説明

道路検索装置、道路検索方法、及び、プログラム

【課題】利用者の嗜好に合わせて最適な迂回路を検索する。
【解決手段】車載機10において、入力部19は道路検索に関するユーザの嗜好情報の入力を受け付けて記憶部16は入力された嗜好情報を記憶する。嗜好情報は制御部13が迂回路を検索するか否かの判断基準値となるパラメータを含む。制御部13は路側DSRC送受信機が取得した道路状況などに基づいて作成された交通情報をプッシュ配信により取得する。交通情報に含まれる注意喚起レベルが判断基準値以上であれば、制御部13は交通情報と嗜好情報とに基づいてユーザにとって最適な迂回路を検索する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路検索装置、道路検索方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、交通渋滞や交通規制などの交通情報をリアルタイムに走行車両へ送信する道路交通情報システム(VICS;Vehicle Information and Communication System)が用いられている。例えば、特許文献1や特許文献2には、ドライバへの注意喚起や迂回路探索のため利用されるシステムが開示されている。
【0003】
また、従来のVICSを使用した方式に代わり、DSRC(Dedicated Short Range Communication)方式の専用狭域通信を用いて交通渋滞や交通規制などの交通情報をリアルタイムに走行車両へ送信する技術が研究されている。DSRCは、直径30m程度の比較的狭い範囲をサービスエリアとし、この範囲内に存在する車両へ大容量のデータを通信するシステムである。
【特許文献1】特開2005−331378号公報
【特許文献2】特開2002−269681号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の迂回路探索装置では、交通情報が対象とする地点と、交通情報を受信する地点との距離が離れている場合にも、交通情報を受信するとすぐに迂回路を検索し、結果的にドライバが遠回りをするような迂回路を検索してしまうことがあった。また、交通渋滞等の交通情報を一律に扱っていたため、迂回の必要の無い短い渋滞や、ユーザによっては迂回の必要がないと判断するような渋滞等の交通情報をも取り上げ、迂回路を検索してしまう問題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、利用者の嗜好に合わせて迂回路を探索するために好適な道路検索装置、道路検索方法、及び、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る道路検索装置は、取得手段、受付手段、記憶手段、検索手段、制御手段、及び、出力手段を備える。
取得手段は、道路の交通情報とこの交通情報の優先度とを含む情報を管理する管理装置から、この情報を取得する。
受付手段は、現在地から目的地までの道路の経路を検索するか否かの判断基準を示すパラメータの入力を受け付ける。
記憶手段は、受付手段が受け付けたパラメータを記憶する。
検索手段は、取得手段により取得された情報に基づいて、現在地から目的地までの道路の経路を検索する。
制御手段は、取得手段により取得された情報と、記憶手段に記憶されたパラメータとに基づいて、所定の条件を満たす場合に、検索手段に経路を検索させる制御を行う。
出力手段は、検索手段により検索された経路を出力する。
この結果、道路検索装置は、ユーザにより予め設定されたパラメータに基づいて道路を検索するかしないかを選択することができる。
【0007】
パラメータは、交通情報の優先度に対応して、検索手段が経路を検索すべきレベルか否かを示す情報を含み、
制御手段は、取得手段により取得された情報の優先度が、検索手段により経路を検索すべきレベルである場合に、検索手段に経路を検索させるように制御することができる。
この結果、道路検索装置は、道路情報を取得したとき、その道路情報の優先度が予め道路を検索すべきレベルでなければ道路を検索せず、その他の場合には道路を検索するように制御することができる。例えば、道路を検索すべきレベルはユーザの嗜好に基づいて設定することができる。
【0008】
パラメータは、検索手段が道路の経路を検索するための検索条件の優先順位を示す情報を含み、
検索手段は、このパラメータに含まれる優先順位に基づいて検索条件を決定し、決定した検索条件で道路の経路を検索することができる。
この結果、道路検索装置は、設定された検索条件の優先順位に基づいて検索条件を決定して道路を検索することができる。例えば、ユーザの嗜好に合わせて設定された検索条件を優先して道路を検索することができる。
【0009】
上記目的を達成するために、本発明のその他の観点に係る道路検索方法は、取得部、受付部、記憶部、検索部、制御部、及び、出力部を有する道路検索装置にて実行される道路検索方法であって、取得ステップ、受付ステップ、記憶ステップ、検索ステップ、制御ステップ、及び、出力ステップを備える。
取得ステップは、取得部が、道路の交通情報とこの交通情報の優先度とを含む情報を管理する管理装置から、この情報を取得する。
受付ステップは、受付部が、現在地から目的地までの道路の経路を検索するか否かの判断基準を示すパラメータの入力を受け付ける。
記憶ステップは、記憶部が、受付ステップが受け付けたパラメータを記憶する。
検索ステップは、検索部が、取得ステップにより取得された情報に基づいて、現在地から目的地までの道路の経路を検索する。
制御ステップは、制御部が、取得ステップにより取得された情報と、記憶部に記憶されたパラメータとに基づいて、所定の条件を満たす場合に、検索ステップに経路を検索させる制御を行う。
出力ステップは、出力部が、検索ステップにより検索された経路を出力する。
