待感を持たせることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る遊技機は、演出実行決定手段及び特賞信号出力手段を有する主基板と、演出制御手段を有する周辺基板と、前記演出制御手段に従って特別遊技状態時における第1演出を実行する演出手段と、を備える遊技機であって、前記特賞信号出力手段は、特別遊技状態時における第2演出を実行するための、前記遊技機外に設置された遊技データ表示手段と接続可能であり、前記演出実行決定手段は、前記遊技機の前記特別遊技状態を終了させる所定条件が満たされる前に前記演出手段による前記第1演出を終了させる信号を、前記演出制御手段に出力するとともに、前記第1演出の終了に同期して前記遊技データ表示手段による前記第2演出を終了させる信号を、前記特賞信号出力手段に出力することを特徴とする。
【0013】
本発明に係る遊技機は、前記特別遊技状態を開始した時に、前記演出実行決定手段は、前記演出制御手段へ前記第1演出の実行の信号を出力することにより、前記演出制御手段が前記演出手段に前記第1演出を実行させるとともに、前記演出実行決定手段は、前記特賞信号出力手段へ前記第2演出の実行の信号を出力することにより、前記特賞信号出力手段が前記遊技データ表示手段に前記第2演出を実行させることが可能であり、前記遊技機の前記特別遊技状態を終了させる前記所定条件が満たされる前に、前記演出実行決定手段は、前記第1演出を終了させる信号を前記演出制御手段へ出力するとともに、前記第2演出の終了の信号を前記特賞信号出力手段へ出力することにより、前記演出手段による前記第1演出と、前記遊技データ表示手段による前記第2演出と、が同期して終了することを特徴とする遊技機。
【0014】
本発明に係る遊技機は、前記演出手段による前記第1演出を終了してから前記遊技機の前記特別遊技状態を終了させる所定条件が満たされるまでの間に、前記演出実行決定手段は、前記演出制御手段へ前記第1演出とは異なる第3演出の実行の信号を出力することにより、前記演出制御手段が前記演出手段に前記第3演出を実行させるとともに、前記特賞信号出力手段へ前記第2演出とは異なる第4演出の実行の信号を出力することにより、前記特賞信号出力手段が前記遊技データ表示手段に前記第4演出を実行させることが可能であることを特徴とする。
【0015】
本発明に係る遊技機の前記特別遊技状態は、通常状態よりも遊技者に有利となる当選確率を適用して当選の成否を決定する状態である特賞状態、又は、通常状態よりもリプレイ可能となる確率が高い状態である遊技支援状態、のいずれかであることを特徴とする遊技機。
【0016】
本発明に係る遊技機の前記特別遊技状態は、通常状態よりも遊技者に有利となる当選確率を適用して当選の成否を決定する状態である特賞状態であって、前記遊技機が、通常状態よりもリプレイ可能となる確率が高い状態である遊技支援状態において開始された前記特賞状態にある場合に、前記演出実行決定手段は、前記特賞状態を終了させる所定条件が満たされる前に前記演出手段による前記第1演出を終了させる信号を、前記演出制御手段に出力するとともに、前記第1演出の終了に同期して前記遊技データ表示手段による前記第2演出を終了させる信号を、前記特賞信号出力手段に出力することを特徴とする。
【0017】
本発明に係る遊技機の前記遊技データ表示手段は、外部端子板を介して前記特賞信号出力手段と接続されて、前記第2演出をランプの点灯又は消灯により実行可能であり、前記演出手段は、前記遊技機と一体的に構成された、画像表示装置、スピーカ、又は、照明装置のうち、少なくとも1以上を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の遊技機は、演出抽選を行うことにより、画像表示装置及びデータランプの演出が消えたり、他の演出に変わったりと、従来の演出を期待していた遊技者自身の期待、予想と異なることがあり、遊技者に意外性を与え、演出により新たな期待感を持たせることが可能となる。
【0019】
また、画像表示装置による演出形態とデータランプによる演出形態とが一致することにより、画像表示装置による演出効果を高めることができる。
【0020】
また、支援遊技状態の演出を特賞の演出タイミングと類似させることにより、遊技者は、アシストリプレイタイム状態であってもビックボーナス等の特賞と同じ感覚で遊技を行うことができる。
【0021】
また、画像表示装置及びデータランプの演出が、遊技者自身の期待、予想と異なるため、遊技者に意外性を与え、また、演出内容を途中で変更することにより、遊技者に新たな期待感を持たせることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】遊技機の外観を示す図であり、(a)は、遊技機の正面図、(b)は、遊技機の一部拡大図を含む平面図、(c)は、遊技機の右側面図である。
【図2】遊技機の制御系を示すブロック図である。
【図3】データランプの外観を示す正面図である。
【図4】遊技機における制御手段の機能ブロック図である。
【図5】演出実行決定手段で使用する演出実行決定テーブルを示す図である。
【図6】サブ制御部に記憶されている演出データテーブルを示す図である。
【図7】遊技機における遊技に関するゲーム開始処理を示すフローチャートである。
【図8】遊技機における通常遊技処理を示すフローチャートである。
【図9】遊技機における特別遊技状態を示すフローチャートである。
【図10】(a)は、特賞状態処理におけるタイミングチャート、(b)は、支援遊技状態処理におけるタイミングチャートである。
【図11】遊技機における支援遊技処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して、本発明による遊技機を実施するための形態について説明する。尚、本発明の遊技機は、演出抽選によって演出内容を途中で変更することが可能となるように構成して、更に、画像表示装置による演出形態とデータランプによる演出とが一致するようにして、画像表示装置による演出効果を高めることができ、遊技者に意外性を与え、演出により新たな期待感を持たせることができるようにしたものである。
【0024】
図1は、遊技機の外観を示す図であり、(a)は、遊技機の正面図、(b)は、遊技機の一部拡大図を含む平面図、(c)は、遊技機の右側面図である。図1に示すように、遊技機1は、箱状に形成され、前面が開口したキャビネット2と、キャビネット2の開口した前面に開閉可能に取り付けられているドアベース3と、を備えている。遊技機1は、ドアベース3の前面部分が正面を成すように構成されている。
【0025】
遊技機1の前面に位置するドアベース3の上部には画像表示装置9、照明装置10(図2参照)及びスピーカ11(図2参照)が配されている。また、遊技機1のドアベース3における中段の上部には、表示窓が設けられている。この表示窓を介して、キャビネット2内部に収納されている複数の回胴の各外周面を見ることができるようになっている。回胴は、それぞれが回転可能に設けられている第1回胴32、第2回胴35及び第3回胴38からなり、それぞれの外周面には、複数の所定の図柄が付されている。表示窓からは、一例として第1回胴32、第2回胴35及び第3回胴38のそれぞれの3個の図柄を垂直方向に見ることができ、合計9個の図柄を目視することができるようになっている。
【0026】
ドアベース3の中段に位置し、前面に突起して設けられている卓の上面には、メダル投入口25、MAXBETボタン(マックスベットボタン)18、表示部28が備えられている。また、突起した卓の前面には、スタートレバー19、1BETボタン(1ベットボタン)17、精算ボタン20、第1回胴停止ボタン21、第2回胴停止ボタン22、第3回胴停止ボタン23、からなる複数のボタン及びレバーが配されている。また、ドアベース3の下部には、メダル払出口を備えたメダルトレイ43が設けられている。
【0027】
遊技機1の前面上部の中央に位置する画像表示装置9は、液晶モニターからなり、遊技者への画像等による演出表示、情報提示等を行うものである。また、画像表示装置9の左右の上部には、スピーカ11及び照明装置10が備えられている。尚、画像表示装置9、スピーカ11及び照明装置10は、演出手段を成すものである。また、演出手段は、画像表示装置9、スピーカ11、照明装置10のいずれかであってもよい。
【0028】