この結果、この道路検索方法を用いた道路検索装置は、ユーザにより予め設定されたパラメータに基づいて道路を検索するかしないかを選択することができる。
【0010】
上記目的を達成するために、本発明のその他の観点に係るプログラムは、コンピュータを、取得手段、受付手段、記憶手段、検索手段、制御手段、及び、出力手段として機能させる。
取得手段は、道路の交通情報とこの交通情報の優先度とを含む情報を管理する管理装置から、この情報を取得する。
受付手段は、現在地から目的地までの道路の経路を検索するか否かの判断基準を示すパラメータの入力を受け付ける。
記憶手段は、受付手段が受け付けたパラメータを記憶する。
検索手段は、取得手段により取得された情報に基づいて、現在地から目的地までの道路の経路を検索する。
制御手段は、取得手段により取得された情報と、記憶手段に記憶されたパラメータとに基づいて、所定の条件を満たす場合に、検索手段に経路を検索させる制御を行う。
出力手段は、検索手段により検索された経路を出力する。
この結果、プログラムは、コンピュータを、ユーザにより予め設定されたパラメータに基づいて道路を検索するかしないかを選択できる道路検索装置として機能させることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、利用者の嗜好に合わせて迂回路を探索するために好適な道路検索装置、道路検索方法、及び、プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(実施形態1)
以下、本発明の実施の形態に係る迂回路探索システムを説明する。本実施形態では、交通情報提供システムはDSRC方式を用いて通信を行うが、これに限定されるものではない。この迂回路探索システムは、図1に示されるように、車載機10と、路側DSRC送受信機20と、情報管理装置30と、GPS送信人工衛星40とから構成される。
【0013】
車載機10は、道路を走行する車両に搭載され、路側DSRC送受信機20から交通情報を受信し、受信したデータを蓄積し、所定の条件を満たした交通情報については削除する。ここで、交通情報の配信は、ユーザが情報を引き出す(プル)のではなくユーザが操作しなくても情報管理装置30から自動的に情報が車載機10に送られる、いわゆる「プッシュ配信」で行われる。そして、車載機10は、配信された交通情報を車載機10の表示画面に表示したり音声で出力したりしてユーザに通知する。これにより、ユーザは最新の交通情報を得ることができ、例えば道路の渋滞情報を予め取得して渋滞エリアを回避することができる。なお、本実施形態では、交通情報はプッシュ配信により配信されるものとして説明するが、車載機10はユーザから交通情報を受信する旨の要求があったときに交通情報を受信することもできる。
【0014】
また、車載機10は、GPS送信人工衛星40からGPS信号を受信し、車載機10を搭載する車両の位置情報や、交通情報提供システムのシステム時刻を取得する。位置情報は、緯度・経度で示されるのが典型的である。
【0015】
路側DSRC送受信機20は、自機の近傍に設定される通信エリア内の車載機10に交通情報を送信する。路側DSRC送受信機20により送信される交通情報は、情報管理装置30により管理され配信される情報である。路側DSRC送受信機20は、主要な道路脇に複数配置されるのが典型的である。路側DSRC送受信機20は、情報処理装置30から配信される交通情報などを通信エリア内にプッシュ配信する。車載機10が設置された車両が路側DSRC送受信機20の通信エリア内に入ると、車載機10は情報管理装置30から配信された交通情報を路側DSRC送受信機20から受信する。
【0016】
また、路側DSRC送受信機20は、道路の通行状況(例えば、通行量を示す情報、渋滞情報など)を取得するセンサ等を備え、このセンサ等を用いて通行状況を取得して情報処理装置30に送信する。なお、道路の通行状況を取得するセンサ等を備えた別の装置を用いてもよい。
【0017】
情報管理装置30は、路側DSRC送受信機20から送信される情報に基づいて交通情報を作成し、交通情報提供システムのすべての路側DSRC送受信機20に送信する。すなわち、情報管理装置30は、交通情報提供システムがサービス領域内で発生した道路渋滞などの交通情報、あるいは事前に分かっている通行規制などの交通情報を所定のデータ形式で生成し、路側DSRC送受信機20に送信する。
【0018】
GPS送信人工衛星40は、GPS信号を車載機10に送信する。GPS信号には、緯度・経度で表される位置情報や、現在のシステム時刻などが含まれる。
【0019】
次に、車載機10の構成についての詳細な説明を行う。図2に示すように、車載機10は、GPS受信機11と、GPS入力部12と、制御部13と、通信制御部14と、車載DSRC送受信機15と、記憶部16と、出力制御部17と、出力装置18と、入力部19と、から構成される。
【0020】
GPS受信機11は、GPS送信人工衛星40からGPS信号を受信し、受信したGPS信号を後述するGPS入力部12に入力する。
【0021】
GPS入力部12は、GPS受信機11からGPS信号を取得し、このGPS信号を復調処理する。復調して得られたGPSデータは、制御部13に入力され、制御部13の制御により記憶部16に記憶される。
【0022】
制御部13は、CPU(Central Processing Unit)から構成され、記憶部16に記憶されたオペレーティングシステム(OS)や制御プログラムを読み出して実行し、車載機10全体の制御を行う。制御部13は、内部時計を備え、現在の時刻を計時する。
具体的には、例えば、制御部13は、GPS入力部12から取得したGPSデータから現在のシステム時刻を取得する。また、制御部13は、現在のシステム時刻と交通情報とをもとに交通情報の削除を行うか否かを判別し、削除を行うと判別した場合は交通情報の削除を行う。なお、詳細については後述する。
【0023】
通信制御部14は、車載DSRC送受信機15からDSRC信号を取得し、DSRC信号を復調処理して交通情報データに変換し、交通情報データを制御部13に入力する。交通情報データは制御部13の制御により記憶部16に記憶される。
【0024】
車載DSRC送受信機15は、路側DSRC送受信機20からアンテナを用いてDSRC信号を受信し、受信したDSRC信号を通信制御部14に入力する。
【0025】
記憶部16は、ハードディスク装置、フラッシュメモリ装置、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disk-Read Only Memory)ドライブ装置などから構成され、OS、所定の制御プログラムや、受信した交通情報など種々のデータを記憶する。記憶部16は、交通情報提供システムのサービス領域のマップデータ(地図データベース)を記憶する。マップデータはDVD−ROMドライブ装置に装着されるDVD−ROMに記憶され制御部13から適宜読み出される。あるいは、予めDVD−ROMから地図データベースを読み出してハードディスク装置に記憶させて(インストールして)おいてもよい。
【0026】
出力制御部17は、制御部13の制御のもと、交通情報データを出力装置18が出力可能なデータ形式に変換し、出力装置18に入力する。
【0027】
出力装置18は、取得した交通情報などを表示する。例えば、出力装置18は、LCD(Liquid Crystal Display)などのディスプレイ、スピーカ、マイクロフォンなどから構成される。
【0028】
入力部19は、タッチパネルや操作キーなどから構成される。入力部19は、タッチパネル等を用いてユーザから入力される指示入力やデータ入力に基づいて入力信号を生成して、制御部13に入力する。典型的には、タッチパネルは出力装置18のディスプレイの上に重ねて設置され、ディスプレイ上の座標とタッチパネル上の座標とがユーザから見て一致するように対応づけられている。これにより、ユーザはディスプレイに表示された操作ボタンやアイコンを押下して、所望の操作指示を行うことができる。なお、タッチパネルや操作キーのほかに、操作スイッチや音声入力装置など他の入力装置を備えていてもよい。
【0029】
ここで、図3は、出力装置18のディスプレイに表示される交通情報の一例である。例えば、路側DSRC送受信機20から送信されるDSRC信号の示す交通情報には、識別情報としての「交通情報ナンバー(No.)」と、交通情報が対象とする地点の「座標」と、その地点の「渋滞レベル」と、「通行止め」の有無と、「その他障害レベル」と、この交通情報が有効な地理的な範囲を示す「有効範囲」と、この交通情報の「有効期限」と、「注意喚起レベル」とが含まれている。情報管理装置30から配信される交通情報(すなわちDSRC送信機20から送信されるDSRC信号)はこれらの情報を含む。なお、交通情報は、これに限られるものではなく、他の情報を含んでいてもよい。また、交通情報は、これらの情報の全部ではなく一部を含むものであってもよい。制御部13は、通信制御部14と車載DSRC送受信機15を制御してDSRC信号を受信することにより交通情報を取得し、出力制御部17と出力装置18を制御して本図のように交通情報を表示する。画面のレイアウトは任意に設定することができる。制御部13は、出力装置18のディスプレイに交通情報を表示してもよいし、スピーカに音声で出力してもよい。本実施形態では、制御部13は受信した交通情報の詳細をディスプレイに表示しているが、交通情報の画像や音声を受信して再生するようにしてもよい。この場合、情報管理装置30が交通情報を含む画像データや音声データを配信し、路側DSRC送受信機20がこれらの画像データや音声データをプッシュ配信し、車載DSRC送受信機15がこれらの画像データや音声データを受信し、制御部13がこれらの画像データや音声データを記憶部16に記憶された所定の再生プログラムで再生して出力すればよい。
【0030】
「交通情報ナンバー」は、情報管理装置30から配信される交通情報を識別するための情報であり、例えば数字による通し番号が用いられる。交通情報ナンバーは交通情報を識別できるものであればよく、その設定方法は任意である。
【0031】
「座標」は、その交通情報が対象とする地点や地域を特定するための情報であり、典型的には具体的な緯度・経度を表す数値で表現される。また、具体的な数値の代わりに、その地点や地域を指す地名、建物名などの文字情報であってもよい。あるいは、例えば「○○交差点の先50メートル付近」などのように、相対的、概略的に示される情報であってもよい。なお、数値や文字を用いて座標を表示する代わりに、座標の示す地点・地域周辺の地図画像を、記憶部16に記憶された地図データベースから読み出して、この地図画像と緯度・経度の座標とをマッチングさせて表示するようにしてもよい。
【0032】
「渋滞レベル」は、交通情報の1つである渋滞情報の程度を示す情報である。例えば、渋滞レベルは、混雑の度合いが比較的小規模の「1」、中程度の「2」、大規模の「3」などのようにレベル分けされている。ユーザは、同じ渋滞情報でも、その渋滞レベルによってその渋滞がどの程度の規模のものなのかを判断することができる。なお、渋滞レベルの分類の仕方は任意に変更可能である。
【0033】
「通行止め」は、交通情報の1つである通行規制に関する情報であり、通行止めの道路があるか否かを判別するための情報である。通行止めの道路がある場合には「有」、ない場合には「無」が設定される。例えば、ある渋滞情報に通行止め「有」が対応づけられている場合、ユーザはその渋滞が道路の通行止めによる渋滞であることを知ることができる。なお、この通行規制に関する情報は、通行止めの有無だけでなく、その通行止めの原因を表す情報を含んでいてもよい。例えば、交通事故、道路工事、大雨、大雪、その他の事故などを示す情報であってもよい。