遊技機1のキャビネット2内部に設けられている回胴は、3個からなり、それぞれはリール状の形状を成し、回転自在な状態で横に配置されている。3個の回胴を順に第1回胴32、第2回胴35、第3回胴38とし、第1回胴32、第2回胴35及び第3回胴38は、それぞれが独立して回転可能であり、ステッピング(パルス)モータから成る各回胴駆動部(図2に示す第1回胴駆動部31、第2回胴駆動部34及び第3回胴駆動部37)により回転、停止が行われる。第1回胴32、第2回胴35及び第3回胴38のそれぞれの外周の表面には、複数(例えば、21個)の図柄が配置されており、図柄の種類は、10種類である。また、回胴の数は、3個以上設けるようにする。図1に示す遊技機1の回胴の数は、3個であるが、3個を超える回胴を設けるようにしてもよい。
【0029】
第1回胴32、第2回胴35及び第3回胴38が位置する表示窓には、遊技者が掛けたメダルの枚数(ベット数)に応じて回胴の図柄が有効となる並びである有効ラインが設定されている。
【0030】
後述する抽選処理により決定した当選役と、それに対応する回胴の図柄の組み合わせとが前もって規定されており、有効ライン上に所定の図柄の組み合わせが揃ったかを判断して、図柄の組み合わせが有効ライン上に揃ったときに当選と判定される。
【0031】
ドアベース3の中段に位置し、突起した卓の上面に設けられているメダル投入口25は、遊技開始前に所定枚数のメダルを投入するためのものであり、メダル投入口25に投入した後、スタートレバー19を操作すると、遊技が開始される。
【0032】
MAXBETボタン18は、遊技機1内部に貯留しているメダル3枚を自動的に投入して、3枚のメダルを1回のゲーム前に賭けるためのものである。このため、MAXBETボタン18を押すことにより、メダル投入口25から3枚のメダルを投入する必要がなくなる。
【0033】
表示部28には、メダルの枚数等を数字で表示する複数の表示器、及び、遊技機1の状態等を遊技者に知らせる複数のランプ(LED)が設けられており、メダルの投入枚数LED28d、投入可能LED28a、ウエイトLED28g、スタートLED28c、再遊技LED28b、払出枚数表示器28e、貯留メダル数表示器28fが配されている。遊技機1前面の中段に位置し、突起した卓の前面に設けられているスタートレバー19は、遊技開始時に操作して、各回胴の回転及び当選役の抽選の開始を行うものである。
【0034】
1BETボタン17は、遊技機1内部に貯留しているメダル1枚を自動的に投入して、1枚のメダルを1回のゲーム前に賭けるためのものである。1BETボタン17を押すことにより、メダル投入口25からメダルを1枚投入する必要がなくなる。また、2枚のメダルを賭ける場合には、更に1BETボタン17を押すようにする。
【0035】
精算ボタン20は、内部貯留(クレジット)されたメダルをメダル払出口からメダルトレイ43に払い出して精算するためのものである。
【0036】
遊技機1前面の中段に位置し、突起した卓の前面中央付近に設けられている第1回胴停止ボタン21は、第1回胴32の回転を停止させるためのものであり、同様に、第2回胴停止ボタン22は第2回胴35の回転を停止させ、第3回胴停止ボタン23は第3回胴38の回転を停止させるためのものである。それぞれの回胴停止ボタンは、回胴が一定速度を維持している状態で作動するようになっている。また、各回胴停止ボタンの内部には、ランプが内蔵されており、回胴停止ボタンの操作が可能な状態で、内蔵されているランプが点灯する。また、回胴停止ボタンが押されたときには、ランプは消灯して回胴停止ボタンの操作が受け付けられないようになっている。
【0037】
次に、遊技機の制御系の構成について図2を用いて説明する。図2は、遊技機の制御系を示すブロック図である。図2に示すように、遊技機1の制御系は、キャビネット2内部に収納されており、メイン制御部(主基板)6及びサブ制御部(周辺基板)7を有している。メイン制御部6は、コンピュータからなり、演算、遊技機1の制御等を行うCPU6aと、遊技機1の制御プログラム、遊技抽選用の抽選テーブル70(図4に示す)等を記憶したROM6bと、プログラムの作業領域、一時的にデータの記憶等を行う書き換え可能なRAM6cと、ボタン、スイッチ等からの入力、LED等への出力、回胴ユニット30等の駆動を行う入出力部6dと、を備えている。メイン制御部6は、抽選処理、回胴の制御等を行うものであり、遊技機に関する規則、規格等に基づいた動作を行うようになっている。
【0038】
サブ制御部7は、コンピュータからなり、演算、画像表示装置9の制御等を行うCPU7aと、画像表示装置9、照明装置10、スピーカ11の制御を行うプログラムを記憶したROM7bと、プログラムの作業領域、一時的にデータの記憶を行う書き換え可能なRAM7cと、画像表示装置9の駆動を行うVDP(Video Display Processor)7e、スピーカ11から音声、効果音を発生するための音源IC7f、照明等の駆動を行う入出力部7dと、を備えている。
【0039】
また、サブ制御部7には、画像表示装置9、照明装置10及びスピーカ11によって様々な演出を行うための、画像データ等からなる演出データ(図6参照)がROM7bに記憶されている。サブ制御部7は、メイン制御部6から出力される信号によって、内部に記憶している演出データから演出内容を決定して、演出内容に基づいて画像表示装置9、照明装置10及びスピーカ11の駆動を行うものである。例えば、画像表示装置9に、停止ボタンの押し順当の提示等を行って、遊技者を支援する演出を行う。尚、サブ制御部7は、画像表示装置9、照明装置10及びスピーカ11の演出を制御する演出制御手段65(図4参照)を有しており、演出制御手段65は、図2に示すサブ制御部7上のコンピュータにおけるCPU7aが、ROM7bに記憶されたプログラムを実行することにより機能するものである。尚、サブ制御部7は、演出用の制御を行うものであり、演出に関して遊技機に関する規則、規格等の制限を受けることがなく、このため、遊技機1は、サブ制御部7によって自由な演出が可能である。
【0040】
メイン制御部6は、図2に示すように、ドアベース3の前面に配された1BETボタン17、MAXBETボタン18、スタートレバー19、第1回胴停止ボタン21、第2回胴停止ボタン22、第3回胴停止ボタン23のON/OFF状態を、入出力部6dを介して読み出し可能に構成されている。
【0041】
また、表示部28の投入可能LED28a、再遊技LED28b、スタートLED28c、投入枚数LED28d、払出枚数表示器28e、ウエイトLED28gが入出力部6dを介して接続されており、メイン制御部6は、各LEDの点灯制御、各表示器に出力する数字の制御が行えるように構成されている。
【0042】
また、メダル投入口25に設けられているセレクター26の投入センサ26bからの信号を、入出力部6dを介して読み出し、投入されたメダルの枚数のカウント及び投入されたメダルが正規の物であるか等のチェックを行えるように構成されている。また、セレクター26のソレノイド26aは、規定枚数のメダルが投入されたとき、スタートレバー19が押された後にメダル投入口25を閉じるように動作して、メダルが投入されないようにするためのものである。
【0043】
電源ボックス29の設定キースイッチ29aは、遊技中の抽選における抽選テーブル70(図4に示す)の各役の当選確率に格差を設けて、設定毎の出玉率を変更して台毎の差別化を行うためのスイッチである。当選確率の設定は例えば最大6段階まで可能となっている。メイン制御部6は、入出力部6dを介して設定キースイッチ29aの設定値を読み出すことが可能となっている。電源ボックス29のリセットスイッチ29bは、遊技機1本体に、エラー等が発生した場合に、メイン制御部6のCPU6aの初期化を行うためのスイッチである。電源スイッチ29cは、遊技機1に電源を供給するためものである。
【0044】
外部中継端子14は、メイン制御部6と外部に設けられている遊技データ表示手段としてのデータランプ45とを接続する基板であり、メイン制御部6からの信号は、外部中継端子14を介してデータランプ45に出力される。
【0045】
ホッパーユニット40は、当選時にメダルを払い出すためのものであり、ホッパーモータ40aが起動し、払出センサ40bによって所定の枚数のメダルが払い出される。
【0046】