【0034】
「その他障害レベル」は、渋滞情報のほかに、通行するために障害となる情報や運転者に注意を喚起するための情報の程度を示す情報である。例えば、大雨や大風による大幅な速度規制が「2」、小幅な速度規制が「1」、速度規制がない「0」などのようにレベル分けされている。なお、この障害レベルは、数値による情報のほかに、速度規制の具体的な速度、雪によるチェーン規制の有無、大型車のみ通行禁止等の車種別の交通情報、などの情報を含んでいてもよい。この場合、この項目には「その他障害レベル」の代わりに「その他障害情報」としてこれらの交通情報が出力されるように構成すればよい。
【0035】
「有効範囲」は、交通情報を有効とする地域範囲を指定する情報である。交通情報には様々な地点・地域を対象としたものが多数存在し、ある路側DSRC送受信機20の近辺からほど遠い地点・地域に関するものも含まれる。そのため、情報管理装置30は、配信する交通情報に有効範囲を設定して路側DSRC送受信機20に送信する。
【0036】
「有効期限」は、交通情報を有効とする時間的な範囲を指定する情報である。交通情報には予め有効期限が設定され、有効期限内の交通情報が有効であり、有効期限を過ぎた情報は無効となる。例えば、車載機10が有効範囲内に長時間(例えば1日など)留まって時間が有効期限を過ぎたとき、制御部13はその交通情報を無効にする。
【0037】
「注意喚起レベル」は、交通情報の優先度、重要度を示す情報である。典型的には、交通情報の示す地点・地域を車両が通行する際にその車両の運転者等が知っておくべき情報の重大さのランクを数値で表したものであるが、数値以外の文字、記号、図形、画像などを用いることもできる。例えば、注意喚起レベルを5段階で表現し、重要度が高い順に、「通行止め」がレベル5、「1キロメートル以上の渋滞」がレベル4、「危険物落下」がレベル4、「500メートル以下の渋滞」がレベル3、「路面凍結」がレベル2、「故障車有り」がレベル1、などである。ただし、これらのレベルの設定の仕方は任意である。
【0038】
次に、本実施形態の迂回路探索システムの動作について図4を用いて説明する。
【0039】
先ず、路側DSRC送受信機20は、道路の交通状況の変化を示す交通生情報を取得する(ステップS1)。そして、路側DSRC送受信機20は、交通生情報を、情報管理装置30に送信する(ステップS2)。
【0040】
次に、情報管理装置30は、交通情報提供システム内の路側DSRC送受信機20から交通生情報を受信する(ステップS3)。そして、情報管理装置30は、収集した交通生情報から交通情報を作成し(ステップS4)、交通情報を路側DSRC送受信機20に送信する(ステップS5)。
【0041】
それから、DSRC送信機20は、交通情報を受信し(ステップS6)、交通情報を車載機10に送信する(ステップS7)。
【0042】
車載機10の制御部13は、交通情報を受信し(ステップS8)、迂回路検索処理を行う(ステップS9)。なお、迂回路検索処理の詳細は後述する。
【0043】
(嗜好レベル設定処理)
次に、ユーザが予め自分の好みに合わせて車載機10に迂回路を探索させるように設定する処理(以下、「嗜好レベル設定処理」と呼ぶ)について図5のフローチャートを用いて説明する。この処理は、制御部13と入力部19が協働して行う処理である。
【0044】
まず、制御部13は、入力部19に嗜好レベルが入力されたか否かを判別する(ステップS11)。この嗜好レベルは、ユーザがどの程度の注意喚起レベルであれば別の迂回路を探索させたいかを示す情報である。典型的には、上述の注意喚起レベルと同様に数値で表される。例えば、ユーザによっては1キロメートル以内の渋滞であれば迂回しない(許容できる)と判断する場合もあれば、少しでも渋滞があるのであれば迂回する(許容できない)と判断する場合もある。そこで、ユーザは、予め許容できる注意喚起レベルがどの程度かを嗜好レベルとして設定しておく。そして、後述するように、制御部13は、この設定された嗜好レベルに基づいて、迂回路を検索するか否かを判断する。
【0045】
嗜好レベルが入力されていないと判別された場合(ステップS11;No)、制御部13は嗜好レベル設定処理を終了する。一方、嗜好レベルが入力されたと判別された場合(ステップS11;Yes)、制御部13は、入力された嗜好レベルに対応する設定内容を出力する(ステップS12)。例えば、制御部13は出力制御部17を制御して、どのような交通情報であれば迂回路を検索せずに現在のナビゲーション情報を維持するか(許容するか)、あるいは、どのような交通情報であれば迂回路を検索するか(許容できないか)を示す画面をディスプレイに表示する。これによりユーザは設定内容を目視で確認することができる。なお、スピーカから音声により出力してもよい。また、設定内容を確認する必要がない場合には、このステップを省略してもよい。
【0046】
制御部13は、入力された嗜好レベルで設定するか否かを判別する(ステップS13)。例えば、制御部13は、出力制御部17を制御して、入力された嗜好レベルで設定してもよいか否かをユーザに確認する画面を表示し、設定するか否かを示す指示入力を入力部19から受け付ける。
【0047】
設定しないと判別された場合(ステップS13;No)、制御部13は嗜好レベル設定処理を終了する。一方、設定すると判別された場合(ステップS13;Yes)、制御部13は、入力された嗜好レベルを記憶部16に記憶し(ステップS14)、この嗜好レベルに基づいて後述する迂回路検索処理を行うように制御する。
【0048】
なお、車載機10が初めて起動される場合や、嗜好レベルが未設定の場合には、既定値として所定値(例えば、交通情報を取得したら必ずその交通情報に基づいて迂回路の探索を行うことを示す値)を設定しておくものとする。
【0049】
(迂回路検索処理)
次に、迂回路検索処理の説明を行う。この迂回路探索処理は、車載機10の制御部13により実行される。図6は、迂回路検索処理の流れを示すフローチャートである。
【0050】
先ず、車載機10の制御部13は、車載DSRC送受信機15で取得したDSRC信号を復号して得られた交通情報を、記憶部16に蓄積する(ステップS21)。
【0051】
制御部13は、車載機10を搭載した車両がステップS21で記憶部16に記憶された交通情報によって示されたポイント(地点・地域)に達したか否かを判別する(ステップS22)。制御部13は、GPS受信機11を制御して逐次車載機10の現在位置を取得して、車載機10の位置がその交通情報の示す地点・地域に達したか否かを判別する。なお、その交通情報が具体的な緯度・経度などの数値で表される場合、正確に同じ地点に達した場合はもちろんのこと、その交通情報が示す地点の東西南北方向に所定の幅をもったエリアに入った場合にも、その交通情報の示す地点・地域に達したものと判別する。このエリアの範囲の設定方法は任意である。
【0052】
車載機10を搭載した車両が交通情報によって示されるポイントに達していないと判別された場合(ステップS22;No)、再び、ステップS22に戻り、この処理を繰り返す。
【0053】
車載機10を搭載した車両が交通情報によって示されるポイントに達したと判別された場合(ステップS22;Yes)、制御部13は、取得した交通情報を、ユーザ(ドライバ等)による設定に基づいて許容できるか否かを判別する(ステップS23)。
【0054】
取得した交通情報は許容できないと判別したとき(ステップS23;No)、制御部13は、その交通情報をもとに迂回路を検索する(ステップS24)。具体的には、制御部13は、記憶部16に記憶されたマップデータをRAMに読み出し、現在地から目的地に達するために利用可能な道路を検索して移動経路を決定する。移動経路が複数存在する場合には、制御部13は、それらのすべて、あるいは移動推定時間が短い順に所定個数分の移動経路をリストアップしてディスプレイに表示し、ユーザによる入力部19への指示入力などに基づいて1つの移動経路を決定する。
また、制御部13は、取得した交通情報を出力制御部17により変換し、画像あるいは音声などによって出力装置18により交通情報を報知する(ステップS25)。なお、制御部13は、ステップS24の迂回路検索と、ステップS25の交通情報報知とを、並行して行ってもよい。すなわち、制御部13が迂回路を検索しつつ交通情報を報知することにより、迂回路検索処理を高速化でき、ユーザはより早く交通情報を知ることができる。
【0055】
一方、取得した交通情報は許容できると判別したとき(ステップS23;Yes)、制御部13は、迂回路を検索処理しないで交通情報を報知する(ステップS25)。すなわち、制御部13は、上述の嗜好レベル設定処理で設定された嗜好レベル(または設定されていない場合には既定値の嗜好レベル)よりも低いレベルの交通情報であれば、迂回路を検索しない。
【0056】
そして、制御部13は、迂回路検索処理を終了する。このように、本実施形態によれば、車載機10は、予め設定された嗜好レベルに基づいて、取得した交通情報を許容して迂回路を検索するか、あるいは許容しないで迂回路を検索しないように制御することができる。そして、車載機10は、ユーザの嗜好に合致するように、かつ効率よく、迂回路の検索と交通情報の報知とを行うことができる。
【0057】
上述した迂回路探索システムの動作は一例であり、変更可能である。
【0058】
例えば、ステップS24で、制御部13は迂回路が複数存在する場合にも、予め設定された嗜好レベルに基づいて迂回路を決定するようにしてもよい。この場合、嗜好レベルは、迂回路を検索すべき交通情報のレベルのほかに、どんなパラメータを優先して検索するかを示す情報も合わせて記憶する。例えば、移動推定時間が短いものを優先する、走行距離の少ないものを優先する、通行料金の安い経路を優先する、分かり易い目印(建造物など)が多い経路を優先する、信号機の少ない経路を優先する、右折左折が少ない経路を優先する、路側DSRC送受信機20が設置された道路を優先する、などを示す情報である。そして、制御部13は、これらの情報を含んだ嗜好レベル(嗜好情報)に基づいて優先して迂回路を検索してもよい。
【0059】
(実施形態2)
次に、本発明のその他の実施形態について説明する。本実施形態は、上述の実施形態にさらに交通情報削除処理を加えたものである。図7は、本実施形態の迂回路検索処理を説明するためのフローチャートである。
【0060】
先ず、制御部13は、取得した交通情報に付加されている有効期限情報により、車載機10の現在の時刻においてその交通情報が有効期限外であるか否かを判別する(ステップS31)。
【0061】
交通情報が有効期限外であれば(ステップS31;Yes)、制御部13は処理を終了する。
【0062】
交通情報が有効期限外でなければ(ステップS31;No)、制御部13は、この交通情報を記憶部16に蓄積する(ステップS32)。
【0063】
次に、制御部13は、記憶部16に記憶された交通情報が有効期限外であるか否かを判別する(ステップS33)
【0064】
記憶部16に記憶された交通情報が有効期限外であると判別したとき(ステップS33;Yes)、制御部13はこの交通情報を削除して(ステップS34)、この処理を終了する。なお、この交通情報を削除する処理の詳細は、他の実施形態として後述する。
【0065】
一方、記憶部16に記憶された交通情報が有効期限外でないと判別したとき(ステップS33;No)、制御部13は、車載機10を搭載した車両が記憶部16に記憶された交通情報によって示されるポイントに達したか否かを判別する(ステップS35)。