回胴ユニット30は、第1回胴32、第2回胴35及び第3回胴38をそれぞれ回転させるためのステッピングモータを備えた第1回胴駆動部31、第2回胴駆動部34、第3回胴駆動部37を有し、各回胴を独立して回転、停止することが可能となっている。また、第1回胴32、第2回胴35及び第3回胴38の各回胴の回転中の位置を検出するための第1回胴位置センサ33、第2回胴位置センサ36及び第3回胴位置センサ39、並びに、それぞれのセンサに対応するインデックス(図に示さず)が設けられている。例えば、回転中の第1回胴32の所定の位置を第1回胴位置センサ33で検出することにより、第1回胴位置センサ33で検出した第1回胴32の所定の位置(インデックスの位置)からステッピングモータを駆動したパルス数をカウントすることにより、第1回胴32の位置情報を得ることができる。同様に、第2回胴35及び第3回胴38についても、第2回胴位置センサ36及び第3回胴位置センサ39によりそれぞれの回胴の位置情報を得ることができる。
【0047】
次に、遊技機外に設けられているデータランプ45について説明する。遊技機の上部付近には、大当たり等の発生や遊技機の状態を表示するデータランプが設けられている。データランプ45は、遊技機1のメイン制御部6と外部中継端子14を介して接続することが可能であり、遊技機1が出力する各種の情報を処理し、数値、グラフ、電飾等によって各種の情報を表示するようになっている。
【0048】
図3は、データランプの外観を示す正面図である。図3に示すように、データランプ45の正面中央付近には、データ表示部45aが設けられており、データ表示部45aの左右には、操作部45bが配されている。また、データランプ45の操作部45bの両側には、ランプ部45cが設けられている。データランプ45のデータ表示部45aは、例えば、ビック(BIG)ボーナスに関する当日(本日)から3日前までの各日毎の発生回数、レギュラー(REG)ボーナスに関する本日から2日前までの各日毎の発生回数、ビックボーナス過去の最大発生回数、ゲーム数及びボーナス間のゲーム数の履歴等を表示するものである。また、操作部45bは、呼出ボタン、消去ボタン及び選択ボタンから成る。ランプ部45cは、内部にランプ、LED等の発光素子が内蔵されており、ビックボーナス等の特別遊技状態で点滅等の演出を行う。ランプ部45cは、後述する特賞信号のON/OFFの信号により制御される。尚、特賞信号は、遊技者にとって有利な特別遊技状態、例えば、ビックボーナス又はレギュラーボーナスである特賞状態中であることや、アシストリプレイタイム等の支援遊技状態の突入、を告知するための信号である。
【0049】
このように、データランプ45は、遊技機1の各種データを表示するとともに、遊技機1が特別遊技状態において、遊技者に特別遊技等の告知を行うものである。データランプ45によって、ビックボーナス等の特別遊技の情報が告知されるため、上級の遊技者は、データランプ45の点滅等の演出についても関心を示し、例えば、特賞中に、画像表示装置9が、遊技者の期待に反する演出を行ったときには、データランプ45による報知状態を確認して、遊技機1の真の遊技状態を判断することがある。これは、データランプ45は、メイン制御部6からの信号(特賞信号)によって制御されるため、遊技者が、データランプ45の告知は信頼できるものであると確信しているからである。
【0050】
次に、遊技機のメイン制御部による処理動作について図4を用いて説明する。図4は、遊技機1における制御手段50の機能ブロック図を示す。メイン制御部6は、遊技機1の制御手段50を成すものであり、制御手段50は、図2に示すメイン制御部6上のコンピュータにおけるCPU6aが、ROM6bに記憶されたプログラムを実行することにより機能するものである。
【0051】
図4に示すように、メダル受付手段51は、ゲーム(遊技)開始前のメダルの受付の処理を行うものであり、メダル投入口25からメダルが投入されたかを監視し、投入されたメダルの枚数のカウントを行うとともに、投入されたメダルが正規の物であるかのチェックも行う。また、メダル投入口25からのメダルの投入に代えて、MAXBETボタン18又は1BETボタン17が押されたかを監視し、賭けられたメダル枚数を記憶する。尚、本実施形態におけるメダルの受付処理では、3枚までのメダルを受け付けするようになっている。但し、メダルの受付可能な枚数は、ゲームの形態により決定され、1枚である場合があってもよい。
【0052】
遊技開始処理手段52は、ゲームの開始の処理を行うものであり、遊技者によってスタートレバー19が操作され、スタートレバー19がONされたことを確認して、ゲームの開始を行う。スタートレバー19が操作された後に、第1回胴32、第2回胴35及び第3回胴38を回転させるようにする。尚、前回のゲームでスタートレバー19がONしてから所定時間(4.1秒)が経過していることを確認して各回胴の回転を行うようにする。
【0053】
抽選手段53は、スタートレバー19によるゲーム開始後に、電子抽選を行って当選役を決定する処理を行ものである。当選役としては、一般的には、ビックボーナス(以後、BBと記す。)、レギュラーボーナス(以後、RBと記す)、リプレイ、小役、及び、ハズレを備えている。
【0054】
BBは、一般的なパチスロで、最も大きな当選役であり、BB中は、メダルを大量に獲得することができる。RBは、一般的なパチスロにおける当選役の一つであり、BBと比較して、約1/3の枚数のメダルを獲得することができる。リプレイ(再遊技)が当選したときには、メダルを投入すること無しに、次回のゲームを遊技する権利が与えられる。小役が当選したときには、予め定められている各種の図柄に応じたメダル数が払い出される。ハズレのときには、1回のゲームが終了して、遊技開始の状態に移行する。
【0055】
抽選手段53により決定された当選役は、フラグが立てられて、以後の回胴回転停止処理及び当選判定処理に使用される。電子抽選は、例えば、ランダムに発生する乱数を取得し、乱数値の範囲毎に、当選役又はハズレを記憶しているROM6bの抽選テーブル70にアクセスして、取得した乱数をポインターとして、該当する当選役又はハズレを決定する。
【0056】
なお、本発明において特別遊技状態とは、通常の遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態であって、より具体的には、BB及びRBのような特賞状態と、アシストリプレイタイム(以後、ARTと記す。)のような支援遊技状態と、が含まれる。
【0057】
ここで、ARTとは、通常状態よりもリプレイの当選頻度が高く設定されていることによって、通常状態よりもメダルを消費しにくい遊技状態である。
【0058】
回胴制御手段54は、回胴の回転の制御を行うものであり、回胴回転開始処理、回胴回転停止処理からなる。回胴回転開始処理は、回胴回転の開始の処理を行うものである。遊技者によってスタートレバー19が操作されると、回胴回転開始処理手段は、回胴ユニット30の第1回胴駆動部31、第2回胴駆動部34及び第3回胴駆動部37に対して各ステッピングモータの回転指示を発する。これにより、第1回胴32乃至第3回胴38が所定の回転方向に回転を始める。第1回胴駆動部31、第2回胴駆動部34及び第3回胴駆動部37は、第1回胴32乃至第3回胴38の各回胴が一定の回転の速さを維持するように制御する。また、回胴ユニット30は、第1回胴32、第2回胴35及び第3回胴38の各回胴が回転中に、各回胴に対応した位置センサがONしたことを通知する回胴位置信号を逐次出力する。
【0059】
回胴回転停止処理は、回胴の回転を停止させる処理を行うものである。回胴が一定の回転速度に達したときから回胴停止ボタンの操作が可能となり、回胴回転停止処理は、回胴停止ボタンが操作された後、0.19秒以内に該当する回胴を停止するように制御する。また、回胴ユニット30からの回胴位置センサの信号に基づいて、回胴のスベリ(回胴停止ボタンを押した箇所から実際に停止する箇所のズレ)が、停止した図柄を含めて4コマ以内となるように制御する。尚、回胴回転停止処理は、回胴停止ボタンが押された位置及び抽選処理での当選役又はハズレなどから判断して、回胴の停止位置を制御するようにする。
【0060】
図4に示す当選判定処理手段55は、抽選手段53で決定した当選役に対応した回胴の図柄が有効ライン上に揃った状態であるかを判定して、当選であるかを判定する当選判定処理を行ものである。当選判定処理でBB又はRBが作動したときには、特別遊技の権利が与えられ、以後、特別遊技状態に移行する。尚、BB又はRBの作動時には、メダルの払い出しは行われない。BB、RBの特別遊技は、遊技者にとってメダルを獲得するチャンスであり、BBは、獲得したメダル数が所定のメダル数を超えたときに終了する。また、RBは、遊技回数が所定遊技回数を超えたとき、又は、当選回数が所定当選回数を超えたとき、に終了する。また、当選判定処理でARTに突入したときには、メダルの払い出しは行われない。
【0061】