【0066】
交通情報によって示されるポイントに達していないと判別された場合(ステップS35;No)、再び、ステップS33に戻り、制御部13はこの処理を繰り返す。
【0067】
一方、交通情報によって示されるポイントに達していると判別された場合(ステップS35;Yes)、制御部13は、設定された嗜好レベルに基づいて、交通情報が許容できるか否かを判別する(ステップS36)。
【0068】
交通情報は許容できると判別されたとき(ステップS36;Yes)、制御部13は迂回路を検索せずに交通情報を画像あるいは音声などによって出力装置18により報知して(ステップS38)、この処理を終了する。
【0069】
一方、交通情報は許容できないと判別されたとき(ステップS36;No)、制御部13は迂回路の検索を行う(ステップS37)。
【0070】
また、制御部13は、取得した交通情報を出力制御部17により変換し、画像あるいは音声などによって出力装置18により交通情報を報知して(ステップS38)、この処理を終了する。なお、制御部13は、ステップS37の迂回路検索と、ステップS38の交通情報報知とを、並行して行ってもよい。すなわち、制御部13が迂回路を検索しつつ交通情報を報知することにより、迂回路検索処理を高速化でき、ユーザはより早く交通情報を知ることができる。
【0071】
(実施形態3、交通情報削除処理)
次に、車載機10が記憶部16に蓄積している交通情報を削除する処理(以下、「交通情報削除処理」と呼ぶ)について図8のフローチャートを用いて説明する。交通情報削除処理は、典型的には上述のステップS34で制御部13が行う処理であるが、定期的な所定のタイミング(例えば、1秒ごとの割り込み等)で実行されてもよい。ただし、この交通情報削除処理を行うタイミングはこれに限定されない。
【0072】
まず、制御部13は、GPS受信機11を制御してGPS受信機11を起動し、GPS信号を受信する(ステップS41)。
【0073】
制御部13は、GPS信号を受信したか否かを判別する(ステップS42)。ここで、GPS信号を受信したと判別されれば(ステップS42;Yes)、制御部13は、車載機10が計時している時刻を、GPS信号が示す交通情報提供システムの時刻に合わせる(ステップS43)。
【0074】
一方、GPS信号を受信していないと判別されれば(ステップS42;No)、ステップS44に進む。この場合、制御部13は、車載機10の時刻合わせを行わず、現在車載機10が計時している時刻に基づいて以下の処理を行う。
【0075】
なお、制御部13は、GPS受信機11を制御して、定期的な所定のタイミングで、GPS信号を受信して時刻合わせをする処理(ステップS41〜ステップS43に相当する処理)を行うようにしてもよい。この場合、交通情報削除処理のステップS41〜ステップS43を省略することができる。
【0076】
次に、制御部13は、記憶部16に交通情報が蓄積されているか否かを判別する(ステップS44)。交通情報が記憶部16に蓄積されていれば(ステップS44;Yes)、ステップS45に進み、交通情報が記憶部16に蓄積されていなければ(ステップS44;No)、交通情報削除処理を終了する。
【0077】
さらに、制御部13は、交通情報に付加されている有効期限と、車載機10の現在の時刻とから、記憶部16に記憶された交通情報が有効期限内であるか否かを判別する(ステップS45)。交通情報が有効期限内であれば(ステップS45;Yes)、制御部13は交通情報削除処理を終了する。一方、交通情報が有効期限外であれば(ステップS45;No)、ステップS46に進む。
【0078】
そして、制御部13は、有効期限外と判別された交通情報を記憶部16から削除する(ステップS46)。
【0079】
なお、ステップS45〜ステップS46の処理は、記憶部16に記憶されたすべての交通情報について行われる。例えば、記憶部16は、交通情報と、この交通情報を受信した時刻とに加えて、この交通情報が交通情報削除処理で削除されるべきものであるか否か(有効なデータであるか否か)を示すフラグを対応づけて記憶する。そして、ステップS45で、制御部13は、有効期限内ではないと判別した交通情報に対応づけられたフラグにこの交通情報が有効ではないことを示す所定値(例えば「1」など)を設定し、有効期限内であると判別した交通情報に対応づけられたフラグにこの交通情報が有効であることを示す所定値(例えば「0」など)を設定する。さらに、ステップS46で、制御部13は、このフラグに有効ではないことを示す所定値が設定された交通情報を削除し、有効であることを示す所定値が設定された交通情報を保持する。
【0080】
このように、本実施形態によれば、車載機10は、所定の有効期限内にある交通情報を保持し、有効期限を過ぎた交通情報を自動的に削除することができる。すなわち、受信した交通情報が大量に存在しても、有効期限の過ぎた古い情報を効率よく削除するように管理することができる。
【0081】
(実施形態4、交通情報削除処理・その2)
次に、本発明のその他の実施形態について説明する。本実施形態は、上述の交通情報削除処理の変形例であり、典型的には上述のステップS34で制御部13が行う処理であるが、この交通情報削除処理を行うタイミングを任意に変更した実施形態を採用することも可能である。本実施形態の交通情報削除処理では、車載機10は、車載機10の位置情報に基づいて交通情報を削除する。なお、本実施形態の車載機10のその他の構成は上述の実施形態と同様であるため、重複する構成については説明を省略する。以下、本実施形態の交通情報削除処理について図9のフローチャートを用いて説明する。
【0082】
まず、制御部13は、GPS受信機11を制御してGPS受信機11を起動し、GPS信号を受信する(ステップS51)。
【0083】