尚、当選判定処理手段55によって判定される特別遊技状態は、ARTのような支援遊技状態と、BB又はRBのような特賞状態である。
【0062】
遊技移行手段57は、当選判定処理手段55により決定した遊技状態に移行する処理を行うものであり、当選判定処理で、特別遊技状態としての特賞状態又は支援遊技状態、リプレイ(再遊技)のいずれかが当選したときには、それぞれ当選した役の状態に移行するようにする。また、遊技移行手段57は、当選判定処理で、小役又はハズレのときには、1回のゲームが終了して、ゲーム開始の状態に移行するようにする。
【0063】
メダル払出手段56は、メダルの払出の処理を行うものであり、当選判定処理により確定した当選毎に、前もって設定されているメダル数の払い出しを行う。
【0064】
演出実行決定手段58は、当選判定処理手段55における判定で決定した結果に応じて、画像表示装置9等の演出手段やデータランプ45における演出を実行するか否かを決定する処理を行うものである。演出実行決定手段58は、予め、BB、RB、ARTに応じて演出を実行するか否かを規定した演出実行決定テーブル71(図5参照)に基づいて、画像表示装置9等の演出手段やデータランプ45における演出を実行するか否かを決定する。
【0065】
図5は、演出実行決定テーブルを示す図である。図5に示すように、メイン制御部6に記憶されている演出実行決定テーブル71は、遊技状態に対して特賞信号のON/OFF及び演出実行番号が関連付けられている。遊技状態は、大きくBB、RB及びARTからなり、それぞれ、作動時、作動中、終了時に分類される。また、各遊技形態毎に特賞信号のON/OFF状態が記憶されている。このように演出実行決定手段58は、演出実行番号を特定でき、演出手段の演出形態、データランプ45の特賞信号のON/OFF状態を一義的に決定することができる。なお、各遊技状態が作動中において、特賞信号OFFとする場合を設けているのは、画像表示装置9等の演出手段やデータランプ45における現在の遊技状態を示す演出を敢えて終了させることで、遊技者の興味が失わせずに遊技機の興趣の維持を図るためである。
【0066】
図5に示すように、例えば、BBが作動した時は演出を実行する(特賞信号ON)ものとして演出実行番号が「1」として特定され、BBが終了する時は演出を実行しない(OFFする)ものとして演出実行番号が「4」として特定される。BB中に演出を実行するか否かは後述の演出抽選手段63による抽選結果に基づいて決定し、演出を実行する(ONする)場合は演出実行番号「2」、BB中に演出を実行しない(OFFする)場合は演出実行番号「3」として特定される。
【0067】
演出抽選手段63は、特別遊技状態(BB、RB、又は、ART)中に演出を実行するか(終了するか)否かを抽選により決定し、抽選結果を演出実行決定手段58に出力するものである。これにより、現状の演出の継続又は変更を決定し、演出変更のときには次の演出形態を決定する処理が行われる。本発明では特に、特賞信号のON/OFF状態を変更することによる、データランプ45における演出実行/演出なしの決定を行うことを目的とする。尚、演出抽選手段63は、支援遊技状態(ART)中においてRBが当選したときの演出抽選に限定するものではない。
【0068】
図5に示す演出実行決定テーブル71において、演出実行番号「1」及び「2」は演出の実行の信号であり、演出実行番号「3」及び「4」は演出を終了させる信号となる。RB及びARTについても同様である。演出実行決定手段58は、このように決定した演出を実行する信号又は演出を終了させる信号を、画像表示装置9等の演出手段及びデータランプ45に出力する。より具体的には、画像表示装置9等における演出を制御する演出制御手段65へは、前記の通り決定した演出実行番号を出力し、データランプ45における演出を制御する特賞信号出力手段62へは、特賞信号ON(演出の実行の信号)又は特賞信号OFF(演出を終了させる信号)を出力する。
【0069】
演出制御手段65は、抽選手段53による抽選結果、回胴制御手段54による制御結果、演出実行決定手段58から出力された演出実行番号、遊技移行手段57による移行処理、に応じて、画像表示装置9等の演出手段に対し所定内容の演出を行うこと又は行わないことを制御するものである。演出制御手段65は、抽選手段53による抽選結果、回胴制御手段54による制御結果、演出実行決定手段58から出力された演出実行番号、遊技移行手段57による移行処理、に応じて、いかなる内容の演出を画像表示装置9等が行うかを規定した演出データテーブル(図6参照)に基づいて、画像表示装置9等が行うべき演出内容に関する演出データを決定する。
【0070】
図6は、サブ制御部に記憶されている演出データテーブル72を示す図である。図6に示すように、演出データテーブル72は、演出実行決定テーブル71の演出決定番号に対応して、画像表示装置9、照明装置10、及びスピーカ11が行うべき各種の演出データが記憶されている。なお、図6に示す演出データテーブルは、演出実行決定手段58から出力された演出実行番号と、画像表示装置9等の演出手段が行うべき演出内容に関する演出データとの対応関係のみを簡易的に示しているが、更に、抽選手段53による抽選結果、回胴制御手段54による制御結果、遊技移行手段57による移行処理、とも対応して演出データが決定されるテーブルとして構成とする。演出データは、画像表示装置9、照明装置10、及びスピーカ11を駆動して、所定の演出を行う又は行わないためのデータであり、予め遊技状態毎に記憶されている。演出データは、画像表示装置9では様々な画像(静止画・動画いずれも含む。)の表示又は非表示のパターン、照明装置10では照明の点灯・点滅・消滅のパターン、スピーカ11では効果音・音声・音楽等の発信又は非発信のパターン、として予め任意に設定しておく。例えば、演出実行番号「1」は、BB作動時における演出データとして「A」が対応しており、演出データAは、画像表示装置9、照明装置10及びスピーカ11のそれぞれを所定の内容で演出を行うパターンが設定されている。また、例えば演出実行番号「3」は、BB中における演出データとして「C」が対応しており、演出データCは、画像表示装置9、照明装置10及びスピーカ11のそれぞれでの特段の演出を行わないパターンが設定されている。なお、特段の演出を行わないパターンとしては、画像表示、照明点灯、音声発信を総て完全にシャットダウンすることに限られず、特定の演出が終了したことが遊技者において理解されるような内容であれば足りる。
【0071】
このように、演出データA乃至Dは、それぞれ異なるパターンで、画像表示装置9での表示又は非表示、照明装置10での点灯・点滅・消滅、スピーカ11での発信又は非発信、が設定されている。図6では、演出実行決定手段58から出力された演出実行番号に対応して、A乃至Dの4種の演出データが決定されるテーブルを示しているが、更に抽選手段53による抽選結果、回胴制御手段54による制御結果、遊技移行手段57による移行処理、にも対応して、更に多様な演出データの中から決定されるテーブルとしてもよいことは言うまでもない。演出制御手段65は、演出データテーブル72に基づいて、演出実行決定手段58から出力された演出実行番号に対応する演出データを決定し、決定された演出データに従って、画像表示装置9等の演出手段を制御する。
【0072】
特賞信号出力手段62は、演出実行決定手段58からの特賞信号ON(演出の実行の信号)又は特賞信号OFF(演出を終了させる信号)を、外部中継端子14を介してデータランプ45に出力し、データランプ45のランプ部45cの点灯、点滅、消灯等を制御する。
【0073】
次に、本発明の遊技機における遊技に関する処理を図4乃至図11を用いて説明する。図7は、遊技機における遊技に関するゲーム開始処理を示すフローチャート、図8は、遊技機における通常遊技処理を示すフローチャート、図9は、遊技機における特別遊技状態を示すフローチャートである。図10(a)は、特賞状態におけるタイミングチャート、図10(b)は、支援遊技状態におけるタイミングチャートである。図11は、遊技機における支援遊技状態処理を示すフローチャートである。尚、以下に述べる処理は、支援遊技状態としてのARTに演出抽選処理を適用したものである。
【0074】
[ゲーム開始処理]
図7に示すように、最初に、図4に示す制御手段50は、前回の1回の遊技で再遊技(リプレイ)中であるか否かを判断して(ステップS1)、再遊技中である場合(ステップS1でYes)には、メダル受付手段51は、前回の遊技で使用した同数のメダルを自動で投入するようにメダル投入処理を行う(ステップS2)。その後ステップS3に移行する。尚、再遊技の判定は、後述する再遊技フラグが設定されているかをチェックして行う。再遊技フラグが設定されている場合には、メダルの自動投入後に再遊技フラグをクリアする。また、再遊技でない場合(ステップS1でNo)には、制御手段50は、メダル投入口25からメダルが投入されたかをチェックする(ステップS3)。メダルが投入された場合には、メダル受付手段51は、メダル投入処理を行う(ステップS4)。メダル投入処理は、投入されたメダルの枚数のカウント、メダルが正規品であるかの判断等を行い、規定枚数を越えるメダルがカウントされたときには、余分なメダルを払い出し、また、正規のメダルでないと判断したときには、外部へのエラー出力又は払い出し等の処置を行う。投入されたメダルは、ベット数(規定数)としてRAM6c(メモリ)に記憶する。また、投入したメダル数によって当選判定処理手段55における有効ラインが決定される。その後ステップS3に移行する。制御手段50は、メダル投入口25からメダルが投入されていないときには(ステップS3でNo)、スタートレバー19が操作されてON状態であるかをチェックする(ステップS5)。スタートレバー19がON状態(ステップS5でYes)のときには、所定のメダル数がベットされているかを確認後、図8に示す通常遊技処理に移行する。
【0075】
スタートレバー19がON状態でないとき(ステップS5でNo)には、MAXBETボタン18がON状態であるかをチェックする(ステップS6)。MAXBETボタン18がON状態のときには(ステップS6でYes)、メダル受付手段51は、貯留しているメダルから3枚のメダルの投入を指示するメダル投入処理を行う(ステップS7)。尚、1BETボタン17についても、MAXBETボタン18と同様の処理を行う。但し、投入されるメダルは1枚である。また、MAXBETボタン18等により指定したメダル数によって当選判定処理手段55における有効ラインが決定される。その後ステップS3に移行する。
【0076】
制御手段50は、MAXBETボタン18がON状態でないとき(ステップS6でNo)には、精算ボタン20がON状態であるかをチェックする(ステップS8)。精算ボタン20ボタンがON状態のときには(ステップS8でYes)、内部に貯留(クレジット)したメダルをメダルトレイに払い出す精算処理を行う(ステップS9)。その後ステップS3に移行する。
【0077】
次に、制御手段50は、電源ボックス29内の設定キースイッチ29aがON状態で、設定確認が可能状態かをチェックする(ステップS10)。設定キースイッチ29aがON状態の場合には(ステップS10でYes)、設定値確認処理を行う(ステップS11)。設定値確認処理は、遊技中の抽選における抽選テーブル70の各役の当選確率の設定を行う処理である。尚、この設定値確認処理は、遊技中は、実行されることはなく、遊技機の設置店の営業時間外で行うものである。設定値確認処理後にステップS3に移行する。また、設定キースイッチ29aがOFFの場合(ステップS10でNo)には、ステップS3に移行する。
【0078】
[通常遊技処理]
次に、図8を用いて、スタートレバーがON状態以後における通常遊技処理について説明する。図8に示すように、最初に、回胴制御手段54は、前回のスタートレバー19がONしたときから今回のスタートレバー19がONするまでの時間を計り、その時間が、所定の1遊技時間以上が経過したかをチェックする(ステップS20)。尚、所定の1遊技時間とは、前回のスタートレバー19がONしたときから今回のスタートレバー19がONするまでの最短時間であり、例えば、4.1秒とする。所定の1遊技時間が経過していない場合(ステップS20でNo)には、再度1遊技時間の経過をチェックする(ステップS20)。所定の1遊技時間以上が経過したことを確認後(ステップS20でYes)、第1回胴32乃至第3回胴38を同時に回転するようにステッピングモータを起動する(ステップS21)。
【0079】
次に、抽選手段53は、1回の遊技(ゲーム)ごとに予め決められた当選役及びハズレ役の中からいずれかを選び出す抽選処理を行う(ステップS22)。当選役は、小役、BBとRB、及び再遊技(リプレイ)である。抽選処理は、数字が0から順に1ずつ増加していき所定の数字まで増加後に0に戻る周期的に変化する数字の中からランダムに任意の数値を取り出して、前もって設定されている、数字と複数の当選役とハズレとを対応させた抽選テーブル70を参照して、当選役又はハズレ役の決定を行う。尚、内部抽選は、回胴を回転作動させたときから総ての回胴の回転の速度が一定となるまでの間に行うようにする。
【0080】
次に、回胴制御手段54は、第1回胴32乃至第3回胴38のすべての回胴の回転の速度が一定となり、回胴が停止可能かをチェックする(ステップS23)。回胴の回転の速度が一定状態でなく、回胴が停止可能でないとき(ステップS23でNo)には、回胴の回転の速度が一定になるまで待機する。第1回胴32乃至第3回胴38のすべての回胴の回転の速度が一定となった後(ステップS23でYes)、回胴停止ボタンに内蔵されたランプを点灯して(ステップS24)、遊技者に総ての回胴停止ボタンの操作が可能であることを通知する。遊技者は順次回胴停止ボタンを操作して、回胴を停止させるようにする。回胴制御手段54は、回胴停止ボタンを順に操作して、ONした回胴停止ボタンをチェックする(ステップS25)。どの回胴停止ボタンもON状態でないとき(ステップS25でNo)には、回胴停止ボタンがONするまで待機する。回胴停止ボタンがONとなった場合(ステップS25でYes)には、ONとなった回胴停止ボタンに対応する回胴を停止するように回胴停止処理を行う(ステップS26)。回胴停止処理は、抽選により決定している当選役又はハズレ役に応じて、停止した図柄を含めて最大4コマの範囲内に回胴が停止するように制御する。また、ONした回胴停止ボタンのランプを消灯する。また、回転中の回胴があるかをチェックして(ステップS27)、回転中の回胴があるとき(ステップS27でYes)には、ステップS23へ移行して、総ての回胴が回転を停止したことを確認する。
【0081】
総ての回胴の回転動作が停止したことを確認後、当選判定処理手段55により当選判定処理を行う(ステップS28)。当選判定処理は、抽選手段53による抽選処理で決定している当選役又はハズレ役と、有効ライン上に位置する図柄との比較を行い、当選役が有効ライン上に表示されているかを判定する処理である。最初に、ステップS23の抽選処理でハズレ役であるかをチェックして(ステップS29)、ハズレ役の場合(ステップS29でYes)には、有効ライン上の図柄に関係なく、ハズレとして処理する。次に、ステップS23の抽選処理で当選役が再遊技であり、再遊技の図柄が有効ライン上に表示さているかをチェックする(ステップS30)。再遊技の図柄が有効ライン上に表示されているとき(ステップS30でYes)には、遊技移行手段57は、再遊技モードに移行すべく再遊技フラグをセットする(ステップS31)。
【0082】
また、図柄抽選で当選役がBB、RBから成る大役であって、BB又はRBの図柄が有効ライン上に表示されているかをチェックし(ステップS32)、特別遊技状態に移行すべく当選したBB又はRBのフラグ等をセットする(ステップS33)。また、特別遊技の作動に必要な処理を行う。尚、BB又はRBの作動時には、メダルの払い出しは行われない。
【0083】
また、ステップS32でNoの場合には、図柄抽選で当選役が小役であり、小役の図柄が有効ライン上に表示されている場合であり、メダル払出手段56は、小役毎に前もって規定されているメダル枚数を払い出すようにする(ステップS34)。その後、特別遊技状態に移行する。
【0084】
[特別遊技状態処理]
以下の特別遊技状態におけるフローチャートでは、有効ラインのいずれかにBB図柄の組合せが表示されたことによってBBが当選した及びBB中の遊技状態について、図9及び図10(a)を用いて述べる。図9は、遊技機における特別遊技状態での特賞信号処理を示すフローチャートであり、図10(a)は、特賞状態におけるタイミングチャートである。図9に示すように、当選判定処理(ステップS28)でBB図柄が表示されて、BBが当選したかをチェックする(ステップS40)。BBが当選したときには(ステップS40でYes)、演出実行決定手段58は、BB作動時に対応する演出実行番号をサブ制御部7の演出制御手段65に出力する。演出実行決定手段58から演出制御手段65に出力する演出実行番号は、図5の演出実行決定テーブル71に示す例では、演出実行番号「1」である。演出制御手段65は、演出実行番号に応じて記憶されている演出データテーブル72(図6参照)から、演出実行番号に対応する演出データを読み出して、読み出した演出データに基づいて、演出手段としての画像表示装置9、照明装置10、スピーカ11を制御する。これにより、画像表示装置9には演出用の画像が表示され、スピーカ11から効果音等が発せられる。