次に、制御部13は、GPS信号を受信したか否かを判別する(ステップS52)。GPS信号を受信していると判別されれば(ステップS52;Yes)、ステップS53に進む。一方、GPS信号を受信していないと判別されれば(ステップS52;No)、交通情報削除処理を終了する。
【0084】
さらに、制御部13は、記憶部16に交通情報が蓄積されているか否かを判別する(ステップS53)。交通情報が記憶部16に蓄積されていれば(ステップS53;Yes)、ステップS54に進み、交通情報が記憶部16に蓄積されていなければ(ステップS53;No)、交通情報削除処理を終了する。
【0085】
そして、制御部13は、記憶部16に記憶された交通情報が示す地域情報(例えば、交通情報の緯度・経度情報など)と、GPS信号に含まれる位置情報(例えば、現在の車載機10の緯度・経度情報)とから、記憶部16に記憶された交通情報が所定の設定エリア内の情報であるか否かを判別する(ステップS54)。交通情報が設定エリア内であれば(ステップS54;Yes)、制御部13は交通情報削除処理を終了する。一方、交通情報が設定エリア外であれば(ステップS54;No)、ステップS55に進む。
【0086】
ここで、所定の設定エリアとは、例えば、車載機10の現在の緯度・経度を中心とした所定の半径の円で示されるエリアである。この設定エリアは、記憶部16に記憶されるプログラムに予め記憶されて初期値が設定されるが、ユーザにより任意に変更して設定され、記憶部16に記憶されてもよい。また、設定エリアは円に限らず任意の形状であってもよい。
【0087】
そして、制御部13は、設定エリア外の交通情報を記憶部16から削除する(ステップS55)。
【0088】
なお、ステップS54〜ステップS55の処理は、記憶部16に記憶されたすべての交通情報について行われる。例えば、記憶部16は、交通情報に加えて、この交通情報が交通情報削除処理で削除されるべきものであるか否か(有効なデータであるか否か)を示すフラグを対応づけて記憶する。そして、ステップS54で、制御部13は、有効期限内ではないと判別した交通情報に対応づけられたフラグにこの交通情報が有効ではないことを示す所定値(例えば「1」など)を設定し、有効期限内であると判別した交通情報に対応づけられたフラグにこの交通情報が有効であることを示す所定値(例えば「0」など)を設定する。さらに、ステップS55で、制御部13は、このフラグに有効ではないことを示す所定値が設定された交通情報を削除し、有効であることを示す所定値が設定された交通情報を保持する。
【0089】
このように、本実施形態によれば、車載機10は、所定の設定エリア内にある交通情報を保持し、設定エリアに該当しない交通情報を自動的に削除することができる。すなわち、受信した交通情報が大量に存在しても、設定エリア外の古い情報を効率よく削除するように管理することができる。
【0090】
本発明は、上述した実施形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。また、上述した実施形態を自由に組み合わせることも可能である。
【0091】
変形例として、制御部13は、GPS受信機11により受信され取得されたGPSデータの取得時刻と位置情報との履歴情報を記憶部16に記憶し、この履歴情報に基づいて車載機10の移動速度を計算し、この計算結果に基づいて設定エリアを変更するようにすることもできる。例えば、車載機10の移動速度がしきい値(例えば80km/h)未満であれば第1の設定エリア(例えば、半径10キロメートルの円など)に設定し、それ以外であれば第2の設定エリア(例えば、半径20キロメートルの円など)に設定する。このようにすれば、車載機10は、移動速度の大きさに基づいて適切な交通情報を保持し、あるいは、不要な交通情報を削除して、効率的に交通情報を管理することができる。
【0092】
また、他の変形例として、制御部13はGPS受信機11により受信され取得されたGPSデータの取得時刻と位置情報との履歴情報を記憶部16に記憶し、この履歴情報に基づいて車載機10の移動方向を計算し、この計算結果に基づいて設定エリアを変更するようにすることもできる。例えば、車載機10の移動方向が所定の方角(例えば、真北を中心に30度以内)であれば第1の設定エリア(例えば、半径10キロメートルの円など)に設定し、それ以外であれば第2の設定エリア(例えば、円の中心を真北よりにずらした半径10キロメートルの円など)に設定する。このようにすれば、車載機10は、移動方向に基づいて適切な交通情報を保持し、あるいは、不要な交通情報を削除して、効率的に交通情報を管理することができる。
【0093】
また、他の変形例として、制御部13は、記憶部16に記憶された交通情報の中でその情報の優先度に基づいて削除するようにすることもできる。例えば、優先度として、交通情報ナンバー、渋滞レベル、障害レベルなどを用いることができる。あるいは、情報管理装置30は交通情報に予め優先度を示す情報を付加して配信し、制御部13は取得した交通情報に対応づけてこの優先度も記憶部16に記憶するようにしてもよい。この場合、上述の交通情報削除処理のステップS45又はステップS54で、制御部13は、所定の優先度以上か否かを判別し、所定の優先度以上であればその交通情報を保持し、それ以外であれば交通情報を削除するように構成すればよい。
【0094】
また、他の変形例として、車載機10は、ユーザにより交通情報ごとに任意に優先度を入力できる入力手段を備え、制御部13はこの設定された優先度を交通情報に対応づけて記憶し、この優先度に基づいて上述の交通情報削除処理を行うように構成することもできる。この場合、上述の交通情報削除処理のステップS45又はステップS54で、制御部13は、所定の優先度以上か否かを判別し、所定の優先度以上であればその交通情報を保持し、それ以外であれば交通情報を削除するように構成すればよい。例えば、有効期限が過ぎてもユーザが保存しておきたい交通情報がある場合、タッチパネルや操作キーなどの入力手段を操作して、その交通情報を削除しないあるいは保持する優先度を高くするように設定することにより、ユーザの意図通りに効率よく交通情報を管理することができる。