【0085】
また、演出実行決定手段58は、演出実行決定テーブル71における演出実行番号「1」に対応する特賞信号(ON)を読み出して特賞信号出力手段62に出力し、特賞信号出力手段62は、データランプ45に特賞信号ONを出力する(ステップS41)。特賞信号は、外部中継端子14を介してデータランプ45に出力される。これにより、データランプ45は、特賞信号ONの信号を受信して、ランプ部45cの点灯や点滅等を行う。また、特賞信号のON/OFF状態をRAM6cに記憶しておくようにする。その後ステップS1のゲーム開始処理へ移行する。
【0086】
ここで、ステップS41における処理のタイミングチャートについて、図10(a)を参照して説明する。図10(a)において、t1でBBが当選し、遊技機は、BBを作動する。このとき、演出実行決定手段58からサブ制御部7に演出実行番号「1」が出力されて、サブ制御部7は、演出実行番号「1」に対応した演出データAに基づいて演出制御を行う。この状態を、図10(a)の演出の欄では、Aで示している。また、特賞信号がON状態となる。
【0087】
次に、BB図柄が表示されていない、即ち、BBが当選しないとき(ステップS40でNo)には、BB中であるかを判断して(ステップS42)、BB中でない場合(ステップS42でNo)には、図11に示す支援遊技状態処理に移行する。BB中の場合(ステップS42でYes)には、当選判定処理でRBが当選しているかをチェックする(ステップS43)。RBが当選している場合(ステップS43でYes)には、BB中でのRB作動となる(ステップS44)。RB作動時には、演出実行決定手段58は、当選判定処理手段55における判定で確定したRBに対応した演出実行番号を、演出制御手段65としてのサブ制御部7に出力する。演出実行決定手段58からサブ制御部7に出力する演出実行番号は、図5の演出実行決定テーブル71に示す例では演出実行番号「5」である。サブ制御部7は、演出実行番号に応じて記憶されている演出データテーブル72から演出データを読み出して、読み出した演出データに基づいて、演出手段としての画像表示装置9、照明装置10、スピーカ11を制御する。これにより、画像表示装置9には演出用の画像が表示され、スピーカ11から効果音等が発せられる。
【0088】
また、演出実行決定手段58は、演出実行決定テーブル71における演出実行番号「5」に対応する特賞信号(ON)を読み出して特賞信号出力手段62に出力し、特賞信号出力手段62は、データランプ45に特賞信号ONを出力する(ステップS45)。特賞信号は、外部中継端子14を介してデータランプ45に出力される。これにより、データランプ45は、特賞信号ONの信号を受信して、ランプ部45cが点灯や点滅等を行う。また、特賞信号のON/OFF状態をRAM6cに記憶しておくようにする。
【0089】
これにより、画像表示装置9、スピーカ11等による演出は、BBの演出形態からRBの演出形態に変更される。また、データランプ45のランプ部の制御がBBの演出形態からRBの演出形態に変更される。その後ステップS46に移行する。
【0090】
ここで、ステップS45における処理のタイミングチャートについて、図10(a)を参照して説明する。図10(a)において、BB中にt2又はt3でRBが作動し、遊技機は、BB中のRBモードとなる。このとき、演出実行決定手段58から演出実行番号「5」が出力されて、サブ制御部7は、演出実行番号「5」に対応した演出データ「D」に基づいて演出制御を行う。この状態を図10(a)の演出の欄では「D」で示している。また、特賞信号が再度ON状態となる。
【0091】
次に、RBが当選していない場合(ステップS43でNo)又はステップS45の特賞信号を出力後は、BB中で払い出したメダル数が規定数に達したかを確認して、BBが終了したかをチェックする(ステップS46)。メダル数が規定数に達したときには、演出実行決定手段58は、BBの演出中の場合には演出停止の演出実行番号「4」をサブ制御部7に出力し、また、RBの演出中の場合には演出停止の演出実行番号「8」をサブ制御部7に出力する(ステップS47)。これにより、演出制御手段65は、画像表示装置9、スピーカ11等の演出を終了するように制御する。また、演出実行決定手段58は、演出実行番号「4」又は演出実行番号「8」に対応する特賞信号(OFF)を読み出して特賞信号出力手段62に出力し、特賞信号出力手段62は、データランプ45に特賞信号OFFを出力する(ステップS47)。これによりランプ部45cは消灯し、BBの告知を終了する。
【0092】
ここで、ステップS47における処理のタイミングチャートについて、図10(a)を参照して説明する。図10(a)において、t4でRBが終了する。このとき、演出実行決定手段58からサブ制御部7に演出実行番号「8」が出力されて、サブ制御部7は、演出制御を停止する。また、特賞信号がOFF状態となる。
【0093】
以上述べた発明の遊技機におけるRBの終了の処理について説明したが、本発明は、遊技機におけるBBの終了の処理についても同様に適用することができる。
【0094】
[支援遊技状態処理]
以下の支援遊技状態処理におけるフローチャートでは、有効ラインのいずれかにARTを開始する図柄の組合せが表示されたことによってARTに突入する遊技状態について、図11及び図10(b)を用いて説明する。図11は、遊技機における支援遊技状態での特賞信号処理を示すフローチャート、図10(b)は、支援遊技状態におけるタイミングチャートである。ステップS42(図9参照)でBB中ではないと判定された後、図11に示すように、ART図柄が表示されたか否か(ART突入の有無)をチェックする(ステップS60)。今回の1ゲームでARTに突入したときには、演出実行決定手段58は、ARTに対応した演出実行番号をサブ制御部7に出力する(ステップS61)。演出実行決定手段58からサブ制御部7に出力する演出実行番号は、図5の演出実行決定テーブル71に示す例では、演出実行番号「9」である。サブ制御部7は、演出データテーブル72に基づき、演出実行番号「9」に対応する演出データ「A」を読み出して、読み出した演出データ「A」に基づいて、演出手段としての画像表示装置9、スピーカ11等を制御する。これにより、画像表示装置9には演出用の画像が表示され、スピーカ11から効果音等が発せられる。
【0095】
また、演出実行決定手段58は、演出実行決定テーブル71の演出実行番号「9」に対応する特賞信号(ON)を読み出して特賞信号出力手段62に出力し、特賞信号出力手段62は、データランプ45に特賞信号ONを出力する(ステップS61)。特賞信号は、外部中継端子14を介してデータランプ45に出力される。これにより、データランプ45は、特賞信号ONの信号を受信して、ランプ部45cの点灯や点滅等を行う。また、特賞信号のON/OFF状態をRAM6cに記憶しておくようにする。その後ステップS1のゲーム開始処理へ移行する。
【0096】
ここで、ステップS61における処理のタイミングチャートについて、図10(b)を参照して説明する。図10(b)において、t6でART図柄が表示されて、遊技機は、ART突入となる。このとき、演出実行決定手段58からサブ制御部7に演出実行番号「9」が出力されて、サブ制御部7は、演出データテーブル72の演出実行番号「9」に対応した演出データ「A」に基づいて演出を行う。この状態を図10(b)の演出の欄では「A」と示す。また、特賞信号がON状態となる。
【0097】
次に、ART図柄が表示されていない場合(ステップS60でNo)には、特賞信号がONしているかをチェックする(ステップS62)。特賞信号がONでない場合(ステップS62でNo)には、ステップS1のゲーム開始処理へ移行する。特賞信号がONである場合(ステップS62でYes)には、RBが当選したかをチェックする(ステップS63)。RBが当選した場合(ステップS63でYes)には、RBが動作し(ステップS64)、演出実行決定手段58は、RBに対応した演出実行番号をサブ制御部7に出力する(ステップS65)。演出実行決定手段58からサブ制御部7に出力する演出実行番号は、図5の演出実行決定テーブル71に示す例では、演出実行番号「5」である。サブ制御部7は、演出データテーブル72に基づいて演出実行番号「5」に対応する演出データAを読み出して、読み出した演出データAに基づいて演出手段としての画像表示装置9、スピーカ11等を制御するようにする。これにより、画像表示装置9には演出用の画像が表示され、スピーカ11から効果音等が発せられる。
【0098】
また、演出実行決定手段58は、演出実行決定テーブル71における演出実行番号「5」における特賞信号(ON)を読み出して特賞信号出力手段62に出力し、特賞信号出力手段62は、データランプ45に特賞信号ONを出力する(ステップS65)。特賞信号は、外部中継端子14を介してデータランプ45に出力される。これにより、データランプ45は、特賞信号ONの信号を受信して、ランプ部45cの点灯や点滅等を行う。また、特賞信号のON/OFF状態をRAM6cに記憶しておくようにする。これにより、画像表示装置9、スピーカ11による演出は、ARTの演出形態からRBの演出形態に変更される。また、データランプ45のランプ部の点滅制御がARTの演出形態からRBの演出形態に変更される。その後ステップS1のゲーム開始処理に移行する。
【0099】
ここで、ステップS65における処理のタイミングチャートについて、図10(b)を参照して説明する。図10(b)において、ART中のt7でRBが当選し、遊技機は、ART中のRBモードとなる。このとき、演出実行決定手段58からサブ制御部7に演出実行番号「5」が出力されて、サブ制御部7は、演出データテーブル72の演出実行番号「5」に対応した演出データ「A」に基づいて演出制御を行う。この状態を図10(b)の演出の欄では「A」と示す。また、特賞信号が再度ON状態となる。
【0100】
RBが当選していない場合(ステップS63でNo)には、RB中であるかをチェックする(ステップS66)。RB中でない場合(ステップS66でNo)には、ステップS70に移行する。RB中の場合(ステップS66でYes)には、演出抽選手段63は、演出のための演出抽選を行う(ステップS67)。演出抽選は、演出実行決定テーブル71において、RB中用に割り当てられた演出実行番号(図5に示す例では「6」及び「7」)の中からランダムに演出実行番号を抽選して、抽選で得られた演出実行番号を演出実行決定手段58に出力する。なお、上記例では、RB中において特賞信号をON又はOFFとする演出実行番号を抽選する例を示しているが、同様に、BB中やART中において特賞信号をON又はOFFする演出実行番号(図5に示す例では「2」及び「3」並びに「10」及び「11」)を抽選することも可能である。このように、BB中、RB中、ART中に、特賞信号をOFFしてデータランプ45における現在の遊技状態を示す演出を敢えて終了させる場合を設けることで、遊技者の興味が失わせずに遊技機の興趣の維持を図ることができる。
【0101】
演出実行決定手段58は、演出抽選前の演出実行番号と演出抽選後の演出実行番号とを比較して、演出の変更が必要かを判断する(ステップS68)。例えば、ステップS67の演出抽選前の演出実行番号が「5」であり、演出抽選前まで演出実行番号「5」(特賞信号ON)に基づいた演出が行われていた状況で、ステップS67の演出抽選の結果、演出実行番号「7」(特賞信号OFF)が選択された場合には演出内容が変更されるが、ステップS67の演出抽選の結果、演出実行番号「6」(特賞信号ON)が選択された場合には、演出は変更されることがなく、現状の演出を継続する。
【0102】
演出を変更するとき(ステップS68でYes)には、演出実行決定手段58は、演出抽選手段63で決定した演出実行番号をサブ制御部7に出力する。また、演出実行決定手段58は、演出実行決定テーブル71に基づいて演出実行番号に対応する特賞信号を読み出して特賞信号出力手段62に出力し、特賞信号出力手段62は、データランプ45に特賞信号を出力する(ステップS69)。尚、この時点で、ARTモードは、継続しており、また、RBも継続状態となっている。また、演出を変更しないとき(ステップS68でNo)には、ステップS70に移行する。
【0103】
ここで、ステップS67からステップS69における処理のタイミングチャートについて、図10(b)を参照して説明する。図10(b)において、ART中のRB中に、t8で演出抽選を行う(ステップS67)。演出実行番号「6」が選択されたときには、演出実行決定手段58からサブ制御部7に演出実行番号「6」が出力されて、サブ制御部7は、演出データテーブル72に基づいて演出実行番号「6」に対応した演出データ「B」を演出制御手段65に出力し、演出制御手段65は演出データ「B」に基づいて演出を行う。この状態を図10(b)の演出の欄では「B」と示す。これにより、画像表示装置9等での演出内容は「A」から「B」に変化するが、特賞信号は引き続きON状態であるのでデータランプ45での演出は継続される。また、t9で演出抽選を行い、演出実行番号「6」が選択されたときには、演出実行決定手段58からサブ制御部7に演出実行番号「6」が出力されて、サブ制御部7は、演出データテーブル72に基づいて演出実行番号「6」に対応した演出データ「B」を演出制御手段65に出力し、演出制御手段65は演出データ「B」に基づいた演出を行う。これにより、画像表示装置9等での演出内容は引き続き「B」を実行し、特賞信号は引き続きON状態であるのでデータランプ45での演出も継続される。更に、t10で演出抽選を行い、演出実行番号「7」が選択されたときには、演出実行決定手段58からサブ制御部7に演出実行番号「7」が出力されて、サブ制御部7は、演出データテーブル72に基づいて演出実行番号「7」に対応した演出データ「C」を演出制御手段65に出力する。演出データ「C」は、特段の演出を行わないパターンであり、画像表示、照明点灯、音声発信を総て完全にシャットダウンしたり、又は、特定の演出が終了したことが遊技者において理解されるような内容の表示等を行うものである。これにより、画像表示装置9等での演出内容は「B」から「C」に変化乃至終了し、特賞信号はON状態からOFF状態と変更されるのでデータランプ45での演出は終了される。
【0104】
尚、図10(b)に示すタイミングチャートにおける演出及び特賞信号のt10以後の破線は、従来の演出状態及び特賞信号状態を示す。従来は、RB終了又はART終了時に、画像表示装置9等での演出及びデータランプ45での演出が同時に終了するものであり、少なくとも、データランプ45での演出は、RB終了又はART終了と同時に終了していた。
【0105】
このように、演出抽選は、現状の演出の継続又は演出の変更を決定するものである。尚、現状の演出の継続とは、演出抽選前の演出実行番号と演出抽選後の演出実行番号とが同一であり、演出抽選前の演出が継続されることである。また、演出の変更とは、演出抽選前の演出実行番号と演出抽選後の演出実行番号とが異なり、以後の演出が、演出抽選後の演出実行番号の演出に変更されることである。
【0106】
尚、上述のt10で抽選を行い、演出(画像表示装置9、スピーカ11等で実行される第1演出、及びデータランプ45で実行される第2演出)の演出の終了後であっても、特別遊技状態(RB、ART)の終了までの間、新たな演出(画像表示装置9、スピーカ11等で実行される第3演出、及びデータランプ45で実行される第4演出)を実行することが可能である。演出実行決定手段58は、第1演出とは異なる新たな演出である第3演出に係る新たな演出実行番号で演出制御手段65としてのサブ制御部7に出力する。サブ制御部7は、演出実行番号に応じて記憶されている演出データテーブル72から演出データを読み出して、その演出データに基づいて画像表示装置9、スピーカ11等を制御する。これにより、画像表示装置9には第3演出用の画像が表示され、スピーカ11から第3演出用の効果音等が発せられる。また、演出実行決定手段58は、演出実行決定テーブル71に基づいて第4演出に係る新たな演出実行番号に対応する特賞信号を読み出して特賞信号出力手段62に出力し、特賞信号出力手段62は、データランプ45に特賞信号を出力する。特賞信号は、外部中継端子14を介してデータランプ45に出力される。
【0107】
次に、ARTモードが終了したかをチェックして(ステップS70)、ARTモードが終了したときには、演出停止を行う(ステップS71)。演出実行決定手段58は、RB演出中のときには演出実行番号「8」を、ART演出中のときには演出実行番号「12」を演出制御手段65に出力する(ステップS71)。また、特賞信号出力手段62は、データランプ45に特賞信号OFFを出力する。その後ステップS1のゲーム開始処理へ移行する。
【0108】