【0095】
以上のように、本発明によれば、利用者の嗜好に合わせて迂回路を探索するために好適な道路検索装置、道路検索方法、及び、プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の一実施形態に於けるシステム全体の構成を示す図である。
【図2】車載機の構成を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に於ける交通情報の構成を示す一例である。
【図4】本発明の一実施形態に於けるシステムのシーケンス図である。
【図5】嗜好レベル設定処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】実施形態1の迂回路検索処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】実施形態2の迂回路検索処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】実施形態3の交通情報削除処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】実施形態4の交通情報削除処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0097】
10 車載機
11 GPS受信機
12 GPS入力部
13 制御部
14 通信制御部
15 車載DSRC送受信機
16 記憶部
17 出力制御部
18 出力装置
19 入力部
20 路側DSRC送受信機
30 情報管理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路の交通情報と当該交通情報の優先度とを含む情報を管理する管理装置から、当該情報を取得する取得手段と、
現在地から目的地までの道路の経路を検索するか否かの判断基準を示すパラメータの入力を受け付ける受付手段と、
前記受付手段が受け付けた前記パラメータを記憶する記憶手段と、
前記取得手段により取得された情報に基づいて、現在地から目的地までの道路の経路を検索する検索手段と、
前記取得手段により取得された情報と、前記記憶手段に記憶された前記パラメータとに基づいて、所定の条件を満たす場合に、前記検索手段に経路を検索させる制御を行う制御手段と、
前記検索手段により検索された前記経路を出力する出力手段と
を備えることを特徴とする道路検索装置。
【請求項2】
前記パラメータは、前記交通情報の優先度に対応して、前記検索手段が経路を検索すべきレベルか否かを示す情報を含み、
前記制御手段は、前記取得手段により取得された情報の前記優先度が、前記検索手段により経路を検索すべきレベルである場合に、前記検索手段に経路を検索させるように制御する
ことを特徴とする、請求項1に記載の道路検索装置。
【請求項3】
前記パラメータは、前記検索手段が道路の経路を検索するための検索条件の優先順位を示す情報を含み、
前記検索手段は、前記パラメータに含まれる前記優先順位に基づいて検索条件を決定し、当該検索条件で道路の経路を検索する
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の道路検索装置。
【請求項4】
取得部、受付部、記憶部、検索部、制御部、出力部を有する道路検索装置にて実行される道路検索方法であって、
前記取得部が、道路の交通情報と当該交通情報の優先度とを含む情報を管理する管理装置から、当該情報を取得する取得ステップと、
前記受付部が、現在地から目的地までの道路の経路を検索するか否かの判断基準を示すパラメータの入力を受け付ける受付ステップと、
前記記憶部が、前記受付ステップが受け付けた前記パラメータを記憶する記憶ステップと、
前記検索部が、前記取得ステップにより取得された情報に基づいて、現在地から目的地までの道路の経路を検索する検索ステップと、
前記制御部が、前記取得ステップにより取得された情報と、前記記憶ステップにより記憶された前記パラメータとに基づいて、所定の条件を満たす場合に、前記検索ステップに経路を検索させる制御を行う制御ステップと、
前記出力部が、前記検索ステップにより検索された前記経路を出力する出力ステップと
を備えることを特徴とする道路検索方法。
【請求項5】
コンピュータを、
道路の交通情報と当該交通情報の優先度とを含む情報を管理する管理装置から、当該情報を取得する取得手段、
現在地から目的地までの道路の経路を検索するか否かの判断基準を示すパラメータの入力を受け付ける受付手段、
前記受付手段が受け付けた前記パラメータを記憶する記憶手段、
前記取得手段により取得された情報に基づいて、現在地から目的地までの道路の経路を検索する検索手段、
前記取得手段により取得された情報と、前記記憶手段に記憶された前記パラメータとに基づいて、所定の条件を満たす場合に、前記検索手段に経路を検索させる制御を行う制御手段、
前記検索手段により検索された前記経路を出力する出力手段
として機能させることを特徴とするプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−286019(P2007−286019A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−116959(P2006−116959)
【出願日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】