尚、支援遊技状態処理におけるフローチャートでは、有効ラインのいずれかにARTを開始する図柄の組合せが表示されたことによってARTに突入する処理について述べたが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、ARTの突入は、BB終了後に行うようにしてもよい。
【0109】
以上述べたように、演出抽選を行うことにより、画像表示装置及びデータランプの演出が消えたり、他の演出に変わったりと、従来の演出を期待していた遊技者自身の期待、予想と異なることがあり、遊技者に意外性を与え、演出により新たな期待感を持たせることが可能となる。
【0110】
以上述べた発明の遊技機における遊技処理は、ART中にRBが当選した場合の演出の抽選処理について説明したが、本発明は、特別遊技状態として、ARTのみならずBBやRBの特賞状態、及びART突入によるBB当選での演出の抽選処理に対しても適用できる。また、ARTの終了の演出の停止及び特賞信号のOFF対しても適用できる。また、RT、ATの支援遊技状態に対しても適用することができる。
【0111】
以上述べたように本発明の遊技機によれば、画像表示装置による演出形態とデータランプによる演出形態とが一致することにより、画像表示装置による演出効果を高めることができる。
【0112】
また、支援遊技状態の演出を特賞状態の演出タイミングと類似させることにより。遊技者は、ART遊技状態であってもBBと同じ感覚で遊技を行うことができる。
【0113】
また、画像表示装置及びデータランプの演出が、遊技者自身の期待、予想と異なるため、遊技者に意外性を与え、演出により新たな期待感を持たせることが可能となる。
【0114】
尚、本発明は、遊技機としてメダルを用いたスロットマシンについて説明したが、パチンコ球等を用いたスロットマシン等の他の遊技機に対しても適用することができる。
【0115】
この発明は、その本質的特性から逸脱することなく数多くの形式のものとして具体化することができる。よって、上述した実施形態は専ら説明上のものであり、本発明を制限するものではないことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0116】
1 遊技機
2 キャビネット
3 ドアベース
6 メイン制御部(主基板)
7 サブ制御部(周辺基板)
6a、7a CPU
6b、7b ROM
6c、7c RAM
6d、7d 入出力部
7e VDP
7f 音源IC
9 画像表示装置(演出手段)
10 照明装置(演出手段)
11 スピーカ(演出手段)
14 外部中継端子
17 1BETボタン
18 MAXBETボタン
19 スタートレバー
20 精算ボタン
21 第1回胴停止ボタン
22 第2回胴停止ボタン
23 第3回胴停止ボタン
25 メダル投入口
26 セレクター
26a ソレノイド
26b 投入センサ
28 表示部
28a 投入可能LED
28b 再遊技LED
28c スタートLED
28d 投入枚数LED
28e 払出枚数表示器
28f 貯留メダル数表示器
28g ウエイトLED
29 電源ボックス
29a 設定キースイッチ
29b リセットスイッチ
29c 電源スイッチ
30 回胴ユニット
31 第1回胴駆動部
32 第1回胴
33 第1回胴位置センサ
34 第2回胴駆動部
35 第2回胴
36 第2回胴位置センサ
37 第3回胴駆動部
38 第3回胴
39 第3回胴位置センサ
40 ホッパーユニット
40a ホッパーモータ
40b 払出センサ
41 オーバーフロー
43 メダルトレイ
45 データランプ(遊技データ表示手段)
45a データ表示部
45b 操作部
45c ランプ部
50 制御部
51 メダル受付手段
52 遊技開始処理手段
53 抽選手段
54 回胴制御手段
55 当選判定処理手段
56 メダル払出手段
57 遊技移行手段
58 演出実行決定手段
62 特賞信号出力手段
63 演出抽選手段
65 演出制御手段
70 抽選テーブル
71 演出実行決定テーブル
72 演出データテーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
演出実行決定手段及び特賞信号出力手段を有する主基板と、演出制御手段を有する周辺基板と、前記演出制御手段に従って特別遊技状態時における第1演出を実行する演出手段と、を備える遊技機であって、
前記特賞信号出力手段は、特別遊技状態時における第2演出を実行するための、前記遊技機外に設置された遊技データ表示手段と接続可能であり、
前記演出実行決定手段は、前記遊技機の前記特別遊技状態を終了させる所定条件が満たされる前に前記演出手段による前記第1演出を終了させる信号を、前記演出制御手段に出力するとともに、前記第1演出の終了に同期して前記遊技データ表示手段による前記第2演出を終了させる信号を、前記特賞信号出力手段に出力すること
を特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記遊技機が前記特別遊技状態を開始した時に、前記演出実行決定手段は、前記演出制御手段へ前記第1演出の実行の信号を出力することにより、前記演出制御手段が前記演出手段に前記第1演出を実行させるとともに、前記演出実行決定手段は、前記特賞信号出力手段へ前記第2演出の実行の信号を出力することにより、前記特賞信号出力手段が前記遊技データ表示手段に前記第2演出を実行させることが可能であり、
前記遊技機の前記特別遊技状態を終了させる前記所定条件が満たされる前に、前記演出実行決定手段は、前記第1演出を終了させる信号を前記演出制御手段へ出力するとともに、前記第2演出の終了の信号を前記特賞信号出力手段へ出力することにより、前記演出手段による前記第1演出と、前記遊技データ表示手段による前記第2演出と、が同期して終了することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記演出手段による前記第1演出を終了してから前記遊技機の前記特別遊技状態を終了させる所定条件が満たされるまでの間に、前記演出実行決定手段は、前記演出制御手段へ前記第1演出とは異なる第3演出の実行の信号を出力することにより、前記演出制御手段が前記演出手段に前記第3演出を実行させるとともに、前記特賞信号出力手段へ前記第2演出とは異なる第4演出の実行の信号を出力することにより、前記特賞信号出力手段が前記遊技データ表示手段に前記第4演出を実行させることが可能であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記特別遊技状態は、通常状態よりも遊技者に有利となる当選確率を適用して当選の成否を決定する状態である特賞状態、又は、通常状態よりもリプレイ可能となる確率が高い状態である遊技支援状態、のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうち、いずれか1に記載の遊技機。
【請求項5】
前記特別遊技状態は、通常状態よりも遊技者に有利となる当選確率を適用して当選の成否を決定する状態である特賞状態であって、
前記遊技機が、通常状態よりもリプレイ可能となる確率が高い状態である遊技支援状態において開始された前記特賞状態にある場合に、前記演出実行決定手段は、前記特賞状態を終了させる所定条件が満たされる前に前記演出手段による前記第1演出を終了させる信号を、前記演出制御手段に出力するとともに、前記第1演出の終了に同期して前記遊技データ表示手段による前記第2演出を終了させる信号を、前記特賞信号出力手段に出力することを特徴とする請求項1乃至請求項3のうち、いずれか1に記載の遊技機。
【請求項6】
前記遊技データ表示手段は、外部端子板を介して前記特賞信号出力手段と接続されて、前記第2演出をランプの点灯又は消灯により実行可能であり、
前記演出手段は、前記遊技機と一体的に構成された、画像表示装置、スピーカ、又は、照明装置のうち、少なくとも1以上を有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のうち、いずれか1に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−70707(P2013−70707A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−209765(P2011−209765)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(511232514)株式会社BOOOM (1)
【Fターム(参考)】